JP5832312B2 - ハニカム構造体の乾燥方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波を用いたハニカム構造体の乾燥方法に関する。
ハニカム成形体は、電化製品や自動車排ガス等、工業用途として広く用いられている。このようなハニカム成形体を製造する場合は、まず、セラミックスを主原料として用い、水や添加剤等を混練して均一な坏土状とした後、押出成形等によりハニカム形状の構造体(以下、ハニカム構造体とする場合がある。)とし、その後、ハニカム構造体を乾燥、焼成する方法が一般的に用いられている。
押出成形後のハニカム構造体は、含水率が40質量%程度であり、このまま焼成工程を行うと、ハニカム構造体にひびや割れ等が発生してしまう。これを防止するためには、予めハニカム構造体の含水率を10質量%程度へ低下させるべく、乾燥工程が必要となる。
ハニカム構造体を乾燥する方法としては、室温条件下に静置する自然乾燥方法や、乾燥環境の湿度を調整して乾燥を行う調湿乾燥方法、ハニカム構造体にマイクロ波を照射して乾燥を行うマイクロ波乾燥方法等が挙げられる。
自然乾燥方法によれば、ハニカム構造体から水分が穏やかに蒸発していくことから、クラックや割れ等の発生が少なく、歩留まりが高い。しかし、産業用触媒等に使用されるハニカムについては表面から乾燥が進むと表面の収縮等によりハニカム表面にクラックや割れが発生しやすいという課題がある。自然乾燥が可能なハニカムについても、焼成可能な水分量とするまでの乾燥時間が、天候に左右されるだけでなく、良好な天候であっても乾燥に時間がかかりすぎてしまうために、生産効率が上がらないという問題がある。
これに対して、調湿乾燥方法は、ハニカム構造体の乾燥環境の湿度を調整することにより、天候に左右されることがなく、自然乾燥方法と比べて乾燥時間を短縮することができる。
しかしながら、この乾燥方法では、本来歩留まりが50%〜80%であり、湿度コントロールを誤ると乾燥ムラが発生してしまい、歩留まりに影響するひびや割れが発生してしまう場合もある。このような不良品の発生を防止するためには、温度を室温から10日程度かけて80℃付近まで上げ、湿度を高く維持する必要がある。その結果、乾燥時間を10日前後確保する必要がある。そのため、生産効率の観点からすれば、乾燥時間が依然として長いといえる。
また、調湿乾燥方法は、例えばベルトコンベア等にハニカム構造体を載せて、連続的に乾燥させる方法をとることが困難であり、バッチ式により乾燥する方法がとられる。バッチ式の場合、例えば調湿環境下の乾燥炉内へハニカム構造体を設置したり、乾燥後に取り出したりする等の工程も必要となるため、こういった工程が生産効率をさらに低下させることとなる。
一方、マイクロ波乾燥方法としては、電界分布を均一にした乾燥炉内へ、ハニカム構造体を設置するバッチ式による乾燥方法や、ハニカム構造体を乾燥炉内へ連続的に通過させて乾燥させる連続式による乾燥方法が知られている(例えば、引用文献1、2等)。マイクロ波乾燥方法によれば、自然乾燥方法や調湿乾燥方法と比べて乾燥時間を大幅に短縮することが可能であり、生産効率を向上させることができる。
しかしながら、従来のマイクロ波乾燥方法は、小型のハニカム構造体(縦50mm、横50mm、高さ50mm程度)を乾燥させるにあたっては良好な方法であるものの、要望の多い大型のハニカム構造体に適用した場合、ハニカム構造体の角部が焼け過ぎて白化したり、側面にひびや割れが発生したりしてしまい、歩留まりが悪く、ほとんど全てが不良品となってしまう。歩留まり向上のため、マイクロ波を照射する乾燥に加え、温風を乾燥炉内へ供給する方法が併用される試みが行われているものの、歩留まりの顕著な向上効果は認められない。
特開2006−88685号 特開2003−100441号
本発明は、大型のハニカム構造体の白化、ひびや割れ等を防止すると共に、乾燥時間を大幅に短縮させることで、生産効率を向上させることが可能なハニカム構造体の乾燥方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明者は、ハニカム構造体にマイクロ波を照射する工程について見直しを行った。
そうしたところ、マイクロ波はハニカム構造体の隅角部や端部に集中しやすい性質があり、この性質が、ハニカム構造体の隅角部や端部の白化やひび、割れ等が発生する要因となることがわかった。さらに、ハニカム構造体の幅や直径、高さ等が、マイクロ波の波長の0.5倍以上ある場合には、当該波長の0.5倍以上の幅等があるハニカム面や側面に、ひびや割れ等が発生しやすいことがわかった。
このようなマイクロ波の特徴を踏まえた上で、本発明者は、ハニカム構造体の白化やひび、割れ等を防止するべく鋭意検討を行った。その結果、ハニカム構造体をマイクロ波から保護することのできる被覆材によって、ハニカム構造体の隅角部や端部等を被覆すれば、隅角部や端部、およびマイクロ波の波長の0.5〜2倍の幅等であるハニカム面や側面で発生する白化等を防止することができることを見出した。さらに、マイクロ波の波長の2倍より大きい幅等があるハニカム面や側面がある場合には、これらのハニカム面や側面に対し、当該波長の0.5倍〜2倍の長さの間隔で被覆材を被覆すれば、当該ハニカム面や側面に発生する白化等を防止することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る第一の形態は、ハニカム面が多角形形状である多角柱状のハニカム構造体の乾燥方法であって、前記ハニカム構造体の表面の少なくとも隅角部および各辺に、マイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆材を被覆する被覆工程と、その後ハニカム構造体にマイクロ波を照射する照射工程と、を少なくとも含み、前記ハニカム構造体は、前記多角形形状のハニカム面の対角線のうち少なくとも1つの長さ、前記多角形の辺の長さ、または、前記ハニカム構造体の高さのいずれかが、マイクロ波の波長(λ)の0.5倍以上である構造体であり、前記被覆材の被覆間隔が、マイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さであることを特徴とするハニカム構造体の乾燥方法である。
本発明に係る第二の形態は、ハニカム面が円形状である円柱状のハニカム構造体の乾燥方法であって、前記ハニカム構造体の表面の少なくとも円柱端部に、マイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆材を被覆する被覆工程と、その後ハニカム構造体にマイクロ波を照射する照射工程と、を少なくとも含み、前記ハニカム構造体は、前記円形状のハニカム面の直径、または、前記ハニカム構造体の高さのいずれかが、マイクロ波の波長(λ)の0.5倍以上である構造体であり、前記被覆材の被覆間隔が、マイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さであることを特徴とするハニカム構造体の乾燥方法である。
本発明のハニカム構造体の乾燥方法によれば、大型のハニカム構造体であっても、マイクロ波の照射によって白化やひび、割れ等が発生することなく乾燥させることが可能であり、また、乾燥時間を大幅に短縮できることにより、生産効率を向上させることが可能となる。
被覆材を被覆した多角柱状のハニカム構造体の一態様を示す斜視図である。 図1とは異なる態様の被覆材を被覆した多角柱状のハニカム構造体の一例を示す斜視図である。 図1とは異なる態様の多角柱状のハニカム構造体に被覆材を被覆した斜視図である。 被覆材を被覆した円柱状のハニカム構造体の一態様を示す斜視図である。 図4とは異なる態様の円柱状のハニカム構造体に被覆材を被覆した斜視図である。
以下、本発明に係るハニカム構造体の乾燥方法ついて、その一般的形態を詳細に説明する。
まず、本発明の乾燥方法は、ハニカム構造体を対象とする。ハニカム構造体は、その形状が一定のものではなく、ハニカム面が四角形や五角形、六角形といった多角形形状である多角柱状のものや、ハニカム面が円形状である円柱状のものが挙げられる。
そして、本発明の乾燥方法は、このようなハニカム構造体の表面の所定部分に、マイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆材を被覆する被覆工程と、その後ハニカム構造体にマイクロ波を照射する照射工程と、を少なくとも含む。
ここで、被覆材は、マイクロ波がハニカム構造体へ侵入することを防ぎ、保護することの出来るものであり、サセプタやテープ、コーティング、パテ等が挙げられる。このような被覆材としては、マイクロ波を反射する材料であることが好ましい。
また、マイクロ波は、周波数が300MHz〜30GHz(波長1cm〜1m)の電波の総称であり、ハニカム構造体に照射するマイクロ波はこの範囲の周波数のものを用いることができる。一般的には、周波数が2450MHz前後のマイクロ波を用い、この場合のマイクロ波の波長(λ)は、約120mmである。
ハニカム面が多角形形状である多角柱状のハニカム構造体を乾燥させる場合、対象となるハニカム構造体は、ハニカム面の対角線のうち少なくとも1つの長さ、多角形の辺の長さ、または、ハニカム構造体の高さのいずれかが、マイクロ波の波長の0.5倍以上である構造体である。対角線は、多角形上のことなる2つの頂点同士を結ぶ線分のうち辺を除く線分のことであり、三角形以外の多角形は全て2本以上の対角線を持つ。
上記対角線、辺の長さ、高さのいずれもが、マイクロ波の波長の0.5倍よりも小さいハニカム構造体の場合は、被覆材で保護することなく、従来技術のマイクロ波乾燥方法を用いて乾燥させることができる。しかしながら、これら対角線等のいずれかが、波長の0.5倍以上である場合には、従来方法では白化やひび、割れ等が発生してしまう。この問題を解決することが本発明の目的であることから、本発明において、乾燥させる対象となるのは、上記長さ等のいずれかがマイクロ波の波長の0.5倍以上である構造体である。
被覆工程では、ハニカム構造体の表面のうち、少なくとも隅角部および各辺に被覆材を被覆する。このようにマイクロ波が集中しやすい隅角部や各辺を被覆すれば、当該部分の白化やひび、割れ等の発生を防止することが出来る。
また、被覆材の被覆間隔は、マイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さである。ハニカム構造体のうち、ハニカム面の対角線のうち少なくとも1つの長さ、多角形の辺の長さ、または、ハニカム構造体の高さのいずれかが、マイクロ波の波長の0.5倍以上である場合には、当該以上の幅等があるハニカム面や側面に、ひびや割れ等が発生しやすく、これらの発生を防止するためである。例えば、ハニカム構造体の高さがマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さである場合には、ハニカム側面のうち隅角部と各辺を被覆材で被覆することにより、白化、ひびや割れ等を防止することができる。また、ハニカム構造体の高さがマイクロ波の波長の2倍以上の長さである場合には、ハニカム側面のうち隅角部と各辺を被覆材で被覆するのみでは、ハニカム側面にひびや割れ等が発生するおそれがあるため、隅角部と各辺に加え、各辺からマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の距離にあるハニカム側面にも被覆材を被覆することが必要となる。
次に、ハニカム面が円形状である円柱状のハニカム構造体を乾燥させる場合について説明する。対象となるハニカム構造体は、円形状のハニカム面の直径、または、ハニカム構造体の高さのいずれかが、マイクロ波の波長の0.5倍以上である構造体である。
上記直径、および高さのいずれもが、マイクロ波の波長の0.5倍よりも小さいハニカム構造体の場合は、被覆材で保護することなく、従来技術のマイクロ波乾燥方法を用いて乾燥させることができる。しかしながら、直径、および高さのいずれかが、波長の0.5倍以上である場合には、従来方法では白化やひび、割れ等が発生してしまう。この問題を解決することが本発明の目的であることから、本発明において、乾燥させる対象となるのは、上記直径、および高さのいずれかがマイクロ波の波長の0.5倍以上である構造体である。
被覆工程では、ハニカム構造体の表面の少なくとも円柱端部に、被覆材を被覆する。円柱端部は、ハニカム面とハニカム側面とが接するところであり、マイクロ波が集中しやすい部分である。この円柱端部を被覆すれば、当該部分の白化やひび、割れ等の発生を防止することが出来る。
また、被覆材の被覆間隔は、マイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さである。ハニカム構造体のうち、ハニカム面の直径、または、ハニカム構造体の高さのいずれかが、マイクロ波の波長の0.5倍以上である場合には、当該0.5倍以上の幅等があるハニカム面や側面に、ひびや割れ等が発生しやすく、これらの発生を防止するためである。例えば、ハニカム面の直径がマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さである場合には、ハニカム構造体の円柱端部を被覆材で被覆することにより、白化、ひびや割れ等を防止することができる。また、ハニカム面の直径がマイクロ波の波長の2倍以上の長さである場合には、ハニカム構造体の円柱端部を被覆材で被覆するのみでは、ハニカム面に発生するひびや割れ等が発生するおそれがあるため、円柱端部に加え、円柱端部からマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の距離にあるハニカム面およびハニカム側面に被覆材を被覆することが必要となる。すなわちこの場合には、ハニカム面へ太陽十字形に被覆材を被覆すると共に、ハニカム構造体上部のハニカム面と下部のハニカム面に被覆された十字形の被覆材をつなぐように、ハニカム側面に被覆材が被覆されることとなる。
本発明のハニカム構造体の乾燥方法において、被覆材の被覆幅は、マイクロ波の波長の0.5倍以下であることが好ましい。被覆幅が0.5倍を超えると、マイクロ波がハニカム構造体へ侵入することを過剰に妨害する場合があり、乾燥遅延となるからである。被覆幅がマイクロ波の波長の0.1倍以上あれば、マイクロ波からハニカム構造体を十分に保護することができる。被覆幅の基準をマイクロ波の波長の0.25倍とし、ハニカム構造体の形状や大きさに応じて適宜被覆幅を調整することで、ハニカム構造体を効率良く乾燥させることができる。
被覆材が、マイクロ波反射材料を含む場合には、マイクロ波反射材料は、電導性を有する金属材料であることが好ましい。電導性を有する金属材料であれば、マイクロ波を効果的に反射し、ハニカム構造体をマイクロ波から十分に保護することができる。電導性を有する金属材料としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、真鍮のいずれか、またはこれらの組み合わせからなる材料等が挙げられる。
本発明における照射工程は、ハニカム構造体に温風を供給する工程を含んでもよい。
ハニカム構造体へマイクロ波を連続的に照射すると共に、温風を供給することによって、乾燥時間を短縮することができる。
また、マイクロ波を間欠照射する乾燥方法の場合、間欠照射のみでは加熱分布が不均一になりやすく、ハニカム構造体が均一に乾燥できない場合があるところ、温風乾燥を併用すれば、ハニカム構造体の温度分布が均一化し、乾燥時間を短縮することができる。
さらに、マイクロ波を連続照射した後に、温風乾燥すれば、マイクロ波である程度の水分を揮発させた後、温風にてハニカム構造体を穏やかに乾燥させることができ、ひびや割れ等を防止することができるだけでなく、乾燥によるゆがみ等も緩和することができる。
上記温風を供給する工程は、ハニカム面に温風を供給する工程であることが好ましい。マイクロ波の照射により、ハニカム内部の水分が水蒸気となるところ、この水蒸気が揮発せずにハニカム構造体に付着する場合がある。この場合には、ハニカム構造体の水分量が減少しないのみならず、ハニカム構造体を冷却してしまうこととなる。ハニカム面に温風を供給すれば、ハニカム内部の水蒸気を効率良く除去することができ、ハニカム構造体の乾燥を促進することができる。
次いで、本発明のハニカム構造体の乾燥方法の実施の形態について、図面を参照してさらに具体的に説明する。この場合において、本発明は図面を参照した実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の適用の対象となる被覆材を被覆した多角柱状のハニカム構造体の一例を示す斜視図である。ハニカム構造体1は、ハニカム面2が四角形形状である四角柱状の構造体であり、被覆材としてアルミテープ3が、ハニカム構造体の表面の隅角部3aおよび辺3bを保護するように被覆している。
ハニカム構造体1は、ハニカム面の各辺の長さおよびハニカム構造体の高さがマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さであり、そのため、ハニカム構造体1のうち隅角部3aと各辺3bを被覆材で保護すれば、マイクロ波を照射して乾燥することによる白化、ひびや割れ等を防止することができる。
図2は、図1と同様のハニカム構造体1に、被覆材としてアルミニウム製のサセプタを用いた斜視図である。サセプタ4は、図1のアルミテープと同様に、ハニカム構造体の表面の隅角部4aおよび辺4bを被覆している。上下のサセプタと辺を被覆するサセプタとは、アルミニウム製のボルト5により接続される。
図3は、図1のハニカム構造体とは異なる四角柱状のハニカム構造体に、被覆材としてアルミテープを被覆した斜視図である。ハニカム構造体1は、ハニカム面の各辺の長さがマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さである一方で、ハニカム構造体の高さはマイクロ波の波長の2.5倍である。そのため、マイクロ波の照射による白化、ひびや割れ等を防止するには、ハニカム構造体1のうち隅角部と各辺を被覆材で保護するだけでなく、ハニカム側面に波長の0.5倍〜2倍の長さの間隔で被覆材により保護する必要がある。図3では、ハニカム側面を2等分するようにアルミテープ3で保護されており、ハニカム側面はマイクロ波の波長の1.25倍の長さの間隔で被覆材が被覆されていることとなる。
ここで、アルミテープの幅は、一律にマイクロ波の波長の0.25倍とすることで、ハニカム構造体を良好に乾燥させることができる。更には、ハニカム構造体の長手方向のアルミテープのみ、その幅A’をマイクロ波の波長の0.4倍とすることにより、ハニカム構造体が均一に乾燥される。このように、被覆幅の基準をマイクロ波の波長の0.25倍とし、ハニカム構造体の形状や大きさに応じて適宜被覆幅を調整することで、ハニカム構造体を更に効率良く乾燥させることができる。
図4は、被覆材を被覆した円柱状のハニカム構造体の一例を示す斜視図である。ハニカム構造体1は、ハニカム面2が円形状であり、ハニカム構造体の表面の円柱端部6を保護するように、被覆材としてアルミテープ3が被覆されている。
ハニカム構造体1は、ハニカム面の直径およびハニカム構造体の高さがマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さであり、そのため、ハニカム構造体1のうち円柱端部6を被覆材で保護すれば、マイクロ波を照射して乾燥することによる白化、ひびや割れ等を防止することができる。
図5は、図4のハニカム構造体とは異なる円柱状のハニカム構造体に、被覆材としてアルミテープを被覆した斜視図である。ハニカム構造体1は、ハニカム構造体の高さがマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さである一方で、ハニカム面の直径はマイクロ波の波長の2.5倍である。そのため、マイクロ波の照射による白化、ひびや割れ等を防止するには、ハニカム構造体1のうち円柱端部を被覆材で保護するだけでなく、ハニカム面およびハニカム側面を波長の0.5倍〜2倍の長さの間隔で被覆材により保護する必要がある。図5では、ハニカム面およびハニカム側面を4等分するようにアルミテープ3で保護されており、ハニカム面およびハニカム側面はマイクロ波の波長の1.25倍の長さの間隔で被覆材が被覆されていることとなる。
図1〜図5に示す被覆材を被覆したハニカム構造体は、含水率を減少させるため、本発明を実施し、マイクロ波を照射することにより乾燥される。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
バッチ式によるハニカム構造体の乾燥
[実施例1]
タルク、カオリン、アルミナ、バインダー、水、および添加剤等を混練して均一な坏土状としたものを、押出成形することにより、ハニカム面の縦150mm、ハニカム面の横150mm、高さ200mm、壁厚100μm、セル数484個(縦方向:22個、横方向:22個)の四角柱状のハニカム構造体(含水率:40質量%)とした。得られたハニカム構造体の隅角部および各辺を保護するため、厚み0.1mm、幅A(図1)が30mmのアルミテープを被覆材として被覆した(図1)。
[実施例2]
実施例1と同様の四角柱状のハニカム構造体の隅角部および各辺を、厚み0.1mm、幅B(図2)が20mmのアルミニウム製サセプタを被覆材として被覆して保護した(図2)。サセプタは、アルミニウム製のボルトで固定した。
上記実施例1、2において被覆材を被覆したハニカム構造体を、マイクロ波発振器を備えた乾燥炉内へ設置し、マイクロ波を連続的に照射して含水率が10質量%となるまで乾燥させ、被覆材を取り外した後、ハニカム構造体の白化、ひびや割れの有無を評価した。
被覆処理をしていないハニカム構造体(比較例1)、および実施例1と同様に坏土状として押出成形した四角柱状の小型(ハニカム面の縦50mm、ハニカム面の横50mm、高さ50mm、壁厚1mm、セル数484個(縦方向:22個、横方向:22個))のハニカム構造体(参考例1)についても、同様にマイクロ波を照射して乾燥させ、白化等の有無を評価した。マイクロ波発振器の仕様は、ハニカム1個あたり出力:1kW(連続可変)、周波数:2450±30MHz、電源入力:三相交流、200Vであり、乾燥炉の仕様は、内寸:600W×700H×1200L(mm)、内炉材質:SUS304である。結果を表1に示す。
Figure 0005832312
マイクロ波の周波数は約2450MHzであることから、空気中の波長は約120mmである。そのため、実施例1、2および比較例1のハニカム構造体は、ハニカム面の辺の長さが波長の約1.25倍(150mm)、高さが約1.25倍(150mm)となる。また、参考例1のハニカム構造体は、ハニカム面の辺の長さが波長の約0.4倍(50mm)、高さが約0.4倍(50mm)となる。
結果として、ハニカム面の辺または高さのいずれかがマイクロ波の波長の0.5倍以上である大型のハニカム構造体を、マイクロ波により乾燥させる場合は、ハニカム構造体の隅角部や各辺を被覆材により保護する必要があり、被覆材による被覆により、白化やひび、割れが発生せず良好に乾燥することができた(表1)。
マイクロ波の照射と温風の供給
[実施例3]
実施例1と同様に、ハニカム構造体にアルミテープを被覆したものを、実施例1と同様の条件にてマイクロ波を照射すると共に、ハニカム構造体のハニカム面へ温風を併用供給することによりハニカム内部の水蒸気を排出し、含水率が10質量%となるまで乾燥した。温風の供給条件は、温風出口温度:60℃、温風風速:10L/分である。
マイクロ波のみの場合、乾燥に8時間要するところ、実施例3の条件で温風を併用して乾燥した場合には、6時間の乾燥で足り、乾燥時間を2時間短縮することができた。
[実施例4]
実施例3と同様にアルミテープで被覆したハニカム構造体について、マイクロ波を間欠照射すると共に、実施例3と同様の条件で温風を供給して、含水率が10質量%となるまで乾燥した。マイクロ波発振器および乾燥炉の仕様は実施例3と同様であり、マイクロ波の間欠照射条件は、デユーティー70%である。
マイクロ波を間欠照射するのみの乾燥であっても、ハニカム構造体に白化、ひびや割れは発生しないものの、ハニカム構造体内部の過熱分布が不均一になりやすく、乾燥に12時間程要するところ、温風を併用することによりハニカム構造体内部の温度が均一化し、乾燥時間を4時間短縮することができた。
[実施例5]
実施例1と同様に、ハニカム構造体にアルミテープを被覆したものを、実施例1と同様の条件にてマイクロ波を照射して、ハニカム構造体の含水率が20質量%となるまで乾燥し、その後、マイクロ波の照射を停止し、実施例3と同様の条件により温風のみを供給することにより、含水率が10質量%となるまで乾燥した。
上記条件によって、ハニカム構造体の白化、ひびや割れの発生は認められず、さらに、マイクロ波のみの乾燥により発生する水蒸気の結露(再付着)を防止するなど改善することができた。
本発明のハニカム構造体の乾燥方法によれば、大型のハニカム構造体であっても、マイクロ波の照射によって白化やひび、割れ等が発生することなく乾燥させることが可能であり、また、乾燥時間を大幅に短縮でき、多数のハニカムを連続的に乾燥できることから生産効率を向上させることが可能となるため、産業上有用である。
1 ハニカム構造体
2 ハニカム面
3 アルミテープ
3a ハニカム構造体の表面の隅角部
3b ハニカム構造体の表面の辺
4 サセプタ
4a ハニカム構造体の表面の隅角部
4b ハニカム構造体の表面の辺
5 ボルト
6 円柱端部
A アルミテープの幅
A’ アルミテープの幅
B サセプタの幅

Claims (6)

  1. ハニカム面が多角形形状である多角柱状のハニカム構造体の乾燥方法であって、
    前記ハニカム構造体のハニカム面およびハニカム側面の隅角部ならびに各辺に、マイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆材を被覆する被覆工程と、
    その後ハニカム構造体にマイクロ波を照射する照射工程と、
    を少なくとも含み、
    前記ハニカム構造体は、前記多角形形状のハニカム面の対角線のうち少なくとも1つの長さ、前記多角形の辺の長さ、または、前記ハニカム構造体の高さのいずれかが、マイクロ波の波長(λ)の0.5倍以上である構造体であり、
    前記被覆材の被覆間隔が、マイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さであり、前記被覆材の被覆幅が、マイクロ波の波長の0.5倍以下であることを特徴とするハニカム構造体の乾燥方法。
  2. ハニカム面が円形状である円柱状のハニカム構造体の乾燥方法であって、
    前記ハニカム構造体のハニカム面およびハニカム側面の円柱端部に、マイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆材を被覆する被覆工程と、
    その後ハニカム構造体にマイクロ波を照射する照射工程と、
    を少なくとも含み、
    前記ハニカム構造体は、前記円形状のハニカム面の直径、または、前記ハニカム構造体の高さのいずれかが、マイクロ波の波長(λ)の0.5倍以上である構造体であり、
    前記被覆材の被覆間隔が、マイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さであり、前記被覆材の被覆幅が、マイクロ波の波長の0.5倍以下であることを特徴とするハニカム構造体の乾燥方法。
  3. 前記被覆材は、マイクロ波反射材料を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載のハニカム構造体の乾燥方法。
  4. 前記マイクロ波反射材料は、電導性を有する金属材料である請求項記載のハニカム構造体の乾燥方法。
  5. 前記照射工程は、前記ハニカム構造体に温風を供給する工程を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のハニカム構造体の乾燥方法。
  6. 前記温風を供給する工程は、ハニカム面に温風を供給する工程である請求項記載のハニカム構造体の乾燥方法。
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