JP4371553B2 - セラミック成形体の乾燥方法、多孔質セラミック部材の製造方法、及び、セラミックフィルタの製造方法 - Google Patents

セラミック成形体の乾燥方法、多孔質セラミック部材の製造方法、及び、セラミックフィルタの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック粉末及びバインダー等を含み、多数の貫通孔が長手方向に並設された柱状のセラミック成形体の乾燥方法、上記乾燥方法で乾燥させたセラミック成形体を用いる多孔質セラミック部材の製造方法、及び、上記製造方法で得た多孔質セラミック部材を用いるセラミックフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排気ガス中に含有されるパティキュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
この排気ガスを多孔質セラミックを通過させることにより、排気ガス中のパティキュレートを捕集して排気ガスを浄化するセラミックフィルタが種々提案されている。
【0003】
セラミックフィルタは、通常、図6に示すような多孔質セラミック部材30が複数個結束されてセラミックフィルタ40を構成している。また、この多孔質セラミック部材30は、図7に示すように、長手方向に多数の貫通孔31が並設され、貫通孔31同士を隔てる隔壁33がフィルタとして機能するようになっている。
【0004】
すなわち、多孔質セラミック部材30に形成された貫通孔31は、図7(b)に示すように、排気ガスの入り口側又は出口側の端部のいずれかが充填材32により目封じされ、一の貫通孔31に流入した排気ガスは、必ず貫通孔31を隔てる隔壁33を通過した後、他の貫通孔31から流出するようになっており、排気ガスがこの隔壁33を通過する際、パティキュレートが隔壁33部分で捕捉され、排気ガスが浄化される。
【0005】
従来、このような多孔質セラミック部材30を製造する際には、まず、セラミック粉末とバインダーと分散媒液とを混合して成形体製造用の混合組成物を調製した後、この混合組成物の押出成形等を行うことにより、セラミック成形体を作製していた。
【0006】
そして、次に、得られたセラミック成形体を乾燥装置に入れ、このセラミック成形体にマイクロ波を照射することによる加熱を行い、セラミック成形体中の分散媒液等を飛散、蒸発させ、一定の強度を有し、容易に取り扱うことができる図8(a)に示すセラミック成形体の乾燥体200を製造していた。
この乾燥工程の後、脱脂工程及び焼成工程を経て、多孔質セラミック部材30が製造される。
【0007】
しかし、このような従来のセラミック成形体の乾燥方法においては、セラミック成形体を完全に乾燥させることは容易ではなかった。
すなわち、マイクロ波を照射することにより、ある程度分散媒液(水分)が除去されると、マイクロ波は、炭化珪素等のセラミック粉末に吸収されるようになり、そのため、成形体内部のセラミック粉末の温度が急激に上昇して、水分が完全に除去される前にバインダー分解され始めてしまい、これによりクラック等が発生しやすくなるという問題があった。
【0008】
また、従来から最も一般的に行われている方法として、熱風による乾燥方法がある。
しかしながら、熱風のみで迅速にセラミック成形体を乾燥させようとすると、乾燥過程において、成形体の表面に近い部分と成形体の内部とで、水分量に大きな差が発生しやすく、そのため、図8(b)、(c)に示すように、成形体に大きな反りが発生したり、クラックが発生してしまう。
【0009】
また、このような反りやクラックが発生しないように、ゆっくりと乾燥させようとすると、セラミック成形体を完全に乾燥させるためには、極めて長時間乾燥を行う必要があるため、効率的に乾燥を行うことはできなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、セラミック成形体の乾燥工程におけるバインダーの分解を防止し、また、乾燥工程におけるセラミック成形体内の水分の不均一な蒸発による反り等の変形を発生させず、全体を均一に、かつ、迅速に乾燥させることができるセラミック成形体の乾燥方法、上記乾燥方法で乾燥させたセラミック成形体を用いる多孔質セラミック部材の製造方法、及び、上記製造方法で得た多孔質セラミック部材を用いるセラミックフィルタの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のセラミック成形体の乾燥方法は、セラミック粉末とバインダーと分散媒液との混合組成物からなり、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のセラミック成形体の乾燥方法であって、上記セラミック成形体を下治具と上治具とからなる乾燥用治具を用いて上下から包囲し、マイクロ波により乾燥するマイクロ波乾燥工程と、上記マイクロ波により乾燥した成形体を、さらに、圧力印加手段を備えた上治具と下治具とからなる乾燥用治具を用い、セラミック成形体を上下から密着状態で包囲し、かつ、上記セラミック成形体に圧力を加えながら熱風により乾燥する熱風乾燥工程とからなることを特徴とする。
また、本発明の多孔質セラミック部材の製造方法は、本発明のセラミック成形体の乾燥方法で乾燥させたセラミック成形体を、焼成する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明のセラミックフィルタの製造方法は、本発明の多孔質セラミック部材の製造方法で製造した多孔質セラミック部材を複数個結束させることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセラミック成形体の乾燥方法、多孔質セラミック部材の製造方法及びセラミックフィルタの製造方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明のセラミック成形体の乾燥方法は、セラミック粉末とバインダーと分散媒液との混合組成物からなり、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のセラミック成形体の乾燥方法であって、上記セラミック成形体を下治具と上治具とからなる乾燥用治具を用いて上下から包囲し、マイクロ波により乾燥するマイクロ波乾燥工程と、上記マイクロ波により乾燥した成形体を、さらに、圧力印加手段を備えた上治具と下治具とからなる乾燥用治具を用い、セラミック成形体を上下から密着状態で包囲し、かつ、上記セラミック成形体に圧力を加えながら熱風により乾燥する熱風乾燥工程とからなることを特徴とする。
【0013】
本発明で乾燥の対象となるセラミック成形体は、セラミック粉末とバインダーと分散媒液との混合組成物からなるものである。
【0014】
上記セラミック粉末としては特に限定されず、例えば、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素、窒化チタン、炭化チタン等の非酸化物系セラミックの粉末;アルミナ、コージェライト、ムライト、シリカ、ジルコニア、チタニア等の酸化物系セラミックの粉末等を挙げることができる。
【0015】
これらセラミック粉末の粒径も特に限定されるものではないが、後の焼成過程で収縮が少ないものが好ましく、例えば、0.3〜50μm程度の平均粒子径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μm程度の平均粒子径を有する粉末5〜65重量部とを組み合わせたものが好ましい。
【0016】
上記バインダーとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
上記バインダーの配合量は、通常、セラミック粉末100重量部に対して、1〜10重量部程度が好ましい。
【0017】
上記分散媒液としては特に限定されず、例えば、ベンゼン等の有機溶媒;メタノール等のアルコール、水等を挙げることができる。上記分散媒液は、混合組成物の粘度が一定範囲内となるように、適量配合される。
これらセラミック粉末とバインダーと分散媒液等とは、アトライター等で混合された後、ニーダー等で充分に混練され、押し出し成形法等により、所定の形状に成形される。
【0018】
本発明のセラミック成形体の乾燥方法は、セラミック成形体をマイクロ波により乾燥するマイクロ波乾燥工程と、上記マイクロ波により乾燥した成形体を、さらに熱風により乾燥する熱風乾燥工程とからなることを特徴とする。
【0019】
図1は、マイクロ波乾燥工程で用いるマイクロ波乾燥装置の一例を模式的に示した断面図である。
【0020】
本発明では、図1に示すように、まず、上記工程で作製されたセラミック成形体12を、マイクロ波発生装置11とマイクロ波攪拌用スターラー14とを備えたマイクロ波乾燥装置10内の成形体通路15に搬入する。
【0021】
このマイクロ波乾燥装置10内では、照射するマイクロ波をマイクロ波攪拌用スターラー14で攪拌することにより、セラミック成形体12に均一にマイクロ波を照射して、分散媒液等を加熱することにより乾燥を行う。
【0022】
乾燥を行う際の、マイクロ波のパワー等の条件は、対象となるセラミック成形体12の形状や貫通孔の大きさに依存するために、一概には規定できないが、例えば、セラミック成形体12の大きさが33mm×33mm×300mmで、貫通孔21の数が31個/cm2 、隔壁22の厚さが0.35mmの場合、マイクロ波のパワーは、0.5〜4kW程度が好ましい。なお、セラミック成形体12の形状や大きさが異なっても、乾燥の条件は、上記した条件から大きく外れることはない。
【0023】
このとき、図2に示すような、セラミック成形体12を上下から密着状態で包囲することができるように構成されたガラスエポキシ製の下治具17と上治具16とからなる乾燥用治具を用い、この下治具17上にセラミック成形体12を側面が傾斜した状態で載置し、その上から上治具16を載置してセラミック成形体に両者を密着させてもよい。
【0024】
また、図示はしないが、セラミック成形体12と上治具16又は下治具17との間に、水分の吸収が可能な弾性部材を介装していてもよい。このような弾性部材を介装することで、蒸発した水分が該弾性部材に吸収され、セラミック成形体12の乾燥効率が良好なものとなる。
上記弾性部材としては、プラスチック製又はゴム製の多孔質弾性部材が好ましく、シリコンスポンジがより好ましい。
【0025】
このような乾燥用治具を用いることにより、セラミック成形体12の側面(表面)からの水分の蒸発をコントロールすることができるようになり、セラミック成形体12の表面と内部との水分量の不均一に起因する反り等の変形やセル切れ(貫通孔を隔てる隔壁にクラックが発生すること)等を防止することができる。
【0026】
上記したマイクロ波による乾燥により、セラミック成形体中の全体の水分の65±15%程度まで、蒸発、除去することができる。
上記水分量よりもさらに多くの水分をマイクロ波により蒸発、除去しようとすると、マイクロ波がセラミック粉末に吸収されるようになり、セラミック成形体内のセラミック粉末の温度が急激に上昇して脱脂が始まってしまうため、好ましくない。
【0027】
図3は、熱風乾燥工程で用いる熱風乾燥装置の一例を模式的に示した断面図である。上記マイクロ波乾燥工程の後、図3に示したように、熱風発生装置22及び送風機21を備えた熱風乾燥装置20にセラミック成形体を搬入し、熱風による乾燥を行う。
この際、セラミック成形体12の水分をなるべく均一に蒸発させるため、図3に示したように、熱風発生装置22により発生した熱風が送風機21により、側壁24a、24bを早い速度で通過するように、熱風発生装置22及び送風機21を配置し、かつ、この熱風が貫通孔13のなかをスムーズに通過するような方向(すなわち、貫通孔13の方向が熱風の方向と平行になる向き)にセラミック成形体12を並べて乾燥させる。
【0028】
また、図3に示したように、一定時間毎に、左右から交互に熱風23を送ることにより、均一に乾燥を行うことができる。
このときの熱風23の温度は、50〜120℃が好ましく、熱風23の風速は、5〜40m/秒が好ましい。
【0029】
熱風23の温度が50℃未満では、セラミック成形体12の乾燥速度が遅くなって効率的に乾燥を行うことができず、一方、熱風23の温度が120℃を超えると、セラミック成形体12が急激に乾燥するため、不均一に乾燥し、クラック等が生じやすくなる。
また熱風23の風速が5m/秒未満であると、乾燥速度が遅くなり、セラミック成形体12に乾燥ムラが発生し、一方、熱風23の速度が40m/秒を超えると、表面の乾燥が進みすぎ、また、風速が速すぎるためセラミック成形体12が移動しやすくなり好ましくない。
【0030】
また、本発明のセラミック成形体の乾燥方法では、上記熱風乾燥工程において、圧力印加手段を備えた上治具と下治具とからなる乾燥用治具を用い、セラミック成形体12を上下から密着状態で包囲し、かつ、セラミック成形体12に所定の圧力を加えながら、セラミック成形体12を乾燥させることが好ましい。
【0031】
熱風乾燥の全過程において、セラミック成形体12内部の水分含有量を完全に均一にすることは難しいので、この水分の不均一等に起因して、セラミック成形体12に反り等が発生する場合がある。このため、本発明ではセラミック成形体12の側面を周囲全体に一定の圧力を印加することにより、反り等が発生するのを防止するのである。
【0032】
図4は、上記乾燥用治具の一例を模式的に示した斜視図である。
図4に示した通り、この熱風乾燥用治具50は、上治具51に、圧力印加手段が設けられているほかは、上記マイクロ波乾燥工程で説明した上治具16と下治具17とを備えた乾燥用治具とほぼ同様の構成からなり、その材質も同じものを挙げることができる。
【0033】
上記圧力印加手段としては特に限定されないが、例えば、図5に示したような、内部にバネ54を有する押圧用バネ部材53を挙げることができる。
【0034】
図5は、押圧用バネ部材53を模式的に示した斜視図である。
この押圧用バネ部材53は、主に、バネ54、固定部材55及び押圧部材56から構成されている。
固定部材55及び押圧部材56の材質としては特に限定されず、例えば、SUS等の金属材料、窒化アルミニウム等のセラミック材料等を挙げることができ、また、強度が充分であれば樹脂等も使用することができる。
【0035】
固定部材55は、その両端部が上側に屈曲しており、その対向する屈曲部分には、支持棒57を挿通することができるように貫通孔が形成されている。また、この固定部材55には、ネジ穴が形成され、図4に示すように、上治具51の板状体510にネジ止めされ、固定される。
【0036】
押圧部材56は、くの字形状に形成され、固定部材55の屈曲部の内側に当接した2枚の側板59と、これら2枚の側板59を支持、固定する背板560と、側板59の下部に取り付けられた押圧棒58とから構成されている。また、側板59には貫通孔が形成され、該貫通孔に支持棒57が挿通されている。
【0037】
一方、バネ54は、その内部に支持棒57が挿通され、この支持棒57により軸支されている。そして、バネ54の両端部は、真っ直ぐに引き延ばされ、押圧部材56の背板560に当接し、また、バネ54の中央部分も引き出されて逆U字型(逆V字型)に形成され、この部分が固定部材55の底板に当接している。押圧用バネ部材53は、このように構成されることにより、押圧用バネ部材53を構成する押圧部材56が矢印の方向に付勢される。
なお、バネ54の材料としては特に限定されず、所定の反発力を有するものを適宜選択して使用することができる。
【0038】
従って、図4に示すように、これら複数の押圧用バネ部材53を備えた上治具51と、下治具52とを嵌合させると、押圧部材56の一端部に取り付けられた押圧棒58は、下治具52の板状体520を押圧し、その結果、これら上治具51と下治具52とにより、内部に載置されたセラミック成形体の側面全体に、所定の圧力が印加される。
【0039】
このセラミック成形体に印加される圧力は、0.4〜0.6MPaであることが好ましい。0.4MPa未満であると、熱風乾燥工程において、セラミック成形体に反りやセル切れが発生してしまうことがある。一方、0.6MPaを超えると、セラミック成形体のセルが変形してしまったり、破損が生じることがある。
【0040】
なお、このような構造の熱風乾燥用治具50は、マイクロ波乾燥工程を経た、ある程度の強度を有するセラミック成形体について使用する。熱風乾燥用治具50は、圧力を加えながら乾燥をするため、成形されたばかりのセラミック成形体では、強度が足りず、容易にセルの変形、破損が発生してしまうからである。
【0041】
バネ54等を用いずにセラミック成形体に圧力を印加する方法としては、例えば、両端部にフックが取り付けられた紐状の弾性体を、図2に示したような形状の乾燥用治具(上治具16と下治具17)の周囲に、上記フックを用いて巻き付け、該乾燥用治具を締めつけ、圧力を印加する方法等を挙げることができる。
【0042】
また、例えば、上治具16と下治具17とを構成する2枚の板状体部分に、電磁石を埋め込んでおき、上下の電磁石同士が引っ張りあうように設定することで、圧力を印加してもよい。
【0043】
このような構成からなる熱風乾燥用治具は、共に、マイクロ波による乾燥工程においては、フックを外しておいたり、電圧を印加せずにおき、次の熱風乾燥工程において、フックを引っ掛けたり、電圧を印加することにより、セラミック成形体に圧力を印加することができる。従って、マイクロ波による乾燥工程と熱風による乾燥工程とを同一の乾燥用治具を用いて行うことができ、生産効率が向上する。
【0044】
なお、本発明のセラミック成形体の乾燥方法で用いる乾燥装置は、通常、マイクロコンピュータを内蔵する自動制御装置が組み込まれており、マイクロ波パワー、熱風の温度、熱風の風速等の設定は勿論のこと、セラミック成形体がマイクロ波乾燥装置や熱風乾燥装置に搬入されると、例えば、赤外センサ等により自動的にセラミック成形体を検知し、マイクロ波を発生させ、マイクロ波攪拌用スターラーを駆動し、熱風発生装置や送風機等を作動させるように構成されている。
【0045】
本発明のセラミック成形体の乾燥方法によれば、マイクロ波による乾燥と熱風による乾燥とを組み合わせることにより、マイクロ波により初期の乾燥を迅速かつ効率的に行うことができ、ある程度乾燥され、マイクロ波による加熱が効果的でなくなった後、熱風により乾燥を行うので、従来の場合と比べて、より迅速に、かつ、乾燥体に反り等を発生させることなく、均一に乾燥することができる。
【0046】
また、熱風による乾燥の際、圧力印加手段を備えた乾燥用治具を用いることにより、セラミック成形体の反りやセル切れ等の発生をほぼ完全に防止することができる。
なお、本発明の乾燥方法で乾燥させたセラミック成形体を、焼成する工程を含む多孔質セラミック部材の製造方法もまた本発明の一つである。また、本発明の多孔質セラミック部材の製造方法では、上記焼成する工程の前に、上記セラミック成形体を脱脂する工程を含んでいてもよい。
さらに、上記製造方法で製造した多孔質セラミック部材を複数個結束させるセラミックフィルタの製造方法もまた本発明の一つである。
【0047】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0048】
参考例
平均粒子径10μmのα型炭化珪素粉末70重量部、平均粒子径0.7μmのβ型炭化珪素粉末30重量部、メチルセルロース5重量部、分散剤4重量部、水20重量部を配合して均一に混合することにより、原料の混合組成物を調製した。
【0049】
この混合組成物を押出成形機に充填し、押出速度2cm/分にて図2に示すような形状のハニカム成形体12を作製した。このハニカム成形体12は、その大きさが30mm×30mm×300mmで、貫通孔21の数が31個/cm2 、隔壁22の厚さが0.35mmであった。
【0050】
次に、図2に示すように、下治具17にセラミック成形体20を載置した後、上治具16をセラミック成形体12の上に載せ、この状態で図1に示したマイクロ波乾燥装置10に搬入し、マイクロ波のパワーを3kWに設定して1分間セラミック成形体12の乾燥を行った後、このセラミック成形体12の水分量を測定したところ、最初の水分量の65%が蒸発、除去されていた。
【0051】
次に、図3に示した熱風乾燥装置に、マイクロ波による乾燥が終了したセラミック成形体12(マイクロ波乾燥体)を搬入し、熱風の温度100℃、熱風の風速35m/秒の条件で乾燥を行ったところ、11分でほぼ完全に水分を蒸発させ、乾燥させることができた。
このように、マイクロ波による乾燥と熱風による乾燥を組み合わせることにより、12分と極めて短い時間でセラミック成形体の乾燥工程を終了することができた。
【0052】
実施例2
参考例1と同様にしてセラミック成形体12をマイクロ波で乾燥した後、このマイクロ波乾燥体を、図4に示した熱風乾燥用治具50の下治具52に載置し、上治具51をマイクロ波乾燥体の上に載せ、押圧用バネ部材53を用いて、圧力0.5MPaで固定した。そして、この状態で図3に示した熱風乾燥装置に搬入し、熱風の温度100℃、熱風の風速35m/秒の条件で乾燥を行ったところ、11分でほぼ完全に水分を蒸発させ、乾燥させることができ、また、セラミック成形体12の乾燥体に反り、セル切れ等は一切発生しなかった。
【0053】
比較例1
参考例1と同様にしてセラミック成形体12を作製した後、図1に示したマイクロ波乾燥装置10を用い、セラミック成形体12の乾燥を約6分間行った。その結果、4分を過ぎた後、水分を約20%程度含んだ状態でセラミック成形体12中のバインダーが分解し始め、これによりクラックが発生し、セラミック成形体を完全に乾燥させることができなかった。
【0054】
比較例2
参考例1と同様にしてセラミック成形体12を作製した後、マイクロ波による乾燥を行うことなく、図3に示した熱風乾燥装置20を用い、熱風の温度100℃、熱風の風速35m/秒の条件でセラミック成形体の乾燥を行ったところ、1時間乾燥を行うことにより、やっとほぼ完全に水分を蒸発させ、乾燥させることができた。
【0055】
【発明の効果】
本発明のセラミック成形体の乾燥方法は、上述の通りであるので、セラミック成形体の乾燥工程におけるバインダーの分解を防止し、また、乾燥工程におけるセラミック成形体に反り等の変形を発生させず、全体を均一に、かつ、迅速に乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック成形体の乾燥方法において用いられるマイクロ波乾燥装置を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明のセラミック成形体の乾燥方法において用いられるマイクロ波乾燥用治具及びセラミック成形体を模式的に示す斜視図である。
【図3】本発明のセラミック成形体の乾燥方法において用いられる熱風乾燥装置を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明のセラミック成形体の乾燥方法において用いられる熱風乾燥用治具を模式的に示す斜視図である。
【図5】図4に示した熱風乾燥用治具を構成する、押圧用バネ部材を模式的に示す斜視図である。
【図6】セラミックフィルタを模式的に示す斜視図である。
【図7】(a)は、セラミックフィルタを構成する多孔質セラミック部材を模式的に示す斜視図であり、(b)は、その長手方向に平行な縦断面図である。
【図8】(a)〜(c)は、種々の条件で乾燥した後のセラミック成形体を模式的に示した斜視図である。
【符号の説明】
10 マイクロ波乾燥装置
11 マイクロ波発生装置
12 セラミック成形体
13 マイクロ波
14 マイクロ波攪拌用スターラー
15 成形体通路
16、51 上治具
17、52 下治具
20 熱風乾燥装置
21 送風機
22 熱風発生装置
23 熱風
24a、24b 側壁
30 多孔質セラミック部材
31 貫通孔
32 充填材
33 隔壁
40 セラミックフィルタ
50 熱風乾燥用治具
53 押圧用バネ部材
54 バネ
55 固定部材
56 押圧部材
57 支持棒
58 押圧棒
59 側板
510、520 板状体
560 背板
590 屈曲部

Claims (8)

  1. セラミック粉末とバインダーと分散媒液との混合組成物からなり、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のセラミック成形体の乾燥方法であって、前記セラミック成形体を下治具と上治具とからなる乾燥用治具を用いて上下から包囲し、マイクロ波により乾燥するマイクロ波乾燥工程と、前記マイクロ波により乾燥した成形体を、さらに、圧力印加手段を備えた上治具と下治具とからなる乾燥用治具を用い、セラミック成形体を上下から密着状態で包囲し、かつ、前記セラミック成形体に圧力を加えながら熱風により乾燥する熱風乾燥工程とからなることを特徴とするセラミック成形体の乾燥方法。
  2. 前記マイクロ波による乾燥により、前記セラミック成形体中の水分の50〜65%まで、蒸発、除去する請求項1に記載のセラミック成形体の乾燥方法。
  3. 印加する圧力は、0.4〜0.6MPaである請求項1又は2に記載のセラミック成形体の乾燥方法。
  4. 前記熱風の温度が50〜120℃である請求項1〜3のいずれか1に記載のセラミック成形体の乾燥方法。
  5. 前記熱風の風速が5〜40m/秒である請求項1〜4のいずれか1に記載のセラミック成形体の乾燥方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1に記載の乾燥方法で乾燥させたセラミック成形体を、焼成する工程を含むことを特徴とする多孔質セラミック部材の製造方法。
  7. 前記焼成する工程の前に、前記セラミック成形体を脱脂する工程を含む請求項6に記載の多孔質セラミック部材の製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載の製造方法で製造した多孔質セラミック部材を複数個結束させることを特徴とするセラミックフィルタの製造方法。
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