JP2013180412A - ハニカム成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ハニカム成形体の製造方法であって、ハニカム構造体にマイクロ波を照射して乾燥し、当該ハニカム構造体の含水率を5質量%〜20質量%とする乾燥工程と、その後前記ハニカム構造体にマイクロ波を照射し、当該ハニカム構造体の温度を300度〜1000度にして焼成する焼成工程と、を少なくとも含み、前記乾燥工程と前記焼成工程は、連続して行うことを特徴とするハニカム成形体の製造方法。
【選択図】 図1
Description
押出成形後のハニカム構造体は、含水率が40質量%程度であり、このまま焼成工程を行うと、ハニカム構造体にひびや割れ等が発生してしまう。これを防止するためには、予めハニカム構造体の含水率を10質量%程度へ低下させるべく、乾燥工程が必要となる。
マイクロ波乾燥方法は、自然乾燥方法や調湿乾燥方法と比べて乾燥時間を大幅に短縮することが可能であり、生産効率を向上させることができる。乾燥方法としては、電界分布を均一にした乾燥炉内へ、ハニカム構造体を設置するバッチ式による乾燥方法や、ハニカム構造体を、マイクロ波発生装置を備えるマイクロ波照射槽内へ連続的に通過させて乾燥させる連続式による乾燥方法が知られている(例えば、引用文献1、2等)。
煤などが付着した場合には、ハニカム構造体に付着した煤などを加熱分解により除去しなければならず、ハニカム構造体の焼成そのものは終えていたとしても、煤の除去のために焼成時間を延長しなければならなかった。
そうしたところ、乾燥工程のみならず、焼成工程もマイクロ波を照射することにより行えば、煤等が発生することもないため、煤の除去のために焼成時間を延長する必要は無く、ハニカム構造体の焼成時間を短縮できることがわかった。
更に、乾燥工程と焼成工程を、マイクロ波を照射することにより行うのであれば、これらを連続して行うことにより、ハニカム成形体の製造手順を簡略化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
まず、本発明の製造方法は、ハニカム構造体にマイクロ波を照射して乾燥、焼成する工程を少なくとも含む。そして、乾燥工程と焼成工程は、別々に行うのではなく、連続して行う。これらの工程を連続して行うことにより、ハニカム成形体の製造手順を簡略化することができる。
ここで、ハニカム構造体は、その形状が一定のものではなく、ハニカム面が四角形や五角形、六角形といった多角形形状である多角柱状のものや、ハニカム面が円形状である円柱状のものが挙げられる。
そして、乾燥工程は、乾燥によりハニカム構造体の含水率を、約40質量%から5質量%〜20質量%へ減少させる工程である。含水率が40質量%程度の状態で焼成すると、水分の急激な蒸発等によりハニカム構造体にひびや割れ等が発生してしまうため、予め含水率を低下させてこれを防ぐ必要があるからである。ハニカム構造体の含水率を10質量%程度とすれば、ハニカム構造体の形状や大きさに関わらず、焼成工程においてのひびや割れ等を防止することができる。
次に、焼成工程は、乾燥工程後のハニカム構造体の温度を300度〜1000度にして焼成する工程である。この工程により、隣り合うセラミックス原料の粒子が徐々に接着し、粒子間の隙間が小さくなることで、強度のあるハニカム成形体となる。焼成工程全体としては、10時間程度を要し、この時間内で300度〜900度の間の温度、好ましくは500±50度の温度を、1時間〜5時間、好ましくは2時間〜3時間保持することにより、ハニカム成形体の十分な強度を確保することができる。
なお、マイクロ波は、周波数が300MHz〜30GHz(波長1cm〜1m)の電波の総称であり、ハニカム構造体に照射するマイクロ波はこの範囲の周波数のものを用いることができる。一般的には、周波数が2450MHz前後のマイクロ波を用い、この場合のマイクロ波の波長(λ)は、約120mmである。
ここで、当該連続式のマイクロ波照射装置は、マイクロ波を発生しハニカム構造体に照射して乾燥するマイクロ波発生装置を備える乾燥用マイクロ波照射槽と、マイクロ波を発生しハニカム構造体に照射して焼成するマイクロ波発生装置を備える焼成用マイクロ波照射槽と、電磁波シャッターを備えた乾燥用マイクロ波照射槽入口と、電磁波シャッターを備えた焼成用マイクロ波照射槽出口と、ハニカム構造体を載置して乾燥用マイクロ波照射槽入口、乾燥用マイクロ波照射槽内、焼成用マイクロ波照射槽内、および焼成用マイクロ波照射槽出口を順次搬送する搬送装置と、を少なくとも備える。
このような連続式のマイクロ波照射装置であれば、ハニカム構造体を搬送装置へ順次載置することにより、ハニカム構造体は乾燥用マイクロ波照射槽入口から乾燥用マイクロ波照射槽内へ搬送されて乾燥され、続いて焼成用マイクロ波照射槽内へ搬送されて焼成されるため、その後焼成用マイクロ波照射槽出口へ搬送された焼成後のハニカム構造体を取り出すことで、連続的な乾燥、焼成処理が可能となる。
このように乾燥工程と焼成工程とで搬送装置を分けることにより、マイクロ波の照射条件等に応じて乾燥工程におけるハニカム構造体の搬送速度と、焼成工程における搬送速度と、を一定とすることや変えることができ、汎用性が高くなる。
また、乾燥工程のみ行っている場合には焼成用搬送装置を停止させておくことができ、焼成工程のみ行っている場合には乾燥用搬送装置を停止させておくことができるため、電力コストが削減できる。
ハニカム構造体の搬送速度を一定とすることで、乾燥工程の開始から焼成工程の終了までが一定時間となるため、前工程である押出成形工程や、後工程であるハニカム構造体の断面切断工程等を含めた全工程による製造計画を立てやすくなる。搬送速度は、0.1m/分〜3.0m/分であることが好ましい。0.1m/分よりも遅いと製造効率が悪く、また、3.0m/分よりも速いと、ハニカム構造体を搬送装置へ載置する工程や、搬送装置からハニカム構造体を取出す工程が困難となる。
乾燥工程のマイクロ波の出力密度は、ハニカム構造体1体あたり0.01kW/kg〜1kW/kgの範囲とすれば、ハニカム構造体の含水率を5質量%〜20質量%とすることができる。出力密度を0.1kW/kg〜1kW/kgの範囲であれば、ハニカム構造体の含水率を10質量%程度とすることができるため、より好ましい。
また、焼成工程のマイクロ波の出力密度は、ハニカム構造体1体あたり0.1kW/kg〜1kW/kgとすれば、ハニカム構造体の温度を200度〜1000度にして焼成することができる。出力密度を0.3kW/kg以上とすれば、ハニカム構造体の温度を500度以上とすることができるため、より好ましい。
なお、乾燥工程ならびに焼成工程において、マイクロ波発生装置のマイクロ波照射出力をそれぞれ制御することにより、出力密度を上記範囲に調整することができる。
乾燥工程よりも焼成工程のハニカム構造体の搬送速度を遅くして、乾燥工程よりも時間をかけて焼成すれば、焼成工程におけるマイクロ波の照射出力を低減させることが可能となり、製造コストを削減することができる。
乾燥工程におけるハニカム構造体の搬送速度が0.1m/分よりも遅いと、製造効率が悪く妥当ではない。また、3.0m/分よりも速いと、ハニカム構造体を搬送装置へ載置する工程が困難となる。乾燥工程では、ハニカム構造体の搬送速度を0.1m/分〜3.0m/分とすることにより、製造効率や前工程等も考慮した上で良好に乾燥することができる。
また、焼成工程におけるハニカム構造体の搬送速度が0.01m/分よりも遅いと、製造効率が悪く妥当ではない。また、1.0m/分よりも速いと、マイクロ波の照射出力量を上げる必要が出てくるため、製造コストの削減効果が薄れてしまう。焼成工程では、ハニカム構造体の搬送速度を0.01m/分〜1.0m/分とすることにより、製造効率と製造コストを考慮した上で良好に焼成することができる。
乾燥工程のマイクロ波の出力密度は、ハニカム構造体1体あたり0.01kW/kg〜1kW/kgの範囲とすれば、ハニカム構造体の含水率を5質量%〜20質量%とすることができる。出力密度を0.1kW/kg〜1kW/kgの範囲であれば、ハニカム構造体の含水率を10質量%程度とすることができるため、より好ましい。
また、焼成工程のマイクロ波の出力密度は、ハニカム構造体1体あたり0.1kW/kg〜1kW/kgとすれば、ハニカム構造体の温度を300度〜1000度にして焼成することができる。出力密度を0.3kW/kg以上とすれば、ハニカム構造体の温度を500度以上とすることができるため、より好ましい。
なお、乾燥工程ならびに焼成工程において、マイクロ波発生装置のマイクロ波照射出力をそれぞれ制御することにより、出力密度を上記範囲に調整することができる。
上記間隔がマイクロ波の波長の2倍よりも短い場合、マイクロ波の照射にムラが生じたり、照射を飛ばされてしまうハニカム構造体が現れてしまう。また、上記間隔が長すぎても乾燥や焼成そのものに影響することはないが、乾燥効率や焼成効率が低下してしまうことから、マイクロ波の波長の4倍程度の間隔をおよその上限として、ハニカム構造体を乾燥、焼成させることができる。
ハニカム構造体は、搬送装置に直列に載置する。搬送装置に、搬送装置と平行する方向に一列に載置するのであり、2列以上の並列で載置する方法については、以下に説明する。
なお、マイクロ波の照射源となるマイクロ波発生装置と、ハニカム構造体との距離は、マイクロ波の波長の2倍〜10倍であることが好ましい。当該距離が2倍よりも短いと、近接電界が発生し、ハニカム構造体の1箇所のみにマイクロ波が集中して乾燥ムラや焼成ムラが生じるおそれがある。また、当該距離が10倍よりも長いと、多重反射の影響が大きくなり、乾燥ムラや焼成ムラの原因となるおそれがある。上記2倍〜10倍の範囲内の距離であれば、このような乾燥ムラや焼成ムラのおそれがなく、ハニカム構造体を良好に乾燥、焼成することができる。
並列で載置する場合には、並列で隣り合うハニカム構造体の間隔は、マイクロ波の波長(λ)の2倍以上となるように載置する。間隔をマイクロ波の波長の2倍以上空けることで、並列に隣り合うハニカム構造体の含水率が異なる場合であっても、マイクロ波は均等にムラなく照射される。また、ハニカム構造体が照射を飛ばされてしまうこともなくなるため、結果としていずれのハニカム構造体も均一に乾燥、焼成することができる。
上記間隔がマイクロ波の波長の2倍よりも短い場合、マイクロ波の照射にムラが生じたり、照射を飛ばされてしまうハニカム構造体が現れてしまう。また、上記間隔が長すぎても乾燥や焼成そのものに影響することはないが、乾燥効率や焼成効率が低下してしまうことから、マイクロ波の波長の4倍程度の間隔をおよその上限として、ハニカム構造体を乾燥、焼成させることができる。
乾燥用および焼成用のマイクロ波照射槽の天井部にマイクロ波発生装置を設置し、かつ、ハニカム構造体のセルの軸方向を水平方向として搬送装置に載置することにより、ハニカム側面へのマイクロ波の入射密度がハニカム面への入射密度よりも高くすることができる。ハニカム面よりもハニカム側面の方が、照射を受ける面積が大きいことから、ハニカム側面への入射密度を高くすることにより、乾燥や焼成を促進することができる。
搬送方向に対するハニカム構造体のセルの軸方向に傾斜角をつけるのは、進行方向に対してハニカム構造体を斜めに載置して、ハニカム構造体全体へ一度にマイクロ波が照射されないよう、ハニカム構造体の端からマイクロ波が照射されるようにするためである。
ハニカム構造体が水分量の分布に若干の偏りがある場合に、ハニカム構造体の全体へ一度にマイクロ波が照射されてしまうと、水分量の多い部分にマイクロ波が集中して照射されてしまい、乾燥ムラや焼成ムラ、白化、ひびや割れ等の原因となるおそれがあるからである。ハニカム構造体の端から全体へと徐々にマイクロ波を照射すれば、乾燥も端から進むため、乾燥ムラや焼成ムラ等が生じることなく、良好に乾燥することができる。
傾斜角を35度〜75度とするのは、この範囲内であると乾燥ムラや焼成ムラをより効果的に防止することができるためである。傾斜角がこの範囲を超えた場合でも、防止効果は弱まるものの、均一に乾燥、焼成させることは可能である。
また、前列のハニカム構造体の側面等の端と、前記前列に続いて載置されたハニカム構造体の側面等の端の距離がマイクロ波の波長の2倍以上となるように載置するのは、ハニカム構造体の間隔を、このようにマイクロ波の波長の2倍以上空けることで、隣り合うハニカム構造体の含水率が異なる場合であっても、マイクロ波は均等にムラなく照射される。また、ハニカム構造体が照射を飛ばされてしまうこともなくなるため、結果としていずれのハニカム構造体も均一に乾燥、焼成することができる。
また、マイクロ波が常にいずれかのハニカム構造体に照射されるため、照射に無駄が生じることがなく、結果として照射出力を低減することができる。
汎用的なハニカム成形体を大量に製造する場合には、連続式のマイクロ波照射装置を用いた方が製造効率や製造コスト等の点で優れている。ただし、受注生産や特注品である等の理由により、少数のハニカム構造体を製造する場合には、バッチ式のマイクロ波照射装置を用いた方が、製造効率や製造コスト等の点で、連続式のマイクロ波照射装置を用いた場合よりも有利となる場合がある。
乾燥工程と焼成工程は、同一のバッチ式のマイクロ波照射装置を用いて連続して行うことにより、乾燥工程から焼成工程へ移る際の手間や時間を省くことができる。また、上記のバッチ式の照射装置であれば、ハニカム構造体を回転させることができるため、マイクロ波を均一に照射することが可能であり、照射が偏ることによるハニカム構造体の局部的な乾燥や焼け過ぎを防止することができる。
乾燥工程のマイクロ波の出力密度は、ハニカム構造体1体あたり0.01kW/kg〜1kW/kgの範囲とすれば、ハニカム構造体の含水率を5質量%〜20質量%とすることができる。出力密度を0.1kW/kg〜1kW/kgの範囲であれば、ハニカム構造体の含水率を10質量%程度とすることができるため、より好ましい。
また、焼成工程のマイクロ波の出力密度は、ハニカム構造体1体あたり0.1kW/kg〜1kW/kgとすれば、ハニカム構造体の温度を300度〜1000度にして焼成することができる。出力密度を0.3kW/kg以上とすれば、ハニカム構造体の温度を500度以上とすることができるため、より好ましい。
なお、乾燥工程ならびに焼成工程において、マイクロ波発生装置のマイクロ波照射出力をそれぞれ制御することにより、出力密度を上記範囲に調整することができる。
また、上記多角形形状のハニカム構造体において、ハニカム面の対角線のうち少なくとも1つの長さ、多角形の辺の長さ、または、ハニカム構造体の高さのいずれかが、マイクロ波の波長の0.5倍以上である場合には、乾燥工程においてハニカム構造体に白化等が発生することがあるため、これらの白化の発生を予め防止するべく、被覆材を被覆することができる。なお、対角線は、多角形上のことなる2つの頂点同士を結ぶ線分のうち辺を除く線分のことであり、三角形以外の多角形は全て2本以上の対角線を持つ。
被覆工程では、ハニカム構造体の表面のうち、少なくとも隅角部および各辺に被覆材を被覆する。隅角部や各辺はマイクロ波が集中しやすいため、こういった部分を被覆すれば、マイクロ波照射による乾燥や焼成を行っても、当該部分の白化やひび、割れ等の発生を防止することが出来る。
被覆材で被覆する場合、被覆間隔は、マイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さであることが好ましい。ハニカム構造体のうち、ハニカム面の対角線のうち少なくとも1つの長さ、多角形の辺の長さ、または、ハニカム構造体の高さのいずれかが、マイクロ波の波長の0.5倍以上である場合には、当該0.5倍以上の幅等があるハニカム面や側面に、乾燥工程や焼成工程によりひびや割れ等が発生しやすく、これらの発生を防止することができるからである。例えば、ハニカム構造体の高さがマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さである場合には、ハニカム側面のうち隅角部と各辺を被覆材で被覆することにより、白化、ひびや割れ等を防止することができる。また、ハニカム構造体の高さがマイクロ波の波長の2倍以上の長さである場合には、ハニカム側面のうち隅角部と各辺を被覆材で被覆するのみでは、ハニカム側面にひびや割れ等が発生するおそれがあるため、隅角部と各辺に加え、各辺からマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の距離にあるハニカム側面にも被覆材を被覆することが好ましい。
また、上記円柱状のハニカム構造体において、円形状のハニカム面の直径、または、ハニカム構造体の高さのいずれかが、マイクロ波の波長の0.5倍以上である場合には、乾燥工程においてハニカム構造体に白化等が発生することがあるため、これらの白化やひび、割れ等の発生を予め防止するべく、被覆材を被覆することができる。
被覆工程では、ハニカム構造体の表面の少なくとも円柱端部に、被覆材を被覆する。円柱端部は、ハニカム面とハニカム側面とが接するところであり、マイクロ波が集中しやすい部分である。この円柱端部を被覆すれば、マイクロ波照射による乾燥や焼成を行っても、当該部分の白化やひび、割れ等の発生を防止することが出来る。
被覆材で被覆する場合、被覆間隔は、マイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さであることが好ましい。ハニカム構造体のうち、ハニカム面の直径、または、ハニカム構造体の高さのいずれかが、マイクロ波の波長の0.5倍以上である場合には、当該0.5倍以上の幅等があるハニカム面や側面に、乾燥工程や焼成工程によりひびや割れ等が発生しやすく、これらの発生を防止することができるからである。例えば、ハニカム面の直径がマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さである場合には、ハニカム構造体の円柱端部を被覆材で被覆することにより、白化、ひびや割れ等を防止することができる。また、ハニカム面の直径がマイクロ波の波長の2倍以上の長さである場合には、ハニカム構造体の円柱端部を被覆材で被覆するのみでは、ハニカム面に発生するひびや割れ等が発生するおそれがあるため、円柱端部に加え、円柱端部からマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の距離にあるハニカム面およびハニカム側面に被覆材を被覆することが好ましい。すなわちこの場合には、ハニカム面へ太陽十字形に被覆材を被覆すると共に、ハニカム構造体上部のハニカム面と下部のハニカム面に被覆された十字形の被覆材をつなぐように、ハニカム側面に被覆材が被覆されることとなる。
また、焼成工程に耐えうる融点の高い金属材料を被覆材として用いることで、被覆材を除去する工程を省略することが可能である。
次に、このような連続照射装置を用いて乾燥工程および焼成工程を行う場合について説明する。ハニカム構造体8は、搬送装置であるコンベア9に載置され、照射槽入口4からマイクロ波照射槽2aの内部へ送り込まれる。そして、マイクロ波発生装置3aによりハニカム構造体8にマイクロ波が照射され、乾燥したら照射槽出入口6を介してマイクロ波照射槽2bの内部へ送り込まれる。マイクロ波照射槽2bの内部では、マイクロ波発生装置3bによりハニカム構造体8にマイクロ波が照射されて焼成され、焼成後にマイクロ波照射槽2bから照射槽出口5を介して外部へ送り出される。
かかる連続照射装置を用いた工程について説明する。コンベア9aに載置されたハニカム構造体8は、マイクロ波照射槽2a内で乾燥され、さらに照射槽出入口6でコンベア9bに載置されてマイクロ波照射槽2b内で焼成され、照射槽出口5を介して外部へ送り出される。
ハニカム面が多角形形状である多角柱状またはハニカム面が円形状である円柱状であって、ハニカム構造体のセルの軸方向の長さが、マイクロ波の波長の0.5倍よりも短い小型のハニカム構造体である場合には、自重によりハニカム構造体が変形するおそれがないため、用いることのできる方法である。ハニカム構造体のセルの軸方向が上下方向となるように載置することで、揮発した水分がハニカム構造体内部から外部へと抜けやすくなるため、乾燥時間を短縮することができる。
そして、複数のハニカム構造体は、前列のハニカム構造体の側面等の端と、前記前列に続いて載置されたハニカム構造体の側面等の端の距離がマイクロ波の波長の2倍以上であるように、載置している。すなわち、複数のハニカム構造体は、搬送方向10と平行する方向の間隔12がマイクロ波の波長の2倍以上である(図6(b))。
ハニカム構造体8は、ハニカム面の各辺の長さおよびハニカム構造体の高さがマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さであり、そのため、ハニカム構造体8のうち隅角部8bと各辺8cを被覆材で保護すれば、マイクロ波を照射して乾燥することによる白化、ひびや割れ等を防止することができる。
ここで、アルミ板の幅は、一律にマイクロ波の波長の0.25倍とすることで、ハニカム構造体を良好に乾燥させることができる。更には、ハニカム構造体の長手方向のアルミ板のみ、その幅A’をマイクロ波の波長の0.4倍とすることにより、ハニカム構造体が均一に乾燥される。このように、被覆幅の基準をマイクロ波の波長の0.2倍とし、ハニカム構造体の形状や大きさに応じて適宜被覆幅を調整することで、ハニカム構造体を更に効率良く乾燥させることができる。
ハニカム構造体8は、ハニカム面の直径およびハニカム構造体の高さがマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さであり、そのため、ハニカム構造体8のうち円柱端部19を被覆材で保護すれば、マイクロ波を照射して乾燥することによる白化、ひびや割れ等を防止することができる。
[ハニカム構造体m]
タルク、カオリン、アルミナ、酸化チタン及びシリカ等の混合物、バインダー、水、および添加剤等を混練して均一な坏土状としたものを、押出成形することにより、ハニカム面の縦50mm、ハニカム面の横50mm、高さ50mm、壁厚1mm、セル数484個(縦方向:22個、横方向:22個)の四角柱状の小型のハニカム構造体m(含水率:40質量%)を作成した。
ハニカム構造体1の作成方法と同様に坏土状としたものを、押出成形して、ハニカム面の縦150mm、ハニカム面の横150mm、高さ200mm、壁厚1mm、セル数484個(縦方向:22個、横方向:22個)の四角柱状のハニカム構造体nを作成した。
作成したハニカム構造体m、nを用いて、以下の乾燥処理を行った。
[実施例1]
ハニカム構造体mについて、図1に示す連続照射装置を用いて、マイクロ波を連続的に照射し、乾燥工程ならびに焼成工程を行った。
マイクロ波照射装置の仕様は、マイクロ波発生装置3aの照射出力:1.5kW(連続可変)、周波数:2450±30MHz、電源入力:三相交流、200Vであり、マイクロ波発生装置3bの照射出力:1.5kW(連続可変)、周波数:2450±30MHz、電源入力:三相交流、200Vである。また、マイクロ波発生装置3a、3bと、ハニカム構造体8との距離は、最短距離として、マイクロ波の波長の4倍とした。
マイクロ波照射槽2a、2bの仕様は、共に、内寸:600W×700H×1200L(mm)、内炉材質:SUS304である。
コンベア9は、乾燥工程開始時にハニカム構造体mがマイクロ波照射槽2aへ入り、乾燥工程終了後、照射槽出入口6を介して焼成工程開始時にマイクロ波照射槽2bへ入り、焼成工程終了後にマイクロ波照射槽2bから出るように、搬送速度が0.5m/分で一定となるよう調整した。マイクロ波の照射時間は、ハニカム構造体1体あたり乾燥工程で1時間、焼成工程で5時間とした。
乾燥工程のマイクロ波の出力密度は、ハニカム構造体1体あたり0.05kW/kgとし、焼成工程のマイクロ波の出力密度は、ハニカム構造体1体あたり0.3kW/kgとした。このように出力密度を調整することで、乾燥処理後のハニカム構造体mの含水率を10質量%とし、焼成工程におけるハニカム構造体の温度を500度とした。
なお、乾燥工程後のハニカム構造体mの含水率は、ハニカム構造体mが照射槽出入口6を通過中に、水分量測定用マイクロ波発振器を用い、乾燥用のマイクロ波と同じ周波数帯のマイクロ波を出力20mWにてハニカム構造体mに照射して、ハニカム構造体mから反射されたマイクロ波を測定することにより行った。乾燥工程ならびに焼成工程は、ハニカム構造体1体ずつ合計20体実施した。
ハニカム構造体mについて、図2に示す連続照射装置を用いて、マイクロ波を連続的に照射した。
マイクロ波照射装置の仕様は、マイクロ波発生装置3aの照射出力:1.5kW(連続可変)、周波数:2450±30MHz、電源入力:三相交流、200Vであり、マイクロ波発生装置3bの照射出力:1.5kW(連続可変)、周波数:2450±30MHz、電源入力:三相交流、200Vである。また、マイクロ波発生装置3a、3bと、ハニカム構造体8との距離は、最短距離として、マイクロ波の波長の4倍とした。
マイクロ波照射槽2a、2bの仕様は、共に、内寸:600W×700H×1200L(mm)、内炉材質:SUS304である。
コンベア9a、9bは、乾燥工程開始時にハニカム構造体mがマイクロ波照射槽2aへ入り、乾燥工程終了後、照射槽出入口6を介して焼成工程開始時にマイクロ波照射槽2bへ入り、焼成工程終了後にマイクロ波照射槽2bから出るように調整した。コンベア9aによるハニカム構造体mの搬送速度は、0.5m/分とし、コンベア9bによるハニカム構造体mの搬送速度は、1.0m/分とした。マイクロ波の照射時間は、ハニカム構造体1体あたり乾燥工程で1時間、焼成工程で5時間とした。
乾燥工程のマイクロ波の出力密度は、ハニカム構造体1体あたり0.05kW/kgとし、焼成工程のマイクロ波の出力密度は、ハニカム構造体1体あたり0.3kW/kgとした。このように出力密度を調整することで、乾燥処理後のハニカム構造体mの含水率を10質量%とし、焼成工程におけるハニカム構造体の温度を500度とした。
なお、乾燥工程後のハニカム構造体mの含水率は、実施例1と同様に、水分量測定用マイクロ波発振器を用いて測定した。乾燥工程ならびに焼成工程は、ハニカム構造体1体ずつ合計20体実施した。
ハニカム構造体nの隅角部および各辺を保護するため、厚み0.1mm、幅A(図3)が30mmのステンレス板(SUS304)を被覆材として被覆した(図3)。そのうえで、マイクロ波の照射時間は、ハニカム構造体1体あたり乾燥工程で1時間、焼成工程で10時間とした他は、実施例1と同様の条件により、マイクロ波を連続的に照射し、乾燥工程ならびに焼成工程を行った。
乾燥処理後のハニカム構造体mの含水率が20質量%となったところで焼成工程へ移った他は、実施例3と同様の条件により、ハニカム構造体mに被覆材を被覆して、乾燥工程ならびに焼成工程を行った。乾燥工程ならびに焼成工程は、ハニカム構造体1体ずつ合計20体実施した。
ハニカム構造体mに被覆材を被覆しない他は、含水率が20質量%となったところで焼成工程へ移る実施例4と同様の条件により、乾燥工程ならびに焼成工程を行った。
ハニカム構造体mを10体使用し、複数のハニカム構造体の間隔が与える乾燥、焼成への影響について検証した。
複数のハニカム構造体mの載置は、図3(a)に示すように、コンベア9の進行方向(搬送方向)10に対してハニカム構造体mのセル軸方向11が垂直となるように、また、ハニカム面8aがコンベア9の進行方向10に対して垂直方向を向き、セル軸方向11は、水平方向とした。ハニカム構造体mは、搬送方向10と平行する方向の間隔12をマイクロ波の波長の2倍とした。
その他は、実施例1と同様の方法により、乾燥、焼成工程を実施した。
ハニカム構造体mを10体使用し、その載置は、図4に示すように、コンベア9の進行方向10に対してハニカム構造体mのセル軸方向11が平行となるように、また、ハニカム面8aがコンベア9の進行方向10に対して平行方向を向き、セル軸方向11は、水平方向とした。ハニカム構造体mは、搬送方向10と平行する方向の間隔12をマイクロ波の波長の2倍とした。
その他は、実施例6と同様の方法により、乾燥、焼成工程を実施した。
ハニカム構造体mを10体使用し、その載置は、セルの軸方向を水平とし、図4と同様に、コンベア9の進行方向10に対してハニカム構造体mのセル軸方向11が平行となるように、また、搬送方向10と平行する方向の間隔12がマイクロ波の波長の2倍以上となるようにした。さらに、図5に示すように、コンベア9へハニカム構造体mが2列となるように並列に載置し、搬送方向10と直交する方向の間隔13はマイクロ波の波長の2倍とした。
その他は、実施例7と同様の方法により、乾燥、焼成工程を実施した。
ハニカム構造体nの隅角部および各辺を保護するため、厚み0.1mm、幅A(図8)が30mmのステンレス板(SUS304)を被覆材として被覆した(図8)。
このように被覆材を被覆したハニカム構造体m(10体)を乾燥、焼成対象とし、これらの載置は、セルの軸方向を水平とし、図6に示すように、搬送方向10に対するセルの軸方向を傾斜させ、その傾斜角14を60度とした(図6(a))。そして、搬送方向10と平行する方向の間隔12をマイクロ波の波長の2倍とした(図6(b))。マイクロ波の照射時間は、ハニカム構造体1体あたり乾燥工程で1時間、焼成工程で10時間とした。
その他は、実施例1と同様の方法により、乾燥、焼成工程を実施した。
ハニカム構造体mについて、図13に示す連続乾燥処理装置20を用いて、マイクロ波を連続的に照射し、乾燥処理を行った。
連続乾燥処理装置20の仕様は、マイクロ波発生装置21の出力:1kW(連続可変)、周波数:2450±30MHz、電源入力:三相交流、200Vであり、マイクロ波照射槽22の仕様は、内寸:600W×700H×1200L(mm)、内炉材質:SUS304である。また、マイクロ波照射槽22の前後には、それぞれ電磁波シャッター23を備えた照射槽入口24、照射槽出口25が設置されている。
コンベア26は、乾燥処理開始時にハニカム構造体mがマイクロ波照射槽へ入り、乾燥処理終了時にマイクロ波照射槽から出るように速度を調整した。マイクロ波の照射時間は、1体あたり1時間とした。乾燥工程は、ハニカム構造体1体ずつ合計20体実施した。
乾燥処理後、ハニカム構造体mを運搬可能な温度(約40度)となるまで室温で冷却し、焼成炉へ移動して焼成処理を行った。
焼成は、ハニカム構造体を1体づつ燃焼バーナで加熱し、ハニカム構造体の温度が200度〜500度となる条件により、100時間実施した。
ハニカム構造体m(20体)を乾燥、焼成対象とし、その載置について、搬送方向10と平行する方向の間隔12をマイクロ波の波長の1倍とする他は、実施例5と同様の方法により、乾燥、焼成工程を実施した。
実施例1〜3の製造方法によれば、乾燥工程と焼成工程とを連続して実施したことにより、比較例1のように乾燥工程と焼成工程との間で行うハニカム構造体の冷却や移動を省略することが可能となり、ハニカム構造体の温度が500度付近となる条件を少なくとも3時間保持することにより、焼成を完了できる。製造手順が簡略化した結果、製造効率が向上した。
さらに、実施例2では、20体全てのハニカム構造体の乾燥工程が終了した後は、コンベア9aを停止することが出来たため、電力コストを削減することができた。
また、ハニカム構造体に被覆材を被覆して乾燥、焼成しても良好に製造することができた(実施例3)。
一方、比較例1の製造方法では、乾燥工程と焼成工程との間でハニカム構造体の冷却や移動を行わなければならなかった。更に、焼成工程ではバーナー加熱用の燃料が煤となってハニカム構造体の内部や表面へ付着したため、これらの煤を分解するために焼成工程を延長しなければならなかった。これらのことが要因となり、ハニカム成形体とするまでの製造時間が長くかかった。
実施例1、2では、乾燥工程に1時間、焼成工程に5時間要し、併せて6時間の乾燥、焼成工程により、ハニカム成形体を製造することができた。また、実施例3では乾燥工程に1時間、焼成工程に10時間要し併せて11時間の乾燥、焼成工程により、ハニカム成形体を製造することができた。一方、比較例1では、乾燥工程に1時間、焼成工程は100時間要した。これらの結果から、本発明の製造方法により、ハニカム成形体の製造時間が大幅に短縮できることを確認した。
一方、被覆材を被覆しなかった実施例5では、製造したハニカム成形体20体のうち、4体については、ひびや割れ等の異常が認められたものの、16体については良好に製造することが出来た。20体中16体は良好であったため、歩留まりは80%であり、製造効率の観点から問題なく実施できる態様である。
実施例4、5の結果から、含水率20質量%のハニカム構造体を焼成する場合には、被覆材を被覆することにより、白化やひび、割れ等の発生を防止することができることを確認した。
図14は、実施例6の乾燥工程後の、10体のハニカム構造体mについて、含水率を測定した結果である。含水率は、ハニカム構造体の質量変化を測定することにより算出した。図14の縦軸は含水率を表し、横軸はハニカム構造体の処理順序を示したものである。
結果として、実施例6のハニカム構造体は、ハニカム構造体同士の間隔をマイクロ波の波長の2倍とすることにより、含水率が10質量%前後となり、良好に乾燥することができた。
他の実施例7〜実施例9についても、実施例6と同様に、含水率が10質量%前後となり、良好に乾燥することができた。
比較例2では、ハニカム構造体同士の間隔が狭すぎたために、マイクロ波が十分に照射されず、乾燥の不十分なハニカム構造体がみられた。また、乾燥の不十分なハニカム構造体が、十分に乾燥されたハニカム構造体と交互に現れる傾向がみとめられた。この傾向は、マイクロ波が、ハニカム構造体を1つ飛ばして、次に載置されたハニカム構造体を照射したことによるものであると考えられる。
図15のうち、含水率が10質量%前後のハニカム構造体は、良好に焼成することができ、白化等の異常は認められなかった。しかしながら、乾燥不良により含水率が25質量%以上のハニカム構造体は、焼成によりひびや割れ等が認められ、焼成不良となった。
[実施例10]
ハニカム構造体mを、1体ずつバッチ式のマイクロ波照射装置へ均一に乾燥できるように20体設置し、マイクロ波を連続的に照射して含水率が10質量%となるまで乾燥させた。
バッチ式の乾燥装置としては、マイクロ波発生装置と、ハニカム構造体を載置して回転駆動する回転体を備えるマイクロ波照射槽を備えるものを使用した。
ハニカム構造体mの水分量測定は、マイクロ波発振器を用い、乾燥用のマイクロ波と同じ周波数帯のマイクロ波を出力20mWにてハニカム構造体mに照射して、ハニカム構造体mから反射されたマイクロ波を測定することにより行った。
ハニカム構造体mを乾燥後、マイクロ波の照射条件を変更することにより、同一のマイクロ波照射装置を用いて、そのままハニカム構造体mを焼成した。
乾燥工程のマイクロ波の出力密度は、ハニカム構造体1体あたり0.02kW/kgとし、焼成工程のマイクロ波の出力密度は、ハニカム構造体1体あたり0.3kW/kgとした。このように出力密度を調整することで、乾燥処理後のハニカム構造体mの含水率を10質量%とし、焼成工程におけるハニカム構造体の温度を500度とした。
マイクロ波照射装置の仕様は、周波数:2450±30MHz、電源入力:三相交流、200Vであり、マイクロ波照射槽の仕様は、内寸:600W×700H×1200L(mm)、内炉材質:SUS304である。
乾燥工程については、実施例10と同様に、ハニカム構造体mをバッチ式の乾燥装置へ設置し、含水率が10質量%となるまで乾燥させた。
乾燥処理後、ハニカム構造体mを運搬可能な温度(約40度)となるまで室温で冷却し、焼成炉へ移動して焼成処理を行った。
焼成では、ハニカム構造体1体づつをバッチ処理とし、燃焼バーナでハニカム構造体の温度が200度〜500度となる条件を100時間保持した。
実施例10の製造方法によれば、乾燥工程と焼成工程とを連続して実施したことにより、比較例2のように乾燥工程と焼成工程との間で行うハニカム構造体の冷却や移動を省略することが可能となり、製造手順が簡略化した結果、製造効率が向上した。
一方、比較例3の製造方法では、乾燥工程と焼成工程との間でハニカム構造体の冷却や移動を行わなければならなかった。更に、焼成工程ではバーナー加熱用の燃料が煤となってハニカム構造体の内部や表面へ付着したため、これらの煤を分解するために焼成工程を延長しなければならなかった。これらのことが要因となり、ハニカム成形体とするまでの製造時間が長くかかった。
実施例10では、乾燥工程に5時間、焼成工程に5時間要し、併せて10時間の乾燥、焼成工程により、ハニカム成形体を製造することができた。一方、比較例3では、乾燥工程に5時間、焼成工程は100時間要した。これらの結果から、本発明の製造方法により、ハニカム成形体の製造時間が大幅に短縮できることを確認した。
2a マイクロ波照射槽
2b マイクロ波照射槽
3a マイクロ波発生装置
3b マイクロ波発生装置
4 照射槽入口
5 照射槽出口
6 照射槽出入口
7 電磁波シャッター
8 ハニカム構造体
8a ハニカム面
8b 隅角部
8c 辺
9 コンベア
9a コンベア
9b コンベア
10 進行方向
11 セル軸方向
12 間隔
13 間隔
14 傾斜角
15 間隔
16 アルミ板(被覆材)
17 サセプタ
18 ボルト
19 円柱端部
20 連続乾燥処理装置
21 マイクロ波発生装置
22 マイクロ波照射槽
23 電磁波シャッター
24 照射槽入口
25 照射槽出口
26 コンベア
A アルミテープの幅
A’ アルミテープの幅
Claims (11)
- ハニカム成形体の製造方法であって、
ハニカム構造体にマイクロ波を照射して乾燥し、当該ハニカム構造体の含水率を5質量%〜20質量%とする乾燥工程と、
その後前記ハニカム構造体にマイクロ波を照射し、当該ハニカム構造体の温度を300度〜1000度にして焼成する焼成工程と、
を少なくとも含み、
前記乾燥工程と前記焼成工程は、連続して行うことを特徴とするハニカム成形体の製造方法。 - 前記乾燥工程と前記焼成工程は、連続式のマイクロ波照射装置を用いて前記ハニカム構造体にマイクロ波を照射する工程を含み、
当該連続式のマイクロ波照射装置は、マイクロ波を発生し前記ハニカム構造体に照射して乾燥するマイクロ波発生装置を備える乾燥用マイクロ波照射槽と、
マイクロ波を発生し前記ハニカム構造体に照射して焼成するマイクロ波発生装置を備える焼成用マイクロ波照射槽と、
電磁波シャッターを備えた乾燥用マイクロ波照射槽入口と、
電磁波シャッターを備えた焼成用マイクロ波照射槽出口と、
前記ハニカム構造体を載置して前記乾燥用マイクロ波照射槽入口、前記乾燥用マイクロ波照射槽内、前記焼成用マイクロ波照射槽内、および前記焼成用マイクロ波照射槽出口を順次搬送する搬送装置と、
を少なくとも備える請求項1記載のハニカム成形体の製造方法。 - 前記搬送装置は、少なくとも前記ハニカム構造体を載置して前記乾燥用マイクロ波照射槽入口および前記乾燥用マイクロ波照射槽内を搬送する乾燥用搬送装置と、
前記ハニカム構造体を載置して前記焼成用マイクロ波照射槽内および前記焼成用マイクロ波照射槽出口を搬送する焼成用搬送装置と、
からなる請求項2記載のハニカム成形体の製造方法。 - 前記搬送装置による前記ハニカム構造体の搬送速度を一定とし、
前記乾燥工程のマイクロ波の出力密度は、前記ハニカム構造体1体あたり0.01kW/kg〜1kW/kgとし、
前記焼成工程のマイクロ波の出力密度は、前記ハニカム構造体1体あたり0.1kW/kg〜1kW/kgとする請求項2または請求項3記載のハニカム成形体の製造方法。 - 前記乾燥用搬送装置による前記ハニカム構造体の搬送速度S1が0.1m/分〜3.0m/分であり、
前記焼成用搬送装置による前記ハニカム構造体の搬送速度S2が0.01m/分〜1.0m/分であるとともに、
前記搬送速度S1が前記搬送速度S2の3倍〜10倍である関係を満たし、
前記乾燥工程のマイクロ波の出力密度は、前記ハニカム構造体1体あたり0.01kW/kg〜1kW/kgとし、
前記焼成工程のマイクロ波の出力密度は、前記ハニカム構造体1体あたり0.1kW/kg〜1kW/kgとする請求項3記載のハニカム成形体の製造方法。 - 複数の前記ハニカム構造体を前記搬送装置に載置する載置工程を、さらに含み、
前記載置工程は、前記複数のハニカム構造体を搬送方向と平行する方向の間隔がマイクロ波の波長(λ)の2倍以上となるように前記搬送装置に直列に載置する直列載置工程である請求項2〜請求項5のいずれかに記載のハニカム成形体の製造方法。 - 前記載置工程は、前記複数のハニカム構造体を搬送方向と直交する方向の間隔がマイクロ波の波長の2倍以上となるように前記搬送装置に並列に載置する並列載置工程をさらに含む請求項6記載のハニカム構造体の乾燥方法。
- 前記マイクロ波発生装置は、前記乾燥用マイクロ波照射槽および前記焼成用マイクロ波照射槽の天井部に設置され、
前記載置工程が、前記複数のハニカム構造体のセルの軸方向を水平方向とするとともに、搬送方向に対する当該セルの軸方向の傾斜角を35度〜75度とし、かつ、前列のハニカム構造体の側面等の端と、前記前列に続いて載置されたハニカム構造体の側面等の端の距離がマイクロ波の波長の2倍以上であるように、載置する工程を含む請求項6または請求項7のいずれかに記載のハニカム構造体の乾燥方法。 - 前記乾燥工程と前記焼成工程は、同一のバッチ式のマイクロ波照射装置を用いて前記ハニカム構造体にマイクロ波を照射する工程を含み、
当該バッチ式のマイクロ波照射装置は、少なくともマイクロ波照射槽を備え、当該マイクロ波照射槽は、マイクロ波を発生し前記ハニカム構造体に照射する少なくとも1つのマイクロ波発生装置と、前記ハニカム構造体を載置して回転駆動する回転体とを少なくとも備え、
前記乾燥工程のマイクロ波の出力密度は、前記ハニカム構造体1体あたり0.01kW/kg〜1kW/kgとし、
前記焼成工程のマイクロ波の出力密度は、前記ハニカム構造体1体あたり0.1kW/kg〜1kW/kgとする請求項1記載のハニカム成形体の製造方法。 - 前記ハニカム構造体が、ハニカム面が多角形形状である多角柱状のハニカム構造体であり、
前記乾燥工程の前に、当該ハニカム構造体の表面の少なくとも隅角部および各辺に、マイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆材を被覆する被覆工程を含む請求項1〜請求項9のいずれかに記載のハニカム構造体の乾燥方法。 - 前記ハニカム構造体が、ハニカム面が円形状である円柱状のハニカム構造体であり、
前記乾燥工程の前に、当該ハニカム構造体の表面の少なくとも円柱端部に、マイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆材を被覆する被覆工程を含む請求項1〜請求項9のいずれかに記載のハニカム構造体の乾燥方法。
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