JP2004256312A - ジルコニア焼結体の製造方法 - Google Patents

ジルコニア焼結体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】精密な寸法精度及び高強度で高耐水性にも優れるジルコニア焼結体を製造する。
【解決手段】ジルコニア粉末にヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液及びエステル型ノニオン界面活性剤を混合したものを押出成形し、しかる後、焼成を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、精密な寸法精度及び高強度で高耐水性にも優れるジルコニア焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、セラミックス焼結体は、高強度、耐磨耗性、高剛性、低熱膨張性、耐熱性、高硬度などの特性を利用して、機械材料として工作機械部品、測定装置、エンジン、送風機、軸受け、工具、潤滑剤、もしくは光通信用部品等に用いられてきている。また化学的な安定性を利用して化学装置や断熱性あるいは伝熱性を利用した機器への応用も図られてきている。
【0003】
この中で、精密機械や精密測定器のように、常温環境下で使用される精密機器の重要要素部品にセラミックス焼結体が採用されるようになってきた。その背景には、半導体に代表される電子部品の超精密化、微細化が急速に進み、それらを製造する加工機や測定器にサブミクロンもしくはそれ以下の精度が要求されるようになってきたからである。これら精密機器の構造用部材として従来は、ステンレス、アルミ系合金、防錆処理した鉄系材料及び石材が使われてきた。
【0004】
しかし、加工精度がミクロン以下を要求する超精密や超微細加工分野においては、構造体の自重による変形や温度、湿度変化による微小な変形も問題になるほど要求仕様が厳しく、しかも能率化のために機械の高速化、軽量化の要求も強い。このような、高性能の品質要求にたいし、従来の材料では様々な問題点が指摘され、セラミックス焼結体が使われ始めている。
【0005】
また、近年通信における情報量の増大に伴い、光ファイバを用いた光通信が使用されている。この光通信において、光ファイバ同士の接続、あるいは光ファイバと各種光素子との接続には光コネクタが用いられている。
【0006】
例えば、光ファイバ同士を接続するコネクタの場合、図5及び図6に示すフェルール1に形成された貫通孔1aに光ファイバ3の端部を保持し、一対のフェルール1をスリーブ4の両端から挿入して、内部で凸球面状に加工した先端面1d同士を当接させるようにした構造となっている。
【0007】
上記フェルール1の材質としてはセラミックス焼結体、金属、プラスチック、ガラス等、さまざまなものが試作されてきたが、現在は大半がセラミックス製となっている。その理由は、セラミックスは加工精度を高く加工することが出来るため、内径、外径の公差を1μm以下と高精度にすることができ、またセラミックス焼結体は摩擦係数が低いため光ファイバの挿入性に優れ、剛性が高く熱膨張係数が低いことから外部応力や温度変化に対して安定であり、耐食性にも優れているためである。
【0008】
さらに、上記フェルール1のセラミックス焼結体としては、近年、アルミナからジルコニアに大半が置き代わりつつある。特許文献1にはこのジルコニア焼結体は、ヤング率がアルミナの約半分と低いため、2個のフェルールの先端面同士を当接する際に、小さな応力で密着性を高めることができ、また強度、靱性が高いことから信頼性を向上できることが示されている。
【0009】
上記ジルコニア焼結体の製造方法としては、一般的には、ジルコニア粉末に、結合剤としてカルボキシメチルセルロール、メチルセルロース等、可塑剤としてポリエチレングリコール、グリセリン等、潤滑剤としてワックスエマルジョン、ステアリン酸エマルジョン等を混合、成形、焼成して焼結体を得る方法等が知られているが、その他には、特許文献1に示されている様に、BET比表面積が10〜20m/gのジルコニア微粉末を成形、焼成して焼結体を得る方法等が知られている。
【0010】
また、特許文献2に示されている様に、セラミック質材料に、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースとウエランガムを添加し、水と混練した後、押し出し成形する方法が知られている。
【0011】
また、特許文献3に示されている様に、セラミックス材料に、多糖類並びにメチルセルロース類、水等を混合し押し出し成形する方法が知られている。
【0012】
〔特許文献1〕
特開2001−80962号公報
〔特許文献2〕
特開2001−220245号公報
〔特許文献3〕
特開平4−50157号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、BET比表面積が大きい程、焼結性には優れるが成形性は劣るので、BET比表面積が10m/g以下のジルコニア微粉末では成形可能な配合であっても、上記のBET比表面積が10〜20m/gのジルコニア微粉末では、押し出すことすら不可能な成形前原料となることがある。これを解決するためにバインダ量を増やす方法が考えられるが、ジルコニアの充填率が下がる為、焼成後の寸法精度が下がる等の問題がある。また、BET比表面積が大きい程、微粉末同士の凝集力が強くなるので、BET比表面積が10m/g以下のジルコニア微粉末に比べ、焼成体に気孔が残り易い等の欠点がある。
【0014】
また、セラミック質材料を特許文献2又は3の方法で、高温で焼成を行えば焼結体の密度が充分に上がるが、Y等で安定化されたジルコニアであっても、高温で焼成したものは水分の存在する高温雰囲気中に曝されると、正方相の結晶が単斜相に相変態することにより変形および強度、靱性等の特性が劣化するという問題が生じる。また、水分の存在する高温雰囲気中に曝されても相変態を伴わない程度の低温で焼成を行うと、焼結体の密度が充分に上がらず、相変態しなくても強度等の特性が劣ったものしか得られない。
【0015】
以上の様に、上記の従来の製造方法においては、成形性および焼結体の残留気孔、寸法精度等に問題を生じるか、あるいは、焼結体の比重、強度、耐水性等に問題を生じていた。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ジルコニア粉末にヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液及びエステル型ノニオン界面活性剤を混合したものを押出成形し、しかる後、焼成することを特徴とする。
【0017】
また、上記ジルコニアの平均粒径が0.3〜0.8μm、BET比表面積が5〜10m/gであることを特徴とする。
【0018】
また、上記ジルコニア焼結体が光通信用コネクタ部材に使用されることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を説明する。
【0020】
図1は本発明のジルコニア焼結体の製造方法を示す流れ図である。
【0021】
成形用バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液、エステル型ノニオン界面活性剤をジルコニア粉末に混合したものを押出成形し、得られた成形体を乾燥、脱脂した後、焼成を行い、次に必要部分を研削もしくは研磨等の機械仕上げ加工を行い製品化する。
【0022】
上記ジルコニア粉末は、Y等で安定化され、押出成形に一般的に用いられている粉末形状または噴霧乾燥等で顆粒状に造粒されたジルコニアであれば特に限定されないが、平均粒径が0.3〜0.8μm、BET比表面積が5〜10m/gであることが好ましい。BET比表面積が10m/gを超えると、押出成形に適当な粘性をもつ成形前原料とする為にバインダの必要量が増え、その結果としてジルコニアの充填率が下がるので、焼結後の寸法ばらつきが大きくなる傾向があり、寸法精度の高い焼結体が得難くなる。また、BET比表面積が5m/g未満だと、高温での焼成においても焼結が進まず、高比重、高強度の焼結体が得ずらい。
【0023】
また、平均粒径が0.8μm以上でBET比表面積が5〜10m/gの範囲内のものは、ジルコニア粉末製造時の仮焼温度が低い等の原因でジルコニア粉末自体が緻密になっていないので上記のBET比表面積が10m/gを超える場合と同様の理由で、焼結後の寸法ばらつきが大きくなる傾向があり、寸法精度の高い焼結体が得難くなる。また、平均粒径が0.3μm以下でBET比表面積が5〜10m/gの範囲内のものは、実質的に生産できない。
【0024】
上記ヒドロキシプロピルメチルセルロースは成形前原料に適当な粘性を持たせるものであれば特に限定されないが、例えば、平均分子量が50,000〜100,000程度のものが挙げられる。
【0025】
また、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのジルコニア原料粉末に対する添加量は、ジルコニア原料粉末100重量部に対して、0.3〜4重量部であることが好ましく、水溶液にしてからジルコニア粉末と混合する。添加量が0.3重量部未満であると、結合剤としての作用が弱くなり、成形体に折れ、割れ、伸び、曲がり等が生じ精密な寸法精度のジルコニア成形体が得られない。また、添加量が4重量部を超えると、未溶解部分が残り焼結体に気孔が発生する原因となる。これを防ぐ為に水の量を増やしていくと成形前原料中のジルコニア比率が小さくなり焼成後の密度が充分に上がらない。
【0026】
上記エステル型ノニオン界面活性剤は、ジルコニア粉末およびヒドロキシプロピルメチルセルロースと均一に混合する為に常温において液状であれば特に限定されないが、例えば、エチレンオキサイドまたはソルビタンと脂肪酸類とがエステル結合しているものであり、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ソルビタンセスキオレート等が挙げられる。
【0027】
また、エステル型ノニオン界面活性剤のジルコニア原料粉末に対する添加量は、ジルコニア原料粉末100重量部に対して、0.5〜4重量部であることが好ましい。添加量が0.5重量部未満であると、成形前原料の粘性が高くなり成形性が悪化する。これを防ぐ為に成形前原料中のジルコニア比率を下げると焼成後の密度が充分に上がらない。また、添加量が4重量部を超えると、バインダの結合力が低下しジルコニア成形体の強度が落ちる。
【0028】
また、上記ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エステル型ノニオン界面活性剤以外に、ジルコニア粉末を押出成形に供する目的で、またはそれ以外の目的で、成形助剤を必要に応じて添加してもかまわない。代表的なものとして潤滑剤として添加されるワックスエマルジョンが挙げられる。ワックスエマルジョンは、特に限定されないが、例えば、パラフィンワックスまたはマイクロクリスタリンワックスまたはこれらの混合物またはステアリン酸等を、固形分の重量百分率が20〜55%になるように水に分散させたものが挙げられる。
【0029】
また、ワックス固形分のジルコニア原料粉末に対する添加量は、ジルコニア原料粉末100重量部に対して、1〜7重量部であることが好ましい。添加量が1重量部未満であると、潤滑剤としての効果が弱すぎて成形性が悪化する。また、添加量が7重量部を超えると、成形前原料中のジルコニア比率が小さくなり焼成後の密度が充分に上がらない。
【0030】
以上のことを鑑み、本発明のジルコニア焼結体の製造方法で、ジルコニア粉末に混ぜるいちばん好ましい材料の組み合わせとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、水、エステル型ノニオン界面活性剤、ワックスエマルジョンであり、これにより、精密な寸法精度及び高強度で高耐水性にも優れたものが得られる。
【0031】
本発明により製造されたジルコニア焼結体の具体例として、光コネクタ用のフェルールを用いて説明する。
【0032】
図2に示すように、光コネクタ用のフェルール1は、中央に光ファイバを挿入する貫通孔1aを有し、該貫通孔1aの後端側には光ファイバの挿入を容易にするために円錐部1bを備え、先端外周にはスリーブ挿入時にガイド面となるC面部1cを備えている。
【0033】
上記フェルール1は、図6に示すように、その後方を金属製の支持体2に接合し、上記貫通孔1aに光ファイバ3を挿入して接合した後、先端面1dを曲率半径10〜25mm程度の凸球面状に研摩する。このような一対のフェルール1をスリーブ4の両端から挿入し、バネ等で押圧して先端面1d同士を当接させることによって、光ファイバ3同士の接続を行うことができる。
【0034】
上記フェルール1を成すジルコニア焼結体は、ZrO2を主成分とし、安定化剤としてY2O3を含有し、正方晶の結晶相を主体とし、平均結晶粒径を0.3〜0.5μm、ビッカース硬度を1240〜1300としており、このようにすることによって、フェルール1の先端面1dの研磨性を良好にしている。
【0035】
本発明により製造されたジルコニア焼結体は、正方晶相を主体とすることによって、応力を受けた際に、この正方晶相が単斜晶相に変態して体積膨張し、クラックの進展を防止するという応力誘起変態のメカニズムによって、焼結体の強度、靱性を向上でき、部分安定化ジルコニアと呼ばれている。
【0036】
また、本発明のジルコニア焼結体は、単斜晶相を含まず、主体をなす正方晶相の他に相変態に対して安定な立方晶相を含むことで、前記応力誘起変態のメカニズムをほとんど損なわずに高温水中での相変態特性を大きく向上させることができる。
【0037】
次に、本発明のジルコニア焼結体の製造方法について説明する。
【0038】
まず、出発原料のZrO2には不純物としてAl2O3やSiO2、TiO2、あるいはCaO、Na2O、Fe2O3等が含まれているが、この原料を酸やアルカリ等の薬品での処理、あるいは比重差を利用した重力選鉱等の手法にて精製し純度を高める。そして、ZrO2にY2O3を3〜5モル%添加混合し、中和共沈または加水分解等の方法により反応・固溶させる。
【0039】
次に、得られたジルコニア粉末に、成形用バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、ワックスエマルジョン、水、エステル型ノニオン界面活性剤を混合する(Step1)。
【0040】
バインダの混合方法は、最初にヒドロキシプロピルメチルセルロースを水に溶解させる以外は特に限定されないが、例えば撹拌羽根式混合機を用いてジルコニア粉末にエステル型ノニオン界面活性剤を混合したものに、温水に分散したヒドロキシプロピルメチルセルロースとワックスエマルジョンとを混合したものを添加して、更に混合する。次に、ニーダー、3本ロール等で混練して成形前原料とする。
【0041】
次に押出成形を行う(Step2)。これによりジルコニア成形体が得られる。押出成形機は、水をジャケットに通す等して成形温度の調節さえ出来れば良いので、一般に用いられているものでかまわない。また、押出方式もスクリュー式またはプランジャー式等にこだわらない。押出成形機のジャケット部分に温度調節した水を通し成形温度を制御しながら、成形前原料を供給しジルコニア成形体を得る。
【0042】
次に、乾燥工程が行われる(Step3)。この乾燥にて水分を除去してジルコニア乾燥体を得る。その後、脱脂、焼成することでジルコニア焼結体が得られる(Step5)。そして必要部分を研削もしくは研磨等の機械仕上げ加工を行い製品化する。このときの焼成温度は、1300℃〜1400℃が好ましい。1300℃以下では、焼結体の密度が充分に上がらず、相変態しなくても強度等の特性が劣ったものしか得られない。また、1400℃以上では、ジルコニア焼結体が水分の存在する高温雰囲気中に曝された時に、正方晶相が単斜晶相に相変態することにより引き起こされる、変形および強度、靱性等の特性の劣化が顕著になる。
【0043】
なお、図3では光ファイバ3同士を接続するための光コネクタを示したが、上記フェルール1は、レーザダイオードやフォトダイオード等の光素子と光ファイバを接続する光モジュールに用いることもできる。
【0044】
また、本発明におけるジルコニア焼結体は、上述した光ファイバ同士、又は光ファイバと各種光素子との接続に用いるさまざまな部材に適用することができ、上述したフェルール1に限らない。例えば、光ファイバ同士を完全に接続するために用いるスプライサや、光モジュールに用いるダミーフェルール等にも適用することができる。
【0045】
【実施例】
以下本発明の実施例を説明する。
【0046】
サンプルは、図1に示す製造方法にて作製した。
【0047】
平均分子量が約86,000のヒドロキシプロピルメチルセルロースを80℃の水と混合した後、パラフィンワックスとマイクロクリスタリンワックスとを水に分散した固形分濃度50%のエマルジョンに添加して更に混合した。ジルコニア粉末にはY を添加した部分安定化ジルコニアを用い、エステル型ノニオン界面活性剤を添加後、予め混合しておいたヒドロキシプロピルメチルセルロース、水、ワックスエマルジョンを添加して撹拌羽根式混合機で混合した。ジルコニア100重量部に対する各々の組成等を表1のNo.1〜11に示す。次に、この混合物を3本ロールにかけ、成形前原料とした。成形機は、スクリュー式の押出成形機を使い、ジャケットに冷水を通して、成形温度を室温程度に維持した。また、成形金型は、外径φ3.2134mmのものを選択し、長さが640mmのフェルール用焼結体となるように成形した。
【0048】
得られた成形体は、乾燥、脱脂後、1350℃2時間で焼成し、サンプルNo.毎にそれぞれ焼結体12個の端面を金属顕微鏡200倍で観察し、直径が5μm以上の気孔の発生総数をカウントした。また、両端および中央部の外径寸法をレーザー式寸法測定機で測定し最大値と最小値の差を求め、比重はピクノメーターで測定した。
【0049】
次に、この焼結体を加工してフェルール試料を作製し、先端面を凸球面状に研削加工を行った。そして、フェルールに光ファイバを接着し、ラッピングフィルムを用いて先端面を凸球面の曲率半径が平均15mm程度となるように研磨した。最後に図3に示すように一対のフェルールをスリーブ内部で接続させた状態で、85℃の熱水中に336時間放置した後、フェルール試料の先端面をX線回折(XRD)分析し、単斜相量の測定を行った。単斜相量は各反射ピーク強度の比から次式を用いて求めた。
【0050】
Xm=(I (111+I (111))/(I (111+I (111)+It+c (111))×100
m(111 ̄)は、(111 ̄)面の単斜晶相ピークを、t+c(111)は、(111)面の正方晶相と立方晶相ピークを、またm(111)は、(111)面の単斜晶相ピークを表す。
【0051】
気孔の総数、外径ばらつき、比重、単斜晶相量の測定結果を表2のNo.1〜11に示す。
【0052】
比較例として、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの代わりにカルボキシメチルセルロースを用いた例、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを粉状のままで混合した例、エステル型ノニオン界面活性剤を添加しなかった例、焼成を1410℃2時間で行った例の組成を表1のNo.12〜17に、焼結体を実施例と同様に測定した結果を表2のNo.12〜17に示す。
【0053】
【表1】
Figure 2004256312
【0054】
【表2】
Figure 2004256312
【0055】
以上より、従来の製造方法で作製したサンプルでは、気孔、外径ばらつき、比重、単斜晶相量を同時に満足できないのに対し、本発明の製造方法では、気孔の発生数1以下、外径ばらつき9μm以下、比重6.05g/cm以上、単斜晶相量4.9%以下と、精密な寸法精度で、且つ高強度で耐熱水性にも優れる焼結体を得ることが出来た。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ジルコニア粉末に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液及びエステル型ノニオン界面活性剤を混合したものを押出成形し、しかる後、焼成することにより、精密な寸法精度及び高強度で高耐水性にも優れるジルコニア焼結体を得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックス焼結体の製造方法を示す流れ図である。
【図2】本発明のセラミックス焼結体を用いた光コネクタ用部材を示す図である。
【図3】本発明のセラミックス焼結体からなる光コネクタ用部材を用いた光コネクタを示す断面図である。
【符号の説明】
1:フェルール
1a:貫通孔
1b:円錐部
1c:C面部
1d:先端面
2:支持体
3:光ファイバ
4:スリーブ

Claims (3)

  1. ジルコニア粉末にヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液及びエステル型ノニオン界面活性剤を混合したものを押出成形し、しかる後、焼成することを特徴とするジルコニア焼結体の製造方法。
  2. 上記ジルコニア粉末の平均粒径が0.3〜0.8μm、BET比表面積が5〜10m/gであることを特徴とするジルコニア焼結体の製造方法。
  3. 上記ジルコニア焼結体が光通信用コネクタ部材に使用されることを特徴とする請求項1に記載のジルコニア焼結体の製造方法。
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