JP3344129B2 - 浮遊粒子のレーザ計測装置 - Google Patents
浮遊粒子のレーザ計測装置Info
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Description
オン注入工程で発生する浮遊粒子を計測する浮遊粒子の
レーザ計測装置に関するものである。
が通過する真空容器の内壁には、イオンビームの発生に
使用されたイオン種や、飛散したレジストが付着してい
ることがある。その付着粒子は、イオン注入中に再度飛
散してウェーハに付着し、導電層領域の反転(例えば、
本来P形を形成すべき領域が、粒子の付着によりn形に
反転するような現象)や、耐圧の劣化を誘発する。特
に、ウェーハ上にサブミクロンオーダーの回路を形成す
る場合においては、上記のような付着粒子により、回路
パターンの正常な形成が困難になり、半導体チップの歩
留りの低下をもたらすことになる。したがって、歩留り
の管理を行なうには、真空容器内に発生する浮遊粒子の
分布状態を把握することが重要となる。
の浮遊粒子の管理は、ウェーハにイオンを注入した後に
ウェーハに付着した粒子を調べ、粒子の発生状況を把握
することにより行なわれていた。
技術では、ウェーハに付着した粒子を検知するため、真
空容器内の粒子の分布状態や種類を正確に把握すること
が困難であった。それゆえ、浮遊粒子による汚染に対し
て迅速かつ適切に対応することは容易ではなかった。
のであって、汚染源を特定するために、粒子の数密度お
よび粒径を測定し、さらには粒子の種類を特定する装置
を提供することを目的としている。
ザ計測装置は、上記の課題を解決するために、イオン注
入装置の真空容器内にレーザ光を照射する可変波長のレ
ーザ光源と、上記真空容器内に浮遊する粒子にて散乱し
たレーザ光を収束する集光レンズと、この集光レンズを
レーザ光の光路に沿って平行に移動させる移動手段と、
上記集光レンズにより収束された光を水平方向および垂
直方向の偏波に分離する偏光板等の偏光手段と、この偏
光手段により分離された両偏波の光強度の比に基づいて
粒子の数密度および粒径を算出する算出手段と、この算
出手段により算出された粒子の数密度が所定の値を超え
ると上記レーザ光源の波長を掃引する掃引手段と、この
波長掃引時に粒子から発されて上記集光レンズにより収
束された蛍光を検知したときのレーザ光の波長に基づい
て粒子の種類を判別する判別手段とを備えていることを
特徴としている。
ザ光が、真空容器内に浮遊する粒子に照射されて散乱す
る。この散乱光は、集光レンズにより収束されて偏光手
段で2つの偏波に分離される。算出手段では、両偏波の
光強度の比に基づいて粒子の数密度および粒径が算出さ
れる。このとき、算出には、ミー散乱に基づく散乱比法
が用いられる。また、粒子からの散乱光は、移動手段に
よりレーザ光源が移動することで一定の範囲で検出され
る。
定の値を超えていると、レーザ光源の波長が掃引手段に
より掃引される。この掃引によって波長が変化して、そ
の波長が粒子の固有の波長になると、粒子にその光が吸
収され、粒子の原子における核外電子が励起される。そ
して、核外電子のエネルギー準位が基底準位や準安定準
位にまで低下すると、粒子から固有の波長の蛍光が発さ
れる。そして、判別手段では、その蛍光が検知される
と、そのときのレーザ光の波長に基づいて粒子の種類が
判別される。
光により、粒子の数密度および粒径が求められ、さら
に、粒子の数密度が多いときには、粒子から発される蛍
光に基づいて粒子の種類を判別するので、真空容器内に
おいて、どのような粒子がどの程度の密度で分布してい
るか把握することができる。これにより、浮遊粒子の監
視を容易に行なうことができる。
基づいて説明すれば、以下の通りである。
示すように、イオン源1、分析マグネット2、加速管
3、Qレンズ4、走査電極5、ビーム輸送管6および注
入室7を備えている。このイオン注入装置において、イ
オン源1から引き出されたイオンビームは、分析マグネ
ット2にて所要のイオン種が選別され、加速管3により
加速された後、Qレンズ4および走査電極5にて収束・
偏向され、さらにビーム輸送管6内を輸送されてエンド
ステーションにおける注入室7内に装着されたウェーハ
8に照射される。
発明のレーザ計測装置9が設けられている。このレーザ
計測装置9は、図1にも示すように、レーザ装置21お
よびビームダンプ22を備えている。レーザ装置21お
よびビームダンプ22は、それぞれ注入室7の両側壁に
間隔をおいて配置されており、レーザ装置21から出射
されて注入室7内を通過するレーザ光をビームダンプ2
2に取り込むようになっている。レーザ装置21は、色
素レーザまたは高調波発生素子を用いた波長可変のレー
ザ光源である。ビームダンプ22は、注入室7内を浮遊
する粒子により散乱しなかったレーザ光を取り込む光学
部品である。
たレーザ光を上部から外部へ取り出すために、レーザ光
の光路に沿って長く形成された、石英ガラスからなる透
明の観測窓10が設けられている。また、注入室7にお
いては、レーザ装置21側の側壁に、レーザ光を入射さ
せる入射窓11が設けられ、ビームダンプ22側の側壁
に、レーザ光を出射させる出射窓12が設けられてい
る。上記の入射窓11は、図3に示すように円形をなし
ており、図示しないが、出射窓12もまた円形をなして
いる。
1およびビームダンプ22に加えて、集光レンズ23
と、レンズ駆動装置24と、光ファイバケーブル25
と、偏光板26と、光電子増倍管27・28と、記録計
29と、コントローラ30とを備えている。
されたレーザ光を収束するレンズであり、レンズ駆動装
置24に取り付けられている。移動手段としてのレンズ
駆動装置24は、注入室7の上面壁に取り付けられてお
り、図示しない駆動モータ等によって、集光レンズ23
をレーザ光の光路と平行な方向に往復移動させるように
なっている。光ファイバケーブル25は、集光レンズ2
3により収束されたレーザ光を偏光板26に導く光路と
なっており、偏波面を保存することができるケーブルに
より構成されている。
レーザ光を水平偏波と垂直偏波とに分離する光学部品で
ある。この偏光板26は、光ファイバケーブル25から
出射される光の光路上またはその光路外に選択的に配さ
れるように、図示しない駆動機構により駆動されるよう
になっている。具体的には、偏光板26は、浮遊粒子の
数密度および粒径を測定する際に光路上に配され、浮遊
粒子の種類を判別する際に光路上から外される。
らの水平偏波および垂直偏波を光電子に変換し、この光
電子を二次電子増倍管により大電流に変換するものであ
って、水平偏波および垂直偏波の光強度を、それぞれ個
別に電気信号レベルに変換するようになっている。
らの電気信号に基づいて、後述する散乱比法により浮遊
粒子の数密度および粒径とを算出して、数密度が所定の
値を超えるとコントローラ30にその旨を信号として出
力するようになっている。また、記録計29は、光電子
増倍管27からの電気信号に基づく光強度、コントロー
ラ30から与えられたレーザ光の波長等により、粒子の
種類を判別して特定するようになっている。この記録計
29は、算出手段および判別手段としての機能を有して
おり、これらの機能により収集されたデータを蓄積する
機能や、表示および印字出力する機能等も併せて有して
いる。
よび粒径を計測する際にレーザ光を単一波長に設定する
とともに、数密度が所定値を超えたことを通知する信号
を記録計29から受けると、レーザ光の波長を掃引する
ようにレーザ装置21の制御を行なう装置であって、掃
引手段としての機能を有している。また、コントローラ
30は、浮遊粒子の数密度および粒径が計測される際
に、集光レンズ23を水平方向に移動させ、かつ偏光板
26を光路上に位置させるとともに、浮遊粒子の種類が
判別される際に、集光レンズ23をステップ状に移動さ
せ、かつ偏光板26を上記の光路上から外すように、レ
ンズ駆動装置24および偏光板26の駆動機構を制御す
るようになっている。
発された特定の波長のレーザ光は、入射窓11より入射
して注入室7内を通過し、注入室7内に浮遊する粒子に
当たると散乱角で散乱する。また、粒子に当たらなかっ
たレーザ光は、そのまま直進して出射窓12から注入室
7の外部に出て、ビームダンプ22により吸収される。
このように、観測に不要なレーザ光を注入室7の外部に
逃がして吸収することにより、その不要なレーザ光が注
入室7の内壁で散乱して観測すべき散乱光に含まれるこ
とがなく、正しく散乱光を観測することができる。
して観測窓10から注入室7の外部に出たものは、レン
ズ駆動装置24により往復移動する集光レンズ24によ
り収束される。収束後の散乱光は、光ファイバケーブル
25を通じて偏光板26に導かれ、ここで水平偏波と垂
直偏波とに分離される。
波がそれぞれ電気信号レベル(電流値)に変換され、さ
らに、I−V変換器(図示せず)で電圧に変換されて、
増幅器(図示せず)により増幅される。すると、浮遊粒
子の数密度および粒径が、入力された電気信号(電圧
値)に基づいて、記録計29により以下のようにして算
出される。
つ粒径に依存するという散乱比法により算出される。こ
の方法では、ミー散乱に基づいて、まず、散乱光の水平
成分(水平偏波)の光強度と垂直成分(垂直偏波)の光
強度とをそれぞれIPARA、IPERPとすれば、 IPARA=GPARA・n・IPARA′(D、λ、m、γ) …(1) IPERP=GPERP・n・IPERP′(D、λ、m、γ) …(2) となる。ここで、 GPARA・GPERP : レーザ計測装置9に依存する較正
係数 n : 粒子の数密度 D : 粒径 λ : 入射光および散乱光の波長 m : 粒子とレーザ光の媒質との屈折率の比 γ : 散乱角 である。また、IPARA′(D、λ、m、γ)およびI
PERP′(D、λ、m、γ)は、微分散乱断面積に入射レ
ーザ光強度と散乱体積とを乗じたものである。
数fに大きく依存しないため無視することができる。
れを用いて(3)式の関数fから粒径Dが求められる。
また、粒径Dが分かれば、(1)式または(2)式によ
り数密度nが求められる。
め決定されているものが用いられる。
び粒径が求められると、それぞれの値が記録計29に記
録されるとともに、表示および印字出力される。これに
より、イオン注入装置のオペレータは、注入室7におけ
る粒子の分布状態を確認することができる。
値を超えると、記録計29からコントローラ30にその
旨を通知する信号が送出される。すると、コントローラ
30により、集光レンズ23の位置をステップ移動させ
るようにレンズ駆動装置24が制御されるとともに、レ
ーザ装置21の周波数が掃引される。また、コントロー
ラ30により、偏光板26が光路外から外される。この
とき、具体的には、集光レンズ23の1ステップの移動
毎にレーザ光の波長が掃引される。
ーザ光が粒子に当たると、粒子が固有の波長のレーザ光
を吸収して固有の波長の蛍光を発する。具体的には、図
4に示すように、粒子の原子における核外電子は、レー
ザ光によるエネルギーを受け取ると、基底準位E0 から
励起準位E2 までエネルギー準位が遷移し、極めて短時
間のうちに蛍光を発して準安定準位E1 または基底準位
E0 に移行する。このとき発される蛍光は、元素に固有
なエネルギー準位に応じた波長であるため、蛍光の波長
に基づいて、粒子の種類を特定することができる。
したが、粒子によって種々の発光パターンがある。
は光電子増倍管27で電気信号に変換され、その電気信
号が記録計29に送出される。記録計29では、蛍光が
検知されたときのレーザ光の波長(コントローラ30か
ら与えられる)に基づいて、粒子を構成する元素が特定
され、記録、表示および印字出力される。記録計29の
記録時においては、レーザ光の波長掃引が、蛍光の記録
時間に応じてコントローラ30により制御される。
ザ計測装置9によれば、レーザ光を浮遊粒子に照射した
ときに散乱する光の2つの偏波成分を用いることで、浮
遊粒子の数密度および粒径が求められるので、注入室7
内における浮遊粒子の分布状態を短時間で容易に把握す
ることができる。それゆえ、常に注入室7内の浮遊粒子
を監視することが可能になる。
ーザ光の波長を掃引して、浮遊粒子からの蛍光が観測さ
れるときのレーザ光の波長により、浮遊粒子の種類が判
別されるので、汚染源を即座に特定することができる。
それゆえ、汚染に対する処置を迅速に行なうことができ
る。
光路では、浮遊粒子の分布状態を正確に計測することが
できるので、観測領域を特定する場合はより有効であ
る。
置9が注入室7付近に設けられているが、レーザ計測装
置9の設置位置はこれに限られるものではない。例え
ば、イオン源1からイオンビームが引き出される位置、
分析マグネット2の下流側、走査電極5の下流側、ビー
ム輸送管6等のように粒子が浮遊しうる空間であれば、
その付近にレーザ計測装置9を設置して、浮遊粒子につ
いて計測を行なうことができる。
が固定されているが、レーザ光を上下方向に平行に移動
させる構成であってもよい。この構成は、レーザ装置2
1から発されるレーザ光を第1のミラーによって上方に
反射し、この反射光をさらに第2のミラーによって水平
方向に反射させるもので、このために第2のミラーを上
下に駆動させる。なお、この構成では、注入室7を通過
するレーザ光が上下に移動することから、入射窓11お
よび出射窓12が上下方向に長く形成される。このよう
な構成によれば、より広範囲で浮遊粒子の分布状態を観
測することができる。
るプラズマ内にイオンビームを生成するためのB(硼
素)の1価イオン、2価イオンやBの中性粒子に加えて
他のイオン種が存在する場合がある。このような場合で
は、レーザ計測装置9により、イオン源1内に存在する
不要な粒子を特定することにより、イオンビームをより
高度に管理することができる。
以上のように、イオン注入装置の真空容器内にレーザ光
を照射する可変波長のレーザ光源と、上記真空容器内に
浮遊する粒子にて散乱したレーザ光を収束する集光レン
ズと、この集光レンズをレーザ光の光路に沿って平行に
移動させる移動手段と、上記集光レンズにより収束され
た光を水平方向および垂直方向の偏波に分離する偏光手
段と、この偏光手段により分離された両偏波の光強度の
比に基づいて粒子の数密度および粒子の粒径を算出する
算出手段と、この算出手段により算出された粒子の数密
度が所定の値を超えると上記レーザ光源の波長を掃引す
る掃引手段と、この波長掃引時に粒子から発されて上記
集光レンズにより収束された蛍光を検知したときのレー
ザ光の波長に基づいて粒子の種類を判別する判別手段と
を備えている構成である。
たときに散乱する光の2つの偏波成分の光強度の比に基
づいて、浮遊粒子の数密度および粒径が求められるの
で、真空容器内における浮遊粒子の分布状態を短時間の
うちに容易に把握することができる。また、浮遊粒子の
数密度が高い場合は、レーザ光の波長を掃引すること
で、浮遊粒子が固有のレーザ光を吸収し、かつ固有の周
波数の蛍光を発すれば、このときのレーザ光の波長に基
づいて浮遊粒子の種類が判別されるので、汚染源を即座
に特定することができる。
ることができるとともに、上記の汚染源の特定により汚
染への対応を迅速に行なうことができ、その結果、浮遊
粒子によるイオン注入の歩留りの低下を改善することが
できるという効果を奏する。
構成を示すブロック図である。
レーザ装置側から見た側面図である。
の概略構成を示す平面図である。
有の波長の蛍光を発する状態を説明する核外電子のエネ
ルギー準位の遷移過程を示す説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】イオン注入装置の真空容器内にレーザ光を
照射する可変波長のレーザ光源と、 上記真空容器内に浮遊する粒子にて散乱したレーザ光を
収束する集光レンズと、 この集光レンズをレーザ光の光路に沿って平行に移動さ
せる移動手段と、 上記集光レンズにより収束された光を水平方向および垂
直方向の偏波に分離する偏光手段と、 この偏光手段により分離された両偏波の光強度の比に基
づいて粒子の数密度および粒径を算出する算出手段と、 この算出手段により算出された粒子の数密度が所定の値
を超えると上記レーザ光源の波長を掃引する掃引手段
と、 波長掃引時に粒子から発されて上記集光レンズにより収
束された蛍光を検知したときのレーザ光の波長に基づい
て粒子の種類を判別する判別手段とを備えていることを
特徴とする浮遊粒子のレーザ計測装置。
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1994
- 1994-12-06 JP JP30249694A patent/JP3344129B2/ja not_active Expired - Fee Related
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