JPH11352048A - 液中微粒子測定装置 - Google Patents

液中微粒子測定装置

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JPH11352048A
JPH11352048A JP10173997A JP17399798A JPH11352048A JP H11352048 A JPH11352048 A JP H11352048A JP 10173997 A JP10173997 A JP 10173997A JP 17399798 A JP17399798 A JP 17399798A JP H11352048 A JPH11352048 A JP H11352048A
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JP
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fine particles
ultrasonic
liquid
wave
standing wave
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JP10173997A
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English (en)
Inventor
Shinya Izumida
信也 泉田
Mitsunori Saito
光徳 斉藤
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Toray Engineering Co Ltd
Original Assignee
Toray Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微粒子の光散乱またはブレイクダウン音響波
またはプラズマ発光を検出する装置において、レーザー
ビームの集光部位に微粒子だけを集め、気泡は集まらな
いようにすることによって、気泡の影響を受けず、微粒
子の検出効率の高い液中微粒子測定装置を提供すること
である。 【解決手段】 レーザービームの集光部位に超音波の定
在波の節を形成する定在波発生用超音波発生手段4-1、
4-2と、前記集光部位の定在波の節の位置に超音波の波
面を収束する収束型超音波発生手段5とを試料セル3に
設けた構成にしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液中の微粒子を測定
する液中微粒子測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から行われている超純水、水、試薬
液等の液体(以下、試料液という)に照射する光をレン
ズで集光し、集光した部位における散乱光を検出する光
散乱式の液中微粒子測定装置(以下、光散乱法という)
は、文献(一条、OPTRONICS, No. 9 (1997) pp.139-14
2)等に記載のように、液体試料にレーザービーム等の
光を照射し、液体中の粒子状物質(以下、微粒子とい
う)からの散乱光を検出して試料液中の微粒子を計数し
ている。この方法では、粒子サイズが小さくなると散乱
光強度が小さくなるため、粒子の散乱光の強度を増加さ
せる手段として照射用の光をレンズやミラー等を用いて
集光し、集光部位の光強度を増加させて粒子の散乱光を
検出する。
【0003】また、レーザービームの集光部位でのブレ
イクダウン音響波またはプラズマ発光を検出するレーザ
ーブレイクダウン式の液中微粒子測定装置(以下、ブレ
イクダウン法という)は、文献(北森他、Japanese Jou
rnal of Applied Physics, Vol. 27, No.6 (1988) pp.
L983-L985.) 等に記載のように、パルスレーザービーム
をレンズで集光し、集光部位での高いエネルギー密度に
よる微粒子のブレイクダウンを発生させ、そのときの粒
子のブレイクダウン音響波あるいは微粒子のプラズマ発
光を検出することによって試料液中の微粒子を検出して
いる。
【0004】一方、微粒子の検出効率を向上させるため
微粒子を集中化させる手段が検討され、例えば、特開平
6−241977号公報に記載されているようなフロー
セルの外側にPZTなどセラミックス製の超音波発振子
を設け、試料セル内に定在波を発生させて定在波の節に
粒子を濃縮せしめ濃縮領域またはその下流において微粒
子を検出する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の光散乱法やブレ
イクダウン法では、超純水等に試料液に含まれる不純物
である微粒子の濃度が非常に低いため、微粒子がビーム
の集光部位に来る確率は非常に低く微粒子の一個当たり
の検出時間が非常に長くなり検出効率が悪いという問題
がある。
【0006】一方、従来の微粒子の集中化の手段は、試
料セルの外側に超音波の発振面を接合させて試料セル内
に定在波を発生させており、超音波の進行方向に数mm
から数十mmの液層を持つ試料セル内に一個の節を持つ
定在波を発生させるためには、超音波の周波数の範囲が
数十KHz〜数百KHzとなるため、その周波数帯の超
音波発振子としては一般的にセラミックス製の超音波発
振子が用いられている。
【0007】しかし、セラミックス製超音波発振子は、
水などの液体との音響インピーダンスが大きく異なるた
め、発振子面を直接試料液に接触させると超音波の反射
損失が大きく、また、反射波は試料セル内の定在波の発
生にとって超音波の位相のずれによる悪影響を与えるな
どの問題があるため、発振面と液体との間に音響的なマ
ッチング層が必要で、発振面とマッチング層との接合や
試料セル壁面への取り付けが複雑になるという問題があ
る。
【0008】また、微粒子に働く超音波の放射圧は、周
波数に比例するため実際の微粒子を集中化させるために
は、キロヘルツのオーダーの周波数の発振子の場合、発
振子の出力を大きくする必要があり、そのため発振損失
による発熱の問題や機械的振動による試料セルおよび接
合面の損傷などの問題がある。
【0009】さらに、セラミックス製の超音波発振子は
一般的に発振周波数の帯域幅が狭いため、試料セルの液
層に1個の定在波を発生させるための発振周波数の計算
値と、実際のセラミックス製の超音波発振子の中心周波
数の仕様が厳密に一致しなければ良好な所定の定在波を
発生させることが困難であり、実際には試料セルに発振
子を取り付けたあとに若干の周波数の調整を必要とする
場合があるが、その調整操作が非常に困難であり、ま
た、二つの発振子を対向させて二つの発振面間に定在波
を発生させる場合、二つの発振子の周波数を正確に一致
させることが実際的には困難である。
【0010】従来の微粒子の集中化の手段を用いて、試
料液中の微粒子による散乱光または微粒子のブレイクダ
ウンによる音響波または微粒子のプラズマ発光を検出す
る液中微粒子測定装置の試料セルの流路の側面に1組の
対向する超音波振動子を設けた場合、定在波の節は平面
状に形成されるため、微粒子の濃縮率が低い(定在波の
節が複数形成される周波数の条件では、定在波の節が周
期的に並んだ複数の平面として形成される。)。
【0011】また、流路の四方の側面に超音波振動子を
設けることにより濃縮率は向上するが(定在波の節が複
数形成される周波数の条件では、定在波の節は、一つの
平面状に形成される。)、試料セルの四方が振動子で囲
まれるため試料セル内の濃縮領域での微粒子による散乱
光やブレイクダウン現象が視覚的に直視困難となり、光
軸調整や試料セルの製作または保守がむずかしいという
問題がある。
【0012】光散乱法では微粒子の側方散乱光を検出す
る必要があるため、流路の四方の側面に超音波振動子を
取り付けた場合、節が安定に形成される領域(節の端部
でなく中央部分)での側方散乱光を検出することが困難
となる。
【0013】また、微粒子のブレイクダウンによる音響
波やプラズマ発光を測定する場合、音響波センサーや光
センサーをレーザービームの光軸方向からビーム集光部
位に接近させて検出することは、レーザービームによる
センサーの損傷などの問題があるため、レーザービーム
の光軸と直角な方向からビーム集光部位に接近させて検
出することが望ましいが、試料セルの四方が超音波振動
子で囲まれた構造ではその操作が困難となる。
【0014】本発明の目的は微粒子の光散乱またはブレ
イクダウン音響波またはプラズマ発光を検出する装置に
おいて、レーザービームの集光部位に微粒子だけを集
め、気泡は集まらないようにすることによって、気泡の
影響を受けず、微粒子の検出効率の高い液中微粒子測定
装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め本発明の液中微粒子測定装置は請求項1に記載のよう
に光の集光部位に超音波の定在波の節を形成する第1の
超音波発生手段と、前記集光部位の定在波の節の位置に
超音波の波面を収束する第2の超音波発生手段とを設け
た構成にせしめたことを特徴とするものである。
【0016】また、本発明の液中微粒子測定装置は請求
項2に記載のような超音波発生手段の発振面が、試料液
に直接接する構成、請求項3に記載のような超音波発生
手段が、高分子圧電膜からなる超音波発振子である構
成、請求項4に記載のような光の集光部位の位置が、超
音波の定在波の節の面内に位置する構成、請求項5に記
載のような集光用レンズが、シリンドリカルレンズによ
って形成される構成にすることができる。
【0017】
【発明の実施の態様】図1は本発明のブレイクダウン法
による液中微粒子測定装置の一実施態様を示す全体図、
図2は図1における試料セル内に形成された集光部位と
超音波発振子によって形成された定在波の部分を拡大し
て模式的に示した図、図3は定在波発生用超音波発振子
による微粒子の集中化の模式図、図4は定在波発生用超
音波発振子と超音波の波面が一点に収束する収束型超音
波発振子とによる微粒子の集中化の模式図であって、液
中微粒子測定装置は光源である所定波長のレーザービー
ム20を発生させるレーザービーム照射器1と、レーザ
ービームを集光させる集光レンズ2と、断面形状が矩形
状で長手方向の一端部に透過光用窓3bが、周壁部3a
に微粒子40を含有する試料液30を供給する試料液入
口3cと試料液30を送出する試料液出口3dとが設け
られていると共に透過光用窓(石英製板ガラス)3bが
集光レンズ2と対向するように接着されたステンレス鋼
製の試料セル3と、該試料セル3の周壁部3aの上下面
部に発振面が対向すると共に発振子の中心軸がレーザー
ビームの光軸と直角になるように取り付けられた第1の
超音波発生手段である定在波発生用超音波発振子4(4
-1、4-2)と、試料セル3の透過光用窓3aとは反対側
の端部に取り付けられた超音波の波面が約一点(レーザ
ービームの光軸と同軸)に収束する収束型超音波発振子
5と、該試料セル3の周壁部3aの側部に受信面が定在
波発生用超音波発振子4-1、4-2間で生じた定在波が入
射しないように取り付けられた試料セル3の中心部(レ
ーザービームの集光部位)における音響波を検出するた
めの音響波センサー6と、音響波センサー6からのパル
ス状の出力信号を一定時間のパルス発生数、パルスの強
度として処理する信号処理装置7と、これらをデータ処
理するコンピュータ8とにより構成されている。
【0018】レーザービーム照射器1は試料液(水)に
よる吸収が無い波長で、かつレーザービームの焦点で大
きなパワー密度を得ることができるパルスYAGレーザ
ーの第2高調波(波長532mn)が照射できるものを
使用する。
【0019】集光レンズ2は焦点距離60mmのシリン
ドリカルレンズを使用する。
【0020】試料セル3は合成樹脂製板、合成樹脂製筒
によって製作することは可能である。
【0021】透過光用窓3bは石英製板ガラスを直接試
料セル3に取り付けず、試料セル3の端部に周方向に突
出するフランジを設けて該フランジ部にOリング等のシ
ール材装着用溝を形成し、透過光用窓3bをフランジと
略同形状の枠体によって押圧するようにボルトによって
取り付ける覗き窓のような構成にすることができる。
【0022】定在波発生用超音波発振子4と収束型超音
波発振子5はPVDF(ポリフッ化ビニリデン)圧電膜
で形成された高分子圧電膜製の超音波発振子を使用し、
定在波発生用超音波発振子4-1、4-2は発振面の直径寸
法が15mmで、出力が5Wのものを使用し、円形の超
音波を発振させ、3MHzを中心に発振周波数を微調整
することにより、対向する発振面に定在波を発生させ
る。
【0023】該定在波発生用超音波発振子4と収束型超
音波発振子5は試料セル2の壁部に該超音波発振子4、
5と略同形状の孔を穿設すると共にOリング溝を形成
し、発振面が試料液と直接接触するように壁部の内周面
と略同一あるいは少し突出した状態になりようにシール
用のOリング9、10によって支持された状態で取り付
けられている。
【0024】該Oリング9、10はブチルゴム、シリコ
ンゴム等の合成ゴム、フッ素樹脂等の合資樹脂等によっ
て製作されたものを使用する。
【0025】また、音響波センサー6はPVDF圧電膜
超音波センサーを使用し、該音響波センサー6の受信面
の位置が試料セル3の中心部から定在波発生用超音波発
振子4の中心軸と直角方向に10mmずらした位置にな
るように設けられている。
【0026】該音響波センサー6は定在波発生用超音波
発振子4等と同様に試料セル3の壁部に音響波センサー
6と略同形状の孔を穿設してOリングによって取り付け
られている。
【0027】上述の試料セル3の試料液出口3dには定
量ポンプ等を有する試料液送出用管(図示せず)が連結
され、試料液入口3cには試料液供給用管(図示せず)
が連結されている。該試料液供給用管と試料液送出用管
は合成樹脂管あるいはステンレス鋼管を使用する。該試
料セル3に試料液を流すための定量ポンプは、該定量ポ
ンプから異物が試料セル3内に流入するのを防止するた
めに試料セル3の下流側に設けて吸引するようにしたも
のである。
【0028】先ず、第2図〜第4図を用いてその作用に
ついて説明する。
【0029】図2において、試料液体中の微粒子が超音
波の定在波により受ける放射圧の大きさ(F)は、 で表される。
【0030】ここで、Vは水中の音速、fは超音波の周
波数、Dは粒子の粒径,Eは超音波の平均エネルギー密
度、Xは定在波の節(X=0)からの距離、Aは粒子や
試料液の密度や圧縮率で決まる係数で、 と表される。
【0031】ここで、ρは粒子の密度、ρo は媒体とな
る液体の密度、γは粒子の圧縮率、γo は液体の圧縮率
であり、媒体が水等の液体の場合は、多くの粒子(固
体)がA>0であるが、液体(水)中における気泡はA
<0である(文献 W. L. Nyborg, The Journal of The
Acoustical Society of America, Vol. 42, No. 5 (196
7) pp. 947〜952 )。
【0032】従って、微粒子40に働く放射圧4dは、
音圧の定在波4aの節の方向に向くので図2に示される
ように試料液30中の微粒子40は節4bの位置で安定
に存在することができる。図2においては定在波4aの
様子を便宜上横波で表したが実際は超音波の平面波(縦
波)の波面の疎密分布(節4bと腹4c)が形成され
る。
【0033】一方、定在波の中に存在する気泡はA<0
であるため、気泡には音圧の定在波の腹の方向に放射圧
が働き微粒子と気泡が分離した状態で存在することにな
る。
【0034】定在波発生用超音波発振子4-1、4-2から
定在波4aが発振された状態で微粒子40が含有される
試料液30を試料液入口3cから試料液出口3dに向っ
て流すと、図3に示されるように定在波4aによって試
料液30中の微粒子40が流れに沿って整列される。こ
の時、レーザービーム20は集光レンズ2によって集光
された集光ビーム20aの状態になって集光部位20b
に至る。そのため、該集光部位20bを通過する微粒子
40は極僅かである。
【0035】該図3に示される定在波発生用超音波発振
子4においては、定在波4aの節4bは、超音波の波長
の半波長毎に平面状に形成される。そこで、図4に示さ
れるように試料セル3内の試料液30の流れに沿った方
向から収束型超音波発振子5によって、レーザービーム
の集光部位に位置する定在波の節に超音波が収束するよ
うな超音波20cの進行波を放射すると、セル試料入口
3cから流入した試料液中の微粒子40は、収束する超
音波の放射圧によって収束部20dに集められ、レーザ
ービーム20の集光部位20bに導かれる。集光部位2
0bでは、定在波発生用超音波発振子4-1、4-2によっ
て定在波の節が形成されているため、収束型超音波発振
子5によって集められた微粒子40は、定在波4aの他
の節4b′には導かれることなく、該集光部位20bに
位置する定在波4aの節4bに導かれる。
【0036】このように、一つの定在波4aの節4bだ
けに微粒子40が集められるので、集光部位20bでの
微粒子40のブレイクダウンの発生数が増加し、微粒子
40の検出効率が向上する。しかも、定在波4aの節4
bには気泡は存在しないため、入射するレーザービーム
が気泡によって散乱されることがなく、レーザービーム
20の集光部位20bでは、微粒子40のブレイクダウ
ンに必要な一定のレーザーパワーによって微粒子40の
ブレイクダウンを発生させることが可能となる。
【0037】また、集光部位20bにおける微粒子40
による散乱光を光検出器によって検出すると、光散乱法
による液中微粒子の測定においても、上述の場合と同様
の作用により微粒子40の検出効率が向上すると共に、
集光部位20bでの気泡による光散乱の影響がなくな
る。
【0038】該液中微粒子測定装置においては定在波発
生用超音波発振子4によって測定中は常時定在波を発生
させておき、図4に示しめされるように試料セル3に流
入した試料液30中の微粒子40は収束型超音波発振子
5によってレーザービーム20の集光部位20bが存在
する定在波の節に集められ、微粒子40は節に沿ってレ
ーザービーム20の集光部位20bに導かれる。予め、
収束型超音波発振子5の超音波が収束する位置を定在波
発生用超音波発振子4の定在波の一つの節の面内に一致
させておき、その節の面の中心付近にレーザービーム2
0の集光部位20bが位置するように、レーザービーム
20や集光レンズ2の光軸や焦点を調整することによっ
て、定在波の節の面に沿って流れて来た微粒子40は集
光部位20bの位置でブレイクダウンし、音響波やプラ
ズマ発光が発生する。
【0039】次に、定在波用超音波発振子4と収束型超
音波発振子5による超音波の発生によって、ブレイクダ
ウンの発生数が増加することを示す実施例として、試料
セル2の位置をレーザービーム20の光軸と直角方向
に、すなわち、レーザービーム20の集光部位20bを
光軸と直角方向に10秒間で100μmずつ移動しなが
ら、その10秒間における100ショットのレーザーパ
ルス照射によって発生したブレイクダウン音響波の発生
数について、各100μm毎の位置での発生数の分布の
測定結果は図6、図7に示される通りである。該図7は
超音波定在波と収束超音波とを発生させたときの実験結
果であり、図6は超音波が発生しないときの測定結果で
ある。
【0040】図7に示されるように超音波を発生させる
ことによってレーザービーム20の集光部位20bの位
置によるブレイクダウン発生数の分布が集光部位20b
を中心として大きく増加し、微粒子40の検出効率が増
大していることがわかる。
【0041】該実施例はブレイクダウン法について説明
したが、光散乱法によって実施する場合は、試料セル3
の構成として、例えば、図5に示される超音波センサー
6を光検出器に置き換えることによって実施できる。
【0042】すなわち、試料中の微粒子が集光部位に集
められ集光部位における微粒子の光散乱の発生数が増加
して微粒子の検出効率が向上することは図4、図5によ
って示した実施例の結果からも明らかである。
【0043】なお、レーザービーム20の集光レンズ2
としてシリンドリカルレンズ(円筒レンズとも言う)を
用いることによって集光部位20b光軸と垂直な断面形
状を、定在波の節の面に沿った細長い楕円状に広げるこ
とができるので節の面内に存在する微粒子40が集光部
位20b来る確率が向上し、その結果、微粒子40のブ
レイクダウンの発生数や微粒子40の光散乱が増加して
微粒子の検出効率が向上する。
【0044】
【発明の効果】本発明の液中微粒子測定装置は請求項1
に記載のように光の集光部位に超音波の定在波の節を形
成する第1の超音波発生手段と、前記集光部位の定在波
の節の位置に超音波の波面を収束する第2の超音波発生
手段とを設けた構成にしているため、収束型超音波発振
子によって試料液中の微粒子を一カ所に集めて定在波の
節に導くことができ、その節の面に存在するレーザービ
ームの集光部位への微粒子の集中化が可能となり、その
結果、微粒子の検出効率が増大する。しかも、試料液に
気泡が含まれていても気泡は定在波の腹に存在するが節
には存在しないため、光散乱法においても気泡による誤
計数が防止できる。また、ブレイクダウン法においては
集光部位での気泡の光散乱による光パワー密度の変動な
ど気泡による影響を受けず検出効率の高い微粒子測定が
可能となる。
【0045】また、本発明の液中微粒子測定装置は請求
項2に記載のような超音波発生手段の発振面が、試料液
に直接接する構成にすると、超音波の反射や損失を生じ
ることなく、発振面から液中へ超音波を効率よく放射す
ることができ、請求項3に記載のような超音波発生手段
が、高分子圧電膜からなる超音波発振子によって構成す
ると、PZTなどセラミックス製超音波トランスデュー
サに比べ、液体との音響的なマッチングが良いため液体
中に直接挿入でき、また広帯域の周波数特性のため、超
音波センサーとして、液体中で発生するレーザーブレイ
クダウン音響波を広帯域において高感度に検出すること
ができる。高分子圧電膜は薄膜のため、厚み振動以外の
振動モードの影響が無く、超音波発振子としては均一な
音場の発生、すなわち均一な定在波の発生が可能とな
り、また周波数特性が広帯域なため、定在波の発生に必
要な超音波の周波数を容易に調整することができ、請求
項4に記載のような光の集光部位の位置が、超音波の定
在波の節の面内に位置する構成にすると、定在波の面に
沿って流れて来た微粒子が集光部位の位置においてブレ
イクダウンし、音響波あるいはプラズマ発光を確実に発
生させることができ、請求項5に記載のような集光用レ
ンズが、シリンドリカルレンズによって形成すると、レ
ーザービームを定在波の節の面に沿った方向に広げるこ
とができるので、節の面に存在する微粒子のブレイクダ
ウンが増加し微粒子の検出効率を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液中微粒子測定装置の構成の一実施態
様を示す概略図である。
【図2】試料セル内に形成された集光部位および超音波
発振子によって形成された超音波の定在波の状態を模式
的に示した概略図である。
【図3】定在波の形成により試料セルに流入した微粒子
が、定在波の節の位置に沿って流れる様子を模式的に示
した概略図である。
【図4】本発明の液中微粒子測定装置における試料セル
を模式的に示した概略断面図
【図5】第4図の試料セルの側面断面図
【図6】、
【図7】本実施例において、超音波の定在波を発生させ
た場合と発生させない場合における、定在波中のレーザ
ービームの集光位置とブレイクダウン発生数の関係の測
定例を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザービーム照射器 2 集光レンズ 3 試料セル 4、4-1、4-2 定在波発生用超音波発振子 5 収束型超音波発振子 6 音響波センサー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料液に光を集光し、該集光部位におい
    て試料液中の微粒子による散乱光または微粒子のブレイ
    クダウンにより発生した音響波または微粒子のプラズマ
    発光を検出することによって試料液中の微粒子を測定す
    る装置において、前記光の集光部位に超音波の定在波の
    節を形成する第1の超音波発生手段と、前記集光部位の
    定在波の節の位置に超音波の波面を収束させる第2の超
    音波発生手段とを設けたことを特徴とする液中微粒子測
    定装置。
  2. 【請求項2】 超音波発生手段の超音波の発振面が、試
    料液に直接接するような構造であることを特徴とする請
    求項1に記載の液中微粒子測定装置。
  3. 【請求項3】 超音波発生手段が、高分子圧電膜からな
    る超音波発振子であることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の液中微粒子測定装置
  4. 【請求項4】 光の集光部位の位置が、超音波の定在波
    の節の面内であることを特徴とする請求項1〜請求項3
    の何れかの請求項に記載の液中微粒子測定装置。
  5. 【請求項5】 集光用のレンズがシリンドリカルレンズ
    であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかの
    請求項に記載の液中微粒子測定装置
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