JP5754067B2 - 動的光散乱測定装置および動的光散乱測定方法 - Google Patents

動的光散乱測定装置および動的光散乱測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、微粒子を含有する液体に光を照射して液体中の微粒子により発生する動的散乱光を測定し、測定により得られた動的散乱光のデータを処理して液体中の微粒子の径を検出することが可能な動的光散乱測定装置および動的光散乱測定方法に関する。
従来から、微粒子を含有する液体にレーザ光を照射して液体中の微粒子により発生する散乱光の強度の時間変化(以下、動的散乱光という)を測定し、この測定結果を基に液体中の微粒子の径を検出することが行われている。液体中の微粒子はブラウン運動をしており、微粒子の動きは粒子径が小さくなるほど速くなるため、微粒子の動く速さと微粒子の径の間には一定の関係がある。この測定方法は、動的散乱光から微粒子の動く速さの度合いである拡散係数を算出し、拡散係数から微粒子の径を求めるものである。以下に測定原理について説明する。
液体中の微粒子の動きを微粒子の拡散と考えると、拡散速度である拡散係数(D)と微粒子の半径(R)の間には以下の数1であるアインシュタイン・ストークスの式で示される関係がある。
ここでKはボルツマン定数、Tは絶対温度、ηは液体の粘度である。すなわち、温度を一定にし、微粒子を含有する液体が定まったものであれば、拡散係数(D)と微粒子の半径(R)以外の値はすべて定数であり、拡散係数(D)から微粒子の半径(R)を求めることができる。そして、拡散係数(D)は、動的散乱光の測定結果を演算処理することで求めることができる。次にこの演算処理について説明する。
液体中の微粒子にレーザ光を照射し、発生する動的散乱光を測定すると、図9に示すようにランダムに変化する。これは、微粒子はブラウン運動をしているため、光が照射されている箇所に存在する微粒子から発生する散乱光の干渉の仕方が変化するためである。この動的散乱光の測定結果から時間相関関数を計算すると図10に示すように指数関数的な減衰曲線になる。時間相関関数とは、全データにおける時間tのときの値と時間(t+τ)のときの値との相関係数が時間τの変化とともにどのように変化するかを示したものである。時間τが0のときは同じデータを比較するため相関係数は1であり、時間τが経過するとともに相関係数は小さくなっていくが、これは粒子が拡散していくと考えればいいので微粒子の径が均一であれば時間相関関数は指数関数になる。時間相関関数g(τ)と拡散係数(D)の間には以下の数2〜数4で表される指数関数の関係がある。
(数2)
g(τ)= exp(−Гτ)
(数3)
Г=q
(数4)
q={4π・n・sin(Θ/2)}/λ
ここでnは液体の屈折率、λは照射するレーザ光の波長、Θは散乱光強度を測定する角度である。微粒子を含有する液体が定まったものであり、測定装置の構造が定まっていれば、これらの値は定数であり、数4から計算されるqは定数である。よって、数3を数2に代入すると、時間相関関数g(τ)から拡散係数(D)を求めることができることがわかる。そして、拡散係数(D)が大きくなるほど、すなわち粒子が速く動くほど時間相関関数g(τ)の減衰曲線は急になることがわかる。
上記の説明で、動的散乱光の測定結果から時間相関関数g(τ)を求め、時間相関関数g(τ)から拡散係数(D)を求め、拡散係数(D)から微粒子の半径(R)を求めることができることがわかる。ただし、液体中の微粒子の径は均一ではなく分布をもつので、時間相関関数g(τ)はそれぞれの径の微粒子の時間相関関数g(τ)を加算したものとなる。よって、それぞれの径ごとの微粒子による散乱光強度を全粒子による散乱光強度で除算した値をG(Г)とすると、数2の時間相関関数g(τ)の式は次の数5のように表すことができる。
数5より、g(τ)を逆ラプラス変換すればG(Г)を求めることができることがわかる。そして、数1と数3からГは微粒子の半径(R)の逆数に定数を乗算したものであることがわかるので、Гを微粒子の半径(R)に変換することができ、図11に示すように微粒子の半径(R)に対する存在割合G(R)を求めることができる。
上記の説明は、一度微粒子で散乱された光は再度他の微粒子で散乱されないで検出されるという仮定が適用される場合に成り立つ。よって、従来の方法では粒子の濃度が低い液体においては精度良く微粒子の径を測定することができるが、微粒子の濃度が高くなると精度良く微粒子の径を測定することができなくなるという問題がある。この問題を解決する手法として、特許文献1や特許文献2に示されるように、低コヒーレンス光源のマイケルソン型干渉計またはマッハツェンダー型干渉計を用いた装置による動的散乱光の測定が提案されている。この方法は、低コヒーレンス光を測定光と参照光に分割し、測定光のみを液体中に入射させ、液体中で微粒子により散乱された測定光と参照光とを合成させて光強度を検出することにより動的散乱光を測定するものである。これによれば、分割してから合成されるまでの測定光と参照光の光路長が等しくなって測定光と参照光が干渉するポイント(液体中の限られた深さ位置)での動的散乱光のみを測定することができる。よって、この方法を用いれば、微粒子の濃度が高くなっても精度良く微粒子の径を測定することができる。また、特許文献1や特許文献2に示されるように、この方法では参照光の位相を一定の周期で変調させ、動的散乱光をフーリエ変換して得られるデータから変調周期と等しい周期の信号を抽出したうえで時間相関関数を求めれば、S/Nが改善され、粒子の径をさらに精度よく測定することができる。
特開2003−106979号公報 特開2011−13162号公報
しかしながら、低コヒーレンス光源のマイケルソン型干渉計またはマッハツェンダー型干渉計を用いた装置による動的散乱光の測定には次の問題がある。
1)液体中の限られた深さ位置のデータしか得られないため、液体の深さ方向の各点で測定を行いたいときは、測定光の液体に対する出射位置を移動させるための駆動機構と出射位置の移動量を検出する手段が必要になって装置のコストが上がる。
2)測定光の光路長と参照光の光路長が液体中の測定深さ位置でほぼ同一になるように参照光の光路長を調整する必要があり、装置の調整に時間がかかる。
3)参照光の位相を一定の周期で変調させるため、ミラー等を高速で往復運動させる機構等が必要になり、装置のコストが上がる。
本発明はこれらの問題を解消するためなされたもので、その目的は微粒子を含有する液体に光を照射して液体中の微粒子により発生する動的散乱光を測定し、測定により得られた動的散乱光のデータを処理して液体中の微粒子の径を検出することが可能な動的光散乱測定装置および動的光散乱測定方法において、駆動機構や移動量検出手段を設けなくても液体の深さ方向の動的散乱光および微粒子の径が測定可能であり、参照光の光路長を調整する必要がなく、参照光の位相を一定周期で変調させる必要もない動的光散乱測定装置および動的光散乱測定方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、光源から出射された光を参照光と測定光に分割し、測定光を粒子を含有する液体中に照射して粒子にて発生した散乱光を参照光と合成させて干渉光とし、干渉光の時間に対する光強度変化である動的散乱光を光強度測定手段により測定する動的光散乱測定装置において、光源は広帯域光を出射し、光強度測定手段は、干渉光を波長により分光する分光手段と、分光手段により分光された光を撮像素子により受光し、撮像素子が出力する受光強度に対応する信号により、分光手段の分光方向における撮像素子のそれぞれの位置ごとの光強度を設定された時間間隔で検出する分光強度検出手段と、分光強度検出手段により検出された、検出単位ごとの光強度と検出された光強度に対応する撮像素子の位置とを用いてフーリエ変換処理を行うことにより、液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの光強度を算出する光強度データ計算手段と、光強度データ計算手段により算出された液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの光強度を、分光強度検出手段による検出時間に対する関数にすることにより、それぞれの位置ごとの動的散乱光を算出する動的散乱光データ作成手段とを備えたことにある。
これによれば、液体中の粒子にて発生した散乱光と参照光とが合成された干渉光が分光手段により波長により分光されて、分光強度検出手段が、それぞれの波長ごとに異なった撮像位置で撮像素子が受光することで、波長に対する光強度を検出する。そして、波長に対する光強度は、液体中の測定光の照射方向のそれぞれの位置で発生する散乱光と参照光とが合成された干渉光を足し合わせたものであり、波長に対する光強度の関係曲線の周期は、液体中における測定光の照射方向のそれぞれの位置に対応する。よって、光強度データ計算手段が撮像素子の位置と光強度の関係またはこの関係から算出した波長に対する光強度の関係をフーリエ変換処理することにより、液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの光強度を算出することができる。そして、動的散乱光データ作成手段が算出されたそれぞれの位置ごとの光強度を、分光された光強度の検出時間に対する関数にすることにより、それぞれの位置ごとの動的散乱光を算出することができる。すなわち、これによれば、駆動機構や移動量検出手段を設けなくても液体の深さ方向のそれぞれの位置ごとの動的散乱光を測定することができる。また、参照光の光路長を調整する必要がないため、装置の調整に時間がかかることがない。さらに、撮像素子の位置と検出した光強度を用いてフーリエ変換処理を行うことでノイズを除去できるので、参照光の位相を一定周期で変調させる必要がない。
また、上記目的を達成するために、本発明の特徴は、光源から出射された光を参照光と測定光に分割し、測定光を粒子を含有する液体中に照射して粒子にて発生した散乱光を参照光と合成させて干渉光とし、干渉光の時間に対する光強度変化である動的散乱光を光強度測定手段により測定する動的光散乱測定装置において、光源は波長が一定の周期で変化するレーザ光を出射し、光強度測定手段は、干渉光をフォトセンサにより受光し、フォトセンサが出力する受光強度に対応する信号により干渉光の光強度を設定された時間間隔で検出する受光強度検出手段と、一定の周期を単位として、受光強度検出手段により検出された光強度と、光強度を検出したタイミングにおける光源が出射するレーザ光の波長とを用いてフーリエ変換処理を行うことにより、液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの光強度を算出する光強度データ計算手段と、光強度データ計算手段により算出された液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの光強度を、受光強度検出手段による検出時間に対する関数にすることにより、それぞれの位置ごとの動的散乱光を算出する動的散乱光データ作成手段とを備えたことにある。
これによれば、広帯域光を出射し干渉光を分光して撮像素子で受光することで波長に対する光強度の関係を検出する替わりに、波長が一定の周期で変化するレーザ光を出射し干渉光をフォトセンサで受光することで波長に対する光強度の関係を検出するようにしたので、同様に目的を達成できる。すなわち、これによっても、駆動機構や移動量検出手段を設けなくても液体の深さ方向のそれぞれの位置ごとの動的散乱光を測定することができる。また、参照光の光路長を調整する必要がないため、装置の調整に時間がかかることがない。さらに、フーリエ変換処理を行うことでノイズを除去できるので、参照光の位相を一定周期で変調させる必要がない。
また、本発明の他の特徴は、動的散乱光データ作成手段により算出された液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの動的散乱光を用いて、それぞれの位置ごとに液体に含有される粒子の径を算出する粒径算出手段を備えたことにある。これによれば、液体の深さ方向のそれぞれの位置ごとに微粒子の径を測定することができる。
また、本発明の他の特徴は、上述の光源から波長が一定の周期で変化するレーザ光を出射する動的光散乱測定装置において、光源は波長が変化しないレーザ光をも出射でき、光源から波長が変化するレーザ光を出射させ、干渉光として参照光との合成による正規干渉光を得る場合と、光源から波長が変化しないレーザ光を出射させ、干渉光として参照光との合成によらない仮干渉光を得る場合とのいずれかを選択する選択手段を備え、光強度測定手段は、選択手段により仮干渉光を得る場合が選択された場合は、受光強度検出手段により設定された時間間隔で検出された光強度を動的散乱光とするようにしたことにある。これによれば、上述のように光源から波長が一定の周期で変化するレーザ光を出射して液体の深さ方向のそれぞれの位置ごとの動的散乱光を測定することができるとともに、液体中の微粒子の濃度が低ければ、光源から波長が変化しないレーザ光を出射して従来技術で説明した方法により動的散乱光を測定することができる。なお、この場合の仮干渉光とは実際は干渉光ではない光であり、液体中の微粒子にて発生した散乱光のみの光である。
さらに、本発明の実施にあたっては、本発明は、動的光散乱測定装置としての発明に限定されることなく、動的光散乱測定方法としての発明にも適用できるものである。
本発明が適用された第1実施形態による動的光散乱測定装置の全体構成図である。 第1実施形態による動的光散乱測定装置のコントローラが実行するプログラムのフロー図である。 第1実施形態による動的光散乱測定装置のコントローラが実行するプログラムのフロー図である。 フーリエ変換処理により液体中における測定光の照射方向位置に対する光強度を計算することができる原理を示す図である。 フーリエ変換処理したデータから液体中における測定光の照射方向位置ごとの動的散乱光を算出する処理を視覚的に示した図である。 本発明が適用された第2実施形態による動的光散乱測定装置の全体構成図である。 第2実施形態による動的光散乱測定装置のコントローラが実行するプログラムのフロー図である。 第2実施形態による動的光散乱測定装置のコントローラが実行するプログラムのフロー図である。 動的散乱光をグラフで示す図である。 動的散乱光の時間相関関数をグラフで示す図である。 動的散乱光の動時間相関関数から計算された粒子径の分布図である。
(第1実施形態)
以下、本発明が適用された動的光散乱測定装置の第1実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明が適用された動的光散乱測定装置の全体構成図である。この動的光散乱測定装置は、容器VEに入れられた微粒子を含有する液体OBの深さ方向(液体OB中の測定光の照射方向)の複数の位置で動的散乱光を測定し、測定結果を処理して液体OBの深さ方向の複数の位置における微粒子の径を算出する装置である。
動的光散乱測定装置は、測定部10および光ヘッド30を備えている。測定部10は、レーザ光源11、コリメーティングレンズ12、集光レンズ13、光カプラ15、小径のコリメーティングレンズ19,21,固定ミラー20,回折格子22及び撮像素子23を有する。そして、光カプラ15と集光レンズ13の間および光カプラ15と小径のコリメーティングレンズ19,21との間は、光ファイバー14,16,18で光が伝わるようになっている。また、光ヘッド30はコリメーティングレンズ31及びビームエキスパンダーを構成する集光レンズ32、小径のコリメーティングレンズ33を備える。そして、測定部10の光カプラ15と光ヘッド30のコリメーティングレンズ31との間は、光ファイバー17で光が伝わるようになっている。
レーザ光源11は広帯域光であるレーザ光を出射する。レーザ光源11は、例えばスーパールミネセントダイオード(SLD)で波長帯域が100nm程度のものを用いる。コリメーティングレンズ12は、レーザ光源11からのレーザ光を平行光に変換し、集光レンズ13は、コリメーティングレンズ12からの平行光を集光して光ファイバー14に入射させる。この場合、集光レンズ13の焦点距離は、光ファイバー14内に入射したレーザ光が光ファイバー14内で全反射するように設定されている。光ファイバー14に入射したレーザ光は、光カプラ15に導かれる。光カプラ15は、光ファイバー14を介して入射されたレーザ光を2つに分岐させ、一方を固定ミラー20に通じる光ファイバー16に入射させ、他方を光ヘッド30に通じる光ファイバー17に入射させる。光ファイバー16を伝わり光ファイバー16の端から出射したレーザ光は、小径のコリメーティングレンズ19により平行光になり、固定ミラー20で反射して同じ光路を戻り、小径のコリメーティングレンズ19を介して光ファイバー16を伝わって光カプラ15に戻る。以下、光カプラ15で分岐されて固定ミラー20に入射して反射し光カプラ15に戻るレーザ光を参照光という。また、光ファイバー17を伝わり、光ヘッド30にある光ファイバー17の端から出射したレーザ光はコリメーティングレンズ31により平行光になり、集光レンズ32、小径のコリメーティングレンズ33により断面径を小さくされて、容器VEに入れられた微粒子を含有する液体OBに入射する。入射したレーザ光は、液体OB中の微粒子により液体OBの深さ方向のすべての位置で散乱光を発生させ、散乱光の一部は小径のコリメーティングレンズ33に入射して同じ光路を戻り、集光レンズ32、コリメーティングレンズ19を介して光ファイバー17を伝わって光カプラ15に戻る。以下、光カプラ15で分岐されて液体OBに入射し、散乱して光カプラ15に戻るレーザ光を測定光という。
光カプラ15まで戻った参照光と測定光は合成され、半分は光ファイバー14を伝わって光源11に戻るが、半分は光ファイバー18を伝わって小径のコリメーティングレンズ21で断面径の小さい平行光になり、回折格子22に入射する。以下、光カプラ15まで戻った参照光と測定光とが合成された光を干渉光という。回折格子22に入射した干渉光は回折され、CCDまたはCMOSでできている撮像素子23に入射する。回折格子22で回折した干渉光は、波長によって強め合う回折角度が異なるため波長によって分光される。すなわち、撮像素子23で受光された光は受光位置と波長が1:1の関係になっており、受光位置から波長を計算することができる。
動的光散乱測定装置は、光源駆動回路40とセンサ信号取出回路41とこれらの回路に指令を出力するとともにセンサ信号取出回路41から入力するデジタルデータを演算処理するコントローラ50およびコントローラ50にデータ、条件および指令等を入力する入力装置52とコントローラ50で演算処理された結果や測定状況等を表示する表示装置54を備えている。
光源駆動回路40は、コントローラ50から出射指令が入力すると設定された強度のレーザ光がレーザ光源11から出射するよう、設定された強度の電流および電圧を供給する。そして、コントローラ50から停止指令が入力すると電流および電圧の供給を停止する。また、センサ信号取出回路42は、コントローラ50から作動開始指令が入力すると、設定された時間間隔で撮像素子23のそれぞれの画素が出力する信号の強度をデジタルデータにしてコントローラ50に出力する。撮像素子23のそれぞれの画素が出力する信号の強度は受光した光の強度に対応するため、コントローラ50に出力されるデータは、それぞれの画素における受光強度である。データを入力したコントローラ50は入力順にデータをメモリに記憶していくので、メモリの記憶領域からデータに対応する撮像素子23の画素位置がわかる。
以下、動的光散乱測定装置の電源を入れ、微粒子を含有する液体OBを入れた容器VEを所定の位置に置いた後、コントローラ50が実行するプログラムに沿って説明する。作業者は容器VEを所定の位置に置いた後、入力装置52から測定開始の指令を入力する。コントローラ50は入力装置52から測定開始の指令が入力すると、図2に示すフローチャートのデータ取込プログラムをステップS10でスタートさせ、図3に示すフローチャートのデータ処理プログラムをステップS50にてスタートさせる。
図2に示すフローチャートのデータ取込プログラムでは、コントローラ50はステップS12にて変数nを1に設定する。変数nは、センサ信号取出回路42からデータを取り込んだ回数を示す。次にコントローラ50は、ステップS13にて光源駆動回路40にレーザ光出射の指令を出力し、ステップS14にて、センサ信号取出回路42に作動開始の指令を出力する。これによりレーザ光源11から設定された強度のレーザ光が出射され、センサ信号取出回路42は撮像素子23のそれぞれの画素が出力する信号の強度をデジタルデータに変換し、設定された時間間隔でコントローラ50に出力することを繰り返す。次にコントローラ50はステップS16にて時間計測を開始し、ステップS18にて経過時間が予め設定した微小時間Δtに変数nを乗算した時間に達したか判定し、達していなければ「No」と判定し続けてステップS18の判定処理を繰り返す。そして、経過時間がΔt・nの時間に達すると「Yes」と判定してステップS20に進み、センサ信号取出回路42が出力するデジタルデータを記憶する。そして、ステップS22に進み、変数nが予め設定したデータ取り込み回数Nに達したかを判定し、達していなければ「No」と判定してステップ24に進み、変数nをインクリメントしてステップS18に戻る。このようにして、ステップS18からステップ24の処理を繰り返し実行することで、コントローラ50のメモリには微小時間Δtが経過するごとにセンサ信号取出回路42が出力するデータが記憶されていく。そして、データを記憶するごとに変数nは1づつ増えていくので、変数nがデータ取り込み回数Nに達したときステップS22で「Yes」と判定してステップS26に進む。そして、ステップS26にて時間計測を停止し、ステップS28にてセンサ信号取出回路42の作動を停止し、ステップS30にて光源駆動回路40への指令によりレーザ光出射を停止して、ステップS32にてプログラムの実行を終了する。
図3に示すフローチャートのデータ処理プログラムでは、コントローラ50はステップS52にて、センサ信号取出回路42が出力するデジタルデータの1回の取り込みであるデータ群が記憶されているか判定する。図3に示すフローチャートのプログラムは、図2に示すフローチャートのプログラムと同時にスタートするため、スタートしてからデータ群が記憶されるまでは「No」と判定され、ステップS54における図2に示すフローチャートのプログラムが終了したかの判定も「No」と判定されて、ステップS52、S54の判定処理が繰り返される。やがて図2に示すフローチャートのプログラムの実行によりデータ群が記憶されると「Yes」と判定されて、ステップS56に進む。コントローラ50はステップS56にて記憶されたデータ群から予め設定された記憶領域のデータを抽出する。前述のように、記憶領域は撮像素子23の画素位置に対応するものであり、設定された記憶領域は、対応する画素位置が撮像素子23における干渉光の分光方向に等間隔にあるものである。または、対応する画素位置から計算される干渉光の波長が等間隔で変化するようにしてもよい。そして、コントローラ50はステップS58にて、抽出するデータの記憶領域(画素位置)から予め計算されている干渉光の波長と抽出したデータの関係をフーリエ変換処理して、液体OB中の測定光の照射方向に対する光の強度のデータを生成する。
このフーリエ変換処理について原理を説明する。図4(a)に示すように、測定光の照射方向のある位置で測定光が反射した場合を想定する。このとき、図に示すように波長(λ)に対する光の強度(I)は正弦波状になる。ピーク位置は測定光の波長(λ)と測定光と参照光の光路差(De)がDe=mλの関係にあるとき(位相が合ったとき)であり、ボトム位置はDe=(m+1/2)λのとき(位相が180°ずれたとき)である(mは自然数)。よって、光の強度(I)を波長(λ)に対する式にすると、次のようになる。
(数6)
I ∝ cos(2π・De/λ)
この式からわかるように正弦波の周期はDe/λとなり、波長(λ)により変化するが、広帯域光の光の波長は限られた範囲であるので、波長(λ)の変化は微量であり波長(λ)は定数とみなしてよい。よって、測定範囲においては正弦波の周期De/λは一定であり、光路差(De)に対応する値とみなしてよい。そして、測定光が反射する位置は図4(b)に示すように、測定光の照射方向の複数の位置であるが、それぞれの反射位置において、波長(λ)に対する光の強度(I)は上記のように正弦波となり、それぞれの正弦波の周期は光路差(De)に対応する値である。そして、測定される波長(λ)に対する光の強度(I)の関係は、図4(b)に示すようにこれらの光路差(De)に対応する周期の正弦波を重ね合わせたものであり、この関係をフーリエ変換すれば、光路差(De)に対応する周期と、光強度(I)の関係になる。そして、光路差(De)に対応する周期は、上述したようにDe/λであるので、広帯域光の波長(λ)の中央値を乗算すれば、光路差(De)と光強度(I)の関係を求めることができる。光路差(De)の変化は、液体OB中の測定光の照射方向の位置の変化(液体OBの深さ方向の位置の変化)であるので、これは液体OB中の測定光の照射方向の位置と光の強度の関係である。このフーリエ変換処理は、FD(フーリエドメイン)のOCTの手法を使用すると考えてよい。
コントローラ50はステップS58の処理が終了すると、ステップS52に戻り、データ群が記憶されているか判定するが、フーリエ変換処理の間に次のデータ群は記憶されているので「Yes」と判定して、再びステップS56とステップS58の処理を行う。このようにして、記憶されたデータ群である干渉光の波長に対する光強度が次々にフーリエ変換処理されて、液体OB中の測定光の照射方向の位置と光の強度の関係のデータが記憶されていく。そして、記憶されたデータ群がすべてフーリエ変換処理され、処理されるべきデータ群がなくなると、コントローラ50はステップS52にて「No」と判定し、ステップS54へ進む。そして、処理されるべきデータ群がなくなったときは、既に図2に示すフローチャートのプログラムは終了しているので、ステップS54にて「Yes」と判定され、ステップS60へ進む。
コントローラ50はステップS60にて、フーリエ変換処理により得られたデータ群である液体OB中の測定光の照射方向の位置に対する光強度を、設定された位置ごとの時間経過に対する光強度のデータ群に並び替える処理を行う。これは、視覚的に示すと図5に示すように、フーリエ変換処理で得られたそれぞれの変数nごとの実線で囲まれたデータ群から点線で囲まれたデータ群を作成する処理である。これにより液体OB中の測定光の照射方向における各位置ごとの光強度の経過時間に対する変化が得られる。次にコントローラ50は、ステップS62にて動的散乱光があるデータ群のみを抽出し、さらにその中から後述するデータ処理を行うデータ群を抽出する。これは、液面に測定光が入射した後でしか動的散乱光は発生しないため、光強度が0に近い位置のデータ群は不要として除き、これにより液面の位置がわかるので、液面から予め設定した複数の位置(設定した複数の深さ)に対応したデータ群を抽出する処理である。この結果、液体OBの液面から予め設定したそれぞれの深さ位置ごとに、図9に示す動的散乱光が得られる。
次にコントローラ50は、ステップS64にて、ステップS62にて抽出した動的散乱光のデータ群の各データ群ごとに時間相関関数を計算する処理を行う。この処理は背景技術において説明したように、図10に示すように、全データにおける時間tのときの値と時間(t+τ)のときの値との相関係数が時間τの変化とともにどのように変化するかを示す関数を作成するものである。次にコントローラ50はステップS66にて、ステップS64にて算出した各データ群ごとの時間相関関数から背景技術において示した数5を用いて逆ラプラス変換処理を行い、数1、数3および数4を用いて、粒子径の分布を液体OBの液面から予め設定したそれぞれの深さ位置ごとに算出する。
次にコントローラ50は、ステップS68にて、ステップS66にて算出された粒子径の分布を、液体OBの液面からの深さ位置に対応させて図11に示すようなグラフにして表示装置54に表示させる。作業者はこの表示を見ることにより、液体OBのそれぞれの深さ位置における微粒子の径の分布状態がわかる。なお、液体OBのそれぞれの深さ位置における粒子径の分布のピーク値を算出し、液体OBの深さ方向距離と粒子径との関係を示したグラフを作成して表示装置54に表示させるようにしてもよい。
上記のように動作する動的光散乱測定装置の実施形態によれば、レーザ光源11から出射された広帯域光を光カプラ15により参照光と測定光に分割し、測定光を粒子を含有する液体中OBに照射して粒子にて発生した散乱光を光カプラ15により参照光と合成させて干渉光とする。そして、干渉光を回折格子22で回折させることにより波長により分光し、分光された光を撮像素子23により受光し、撮像素子23が出力する受光強度に対応する強度の信号をセンサ信号取出回路42がデジタルデータにしてコントローラ50出力する。コントローラ50は入力するデジタルデータを設定された時間間隔で記憶することにより、撮像素子23の分光方向におけるそれぞれの位置ごとの光強度を設定された時間間隔で検出したデータが記憶される。そして、コントローラ50は、検出単位ごとの光強度と検出された光強度に対応する撮像素子の位置とを用いてフーリエ変換処理を行うことにより、液体OBにおける測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの光強度を算出する。そして、コントローラ50は、算出されたそれぞれの位置ごとの光強度を検出時間に対する関数にすることにより、それぞれの位置ごとの動的散乱光を算出する。これにより、駆動機構や移動量検出手段を設けなくても液体OBの深さ方向のそれぞれの位置ごとの動的散乱光を測定することができる。また、参照光の光路長を調整する必要がないため、装置の調整に時間がかかることがない。さらに、撮像素子23の位置と検出した光強度を用いてフーリエ変換処理を行うことでノイズを除去できるので、参照光の位相を一定周期で変調させる必要がない。
また、上記のように動作する動的光散乱測定装置の実施形態によれば、コントローラ50は、算出された液体OBにおける測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの動的散乱光を用いて、それぞれの位置ごとに液体に含有される粒子の径を算出する。これにより、液体OBの深さ方向の各位置での微粒子の径を測定することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明が適用された動的光散乱測定装置の第2実施形態について説明する。第2実施形態における動的光散乱測定装置は、第1実施形態が光源から広帯域光を出射し分光して波長に対応する光強度を検出したのに対し、光源から波長が一定周期で変化するレーザ光を出射し、干渉光の強度をレーザ光の波長に対応させて検出するものである。すなわち、第1実施形態がFD(フーリエドメイン)におけるSD−OCTの手法を使用するものであるのに対し、第2実施形態がFD(フーリエドメイン)におけるSS−OCTの手法を使用するものである。図6は、第2実施形態における本発明が適用された動的光散乱測定装置の全体構成図である。構成が第1実施形態と同じ箇所には同じ番号を付し、違う箇所には新たな番号を付してある。以下、第1実施形態と異なる箇所のみ説明を行う。
動的光散乱測定装置の測定部10のレーザ光源25は波長掃引レーザ光源であり、波長が一定の周期で変化するレーザ光を出射する。光源駆動回路44は、コントローラ50から掃引出射指令が入力すると、レーザ光源25から所定強度の波長掃引レーザ光が出射するようにレーザ光源25に波長掃引を意味する信号と所定強度の電流および電圧を供給する。また、レーザ光源25は波長掃引範囲のいずれかの波長に波長を固定させたレーザ光を出射することもできる。光源駆動回路44は、コントローラ50から固定出射指令が入力すると、レーザ光源25から所定強度の波長が固定されたレーザ光が出射するようにレーザ光源25に波長固定を意味する信号と所定強度の電流および電圧を供給する。また、動的光散乱測定装置の測定部10は光カプラ15にて参照光と測定光が合成され光ファイバー18の端から出射した干渉光をフォトディテクタ24で受光する。フォトディテクタ24は受光した光の強度に相当する強度の信号を増幅回路46に出力し、増幅回路46は入力した信号を設定された増幅率で増幅してAD変換器48に出力する。AD変換器48は、コントローラ50から作動開始指令が入力すると、設定された時間間隔で入力した信号の強度の瞬時値を表すデジタルデータを作成し、コントローラ50に出力する。また、動的光散乱測定装置の測定部10は、コリメーティングレンズ19と固定ミラー20との間にシャッタ26を備える。シャッタ26は表面が参照光の光軸に対してやや傾いており、シャッタ26が閉じられると、反射した少量の参照光も光カプラ15に戻らないようになっている。シャッタ26は開閉制御回路49から入力する駆動信号により開閉がなされ、開閉制御回路49はコントローラ50から入力する開の指令および閉の指令に基づいて駆動信号をシャッタ26に出力する。
このように構成された動的光散乱測定装置において、作業者は容器VEを所定の位置に置いた後、入力装置52から波長掃引レーザ光による測定(すなわち、液体OBの深さ方向位置ごとの粒子径測定)を行うか、波長固定レーザ光による測定(すなわち、液体OB全体の粒子径測定)を行うか入力し、測定開始の指令を入力する。波長固定レーザ光による測定は、従来技術で説明したように液体OB中の粒子の濃度が低い場合に有効である。コントローラ50は入力装置52から測定開始の指令が入力すると、図7に示すフローチャートのデータ取込プログラムをステップS10でスタートさせ、図8に示すフローチャートのデータ処理プログラムをステップS50にてスタートさせる。
図7に示すフローチャートのデータ取込プログラムは、図2に示すフローチャートのデータ取込プログラムの2箇所を変更したものである。1点はステップS13−1’〜
S13−5’として入力された測定の種類に基づいて光源駆動回路44と開閉制御回路49に指令を出力するステップを追加した点である。もう1点は、図2に示すフローチャートのデータ取込プログラムにおけるステップS14とステップS28のセンサ信号取出回路をA/D変換器に変えた点である。コントローラ50はステップS13−1’〜
S13−5’にて、波長掃引レーザ光による測定が選択されていれば光源駆動回路44に掃引出射指令を出力し、開閉制御回路49に開の指令を出力する。一方、波長固定レーザ光による測定が選択されていれば、光源駆動回路44に固定出射指令を出力し、開閉制御回路49に閉の指令を出力する。
また、図8に示すフローチャートのデータ処理プログラムは、図3に示すフローチャートのデータ処理プログラムにステップS51’,59’として、測定の種類を判定するステップと、波長固定レーザ光による測定が選択された場合の処理のステップを追加し、ステップS57’としてデータ(光強度)に対応する波長を計算するステップを追加したものである。コントローラ50はステップS51’にて測定の種類を判定し、波長掃引レーザ光による測定が選択されているときは、第1実施形態と同様にステップS52以降の処理を行う。また、波長固定レーザ光による測定が選択されているときはステップS59’に進んで、図7に示すフローチャートのデータ取得プログラムが終了するまで待つ。そして、データ取得プログラムが終了するとステップ64に進んで時間相関関数の計算を行う。これは、従来技術で説明した方法による粒子径の測定である。一方、ステップS52に進んだ場合は、図3に示すフローチャートのデータ処理プログラムと殆ど同じ処理が行われるが、異なっている点はステップS57’として取得したデータ(光強度)からデータに対応する波長を計算する処理を行う点である。すなわち、第1実施形態ではデータの記憶領域(撮像素子23の画素位置)から光強度に対応する波長が分かったが、第2実施形態ではこれができないため、S57’においてデータ群のそれぞれのデータ(光強度)から波長を求める処理を行う。これは、コントローラ50にはレーザ光源25が出射するレーザ光の波長とレーザ強度の特性曲線が予め記憶されており、この特性曲線とデータ群のそれぞれのデータから作成した曲線が最も合うように当てはめることで、それぞれのデータに対応する波長を求めるものである。これ以外のプログラム処理および装置構成は第1実施形態と同じである。
上記のように動作する動的光散乱測定装置の実施形態によれば、広帯域光を出射し干渉光を分光して撮像素子で受光することで波長に対する光強度の関係を検出する替わりに、波長掃引レーザ光源25から波長が一定の周期で変化するレーザ光を出射し、干渉光をフォトディテクタ24で受光することで波長に対する光強度の関係を検出するようにしたので、同様に目的を達成できる。すなわち、これによっても、駆動機構や移動量検出手段を設けなくても液体の深さ方向のそれぞれの位置ごとの動的散乱光を測定することができる。また、参照光の光路長を調整する必要がないため、装置の調整に時間がかかることがない。さらに、フーリエ変換処理を行うことでノイズを除去できるので、参照光の位相を一定周期で変調させる必要がない。また、コントローラ50が液体OB中の測定光の照射方向におけるそれぞれの位置ごとに動的散乱光を用いて液体に含有される粒子の径を算出するので、液体OBの深さ方向の各位置での微粒子の径を測定することができる。また、波長掃引レーザ光による測定と波長固定レーザ光による測定を選択できるようにしたことから、液体OBの深さ方向のそれぞれの位置ごとの微粒子の径を測定することができるとともに、従来技術で説明した方法により液体OB全体としての微粒子の径を測定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
上記第1実施形態および第2実施形態では、測定光と参照光への分割および合成を行う構造として、光ファイバーに光を入射させ光カプラにより光の分割と合成を行う構造を用いたが、これに替えて光を断面径の小さい平行光にしてビームスプリッタに入射させ、ビームスプリッタにより光の分割と合成を行う構造にしてもよい。これによっても上記実施形態と同様の効果が得られる。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、測定光と参照光への分割および測定光と参照光の合成を行う干渉計の構造としてマイケルソン型干渉計を用いたが、測定光と参照光への分割および測定光と参照光の合成が可能であれば干渉計はどのような構造でもよい。例えばマッハツェンダー型干渉計を用いてもよい。
また、上記第1実施形態では、回折格子により干渉光を分光させたが、干渉光を波長により分光させることができるならばどのような方法を用いてもよい。例えばプリズムを使用して分光を行うようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、1つのレーザ光源が出射する広帯域光を使用したが、波長範囲を広くしたいときは、波長範囲が異なる複数の光を合成して使用するようにしてもよい。
また、上記第2実施形態では、シャッタの開閉により光カプラにて参照光との合成を行うか否かを選択できるようにしたが、参照光との合成を行うか否かを選択することができればどのような方法を用いてもよい。例えば、レーザ光源と光カプラの間の光ファイバ、光カプラと光ヘッドの間のの光ファイバおよび光カプラとフォトディテクタとの間の光ファイバに光切換スイッチをそれぞれ設け、光切換スイッチ間を別の光ファイバで連結させ、光切換スイッチでの切り換えによりレーザ光源からの出射光をそのまま光ヘッドに導き、光ヘッドからの光をそのままフォトディテクタに導くようにしてもよい。
10…測定部、11…レーザ光源、15…光カプラ、15…受光センサ、14,16,17,18…光ファイバー、20…固定ミラー、22…回折格子、23…撮像素子、24…フォトディテクタ、25…波長掃引レーザ光源、26…シャッタ、30…光ヘッド、40,44…光源駆動回路、42…センサ信号取出回路、48…A/D変換器、49…開閉制御回路、50…コントローラ、OB…微粒子含有液体、VE…容器

Claims (8)

  1. 光源から出射された光を参照光と測定光に分割し、前記測定光を粒子を含有する液体中に照射して前記粒子にて発生した散乱光を前記参照光と合成させて干渉光とし、前記干渉光の時間に対する光強度変化である動的散乱光を光強度測定手段により測定する動的光散乱測定装置において、
    前記光源は広帯域光を出射し、
    前記光強度測定手段は、前記干渉光を波長により分光する分光手段と、
    前記分光手段により分光された光を撮像素子により受光し、前記撮像素子が出力する受光強度に対応する信号により、前記分光手段の分光方向における前記撮像素子のそれぞれの位置ごとの光強度を設定された時間間隔で検出する分光強度検出手段と、
    前記分光強度検出手段により検出された、検出単位ごとの光強度と前記検出された光強度に対応する前記撮像素子の位置とを用いてフーリエ変換処理を行うことにより、前記液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの光強度を算出する光強度データ計算手段と、
    前記光強度データ計算手段により算出された前記液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの光強度を、前記分光強度検出手段による検出時間に対する関数にすることにより、前記それぞれの位置ごとの動的散乱光を算出する動的散乱光データ作成手段とを備えたことを特徴とする動的光散乱測定装置。
  2. 光源から出射された光を参照光と測定光に分割し、前記測定光を粒子を含有する液体中に照射して前記粒子にて発生した散乱光を前記参照光と合成させて干渉光とし、前記干渉光の時間に対する光強度変化である動的散乱光を光強度測定手段により測定する動的光散乱測定装置において、
    前記光源は波長が一定の周期で変化するレーザ光を出射し、
    前記光強度測定手段は、前記干渉光をフォトセンサにより受光し、前記フォトセンサが出力する受光強度に対応する信号により前記干渉光の光強度を設定された時間間隔で検出する受光強度検出手段と、
    前記一定の周期を単位として、前記受光強度検出手段により検出された光強度と、前記光強度を検出したタイミングにおける前記光源が出射するレーザ光の波長とを用いてフーリエ変換処理を行うことにより、前記液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの光強度を算出する光強度データ計算手段と、
    前記光強度データ計算手段により算出された前記液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの光強度を、前記受光強度検出手段による検出時間に対する関数にすることにより、前記それぞれの位置ごとの動的散乱光を算出する動的散乱光データ作成手段とを備えたことを特徴とする動的光散乱測定装置。
  3. 請求項1または請求項2の動的光散乱測定装置において、
    前記動的散乱光データ作成手段により算出された前記液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの動的散乱光を用いて、前記それぞれの位置ごとに前記液体に含有される粒子の径を算出する粒径算出手段を備えたことを特徴とする動的光散乱測定装置。
  4. 請求項2の動的光散乱測定装置において、
    前記光源は波長が変化しないレーザ光をも出射でき、
    前記光源から波長が変化するレーザ光を出射させ、前記干渉光として前記参照光との合成による正規干渉光を得る場合と、前記光源から波長が変化しないレーザ光を出射させ、前記干渉光として前記参照光との合成によらない仮干渉光を得る場合とのいずれかを選択する選択手段を備え、
    前記光強度測定手段は、前記選択手段により仮干渉光を得る場合が選択された場合は、前記受光強度検出手段により設定された時間間隔で検出された光強度を動的散乱光とすることを特徴とする動的光散乱測定装置。
  5. 光源から出射された光を参照光と測定光に分割し、前記測定光を粒子を含有する液体中に照射して前記粒子にて発生した散乱光を前記参照光と合成させて干渉光とし、前記干渉光の時間に対する光強度変化である動的散乱光を光強度測定工程により測定する動的光散乱測定方法において、
    前記光源は広帯域光を出射し、
    前記光強度測定工程は、前記干渉光を波長により分光する分光ステップと、
    前記分光ステップにより分光された光を撮像素子により受光し、前記撮像素子が出力する受光強度に対応する信号により、前記分光ステップの分光方向における前記撮像素子のそれぞれの位置ごとの光強度を設定された時間間隔で検出する分光強度検出ステップと、
    前記分光強度検出ステップにより検出された、検出単位ごとの光強度と前記検出された光強度に対応する前記撮像素子の位置とを用いてフーリエ変換処理を行うことにより、前記液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの光強度を算出する光強度データ計算ステップと、
    前記光強度データ計算ステップにより算出された前記液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの光強度を、前記分光強度検出ステップによる検出時間に対する関数にすることにより、前記それぞれの位置ごとの動的散乱光を算出する動的散乱光データ作成ステップとを含むことを特徴とする動的光散乱測定方法。
  6. 光源から出射された光を参照光と測定光に分割し、前記測定光を粒子を含有する液体中に照射して前記粒子にて発生した散乱光を前記参照光と合成させて干渉光とし、前記干渉光の時間に対する光強度変化である動的散乱光を光強度測定工程により測定する動的光散乱測定方法において、
    前記光源は波長を一定の周期で変化させるレーザ光を出射し、
    前記光強度測定工程は、前記干渉光をフォトセンサにより受光し、前記フォトセンサが出力する受光強度に対応する信号により前記干渉光の光強度を設定された時間間隔で検出する受光強度検出ステップと、
    前記一定の周期を単位として、前記受光強度検出ステップにより検出された光強度と、前記光強度を検出したタイミングにおける前記光源が出射するレーザ光の波長とを用いてフーリエ変換処理を行うことにより、前記液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの光強度を算出する光強度データ計算ステップと、
    前記光強度データ計算ステップにより算出された前記液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの光強度を、前記受光強度検出ステップによる検出時間に対する関数にすることにより、前記それぞれの位置ごとの動的散乱光を算出する動的散乱光データ作成ステップとを含むことを特徴とする動的光散乱測定方法。
  7. 請求項5または請求項6の動的光散乱測定方法において、
    前記動的散乱光データ作成ステップにより算出された前記液体における測定光の照射方向のそれぞれの位置ごとの動的散乱光を用いて、前記それぞれの位置ごとに前記液体に含有される粒子の径を算出する粒径算出ステップを含むことを特徴とする動的光散乱測定装置。
  8. 請求項6の動的光散乱測定方法において、
    前記光源は波長が変化しないレーザ光をも出射でき、
    前記光源から波長が変化するレーザ光を出射させ、前記干渉光として前記参照光との合成による正規干渉光を得る場合と、前記光源から波長が変化しないレーザ光を出射させ、前記干渉光として前記参照光との合成によらない仮干渉光を得る場合とのいずれかを選択する選択ステップを含み、
    前記光強度測定工程は、前記選択ステップにより仮干渉光を得る場合が選択された場合は、前記受光強度検出ステップにより設定された時間間隔で検出された光強度を動的散乱光とすることを特徴とする動的光散乱測定方法。
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