JP5760278B2 - チタン材料およびその製造方法 - Google Patents

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この発明は、チタン材料およびその製造方法に関するものである。
チタンは、鋼の約1/2の低比重を有する軽量素材であり、また耐腐食性や強度に優れるといった特徴を有することから、軽量化ニーズが強い航空機や鉄道車両、二輪車や自動車などの部品や、家電製品や建築用部材に利用されている。また優れた耐腐食性の観点から、医療用素材としても利用されている。
しかしながら、チタンは、鉄鋼材料やアルミニウム合金と比較して、素材コストが高いために利用対象が限定されている。特に、チタン合金は、1000MPaを超える高い引張強さを有するものの、延性(破断伸び)が十分ではなく、また常温あるいは低温域での塑性加工性に乏しいといった課題がある。他方、純チタンは、常温にて25%を超える高い破断伸びを有しており、また低温域での塑性加工性にも優れるものの、引張強さが400〜600MPa程度と低い点が課題である。
高強度および高延性を有するチタン材料に関する従来技術について以下に記載する。いずれの従来技術においても、適正な元素を添加することでチタン材料の強度向上を図ることが基本的な考え方である。多くの場合、チタン素地中に酸素を固溶させることでチタン材料の高強度化を実現することが提案されている。
例えば、特開2002−285268号公報(チタン合金およびその製造方法)では、1.5〜6at%の酸素(O)および/または窒素(N)を含むことによりチタン材料の高強度化を図ることを開示している。酸素は出発原料粉末である純チタン粉末中に事前に含まれている。
同様に、特許第3426605号公報(高強度・高延性チタン合金およびその製造方法)においても、溶解法によって酸素、窒素、鉄(Fe)をチタン合金中に取り込むことを開示しており、ここでも酸素がチタン素地中への固溶元素として強化作用を有している。
特開2009−127083号公報(チタン合金の製造方法)においては、純チタンをベースに窒素あるいは酸素の含有率を高めることで、比較的安価なスポンジチタンを原料としたチタン合金の強度を向上させる製法を提案している。ここでは、微細な酸化チタン粒子と純チタン(スポンジチタン)を混合して成形固化した後、真空アーク溶解することで、酸化チタンを分解してそこに含まれる酸素を純チタンに固溶させる方法を開示している。つまり、本製法によれば、添加する酸化チタン粒子は、アーク溶解の過程で溶融した純チタン中に溶解するため、凝固後のチタンインゴット中には酸化チタン粒子の状態として存在しない。
US7311873号公報(Process of Direct Powder Rolling of Blended Titanium Alloys, Titanium Matrix Composites, and Titanium Aluminides)においては、少なくとも1種類の元素を含むチタン合金粉末に、炭化物、窒化物、酸化物などの粒子を混合し、冷間圧延加工後に固相状態で焼結することでチタン基複合材料を作製する方法を提案している。ここでは、溶解工程を経由しないため、上記の添加粒子も溶解あるいは分解することなく、粒子の状態で存在する。
特開2002−285268号公報 特許第3426605号公報 特開2009−127083号公報 US7311873号公報
チタンに対する高強度と高延性の両立、および素材コストの低減に関する要求は極めて強いことから、これまでに様々な検討が行われてきた。特に、低コスト化の観点から、バナジウム、スカンジウム、ニオブなどの高価な元素ではなく、酸素といった比較的安価な元素による高強度化が従来技術として多く検討されてきた。これまでに開示されている溶解法による酸素取込み技術において、酸素はチタン素地中に固溶することで強化作用を発現しているが、固溶によるチタン中の酸素含有量が増加するにつれて、チタンの延性が顕著に低下するといった課題がある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、高価な元素や物質を添加せずに、高い延性を著しく低下させることなく、高強度を発現するチタン材料を提供することである。
この発明に従ったチタン材料は、a軸方向およびc軸方向に原子を配列した稠密六方格子の結晶構造を有するものであって、以下の特徴を有する。
(a)チタン中に酸素原子が固溶していること。
(b)チタン中の酸素含有量が4000ppm以上であること。
(c)c軸方向での格子定数とa軸方向での格子定数との比である軸比c/aの値が、1.589〜1.593の範囲内にあること。
チタン中の酸素含有量の好ましい上限値は、13000ppmである。また、好ましくは、当該チタン材料は、チタン粉末とTiO粒子とを混合後に焼結することによって得られたものである。他の実施形態として、当該チタン材料は、チタン粉末とZrO粒子とを混合後に焼結することによって得られたものであってもよい。
この発明に従ったチタン材料の製造方法は、以下の工程を備える。
(a)チタン粉末とTiO粒子とを準備する工程。
(b)混合粉末全体に対してTiO粒子の添加量が質量基準で0.5%〜3.0%となるように調整して上記チタン粉末と上記TiO粒子とを混合する工程。
(c)上記混合物を、700℃からTiOの融点未満の温度範囲で、かつ真空雰囲気中で焼結して上記TiO粒子を熱分解させ、解離した酸素原子をチタン中に固溶させる工程。
チタン材料の製造方法は、上記焼結後に、焼結体を加熱して押出加工する工程をさらに備えてもよい。
上記の特徴的な構成の作用効果または技術的意義については、以下の項目で説明する。
酸素含有量と引張強さとの関係を示す図である。 酸素含有量と延性(伸び)との関係を示す図である。 酸素含有量と軸比c/a値との関係を示す図である。 軸比c/a値と伸び値との関係を示す図である。 粉末冶金法で作製した酸素固溶純チタン材の圧縮試験結果を示す図である。 焼結温度と軸比c/a値との関係を示す図である。 焼結体の組織写真であり、(a)は焼結温度を600℃とした場合、(b)は焼結温度を1000℃とした場合を示している。 焼結体のX線回折結果を示す図である。 焼結温度を異ならせた各焼結体のマイクロビッカース硬度の測定結果を示す図である。
本願発明の特徴は、溶解法でチタン材料中に酸素を取り込むのではなく、チタン粉末とTiO粒子との混合物を、700℃からTiOの融点未満の温度で、かつ真空雰囲気中で焼結することにより、TiO粒子を熱分解し、解離した酸素原子をチタン中に固溶させることにある。酸素原子がチタン中に固溶することにより、チタン材料の強度(引張強さ、圧縮強度、硬度)が増加する。
X線回折によれば、チタンの稠密六方格子結晶構造において、TiO粒子の添加量が増加すると、c軸方向の酸素原子の固溶量はほぼ比例して増加するが、a軸方向の酸素原子の固溶量はほぼ一定のままである。c軸方向への酸素原子の固溶により、チタン材料の強度を高めることができる。他方、伸び特性(延性)に関しては、c軸方向での格子定数とa軸方向での格子定数との比である軸比c/aの値が1.593以下であれば、20%を超える伸びが得られる。したがって、固相焼結法によりTiO粒子とチタン粉末とからなる混合粉末を用いて作製した焼結材において、高強度と高延性とを両立させるには、c/aの値を1.589〜1.593の範囲に管理することが必要である。
溶解製法では、チタン中への酸素固溶量が2000〜3000ppm程度の範囲においても、酸素原子はc軸方向に優先的に固溶するため、軸比c/aの値が1.594を超えることになり、延性(伸び特性)が著しく低下してしまう。酸素原子がc軸に固溶する理由は、溶解(液相)状態ではチタン原子の間隔が固相状態よりも大きく、酸素原子がより多数、侵入し易くなるためである。したがって、溶解材では、焼結材と比較して、c軸方向での格子定数が増大する。
溶解法によって得たチタン材と、固相焼結法によって得たチタン材とは、固溶酸素含有量が約3000ppm以上になると、強度および延性において顕著な差となって現われてくる。
溶解法によって得たチタン材では、酸素含有量が3100ppm程度のときに最大引張強さを示し、酸素含有量がさらに増加すると引張強さは低下する。伸びに関しては、酸素含有量が2200ppm程度を超えると急激に低下する。
固相焼結法によって得たチタン材の場合、酸素含有量が13000ppm程度までの範囲では引張強さは酸素量にほぼ比例して増加し、それ以上に酸素含有量が増えると引張強さは低下する。伸びに関しては、酸素含有量の増加とともに徐々に低下するが、約13000ppmを超えると急激な低下となる。
溶解法では実現することのできない強度特性を持つチタン材を固相焼結法で得るには、チタン中の酸素含有量を4000ppm以上にすることが望ましい。また、良好な伸び特性を維持するには、チタン中の酸素含有量を13000ppm以下にするのが望ましい。
TiOと同様の効果を示す酸化物として、ZrO粒子がある。ZrOの場合、熱分解して発生する酸素がチタン中に固溶すると同時に、Zr(ジルコニウム)がチタンと全率固溶形態をとるためZrの固溶強化も生じる。その結果、更なる高強度化を実現できる。この効果を得るには、ZrO粒子の固相状態を維持する温度での焼結が必要である。
TiO粒子とチタン粉末とを混合する場合、最終的に得られるチタン材の強度と延性とを両立させるために、混合粉末全体に対してTiO粒子の添加量を質量基準で0.5%〜3.0%となるように調整することが望ましい。チタン粉末として純チタン粉末を使用する場合、TiO粒子の添加量の望ましい下限値は0.8%である。
また、混合粉末は、700℃からTiOの融点未満の温度範囲で、かつ真空雰囲気中で焼結することが望ましい。焼結温度が700℃を超えると軸比c/aの値が急激に増加する。このことは、TiO粒子が熱分解し、解離した酸素原子がチタン中に固溶したことを意味する。したがって、TiO粒子とチタン粉末の混合物から酸素固溶により高強度で高延性のチタン材料を作製するには、混合物を真空雰囲気かつ700℃以上の温度での焼結処理が有効である。
TiOの熱分解を促進するには、雰囲気中の酸素分圧を低減する必要があるので、真空雰囲気が望ましい。ただし、一旦、真空状態にした後、アルゴンガスを充填した雰囲気であれば、酸素分圧は低い状態で維持できるので、TiOの熱分解は進行する可能性がある。なお、窒素や水素はTiと反応して化合物を形成し、チタン粉末焼結体の延性を低下させるので好ましくない。
チタン材料は、好ましくは、焼結体を加熱して押出加工したものである。
本願発明者らは、本件発明の効果を確認するために、以下の試験を行なった。
[混合粉末の準備]
TiO粒子(平均粒子径3.1μm)と、純チタン粉末(純度95%以上、平均粒子径28.0μm)とを準備した。混合粉末全体に対してTiO粒子の添加量が質量基準で0.2%、0.4%、0.6%、0.8%、1.0%、1.5%、2.0%、3.0%、4.0%、5.0%となるように調整して、純チタン粉末とTiO粒子とを回転ボールミル装置で1時間混合した。
[焼結]
放電プラズマ焼結装置を用いて、以下の条件で、各混合粉末に対して焼結処理を行なった。
雰囲気:真空雰囲気(4Pa以下)
温度:900℃
加圧力:30MPa
保持時間:30分
[押出棒材の作製]
各粉末焼結体を、赤外線イメージ加熱炉を用いてアルゴンガス雰囲気中で1000℃にて5分間の加熱後、直ちに押出加工(押出比:36)し、直径7mmの押出棒材を作製した。
[酸素含有量、引張強さ、延性(伸び)]
各押出材について、酸素含有量を測定し、さらに引張試験および圧縮試験(いずれも歪み速度:5×10−4−1)を行った。比較材として、溶解法によって酸素含有量が異なる純チタン素材を作製し、同様に上記の押出加工により直径7mmの押出棒材とした。
[引張試験結果]
引張り試験結果を図1および図2に示す。図1は、酸素含有量と引張強さ(UTS)との関係を示し、図2は、酸素含有量と延性(伸び)との関係を示している。
図1および図2のグラフの根拠となった数値データを表1および表2に示す。
図1に示すように、粉末焼結材では、TiO粒子の添加量が3mass%(酸素含有量:12230ppm)までの範囲においては、引張強さ(UTS)は酸素量にほぼ比例して直線的に増加し、最大値1287MPaに達した。最大値に達した後では、酸素量が増加すると引張強さは低下する傾向となった。
図2に示すように、粉末焼結材では、伸びは酸素量の増加とともに徐々に低下するが、12230ppmを超えると急激に低下した。つまり、延性(伸び)が低下することで押出素材が脆性となり、その結果、引張強さも低下したことが認められる。
一方、溶解材では、酸素含有量が3090ppmにおいて引張強さが最大値に達し、その後は低下した。伸びは酸素量の増加とともに徐々に低下するが、2240ppmを超えると、急激に低下した。
図1および図2に示した結果から理解できるように、粉末焼結材は、溶解材に比べて、より多くの酸素を固溶することが可能であり、その結果、引張強さは溶解材よりも顕著に高い値を示した。また、焼結材において伸びが急激に減少する酸素含有量は、溶解材よりも多い。したがって、TiO粒子を用いて粉末冶金法で作製した純チタン材は、溶解製法材と比較して高い強度と高い延性を維持することが可能である。
[軸比c/a]
酸素固溶に関しては、X線回折法により、稠密六方格子結晶構造のチタンのa軸とc軸のそれぞれの方向での格子定数の変化(増加)によりチタン中への酸素原子の固溶状態を定量的に評価できる。c軸方向での格子定数とa軸方向での格子定数との比である軸比c/aの値と、酸素含有量との関係を整理した。その結果を図3に示す。
図3のグラフの根拠となった数値データを表3および表4に示す。
図3に示すように、粉末焼結材では、酸素含有量と軸比c/aの値とはほぼ比例関係にあるが、溶解材では、酸素含有量が3090ppmを超えてからc/a値が急激に増大した。
c/a値と伸び値との関係を図4に示す。図4のグラフの根拠となった数値データを表5および表6に示す。
図4に示すように、押出材の製法に関係なく、c/a値が1.594を超える範囲では、伸び値が急激に低下した。この結果から、酸素原子が固溶した純チタン材において、20%を超える伸びを同時に発現するには、c/a値を1.593以下に管理することが有効であると認められる。特に、純チタン材では、900MPa以上の高強度と高延性とを両立するには、c/a値を1.589〜1.593の範囲とすることが望ましい。
[圧縮試験結果]
図5は、粉末冶金法で作製した酸素固溶純チタン材の圧縮試験結果を示している。
TiO粒子の添加量が増加するに伴い、圧縮耐力(0.2%YS)と剛性の値はいずれも増加しており、酸素固溶による圧縮強度の向上効果を確認できた。
[焼結温度]
純チタン粉末(純度95%以上、平均粒子径28.0μm)と1mass%のTiO粒子(平均粒子径3.1μm)とからなる混合粉末を真空雰囲気中(酸素分圧:4Pa)で異なる焼結温度にて固化し、同一条件で押出加工を施して直径7mmの押出棒材を作製した。
焼結温度とc/a値との関係を図6に示す。図6に示すように、焼結温度が700℃を超えると急激にc/a値が増加していることから、TiO粒子が熱分解し、解離した酸素原子がチタン中に固溶していることが認められる。したがって、粉末冶金法を用いてTiO粒子と純チタン粉末との混合体から酸素固溶により高強度かつ高延性の純チタン材を作製するには、真空雰囲気で700℃以上の焼結加工が有効である。
図7は焼結体の組織写真であり、(a)は焼結温度を600℃とした場合、(b)は焼結温度を1000℃とした場合を示している。600℃の焼結温度では、出発原料であるTiOが未反応の状態で存在しているのに対し、1000℃の焼結温度では、TiO粒子は存在せず、真空雰囲気中での加熱によってTiO粒子が熱分解したことを確認できた。
図8は、上記の焼結体のX線回折結果を示す図である。600℃の温度で焼結した場合、TiOのピークが検出されており、出発原料であるTiOが未反応である。それに対して、1000℃の温度で焼結した場合、TiOの回折ピークはなく、TiOが熱分解したことを確認できる。
図9は、焼結温度を異ならせた各焼結体のマイクロビッカース硬度の測定結果を示している。焼結温度が0℃のものは、純チタン原料粉末の素地の硬度である。600℃の温度までの焼結では硬度は大きく増加していないが、800℃以上の焼結温度になると、硬度が著しく増大しており、酸素固溶による強化が生じていることが認められる。
[チタン合金粉末の使用]
出発原料粉末として準備する「チタン粉末」は、純チタン粉末に限定されるものではなく、チタン合金粉末であっても良い。本願発明者は、チタン合金粉末とTiO粒子とを混合し、焼結したチタン材料においても同様の効果を奏することを確認した。具体的には、以下の測定結果が得られた。
(a)Ti−6%Al−4%V粉末の押出材の場合
引張強さ(TS):1156MPa
降伏強さ(YS):1107MPa
伸び:26.3%
(b)Ti−6%Al−4%V粉末+0.5mass%TiO粒子の押出材の場合
引張強さ(TS):1308MPa
降伏強さ(YS):1172MPa
伸び:23.3%
本発明は、航空機、鉄道車両、自動車用部品、家電製品素材、建築用構造部材、医療用素材など幅広い分野で使用可能なチタン材料およびその製造方法として有利に利用され得る。

Claims (5)

  1. 純チタン粉末とTiO 粒子とから、固相焼結法によって製造され、a軸方向およびc軸方向に原子を配列した稠密六方格子の結晶構造を有するチタン材料であって、
    チタン中に酸素原子が固溶しており、
    チタン中の酸素含有量が4000ppm以上であり、
    c軸方向での結晶定数とa軸方向での結晶定数との比である軸比c/aの値が1.589〜1.593の範囲内にある、チタン材料。
  2. チタン中の酸素含有量が13000ppm以下である、請求項1に記載のチタン材料。
  3. 当該チタン材料は、チタン粉末とTiO粒子とを混合後に焼結することによって得られたものである、請求項1または2に記載のチタン材料。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のチタン材料を製造する方法であって、
    純チタン粉末とTiO粒子とを準備する工程と、
    混合粉末全体に対してTiO粒子の添加量が質量基準で0.8%〜3.0%となるように調整して前記純チタン粉末と前記TiO粒子とを混合する工程と、
    前記混合物を、700℃からTiOの融点未満の温度範囲で、かつ真空雰囲気中で焼結して前記TiO粒子を熱分解させ、解離した酸素原子をチタン中に固溶させる工程とを備える、チタン材料の製造方法。
  5. 前記焼結後に加熱して押出加工する工程をさらに備える、請求項4に記載のチタン材料の製造方法。
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