JP5756699B2 - 変性ポリフェニレンエーテル及びその製造方法 - Google Patents

変性ポリフェニレンエーテル及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、末端に不飽和二重結合基を有する反応型の有機リン化合物でポリフェニレンエーテルの2つの末端をそれぞれ修飾した変性ポリフェニレンエーテル、及び、その製造方法に関するものである。
周知のように、ポリフェニレンエーテル(PPE)は、高周波領域における誘電率や誘電正接が小さく、誘電特性に優れているので、高周波数帯を利用する電子機器のプリント配線板等における絶縁材料として好適である。
しかし、ポリフェニレンエーテルは、一般的に融点が高いので、加熱溶融時の粘度が高く、流動性が悪いという欠点を有している。また、ポリフェニレンエーテルには、耐熱性や寸法安定性が不十分であるという欠点もある。
そこで、ポリフェニレンエーテルを低分子量化することにより加熱溶融時の粘度を低下させて流動性を高めたり、低分子量化したポリフェニレンエーテルにエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を配合することにより耐熱性や寸法安定性を向上させることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、ポリマーの難燃性を向上させる技術としては、ポリマーの側鎖をリン化合物で修飾することが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特許第2653608号公報(請求項1、等) 米国特許第6291626号明細書(クレーム1、等)
しかし、特許文献1のように、ポリフェニレンエーテルを低分子量化すれば、加熱溶融時の粘度が低下して流動性が高まるものの、耐熱性や寸法安定性が低下する。これに対し、低分子量化したポリフェニレンエーテルにエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を配合すれば、耐熱性や寸法安定性を向上できるものの、誘電特性に優れたポリフェニレンエーテルの配合割合が小さくなるので、誘電特性が悪くなる。このように、ポリフェニレンエーテルの優れた誘電特性を維持したまま、流動性、耐熱性、寸法安定性を向上させるのは困難であるという問題点がある。
また、特許文献2のように、ポリマーの側鎖をリン化合物で修飾すれば、ポリマーの難燃性を向上できるものの、反応型のリン化合物がポリマーに導入されるわけではない。
本発明は、以上のような事情や問題点に鑑みてなされたものであり、難燃性を向上可能な反応型の有機リン化合物が導入され、ポリフェニレンエーテルの優れた誘電特性を維持したまま、流動性、耐熱性、寸法安定性を向上できる変性ポリフェニレンエーテル、及び、その製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための第1の発明は、変性ポリフェニレンエーテルであって、一般式
Figure 0005756699
〔式中、
mは1又は2を示し、
Lは、一般式
Figure 0005756699
(式中、
nは50以下の正の整数を示し、
R1、R2、R3、R4はそれぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルケニルカルボニル基を示す。)
で表されるポリフェニレンエーテル鎖を示し、
Mは水素原子、一般式
Figure 0005756699
(式中、
R5、R6はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、又はアミノ基を示し、
R5、R6の少なくともいずれか一方は末端に不飽和二重結合基を有する。)
で表される基、又は一般式
Figure 0005756699
(式中、
R7、R8はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、又はアミノ基を示し、
R7、R8の少なくともいずれか一方は末端に不飽和二重結合基を有する。)
で表される基を示すが、
mが1の場合に、Mは水素原子でなく、
mが2の場合に、2つのMの少なくともいずれか一方は水素原子でなく、
Tは、mが1の場合に水素原子を示す一方、mが2の場合にアルキレン基又は一般式
Figure 0005756699
(式中、R11、R12、R13、R14はそれぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルケニルカルボニル基を示す。)
で表される基を示す。〕
で表されるものである。
の発明は、第1の発明に係る変性ポリフェニレンエーテルの製造方法であって、一般式
Figure 0005756699
(式中、
Xはハロゲン原子を示し、
R5、R6はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、又はアミノ基を示し、
R5、R6の少なくともいずれか一方は末端に不飽和二重結合基を有する。)
で表されるハロゲン化有機リン化合物及び、一般式
Figure 0005756699
(式中、
Xはハロゲン原子を示し、
R7、R8はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、又はアミノ基を示し、
R7、R8の少なくともいずれか一方は末端に不飽和二重結合基を有する。)
で表されるハロゲン化有機リン化合物の少なくともいずれか一方と、一般式
Figure 0005756699
〔式中、
mは1又は2を示し、
Lは、前記一般式(2)で表されるポリフェニレンエーテル鎖を示し、
Tは、mが1の場合に水素原子を示す一方、mが2の場合にアルキレン基又は前記一般式(2A)で表される基を示す。〕
で表されるポリフェニレンエーテルを反応させるものである。
第1の発明によれば、低分子量であるので、加熱溶融時の流動性が良い。また、末端に不飽和二重結合基を有する反応型の有機リン化合物が少なくとも1つのポリフェニレンエーテル鎖の末端に導入されているので、当該変性ポリフェニレンエーテル同士の架橋反応により、ポリフェニレンエーテルの優れた誘電特性を維持したまま、耐熱性、寸法安定性、難燃性に優れたポリマーを製造することができる。
の発明によれば、第1の発明に係る変性ポリフェニレンエーテルを効率良く製造することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
実施形態に係る変性ポリフェニレンエーテルは、一般式(1)で表されるものである。
一般式(1)において、mは、1又は2である。Lは、一般式(2)で表されるポリフェニレンエーテル鎖である。Mは、水素原子、一般式(3)で表される基、又は一般式(4)で表される基であるが、mが1の場合にMは水素原子でなく、mが2の場合に2つのMの少なくともいずれか一方は水素原子でない。Tは、mが1の場合に水素原子である一方、mが2の場合にアルキレン基又は一般式(2A)で表される基である。
なお、mが2の場合、2つのLは同じでもよいし、異なっていてもよいと共に、2つのMも同じでもよいし、異なっていてもよい。
一般式(2)において、nは、50以下の正の整数、すなわち、1〜50の整数である。R1、R2、R3、R4は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルケニルカルボニル基である。
一般式(2A)において、R11、R12、R13、R14は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルケニルカルボニル基である。
一般式(3)において、R5、R6はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、又はアミノ基であり、R5、R6の少なくともいずれか一方は末端に不飽和二重結合基を有している。
一般式(4)において、R7、R8はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、又はアミノ基であり、R7、R8の少なくともいずれか一方は末端に不飽和二重結合基を有している。
アルキル基の炭素数としては、1〜18、好ましくは1〜10が適当である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、デシル基等が挙げられる。
アルケニル基の炭素数としては、2〜18、好ましくは2〜10が適当である。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基等が挙げられる。
アルキニル基の炭素数としては、2〜18、好ましくは2〜10が適当である。アルキニル基としては、エチニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
アルケニルカルボニル基の炭素数としては、2〜18、好ましくは2〜10が適当である。アルケニルカルボニル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基等が挙げられる。
アルコキシ基の炭素数としては、1〜12、好ましくは1〜8が適当である。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、アリロキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、p−ビニルフェノキシ基等が挙げられる。
アリール基の炭素数としては、6〜14、好ましくは6〜10が適当である。アリール基としては、フェニル基、ベンジル基、p−ビニルベンジル基、トリル基、ベンジルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
アミノ基の炭素数としては、0〜20、好ましくは0〜10が適当である。アミノ基としては、−NH2(アミノ基)、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジアリルアミノ基、ジ(2−エチルヘキシル)アミノ基等が挙げられる。
アルキレン基の炭素数としては、1〜10、好ましくは1〜5が適当である。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。
変性ポリフェニレンエーテルの数平均分子量は、特に限定されるものではないが、500〜5000程度、好ましくは1000〜2000程度が適当である。
上記のような変性ポリフェニレンエーテルにおいては、低分子量であるので、加熱溶融時の流動性が良いという利点がある。また、末端に不飽和二重結合基を有する反応型の有機リン化合物が少なくとも1つのポリフェニレンエーテル鎖の末端に導入されているので、当該変性ポリフェニレンエーテル同士の架橋反応により、ポリフェニレンエーテルの優れた誘電特性を維持したまま、耐熱性、寸法安定性、難燃性に優れたポリマーを製造できるという利点がある。
実施形態の変性ポリフェニレンエーテルを製造するには、1,2−ジクロロエタン等の溶媒中、必要に応じてトリエチルアミン等の触媒の存在下で、一般式(5)で表されるハロゲン化有機リン化合物及び、一般式(6)で表されるハロゲン化有機リン化合物の少なくともいずれか一方と、一般式(7)で表されるポリフェニレンエーテルを反応させる。
一般式(5)において、Xはハロゲン原子であり、R5、R6はそれぞれ一般式(3)中のR5、R6と同じである。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等が挙げられる。
一般式(5)で表されるハロゲン化有機リン化合物を製造するには、1,2−ジクロロエタン等の溶媒中、必要に応じてトリエチルアミン等の触媒の存在下で、一般式
Figure 0005756699
(式中、
Xはハロゲン原子を示し、
R15はアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアリール基を示す。)
で表されるジハロゲン化有機リン化合物と、一般式
Figure 0005756699
(式中、R16は、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアリール基を示す。)
〔但し、前記一般式(15A)中のR15、前記一般式(15B)中のR16の少なくともいずれか一方は、末端に不飽和二重結合基を有する。〕
で表される有機化合物を反応させる。
一般式(15A)中のXは、一般式(5)中のXと同じである。但し、一般式(15A)中のR15、一般式(15B)中のR16は、それぞれアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアリール基であるが、アミノ基でもよい。
また、必要に応じてDMF(N,N−ジメチルホルムアミド。以下同じ。)等の触媒の存在下で、一般式
Figure 0005756699
(式中、
R15、R16、R21はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアリール基を示し、
R15、R16の少なくともいずれか一方は末端に不飽和二重結合基を有する。)
で表される有機リン化合物とハロゲン化剤を反応させることによっても、上記のハロゲン化有機リン化合物を製造することができる。
但し、一般式(15C)中のR15、R16は、それぞれアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアリール基であるが、アミノ基でもよい。
ハロゲン化剤としては、塩素化剤〔例えば、オキサリルクロリド、塩化水素、塩化チオニル、塩化スルフリル、ホスゲン(二塩化カルボニル)、塩素、三塩化リン、五塩化リン、N−クロロコハク酸イミド、次亜塩素酸ナトリウム〕、臭素化剤(例えば、臭化水素、臭化チオニル、臭素、三臭化リン、N−ブロモコハク酸イミド)、ヨウ素化剤(例えば、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化水素酸、一塩化ヨウ素)、フッ素化剤(例えば、フッ素、フッ化水素、四フッ化硫黄)等が挙げられる。
いずれにしても、上記のような製造方法によれば、一般式(5)で表されるハロゲン化有機リン化合物を効率良く製造できるという利点がある。
一般式(6)において、Xは一般式(5)中のXと同じであり、R7、R8はそれぞれ一般式(4)中のR7、R8と同じである。
一般式(6)で表されるハロゲン化有機リン化合物を製造するには、1,2−ジクロロエタン等の溶媒中、必要に応じてトリエチルアミン等の触媒の存在下で、一般式
Figure 0005756699
(式中、
Xはハロゲン原子を示し、
R17はアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアリール基を示す。)
で表されるジハロゲン化有機リン化合物と、一般式
Figure 0005756699
(式中、R18は、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアリール基を示す。)
〔但し、前記一般式(16A)中のR17、前記一般式(16B)中のR18の少なくともいずれか一方は、末端に不飽和二重結合基を有する。〕
で表される有機化合物を反応させる。
一般式(16A)中のXは、一般式(5)中のXと同じである。但し、一般式(16A)中のR17、一般式(16B)中のR18は、それぞれアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアリール基であるが、アミノ基でもよい。
上記のような製造方法によれば、一般式(6)で表されるハロゲン化有機リン化合物を効率良く製造できるという利点がある。
一般式(7)において、m、L、Tは、それぞれ一般式(1)中のm、L、Tと同じである。なお、一般式(7)中のHは、水素原子である。ポリフェニレンエーテルの数平均分子量は、特に限定されるものではないが、500〜5000程度、好ましくは1000〜2000程度が適当である。
このように、一般式(5)で表されるハロゲン化有機リン化合物や、一般式(6)で表されるハロゲン化有機リン化合物は、実施形態の変性ポリフェニレンエーテルの製造に好適に使用できるという利点がある。また、上記のような製造方法によれば、実施形態の変性ポリフェニレンエーテルを効率良く製造できるという利点がある。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
〔ハロゲン化有機リン化合物の製造〕
出発物質(ジハロゲン化有機リン化合物)としては、フェニルジクロロホスフィンオキシドを用いた。有機化合物としては、アリルアルコールを用いた。そして、出発物質と有機化合物を反応させることにより、末端に不飽和二重結合基を有するハロゲン化有機リン化合物として、フェニルクロロアリルオキシホスフィンオキシド〔一般式(5)において、Xが塩素原子(ハロゲン原子)、R5がフェニル基(アリール基)、R6がアリルオキシ基(アルコキシ基)である場合〕を製造した。
具体的には、窒素置換したフラスコに、溶媒としての1,2−ジクロロエタン120mL、フェニルジクロロホスフィンオキシド17.0mL、触媒としてのトリエチルアミン25.1mLを仕込んだ後、アリルアルコール8.2mLを滴下した。次いで、室温で約2時間撹拌して反応液H1とした。そして、ガスクロマトグラフィー(GC)により反応の終了を確認した後、反応液H1を濃縮し、溶媒及び未反応原料を除去したところ、薄黄白色の液体25.97g(収率:100%)が得られた。
得られた液体について測定したNMR(核磁気共鳴。以下同じ。)スペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 5.1(1H、d、2.4)、5.2(1H、d、6.8)、7.5(2H、d、5.0)、7.6(2H、d、6.8)、8.0(2H、dd、9.4)
〔変性ポリフェニレンエーテルの製造〕
上記の操作で調製されたハロゲン化有機リン化合物とポリフェニレンエーテル〔一般式(7)において、mが2、Tが2,2−プロピレン基(アルキレン基)であると共に、一般式(2)において、nが5、R1及びR3がそれぞれ水素原子、R2及びR4がそれぞれメチル基(アルキル基)である場合〕を反応させることにより、変性ポリフェニレンエーテルを製造した。
具体的には、溶媒としての1,2−ジクロロエタン240mLにポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス株式会社製、数平均分子量:1500)80gを溶解させた後、この溶液を、上記の操作で調製された反応液H1に滴下した。次いで、2時間撹拌した後、この反応液をメタノール2L中に滴下し、沈殿物を析出させた。そして、沈殿物を濾過し、メタノール500mLで洗浄した後、減圧乾燥を行ったところ、薄黄色の粉体65.0g(収率:65.4%)が得られた。
得られた粉体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 5.1(1H、d、2.4)、5.2(1H、d、6.8)、7.5(2H、d、5.0)、7.6(2H、d、6.8)、8.0(2H、dd、9.4)
〔ハロゲン化有機リン化合物の製造〕
出発物質(ジハロゲン化有機リン化合物)としては、フェニルジクロロホスフィンオキシドを用いた。有機化合物としては、9−デセン−1−オールを用いた。そして、出発物質と有機化合物を反応させることにより、末端に不飽和二重結合基を有するハロゲン化有機リン化合物として、フェニルクロロデセニルオキシホスフィンオキシド〔一般式(5)において、Xが塩素原子(ハロゲン原子)、R5がフェニル基(アリール基)、R6がデセニルオキシ基(アルコキシ基)である場合〕を製造した。
具体的には、窒素置換したフラスコに、溶媒としての1,2−ジクロロエタン120mL、フェニルジクロロホスフィンオキシド17.0mL、触媒としてのトリエチルアミン25.1mLを仕込んだ後、9−デセン−1−オール22.1mLを滴下した。次いで、室温で約2時間撹拌して反応液H3とした。そして、ガスクロマトグラフィー(GC)により反応の終了を確認した後、反応液H3を濃縮し、溶媒及び未反応原料を除去したところ、薄黄白色の液体37.66g(収率:100%)が得られた。
得られた液体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 5.1(1H、d、2.4)、5.2(1H、d、6.8)、7.5(2H、d、5.0)、7.6(2H、d、6.8)、8.0(2H、dd、9.4)
〔変性ポリフェニレンエーテルの製造〕
上記の操作で調製されたハロゲン化有機リン化合物と、実施例と同様のポリフェニレンエーテルを反応させることにより、変性ポリフェニレンエーテルを製造した。
具体的には、溶媒としての1,2−ジクロロエタン240mLにポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス株式会社製、数平均分子量:1500)80gを溶解させた後、この溶液を、上記の操作で調製された反応液H3に滴下した。次いで、2時間撹拌した後、この反応液をメタノール2L中に滴下し、沈殿物を析出させた。そして、沈殿物を濾過し、メタノール500mLで洗浄した後、減圧乾燥を行ったところ、薄黄色の粉体75.0g(収率:68.3%)が得られた。
得られた粉体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 5.1(1H、d、2.4)、5.2(1H、d、6.8)、7.5(2H、d、5.0)、7.6(2H、d、6.8)、8.0(2H、dd、9.4)
〔ハロゲン化有機リン化合物の製造〕
出発物質(有機リン化合物)としては、ジエチル−p−ビニルベンジルホスホナートを用いた。ハロゲン化剤としては、オキサリルクロリドを用いた。そして、出発物質とハロゲン化剤を反応させることにより、末端に不飽和二重結合基を有するハロゲン化有機リン化合物として、エチル−p−ビニルベンジルホスホノクロリド〔一般式(5)において、Xが塩素原子(ハロゲン原子)、R5がエトキシ基(アルコキシ基)、R6がp−ビニルベンジル基(アリール基)である場合〕を製造した。
具体的には、四ツ口フラスコにジエチル−p−ビニルベンジルホスホナート50.8gを仕込んだ後、反応系内を窒素置換した。次いで、触媒としてのDMF1mLを加えた後、四ツ口フラスコを氷浴で冷却しながらオキサリルクロリド34.32mLを滴下した。その後、反応温度を35℃に上げ、2時間攪拌して反応液H5とした。そして、ガスクロマトグラフィー(GC)により反応の終了を確認した後、反応液H5を濃縮し、溶媒及び未反応原料を除去したところ、薄黄白色の液体50.8g(収率:100%)が得られた。
得られた液体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 1.1(3H、dd、5.8)、5.2(1H、d、2.4)、5.7(1H、d、6.8)、7.3(4H、d、7.6)
〔変性ポリフェニレンエーテルの製造〕
上記の操作で調製されたハロゲン化有機リン化合物と、実施例と同様のポリフェニレンエーテルを反応させることにより、変性ポリフェニレンエーテルを製造した。
具体的には、溶媒としての1,2−ジクロロエタン400mLにポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス株式会社製、数平均分子量:1500)130gを溶解させた後、触媒としてのトリエチルアミン30.63mLを加えた。次いで、上記の操作で調製された反応液H5を滴下し、40℃で3時間攪拌した後、室温で一晩撹拌した。その後、この反応液をメタノール中に滴下し、1時間撹拌して沈殿物を析出させた。そして、沈殿物を濾過し、メタノール2Lで洗浄した後、減圧乾燥を行ったところ、薄黄色の粉体150g(収率:91.0%)が得られた。
得られた粉体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 1.1(3H、dd、5.8)、5.2(1H、d、2.4)、5.7(1H、d、6.8)、7.3(4H、d、7.6)
〔ハロゲン化有機リン化合物の製造〕
出発物質(有機リン化合物)としては、ジエチルビニルホスホナートを用いた。ハロゲン化剤としては、オキサリルクロリドを用いた。そして、出発物質とハロゲン化剤を反応させることにより、末端に不飽和二重結合基を有するハロゲン化有機リン化合物として、エチルビニルホスホノクロリド〔一般式(5)において、Xが塩素原子(ハロゲン原子)、R5がエトキシ基(アルコキシ基)、R6がビニル基(アルケニル基)である場合〕を製造した。
具体的には、四ツ口フラスコにジエチルビニルホスホナート49.2gを仕込んだ後、反応系内を窒素置換した。次いで、触媒としてのDMF0.51mLを加えた後、四ツ口フラスコを氷浴で冷却しながらオキサリルクロリド51.5mLを滴下した。その後、反応温度を35℃に上げ、2時間攪拌して反応液H7とした。そして、ガスクロマトグラフィー(GC)により反応の終了を確認した後、反応液H7を濃縮し、減圧蒸留(沸点:84℃、真空度:15mmHg〜20mmHg)を行ったところ、薄黄白色の液体20.9g(収率:44.4%)が得られた。
得られた液体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 1.3(3H、dd、4.4)、6.4(1H、d、3.4)
〔変性ポリフェニレンエーテルの製造〕
上記の操作で調製されたハロゲン化有機リン化合物と、実施例と同様のポリフェニレンエーテルを反応させることにより、変性ポリフェニレンエーテルを製造した。
具体的には、溶媒としての1,2−ジクロロエタン270mLにポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス株式会社製、数平均分子量:1500)88.5gを溶解させた後、触媒としてのトリエチルアミン15.4mLを加えた。次いで、この溶液を、上記の操作で調製された反応液H7に滴下し、40℃で3時間攪拌した後、室温で一晩撹拌した。その後、この反応液をメタノール中に滴下し、1時間撹拌して沈殿物を析出させた。そして、沈殿物を濾過し、メタノール500mLで洗浄した後、減圧乾燥を行ったところ、薄黄色の粉体84.4g(収率:81.6%)が得られた。
得られた粉体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 1.3(3H、dd、4.4)、6.4(1H、d、3.4)
〔ハロゲン化有機リン化合物の製造〕
出発物質(有機リン化合物)としては、フェニルビニルホスフィン酸エチルエステルを用いた。ハロゲン化剤としては、オキサリルクロリドを用いた。そして、出発物質とハロゲン化剤を反応させることにより、末端に不飽和二重結合基を有するハロゲン化有機リン化合物として、フェニルビニルホスホノクロリド〔一般式(5)において、Xが塩素原子(ハロゲン原子)、R5がフェニル基(アリール基)、R6がビニル基(アルケニル基)である場合〕を製造した。
具体的には、四ツ口フラスコにフェニルビニルホスフィン酸エチルエステル22.8gを仕込んだ後、反応系内を窒素置換した。次いで、触媒としてのDMF0.2mLを加えた後、四ツ口フラスコを氷浴で冷却しながらオキサリルクロリド20mLを滴下した。その後、反応温度を35℃に上げ、2時間攪拌して反応液H9とした。そして、ガスクロマトグラフィー(GC)により反応の終了を確認した後、反応液H9を濃縮し、減圧蒸留(沸点:84℃、真空度:15mmHg〜20mmHg)を行ったところ、薄黄白色の液体10.5g(収率:44.4%)が得られた。
得られた液体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 6.3(1H、d、8.8)、7.5(2H、d、5.0)、7.6(1H、d、6.8)、8.0(2H、dd、9.4)
〔変性ポリフェニレンエーテルの製造〕
上記の操作で調製されたハロゲン化有機リン化合物と、実施例と同様のポリフェニレンエーテルを反応させることにより、変性ポリフェニレンエーテルを製造した。
具体的には、溶媒としての1,2−ジクロロエタン200mLにポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス株式会社製、数平均分子量:1500)75.6gを溶解させた後、触媒としてのトリエチルアミン16.2mLを加えた。次いで、この溶液を、上記の操作で調製された反応液H9に滴下し、40℃で3時間攪拌した後、室温で一晩撹拌した。その後、この反応液をメタノール中に滴下し、1時間撹拌して沈殿物を析出させた。そして、沈殿物を濾過し、メタノール500mLで洗浄した後、減圧乾燥を行ったところ、薄黄色の粉体90.0g(収率:93.2%)が得られた。
得られた粉体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 6.3(1H、d、8.8)、7.5(2H、d、5.0)、7.6(1H、d、6.8)、8.0(2H、dd、9.4)
〔ハロゲン化有機リン化合物の製造〕
出発物質(有機リン化合物)としては、エチルフェニル−p−ビニルベンジルホスホナートを用いた。ハロゲン化剤としては、オキサリルクロリドを用いた。そして、出発物質とハロゲン化剤を反応させることにより、末端に不飽和二重結合基を有するハロゲン化有機リン化合物として、フェニル−p−ビニルベンジルホスホノクロリド〔一般式(5)において、Xが塩素原子(ハロゲン原子)、R5がフェニル基(アリール基)、R6がp−ビニルベンジル基(アリール基)である場合〕を製造した。
具体的には、四ツ口フラスコにエチルフェニル−p−ビニルベンジルホスホナート22.92gを仕込んだ後、反応系内を窒素置換した。次いで、触媒としてのDMF0.4mLを加えた後、四ツ口フラスコを氷浴で冷却しながらオキサリルクロリド13.68mLを滴下した。その後、反応温度を35℃に上げ、2時間攪拌して反応液H11とした。そして、ガスクロマトグラフィー(GC)により反応の終了を確認した後、反応液H11を濃縮し、溶媒及び未反応原料を除去したところ、薄黄白色の液体19.31g(収率:100%)が得られた。
得られた液体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 5.2(1H、d、12.8)、5.7(1H、d、16)、7.5(2H、t、16)
〔変性ポリフェニレンエーテルの製造〕
上記の操作で調製されたハロゲン化有機リン化合物と、実施例と同様のポリフェニレンエーテルを反応させることにより、変性ポリフェニレンエーテルを製造した。
具体的には、溶媒としての1,2−ジクロロエタン200mLにポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス株式会社製、数平均分子量:1500)53.2gを溶解させた後、触媒としてのトリエチルアミン12.24mLを加えた。次いで、上記の操作で調製された反応液H11を滴下し、40℃で3時間攪拌した後、室温で一晩撹拌した。その後、この反応液をメタノール中に滴下し、1時間撹拌して沈殿物を析出させた。そして、沈殿物を濾過し、メタノール2Lで洗浄した後、減圧乾燥を行ったところ、薄黄色の粉体51.9g(収率:74.3%)が得られた。
得られた粉体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 5.2(1H、d、12.8)、5.7(1H、d、16)、7.5(2H、t、16)
〔ハロゲン化有機リン化合物の製造〕
出発物質(ジハロゲン化有機リン化合物)としては、フェニルジクロロホスフィンを用いた。有機化合物としては、1−オクテン−3−オールを用いた。そして、出発物質と有機化合物を反応させることにより、末端に不飽和二重結合基を有するハロゲン化有機リン化合物として、1−エテンヘキシルフェニルホスフィンクロリド〔一般式(6)において、Xが塩素原子(ハロゲン原子)、R7がフェニル基(アリール基)、R8が1−エテンヘキシルオキシ基(アルコキシ基)である場合〕を製造した。
具体的には、窒素置換したフラスコに、溶媒としての1,2−ジクロロエタン40mL、フェニルジクロロホスフィン5.4mL、触媒としてのトリエチルアミン5.6mLを仕込んだ後、1−オクテン−3−オール6.1mLを滴下した。次いで、室温で約2時間撹拌して反応液H13とした。そして、ガスクロマトグラフィー(GC)により反応の終了を確認した後、反応液H13を濃縮し、溶媒及び未反応原料を除去したところ、薄黄白色の液体10.76g(収率:100%)が得られた。
得られた液体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 4.3(1H、dd、8.8)、7.0(1H、d、3.4)、7.8(1H、s)
〔変性ポリフェニレンエーテルの製造〕
上記の操作で調製されたハロゲン化有機リン化合物と、実施例と同様のポリフェニレンエーテルを反応させることにより、変性ポリフェニレンエーテルを製造した。
具体的には、溶媒としての1,2−ジクロロエタン80mLにポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス株式会社製、数平均分子量:1500)26.7gを溶解させた後、この溶液を、上記の操作で調製された反応液H13に滴下した。次いで、2時間撹拌した後、この反応液をメタノール600mL中に滴下し、沈殿物を析出させた。そして、沈殿物を濾過し、メタノール150mLで洗浄した後、減圧乾燥を行ったところ、薄黄色の粉体26.78g(収率:76.3%)が得られた。
得られた粉体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 4.3(1H、dd、8.8)、7.0(1H、d、3.4)、7.8(1H、s)
〔ハロゲン化有機リン化合物の製造〕
出発物質(トリハロゲン化ホスフィンオキシド)としては、塩化ホスホリルを用いた。アミンとしては、ジアリルアミンを用いた。そして、出発物質とアミンを反応させることにより、末端に不飽和二重結合基を有するハロゲン化有機リン化合物として、ビス(ジアリルアミノ)ホスホノクロリド〔一般式(5)において、Xが塩素原子(ハロゲン原子)、R5及びR6がそれぞれジアリルアミノ基(アミノ基)である場合〕を製造した。
具体的には、窒素置換したフラスコに、溶媒としての1,2−ジクロロエタン100mL、塩化ホスホリル9.36mL、触媒としてのトリエチルアミン41.58mLを仕込んだ後、ジアリルアミン24.63mLを滴下した。次いで、室温で約2時間撹拌して反応液H15とした。そして、ガスクロマトグラフィー(GC)により反応の終了を確認した後、反応液H15を濃縮し、溶媒及び未反応原料を除去したところ、薄黄白色の液体46.51g(収率:100%)が得られた。
得られた液体について測定したNMR(核磁気共鳴。以下同じ。)スペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 5.2(1H、d、5.8)、7.0(1H、s)
〔変性ポリフェニレンエーテルの製造〕
上記の操作で調製されたハロゲン化有機リン化合物と、実施例と同様のポリフェニレンエーテルを反応させることにより、変性ポリフェニレンエーテルを製造した。
具体的には、溶媒としての1,2−ジクロロエタン195mLにポリフェニレンエーテル(パナソニック電工株式会社製、数平均分子量:1500)65gを溶解させた後、この溶液を、上記の操作で調製された反応液H15に滴下した。次いで、2時間撹拌した後、この反応液をメタノール500mL中に滴下し、沈殿物を析出させた。そして、沈殿物を濾過し、メタノール500mLで洗浄した後、減圧乾燥を行ったところ、薄黄色の粉体68.2g(収率:79.8%)が得られた。
得られた粉体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 5.2(1H、d、5.8)、7.0(1H、s)
〔ハロゲン化有機リン化合物の製造〕
アミンとしてジ(2−エチルヘキシル)アミン及びジアリルアミンを用いた以外は、実施例とほぼ同様の操作を行うことにより、末端に不飽和二重結合基を有するハロゲン化有機リン化合物として、ジ(2−エチルヘキシル)アミノジアリルアミノホスホノクロリド[一般式(5)において、Xが塩素原子(ハロゲン原子)、R5がジ(2−エチルヘキシル)アミノ基〔アミノ基〕、R6がジアリルアミノ基(アミノ基)である場合]を製造した。
具体的には、窒素置換したフラスコに、溶媒としてのトルエン100mL、塩化ホスホリル8.04mL、触媒としてのトリエチルアミン36.56mLを仕込んだ後、ジ(2−エチルヘキシル)アミン24.14mL、ジアリルアミン10.82mLを滴下した。次いで、室温で約2時間撹拌して反応液H17とした。そして、ガスクロマトグラフィー(GC)により反応の終了を確認した後、反応液H17を濃縮し、溶媒及び未反応原料を除去したところ、薄黄白色の液体35.96g(収率:100%)が得られた。
得られた液体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 0.9(3H、dd、5.8)、5.8(1H、dd、3.8、6.8)、7.0(1H、d、6.8)
〔変性ポリフェニレンエーテルの製造〕
ハロゲン化有機リン化合物として、実施例で調製されたものを用いた他は、実施例と同様の操作を行った。
具体的には、溶媒としての1,2−ジクロロエタン200mLにポリフェニレンエーテル(パナソニック電工株式会社製、数平均分子量:1500)32gを溶解させた後、この溶液を、上記の操作で調製された反応液H17に滴下した。次いで、2時間撹拌した後、この反応液をメタノール500mL中に滴下し、沈殿物を析出させた。そして、沈殿物を濾過し、メタノール500mLで洗浄した後、減圧乾燥を行ったところ、薄茶色の粉体34.9g(収率:72.3%)が得られた。
得られた粉体について測定したNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ: 0.9(3H、dd、5.8)、5.8(1H、dd、3.8、6.8)、7.0(1H、d、6.8)
以上のように、本発明に係る変性ポリフェニレンエーテル及びその製造方法は、絶縁材料として好適なポリマーを製造するための原料や方法として有用である

Claims (2)

  1. 一般式
    Figure 0005756699
    〔式中、
    mは1又は2を示し、
    Lは、一般式
    Figure 0005756699
    (式中、
    nは50以下の正の整数を示し、
    R1、R2、R3、R4はそれぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルケニルカルボニル基を示す。)
    で表されるポリフェニレンエーテル鎖を示し、
    Mは水素原子、一般式
    Figure 0005756699
    (式中、
    R5、R6はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、又はアミノ基を示し、
    R5、R6の少なくともいずれか一方は末端に不飽和二重結合基を有する。)
    で表される基、又は一般式
    Figure 0005756699
    (式中、
    R7、R8はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、又はアミノ基を示し、
    R7、R8の少なくともいずれか一方は末端に不飽和二重結合基を有する。)
    で表される基を示すが、
    mが1の場合に、Mは水素原子でなく、
    mが2の場合に、2つのMの少なくともいずれか一方は水素原子でなく、
    Tは、mが1の場合に水素原子を示す一方、mが2の場合にアルキレン基又は一般式
    Figure 0005756699
    (式中、R11、R12、R13、R14はそれぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルケニルカルボニル基を示す。)
    で表される基を示す。〕
    で表される変性ポリフェニレンエーテル。
  2. 請求項1に記載の変性ポリフェニレンエーテルの製造方法であって、
    一般式
    Figure 0005756699
    (式中、
    Xはハロゲン原子を示し、
    R5、R6はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、又はアミノ基を示し、
    R5、R6の少なくともいずれか一方は末端に不飽和二重結合基を有する。)
    で表されるハロゲン化有機リン化合物及び、一般式
    Figure 0005756699
    (式中、
    Xはハロゲン原子を示し、
    R7、R8はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、又はアミノ基を示し、
    R7、R8の少なくともいずれか一方は末端に不飽和二重結合基を有する。)
    で表されるハロゲン化有機リン化合物の少なくともいずれか一方と、一般式
    Figure 0005756699
    〔式中、
    mは1又は2を示し、
    Lは、前記一般式(2)で表されるポリフェニレンエーテル鎖を示し、
    Tは、mが1の場合に水素原子を示す一方、mが2の場合にアルキレン基又は前記一般式(2A)で表される基を示す。〕
    で表されるポリフェニレンエーテルを反応させることを特徴とする変性ポリフェニレンエーテルの製造方法。
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