JP2000002648A - 微粒子のブレイクダウン閾値測定方法とその測定装置、およびこれを用いた液中微粒子測定装置 - Google Patents

微粒子のブレイクダウン閾値測定方法とその測定装置、およびこれを用いた液中微粒子測定装置

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JP2000002648A
JP2000002648A JP10185601A JP18560198A JP2000002648A JP 2000002648 A JP2000002648 A JP 2000002648A JP 10185601 A JP10185601 A JP 10185601A JP 18560198 A JP18560198 A JP 18560198A JP 2000002648 A JP2000002648 A JP 2000002648A
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Shinya Izumida
信也 泉田
Mitsunori Saito
光徳 斉藤
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Toray Engineering Co Ltd
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
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    • G01N2291/02818Density, viscosity

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微粒子のブレイクダウン閾値を正確に求める
ブレイクダウン閾値測定方法とその測定装置、これを用
いた液中微粒子測定装置を提供することである。 【解決手段】 試料セル4中の試料液にレーザービーム
を照射するレーザービーム照射手段1と、照射されたレ
ーザービームにより発生したブレイクダウン音響波を検
出する音響波検出手段5と、検出された音響波を波形と
して記録する波形記録手段6と、記録された波形群の中
からレーザービーム照射後に最も短い時間にピーク値を
持つ波形のピーク時間T1、前記波形群の中から最大の
ピーク値を持つ波形のピーク時間T2、T1とT2の時
間差Dを求めると共に試料液に照射するレーザービーム
のパワー密度Pを変化させて前記と同様の手順によって
時間差Dを求める波形解析手段7と、パワー密度Pの変
化に対する時間差Dの関係式を求め、該関係式から時間
差D=0に対応するパワー密度Pの値を微粒子のブレイ
クダウン閾値として求める閾値演算手段9とにより構成
してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微粒子のブレイクダ
ウン閾値測定方法およびその測定装置、これを用いた液
中微粒子測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から行われている超純水、水、試薬
液等の液体(以下、試料液という)にレーザービームを
照射し、レーザービームの集光部位における試料液中の
粒子状物質(以下、微粒子という)のブレイクダウンに
よる音響波を検出することによって試料液中の微粒子を
測定する方法(以下、ブレイクダウン法という)では、
文献(北森他、Japanese Journal of Applied Physics,
Vol. 27, No.6 (1988)pp. L983-L985.) などに記載の
ように、レーザービームをレンズで集光し、レーザービ
ームの集光部位での微粒子のブレイクダウン音響波ある
いは粒子のプラズマ発光を検出することによって、試料
液中の微粒子を検出する方法が知られている。
【0003】この方法は、試料液に照射するレーザービ
ームの出力密度を、試料液中の微粒子のブレイクダウン
閾値より高く、かつ試料液(媒質)や気体のブレイクダ
ウン閾値より低く設定することによって、試料液や試料
液に含まれる気泡の影響を受けずに、微粒子のみを選択
的にブレイクダウンして微粒子を検出するものである。
そのため、照射するレーザービームの出力密度の設定に
は、試料液中の微粒子のブレイクダウン閾値を実験等で
事前に求める必要があり、その方法として、試料液に照
射するレーザービームのパワー密度を徐々に増加させな
がら、微粒子のブレイクダウン音響波あるいはプラズマ
発光が発生し始めるパワー密度を微粒子のブレイクダウ
ン閾値として求め、照射するレーザービームの出力密度
の設定に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
照射するレーザビームのパワー密度を徐々に増加させな
がら、微粒子のブレイクダウン音響波あるいはプラズマ
発光が発生し始めるパワー密度を求める方法では正確な
値が得られなかった。
【0005】すなわち、或る一定数のレーザービームの
照射(例えば、1000ショットの照射)によって発生
するブレイクダウンの数が、或るパワー密度を境に0か
ら1以上になる場合あるいは1以上から0になる場合の
パワー密度を求めるためには、パワー密度を徐々に増加
あるいは減少させながら発生数の変化を測定しなければ
ならないが、低いパワー密度においては、集光されたレ
ーザービームの焦点領域における微粒子のブレイクダウ
ン領域が小さいので、その領域に微粒子が存在する確率
が小さく、従って、微粒子がブレイクダウンする確率が
小さくなり、ブレイクダウン音響波の発生数が極めて少
なくなる。そのため、発生数の統計的なばらつきが非常
に大きく、ブレイクダウン閾値に相当するパワー密度を
正確に再現性良く測定することが実際上困難である。
【0006】上述の方法で求められた微粒子の閾値が高
すぎると、すなわち照射レーザービームのパワー密度の
設定値が高すぎると、微粒子のブレイクダウン以外に媒
質である試料液のブレイクダウンも同時に発生するとい
う問題がある。また、パワー密度の設定値が低すぎる
と、レーザービームの集光領域に微粒子が存在しても微
粒子のブレイクダウンが発生せず、試料液中の微粒子の
検出ができないという問題がある。
【0007】本発明は上述の問題点を解決し、微粒子の
ブレイクダウン閾値を正確に求めることができる微粒子
のブレイクダウン閾値測定方法とその測定装置、および
これを用いた液中微粒子測定装置を提供することを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の微粒子のブレイクダウン閾値測定方法は試
料セル中の試料液に所定のパワー密度のレーザーパルス
ビームを所定数照射すること、レーザービームの照射に
よって発生したブレイクダウン音響波を検出して波形と
して記録すること、記録された波形群の中からレーザー
ビーム照射後に最も短い時間にピーク値を持つ波形のピ
ークの時間T1を求めると共に前記波形群の中から最大
のピーク値を持つ波形のピークの時間T2を求め、T1
とT2の時間差Dを求めること、照射するレーザービー
ムのパワー密度Pを変化させて前記と同様の手順によっ
て時間差Dを求めること、パワー密度Pの変化に対する
時間差Dの関係式を求めること、該関係式から時間差D
=0に対応するパワー密度Pの値を微粒子のブレイクダ
ウン閾値として求めることを有することを特徴とするも
のである。
【0009】また、本発明の微粒子のブレイクダウン閾
値測定装置は、試料セル中の試料液に所定のパワー密度
のレーザーパルスビームを所定数照射するレーザービー
ム照射手段と、前記照射手段により照射されたレーザー
ビームより発生したブレイクダウン音響波を検出する音
響波検出手段と、検出された音響波を波形として記録す
る波形記録手段と、記録された波形群の中からレーザー
ビーム照射後に最も短い時間にピーク値をもつ波形のピ
ークの時間T1、前記波形群の中から最大のピーク値を
持つ波形のピークの時間T2、T1とT2の時間差Dを
求めると共に試料液に照射するレーザービームのパワー
密度Pを変化させて前記と同様の手順によって時間差D
を求める波形解析手段と、パワー密度Pの変化に対する
時間差Dの関係式を求め、該関係式から時間差D=0に
対応するパワー密度Pの値を微粒子のブレイクダウン閾
値として求める閾値演算手段とを備えていることを特徴
とするものである。
【0010】さらに、本発明の液中微粒子測定装置は、
試料セル中の試料液にレーザーパルスビームを所定数照
射するレーザービーム照射手段と、レーザービームの照
射によって発生した試料液中の微粒子のブレイクダウン
音響波を検出する音響波検出手段または前記音響波検出
手段と微粒子のブレイクダウンによるプラズマ発光を検
出する光検出手段と、波形記録手段と、波形解析手段
と、閾値演算手段と、レーザービームのパワー密度を制
御するパワー密度手段とを備え、下記の手順によって求
めた微粒子のブレイクダウン閾値に基づいて照射するレ
ーザービームのパワー密度を設定せしめることを特徴と
する液中微粒子測定装置。 1)試料セル中の試料液に所定のパワー密度のレーザー
パルスビームを所定数照射すること、 2)レーザービームの照射によって発生したブレイクダ
ウン音響波を検出して記録すること、 3)記録した音響波の波形群の中からレーザービーム照
射後に最も短い時間にピーク値をもつ波形のピークの時
間T1を求めること、 4)前記波形群の中から最大のピーク値を持つ波形のピ
ークの時間T2を求めること、 5)T1とT2の時間差Dを求めること、 6)照射する光のパワー密度Pを変化させ、前記と同様
の手順によって時間差Dを求めること、 7)パワー密度Pの変化に対する時間差Dの関係式を求
めること、 8)該関係式から時間差D=0に対応するパワー密度P
の値を微粒子のブレイクダウン閾値として求めることを
特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の態様】図1は本発明の微粒子のブレイク
ダウン閾値測定装置の構成の一実施態様の概略図、図2
はレーザービーム集光領域における微粒子のブレークダ
ウン位置と音響波検出器の位置の関係を示す模式図、図
3は集光領域におけるレーザービーム断面のパワー密度
分布を示す模式図、図4は音響波の分布における最短到
達時間の波形と最大波高値の波形を示す模式図、図5は
パワー密度とブレイクダウン位置の関係を示す模式図、
図6は図5におけるパワー密度とブレイクダウン位置の
関係を線図として示した図であって、微粒子のブレイク
ダウン閾値測定装置は光源である所定波長のレーザービ
ーム20を発振させるレーザービーム照射手段1と、レ
ーザービーム照射手段1から発振されたレーザービーム
を所定のパワー密度に制御する光パワー密度制御手段2
と、レーザービームを集光させる集光レンズ3と、断面
形状が矩形状または円形状で長手方向の一端部に透過光
窓4bが、周壁部4aに微粒子40を含有する試料液3
0を供給する試料液入口4cと試料液30を送出する試
料液出口4dとが設けられていると共に透過光窓(石英
製板ガラス)4bが集光レンズ3と対向するように接着
されたステンレス鋼製の試料セル4と、該試料セル4の
周壁部4aに試料セル4の中心部(レーザービームに集
光部位)から半径方向にL(5mm)ずらした位置に取
り付けられた試料液30中の微粒子40のレーザーブレ
イクダウンにより発生した音響波を検出する音響波検出
手段5と、該音響波検出手段5によって検出された電気
信号を波形として記録する波形記録手段6と、記録され
た波形群の中からレーザーパルス照射後に最も短い時間
にピーク値をもつ波形のピークの時間T1、前記波形群
の中から最大のピーク値を持つ波形のピークの時間T
2、T1とT2の時間差Dを求めると共に試料液に照射
するレーザービームのパワー密度Pを変化させて前記と
同様の手順によって時間差Dを求める波形解析手段7
と、レーザービームのパワー密度の設定値が変えられ、
変更後のパワー密度で所定数(ショット数)のレーザー
ビームの照射が行われるようにレーザービーム照射手段
1および光パワー密度制御手段2に制御信号を送るレー
ザー制御手段8と、パワー密度Pの変化に対する時間差
Dの関係式を(最小二乗法により近似曲線として求め
る。)求め、該関係式から時間差D=0に対応するパワ
ー密度Pの値を微粒子のブレイクダウン閾値(近似曲線
を外挿することにより、時間差D=0に対応するパワー
密度Pの値、すなわちブレイクダウン閾値を求める。)
として求める閾値演算手段9とを備えた構成になってい
る。
【0012】レーザービーム照射手段1は試料水(超純
水、水、試薬液)による吸収が無い波長で、かつレーザ
ービームの焦点で大きなパワー密度を得ることができる
パルスYAGレーザの第2高調波(波長532mn、パ
ルス波5ns)を用い、レーザーパルスの繰り返し周波
数は少なくとも10Hzで照射できるものを使用する。
【0013】集光レンズ3は焦点距離60mmのシリン
ドリカルレンズを使用する。
【0014】試料セル4は合成樹脂製板、合成樹脂製筒
によって製作することができる。
【0015】透過光用窓4bは石英製板ガラスを直接試
料セル4に取り付けず、試料セル4の端部に周方向に突
出するフランジを設けて該フランジ部にOリング等のシ
ール材装着用溝を形成し、透過光用窓4bをフランジと
略同形状の枠体によって押圧するようにボルトによって
取り付ける覗き窓の様な構成にすることができる。
【0016】音響波検出手段5は試料液との音響的なマ
ッチングがよく、広帯域において鋭いインパルス応答が
得られるPVDF(ポリフッ化ビニリデン)製の高分子
圧電膜音響波センサーを使用し、試料セル4の周壁部4
aに該音響波センサー5と略同形状の孔を穿設すると共
にOリング溝を形成して受信面が試料液30と直接接触
するように壁部の内周面と略同一あるいは少し突出した
状態になるようにシール用Oリング(図示せず)によっ
て支持された状態で取り付ける。
【0017】上述の試料セル4の試料液入口4cには試
料液供給用管(図示せず)が連結され、試料液出口4d
には試料液吸引用の定量ポンプ等を有する試料液送出用
管(図示せず)が連結されている。該試料液供給用管と
試料液送出用管は合成樹脂管あるいはステンレス鋼管を
使用する。
【0018】波形記録手段6はストレージオシロスコー
プ等を使用する。
【0019】上述の波形記録手段6、波形解析手段7、
レーザー制御手段8、閾値演算手段9は1台のコンピュ
ータによって機能させることは可能である。
【0020】また、ブレイクダウン音響波の検出に代え
てブレイクダウンによって発生したプラズマ発光を検出
する場合は音響波検出器に代えて光検出器を設置する。
【0021】先ず、レーザービームの集光領域のパワー
密度分布と微粒子のレイクダウン位置の関係を模式的に
示した図2および図3を用いてその作用について説明す
る。
【0022】シングルモードの発振を行うレーザービー
ム20を集光レンズ3によって集光すると、焦点の位置
では図2に示すようなビームウェストと呼ばれるレーザ
ービームのくびれが生じ、焦点における光軸(図2にお
けるZ軸)に垂直な面内(半径r方向)では、図3に示
すようなガウス分布に従う強度分布となる。
【0023】r=r0 の位置のパワー密度が微粒子のブ
レイクダウン閾値P0 に等しいとすると、微粒子のブレ
イクダウン領域は−r0 ≦r≦r0 の範囲となる。従っ
て、図4に示すように、焦点において光軸に垂直な面内
に位置する音響波検出手段5には、r=r0 の位置での
微粒子のブレイクダウン音響波(第4図の矢印40-1で
示す波形)が他の位置(第2図の位置40-2、40-3、
40-4)で発生するブレイクダウン音響波に比べて、最
も短い時間T1でセンサーに到達する(以下、この波形
を最短到達時間の波形という)。試料液のブレイクダウ
ンが発生するような高いパワー密度の場合でも、最短到
達時間の波形は、上述のr=r0 の位置での微粒子のブ
レイクダウン音響波によるものである。また音響波の波
高値はパワー密度に比例するため、r=0の位置(レー
ザービームウェストの中心)で発生したブレイクダウン
音響波が、図4の矢印40-2で示すように、波形群の中
で最大の波高値となる。(以後、この波形を最大波高値
の波形と呼ぶ)。例えば第2図の位置40-1、40-3、
40-4で発生する音響波よりも、位置40-2で発生する
音響波の波高値が高い。また、最大波高値の波形はr=
0の位置で発生するので、最大波高値の波形のピークの
時間T2は、照射するレーザーのパワー密度に関係なく
一定である。そして、最短到達時間の波形のピークの時
間T1と最大波高値の波形のピークの時間T2との時間
差Dは となる(Vは水中の音速を表す)。
【0024】次に、図5に焦点のピークパワー密度を変
化させたときのブレイクダウン閾値P0 に相当する位置
X(X1 、X2 、X3 )の変化の様子を示す。図5にお
いて、ピークパワー密度がP3 のときの微粒子のブレイ
クダウン閾値P0 に相当する位置X3 は、ピークパワー
密度がP3 からP2 、P1 へと減少すると、閾値に相当
する位置もX3 からX2 、X1 へと減少し、ピークパワ
ー密度が微粒子のブレイクダウン閾値P0 と等しくなる
と、X=D=0となる。このように、ピークパワー密度
Pの増減によって、時間差Dが増減する。従って、図6
に示すようにPとDの関係を表す直線または曲線を外挿
することによって、D=0に相当するP、すなわちブレ
イクダウン閾値P0 を求めることができる。
【0025】上述の微粒子のブレイクダウン閾値測定装
置を使用して粒径0. 04および0. 55μmのポリス
チレン粒子およびシリカ粒子についての測定したところ
図7に示すような結果をを得ることができた。このと
き、レーザービームは各パワー密度についてそれぞれ1
000ショット照射した。各レーザーパワー密度Pの対
数と時間差Dの関係は直線で近似でき、D=0、すなわ
ち横軸と交わる点をブレイクダウン閾値として求めた。
その結果、粒径0.04μmのポリスチレン粒子とシリ
カ粒子のブレイクダウン閾値は、それぞれ2.7GW/
mm2 、3.2GW/mm2 が得られた。また、粒径
0.55μmのポリスチレン粒子とシリカ粒子の閾値
は、それぞれ1.1GW/mm2 、1.5GW/mm2
が得られた。これに対して微粒子を添加しない超純水だ
けのブレイクダウン閾値は4. 2GW/mm2 が得られ
た。この実施例で用いた超純水は孔径0.025μmの
フィルターで濾過したものであり、粒径0.025μm
以下の微粒子も含まれている可能性があり、この閾値は
粒径0.025μm以下の微粒子のブレイクダウン閾値
とも考えられる。
【0026】このように、本発明の方法では、同一の粒
径においてはシリカ粒子はポリスチレン粒子よりブレイ
クダウン閾値が高いことや、粒径の小さい粒子が大きい
粒子よりブレイクダウン閾値が高いことなどが判明し、
微粒子の材質や粒径に関してブレイクダウン閾値の精度
の良い測定が可能である。
【0027】次に、本発明の液中微粒子測定装置は、図
1に示されたブレイクダウン閾値測定装置の構成に次に
述べる機能を付加することにより実施することができ
る。
【0028】すなわち、上述のブレイクダウン閾値測定
方法により微粒子のブレイクダウン閾値を求めた後、該
ブレイクダウン閾値より高く、かつ媒質である試料液の
ブレイクダウン閾値より低くなるように、レーザービー
ムのパワー密度を設定し、そのパワー密度のレーザービ
ームを所定のショット数照射し、該ショット数のレーザ
ービーム照射によって発生したブレイクダウン音響波の
発生数を計数することにより、あらかじめ求めた検量線
から液体中の微粒子の粒子数濃度を求めることができ
る。また、微粒子のブレイクダウンによるプラズマ発光
の波長を分光測定することにより、微粒子の成分測定が
可能となる。
【0029】
【発明の効果】本発明の微粒子のブレイクダウン閾値測
定方法およびその測定装置ならびに液中微粒子測定装置
によればレーザービームのパワー密度が高い状態で測定
できるので、統計的なばらつきが小さく、微粒子のブレ
イクダウン閾値を正確に求めることができる。また、水
のブレイクダウンが発生するような高いパワー密度にお
いても、最短到達時間の波形のピーク時間と最大波高値
の波形のピーク時間との時間差Dは、水のブレイクダウ
ンの影響を受けないため、レーザービームのパワー密度
の設定には、水のブレイクダウンを気にすることなく、
任意のパワー密度を設定できるため、微粒子のブレイク
ダウン閾値を容易に、かつ正確に測定することができ
る。この閾値の測定結果に基づいて微粒子分析装置のレ
ーザービームのパワー密度を設定できるため、精度の良
い液中微粒子測定装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブレイクダウン閾値測定装置の構成の
一実施態様を示す概略図である。
【図2】レーザービーム集光領域の微粒子のブレイクダ
ウン位置と検出器の位置の関係を示す模式図である。
【図3】集光領域のビーム断面のパワー密度分布を示す
模式図、
【図4】音響波の分布における、最短到達時間の波形と
最大波高値の波形を示す模式図である。
【図5】パワー密度Pとブレイクダウン位置Xの関係を
示す模式図である。
【図6】図5におけるパワー密度Pとブレイクダウン位
置Xの関係を線図として示した図である。
【図7】パワー密度Pと時間差Dの測定結果を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 レーザービーム照射手段 2 光パワー密度制御手段 3 集光レンズ 4 試料セル 5 音響波検出手段 6 波形記録手段 7 波形解析手段 8 レーザー制御手段 9 閾値演算手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料セル中の試料液に所定のパワー密度
    のレーザーパルスビームを所定数照射すること、レーザ
    ービームの照射によって発生したブレイクダウン音響波
    を検出して波形として記録すること、記録された波形群
    の中からレーザービーム照射後に最も短い時間にピーク
    値をもつ波形のピークの時間T1を求めると共に前記波
    形群の中から最大のピーク値を持つ波形のピークの時間
    T2を求め、T1とT2の時間差Dを求めること、照射
    するレーザービームのパワー密度Pを変化させて前記と
    同様の手順によって時間差Dを求めること、パワー密度
    Pの変化に対する時間差Dの関係式を求めること、該関
    係式から時間差D=0に対応するパワー密度Pの値を微
    粒子のブレイクダウン閾値として求めることを有するこ
    とを特徴とする微粒子のブレイクダウン閾値測定方法。
  2. 【請求項2】 試料セル中の試料液に所定のパワー密度
    のレーザーパルスビームを所定数照射するレーザービー
    ム照射手段と、前記照射手段により照射されたレーザー
    ビームより発生したブレイクダウン音響波を検出する音
    響波検出手段と、検出された音響波を波形として記録す
    る波形記録手段と、記録された波形群の中からレーザー
    ビーム照射後に最も短い時間にピーク値をもつ波形のピ
    ークの時間T1、前記波形群の中から最大のピーク値を
    持つ波形のピークの時間T2、T1とT2の時間差Dを
    求めると共に試料液に照射するレザービームのパワー密
    度Pを変化させて前記と同様の手順によって時間差Dを
    求める波形解析手段と、パワー密度Pの変化に対する時
    間差Dの関係式を求め、該関係式から時間差D=0に対
    応するパワー密度Pの値を微粒子のブレイクダウン閾値
    として求める閾値演算手段とを備えた構成にせしめたこ
    とを特徴とする微粒子のブレイクダウン閾値測定装置。
  3. 【請求項3】 試料セル中の試料液にレーザーパルスビ
    ームを所定数照射するレーザービーム照射手段と、レー
    ザービームの照射によって発生した試料液中の微粒子の
    ブレイクダウン音響波を検出する音響波検出手段または
    前記音響波検出手段と微粒子のブレイクダウンによるプ
    ラズマ発光を検出する光検出手段と、波形記録手段と、
    波形解析手段と、閾値演算手段と、レーザービームのパ
    ワー密度を制御するパワー密度手段とを備え、下記の手
    順によって求めた微粒子のブレイクダウン閾値に基づい
    て照射するレーザービームのパワー密度を設定せしめる
    ことを特徴とする液中微粒子測定装置。 1)試料セル中の試料液に所定のパワー密度のレーザー
    パルスビームを所定数照射すること、 2)レーザービームの照射によって発生したブレイクダ
    ウン音響波を検出して記録すること、 3)記録した音響波の波形群の中からレーザービーム照
    射後に最も短い時間にピーク値をもつ波形のピークの時
    間T1を求めること、 4)前記波形群の中から最大のピーク値を持つ波形のピ
    ークの時間T2を求めること、 5)T1とT2の時間差Dを求めること、 6)照射するレーザービームのパワー密度Pを変化さ
    せ、前記と同様の手順によって時間差Dを求めること、 7)パワー密度Pの変化に対する時間差Dの関係式を求
    めること、 8)該関係式から時間差D=0に対応するパワー密度P
    の値を微粒子のブレイクダウン閾値として求めること。
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