JP4386518B2 - セラミック成形体の乾燥方法及びセラミック成形体の乾燥用治具 - Google Patents

セラミック成形体の乾燥方法及びセラミック成形体の乾燥用治具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック粉末及びバインダー等を含み、多数の貫通孔が長手方向に並設された柱状のセラミック成形体の乾燥方法、及び、該乾燥方法に用いられるセラミック成形体の乾燥用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排気ガス中に含有されるパティキュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
この排気ガスを多孔質セラミックを通過させることにより、排気ガス中のパティキュレートを捕集して排気ガスを浄化するセラミックフィルタが種々提案されている。
【0003】
通常、セラミックフィルタは、図8に示すように、多孔質セラミック部材50が複数個結束されてセラミックフィルタ40を構成している。この多孔質セラミック部材50は、図9に示すように、長手方向に多数の貫通孔52が並設され、貫通孔52同士を隔てる隔壁53がフィルタとして機能するようになっている。
すなわち、多孔質セラミック部材50に形成された貫通孔52は、図9(b)に示すように、排気ガスの入り口側又は出口側の端部のいずれかが充填材51により目封じされ、一の貫通孔52に流入した排気ガスは、必ず貫通孔52を隔てる隔壁53を通過した後、他の貫通孔52から流出するようになっており、排気ガスがこの隔壁53を通過する際、パティキュレートが隔壁53部分で捕捉され、排気ガスが浄化される。
【0004】
従来、このような多孔質セラミック部材50を製造する際には、まず、セラミック粉末とバインダーと分散媒液とを混合して成形体製造用の混合組成物を調製した後、この混合組成物の押出成形等を行うことにより、セラミック成形体を作製していた。
【0005】
そして、次に、得られたセラミック成形体を乾燥装置に入れ、このセラミック成形体にマイクロ波を照射することによる加熱等を行い、セラミック成形体中の分散媒液等を飛散させて、一定の強度を有し、容易に取り扱うことができる図10(a)に示すセラミック成形体70aの乾燥体を製造していた。
この乾燥工程の後、セラミック成形体70aは、脱脂工程及び焼成工程を経て、多孔質セラミック部材50が製造される。
【0006】
しかし、このような従来のセラミック成形体の乾燥方法においては、セラミック成形体の全体を均一に乾燥させることは容易ではなく、乾燥工程が進むにつれて、セラミック成形体の部分によって重量減少の割合が異なるという現象が発生する。
【0007】
この乾燥の不均一が、セラミック成形体の内部と表面との間や下部と上部との間に生じると、乾燥後のセラミック成形体に反りや変形が発生し、更には、クラックが発生する場合もある。そこで、本発明者らは、この乾燥の不均一を防止するため、例えば、セラミック成形体の4つの側面を、分離した2つの治具で両側から包囲し、この状態で乾燥させる方法をとっていた。
【0008】
これにより、内部と表面との間や下部と上部との間の乾燥の不均一を殆ど減少させることはできるが、セラミック成形体70aの長手方向の中央部と両端部分の乾燥の不均一を無くすことが困難で、中央部の方が両端部よりも乾燥しにくくなり、図10(b)に示すように、乾燥後のセラミック成形体70bの中央部が太く、両端部に近づくに従って細くなるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、セラミック成形体に、乾燥の不均一に起因する変形を発生させないセラミック成形体の乾燥方法、及び、該乾燥方法に用いるセラミック成形体の乾燥用治具を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のセラミック成形体の乾燥方法は、セラミック粉末とバインダーと分散媒液との混合組成物からなり、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のセラミック成形体の乾燥方法であって、両端部から中央部分に近づくに従って漸次または段階的に強くなるように、上記セラミック成形体に照射されるマイクロ波の強度を制御することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセラミック成形体の乾燥方法及び該乾燥方法を用いるセラミック成形体の乾燥用治具について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
本発明で乾燥の対象となるセラミック成形体は、セラミック粉末とバインダーと分散媒液との混合組成物からなるものである。
【0013】
上記セラミック粉末としては特に限定されないが、例えば、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素、窒化チタン、炭化チタン等の非酸化物系セラミックの粉末;アルミナ、コージェライト、ムライト、シリカ、ジルコニア、チタニア等の酸化物系セラミックの粉末等を挙げることができる。
これらのなかでは、耐熱性に優れる炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等の粉末が好ましい。
【0014】
これらセラミック粉末の粒径も特に限定されないが、後の焼成過程で収縮が少ないものが好ましく、例えば、0.3〜50μm程度の平均粒子径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μm程度の平均粒子径を有する粉末5〜65重量部とを組み合わせたものが好ましい。
【0015】
上記バインダーとしては特に限定されないが、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
上記バインダーの配合量は、通常、セラミック粉末100重量部に対して、1〜10重量部程度が好ましい。
【0016】
上記分散媒液としては特に限定されないが、例えば、ベンゼン等の有機溶媒;メタノール等のアルコール、水等を挙げることができる。上記分散媒液は、混合組成物の粘度が一定範囲内となるように、適量配合される。
【0017】
これらセラミック粉末とバインダーと分散媒液等とは、アトライター等で混合された後、ニーダー等で充分に混練され、押し出し成形法等により、図10(a)に示した形状に成形される。
【0018】
本発明のセラミック成形体の乾燥方法は、上記方法により作製されたセラミック成形体に、マイクロ波を照射して乾燥させる方法であって、両端部から中央部分に近づくに従って漸次又は段階的に強くなるように、上記セラミック成形体表面に照射されるマイクロ波の強度を制御することを特徴とする。
【0019】
「漸次」とは、連続的にという意味であり、両端部から中央部分に近づくに従って、セラミック成形体表面に照射されるマイクロ波が連続的に強くなっていくように、マイクロ波の強度が変化することをいう。
【0020】
一方、「段階的」とは、非連続的に段階を追ってという意味であり、例えば、両端部の一定領域Aに一定の強度のマイクロ波を照射し、領域Aより中央寄りで領域Aに隣接する領域Bに領域Aよりも強いマイクロ波を照射する方法である。
領域の数は、限定されず、領域Aのみであってもよく、A、Bの2つの領域であってもよく、それよりも数の多い領域であってもよい。領域の大きさやマイクロ波の強度も特に限定されない。
【0021】
1個のマイクロ波照射装置を用いてマイクロ波を照射する際、このように領域ごとに、マイクロ波の強度を変化させることは、装置を改造しない限り困難であるので、マイクロ波を反射する物質を用い、これをセラミック成形体とマイクロ波照射装置との間に介在させることにより、上記セラミック成形体表面に照射されるマイクロ波の強度を制御する。
【0022】
マイクロ波を反射する物質をセラミック成形体とマイクロ波照射装置との間に介在させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、セラミック成形体にマイクロ波を反射させる特性を有するフィルムを被せる方法や、その一部がマイクロ波を反射させる特性を有する乾燥用治具を用いる方法等を挙げることができる。
【0023】
セラミック成形体にマイクロ波を反射させる特性を有するフィルムを被せる方法としては、マイクロ波を反射する物質からなるか、マイクロ波を反射する物質の層が全面に形成されるか、又は、その濃度もしくはパターンを変化させて形成されたフィルムを少なくとも1種類用い、上記セラミック成形体を上記フィルムで被覆した後、マイクロ波を照射する方法が好ましい。
【0024】
上記マイクロ波を反射する物質としては、例えば、アルミニウム等の金属を挙げることができる。
上記マイクロ波を反射する物質からなるフィルムとは、マイクロ波を反射する物質をシート状に成形したものをいい、例えば、アルミニウム箔等を挙げることができる。
【0025】
また、上記マイクロ波を反射する物質の層が全面に形成されたフィルムとしては、例えば、樹脂等からなるフィルムの全面にアルミニウム等の金属の層が形成されたものを挙げることができる。
【0026】
また、本発明では、その濃度を変化させてアルミニウム等の層を形成したフィルムを用いたり、網状等の一定のパターン(模様)に形成されたアルミニウム板状体や、一定のパターン(模様)でアルミニウム等の層が形成されたフィルムを用いることにより、セラミック成形体表面に照射されるマイクロ波の強度を制御することができる。
これらのフィルムは、1種類用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0027】
図1は、マイクロ波反射物質であるアルミニウム箔14で両端部が被覆されたセラミック成形体10を模式的に示す斜視図であり、図2は、両端部がアルミニウム箔14で被覆され、その内側がアルミニウムの網状体15で被覆されたセラミック成形体を示す斜視図である。図1に示したセラミック成形体では、アルミニウム箔14を用いることにより、セラミック成形体表面に照射されるマイクロ波の強度を2段階に変化させ、図2に示したセラミック成形体では、アルミニウム箔14とアルミニウムのアルミニウム網状体15を組み合わせることにより、セラミック成形体の表面に照射されるマイクロ波の強度を3段階に変化させている。
【0028】
本発明では、例えば、図1又は図2に示したような状態となるように、マイクロ波を反射する物質でセラミック成形体を覆った後、これを従来から用いられている乾燥用治具で包囲し、マイクロ波乾燥装置に搬入することにより、乾燥を行う。
【0029】
上記方法で乾燥を行うことにより、セラミック成形体の両端部分や両端に近い部分の乾燥は抑えられ、一方、中央部分の乾燥の方が早く進行するため、全体として、均一に乾燥が進行し、均一な厚さのセラミック成形体(乾燥体)とすることができる。
【0030】
次に、マイクロ波反射物質の塗布層等が形成された乾燥用治具を用いる方法について説明する。
本発明のセラミック成形体の乾燥用治具(以下、乾燥用治具Aという)は、セラミック粉末とバインダーと分散媒液との混合組成物からなり、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のセラミック成形体をマイクロ波で乾燥する際に用いられ、上記セラミック成形体の長手方向に平行な側面のほぼ全面を密着状態で包囲するように構成された2個の分離した治具からなる乾燥用治具であって、
上記セラミック成形体の両端部から中央に相当する部分に近づくに従って漸次または段階的に薄くなるように、マイクロ波を反射する物質の層が形成されていることを特徴とする。
【0031】
また、本発明のセラミック成形体の乾燥用治具(以下、乾燥用治具Bという)は、上記乾燥用治具Aと同形状の治具であって、
上記セラミック成形体の両端部から中央に相当する部分に近づくに従って漸次または段階的に薄くなるように、マイクロ波を反射する物質からなるか、マイクロ波を反射する物質の層が全面に形成されるか、又は、その濃度もしくはパターンを変化させて形成されたフィルムの層が形成されていることを特徴とする。
【0032】
上記乾燥用治具Aにおいて、マイクロ波を反射する物質の層が形成されているとは、マイクロ波を反射する物質を含む塗料の塗布やスパッタリング等の方法により、乾燥用治具Aの一部にマイクロ波を反射する物質の層が形成されていることをいう。この層は、端部から中央に行くに従って段々と薄くなるように形成されていてもよく、段階的に薄くなるように形成されていてもよく、種々のパターンで形成されていてもよい。
【0033】
また、マイクロ波を反射する物質からなるか、マイクロ波を反射する物質の層が全面に形成されるか、又は、その濃度もしくはパターンを変化させて形成されたフィルムの層が形成されているとは、上記セラミック成形体の乾燥方法で説明したフィルムで乾燥用治具Bの一部が被覆されていることをいう。
被覆の方法は、上記セラミック成形体の乾燥方法で説明した方法とほぼ同様であり、セラミック成形体をフィルムで覆う代わりに、乾燥用治具Bをこれらのフィルムで覆うのである。
【0034】
図3は、上記乾燥用治具Aの一実施形態を模式的に示す斜視図である。
図3に示すように、本発明の乾燥用治具A20は、セラミック成形体10の長手方向に平行な側面10aのほぼ全面を密着状態で包囲するように構成された2個の分離した治具(上治具21と下治具25)からなる。
【0035】
そして、下治具25は、セラミック成形体10の側面10aを水平面に対して45°の角度になるように傾斜させた状態でセラミック成形体10を載置することができるよう、2枚の板状体22、23を突き合わせてV字形状に形成されており、これらを支持するとともに、この治具25を乾燥器の床面に安定して載置できるように複数個の支持部材24で板状体22、23を接着、固定している。
【0036】
また、上治具21は、下治具25と接触していない側面10aに密着させた状態でセラミック成形体10に載せることができるように構成されており、具体的には、下治具25とほぼ同様に板状体26、27とこれを支持、固定する支持部材28により構成されている。なお、この場合、上治具21と下治具25とは、上下を逆にしても使用することができるようになっている。
【0037】
この上治具21と下治具25とには、その両端部にマイクロ波を反射する物質の層として、アルミニウム層22a、27aが形成されている。
【0038】
このような構成の乾燥用治具Aを用い、セラミック成形体をこの乾燥用治具Aで包囲した後、マイクロ波乾燥装置に搬入して、マイクロ波による乾燥を行うことにより、セラミック成形体の両端部分や両端に近い部分の乾燥が抑えられ、中央部分の乾燥の方が早く進行するため、全体として、均一に乾燥が進行し、均一な厚さのセラミック成形体(乾燥体)とすることができる。
【0039】
乾燥用治具20は、図4に示すように、水分の吸収が可能な弾性部材29を介してセラミック成形体10の側面10aと接触させるように構成されていてもよい。より早く、乾燥を行うことができるからである。
【0040】
さらに、図5に示すように、乾燥用治具20は、板状体31、32が支持部材33のみで支持、固定され、板状体31、32同士は接触せず、板状体31と板状体32との間から水分を飛散することができるように構成されていてもよい。
より迅速、かつ、均一に乾燥を行うことができるからである。
【0041】
上記板状体の材質としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、セラミック、これらの複合材料等が挙げられるが、これらのなかでは、熱硬化性樹脂や複合材料が好ましく、特に、誘電率が低く、マイクロ波の透過率が高く、耐熱性に優れるガラスエポキシ板が最も好ましい。
また、セラミック成形体10と乾燥用治具21、25との間に介装する上記弾性部材としては、プラスチック製又はゴム製の多孔質弾性部材が好ましく、シリコンスポンジがより好ましい。
【0042】
上述したマイクロ波を用いた乾燥を行う際の、マイクロ波のパワー等の条件は、対象となるセラミック成形体の形状や貫通孔の大きさに依存するために、一概には規定できないが、例えば、セラミック成形体の大きさが33mm×33mm×300mmで、貫通孔21の数が31個/cm2 、隔壁53の厚さが0.35mmの場合、マイクロ波のパワーは、0.5〜4kW程度が好ましい。なお、セラミック成形体10の形状や大きさが異なっても、乾燥の条件は、上記した条件から大きく外れることはない。
【0043】
マイクロ波を発生させる装置は特に限定されず、従来から用いられている種々の装置を用いることができるが、例えば、マイクロ波発生装置を備え、セラミック成形体が通過する部分の上方にマイクロ波攪拌用スターラーが配設されたものを用いることが望ましい。
【0044】
マイクロ波攪拌用スターラーで攪拌することによりマイクロ波の強度が均一になる。
なお、本発明のセラミック成形体の乾燥方法で用いる乾燥装置は、通常、マイクロコンピュータを内蔵する自動制御装置が組み込まれており、マイクロ波のパワーの設定は勿論のこと、セラミック成形体が搬入されると、例えば、赤外センサ等により自動的にセラミック成形体を検知し、マイクロ波を発生させ、マイクロ波攪拌用スターラーを駆動し、送風機等を作動させるように構成されている。
【0045】
本発明のセラミック成形体の乾燥方法は、上述した通りなので、セラミック成形体をマイクロ波を用いて乾燥させる際、上記セラミック成形体に変形を発生させることなく、全体を均一に乾燥させることができる。
【0046】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0047】
実施例1
平均粒子径10μmのα型炭化珪素粉末70重量部、平均粒子径0.7μmのβ型炭化珪素粉末30重量部、メチルセルロース5重量部、分散剤4重量部、水20重量部を配合して均一に混合することにより、原料の混合組成物を調製した。この混合組成物を押出成形機に充填し、押出速度2cm/分にてセラミック成形体を作製した。このセラミック成形体は、図10(a)に示す形状のものであり、その大きさが33mm×33mm×300mmで、貫通孔の数が31個/cm2 、隔壁の厚さが0.35mmであった。
【0048】
次に、図1に示すように、セラミック成形体10の両端部付近を、マイクロ波を反射するアルミニウム箔14で覆い、この状態で乾燥装置に搬入し、マイクロ波のパワーを3kWに設定してセラミック成形体の乾燥を行った。
なお、アルミニウム箔14の長手方向の幅は、45mmであった。
【0049】
そして、乾燥開始から一定時間後にセラミック成形体を取り出し、図6(a)に示すように、セラミック成形体の乾燥体60をエリア1、エリア2、エリア3に分割し、さらに、図6(b)に示すように、これらを外側のA部と中側のB部とに分け、各部における重量減少率を測定した。その結果を図7に示した。
【0050】
実施例2
まず、実施例1と同様の条件でセラミック成形体を作製した。次に、図3に示すように、上治具21と下治具25のそれぞれの両端付近に、マイクロ波を反射する物質であるアルミニウム層22a、27aが形成された乾燥用治具20でセラミック成形体を包囲し、この状態で乾燥装置に搬入し、マイクロ波のパワーを3kWに設定してセラミック成形体の乾燥を行った。
なお、アルミニウム層22a、27aの長手方向の幅は、50mmであった。
【0051】
そして、乾燥開始から一定時間後にセラミック成形体を取り出し、図6(a)に示すように、セラミック成形体の乾燥体60をエリア1、エリア2、エリア3に分割し、さらに、図6(b)に示すように、これらを外側のA部と中側のB部とに分け、各部における重量減少率を測定した。その結果を同じく図7に示した。
【0052】
比較例1
まず、実施例1と同様の条件でセラミック成形体を作製した。次に、マイクロ波を反射する物質を用いていない乾燥用治具を使用してセラミック成形体を包囲したほかは、実施例1と同様にしてセラミック成形体の乾燥を行った。
【0053】
そして、乾燥開始から一定時間後にセラミック成形体を取り出し、図6(a)に示すように、セラミック成形体の乾燥体60をエリア1、エリア2、エリア3に分割し、さらに、図6(b)に示すように、これらを外側のA部と中側のB部とに分け、各部における重量減少率を測定した。その結果を図7に示した。
【0054】
図7に示すグラフより明らかなように、比較例1では、各部分で重量減少率が異なっており、不均一に乾燥が行われているのに対し、実施例1及び実施例2の場合には、各部においてほぼ均一に重量が減少していっており、本発明の乾燥方法を用いることにより、セラミック成形体を均一に乾燥させることができることが実証された。
また、実施例1、2に記載の方法で乾燥したセラミック成形体60の寸法を測定したが、中央部分と両端部分の側面の幅に殆ど違いはなかった。
【0055】
【発明の効果】
本発明のセラミック成形体の乾燥方法は、上述の通りであるので、マイクロ波を照射する方法によりセラミック成形体を乾燥させる際、セラミック成形体に変形を発生させず、全体を均一に乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック成形体の乾燥方法の一実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明のセラミック成形体の乾燥方法の別の実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図3】本発明のセラミック成形体の乾燥用治具の一実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図4】本発明のセラミック成形体の乾燥用治具の別の実施形態を模式的に示す正面図である。
【図5】本発明のセラミック成形体の乾燥用治具の更に別の実施形態を模式的に示す正面図である。
【図6】(a)は、実施例1、実施例2及び比較例1において成形体の重量減少を測定した部分を示す斜視図であり、(b)は、その正面図である。
【図7】実施例1、実施例2及び比較例1における成形体の測定部分と重量減少との関係を示すグラフである。
【図8】セラミックフィルタを模式的に示す斜視図である。
【図9】(a)は、セラミックフィルタを構成する多孔質セラミック部材を模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)に示したセラミックフィルタのA−A線断面図である。
【図10】(a)〜(b)は、種々の条件で乾燥した後のセラミック成形体を模式的に示した斜視図である。
【符号の説明】
10 セラミック成形体
12、52 貫通孔
13、53 隔壁
14 アルミニウム箔
15 網状パターン
10a 側面
20 セラミック成形体乾燥用治具
21 上治具
22、23、26、27、31、32 板状体
24、28、33 支持部材
25、30 下治具
29 弾性部材
40 セラミックフィルタ
50 多孔質セラミック部材

Claims (3)

  1. セラミック粉末とバインダーと分散媒液との混合組成物からなり、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のセラミック成形体をマイクロ波で乾燥する際に用いられ、
    前記セラミック成形体の長手方向に平行な側面のほぼ全面を密着状態で包囲するように構成された2個の分離した治具からなる乾燥用治具であって、
    前記セラミック成形体の両端部から中央に相当する部分に近づくに従って漸次または段階的に薄くなるように、マイクロ波を反射する物質の層が形成されていることを特徴とするセラミック成形体の乾燥用治具。
  2. セラミック粉末とバインダーと分散媒液との混合組成物からなり、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のセラミック成形体をマイクロ波で乾燥する際に用いられ、
    前記セラミック成形体の長手方向に平行な側面のほぼ全面を密着状態で包囲するように構成された2個の分離した治具からなる乾燥用治具であって、
    前記セラミック成形体の両端部から中央に相当する部分に近づくに従って漸次または段階的に薄くなるように、マイクロ波を反射する物質からなるか、マイクロ波を反射する物質の層が全面に形成されるか、又は、その濃度もしくはパターンを変化させて形成されたフィルムの層が形成されていることを特徴とするセラミック成形体の乾燥用治具。
  3. セラミック粉末とバインダーと分散媒液との混合組成物からなり、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のセラミック成形体の乾燥方法であって、
    請求項1又は2記載の乾燥用治具を用い、
    前記乾燥用治具で前記セラミック成形体を包囲した後、マイクロ波を照射することにより、両端部から中央部分に近づくに従って漸次または段階的に強くなるように、前記セラミック成形体に照射される前記マイクロ波の強度を制御することを特徴とするセラミック成形体の乾燥方法。
JP35462599A 1999-12-14 1999-12-14 セラミック成形体の乾燥方法及びセラミック成形体の乾燥用治具 Expired - Fee Related JP4386518B2 (ja)

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