JPH0747259A - 超音波による流体中の微粒子処理装置 - Google Patents

超音波による流体中の微粒子処理装置

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JPH0747259A
JPH0747259A JP5296310A JP29631093A JPH0747259A JP H0747259 A JPH0747259 A JP H0747259A JP 5296310 A JP5296310 A JP 5296310A JP 29631093 A JP29631093 A JP 29631093A JP H0747259 A JPH0747259 A JP H0747259A
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ultrasonic waves
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Kenji Yasuda
賢二 安田
Shinichiro Umemura
晋一郎 梅村
Kenichi Kawabata
健一 川畑
Kazuo Takeda
一男 武田
Noritaka Uchida
憲孝 内田
Yoshinori Harada
義則 原田
Masao Kamahori
政男 釜堀
Kazuaki Sasaki
一昭 佐々木
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    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10KSOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10K15/00Acoustics not otherwise provided for
    • G10K15/02Synthesis of acoustic waves

Abstract

(57)【要約】 【目的】 微粒子を任意の位置に固定し、任意の方向に
任意の速度で移動、運搬することができ、また、特定の
範囲に存在する微粒子等を集合、あるいは排除すること
ができる超音波処理装置の提供。 【構成】 複数の超音波振動子より発生させた超音波に
よって作り出された勾配力場を重ね合わせることによっ
て生じた勾配力を用いて、溶液中の任意の位置に微粒子
を捕獲固定し、移動あるいは細胞融合を行わせる。複数
の超音波振動子が、二次元的に配列され、超音波振動子
は、各々独立しており任意の強度、位相で超音波を発射
することができ、これにより各々が作り出す勾配力場を
重ね合わせることによって勾配力を生じさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体中の微粒子に作用
する超音波によって微粒子が受ける力を利用して、プラ
スチック粒、粒状高分子物質等の微粒子や、微生物、組
織細胞切片、卵、精子等の生体粒子の流体中での閉じ込
めあるいは結合、前記の粒子群の捕獲、前記の粒子の液
体中での運搬、前記の粒子等の濃縮と排除、さらには、
屈折率の異なる微粒子の配列を制御することによる光の
回折、散乱への応用等の幅広い超音波による流体中の微
粒子処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】微粒子をトラップすることは、極微ピン
セット、触針などで物理的に直接捕える従来の手段の他
に、最近では電磁波、光、音波などで発生させた勾配力
場によって間接的に捕える手段も試みられている。
【0003】ピンセット、触針などで捕える手段は、簡
便であり確実性が高い反面、物理的に接触するために、
捕えることのできる微粒子の大きさはピンセット、触針
等の加工精度、加工限界に大きく依存する。また、直接
接触して捕まえることから粒子を破壊、変形させてしま
う可能性がある。さらに、捕えた微粒子を移動させる
際、ピンセット、触針等は機械的に移動操作されるため
にステッピングモーター等の駆動精度以上の精度で移動
させることができない。
【0004】電磁波によって勾配力場を発生させること
によって捕える手段は、電荷を誘引できる微粒子に対し
て有効である。電場は重ね合わせが容易なため、適当な
重ね合わせの手法を用いれば、任意の場所に比較的容易
に勾配力場を作り出すことができ、機械加工限界を越え
る精度で電気的引力あるいは斥力によって微粒子を捕え
ることができる。また、勾配力場によって間接的に捕え
る手法の特長として、接触による微粒子の破壊、変形等
の危険性が無いこと、勾配力場の発生源を制御すること
によって束縛力の大きさを自在に変化させることができ
ること、力場を消失させることで微粒子をすぐに自由に
することができることなどが挙げられる。問題点は、電
場による勾配力場であることから、電気的に中性の粒子
については有効でないことである。
【0005】光ビームによって勾配力場を発生させるこ
とで捕える手段は、中性粒子および誘電体粒子に対して
試みられている。レーザー光を集光することによって、
焦点を極大とする勾配力場が発生し、入射レーザー光の
散乱力を越える勾配力が微粒子に働いたとき、この微粒
子を捕えることができる。問題点は、この手法では、ト
ラップする手段が散乱力と勾配力の拮抗の上で成り立っ
ているため、粒子半径が波長より十分大きい粒子につい
ては、粒子の形状に依存して散乱力が大きく変わるの
で、その光学散乱がトラップの方向によってそれほど変
化しない粒子に限定されることである。また、十分な勾
配力を得るためにレーザー光を強く集光するので、誘電
体粒子や生物粒子に不可逆的な光によるダメージを与え
てしまうことである。さらに、光学的測定を行う場合、
あるいは、光感受性のある物質に対してはこの手法を用
いることはできない。さらに、強力なレーザーを発生さ
せる光源、レーザー光を光源より焦点位置まで誘導する
装置類など、大きな装置系を組む必要がある。
【0006】超音波によって勾配力場を発生させること
で捕える手段も、ポリスチレンおよびカエルの卵につい
て試みられている。勾配力場の発生について仕方は様々
であるが、例えば、Journal of Acoustical Society of
America, vol.89, No.5 (1991), pp.2140―2143の論文
では、溶液中において、対称に置いた一対の超音波発生
源より、3.5MHzの超音波を連続照射することによ
り勾配力場を作り出し、その焦点で0.27mmのポリ
スチレンビーズを捕えることに成功している。さらに、
この超音波発生源を機械的に移動させることによって微
粒子を任意の方向に移動させることにも成功し、また、
この3.5MHzの超音波で捕獲した微粒子について、
超音波の振動数を変化させることにより、0.01MH
zの変化につき放射軸方向にのみではあるが、1ミクロ
ン程度の移動をさせることにも成功している。
【0007】また、ACUSTICA Vol.5 (1955) 167-178 に
は超音波の定在波、進行波による微粒子の振舞いについ
ての理論計算および実験が紹介されている。
【0008】本論文は、微粒子が音圧の節あるいは腹に
移動しようとする要因は、その音速と密度であることを
示したものである。微粒子の密度―圧縮因子 F(σ、λ)>0のとき、微粒子は超音波の腹の位置
に、F(σ、λ)<0のとき、微粒子は節の位置に集ま
ることを理論的に説明し、また、実際に水中の気泡の場
合について実験を行い、理論予測と同じ結果になること
を証明した。
【0009】本論文では、水中におけるトルエン、ベン
ゼン等のコロイドは音圧の節の位置に集まり、ニトロベ
ンゼン、水銀等のコロイドは、音圧の腹の位置に集まる
ことを、これらの物質の密度と音速から予測している。
【0010】一方、制御された拡がりを持つ超音波焦域
の作成手法については、IEEE transactions on ultraso
nics、 ferroelectrics、and frequency control, vol.3
9, No.1, (1992)pp.32―38)にあるように、凹面円板
上に円周状に配置した超音波発生源より各々の素子に一
周で2mπの位相差をもつ超音波を与えることによっ
て、凹面板前方の焦点を中心にm次のベッセル関数型の
強度分布を持った音場を作り出すことに成功している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、超音
波集束用凹面板を用いた超音波発生源によって焦点を作
り微粒子を捕えるため、機械的手段を用いずに超音波発
生源に対し相対的に焦点を移動して微粒子を移動させた
り、複数の焦点を同時に作って微粒子を捕えたりするこ
とはできなかった。また、鉛等の微粒子については検討
されていなかった。さらに、超音波により作用する力が
小さい極めて粒径の小さい微粒子についての配慮がなさ
れていなかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
では不可能であった、微粒子を任意の位置に固定し、任
意の方向に任意の速度で移動運搬することを原理的に可
能とする手法を提供することを目的とするものである。
また、特定の範囲に存在する微粒子等を集合させる手法
を提供し、あるいは特定の範囲に存在する微粒子等を排
除する手法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【作用】本発明の目的は、複数の超音波発生素子よりな
る超音波発生源を特定の形状に配列し、特定の波長の超
音波を、各々の超音波発生素子より任意の位相、強度で
発生させることのできる装置系において、各々の超音波
発生素子より発生された超音波を重ね合わせて、任意の
位置に焦点を結ばせ、この焦点の位置に勾配力場を発生
させるものである。また、本発明は、捕獲した微粒子を
移動させるために、各々の超音波発生素子の位相、強度
を変化させることによって、この勾配力場を任意の方向
に移動させるか、あるいは、順次複数の別の勾配力場を
特定の場所に特定の強度で発生させることによって実現
される。
【0014】
【実施例】最初に、超音波の音圧によって発生する勾配
力場中におかれた微粒子が受ける勾配力Fについて述べ
る。
【0015】勾配力ベクトルFは、Iを超音波の強度、
Gを定数として、 F=−▽Φ=−G▽I とおくことができる。ここで、Gは、水と微粒子の密度
および音速の関係によって決まる値であり、図1に示し
たようにポリエチレン等の微粒子では正であるが、鉛、
イリジウム等の微粒子では負となってしまう。また、G
が正となる微粒子については、超音波の焦点でポテンシ
ャルΦは極小値をとり、これらの微粒子を焦点に集める
ことができる。逆に、Gが負となる微粒子については、
超音波の焦点でポテンシャルΦは極大値をとり、これら
の微粒子は焦点から斥力を受け、焦点から遠ざかろうと
する。従って、この性質を効果的に用いて、Gが正の物
質と負の物質を識別し、選択的に捕獲することが可能に
なり、従来のレーザートラップではできなかった捕獲選
別もできるようになった。また特に、Gが負となる物質
を捕獲する場合には捕獲したい微粒子の周囲に十分密に
ポテンシャルの極大点を配置し、極大点の壁で微粒子を
囲うことによって微粒子をその壁の中に捕獲することが
できる。
【0016】超音波を集束させることで発生する勾配力
場を用いて、この焦点の位置に発生するポテンシャルの
極小点で微粒子を捕獲する基本構成を図2、図3によっ
て説明する。
【0017】図2は勾配力場による微粒子の捕獲の第1
の基本構成の模式図を示し、(a)は、溶液4中におい
て、二次元に配列された超音波発生素子による超音波発
生源1、1’を、上下対になるように並べた超音波捕獲
運搬装置の側面からの模式図である。二次元に並べられ
た超音波発生源1より発射される超音波3は、N個の超
音波発生素子1の(i,j)番目の素子について、各振
動子の波形A(i,j)は(数1)のようにおくことが
出来る。
【0018】 A(i,j)=A0(i,j)・Exp[j(ωt+δ(i,j))] (数1) (数1)において、A0(i、j)は(i、j)番目の
超音波振動子の振幅を示し、δ(i、j)は(i、j)
番目の超音波振動子の位相のずれを示している。
(I0、J0)番目の超音波振動子の真下に焦点を作る為
には、(I0、J0)番目の素子から焦点に下ろした垂線
の長さをL、(i、j)番目の素子から(I0、J0)番
目の素子への各素子の一素子当たりのi方向、j方向の
幅をそれぞれdx、dyとしたとき、(i、j)番目の
素子の持つべき位相δ(i、j)を、(数2)のように
おけばよい。
【0019】
【数2】
【0020】このようにして作られた焦点の周囲に、Z
軸方向に、図2(b)のような勾配力場12が形成され
る。Gが正となるとき、微粒子は、N個の超音波発生素
子による勾配力場の重ね合わされた勾配力場Φが極小値
となる方向へ移動し、極小点11で安定する。
【0021】次に、各超音波発生源1、1’の位相分布
を変化させ、微粒子5を移動させたい方向、例えば、矢
印6で示す方向に勾配力場を動かして、勾配力場の極小
点をその方向へ移動させてゆく。これにより、極小点で
安定していた微粒子5は、極小点の移動にあわせて移動
する。また、勾配力場12を発生する超音波発生源1、
1’の素子数、位置を選択することによって、特定の範
囲中に、任意の大きさの勾配力場を、勾配力場の重ね合
わせで作り出すことができ、その勾配力場12中のすべ
ての微粒子を極小点に集めることができる。
【0022】図3に、本発明における、勾配力場による
微粒子の捕獲の第2の基本構成の模式図を示す。図3
(a)は、溶液4中において、N個の超音波発生素子1
をドーナツ状に、内側に向けて配列させた超音波発生装
置の、上面からの模式図である。
【0023】それぞれの超音波発生素子の番号を時計回
りに1番からN番まで付けたとき、i番目の発生素子の
放射する超音波は(数3)のようになる。
【0024】 A(i)=A0(i)・Exp[j(ωt+δ(i))] (数3) (数3)について、A0(i)はi番目の超音波振動子
の振幅を示し、δ(i)はi番目の超音波振動子の位相
のずれを示している。円周の中心に焦点を作る為には、
すべてのiについてδ(i)=0とおけばよい。超音波
の焦点を円の中心からベクトルrだけ離れた地点へ作る
ためには、i番目の振動子の位相のずれδ(i)を、
(数4)で示される大きさにすればよい。ただし、i番
目の超音波振動子の波数ベクトルをk(i)とする。
【0025】
【数4】
【0026】オフセットδ(i)が0の時、前記梅村ら
の論文にあるようにN個の波の重ね合わせは、円の中心
を中心とする、m次のベッセル関数となり、m=0の
時、図3(b)にあるような、勾配力場12を発生す
る。この勾配力場の極小点を、円の中心より任意の地点
へ、移動させるには、オフセットδ(i)を変更するこ
とによって実現できる。従って、δ(i)を順次滑らか
に変化させてゆくことによって、この勾配力場に捕えら
れた微粒子を移動させてゆくことができる。
【0027】Gが負となる微粒子のときには、mが1以
上になるようにすれば位置rの場所を囲む形で極大値の
壁ができ、微粒子をこの壁の中に捕らえることができ
る。
【0028】以上、水等の非圧縮性流体について述べた
が、気体等の圧縮性流体であっても同様である。以下の
実施例では、簡単のために非圧縮性流体についての実施
例のみとした。
【0029】(微粒子を捕獲、移動させる実施例)図4
に、上記第1の基本構成を適用して、水溶液中に浮遊す
る微粒子を捕獲、移動させるように構成した本発明の一
実施例の模式図を示す。図2に示したように平板上に2
次元に配列させた超音波発生素子よりなる一対の装置本
体は、溶液4で満たされており、その溶液中に微細粒子
5が浮遊している。平面板に取付けられている超音波発
生素子1は、ZnO、PLDP系セラミックスなどによ
り構成されている。これらの発生素子は透明であるた
め、顕微鏡等で外部よりこれら発生素子を透過して、溶
液4中の微細粒子5を直接観察することができる。各超
音波発生素子1の強度は、独立に調節することができる
ようになっており、前述した作用の欄の第1の基本構成
で述べた原理、手法を用いて、3MHzの超音波で、1
0ミクロンのラテックスビーズを捕獲運搬することがで
きた。また、3MHzの超音波で、カエルの卵を非破壊
的に捕獲運搬することができた。また、この例において
は、上下に対称に超音波発生素子を配置することによっ
て、集束超音波がもたらす副次的な流体の流れを押さえ
た。
【0030】しかし、固定された平面板の近傍や、水面
に近い部分では、勾配力場による微粒子の捕獲を妨げる
ような大きな流体の流れが生じないことから、超音波発
生素子を配列させた1枚の平面板のみで、微粒子を捕獲
移動させることができた。
【0031】図5に、図4で述べた実施例における超音
波制御部位の構成のブロック図を示す。この制御装置部
は、図4で示したN個の超音波発生素子1―1、…、1
―Nの発生超音波を制御しており、この超音波発生素子
を超音波送受波素子におきかえることによって、発生し
た超音波のエコーを受信して微細粒子の存在位置を確認
することができる。さらに、超音波のエコー像や、ビデ
オカメラ・画像処理装置系等により得られた微細粒子の
空間分布像を解析処理して、あらかじめ操作の開始時に
プログラムしておいた手順に従って、次の発生超音波を
フィードバック制御することができる。具体的には、ま
ず、微粒子を捕獲したい位置に勾配力場の極小点が発生
するように、コントロール盤13より希望の座標が入力
される。次に、主制御回路14において各々の超音波送
受波素子の強度、位相、オフセットが設定され、これが
波形記憶回路15に出力される。波形記憶回路15のデ
ータは、主制御装置14からの送波指令によって、送波
回路16から読み出される。送波回路16は、接続され
ているN個の超音波送受波素子1―1、…、1―Nに、
波形記憶回路15のデータに基づく波形出力を送り出
す。超音波によって微粒子の位置を確認する場合、発射
された超音波のエコーは、再び超音波送受波素子1―
1、…、1―Nによって受信され、受波回路17に伝達
される。受波回路17に伝達されたデータは、解析演算
回路18を経ることによって、微粒子の座標、変位速度
等、フィードバック制御をするための基本データとし
て、主制御回路14、表示回路19に転送される。主制
御回路14は、解析演算回路18およびテレビカメラ、
画像処理系201よりもたらされた微粒子の位置データ
を基に、超音波トラップのフィードバック制御を可能に
した。
【0032】図6に、上記第1の基本構成を適用して、
溶液で満たされた管中にある微粒子を選択的に捕獲輸送
させるように構成した本発明の一実施例の模式図を示
す。この装置系では、図2に示したような複数の超音波
送受波素子が、管表面上に図6のように配列されてい
る。配列されている超音波送受波素子は、各々独立して
おり任意の強度、位相で超音波を発射することができ
る。微粒子を選択的に捕獲する部位には、観察用の窓が
設けられており、この部分より、微粒子を観察しながら
捕獲する。捕獲した後、前述した作用の欄の第1の基本
構成で述べた原理、手法を用いて3MHzの超音波で、
10ミクロンのラテックスビーズを捕獲運搬することが
できた。また、3MHzの超音波で、カエルの卵を非破
壊的に捕獲運搬することができた。各超音波送受波素子
1の制御は、図5で示した実施例と同様な制御装置を用
いた。
【0033】図7に、上記第2の基本構成を適用して、
水溶液中に浮遊する微粒子を捕獲するように構成した本
発明の一実施例の模式図を示す。本発明による基本構成
を適用した超音波トラップ装置および運搬装置の第3の
実施例の側面および上面からの模式図を示す。これは、
上記第2の基本構成を適用したことを特長とした実施例
の一つである。
【0034】図3に示したようなドーナツ状に配列構成
した超音波送受波素子よりなる超音波捕獲運搬装置本体
は、顕微鏡のプレート上に固定されている。各々の超音
波送受波素子は、独立しており、任意の強度、位相で超
音波を発生させることができる。超音波捕獲装置本体内
部は、溶液が満たされており、顕微鏡対物レンズによっ
て、溶液中に存在する物体の実体、位相差、蛍光像など
を常時観察することができる。ここで、超音波発生装置
本体の各超音波発振子より、前述した作用の欄の第2の
基本構成で述べたような位相の違いを持った超音波を発
生させることによって、3MHzの超音波で、10ミク
ロンのラテックスビーズを捕獲運搬することができた。
また、3MHzの超音波で、カエルの卵を非破壊的に捕
獲運搬することができた。また、位相のオフセットを変
化させることによって、微粒子を移動運搬させることが
できた。各超音波送受波素子1の制御は、図5で示した
実施例と同様な制御装置を用いた。
【0035】図8に、上記第1の基本構成を適用して、
水溶液中の一定の範囲に浮遊する微粒子を捕獲し、一箇
所に集合させるように構成した本発明の一実施例の模式
図を示す。これは、上記第1の基本構成を適用したこと
を特長とした実施例の一つである。図7に示したように
平板上に2次元に配列させた超音波捕獲運搬装置本体
は、溶液4で満たされており、その溶液中に微細粒子5
が浮遊している。平面板に取付けられている超音波送受
波素子1は、ZnO、PLDP系セラミックスなどによ
り構成されている。各超音波送受波素子1の強度は、独
立に調節することができるようになっており、前述した
作用の欄の第1の基本構成で述べた原理、手法を用い
て、3MHzの超音波で、1cm3の範囲にあるウニの
精子を非破壊的に焦点に集めることができた。また、各
超音波送受波素子1の制御は、図5で示した実施例と同
様な制御装置を用いた。
【0036】図9に、上記第1の基本構成を適用して、
水溶液中にある微粒子を捕獲し、これにより特定の範囲
で、微細なゴミを効果的に排除するように構成した本発
明の一実施例の模式図を示す。これは、上記第1の基本
構成を適用して、ことを特長とした実施例の一つであ
る。図9に示したように平板上に2次元に配列させた超
音波捕獲運搬装置本体は、溶液4で満たされており、そ
の溶液中に存在する金属板20表面には微粒子5が付着
している。平面板に取付けられている超音波送受波素子
1は、ZnO、PLDP系セラミックスなどにより構成
されている。
【0037】各超音波送受波素子1の強度は、独立に調
節することができるようになっており、前述した作用の
欄の第1の基本構成で述べた原理、手法を用いて、任意
の場所の微粒子を捕獲することができる。まず、金属板
20上の、ゴミを排除したい領域の中心に、焦点を絞
る。次に、この焦点を中心に図9の矢印21のように超
音波の焦点の位置を拡げてゆくことで、5ミクロンのラ
テックスビーズ等のゴミを捕獲排除することができた。
また、各超音波送受波素子1の制御は、図4で示した実
施例と同様な制御装置を用いた。
【0038】上記5件の実施例の説明では、多数の超音
波発生素子を配列させ、これらの位相、強度を制御し、
超音波発生素子が作る音場を直接利用することで勾配力
場を作り出す場合を例としてあげたが、平板上により少
数の超音波発生素子を十分な隙間をおいて配列させた場
合にも、これらの素子の振動を、素子に接した平板に伝
えることにより、見掛け上すき間なく超音波発生素子が
配列しているように振る舞わせることができる。これに
よって上記5件と同様な勾配力場を作ることができ、微
粒子を上記5例と同様に捕獲運搬することができる。
【0039】また、作用でも説明したように、Gが負に
なる微粒子についても上記5件の実施例で、捕獲したい
微粒子の周囲にポテンシャル極大の焦点を複数、あるい
は連続的に作ることによって微粒子を捕らえることがで
きる。
【0040】また、前述したように、Gが負になる微粒
子についても上記5件の実施例で、捕獲したい微粒子の
周囲にポテンシャル極大の焦点を複数、あるいは連続的
に作ることによって微粒子を捕らえることができる。
【0041】(細胞融合の実施例)次に、超音波を集束
させ微粒子を捕獲する部分と、高圧電場で細胞融合を誘
発させる部分とからなる細胞融合の実施例を図10に示
す。この実施例は、前述した実施例に機械的な移動制御
のメカニズムを付加したものである。これらの部分はセ
ル36の中に置かれている。超音波を集束させる部分
は、超音波振動子31と、振動子が発生する波を集束さ
せるための音響レンズ32とからなっており、超音波の
焦点の位置に細胞を捕獲することができる。なお37は
超音波振動子駆動用同軸ケーブルである。
【0042】超音波振動子31と音響レンズ32からな
るユニットを3次元マニピュレーション装置35で移動
させることによって焦点位置を動かすことができる。こ
れを用いて、細胞融合させたい細胞を平行電極板33の
位置まで誘導する。この実施例の装置では3MHzの超
音波を用いることで、粒径30μmの細胞を捕獲し移動
させることができる。
【0043】電場で細胞融合を誘発させる部分は、一対
の電極33、33からなり、電気パルスを印加すること
ができる。融合させたい細胞を超音波振動子31と音響
レンズ32からなるユニットで捕獲し、この電極33、
33の間に3次元マニピュレーション装置35で誘導
し、細胞を接触させた状態で電気パルスを印加すること
で細胞を融合させることができる。
【0044】また、キャビテーションの影響を抑さえる
ために、セル中の溶液の溶存ガスを二酸化炭素、亜酸化
窒素等の三原子ガスに置換することもできる。
【0045】つぎの装置は、超音波を集束させ微粒子を
捕獲する部分と、ピペッティング装置から細胞融合誘発
剤を噴射し細胞融合を誘発させる部分とからなる細胞融
合の実施例を図11に示す。このこれらの部分はセル3
6の中に置かれている。超音波を集束させる部分は、前
述した図4の実施例と同様であり、超音波振動子を2次
元に配列させた二つの板39、39よりなっている。こ
の2次元に配列させた超音波振動子による超音波の発生
は前述したとおりである。
【0046】(数2)において、目的とする二つの細胞
38、38について、各細胞の位置に焦点を持ってくる
位相δ1とδ2を加えた位相を超音波振動子(i、j)
に加えればよい。また、この位相を変化させることで、
矢印41、41のように焦点位置を移動させ、二つの細
胞を一箇所に集めることができる。この実施例の装置で
は3MHzの超音波を用いることで、粒径30μmの細
胞を捕獲し移動させることができる。
【0047】マイクロピペッティング装置部40は、エ
チレングリコールを溶液中に噴射することができる。ま
た、この装置はマイクロマニピュレーター35によって
任意の位置に移動させることができる。融合させたい細
胞を前述の超音波による捕獲装置で一箇所に集合させた
後に、マイクロピペッティング装置40の噴射口を近付
け、エチレングリコールを噴射することで細胞融合を引
き起こすことができる。
【0048】また、顕微鏡42で観察するために、本装
置では透明な超音波振動子ZnO、PLDP系セラミッ
クを用いた。
【0049】本実施例は、一対の2次元配列超音波振動
子39、39を用いたが、一枚の2次元配列超音波振動
子を用いるのみでも同様な結果をもたらすことができ
る。また、キャビテーションの影響を抑さえるために、
セル中の溶液の溶存ガスを二酸化炭素、亜酸化窒素等の
三原子ガスに置換することもできる。
【0050】本実施例では標的とする細胞の捕獲手段と
して超音波を用い、細胞融合手段として局所的に化学物
質を作用させる手段を用いたが、このマイクロピペット
で局所的に化学物質を供給する手段は、ピペット吸引、
電場トラップ、光トラップ等によって細胞捕獲を行なっ
た場合にも用いることができる。
【0051】つぎに、超音波を集束させ微粒子を捕獲す
る部分と、集束超音波で細胞融合を誘発させる部分とか
らなる細胞融合装置の実施例を図12に示す。これらの
部分はセル36の中に置かれている。超音波を集束させ
る部分は、2次元配列超音波振動子39と、各振動子を
独立に振動させるコントローラー(図示省略)とからな
っており、図11に示した実施例と同様な位相制御によ
り、超音波を集束させ焦点を作ることができ、この焦点
の位置に細胞を捕獲することができる。また、この超音
波振動子ユニットを3次元マニピュレーション装置35
で移動させることによって焦点位置を動かすことがで
き、また、超音波振動子の位相を変化させることで、焦
点の位置を微動させることもできる。これを用いて、細
胞融合させたい細胞を目的の位置まで誘導する。この実
施例の装置では3MHzの超音波を用いることで、粒径
30μmの細胞を捕獲し移動させることができる。
【0052】集束超音波で細胞融合を誘発させる部分
は、100MHzの超音波を発生することができる2次
元配列超音波振動子43からなり、マイクロマニピュレ
ーター35によっておおよその目的の位置まで移動させ
た後、図11の実施例と同様な手法で、目的の位置に焦
点を作ることができる。融合させたい細胞38を一箇所
におき、接触させた状態でパルス状の超音波を送ること
によって細胞を融合させることができる。
【0053】また、キャビテーションの影響を抑さえる
ために、セル中の溶液の溶存ガスを二酸化炭素、亜酸化
窒素等の三原子ガスに置換することもできる。
【0054】さらに、図示は省略するが、二つの細胞を
捕えるには、目的とする二つの細胞について、図3に示
すタイプの超音波装置とするのも良い。これによって各
細胞の位置に焦点を持ってくるように超音波振動子を制
御し、且つ焦点位置を移動させ、二つの細胞を一箇所に
集めることができる。
【0055】さらに、融合させたい細胞を円の中心に集
め、これらの細胞を接触させた状態で、各振動子から同
時に振動数100MHzのパルス状の超音波を送ること
によって細胞を融合させることができる。超音波に代え
て前述した様に、電場を加えたり、細胞融合促進剤を添
加する手法を用いてもよい。
【0056】また、キャビテーションの影響を抑さえる
ために、セル中の溶液の溶存ガスを二酸化炭素、亜酸化
窒素等の三原子ガスに置換することもできる。
【0057】図4から図12に示す実施例により、ピン
セットや、電場、レーザー光等、従来用いられている手
法とは異なる、超音波を用いる手法で勾配力場を用いて
微粒子を捕獲運搬することができるようになったので、
非破壊的にピンセットで鋏むことができない物質、電気
的に中性の物質、光学活性を持つ物質、濁度の高い溶液
中の物質など、従来捕獲できなかった物質を捕獲運搬す
ることができるようになった。また、超音波振動子を配
列させ、任意の強度、位相で超音波を発生させることに
より容易に勾配力場を発生させることができるようにな
ったので、従来の光トラップにはない簡便な装置系で、
任意の形状の部位に微粒子を捕獲し運搬させることがで
きるようになった。また、超音波の焦点においては微粒
子はその物性に依存して、焦点への引力あるいは斥力を
受けることから、従来の光トラップ等では不可能であっ
た選択的微粒子捕獲を可能にすることができた。
【0058】さらに、細胞に接触による損傷、あるいは
光学的な損傷を与えることなく、非接触的に、かつ選択
的に微粒子を捕獲し、細胞融合させることができるの
で、目的とする細胞融合を高い確率で行うことができ
る。
【0059】(濃縮装置の実施例)液体中の微粒子を濃
縮して取り出すのに最も普遍的で簡便な方法は、微粒子
に外力を与えて分画する方法であるが、外力として遠心
力を用いる場合には、十分な遠心力を得るために液体を
容器に詰めて数万回転で回転させることが必要であり、
簡便に大量の溶液中の微粒子を連続的に濃縮したり、分
析装置等に濃縮用の部品として組み込むことは難しい。
【0060】また、溶液中の不純物微粒子を排除する方
法として、膜フィルターを用いることが主流となってい
るが、膜フィルターはその性質上、使用量に応じて機能
が劣化してしまう。また、溶液によっては膜フィルター
自体が分解されてしまうため利用できない場合もある。
さらに、膜フィルターは、そのろ過する微粒子の大きさ
を任意に変更することはできず、予め用意されているフ
ィルターの目の細かさに依存してろ過する微粒子の大き
さが決められてしまう。
【0061】上記課題は、本実施例による超音波の輻射
圧を微粒子に作用させることにより解決される。即ち、
流体中に超音波の定在波あるいは進行波を形成し、これ
によって生ずる勾配力場によって微粒子に非接触的に外
力を作用させればよい。また、この超音波の強度を適当
に変化させることで、微粒子に加える外力を適当に変化
させることができる。
【0062】より詳細には、集束させたい金属微粉、蛋
白質等の微粒子を含む流体を管中あるいはゲル中で泳動
させながら、その泳動方向とは垂直の方向に音波を定在
波あるいは進行波あるいは同心円状のスパイラル音状波
を形成し、微粒子の流体に対する密度、音速の違いに応
じて、定在波の節あるいは腹の位置に微粒子を集束させ
たり、進行波の進行方向あるいは進行方向の逆方向に微
粒子を集めたり、同心円状の音場中に微粒子を閉じ込め
この同心円の大きさを小さくしてゆくことにより流体中
において微粒子の濃縮された部位と、微粒子の存在しな
い部位を作ればよい。
【0063】あるいは、流体を満たした容器中で音源よ
り発射した超音波により作り出された勾配力場の障壁を
用い、流体はこの障壁を容易に移動できるが、微粒子は
この障壁によって抵抗を受けるために障壁を越えにくい
ことを利用して流体中の微粒子を濃縮、あるいはろ過す
ればよい。また、このとき、超音波の強度を適当に調節
することにより、濃縮あるいはろ過の効率を変化させれ
ばよい。
【0064】音波の伝播媒質中の位置xでの音速ベクト
ルv(x)および圧力p(x)は、速度ポテンシャルφ
を用いて、
【0065】
【数5】
【0066】 p(x)=ρ(dφ/dt) (数6) とおくことができる。ただし、ここでρは媒質の密度で
ある。
【0067】音波の角速度をω、波数をkとおくと、 φ=ψExp[jωt] (数7) V=(ρ(k2)/4)|ψ|2 (数8) T=(ρ/4)|∂ψ/∂z|2 (数9) とおくことができ、微粒子に加わる外力<F>は、 <F(z)>=A(∂V/∂z)+B((∂V/∂z) +3(∂T/∂z))+Δ (数10) と置くことができる。ここで、A、B、Δは微粒子の粒
径、音速、密度によって決まる定数である。また、Δは
TとVがほとんどあるいは完全に一定である時以外は無
視できる項である。
【0068】(平面定在波の場合)平面定在波において
節の位置からの距離hの位置に微粒子があるとき、 ψ=C×(Exp[jk(z+h)] +Exp[−jk(z+h)]) (数11) と置くことができることから、 T=(|C|2)×(ρk2)(sin[k(z+h)])2 (数12) V=(|C|2)×(ρk2)(cos[k(z+h)])2 (数13) となり、 <F>=(|C|2)×[(−A+2B)(ρk2)]sin(2kh) =[f(λ,σ)×2I/c]sin(2kh) (数14) と置くことができる。ただし、ただし、Iは音波強度
で、 I=(|C|2)×(ρc(k2))/2 (数15) と表すことができ、 (−A+2B)=(4π(a3)k)[−1/(3λ(σ2)) +(λ+(2/3)(λ−1))/(1+2λ)] =f(λ,σ) (数16) であり、λ≡ρ*/ρ、σ≡c*/c=k/k*である。
ρ*、c*、k*は、それぞれ微粒子中の密度、音速、波
数であり、ρ、c、kは、それぞれ媒質中の密度、音
速、波数である。従って、微粒子の密度、音速の関数f
(λ,σ)>0のとき、微粒子は音圧の腹の方向へ力を
受け、f(λ,σ)<0のとき、微粒子は音圧の節の方
向へ力を受ける。
【0069】(平面進行波の場合)平面進行波において
原点に微粒子があるとき、 ψ=C×Exp[ikz] (数17) と置くことができることから、 T=(|C|2)×ρ/4 (数18) V=(|C|2)×ρ(k2)/4 (数19) となり、 (∂V/∂z)=0 (数20) (∂T/∂z)=0 (数21) と置けることから、 <F>=Δ=2πρ((ka)6)f(λ,σ) =4π(a2)((ka)4)(I/c)f (数22) と置くことができる。また、 f=f(λ,σ)=(1/(1+2λ)2)[(λ−(1+2λ)/(3λσ2))2 +(2/9)(1−λ)2] (数23) と表すことができる。
【0070】従って、微粒子の密度、音速の関数f
(λ,σ)>0のとき、微粒子は音波の進行方向へ力を
受け、f(λ,σ)<0のとき、微粒子は音波の進行方
向とは反対の方向へ力を受ける。
【0071】(有限大きさの音源による進行波の場合)
有限な大きさの音源の半径Rが、kR≫1であるとき、 V=T=I/(2c) (数24) と置くことができる。したがって、 <F>=((A+4B)/(2c))(∂I/∂z) =f(∂I/∂z) (数25) となり、f=f(λ,σ)>0のとき、微粒子はIのよ
り強い方向へ動こうとするが、f(λ,σ)<0のと
き、微粒子はIのより弱い方向へ動こうとする。
【0072】(輻射圧と濃度勾配の関係)微粒子を含む
溶液系の化学エネルギーμは、超音波の輻射圧が微粒子
1モルに与える力を[F]として、 μ=μ0(T)+μc−[F]dz (数26) と置くことができる。ここで、溶液中での微粒子の濃度
分布が平衡に達した状態では、 dμ/dz=0 (数27) である。このとき、微粒子の化学ポテンシャルμcは、 dμc/dz=[F] (数28) を満たす。そこで、両辺をzについて積分すると、 (dμc/dz)dz=(μc2)−(μc1) =RTln(c2/c1) =∫[F]dz (数29) と置けることから、微粒子濃度C1の座標z1から、微
粒子濃度C2の座標z2の間にできる濃度勾配は、 C2/C1=Exp[(∫[F]dz)/(RT)] (数30) となる。ただし、Rは気体定数である。
【0073】(微粒子の濃縮、ろ過)以上述べたような
原理に基づいて、流体中の微粒子は超音波の輻射圧によ
って受ける外力によってもたらされる濃度勾配を発生さ
せることができた。また、超音波の輻射圧の強度に空間
分布を持たせることによって、流体の空間中に勾配力場
を発生させ、微粒子の拡散に対する障壁を作り出し、こ
の障壁によって微粒子の拡散あるいは微粒子の侵入を防
ぎ、その障壁内で微粒子を濃縮したり、その障壁外の微
粒子を含まない流体のみを選択的に取り出すことができ
た。
【0074】(例)例えば、比重2.7、粒径100μ
mの微粒子は10MHz、100W/m2の平面定在波
において、f=0.00316(>0)となることか
ら、その腹の位置に引き寄せられ、節の位置で微粒子が
受ける外力はおよそ21ダイン[dyne]となる。
【0075】より具体的に構成について説明する。
【0076】図13に、濃縮装置の第1の実施例の前面
から見た摸式図(a)と、側面から見た模式図(b)を
示す。図13の(a)は図13の(b)をA−Aの位置
で矢印の方向に見た断面であり、図13の(b)は図1
3の(a)をB−Bの位置で矢印の方向に見た断面であ
る。この装置は、ゲル電気泳動を行わせる部分と、ゲル
中に定在波を起こさせる超音波発生部分とからなってお
り、電気泳動によって試料を分離しながら同時に超音波
によって分離試料を濃縮するものである。ゲル電気泳動
装置部では、2枚のガラス板52の間にアガロースゲル
54がはさまれている。ゲルの上端と下端は泳動剤(グ
リシンなど)、緩衝剤(トリズマベースなど)、界面活
性剤(SDS)の混合溶液よりなる泳動溶液が満たされ
た水槽51に漬けられており、この水槽間に電位差を与
えることでゲル中にある試料56を電気泳動させること
ができる。
【0077】このゲルの両側面(ガラス板2の両側端
部)にはゲル中に定在波55を起こすための超音波振動
子53が対向して置かれており、ゲル中の電気泳動させ
る試料のレーンの間隔にあわせて振動数を変化させ定在
波の節の位置あるいは腹の位置をレーンの中央に持って
くることができる。このようにすることは、実質的にゲ
ルにレーンを作るための壁を設定したのと同様の効果が
有る。また、強度を調節することで、試料の種類、電気
泳動速度に応じて試料を濃縮させる必要最小限の音圧を
与えることもできる。ゲル中での音速はほぼ溶液の音速
と同じで1500m/sとなることから、200kHz
の定在波を用いれば、15mm間隔の泳動レーンを用い
ることができる。
【0078】定在波中での試料は、溶媒に対する試料の
構成要素それぞれの音速と密度によって定在波の節の位
置に濃縮されるものと腹の位置に濃縮されるものに分け
られる。このゲル54の下端に近い部位に蛍光検出器、
光散乱検出器等の検出器を置くことにより、微量蛋白質
の検出を行うこともできるし、また、ゲル54の下端に
シースフローを作り細管でゲルの外に出てきた濃縮され
た試料を取り出すこともできる。
【0079】本実施例は、アガロースゲルを用いたSD
S電気泳動をもとに構成されているが、ゲルにポリアク
リルアミドなどを用いたり、等電点電気泳動などの他の
電気泳動で用いることもできる。また、本実施例ではス
ラブゲルをもちいて説明したが、同様に、ディスクゲ
ル、キャピラリーゲル等にも用いることができる。
【0080】また、ゲル中に超音波を進入させ、ゲルの
編目を振動させることで、従来より問題があった巨大蛋
白質、巨大DNA鎖等の分子量を正確に測ることができ
る。
【0081】図14に、濃縮装置の第2の実施例の摸式
図を示す。この装置は流体を流す管57と、この管57
の外壁面に対向して設けられ管57の中の流体に定在波
55を発生させる超音波振動子53とからなっており、
管の流体中にある微粒子58等の溶質を超音波によって
管の中央部に集めることができる。流体が水である場合
水中の音速は1500m/sであることから、超音波振
動子53から発生する超音波の振動数が1MHzの時、
波長λは1.5mmとなり管の幅がλ/2あるいはλ/
2の整数倍であれば、微粒子の音速および密度の関係に
よって定在波の節の部分に集まる微粒子と腹の部分に集
まる微粒子に分かれながら、徐々に管中の節あるいは腹
の位置に集まってくる。管57の内壁の厚さはλ/2で
あることが望ましく、管の材質が石英ガラスであると
き、その音速は5400m/sであることから、1MH
zの超音波での管の厚さは2.7mmである。また、管
中の流体は静止していても、流れていてもよい。流れて
いる溶液中の微粒子を集めるためには、集める微粒子の
大きさに応じて超音波の強度を調節したり、管の長さを
調節したり、流れる速度を調節すればよい。
【0082】本実施例では断面が長方形の管を用いた
が、管の形状にあわせて定在波が起こるように超音波振
動子を管壁に配置すれば多角形の管など異なった形状の
管に用いることもできる。また、この管の下流で蛍光検
出器等の微粒子検出器で微粒子を観察したり、管内より
細管を通じて濃縮した溶液部分を取り出すことができ
る。
【0083】より詳細には、微粒子検出器の場合、管の
内壁に沿って入射する照射光66が微粒子58に当た
り、検出窓67を通じて出てきた散乱光68を光検出器
69によって観測することが出来る。従って、定在波の
音圧の節の位置、あるいは、腹の位置に観測窓を付ける
ことによって、効果的に流体中の微粒子を観測すること
が出来る。
【0084】図15(a)に、濃縮装置の第3の実施例
の摸式図を示す。この装置は流体を流す管57と、この
管の外周に設けられ流体中に図15(b)で表されるよ
うな強度分布を持った超音波を発生させる複数の同型の
超音波振動子53とからなっており、管の流体中にある
微粒子58等の溶質を超音波によって管中心部に集める
ことができる。ここでX軸は管を長さ方向に切断する面
と平行に取ったものである。円筒形の管壁57の周りに
外周に沿って配置された複数の同型の超音波振動子53
において、円周上にN個配列した超音波振動子の各番号
を時計回りに1番からN番まで付けたとき、各超音波振
動子に発生させる超音波を、前述した数式(数3、数
4)と同様に(数31)のようにする。
【0085】
【数31】
【0086】このような超音波を発生させると、mの次
数によって管中のX軸方向にm次のベッセル関数状の音
圧分布が生じ、図15(b)のような音圧分布を作り出
すことができる。この管中で微粒子を濃縮してゆくに
は、管中で次数mの高い状態から徐々に次数mの低い状
態へ変化させてゆくか、あるいは、同じ次数の場合であ
っても超音波振動子の振動数を上げてゆくことで管内に
ある微粒子を管中心へ徐々に集めることができる。管中
の流体は静止していても、流れていてもよく、また、流
れている溶液中の微粒子を集めるためには、集める微粒
子の大きさに応じて超音波の強度を調節したり、管の長
さを調節したり、流れる速度を調節すればよい。
【0087】本実施例では断面が円形の管を用いたが、
管の形状にあわせて超音波振動子のオフセットδ(i)
を適当に調節すれば多角形の管など異なった形状の管に
用いることもできる。また、この管の下流で蛍光検出器
等の微粒子検出器で微粒子を観察したり、管内より細管
を通じて濃縮した溶液部分を取り出すことができる。
【0088】図16(a)に、濃縮装置の第4の実施例
を示す。この装置は集束超音波を用いて溶液中の微粒子
を濃縮させて、濃縮溶液を作るとともに、微粒子を含ま
ないきれいな溶液を作ることができる。集束超音波発生
部60より発射した円錐状の集束超音波59により、溶
液注入口62より矢印の方向61に流し込んだ溶液中の
微粒子は円錐59の中に捕獲され、溶媒のみが円錐の外
に出てゆくことができる。
【0089】円錐の頂点部付近から管63を用いて溶液
を矢印の方向61に吸引することによって、濃縮した溶
液を管63から得ることができる。また、管64から
は、微粒子を含まない溶液を取り出すことができる。溶
液の濃度は、管63より溶液を吸引する速度を調節する
ことで調整することができる。集束超音波発生部を背面
から見ると、図16(b)のように中心部に溶液注入口
62を持ち、扇型の超音波振動子53が円周状にN個配
列している。このN個の振動子から実施例3と同様に数
式(数31)で示されるような超音波を発生させると、
m次のベッセル関数状の音場が円錐59中に発生する。
この音場によって微粒子を円錐内に捕獲する。
【0090】図17に、濃縮装置の第5の実施例を示
す。この装置は集束超音波を用いて溶液中の微粒子を濃
縮させて、濃縮溶液を作るとともに、微粒子を含まない
きれいな溶液を作ることができる。集束超音波発生部6
0より発射した円錐状の集束超音波59により、溶液注
入口62より矢印の方向61に流し込んだ溶液中の微粒
子は円錐中に入ることができず、溶媒のみが円錐の内側
に入ってゆくことができる。集束超音波の円錐の外側
で、管63を用いて溶液を矢印の方向61に吸引するこ
とによって、濃縮した溶液を管63から得ることがで
き、この溶液を検査することによって微粒子(不純物)
の種類を特定することもできる。また、集束超音波の円
錐内に吸引口を持つ管64からは微粒子を含まない溶液
を取り出すことができる。溶液の濃度は、管63より溶
液を吸引する速度を調節することで調整することができ
る。集束超音波発生部60を背面から見ると、図16
(b)のように中心部に溶液注入口62を持ち、扇型の
超音波振動子53が円周状にN個配列している。このN
個の振動子から実施例3と同様に数式(数31)で示さ
れるような超音波を発生させると、m次のベッセル関数
状の音圧分布が円錐59中に発生する。この音場によっ
て微粒子が円錐内に入らないようにする。
【0091】本実施例では超音波による勾配力場を作り
出すために集束進行波を用いたが、定在波によって溶液
注入口より入った微粒子の拡散を防ぐ障壁を作ったり、
平面進行波、発散進行波等によって音源から微粒子を進
行波の進む方向に追いやることによっても、本実施例と
同様な効果が得られる。
【0092】図18に、濃縮装置の第6の実施例を示
す。この装置は集束超音波を用いて溶液中の微粒子を濃
縮させて、濃縮溶液を作るとともに、集束超音波の進行
波成分により微粒子を一箇所に集めることができる。集
束超音波発生部60より発射した円錐状の集束超音波5
9により、チューブ65内の微粒子は円錐状の音場の頂
点の方向に音圧を受け、これによりチューブの底に微粒
子を集めることができる。集束超音波発生部を背面から
見ると、図16(b)のように中心部に溶液注入口62
を持ち、扇型の超音波振動子3が円周状にN個配列して
いる。このN個の振動子から実施例3と同様に数式(数
31)で示されるような超音波を発生させると、m次の
ベッセル関数状の音圧分布が円錐59中に発生する。こ
の円錐内を集束進行してゆく音場によって微粒子が円錐
の頂点の方向に集められてゆく。
【0093】本実施例では微粒子に外力を加える超音波
による勾配力場を作り出すために集束進行波を用いた
が、定在波によってチューブ中の特定の位置に微粒子を
濃縮したり、平面進行波、発散進行波等によって音源か
ら微粒子を進行波の進む方向に追いやることによって
も、本実施例と同様な効果が得られる。
【0094】つぎに、特定の範囲に濃縮された微粒子を
選択的に回収する手段について配慮された濃縮装置の実
施例について説明する。すなわち、流体中の微粒子を、
超音波の輻射圧によって、その物理特性に応じて特定の
範囲に集束させた後、目的とする微粒子を選択的に流体
から回収することのできる濃縮装置を提供する。また、
本実施例では流体中の微粒子を濃縮する超音波の輻射圧
の加え方について、管の形状に依存しないものとされ
る。
【0095】微粒子の選択的回収については、超音波の
輻射圧を流体中の微粒子に作用させることで、微粒子を
特定の範囲に局在させ、その後、流体の一部を、内径が
用いる超音波の波長より十分小さな細管を用いて回収す
ることにより解決される。即ち、流体中に超音波によっ
て生ずる勾配力場によって微粒子に非接触的に外力を作
用させ、微粒子の物理特性に応じて流体中の特定の範囲
に集まった微粒子を、その流体の流れの下流において細
管を用いて陰圧で吸引する。また、管の形状に依存しな
い微粒子の集束手段については管の周囲に独立に配置し
た複数の超音波振動子から適当な位相差で超音波を照射
スパイラル音状波となるように照射し、その周波数を上
げて行くことによりスパイラル音状場の同心円の半径を
徐々に小さくさせてゆき、微粒子を徐々に同心円の中心
に集めてゆくことで解決する。また、微粒子を集める際
には、この超音波の強度を適当に変化させることで、微
粒子に加える外力を適当に変化させればよい。
【0096】より詳細には、集束させたい金属微粉、蛋
白質等の微粒子を含む流体を管中に流し、その流れの方
向とは法平面の方向に音波を定在波あるいは進行波ある
いは同心円状のスパイラル音状波の形で入射させ、微粒
子の流体に対する密度、音速の違いに応じて、定在波の
節あるいは腹の位置に微粒子を集束させたり、進行波の
進行方向あるいは進行方向の逆方向に微粒子を集めた
り、同心円状の音場中に微粒子を閉じ込めこの同心円の
大きさを超音波の周波数を変化させることで変化させ、
流体中において微粒子の濃縮された部位と、微粒子の存
在しない部位を作ればよい。濃縮の程度については、流
体の流速や、超音波の強度を適当に調節すればよい。ま
た、濃縮された微粒子を含む流体を回収したり、微粒子
を含まない流体を回収するためには、管の超音波を照射
した部分の下流に細管を置き、この細管の先端の位置を
適当に調節し、この細管より陰圧で流体を引くことによ
って、目的とする流体の一部を回収すればよい。
【0097】図19に、濃縮装置の第7の実施例の一つ
の横からの断面の摸式図(a)および管の構成の概略の
模式図(b)を示す。この装置は流体を流す管57と、
この管の中に定在波55を発生させる超音波発生部分と
からなっており、管の流体中にある微粒子58等の溶質
を超音波によって集めることができる。流体が水である
場合水中の音速は1500m/sであることから、超音
波振動子53から発生する超音波の振動数が1MHzの
時、波長λは1.5mmとなり管の幅66がλ/2ある
いはλ/2の整数倍であれば、微粒子の音速および密度
の関係によって定在波の節の部分に集まる微粒子と腹の
部分に集まる微粒子に分かれながら、徐々に管中の節あ
るいは腹の位置に集まってくる。管57の内壁の厚さは
λ/2であることが望ましく、管の材質が石英ガラスで
あるとき、その音速は5400m/sであることから、
1MHzの超音波での管の厚さは2.7mmである。ま
た、管中の流体は静止していても、流れていてもよい。
流れている溶液中の微粒子を集めるためには、集める微
粒子の大きさに応じて超音波の強度を調節したり、管の
長さを調節したり、流体の流れる速度を調節すればよ
い。流体中で微粒子を濃縮した後、可動式の固定棒68
で管57内に固定された細管67を管57内の適当な位
置に移動させ、流体を吸引させることで、細管67か
ら、定在波の節に集束した微粒子や、腹の位置に集束し
た微粒子を含む流体を選択的に吸引させたり、微粒子を
含まない流体を選択的に吸引させることができる。
【0098】本実施例では断面が長方形の管を用いた
が、管の形状にあわせて定在波が起こるように超音波振
動子を管壁に配置すれば多角形の管など異なった形状の
管に用いることもできる。また、微粒子を集束させる手
段について進行波を管内に導入した場合、作用で示した
ような外力が微粒子に作用して定在波の場合と同様に用
いることができる。また、超音波を集束させる別の手法
として図20に示したような、管壁に複数の超音波振動
子53を取り付け管壁の周りに円周に沿って配置された
複数の同型の超音波振動子53において、円周上にN個
配列した超音波振動子の各番号を時計回りに1番からN
番まで付けたとき、各超音波振動子に発生させる超音波
を、前述の数式31のようにする。
【0099】このようにして得られる超音波は図15
(b)と同じ音状態を作り出すことができる。この管中
で微粒子を濃縮してゆくには、管中で次数mの高い状態
から徐々に次数mの低い状態へ変化させてゆくか、ある
いは、同じ次数の場合であっても超音波振動子の振動数
を上げてゆくことで管内にある微粒子を管中心へ徐々に
集めることができる。管中の流体は静止していても、流
れていてもよく、また、流れている溶液中の微粒子を集
めるためには、集める微粒子の大きさに応じて超音波の
強度を調節したり、管の長さを調節したり、流れる速度
を調節すればよい。
【0100】この図20では断面が円形の管を用いた
が、管の形状にあわせて超音波振動子のオフセットδ
(i)を適当に調節すれば多角形の管など異なった形状
の管に用いることもできる。したがって、濃縮した微粒
子を図19の実施例の場合と同様にこの管57の下流で
管内より細管67を通じて吸引させることで濃縮した溶
液部分を取り出すことができる。
【0101】本濃縮装置の実施例によれば、非接触的に
流体中の金属細粉、微生物、高分子ビーズ、蛋白質分
子、DNA鎖、高分子などの微粒子、コロイド等を濃縮
あるいはろ過することができるという効果を奏する。
【0102】つぎに、粒径が極めて小さく、超音波によ
り微粒子に作用する力が直接使えない場合の濃縮装置の
実施例について説明する。
【0103】気泡の表面に微粒子が付着することに関し
ては、従来より文献等で報告されており、また、この気
泡の表面に微粒子が付着する原理を応用している手法と
しては、浮遊選鉱法がある。本実施例は、浮遊選鉱法と
同様極めて微細な粒径の微粒子を気泡の表面に付着さ
せ、微粒子の付着した気泡を前述の濃縮装置によって取
り扱おうというものである。
【0104】図21に、本実施例の基本原理を説明する
模式図を示す。流体を流す管73中を矢印71の方向に
流れてきた微粒子72は、管中に定在波87を発生させ
るように管壁に組み合わせた超音波発生源74より発生
させた音場の中に進んでゆく。超音波の輻射圧は、粒径
の三乗に比例して減少してゆくことから、粒径が1μm
に満たない微粒子は、直接超音波の輻射圧によって捕獲
することは困難である。そこで、流体中に気泡を導入
し、その表面に微粒子を付着させ、この気泡を定在波に
よって捕獲する。気泡を発生させる手段としては、直接
管中に空気を送り込んで、気泡を発生させる手段の他
に、微粒子を気泡発生のキャビテーション核として、表
面に微粒子72を付着した気泡75を発生させる手段が
ある。発生した気泡は、音場中で定在波の輻射圧により
前述したような非接触的な外力によって流体の流れに逆
らって、超音波の音場中に安定して捕獲される。特に、
気泡の場合は、超音波の音圧の変化に共鳴して伸縮する
ため、流体の流れに逆らって安定して音場中に留まるこ
とができる。微粒子を含む気泡を捕獲している外力は、
超音波発生源より発生させる音場の強度を変化させるこ
とにより変化し、また、微粒子を気泡核とした気泡が発
生するために必要な微粒子の最小粒径は、音場の強度が
上がれば小さくなる傾向があるので、捕獲したい微粒子
の最小粒径に応じて音場の強度を変化させればよい。ま
た、捕獲した微粒子を取り出す時には、超音波発生源を
オフにすることで、微粒子を捕獲する外力は瞬時に消滅
することから、管の下流で捕獲した微粒子を回収するこ
とができる。
【0105】また、キャビテーションによって気泡を発
生させる場合には、キャビテーションを発生させるため
の音状中に音状測定マイク86を導入し、照射した超音
波の分周波の発生の割合を観察し、この割合が高い場合
には、気泡が効果的に発生していることがわかる。
【0106】図22に、図21の摸式図のように構成し
た装置による微粒子の捕獲効果を示す。ここでは、超音
波発生源に1MHz共振のPZT系セラミックスを用
い、管には厚さ2.78mmの石英ガラスを内径3mm
で用い、4個の定在波が管中にできるように構成した。
このとき、超音波振動子に120V、1MHzの正弦波
を加えた下で、流速2.55cm/sの超純水中に微粒子を
流したとき、実線で示された粒径、個数分布をもつ微粒
子(3538個/分)は、破線で示されたような分布
(874個/分)に減少した。
【0107】図23(a)により本実施例の基本構成を
説明する。本装置は流体を輸送する管73と、図21で
示したような構成の、管中に気泡を発生させ、定在波を
起こす超音波発生、捕獲装置76、流体の流路切り替え
の分岐弁77、管中の微粒子を観測するための光源7
8、観測窓79、観測装置80および観測装置からの情
報をもとに、超音波発生源、分岐弁を制御する制御装置
81とからなる。なお、82は観測光を示す。不純物7
2を含む流体は矢印71の方向に管73中を流れてく
る。管中のある部位に、管内に超音波振動子74が接着
された超音波発生源76が接続されており、不純物の微
粒子がこの部位に到達すると、この不純物微粒子を気泡
核として、気泡75が生成され、不純物微粒子は、この
気泡の表面に付着する。気泡は容易に定在波に捕獲さ
れ、その音圧の腹の位置に留まる。発生した気泡と不純
物微粒子は、超音波振動子を止めることによって管中を
流体の流れ方向71に流れてゆく。
【0108】従って、流れの下流で分岐弁77によって
流れを流れ83の方向から流れ84の方向に別の経路に
変更することで、気泡および微粒子を含む流体を選択的
に選び取ることができる。また、流体中の微粒子を観測
するための装置が、超音波発生源の部位、およびその上
流と下流に設置されており、これらの装置からの情報に
基づいて、制御装置から超音波発生源の強度および弁の
分岐弁の制御をおこない、微粒子を選択的に捕獲した
後、分岐弁を用いて水槽85に分取することができる。
超音波照射のタイミングについては、図23(b)のタ
イムテーブルにあるように、超音波がオンの時のみ、水
流を矢印83方向に流し、超音波オフの時には、弁77
を制御し、微粒子を含む流体を矢印84の方向に誘導し
て水槽85に排出させるようにする。
【0109】本実施例では、超音波振動子に1MHz共
振のPZT系セラミックスを用い、管には厚さ2.78
mmの石英ガラスを内径3mmで用いた。このとき、超
音波振動子に120V、1MHzの正弦波を加えた下
で、流速2.55cm/sの超純水中の直径0.3μmのポ
リスチレンビーズを捕獲することができた。
【0110】なお、本実施例では、気泡の発生手段とし
て超音波を用いたが、微小管を用いて管中に空気を導入
することによって、気泡を発生させることもできる。ま
た、超音波によって気泡を発生させる場合、図21にお
いて、2枚の相対する超音波振動子74から相異なる周
波数の音波を入射させたり、管内に定在波が発生しない
周波数の超音波を入射してもよい。例えば、管内の径が
λ/2となる周波数ωと、2ωの二つの周波数を二つの
超音波振動子から各々発生させればよい。あるいは、二
つの超音波振動子から、ωよりわずかに周波数をずらし
た周波数(ω+δω)を同時に発生させればよい。
【0111】さらに、本実施例では、流体の流れる方向
に垂直に超音波を照射し、音場中にポテンシャルミニマ
ムの場所を作って捕獲したが、図24のように流れの方
向に水平に超音波を入射して管中に定在波を起こし、流
体中の微粒子を捕獲し、時々弁90を開いて捕獲した微
粒子を含む流体を排出させてもよい。
【0112】図25に図23で示した本実施例の別の構
成図を示す。本装置は流体を輸送する管73と、図2
1、23で示したような構成の、管中に気泡を発生さ
せ、定在波を起こす超音波発生、捕獲装置76、流体を
捕獲する複数の水槽85、複数の水槽を流体の排出口8
4の位置に移動させる台車88と台車を移動させる移動
量を確認できる手段を備えたモーター89、および超音
波の発生源の出力制御とモーターの移動制御のための制
御装置81からなる。不純物72を含む流体は矢印71
の方向に管73中を流れてくる。管中のある部位に、管
内に超音波振動子74が接着された超音波発生源76が
接続されており、不純物の微粒子がこの部位に到達する
と、この不純物微粒子を気泡核として、気泡75が生成
され、不純物微粒子は、この気泡の表面に付着する。気
泡は容易に定在波に捕獲され、その音圧の腹の位置に留
まる。発生した気泡と不純物微粒子は、超音波振動子を
止めることによって管中を流体の流れ方向71に流れて
ゆく。
【0113】従って、流れの下流で図25(b)のタイ
ムテーブルにあるように超音波を入切して、それに連動
して流体排出部にある水槽を移動させて微粒子を含む流
体を選択的に回収する。
【0114】本実施例によれば、自在に生成消滅させる
ことができる気泡を用いて非接触的に微細な粒径の不純
物を除去することから、従来の接触型のフィルターには
ない簡便なろ過機能を持ち、かつ選択的な不純物の除
去、収集機能を持つ不純物除去、収集方法が可能になっ
た。
【0115】(回折装置を実現する実施例)つぎに、超
音波を用いて微粒子を捕獲する手段を利用した光、マイ
クロ波あるいは超音波の回折装置の実施例について説明
する。
【0116】従来の超音波を用いた光の回折、散乱は、
超音波が光を透過する媒体中を伝わるとき、媒体中に密
度の大小が生じ、その媒体の屈折率が変化することを利
用しており、この現象については理論、実験ともにさま
ざまな研究が行われている。
【0117】一般に、超音波によって作られた格子によ
る回折の式は通常の光学格子の場合と同様に、光が格子
に垂直に入射した場合には、n次の回折角θは、
【0118】
【数32】
【0119】と表わすことができる。ただし、ここでθ
は回折角、λは媒体中の光波長、Λは超音波の波長であ
る。したがって、この回折格子においては、超音波の波
長Λの変化に応じて、回折角θを変化させることができ
る。また、超音波の出力のオン、オフに応じて回折現象
自体を制御することもできる。
【0120】また、光の1次回折光/0次回折光の比δ
Iは、
【0121】
【数33】
【0122】と置くことができる。ただし、λは光の波
長、Lは音場中の光路長、Mは流体の散乱定数、iは入射
超音波の強度(watt/m2)である。Mの値は、超音
波回折格子として用いられている二酸化テルリウム(T
eO2)で、5.0となり、回折効率は入射光の波長λ
=0.68μm、L=1mm、i=1(W/m2)のとき、
60〜80%(2)程度となる。同様に、モリブデン鉛
ではM=0.22より30%程度の回折効率となるが、
数式33よりわかるように、この効率は、使用する光の
波長、光路長、超音波強度の変化に応じて、回折効率が
大きく変化するため、あらかじめ使用するレーザーの波
長、超音波の強度を定めた上で装置を構成し利用する必
要がある。また、他の物質では、水の場合M=1.0と
なるが、水晶でM=0.006、サファイヤでM=0.0
01など超音波の照射強度に対する回折効率は一般にあ
まり良くない。さらに、空気等の気体においては、屈折
率の変化が10気圧程度の圧力変化に対して1%未満と
小さいため、実用技術とは成り難い。
【0123】また、圧力の変化に対する流体の音速の変
化は、0℃の水で1気圧のとき1403m/s、36気圧
のとき1410m/sと、わずか0.5%程度の変化しか
存在しないので、超音波の圧力変化によって作られた回
折格子を用いて超音波を回折させることは難しい。
【0124】従来の超音波を用いた回折装置は、流体の
屈折率、音速等が、流体に加えられた圧力に応じて変化
することを利用したものであり、相対散乱定数Mの大き
な固体結晶あるいは液体を用いたとき、アルゴンレーザ
ー、ヘリウム−ネオンレーザー、YAGレーザー等の光
に対して回折効率60%程度のブラッグ回折格子として
の効果が現れるが、ヘリウム−カドミウムレーザーのよ
うな短波長レーザーに関しては透過率があまり良くな
い。また、炭酸ガスレーザー等の長波長レーザーに関し
てはゲルマニウムを媒体とした超音波回折格子が使用で
きるがこれもまた効率が非常に悪い。さらに、数式33
で示したように回折効率が定まることから、特定の波長
の光源に対して回折効率が最良になるように構成した装
置系を、任意の波長で用いた場合、波長によっては回折
効率が著しく悪化してしまった。
【0125】また、超音波の媒体として気体を用いる場
合は、超音波の音場を用いて十分な屈折率の変化を得る
ことは難しく回折効率数%程度となってしまった。さら
に、従来の装置においては、回折格子を作る超音波の進
行によるドップラー効果によって回折格子が1本から、
3本に分裂してしまった。
【0126】本実施例は、従来の超音波を用いた光の回
折格子の特長を生かしつつ、任意の波長の光に対して従
来のスリット板の回折格子程度の回折効率80%程度以
上の性能をもたらし、かつ、マイクロ波や超音波の回折
格子としても用いることができる装置を提供することを
目的としている。
【0127】本実施例では、超音波の輻射圧を効果的に
利用して、流体中に混在させておいた流体と著しく屈折
率あるいは音速の異なる微粒子を流体中に任意のパター
ンで集合させる。あるいは、流体中にキャビテーション
を起こし、発生した気泡を任意のパターンで捕獲集合さ
せる。また、超音波の輻射圧を制御し、任意のパターン
で微粒子を集合させるためには、超音波の発生源を複数
の独立制御できる超音波発生源の組み合わせたもので構
成し、各々の位相を目的とするパターンを作り出すよう
に制御する。
【0128】図26に、本実施例の基本原理を説明する
模式図を示す。まず、微粒子94を含んだ流体93が、
2枚のガラス板92にはさまれており、これら2枚のガ
ラス板の両端には、ガラス板中に定在波95が発生する
ように超音波振動子91が置かれている。図26(a)
は超音波がオフのときの状況を示し、微粒子は、流体中
で拡散しており、ガラス板を通して入射してきた光に対
して何ら回折作用を示さない。図26(b)は超音波が
オンのときの状況を示し、流体中に一様に拡散していた
微粒子が、その流体に対する密度および音速に応じて定
在波の節の位置あるいは腹の位置に集合した様子を示
す。
【0129】すると、定在波中に配列集合した微粒子に
よって、流体中に回折格子が形作られる。超音波によっ
て作られた格子による回折の式は通常の光学格子の場合
と同様に、光が格子に垂直に入射した場合には、n次の
回折角θは、
【0130】
【数34】
【0131】と表わすことができる。回折格子における
光の分解能は、dθ/dλ=(2n/Λ)cosθとな
り、格子線の総数をNとしたばあい分解能は、λ/dλ
=nNとなり、プリズムよりきわめて大きい。ただし、
ここでθは回折角、λは媒体中の光波長、Λは超音波の
波長である。また、この回折格子においては、超音波の
波長Λの変化に応じて、回折格子の間隔が変化するの
で、超音波の波長を適当に変化させることで回折角θを
変化させることができる。さらに、超音波をオン、オフ
制御することによって回折格子を発生、消失させること
ができる。さらに、超音波によって直接回折格子を作っ
た場合に発生していたドップラー効果に起因する回折縞
の3本への分裂については、微粒子の慣性のために定在
波中では観測されない。
【0132】図27に本実施例の具体例の模式図を示
す。本実施例で用いる超音波を用いた光回折装置106
は、図26で説明したように構成されており、これによ
ってモノクロメーターとして利用することができる。ま
ず、入射光107は、コリメーター109を通過して平
行光となった後、光回折装置106に入射する。すると
入射光107は、装置内の回折格子によって回折させら
れる。特に、超音波振動子の振動数を変化させることに
より、その変化に応じて単一波長の光は数式33の関係
に従って、回折光181、182、あるいは183の方
向に回折させられる。したがって、白色光より目的とす
る波長の光を回折光182として出力できる超音波振動
子の振動数を選択し、入射光を回折させる。回折光18
2は、補助コリメーター110を通過して検出装置へ供
給される。
【0133】この実施例においては、超音波振動子の振
動数を変化させることで、機械的な操作をすることなく
検出装置へ供給される回折光の波長をほぼ連続的に変化
させることができる。また、図28のように複数の独立
した超音波振動子からなる装置において、各超音波振動
子から異なる位相の超音波を発射して、これらを重ね合
せることで作り出した任意の形状の音場に微粒子を捕獲
させることで、ホログラフィック格子を形成することも
できるので、これに単色光を入射させながら順次音場を
変化させてホログラフィック格子を変化させることで連
続的に変化するホログラフィ像を作ることもできる。
【0134】なお、本実施例では透過光の回折を用いた
が、反射光の回折についても同様に用いることができ
る。さらに、入射光に対する0次回折光と1次あるいは
1次以上の回折光との間の強度の比を複数のフォトンカ
ウンター等の光強度検出装置を用いて取得、比較するこ
とによって、流体中に存在する微粒子の量を見積もるこ
ともできる。このとき、微粒子を含んだ流体を連続的に
この容器の中へ導くことによって、0次回折光と1次以
上の回折光の回折強度の比を連続的に観察して、連続的
に流体中の微粒子量の変化を観察することもできる。
【0135】なお、本実施例では透過光の回折を用いた
が、反射光の回折についても同様に用いることができ
る。さらに、入射光に対する0次回折光と1次あるいは
1次以上の回折光との間の強度の比を複数のフォトンカ
ウンター等の光強度検出装置を用いて取得、比較するこ
とによって、流体中に存在する微粒子の量を見積もるこ
ともできる。このとき、微粒子を含んだ流体を連続的に
この容器の中へ導くことによって、0次回折光と1次以
上の回折光の回折強度の比を連続的に観察して、連続的
に流体中の微粒子量の変化を観察することもできる。
【0136】上き記の説明では、回折装置によって回折
される波動として光を用いた場合について説明したが、
これにとどまらず、マイクロ波、超音波等の波動にもそ
れぞれマイクロ波領域で流体と屈折率の異なる微粒子あ
るいは、超音波領域で流体と音速の異なる微粒子を用い
ることで光の場合と同様に用いることができる。また、
本実施例では流体中に微粒子を導入して、これを超音波
によって特定の位置に捕獲したが、超音波がもたらすキ
ャビテーションによって流体中に気泡を発生させ、これ
を超音波で特定の位置に捕獲してもよい。
【0137】本実施例は、従来の超音波を用いた光の回
折装置特徴を生かしつつ、従来の装置では不可能であっ
た波長の光に対して従来のスリット板の回折格子程度の
回折効率をもたらし、かつ、マイクロ波や、超音波の回
折格子として用いることができるという効果を奏する。
【0138】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術では不可能で
あった、微粒子を任意の位置に固定し、任意の方向に任
意の速度で移動、運搬することができ、また、特定の範
囲に存在する微粒子等を集合、あるいは排除することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(−G)の大きさと微粒子の種類との関係図で
あり、(a)はイリジウムに作用する勾配力、(b)は
ポリエチレンに作用する勾配力を示す。
【図2】勾配力場による微粒子の捕獲の第1の基本構成
の模式図であり、(a)は装置構造、(b)はポテンシ
ャルを示す。
【図3】勾配力場による微粒子の捕獲の第2の基本構成
の模式図であり、(a)は装置構造、(b)はポテンシ
ャルを示す。
【図4】本発明による基本構成を適用した超音波マニピ
ュレーション装置の第1の実施例の模式図。
【図5】本発明による基本構成を適用した超音波マニピ
ュレーション装置の第1の実施例の制御回路の構成ブロ
ック図。
【図6】本発明による基本構成を適用した超音波マニピ
ュレーション装置の第2の実施例の模式図。
【図7】本発明による基本構成を適用した超音波マニピ
ュレーション装置の第3の実施例の側面および上面から
の模式図。
【図8】本発明による基本構成を適用した超音波マニピ
ュレーション装置の第4の実施例の側面からの模式図。
【図9】本発明による基本構成を適用した超音波マニピ
ュレーション装置の第5の実施例の側面からの模式図。
【図10】本発明による基本構成を適用した超音波マニ
ピュレーション装置の第6の実施例の上面からの模式
図。
【図11】本発明による基本構成を適用した超音波マニ
ピュレーション装置の第7の実施例の側面からの模式
図。
【図12】本発明による基本構成を適用した超音波マニ
ピュレーション装置の第8の実施例の上面からの模式
図。
【図13】(a)、(b)はそれぞれ本発明による基本
構成を適用した濃縮装置の第1の実施例を示す摸式図で
あり、(a)は(b)をA−Aの位置で矢印方向に、
(b)は(a)をB−Bの位置で矢印方向に見た図。
【図14】本発明による基本構成を適用した濃縮装置の
第2の実施例を示す摸式図。
【図15】(a)は本発明による基本構成を適用した濃
縮装置の第3の実施例を示す摸式図。(b)は本発明の
第3の実施例における超音波強度分布図。
【図16】(a)は本発明による基本構成を適用した濃
縮装置の第4の実施例を示す摸式図。(b)は本発明の
第4の実施例における集束超音波発生装置の背面からの
摸式図。
【図17】本発明による基本構成を適用した濃縮装置の
第5の実施例を示す摸式図。
【図18】本発明による基本構成を適用した濃縮装置の
第6の実施例を示す摸式図。
【図19】本発明による基本構成を適用した濃縮装置の
第7の実施例を示す摸式図。
【図20】本発明による基本構成を適用した濃縮装置の
第8の実施例を示す摸式図。
【図21】本発明による基本構成を適用した不純物除去
装置あるいは微粒子捕獲回収装置の基本原理を説明する
模式図。
【図22】本発明による基本構成を適用した不純物除去
装置あるいは微粒子捕獲回収装置の効果を示す図。
【図23】本発明による基本構成を適用した不純物除去
装置あるいは微粒子捕獲回収装置の実施例の装置構成お
よびタイムテーブルを示す模式図。
【図24】本発明による基本構成を適用した不純物除去
装置あるいは微粒子捕獲回収装置の実施例の別の装置構
成を示す模式図。
【図25】本発明による基本構成を適用した不純物除去
装置あるいは微粒子捕獲回収装置の実施例の別の装置構
成およびタイムテーブルを示す模式図。
【図26】本発明による基本構成を適用した回折装置の
基本原理を説明する模式図。
【図27】本発明による基本構成を適用した回折装置の
実施例を示した模式図。
【図28】本発明による基本構成を適用した回折装置の
実施例の一つを示した上面からの模式図。
【符号の説明】
1…超音波発生素子または送受波素子、1―1、1―
2、…、1―N…装置中に組み込まれた超音波発生素子
または送受波素子、2…容器、3…波束、4…溶液、5
…微粒子、6…微粒子の移動方向、7…観察用窓、8…
カバーグラス、9…顕微鏡ステージ、10…顕微鏡対物
レンズ、11…複数の超音波振動の重ね合わせによって
生じた勾配力場の極小点、12…複数の超音波振動の重
ね合わせによって生じた勾配力場の座標―ポテンシャル
曲線、13…超音波送受波素子制御およびコントロール
盤、14…実験装置系の主制御回路、15…N個の超音
波送受波素子の位相、強度等を記憶した発生波形記憶回
路、16…N個の超音波送受波素子の送波回路、17…
N個の超音波送受波素子の受波回路、18…受信波形の
演算解析回路、19…データ、情報表示装置、20…金
属板、21…収束超音波の移動方向。35…3次元マニ
ピュレーション装置、31…超音波振動子、32…音響
レンズ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 一男 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 内田 憲孝 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内 (72)発明者 原田 義則 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内 (72)発明者 釜堀 政男 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内 (72)発明者 佐々木 一昭 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波を流体中で集束させる手段を有する
    アレイ型の超音波発生源を用いた超音波マニピュレーシ
    ョン装置において、流体中での集束位置あるいは集束形
    状を電子制御により移動あるいは変化させる手段を有す
    ることを特徴とする超音波マニピュレーション装置。
  2. 【請求項2】1個または複数個の光透過性を有する材質
    よりなる超音波発生源を用いて、超音波を流体中で集束
    させる手段を有し、流体中での集束位置あるいは集束形
    状を移動あるいは変化させる手段を有することを特徴と
    する超音波マニピュレーション装置。
  3. 【請求項3】1個または複数個の超音波発生源を用い
    て、超音波を流体中で集束させる手段を有する超音波マ
    ニピュレーション装置において、発射された超音波のエ
    コーを解析し、微粒子の存在位置を検出する手段を有す
    ることを特徴とする超音波マニピュレーション装置。
  4. 【請求項4】1個または複数個の超音波発生源を用い
    て、超音波を流体中で集束させる手段を有する超音波マ
    ニピュレーション装置において、微粒子の存在位置を光
    学的手法により検出する手段を有することを特徴とする
    超音波マニピュレーション装置。
  5. 【請求項5】超音波発生源を少なくとも1枚の板上に二
    次元に配列させたことを特徴とする請求項1記載の超音
    波マニピュレーション装置。
  6. 【請求項6】超音波発生源を閉曲線状に一次元に配列さ
    せたことを特徴とする請求項1記載の超音波マニピュレ
    ーション装置。
  7. 【請求項7】超音波発生源をドーナツ状に配列させたこ
    とを特徴とする請求項1記載の超音波マニピュレーショ
    ン装置。
  8. 【請求項8】管の表面に配列させた超音波発生源を用い
    て、発生させた超音波を管内に満たされた流体中で集束
    させる手段を有し、管内での集束位置あるいは集束形状
    を順次連続的に移動あるいは変化させる手段を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の超音波マニピュレーショ
    ン装置。
  9. 【請求項9】超音波を流体中で集束させる手段を有する
    アレイ型の超音波発生源を用いた超音波マニピュレーシ
    ョン装置において、流体中での集束位置を電子制御によ
    り移動させる手段、前記超音波発生源を機械的に移動さ
    せる手段を有することを特徴とする超音波マニピュレー
    ション装置。
  10. 【請求項10】1個または複数個の光透過性を有する材
    質よりなる超音波発生源を用いて、超音波を流体中で集
    束させる手段を有し、流体中での集束位置を移動させる
    手段、前記超音波発生源を機械的に移動させる手段を有
    することを特徴とする超音波マニピュレーション装置。
  11. 【請求項11】超音波を流体中で集束させる手段を有す
    るアレイ型の超音波発生源を用いた超音波マニピュレー
    ション装置において、流体中での集束位置を電子制御に
    より移動させる手段、前記超音波発生源を機械的に移動
    させる手段、前記収束位置に細胞融合を促進させる作用
    を働かせる手段を有することを特徴とする超音波マニピ
    ュレーション装置。
  12. 【請求項12】濃縮あるいは排除させたい微粒子を含む
    流体を収容する容器と、前記流体に接するように配置さ
    れた超音波発生源とを備え、前記超音波発生源による超
    音波が前記流体の音場内において前記微粒子に所定の方
    向に向かう力を作用させることを特徴とする濃縮装置。
  13. 【請求項13】前記容器に微粒子を濃縮した溶液あるい
    は微粒子を排除した流体を抽出する手段を付加したこと
    を特徴とする請求項12記載の濃縮装置。
  14. 【請求項14】前記超音波発生源が、各々独立に機能す
    る複数の超音波発生素子を環状に配列されたものである
    ことを特徴とする請求項12記載の濃縮装置。
  15. 【請求項15】濃縮させたい微粒子を含む弾性体に超音
    波を作用させるように配置された超音波発生源を備え、
    前記超音波発生源による超音波が前記弾性体の音場内に
    おいて定在波となるようにされたことを特徴とする濃縮
    装置。
  16. 【請求項16】前記弾性体が、電気泳動装置におけるゲ
    ルであり、ゲル中を移動する試料に試料が移動する方向
    とは垂直の方向に前記超音波発生源による平面定在波を
    作用させることを特徴とする請求項15記載の濃縮装
    置。
  17. 【請求項17】各々独立に機能する複数の超音波発生素
    子を環状に配列された超音波発生源、前記超音波発生源
    の中心部に濃縮させる微粒子を含む流体を流す管を配置
    したことを特徴とする請求項13記載の濃縮装置。
  18. 【請求項18】濃縮あるいは排除させたい微粒子を含む
    流体を通過させる容器と、前記流体に接するように配置
    された超音波発生源とを備え、前記超音波発生源による
    超音波が前記流体の音場内において前記微粒子に所定の
    方向に向かう力を作用させ、微粒子を濃縮した流体ある
    いは微粒子を排除した流体を抽出する手段を有すること
    を特徴とした濃縮装置。
  19. 【請求項19】前記流路において、超音波発生源の上流
    に前記流路中に気泡を導入する手段を付加したことを特
    徴とする請求項18記載の不純物除去装置あるいは微粒
    子回収装置。
  20. 【請求項20】前記気泡を導入する手段として、前記流
    路の一部に超音波発生源を付加したことを特徴とする請
    求項19記載の不純物除去装置あるいは微粒子回収装
    置。
  21. 【請求項21】前記流路に導入した超音波発生源とし
    て、異なる周波数を発生させる一対の超音波発生源を用
    いたことを特徴とする請求項19記載の不純物除去装置
    あるいは微粒子回収装置。
  22. 【請求項22】前記流路に導入した超音波発生源より発
    生する超音波によって発生したキャビテーションを観測
    する手段として、上記超音波発生源部の流路中に音場測
    定マイクを導入したことを特徴とする請求項19記載の
    不純物除去装置あるいは微粒子回収装置。
  23. 【請求項23】前記装置系において、流路の流体中を流
    れる微粒子の個数および粒径の観測データ、あるいはキ
    ャビテーションの発生量を基に超音波発生源の超音波強
    度および分岐弁を制御する手段として、制御装置を付加
    したことを特徴とする請求項18記載の不純物除去装置
    あるいは微粒子回収装置。
  24. 【請求項24】流体と異なる屈折率あるいは音速を持つ
    微粒子を含む流体を満たした少なくとも一面が光あるい
    はマイクロ波あるいは超音波を透過する容器と、前記流
    体に接するように配置され、前記容器に超音波が入射す
    るように配置された少なくとも一つの超音波発生源を前
    記容器の一部に備えたことを特徴とする回折装置。
  25. 【請求項25】前記容器に配置した超音波発生源とし
    て、互いに独立した位相で超音波を前記流体に対して入
    射させることができる複数の超音波振動子を用いたこと
    を特徴とする請求項24記載の回折装置。
  26. 【請求項26】前記容器からの回折光あるいは回折マイ
    クロ波あるいは回折超音波を検出するように配置された
    少なくとも一つの光強度検出装置を備えたことを特徴と
    する請求項24記載の回折装置。
  27. 【請求項27】前記容器の特定の方向に光が入射するよ
    うに配置された少なくとも1つの光源あるいはマイクロ
    波源あるいは超音波源を備えたことを特徴とする請求項
    24記載の回折装置。
  28. 【請求項28】超音波を照射する流体中の溶存ガスを3
    原子ガスに置換したことを特徴とする請求項1記載の超
    音波マニピュレーション装置。
  29. 【請求項29】超音波を照射する流体中の溶存ガスを3
    原子ガスに置換したことを特徴とする請求項12記載の
    濃縮装置。
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