JP2003137662A - セラミックス焼結体の製造方法 - Google Patents

セラミックス焼結体の製造方法

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JP2003137662A
JP2003137662A JP2001331904A JP2001331904A JP2003137662A JP 2003137662 A JP2003137662 A JP 2003137662A JP 2001331904 A JP2001331904 A JP 2001331904A JP 2001331904 A JP2001331904 A JP 2001331904A JP 2003137662 A JP2003137662 A JP 2003137662A
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zone
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ceramic
firing
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Yoshihiro Kobayashi
善宏 小林
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】棒状のセラミックス焼結体の特定個所がミクロ
ン以下の所望の寸法公差の範囲内に入る。 【解決手段】出発原料に安定化剤、焼結助剤等を混合し
バインダーを添加した成形前原料を棒状に成形し、上記
棒状のセラミックス成形体11の一部分を取り出して、
その特定個所の寸法もしくは成形金型の特定個所の寸法
を測定し、乾燥工程の第1ゾーンと第2ゾーンによる乾
燥を行った後、その状態のままかもしくは焼成後、再び
セラミックス乾燥体もしくはセラミックス焼結体の上記
特定個所の寸法を測定し、その収縮率を算出する予備試
験を行った後、セラミックス焼結体の特定個所が所望の
寸法になるように、上記乾燥工程の第1ゾーンにおける
マイクロ波出力を制御して本乾燥し、本焼成を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、精密な寸法精度を
要求される棒状のセラミックス焼結体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、セラミックス焼結体は、高強度、
耐磨耗性、高剛性、低熱膨張性、耐熱性、高硬度などの
特性を利用して、機械材料として工作機械部品、測定装
置、エンジン、送風機、軸受け、工具、潤滑剤、もしく
は光通信用部品等に用いられてきている。また化学的な
安定性を利用して化学装置や断熱性あるいは伝熱性を利
用した機器への応用も図られてきている。
【0003】この中で、精密機械や精密測定器のよう
に、常温環境下で使用される精密機器の重要要素部品に
セラミックス焼結体が採用されるようになってきた。そ
の背景には、半導体に代表される電子部品の超精密化、
微細化が急速に進み、それらを製造する加工機や測定器
にサブミクロンもしくはそれ以下の精度が要求されるよ
うになってきたからである。これら精密機器の構造用部
材として従来は、ステンレス、アルミ系合金、防錆処理
した鉄系材料及び石材が使われてきた。
【0004】しかし、加工精度がミクロン以下を要求す
る超精密や超微細加工分野においては、構造体の自重に
よる変形や温度、湿度変化による微小な変形も問題にな
るほど要求仕様が厳しく、しかも能率化のために機械の
高速化、軽量化の要求も強い。このような、高性能の品
質要求にたいし、従来の材料では様々な問題点が指摘さ
れ、セラミックス焼結体が使われ始めている。
【0005】また、近年通信における情報量の増大に伴
い、光ファイバを用いた光通信が使用されている。この
光通信において、光ファイバ同士の接続、あるいは光フ
ァイバと各種光素子との接続には光コネクタが用いられ
ている。
【0006】例えば、光ファイバ同士を接続するコネク
タの場合、図5及び図6に示すフェルール1に形成され
た貫通孔1aに光ファイバ3の端部を保持し、一対のフ
ェルール1をスリーブ4の両端から挿入して、内部で凸
球面状に加工した先端面1d同士を当接させるようにし
た構造となっている。
【0007】上記フェルール1の材質としてはセラミッ
クス焼結体、金属、プラスチック、ガラス等、さまざま
なものが試作されてきたが、現在は大半がセラミックス
製となっている。その理由は、セラミックスは加工精度
を高く加工することが出来るため、内径、外径の公差を
1μm以下と高精度にすることができ、またセラミック
ス焼結体は摩擦係数が低いため光ファイバの挿入性に優
れ、剛性が高く熱膨張係数が低いことから外部応力や温
度変化に対して安定であり、耐食性にも優れているため
である。
【0008】さらに、上記フェルール1のセラミックス
焼結体としては、近年、アルミナからジルコニアに大半
が置き代わりつつある。このジルコニア焼結体は、ヤン
グ率がアルミナの約半分と低いため、2個のフェルール
の先端面同士を当接する際に、小さな応力で密着性を高
めることができ、また強度、靱性が高いことから信頼性
を向上できる(特公平8−30775号公報参照)。
【0009】上記セラミックス焼結体の製造方法は、図
7に示すように、出発原料の不純物を除去して安定化剤
や焼結助剤等を混合して、バインダーを添加した成形前
原料を、セラミックス焼結体の特定個所が所望の寸法に
なるように平均的な収縮率に基づき成形金型を選定し
て、成形、焼成をおこない、必要ある部分を研削や研磨
等の機械仕上げ加工を行って製品化していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
の製造方法においては、平均的な収縮率を用いていたた
めに、成形前原料の製造ロット毎に収縮率が異なり、成
形、焼成されたセラミックス焼結体の特定個所がミクロ
ン以下の所望の寸法公差の範囲内に入らないという問題
を生じていた。
【0011】そのセラミックス焼結体が所望の寸法にた
いして、削り代があれば、研磨等で所望の寸法に仕上げ
なければならず、そのために多大な作業時間を要し、製
造コストを増大させる要因となっていた。
【0012】また、そのセラミックス焼結体が所望寸法
にたいして、削り代のない場合は使用できなくなるので
廃棄処分をしなければならず、廃棄処分をしたくないた
めに大半の製造ロットで削り代が残るように上記平均的
な収縮率を削り代の多い側へシフトして製造していた。
【0013】そのために、更に削り代が多くなり、研削
や研磨等で所望の寸法に仕上げなければならず、更に多
大な作業時間を要し、製造コストを増大させる要因とな
っていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記問題点に鑑みて本発
明は、出発原料に安定化剤、焼結助剤等を混合しバイン
ダーを添加した成形前原料を棒状に成形し、乾燥工程に
てまず第1ゾーンとしてマイクロ波により急速乾燥を行
い、第2ゾーンとして熱風および/または遠赤外線によ
る乾燥を行った後、焼成することを特徴とする。
【0015】また、上記第1ゾーンでのマイクロ波の出
力を調整することにより、上記セラミックス乾燥体の乾
燥収縮率を所望の値にすることを特徴とする。
【0016】更に、上記棒状のセラミックス成形体の少
なくとも長手方向の2箇所を支えて、少なくとも1方向
からマイクロ波を照射することを特徴とする。
【0017】しかも、上記棒状のセラミックス成形体の
一部分を取り出して、その特定個所の寸法もしくは成形
金型の特定個所の寸法を測定し、乾燥工程の第1ゾーン
と第2ゾーンによる乾燥を行った後、その状態のままか
もしくは焼成後、再びセラミックス乾燥体もしくはセラ
ミックス焼結体の上記特定個所の寸法を測定し、その収
縮率を算出する予備試験を行った後、セラミックス焼結
体の特定個所が所望の寸法になるように、上記乾燥工程
の第1ゾーンにおけるマイクロ波出力を制御して本乾燥
し、本焼成を行うことを特徴とする。
【0018】そして、上記マイクロ波の出力を1〜5K
Wとすることを特徴とする。
【0019】更に、上記セラミックス焼結体がジルコニ
アセラミックスからなることを特徴とする。
【0020】また、上記セラミックス焼結体が光通信用
コネクタ部材に使用されることを特徴とする。
【0021】即ち、本発明によれば、セラミックス成形
体を乾燥する際に脱水速度を制御することにより、所望
の収縮率のセラミックス焼結体を得ることが出来、セラ
ミックス焼結体の特定個所をミクロン以下の所望の寸法
公差の範囲内に入れることが可能となった。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を説明す
る。
【0023】図1は本発明の棒状のセラミックス焼結体
の製造方法を示す流れ図である。
【0024】上記セラミックス焼結体において、上記セ
ラミックス成形体の一部分を取り出して、該セラミック
ス成形体の特定個所の寸法もしくは成形金型の特定個所
の寸法を測定したあと、乾燥工程の第1ゾーンとしてマ
イクロ波による急速乾燥を行い、次に第2ゾーンとして
熱風および/または遠赤外線による乾燥をおこない、そ
の状態のままかもしくは焼成後、再びセラミックス乾燥
体もしくはセラミックス焼結体の上記特定個所の寸法を
測定し、その収縮率を算出する予備試験を行った後、セ
ラミックス焼結体の特定個所が所望の寸法になるよう
に、マイクロ波出力を制御して本乾燥し、その後本焼成
をおこなったあと、必要部分を研削もしくは研磨等の機
械仕上げ加工を行い製品化する。
【0025】ここで、図2(a)〜(c)に成形工程及
び乾燥工程について説明する。
【0026】まず成形工程であるが、一例として押し出
し成形の概念を図2(a)に示すが、成形機13の投入
口14に成形前原料15を投入して、数段にわたるスク
リュー16により混合され、金型17と通過して棒状の
セラミックス成形体11を得る。
【0027】次に、乾燥工程の第1ゾーンであるが、図
2(b)に示す様に、第1ゾーン乾燥炉18に乾燥治具
12に整列したセラミックス成形体11を投入し、マイ
クロ波発生装置19を運転して急速乾燥させる。
【0028】次に、乾燥工程の第2ゾーンであるが、図
2(c)に示す様に、第2ゾーン乾燥炉20に乾燥工程
の第1ゾーンを終了したセラミックス成形体11を乾燥
治具12のまま投入し、遠赤外線発生装置21を運転し
て急速乾燥させる。このとき遠赤外線でなくともヒータ
とファン等を用いて熱風での乾燥でも良い。
【0029】本発明は、セラミックス焼結体のなかで
も、外形寸法に対して全長が長い、所謂細長比の大きな
棒状のセラミックス焼結体に関するものである。
【0030】本発明の棒状のセラミックス焼結体の具体
例として、光コネクタ用のフェルールを用いて説明す
る。
【0031】図5に示すように、光コネクタ用のフェル
ール1は、中央に光ファイバを挿入する貫通孔1aを有
し、該貫通孔1aの後端側には光ファイバの挿入を容易
にするために円錐部1bを備え、先端外周にはスリーブ
挿入時にガイド面となるC面部1cを備えている。
【0032】上記フェルール1は、詳細を後述するジル
コニア焼結体で形成され、図6に示すように、その後方
を金属製の支持体2に接合し、上記貫通孔1aに光ファ
イバ3を挿入して接合した後、先端面1dを曲率半径1
0〜25mm程度の凸球面状に研摩する。このような一
対のフェルール1をスリーブ4の両端から挿入し、バネ
等で押圧して先端面1d同士を当接させることによっ
て、光ファイバ3同士の接続を行うことができる。
【0033】上記フェルール1を成すジルコニア焼結体
は、ZrO2 を主成分とし、安定化剤としてY23
含有し、正方晶の結晶相を主体とし、平均結晶粒径を
0.3〜0.5μm、ビッカース硬度を1240〜13
00としており、このようにすることによって、フェル
ール1の先端面1dの研磨性を良好にしている。
【0034】本発明のジルコニア焼結体は、正方晶相を
主体とすることによって、応力を受けた際に、この正方
晶結晶が単斜晶結晶に変態して体積膨張し、クラックの
進展を防止するという応力誘起変態のメカニズムによっ
て、焼結体の強度、靱性を向上でき、部分安定化ジルコ
ニアと呼ばれている。
【0035】また、本発明のジルコニア焼結体は、単斜
晶相を含まず、主体をなす正方晶相の他に相変態に対し
て安定な立方晶を含むことで、前記応力誘起変態のメカ
ニズムをほとんど損なわずに高温水中での相変態特性を
大きく向上させることができる。
【0036】次に、上記フェルール1の製造方法につい
て説明する。
【0037】まず、出発原料のZrO2 には不純物とし
てAl23 やSiO2 、TiO2、あるいはCaO、
Na2 O、Fe23 等が含まれているが、この原料を
酸やアルカリ等の薬品で処理したり、あるいは比重差を
利用した重力選鉱等の手法にて精製し純度を高める。そ
して、ZrO2 にY23 を3〜5モル%添加混合し、
中和共沈または加水分解等の方法により反応・固溶させ
る。
【0038】次に、得られた原料に、成形しやすくする
ために水系、樹脂系、もしくはエマルジョン系等のバイ
ンダーを混合し、成形前原料を作成し、所定の金型を用
いて成形する。
【0039】次に、このセラミックス成形体の一部分を
取り出して成形し、フェルール1のセラミックス成形体
の外径などの特定個所の寸法もしくは成形金型の特定個
所の寸法を測定したあと、乾燥工程の第1ゾーンとして
マイクロ波による急速乾燥を行い、次に第2ゾーンとし
て熱風および/または遠赤外線による乾燥をおこない、
その後焼成して、再びフェルール1のセラミックス焼結
体の上記特定個所の寸法を測定し、その収縮率を算出す
る予備試験を行う。
【0040】更に、フェルール1のセラミックス焼結体
の特定個所が所望の寸法になるように、上記算定した収
縮率に基づき乾燥工程の第1ゾーンでのマイクロ波の出
力を決定して、本乾燥工程の第1ゾーンとしてマイクロ
波による急速乾燥を行い、次に第2ゾーンとして熱風お
よび/または遠赤外線による乾燥をおこなった後、本焼
成をおこない、セラミックス焼結体を得たあと、外周
面、先端面、C面部等の必要部分を研削もしくは研磨等
の機械仕上げ加工を行い完成品のフェルール1を得る。
【0041】なお、本発明における収縮率はセラミック
ス焼結体の特定個所寸法をセラミックス成形体の特定個
所の寸法もしくは成形金型の特定個所の寸法で割った値
をいう。
【0042】ここで、予備試験での乾燥工程の第1ゾー
ンにおけるマイクロ波出力は平均的な基準出力を予め決
めておく。この基準出力をもとに実験で得られた収縮率
とマイクロ波出力の相関関係を示すグラフを用いて本乾
燥でのマイクロ波出力を決定する。
【0043】本発明における、ジルコニアからなるフェ
ルール1においては、基準出力を3KWとし、上記収縮
率とマイクロ波出力の相関関係を示すグラフを図3に示
す。
【0044】ここで一例として、予備試験での収縮率が
77.7%であった場合は、図3よりマイクロ波出力を
3.61KWと決定すればよい。
【0045】本発明のマイクロ波出力は1〜5KWの範
囲内とすることが望ましい。1KW未満であれば、出力
が足りなく、乾燥が進行していかないことと、5KWを
超えると逆に出力が大きすぎでセラミックス成形体にク
ラックが入ってしまうか、もしくは変形してしまうため
に1〜5KWが望ましい。
【0046】以上より、本発明では、セラミックス焼結
体の乾燥工程において、生密度を変化させて焼結時の収
縮率を調整することが出来る。その理由を以下に説明す
る。
【0047】セラミックス成形体の乾燥時には、脱水に
伴ってセラミックス粉の凝集が生じるが、脱水速度が速
くなるとセラミックス粉の凝集が追いつかず、内部に微
小な空隙を生じて生密度が低下し、収縮率が大きくな
る。したがって、本発明では、第1ゾーンでマイクロ波
の出力を大きくすれば、脱水速度が速くなってセラミッ
クス成形体の収縮率を小さくし、逆にマイクロ波の出力
を小さくすれば脱水速度が遅くなって収縮率を大きくで
きるのである。
【0048】ここで、本発明のセラミックス成形体を乾
燥する際に、図4(a)に示す様に棒状のセラミックス
成形体11をV溝12aを有した乾燥治具11に外周面
11aが接触するように載置して、上方からマイクロ波
22を照射する方法があり、特に外形寸法が5mm以下
のものではこれで十分である。
【0049】しかし、外形寸法が大きいものもしくは外
形寸法が小さくともより高精度な寸法精度が要求される
場合には、図4(b)に示す様に、棒状のセラミックス
成形体11を2本の棒材23にセラミックス成形体11
の外周面11aが保持されるように載置して、上方及び
下方の2方向からマイクロ波22を照射する方法があ
る。
【0050】また、図4(c)に示す様に、2本の回転
ローラ24にセラミックス成形体11の外周面11aが
保持されるように載置して、2本の回転ローラ24を回
転させることにより、上方のみにマイクロ波22を照射
する方法でも図4(b)と同一の効果を奏することが出
来る。
【0051】このように、第1ゾーンではマイクロ波の
出力を制御することにより、セラミックス成形体の収縮
率を常にある一定値にコントロールすることが可能とな
る。また、マイクロ波を用いていることから、極めて効
率よく均一に乾燥することができる。
【0052】そして、上記第1ゾーンに連続した第2ゾ
ーンでは、熱風および/または遠赤外線による乾燥をお
こなうことによって、最終的に含水率を4%以下として
乾燥を終了する。これは、最終的な含水率が4%を超え
ると、その後の自然乾燥により、収縮率が変化してしま
うためである。また、第2ゾーンの加熱は伝熱にて作用
し、第1ゾーンで生じた歪を緩和させる効果がある。
【0053】なお、第2ゾーンでの加熱は表面からの乾
燥が進行するため、表面のみが乾燥し、むらや効率低下
が生じるが、本発明の乾燥方法では、既に第1ゾーンで
大部分の乾燥が済んでいる為、特に問題とはならない。
【0054】以上、予備試験として焼成を行って収縮率
を算出する方法で説明してきたが、焼成まで行うと収縮
率の算出までに時間が掛かることから、成形後に乾燥の
み行い、バインダーの流体分を除去しその収縮率をもと
に上記製造方法を行うことでも、本発明の同等の効果を
得ることが出来る。
【0055】これは、乾燥体の焼成後の収縮率は製造ロ
ットによるばらつきがなく、一定であるからである。
【0056】本発明の製造方法によれば、成形方法とし
て、押し出し成形、プレス成形、射出成形等いずれの成
形方法を用いることが出来、焼成方法もバッチ炉、連続
炉等様々な焼成方法を用いても、同一の効果を得ること
が出来る。
【0057】なお、図6では光ファイバ4同士を接続す
るための光コネクタを示したが、上記フェルール1は、
レーザダイオードやフォトダイオード等の光素子と光フ
ァイバを接続する光モジュールに用いることもできる。
【0058】また、本発明におけるジルコニア焼結体
は、上述した光ファイバ同士、又は光ファイバと各種光
素子との接続に用いるさまざまな部材に適用することが
でき、上述したフェルール1に限らない。例えば、光フ
ァイバ同士を完全に接続するために用いるスプライサ
や、光モジュールに用いるダミーフェルール等にも適用
することができる。
【0059】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。
【0060】原料はZrO2 へY23 を添加した部分
安定化ジルコニアを用い、それぞれ、焼結後の外径の寸
法がφ2.500mmのフェルールとなるようにし、本
発明の図1及び比較例として図7に示す製造方法にてサ
ンプルを作製した。
【0061】本発明の図1に示す製造方法にて、平均的
な収縮率77.8%をもとに外径φ3.2134mmの
成形金型を用いて、サンプルNo毎に成形体の一部を取
り出し、乾燥、焼成を行い再び焼結体の外形を測定し、
サンプルNo毎の収縮率を計算した。そのサンプルNo
毎の収縮率に基づき図3のグラフから最適なマイクロ波
出力により、本乾燥を行った後、本焼成をおこない、サ
ンプルNo毎にそれぞれ20個の本焼結体の外径を測定
した。
【0062】乾燥工程では連続炉を用いて、第1ゾーン
でのマイクロ波の基準出力を3KWとし、第2ゾーンで
の熱風温度は80℃に設定した。
【0063】ここで、サンプルNo1の予備試験におい
て、成形金型の外径寸法がφ3.2134mmで乾燥後
の外形寸法がφ2.511mmとなり、計算により収縮
率が78.14%となった。次に図3よりマイクロ波出
力を2.68KWとして本乾燥をおこなった。最終的に
得られた焼結体の外形寸法がφ2.512mmとなっ
た。
【0064】次に順次サンプルを作製し最終的に得られ
た焼結体の外形寸法を測定した。
【0065】比較例として、従来の図7に示す製造方法
にて平均的な収縮率77.8%に基づいて外径φ3.2
134mmの成形金型を用いて本成形、本焼成したサン
プルをそれぞれ10種類作製し、サンプルNo毎に20
個の外径寸法を測定した。
【0066】各サンプルの平均値を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】以上より、図7に示す従来の製造方法で作
製したサンプルでは、外径の平均値がφ2.4971m
m、各値の最大値と最小値の差であるばらつきが0.0
1989mと大きくばらついていたのにたいし、本発明
の図1に示す製造方法では、外径の平均値がφ2.50
18mm、ばらつきが0.00836mmと大幅に安定
した外径寸法を得ることが出来、更には図5に示す製造
方法では、平均値がφ2.4995mm、ばらつきが
0.00401mmとほとんどばらつきがない状態まで
安定した外径寸法をえることが出来た。
【0069】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、出発原料
に安定化剤、焼結助剤等を混合しバインダーを添加した
成形前原料を棒状に成形し、上記棒状のセラミックス成
形体の一部分を取り出して、その特定個所の寸法もしく
は成形金型の特定個所の寸法を測定し、乾燥工程の第1
ゾーンと第2ゾーンによる乾燥を行った後、その状態の
ままかもしくは焼成後、再びセラミックス乾燥体もしく
はセラミックス焼結体の上記特定個所の寸法を測定し、
その収縮率を算出する予備試験を行った後、セラミック
ス焼結体の特定個所が所望の寸法になるように、上記乾
燥工程の第1ゾーンにおけるマイクロ波出力を制御して
本乾燥し、本焼成を行うことにより、セラミックス焼結
体の特定個所がミクロン以下の所望の寸法公差の範囲内
に入るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックス焼結体の製造方法を示す
流れ図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明のセラミックス焼結体
の製造方法における成形工程及び乾燥工程を示す概略図
である。
【図3】本発明のセラミックス焼結体の製造方法におけ
る収縮率とマイクロ波出力の相関関係を示すグラフであ
る。
【図4】(a)〜(c)は本発明のセラミックス焼結体
の製造方法における乾燥方法を示す概略図である。
【図5】本発明のセラミックス焼結体を用いた光コネク
タ用部材を示す図である。
【図6】本発明のセラミックス焼結体からなる光コネク
タ用部材を用いた光コネクタを示す断面図である。
【図7】従来のセラミックス焼結体の製造方法を示す流
れ図である。
【符号の説明】
1:フェルール 1a:貫通孔 1b:円錐部 1c:C面部 1d:先端面 2:支持体 3:光ファイバ 4:スリーブ 11:セラミックス成形体 11a:外周面 12:乾燥治具 12a:V溝 13:成形機 14:投入口 15:成形前原料 16:スクリュー 17:金型 18:第1ゾーン乾燥炉 19:マイクロ波発生装置 20:第2ゾーン乾燥炉 21:赤外線発生装置 22:マイクロ波 23:棒材 24:回転ローラ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】出発原料に安定化剤、焼結助剤等を混合し
    バインダーを添加した成形前原料を棒状に成形し、乾燥
    工程にてまず第1ゾーンとしてマイクロ波により急速乾
    燥を行い、第2ゾーンとして熱風および/または遠赤外
    線による乾燥を行った後、焼成することを特徴とするセ
    ラミックス焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】上記第1ゾーンでのマイクロ波の出力を調
    整することにより、上記セラミックス乾燥体の乾燥収縮
    率を所望の値にすることを特徴とする請求項1記載のセ
    ラミックス焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】上記棒状のセラミックス成形体の少なくと
    も長手方向の2箇所を支えて、少なくとも1方向からマ
    イクロ波を照射することを特徴とする請求項1または2
    に記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】上記棒状のセラミックス成形体の一部分を
    取り出して、その特定個所の寸法もしくは成形金型の特
    定個所の寸法を測定し、乾燥工程の第1ゾーンと第2ゾ
    ーンによる乾燥を行った後、その状態のままかもしくは
    焼成後、再びセラミックス乾燥体もしくはセラミックス
    焼結体の上記特定個所の寸法を測定し、その収縮率を算
    出する予備試験を行った後、セラミックス焼結体の特定
    個所が所望の寸法になるように、上記乾燥工程の第1ゾ
    ーンにおけるマイクロ波出力を制御して本乾燥し、本焼
    成を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のセラミックス焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】上記マイクロ波の出力を1〜5KWとする
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセラ
    ミックス焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】上記セラミックス焼結体がジルコニアセラ
    ミックスからなることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  7. 【請求項7】上記セラミックス焼結体が光通信用コネク
    タ部材に使用されることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載のセラミックス焼結体の製造方法。
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