JP2004292229A - セラミックス焼結体の製造方法 - Google Patents

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光一 山田
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Abstract

【課題】曲がり、そり等の変形やクラックを発生することなく高寸法精度の焼結体を得る。
【解決手段】出発原料に安定化剤、焼結助剤等を混合しバインダーを添加した成形前原料を棒状に成形したセラミックス成形体の焼結方法において、台板の溝に固体潤滑材を塗布し、その上に製品となる上記セラミックス成形体を載置した後、そのセラミックス成形体を覆うように固体潤滑材を覆い被せ埋没させ焼結を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、曲がり、そりの少ない棒状のセラミックス成形体の焼結方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、セラミックス焼結体は、高強度、耐磨耗性、高剛性、低熱膨張性、耐熱性、高硬度などの特性を利用して、機械材料として工作機械部品、測定装置、エンジン、送風機、軸受け、工具、潤滑剤、もしくは光通信用部品等に用いられてきている。また化学的な安定性を利用して化学装置や断熱性あるいは伝熱性を利用した機器への応用も図られてきている。
【0003】
この中で、精密機械や精密測定器のように、常温環境下で使用される精密機器の重要要素部品にセラミックス焼結体が採用されるようになってきた。その背景には、半導体に代表される電子部品の超精密化、微細化が急速に進み、それらを製造する加工機や測定器にサブミクロンもしくはそれ以下の精度が要求されるようになってきたからである。
【0004】
これら精密機器の構造用部材として、かつてステンレス、アルミ系合金、防錆処理した鉄系材料及び石材が使われてきたが、加工精度がミクロン以下を要求する超精密や超微細加工分野においては、構造体の自重による変形や温度、湿度変化による微小な変形も問題になるほど要求仕様が厳しく、しかも能率化のために機械の高速化、軽量化の要求も強い。このような、高性能の品質要求に対し、従来の材料では様々な問題点が指摘され、セラミックス焼結体が使われ始めている。
【0005】
しかしながら、セラミックス焼結体のセラミックス成形体を焼結する際に大きく収縮するという課題があるために、得られた焼結体の寸法精度は低下する傾向があり、このような問題を解決するために、以下のような技術が提案されている。
【0006】
従来の第一例として、セラミックス成形体を焼結する際に、セラミックス成形体と同じ材質の平板状セラミックス成形体からなる表面の平面度が1mm以内の成形板を敷板として使用する。両者の焼結収縮挙動が殆ど同じであるため、焼結収縮時に変形等の相互干渉による歪みの発生が抑えられる(特許文献1)。
【0007】
次に第二の従来例として、セラミックス焼結体の変形防止方法は、セラミックス成形体を焼結する際に、成形体の下に球状あるいは砕石状のセラミックス粉体を敷いて、成形体の荷重を均一に支持するもので、成形体の変形を防止している(特許文献2)。
【0008】
更には、第三の従来例として、上記第一従来例と第二従来例を組み合わせた方法で、焼結治具内にセラミックス粉体を充填しておき、成形体と同一のセラミックス材料からなるセラミックス成形板を介してセラミックス成形体を載置するので、成形板と成形体との収縮率の差による影響を防ぐことができる。そのため、複雑形状の成形体であっても、クラックの発生が無く、変形が極めて少なく、形状精度が良好で高強度の焼結体を得ることができる(特許文献3)。
【0009】
以上、一般的なセラミックス成形体の焼結方法について述べてきたが、次に光通信用コネクタ部材に用いられるセラミックス焼結体の従来例について説明する。
【0010】
近年通信における情報量の増大に伴い、光ファイバを用いた光通信が使用されている。この光通信において、光ファイバ同士の接続、あるいは光ファイバと各種光素子との接続には光コネクタが用いられている。
【0011】
例えば、光ファイバ同士を接続するコネクタの場合、図2及び図3に示すフェルール11に形成された貫通孔11aに光ファイバ13の端部を保持し、一対のフェルール11をスリーブ14の両端から挿入して、内部で凸球面状に加工した先端面11d同士を当接させるようにした構造となっている。
【0012】
上記フェルール11の材質としてはセラミックス焼結体、金属、プラスチック、ガラス等、さまざまなものが試作されてきたが、現在は大半がセラミックス製となっている。その理由は、セラミックスは加工精度を高く加工することが出来るため、内径、外径の公差を1μm以下と高精度にすることができ、またセラミックス焼結体は摩擦係数が低いため光ファイバの挿入性に優れ、剛性が高く熱膨張係数が低いことから外部応力や温度変化に対して安定であり、耐食性にも優れているためである。
【0013】
さらに、上記フェルール11のセラミックス焼結体としては、近年、アルミナからジルコニアに大半が置き代わりつつある。このジルコニア焼結体は、ヤング率がアルミナの約半分と低いため、2個のフェルールの先端面同士を当接する際に、小さな応力で密着性を高めることができ、また強度、靱性が高いことから信頼性を向上できる(特許文献4)。
【0014】
このフェルールの成形体の焼結方法は、図4示す様にセラミックス成形体4を得た後、台板1の溝1aにフェルール11の成形体4を直接載置した後、焼結を行いフェルール1の焼結体を得ていた。
【0015】
〔特許文献1〕特開平6−279092号参照
〔特許文献2〕特開平7−278608号参照
〔特許文献3〕特開平10−251073号参照
〔特許文献4〕特公平8−30775号参照
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の第一従来例であるセラミックス焼結体の製造方法においては、平板状成形板を入れる焼結治具の底部が熱履歴のために変形してくると、その変形の影響を受けてセラミックス焼結体も変形するという問題がある。
【0017】
また、第二の従来例においては、焼結収縮中に成形体の一部が粉体層内に潜り込もうとすることにより、収縮に対する抵抗が生じ、収縮変形していく過程で荷重が不均一になり、やはり得られる焼結体に大きな変形やクラックが発生するという問題がある。
【0018】
更に、上記2つの従来例の組み合わせ策である第三の従来例においては、円筒形状であれば問題はないが、光通信用コネクタ部材であるフェルール等の棒状に成形したセラミックス成形体においては、全長を外径寸法で割った値である細長比が大きくなると、成形板が平板状のために変形を防ぐ手立てがないために、上記同様やはり曲がり、そり等の変形が生じてしまい、更にはやはりクラックが生じてしまうという課題が生じる。
【0019】
これらの課題は、セラミックス成形体の焼成における焼結収縮によるものであるが、この焼結収縮は成形前原料に添加されたバインダーが焼成時に加熱放出除去されていく事で収縮していく要因が大きい。
【0020】
又、最後に図4に示すフェルールの成形体の焼結方法においては、溝により横方向の曲がりはなくなったものの、焼結収縮に伴い長手方向に反ってしまうという問題が生じた。
【0021】
従って本発明の目的は、上記問題点を解消し、棒状のセラミックス成形体において、曲がり、そり等の変形やクラックを発生することなく高寸法精度の焼結体を得ることができる焼結方法を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、セラミックス粉体及びバインダーを含む成形前原料で棒状セラミックス成形体を作製するとともに、該セラミックス成形体を台板の表面に形成した溝に固体潤滑材を介して載置した後、上記セラミックス成形体を上記固体潤滑材で覆い被せて埋没させ、しかる後、焼結することを特徴とする。
【0023】
また、上記セラミックス成形体の焼成に使用する上記台板の溝の深さがセラミックス成形体の外径寸法に対し1/2以下であることを特徴とする。
【0024】
また、上記固体潤滑材がセラミックス成形体よりも高融点である物質であることを特徴とする。
【0025】
さらに、上記固体潤滑材として炭化物、窒化物、硼化物、窒化物、珪化物、酸化物の少なくとも1種を使用することを特徴とする。
【0026】
さらにまた、上記セラミックス成形体の外径寸法に対する全長の比である細長比が4以上であることを特徴とする。
【0027】
そして、上記セラミックス焼結体がジルコニアセラミックスからなることを特徴とする。
【0028】
また、上記セラミックス焼結体が光通信用コネクタ部材に使用されることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を説明する。
【0030】
図1は本発明のセラミックス成形体を台板に載置した状態を示す断面図である。
【0031】
セラミックス粉体、バインダー、安定化剤、焼結助剤等を添加してなる成形前原料を棒状に成形したセラミックス成形体の焼結方法であって、台板1の溝1aに固体潤滑材2を塗布し、その上に製品となる上記セラミックス成形体4を載置した後、更に固体潤滑剤パウダー3を覆い被せ上記セラミックス成形体4を埋没させ、焼結を行う方法である。
【0032】
本発明によれば、セラミックス成形体と台板1の溝1aの間に固体潤滑材2を介在させているために、焼成での収縮時に各部材が滑りやすくなる。
【0033】
更に、そのセラミックス成形体を埋没させるかたちで固体潤滑材3を覆い被せて埋没させている為、成形前原料に添加されたバインダーが焼成時にセラミックス成形体内部から次々と加熱放出除去されていく方向性を上下均一にすると同時に放出速度も低下させる事で焼結収縮時の曲がりやソリ等の変形を防止することができ高寸法精度の焼結体を得ることができる。
【0034】
また、セラミックス成形体としては、上述のように棒状のものを示しているが、これは筒状も含むものである。また、材料としてはZrO2とY2O3を添加した部分安定化ジルコニアを用いることが光通信用コネクタ部材に適しているので好ましいが、これらに限定されるものでもない。なお、この部分安定化ジルコニアとして用いる材料がZrO2とY2O3に加えて成形しやすくするために水とワックスエマルジョン、セルロース等で構成される水系のバインダーや樹脂系のバインダーを加え混合したものを用いても良い。
【0035】
また、台板1としては、板状体の表面に溝が形成されており、この板状体の材料としては、アルミナなどである。台板1に形成される溝1aの深さ寸法は、セラミックス成形体4の外径に対し1/2以下にすることで成形前原料に添加されたバインダーが焼成時にセラミックス成形体内部から次々と加熱放出除去されていく方向性を上方向に加え横方向に促進できることからより高精度な焼結体を得ることができる。
【0036】
また、上記セラミックス成形体の外径寸法に対する全長の比である細長比が4以上の場合、それ以下に比べて焼結収縮時の曲がりやソリ等の変形が大きくなる。
【0037】
次に、本発明の固体潤滑材2及び3としては、セラミックス粉体よりも高融点の物で材種として炭化物、窒化物、硼化物、窒化物、珪化物、酸化物を使用する。殊に、炭化物、窒化物、硼化物は、高い硬度を有すると共に、摺動性にすぐれる点で好適である。炭化物には、炭化ニオブ(NbC)、炭化モリブデン(Mo C)、炭化クロム(Cr)、炭化タンタル(TaC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化珪素(SiC)など、及び窒化物には窒化珪素(Si)、窒化硼素(BN)など、及び硼化物には、硼化チタン(TiB)、硼化モリブデン(MoB)、硼化ジルコニウム(ZrB)、硼化バナジウム(VB)、硼化ニオブ(NbB)、硼化タンタル(TaB)、硼化クロム(CrB)、硼化タングステン(WB)等が好ましい例として挙げられる。この中でも、炭化珪素(SiC)など、窒化珪素(Si)が特に望ましい。
【0038】
また、これら固体潤滑材の粒径は、その上に配置するセラミックス成形体との滑りが良い限りいかなる粒径のものでも良いが、実用上の観点から0.5〜1500μm程度の粒径を有し、粉砕・分級により粒径をそろえていることが望ましい。固体潤滑材の粒径が1500μm超であると、セラミックス成形体とのスムーズな滑りが得られない。なお粒径の下限は単に取扱い時の舞い上がりを防止するため等の実用上の観点から定まるものである。粉砕・分級をせずパウダーの凝集や粒径が均一にそろっていない場合は粒間の隙間が減少する傾向になる為、成形前原料に添加されたバインダーが焼成時にセラミックス成形体内部から次々と加熱放出除去されていく現象が妨げられる。
【0039】
固体潤滑材はセラミックス成形体の焼結に使用した後でもリサイクルすることができる。
【0040】
次に、本発明のセラミックス成形体の焼結方法の具体例として、光コネクタ用のフェルールを用いて説明する。
【0041】
図2に示すように、光コネクタ用のフェルール11は、中央に光ファイバを挿入する貫通孔11aを有し、該貫通孔11aの後端側には光ファイバの挿入を容易にするために円錐部11bを備え、先端外周にはスリーブ挿入時にガイド面となるC面部11cを備えている。
【0042】
上記フェルール11は、詳細を後述するジルコニア焼結体で形成され、図5に示すように、その後方を金属製の支持体12に接合し、上記貫通孔11aに光ファイバ13を挿入して接合した後、先端面11dを曲率半径10〜25mm程度の凸球面状に研摩する。このような一対のフェルール11をスリーブ14の両端から挿入し、バネ等で押圧して先端面11d同士を当接させることによって、光ファイバ13同士の接続を行うことができる。
【0043】
上記フェルール11を成すジルコニア焼結体は、ZrO2を主成分とし、安定化剤としてY2O3を含有し、正方晶の結晶相を主体とし、平均結晶粒径を0.3〜0.5μm、ビッカース硬度を1240〜1300としており、このようにすることによって、フェルール11の先端面11dの研磨性を良好にしている。
【0044】
本発明のジルコニア焼結体は、正方晶相を主体とすることによって、応力を受けた際に、この正方晶結晶が単斜晶結晶に変態して体積膨張し、クラックの進展を防止するという応力誘起変態のメカニズムによって、焼結体の強度、靱性を向上でき、部分安定化ジルコニアと呼ばれている。
【0045】
また、本発明のジルコニア焼結体は、単斜晶相を含まず、主体をなす正方晶相の他に相変態に対して安定な立方晶を含むことで、前記応力誘起変態のメカニズムをほとんど損なわずに高温水中での相変態特性を大きく向上させることができる。
【0046】
次に、上記フェルール11の製造方法について説明する。
【0047】
まず、出発原料のZrO2には不純物としてAl2O3やSiO2、TiO2、あるいはCaO、Na2O、Fe2O3等が含まれているが、この原料を酸やアルカリ等の薬品で処理したり、あるいは比重差を利用した重力選鉱等の手法にて精製し純度を高める。そして、ZrO2にY2O3を3〜5モル%添加混合し、中和共沈または加水分解等の方法により反応・固溶させる。
【0048】
次に、得られた原料に、成形しやすくするために水系、樹脂系、もしくはエマルジョン系等のバインダーを混合し、成形前原料を作成し、金型を用いて内径を有した棒状のセラミックス成形体を得る。
【0049】
次の焼結工程において、台板1の溝1aに固体潤滑材とセラミックス粉体とを混合したパウダー2を塗布し、その上に製品となる上記フェルール11の成形体4を載置した後、そのセラミックス成形体を覆うように固体潤滑材を覆い被せ埋没させ焼結を行いフェルール1の焼結体を得る。
【0050】
このあと、外周面、先端面、C面部等の必要部分を研削もしくは研磨等の機械仕上げ加工を行い完成品のフェルール11を得る。
【0051】
本発明によれば、成形方法として、押し出し成形、プレス成形、射出成形等いずれの成形方法を用いることが出来、焼結方法もバッチ炉、連続炉等様々な焼結方法を用いても、同一の効果を得ることが出来る。
【0052】
なお、図3では光ファイバ13同士を接続するための光コネクタを示したが、上記フェルール11は、レーザダイオードやフォトダイオード等の光素子と光ファイバを接続する光モジュールに用いることもできる。
【0053】
また、本発明におけるジルコニア焼結体は、上述した光ファイバ同士、又は光ファイバと各種光素子との接続に用いるさまざまな部材に適用することができ、上述したフェルール11に限らない。例えば、光ファイバ同士を完全に接続するために用いるスプライサや、光モジュールに用いるダミーフェルール等にも適用することができる。
【0054】
更には、本発明は上記一例の光通信用コネクタ部材に限ることなく様々なセラミックス成形体に適用することが出来る。
【0055】
【実施例】
以下本発明の実施例を説明する。
【0056】
原料はZrO2 へY2 O3 を添加した部分安定化ジルコニアを用い、それぞれ、焼結後の外径の寸法がφ2.510mm、長さが100mmの内径を有した棒状のセラミックス焼結体となるようにし、本発明の図1に示すセラミックス成形体を台板に載置して焼結する方法と比較例として図5に示すセラミックス成形体を台板に載置して焼結する方法にてサンプルを作製した。
【0057】
ここで長さを100mmとしたのは、焼結後にフェルールの長さである仕上げ寸法10.5mmになるように短尺に切断して、複数個のフェルールを作製するからである。
【0058】
本発明の図1に示す方法にて、押し出し成形にてセラミックス成形体4を得た後、焼結工程において、アルミナからなる台板1の溝1a(深さは、セラミックス成形体4の外径に対し1/2以下となる寸法)に二硫化モリブデン製の固体潤滑材2を塗布し、その上にフェルール11の成形体4を載置した後、そのフェルール11の成形体4を覆うように上記と同様の固体潤滑材3を覆い被せ埋没させ焼結を行いフェルール11の焼結体を得た。
【0059】
ここで、パウダー2及び3の粒径は50〜200μmのものを使用し、その塗布厚みは0.5〜1.0mmとした。
【0060】
比較例として、従来の図4に示す方法にて、押し出し成形にてセラミックス成形体4を得た後、焼結工程において、アルミナからなる台板1の溝1aにフェルール11の成形体4を直接載置した後、焼結を行いフェルール11の焼結体を得た。
【0061】
各サンプルを20本作製し、それぞれのそりを測定した。
【0062】
ここで、棒状のセラミックス焼結体のそり測定は、そりを持った棒状のセラミックス焼結体を定盤上に乗せると、定盤と棒状セラミック焼結体の間に隙間ができる。棒状セラミック焼結体を回転させると、あるところでこの隙間が最大になる。この最大隙間を「そり」と定義し、この最大隙間は隙間に隙間ゲージを挿入して測定した。
【0063】
測定した結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
Figure 2004292229
【0065】
以上より、図4に示す従来の製造方法で作製したサンプルでは、そりの平均値が外径の平均値が132.6μm、ばらつきが72.82μmと大きくばらついていたのにたいし、本発明の図1に示す製造方法では、そりの平均値が38.3μm、ばらつきが11.76μmと大幅にそりを小さくすることが出来た。
【0066】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、出発原料に安定化剤、焼結助剤等を混合しバインダーを添加した成形前原料を棒状に成形したセラミックス成形体の焼結方法において、台板の溝に固体潤滑材を塗布し、その上に上記セラミックス成形体を載置した後、そのセラミックス成形体を覆うように固体潤滑材を覆い被せ埋没させ焼結を行うことにより、曲がり、そり等の変形やクラックを発生することなく高寸法精度の焼結体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックス成形体を台板に載置した状態を示す断面図である。
【図2】本発明のセラミックス焼結体を用いた光コネクタ用部材を示す図である。
【図3】本発明のセラミックス焼結体からなる光コネクタ用部材を用いた光コネクタを示す断面図である。
【図4】従来のセラミックス成形体を台板に載置した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1:台板
1a:溝
2:パウダー
3:パウダー
4:セラミックス成形体
11:フェルール
11a:貫通孔
11b:円錐部
11c:C面部
11d:先端面
12:支持体
13:光ファイバ
14:スリーブ

Claims (7)

  1. セラミックス粉体及びバインダーを含む成形前原料で棒状セラミックス成形体を作製するとともに、該セラミックス成形体を台板の表面に形成した溝に固体潤滑材を介して載置した後、上記セラミックス成形体を上記固体潤滑材で覆い被せて埋没させ、しかる後、焼結することを特徴とするセラミックス焼結体の製造方法。
  2. 上記台板の溝の深さがセラミックス成形体の外径寸法に対し1/2以下としたことを特徴とする請求項1記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  3. 上記固体潤滑材が上記セラミックス紛体よりも高融点のものを用いることを特徴とする請求項1もしくは2記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  4. 上記固体潤滑材として炭化物、窒化物、硼化物、窒化物、珪化物、酸化物の少なくとも1種を使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  5. 上記セラミックス成形体の外径寸法に対する全長の比である細長比が4以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  6. 上記セラミックス成形体がジルコニアセラミックスからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  7. 上記セラミックス成形体が光通信用コネクタ部材に使用されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のセラミックス焼結体の製造方法。
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