JP5760001B2 - 全地球的航法衛星システム受信機における異常測定値の検出および補正ならびにアンビギュイティの決定 - Google Patents
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Description
う。例えば、GPS衛星はL1の周波数帯域の搬送波およびL2の周波数帯域の搬送波に載せて信号の伝送を行うことができる。受信機が二周波ユニットである場合、数nは、受信および処理対象の信号を有する衛星の個数の2倍に等しい。すなわち、数nは、受信および処理対象の衛星チャネルの数に等しく、その場合、衛星チャネルは衛星の固有の特性および搬送波周波数により特定される。2つの搬送周波数での信号受信によって電離層遅延に対する補正が可能になる。これらの補正によりアンビギュイティ決定が単純化されることになる。
・ 個々の残余の絶対値がユーザ定義の閾値を上回らなければ、測定値は一貫性を有する。行動モデルが先験的に知られていればこの方法は効果的である。
・ 個々の加重残余の絶対値がユーザ定義の閾値を上回らなければ、測定値は一貫性を有する。加重残余とは加重値と呼ばれる係数で掛け合わせた残余である。個々の残余は様々な加重値で掛けられることができる。さらなる詳細について以下説明する。
・ 残余の二乗の加重和(WSRS)がユーザ定義の閾値を上回らなければ、測定値は一貫性を有する。この方法はすべての測定値を使用するため、包括的である。WSRSのさらなる詳細について以下説明する。
・ 論理演算「AND」または「OR」を介して上記基準のいかなる組み合わせを使用することも可能である。
・ 残余の最大絶対値を検索する。対応する測定値は異常値と見なされる。
・ 加重残余の最大絶対値を検索する。対応する測定値は異常値と見なされる。
・ 特定の測定値の除去が更新済みの解に関するWSRSの最小値を結果としてもたらすように特定の測定値の検索を行う。この方法は一度に1つずつ測定値を検査する方法である。
・ 検出された測定値のみを異常値に指定する。
・ 現在のチャネルに対するすべての測定値を異常値に指定する。コード測定値が異常値であれば、搬送波位相の測定値もまた異常値に指定する。同様に、搬送波位相の測定値が異常値であれば、コード測定値も異常値に指定する。
・ 民間チャネル上の測定値が異常値であれば、保護されたチャネル上の測定値も異常値に指定する。GPSおよびGLONASSにおいて、すべてのユーザにより復号化され得る信号もあれば、(軍事利用のような)権限が与えられたユーザのみにより復号化され得る信号もある。GPSの場合、保護されたP−信号は、民間C−信号情報の利用によって復号化され得る。
・ 異常値が検出された衛星から出されるすべての測定値を異常値に指定する。
方法の選択は異常検出器の性能に影響を与える。
・ 疑似範囲の一重位相差に基づく異常検出器。疑似範囲の一重位相差が算出される。電離層の影響は無視できるか、モデルにより補償されると仮定する。疑似範囲の一重位相差に関する方程式を解くことにより、差分符号の解を得ることができる。この解からWSRSの算出が可能となる。この和がユーザ定義の閾値を上回れば異常値に関わる意思決定が行われ、次いで補正が後続する。
・ 搬送波位相の一重位相差に基づく異常検出器がエポックの間ずっと増分する。第1エポックで、疑似範囲を決定するために、コード測定値のみを用いてローバ座標が決定される。第2エポックを起点として、かつ、エポックの間ずっと搬送波位相の増分値を用いて、ローバ座標の増分値(座標の変化)が決定される。座標増分値を前回の座標に加えることによって現在の座標を決定することができる。異常値(サイクルスリップ)が存在しなければ、ローバ座標の増分値は搬送波位相側の精度(cm)で算出されるが、ローバ軌道全体は真の軌道に対して(スタンド・アロンモードで数10mだけ、そして、DGPSモードでは数10cmだけ)動く。この動きはコード測定値から決定される初期座標の不正確さから発生するものである。さらなる詳細については以下説明する。
・ アンビギュイティのない位相の一重差に基づく異常検出器。アンビギュイティのない位相測定値の一重差が算出される。アンビギュイティのない位相の一重差に関して方程式を解くことにより差動位相の解を得ることができる。この解からWSRSを算出することができる。このWSRSがユーザ定義の閾値を上回れば、異常値に関わる意思決定が行われ、次いで、補正が後続する。
は、地球の中心を基準とする世界測地系84(WGS84)座標フレームにおける位置ベクトルであり、本明細書では動径ベクトルとも呼ばれる。
は、対応するデカルトx、y、z軸上へのベクトル射影を指す。
− fは周波数帯域の指数である。(例えば、f=1はL1周波数帯域を意味することができ、f=2はL2周波数帯域を意味することができる)。将来のGNSSは3以上の周波数帯域を有することができる。
− Sは衛星の指数である。
− rは受信機の指数である(r=0はローバ受信機を意味し、r=1は基地受信機を意味する)。
− kはシステム時刻の指数である。
は衛星Sと受信機rとの間の視程疑似範囲(m)である。疑似範囲はコード測定値とも呼ばれる。
は衛星Sと受信機rとの間の視程搬送波位相の測定値(m)である。ここで
は搬送波波長を乗じたサイクルで表される搬送波位相を表す。
・ Cは光の速度(2.99792458×108m/s)である。
は衛星S上の送信アンテナの位相中心から、受信機r上の受信アンテナの位相中心までの距離であり、ここで:
は動径ベクトル
を持つ衛星Sから、地球の自転を説明する動径ベクトル
を持つ地点までの幾何学的距離である。
− Ωeは地球の角回転速度(c−1Ωe=2.432387791×10−13m−1)である。
は受信機rにおいて衛星信号を受信した時刻における衛星Sの動径ベクトルである。衛星信号は様々な時刻に送信される。また、単一の時刻に送信された衛星信号が様々な時刻に様々な受信機に届く。そのため、
の値は1つの受信機から別の受信機へ変動する可能性がある。
はアンテナ基準点を基準とする、受信機r上の受信アンテナの(周波数帯域fに対応する)位相中心の変位ベクトルである。この変位ベクトルは衛星Sの方向に依存する。さらに明示的に記述すれば、
は(方向とは無関係の)位相オフセットを表す。
(仰角に依存する)位相中心偏差を表す。
衛星から受信機への方向余弦を表す。第二項は様々な周波数帯域で動作するアンテナの方向性を説明する。
は衛星の重心を基準とする、衛星S上の送信アンテナの(周波数帯域fに対する)位相中心の変位ベクトルである;一般に、この変位は受信機rへの方向に依存する。
は衛星の重心から衛星上の送信アンテナまでのオフセット値を表す。
は衛星のアンテナ平面からの仰角を表す。そして、
は衛星位相の中心偏差を表す。ここで、測定値の一重位相差または測定値の時間増分値(またはこれらの双方)が処理されているとき、
の影響は無視できるという点に留意されたい。
・ λf,s,は周波数帯域f上で衛星Sが送信する搬送波信号の波長である。全地球的測位システム(GPS)およびGALILEO(GAL)は符号分割多元接続(CDMA)を使用し、そして、GLONASS(GLN)は周波数分割多元接続(FDMA)を使用している。波長は
に従って搬送波周波数ωに関係する。GPSおよびGALの場合、波長は同じ周波数帯域f内のすべての搬送波に対して同じである。GLNの場合、周波数帯域fについては、
個々の衛星Sに対して、対応する衛星周波数チャネル番号ls(整数)が存在する。衛星Sに対する搬送波周波数はこの場合
である。対応する波長は、
である。
この式は、次式に変形することができる。
すべてのGNSSに対して均一な通念を維持するために、GPSおよびGAL内のチャネルにも同様に
が割当てられる(衛星周波数チャネル番号間の増分値が0のため、このパラメータは0に等しい)。GLN周波数帯域の場合:
したがって、これらの値は異なる周波数帯域に対して同じである。上述したように、GPSおよびGALの場合、これらの値も、該値がすべて0に等しいため異なる周波数帯域に対して同じである。そのため、任意のGNSSについて、
は周波数帯域に依存しないという仮定が成り立つ。
この値は
と呼ばれ、この場合SYSは特定のGNSSを意味する。
は衛星のクロックおよび受信機のクロックのクロックオフセットであり、それぞれ、システム時刻に対するクロックオフセットである。
はそれぞれ、コード測定値のチャネル遅延および位相測定値のチャネル遅延である。これらの遅延は、受信機が受信した衛星信号の無線周波数(RF)とデジタル信号処理から結果として生じるものである。良好な近似値を得るために、これらの値は衛星、時刻、および測定形式に依存しないと仮定することができる。
は対流圏遅延である。この遅延は対流圏の屈折係数により引き起こされる。
は電離層内を通過する衛星信号の伝播により引き起こされる電離層遅延である。さらに明示的に記述すれば、十分に高い搬送波周波数Ff,sに対して、
ここで、neは電子密度であり、Lは信号軌道(signal trajectory)であり、Cは定数であり、dsは伝搬路に沿った特異距離である。ここで、周波数依存が[Ff,s]2項から生じるという点に留意されたい。指数fref(例えばL1)を含む任意の基準帯域を選ぶことが可能であり、その場合、
は電離層周波数比(ionosphere frequency ratio)である。ここでfrefは基準周波数帯域の指数である。
は浮動小数点アンビギュイティであり、ここで、
は整数値アンビギュイティであり、
は衛星の基準発振器の初期位相マイナス受信機の基準発振器の初期位相である位相オフセットである。
は衛星S上のアンテナと、受信機r上のアンテナとの相互の配向の変化に起因して生じる位相侵入(phase incursion)(位相増分値)である。この位相侵入には、アンテナの双極子軸の平面においてアンテナの向きを変えることにより生じる
見通し線からアンテナ双極子に対する垂直な軸の相互のずれに起因して生じる
が含まれる。
はそれぞれ、(DLL誤差およびマルチパス誤差を含む)コード雑音誤差ならびに(PLL誤差およびマルチパス誤差を含む)位相雑音誤差である。これらの雑音誤差は、ゼロ期待(平均)値および非ゼロ分散を含む白色ガウス雑音であると考えられる。コード雑音誤差の標準偏差(STD)値は約1mであり、位相雑音誤差のSTD値は約1cmである。
および
疑似範囲の一重位相差の観測方程式は下記のようになる:
そして搬送波位相の一重位相差の観測方程式は下記のようになる:
(E3)および(E4)において:
・ 説明を簡略にするために一重位相差演算子Δ0,1は省略した。例えば疑似範囲の一重位相差は下式になる:
そして、搬送波位相の一重位相差は下式になる:
・ アンテナ基準点に対する範囲の参照が行われる。
・ 以下のパラメータが補正(キャンセル)される。
− 衛星から基地までの算出距離
− 対流圏の影響
− 衛星アンテナおよび受信機アンテナの相互の配向の変化に起因して生じた位相侵入(増分値)
− アンテナ位相中心オフセット(ローバのアンテナおよび基地のアンテナのアンテナ基準点とアンテナ位相中心間のオフセット)
は基準周波数に関する電離層誤差の一重位相差を指す。
によって表される。次いで、例えば、
ここで、
はfのすべての値に対する
の組を意味し、
はfのすべての値に対する、ならびに、基準衛星Srefを除くすべての衛星Sに対する
の組を意味する。1組の変数の関数として事前に表される組の方程式(E3)および(E4)は、
この場合、下記の1組の変数の関数として表すことができる:
この場合、搬送波位相の一重位相差の観測方程式は下記のようになる:
はGPSおよびGALに対して0であり、かつ、GLNに対しては1cm未満である。したがって、この項はすべてのシステムに対して0であると想定できる。この仮定によって上記観測方程式は下記のようになる:
かつ、
を0と仮定する。コード測位(E6)用一重位相差の観測方程式は、この場合下式のように短縮される:
位相測位の場合、アンビギュイティ
は既知のものであり、かつ補正されるものと仮定する。したがって、位相測位(E7)の一重位相差の観測方程式は、この場合下式のように短縮される:
ここで、
が除去されるという点に留意されたい。しかし、
が方程式内に存在しているため、雑音項
は相関づけられる。GPSおよびGALの場合、二重位相差演算子を(E9)に適用することにより、次いで下式がもたらされる:
しかし雑音項は再び相関づけられる。GLNの場合、解析はさらに複雑になる。なぜなら様々な波長が関与するからである。その場合、2つの種類の二重位相差が存在する。
しかし、両方の場合において雑音項は相関づけられる。共分散行列の算出と、重み行列の生成のための共分散行列の反転とを必要とするため、二重位相差の相関は複雑な計算となる。また、上述したように、GLNに対する二重位相差処理は追加処理を与える。したがって、二重位相差による直接的アプローチは受信機クロックオフセットと位相オフセットの除去を行うのに十分ではない。
コードの一重位相差雑音の標準偏差(STD)を表す。
は加重二乗根(weight root)とも呼ばれるSTD
を含む列ベクトルである。上添字αは、残余の算出時に使用される先験的な位置を意味する。共分散行列の逆行列は、測定値共分散の場合には加重行列、また、推定値共分散の場合には情報行列と呼ばれる。ここで加重行列の二乗根が算出される。一重位相差の二乗根加重の算出は(非対角である)二重位相差加重行列の計算よりも単純である。表記法を簡単にするために時刻の指数kは省略した。
を拡張するためにハウスホルダー鏡映(Householder's reflection)(Lawsonを参照のこと)を使用する。この処理は、(第1の列要素を除く)
を0に等しく設定し、その結果下式が得られる:
ここで、NSは所定の周波数fに対する容認可能な測定値の個数である。NSは以下のように決定される。チャネルがSNRの閾値以上のSNRを有し、かつ、対応する衛星が仰角閾値以上の仰角を有していれば「容認可能」なものとして測定値が指定される。これらの測定値は、チャネルアルゴリズムにより、ならびに、異常検出器により「容認可能な」ものとして示されることになる。チャネルがSNR閾値未満のSNRを有し、あるいは、対応する衛星が仰角しきい値未満の仰角を有していれば、チャネルまたは衛星の測定値は、チャネルアルゴリズムにより、ならびに、異常検出器により「容認不能な」ものとして示されることになる。
を含むコード測定値のための線形化された等価観測方程式が得られる。これらの方程式はクロックオフセットに依存しない。
行列(E13)と比べると行列(E14)は
を含んでいる。GPSおよびGALの場合、この列は
に比例する。そのため、これらのシステムの場合、対応する変数を1つに結合し、次いで、(E8)用のクロックオフセットを除去するために事前に用いた方式
を適用すれば十分である。
および追加成分上への射影の和として
を表す:
が直接除去される場合よりも悪い行列条件設定をもたらすことになる。
を含むクロックオフセット
が存在すると仮定する。このような推定値は、例えばコードの解から決定することができる。次いで、(E14)内の
の補正により下記の方程式が得られる。
上式はベクトル
により決定された残余誤差を含む。したがって、
がユーザ定義の制限値内に存在すれば、この値を無視することができる。
の推定値内となり、座標推定値に実質的に影響を与えることはない。
クロックオフセットおよび位相オフセットの除去は(E17)の2回の連続するハウスホルダー変換により実行される。第1回の変換は第1列の副対角要素をリセットする(これらの要素を0にセットする)。第2回の変換は第2列の副対角要素をリセットする。
この結果、クロックオフセットと位相オフセットとに依存しない
を含むアンビギュイティのない位相を表す線形化された観測方程式が得られる。クロックオフセットと位相オフセットとを除去するこの方法は共処理コード(co-processing code)と搬送波位相測定値の発見的手順を提供する。
次いで、現在位置に対する補正が決定される:
は(E13)、(E17)、および(E18)から取得される正規化二重位相差に対応する。dは情報ベクトルと呼ばれる。Dは推定値の情報行列と呼ばれる。DはP=D−1のように共分散行列Pに関係する。結合集合{D,d}は情報座標と呼ばれる。
は決定されない。異常値を補正するために二重位相差の代わりに一重位相差が定義される。基準衛星の異常値が残りの測定値のすべてには影響を与えないことを確かめることが重要である。例えば、1つの周波数に対して以下のコード測定値が利用可能である:
方程式(E21)がコードの解に対して線形化されると仮定する。
は幾何学的座標に基づく部分残余のベクトルである。次いで(E21)は、未知数Γfに関して下式に変換される:
以下のように値Γfを推定することができる:
かつ、(E22)から上式を補正することができる:
は所望の一重位相差の残余ベクトルである。(E23)において、クロックオフセットのLSM推定値を使用した。他の異常検出器に対する一重位相差の残余が同様の方法で定義される。
分布χ2(m−n)[Lawsonを参照のこと]を有する。ただしmは方程式の個数であり、かつ、nは未知数の個数である。ある実施形態では測定値は下式の条件で異常値となる:
ただし、αは測定値の信頼度である。ここで測定値とはコードの一重位相差、位相の一重差、および位相増分値の一重位相差を意味する。
がユーザ指定の閾値を上回れば、測定値は異常値となる:
または、
例えば、MaxWRes=3の値は「3シグマの法則」に対応する。
次いで、正規化雑音を用いる対応する観測モデルについて考察する:
異常値が存在しなければ、
は分布χ2(m−n)を有する。ただしmは方程式の個数であり、かつ、nは未知数の個数である。次に、2つの仮説をたてる:
H0:残余の二乗の和が分布χ2(m−n)を有する(異常値は存在しない)。
H1:残余の二乗の和が別の分布を有する(少なくとも1つの異常値が存在する)。
タイプ1の誤差(「誤認警報」とも呼ばれる)の確率をαとして指定する。χ2分布に基づく基準に従って下記の条件式により測定値は異常となる:
残余の二乗の加重和が(分布のフラクタイル(fractile)である)閾値
を上回れば異常値が存在すると仮定する。
i番目の方程式を観測モデルから除去する。次いで、LSMタスクの解を求め、
が最小である測定値は異常値と見なされる。異常な方程式の除去処理において残余の二乗の加重和が閾値
を上回れば観測のための処理手順を繰り返す。
ただし、
残余の二乗の加重和は下式になる:
i番目の測定値が除去されると
が得られる。
および除去された測定値yiを通じて上記推定値を表現するために
を示す。ピアツーピア情報座標の更新値は下式となる:
したがって:
ただし、
(E34)において行列を乗算し、これらの値を(E35)に代入するとピアツーピア状態ベクトルの更新値が得られる:
除去されたi番目の方程式に関する残余の二乗の加重和のピアツーピア更新値はこの場合下式となる:
(E37)は下記のように簡約することができる:
この式は下式から得られる:
および
下式を用いて
次いで、下式を計算する:
これらすべての変換を行った後、i番目の方程式が除去されるときの残余の二乗の加重和は下式となる:
したがって、残余の二乗の加重和の最小化は
の最大化と同等となる。残余が下式に等しいため、
検索アルゴリズムは、(E35)において決定された特別の加重乗数C(i)を得る際の絶対最大残余の選択とは異なるものとなる。
引数変数の前にある記号&は引数変数が入力/出力変数であることを示す。この変数の値は処理手順において変更が可能である。当業者であれば、疑似コードのコンピュータ実行可能コードへの変換は可能である。
当業者であれば、疑似コードのコンピュータ実行可能コードへの変換は可能である。問題全体(一貫性に関連する測定値の検査、異常測定値の検出、異常測定値の除去、および残りの測定値に対する処理手順の反復)を以下の疑似コードにより表現される処理手順を用いて解決することができる。
当業者であれば疑似コードのコンピュータ実行可能コードへの変換は可能である。
(ただしxは状態ベクトルを表す)はコレスキー情報ベクトル(CIV)と呼ばれる。
組{S,s}はコレスキー情報座標(CIC)と呼ばれる。
ただし、
正規方程式またはコレスキー情報座標を用いて計算処理手順を使用すると、k(i)の計算は約0.5n2フロップを必要とする。ここで、高速検索処理手順が線形の場合に役立つという点に留意されたい。非線形の観測モデルの場合、個々の除去された方程式iに対して或る反復を行うことができる。上記で考察したケースでは、非線形性は弱く、反復を必要としない。
に対して整数決定が実行される。以下フィルタについてさらに詳細に説明する。
推定値が関連する誤差qを有すると仮定する。位相測定値から既知の距離および
を減じ、次いで、取得した値から二重位相差を形成する:
の絶対値は1サイクルの100分の1未満となり、無視することができる。位相誤差は1サイクルよりもずっと小さいため、整数値アンビギュイティの二重位相差の推定値は左側の値の四捨五入により得ることができる。その値
は、この場合0.5サイクル未満となる。そのため(E46)の四捨五入は下記の方程式をもたらすことになる:
を決定することも同様に可能である。ここで、GPSおよびGAL測定値に関連する
は一重位相差において取り消されるので、この値を除去する必要がないという点に留意されたい。しかし、
の正確な推定値を必要とする場合、上記値を補正することができる。GPSおよびGALの場合、
は位相測定値のみを用いて推定することはできない。この目的のために、
はコード測定値を介して推定される。
整数値アンビギュイティベクトルであり、
はフィルタ内で推定された浮動アンビギュイティベクトルであり、そして、
は浮動アンビギュイティベクトルの推定値に関連する情報行列である。2つの最小値q1≦q2(ただし、q1は第1の最小値であり、q2は第1の最小値の後の第2の最小値である)および対応する整数値アンビギュイティベクトル
が決定される。整数値アンビギュイティベクトル
が整数値アンビギュイティベクトルの候補となるように選択される。
を整数値アンビギュイティベクトルの推定値に指定する。明度比が閾値よりも小さければフィルタ処理が継続されて、より高い明度比が得られる。
この観測方程式から定義され得る個々の周波数内のアンビギュイティのみが使用される。したがって、(E49)内のアンビギュイティ・サブベクトルのサイズは、或る環境の下で、すなわち、位相測定値が追跡されているとき、位相測定値を追跡していて見失ったとき、および、位相測定値が異常検出器により削除されたとき変動する。重要な考慮事項として、1つのエポックから別のエポックへの状態ベクトル内の可変連鎖における一貫性が挙げられる。形式的には、特定の周波数帯域に対応する基準測定値を異常検出器により除去できるため、個々の周波数に対して様々な
が選ばれる。
・ 基準衛星が変わる。状態ベクトルおよび対応するコレスキー情報座標(CICS)が再計算される。
・ 衛星(非基準)が昇る(現れる)。対応するアンビギュイティが状態ベクトル内へ導入される。
・ 衛星(非基準)が沈む(消える)。状態ベクトルから対応するアンビギュイティが除去される。
衛星が受信機の視程に入ると、衛星は昇る(すなわち現れる)。すなわち、受信機は、それまで信号を受信しなかった衛星から信号の受信を開始する。衛星が受信機の視程から離れると、衛星は沈む(すなわち消える)。すなわち、受信機はそれまで信号を受信していた衛星から信号の受信を停止する。衛星の配座の様々な状態変化の最中に安定した解が維持される。様々な状況下で情報が保持される。以前の処理手順では、情報が失われ、次いで、計算(CICのフィルタ)が再初期化を必要とし、計算資源を消費する。例えば基準衛星が変更された場合にはフィルタ全体がリセットされる。大量の情報が失われる。衛星が現れたり、消えたりするとき同様の結果が生じる。ある実施形態では、前回取得した情報を保持するためにCICの再計算アルゴリズムが使用される。
ただし、
は以下の計算方式に従う疑似範囲の二重位相差から得られるローバ位置に関連するコレスキー情報座標である:
QR変換がLawsonおよびGolubにおいて論考されている。
システム[A|y]のQR変換は、システム[R|QTy]を結果としてもたらす。
ここで記号〜は予測値を意味し、記号^は更新値を意味する。
この表現では、第1の方程式内の搬送波位相方程式は基準衛星に対応し、かつ、下式に示す行列が導入される:
のすべての要素がリセットされるハウスホルダー変換を適用する:
をリセットするためにギブンス回転[Lawsonを参照のこと]を適用する。
の中から0へのハウスホルダー変換を適用する。
この行列は、(E52)で表される前回算出した行列と同じものである。冗長ではあるが、筆者はこのことを書き留めておく。そうしないと、残りの方程式および図面の番号を付け直す多量の作業が生じることになる。
におけるアルゴリズム入力時に、CICの先験的な
が設定される。
は観測モデルの行列および正規化雑音を含む観測ベクトルである。すべての入力行列はアルゴリズムの処理時に再計算される。行列S、sにおける出力時に、
が更新され、次いで、
がリセットされ、一方、
には加重残余が生じる。更新用アルゴリズムは上三角行列として
をもたらす。更新用アルゴリズムのための疑似コードを図5(E65)に示す。
の取得が後退代入の手順により実行される[Golubを参照のこと]。
はベクトルSで得られる。行列処理“A.dotCol(i,[B,]j)”は以下のような列の
を返す。
は以下のように
を書き換える:A:,i:=A:,i+t・B:,j。
は以下のように省かれる:
の個数が1であれば、引数“j”は省かれて“saxpyCol”の形で表される。当業者であれば疑似コードのコンピュータ実行可能コードへの変換は可能である。
が付けられて選択されると仮定する。
古い変数は下記の変数に従う新たな変数(基準衛星j)を用いて表現される:
ここで、αp×qは対応する次元の行列を表し、この行列のすべての要素はαに等しく、かつ、nは周波数fにおけるアンビギュイティの個数である。
ここで、上述の
に関して下式になるという点に留意されたい。
状態ベクトル全体に対して、
CIC要素Sx、sxを再計算するために、ここで留意すべき点として、
という点に留意されたい。
はQR変換を用いて、上三角行列への縮減が行われた後、
から導き出される。
は図6(E71)に図示の以下の構造を有する。
は行列Afおよび
の構造を考慮して算出される。事前に決めた行列Afを任意の行列Mに正しく乗算した積は、j番目の列が
に等しいという点のみがMとは異なる。列の形で書かれた行列
の場合、
について、周知の0被加数を除去することによって処理数を減らすことが可能となる:
上三角行列および正方行列に適用される。
特殊な独特の構造を有しているため、実質的に少ない数のフロップ数を持つ乗算結果を得ることができる。そのため中央処理装置(CPU)にかかる負荷は実質的に低減される。上三角行列の場合、正方行列と比較してほぼ2分の1にフロップ数を減らすことができる。
を上三角に変換することで十分である。このブロックの構造は以下のように与えられる。
ここで、個々のブロック
に対して、ブロック
の要素と、
とが再計算されるという点に留意されたい。すなわち、[Nf]に関連した拡張行列のブロック行が再計算される。この処理手順は個々のシステムの周波数帯域に対して連続的に実行される。この処理手順の有効性は、1つの周波数での基準衛星の変更プロセスにおいて、別のブロック行に対応する要素が変化しないという事実から得られる。これは(QR更新により行われる)QR変換の特性である。基準衛星が変化した後CICの再計算が行われる。
当業者であれば疑似コードのコンピュータ実行可能コードへの変換は可能である。
射影行列のコレスキー行列は下式のように表現することができる。
ただし、
Γが特別の構造を有しているため左の乗算はより少数のフロップ数で実行される。上記演算は乗算処理手順により実行される。
は拡張され、対応する行と列とが0で充たされる。これは0情報を持つ新たな変数が状態ベクトルに追加されたことを意味する。
Claims (24)
- ローバ内に配置された第1のナビゲーション受信機と、基地局内に配置された第2のナビゲーション受信機とを備えた全地球的航法衛星システムにおいて測定値を処理する方法であって、
複数の全地球的航法衛星から前記第1のナビゲーション受信機により受信した第1の複数の搬送波信号に対応する第1の複数の測定値を受信するステップと、
前記複数の全地球的航法衛星から前記第2のナビゲーション受信機により受信した第2の複数の搬送波信号に対応する第2の複数の測定値を受信するステップであって、前記第2の複数の搬送波信号内の個々の搬送波信号が前記第1の複数の搬送波信号内の搬送波信号に対応し、かつ、前記第2の複数の測定値内の個々の測定値が前記第1の複数の測定値内の測定値に対応する受信ステップと、
前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値を用いて第1の複数の一重位相差を算出するステップと、
前記第1の複数の一重位相差を用いて所定の関数により状態ベクトルを特定するステップであって、前記所定の関数がガウスニュートン法であるステップと、
前記全地球的航法衛星システムの生測定値に対して適用可能な所定の数学モデルによって表される観測モデルを用いて第2の複数の一重位相差を算出するステップであって、前記所定の数学モデルは、少なくとも観測方程式
及び
により与えられるステップと、
前記第2の複数の一重位相差から前記第1の複数の一重位相差を減算することにより複数の残余を算出するステップと、
前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかを判定するステップと、
前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、異常測定値を検出するステップと、
を含むことを特徴とする方法。 - 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかを判定するステップが、
前記複数の残余内の個々の残余の絶対値を算出するステップと、
前記複数の残余内の個々の残余の絶対値を閾値と比較するステップと、
前記複数の残余内の個々の残余の絶対値が前記閾値以下であるとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有している旨を判定するステップと、
前記複数の残余内の残余のうちの少なくとも1つの絶対値が前記閾値よりも大きいとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨を判定するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記異常測定値の検出は、前記複数の残余内における残余の最大絶対値の検索を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が、前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかを判定するステップは、
前記複数の残余に加重値と呼ばれる係数を掛け合わせて複数の加重残余を算出するステップと、
前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値を算出するステップと、
前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値を閾値と比較するステップと、
前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値が前記閾値以下であるとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値は前記観測モデルと一貫性を有している旨を判定するステップと、
前記複数の加重残余内の少なくとも1つの加重残余の絶対値が前記閾値よりも大きいとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値は前記観測モデルと一貫性を有していない旨を判定するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記異常測定値の検出は、前記複数の加重残余内における前記加重残余の最大絶対値の検索を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 前記第1の複数の測定値は第1の複数の疑似距離を含み、かつ、前記第2の複数の測定値は第2の複数の疑似距離を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記第1の複数の測定値は第1の複数のアンビギュイティのない位相を含み、かつ、前記第2の複数の測定値は第2の複数のアンビギュイティのない位相を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記検出された異常測定値を除去するステップと、
残りの測定値を用いて前記ローバ位置を算出するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - ローバ内に配置された第1のナビゲーション受信機と、基地局内に配置された第2のナビゲーション受信機とを備えた全地球的航法衛星システムにおいて測定値を処理する装置であって、
複数の全地球航法衛星から前記第1のナビゲーション受信機により受信した第1の複数の搬送波信号に対応する第1の複数の測定値を受信する手段と、
前記複数の全地球的航法衛星から前記第2のナビゲーション受信機により受信した第2の複数の搬送波信号に対応する第2の複数の測定値を受信する手段であって、前記第2の複数の搬送波信号内の個々の搬送波信号が前記第1の複数の搬送波信号内の搬送波信号に対応し、かつ、前記第2の複数の測定値内の個々の測定値が前記第1の複数の測定値内の測定値に対応する受信手段と、
前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値を用いて第1の複数の一重位相差を算出する手段と、
前記第1の複数の一重位相差を用いて所定の関数により状態ベクトルを特定する手段であって、前記所定の関数がガウスニュートン法である手段と、
前記全地球的航法衛星システムの生測定値に対して適用可能な所定の数学モデルによって表される観測モデルを用いて第2の複数の一重位相差を算出する手段であって、前記所定の数学モデルは、少なくとも観測方程式
及び
により与えられる手段と、
前記第2の複数の一重位相差から前記第1の複数の一重位相差を減算することにより複数の残余を算出する手段と、
前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかを判定する手段と、
前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、異常測定値を検出する手段と、
を備えることを特徴とする装置。 - 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかを判定する手段は、
前記複数の残余内の個々の残余の絶対値を算出する手段と、
前記複数の残余内の個々の残余の絶対値を閾値と比較する手段と、
前記複数の残余内の個々の残余の絶対値が前記閾値以下であるとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有している旨を判定する手段と、
前記複数の残余内の残余のうちの少なくとも1つの絶対値が前記閾値よりも大きいとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨を判定する手段と、
を備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。 - 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記異常測定値を検出する手段は、
前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記複数の残余内における残余の最大絶対値を検索する手段を備える
ことを特徴とする請求項10に記載の装置。 - 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかを判定する手段は、
前記複数の残余に加重値と呼ばれる係数を掛け合わせて複数の加重残余を算出する手段と、
前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値を算出する手段と、
前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値を閾値と比較する手段と、
前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値が前記閾値以下であるとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値は前記観測モデルと一貫性を有している旨を判定する手段と、
前記複数の加重残余内の少なくとも1つの加重残余の絶対値が前記閾値よりも大きいとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値は前記観測モデルと一貫性を有していない旨を判定する手段と、
を備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。 - 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記異常測定値を検出する手段は、
前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記複数の加重残余内における前記加重残余の最大絶対値を検索する手段を備えることを特徴とする請求項12に記載の装置。 - 前記第1の複数の測定値は第1の複数の疑似距離を含み、かつ、前記第2の複数の測定値は第2の複数の疑似距離を含むことを特徴とする請求項9に記載の装置。
- 前記第1の複数の測定値は第1の複数のアンビギュイティのない位相を含み、かつ、前記第2の複数の測定値は第2の複数のアンビギュイティのない位相を含むことを特徴とする請求項9に記載の装置。
- 前記検出された異常測定値を除去する手段と、
残りの測定値を用いて前記ローバ位置を算出する手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。 - コンピュータ可読媒体であって、
ローバ内に配置された第1のナビゲーション受信機と、基地局内に配置された第2のナビゲーション受信機とを備えた全地球的航法衛星システムにおいて測定値を処理するコンピュータプログラム命令であり、
複数の全地球的航法衛星から前記第1のナビゲーション受信機により受信した第1の複数の搬送波信号に対応する第1の複数の測定値を受信するステップと、
前記複数の全地球的航法衛星から前記第2のナビゲーション受信機により受信した第2の複数の搬送波信号に対応する第2の複数の測定値を受信するステップであって、前記第2の複数の搬送波信号内の個々の搬送波信号が前記第1の複数の搬送波信号内の搬送波信号に対応し、かつ、前記第2の複数の測定値内の個々の測定値が前記第1の複数の測定値内の測定値に対応する受信ステップと、
前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値を用いて第1の複数の一重位相差を算出するステップと、
前記第1の複数の一重位相差を用いて所定の関数により状態ベクトルを特定するステップであって、前記所定の関数がガウスニュートン法であるステップと、
前記全地球的航法衛星システムの生測定値に対して適用可能な所定の数学モデルによって表される観測モデルを用いて第2の複数の一重位相差を算出するステップであって、前記所定の数学モデルは、少なくとも観測方程式
及び
により与えられるステップと、
前記第2の複数の一重位相差から前記第1の複数の一重位相差を減算することにより複数の残余を算出するステップと、
前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかを判定するステップと、
前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、異常測定値を検出するステップと、
を定義するコンピュータプログラム命令を記憶することを特徴とするコンピュータ可読媒体。 - 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかの判定ステップを定義する前記コンピュータプログラム命令は、
前記複数の残余内の個々の残余の絶対値を算出するステップと、
前記複数の残余内の個々の残余の絶対値を閾値と比較するステップと、
前記複数の残余内の個々の残余の絶対値が前記閾値以下であるとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有している旨を判定するステップと、
前記複数の残余内の残余のうちの少なくとも1つの絶対値が前記閾値よりも大きいとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨を判定するステップと、
を定義するコンピュータプログラム命令を含むことを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。 - 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記異常測定値を検出するステップを定義する前記コンピュータプログラム命令は、
前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記複数の残余内における残余の最大絶対値を検索するステップを定義するコンピュータプログラム命令を含む
ことを特徴とする請求項18に記載のコンピュータ可読媒体。 - 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかの判定ステップを定義する前記コンピュータプログラム命令は、
前記複数の残余に加重値と呼ばれる係数を掛け合わせて複数の加重残余を算出するステップと、
前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値を算出するステップと、
前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値を閾値と比較するステップと、
前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値が前記閾値以下であるとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値は前記観測モデルと一貫性を有している旨を判定するステップと、
前記複数の加重残余内の少なくとも1つの加重残余の絶対値が前記閾値よりも大きいとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値は前記観測モデルと一貫性を有していない旨を判定するステップと、
を定義するコンピュータプログラム命令を含むことを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。 - 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記異常測定値を検出するステップを定義する前記コンピュータプログラム命令は、
前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記複数の加重残余内における前記加重残余の最大絶対値を検索するステップを定義するコンピュータプログラム命令を含むことを特徴とする請求項20に記載のコンピュータ可読媒体。 - 前記第1の複数の測定値は第1の複数の疑似距離を含み、かつ、前記第2の複数の測定値は第2の複数の疑似距離を含むことを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
- 前記第1の複数の測定値は第1の複数のアンビギュイティのない位相を含み、かつ、前記第2の複数の測定値は第2の複数のアンビギュイティのない位相を含むことを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
- ローバ内に配置された第1のナビゲーション受信機と、基地局内に配置された第2のナビゲーション受信機とを備えた全地球的航法衛星システムにおいて測定値を処理するための前記コンピュータプログラム命令は、
前記検出された異常測定値を除去するステップと、
残りの測定値を用いて前記ローバ位置を算出するステップと、
を定義するコンピュータプログラム命令をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
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