JP5756748B2 - 異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物を分離するための、還元可能な多孔質の結晶の固体の混成物 - Google Patents

異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物を分離するための、還元可能な多孔質の結晶の固体の混成物 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
[優先権]
本発明は、仏国特許出願第08/03245号(出願日:2008年6月11日)に対する優先権を主張する。上記仏国特許出願は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
[明細書]
〔技術分野〕
本発明は、異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物を分離するための、有機金属骨格から構成されている多孔質の結晶の固体の使用に関する。
本発明のMOF固体は、オレフィン/パラフィン混合物の分離に使用され得る。例えば、それらは、プロパン/プロペン混合物の分離に使用され得る。また例えば、それらは、アセチレンおよび二酸化炭素の混合物の分離に使用され得る。
大括弧内の引用[X]は、実施例の末尾にある参考文献の一覧を指している。
〔技術の説明〕
有機金属骨格(MOF)は、金属イオン、および当該金属イオンに配位している無機の配位子を含んでいる無機−有機の混成骨格の配位重合体である。これらの物質は、一次元、二次元または三次元の骨格に構成されており、金属クラスターは、スペーサ配位子によって互いに周期的に結合されている。結晶構造を有しているこれらの物質は、ほとんどの場合に多孔質であり、多くの産業用途(例えば、気体の貯蔵、液体の吸着、液体または気体の分離、触媒など)に使用されている。
例えば、米国特許出願公開第2003−0078311号[参考文献1]が引用され得、当該文献には、亜鉛に基づくMOF物質を含んでいる触媒系を利用する反応過程について記載されている。米国特許第6,929,679号[参考文献2]では、この同じ物質がまた、気体の貯蔵に使用されている。
さらに、同じ位相幾何学の骨格に基づくMOF物質は、“等細網状(isoreticular)”と説明されている。これらの空間的に構成化されている骨格によって、より均質な多孔性を得ることができた。したがって、米国特許第6,930,193号[参考文献3]には、気体の貯蔵に使用される、亜鉛に基づく種々のIRMOF(等細網状の有機金属骨格)物質について記載されている。
さらに、気相または液相における化合物の混合物の分離は、化学、石油化学および/または製薬の産業領域に関する、主な産業上の課題である。例えば、パラフィンからのオレフィンの分離は、分離の分野における最も重要な課題の1つである。オレフィンの回収は、石油派生物の分留からの気体残余物に由来する液化産物から得られたオレフィンおよびパラフィンの混合物からもたらされる。世界的な需要は、ますます増大しており、低エネルギーコストの新規な分離法の開発に高い関心が集まっている。例えば、多くの重合体(例えば、ポリプロピレン)の合成にとっての重要な前駆体であるプロピレンについて考える。プロピレンの製造は、経済的に許容される費用における、プロパンからのプロピレンの分離の困難さに直面している。
現在の技術は、多くの不利な点を有している。例えば、これらは、C24/C26および/またはC36/C38の混合物の低温蒸留または高圧分離を使用する[参考文献36]。しかし、オレフィンとパラフィンとの間の揮発性の差がわずかであり、多段階(>100)の高価な還流システムが必要であり、したがって非常に費用がかかる。
近年、低温分離に対する代替法(膜、吸着技術)がこれまでに教示されている[参考文献4]一方で、オレフィン精製用の新規な吸着剤の開発に対する研究の試みがしばらくなされている。
炭素を用いた研究[参考文献5]またはシリカゲルを用いた研究[参考文献6]が、これまでに報告されている一方で、代替法は、Ag+またはCu2+種のカチオンが含浸によって導入されているメソ細孔のシリカまたは重合体に基づいている[参考文献7]。上述のイオンは、デュワー−チャット−ダンカンソン(Dewar-Chatt-Duncanson)モデルにしたがって[参考文献9]、これらの物質のオレフィンとの相互作用を支持する真空下における熱処理によって必要に応じて還元される[参考文献8]。それにもかかわらず、これらの相互作用は、これらが錯体化学を生じるほどに強くはなく、したがってその相互作用は、上述の系における加熱または減圧によってアルケンを非常に容易く脱離させる。この場合に、この種の吸着剤のアルケン/アルカンの選択性は、銀イオンまたは銅イオンを担持させたメソ細孔のシリカにとって典型的に2から8の間である[参考文献7]。それらの吸着能は、ゼオライトと同等であり、相対的に低く、1バールおよび室温においてほぼ1mmol・g-1である。さらに、分子、特に大きなサイズの分子の拡散率は、それらの孔径に起因するこの種の物質にとって比較的に制限される。一方で、これらの物質の選択性は、困難性をともなって、分離される混合物(例えば、プロペン/プロパン)に応じて変更/調節され得る。
また、ゼオライトは、オレフィン/パラフィン混合物を分離するための吸着剤として使用されている。例えば12から15のエチレン/エタンの選択性(323Kにおける)を有している、5A種または13X種の主にカチオン性のゼオライトがある[参考文献10]。これらの吸着剤を用いた問題点は、所望の生成物が、この物質に非常に強く吸着されるオレフィンであることに由来する。したがって、オレフィンの回収が困難になり、これらの物質に基づく分離過程の開発に歯止めをかけている。
一方で、制限された孔径を有しているゼオライトの使用は、細孔における内部の結晶内拡散率の問題を引き起こし、したがって非常に低い再生性をともなう、物質移行の高い抵抗性を生じる。これらの問題を改善するために、100℃から200℃の高い脱離温度が必要になり、吸着剤の細孔におけるオレフィンの重合体化のおそれがあり、したがって選択性および吸着能の低下のおそれがある[参考文献11]。実際に、これらの酸性ゼオライトは、当該用途に関して産業レベルでは使用されていない。
上述の酸性ゼオライトは、オレフィン/パラフィンの分離にとって不利な点を多く有していると同時に、現在関心が寄せられている再生が、8環式の種の、中性の“珪酸の”ゼオライトまたはアルミニウムリン酸塩(斜方沸石)に関するものと考えられている[参考文献12]。実際に、細孔におけるカチオンの非存在において無視し得る熱力学的な選択性にもかかわらず、これらのうちの後者は、104のオーダーのアルケン/アルカン拡散係数を有して、良好な動的選択性を示し、これらのうちの後者がオレフィンの精製に使用され得ることを示唆している。分離の原理は、孔径(範囲:3.7−4.2*4.1−4.5Å)と幾何学的であり、アルカンに対してよりもアルケンに対してより好ましくねじれ(楕円)である。PSA(圧力変動吸着)型の精製過程にとって、s=(KC36/KC38)/SR(DC36/DC38)によって規定される非常に高純度のオレフィンを得ることが必須である(ここで、Kは平衡定数を表し、Dは拡散係数を表す)。CHA型またはDD3R型の吸着は、純度において99%の性能を有しており、この種の分離にこれらを使用する実現性を支持している。それにもかかわらず、選択性を低下させないために、平衡容量を45%未満にする必要があり(ヘンリーの法則)、サイクルの頻度を最も速く拡散する種(プロピレン)の頻度(すなわち、ここではこれらの2つの吸着にとって5秒から2000秒)に一致させなければならないという制限がある。
同種の原理において、純粋に珪酸のゼオライトであるITQ−12は、温度の作用であるプロパン/プロピレンの選択性を示す独特の特性をを有している[参考文献13]。30℃においてアルケンがプロパンの100倍以上速く吸着される一方で、80℃における細孔の変形が、プロピレンの排他的な吸着を生じ、PSA型の予備的な試験によって99.5%の純度のプロピレンの生成が示されている。しかし、この吸着の費用の高さ(すなわちHFおよび構成剤1,3,4−トリメチルイミダゾリウムの使用)が、工業的な過程における使用の妨げになっている。
最後に、特定のMOFまたは有機金属骨格は、気体の分離に関して研究されている。例えば、トリメシン酸銅HKUST−1(香港大学におけるHKUST)に関する研究が引用され得る[参考文献14]。この多孔性の銅(II)カルボン酸塩は、直径9Åのケージの系、1800m2・g-1の比表面積(その研究中に生成された固体に関して)および銅の二量体を有している。これらのうちの後者は、脱水によってそれらの水の錯体化分子を失って、不飽和の銅(II)の金属中心になっている。これらは、NO型の不飽和分子の錯体化を可能にするルイス酸性度を有している[参考文献15]。プロパンおよびプロピレンの相互作用の予備的な研究がこの固体に関して実施された。これらの2つの分子の算出された吸着熱は、HKUST−1と近く、−30KJ/mol(プロパン)および−33KJ/mol(プロピレン)であり、低い熱分離を予想させる一つである。この点について、あらかじめ活性化された固体を用いて充填されているカラムに対する破過試験によって、20℃において40分間にわたって滞留されるプロパン、および60分後にカラムからのみ現れてくるプロピレンの間における滞留時間の差異が示されている。しかし、これらの破過曲線から算出される「2」に等しい選択性は、工業規模におけるオレフィン/パラフィン混合物の分離過程にこの物質を適用することを検討させるには十分ではない。さらに、これらの物質の選択性は、分離される混合物、例えば、プロペン/プロパン混合物に応じて、困難をともなって変更/調整され得る。
また、米国特許第6,491,740号[参考文献16]には、炭化水素の混合物から夾雑物(CH4、H2、N2、O2)を除去するか、またはガス流から炭化水素を取り出すための、銅IIに基づくMOF物質の使用について記載されており、当該文献が引用され得る。実施例に記載の固体はHKUST−1であり、したがってこの物質の制限および欠陥に関する以前の段落に成されているような同じ見解が当てはまる。銅に基づくMOFが相対的に高価であることも注目され得る。さらに、水性溶液における水の存在においてそれらの安定性が、あまり良好ではない[参考文献15]。
現状において、工業的なパラフィン/オレフィン分離に対する要求の一覧を満たすと同時に、適切な選択性、費用および拡散特性を有しており、プロピレンの重合体化を起こさない吸着剤がない。したがって、アルカン/アルケン分離は、現在、低温経路によって成されており、非常にエネルギーコストが高い。この高価な方法に代わって、要求される基準(選択性、拡散性、再生)を満たし得る吸着剤の発見は、この分野における大変な進歩に貢献するだろう。
既知の過程の不利な点のなかから、以下のものが例として挙げられ得る:
−非常に高価な実施費用、
−システム/分離材料の選択性の不足、
−分離材料において分離される種の不十分な拡散性、
−存在する分離材料を用いた浸出の問題。
したがって、オレフィン/パラフィン混合物、ならびに異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の他の混合物を、効率的に分離可能な系の開発に対する実際の要求がある。
〔発明の開示〕
本発明の目的は、多孔質の結晶のMOF固体の使用を提案することによって従来技術のこれらの必要性および不利な点に明確に対応することである。当該MOF固体は、異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物を分離するための還元されている金属部位を含んでおり、以下の式(I):
(I)
(ここで、
y=M(z−1)+/Mz+の割合が0<y≦xの範囲にあり、xが上記MOF固体の接触可能なイオンMz+の部分である条件において、存在しているMのそれぞれが独立して、Fe、Mn、Co、NiおよびVを包含している群から選択される遷移金属のイオンMz+またはそれらの還元されている形態M(z−1)+を表しており、zが3または4であり、
mが、1から12であり、
kが、0から4であり、
lが、0から18であり、
pが、1から6であり、
Xが、OH、Cl、F、I、Br、SO 2−、NO 、ClO 、PF 、BF R−(COO 、R −(COO 、R −(SO 、R −(PO 2- を包含している群から選択されるアニオンであり、が、水素原子、直鎖状もしくは分枝鎖状の任意に置換されているC〜C12アルキル、または直鎖状もしくは分枝鎖状の任意に置換されているC〜C10アリールであり、nが、1から4までの整数を表しており、
Lが、qのカルボン酸塩の原子団
Figure 0005756748
を含有しているラジカルRを含んでいるスペーサ配位子であり、ここで、
qが、2、3、4、5または6であり、
*が、上記ラジカルRに対する上記カルボン酸塩の原子団の結合点を示し、
#が、上記金属イオンに対する上記カルボン酸塩の原子団の予想される結合点を示し、
Rが、以下の(i)〜(iv):
(i)C1−12アルキルラジカル、C2−12アルケンラジカルまたはC2−12アルキンラジカル、
(ii)6〜50の炭素原子を含んでいる、単環式または多環式の縮合または非縮合のアリール、
(iii)1〜50の炭素原子を含んでいる、単環式または多環式の縮合または非縮合のヘテロアリール、
(iv)フェロセン、ポルフィリンおよびフタロシアニンを包含している群から選択される、金属元素を含有している有機ラジカルを表しており、
上記ラジカルRが、1つ以上の基Rによって任意に置換されており、ここで、1つ以上の基Rが独立して、C1−10アルキル基、C2−10アルケン基、C2−10アルキン基、C3−10シクロアルキル基、C1−10ヘテロアルキル基、C1−10ハロアルキル基、C6−10アリール基、C3−20ヘテロ環基、C1−10アルキル基、C6−10アリール基、C1−10アルキル基、C3−10ヘテロアリール基、F基、Cl基、Br基、I基、−NO−CN基、−CF−CHCF−OH基、−CHOH基、−CHCHOH基、−NH−CHNH−NHCHO基−COOH基−CONH−SOH基、−CHSOCHまたは−PO 基を包含している群から選択される)
を有している部分の3次元構造を含んでいる、使用。
特定の実施形態において、MはVを表し得、zは4であり得る(V4+/V3+酸化還元対)。
特定の他の実施形態において、MはNiを表し得、zは3であり得る(Ni3+/Ni2+酸化還元対)。
好ましくは存在しているそれぞれのMは独立して、Fe、Mn、Ni(zはこのとき3である)およびV(zはこのとき4である)を包含している群から選択される遷移金属のイオンMZ+またはそれらの還元された形態M(z-1)+を表す。
本明細書に使用されるとき、MOF固体xの接触可能なM+イオンの割合は、MOF固体における接触可能なM+イオンの数およびMOF固体に存在しているM+イオンの総数の間の割合を指す。MOF固体の接触可能なM+イオンの数は、M(z-1)+イオンに還元され得る、MOF固体の接触可能なM+イオンの数を表す。したがって、xは本発明に係るMOF固体が含み得るM(z-1)+イオンの最大の比率を表す。
本発明に鑑みてxは確実に0を超える。
特定の実施形態において、xは、0(0を含まない)〜1/3(1/3が含まれる)の間にある任意の割合を指す。好ましくはxが1/3を表す。この実施形態は、自己還元の現象によって、還元されたMOFに関する(すなわち初期の期間における<150℃、または<100℃の温度によってMz+部位に配位されている水および溶媒の分子を除去が可能になる。100℃、特に150℃を超えると、Mz+部位が還元され始める。還元は、MOF固体の電気的な中性を維持するために負に荷電している配位子(−1)の除去によって起こされ得る)。例えば、xは0.10、0.15、0.20、0.25、0.30または1/3であり得、この最後の値は、自己還元の現象によるMz+部位の還元によるMOF物質の理論的な最大の活性化に対応している(すなわちMOF固体の電気的な中性が負に荷電している配位子(−1)の除去によって維持される)。
特定の実施形態において、xは1/3を超え得る。これは、酸化され得る少なくとも1つの配位子(酸化還元配位子)(例えば、キノンが酸化されている形態であるヒドロキノン)を含んでいるMOFに関する。その場合に、多孔質のMOF固体の還元は、金属の対イオンの消失(これまでの実施態様に見られるような)だけでなく、有機配位子の酸化に起因する電荷補償によって起こされ得る。したがって、還元されているM(z-1)+イオンの含有量を、x=1/3の割合を超えて増加させ得る。実際の例について後述の実施例31を参照すればよい。理論上は、Mz+イオンの還元の比率は100%に達し得る(すなわちx=1)。例えば、xは0.35、0.40、0.50、0.60、0.70、0.80、0.90または1でさえあり得る。
本発明に鑑みて、用語“置換されている”は、例えば、示されている構造における水素ラジカルの、すでに規定されているR2ラジカルによる置換を表す。2以上の位置が置換され得る場合に、置換は、それぞれの位置において同じであるか、または異なり得る。
本発明の意味するところでは、“スペーサ配位子”は、少なくとも2つの金属と配位している配位子(例えば、中性の種およびイオンが挙げられる)を意味すると理解され、当該配位子は、これらの金属の間に間隔を置くこと、および自由空間もしくは細孔の形成に関与する。スペーサ配位子は、上述のように規定される通り、一座配位または二座配位であり得る(すなわち金属との1または2の結合点を含んでいる)1〜6のカルボン酸塩基を含み得る。金属との結合点は、上記式において記号#によって表されている。基Aの構造が2の結合点#を含んでいる場合に、これは、金属に対する配位が結合点の一方、他方または両方によって生じ得ることを意味する。
本発明の意味するところでは、“アルキル”は、1〜12(例えば、1〜10、1〜8、1〜6)の炭素原子を含んでいる、直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の、飽和もしくは不飽和の任意に置換されている炭素ラジカルを意味すると理解される。
本発明の意味するところでは、“アルケン”は、炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ有している、上記に規定されているようなアルキルラジカルを意味すると理解される。
本発明の意味するところでは、“アルキン”は、炭素−炭素三重結合を少なくとも1つ有している、上記に規定されているようなアルキルラジカルを意味すると理解される。
本発明の意味するところでは、“アリール”は、ヒュッケルの芳香族性の規則を満たしている少なくとも1つの環を含んでいる芳香族系を意味すると理解される。上記アリールは、任意に置換されており、6〜50(例えば、6〜20、6〜10)の炭素原子を含み得る。
本発明の意味するところでは、“ヘテロアリール”は、5〜50の構成原子の少なくとも1つの芳香族環を含んでおり、当該芳香族環の少なくとも1つの構成原子が異種原子である系を意味すると理解される。当該異種原子は、硫黄、酸素、窒素およびホウ素を包含している群から特に選択される。上記ヘテロアリールは、任意に置換されており、1〜50の炭素原子、好ましくは1〜20の炭素原子、より好ましくは3〜10の炭素原子を含み得る。
本発明の意味するところでは、“シクロアルキル”は、3〜20の炭素原子、好ましくは3〜10の炭素原子を含んでいる、任意に置換されている飽和もしくは不飽和の環状の炭素含有ラジカルを意味すると理解される。
本発明の意味するところでは、“ハロアルキル”は、少なくとも1つのハロゲンを含んでいる、上記に規定されているようなアルキルラジカルを意味すると理解される。
本発明の意味するところでは、“ヘテロアルキル”は、少なくとも1つの異種原子を含んでいる、上記に規定されているようなアルキルラジカルを意味すると理解される。当該異種原子は、硫黄、酸素、窒素およびホウ素を包含している群から特に選択される。
本発明の意味するところでは、“ヘテロ環”は、2〜20の炭素原子、好ましくは5〜20の炭素原子、より好ましくは5〜10の炭素原子および少なくとも1つの異種原子を含んでいる、任意に置換されている飽和もしくは不飽和の環状の炭素含有ラジカルを意味すると理解される。当該異種原子は、例えば、硫黄、酸素、窒素およびホウ素を包含している群から選択され得る。
本発明の意味するところでは、“アルコキシ”、“アリールオキシ”、“ヘテロアルコキシ”および“ヘテロアリールオキシ”は、酸素原子が結合しているアルキルラジカル、アリールラジカル、ヘテロアルキルラジカル、およびヘテロアリールラジカルをそれぞれ意味すると理解される。
本発明の意味するところでは、“アルキルチオ”、“アリールチオ”、“ヘテロアルキルチオ”および“ヘテロアリールチオ”は、硫黄原子が結合しているアルキルラジカル、アリールラジカル、ヘテロアルキルラジカル、およびヘテロアリールラジカルをそれぞれ意味すると理解される。
本明細書に使用されるとき、“三次元構造”は、MOF物質の分野において従来、理解される通りに、式(I)の部分の三次元的な連続または繰返しを指し、“金属−有機重合体”として特徴付けられている。
本明細書に使用されるとき、“不飽和”は、多重結合(二重結合または三重結合)、またはO、S、NおよびPから選択される異種原子上に存在する遊離電子対を指す。
この場合に、多重結合は、
2つの炭素原子(C=C、C≡C)、
炭素原子および異種原子(C=O、C=S、−C=N−、C≡N)、または
2つの異種原子(N=N、P=O、P=S)を結合し得る。
用語“不飽和度”は、多重結合、すなわち二重結合または三重結合の性質を指す。後者は、二重結合(2)よりも大きい不飽和度(3)を有している。
不飽和数は、上記に規定されているような分子の不飽和の総数である。これは、多重結合、および上記に規定されているような所定の分子に存在している遊離電子対の合計Nである。
一例として、不飽和は、二重結合C=C、三重結合C≡C、カルボキシル基−CO2H、およびオキソ基C=O、アルデヒド基−C(=O)H、シアニド基−CN、ニトロ基−NO2、エステル基−CO2R、C=S、−C=N−、C≡N、N=N、P=O、P=S、フェニル基、アリール基および/またはヘテロアリール基の形態として存在し得る。
本発明の他の目的は、異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物を、上記に規定されているような多孔質の結晶のMOF固体に対する、より大きい程度および/または数の不飽和を有している当該分子の好ましい吸着によって、分離する方法である。当該方法は、
(i)金属M、Mの金属塩、またはMの金属イオンを含んでいる配位化合物の形態として存在している少なくとも1つの無機金属前駆体を含んでいる少なくとも1の溶液、
qの原子団*−C(=O)−R3を含んでいるラジカルRを含んでいる、少なくとも1つの配位子L’
を極性溶媒において混合して、MOF物質を得るステップであって、
M、qおよびRが、請求項1に規定の通りであり、
*が、ラジカルRに対する上記原子団の結合点を表し、
3が、OH、OYを包含する群から選択され、ここで、Yが、アルカリンカチオン、ハロゲン、−OR4ラジカル、−O−C(=O)R4ラジカルもしくは−NR44'ラジカルであり、ここで、R4およびR4'がC1-12アルキルラジカルであるステップ、
(ii)(i)において得られた上記MOF物質を活性化するステップ、ならびに
(iii)異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物と接触させて、(ii)において得られた上記MOF物質を配置するステップ
からなる反応段階を少なくとも1つ包含している。
Mは、上記に規定されているような、Fe、Mn、Co、NiおよびVを包含している群から選択される遷移金属のイオンである。
特に断りがない限り、MOF物質に関する種々の実施形態は、上記使用に対するのと同様に、本発明の上記方法に対して適用される。
本発明に係るMOF固体の特有の結晶構造、およびこれらの固体の結晶構造に影響することなく特定の金属部位(接触可能な金属部位)をM(z-1)+イオンに還元する実現性によって、異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物の分離にとって特に好適である特殊な特性が、これらの物質にもたらされる。
本発明のMOF固体において、Mは、Fe、Mn、Co、NiおよびVを包含している群から選択される。また、本発明のMOF固体は、これらの金属の混合物を含み得る。好ましくは、Mは、Fe、Feの酸化されている形態(Fe(III))またはFe(III)の還元されている形態(Fe(II))である。
上述のように、Mは、遷移金属のイオンMz+(zは3)である。したがって、存在しているMのそれぞれは独立して、Fe(III)、Mn(III)、Co(III)もしくはV(III)、またはそれらの還元された形態Fe(II)、Mn(II)、Co(II)もしくはV(II)であり得る。
また、Mは、V(IV)またはその還元された形態V(III)であり得る。この場合、zは4である。
また、Mは、Ni(III)またはその還元された形態Ni(II)であり得る。この場合、zは3である。
Mがそれぞれの金属に関する混合物である場合に、zは、同じ値または異なる値を有し得る。
本発明の一実施形態において、本発明の固体は、式(I)の部分の三次元構造を含んでおり、Mは1種の金属(例えば、Fe(II)および/またはFe(III)の形態のFe(すなわちz=3))であり得る。
一般的に、割合y=Fe2+/Fe3+は、確実に0を超えている。
特定の実施形態において、割合y=Fe2+/Fe3+は、0<y≦1/3の間に存在し得る。
他の実施形態において、多孔質のMOF固体が、酸化され得る少なくとも1つの酸化還元配位子を含んでいる場合に、yは1/3を超え得る。したがって、特定の実施形態において、0<y≦1(例示的な実施形態にとっての実施例31を参照すればよい)。
本発明の他の実施形態において、本発明の固体は、式(I)の部分の三次元構造を含み得、Mは、異なる金属(例えば、FeおよびMn、各金属のz=3)の混合物であり得る。
本発明の他の実施形態において、本発明の固体は、式(I)の部分の三次元構造を含み得、Mは、異なる金属(例えば、Fe、Co、NiもしくはMn(各金属のz=3)、またはV(z=4))の混合物であり得る。
特定の一実施態様において、Mz+は、z=3である、八面体の三価Feである。当該実施態様において、Feは配位数6を有している。
“配位数”は、カチオンMに結合しているアニオンの数を意味すると理解される。
本発明に係るMOF物質の有用性は、MOF物質の構造が、金属イオンMz+からM(z-1)+イオンに還元された後に、安定に維持されている事実にある。実際に予想外なことに、MOF物質の接触可能なMz+イオンのすべてまたは一部が対応するM(z-1)+イオンに還元される場合に、本発明に係るMOF物質がそれらの統合的な構造を維持していることが見出されている。異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物の分離に、本発明のMOF物質を使用可能であるので、この特性は顕著なものである。さらに、分離方法において問題になっているMOF物質の選択性を調節可能である。
実際に、不飽和の金属中心Mz+およびM(z-1)+が、電子の受容性を有しており(ルイス酸)、電子供与性を有している分子(ルイス塩基)(例えば、本発明の意味するところにおける1以上の不飽和を含んでいる分子)とπ複合体を形成し得る。不飽和を含んでいる分子がアルケンまたはアルキンである場合に、このようにして形成された複合体は、一方においてオレフィンにおける炭素−炭素の二重結合もしくは三重結合の電子構造、および他方において吸着部位の空の軌道を考慮して、デュワー−チャット−ダンカンソンモデル[参考文献9]にしたがって理論的に説明される。アルケンまたはアルキンにおける結合は、(i)不飽和炭化水素のπ結合軌道の電子の、吸着部位の空の軌道に対する非局在化(供与体−受容体のσ結合を介する相互作用)、(ii)吸着部位の部分的に埋まっているd軌道の電子の、不飽和炭化水素のπ*非結合軌道に対する非局在化(π結合)に関する。還元された金属イオンM(z-1)+は、Mz+と比べて、炭化水素に対するπ結合を補強し、したがって形成された複合体の安定性を増大させる付加的なd電子を有している。したがって、Mz+金属イオンおよびその還元された形態M(z-1)+を同時に含んでいる式(I)のMOF物質(割合y=M(z-1)+/Mz+が厳密に0を超える)は、そのような分子とより強固に相互作用する。
上述の論理的思考は、1つ以上の遊離電子対を含んでいる分子にとって同じく維持され得る。同様に、Mz+金属イオンおよびその還元された形態M(z-1)+を同時に含んでいる式(I)のMOF物質(割合y=M(z-1)+/Mz+が厳密に0を超える)は、そのような分子とより強固に相互作用する。
本発明者らは、以下の“実施例”の項に説明されているように、本発明のMOF固体のこの特性を実験的に証明している。
特定の一実施態様において、MOF物質の金属イオンMz+の還元は、十分に高い温度における物質の活性化によってもたらされて、Mz+部位のM(z-1)+への還元を自己還元現象によって生じ得る。例えば、Battiston et al.[参考文献41]およびMagnacca et al.[参考文献42]を参照すればよい。初期において、温度<150℃または<100℃でさえ、Mz+部位に配位している水および溶媒の分子を除去可能である。100℃、特に150℃を超えると、Mz+部位は還元を受け始める。還元は、MOF固体の電気的な中性を維持するために、負に荷電した配位子(−1)の除去によってもたらされ得る。また、還元は、以下に特定されているように、真空下におけるポンプ作用または還元剤によって生じ得る。
他の実施態様において、MOF物質の金属イオンMz+の還元は、F-イオンの原料を用いた物質の処理の後に行われ得る。例えば、F-イオンの原料は、KF、CsF、LiF、MgF2、CaF2、またはアミンのフッ素塩(例えば、NH4F)であり得る。好ましくは、これは、例えば水溶液としてのNH4Fであり得る。
特定の理論に何ら縛られることなく、この処理が、物質の細孔に存在する硝酸塩をF-イオンに交換可能であることが提唱され得ると思われる。この種のアニオン交換は、他の物質において観察されている(Philip L. Llewellyn, Sandrine Bourrelly, Christian Serre, Alexandre Vimont, Marco Daturi, Lomig Hamon, Guy De Weireld, Jong-San Chang, Do-Young Hong, Young Kyu Hwang, Sung Hwa Jhung, Gerard Ferey "High Uptakes of CO2 and CH4 in Mesoporous Metal Organic Frameworks MIL-100 and MIL-101", Langmuir, 2008, 24, 7245-7250[参考文献57])。
したがって、F-イオンの原理を用いた前処理は、低温における金属部位MZ+の還元(F-イオンはより小さくかつ軽く、したがってより不安定である)、およびより大きな比表面積の還元された物質の入手を可能にする。
特定の一実施態様において、式(I)のMOF物質における還元されたイオンM(z-1)+の含有量は、分離される種に対するMOF固体の選択性を調節するために、制御/調整され得る。還元されたイオンM(z-1)+の含有量は、かなり高い温度および/またはかなり長い活性化時間に曝露することによって、調節され得る。これに関して、“活性化時間”は、接触可能な金属部位Mz+の還元がもたらされる時間を意味すると理解される。同一条件において温度が高いほど、MOF物質における還元されたイオンM(z-1)+の含有量が一般的により多くなる。同様に、活性化時間が長いほど、MOF物質における還元されたイオンM(z-1)+の含有量がより多くなる。これまでの段落に記載したように、熱活性化は、F-イオンの原料(例えば、KF、CsF、LiF、MgF2、CaF2、またはアミンのフッ素塩(例えば、NH4F))を用いた処理の後に実施され得る。これは、活性化温度および/または活性化時間の低減を可能にする作用を有している。
MOF物質の調製方法は、当業者に公知であり、本明細書には詳細に記載されていない。
“不飽和の金属部位Mz+”は、配位数が、金属原子Mz+がσ結合によって結合し得る配位子の最大数未満であるMz+イオンを意味すると理解される。例えば、式(I)のMOF固体が八面体の三価のFe3+イオンに基づいている場合に、Fe3+イオンの最大の配位数は6である。したがって、MがFeでありzが3である式(I)のMOFにおける不飽和の金属部位は、5配位のFe3+イオンであり得る。例えば、配位数6の金属イオンFe3+が水の分子と配位し得る場合の(配位数6)そのような固体において、不飽和のFe3+金属部位は、接触可能なFe3+部位から水および/または溶媒の分子を除去するために、真空下においてMOF物質を加熱することによって、入手され得る。同じ論理的説明が金属イオンMn3+、V3+およびCo3+について維持され得る。中性の配位子は、不飽和なMn3+、V3+および/またはCo3+の部位を生成するために十分な温度における加熱によって、接触可能なMn3+、V3+およびCo3+の部位から除去され得る。同じ論理的説明が酸化還元対V4+/V3+およびNi3+/Ni2+について維持され得る。
より高い温度における加熱の後に、不飽和のFe2+、Mn2+、V2+および/またはCo2+の部位が、上述の自己還元現象によって入手され得る。同様に、不飽和のV3+の部位がV4+イオンの自己還元によって入手され得る。同様にして、不飽和のNi2+の部位がNi3+イオンの自己還元によって入手され得る。
金属イオンは、金属“クラスター”に単離され得るか、または分類され得る。本発明に係るMOF固体は、例えば、八面体の鎖、または八面体の三量体から構築され得る。
本発明の意味するところでは、“金属クラスター”は、アニオン(例えば、O、OH、Clなど)または有機配位子によって直接的に、イオン性の共有結合によって結合されている少なくとも2つの金属イオンを含んでいる原子の集団を意味すると理解される。
さらに、本発明に係るMOF固体は、金属イオンまたは金属基に対する配位子の組織化および結合に関する逆の可能性に鑑みて、異なる形態または“相”において存在し得る。
本発明の意味するところでは、“相”は、明確な結晶構造を有している、少なくとも1つの金属および少なくとも1つの有機配位子を含んでいる混成の組成物を意味すると理解される。
本発明の固体の空間的な結晶の構成は、これらの物質の特定の性質および特性の中心をなす。特に、それが、細孔の大きさを決定し、物質の比表面積および吸着特性に対する影響を有している。また、それは、物質の密度を決定し、これらの物質における金属の比率、物質の安定性、構造の厳格さなどが相対的に低い。
さらに、細孔の大きさは、適切な配位子Lの選択によって調節され得る。
特定の一実施態様において、本発明のMOF固体の式(I)の部分の配位子Lは、
Figure 0005756748
Figure 0005756748
(ここで、
1がOまたはSを表し、
sが1〜4の整数を表し、
存在しているtのそれぞれが独立して、1〜4の整数を表し、
uが1〜6の整数を表し、
L1およびRL2が独立して、H、ハロゲンまたはC1〜C6アルキル(好ましくはメチルまたはエチル)を表し、
存在しているRL3のそれぞれが独立して、H,ハロゲン(好ましくはF,ClまたはBr)、OH、NH2、NO2、またはC1〜C6アルキル(好ましくはメチルまたはエチル)を表す)
を包含している群から選択されるジ−、トリ−、テトラ−またはヘキサ−カルボン酸塩配位子であり得る。
特に、本発明のMOF固体における式(I)の部分の配位子Lは、C22(CO2 -2(フマル酸塩)、C24(CO2 -2(コハク酸塩)、C36(CO2 -2(グルタル酸塩)、C44(CO2 -2(ムコン酸塩)、C48(CO2 -2(アジピン酸塩)、C53S(CO2 -2(2,5−チオフェンジカルボン酸塩)、C64(CO2 -2(テレフタル酸塩)、C622(CO2 -2(2,5−ピラジンジカルボン酸塩)、C716(CO2 -2(アゼライン酸塩)、C106(CO2 -2(ナフタレン−2,6−ジカルボン酸塩)、C128(CO2 -2(ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸塩)、C1282(CO2 -2(アゾベンゼンジカルボン酸塩)、C126Cl22(CO2 -2(ジクロロアゾ−ベンゼンジカルボン酸塩)、C1262(CO2 -4(アゾベンゼンテトラカルボン酸塩)、C1262(OH)2(CO2 -2(ジヒドロキソアゾベンゼン−ジカルボン酸塩)、C63(CO2 -3(ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸塩)、C63(CO2 -3(ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸塩)、C2415(CO2 -3(ベンゼン−1,3,5−トリ安息香酸塩)、C4227(CO2 -3(1,3,5−トリス[4’カルボキシ(1,1’−ビフェニル−4−イル)]ベンゼン)、C62(CO2 -4(ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸塩)、C104(CO2 -4(ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸塩)、C104(CO2 -4(ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸塩)、C126(CO2 -4(ビフェニル−3,5,3’,5’−テトラカルボン酸塩)、ならびに2−アミノテレフタル酸塩、2−ニトロテレフタル酸塩、2−メチルテレフタル酸塩、2−クロロテレフタル酸塩、2−ブロモテレフタル酸塩、2,5−パーフルオロテレフタル酸塩、2,5−ジヒドロキソテレフタル酸塩、テトラフルオロテレフタル酸塩、2,5−ジカルボキシテレフタル酸塩、テトラメチル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸塩およびジカルボキシ−4,4’−ビフェニルジカルボン酸塩を包含している群から選択される修飾されている類似物を包含している群から選択されるジ−、トリ−、テトラ−またはヘキサ−カルボン酸塩配位子であり得る。
上記に挙げられているカルボン酸塩配位子のほとんどが市販されている。市販されていない利用可能なカルボン酸塩配位子の調製については、実施例の項を参照すればよい。
特に、本発明の式(I)の部分のアニオンは、OH、Cl、Br、FR−(COO 、PF 、NO 、SO 2−およびClO を包含している群から選択され得る(ここで、Rおよびnは上記に規定されている通りである)。特定の一実施態様において、アニオンXは、OH、Cl、FおよびR−(COO を包含している群から選択され得る(ここで、Rは、−CH、−C、−C、−C10または−C(CHを表す)。
特に、本発明に係るMOF固体は、乾燥相において5〜50重量%、好ましくは18〜31重量%のMを含み得る。
重量%(wt%)は、混合物または合金の組成(すなわち混合物における各成分の比率)を説明するための化学または金属学に使用される測定単位である。
1重量%の成分=100gの混合物における1gの成分、同様に100kgの混合物における1kgの成分。
本発明のMOF固体は、350℃以下の温度までにおいて熱安定性を示すという利点を特に有している。より詳細には、これらの固体は、120℃〜350℃において熱安定性を示す。
上述の通り、本発明のMOF固体において、少なくとも1つの不飽和を含んでいる(複数の)分子(ルイス塩基)の少なくとも一部は、Mと配位する。1gの乾燥固体ごとに、少なくとも1〜5mmolの分子が、Mと配位する。
少なくとも1つの不飽和を含んでいる、Mと配位しない(複数の)分子の一部は、細孔の自由空間を首尾よく満たし得る。
本発明者らは、式(I)の部分の三次元構造を含んでいるMOF物質が、強固または柔軟な構造の形態を採ることを証明している。実際にMOF物質は、膨張し、かつ収縮して、細孔の開口が例えば溶媒および/または気体であり得る吸着される分子の性質に依存して変化を生じ得る。
本発明の意味するところでは、“強固な構造”は、非常にわずかに(すなわち10%以下の程度に)のみ膨張するか、または収縮する構造を意味すると理解される。
本発明の意味するところでは、“柔軟な構造”は、大きな程度、特に10%、好ましくは50%を超える程度に膨張するか、または収縮する構造を意味すると理解される。特に、柔軟な構造のMOF物質は、10%〜300%、好ましくは50%〜300%の程度に膨張し得るか、または収縮し得る。
本発明は、強固または柔軟な構造のMOF物質を用いて実施され得る。
実験の結果は、強固な構造のMOF物質が本発明の実施に好適であったことを証明している。
本発明のMOF固体は、例えば溶媒、配位しないカルボン酸などであり得る内容物が細孔に入っていない場合に、強固な骨格を有しており、非常にわずかにのみ収縮する強固な構造の形態であることが好ましい。特に、本発明に係るMOF固体は、例えば溶媒および/または気体であり得る吸着される分子の性質に依存して0〜10%の範囲において膨張するか、または収縮する強固な構造を有している。
MOF固体の構造は、例えば八面体の鎖または三量体に基づいて構築され得る。
本発明の一実施形態によれば、強固な構造のMOF固体は、乾燥相において、5〜50重量%、好ましくは18〜31重量%のMを有し得る。
本発明に係る強固な構造のMOF固体は、0.4〜6nm、詳細には0.5〜5.2nm、より詳細には0.5〜3.4nmの細孔の大きさを有している。
本発明に係る強固な構造のMOF固体は、0.5〜4cm3/g、詳細には0.05〜2cm3/gの細孔容積を有し得る。
本発明に関して、細孔容積は、気体および/または液体の分子に対して接触可能な容積を意味している。
特に、本発明に係るMOF固体は、5〜6000m2/g、好ましくは5〜4500m2/gの比表面積(BET)を有し得る。
本発明の特定の一実施形態において、柔軟な構造のMOF固体は、乾燥相において5〜40重量%、好ましくは18〜31重量%のMを有し得る。ここでは、Mは鉄を表すことが好ましい。
例えば、本発明に関して、柔軟な構造のMOF固体は、0.4〜6nm、詳細には0.5〜5.2nm、より詳細には0.5〜1.6nmの孔径を有し得る。
例えば、本発明に係る柔軟な構造のMOF固体は、0〜3cm3/g、詳細には0〜2cm3/gの細孔容積を有し得る。
本発明のMOF固体は、0〜4cm3/g、より詳細には0.5〜4cm3/gの細孔容積を有し得る。
本発明のMOF固体は、不飽和を含んでいる分子について、乾燥した固体の1gごとに0.5〜50mmolの物質の積込み容量を有し得る。
本発明に関して、積込み容量は、分子の貯蔵容量または物質に吸着される分子の量を意味する。積込み容量は、許容重量(グラム/グラム)もしくは許容モル数(mol/mol)または他の単位(mol/グラム、グラム/molなど)として表され得る。
“MIL(Materials of institut Lavoisier)”と指定されている異なるMOF物質は、Institut Lavoisier de Versaillesにおいて発明者らによって開発されている。これらの名称“MIL”の後には、異なる固体を特定するために、発明者らによって与えられた任意の数字nが付されている。
他の構造は、“PIZA(Porphyrinic Illinois Zeolite Analogue)”または“CPO(Coordination Polymer Oslo)”と名付けられている。
名称MIL、PIZAおよびCPOは、当該分野における従来の名称であり、当業者に公知である。それらは、実際に科学雑誌において一般的に使用されている。
構造の特定の番号は、本発明者らによって本出願日に公開されている。詳細にはMIL−88A、MIL−89、MIL−100、MIL−101、MIL−102、MIL−88B−4CH3、MIL−88B−2OH、MIL−126、MIL−127、CPO−27およびPIZA−1と名付けられている構造がある。
これらの構造の結晶特性は、公知であり、多くの報告がなされている。例えば、以下に述べられているものがある。
MIL−88A:(a) Serre et al., "Role of solvent-host interactions that lead to very large swelling of hybrid frameworks", Science, 2007, Vol. 315, 1828-1831[参考文献33]、(b) Surble et al., "A new isoreticular class of metal-organic frameworks with the MIL-88 topology", Chem. Comm., 2006, 284-286[参考文献47]、(c) Mellot-Draznieks et al., "Very large swelling in hybrid frameworks: a combined computational and power diffraction study", J. Am. Chem. Soc., 2005, Vol. 127, 16273-16278[参考文献48]。水和されたMIL−88A固体の構造は図40に示されており、結晶データは上述の刊行物に挙げられている。
MIL−88B〜D:Serre et al., "Role of solvent-host interactions that lead to very large swelling of hybrid frameworks", Science, 2007, Vol. 315, 1828-1831[参考文献33]。
MIL−89:C. Serre, F. Millange, S. Surble, G. Ferey Angew. Chem. Int. Ed. 2004, 43, 6286: A new route to the synthesis of trivalent transition metals porous carboxylates with trimeric SBU[参考文献17]。MIL−89固体の構造は図41に示されており、結晶データは上述の刊行物に挙げられている。
MIL−100:Horcajada et al., "Synthesis and catalytic properties of MIL-100(Fe), an iron(III) carboxylate with large pores", Chem. Comm., 2007, 2820-2822[参考文献28]。MIL−100固体の構造は図18および19に示されており、結晶データは上述の刊行物に挙げられている。
MIL−101:Ferey et al., "A chromium terephthalate-based solid with unusually large pore volumes and surface area", Science, 2005, Vol. 309, 2040-2042[参考文献49]。MIL−101固体の構造は図31に示されており、結晶データは上述の刊行物に挙げられている。
MIL−102:S. Surble, F. Millange, C. Serre, T. Duren, M. Latroche, S. Bourrelly, P.L. Llewellyn and G. Ferey "MIL-102: A Chromium Carboxylate Metal Organic Framework with Gas Sorption Analysis" J. Am. Chem. Soc. 128 (2006), 46, 14890[参考文献50]。MIL−102固体の構造は図31に示されており、結晶データは上述の刊行物に挙げられている。
MIL−88B_4CH3、MIL−88B_2OH:この構造のタイプに関して、上述のタイプMIL−88に関する刊行物を参照すればよい。すなわち、(a) Serre et al., "Role of solvent-host interactions that lead to very large swelling of hybrid frameworks", Science, 2007, Vol. 315, 1828-1831[参考文献33]、(b) Surble et al., "A new isoreticular class of metal-organic frameworks with the MIL-88 topology", Chem. Comm., 2006, 284-286[参考文献47]、(c) Mellot-Draznieks et al., "Very large swelling in hybrid frameworks: a combined computational and power diffraction study", J. Am. Chem. Soc., 2005, Vol. 127, 16273-16278[参考文献48]。水和されたMIL−88B_4CH3固体の構造は図33に示されており、結晶データは上述の刊行物に挙げられている。
MIL−127:Y. Liu and al, Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 3278-3283[参考文献51]。この物質に関する結晶データは上述の刊行物に挙げられている。
PIZA−1:"A functional zeolite analogue assembled from metalloporphyrins", M.E. Kosal, J-H Chou, S. R. Wilson, K. S. Suslick, Nature, 2002, 1, 118-121[参考文献52]。この物質に関する結晶データは上述の刊行物に挙げられている。
CPO−27:"Hydrogen adsorption in a nickel based coordination polymer with open metal sites in the cylindrical cavities of the desolvated framework", P.D.C. Dietzel, B. Panella, M. Hirscher, R. Blom, H. Fjellvag, Chem. Commun., 2006, 959-961[参考文献53]。この物質に関する結晶データは上述の刊行物に挙げられている。
したがって、本発明者らは、式(I)の部分の三次元構造を有しているMOF物質がそれら組成および/またはそれらの調製様式に依存して異なる相として存在し得ることを証明している。例えば、式(I)の部分が以下の式の何れかに対応するMOF物質について述べられる。
3OX[C6(CH34(CO223、例えばMIL−88B_4CH3
3OX[C63(CO232、例えばMIL−100
3OX[C64(CO233、例えばMIL−101
322[C102(CO243、例えばMIL−102またはMIL−126
Fe62[C1262−(CO243・X2・nH2O、例えばMIL−127
[CoT(p−CO2)PPCo1.5]、例えばPIZA−1
Fe2(O2C−C62(OH)2−CO2)(H2O)・xH2O、例えば、CPO−27
ここで、Xは上記に規定されている通りである。
さらに、本発明者らは、同じ一般式(I)の部分を有しているが、異なる構造を有しているMOF物質が同じカルボン酸配位子Lおよび同じ金属塩基(三量体)から入手され得ることを証明している。これは、例えば、MOF物質MIL−88B_4CH3およびMIL−101を用いる場合である。実際にMIL−88Bテトラ(すなわちMIL−88B_4CH3)およびMIL−101の間の差異は、八面体の三量体に対する配位子の結合の様式にある。MIL−101固体において、配位子Lは強固な八面体の形態として集合し、一方でMIL−88B固体において、それらは三方晶系の両錐を形成し、三量体間の分離を可能にする。
これらの配位子の集合の様式は、例えばpHを調節することによって、合成の間に制御され得る。例えば、MIL−88固体は、以下の“実施例”の項に記載のように、MIL−101固体より弱い酸性溶媒において得られる。
強固な構造のMOF物質は、分離の間に固体におけるより良好な拡散特性を得るために好ましく使用される。
したがって、特定の一実施態様において、MOF固体は、式(I)の以下の部分の連続を含んでいる:
3OX[C63(CO232(MIL−100型の構造)
3OX[C64(CO233(MIL−101型の構造)
3OX[C6(CH34(CO223(MIL−88B_4CH3型の構造)
322[C102(CO243(MIL−102型の構造)
Fe62[C1262−(CO243・X2・nH2O(MIL−127型の構造)。
特定の一実施態様において、上記構造においてMはFeを表す。
MOF物質の調製方法は、当業者に公知であり、本明細書には詳細に説明されない。(i)金属、Mの金属塩、またはMの金属イオンを含んでいる配位化合物の形態として存在している少なくとも1つの無機金属前駆体を含んでいる少なくとも1の溶液、
qの原子団*−C(=O)−R3を含んでいるラジカルRを含んでいる、少なくとも1つの配位子L’
を極性溶媒において混合して、MOF物質を得るステップであって、
M、qおよびRが、上記に規定の通りであり、
*が、ラジカルRに対する上記原子団の結合点を表し、
3が、OH、OYを包含している群から選択され、ここで、Yが、アルキンカチオン、ハロゲン、−OR4ラジカル、−O−C(=O)R4ラジカルもしくは−NR44'ラジカルであり、ここで、R4およびR4'がC1-12アルキルラジカルであるステップからなる反応段階を少なくとも1つ包含している方法によって、一般的に調製され得ることに単に留意されるべきである。
MOF物質の調製は、例えば加熱(例えば、熱水または熱溶媒の条件など)、マイクロ波、超音波、摩擦、超臨界流体に関する処理によって供給され得るエネルギーの存在下において好ましく実施され得る。対応する手順は、当業者に公知である。熱水または熱溶媒の条件にとって有用な手順の非限定的な例が、例えば、[参考文献18]に記載されている。マイクロ波法による合成に関して、有用な手順の非限定的な例が例えば、[参考文献19、20、21、22]に記載されている。ローラーミルを用いた条件は、例えば、[参考文献23、24、25]の刊行物を参照すればよい。
反応温度が0〜220℃の間を変化し得る熱水または熱溶媒の条件は、反応温度が溶媒の沸点より低い場合に、ガラス(またはプラスティック)の容器において、一般的に達成される。反応温度がより高い場合、または反応がフッ素の存在下において達成される場合、金属性のボンベに挿入されたテフロン(登録商標)容器が使用される[参考文献22]。
使用される溶媒は一般的に極性である。特に、以下の溶媒:水、アルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジエチルホルムアミド、クロロホルム、シクロヘキサン、アセトン、シアノベンゼン、ジクロロメタン、ニトロベンゼン、エチレングリコール、ジメチルアセトアミドまたはこれらの溶媒の混合物が使用され得る。
また、1つ以上の共溶媒が、混合物の化合物のより良好な溶解のために合成の任意のステップにおいて加えられ得る。それらは、特にモノカルボン酸(例えば、酢酸、蟻酸、安息香酸など)であり得る。
また、1つ以上の添加剤が、混合物のpHを調節するために合成の間に加えられ得る。これらの添加剤は、無機酸もしくは有機酸、または無機塩基もしくは有機塩基から選択される。一例として、添加剤は、HF、HCl、HNO3、H2SO4、NaOH、KOH、ルチジン、エチルアミン、メチルアミン、アンモニア、尿素、EDTA、トリプロピルアミンおよびピリジンを包含している群から選択され得る。
混合反応ステップ(i)は、以下の反応条件の少なくとも1つにしたがって好ましく達成され得る。
0〜220℃、好ましくは50〜150℃の反応温度、
0〜1000rpm、好ましくは0〜500rpmの攪拌速度(または1分間ごとの回転)、
1分間〜144時間、好ましくは1分間〜15時間にわたる反応時間、
pH0〜7、好ましくはpH1〜5、
溶媒、前駆体、配位子またはこれらの混合物に対する、酢酸、蟻酸および安息香酸を包含している群から選択される共溶媒の添加、
水、アルコール(Rsが直鎖状または分枝鎖状のC1〜C6のアルキルラジカルであるRs−OH)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジエチルホルムアミド、クロロホルム、シクロヘキサン、アセトン、シアノベンゼン、ジメチルアセトアミド、または混和性もしくは非混和性のこれらの溶媒の混合物を包含している群から選択される溶媒の存在下、
超臨界媒体(例えば、超臨界CO2)において、
マイクロ波および/または超音波の条件下、
電気化学的な電気分解の条件下、
ローラーミルを用いた条件下、
ガス流の条件下。
上述のように、一局面によれば、本発明は、上記に規定されているような多孔質の結晶のMOF固体上におけるより大きい不飽和度および/または不飽和数を有している分子の選択吸着によって、異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物を分離する方法に関する。当該方法は、
(i)金属M、Mの金属塩、またはMの金属イオンを含んでいる配位化合物の形態として存在している少なくとも1つの無機金属前駆体を含んでいる少なくとも1の溶液、
qの原子団*−C(=O)−R3を含んでいるラジカルRを含んでいる、少なくとも1つの配位子L’
を極性溶媒において混合して、MOF物質を得るステップであって、
M、qおよびRが、請求項1に規定の通りであり、
*が、ラジカルRに対する上記原子団の結合点を表し、
3が、OH、OYを包含している群から選択され、ここで、Yが、アルキンカチオン、ハロゲン、−OR4ラジカル、−O−C(=O)R4ラジカルもしくは−NR44'ラジカルであり、ここで、R4およびR4'がC1-12アルキルラジカルであるステップ、
(ii)(i)において得られた上記MOF物質を活性化するステップ、ならびに
(iii)異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物と接触させて、(ii)において得られた上記MOF物質を配置するステップ
からなる反応段階を少なくとも1つ包含している。
したがって、ステップ(iii)において、異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物と接触させてMOF物質を配置する前に、ステップ(i)から得られた物質がステップ(ii)において活性化される必要がある。
特定の一実施態様において、活性化ステップ(ii)は、以下の2つの作用を有し得る。
MOF物質の細孔を空にし、それから分離される(複数の)分子の配位子を細孔に接触可能にさせ得る。
(ii)において得られたMOF物質の金属中心Mz+の、M(z-1)+イオン(zは3または4である)への還元を可能にし得る。
空の状態は、例えば、25〜300℃、詳細には50〜250℃、より詳細には100〜250℃の温度における固体の加熱のあり、またはなしの下に、一次真空もしくは二次真空の条件または気体(ヘリウム、窒素、大気、・・・)の流れにおける活性化による反応媒体に存在する水および/または溶媒の分子の脱離によって生じ得る。加熱は、1時間〜96時間、典型的に3時間〜15時間の期間にわたって実施され得る。活性化は、動的な現象であり、活性化温度が高いほど、脱水および還元が速くなる。特定の理論に何ら縛られることなく、所定の温度における最大の還元の度合いは間違いなく熱動態によって制御されることを提唱し得ると思われる。
活性化ステップ(ii)は、(ii)において得られるMOF物質のMz+イオンのいくつかをM(z-1)+イオンに還元することを特に可能にする。この活性化ステップは、少なくとも1つの不飽和を含んでいる分子に対してより選択的なMOF物質をもたらす作用を有している。上述のように、還元された金属イオンM(z-1)+は、Mz+と比べて、付加的なd電子を有している。当該d電子は、少なくとも不飽和を含んでいる分子に対する配位結合を補強し、したがって形成された複合体の安定性を増強する。
MOF物質の金属部位Mz+のすべてがこの活性化ステップ(ii)において還元されるわけではないことが理解される。接触可能な金属部位のみが還元され得る。
“接触可能な金属部位”は、分子と配位し得る金属部位Mz+またはM(z-1)+を意味すると理解される。
活性化(ii)の条件に依存して、MOF物質の接触可能な金属中心は、部分的または全体的に還元され得る。“部分的に還元される”は、接触可能な金属部位Mz+の100%未満が対応するM(z-1)+イオンに還元されることを意味すると理解される。特定の一実施態様において、金属イオンに対する還元されたイオンM(z-1)+の割合(y=M(z-1)+/Mz+)は、厳密に0を超える。
一実施態様において、本発明に係る方法は、F-イオンの原料(例えば、KF、CsF、LiF、MgF2、CaF2またはアミンフッ化物塩(例えば、NH4F))を用いて、ステップ(i)において得られたMOF物質を処理するステップ(i’)をさらに包含し得る。好ましくはF-イオンの原料は、例えばNH4F水溶液である。このようにして得られた物質は、それから上述のように、ステップ(ii)および(iii)に供され得る。この場合に、活性化ステップ(ii)に使用される温度は、物質がF-イオンの原料を用いた処理に供されない場合よりも一般的に低い。
一実施態様によれば、MはFeを表し得、三分の一以下の金属部位Fe3+がFe2+に還元されている。酸化還元配位子(それの酸化が、1/3を超えるxの値を得ることが可能な電荷補償を導き得る)を含んでいないMOF固体が一般的にある。このような場合に、y=1/3は、自己還元現象による部位のFe3+還元によるMOF物質の理論的な活性化の最大に対応する(すなわち初期において、温度<150℃、<100℃によって、Fe2+部位に対して配位している水および溶媒の分子の除去が可能になる。100℃、特に150℃を超えると、Fe2+部位が還元され始める。還元は、MOF固体の電気的な中性を維持するために、負に帯電した配位子(−1)の除去を生じ得る)。言い換えると、本発明の特定の一実施態様において、M=Fe、y=M(z-1)+/Mz+が1/3以下である。したがって、特定の一実施態様において、MはFeを表し、y=M(z-1)+/Mz+は0<y≦1/3の範囲にあり得る。
他の実施態様によれば、MはFeを表し得、多孔質のMOF固体は、酸化され得る少なくとも1つの酸化還元配位子を含んでおり、yは1/3〜1の範囲の任意の値を取り得る。例えば、酸化還元配位子は、ヒドロキノン(還元形態)またはキノン(酸化形態)の型の配位子であり得る。この型のMOF固体は、鉄カルボン酸塩MIL−88B−2OH(Fe)、Fe3O[C64(OH)2−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)である。実際的な例に関しては実施例31を参照すればよい。
同じMOF物質の金属中心は、同じか、または異なる金属(例えば、単独の鉄、またはいくつかの金属(例えば、マンガンおよび/またはコバルトとともにある鉄))から入手され得る。
接触可能な金属中心が部分的に還元されている場合、特に鉄の一部が酸化レベル+II(z=3)であるか、マンガンの一部が酸化レベル+II(z=3)であるか、および/またはコバルトの一部が酸化レベル+II(z=3)であるか、および/またはバナジウムIVの一部が酸化レベル+III(z=4)に還元されている場合、混合物の分子の一部が逆供与作用によって金属とより強固に配位し得る。
逆供与作用は、少なくとも1つの不飽和を含んでいる分子の非結合軌道への、金属Mの電子密度の移動を意味すると理解される。これは、少なくとも1つの不飽和を含んでいる、金属中心ごとに配位する分子の数の増加を導く。その結果、最終的なMOF固体は、還元された金属イオンに配位しているより大量の分子を含んでいるであろう。その結果、生じたMOF固体は、異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物の分離においてより高い選択性を有している。還元されたイオンM(z-1)+の存在によって、所定の混合物における不飽和度および/または不飽和数のより大きい分子に対するMOF固体の親和性を増大させることが可能である(例えば、2つの二重結合を含んでいる分子は1つの二重結合を有している分離より選択的にMOF固体に吸着される)。
したがって、還元ステップ(ii)は、異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物の差別的な分離に使用され得るMOF物質の入手を可能にし、相対的に大きい不飽和度および/または不飽和数を有している分子は、より長く物質に留まる(不飽和を含んでいる分子に対する、還元された金属イオンM(z-1)+のより大きい親和性に起因する)。
さらに、還元された金属中心の割合は、MOF固体における混合物の分子の滞留時間に対する影響を有しており、これは実質的に増大している。MOF固体における還元されたイオンの含有量が多いほど、より大きい不飽和度および/または不飽和数を有している分子の、MOF固体における滞留時間が長くなる。
活性化ステップ(ii)は、MOF物質を脱水(Mz+部位に配位している水分子の除去)し得る方法、および接触可能なMz+部位の少なくとも一部をM(z-1)+イオンに還元し得る方法によって、達成され得る。
一実施態様において、活性化ステップ(ii)は、中性もしくは還元性の雰囲気、または減圧の条件の、高温において達成され得る。
一実施態様において、活性化ステップ(ii)は、不活性化ガスの流れ(例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素またはこれらの混合物)の、高温において達成され得る。例えば、活性化ステップ(ii)は、ヘリウム流の、25〜400℃、より好ましくは100〜300℃、非常に好ましくは150〜280℃において行われ得る。
一実施態様において、活性化ステップ(ii)は、還元性の雰囲気(例えば、H2、COまたはNO)の、高温において達成され得る。例えば、活性化ステップ(ii)は、水素ガス雰囲気の、25〜400℃、より好ましくは100〜300℃、非常に好ましくは150〜280℃において行われ得る。
特定の一実施態様において、活性化ステップ(ii)は、高温および減圧において実施され得る。減圧は、1〜10-5Pa、好ましくは1〜10-2またはさらに10-3〜10-5Paの範囲の圧力を意味すると理解される。
例えば、活性化ステップ(ii)は、1〜10-2Pa、または10-3〜10-5の圧力の50〜250℃において行われ得る。
使用される温度条件は使用されるMOF物質に依存していることが理解される。また、温度条件は、F-イオンの原料(例えば、KF、CsF、LiF、MgF2、またはアミンフッ化物の塩(例えば、NH4F))を用いた物質の適切な前処理が実施されているか否かに依存し得る。例えば、前処理は、24時間にわたる70℃におけるNH4F水溶液を用いたMOF物質の処理であり得る。
また、上述の温度および圧力の条件は、多孔質のMOF固体がF-イオンの原料(例えば、KF、CsF、LiF、MgF2、またはアミンフッ化物の塩(例えば、NH4F))を用いた処理にあらかじめ供されている場合に、一般的に使用され得る。したがって、F-イオンの原料を用いてあらかじめ処理されているMOFに関して、活性化ステップ(ii)は、1〜10-2Pa、または10-3〜10-5Paの圧力の50〜250℃において行われ得る。
活性化ステップ(ii)における温度は、MOF固体の変性温度を超えないことが好ましい。特定の一実施態様において、活性化ステップ(ii)は、25〜300℃、好ましくは50〜250℃の温度において実施される。産業上の観点から、活性化条件の選択は、実際的な検討事項(費用、使用される気体の有効性など)に基づいてなされ得る。
活性化ステップ(ii)が実施されると、部分的に還元されたMOF固体が、起こり得る再度の酸化を防止するために、真空または不活性な雰囲気において保存され得る。代わりに、ステップ(ii)の終わりに得られた部分的に還元されたMOF固体は、方法のステップ(iii)のために直ちに使用され得る。
本発明の方法のステップ(iii)において、ステップ(ii)において活性化されたMOF物質は、異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物と接触させて、配置される。混合物は気体または液体であり得る。
混合物が気体である場合、混合物はそのまま分離され得るか、または不活性ガス(キャリアガスとして作用し得る不活性ガス)と混合され得る。
混合物が液体である場合、混合物は、単独の溶媒、または溶媒の混合物に溶解され得る。溶媒との接触がMOF固体の不飽和部位を害しないように、(複数の)溶媒は、本発明に鑑みて不飽和を有していないことが好ましい。例えば、溶媒は飽和の炭化水素であり得る。
ステップ(iii)における分子の混合物とのMOF固体の接触は、−150〜200℃の範囲の温度において実施され得る。
さらに、ステップ(iii)は、104〜107Paの範囲の圧力において実施され得る。
混合物の組成、MOF固体(Fe、Mn、Co、Ni、Vまたはこれらの混合物に基づくMOF固体)の性質、分離条件(気相または液相、熱動態分離または動的流体下)、および所望の分離プロファイル(分離時間、分離度)に基づいて、所定の混合物の分離をもたらすためにどのような温度および圧力の範囲を選択すべきであるかは、当業者にとって公知である。温度および圧力の条件の選択は、使用される分離方法(例えば、圧力を変動させた吸着(圧力変動吸着)による空気の分別または誘導された移動層)、および方法の実施の費用に、一般的に依存している。温度および圧力の条件の選択において、能力−エネルギー費用の解決について考慮することよって手引きされる。
一例として、温度および圧力の条件は、いくつかの特定の混合物にとって以下に示される。特定の一実施態様において、分子の混合物は、少なくとも1つの飽和炭化水素および少なくとも1つの不飽和炭化水素の混合物である。これは、例えば、少なくとも1つのパラフィン(アルカン)および少なくとも1つのオレフィン(アルケン)の混合物であり得る。また、これは、少なくとも1つのオレフィンおよび少なくとも1つのアルキンの混合物であり得る。例えば、これは、C2、C3、C4またはC5の炭化水素の混合物であり得る。一例として、以下のものが挙げられ得る:
プロパン/プロピレン、
n−ブタン/イソブテン
n−ブタン/ブテンの混合物、
アセチレン/エチレン。
(プロパン/プロピレン)
プロパン−プロピレン混合物の分離は、化学工業および石油化学工業において産業上、非常に重要なものである。ほぼ60年にわたってプロパン/プロピレン分離は、−30℃(243K)および30psig(0.308MPa)、ほぼ100層のカラムにおける低温蒸留という非常にエネルギーコストの高い方法によって実施されている。これらの極端な条件の理由は、これらの2つの炭化水素が非常に近い沸点を有していることに由来する。
プロピレンは、多数の重合体の基本的な前駆体の1つである。精製装置から得られる流れからのプロピレンの回収物は、プロピレンに基づく重合体の工業的な製造の要求を満たすために、集中的に使用される。対応する規格を満たすためには、工業的な流れは、少なくとも99.5%のプロピレンを含んでいなければならず、微量のジオレフィンおよびアセチレンを含んでいてはならない。
(ブタン/イソブテン)
イソブテンは重合体化のための試薬である。イソブテンは99%を超えるレベルの純度を有している必要があり、微量の(数百の百万分率(ppm)の重量)1−ブテンおよび2−ブテンであっても含んでいてはならない。実際に、イソブテンにおける不純度が高すぎると、得られる重合体は、低品質になり、重合体化の収率が低下する。したがって、イソブテンを含んでいる炭化水素のカットから他のオレフィンの炭化水素を除去することが必要である。
この場合における困難性は、1−ブテンおよびイソブテンが非常に近い沸点を有しているために、蒸留によって経済的にそれらを分離できないことである。
したがって、高純度のイソブテンを生成するために生じる主な問題点は、イソブテンからの1−ブテンの分離である(WO98/006684[参考文献45])。
(アセチレン/エチレン)
アセチレンは、エチレンの生成において得られる副産物であり、エチレンからポリエチレンを製造するために使用される触媒にとっての抑制剤として作用する。したがって、エチレンに基づく重合体は、5ppmを超えるアセチレンを含んでいてはならない。したがって、これらの微量のアセチレンの除去は、反応器における低濃度のアセチレンおよびそれらの条件におけるそれらのほぼすべての変換に起因して、エチレンの製造者および触媒の供給者にとっての実際の課題である。
さらに、アセチレンは、爆発性の共雑物である金属アセチリドを形成し得る。したがって、エチレン流におけるアセチレンの濃度を許容可能な程度にまで低下させる必要がある(さらなる情報に関して、http://kolmetz.com/Article-039.htmを参照すればよい)。
本発明のMOF物質の特に重要な用途は、オレフィンおよびパラフィンの分離に関する。上述のように、オレフィンおよびパラフィンの混合物からのオレフィンの回収は、分離の分野における最も重要な課題の1つである。例えば、多くの重合体(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)の合成にとっての基本的な前駆体であるエチレンおよびポリプロピレンについて述べる。現在の分離技術は、非常に費用がかかり、多くの不利な点を有している。実施の容易さ、相対的に低いコスト、ならびに本明細書に開示されている構造および電気的な特性から考えて、本発明のMOF物質は、工業規模におけるオレフィン/パラフィン分離にとって有用な代替物となる。
したがって、特定の一実施態様において、分離される混合物は、プロパンおよびプロピレンの混合物である。この実施態様において、ステップ(iii)は、0℃〜+150℃の温度において実施され得る。この実施態様において、ステップ(iii)は、104〜106Paの圧力において実施され得る。この実施態様において、ステップ(ii)において得られるMOF物質は、プロパンおよび/またはプロピレンに対して、0.5〜20mmol/gの吸着容量を好ましく有している。
特定の一実施様態において、分離される混合物は、エタンおよびエチレンの混合物である。この実施態様において、ステップ(iii)は、0℃〜+150℃の温度において実施され得る。この実施態様において、ステップ(iii)は、104〜106Paの圧力において実施され得る。この実施態様において、ステップ(ii)において得られるMOF物質は、エタンおよび/またはエチレンに対して、0.5〜20mmol/gの吸着容量を好ましく有している。
特定の一実施様態において、分離される混合物は、イソブタンおよびイソブテンの混合物である。この実施態様において、ステップ(iii)は、0℃〜+150℃の温度において実施され得る。この実施態様において、ステップ(iii)は、104〜106Paの圧力において実施され得る。この実施態様において、ステップ(ii)において得られるMOF物質は、イソブタンおよび/またはイソブテンに対して、0.5〜20mmol/gの吸着容量を好ましく有している。
特定の一実施様態において、複数の分子の混合物は、1つ以上の遊離電子対を含んでいる少なくとも1つの化合物、および遊離電子対を含んでいない少なくとも1つの化合物の混合物である。特定の一実施様態において、複数の分子の混合物は、少なくとも1つの飽和炭化水素および少なくとも1つの不飽和炭化水素もしくは二酸化炭素の混合物である。例えば、それは、アセチレンおよび二酸化炭素の混合物、そうでなければ水素(H2)ならびに一酸化炭素および/または二酸化炭素の混合物であり得る。
また、それは、プロパンおよびプロペンの混合物、n−ブタンおよびイソブテンの混合物、n−ブタンおよびブテンの混合物、アセチレンおよび二酸化炭素の混合物、COおよび水素(H2)の混合物、CO2および水素(H2)の混合物、水素(H2)ならびに少なくとも1つの不飽和炭化水素および/または1つ以上の遊離電子対を含んでいる1つ以上の化合物を含んでいる混合物、または水素(H2)および他の気体(オレフィン、アルキン、一酸化炭素、二酸化炭素、・・・)の混合物であり得る。
特定の一実施態様において、複数の分子の混合物は、
少なくとも1つの飽和炭化水素と少なくとも1つの不飽和炭化水素との混合物、
1つ以上の遊離電子対を含んでいる少なくとも1つの化合物と遊離電子対を含んでいない少なくとも1つの化合物との混合物、ならびに
水素(H2)と一酸化炭素および/または二酸化炭素との混合物から選択される。
特定の一実施態様において、複数の分子の混合物は、
少なくとも1つのパラフィンと少なくとも1つのオレフィンとの混合物、
少なくとも1つのオレフィンと1つのアルキンとの混合物、
アセチレンと酸化炭素との混合物、
水素(H2)ならびに一酸化炭素および/または二酸化炭素の混合物から選択される。
実際に、本発明のMOF物質の特に興味深い用途は、微量のCOおよび/またはCO2を除去することによる、水素(H2)の精製である。現在、水素(H2)に対する需要は、燃料電池の用途にとって非常に大きく、この技術は、将来のエネルギーの必要性を満たすための最も有望なものの1つであると考えられる[参考文献26]。水素(H2)は、天然ガスまたは他の化石燃料からのストリームリフォーミングによって一般的に生成される。リフォーミングは、水素(H2)を含んでいる燃料がH2を豊富に含む気体混合物に変換される熱化学的処理である。
ストリームリフォーミング反応は、アルミナ担体に堆積されているニッケルに基づく触媒に通して、400〜700℃の高温において一般的に実施され、一酸化炭素の形成によって達成される。ストリームリフォーミングの後には、一酸化炭素を二酸化炭素に酸化させるための水の存在下における反応(水−気体反応)が一般的に行われる。
燃料電池の必要条件に関して、上述の処理によって工業的に生成された水素(H2)を精製する必要がある。現在、使用されている精製方法は、非常に高価であり、希少さが増しているプラチナスポンジ膜に基づいている。本発明のMOF物質は、この目的、すなわち水素(H2)から微量のCOおよびCO2を分離するために使用され得る。実際に、COおよびCO2は、本発明の方法によって不飽和を含んでいない水素(H2)から分離され得る。
したがって、本発明は、MOF固体の使用および水素(H2)の精製のための本発明に係る方法に及ぶ。したがって一局面によれば、本発明は水素を精製する方法に関する。したがって、一実施態様において、本発明の方法のステップ(iii)における分子の混合物は、H2およびCO2の混合物である。
工業的に非常に興味深い本発明のMOF物質の他の使用は、二酸化炭素からのアセチレンの分離である。アセチレンは、元素分析用の原子吸着分光法および光学的な分光法における燃焼気体として使用される計測気体である。
アセチレンは、炭化カルシウムと水との反応から得られる合成気体である。
CaC2+2H2O→C22+Ca(OH)2
また、アセチレンは、メタンの部分的な燃焼によって入手され得る。
3CH4+3O2→C22+CO+5H2
CO2回収処理においてほぼ必ず存在しているアセチレンおよび二酸化炭素は、非常に近い特性(大きさ)を有しており、したがって、それらは蒸留(低温であるか否か)によって分離することが困難である。CO2回収の問題点に関するさらなる詳細について、例えば、米国特許第6,024,781号[参考文献44]を参照すればよい。
したがって、本発明は、二酸化炭素からのアセチレンの分離ための、本発明に係るMOF固体および方法の使用に及ぶ。したがって一局面によれば、本発明は、二酸化炭素からアセチレンを分離するための方法に関する。したがって、一実施態様において、本発明の方法のステップ(iii)における分子の混合物は、アセチレンおよび二酸化炭素の混合物であり得る。
また、本発明は、上記に規定されているようなMOF固体の使用:
空気の浄化(特に微量のCO2、H2O、N2O、および気体流における油分の量を低減させること、またはさらにはそれらを除去すること)、
CO2および炭化水素の混合物(例えばCO2/エチレン混合物)の分離、
気体混合物における微量のH2Oの捕捉(乾燥剤としての使用)に関する。
特定の一実施態様において、本発明の方法は、より大きな不飽和度および/または不飽和数を有している分子を、本発明の多孔質の結晶のMOF固体から脱離させるステップ(iv)をさらに包含し得る。脱離は、固相における分離の分野において公知の任意の方法によって達成され得る。例えば、脱離は、他のガスを用いた置換、圧力の変化、温度の変化、またはこれらの組み合せから選択される脱離技術によって達成され得る。例えば、脱離は、低圧(例えば、1〜8バール)における純粋または実質的に純粋(例えば、少なくとも98%の純度の)な気体を用いた置換によって達成され得る。また、脱離は、温度の変化および圧力の変化の組み合せによって達成され得る。使用される方法および分離される混合物に依存してどのような温度/圧力の組み合せを選択すべきであるかは、当業者にとって公知である。
したがって、一局面において、本発明は、少なくとも1つの不飽和を有している分子(例えば、パラフィン/オレフィン混合物)に対する分離特性を向上させるための、還元可能な不飽和の金属中心を有している、金属カルボン酸塩の多孔質のMOF物質の活性化に基づく。
特に、本発明は、より低い不飽和度および/または不飽和数を有している同じ混合物内の分子に対する親和性と比べて、より大きい不飽和度および/または不飽和数を有している所定の混合物内の分子(例えば、アルケン(またはアルキン))に対する、逆供与作用によって金属の親和性を向上させるために、真空下(または還元性の雰囲気もしくは中性の雰囲気の下)における活性化によって上述の金属中心を部分的に還元することに関する。
特定の一実施態様において、当該MOF物質は、多くの(1〜3mmol・g-1)不飽和金属中心を有している八面体の三量体に基づく、強固な構造の多孔質の鉄(III)カルボン酸塩である。活性化によって、鉄(III)の形態として最初に存在している鉄の33%以下が還元され得る。
したがって、本発明のMOF物質は、圧力条件下の動的な流れにおいて、異なる不飽和度および/または不飽和数を有している分子の上記混合物(例えば、アルケン/アルカン(またはアルキン/アルケン))の分離を可能にする。分離は、分離される混合物の分子およびMOF物質(詳細には、不飽和に対する強い親和性を有している不飽和の金属部位M(z-1)+)の間の親和性における差異に基づいている。
本発明のMOF物質の独自の特性は、十分に制御された前活性化(例えば、所定の活性化時間および/または活性化温度)によるMOF物質における還元されたイオンの量の調節であり、選択される工業的な処理、詳細には分離される分子の混合物に依存して、MOF物質の性能(選択性、再生、拡散)の最適化および/または適合を可能にする。
本発明のMOF物質の利点の1つは、それらが、少ない工程数および高い収率において純粋である均質な結晶の形態として入手され得ることである。これは、合成の時間および製造費用を低減させる。
一方で、本発明のMOF物質は、MOF物質の構造が当該物質の金属イオンMz+のM(z-1)+イオンへの還元の後に、安定な状態を維持していることによって特徴付けられている。これは、オレフィンの精製に関してこれまでに研究されているCu(II)に基づくMOF物質を用いた場合[参考文献14および16]ではない。実際に、従来技術のこれらのMOFにおいて、Cu(II)のCu(I)への還元は、複合体の構造(骨格)の崩壊を引き起こす。これとは対照的に、本発明者らは、MOF物質の接触可能なMz+イオンのすべてまたは一部が対応するM(z-1)+イオンに還元されている場合に、本発明のMOF物質がそれらの完全な構造を維持していることを証明している。この特性は、“実施例”の項において証明されており、異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物の分離にとって特に好適な特有の性質を、本発明のMOF物質に与えている。
さらに、本発明者らは、還元されたイオンM(z-1)+の含有量が本発明の方法のステップ(ii)に使用される活性化温度および/または活性化時間の条件に依存して調節され得ることを証明している(“実施例”の項、特に実施例5を参照すればよい)。このようにして、還元されたイオンM(z-1)+のより高い含有量は、より高い温度範囲および/またはより長い活性化時間において得られる。
また、本発明者らは、還元されたイオンM(z-1)+のこの含有量が電子供与体を有している分子(ルイス塩基)を含んでいる混合物の分離においてMOF物質の選択性に影響を与えたことを証明している。還元されたイオンM(z-1)+の含有量が多いほど、MOF物質はルイス塩基に対してより高い親和性を有しており、したがって不飽和を有している分子の吸着が多くなる。
したがって、本発明のMOF物質の重要な利点の1つは、還元されたイオンM(z-1)+の含有量が分離される混合物に依存して、容易に変更/調節され得ることである。詳細には、これは、異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物の分離において、MOF物質の選択性を調節するために利用可能な、有用かつ容易な要素である。
さらに、還元されたイオンM(z-1)+がMOF物質の骨格の必須の部分を形成しているので、オレフィン分離法に使用されるある物質(例えば、含浸によって得られる銀または銅の構成成分を有しているゼオライト(“Ag−ゼオライト”または“Cu−ゼオライト”))に観察され得る流出作用または“浸出”作用が生じない。“浸出”という用語は、固体堆積物から可溶性の化合物を抽出するための固体堆積物の洗浄を指して一般的に使用される。本発明の内容に鑑みて、“浸出”は、分離方法に対してときに影響を与える、分離物質の構成要素が流出または損失する現象を意味すると理解される。
したがって、本発明のMOF物質の構造(骨格)が接触可能な金属部位Mz+の還元の後に完全な状態を維持するだけでなく、分離方法が実施される際に、還元された金属部位M(z-1)+が損失/流出しない。したがって、これは、当該物質の劣化に起因する経済的な負担を回避し、考えられる環境汚染を防止する。
一方で、上述のように、本発明の方法のステップ(ii)に係るMOF物質を活性化するために要求される温度は、この分野において使用されるゼオライトの活性化温度(約400℃)と比べて、比較的に低い(25〜300℃、より詳細には100〜250℃)。したがって、本発明の方法は、費用面(より低い実施費用)において利点を有している。
また、本発明のMOF物質の他の利点は、成型に関連する典型的な問題(多孔質の構造、および結晶内の物質移動耐性に損傷を与える)を回避するために、膜の構成を考える前に必要なステップ、吸着剤を直接に単一体として成型する可能性である[参考文献27]。
本発明者らは、本発明のMOF物質がゼオライトより優れた吸着容量を有していたことをさらに証明している。式Fe3O[C63−(CO232・X・nH2O(X=F、Cl、OH)のMIL−100(Fe)、プロパンおよび/またはプロピレンに対する吸着容量は、乾燥固体の約11mmol/gである(すなわち172cm3/cm3STP(“標準の温度および圧力”)に近いと言える)(図12)。これは、1〜3mmol/gであるゼオライトの吸着容量よりもはるかに大きい。
一方で、ゼオライトの明らかな欠点は、ゼオライトの細孔の極端に小さい孔径に部分的に起因して、それらの細孔における炭化水素の低い拡散性を有していることである。これとは対象的に、本発明のMOF物質における炭化水素の拡散性がはるかに良好であることが予測される。ゼオライトが、小さい細孔のために拡散性の問題点を有していることはよく知られている[参考文献11]。
例えば、MIL−100(Fe)固体の場合について考える[参考文献28]。これは、混成の超四面体を形成することに関連しているトリメシン酸によって結合されている鉄の八面体の三量体から構成されている。したがって、全体が、結晶化されたメソ細孔の構造を生じ、25Åおよび29Åの開放された大きさのケージが微細孔の窓を介して接触可能である(図18)。生じる細孔の容積は、非常に大きく、2200m2・g-1の比表面積BETに対応する1.2g/cm-3に近い。したがって、鉄に配位している水またはフッ素の分子の除去は、大きな寸法のメソ細孔ケージに対する接触窓の大きさ(25/29Å)を利用している:8.5Åの五角形の窓および12Åの六角形の窓(図19)(すなわち、大きな寸法のゼオライトであるファウジャサイト(Faujasite)よりも大きな寸法と言える)。メソ細孔ケージの存在と組み合わせられたこれは、小サイズのゼオライトと比べて、MIL−100(Fe)の細孔における炭化水素(詳細にはプロパンおよびプロピレン)のより良好な拡散を示す。このような大孔径の固体におけるこれらのオレフィンの吸着は、窓における不飽和の金属中心M(z-1)+の存在によって疑いなく説明され、これらの後者が、分子がメソ細孔に入る前に当該分子を“ふるい分けする”。したがって、本明細書に記載のMOF物質は、拡散特性が重要であるフロー分離にとって特に好適である。
一方で、本発明に係るMOF物質の統合性が、数回の分離サイクルの後に維持されたことが証明されている(実施例10および図14を参照すればよい)。したがって、MOF物質は、それらの構造的および/または化学的な特性が影響を受けることなく、活性化後に数回にわたっ使用され得る。これは、工業規模の分離方法におけるそれらの適用性に関して重要な特徴である。
最後に、本発明者らは、本発明のMOF物質が、ルイス酸中心である不飽和の金属中心M(z-1)+を有しているが、プロトン供与分子(例えば、水)の配位によってブレンステッド酸を生成し得る場合であってさえ、CO吸着によって測定される酸性度があまり顕著ではないことを証明している。不飽和の炭化水素を含んでいる混合物の分離のための、本発明に係るMOF物質の使用の場合に、MOF物質のブレンステッド酸性度は、不飽和炭化水素の重合体化を引き起こすには十分ではない。
したがって、本発明のMOF固体は、特にオレフィンの分離/精製のための、分離方法に従来使用されている物質に対する適用可能な代替物である。
他の利点は、実例として与えられている、添付の図面によって例証されている以下の実施例に接した当業者にとって明らかであり得る。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、MIL−100(Fe)固体のX線回折ダイアグラムを示している。
図2は、MIL−100(Fe)固体の、77Kにおける窒素吸着等温線を示している。
図3は、化合物MIL−100(Fe)の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)を示している。
図4は、MIL−101(Fe)固体のX線回折ダイアグラム(λCu=1.5406Å)を示している。
図5は、化合物MIL−101(Fe)の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)を示している。
図6は、未処理のMIL−102(Fe)固体(曲線(a))および基準のMIL−102(Fe)固体(曲線(b))のX線回折ダイアグラムを示している。
図7は、未処理の合成化合物のMIL−102(Fe)の熱重量分析(空気中)を示している。
図8は、未処理(曲線(b)、下)および水和(曲線(c)、上)のMIL−88B−4CH3(Fe)固体のX線回折ダイアグラムを示している。
図9は、水和化合物MIL−88B−4CH3(Fe)の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)を示している。
図10Aは、120℃において活性化されたMIL−100(Fe)(鉄(III))を用いた303Kにおけるプロパン/プロピレン吸着等温線を示している。
図10Bは、260℃において活性化されたMIL−100(Fe)(鉄(II)/鉄(III))を用いた303Kにおけるプロパン/プロピレン吸着等温線を示している。
図11は、NH4Fを用いて前処理され、ヘリウム存在下の250℃において活性化された(3時間)MIL−100(Fe)固体を用いた、プロパンおよびプロピレンの50/50混合物の、2.5、5、10、15および20kPa、40℃における破過曲線:プロパン/プロピレン分離に対する分圧の影響を示している(中空き:プロピレン、塗りつぶし:プロパン)。
図12は、真空条件の250℃において活性化されたMIL−100(Fe)固体における、40℃および100℃におけるプロパンおよびプロピレンの吸収等温線を示している。
図13は、NH4Fを用いて前処理され、ヘリウム存在下の250℃において活性化された(3時間)MIL−100(Fe)固体を用いた、異なる温度におけるプロパンおよびプロピレンの50/50混合物の5kPaにおける破過曲線:プロパン/プロピレン分離における、異なる温度に応じたプロパン/プロピレン分離(等モルのプロパン/プロピレン混合物のP=5kPa、ヘリウム中)を示している(中空き:プロピレン、塗りつぶし:プロパン)。
図14は、ヘリウム流の下に280℃において活性化されたMIL−100(Fe)固体を用いた、298Kにおけるプロパンおよびプロピレンの50/50混合物の1バールにおける繰返し能試験の破過曲線を示している(中空き:プロピレン、塗りつぶし:プロパン)。
図15は、NH4Fを用いて前処理され、ヘリウム存在下の異なる温度において活性化されたMIL−100(Fe)固体を用いた、40℃におけるプロパンおよびプロピレンの50/50混合物の5kPaにおける破過曲線:40℃におけるプロパン/プロピレン分離(合計のプロパン+プロピレンの分圧(等モル混合物)=5kPa)に対するヘリウム存在下の活性化温度(3時間)の影響を示している(中空き:プロピレン、塗りつぶし:プロパン)。
図16は、NH4Fを用いて前処理され、(a)ヘリウム存在下の250℃において(3時間)、または(b)二次真空条件において12時間にわたって活性化された、MIL−100(Fe)固体におけるプロパン/プロピレンの熱脱離(プロパン/プロピレンの等モル混合物のヘリウムにおける分圧=5kPa)を示している。
図17は、280℃において活性化されたMIL−100(Fe)に関する、298Kにおけるアルカンおよびアルケンの50/50混合物(窒素の存在下において1重量%)のパルスの分離を示している。図17A:プロパン/プロピレン混合物。図17B:n−ブタン/イソブテン混合物。
図18は、MIL−100(Fe)固体の構造を示している。(a)八面体の三量体およびトリメシン酸塩配位子、(b)超四面体、(c)模式的な三次元構造、(d)2種類のメソ細孔ケージ。
図19は、真空下における活性化後の、MIL−100(Fe)の五角形および六角形の窓を示している。
図20は、3,5,3’,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸の調製のための反応手順を示している。
図21は、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸の調製のための反応手順を示している。
図22は、真空条件の異なる温度において活性化された、フッ素化MIL−100(Fe)(X=F)に存在する不飽和鉄の部位の量を示している。
図23は、MIL−88A、MIL−88B、MIL−88C、MIL−88DおよびMIL−89固体における呼吸(膨張および収縮)現象の模式図を示している。乾燥形態(上)および開放形態(下)の間における膨張の大きさが図面の脚部に%として示されている。
図24は、上:X線回折によるMIL−88Aの膨張(〜1.79Å)の可逆性の試験、および、下:溶媒の存在下におけるMIL−88A固体のX線回折ダイアグラム(〜1.5406Å)を示している。
図25は、混合相のMIL−53(a)およびMIL−88(bおよびc)における屈曲性の説明図を示している。
図26は、MIL−100(Fe)固体の活性化の要約図を示している。
図27Aは、メスバウアー分光法による真空下における活性化温度に応じたMIL−100(Fe)における鉄(III)のレベルの変動を示すグラフを示している。
図27Bは、MIL−100(Fe)固体のX線回折ダイアグラム(真空下におけるX線熱回折)を示している(λCu=1.5406Å)。
図28は、COの吸着後における、IRによって分析されたMIL−100(Cr)にグラフト接合された異なる種のOH基のブレンステッド酸強度のグラフ:ν(OH)置換の間の相関、H0およびν(CO)位の値を示している。
図29は、実施例6〜13のカラム分離試験に使用された実験設備の要約図を示している。
図30は、実施例6および8に使用された量の気体を導入するためのマノメータシステムの模式図を示している。
図31は、上段:混成超四面体および最後に大孔径の混成ゼオライト構造を形成するための、鉄の八面体の三量体および1,4−ベンゼンジカルボン酸に由来するMIL−101固体の構造、下段:多孔質の骨格、および開放された容積を有している2種類のメソ細孔ケージの代表の模式図を示している。鉄八面体および炭素原子はそれぞれ緑および黒である。
図32は、MOF固体の構造を示している。左:トンネルの軸(軸c)に沿った図、右:トンネルに対して直行する軸(軸b、軸aに沿った類似の図)に沿った図を示している。鉄および炭素の原子、ならびに水の分子は、それぞれ緑、黒および赤である。
図33は、MOF固体MIL−88B_4CH3(Fe)の構造を示している。左:トンネルの軸(軸c)に沿った図、右:ケージの軸(軸aおよびbに等しい)に沿った図。鉄オクタヘドラおよび炭素原子は、それぞれ橙および黒である。
図34は、ヘリウム流の下に270℃において活性化されたMIL−100(Fe)を用いた、アセチレンおよびエチレンの50/50混合物の1バールおよび40℃における破過曲線を示している。
図35は、40℃における50/50の比率における1バールのアセチレンおよびエチレンに供され、ヘリウム流の下に270℃において活性化されたMIL−100(Fe)固体からの、アセチレン/エチレン混合物の熱脱離曲線を示している図である。
図36は、C4異性体の混合物のパルス分離(40℃)を示している図である。
図37は、100℃において活性化されたMIL−100(Fe)(鉄(III))および260℃において活性化されたMIL−100(Fe)(鉄(II)/鉄(III))を用いた、303KにおけるCO/CO2吸着等温線を示している(CO2:上部における2つの曲線、CO:下部における曲線)。
図38は、NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体の、ヘリウム存在下における活性化温度に応じたプロピレン/プロパン選択性:40℃におけるプロパン/プロピレン分離(プロパン+プロピレンの合計の分圧(等モル混合物)=5kPa)に対する、ヘリウム存在下における活性化温度の影響を示している。
図39は、NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体による40℃におけるプロパン/プロピレン分離(プロパン+プロピレンの合計の分圧(等モル混合物)=5kPa)に対する、ヘリウム存在下の種々の温度(100〜250℃)における活性化時間の影響を示している。
図40は、鉄のカルボン酸塩MIL−88A(水和物)の構造を示している。左:トンネルの軸(軸c)に沿った図、右:トンネルの軸に直行する軸(軸b、同様に軸aに沿った図)に沿った図。鉄の八面体、炭素原子および水の分子は、それぞれ緑、黒および赤である。
図41は、鉄のカルボン酸塩MIL−89(Fe)の構造を示している。左:トンネルの軸(軸c)に沿った図、右:トンネルの軸に直行する軸(軸b、同様に軸aに沿った図)に沿った図。鉄原子、炭素原子および水の分子は、それぞれ灰色、黒および白である。
図42は、MIL−88B_4CH3固体(一次真空下の100℃において16時間にわたって脱ガスされている)の77Kにおける窒素吸着等温線を示している。
図43Aは、MIL−126(Fe)の結晶構造を示している。FeO6の多面体は、橙または緑として示されており、それぞれの色は、MIL−88Dの網状構造を表している。炭素原子は黒である。
図43Bは、MOF固体MIL−126(Fe)の結晶構造を示している。
図44は、MIL−126(Fe)のX線回折ダイアグラムを示している(λCu=1.5406Å)。
図45は、大気中におけるMIL−126(Fe)の熱重量分析を示している(加熱速度=2℃/分)。
図46は、MIL−126(Fe)の窒素吸着等温線を示している(P0=1気圧)。
図47は、未処理の合成した鉄3,3’,5,5’−アゾベンゼンテトラカルボン酸塩(III)固体のX線回折ダイアグラムを示している。
図48は、未処理の合成化合物、鉄3,3’,5,5’−アゾベンゼンテトラカルボン酸塩の、2℃/分の加熱速度、大気中における熱重量分析の結果を示している(温度Tに応じた質量損失Pm)。
図49は、鉄3,3’,5,5’−アゾベンゼンテトラカルボン酸塩の窒素吸着等温線を示している(P0=1気圧)。
図50は、未処理の2,5−ジヒドロクソテレフタレート(CPO−27(Fe))固体のX線回折ダイアグラムを示している。
図51は、Fe:Crの異なる割合から合成されたMIL−100固体のX線回折ダイアグラムを示している(上から順に1:0、0.7:0.3、0.5:0.5、0.3:0.7、0:1)。
図52は、Fe:Crのモル比=0.5:0.5から合成された化合物MIL−100 Fe/Crの窒素吸着等温線を示している(P0=1気圧)。
図53は、一次真空下の250℃において前処理した(P=1Pa、16時間)1gのCPO−27(Ni)から得られる、40℃、熱力学平衡におけるプロパンおよびプロピレンの吸着等温線を示している。
図54は、一次真空下の150℃において前処理した(P=1Pa、16時間)1gのCPO−27(Fe)から得られる、40℃、熱力学平衡におけるプロパンおよびプロピレンの吸着等温線を示している。
図55は、一次真空下の250℃において前処理した(P=1Pa、16時間)1gのCPO−27(Fe)から得られる、40℃、熱力学平衡におけるプロパンおよびプロピレンの吸着等温線を示している。
図56は、フッ素化されていないMIL−100(Fe)(X=OH、Cl)、NH4Fを用いて前処理されたフッ素化されているMIL−100(Fe)(X=F)、およびMIL−127(Fe)に関して得られたFe2+イオンの含有量の比較を示している(鉄部位の総数に対する鉄(II)部位の%として表されている)。
図57は、NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体から得られる、40℃におけるプロパン/プロピレンの吸着等温線を示している(SBET=2340m2/g)。
図58は、NH4Fを用いて前処理され、二次真空下の250℃において活性化された(12時間)MIL−100(Fe)固体に関するプロパン/プロピレンの吸着等温線に対する温度の影響を示している。
図59は、NH4Fを用いて前処理され、ヘリウム存在下の250℃において活性化された(3時間)MIL−100(Fe)固体によるP(分圧)=5kPaにおけるプロパン/プロピレン分離に関する、Heにおける等モルのプロパン/プロピレン混合物の、温度に応じたプロパン/プロピレン分離の選択性の試験を示している。
図60は、NH4Fを用いて前処理され、二次真空下の250℃において活性化された(12時間)MIL−100(Fe)固体に対する吸着のプロパン/プロピレン加熱の算出(純粋な物質の吸着等温線から推測される(図59を参照))を示している。
図61は、NH4Fを用いて前処理され、ヘリウム存在下の250℃において活性化された(3時間)MIL−100(Fe)におけるプロパン/プロピレン分離に対する、プロパン/プロピレン混合物における水素(H2)の存在の影響を示している(Heにおける等モルのプロパン/プロピレン混合物の分圧=5kPa)。
図62は、MIL−100(Fe)の顆粒を用いたC3吸着等温線を示している。
図63は、MIL−100(Fe)の顆粒を用いた分離試験を示している。吸着温度:40℃。種々の温度。
図64は、NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体に関する40℃および分圧=5kPaにおける(等モルプロパン/プロピレン混合物の)破過試験後の、ヘリウム流(30cc/分(左)および100cc/分(右))の40℃における脱離等温線を示している。
図65は、NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体の、ヘリウム存在下における再生にともなう繰返しの破過曲線を示している。40℃および5kPaにおける破過試験。再生:1時間にわたる200℃における30ml/分のHe(左)、または2時間にわたる40℃における100ml/分のHe。
図66Aは、NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体に関する80℃および分圧=5kPaにおける(等モルプロパン/プロピレン混合物の)破過試験後の、ヘリウム流(100cc/分)の40℃における脱離等温線を示している。
図66Bは、NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体の再生の効果を示している。80℃および5kPaにおける破過試験。再生:100ml/分のHeを用いて80℃において2時間。
図67は、NH4Fを用いて前処理され、250℃のヘリウム流において3時間にわたって脱ガスされたMIL−100(Fe)固体に関する、ヘリウム存在下におけるプロパン/プロピレン分離(等モルのプロパン+プロピレン混合物)に対する、種々の温度(40または80℃)における圧力の影響を示している。
図68は、実施例25の微小熱量試験に使用された装置の図を示している。
図69は、二次真空下の250℃における12時間にわたる活性化後のMIL−100(Fe)固体におけるプロパンおよびプロピレンの303Kにおける吸着等温線および吸着熱を示している。
図70は、二次真空下の100℃または250℃における12時間にわたる処理後のMIL−100(Fe)固体におけるプロパンおよびプロピレンの303Kにおける吸着等温線および吸着熱を示している。
図71は、二次真空下の100℃における12時間にわたる処理後のMIL−100(Fe)固体におけるCOおよびCO2の303Kにおける吸着等温線および吸着熱を示している。
図72は、真空下の225℃において12時間にわたって活性化された物質MIL−102(Fe)(スペクトルa)、NH4Fを用いて前処理され、真空下の250℃において12時間にわたって活性化された物質MIL−100(Fe)(スペクトルb)、および真空下の150℃において12時間にわたって活性化された物質MIL−127(鉄)(スペクトルc)の配位的に不飽和なFe(II)部位と相互作用しているNO分子の伸縮振動に関する赤外線バンドを示している。赤外線スペクトルは、1333Paに等しいNOの圧力の下に周囲温度において記録されている。
図73は、アルゴン流の下に150℃(スペクトルa)、250℃(b)における加熱後の、30℃におけるH2/CO/CO2流におけるMIL−127(鉄)固体の赤外線スペクトルを示している。
図74は、NH4Fを用いて前処理され、二次真空下の150℃および250℃において活性化されたMIL−100(Fe)上におけるC34の25℃における吸着等温線を示している。量は、2931CM−1におけるメチル基の伸縮バンドの強度から定量的に推定されている。
図75は、NH4Fを用いて前処理され、0〜0.3mmHgの範囲の圧力、二次真空下の150℃および250℃において活性化されたMIL−100(Fe)に対するC34の25℃における吸着等温線を示している。
図76は、NH4Fを用いて前処理され、250℃において活性化されたMIL−100(Fe)の、FeIIおよびFeIIIの部位に、気相におけるC34の圧力(0〜2.5mmHgの範囲)に応じて吸着されたC34赤外線バンドν(C≡C)の変動を示している。
図77は、0〜60mmHgの範囲の圧力、150℃および250℃において活性化されたフッ素化されているMIL−100(Fe)(X=F)に対するC36の吸着等温線を示している。Fe(II)部位に吸着されたC36の量は、2996cm-1におけるバンドの面積によって定量的に表されている。
[実施例]
〔実施例1:本発明の鉄カルボン酸塩MOF物質に関する合成およびデータ〕
本実施例において、種々の鉄カルボン酸塩の合成について説明する。得られた固体は、それから、以下に記載の方法にしたがって性質決定された。
鉄カルボン酸塩の結晶構造の分析が、シーメンスD5000回折計(CuKα照射 λCu=1.5406Å、モードθ−2θ)を用いて、周囲温度の空気中においてX線回折(X線)によって実施された。示されているダイアグラムは、角距離(2θ、°)または細網状間(inter-reticular)距離(d、Åまたはオングストローム)のいずれかである。
固体の多孔度(ラングミュアの比表面積および細孔容積)は、粉体工学ASAP2010装置に対する77Kにおける窒素吸着によって決定された。固体は、一晩にわたって一次真空下の150℃においてあらかじめ脱水された。固体による窒素吸着の等温線は、基準圧力P0=1気圧に対する圧力Pの割合に応じた、吸着された窒素の容積V(cm3/g)を示している曲線によって得られている。
熱重量分析は、TA装置 2050TGA装置を用いて空気中において実施された。加熱速度は2℃/分であった。固体の熱重量分析から得られる曲線は、温度T(単位℃)に応じた重量損失Pm(%)を示している。
固体の元素分析は、以下のCNRS Vernaison Central Analysis Serviceによって実施された。
有機分析:
C、H、N、O、Sは、電量検出、カタロメータによる(catharometric)検出または赤外線セル検出によって、医薬品、重合体および合成の生成物を一般的に微量分析する。
無機分析:
使用された主な手法:
異なる検出器を用いたICP−AES(“誘導結合プラズマ−原子発光分析”)
四極子質量分析計または磁場型質量分析計を用いたICP−MS(“誘導結合プラズマ−質量分析”)
CVVAS(“冷蒸気原子吸光分析”)
ICP/MS/HPLC(“誘導結合プラズマ/質量分析/”高速液体クロマトグラフィー)の組み合せ
X線蛍光
サンプルのウェット、ドライまたはマイクロ波処理。
(a)MIL−100(Fe)またはFe3O[C63−(CO232・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
鉄カルボン酸塩MIL−100(Fe)は、2つの条件:フッ化水素酸のあり、またはなしにおいて合成された。
(フッ化水素酸を用いた合成に関する条件)
56mgの粉末の金属鉄(1mmol、Riedel de Haenによって販売されている、99%)140mgの1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(0.6mmol、1,3,5−BTC、Alcrichによって販売されている、99%)が、0.6mlの2Mの硝酸(VWRによって販売されている、50%)および0.4mlの5Mのフッ化水素酸(SDSによって販売されている、50%)を含んでいる5mlの蒸留水に分散された。これは、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器にすべて収納され、12時間にわたる温度増加勾配および24時間にわたる温度低下勾配を用いて、150℃において6日間にわたって放置される。固体はろ過によって回収される。
固体は、細孔に残留するトリメシン酸を除去するために、それから攪拌しながら3時間にわたって還流する条件において100mlの蒸留水に懸濁される。固体は、それから熱ろ過によって回収される。
(フッ化水素酸を用いていない合成に関する条件)
0.27gのFeCl3・6H2O(1mmol、Aeserによって販売されている、98%)および140mg(0.6mmol)の1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(1,3,5−BTC、Alcrichによって販売されている、99%)が、5mlの蒸留水に分散された。このすべてが、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器において130℃において3日間にわたって放置される。固体は、それからろ過され、アセトンを用いて洗浄される。
固体(200mg)は、細孔に残留するトリメシン酸を除去するために、それから攪拌しながら3時間にわたって還流する条件において100mlの蒸留水に懸濁される。固体は、それから熱ろ過によって回収される。
(鉄カルボン酸塩MIL−100(Fe)固体の特性データ)
X線回折によるMIL−100(Fe)固体の結晶構造の分析によって、図1に示されているX線回折ダイアグラムが得られる。
上記結晶構造の特性は、以下の通りである:
スペーサ基はFd−3m(227番)である。
セルのパラメータ:a=73.1Å、セル容積V=393000Å3
MIL−100(Fe)固体(圧力P0=1気圧)の77Kにおける窒素吸着等温線は、図2に示されている。この固体の比表面積(ラングミュア)は、ほぼ2900m2・g-1である。
化合物MIL−100(Fe)の熱重量分析から得られる曲線は、図3に示されている。この図は、温度T(℃)に応じた質量損失Pm(%)を示している。
以下の表は、X=Fである場合のMIL−100(Fe)固体またはFe3O[C63−(CO232・X・nH2Oの元素分析の結果を示している。
Figure 0005756748
(b)MIL−101(Fe)またはFe3O[C64−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−101(Fe)固体の合成)
0.27gのFeCl3・6H2Oおよび249mg(1.5mmol)の1,4−ベンゼンジカルボン酸(1,4−BDC、Aldrichによって販売されている、99%)が、10mlのジメチルホルムアミド(DMF、Flukaによって販売されている、98%)に分散される。混合物は、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器において12時間にわたって100℃において放置される。固体は、それからろ過され、アセトンを用いて洗浄される。
(MIL−101(Fe)固体の特性データ)
MIL−101(Fe)固体のX線回折ダイアグラムが図4に示されている。
未処理のMIL−101(Fe)固体の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度において)は、図5に示されている。
結晶構造の特性は以下の通りである:
スペーサ基はFd−3m(227番)である。
MIL−101(Fe)固体の298Kにおけるセルパラメータ:a=89.0Å、セル容積V=707000Å3
乾燥固体(X=Fの場合)の理論的な元素組成は、以下の通りである:Fe 24.2%、C 41.4%、H 1.7%。
(c)MIL−102(Fe)またはFe622[C102−(CO243・nH2O(X=F、Cl、・・・)
(フッ素化されていないMIL−102(Fe)固体の合成)
270mg(1mmol)のFeCl3・6H2O(Alfa Aeasr、98%)および268mgの1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸が、5mlの蒸留水に分散される。混合物は、15時間にわたって100℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
(MIL−102(Fe)固体の特性データ)
図6には、未処理のMIL−102(Fe)固体(曲線(a))およびMIL−102(Cr)固体(曲線(b))のX線回折ダイアグラムが示されている。
未処理のMIL−102(Fe)固体の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度において)が、図7に示されている。
この化合物は、77K、窒素において小さい比表面積(ラングミュア表面積:101m2/g)を有している。
(フッ素化されているMIL−102(Fe)固体の調製)
上述の手法にしたがって得られた式Fe62Cl2[C102−(CO243・nH2Oのフッ素化されていないMIL−102(Fe)固体の0.2gが、1gの100mlの蒸留水において、フッ化ナトリウムNaFと接触させられる。混合物は、周囲温度において15時間にわたって、攪拌しながら125mlのテフロン容器に放置される。固体は、ろ過によって回収され、蒸留水において5回にわたって洗浄されて、微量のNaFを除去した。EDXによる半定量的な分析によって、鉄原子ごとに0.17のフッ素原子が含有されていることが示される。したがって、処理されている固体は、式Fe62F(OH)[C104−(CO243・nH2O型のおおよその式を有している。
(d)MIL−88B−4CH3(Fe)またはFe3O[C6(CH34−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88B−4CH3(Fe)固体の合成)
0.27g(1mmol)のFeCl3・6H2O(Alfa Aeasr、98%)および222mg(1mmol)の1,4−テトラメチルテレフタル酸(Chem Service、95%)が、0.4mlの2Mの水酸化ナトリウム(Alfa Aeasr、98%)を含んでいる10mlのDMF(Fluka、98%)に分散される。混合物は、12時間にわたって100℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
200mgの固体は、細孔に残存する酸を除去するために、12時間にわたって周囲温度において攪拌しながら、100mLの水に懸濁される。固体はそれからろ過によって回収される。
(MIL−88B−4CH3(Fe)固体の特性データ)
図8は、未処理の固体(曲線(b)、下)および水和された固体(曲線(a)、上)のX線回折ダイアグラムを示している。
水和されたMIL−88B−4CH3(Fe)固体の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)は、図9に示されている。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2の取込みに十分な孔径(6〜7Å)を有しているので、77Kにおいて窒素に対して1200m2/gのオーダーの接触可能な表面積(ラングミュアモデル)を示している。
(d)MIL−88A(Fe)またはFe3O[C22−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88A(Fe)固体の合成)
0.27g(1mmol)のFeCl3・6H2O(Alfa Aeasrによって販売されている、98%)および116mg(1mmol)のフマル酸(Aldrich、99%)が、0.4mlの2MのNaOH(Alfa Aeasr、98%)を含んでいる5mlのジメチルホルムアミド(DMF、Fluka、98%)に分散される。混合物は、12時間にわたって100℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体は、それからろ過によって回収され、アセトンを用いて洗浄される。
固体(200mg)は、細孔に残存している溶媒を除去するために、それから12時間にわたって攪拌しながら100mlの蒸留水に懸濁される。固体はそれからろ過によって回収される。
(MIL−88A(Fe)固体の特性データ)
固体の結晶構造の分析によって、以下の表に挙げられている特性が示される。
Figure 0005756748
水和されたMIL−88A化合物の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)が、実施された(結果は示さず)。
化合物MIL−88Aは、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
元素分析は、以下の表に示されている。
Figure 0005756748
(e)MIL−88B(Fe)またはFe3O[C64−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88B(Fe)固体の合成)
0.27g(1mmol)のFeCl3・6H2O(Alfa Aeasr、98%)および116mg(1mmol)の1,4−ベンゼンジカルボン酸(Aldrich、98%)が、0.4mlの2Mの水酸化ナトリウム(Alfa Aeasr、98%)を含んでいる5mlのジメチルホルムアミド(DMF、Fluka、98%)に分散される。混合物は、12時間にわたって100℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体は、それからろ過によって回収され、アセトンを用いて洗浄される。
200mgの固体は、細孔に残存する溶媒を除去するために、12時間にわたって攪拌しながら100mlの蒸留水に懸濁されている。固体はそれからろ過によって回収される。
(MIL−88B(Fe)固体の特性データ)
固体の結晶構造の解析によって以下の表に挙げられている特性が示される。
Figure 0005756748
水和された化合物MIL−88Bの熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)が、実施された(結果は示さず)。
化合物MIL−88Bは、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
(f)MIL−89(Fe)またはFe3O[C44−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−89(Fe)固体の合成)
172mg(1mmol)の酢酸鉄(Dziobkowski et al., Inorg. Chem. 1982, 20, 671[参考文献29]に記載されている合成にしたがって調製された)および150mg(1mmol)のムコン酸(Fluka、97%)が、0.35mlの2Mの水酸化ナトリウム(Alfa Aeasr、98%)を含んでいる10mlのメタノール(Fluka、98%)に分散される。混合物は、3日間にわたって100℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体は、それからろ過によって回収され、アセトンを用いて洗浄される。
200mgの固体は、細孔に残存する溶媒を除去するために、12時間にわたって攪拌しながら100mlの蒸留水に懸濁される。固体はそれからろ過によって回収される。
(MIL−89(Fe)固体の特性データ)
乾燥したMIL−89(Fe)固体、DMFを用いて溶媒和されたMIL−89(Fe)固体、および水和されたMIL−89(Fe)固体のX線回折分析が実施された(結果は示さず)。
化合物MIL−89(Fe)は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
(g)MIL−88C(Fe)またはFe3O[C106−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(鉄(III)酢酸塩の調製)
本発明に係るMOF物質の合成に関する以下の実施例に使用された酢酸鉄(III)は以下の手法によって合成される。この合成に関する記載が、Dziobkowski et al.による刊行物(Inorg. Chem., 1982, 21, 671[参考文献14])に見られ得る。
6.72gの粉末の金属鉄(Riedel-de Haen、99%)、64mlの脱イオン化水、および33.6mlの70%の過塩素酸水溶液(Riedel-de Haen)が、電磁攪拌器を用いて混合され、3時間にわたって50℃に加熱される。加熱が停止され、それから溶液が12時間にわたって攪拌される。残余の金属鉄がデカンテーションによって除去され、他の容器に移される。20.6mlの過酸化水素水(Alfa Aeasrによって販売されている、35%)が、攪拌しながら滴下することによって加えられ、全体が水槽において0℃に維持される。19.7gの酢酸ナトリウム(Aldrich、99%)が、溶液を0〜5℃に維持し、攪拌しながら、青い溶液に加えられる。溶液は、3日間にわたって放置されて、ガラスの結晶器(容積=0.5l)におけるフードの下において蒸発させられる。最後に酢酸鉄の赤い結晶が、ろ過によって回収され、氷冷した脱イオン化水を用いて非常に素早く洗浄される。
(MIL−88C(Fe)固体の合成)
172mg(1mmol)の酢酸鉄(上述の方法によって合成される)および140mg(1mmol)の2,6−ナフタレンジカルボン酸(Aldrich、95%)が、5mlのジメチルホルムアミド(DMF、Fluka、98%)に分散される。混合物は、12時間にわたる温度増加勾配および24時間にわたる温度低下勾配を用いて、150℃において6日間にわたって、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。固体は、150℃の空気中において15時間にわたって乾燥される。
(MIL−88C(Fe)固体の特性データ)
固体の結晶構造の分析によって以下の表に挙げられている特性が示される。
Figure 0005756748
未処理の合成化合物MIL−88Cの熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)が実施された(結果は示さず)。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
(h)MIL−88D(Fe)またはFe3O[C128−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88D(Fe)固体の合成)
0.27g(1mmol)のFeCl3・6H2O(Alfa Aeasr、98%)および140mg(0.6mmol)の4,4’−ビフェニルジカルボン酸(Fluka、95%)が、5mlのジメチルホルムアミド(DMF、Aldrich、99%)に分散される。混合物は、1時間にわたる温度増加勾配および1時間にわたる温度低下勾配を用いて、12時間にわたって100℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
固体は、それから15時間にわたって150℃の空気中において乾燥される。
(MIL−88D(Fe)固体の特性データ)
固体の結晶構造の分析によって、以下の表に挙げられている特性が示される。
Figure 0005756748
未処理のMIL−88D固体および水和されたMIL−88D固体のX線回折分析が実施された(結果は示さず)。
水和された化合物MIL−88D(Fe)の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)が、実施された(結果は示さず)。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
(i)MIL−88B−NO2(Fe)またはFe3O[C63NO2−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88B−NO2(Fe)固体の合成)
0.27g(1mmol)のFeCl3・6H2O(Alfa Aeasr、98%)および211mg(1mmol)の2−ニトロテレフタル酸(Acros、99%)が、5mlの蒸留水に分散される。混合物は、12時間にわたって100℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
200mgの固体が、細孔に残存する酸を除去するために、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器における10mlの無水エタノールに懸濁される。固体は、ろ過によって回収され、100℃において乾燥される。
(MIL−88B−NO2(Fe)固体の特性データ)
未処理のMIL−88B−NO2固体および水和されたMIL−88B−NO2固体のX線回折分析が実施された(結果は示さず)。
洗浄および乾燥の後に、MIL−88B−NO2(Fe)の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)が、実施された(結果は示さず)。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
元素分析は、以下の表に示されている。
Figure 0005756748
(j)MIL−88B−2OH(Fe)またはFe3O[C62(OH)2−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88B−2OH(Fe)固体の合成)
354mg(1mmol)のFe(ClO43・xH2O(Aldrich、99%)および198mg(1mmol)の2,5−ジヒドロキソテレフタル酸(対応するジエチルエステル(Aldrich、97%)の加水分解によって得られる)が、5mlのDMF(Fluka、98%)に分散される。混合物は、12時間にわたって85℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
細孔に残存する酸を除去するために、生成物は、15時間にわたって150℃の真空下において、焼成される。
(MIL−88B−2OH(Fe)固体の特性データ)
未処理のMIL−88B−2OH固体および水和されたMIL−88B−2OH固体のX線回折分析が実施された(結果は示さず)。
洗浄および乾燥の後に、MIL−88B−2OH(Fe)の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)が、実施された(結果は示さず)。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
元素分析は、以下の表に示されている。
Figure 0005756748
(k)MIL−88B−NH2(Fe)またはFe3O[C63NH2−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88B−NH2(Fe)固体の合成)
0.27g(1mmol)のFeCl3・6H2O(Alfa Aeasr、98%)および180mg(1mmol)の2−アミノテレフタル酸(Fluka、98%)が、5mlの純粋なエタノールに分散される。混合物は、3日間にわたって100℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
細孔に残存する酸を除去するために、生成物は、2日間にわたって200℃の真空下において、焼成される。
(MIL−88B−NH2(Fe)固体の特性データ)
未処理のMIL−88B−NH2固体および真空乾燥したMIL−88B−NH2固体のX線回折分析が実施された(結果は示さず)。
水和されたMIL−88B−NH2(Fe)固体の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)が、実施された(結果は示さず)。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
(l)MIL−88B−CH3(Fe)またはFe3O[C63CH3−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88B−CH3(Fe)固体の合成)
354mg(1mmol)のFe(ClO43・xH2O(Aldrich、99%)および180mg(1mmol)の2−メチルテレフタル酸(Anzalone et al., J. Org. Chem. 1985, 50, 2128[参考文献30]に記載の合成にしたがって調製される)が、5mlのメタノール(Fluka、99%)に分散される。混合物は、3日間にわたって100℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
200mgの固体は、細孔に存在する酸をDMFに置換するために、攪拌しながら周囲温度において10mlのDMFに懸濁され、それからDMFが12時間にわたる150℃の真空下における加熱によって除去される。
(MIL−88B−CH3(Fe)固体の特性データ)
未処理のMIL−88B−CH3固体、水和されたMIL−88B−CH3固体、およびDMF溶媒和されたMIL−88B−CH3固体のX線回折分析が実施された(結果は示さず)。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
(m)MIL−88B−Cl(Fe)またはFe3O[C63Cl−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88B−Cl(Fe)固体の合成)
354mg(1mmol)のFe(ClO43・xH2O(Aldrich、99%)および200mg(1mmol)の2−クロロテレフタル酸(実施例2の合成Aにしたがって合成される)が、0.1mlの5MのHF(SDS、50%)および0.1mlの1MのHCl(Aldrich、37%)を含んでいる10mlのDMFに分散される。混合物は、5日間にわたって100℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
得られた固体は、150℃の真空下において、焼成される。
(MIL−88B−Cl(Fe)固体の特性データ)
未処理のMIL−88B−Cl固体、水和されたMIL−88B−Cl固体、およびDMF溶媒和されたMIL−88B−Cl固体のX線回折分析が実施された(結果は示さず)。
水和されたMIL−88B−Cl(Fe)固体の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)が、実施された(結果は示さず)。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
(n)MIL−88B−4F(Fe)またはFe3O[C64−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88B−4F(Fe)固体の合成)
270mg(1mmol)のFeCl3・6H2O(Alfa Aeasr、98%)および230mg(1mmol)のテトラフルオロテレフタル酸(Aldrich、98%)が、10mlの蒸留水に分散される。混合物は、12時間にわたって85℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はそれからろ過によって回収される。
200mgの固体が、細孔に残存している酸を除去するために、周囲温度において2時間にわたって攪拌しながら20mlの水に懸濁される。固体はそれからろ過によって回収される。
(MIL−88B−4F(Fe)固体の特性データ)
未処理の固体、水和された固体およびエタノール溶媒和された固体のX線回折分析が、実施された(結果は示さず)。
MIL−88B−4F(Fe)固体の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)が、実施された(結果は示さず)。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
(o)MIL−88B−Br(Fe)またはFe3O[C63Br−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88B−Br(Fe)固体の合成)
270mg(1mmol)のFeCl3・6H2O(Alfa Aeasr、98%)および250mg(1mmol)の2−ブロモテレフタル酸(Fluka、95%)が、0.2mlの5Mのフッ化水素酸(SDS、50%)を含んでいる10mlのDMF(Fluka、98%)に分散される。混合物は、12時間にわたって150℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
細孔に残存している酸を除去するために、固体が、150℃の真空下において15時間にわたって、焼成される。
(MIL−88B−Br(Fe)固体の特性データ)
未処理の固体および水和された固体のX線回折分析が、実施された(結果は示さず)。
水和されたMIL−88B−Br(Fe)固体の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)が、実施された(結果は示さず)。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
(p)MIL−88E(Pyr)(Fe)またはFe3O[C432−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88E(Fe)固体の合成)
270mg(1mmol)のFeCl3・6H2O(Alfa Aeasr、98%)および204mg(1mmol)の2,5−ピラジンジカルボン酸(Aldrichsr、98%)が、0.05mlの5MのHF(SDS、50%)を含んでいる5mlのDMF(Fluka、98%)に分散される。混合物は、3日間にわたって100℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
(MIL−88E(Fe)固体の特性データ)
未処理の合成MIL−88E(Fe)固体のX線回折分析が、実施された(結果は示さず)。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
(q)MIL−88F(Thio)(Fe)またはFe3O[C42S−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88F(Fe)固体の合成)
354mg(1mmol)のFe(ClO43・xH2O(Aldrich、99%)および258mg(1mmol)の2,5−チオフェンジカルボン酸(Aldrich、99%)が、0.1mlの5MのHF(SDS、50%)を含んでいる2.5mlのDMFに分散される。混合物は、3日間にわたって100℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
200mgの固体が、細孔に残存している酸を除去するために、周囲温度において12時間にわたって攪拌しながら100mlの水に懸濁される。固体はそれからろ過によって回収される。
(MIL−88F(Fe)固体の特性データ)
未処理の固体および水和された固体のX線回折分析が、実施された(結果は示さず)。
水和されたMIL−88F(Fe)固体の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)が、実施された(結果は示さず)。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
(r)MIL−88D−4CH3(Fe)またはFe3O[C124(CH34−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88D−4CH3(Fe)固体の合成)
354mg(1mmol)のFe(ClO43・xH2O(Aldrich、99%)および298mg(1mmol)のテトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸(実施例2に記載の合成Bにしたがって合成される)が、0.2mlの2Mの水酸化ナトリウム(Alfa Aeasr、98%)を含んでいる5mlのDMF(Fluka、98%)に分散される。混合物は、12時間にわたって100℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
200mgの固体が、細孔に残存している酸と交換するために、周囲温度において時間にわたって攪拌しながら10mlのDMFに懸濁される。固体は、それからろ過によって回収され、15時間にわたって150℃の真空下において、焼成される。
(MIL−88D−4CH3(Fe)固体の特性データ)
未処理の固体および水和された固体のX線回折分析が、実施された(結果は示さず)。
水和されたMIL−88D−4CH3(Fe)固体の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)が、実施された(結果は示さず)。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
(s)MIL−88D−2CH3(Fe)またはFe3O[C126(CH32−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88D−2CH3(Fe)固体の合成)
270mg(1mmol)のFeCl3・6H2O(Alfa Aeasr、98%)および268mg(1mmol)のジメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸(実施例2における合成Cにしたがって合成される)が、0.25mlの5MのHF(SDS、50%)を含んでいる5mlのDMF(Fluka、98%)に分散される。混合物は、12時間にわたって150℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
細孔に残存している酸を除去するために、固体が、150℃の真空下において15時間にわたって、焼成される。
(MIL−88D−2CH3(Fe)固体の特性データ)
未処理の固体、水和されたMIL−88D−2CH3(H2O)固体、および水(H2Oの液滴)に懸濁されているMIL−88D−2CH3固体のX線回折分析が、実施された(結果は示さず)。
未処理のMIL−88D−2CH3(Fe)固体の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)が、実施された(結果は示さず)。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
(t)MIL−88G(AzBz)(Fe)またはFe3O[C1282−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88G(Fe)固体の合成)
118mg(0.33mmol)のFe(ClO43・xH2O(Aldrich、99%)および90mg(0.33mmol)の4,4’−アゾベンゼンジカルボン酸(Ameerunisha et al., J. Chem. Soc. Perkin Trans.2 1995, 1679[参考文献31]に記載の方法にしたがって合成される)が、15mlのDMF(Fluka、98%)に分散される。混合物は、3日間にわたって150℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
200mgの固体が、細孔に残存している酸を除去するために、周囲温度において2時間にわたって攪拌しながら10mlのDMFに懸濁される。固体は、それからろ過によって回収され、細孔に残存しているDMFが、150℃の真空下における15時間にわたる、焼成によって、除去される。
(MIL−88G(Fe)固体の特性データ)
未処理のMIL−88G固体、DMF溶媒和された固体、およびピリジン溶媒和された固体のX線回折分析が、実施された(結果は示さず)。
MIL−88G(Fe)固体の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)が、実施された(結果は示さず)。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
(u)MIL−88G−2Cl(AzBz−2Cl)(Fe)またはFe3O[C1262Cl2−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−88G−2Cl(Fe)固体の合成)
177mg(0.5mmol)のFe(ClO4)3・xH2O(Aldrich、99%)および169mg(0.5mmol)のジクロロ−4,4’−アゾベンゼンジカルボン酸(実施例2における合成Dにしたがって合成される)が、15mlのDMF(Fluka、98%)に分散される。混合物は、12時間にわたって150℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
200mgの固体が、細孔に残存している酸を交換するために、周囲温度において2時間にわたって攪拌しながら10mlのDMFに懸濁される。固体は、それからろ過によって回収され、細孔に残存しているDMFが、150℃の真空下における15時間にわたる、焼成によって、除去される。
(MIL−88G−2Cl(Fe)固体の特性データ)
未処理のMIL−88G−2Cl固体、および乾燥MIL−88G−2Cl固体のX線回折分析が、実施された(結果は示さず)。
未処理のMIL−88G−2Cl固体の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)が、実施された(結果は示さず)。
この化合物は、乾燥構造が窒素N2を取り込むには小さ過ぎる孔径を有しているので、77Kにおける窒素に対する接触可能な表面積(20m2/gを超える)を示さない。
(v)MIL−126(Fe)またはFe622[C102−(CO243・nH2O(X=F、Cl、・・・)
(MIL−126(Fe)固体の合成)
270mg(1mmol)のFeCl3・6H2O(Alfa Aeasr、98%)および140mg(1mmol)の4,4’−ビフェニルジカルボン酸(Fluka、95%)が、5mlのジメチルホルムアミド(DMF、Aldrich、99%)に分散される。混合物は、1時間にわたる温度増加勾配および1時間にわたる温度低下勾配を用いて、12時間にわたって150℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
固体は、それから150℃の一次真空下において15時間にわたって乾燥される。
(MIL−126(Fe)固体の特性データ)
MIL−126(Fe)固体の結晶構造は、MIL−88D(Fe)の構造の内部を貫通する形態であり、すなわちMIL−88D型の、もつれた2つの結晶の下位骨格を有している(図43)。
固体の結晶構造の分析によって、以下の表に挙げられている特性が示される。
Figure 0005756748
完全な結晶解析データが図43Bに示されている。
図44は、未処理のMIL−126固体のX線回折ダイアグラムを示している。
未処理の合成MIL−126(Fe)化合物の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)の結果が、図45に示されている(温度Tに応じた質量損失Pm)。
この化合物は、77Kにおいて窒素に対する実質的に接触可能な表面積(ラングミュア)(2100m2/g)を示している(図46)。
(w)MIL−127(Fe)またはFe62[C1262−(CO243・X2・nH2O(X=F、Cl、OH)
(MIL−127(Fe)固体の合成)
本実施例において、Y. Liu et al, Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 3278-3283[参考文献51]に公開されているインジウムの相と同型の相が作製されている。
固体は、ろ過によって回収され、90℃において真空乾燥される。
118mg(0.3mmol)のFe(ClO43・nH2O(Aldrich、98%)および119mg(0.6mmol)の3,3’,5,5’−アゾベンゼンテトラカルボン酸(以下の実施例3における合成Eの方法にしたがって合成される)が、0.1mlの5Mのフッ化水素酸(HF、SDS、50%)を加えた5mlのジメチルホルムアミド(DMF、Aldrich、99%)に分散される。混合物は、1時間にわたる温度増加勾配を用いて、3日間にわたって150℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
固体は、それから200℃の一次真空下において15時間にわたって乾燥される。
(MIL−127(Fe)固体:3,3’,5,5’−アゾベンゼンテトラカルボン酸塩の特性データ)
図47は、未処理の合成3,3’,5,5’−アゾベンゼンテトラカルボン酸塩(III)固体のX線回折ダイアグラムを示している。
立方体対称の相は、インジウムに関してEddaoudi教授のグループによって公開されている[参考文献51]相と同型構造である(スペーサ基 Pa3)。
未処理の合成3,3’,5,5’−アゾベンゼンテトラカルボン酸塩の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)の結果が、図48に示されている(温度Tに応じた質量損失Pm)。
250℃未満の温度において観察された質量損失は、細孔に存在する溶媒(水、ジメチルホルムアミド)と一致している。
生成物の変質は、約300℃において生じ、酸化鉄(III)をもたらす。
この化合物は、77Kにおいて窒素に対する実質的に接触可能な表面積(ラングミュア)(2000m2/gを超える)を示している(図37)(窒素多孔微測装置ASAP2010)。図49は、3,3’,5,5’−アゾベンゼンテトラカルボン酸塩の窒素吸着等温線(P0=1気圧)を示している。
(x)CPO−27(Fe)、鉄2,5−ジヒドロキソテレフタル酸塩またはFe2(O2C−C62(OH)2−CO2)(H2O)・xH2
(2,5−ジヒドロキソテレフタル酸鉄固体の合成)
270mg(1mmol)のFeCl3・6H2O(Alfa Aeasr、98%)および200mg(1mmol)の2,5−ジヒドロキソテレフタル酸(対応するジエチルエステル(Aldrich、97%)の加水分解によって得られる)が、5mlのジメチルホルムアミド(DMF、Aldrich、99%)に分散される。混合物は、12時間にわたる温度増加勾配および24時間にわたる温度低下勾配を用いて、3日間にわたって150℃において、金属製のPAAR型のボンベに挿入されている23mlのテフロン容器に放置される。固体はろ過によって回収される。
固体は、それから150℃の一次真空下において15時間にわたって乾燥される。
(鉄2,5−ジヒドロキソテレフタル酸塩固体の特性データ)
図50は、未処理の2,5−ジヒドロキソテレフタル酸鉄固体のX線回折ダイアグラムを示している。三方対称の相は、コバルトおよびニッケルに関してDietzel et al.によって公開されているものと同型である(スペーサ基)(P.D.C. Dietzel, B. Panella, M. Hirscher, R. Blom, H. Fjellvag, Chem. Commun., 2006, 956-961[参考文献53]およびP.D.C. Dietzel, R.E. Johnsen, R. Blom, H. Fjellvag, P.Chem. Eur. J., 2008, 14, 2389-2397[参考文献54])。
(y)混合された多孔質のMIL−100Cr/Feの混成固体の合成例
クロムおよび鉄の2つの異なる金属をその構造に含んでいる混成バイメタルMIL−100固体が、以下のモル比(Fe:Cr:1,3,5−ベンゼントリカルボン酸:HF:HNO3:H2O=X:Y:0.67:2:0.6:278(X+Y=1))から開始する、200℃における1時間にわたるマイクロ波合成を用いて得られた。
固体はろ過によって回収される。固体(200mg)は、細孔に残存するトリメシン酸を除去するために、それから3時間にわたって攪拌しながら還流する条件において100mlの蒸留水に懸濁される。固体はそれから熱ろ過によって回収される。
図51は、Fe:Crの異なる比率(上から順に1:0、0.7:0.3、0.5:0.5、0.3:0.7、0:1)から開始して合成されたMIL−100固体のX線回折ダイアグラムを示している。
Fe:Cr=0.5:0.5のモル比から開始して合成されたMIL−100Fe/Cr化合物は、77Kにおいて窒素に対する実質的に接触可能な表面積(BET)(1600m2/gを超える)を示している(図52)(窒素多孔微測装置ASAP2010)。図52は、Fe:Cr=0.5:0.5のモル比から開始して合成されたMIL−100Fe/Cr化合物の窒素吸着等温線を示している(P0=1気圧)。
〔実施例2:配位子の合成〕
(a)合成A:クロロテレフタル酸の合成
6g(0.043mmol)のクロロキシレン(Aldrichによって販売されている、>99%)、16mlの硝酸(VWRによって販売されている、70%)および60mlの蒸留水が、120mlのテフロン容器に導入される。これが、金属製のPAAR型のボンベに挿入され、12時間にわたって170℃まで加熱される。生成物は、ろ過によって回収され、それから蒸留水において十分に洗浄される。75%の収量が得られる。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ (ppm): 7.86 (d, J = 7.8 Hz), 7.93 (dd, J = 7.8, 1.2 Hz), 7.96 (d, J = 1.2 Hz)。
(b)合成B:3,5,3’,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸の合成
この合成に関する反応手順は図20に示されている。
(第1段階)
10.2gのテトラメチルベンジジン(98%、Alfa Aeasr)が、39mlの濃縮された塩酸(37%、Aldrichによって販売されている)に、0℃において懸濁される。硝酸ナトリウム(50mlの水における6g)の溶液の添加によってジアゾ化が行われた。0℃における15分間にわたる攪拌の後に、ヨウ化カリウム(200mlの水における70g)の溶液が、すみれ色の溶液を生じるまでゆっくりと加えられた。添加の完了後に、混合物は周囲温度において2時間にわたって攪拌される。生じた黒色の懸濁物がろ過されて黒色の沈殿物を生じ、これを水において洗浄する。固体は、ジクロロメタン(DCM、98%、SDSによって販売されている)に懸濁され、チオ硫酸ナトリウムの飽和溶液が加えられて、脱色される。1時間にわたる攪拌の後に、有機層がデカントされ、水性相がDCMを用いて抽出される。有機層は硫酸ナトリウムに通して乾燥され、それから蒸発されて、灰色がかった固体の形態としてジヨード中間体を生じる。シリカカラム(SDSによって販売されている)上における純粋なペンタンを用いた抽出によって、モノヨードおよびジヨードの化合物の混合物が生成される。これらの混合物は、以下の段階に直接に使用された。
(第2段階)
7.2gの未処理のヨード化合物が100mlのテトラヒドロフラン(THF、ナトリウムに通して濃縮されている)に溶解される。−78℃まで冷却した後に、シクロヘキサンにおける35mlのn−ブチルリチウム(2.5M、Aldrichによって販売されている)が加えられる。溶液は、周囲温度に戻るまで放置され、2時間後に白色の懸濁物を生じる。−78℃までふたたび冷却され、12mlのクロル蟻酸エチルが加えられる。混合物は、周囲温度に戻るまで放置され、1時間後に澄んだ黄色の溶液が得られる。水とジクロロメタンとの分離、およびジクロロメタンを用いた抽出によって、未処理のジエステルが生成される。これは、溶出剤として1/9Et2O/ペンタンの混合物を用いた、シリカゲル上におけるクロマトグラフィー(先端の遅延:Rf=0.3)によって精製される。6.3gのジエステルが、無色の固体として得られる(ベンジジンから42%の収量)。
得られたジエステルの性質決定:1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ (ppm): 1.29 (t, J = 7.2 Hz, 6H), 2.29 (s, 13H), 4.31 (q, J = 7.2 Hz, 4H), 7.12 (s, 4H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3): δ (ppm): 14.3 (CH3), 19.9 (CH3), 61.0 (CH2), 126.5 (CH), 133.2 (Cq), 135.5 (Cq), 141.4 (Cq), 169.8 (Cq)。
(第3段階)
ジエステルは、100mlの95%のエタノール(SDSによって販売されている)における9.7gの水酸化カリウム(VWRによって販売されている)を用いて、2日間にわたる還流の下に鹸化される。溶液は真空下において濃縮され、生成物は水に溶解される。濃縮された塩酸がpH1まで加えられ、白色の沈殿物が形成される。これは、ろ過によって回収され、水において洗浄され、乾燥される。このようにして、5.3gの二価酸が白色の固体として得られる(定量的な収量)。
(c)合成C:3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸の合成
この合成における反応手順は、図21に示されている。
合成Bに記載されている同じ手順が、12.1gのジメチルベンジジンから始めて、使用された。第1段階の後に、18.4gの3,3’−ジメチル−4,4’−ジヨードビフェニルが得られる(収量:74%)。
得られたジヨード化合物の性質決定:1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ (ppm): 2.54 (s, 6H), 7.10 (dd, J = 2.2 and 8.1 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 2.2 Hz, 2H), 7.90 (d, J = 8.1 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3): δ (ppm): 28.3 (CH3), 100.3 (Cq), 126.0 (CH), 128.3 (CH), 139.4 (CH), 140.4 (Cq), 141.9 (Cq)。
第2段階および第3段階の後に、6.9gの3,3’−ジメチル−ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸が18.4gのジヨード化合物から得られる。
得られた化合物の性質決定:第2段階の後に得られたジエステル、および第3段階の後に得られた二価酸は、文献(Shiotani Akinori, Z. Naturforsch. 1994, 49, 12, 1731-1736[参考文献32])に記載のものと同一の光学的な特徴を有している。
(d)合成D:3,3’−ジクロロ−4,4’−アゾベンゼンジカルボン酸の合成
15gのo−クロロ安息香酸(Aldrichによって販売されている、98%)および50gの水酸化ナトリウムが、225mlの蒸留水に入れられ、攪拌しながら50℃まで加熱される。150mlの水に溶解された100gのグルコース(Aldrich、96%)が加えられる。混合物は、15分間にわたって攪拌され、それから周囲温度において空気によって3時間にわたって通気される。二ナトリウム塩がろ過によって回収され、エタノールにおいて洗浄され、それから120mlの水に再溶解される。塩酸(Aldrich VWRによって販売されている、37%)がpH1になるまで加えられる。固体は、ろ過によって回収され、90℃において真空乾燥される。
(e)合成E:3,5,3’,5’−アゾベンゼンテトラカルボン酸の合成
19gのニトロイソフタル酸(Aldrichによって販売されている、98%)および50gの水酸化ナトリウムが、225mlの蒸留水に入れられ、攪拌しながら50℃まで加熱される。150mlの水に溶解されている100gのグルコース(Aldrich、96%)が加えられる。混合物は、15分間にわたって攪拌され、それから周囲温度において3時間にわたって空気によって通気される。四ナトリウム塩が、ろ過によって回収され、それから300mlの水に再溶解される。塩酸(Aldrich VWRによって販売されている、37%)が、pH1になるまで加えられる。固体が、遠心分離(4000rpm/10分間)によって回収され、水において洗浄され、90℃において真空乾燥される。
〔実施例3:MOF物質の屈曲性の決定〕
Fe、Cr、V、Mnおよび/またはCoのカルボン酸塩のMOF物質の屈曲性は、X線回折によって決定され得る。以降の段落には、MOF物質の考えられる屈曲性を証明するために使用され得る方法が示されている。特に、本発明者らは、“MIL−88”と名付けられたあるMOF物質の屈曲性を証明している。
以下の記載を参照することによって、式(I)の部分の三次元構造を含んでいるMOF物質を確立するための方法を適合させることができる。式(I)の部分は、剛構造を有しており、したがって本発明の方法に使用され得る。
三価の遷移金属(Fe、Cr、V、Mn、・・・)の三量体に基づく屈曲性の混成固体の種類は、MIL−88と呼ばれる。これらの化合物は、鉄の八面体の三量体、すなわち、中心の酸素、および鉄原子に2つずつ結合している6つのカルボン酸基によって結合されている3つの鉄原子から典型的に形成されており、その結果として、鉄原子のそれぞれに配位されている1つの水の末端分子が、金属の八面体配位を完成させている。これらの三量体は、それから脂肪族または芳香族のジカルボン酸によって互いに連結されて、MIL−88A、B、C、DおよびMIL−89固体(−Aがフマル酸に関し、−Bがテレフタル酸に関し、−Cが2,6−ナフタレンジカルボン酸に関し、−Dが4,4’−ビフェニルジカルボン酸に関し、MIL−89がトランス,トランスムコン酸に関する)を形成する。これは、Serre et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2004, 43, 6286[参考文献17]に記載の通りである。また、他のカルボン酸の二価酸を用いた他の類似物が合成されており、MIL−88E、F、G、・・・と名付けられている。
X線回折によるこれらの固体の性質の研究は、これらの化合物が、それらの乾燥形態および溶媒和形態の間の大きさを、大きく“呼吸すること”(すなわち膨張および収縮)をともなって、屈曲性を有していることの証明を可能にする。これは、Serre et al., Science, 2007, 315, 1828[参考文献33]に記載の通り、有機スペーサの性質に依存して85〜230%の間においてセルの容積の変動を生じる(図23)。本発明者らは、乾燥形態が、使用されるカルボン酸の配位子が何であろうとほとんど同一の孔(トンネル)径を有して、多孔質ではないことに着目した。液相における混成固体の膨張は、有機スペーサの長さの作用である。したがって、膨張した形態における三量体間の距離は、フマル酸の場合(MIL−88A)に13.8Åからビフェニル配位子の場合(MIL−88D)に20.5Åまでの範囲である。したがって、膨張した形態の孔径は、7Å(MIL−88A)から16Å(MIL−88D)まで変化する。膨張は、水の存在下におけるMIL−88A固体の例(図24)によって示されるように、可逆的であり、また、Serre et al. J. Am. Chem. Soc., 2005, 127, 16273-16278[参考文献34]に記載のように使用される溶媒の性質に依存する。“呼吸すること”は、呼吸することの間に明らかな結合の切断を起こすことなく、連続的な様式において生じる。しかし、周囲温度に戻ることによって、固体は、再溶媒和によってふたたび膨張し、呼吸することの可逆的な性質を支持している。
構造の構成物である三量体間の配置を詳細に観察すると、三量体のそれぞれは、6つの他の三量体(上部に3つ、下部に3つ)と、ジカルボン酸塩によって結合されており、三量体の両錐ケージを形成している。これらのケージ内における三量体間の結合は、軸cに沿ってのみ生じており、その屈曲性のために、平面(ab)には何ら結合は存在していない(図25)。
Figure 0005756748
実際に、物質に溶媒が挿入されている場合、ケージは、軸cに沿って互いに移動し、方向aおよびbに分かれて移動する三量体にともなって変形し、ケージの全体的な容積を増大させる(図25)。最後に、これらの混成固体の屈曲性は、顕著であるが、特定の重合体の屈曲性には及ばない。主な差異は、重合体が非晶質であり、混成固体の結晶性に関する。最後に、重合体とは異なり、膨張は混成固体において異方的に生じる。
Figure 0005756748
Figure 0005756748
〔実施例4:MIL−100(Fe)〕
カルボン酸鉄のMOF物質MIL−100(Fe)は、トリメシン酸によって結合されているクロムまたは鉄の八面体の三量体から形成されている。これらの三量体が会合して混成の超八面体を形成している(Horcajada et al.[参考文献28])。このようにして、全体が、結晶化されたメソ細孔の構造を生じ、25および29Åの自由に通過できる大きさを有している当該構造のケージが微小孔の窓を介して接触可能である(図19)。生じる細孔容積は、非常に大きく、ほぼ1.2g・cm-1に対して2200m2・g-1の比表面積(BET)である。
この固体の顕著な特徴は、金属中心に配位している水の脱離後における構造の安定性である[参考文献35]。水は、真空下における加熱によって容易に取り出され、不飽和の接触可能な金属中心(配位数5)をもたらす。さらに、真空下において活性化温度が150℃を超えると、鉄(III)から鉄(II)への部分的な還元が生じる。真空下におけるX線熱回折計によって示されるように、この還元は、温度の増大とともに程度を増し、280℃まで構造を不安定化しない(図27B)。かなりの長時間にわたって固体を活性化させることを可能にすることによって、150℃より低い温度において鉄(III)を鉄(II)に還元可能である。もちろん、活性化温度が高いほど、より速く脱水が生じ、より速く還元が生じる(動的作用)。実際に、C3分離は、MOF固体が150℃のHe下において、3時間にわたって活性化される場合と比べて12時間にわたって活性化される場合に、非常に良好である。ある特定の理論に捕らわれることなく、規定の温度における還元の最大レベルに関して、これが間違いなく熱力学によって制御されることを提案し得ると思われる。
MIL−100(Fe)固体の組成は、FeIII 3O(H2O)2F・{C63−(CO232・nH2O(n〜14.5)である。その骨格は、鉄三量体につき1つの補償アニオンを有して、カチオン性である。鉄(III)の鉄(II)への部分的な還元に対するMIL−100(Fe)の安定性は、鉄の還元に対する抱合されているフッ素の脱離によって説明され得る。したがって、三量体につき1つの鉄(II)が、フッ素イオンの脱離と動じに鉄(II)に還元されて、電気的な中性を保持し得ると考えることが全体的に合理的である。空気中において周囲温度に戻ることによって、固体は、鉄に対するOHアニオンの予測される配位をともなって、ふたたび酸化する。この特性は、基本であり、我々の認識においてMOFの分野において独自のものであり:構造の統合性を維持する、真空下における不飽和の金属中心の還元である。
不飽和の鉄(II)および鉄(III)の金属中心は、自然状態において電子を受容し(ルイス酸)、自然状態において電子を供与する分子(ルイス塩基)(例えば、アルケンまたはアルキン)とπ複合体を形成する。このようにして形成された複合体の安定性は、一方でオレフィンの炭素二重結合または炭素三重結合の電子構造、および他方で吸着部位の空の軌道を考慮することによって、デュワー−チャット−ダンカンソンモデル[参考文献9]に基づいて説明され得:アルケンまたはアルキンとの結合は、(i)吸着部位の空の軌道に対する、不飽和炭化水素の結合π軌道の電子の非局在化(σ結合による供与体−受容体相互作用)、および(ii)不飽和炭化水素の非結合π*軌道に対する、吸着部位の部分的に満たされているd軌道の電子の非局在化に関する。鉄(II)は、鉄(III)と比べて、炭化水素とのπ結合を補強し、したがって形成された複合体の安定性を向上させる付加的なd電子を有している。したがって、部分的に還元されたMIL−100(Fe)は、そのような分子とより強固に相互作用し得る(図26)。
〔実施例5:活性化されたMIL−100(Fe)固体における鉄(III)の含有量の決定〕
(活性化)
物質の細孔を空にし(溶媒、残余の酸)、金属の配位部位を開放するために、MIL−100(Fe)物質は、150℃の一次真空下における15時間にわたる加熱によって活性化される。生じる固体は、酸化レベル+IIIにおける鉄のみを含んでいる。
(Fe3+/Fe2+還元)
MIL−100(Fe)物質は、250℃の一次真空下における15時間にわたる加熱によって部分的に還元される。赤外線分光法によって、相対的な鉄(II)/鉄(III)の含有量が20/80%であることを定量できた(図22)。
図22は、実施された熱処理にしたがって活性化されたMIL−100(Fe)固体に存在する配位的に不飽和の鉄の部位の量を示している。MIL−100(Fe)固体は、過剰の真空下(約0.0075×10-5Pa(10-5mmHg))の、異なる温度において異なる期間にわたって活性化される。T(Fe)は、配位的に不飽和な鉄の部位の含有量を表し、T(Fe2+)は、配位的に不飽和なFe2+の部位の含有量を表す(活性化された固体の1グラムごとの不飽和な部位のμmolまたは不飽和な鉄の部位の%)。
不飽和な鉄の部位の量は、100KにおけるCO吸着、これに続く赤外線分光法によって決定される。数値の誤差は、+/−10%と見積もられる。
〔実施例6〜13の破過型試験および熱脱離型試験に使用される実験条件〕
MIL−100(Fe)固体の気体吸着特性が、キャリアガスとしてヘリウムを用いる、等モルの割合におけるC38/C36およびC24/C22の混合物を用いた破過試験を通して、試験された。1.3gの水和されたMIL−100(Fe)固体が、ステンレス鋼(9.5mmの外径および20cmの長さ)のカラムに導入され、圧縮された。カラムは、それから図29に記載の気体分離装置に取り付けられた。分離試験の前に、サンプルは、要求される温度(120〜300℃)の30ml/分のヘリウム流において、10時間にわたって活性化された。次にサンプルは、40℃(または明記する場合には他の温度)まで冷却され、2時間にわたってその温度に維持された。大気圧(1バール)における実験のために、ヘリウムにおけるプロパン/プロピレンの7.4mol%の混合物が30ml/分の一定の流速において、活性化された吸着剤MIL−100(Fe)を含んでいるカラムに導入された。同じ条件が、より高圧(5および8バール)における実験に適用された。カラムから現れる組成は、水素炎イオン化検出器およびキャピラリーカラム(J&W、Alumina、30m×0.55mm)を用いて適合された気相クロマトグラフ(Donam DS6200 GC)を用いて1分ごとに分析された。各気体の濃度は、カラムを通過する前の気体の混合物の浄化の間(特定の放出口)において、同じレベルに標準化された。各破過実験の後に、気体混合物とともに充填された固体に対する温度プログラム化吸着(TPD)実験が、キャリアガスとしてヘリウムを用い、吸着温度から300℃まで10K/分の加熱速度の条件において同じ装置において実施された。
〔重量分析による熱動態平衡における吸着実験に使用される実験条件(実施例6および8)〕
(実験設備の詳細)
共吸着された二元混合物の試験は、2つの気体の組成および平衡の各点について吸着された相の評価を必要とする。ここで使用される設備は、以下の3つの部分:圧力計の導入量系、密度のインシチュ測定に関連する重量測定系、および様々な種類の気体の共吸着を調べることができる気相クロマトグラフから作製されている。
“手製の”圧力計装置の図による描写は、図30に示されている。それは、2つの部分から構成されている。まず、混合物の複合体の調製を可能にする5つ以下の気体のシリンダーが接続され得る。気体は、管に連続的に導入され、混合物が容器に貯蔵される。混合物の均一性を確保するために、電磁攪拌器が容器に配置されている。気体は、標準品質(SQ)(Air Liquide)である。つぎに、少量の気体が、バルブV1、V2およびV7を介して取り出され、それから組成の分析用のクロマトグラフまで通過させる。
このようにして調製された混合物は、バルブD1およびD2を通過して、気体計量システムに注入され得る。10バール未満の圧力が、計量器P14(0.01%の最大測定限界を有しているMensor brand)によって検出され、より高い圧力において、P1は圧力計を保護するために自動的に閉じる。計量系における混合物は、いったん重量測定系に導入される。平衡の間に、気体は、測定系、ならびにこの目的のためにピストンの作用および電磁制御を用いた2つの循環器の周囲に移され得る。測定系は、50バールまで動作し得る。各平衡点において、約0.8cm3の気体が取り出され得、クロマトグラフにふたたび送られ得る。最後に、2つのバルブM1およびM2が、同じサンプルを含んでいる第2の装置(例えば、微小熱量測定器など)へ気体を送る補足的な選択を可能にしている。
重量測定系は、Rubotherm Prazisionsmesstechnik GmbHから購入された。この系は、これまでに説明されている(De Weireld et al.[参考文献38]、Dreisbach et al.[参考文献39])。この場合に、平衡時間は、サンプルの重量が5分間にわたって80mgを超えて変動しないように十分に考慮された。各平衡点において、サンプルおよび装填量の両方は、クロマトグラフに向かって抽出される前に記録されている。試験の温度は、低温温度調節器によって0.01Kの精度において一定に維持された。
脱ガス系は、規定の温度(T<620K)および圧力(0.02mバール)まで16時間にわたって固体を脱ガス可能である“制御温度サンプル分析(SCTA)”と呼ばれる方法(Sorensen et al.[参考文献40])を使用する。
気相クロマトグラフは、Agilent3000、マイクロ−cpgブランドのものである。ここでは、キャリアガスはヘリウムであった。各平衡点において、抽出された気体は、1cm3の容積に導入され、それからクロマトグラフに通される。プログラムCerityは、システムの制御、結果の校正および結果の分析を可能にした。
本試験において、実験は、303KおよびP=30バール以下において実施された。各点において、mtot、吸着された量の合計ntot、圧力の合計ptot、および気相の密度を測定することができた。
〔実施例6、11および14の赤外線実験に関する実験の詳細〕
(サンプルの準備)
サンプルは、自立ディスクの形態に圧縮されている。ディスクは、1.6cmの直径13〜20ミリグラムの重量を有している。ペレット化圧力は、109Paのオーダーである。
(使用される設備)
ペレット化されたサンプルは、実験室において設計された赤外線セルに配置される。セルは、ガス流の下における実験用の金属製のもの(セルの詳細は、T. Lesage, C. Verrier, P. Bazin, J. Saussey, M. Daturi, Phys. Chem. Chem. Phys. 5 (2003) 4435の文献に示されている)、または真空もしくは大気圧より低いガス圧における実験用の石英製のものであり得る。
赤外線スペクトルは、Thermo Fisher Scientificによって製造されている商品名Nexus(登録商標)またはMagna−550(登録商標)のフーリエ変換赤外線分光装置によって記録される。分光装置は、MCT/A型の赤外線検出器に適合されている。赤外線スペクトルは、4cm-1の解像度において記録される。
(使用される気体)
赤外線試験に使用される気体は、高純度のものである:
一酸化炭素:>99.997%の純度のalphagazから供給されているN47型
一酸化窒素:>99.9%の純度、Air Liquide、Franceから供給されている
ヘリウム、窒素、アルゴン:>99.9%の純度、Air Liquideから供給されている。
すべての気体は、分子ふるいおよび/または液体窒素を用いた低温捕捉によってあらかじめ乾燥されている。一酸化窒素は蒸留によって精製されている。
〔実施例6:プロパンおよびプロピレン吸着等温線〕
プロパンおよびプロピレン測定は、熱動態平衡(図10)、周囲温度において1gのMIL−100(Fe)を用いて実施された。最初の測定は、まず120℃の一次真空下(P=1Pa、16時間)において活性化された固体について実施され、ついで2番目の測定が、同じ固体であるがより高い温度において(260℃の一次真空下(P=1Pa、16時間)において)活性化された固体について実施された。120℃の真空下(またはヘリウム流)における固体の活性化が、酸化レベル+IIIの鉄のみを含んでいる固体を生じ、260℃の真空下(またはヘリウム流)における活性化が、鉄(III)および鉄(II)の両方(約20%のFe(II)/鉄(III)の割合)を含んでいる固体を生じることが、赤外線分光法によって示された。鉄の還元の欠如(120℃における活性化)においてプロパンおよびプロピレンに関する吸着等温線に違いはないが、部分的に還元された固体(260℃における活性化)が、プロピレンの吸着された顕著に大きな量をともなって、低レベルの回収(P<0.4バール)における吸着に有意な差を示し、プロピレンに対する鉄(II)のより大きな親和性を示している。
〔実施例7:分離試験〕
50/50のプロパン/プロピレン混合物からの、動的な分離試験(ヘリウム流、プロパンの%=プロピレンの%=3.7mol%)が、それから異なる圧力の合計(1、3および5バール)280℃のヘリウム流(P=100000Pa、16時間)においてあらかじめ活性化された1gのMIL−100(Fe)固体を用いて充填されたカラム(寸法:2m×0.3125cm(1/8インチ))カラムに関して実施された(図11)。
プロパンおよびプロピレンの挙動の間には非常に明確な相違がある。プロパンは、その低い滞留時間から考えて、カラムには実質的に保持されず、プロピレンの滞留時間は非常に高い。さらに、2つの気体の間の滞留時間における差異は、圧力が増加する場合に維持され、明らかな選択性がこの圧力範囲において維持されることを示している。
〔実施例8:熱動態平衡における温度の影響〕
2つの異なる温度(40および100℃)におけるプロパンおよびプロピレン吸着(ヘリウム流、プロパンの%=プロピレンの%=3.7mol%)の測定は、250℃の一次真空下(P=1Pa、19時間)において活性化されたMIL−100(Fe)固体に対する熱動態平衡において実施された(図10)。
〔実施例9:カラム分離における温度の影響〕
プロパン/プロピレン分離(ヘリウム流、プロパンの%=プロピレンの%=3.7mol%)に対する温度の影響が、280℃におけるヘリウム流(P=10000Pa、16時間)の下に部分的に還元された1gのMIL−100(Fe)固体に基づくカラム(寸法:2m×0.3125cm(1/8インチ))において試験された(図13)。2つの気体の滞留時間は、温度の上昇にともなって予想の通り減少し、プロパンの低い滞留時間とプロピレンの高い滞留時間との間の相違が120℃においてさえ維持されると分かったことは興味深い。
〔実施例10:繰返し能試験〕
MIL−100(Fe)固体の統合性が分離試験の後に維持されていることを確認するために、50/50のプロパン/プロピレン混合物のからの動的な分離試験(ヘリウム流、プロパンの%=プロピレンの%=3.7mol%)が、280℃のヘリウム流(P=10000Pa、16時間)においてあらかじめ活性化された1gのMIL−100(Fe)固体を用いて充填されたカラム(寸法:2m×0.3125cm(1/8インチ))について同じ条件において10回にわたって実施された。固体は、各吸着サイクルの間に200℃のヘリウム(P=10000Pa、16時間)を通すことによって、各試験の間において再活性化された。破過曲線は、全体的に十分に重なり、圧力条件におけるプロパン/プロピレン混合物に対する吸着剤MIL−100(Fe)の非常に良好な繰返し能を示している。
〔実施例11:鉄(II)含有量の影響〕
プロパン/プロピレン混合物にとっての動的な分離(ヘリウム流、プロパンの%=プロピレンの%=3.7mol%)の特性に対する鉄(II)の含有量の影響が、異なる温度(100〜300℃)のヘリウム流において活性化された1グラムのMIL−100(Fe)固体を用いて充填したカラム(寸法:2m×0.3125cm(1/8インチ))について試験された(図15)。活性化温度が150℃を超える場合に鉄(II)の含有量が活性化温度とほとんど直線的に変化したことが思い起こされるだろう(実施例5、図22を参照)。
ごくわずかな鉄(II)を含んでいるか、または鉄(II)を含んでいない、100℃において活性化された固体は、プロパンおよびプロピレンの間における滞留時間の有意な差を示さず、熱動態平衡において得られた結果を支持している(実施例6)。より高い温度(150〜180℃)において活性化された固体は、温度とともに、プロパンおよびプロピレンの間における滞留時間の差の増大を示し、MIL−100(Fe)固体における鉄(II)の含有量の増加を受けて、プロピレンに対するMIL−100(Fe)の親和性の増加と一致している。プロパンおよびプロピレンの間の選択性は、この物質の活性化温度に応じて変化する。300℃における固体の活性化は、プロパンおよびプロピレンにとっての滞留時間の間には実質的に差がないこと、すなわち選択性がないことを示している。MIL−100(Fe)が280℃の活性化温度(一次真空)を超えると変質することが、真空下におけるX線熱回折によって示されており(図4参照)、これらの条件において吸着が起こらないことを示している。
〔実施例12:再生〕
カラム(寸法:2m×0.3125cm(1/8インチ))に対するプロパン/プロピレン混合物の吸着(ヘリウム流、プロパンの%=プロピレンの%=3.7mol%)の後における、280℃のヘリウム流において活性化されたMIL−100(Fe)の再生が、熱脱離によって試験された。非常に少量が存在するプロパンは、低温(<100℃)において脱離される。より強く吸着されているプロピレンは、70〜200℃の間において遊離され(図16)、部分的に還元されているMIL−100(Fe)とプロピレンとの間にのより強固な相互作用を支持している。
〔実施例13:気体炭化水素の混合物のパルス分離〕
キャリアガスにおける50/50のプロパン/プロピレンの混合物および50/50のn−ブタン/イソ−ブテンの混合物(窒素における1重量%)が、280℃のヘリウム流(P=10000Pa、期間:16時間)においてあらかじめ還元された1グラムのMIL−100(Fe)固体を用いて充填されたカラム(寸法:2m×0.3125cm(1/8インチ))に対して、周囲温度においてパルスとして導入された。各気体の割合が、カラムからの発生に関してガスクロマトグラフィーによって分析された。これらの2つの混合物に関して、オレフィンの大きさとともに増大する差異を有して、アルカンがアルキンより低い滞留時間を示すことが明らかである(図17)。実際にn−ブタン/イソ−ブテンの混合物(パルス化された)は、プロパン/プロピレンの混合物と同様にして分離されるが、3つの炭素を有している炭化水素と比べて、4つの炭素を有している炭化水素によって典型的に生成されるより強い相互作用と一致して、より高い滞留時間を有している([参考文献43](a) Denayer, J. F. M., De Meyer, K., Martens, J. A., Baron, G. V. Angew. Chem., Int. Ed. 2003, 42, 2774-2777. (b) Denayer, J. F. M., Ocakoglu, R. A., Arik, I. C., Kirschhock, C. E. A., Martens, J. A., Baron, G. V. Angew. Chem., Int. Ed. 2005, 44, 400-403)。
さらに、MIL−100(Fe)固体に吸着されるプロパンおよびプロペンの相対的な量が、この固体(同じ条件、ヘリウム流、P=10000Pa、16時間)の活性化温度に応じて決定された(図15)。プロパンに対するプロパンの相対的な割合は、活性化温度が280℃である場合に固体に保持されるプロパンが最大になるように、温度(100〜280℃)に応じて増加することが明らかに認められ得、300℃において骨格の崩壊をともなって、固体がプロパンおよびプロピレンをほとんど吸着しなくなることと一致している。
〔実施例14:低いブレンステッド酸性度〕
MIL−100(Fe)の系に対するこれまでの研究によって、水の吸着によってブレンステッド酸部位に転換される多数のルイス酸部位の存在が示された(Vimont et al.[参考文献35(a)])。わずかに校正されたCOの量の添加によって、類似の酸性度、全体的にむしろ弱い2種の水分子の存在が確認された。異なる塩基性のアルコールの導入によって、ブレンステッド酸部位の強度は、配位している分子の性質に依存し、プロトン性の種の塩基性とともに増加することが証明された(図28)。
補完的な研究によって、MIL−100(Fe)固体は、MIL−100(Cr)固体とほとんど同じ程度に酸性(ブレンステッド酸性度)であることが示されている(Vimont et al.[参考文献35(b)]を参照)。
したがって、プロトン供与分子(例えば、水)の配位によってブレンステッド酸に転換され得る場合であっても、MIL−100(Fe)は、ルイス酸中心である不飽和の金属中心(鉄、バナジウム)を有している(Vimont et al.[参考文献35(b)])が、同種のMOF物質MIL−100(Cr)におけるCO吸着によって測定される酸性度があまり強くはなく、MIL−100(Fe)の場合も同じであると予想される。このブレンステッド酸性度は、MOF物質の細孔における不飽和の炭化水素(例えば、プロピレン)の任意の重合体化を引き起こすか、または誘発させるには不十分である。温度に応じたプロペンの非重合体化の試験によって、200℃未満の温度に関して重合体化が起こらないことが確認されている。
〔実施例15:アセチレン/エチレン分離〕
分離の開始(時間<20分)において、エチレンより遅れてアセチレンがカラムから現れることが観察されており、アルケンと比べてアルキンの滞留時間が大きいことを示している(図34)。より後の時間(t>20分)において、2つの種は、同様に保持されており、競合的な吸着を示している。
アセチレンおよびエチレンの間の挙動における差異を理解するために、熱脱離実験(温度に応じた脱離)が、上述のように規定されている条件においてアセチレン/エチレンの気体混合物の通過後におけるMIL−100(Fe)固体を利用して、実施された。
〔実施例16:アセチレン/エチレン熱脱離曲線〕
ここでは、我々は、無視できない量のアセチレンがエチレンの大部分と同時に脱離するにもかかわらず、MIL−100(Fe)に吸着されているアセチレンの大部分がアセチレンよりも高い温度において物質から離れることを観察している。これは、吸着部位の不均一性を示している。間違いなく、強力な吸着部位は、アルキンに対する逆供与部位によって相互作用しており、不飽和のFe(II)部位と一致しており、ルイス酸部位であるFe(III)は、同じ強度の相互作用を有してアルケンおよびアルキンを吸着している。
〔実施例18:アセチレン/エチレン分離〕
実施例15の実験は、異なる実験条件(すなわち直径3/8インチのチューブにおける0.5g(1/8インチのチューブにおける0.15gに代えて)のMIL−100(Fe)固体)を用いて繰り返された(図34)。
分離の開始(時間<35分)において、エチレンより遅れてアセチレンがカラムから現れることが観察されており、アルケンと比べてアルキンの非常に高い滞留時間を示している。より後の時間(t>40分)において2つの種は、同様に保持されており、競合的な吸着を示している(図34)。
〔実施例19:アセチレン/エチレン熱脱離曲線〕
アセチレンおよびエチレンの間における挙動の差異を理解するために、熱脱離試験(温度に応じた脱離)が、上述のように規定されている条件においてアセチレン/エチレンの気体混合物の通過後におけるMIL−100(Fe)固体を利用して、実施された(図35)。
図35は、MIL−100(Fe)に吸着されているアセチレンのほとんどがエチレンより高い温度(T=40〜200℃、135℃において脱離が最大になる)において物質から離れ、一方で最初に吸着されているエチレンのわずかな部分がより低い温度(T=40〜140℃、90℃において脱離が最大になる)において脱離されることを示している。これは、良好なアセチレン/エチレンの選択性だけでなく吸着部位の均一性を同時に示している。間違いなく、強力な吸着部位はアルキンに対する逆供与作用によって相互作用しており、不飽和のFe(II)部位と一致しており、ルイス酸部位であるFe(III)は不良な選択性を有してアルケンおよびアルキンを吸着している。
〔実施例17:C4炭化水素の気体混合物のパルス分離〕
キャリアガスにおける50/50のプロパン/プロピレンの混合物および50/50のn−ブタン/イソ−ブテンの混合物(窒素における1重量%)が、280℃のヘリウム流(P=10000Pa、期間:16時間)においてあらかじめ脱水され、還元された2.2グラムのMIL−100(Fe)固体を用いて充填されたカラム(寸法:2m×0.3125cm(1/8インチ))に対して、周囲温度においてパルスとして導入された。各ガスの比率は、カラムからの出現についてガスクロマトグラフィーによって分析された。この混合物に関して、カラムに最も少なく保持される種がアルケン(ブテン)だけではなく、滞留時間の有意な差を用いてブテンの異なる異性体も分離可能であることは明らかである(図36)。
〔実施例18:COおよびCO2の吸着等温線〕
COおよびCO2の吸着の測定が、熱動態平衡(37図)、周囲温度において1gのMIL−100(Fe)を用いて実施された。最初の測定は、まず100℃の一次真空下(P=1Pa、16時間)において活性化された固体について実施され、ついで2番目の測定が、同じ固体であるがより高い温度において(260℃の一次真空下(P=1Pa、16時間)において)活性化された固体について実施された。鉄の還元の欠如(100℃における活性化)において、吸着されるCO2の量がCOと比べてはるかに大きく、部分的に還元された固体(260℃における活性化)が、COの量の非常に大きな増大、およびCO2の量のより少ない増大を示す。低い圧力(P<0.2バール)において、吸着されるCOの量は、吸着されるCO2の量よりはるかに大きいか、または吸着されるCO2の量と同等である。
〔実施例19:MIL−100(Fe)の活性化温度に応じた選択性〕
カラム(寸法:2m×0.3125cm(1/8インチ))、および異なる温度のヘリウム流において活性化された1グラムのMIL−100(Fe)における50/50のプロパン/プロピレン混合物を用いた動的な分離試験(ヘリウム流、プロパンの%=プロピレンの%=0.37mol%)の結果に基づいて、選択性の算出が実施された(図38)。
算出は、熱脱離試験の間に脱離された気体の量に基づいてなされた。これらの2つの気体が理想気体として振舞うものと仮定して、選択性は、プロピレンのモル数/プロパンおよびプロピレンの総モル数の比である(Newalkar, B. L., Choudary, N. V., Turaga, U. T., Vijayalakshimi, R. P., Kumar, P., Komarneni, S., Bhat, S. G. T. Chem. Mater.2003, 15, 1474[参考文献46]を参照)。
プロパンの含有量および選択性(吸着されたプロパン/プロピレンの比)は、活性化温度とともに1から4.8まで増大し、280℃において最大になる(図38)。これを超えると、物質は変質し、まったく選択性がなくなる。
〔実施例20:NH4Fを用いた前処理によるMOF MIL−100(Fe)固体の“前活性化”〕
MOF MIL−100(Fe)固体は、実施例1の(a)にしたがって調製される。
固体は、70℃において24時間にわたって1mol/lのNH4F水溶液に分散され、直ちに熱ろ過され、熱水を用いて洗浄される。固体は、最後に100℃のオーブンにおいて一晩にわたって乾燥される。
“前活性化”のこの形態は本願に説明されているMOF固体のすべてに適用可能である。
固体は、それから、通常の活性化段階(例えば、250℃の二次真空における3〜12時間にわたる加熱処理)に供される。
NH4Fを用いてあらかじめ処理されたMOF MIL−100(Fe)固体の特性および分離能が試験された(図57〜67)。
NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体による、40℃におけるプロパン/プロピレン吸着等温線が図57に示されている。固体は、250℃の一次真空下において12時間にわたって活性化され、SBET=2340m2/gの比表面積を有している。
図58は、異なる温度における、プロパン(図の左)およびプロピレン(図の右)の吸着等温線を示している。これは、NH4Fを用いて前処理され、250℃の一次真空下において活性化された(12時間)MIL−100(Fe)に関する。
図59は、NH4Fを用いて前処理され、250℃のヘリウム下において活性化された(3時間)MIL−100(Fe)固体上における、ヘリウム流における等モルのプロパン/プロピレン混合物に関する、温度に応じた、P(部分)=5kPaにおけるプロパン/プロピレン分離の選択性を示している。5kPaの固定された分圧において、選択性は、温度に応じて増加し、40℃において約7.8から120℃において16.2まで推移することが観察されている。
図60は、NH4Fを用いて前処理され、250℃の二次真空下において12時間にわたって脱ガスされたMIL−100(Fe)固体に関するプロパンおよびプロピレンの吸着熱を示している。図の左:図58の等温線から算出された値(クラウジウス クラペイロンの方法)、図の右:250℃の二次真空下における12時間にわたる活性化後のMIL−100(Fe)固体における、プロパンおよびプロピレン吸着の303Kにおける吸着等温線および熱。
図61は、NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体に対する、水素流(10〜20%のヘリウムにおける)における3時間にわたる活性の影響を示している。水素は、工業用ガスにしばしば存在しており、イオンドープされたシリカにおける金属銀または金属銅をAg+またはCu+に還元して吸着剤を不活性化し得る。この場合において相当量の割合の水素を含んでいる、120℃の流れにおける処理の後に、プロパン/プロピレンの選択性に関する変化が、水素の存在下における活性化または吸着の前後において観察されず、この吸着剤が水素の存在下において不活性化されないことを示している。
吸着剤は、気体の分離または吸着において粉末の形態として使用され得ない。したがって、吸着剤を顆粒または押出物の形態に成型することが重要である。これは、吸着剤の特性の大きな変化をしばしば生じる。NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)の場合に、この固体のペレットは、赤外線分光法のためのペレットを作製するために典型的に使用される圧縮(2分間にわたる75Kgf/cm2の圧力)を用いて作製される。このようにして形成された顆粒の比表面積は、1950m2・g-1であり、それらの大きさは1mmである。250℃のヘリウム流において3時間にわたって活性化された固体に関するプロパン/プロピレン破過曲線は、同じサンプルの粉末から得られる破過曲線と同様であり、したがって、MIL−100(Fe)の分離特性が成型後に変化しないことを支持する(図62)。
図63Aは、ヘリウムにおける異なる分圧の等モル混合物、およびNH4Fを用いて前処理され、250℃のヘリウム流において3時間にわたって脱ガスされ(SBET=2300m2/g)、顆粒の形態に成型された(粒径:1mm、SBET=1900m2/g)MIL−100(Fe)固体から得られる、40℃におけるプロパン/プロピレンの破過曲線を示している。
図63Bは、吸着等温線に基づいて成型された固体(250℃の真空下において12時間にわたって活性化された固体)、または破過曲線に基づいて成型された固体(250℃のヘリウム流において12時間にわたって活性化された固体)を用いて得られる、プロパン/プロピレン選択性の比較を示している。
図63Cは、成型された固体から得られる40℃におけるプロパン/プロピレンの吸着等温線を示している。
図64は、NH4Fを用いて前処理され、250℃のヘリウム流において一晩にわたって脱ガスされたMIL−100(Fe)固体の再生の影響を示している。5kPaの圧力におけるプロパン/プロピレン混合物は、活性化されたMIL−100(Fe)を含んでいるカラムに、吸着が飽和するまで40℃において通される。固体は、それから30cc/分の流速を有するヘリウム流、40℃において再生される。40℃における脱離曲線によって示されているように、プロパンは50分間未満において全体的に脱離され、プロピレンは250分において全体的に取り除かれる。
図65は、200℃、1時間にわたる30cc/分(図の左)または40℃、2時間にわたる100ml/分(図の右)の流速を有しているヘリウム流における再生(NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体)をともなった、繰返しの破過曲線を示している。第1の再生後のプロピレンに対する選択性(または吸着能)のわずかな損失を除いて、ヘリウム流における再生が非常に有効であることは明らかである。
図66は、NH4Fを用いて前処理され、3時間にわたって250℃のヘリウム流において一晩にわたって脱ガスされたMIL−100(Fe)固体の再生の影響を示している。5kPaの圧力におけるプロパン/プロピレン混合物は、MIL−100(Fe)を含んでいるカラムに、吸着が飽和するまで80℃において通される。固体は、それから100cc/分の流速を有する80℃のヘリウム流において再生される。80℃における脱離曲線(図の左)によって示されるように、5分未満において全体的に脱離され、プロピレンは46分において全体的に取り除かれる。したがって、温度およびヘリウムの流速の向上によってMIL−100(Fe)カラムの再生時間の有意な短縮が可能である。つぎに、図の右は、100cc/分の流速を有する80℃のヘリウム下における2時間にわたる再生(NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体)を用いた、繰返しの破過曲線を示している。第1の再生後のプロピレンまたはプロパンのいずれに関しても選択性(または吸着能)の損失は観察されず、2時間にわたる80℃のヘリウム流における再生が非常に有効であることは明らかである。
図67は、NH4Fを用いて前処理され、250℃のヘリウム流において3時間にわたって活性化されたMIL−100(Fe)固体を用いた、プロパン/プロピレン混合物の破過曲線(40および80℃)におけるデータから測定されたプロパン/プロピレンの選択性を示している。比較によって、250℃の二次真空下において12時間にわたって活性化された同じ固体から得られた吸着等温線(40℃)から推測された選択性が付される。先ず、始めに、破過曲線から推測される選択性が、純物質の吸着等温線から得られる選択性よりもわずかに大きいことが観察され、つづいて温度の上昇が、プロピレン/プロパンの選択性の値を向上し得ることが観察される。
〔実施例21:CPO−27(Ni)におけるプロパン−プロピレン吸着等温線〕
CPO−27(Ni)またはNi2[C62(OH)2−(CO22](H2O)2・8H2Oの合成が、“Hydrogen adsorption in a nickel based coordination polymer with open metal sites in the cylindrical cavities of the desolvated framework”P.D.C. Dietzel, B. Panella, M. Hirscher, R. Blom, H. Fjellvag, Chem. Commun., 2006, 959-961[参考文献53]に報告されている。
プロパンおよびプロピレンの吸着の測定が、250℃の一次真空下においてあらかじめ活性化された(P=1Pa、16時間)1gのCPO−27(Ni)固体について40℃、熱動態平衡において実施された(図53)。
プロパンおよびプロピレン吸着の等温線のプロファイルは、吸着された気体の量の間に、プロパンおよびプロピレンのそれぞれに関して125および150mL/gという小さな差を示している(図53)。プロパン−プロピレンの選択性は、低圧(1mmHg)において10の値を有している。一方で、15mmHgを超える圧力において、選択性は1.5まで変化する。
〔実施例22:CPO−27(Fe)におけるプロパン−プロピレン吸着等温線〕
プロパンおよびプロピレンの吸着の測定は、異なる温度(20、50、100、150、200、250℃)の一次真空下においてあらかじめ活性化されたCPO−27(Fe)に関して、40℃、熱動態平衡において実施され得る。
プロパンおよびプロピレンの吸着等温線の予想されるプロファイルは、低圧およびより高い値の圧力におけるより高いプロパン−プロピレンの選択性を有して、Ni化合物のプロファイル(これまでの実施例に示されている)と非常に類似しているであろう。
〔実施例23:MIL−127(Fe)におけるプロパン−プロピレン吸着等温線〕
プロパンおよびプロピレンの吸着の測定が、150℃(図54)および250℃(図55)の一次真空下においてあらかじめ活性化された(P=1Pa、16時間)1gのMIL−127(Fe)固体について40℃、熱動態平衡において実施された。
プロパンおよびプロピレンの吸着等温線のプロファイルは、150℃および250℃において脱ガスされた物質の両方において、非常に類似している。観察されるプロパン−プロピレンの選択性は非常に低い(1.2)。選択性は、圧力にともなう有意な変化を示さない。
〔実施例24:2つの方法によって活性化されたフッ素化されている異なるMIL−100(Fe)、フッ素化されていないMIL−100(Fe)およびMIL−127(Fe)の還元の比較〕
種々の固体の還元レベルが、実施例5にしたがって赤外線によるCO気体吸収によって決定された。したがって、還元は、異なる温度(150〜250℃)の一次真空下において種々の時間(3〜12時間)にわたってあらかじめ処理された固体について試験された。
以下の物質が比較された:
(a)水またはエタノールにおいて3時間にわたって還流しながらあらかじめ前処理された、フッ素化されているMIL−100(Fe)固体(X=F、図22)
(b)水またはエタノールにおいて3時間にわたって還流しながらあらかじめ前処理された、フッ素化されていないMIL−100(Fe)固体(X=OH、Cl)
(c)NH4Fの溶液において前処理された、フッ素化されているMIL−100(Fe)
(d)MIL−127(Fe)固体。
(c)の前処理のために、固体は、70℃において24時間にわたって、1mol/lのNH4F水溶液に分散され、直ちに熱ろ過され、熱水を用いて洗浄される。最後に、固体は、100℃のオーブンにおいて一晩にわたって乾燥される。
この試験は、フッ素化されているMIL−100(Fe)もしくはFe3O[C63−(CO232・X・nH2O(X=F、図22)、またはフッ素化されていない(X=OH、Cl)MIL−100(Fe)固体(いずれも水またはエタノールにおいて3時間にわたって還流しながらあらかじめ前処理されている)、ならびにNH4Fの溶液において前処理されたフッ素化されているMIL−100(Fe)の合成におけるフッ素の存在または非存在の影響の比較を同じ構造について可能にする。
実施例5に述べられているように、温度の上昇は、鉄の還元に対して明らかな影響を有している。図56によって示されるように、250℃付近の最適な温度(12時間にわたる真空条件)が、MIL−100(Fe)物質およびMIL−127の両方について観察される。
NH4Fを用いた処理は、より有効であると見出され、水における還流によって前処理されたFあり、またはなしのMIL−100(Fe)固体(約13〜15%)よりも高い還元値(約18%)を示している。
さらに、MIL−127固体は、240℃の真空下において活性化されている場合に、非常に高い鉄の還元を示した(30%近く)。
〔実施例25:MIL−100における微小熱量測定ならびにプロパン/プロピレンおよびCO/CO2の吸着等温線〕
プロパン/プロピレンの吸着、CO/CO2の吸着および吸着熱の測定が、100℃または250℃(0.2℃/分の直線的な増加であり、それから12時間後に最終温度に到達する)の二次真空下(10−5mバール)において活性化されたMIL−100(Fe)固体を用いた、周囲温度の熱動態平衡において実施された。実験は、1バール以下の圧力の量の気体を用いて実施された。
これらの測定に使用された器具は、P. L. Llewellyn & G. Maurin, C.R. Chimie, 8, 283-302 (2005)[参考文献55]に記載されている。図68に図式的に示されている手製の気相の吸着微小熱量計が、気体吸着の容積測定器具(Micrometritics ASAP 2010)と連結されている。したがって、気体の吸着および微小熱量の測定は同時に実施された。
(プロパン/プロピレン)
物質MIL−100(Fe)は、250℃の真空下における処理の後に部分的に還元され、調査された圧力範囲の全体にわたって良好なプロパン/プロピレンの選択性を示す(図69)。したがって、低圧(5mmHg)および7.5mmHgの値において、増加する圧力(4〜200mmHgまたは3〜30mmHg)にともない低下。プロピレンの吸着のエンタルピーは、プロパンに関して観察されるエンタルピーよりも大きい(−30KJ/mol)が、プロパンと比べて不飽和の金属部位とプロピレンのはるかに大きな相互作用と一致して、低圧において非常に顕著なエネルギーの差(−65KJ/mol)をともなう。
プロピレンの吸着および吸着の熱に対する、前処理温度の影響が、試験された(図70)。250℃において活性化された(一次真空下において16時間にわたって)MIL−100(Fe)固体は、100℃の同じ条件(一次真空下において16時間にわたって)において活性化された物質よりはるかに大量のプロピレンを吸着し、活性化温度が上昇する場合のより高い吸着の熱と一致する。これは、不飽和の金属部位Fe3+と比べて逆供与作用によってプロピレンとより強く相互作用する不飽和の金属部位Fe2+の存在に起因している。
(CO/CO2
100℃の真空下における活性化後の物質MIL−100(Fe)は、約7のCO2/CO選択性を示す(図71)。しかし、CO2の吸着のエンタルピー(28.4kJ/mol)は、COについてのエンタルピー(34.5kJ/mol)よりわずかに低い。これは、COが不飽和の金属部位とのみ相互作用する一方で、CO2がより多くの数の部位(金属、芳香族環、カルボン酸塩の酸素、・・・)と相互作用し得るからである。
表13は、気体−固体相互作用のみを定量するように、ゼロ回帰(zero recovery)レベルまで推定された吸着のエンタルピー(kJ/mol)を示している(+/−0.2kJ/molの測定誤差)。
Figure 0005756748
〔実施例26:FeII部位の逆提供(retrodonate)特性に対する配位子の性質の影響〕
配位的に不飽和のFe(II)部位に対して配位されているニトロシル種のνNOの伸縮バンドの位置は、NO分子および金属部位の間の相互作用の強度を反映している。波数が低いほど、逆供与に関する相互作用がより強力になるだろう(A.A. Davidov, Infrared Spectroscopy of Adsorbed Species on the Surface of Transition Metal Oxides, Wiley Interscience, 1990 p123-130 chapter 2[参考文献58])。この相互作用は、有機配位子の性質によって調節され得る(Structure and nuclearity of active sites in Fe-zeolites: comparison with iron sites in enzymes and homogeneous catalysts Adriano Zecchina, Mickael Rivallan, Gloria Berlier, Carlo Lamberti, Gabriele Ricchiardi, Phys. Chem. Chem. Phys., 2007, (27), 3483-3499[参考文献56])。図72は、鉄(II)に対するニトロシル種のνNOバンドの位置が使用される配位子および構造に依存していることを示している。MIL−127(Fe)に関して、NOバンドのより低い値は、他の固体に対するよりも大きい逆供与作用を反映している。
〔実施例27:H2/CO2/CO混合物の精製に対するFeII含有量の影響〕
MIL−127固体(Fe)は、赤外線セルにおいてペレット化され、それから150℃または250℃のアルゴン流(20cc/分)において3時間にわたって加熱された。
固体は、それからアルゴン(48%容積)、H2(50%)、CO2(1%)およびCO(1%)からなる流れに、30℃において供された。図73は、CO2が150℃および250℃において活性化された固体に吸着され(2339cm-1におけるバンド)、250℃における活性化のみが表面に対するCOの吸着を生じる(2339cm-1におけるバンド)ことを示している。ν(CO)のバンド(2164cm-1)の位置は、FeII部位に配位しているCOに特徴的である。この結果は、H2/CO2/CO流における固体が、FeII部位を示している場合に、COに対するより強い親和性を有していることを示している。したがって、あらかじめ還元された固体は、水素精製過程においてより良好な性質を示すであろう。
〔実施例28:MIL−100(Fe)のプロピン(C34)への親和性に対する、FeII含有量の影響〕
NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体は、石英製の赤外線セルに入れられ、それから3時間にわたる150℃、または12時間にわたる250℃の二次真空下において活性化された。固体は、30℃において増加しているプロピンの圧力と接触させられた。吸着されたプロピンの量は、赤外線分光法および容積測定法によって同時に測定された(図74)。図74および図75は、250℃において還元された固体が非常に低い圧力(0−1mmHg)においてプロピンをより吸着することを示している。図76は、プロピンが低い圧力において鉄(II)部位に対して好ましく吸着されることを示している。
〔実施例29:MIL−100(Fe)のプロペン(C36)への親和性に対する、FeII含有量の影響〕
フッ素化されているMIL−100(Fe)固体(X=F)は、石英製の赤外線セルに入れられ、それから12時間にわたる150℃、または12時間にわたる250℃の二次真空下において活性化された。固体は、30℃において増加しているプロピンの圧力と接触させられた。気相における圧力に応じて鉄IIに吸着されたプロペンの量は、赤外線分光法によって定量的に見積もられた(図77)。Fe(II)部位に吸着された量は、250℃(0〜20mmHgの範囲)において活性化された固体に関して顕著に高い。
〔実施例30:Coに基づくMOFの還元〕
PIZA−1と名付けられた多孔質のコバルト(III)金属ポルフィリン[CoT(p−CO2)PPCol.5]の合成が、“A functional zeolite analogue assembled from metalloporphyrins”M.E. Kosal, J-H Chou, S. R. Wilson, K. S. Suslick, Nature, 2002, 1, 118-121[参考文献52]に報告された。
コバルト(III)のコバルト(II)への還元は、例えば、以下の2つの方法によって実施され得る。
還元ガス(He、H2)の存在下において、200mgの固体が、種々の流速(0.01〜10mL/分)のガス流が通されるカラムに配置される。
200mgの固体が、一次真空下(10-2バール)においてスリンクライン(slink line)に配置され、異なる温度(50〜250℃)に24時間にわたって加熱される。
このようにして還元された固体は、気体の分離に使用され得る。
〔実施例31:スペーサ(酸化還元配位子):MIL−88B−2OHの酸化による電荷補償を用いたMOFの金属の還元〕
多孔質のMOF固体の還元は、金属の対イオンの損失による電荷補償の変更によって実施され得るが、また、酸化還元配位子を用いた有機配位子の酸化によって実施され得る。したがって、MOFにおける酸化還元配位子の存在は、気体の分離のためのMOFの還元に有用であり得る。
例えば鉄カルボン酸塩であるMIL−88B−2OH(Fe)、Fe3O[C62−(CO223・X・nH2O(X=F、Cl、OH)において、有機配位子は、2,5−ジヒドロキソテレフタル酸である。この配位子は、その還元された形態(すなわちヒドロキノン)またはその酸化された形態(キノン)において存在し得る。
Figure 0005756748
(MIL−88B−2OH(Fe)固体の合成:実施例1の項目(j)を参照)
MIL−88B−2OH(Fe)の還元:
鉄(III)から鉄(II)への還元は、例えば以下の2つの方法による酸化還元配位子、2,5−ジヒドロキソテレフタル酸の酸化によって実施される。
100mgのMIL−88B−2OH(Fe)が、種々の流速(0.01〜10mL/分)の還元ガス(He、H2)流が2〜48時間にわたって通されるカラムに配置される。
200mgの固体が、一次真空下(10-2バール)においてスリンクラインに配置され、異なる温度(50〜250℃)に24時間にわたって加熱される。
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MIL−100(Fe)固体のX線回折ダイアグラムを示している図である。 MIL−100(Fe)固体の、77Kにおける窒素吸着等温線を示している図である。 化合物MIL−100(Fe)の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)を示している図である。 MIL−101(Fe)固体のX線回折ダイアグラム(λCu=1.5406Å)を示している図である。 化合物MIL−101(Fe)の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)を示している図である。 未処理のMIL−102(Fe)固体(曲線(a))および基準のMIL−102(Fe)固体(曲線(b))のX線回折ダイアグラムを示している図である。 未処理の合成化合物のMIL−102(Fe)の熱重量分析(空気中)を示している図である。 未処理(曲線(b)、下)および水和(曲線(c)、上)のMIL−88B−4CH3(Fe)固体のX線回折ダイアグラムを示している図である。 水和化合物MIL−88B−4CH3(Fe)の熱重量分析(空気中、2℃/分の加熱速度)を示している図である。 120℃において活性化されたMIL−100(Fe)(鉄(III))を用いた303Kにおけるプロパン/プロピレン吸着等温線を示している図である。 260℃において活性化されたMIL−100(Fe)(鉄(II)/鉄(III))を用いた303Kにおけるプロパン/プロピレン吸着等温線を示している図である。 NH4Fを用いて前処理され、ヘリウム存在下の250℃において活性化された(3時間)MIL−100(Fe)固体を用いた、プロパンおよびプロピレンの50/50混合物の、2.5、5、10、15および20kPa、40℃における破過曲線:プロパン/プロピレン分離に対する分圧の影響を示している図である。 真空条件の250℃において活性化されたMIL−100(Fe)固体における、40℃および100℃におけるプロパンおよびプロピレンの吸収等温線を示している(中空き:プロピレン、塗りつぶし:プロパン)図である。 NH4Fを用いて前処理され、ヘリウム存在下の250℃において活性化された(3時間)MIL−100(Fe)固体を用いた、異なる温度におけるプロパンおよびプロピレンの50/50混合物の5kPaにおける破過曲線:プロパン/プロピレン分離における、異なる温度に応じたプロパン/プロピレン分離(等モルのプロパン/プロピレン混合物のP=5kPa、ヘリウム中)を示している(中空き:プロピレン、塗りつぶし:プロパン)図である。 ヘリウム流の下に280℃において活性化されたMIL−100(Fe)固体を用いた、298Kにおけるプロパンおよびプロピレンの50/50混合物の1バールにおける繰返し能試験の破過曲線を示している(中空き:プロピレン、塗りつぶし:プロパン)図である。 NH4Fを用いて前処理され、ヘリウム存在下の異なる温度において活性化されたMIL−100(Fe)固体を用いた、40℃におけるプロパンおよびプロピレンの50/50混合物の5kPaにおける破過曲線:40℃におけるプロパン/プロピレン分離(合計のプロパン+プロピレンの分圧(等モル混合物)=5kPa)に対するヘリウム存在下の活性化温度(3時間)の影響を示している(中空き:プロピレン、塗りつぶし:プロパン)図である。 NH4Fを用いて前処理され、(a)ヘリウム存在下の250℃において(3時間)か、または(b)二次真空条件において12時間にわたって活性化された、MIL−100(Fe)固体におけるプロパン/プロピレンの熱脱離(プロパン/プロピレンの等モル混合物のヘリウムにおける分圧=5kPa)を示している図である。 280℃において活性化されたMIL−100(Fe)に関する、298Kにおけるアルカンおよびアルケンの50/50混合物(窒素の存在下において1重量%)のパルスの分離を示している図である。 MIL−100(Fe)固体の構造を示している図である。 真空下における活性化後の、MIL−100(Fe)の五角形および六角形の窓を示している図である。 3,5,3’,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸の調製のための反応手順を示している図である。 3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸の調製のための反応手順を示している図である。 真空条件の異なる温度において活性化された、フッ素化MIL−100(Fe)(X=F)に存在する不飽和鉄の部位の量を示している図である。 MIL−88A、MIL−88B、MIL−88C、MIL−88DおよびMIL−89固体における呼吸(膨張および収縮)現象の模式図を示している。乾燥形態(上)および開放形態(下)の間における膨張の大きさが図面の脚部に%として示されている図である。 上段、X線回折によるMIL−88Aの膨張(〜1.79Å)の可逆性の試験、および下段、溶媒の存在下におけるMIL−88A固体のX線回折ダイアグラム(〜1.5406Å)を示している図である。 混合相のMIL−53(a)およびMIL−88(bおよびc)における屈曲性の説明図である。 MIL−100(Fe)固体の活性化の要約図である。 メスバウアー分光法による真空下における活性化温度に応じたMIL−100(Fe)における鉄(III)のレベルの変動を示すグラフである。 MIL−100(Fe)固体のX線回折ダイアグラム(真空下におけるX線熱回折)を示している(λCu=1.5406Å)図である。 COの吸着後における、IRによって分析されたMIL−100(Cr)にグラフト接合された異なる種のOH基のブレンステッド酸強度のグラフ:ν(OH)置換の間の相関、H0およびν(CO)位の値を示している図である。 実施例6〜13のカラム分離試験に使用された実験設備の要約図である。 実施例6および8に使用された量の気体を導入するためのマノメータシステムの模式図である。 上段:混成超テトラヘドロンおよび最後に大孔径の混成ゼオライト構造を形成するための、鉄のオクタヘドラの三量体および1,4−ベンゼンジカルボン酸に由来するMIL−101固体の構造、下段:多孔質の骨格、および開放された容積を有している2種類のメソ細孔ケージの代表の模式図である。 MOF固体の構造を示している図である。 MOF固体MIL−88B_4CH3(Fe)の構造を示している図である。 ヘリウム流の下に270℃において活性化されたMIL−100(Fe)を用いた、アセチレンおよびエチレンの50/50混合物の1バールおよび40℃における破過曲線を示している図である。 40℃における50/50の比率における1バールのアセチレンおよびエチレンに供され、ヘリウム流の下に270℃において活性化されたMIL−100(Fe)固体からの、アセチレン/エチレン混合物の熱脱離曲線を示している図である。 C4異性体の混合物のパルス分離(40℃)を示している図である。 100℃において活性化されたMIL−100(Fe)(鉄(III))および260℃において活性化されたMIL−100(Fe)(鉄(II)/鉄(III))を用いた、303KにおけるCO/CO2吸着等温線を示している(CO2:上部における2つの曲線、CO:下部における曲線)図である。 NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体の、ヘリウム存在下における活性化温度に応じたプロピレン/プロパン選択性:40℃におけるプロパン/プロピレン分離(プロパン+プロピレンの合計の分圧(等モル混合物)=5kPa)に対する、ヘリウム存在下における活性化温度の影響を示している図である。 NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体による40℃におけるプロパン/プロピレン分離(プロパン+プロピレンの合計の分圧(等モル混合物)=5kPa)に対する、ヘリウム存在下の種々の温度(100〜250℃)における活性化時間の影響を示している図である。 鉄のカルボン酸塩MIL−88A(水和物)の構造を示している図である。 鉄のカルボン酸塩MIL−89(Fe)の構造を示している図である。 MIL−88B_4CH3固体(一次真空下の100℃において16時間にわたって脱ガスされている)の77Kにおける窒素吸着等温線を示している図である。 MIL−126(Fe)の結晶構造を示している図である。 MOF固体MIL−126(Fe)の結晶構造を示している図である。 MIL−126(Fe)のX線回折ダイアグラムを示している図である。 大気中におけるMIL−126(Fe)の熱重量分析を示している図である。 MIL−126(Fe)の窒素吸着等温線を示している図である。 未処理の合成した鉄3,3’,5,5’−アゾベンゼンテトラカルボン酸塩(III)固体のX線回折ダイアグラムを示している図である。 未処理の合成化合物、鉄3,3’,5,5’−アゾベンゼンテトラカルボン酸塩の、2℃/分の加熱速度、大気中における熱重量分析の結果を示している図である。 鉄3,3’,5,5’−アゾベンゼンテトラカルボン酸塩の窒素吸着等温線を示している図である。 未処理の2,5−ジヒドロクソテレフタレート(CPO−27(Fe))固体のX線回折ダイアグラムを示している図である。 Fe:Crの異なる割合から合成されたMIL−100固体のX線回折ダイアグラムを示している図である。 Fe:Crのモル比=0.5:0.5から合成された化合物MIL−100 Fe/Crの窒素吸着等温線を示している図である。 一次真空下の250℃において前処理した(P=1Pa、16時間)1gのCPO−27(Ni)から得られる、40℃、熱力学平衡におけるプロパンおよびプロピレンの吸着等温線を示している図である。 一次真空下の150℃において前処理した(P=1Pa、16時間)1gのCPO−27(Fe)から得られる、40℃、熱力学平衡におけるプロパンおよびプロピレンの吸着等温線を示している図である。 一次真空下の250℃において前処理した(P=1Pa、16時間)1gのCPO−27(Fe)から得られる、40℃、熱力学平衡におけるプロパンおよびプロピレンの吸着等温線を示している図である。 フッ素化されていないMIL−100(Fe)(X=OH、Cl)、NH4Fを用いて前処理されたフッ素化されているMIL−100(Fe)(X=F)、およびMIL−127(Fe)に関して得られたFe2+イオンの含有量の比較を示している図である。 NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体から得られる、40℃におけるプロパン/プロピレンの吸着等温線を示している図である。 NH4Fを用いて前処理され、二次真空下の250℃において活性化された(12時間)MIL−100(Fe)固体に関するプロパン/プロピレンの吸着等温線に対する温度の影響を示している図である。 NH4Fを用いて前処理され、ヘリウム存在下の250℃において活性化された(3時間)MIL−100(Fe)固体によるP(分圧)=5kPaにおけるプロパン/プロピレン分離に関する、Heにおける等モルのプロパン/プロピレン混合物の、温度に応じたプロパン/プロピレン分離の選択性の試験を示している図である。 NH4Fを用いて前処理され、二次真空下の250℃において活性化された(12時間)MIL−100(Fe)固体に対する吸着のプロパン/プロピレン加熱の算出(純粋な物質の吸着等温線から推測される(図59を参照))を示している図である。 NH4Fを用いて前処理され、ヘリウム存在下の250℃において活性化された(3時間)MIL−100(Fe)におけるプロパン/プロピレン分離に対する、プロパン/プロピレン混合物における水素(H2)の存在の影響を示している図である。 MIL−100(Fe)の顆粒を用いたC3吸着等温線を示している図である。 MIL−100(Fe)の顆粒を用いた分離試験を示している図である。 NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体に関する40℃および分圧=5kPaにおける(等モルプロパン/プロピレン混合物の)破過試験後の、ヘリウム流(30cc/分(左)および100cc/分(右))の40℃における脱離等温線を示している図である。 NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体の、ヘリウム存在下における再生にともなう繰返しの破過曲線を示している図である。 NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体に関する80℃および分圧=5kPaにおける(等モルプロパン/プロピレン混合物の)破過試験後の、ヘリウム流(100cc/分)の40℃における脱離等温線を示している図である。 NH4Fを用いて前処理されたMIL−100(Fe)固体の再生の効果を示している図である。 NH4Fを用いて前処理され、250℃のヘリウム流において3時間にわたって脱ガスされたMIL−100(Fe)固体に関する、ヘリウム存在下におけるプロパン/プロピレン分離(等モルのプロパン+プロピレン混合物)に対する、種々の温度(40または80℃)における圧力の影響を示している図である。 実施例25の微小熱量試験に使用された装置の図である。 二次真空下の250℃における12時間にわたる活性化後のMIL−100(Fe)固体におけるプロパンおよびプロピレンの303Kにおける吸着等温線および吸着熱を示している図である。 二次真空下の100または250℃における12時間にわたる処理後のMIL−100(Fe)固体におけるプロパンおよびプロピレンの303Kにおける吸着等温線および吸着熱を示している図である。 二次真空下の100℃における12時間にわたる処理後のMIL−100(Fe)固体におけるCOおよびCO2の303Kにおける吸着等温線および吸着熱を示している図である。 真空下の225℃において12時間にわたって活性化された物質MIL−102(Fe)(スペクトルa)、NH4Fを用いて前処理され、真空下の250℃において12時間にわたって活性化された物質MIL−100(Fe)(スペクトルb)、および真空下の150℃において12時間にわたって活性化された物質MIL−127(鉄)(スペクトルc)の配位的に不飽和なFe(II)部位と相互作用しているNO分子の伸縮振動に関する赤外線バンドを示している図である。 アルゴン流の下に150℃(スペクトルa)、250℃(b)における加熱後の、30℃におけるH2/CO/CO2流におけるMIL−127(鉄)固体の赤外線スペクトルを示している図である。 NH4Fを用いて前処理され、二次真空下の150℃および250℃において活性化されたMIL−100(Fe)上におけるC34の25℃における吸着等温線を示している図である。 NH4Fを用いて前処理され、0〜0.3mmHgの範囲の圧力、二次真空下の150℃および250℃において活性化されたMIL−100(Fe)に対するC34の25℃における吸着等温線を示している図である。 NH4Fを用いて前処理され、250℃において活性化されたMIL−100(Fe)の、FeIIおよびFeIIIの部位に、気相におけるC34の圧力(0〜2.5mmHgの範囲)に応じて吸着されたC34赤外線バンドν(C≡C)の変動を示している図である。 0〜60mmHgの範囲の圧力、150℃および250℃において活性化されたフッ素化されているMIL−100(Fe)(X=F)に対するC36の吸着等温線を示している図である。

Claims (20)

  1. 異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物を分離するための、還元されている金属部位を含んでいる多孔質の結晶のMOF固体の使用であって、
    上記MOF固体が、以下の式(I):
    (I)
    (ここで、
    y=M(z−1)+/Mz+の割合が0<y≦xの範囲にあり、xが上記MOF固体の接触可能なイオンMz+の部分である条件において、存在しているMのそれぞれが独立して、Fe、Mn、Co、NiおよびVを包含している群から選択される遷移金属のイオンMz+またはそれらの還元されている形態M(z−1)+を表しており、zが3または4であり、
    mが、1から12であり、
    kが、0から4であり、
    lが、0から18であり、
    pが、1から6であり、
    Xが、OH、Cl、F、I、Br、SO 2−、NO 、ClO 、PF 、BF R−(COO 、R −(COO 、R −(SO 、R −(PO 2- を包含している群から選択されるアニオンであり、Rが、水素原子、直鎖状もしくは分枝鎖状の任意に置換されているC−C12アルキル、または直鎖状もしくは分枝鎖状の任意に置換されているC−C10アリールであり、nが、1から4までの整数を表しており、
    Lが、qのカルボン酸塩の原子団
    Figure 0005756748
    を含有しているラジカルRを含んでいるスペーサ配位子であり、ここで、
    qが、2、3、4、5または6であり、
    *が、上記ラジカルRに対する上記カルボン酸塩の原子団の結合点を示し、
    #が、上記金属イオンに対する上記カルボン酸塩の原子団の予想される結合点を示し、
    Rが、以下の(i)〜(iv):
    (i)C1−12アルキルラジカル、C2−12アルケンラジカルまたはC2−12アルキンラジカル、
    (ii)6〜50の炭素原子を含んでいる、単環式または多環式の縮合または非縮合のアリール、
    (iii)1〜50の炭素原子を含んでいる、単環式または多環式の縮合または非縮合のヘテロアリール、
    (iv)フェロセン、ポルフィリンおよびフタロシアニンを包含している群から選択される、金属元素を含有している有機ラジカルを表しており、
    上記ラジカルRが、1つ以上の基Rによって任意に置換されており、ここで、1つ以上の基Rが独立して、C1−10アルキル基、C2−10アルケン基、C2−10アルキン基、C3−10シクロアルキル基、C1−10ヘテロアルキル基、C1−10ハロアルキル基、C6−10アリール基、C3−20ヘテロ環基、C1−10アルキル基、C6−10アリール基、C1−10アルキル基、C3−10ヘテロアリール基、F基、Cl基、Br基、I基、−NO−CN基、−CF−CHCF−OH基、−CHOH基、−CHCHOH基、−NH−CHNH−NHCHO基−COOH基−CONH−SOH基、−CHSOCH基または−PO基を包含している群から選択される)
    を有している部分の3次元構造を含んでいる、使用。
  2. 配位子Lが、C(CO (フマル酸塩)、C(CO (コハク酸塩)、C(CO (グルタル酸塩)、C(CO (ムコン酸塩)、C(CO (アジピン酸塩)、CS(CO (2,5−チオフェンジカルボン酸塩)、C(CO (テレフタル酸塩)、C(CO (2,5−ピラジンジカルボン酸塩)、C16(CO (アゼライン酸塩)、C10(CO (ナフタレン−2,6−ジカルボン酸塩)、C12(CO (ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸塩)、C12(CO (アゾベンゼンジカルボン酸塩)、C12Cl(CO (ジクロロアゾベンゼンジカルボン酸塩)、C12(CO (アゾ−ベンゼンテトラカルボン酸塩)、C12(OH)(CO (ジヒドロキソ−アゾベンゼンジカルボン酸塩)、C(CO (ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸塩)、C(CO (ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸塩)、C2415(CO (ベンゼン−1,3,5−トリ安息香酸塩)、C4227(CO (1,3,5−トリス[4’−カルボキシ(1,1’−ビフェニル−4−イル)]ベンゼン)、C(CO (ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸塩、C10(CO (ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸塩)、C10(CO (ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸塩)、C12(CO (ビフェニル−3,5,3’,5’−テトラカルボン酸塩)、ならびに2−アミノ−テレフタル酸塩、2−ニトロテレフタル酸塩、2−メチルテレフタル酸塩、2−クロロテレフタル酸塩、2−ブロモテレフタル酸塩、2,5−ジヒドロキソテレフタル酸塩、2,5−ジパーフルオロテレフタル酸塩、テトラフルオロテレフタル酸塩、2,5−ジカルボキシテレフタル酸塩、ジメチル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸塩、テトラメチル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸塩およびジカルボキシ−4,4’−ビフェニルジカルボン酸塩を包含している群から選択される修飾されている類似物を包含している群から選択されるジカルボン酸塩のラジカル、トリカルボン酸塩のラジカル、テトラカルボン酸塩のラジカルまたはヘキサカルボン酸塩のラジカルである、請求項1に記載の使用。
  3. アニオンXが、OH、Cl、Br、FR−(COO 、PF 、NO 、SO 2−およびClO を包含している群から選択され、Rおよびnが請求項1に規定の通りである、請求項1または2に記載の使用。
  4. 分子の上記混合物が、
    少なくとも1つの飽和炭化水素と少なくとも1つの不飽和炭化水素との混合物、
    1つ以上の遊離電子対を含んでいる少なくとも1つの化合物と遊離電子対を含んでいない少なくとも1つの化合物との混合物、ならびに
    水素(H)と一酸化炭素および/または二酸化炭素との混合物から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
  5. 複数の炭化水素の上記混合物が、プロパンとプロペンとの混合物、n−ブタンとブテンとの混合物、アセチレンとエチレンとの混合物、またはアセチレンと二酸化炭素との混合物である、請求項4に記載の使用。
  6. MがFeであり、zが3であり、y=M(z−1)+/Mz+の割合が0<y≦1/3の範囲にある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
  7. 上記MOF固体が、
    OX[C(CO(MIL−100型の構造)、
    OX[C(CO(MIL−101型の構造)、
    OX[C(CH(CO(MIL−88B_4CH型の構造)、
    [C10(CO(MIL−102型の構造)、
    Fe[C12−(CO・X・nHO(MIL−127型の構造)を包含している群から選択される式(I)の部分の3次元的な連続を含んでおり、
    Mが、Fe、Mn、Coから選択され、Xが請求項1または2に規定の通りである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
  8. MがFeである、請求項7に記載の使用。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項において記載されている多孔質の結晶のMOF固体に対する、より高い不飽和度および/または不飽和数を有している分子の選択吸着によって、異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物を分離する方法であって、
    (i)金属、Mの金属塩、またはMの金属イオンを含んでいる配位化合物の形態として存在している少なくとも1つの無機金属前駆体を含んでいる少なくとも1つの溶液、
    qの原子団*−C(=O)−Rを含んでいるラジカルRを含んでいる、少なくとも1つの配位子L’
    を極性溶媒において混合して、MOF物質を得るステップであって、
    M、qおよびRが、請求項1に規定の通りであり、
    *が、ラジカルRに対する上記原子団の結合点を表し、
    が、OH、OYを包含する群から選択され、Yが、アルカリンカチオン、ハロゲン、−ORラジカル、−O−C(=O)Rラジカルまたは−NR4’ラジカルであり、RおよびR4’がC1−12アルキルラジカルであるステップ、
    (ii)(i)において得られた上記MOF物質を活性化するステップ、ならびに
    (iii)異なる不飽和度および/または不飽和数を有している複数の分子の混合物と接触させて、(ii)において得られた上記MOF物質を配置するステップ
    からなる反応段階を少なくとも1つ包含している、方法。
  10. ステップ(ii)が、上記MOF物質の金属中心Mz+をM(z−1)+に還元するステップであり、zが3である、請求項9に記載の方法。
  11. 活性化するステップ(ii)が、25〜300℃の温度において実施される、請求項9または10に記載の方法。
  12. ステップ(i)において得られた上記MOF物質を、Fイオンを用いて処理するステップ(i’)をさらに包含している、請求項9または10に記載の方法。
  13. 活性化するステップ(ii)が、50〜250℃の温度において実施される、請求項12に記載の方法。
  14. 複数の分子の上記混合物が、
    少なくとも1つのパラフィンと少なくとも1つのオレフィンとの混合物、
    アセチレンと二酸化炭素との混合物、
    水素(H)と一酸化炭素および/または二酸化炭素の混合物から選択される、請求項9〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 複数の分子の上記混合物が、プロパンとプロペンとの混合物、n−ブタンとブテンとの混合物、アセチレンとエチレンとの混合物、またはアセチレンと二酸化炭素との混合物である、請求項14に記載の方法。
  16. 複数の分子の上記混合物が、少なくとも1つの飽和炭化水素と少なくとも1つの不飽和炭化水素または二酸化炭素との混合物であり、ステップ(ii)において得られた上記MOFのブレンステッド酸性度が不飽和炭化水素の重合体化を引き起こさせない、請求項9〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 複数の分子の上記混合物が気相として存在する、請求項9〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 選択吸着された分子を脱離するステップ(iv)をさらに包含している、請求項9〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 上記脱離が、低圧における少なくとも98%の純度の気体を用いた置換、圧力変化、温度変化、またはこれらの組み合せから選択される脱離手法によってもたらされる、請求項18に記載の方法。
  20. 水素(H)を精製するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
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