JP5760001B2 - 全地球的航法衛星システム受信機における異常測定値の検出および補正ならびにアンビギュイティの決定 - Google Patents

全地球的航法衛星システム受信機における異常測定値の検出および補正ならびにアンビギュイティの決定 Download PDF

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Description

本発明は一般に、全地球的航法衛星システムに関し、特に、ナビゲーション受信機における異常測定値の検出および補正ならびにアンビギュイティの推定に関する。
全地球的航法衛星システム(GNSS)は高い精度で所在位置を判定することができる。現在配備されている全地球的航法衛星システムは米国の全地球測位システム(GPS)およびロシアのGLONASSである。ヨーロッパのガリレオシステムのような他の全地球的航法衛星システムは開発中である。GNSSにおいては、ナビゲーション受信機は、ナビゲーション受信機の見通し距離内に位置する衛星により伝送される無線信号を受信し、処理する。この衛星信号には疑似ランダム2進コードにより変調された搬送波信号が含まれている。ナビゲーション受信機は、ローカル基準クロックまたは発振器を基準として受信信号の時間遅延を測定する。コード測定値によって、ナビゲーション受信機はナビゲーション受信機と衛星間の疑似範囲を決定することが可能となる。この疑似範囲は、様々な誤差原因やナビゲーション受信機と衛星との時間尺度の変動のために、衛星とナビゲーション受信機間の実際の範囲(距離)は異なるものとなる。十分な数の衛星から信号が受信された場合、測定した疑似範囲を処理して、ナビゲーション受信機においてコードの配置を決定し、時間係数の調整を行うことができる。測定値が単一のナビゲーション受信機により決定されるため、この動作モードは、スタンド・アロンモードと呼ばれる。スタンド・アロンシステムは一般にメートル・レベルの測位精度を提供する。
測定値の精度、正確さ、安定性および信頼性の改善を目的として、ディファレンシャル・ナビゲーション(DN)システムが開発された。DNシステムにおいては、ユーザの位置は、座標が正確にわかっている基地局(基地とも呼ばれる)を基準として決定される。基地は衛星信号を受信するナビゲーション受信機を備える。位置が決定される対象ユーザは静止していても、移動していてもよく、ローバと呼ばれることが多い。ローバもまた衛星信号を受信するナビゲーション受信機を備えている。基地において処理された信号測定値は通信リンクを介してローバへ送信される。例えば、ケーブルや光ファイバを介して通信リンクを提供することができる。移動ローバの便宜を図るために通信リンクは無線リンクである場合が多い。
ローバは、それ自体のナビゲーション受信機で取得した測定値と共に、基地から受信した測定値を処理して、ローバの位置の定位精度を改善する。ローバ側のナビゲーション受信機により被る誤差、および、基地側のナビゲーション受信機により被る誤差には非常に強い相関性があるので、ディファレンシャル・ナビゲーションモードで精度が改善される。基地の座標が正確に既知であるため、基地から得られる測定値を用いてローバ側の誤差の補正が可能となる。ディファレンシャル全地球的測位システム(DGPS)は疑似範囲のみに基づいて所在位置の算出を行う。
コード疑似範囲の測定値を衛星搬送波信号の位相測定値で補足することによって、ディファレンシャル・ナビゲーションシステムの定位精度をさらに改善することができる。同じ衛星によって送信された信号の搬送波位相が基地側のナビゲーション受信機とローバ側のナビゲーション受信機の双方により測定された場合、二組の搬送波位相の測定値の処理により、搬送波の波長の数パーセント内の定位精度を得ることができる。コード疑似範囲に加えて、リアルタイムの搬送波信号に基づいて所在位置の算出を行うディファレンシャル・ナビゲーションシステムは、リアルタイム・キネマティック(RTK)システムと呼ばれることが多い。座標を決定するために搬送波位相の測定値の処理を行うステップには、アンビギュイティ決定ステップ、すなわち、ナビゲーション受信機が受信した搬送波信号内の整数サイクル数を個々の衛星から決定するステップが含まれる。
ナビゲーション受信機(特に、ローバ側のナビゲーション受信機)は、様々な外部影響により測定誤差が引き起こされる複雑な環境で動作している場合が多い。例えば、外部信号が衛星信号に干渉することもあり、さらに、構造物および地形が結果としてマルチパス誤差を生じさせることもある。誤差は2つの広い範疇、すなわち、通常誤差(normal error)と異常誤差(abnormal error)とに分類することができる。通常誤差は正規分布型の白色雑音誤差であり、この誤差は、位置座標の計算中に補正され得る。異常誤差は、大規模なシステム誤差であり、この誤差によって、システムの正確な位置計算が妨げられることもある。場合によっては、異常誤差が固有雑音の急上昇により引き起こされることもある。異常誤差は環境条件の結果生じる場合の方が多い。例えば、直接の衛星信号に干渉する強い反射信号によって、異常誤差が引き起こされ可能性もある。同様に、極度の無線干渉もまた異常誤差を結果的に生じさせる可能性がある。
ナビゲーション受信機の部分的または完全な遮光(shading)は、電波の回折によって誤差を生じさせる可能性がある。測定誤差は、遮光が部分的であり軽微である場合に最小となり得る。しかしながら、衛星が完全に遮光(すなわちブロック)された場合、マルチパス信号だけが残ることになる。その結果、チャネル内での追跡が妨げられ、測定される位相に損失が生じ、それにより異常誤差が生じることになる。ナビゲーション受信機への動的作用(例えばローバの或る特定の動き)もまた、異常誤差を引き起こす可能性がある。インパルスの加速は、受信アンテナと、局部基準発振器の水晶振動子のどちらにも影響を及ぼし、そのため、中間搬送波周波数および測定済み位相のドリフトが結果として生じることになる。
1つの固有タイプの異常誤差は、位相ロックループ(PLL)サイクルスリップであり、このスリップは、衛星搬送波信号を追跡しているPLL回路内のサイクルスリップである。サイクルスリップが生じた後、PLL回路は、新しい安定平衡点へと遷移し、その遷移の後に衛星搬送波信号の追跡を続行する。信号追跡中にサイクルスリップが生じた場合、いくつかの整数セミサイクル(半サイクル)に等しい異常誤差が搬送波位相の測定値の中に導入される。信号ロック後にサイクルスリップが生じた場合、いくつかの整数サイクルに等しい異常誤差が搬送波位相の測定値の中に導入される。
受信した衛星信号からの座標算出では、複雑な数学的アルゴリズムの計算を必要とする。これらのアルゴリズムでは集中的な計算が行われ、しばしば高性能プロセッサとメモリ容量とが利用される。必要とするものは、複雑なアルゴリズムの実行に先立って行われる異常測定値の検出および補正または除去を行うための方法および装置である。
全地球的航法システムはローバ内に配置された第1ナビゲーション受信機と、基地局内に配置された第2ナビゲーション受信機とを備える。複数の全地球的航法衛星から第1ナビゲーション受信機が受信した第1の複数の搬送波信号に基づいて第1の複数の測定値が受信される。上記複数の全地球的航法衛星から第2ナビゲーション受信機が受信した第2の複数の搬送波信号に基づいて第2の複数の測定値が受信される。第2の複数の搬送波信号内の個々の搬送波信号は第1の複数の搬送波信号内の搬送波信号に対応し、かつ、第2の複数の測定値内の個々の測定値は第1の複数の測定値内の測定値に対応する。
ある実施形態において、ローバの出力位置を判定するための計算の実行に先立って、異常測定値が検出され、次いで、除去される。異常測定値を検出するために、第1の複数の測定値および第2の複数の測定値に基づく第1の複数の一重位相差が算出される。第1の複数の一重位相差に基づく状態ベクトルが決定される。観測モデルに基づく第2の複数の一重位相差が算出される。第1の複数の一重位相差および第2の複数の一重位相差に基づく複数の残余が算出される。第1の複数の一重位相差および第2の複数の一重位相差が観測モデルと一貫性を有しているかどうかが判定される。第1の複数の一重位相差および第2の複数の一重位相差が一貫性を有していなかったとき、異常測定値が検出され、除去される。
ある実施形態では整数値アンビギュイティが決定される。疑似範囲および搬送波位相の一重位相差がまず計算される。これらの一重位相差は線形化され、次いで、観測ベクトルおよび行列が計算される。ローバの位置が既知であれば、整数値アンビギュイティベクトルの推定値を決定するために逆演算が実行される。ローバの位置が既知でなければ、アンビギュイティはフィルタされ、浮動アンビギュイティが推定される。整数値アンビギュイティベクトルの候補が決定され、固定基準(fix criteria)に基づいて求められる。固定基準が満たされていれば整数値アンビギュイティベクトルの推定値が生成される。
ある実施形態では、アンビギュイティのフィルタリングに先立って異常測定値が検出され、除去される。異常値を検出するための高速検索手順が計算時に使用される。整数値アンビギュイティを決定するための計算は、コレスキー(Cholessky)情報カルマンフィルタの生成、ならびに、コレスキー情報カルマンフィルタでのハウスホルダー変換の実行に関わる。
本発明のこれらおよび他の利点は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照することによって当業者には明らかになろう。
異常測定値を検出し、補正する方法のフローチャートを示す。
整数値アンビギュイティを決定する方法のフローチャートを示す。
初期コレスキー情報座標を表す式を示す。
将来のエポックにおけるコレスキー情報座標を表す式を示す。
状態ベクトルの更新用アルゴリズムのための疑似コードを示す。
基準衛星が変化したとき整数値アンビギュイティの決定時に用いる行列を表す式を示す。
衛星が沈む時に、整数値アンビギュイティの決定時に使用されるアルゴリズムのための疑似コードを示す。 衛星が沈む時に、整数値アンビギュイティの決定時に使用されるアルゴリズムのための疑似コードを示す。
計算システムの高レベル概略図を示す。
対象のナビゲーション測定値をシステムの状態ベクトルの未知の成分に対する解と見なすことができる。状態ベクトルの成分には、ローバの位置ベクトルと、ローバの速度ベクトル(必要な場合)と、基地およびローバ側のナビゲーション受信機内の局部基準発振器内のクロック誤差と、基地およびローバ側のナビゲーション受信機が受信した搬送波信号の位相測定値のn個の整数値アンビギュイティとが含まれる。個数nについては後述する。用語を簡単にするために、ナビゲーション受信機も本明細書では受信機と呼ぶことにする。
原則として、時間は共通のシステムクロックを基準にして測定される。実際には、個々の衛星送信機および個々の受信機は固有のローカル基準クロックを有している。受信機内の地域基準クロックは一般に水晶発振器であり、この発振器には周波数および位相の変動が生じる可能性がある。これらの変動はクロック誤差をもたらすことになる。また、衛星送信機内の地域基準クロックに対応するクロック誤差も存在する。衛星送信機内のクロックの方が一般に、受信機内のクロックよりも正確で、かつ、安定している。しかし、正確な測定を行うために、衛星送信機内のクロック誤差も考慮に入れられる。受信機または衛星内のローカルクロックが決定した時刻と、共通のシステムクロックが決定した時刻との差はクロックオフセットと呼ばれる。全地球的航法衛星システム(GNSS)においては、離散時間尺度が使用される場合が多い。衛星が送信した計時信号に関連して参照される時刻はエポックと呼ばれる。受信機内のデジタル処理回路に対しては別の時刻が参照される。
搬送波信号の搬送波位相は整数サイクル数とサイクルの小数部分との和である。サイクルの小数部分は直接測定できるが、整数サイクル数は当初不確定である。そのため整数値アンビギュイティと呼ばれることが多い。整数サイクル数の決定プロセスはアンビギュイティ決定と呼ばれる。以後、搬送波位相とは、受信機が最初に決定した曖昧な搬送波位相を意味し、アンビギュイティのない位相とはアンビギュイティ決定後のアンビギュイティのない搬送波位相を意味するものとする。
単一周波数受信機の場合、決定を必要とする整数値アンビギュイティの数nは受信および処理対象の信号を有する衛星の数に等しい。しかし、全地球的航法衛星システムにおける個々の衛星は、2以上の搬送波周波数で信号の送信を行
う。例えば、GPS衛星はLの周波数帯域の搬送波およびLの周波数帯域の搬送波に載せて信号の伝送を行うことができる。受信機が二周波ユニットである場合、数nは、受信および処理対象の信号を有する衛星の個数の2倍に等しい。すなわち、数nは、受信および処理対象の衛星チャネルの数に等しく、その場合、衛星チャネルは衛星の固有の特性および搬送波周波数により特定される。2つの搬送周波数での信号受信によって電離層遅延に対する補正が可能になる。これらの補正によりアンビギュイティ決定が単純化されることになる。
衛星が送信する搬送波信号は、1つの直接伝搬路をたどってローバ受信機まで進み、次いで、第2の直接伝搬路をたどって基地受信機まで進む。本願では、受信された搬送波信号の双方が衛星により送信された同じ搬送波信号に対応するとき、ローバ受信機が受信した搬送波信号は基地受信機が受信した搬送波信号に対応するものとなる。状態ベクトルは観測ベクトルから計算され、該観測ベクトルの成分には2組のナビゲーションパラメータが含まれる。1組のパラメータは基地受信機が測定したデータから決定され、対応する1組のパラメータはローバ受信機が測定したデータから決定される。これらナビゲーションパラメータの各組には、受信機までの個々の衛星の疑似範囲と、個々の衛星搬送波信号の搬送波位相とが含まれる。衛星と受信機間の疑似範囲は、衛星により送信され、受信機が受信した符号化変調信号の時間遅延の測定により得られる。符号化変調信号は衛星追跡チャネル内の遅延ロックループ(DLL)回路により追跡される。搬送波信号の搬送波位相は衛星追跡チャネルにおける位相ロックループ(PLL)により追跡される。これらのナビゲーションパラメータは離散時刻において決定され、次いで、観測ベクトルが時間範囲にわたるナビゲーションパラメータの集合として生成される。
状態ベクトルと観測ベクトルとの関係は、周知のナビゲーション連立方程式により定義される。観測ベクトルが与えられると、方程式の数が状態ベクトル内の未知数の数に等しいか、この数を上回れば、連立方程式を解いて状態ベクトルを求めることができる。これらの連立方程式を解くには、従来型の統計的方法、すなわち、例えば最小二乗法(LSM)、動的カルマンフィルタ法、および、LSM法およびカルマン法の種々の修正形態ならびに組み合わせなどを使用することも可能である。
デジタル形式でのこれらの方法の実際の実装は広く異なり得る。プロセッサ内に方法を実装する際には、結果の精度と、計算速度と、プロセッサにかかる負荷との間に一般に妥協が行われる。一般的な一方式は以下のステップを含むものとなる。基地受信機が決定した1組のナビゲーションパラメータがローバへ送信される。対応する1組のナビゲーションパラメータがローバ受信機により決定される。特定の時刻における個々の衛星チャネルに対して、基地受信機側で測定された疑似範囲と、ローバ受信機側で測定された疑似範囲との間の一重位相差が決定される、次いで、基地受信機側で測定された搬送波位相と、ローバ受信機側で測定された搬送波位相との間の一重位相差が決定される。
基地受信機側の測定値およびローバ受信機側の測定値には強い相関のある誤差が含まれる。例えば、衛星送信機内のクロック誤差は、基地受信機とローバ受信機の双方が受信した信号に共通する。別例として、基地およびローバが十分に近接している場合、大気中を通る信号伝搬により引き起こされる誤差は基地受信機およびローバ受信機の双方が受信した信号に共通する。一重位相差は強い相関を持つ誤差を補正する。すなわち、強い相関を持つ誤差は実質的に除去される。
次いで、一重位相差の残余は測定値から得られる計算値を減じることにより決定される。計算値は観測モデルに基づく。残余の処理は初期非一次ナビゲーション連立方程式の線形化を可能にする(複数の反復が必要となる場合もある)。この場合、一次方程式を解くための公知の数学的手法を適用することができる。例えば、一実施形態では、一重差測定値はガウスニュートン・アルゴリズムによりまず処理され、次いで初期残余が生成される。次いで、これらの初期残余は収束に達するまでガウスニュートン・アルゴリズムの複数回の反復により処理される。最終解が最終残余を生成する。異常値の検出および除去がこれらの最終残余に基づいて行われる。ガウスニュートン法以外のアルゴリズムを使用することも可能である。例えば、ニュートン法を使用することができる。ただしこのニュートン法には2倍の残余導関数を必要とする。反復中の線形化方法には、Zeidel法およびJacobi法が含まれる。また、計算には関数の最小値の検索が含まれると共に、代替として(Rosenbrock法、シンプレックス法、傾斜法、および準ニュートン法のような)最適化方法を使用することも可能である。
アンビギュイティを含む状態ベクトルの成分が決定される。しかし、アンビギュイティの計算値は必ずしも整数の場合のように処理する必要はない。これらの計算値は浮動(または浮動する)アンビギュイティと呼ばれる浮動小数点数として処理される場合が多い。アンビギュイティ決定プロセスは、上記組の浮動小数点を四捨五入して1組の整数値にする。次いで、残余の真値はこの1組の整数値から計算され、かつ、これらの整数値を用いてこれらの連立方程式の解が再び求められる。次いで、ローバの座標およびローバ内のクロックオフセットに対する補正が決定される。用語を簡単にするために、クロックオフセットに対する補正値の計算もまたクロックオフセット計算と呼ぶことにする。
受信した衛星信号からの座標およびクロックオフセットの計算は、複雑な数学的アルゴリズムの計算を必要とする。これらのアルゴリズムでは集中的な計算が行われ、しばしば高性能プロセッサとメモリ容量とが利用される。複雑なアルゴリズムの実行に先立って行われる異例測定値の検出および補正または除去は、プロセッサおよびメモリの利用を減らすのに好都合である。さらに、座標計算時間が減り、座標の精度が上昇する。
異例測定値は本明細書では異常測定値(anomalous measurement)とも呼ばれる。異例測定値は、位置の算出およびアンビギュイティの決定のような種々の処理に影響を与える。例えば測位処理時に、あるいは、アンビギュイティ決定処理時に異常測定値が生じると、状態ベクトルが歪められることになる。異常測定値はまず補正や除去を必要とする。方程式の組全体にわたる最適位置の計算およびアンビギュイティ決定が少なからぬ計算リソースを消費することに起因して、複雑なアルゴリズムの実行に先立って異常測定値の補正や除去が行えると好都合である。
本発明の実施形態では、観測モデルとの測定値の一貫性を判定する異常検出器によって異常測定値が検出される。以下さらに詳細に説明するように、高速検索および列挙により計算効率が高められると共に、処理数が減り、その結果計算速度が増加する。異常値が検出された後、測定値のさらなる処理に先立って異常値の補正や除去を行うことが可能である。
図1は本発明の一実施形態による、測定値の処理ステップの高レベルのフローチャートを示す。
測定値101には、疑似範囲と、エポックにわたる搬送波位相の増分値と、基地のナビゲーション受信機ならびにローバのナビゲーション受信機において測定されたアンビギュイティのない位相とが含まれる。アンビギュイティのない位相の場合、アンビギュイティの推定を計算する初期処理が事前に行われた。ステップ102において、ローバのナビゲーション受信機側で測定された測定値ならびに基地のナビゲーション受信機側で測定された対応する測定値の一重位相差が計算される。
ステップ104において上記一重位相差から状態ベクトルが決定される。ステップ104には、対流圏遅延に対する疑似範囲の一重位相差およびアンビギュイティのない位相の一重位相差の補正が含まれる。ある実施形態では、状態ベクトルを決定するためにGauss−Newtonプロセスが使用される。対流圏補正はローバの位置に依存し、Gauss−Newtonプロセスの最中に求められる。
次いで、処理はステップ106へ移り、ここで一重位相差の残余が算出される。上述のように、観測モデルから算出した一重位相差の値を、測定値から算出した一重位相差から減じることにより残余が決定される。ある実施形態では、最終組の残余を生成するためにGauss−Newtonプロセスの複数回の反復が使用される。
次いで、処理はステップ108へ移り、ここで測定値の一貫性がチェックされる。一貫性基準については以下でさらに詳細に解説する。次いで処理は意思決定ステップ110へ移る。1組の測定値が一貫性を有していれば、処理は、(ローバ座標により特定される)ローバ位置と、必要であれば、どの測定値が異常であるかを判定するフラグ(測定値フラグと呼ばれる)を含む出力値111を生成する。
次いで、上記1組の測定値が一貫性を有していなければ、処理はステップ114へ移り、ここで異常値が検出され、除去される。次いで、処理は意思決定ステップ116へ移る。残りの測定値から状態ベクトルが決定できなければ、処理はステップ118へ移り、ここですべての測定値が除去される。状態ベクトルを決定するために、残りの測定値は少なくとも4基の衛星から得られる測定値を含む必要がある。状態ベクトルを残りの測定値から決定できれば、処理はステップ120へ移り、ここで状態ベクトルは補正される。すなわち、異常測定値が除去された後、状態ベクトルの再計算が行われる。残りの測定値に対して行われる最小二乗法(LSM)よりも効果的な手法を用いて補正を行うことができる。ある実施形態では、ピアツーピアLSM修正(peer-to-peer LSM modification)に基づく手法(この手法については以下さらに詳細に説明する)が使用される。次いで、処理は別の反復のためにステップ106へ戻る。
ステップ108において、測定値が一貫性を有するかどうかを判定するための様々な基準を用いることができる。本例では、測定値の一重位相差が観測モデルと一貫性を有していれば、ローバ受信機から得られる測定値および基地受信機から得られる対応する測定値は一貫性を有することになる。一貫性基準の例には以下が含まれる:
・ 個々の残余の絶対値がユーザ定義の閾値を上回らなければ、測定値は一貫性を有する。行動モデルが先験的に知られていればこの方法は効果的である。
・ 個々の加重残余の絶対値がユーザ定義の閾値を上回らなければ、測定値は一貫性を有する。加重残余とは加重値と呼ばれる係数で掛け合わせた残余である。個々の残余は様々な加重値で掛けられることができる。さらなる詳細について以下説明する。
・ 残余の二乗の加重和(WSRS)がユーザ定義の閾値を上回らなければ、測定値は一貫性を有する。この方法はすべての測定値を使用するため、包括的である。WSRSのさらなる詳細について以下説明する。
・ 論理演算「AND」または「OR」を介して上記基準のいかなる組み合わせを使用することも可能である。
ステップ114において、様々な検索方法を用いて異常値の検出を行うことができる。検索方法の例には以下が含まれる:
・ 残余の最大絶対値を検索する。対応する測定値は異常値と見なされる。
・ 加重残余の最大絶対値を検索する。対応する測定値は異常値と見なされる。
・ 特定の測定値の除去が更新済みの解に関するWSRSの最小値を結果としてもたらすように特定の測定値の検索を行う。この方法は一度に1つずつ測定値を検査する方法である。
少なくとも1つの異常測定値が検出された後、単一の測定値または1群の測定値を選択して、異常値として指定すると共に、補正や除去を行うことができる。選択方法には以下が含まれる:
・ 検出された測定値のみを異常値に指定する。
・ 現在のチャネルに対するすべての測定値を異常値に指定する。コード測定値が異常値であれば、搬送波位相の測定値もまた異常値に指定する。同様に、搬送波位相の測定値が異常値であれば、コード測定値も異常値に指定する。
・ 民間チャネル上の測定値が異常値であれば、保護されたチャネル上の測定値も異常値に指定する。GPSおよびGLONASSにおいて、すべてのユーザにより復号化され得る信号もあれば、(軍事利用のような)権限が与えられたユーザのみにより復号化され得る信号もある。GPSの場合、保護されたP−信号は、民間C−信号情報の利用によって復号化され得る。
・ 異常値が検出された衛星から出されるすべての測定値を異常値に指定する。
方法の選択は異常検出器の性能に影響を与える。
(図1に示すような)異常検出器の実施形態について以下説明する。
・ 疑似範囲の一重位相差に基づく異常検出器。疑似範囲の一重位相差が算出される。電離層の影響は無視できるか、モデルにより補償されると仮定する。疑似範囲の一重位相差に関する方程式を解くことにより、差分符号の解を得ることができる。この解からWSRSの算出が可能となる。この和がユーザ定義の閾値を上回れば異常値に関わる意思決定が行われ、次いで補正が後続する。
・ 搬送波位相の一重位相差に基づく異常検出器がエポックの間ずっと増分する。第1エポックで、疑似範囲を決定するために、コード測定値のみを用いてローバ座標が決定される。第2エポックを起点として、かつ、エポックの間ずっと搬送波位相の増分値を用いて、ローバ座標の増分値(座標の変化)が決定される。座標増分値を前回の座標に加えることによって現在の座標を決定することができる。異常値(サイクルスリップ)が存在しなければ、ローバ座標の増分値は搬送波位相側の精度(cm)で算出されるが、ローバ軌道全体は真の軌道に対して(スタンド・アロンモードで数10mだけ、そして、DGPSモードでは数10cmだけ)動く。この動きはコード測定値から決定される初期座標の不正確さから発生するものである。さらなる詳細については以下説明する。
・ アンビギュイティのない位相の一重差に基づく異常検出器。アンビギュイティのない位相測定値の一重差が算出される。アンビギュイティのない位相の一重差に関して方程式を解くことにより差動位相の解を得ることができる。この解からWSRSを算出することができる。このWSRSがユーザ定義の閾値を上回れば、異常値に関わる意思決定が行われ、次いで、補正が後続する。
異常値の検出に関連するアルゴリズム例について以下解説する。これらのアルゴリズムは、位置計算中の異常値の検出およびアンビギュイティ決定前の異常値の検出の2つの部類に属する。位置の算出中の異常値の検出はさらに正確な座標を結果的にもたらす。アンビギュイティ決定前の異常値の検出はより良好なアンビギュイティの推定値を与える(この推定値も同様に位置の算出に影響を与える)。
変数の定義および表記法。以下のアルゴリズムにおいて以下の変数および表記法が使用される。ベクトルおよび行列は太字体で示す。

は、地球の中心を基準とする世界測地系84(WGS84)座標フレームにおける位置ベクトルであり、本明細書では動径ベクトルとも呼ばれる。

は、対応するデカルトx、y、z軸上へのベクトル射影を指す。

− fは周波数帯域の指数である。(例えば、f=1はL周波数帯域を意味することができ、f=2はL周波数帯域を意味することができる)。将来のGNSSは3以上の周波数帯域を有することができる。
− Sは衛星の指数である。
− rは受信機の指数である(r=0はローバ受信機を意味し、r=1は基地受信機を意味する)。
− kはシステム時刻の指数である。

は衛星Sと受信機rとの間の視程疑似範囲(m)である。疑似範囲はコード測定値とも呼ばれる。

は衛星Sと受信機rとの間の視程搬送波位相の測定値(m)である。ここで

は搬送波波長を乗じたサイクルで表される搬送波位相を表す。
・ Cは光の速度(2.99792458×10m/s)である。

は衛星S上の送信アンテナの位相中心から、受信機r上の受信アンテナの位相中心までの距離であり、ここで:
は動径ベクトル

を持つ衛星Sから、地球の自転を説明する動径ベクトル

を持つ地点までの幾何学的距離である。
− Ωは地球の角回転速度(c−1Ω=2.432387791×10−13−1)である。

は受信機rにおいて衛星信号を受信した時刻における衛星Sの動径ベクトルである。衛星信号は様々な時刻に送信される。また、単一の時刻に送信された衛星信号が様々な時刻に様々な受信機に届く。そのため、

の値は1つの受信機から別の受信機へ変動する可能性がある。

はアンテナ基準点を基準とする、受信機r上の受信アンテナの(周波数帯域fに対応する)位相中心の変位ベクトルである。この変位ベクトルは衛星Sの方向に依存する。さらに明示的に記述すれば、


は(方向とは無関係の)位相オフセットを表す。

(仰角に依存する)位相中心偏差を表す。

衛星から受信機への方向余弦を表す。第二項は様々な周波数帯域で動作するアンテナの方向性を説明する。

は衛星の重心を基準とする、衛星S上の送信アンテナの(周波数帯域fに対する)位相中心の変位ベクトルである;一般に、この変位は受信機rへの方向に依存する。


は衛星の重心から衛星上の送信アンテナまでのオフセット値を表す。

は衛星のアンテナ平面からの仰角を表す。そして、

は衛星位相の中心偏差を表す。ここで、測定値の一重位相差または測定値の時間増分値(またはこれらの双方)が処理されているとき、

の影響は無視できるという点に留意されたい。
・ λf,s,は周波数帯域f上で衛星Sが送信する搬送波信号の波長である。全地球的測位システム(GPS)およびGALILEO(GAL)は符号分割多元接続(CDMA)を使用し、そして、GLONASS(GLN)は周波数分割多元接続(FDMA)を使用している。波長は

に従って搬送波周波数ωに関係する。GPSおよびGALの場合、波長は同じ周波数帯域f内のすべての搬送波に対して同じである。GLNの場合、周波数帯域fについては、
個々の衛星Sに対して、対応する衛星周波数チャネル番号l(整数)が存在する。衛星Sに対する搬送波周波数はこの場合

である。対応する波長は、


である。
この式は、次式に変形することができる。



すべてのGNSSに対して均一な通念を維持するために、GPSおよびGAL内のチャネルにも同様に

が割当てられる(衛星周波数チャネル番号間の増分値が0のため、このパラメータは0に等しい)。GLN周波数帯域の場合:

したがって、これらの値は異なる周波数帯域に対して同じである。上述したように、GPSおよびGALの場合、これらの値も、該値がすべて0に等しいため異なる周波数帯域に対して同じである。そのため、任意のGNSSについて、

は周波数帯域に依存しないという仮定が成り立つ。
この値は

と呼ばれ、この場合SYSは特定のGNSSを意味する。

は衛星のクロックおよび受信機のクロックのクロックオフセットであり、それぞれ、システム時刻に対するクロックオフセットである。

はそれぞれ、コード測定値のチャネル遅延および位相測定値のチャネル遅延である。これらの遅延は、受信機が受信した衛星信号の無線周波数(RF)とデジタル信号処理から結果として生じるものである。良好な近似値を得るために、これらの値は衛星、時刻、および測定形式に依存しないと仮定することができる。

は対流圏遅延である。この遅延は対流圏の屈折係数により引き起こされる。

は電離層内を通過する衛星信号の伝播により引き起こされる電離層遅延である。さらに明示的に記述すれば、十分に高い搬送波周波数Ff,sに対して、

ここで、nは電子密度であり、Lは信号軌道(signal trajectory)であり、Cは定数であり、dsは伝搬路に沿った特異距離である。ここで、周波数依存が[Ff,s項から生じるという点に留意されたい。指数fref(例えばL)を含む任意の基準帯域を選ぶことが可能であり、その場合、


は電離層周波数比(ionosphere frequency ratio)である。ここでfrefは基準周波数帯域の指数である。

は浮動小数点アンビギュイティであり、ここで、

は整数値アンビギュイティであり、

は衛星の基準発振器の初期位相マイナス受信機の基準発振器の初期位相である位相オフセットである。

は衛星S上のアンテナと、受信機r上のアンテナとの相互の配向の変化に起因して生じる位相侵入(phase incursion)(位相増分値)である。この位相侵入には、アンテナの双極子軸の平面においてアンテナの向きを変えることにより生じる

見通し線からアンテナ双極子に対する垂直な軸の相互のずれに起因して生じる

が含まれる。

はそれぞれ、(DLL誤差およびマルチパス誤差を含む)コード雑音誤差ならびに(PLL誤差およびマルチパス誤差を含む)位相雑音誤差である。これらの雑音誤差は、ゼロ期待(平均)値および非ゼロ分散を含む白色ガウス雑音であると考えられる。コード雑音誤差の標準偏差(STD)値は約1mであり、位相雑音誤差のSTD値は約1cmである。
観測方程式。受信した衛星信号はチャネルアルゴリズムにより処理されて、生測定値(または、より正確には生測定値の推定値)が生成される。いくつかの実施形態では生測定値は補正される。次いで、生測定値は、特定の動作モード(スタンド・アロン、DGPS、またはRTK)に応じてさらなる処理を受ける。
観測モデルの実施形態は以下の数学的モデルに基づく。すべての全地球的航法衛星システム(GNSS)の生測定値に対して数学的モデルの適用が可能であり、かつ、この数学的モデルは下記の観測方程式により定式化が可能である:
および
疑似範囲の一重位相差の観測方程式は下記のようになる:
そして搬送波位相の一重位相差の観測方程式は下記のようになる:
(E3)および(E4)において:
・ 説明を簡略にするために一重位相差演算子Δ0,1は省略した。例えば疑似範囲の一重位相差は下式になる:


そして、搬送波位相の一重位相差は下式になる:


・ アンテナ基準点に対する範囲の参照が行われる。
・ 以下のパラメータが補正(キャンセル)される。
− 衛星から基地までの算出距離
− 対流圏の影響
− 衛星アンテナおよび受信機アンテナの相互の配向の変化に起因して生じた位相侵入(増分値)
− アンテナ位相中心オフセット(ローバのアンテナおよび基地のアンテナのアンテナ基準点とアンテナ位相中心間のオフセット)

は基準周波数に関する電離層誤差の一重位相差を指す。
(E3)および(E4)において、個々の変数(さらに正確に言えば個々の変数の推定値)の解を求めることは場合によっては追加情報を必要とする。しかし、変数の組み合わせによっては二重位相差の処理により推定され得るものもある。
変数の二重位相差とは、受信および処理が行われる対象信号を有する衛星の関数としての変数の差を意味する。特定の衛星が基準衛星Srefとして選択される。典型的には、基準衛星は最大の仰角をもつ衛星として選ばれる。(非基準の)衛星Sに対応する変数の場合、二重位相差演算子が

によって表される。次いで、例えば、





以下の変数が定義される:


ここで、

はfのすべての値に対する

の組を意味し、

はfのすべての値に対する、ならびに、基準衛星Srefを除くすべての衛星Sに対する

の組を意味する。1組の変数の関数として事前に表される組の方程式(E3)および(E4)は、


この場合、下記の1組の変数の関数として表すことができる:


この場合、搬送波位相の一重位相差の観測方程式は下記のようになる:

はGPSおよびGALに対して0であり、かつ、GLNに対しては1cm未満である。したがって、この項はすべてのシステムに対して0であると想定できる。この仮定によって上記観測方程式は下記のようになる:

かつ、
以下、コード測定値(コード測位)からのローバ位置の算出、ならびに、搬送波位相の測定値(位相測位)からのローバ位置の算出について考える。短基線の電離層遅延

を0と仮定する。コード測位(E6)用一重位相差の観測方程式は、この場合下式のように短縮される:

位相測位の場合、アンビギュイティ

は既知のものであり、かつ補正されるものと仮定する。したがって、位相測位(E7)の一重位相差の観測方程式は、この場合下式のように短縮される:
受信機クロックオフセット。受信機クロックオフセットは修正される必要がある。1つの方法として、二重位相差の処理によりクロックオフセットを測定値から除去する試みがある。二重位相差演算子が(E8)に適用される場合下式のようになる。

ここで、

が除去されるという点に留意されたい。しかし、

が方程式内に存在しているため、雑音項

は相関づけられる。GPSおよびGALの場合、二重位相差演算子を(E9)に適用することにより、次いで下式がもたらされる:
GPSおよびGALの場合、

しかし雑音項は再び相関づけられる。GLNの場合、解析はさらに複雑になる。なぜなら様々な波長が関与するからである。その場合、2つの種類の二重位相差が存在する。

しかし、両方の場合において雑音項は相関づけられる。共分散行列の算出と、重み行列の生成のための共分散行列の反転とを必要とするため、二重位相差の相関は複雑な計算となる。また、上述したように、GLNに対する二重位相差処理は追加処理を与える。したがって、二重位相差による直接的アプローチは受信機クロックオフセットと位相オフセットの除去を行うのに十分ではない。
ある実施形態では、クロックオフセットと位相オフセットとの除去を行うための手法は、対応する正規化方程式に対するハウスホルダー(Householder)変換に基づいて行われる。正規化方程式とは、すべての項が雑音の標準偏差(STD)により除算される観測方程式を意味する。この場合正規化雑音のSTDは1に等しい。本方法では、二重位相差アプローチに比べて計算の複雑さが減少し、かつ、計算の安定性が増す。方程式が予め正規化され、かつ、共分散行列および重み行列を必要としないため、結果として計算の複雑さが減少する。ハウスホルダー変換がより良好な安定性を本質的に有しているため、さらなる計算の安定性が結果として得られる。ハウスホルダー変換の詳細は、C.L.LawsonおよびR.J.Hansonの「最小二乗問題解法」(Prentice−Hall,Inc.,エングルウッド・クリフス,NJ,USA(1974年))[“Lawson”]、および、G.H.GolubおよびC.F.Van Loanの「行列計算」(ジョンズ・ホプキンス大学出版局,バルチモア,MD,USA(第3版,1996年)[”Golub”])に記載されている。
1つの周波数に対する疑似範囲方程式(E8)について考察する。まず、正規化雑音を含む観測モデルの行列およびベクトルを書く。






コードの一重位相差雑音の標準偏差(STD)を表す。

は加重二乗根(weight root)とも呼ばれるSTD

を含む列ベクトルである。上添字αは、残余の算出時に使用される先験的な位置を意味する。共分散行列の逆行列は、測定値共分散の場合には加重行列、また、推定値共分散の場合には情報行列と呼ばれる。ここで加重行列の二乗根が算出される。一重位相差の二乗根加重の算出は(非対角である)二重位相差加重行列の計算よりも単純である。表記法を簡単にするために時刻の指数は省略した。
次に、

を拡張するためにハウスホルダー鏡映(Householder's reflection)(Lawsonを参照のこと)を使用する。この処理は、(第1の列要素を除く)

を0に等しく設定し、その結果下式が得られる:

ここで、NSは所定の周波数fに対する容認可能な測定値の個数である。NSは以下のように決定される。チャネルがSNRの閾値以上のSNRを有し、かつ、対応する衛星が仰角閾値以上の仰角を有していれば「容認可能」なものとして測定値が指定される。これらの測定値は、チャネルアルゴリズムにより、ならびに、異常検出器により「容認可能な」ものとして示されることになる。チャネルがSNR閾値未満のSNRを有し、あるいは、対応する衛星が仰角しきい値未満の仰角を有していれば、チャネルまたは衛星の測定値は、チャネルアルゴリズムにより、ならびに、異常検出器により「容認不能な」ものとして示されることになる。
クロックオフセットは行列(E13)の第1行に対応する。この行列の残りの行は疑似範囲の二重位相差に関連する正規化方程式を決定する。疑似範囲の二重位相差を算出する演算は観測方程式に行列を乗算する演算に対応するためこの結果は後続し、クロックオフセットの係数をゼロに設定する。同じ演算が実行されるが、別の行列に対して行われる。この結果、

を含むコード測定値のための線形化された等価観測方程式が得られる。これらの方程式はクロックオフセットに依存しない。
次に、位相測位方程式(E9)に関してクロックオフセットと位相オフセットとを除去するための処理手順について考察する。まず、正規化雑音を含む観測モデルの行列およびベクトルを書く。







行列(E13)と比べると行列(E14)は

を含んでいる。GPSおよびGALの場合、この列は

に比例する。そのため、これらのシステムの場合、対応する変数を1つに結合し、次いで、(E8)用のクロックオフセットを除去するために事前に用いた方式

を適用すれば十分である。
GLONASSの場合、上述したように、下式になる:



および追加成分上への射影の和として

を表す:



このことは結果的に、

が直接除去される場合よりも悪い行列条件設定をもたらすことになる。

を含むクロックオフセット

が存在すると仮定する。このような推定値は、例えばコードの解から決定することができる。次いで、(E14)内の

の補正により下記の方程式が得られる。

上式はベクトル

により決定された残余誤差を含む。したがって、

がユーザ定義の制限値内に存在すれば、この値を無視することができる。

の推定値内となり、座標推定値に実質的に影響を与えることはない。
クロックオフセットと位相オフセットとを除去する別の方法は、以下のようにコードタスクから拡張行列(E14)への追加の方程式を利用するものとなる:
クロックオフセットおよび位相オフセットの除去は(E17)の2回の連続するハウスホルダー変換により実行される。第1回の変換は第1列の副対角要素をリセットする(これらの要素を0にセットする)。第2回の変換は第2列の副対角要素をリセットする。
この結果、クロックオフセットと位相オフセットとに依存しない

を含むアンビギュイティのない位相を表す線形化された観測方程式が得られる。クロックオフセットと位相オフセットとを除去するこの方法は共処理コード(co-processing code)と搬送波位相測定値の発見的手順を提供する。
測位。測位は正規方程式に従って実現される。行列が下式に従って生成される:


次いで、現在位置に対する補正が決定される:

は(E13)、(E17)、および(E18)から取得される正規化二重位相差に対応する。dは情報ベクトルと呼ばれる。Dは推定値の情報行列と呼ばれる。DはP=D−1のように共分散行列Pに関係する。結合集合{D,d}は情報座標と呼ばれる。
残余の生成。正規化された二重位相差結合に関する問題を解決する際に、二重位相差を用いて座標推定値が決定されるが、

は決定されない。異常値を補正するために二重位相差の代わりに一重位相差が定義される。基準衛星の異常値が残りの測定値のすべてには影響を与えないことを確かめることが重要である。例えば、1つの周波数に対して以下のコード測定値が利用可能である:





方程式(E21)がコードの解に対して線形化されると仮定する。


は幾何学的座標に基づく部分残余のベクトルである。次いで(E21)は、未知数Γに関して下式に変換される:

以下のように値Γを推定することができる:


かつ、(E22)から上式を補正することができる:


は所望の一重位相差の残余ベクトルである。(E23)において、クロックオフセットのLSM推定値を使用した。他の異常検出器に対する一重位相差の残余が同様の方法で定義される。
異常値検出基準。現在の1組の測定値の中に異常値が生じた時点を特定するために異常基準を使用する。

分布χ(m−n)[Lawsonを参照のこと]を有する。ただしmは方程式の個数であり、かつ、nは未知数の個数である。ある実施形態では測定値は下式の条件で異常値となる:

ただし、αは測定値の信頼度である。ここで測定値とはコードの一重位相差、位相の一重差、および位相増分値の一重位相差を意味する。
別の実施形態では、

がユーザ指定の閾値を上回れば、測定値は異常値となる:

または、

例えば、MaxWRes=3の値は「3シグマの法則」に対応する。
観測線形モデルについて考察する:

次いで、正規化雑音を用いる対応する観測モデルについて考察する:

異常値が存在しなければ、

は分布χ(m−n)を有する。ただしmは方程式の個数であり、かつ、nは未知数の個数である。次に、2つの仮説をたてる:
:残余の二乗の和が分布χ(m−n)を有する(異常値は存在しない)。
:残余の二乗の和が別の分布を有する(少なくとも1つの異常値が存在する)。
タイプ1の誤差(「誤認警報」とも呼ばれる)の確率をαとして指定する。χ分布に基づく基準に従って下記の条件式により測定値は異常となる:

残余の二乗の加重和が(分布のフラクタイル(fractile)である)閾値

を上回れば異常値が存在すると仮定する。
以下の方法に従って異常測定値の除去を行うことができる。

i番目の方程式を観測モデルから除去する。次いで、LSMタスクの解を求め、


が最小である測定値は異常値と見なされる。異常な方程式の除去処理において残余の二乗の加重和が閾値

を上回れば観測のための処理手順を繰り返す。
上述の検索処理手順は、個々の観測モデルに対してLSMタスクの解を求める必要があるため、非常に時間がかかる。この処理手順は近似的にO((n・m+n/3)m)フロップを利用する。mが大きいため、O(n・m)フロップが存在する。残余の2乗の加重和を推定し、取得するためのより高速な方式について以下説明する。この方式はO(n・m)フロップを利用する。そのためこの方式はm分の1に小さくなる。この値はGNSSにとって相当な値であり、この場合、mが20以上の大きな値になることもある。このアプローチはプロセッサの負荷を大幅に低減し、かつ、同じ効果をもたらす。説明を簡略にするために、観測雑音の共分散行列は対角であるとする。元の観測モデルに対して使用される除去方法が後続する。この方式はGNSSに加えて適用するのに効果的である。当業者は、(E28)によって表されるいずれの観測モデルに対しても展開された本方法を適用することが可能である。
観測方程式の組全体に対する状態ベクトルのLSM推定値は下式に等しい:

ただし、




残余の二乗の加重和は下式になる:

i番目の測定値が除去されると

が得られる。

および除去された測定値yを通じて上記推定値を表現するために

を示す。ピアツーピア情報座標の更新値は下式となる:



したがって:
ただし、

(E34)において行列を乗算し、これらの値を(E35)に代入するとピアツーピア状態ベクトルの更新値が得られる:

除去されたi番目の方程式に関する残余の二乗の加重和のピアツーピア更新値はこの場合下式となる:
(E37)は下記のように簡約することができる:
この式は下式から得られる:


および


下式を用いて


次いで、下式を計算する:
これらすべての変換を行った後、i番目の方程式が除去されるときの残余の二乗の加重和は下式となる:
したがって、残余の二乗の加重和の最小化は

の最大化と同等となる。残余が下式に等しいため、

検索アルゴリズムは、(E35)において決定された特別の加重乗数C(i)を得る際の絶対最大残余の選択とは異なるものとなる。
情報座標において1つの異常値を求める検索処理手順きについては以下の疑似コードにより説明することができる:
引数変数の前にある記号&は引数変数が入力/出力変数であることを示す。この変数の値は処理手順において変更が可能である。当業者であれば、疑似コードのコンピュータ実行可能コードへの変換は可能である。
異常値に関する情報を除去するアルゴリズム(異常測定値を除外した後の推定値とWSRSとの高速再計算)は以下の疑似コードにより表現することができる。
当業者であれば、疑似コードのコンピュータ実行可能コードへの変換は可能である。問題全体(一貫性に関連する測定値の検査、異常測定値の検出、異常測定値の除去、および残りの測定値に対する処理手順の反復)を以下の疑似コードにより表現される処理手順を用いて解決することができる。
当業者であれば疑似コードのコンピュータ実行可能コードへの変換は可能である。
上記の解説は正規方程式の形でLSMを考察したものである。ある実施形態ではLSMはコレスキーの情報座標推定値と共に使用される。コレスキー情報行列(CIM)はD=SSにより表すことができる。ただしSは上三角形行列である。

(ただしxは状態ベクトルを表す)はコレスキー情報ベクトル(CIV)と呼ばれる。
組{S,s}はコレスキー情報座標(CIC)と呼ばれる。
コレスキー情報座標推定値と共に使用されるLSMは下式を生む:

ただし、

正規方程式またはコレスキー情報座標を用いて計算処理手順を使用すると、k(i)の計算は約0.5nフロップを必要とする。ここで、高速検索処理手順が線形の場合に役立つという点に留意されたい。非線形の観測モデルの場合、個々の除去された方程式iに対して或る反復を行うことができる。上記で考察したケースでは、非線形性は弱く、反復を必要としない。
アンビギュイティ決定。上述の測位タスクでは、アンビギュイティが決定されたものと仮定されている。しかし、搬送波位相の一重位相差は正確ではあるが曖昧な測定値である。搬送波位相の一重位相差をアンビギュイティのない測定値に変換することにより、1cmの位数の精度で位置推定値を得ることが可能となる。最大尤度手法によってこの推定値を得ることができる。この解法は2回のステップに分けることができる。第1ステップでは浮動アンビギュイティが決定される。このステップのためにカルマンフィルタや再帰LSMのような種々の方法を使用することができる。第2ステップでは、整数計算を用いて、固定アンビギュイティが決定される。
アンビギュイティ決定のための観測方程式および状態ベクトル。(E8)および(E9)に戻って参照する。第1行の変数が、時間的および互いに対しての両方で独立に変動すると仮定する。二重位相差を処理する場合と同様のやり方で方程式(E8)および(E9)を結合して、これらの値を考慮しないようにする。結合された方程式はフィルタ入力へ進む。座標、アンビギュイティの二重位相差および電離層誤差の二重位相差のみがフィルタにおいて決定される。フィルタされた組の浮動アンビギュイティ

に対して整数決定が実行される。以下フィルタについてさらに詳細に説明する。
逆問題。基準線(基地とローバ間の距離)が短く、かつ、ローバ座標が既知であると仮定する。この場合、整数決定の単純化が可能となる。

推定値が関連する誤差qを有すると仮定する。位相測定値から既知の距離および

を減じ、次いで、取得した値から二重位相差を形成する:

コード測定値特有の精度について考察すると、qの絶対値は約10m以下と仮定することができる。したがって、

の絶対値は1サイクルの100分の1未満となり、無視することができる。位相誤差は1サイクルよりもずっと小さいため、整数値アンビギュイティの二重位相差の推定値は左側の値の四捨五入により得ることができる。その値

は、この場合0.5サイクル未満となる。そのため(E46)の四捨五入は下記の方程式をもたらすことになる:

を決定することも同様に可能である。ここで、GPSおよびGAL測定値に関連する

は一重位相差において取り消されるので、この値を除去する必要がないという点に留意されたい。しかし、

の正確な推定値を必要とする場合、上記値を補正することができる。GPSおよびGALの場合、

は位相測定値のみを用いて推定することはできない。この目的のために、

はコード測定値を介して推定される。
アンビギュイティ決定のフローチャート。図2はアンビギュイティを決定するためのステップを示すフローチャートである。[ここで、異なる特性をもつ受信機(例えば異なるメーカーの受信機)がローバおよび基地内にインストールされていることに起因して生じるGLONASSバイアスが存在していないことが仮定されている。]測定値201は、基地のナビゲーション受信機側で、ならびに、ローバのナビゲーション受信機側で測定される疑似範囲および搬送波位相を含む。ステップ202において、ローバのナビゲーション受信機側で測定される測定値と、基地のナビゲーション受信機側で測定される対応する測定値との一重位相差が算出される。次いで処理はステップ204へ移り、ここで一重位相差が線形化される。次いで処理はステップ206へ移り、ここで観測ベクトルおよび行列が線形化済み一重位相差から決定される。次いで処理は意思決定ステップ208へ移る。ローバ位置の推定値が既知の場合、処理はステップ210へ移り、ここで整数値アンビギュイティの推定値211を生成する反転タスクが実行される。例えば、搬送波位相増分値の一重位相差を介して、事前に知られている位置からローバ位置を推定することができる。
ステップ208において、ローバ位置の推定値が既知でなければ、処理はステップ220へ移り、ここで疑似範囲の一重位相差と搬送波位相増分値の一重位相差とに基づいて、異常測定値が検出され、除去される。次いで処理はステップ222へ移り、ここでアンビギュイティはフィルタされる。ステップ222の詳細について以下さらに詳細に説明する。次いで処理はステップ224へ移り、ここで浮動アンビギュイティが推定される。浮動アンビギュイティの推定についてのさらなる詳細が以下与えられる。手短に言えば、浮動アンビギュイティのベクトルは状態ベクトルのサブベクトルである。したがって、浮動アンビギュイティは状態ベクトルのフィルタリング中に推定される。
次いで処理はステップ226へ移り、ここで整数値アンビギュイティのベクトル候補が決定される。整数決定がMLAMBDA法に基づいて行われる(以下を参照のこと)。クワッド形式(quad form)の整数最小化が以下のように決定される。



整数値アンビギュイティベクトルであり、

はフィルタ内で推定された浮動アンビギュイティベクトルであり、そして、

は浮動アンビギュイティベクトルの推定値に関連する情報行列である。2つの最小値q≦q(ただし、qは第1の最小値であり、qは第1の最小値の後の第2の最小値である)および対応する整数値アンビギュイティベクトル

が決定される。整数値アンビギュイティベクトル

が整数値アンビギュイティベクトルの候補となるように選択される。
次いで処理はステップ228へ移り、ここで整数値アンビギュイティベクトルの候補に対する固定基準が評価される。本願では、固定処理とは、整数値アンビギュイティベクトルを浮動アンビギュイティベクトルから決定する処理を意味する。この固定処理は不正確な整数値アンビギュイティベクトルを決定する(「間違った固定」)可能性がある。固定基準は誤った固定が生じる可能性に対応するものである。ある実施形態では、固定基準は、LAMBDA(またはLAMBDAの修正)アルゴリズム出力から定義される明度比に基づく。[LAMBDAおよびLAMBDAの修正値の詳細については、X.−W.Chang,X.Yang,およびT.Zhouの「MLAMBDA:修正MLAMBDA整数最小二乗推定方法」(Journal of Geodesy、第79巻、発行9、p.552〜565、2005年12月)を参照のこと。本文献は引用により本願明細書に組み入れられている。]。明度比が増加するにつれて、誤った固定が行われる可能性は低くなる。
LAMBDAアルゴリズムの出力は整数値アンビギュイティベクトルおよび二次形式の値である。明度比(第1の最小二次形式の値に対する第2の最小二次形式の値の比)C=q/qが算出され、ユーザ定義の閾値Tと比較される(Tはベクトル内に存在しているアンビギュイティの個数に依存する)。C≧Tならば固定が達成される[すなわち、ユーザ定義の正しい最小確率と共に、或る特定の整数値アンビギュイティベクトルが決定される]。次いで、

を整数値アンビギュイティベクトルの推定値に指定する。明度比が閾値よりも小さければフィルタ処理が継続されて、より高い明度比が得られる。
次いで処理は意思決定ステップ230へ移る。固定基準が満たされていれば、処理は整数値アンビギュイティの推定値211をもたらす。固定基準が満たされていなければ、処理は浮動アンビギュイティの推定値221をもたらす。その場合、整数値アンビギュイティの推定値211および浮動アンビギュイティの推定値221はアンビギュイティのない位相の算出時に使用することが可能であり、整数値アンビギュイティの推定値は、浮動アンビギュイティの推定値よりもさらに正確な結果を与える。ある実施形態では、アンビギュイティのない位相が測定値101として図1に提示される。
静的モードおよび動的モードの場合、全般的に同じ方法を使用することができる。しかし、ステップ222の詳細(フィルタ・アンビギュイティ)は異なるものとなる。各ステップを実行するために様々な方法を利用することができる。以下いくつかのステップについて説明する。
アンビギュイティ決定の一連の計算。アンビギュイティのフィルタを行うために、本明細書においてコレスキー情報カルマンフィルタ(CIKF)と呼ばれる推定用コレスキー情報座標を有するカルマンフィルタがある実施形態において使用される。アンビギュイティの座標および二重位相差のみの推定が行われる。残りの値は二重位相差をとるプロセスにおいて除去される。アンビギュイティの座標および二重位相差は、アンビギュイティ推定タスク用の状態ベクトル内に下式の形で含まれる:
この観測方程式から定義され得る個々の周波数内のアンビギュイティのみが使用される。したがって、(E49)内のアンビギュイティ・サブベクトルのサイズは、或る環境の下で、すなわち、位相測定値が追跡されているとき、位相測定値を追跡していて見失ったとき、および、位相測定値が異常検出器により削除されたとき変動する。重要な考慮事項として、1つのエポックから別のエポックへの状態ベクトル内の可変連鎖における一貫性が挙げられる。形式的には、特定の周波数帯域に対応する基準測定値を異常検出器により除去できるため、個々の周波数に対して様々な

が選ばれる。
本発明の実施形態では、アンビギュイティの決定方法は1つのエポックから別のエポックへの遷移中に衛星の配座(constellation)の現在の状態を解析する。考慮に入れる概要には以下が含まれる:
・ 基準衛星が変わる。状態ベクトルおよび対応するコレスキー情報座標(CICS)が再計算される。
・ 衛星(非基準)が昇る(現れる)。対応するアンビギュイティが状態ベクトル内へ導入される。
・ 衛星(非基準)が沈む(消える)。状態ベクトルから対応するアンビギュイティが除去される。
衛星が受信機の視程に入ると、衛星は昇る(すなわち現れる)。すなわち、受信機は、それまで信号を受信しなかった衛星から信号の受信を開始する。衛星が受信機の視程から離れると、衛星は沈む(すなわち消える)。すなわち、受信機はそれまで信号を受信していた衛星から信号の受信を停止する。衛星の配座の様々な状態変化の最中に安定した解が維持される。様々な状況下で情報が保持される。以前の処理手順では、情報が失われ、次いで、計算(CICのフィルタ)が再初期化を必要とし、計算資源を消費する。例えば基準衛星が変更された場合にはフィルタ全体がリセットされる。大量の情報が失われる。衛星が現れたり、消えたりするとき同様の結果が生じる。ある実施形態では、前回取得した情報を保持するためにCICの再計算アルゴリズムが使用される。
図3(E50)に示されているように、コレスキー情報座標がブロックに分割される。次のエポックにおいて、配座が同じ状態のままであれば、CICは、図4に(E51)示されているように変化する。ここで、β∈[0;1]は座標経時係数であり、かつ、α∈[0;1]はアンビギュイティ経時係数である。アンビギュイティ経時係数は、測定値が受信されない期間における推定精度の劣化をモデル化するために使用される。(また、アンビギュイティ経時係数は、プログラム実行中の浮動数のオーバフロー(floating number overflow)を防ぐための機構を提供する。)β=0で座標はエポックからエポックへと独立して変化する。β=1で座標は経時変化しない(この経時変化はローバが静的であるときに生じる)。
線形化されたコード観測および位相観測の二重位相差に従って補正が行われる。二重位相差に関連する線形化観測モデル行列は下式となる:
コード観測のためのブロックの予備処理を除いて、観測モデルに従って情報座標の更新用処理手順が使用される。上記行列はコード観測に対応するブロック行内に多数の0を含む。そのため0の処理を減らすことができる。以下の行列はCIKF用の更新アルゴリズムの入力時に得られる。
ただし、

は以下の計算方式に従う疑似範囲の二重位相差から得られるローバ位置に関連するコレスキー情報座標である:
QR変換がLawsonおよびGolubにおいて論考されている。

システム[A|y]のQR変換は、システム[R|Qy]を結果としてもたらす。
更新用フィルタ行列が以下の処理手順により実現される。
ここで記号は予測値を意味し、記号^は更新値を意味する。
アンビギュイティのフィルタ用二重位相差の生成。(E8)および(E9)に戻って参照する。この方程式の組のための拡大行列は下式になる:
この表現では、第1の方程式内の搬送波位相方程式は基準衛星に対応し、かつ、下式に示す行列が導入される:
まず、方程式(E12)の場合と同様、コード方程式に対応するブロック行について考える:
第1の要素を除いて、

のすべての要素がリセットされるハウスホルダー変換を適用する:
次いで、

をリセットするためにギブンス回転[Lawsonを参照のこと]を適用する。
再び、第1の列要素を除くすべての列要素

の中から0へのハウスホルダー変換を適用する。
次に、下記の行列を取得するために行の再配列を行う。
アンビギュイティの二重位相差を推定するために以下のブロックが対象となる:
このようにして、アンビギュイティのフィルタに関連するすべての周波数で観測行列を配列することにより以下の完全な行列がもたらされる。
この行列は、(E52)で表される前回算出した行列と同じものである。冗長ではあるが、筆者はこのことを書き留めておく。そうしないと、残りの方程式および図面の番号を付け直す多量の作業が生じることになる。
状態ベクトルの更新。計算処理手順(CI−LSM)に基づくCICのための更新アルゴリズムについて説明する。

におけるアルゴリズム入力時に、CICの先験的な

が設定される。

は観測モデルの行列および正規化雑音を含む観測ベクトルである。すべての入力行列はアルゴリズムの処理時に再計算される。行列S、sにおける出力時に、

が更新され、次いで、

がリセットされ、一方、

には加重残余が生じる。更新用アルゴリズムは上三角行列として

をもたらす。更新用アルゴリズムのための疑似コードを図5(E65)に示す。

の取得が後退代入の手順により実行される[Golubを参照のこと]。

はベクトルSで得られる。行列処理“A.dotCol(i,[B,]j)”は以下のような列の

を返す。

は以下のように

を書き換える:A:,i:=A:,i+t・B:,j

は以下のように省かれる:


の個数が1であれば、引数“j”は省かれて“saxpyCol”の形で表される。当業者であれば疑似コードのコンピュータ実行可能コードへの変換は可能である。
基準衛星の変更。周波数変数fに基づいて、新たな基準衛星に番号

が付けられて選択されると仮定する。

古い変数は下記の変数に従う新たな変数(基準衛星j)を用いて表現される:


二重位相差の処理時に、位相オフセットが二重位相差で除去されるため位相オフセットの代入がタスクに影響を与えることはない。そのため、アンビギュイティの二重位相差のみが重要となる。行列の形で、周波数fに関連するアンビギュイティベクトルは以下の規則に従って変化する:
ここで、αp×qは対応する次元の行列を表し、この行列のすべての要素はαに等しく、かつ、nは周波数fにおけるアンビギュイティの個数である。
同様の方法で古い変数を通じて新たな変数が表わされる。



ここで、上述の

に関して下式になるという点に留意されたい。

状態ベクトル全体に対して、
CIC要素S、sを再計算するために、ここで留意すべき点として、

という点に留意されたい。



はQR変換を用いて、上三角行列への縮減が行われた後、

から導き出される。

は図6(E71)に図示の以下の構造を有する。

は行列Aおよび

の構造を考慮して算出される。事前に決めた行列Aを任意の行列Mに正しく乗算した積は、j番目の列が

に等しいという点のみがMとは異なる。列の形で書かれた行列

の場合、



について、周知の0被加数を除去することによって処理数を減らすことが可能となる:


上三角行列および正方行列に適用される。

特殊な独特の構造を有しているため、実質的に少ない数のフロップ数を持つ乗算結果を得ることができる。そのため中央処理装置(CPU)にかかる負荷は実質的に低減される。上三角行列の場合、正方行列と比較してほぼ2分の1にフロップ数を減らすことができる。
このようにして行列(E69)が上三角行列に変換される。この行列は部分的に必要とされる構造を有する。古い基準衛星に対応する列を除いて副対角要素のほとんどは0である。対角ブロック

を上三角に変換することで十分である。このブロックの構造は以下のように与えられる。
ここで、右下のブロックのみが上三角に変換されるという点に留意されたい。この変換を行うために、QR更新アルゴリズム[LawsonまたはGolubを参照のこと]が使用される。このアルゴリズムはフロップ数を減らすものである。
ここで、個々のブロック

に対して、ブロック

の要素と、

とが再計算されるという点に留意されたい。すなわち、[N]に関連した拡張行列のブロック行が再計算される。この処理手順は個々のシステムの周波数帯域に対して連続的に実行される。この処理手順の有効性は、1つの周波数での基準衛星の変更プロセスにおいて、別のブロック行に対応する要素が変化しないという事実から得られる。これは(QR更新により行われる)QR変換の特性である。基準衛星が変化した後CICの再計算が行われる。
沈む衛星に対するアンビギュイティ処理。消える衛星の場合、衛星のアンビギュイティに対応する観測行列内の列は0である。そのためこれらの列に関する情報を得ることはできない。衛星が消えると、衛星のアンビギュイティに関する失効情報をCICからまず除去する必要がある。衛星リンクにおいてフェージングや中断が生じたとき、このような状況が生じる可能性がある。非情報変数が状態ベクトルおよびCICから除去されて、変数の推定が回避される。この目的のために、疑似コードの形で表わされる以下のアルゴリズムを使用することができる:
当業者であれば疑似コードのコンピュータ実行可能コードへの変換は可能である。
疑似コードの形で表わされる図7(E76)および図8(E77)に示すアルゴリズムについて考察する。図7に示すアルゴリズムは、射影行列に対するコレスキー分解である行列に関連する係数a、αを形成する。この操作によって除外すべき変数に対応するSの列が除去される。この射影行列は下式のように書くことができる。
射影行列のコレスキー行列は下式のように表現することができる。
ただし、
Γが特別の構造を有しているため左の乗算はより少数のフロップ数で実行される。上記演算は乗算処理手順により実行される。
昇る衛星に対するアンビギュイティ処理。配座において新たな衛星が昇るとき、この状況は生じる。上記変数をアンビギュイティのフィルタの状態ベクトルに追加するために、

は拡張され、対応する行と列とが0で充たされる。これは0情報を持つ新たな変数が状態ベクトルに追加されたことを意味する。
基準衛星の変更と、衛星の出現と、衛星の消失とを処理するための上述の処理手順は、すべての衛星に対して、かつ、すべての周波数で実行される。
異常値を検出し、補正し、次いでアンビギュイティを決定するための上述の処理を実行する計算システムの実施形態が図9に示されている。計算システム902は一般にローバのナビゲーション受信機内に配置される。しかし、計算システム902は別個のユニットであってもよい。当業者であれば、ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアの種々の組み合わせから計算システム902を構成することができる。当業者であれば、汎用マイクロプロセッサ、1以上のデジタル信号プロセッサ、1以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、および1以上のフィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)を含む種々の電子部品から計算システム902を構成することができる。
計算システム902はコンピュータ906を備え、該コンピュータ906は中央処理装置(CPU)908と、メモリ910と、データ記憶装置912とを備える。データ記憶装置912は、不揮発性半導体メモリ、磁気ハードドライブ、またはコンパクトディスク・読取り専用メモリのような、少なくとも1つの永続的、非一過性、有形のコンピュータ可読媒体を含む。本発明の実施形態においてコンピュータ906は一体型装置として実現される。
計算システム902はさらにユーザ入出力インタフェース914を備えることができ、該インタフェースはコンピュータ906をユーザ入出力装置922とつなぐことができる。入出力装置922の例には、キーボード、マウス、およびローカルなアクセス端末が含まれる。コンピュータ実行可能コードを含むデータは、入出力インタフェース914を介して、コンピュータ906へ、ならびに、コンピュータ906から転送することができる。
計算システム902は通信ネットワークインタフェース916をさらに備えることができ、該インタフェースはコンピュータ906を遠隔アクセスネットワーク924と接続する。遠隔アクセスネットワーク924の例ではローカルエリアネットワークおよび広域ネットワークを含む。ユーザは遠隔アクセス端末(図示せず)を介してコンピュータ906にアクセスすることができる。通信ネットワークインタフェース916を介してコンピュータ906へ、ならびに、コンピュータ906から、コンピュータ実行可能コードが含まれるデータを転送することができる。
計算システム902はモデムインタフェース918をさらに備えることができ、該インタフェースはコンピュータ906をモデム926と接続する。一般に、モデムは、基地や別のデータソースから入力データを受信する通信機器を意味する。
計算システム902はデータバスインタフェース920をさらに備えることができ、該インタフェース920は、(ナビゲーション受信機のアンテナが受信したRF信号を処理する)RFフロントエンド、アナログデジタル変換器、デジタルチャネル処理システム、および(ローバの座標を算出する)GNSS座標計算システムのような別の信号処理システムおよびデータ処理システム928とコンピュータ906を接続する。
周知のように、コンピュータは、該コンピュータおよびアプリケーションの動作全体を定義するコンピュータソフトウェアに制御されて動作する。CPU908は、動作およびアプリケーション全体を定義するコンピュータプログラム命令を実行することによって、コンピュータおよびアプリケーションの動作全体を制御する。コンピュータプログラム命令はデータ記憶装置912に記憶され、プログラム命令の実行が望ましいとき、メモリ910にロードすることができる。図1および図2のフローチャートに示す方法ステップは、メモリ910またはデータ記憶装置912(あるいはメモリ910と、データ記憶装置912との組合せ)の中に記憶されているコンピュータプログラム命令により定義され、コンピュータプログラム命令を実行するCPU908により制御することができる。例えば、コンピュータプログラム命令は、図1および図2のフローチャートに示す方法ステップを実現するアルゴリズムを実行するように当業者によりプログラムされたコンピュータ実行可能コードとして実装することができる。したがって、コンピュータプログラム命令を実行することによって、CPU908は、図1および図2のフローチャートに示す方法ステップを実装するアルゴリズムを実行する。
上記の発明を実施するための形態は、あらゆる点で説明的および例示的なものであって、限定的なものではないと理解されるべきであり、本明細書で開示する発明の範囲は、発明を実施するための形態から決定されるべきではなく、特許法によって許容される全幅に従って解釈される特許請求の範囲から決定されるべきである。本明細書で図示し説明する実施形態は本発明の原理を例示するものにすぎず、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく様々な変更を当業者が実施することができることを理解されたい。当業者は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく様々な他の特徴の組合せを実施することができる。

Claims (24)

  1. ローバ内に配置された第1のナビゲーション受信機と、基地局内に配置された第2のナビゲーション受信機とを備えた全地球的航法衛星システムにおいて測定値を処理する方法であって、
    複数の全地球的航法衛星から前記第1のナビゲーション受信機により受信した第1の複数の搬送波信号に対応する第1の複数の測定値を受信するステップと、
    前記複数の全地球的航法衛星から前記第2のナビゲーション受信機により受信した第2の複数の搬送波信号に対応する第2の複数の測定値を受信するステップであって、前記第2の複数の搬送波信号内の個々の搬送波信号が前記第1の複数の搬送波信号内の搬送波信号に対応し、かつ、前記第2の複数の測定値内の個々の測定値が前記第1の複数の測定値内の測定値に対応する受信ステップと、
    前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値を用いて第1の複数の一重位相差を算出するステップと、
    前記第1の複数の一重位相差を用いて所定の関数により状態ベクトルを特定するステップであって、前記所定の関数がガウスニュートン法であるステップと、
    前記全地球的航法衛星システムの生測定値に対して適用可能な所定の数学モデルによって表される観測モデルを用いて第2の複数の一重位相差を算出するステップであって、前記所定の数学モデルは、少なくとも観測方程式
    及び
    により与えられるステップと、
    前記第2の複数の一重位相差から前記第1の複数の一重位相差を減算することにより複数の残余を算出するステップと、
    前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかを判定するステップと、
    前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、異常測定値を検出するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかを判定するステップが、
    前記複数の残余内の個々の残余の絶対値を算出するステップと、
    前記複数の残余内の個々の残余の絶対値を閾値と比較するステップと、
    前記複数の残余内の個々の残余の絶対値が前記閾値以下であるとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有している旨を判定するステップと、
    前記複数の残余内の残余のうちの少なくとも1つの絶対値が前記閾値よりも大きいとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨を判定するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記異常測定値の検出は、前記複数の残余内における残余の最大絶対値の検索を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が、前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかを判定するステップは、
    前記複数の残余に加重値と呼ばれる係数を掛け合わせて複数の加重残余を算出するステップと、
    前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値を算出するステップと、
    前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値を閾値と比較するステップと、
    前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値が前記閾値以下であるとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値は前記観測モデルと一貫性を有している旨を判定するステップと、
    前記複数の加重残余内の少なくとも1つの加重残余の絶対値が前記閾値よりも大きいとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値は前記観測モデルと一貫性を有していない旨を判定するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記異常測定値の検出は、前記複数の加重残余内における前記加重残余の最大絶対値の検索を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記第1の複数の測定値は第1の複数の疑似距離を含み、かつ、前記第2の複数の測定値は第2の複数の疑似距離を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記第1の複数の測定値は第1の複数のアンビギュイティのない位相を含み、かつ、前記第2の複数の測定値は第2の複数のアンビギュイティのない位相を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記検出された異常測定値を除去するステップと、
    残りの測定値を用いて前記ローバ位置を算出するステップと、
    をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. ローバ内に配置された第1のナビゲーション受信機と、基地局内に配置された第2のナビゲーション受信機とを備えた全地球的航法衛星システムにおいて測定値を処理する装置であって、
    複数の全地球航法衛星から前記第1のナビゲーション受信機により受信した第1の複数の搬送波信号に対応する第1の複数の測定値を受信する手段と、
    前記複数の全地球的航法衛星から前記第2のナビゲーション受信機により受信した第2の複数の搬送波信号に対応する第2の複数の測定値を受信する手段であって、前記第2の複数の搬送波信号内の個々の搬送波信号が前記第1の複数の搬送波信号内の搬送波信号に対応し、かつ、前記第2の複数の測定値内の個々の測定値が前記第1の複数の測定値内の測定値に対応する受信手段と、
    前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値を用いて第1の複数の一重位相差を算出する手段と、
    前記第1の複数の一重位相差を用いて所定の関数により状態ベクトルを特定する手段であって、前記所定の関数がガウスニュートン法である手段と、
    前記全地球的航法衛星システムの生測定値に対して適用可能な所定の数学モデルによって表される観測モデルを用いて第2の複数の一重位相差を算出する手段であって、前記所定の数学モデルは、少なくとも観測方程式
    及び
    により与えられる手段と、
    前記第2の複数の一重位相差から前記第1の複数の一重位相差を減算することにより複数の残余を算出する手段と、
    前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかを判定する手段と、
    前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、異常測定値を検出する手段と、
    を備えることを特徴とする装置。
  10. 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかを判定する手段は、
    前記複数の残余内の個々の残余の絶対値を算出する手段と、
    前記複数の残余内の個々の残余の絶対値を閾値と比較する手段と、
    前記複数の残余内の個々の残余の絶対値が前記閾値以下であるとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有している旨を判定する手段と、
    前記複数の残余内の残余のうちの少なくとも1つの絶対値が前記閾値よりも大きいとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨を判定する手段と、
    を備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。
  11. 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記異常測定値を検出する手段は、
    前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記複数の残余内における残余の最大絶対値を検索する手段を備える
    ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
  12. 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかを判定する手段は、
    前記複数の残余に加重値と呼ばれる係数を掛け合わせて複数の加重残余を算出する手段と、
    前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値を算出する手段と、
    前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値を閾値と比較する手段と、
    前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値が前記閾値以下であるとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値は前記観測モデルと一貫性を有している旨を判定する手段と、
    前記複数の加重残余内の少なくとも1つの加重残余の絶対値が前記閾値よりも大きいとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値は前記観測モデルと一貫性を有していない旨を判定する手段と、
    を備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。
  13. 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記異常測定値を検出する手段は、
    前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記複数の加重残余内における前記加重残余の最大絶対値を検索する手段を備えることを特徴とする請求項12に記載の装置。
  14. 前記第1の複数の測定値は第1の複数の疑似距離を含み、かつ、前記第2の複数の測定値は第2の複数の疑似距離を含むことを特徴とする請求項9に記載の装置。
  15. 前記第1の複数の測定値は第1の複数のアンビギュイティのない位相を含み、かつ、前記第2の複数の測定値は第2の複数のアンビギュイティのない位相を含むことを特徴とする請求項9に記載の装置。
  16. 前記検出された異常測定値を除去する手段と、
    残りの測定値を用いて前記ローバ位置を算出する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。
  17. コンピュータ可読媒体であって、
    ローバ内に配置された第1のナビゲーション受信機と、基地局内に配置された第2のナビゲーション受信機とを備えた全地球的航法衛星システムにおいて測定値を処理するコンピュータプログラム命令であり、
    複数の全地球的航法衛星から前記第1のナビゲーション受信機により受信した第1の複数の搬送波信号に対応する第1の複数の測定値を受信するステップと、
    前記複数の全地球的航法衛星から前記第2のナビゲーション受信機により受信した第2の複数の搬送波信号に対応する第2の複数の測定値を受信するステップであって、前記第2の複数の搬送波信号内の個々の搬送波信号が前記第1の複数の搬送波信号内の搬送波信号に対応し、かつ、前記第2の複数の測定値内の個々の測定値が前記第1の複数の測定値内の測定値に対応する受信ステップと、
    前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値を用いて第1の複数の一重位相差を算出するステップと、
    前記第1の複数の一重位相差を用いて所定の関数により状態ベクトルを特定するステップであって、前記所定の関数がガウスニュートン法であるステップと、
    前記全地球的航法衛星システムの生測定値に対して適用可能な所定の数学モデルによって表される観測モデルを用いて第2の複数の一重位相差を算出するステップであって、前記所定の数学モデルは、少なくとも観測方程式
    及び
    により与えられるステップと、
    前記第2の複数の一重位相差から前記第1の複数の一重位相差を減算することにより複数の残余を算出するステップと、
    前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかを判定するステップと、
    前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、異常測定値を検出するステップと、
    を定義するコンピュータプログラム命令を記憶することを特徴とするコンピュータ可読媒体。
  18. 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかの判定ステップを定義する前記コンピュータプログラム命令は、
    前記複数の残余内の個々の残余の絶対値を算出するステップと、
    前記複数の残余内の個々の残余の絶対値を閾値と比較するステップと、
    前記複数の残余内の個々の残余の絶対値が前記閾値以下であるとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有している旨を判定するステップと、
    前記複数の残余内の残余のうちの少なくとも1つの絶対値が前記閾値よりも大きいとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨を判定するステップと、
    を定義するコンピュータプログラム命令を含むことを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
  19. 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記異常測定値を検出するステップを定義する前記コンピュータプログラム命令は、
    前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記複数の残余内における残余の最大絶対値を検索するステップを定義するコンピュータプログラム命令を含む
    ことを特徴とする請求項18に記載のコンピュータ可読媒体。
  20. 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有しているかどうかの判定ステップを定義する前記コンピュータプログラム命令は、
    前記複数の残余に加重値と呼ばれる係数を掛け合わせて複数の加重残余を算出するステップと、
    前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値を算出するステップと、
    前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値を閾値と比較するステップと、
    前記複数の加重残余内の個々の加重残余の絶対値が前記閾値以下であるとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値は前記観測モデルと一貫性を有している旨を判定するステップと、
    前記複数の加重残余内の少なくとも1つの加重残余の絶対値が前記閾値よりも大きいとき、前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値は前記観測モデルと一貫性を有していない旨を判定するステップと、
    を定義するコンピュータプログラム命令を含むことを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
  21. 前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記異常測定値を検出するステップを定義する前記コンピュータプログラム命令は、
    前記第1の複数の測定値および前記第2の複数の測定値が前記観測モデルと一貫性を有していない旨の判定に応じて、前記複数の加重残余内における前記加重残余の最大絶対値を検索するステップを定義するコンピュータプログラム命令を含むことを特徴とする請求項20に記載のコンピュータ可読媒体。
  22. 前記第1の複数の測定値は第1の複数の疑似距離を含み、かつ、前記第2の複数の測定値は第2の複数の疑似距離を含むことを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
  23. 前記第1の複数の測定値は第1の複数のアンビギュイティのない位相を含み、かつ、前記第2の複数の測定値は第2の複数のアンビギュイティのない位相を含むことを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
  24. ローバ内に配置された第1のナビゲーション受信機と、基地局内に配置された第2のナビゲーション受信機とを備えた全地球的航法衛星システムにおいて測定値を処理するための前記コンピュータプログラム命令は、
    前記検出された異常測定値を除去するステップと、
    残りの測定値を用いて前記ローバ位置を算出するステップと、
    を定義するコンピュータプログラム命令をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
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