JP5752604B2 - 天然ゴムと補強用無機充填剤をベースとしジヒドラジドを含む組成物 - Google Patents

天然ゴムと補強用無機充填剤をベースとしジヒドラジドを含む組成物 Download PDF

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Description

本発明は、天然ゴムをベースとし、その補強用充填剤の半分よりも多くが無機である強化ゴム組成物に関する。これらのゴム組成物は、例えば、自動車のタイヤを意図するゴム半製品の製造を意図する。
一般に、充填剤がもたらす最適の補強特性を得るためには、充填剤がエラストマーマトリックス内でできる限り微細に分割され且つできる限り均質に分布する双方の最終形で存在するのが望ましいことは知られている。実際には、そのような状態は、充填剤が、一方ではエラストマーとの混合中に上記マトリックス中に取込まれ且つ解凝集し、さらに、他方ではこのマトリックス中で均質に分散する極めて良好な能力を示す場合にのみ達成される。全く知られている通り、カーボンブラックは、そのような能力を示す。
しかしながら、燃料の節減および環境保護の必要性が優先事項となってきている以降でさえも、耐摩耗性に有害な効果を与えることなく低下した転がり抵抗性を有するタイヤを生産することの必要性が判明している。このことは、ゴム組成物において、特に、補強の点で通常のタイヤ級カーボンブラックと拮抗し得ると共にこれらの組成物に低ヒステリシス(これらの組成物を含むタイヤにおける低転がり抵抗性と同義である)を付与することのできる特定の無機充填剤の使用によって可能になっている。
転がり抵抗性をさらに低下させることは、現在の経済的および環境的背景においては、“補強用”と説明されている特定の無機充填剤によって達成された上記低レベルにもかかわらず、依然として恒久的な懸念ごとである。そのような充填剤で補強したゴム組成物のヒステリシスをさらに低下させるための多くの試みが既に探究されている。例えば、官能化剤、カップリング剤または星型枝分れ化剤による重合末端でのジエンポリマーの構造の改変(そのように改変されたポリマーと補強用無機充填剤間の良好な相互作用を得る目的でもっての)を挙げることができる。
本発明者等は、研究中に、主エラストマーとしての天然ゴムをベースとし、主として無機充填剤で補強されるゴム組成物において、ある種のジヒドラジド化合物の使用が上記組成物のヒステリシスを有意に低下させることを可能にすることを見出した。観察された割合でのこのヒステリシスの低下は、控えめに言っても、予想外のことである。
その理由は、ヒドラジド類が、カーボンブラックを単独または主要補強用充填剤として含む天然ゴムをベースとする混合物のヒステリシスを一般に低下させることが知られているからである。例えば、EP 0 738 754 A1号は、主要充填剤としてカーボンブラックを含むハイブリッド混合物を例示しており、そのヒステリシス損失の低減は、ジヒドラジド化合物の添加後、8%程度である。
無機充填剤を単独または主要補強用充填剤として使用する場合、比較的低いヒステリシスレベルが既に達成されている。実際に、本発明者等は、充填剤としてシリカを含む天然ゴムをベースとする混合物へのジヒドラジド化合物の添加が、この混合物のヒステリシスレベルをさらに低下させるのみならず、主要補強用充填剤としてカーボンブラックを含むハイブリッド混合物についての従来技術において観察されたヒステリシスレベルよりもはるかに大きい有意で且つ予想外の割合でヒステリシスレベルを低下させることも可能にしていることを実証している。
無機充填剤によって補強された天然ゴムをベースとするこの組成物の有意に改良されたヒステリシス特性を考慮すれば、無機充填剤は、自動車のタイヤを意図するゴム半製品の製造において特に適切である。
従って、本発明の主題は、少なくとも、天然ゴムを含むエラストマーマトリックス、無機充填剤を充填剤総質量に対して50%よりも多い質量画分に従って含む補強用充填剤、カップリング剤および下記の一般式Iに相応するジヒドラジド化合物をベースとする強化ゴム組成物である:
Figure 0005752604
(式中、Rは、6〜20個の炭素原子を有する置換または非置換の芳香族基、または2〜20個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和で線状もしくは枝分れの脂肪族基から選ばれる二価の炭化水素基であり;nは、値0または1を有する)。
本発明のもう1つの主題は、上記で定義したそのような強化ゴム組成物の製造方法である。
本発明のもう1つの主題は、上記で定義した強化ゴム組成物から全部または一部がなるタイヤゴム半製品である。
本発明のもう1つの主題は、上記で定義したような強化ゴム組成物から全体的にまたは部分的になる少なくとも1種のゴム半製品を含むタイヤである。
以下の各主題を理解するときのさらなる明確化のために、“ベースとする”組成物なる表現は、使用する各種構成成分の混合物および/または反応生成物を含む組成物を意味するものと理解されたい;これらのベース構成成分の幾つかは、上記組成物の各種製造段階において、特に、上記組成物の架橋または加硫中に、互いに、少なくとも部分的に反応し得るか或いは反応するように意図する。
本説明においては、他に明確に断らない限り、示すパーセント(%)は、全て質量%である。さらにまた、“aとbの間”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aよりも大きくからbよりも小さいまでに至る値の範囲を示し(即ち、限界値aとbを除く)、一方、“a〜b”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aからbまでに至る値の範囲を意味する(即ち、厳格な限定値aおよびbを含む)。
さらにまた、本発明の成分量は、phr、即ち、エラストマーの100質量部当りの質量部で表す。
そのように、本発明の第1の主題は、少なくとも、(a) 少なくとも天然ゴムを含むエラストマーマトリックス、(b) 50質量%よりも多い無機充填剤からなる補強用充填剤、(c) カップリング剤、および(d) 下記の一般式Iに相応するジヒドラジド化合物をベースとする強化ゴム組成物である:
Figure 0005752604
(式中、Rは、6〜20個の炭素原子を有する置換または非置換の芳香族基、または2〜20個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和で線状もしくは枝分れの脂肪族基から選ばれる二価の炭化水素基であり;nは、値0または1を有する)。
ジヒドラジド化合物は、ゴム組成物の自己発熱を抑制するために不可欠であると当該技術の状況において説明されている化合物である。例えば、EP 0 478 274 A1号を挙げることができる。また、ジヒドラジド化合物は、トレッドの製造を意図するゴム組成物において、各種他の化合物と組合せも使用されている。例えば、EP 1 083 199 A1号は、ビスマレイミドが存在するゴム組成物の諸性質に対するビスマレイミドの負の効果を緩和するための、ジヒドラジド化合物をビスマレイミドの存在下に含むトレッド組成物を記載している。EP 0 761 733 A1号は、トレッド組成物において、イソフタル酸ジヒドラジドを特定のカーボンブラックおよび官能化SBRと組合せている。EP 0 738 754 A1号は、天然ゴムをベースとするトレッド組成物において、イソフタル酸ジヒドラジドおよびイソニコチン酸ヒドラジドを官能化ブチルポリマーと組合せている。
本発明によれば、式Iに相応するジヒドラジド化合物は、好ましくは、式Iにおいて、Rが6〜14個の炭素原子有する非置換芳香族基または3〜12個の炭素原子を有する飽和線状脂肪族基から選ばれる二価の炭化水素基である化合物から選ばれる。
さらに好ましくは、これらのジヒドラジド化合物は、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、またはドデカン二酸ジヒドラジドから選ばれる。
本発明に従うタイヤ成分のゴム組成物は、上記ジヒドラジド化合物を、0.25〜7phr、好ましくは0.3〜2.5phr、より好ましくは0.5〜2phrの範囲の量で含む。本発明に従う用語“ジヒドラジド化合物”は、式Iの単独の化合物または数種の化合物の混合物を意味するものと理解されたい。
本発明に従うゴム組成物は、エラストマーマトリックスも含めて少なくとも4種の化合物を含む。
本発明によれば、上記組成物のエラストマーマトリックスは、天然ゴムをベースとする。
ある場合には、上記エラストマーマトリックスは、有利には、全体的に天然ゴムからなり得る(上記エラストマーマトリックスの100%が天然ゴムからなる)。この選択方式は、特に、上記ゴム組成物を重作業車のような実用車両または乗用車の氷上または積雪のようなある種の用途のタイヤ用のトレッドを製造するのに、或いはまた、例えば、クラウンまたはカーカスプライのような金属補強材/ゴム複合体を製造するのに使用する場合に使用する。
また、上記エラストマーマトリックスは、天然ゴム以外に、少なくとも1種の他のジエンエラストマーも含み得る。
このまたはこれらの他のジエンエラストマーは、その場合、上記マトリックス中に、0質量%と50質量%の間(この範囲の限界値は除外する)、好ましくは5質量%と40質量%の間、例えば、15〜35質量%の割合で存在する。
少なくとも1種の他のジエンエラストマーとのブレンドの場合、上記エラストマーマトリックス中の天然ゴムの質量画分は、主要量であり、好ましくはマトリックス総質量の50質量%以上、さらにより好ましくはマトリックス総質量の60質量%と95質量%の間、例えば、65〜85質量%である。
本発明に従う主要質量画分とは、ブレンドの最高質量画分を称する。従って、NR/エラストマーA/エラストマーBブレンドにおいては、各質量画分は40/40/20または40/30/30に従って分布し得、これらの主要質量画分は40であり、またはNR/エラストマーブレンドにおいては、各質量画分は50/50または70/30に従って分布し得、これらの主要質量画分は50または70である。
用語“ジエンエラストマー”とは、本発明によれば、任意の官能化天然ゴムまたはジエンモノマーから少なくとも1部由来する任意の合成エラストマーを意味するものと理解すべきである。さらに詳細には、用語“ジエンエラストマー”は、4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られる任意のホモポリマー、または1種以上の共役ジエン類の相互また8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られる任意のコポリマーを意味するものと理解されたい。コポリマーの場合、これらのコポリマーは、20〜99質量%のジエン単位と1〜80質量%のビニル芳香族単位を含む。
本発明に従う官能化天然ゴムは、好ましくは、エポキシ化天然ゴム(ENR)である。
本発明に従うエラストマーマトリックスの1部を構成するジエンエラストマーは、好ましくは、ポリブタジエン(BR)、ブタジエンコポリマー、ポリイソプレン(PI)、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる高不飽和ジエンエラストマーの群から選ばれる。そのようなコポリマーは、さらに好ましくは、ブタジエンとビニル芳香族モノマーのコポリマー、特に、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR);イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR);イソプレンとビニル芳香族モノマーのコポリマー、特に、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR);および、イソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)からなる群から選ばれる。これらのコポリマーのうちでは、特に好ましいのは、ブタジエンとビニル芳香族モノマーのコポリマー、特に、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)である。
本発明に従うエラストマーマトリックスの1部を構成するジエンエラストマーは、それ自体既知の方法において、当業者にとって既知の官能化剤、カップリング剤または星型枝分れ化剤によって星型枝分れ化、カップリングまたは官能化してもよくまたはしなくてもよい。特により一般的には、本出願法人のための特許出願 WO 08/141 702号、FR2 291 064号、FR2 291 065号およびFR 07/60442号に記載されている方法に従ってカップリングさせたエラストマーを挙げることができる。
本発明に従うゴム組成物は、35〜200phrの範囲の割合の補強用充填剤を含み少なくとも4種の化合物を含む。好ましくは、補強用充填剤全体の含有量は、40phrと140phrの間、より好ましくは50phrと130phrの間であり、最適量は、知られている通り、タイヤの目的とする特定の用途よって異なる;例えば、自転車タイヤに関して期待される補強レベルは、勿論、持続した形で高速にて走行することのできるタイヤ、例えば、オートバイタイヤ、乗用車用タイヤまたは重作業車両のような実用車用のタイヤに関して必要とする補強レベルよりも低い。
本発明によれば、上記補強用充填剤は、主として、補強用無機充填剤からなる、即ち、無機充填剤の割合は、充填剤総質量の50質量%以上、特に、50質量%よりも多く100質量%の最高量までである。好ましくは、上記補強用充填剤は、55〜95質量%の無機充填剤からなる。
用語“補強用無機充填剤”とは、本特許出願においては、定義によれば、カーボンブラックに対比して“白色充填剤”、“透明充填剤”、実際には“非黒色充填剤”としても知られており、それ自体単独でで、中間カップリング剤以外の手段によることなく、タイヤの製造を意図するゴム組成物を補強し得、換言すれば、通常のタイヤ級カーボンブラックとその補強役割において置換わり得る、その色合およびその起原(天然または合成)の如何にかかわらない任意の無機または鉱質充填剤を意味するものと理解すべきである;そのような充填剤は、一般に、知られているとおり、その表面でのヒドロキシル(‐OH)基の存在に特徴を有する。
好ましくは、上記補強用無機充填剤は、全体的にまたは最低限でも主として、シリカ(SiO2)である。使用するシリカは、当業者にとって既知の任意の補強用シリカ、特に、共に450m2/g低いBET比表面積とCTAB比表面積を示す任意の沈降または焼成シリカであり得るが、高分散性沈降シリカが好ましい。補強用無機充填剤としては、アルミナ質タイプ、特にアルミナ(Al2O3)または(酸化)水酸化アルミニウム、さらにまた、補強用酸化チタンも挙げられる。
補強用無機充填剤を使用する物理的状態は、粉末、マイクロビーズ、顆粒またはビーズのいずれの形状であれ重要ではない。勿論、用語“補強用無機充填剤”は、種々の補強用無機充填剤、特に、上述したような高分散性シリカの混合物を意味することも理解されたい。
上記補強用充填剤は、ブレンド(混合物)として、単数または複数の上記補強用無機充填剤以外に、カーボンブラックのような有機充填剤も含み得ることに留意すべきである。この補強用有機充填剤は、その場合、好ましくは、充填剤総質量に対して50%未満の質量画分に従って存在する。
全てのカーボンブラック類、特に、タイヤゴム組成物において通常使用されるHAF、ISAF、SAF、FF、FEF、GPFおよびSRFタイプのブラック類(“タイヤ級”ブラック類)が、カーボンブラックとして適している。さらに詳細には、後者のうちでは、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347またはN375ブラック類のような100、200または300シリーズの補強用カーボンブラック類(ASTM級)が挙げられるが、例えば、N550またはN682ブラック類のような粗めのブラック類も挙げられる。カーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形で、天然ゴム中に既に混入させていてもよい。
例えば、ブラック/シリカブレンドまたはシリカで部分的にまたは完全に被覆したブラックは、補強用充填剤を構成させるのに適している。言わずとも限定することなしに、Cabot社から品名“CRX 2000”として販売されている充填剤、および国際特許出願WO‐A‐96/37547号に記載されている充填剤のようなシリカで改変させたカーボンブラックも適している。
カーボンブラック以外の有機充填剤の例としては、出願 WO‐A‐2006/069792号およびWO‐A‐2006/069793号に記載されているような官能化ポリビニル芳香族有機充填剤を、或いは出願 WO‐A‐2008/003434号およびWO‐A‐2008/003435号に記載されているような官能化非芳香族ポリビニル有機充填剤も挙げることができる。
補強用充填剤が補強用無機充填剤とカーボンブラックのみを含む場合には、該補強用充填剤中のこのカーボンブラックの質量画分は、さらに好ましくは、補強用充填剤総質量に対して30%以下に選定する。
本発明に従うゴム組成物は、上記補強用無機充填剤を、上記エラストマーマトリックスを構成する天然ゴムと任意構成成分としてのジエンエラストマーとにカップリングさせるためのカップリング剤を含み少なくとも4種の化合物を含む。
用語“カップリング剤”とは、さらに詳細には、当該充填剤とエラストマー間に化学的および/または物理的性質の満足し得る結合を確立すると共にこの充填剤のエラストマーマトリックス中での分散を容易にすることのできる薬剤を意味するものと理解されたい。そのような少なくとも二官能性の結合剤は、例えば、簡略化した一般式“Y‐T‐X'''を有し、式中、
・Yは、上記無機充填剤と物理的および/または化学的に結合し得る官能基(“Y”官能基)を示し、そのような結合は、例えば、カップリング剤のシリコン原子と上記無機充填剤の表面ヒドロキシル(‐OH)基(例えば、シリカを結合させる場合の表面シラノール)間で確立され得;
・X'は、ジエンエラストマーと、例えば、イオウ原子により物理的および/または化学的に結合し得る官能基(“X'''官能基)を示し;
・Tは、YとX'を結合させることのできる2価の基である。
これらの結合剤は、無機充填剤に対して活性であるY官能基を知られている通りに含み得るがジエンエラストマーに対して活性であるX'官能基は含んでいない当該無機充填剤を被覆するための単純な薬剤と混同すべきではない。例えば、オルガノシラン類、特に、上記X'およびY官能基を担持するアルコキシシランポリスルフィドもしくはメルカプトシラン類またはポリオルガノシロキサン類のような、タイヤの製造において使用し得るゴム組成物において、シリカのような補強用無機充填剤とジエンエラストマー間に上記結合(またはカップリング)を有効にもたらすことが知られているまたは有効にもたらすことができる任意の結合剤を使用し得る。シリカ/エラストマー結合剤は、特に、多数の文献に記載されており、周知の結合剤は、二官能性アルコキシシラン類、例えば、アルコキシシランポリスルフィド類である。特に、例えば、出願WO 03/002648号(またはUS 2005/01651号)およびWO 03/002649号(またはUS 2005/01650号)に記載されているような、その特定の構造により、“対称形”または“無対称形”として知られているシランポリスルフィド類を使用する。
さらに詳細には、シランポリスルフィドの例としては、ビス(3‐トリメトキシシリルプロピル)またはビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド類が挙げられる。特に、これらの化合物のうちでは、TESPTと略称されるビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドまたはTESPDと略称されるビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを使用する。また、好ましい例としては、特許出願WO 02/083782号(またはUS 2004/132880号)に記載されているようなビス(モノ(C1〜C4)アルコキシジ(C1〜C4)アルキルシリルプロピル)のポリスルフィド類(特に、ジスルフィド類、トリスルフィド類またはテトラスルフィド類)、特に、ビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドも挙げられる。
アルコキシシランポリスルフィド以外のカップリング剤としては、特に、特許出願WO 02/30939号(またはUS 6,774,255号)およびWO 02/31041(またはUS 2004/051210号)に記載されているような、二官能性POS (ポリオルガノシロキサン)類またはヒドロキシシランポリスルフィド類;或いは、例えば、特許出願WO 2006/125532号、WO 2006/125533号およびWO 2006/125534号に記載されているような、アゾジカルボニル官能基を担持するシランまたはPOS類が挙げられる。
本発明に従う組成物においては、カップリング剤の含有量は、有利には20phr未満であるが、一般的には、できる限り少なく使用するのが望ましいことを理解されたい。カップリング剤の含有量は、好ましくは0.5phrと12phrの間、より好ましくは3〜10phr、特に4〜7phrである。この含有量は、当業者であれば、上記組成物中で使用する無機充填剤の含有量に応じて容易に調整し得ることである。
当業者であれば、本項において説明した補強用無機充填剤と等価の充填剤として、もう1つの性質、特に、有機性を有する補強用充填剤も、この補強用充填剤がシリカのような無機層で被覆されており、この無機層が、その表面に、官能部位、特に、ヒドロキシル部位を含み、上記充填剤とエラストマー間の結合を確立するのにカップリング剤の使用を必要とすることを条件として使用することができることを理解されたい。
また、本発明に従うゴム組成物は、カップリング剤以外に、カップリング活性化剤、上記無機充填剤を被覆するための薬剤、或いはゴムマトリックス中での上記充填剤の分散性を改善し且つゴム組成物の粘度を低下させることによって、知られている通り、生状態における上記組成物の加工される能力を改善することのできるより一般的な加工助剤も含有し得る;これら薬剤は、例えば、アルキルアルコキシシランのような加水分解性シラン類;ポリオール類;ポリエーテル類;第1級、第2級または第3級アミン類;ヒドロキシル化または加水分解性ポリオルガノシロキサン類である。
また、本発明に従うゴム組成物は、例えば、顔料;オゾン劣化防止ワックス、化学オゾン劣化防止剤または酸化防止剤のような保護剤;疲労防止剤;補強用または可塑化用樹脂;例えば、出願WO 02/10269号に記載されているようなメチレン受容体(例えば、フェノールノボラック樹脂)またはメチレン供与体(例えば、HMTまたはH3M);イオウまたはイオウ供与体および/または過酸化物および/またはビスマレイミドをベースとする架橋系;加硫促進剤;加硫活性化剤;コバルト系化合物のような接着促進剤;可塑剤、好ましくは、例えば、出願WO 2005/087859号、WO 2006/061064号およびWO 2007/017060号に記載されているような、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、MESオイル、TDAEオイルのような無極性液体可塑剤、エーテルおよびエステル化可塑剤(例えば、グリセリントリオレート、特に、オレイン酸ヒマワリ油)および好ましくは30℃よりも高い高Tgを示す固形炭化水素樹脂からなる群から選ばれる非芳香族系または極めて僅かに芳香族系の可塑剤のような、タイヤ製造を意図するエラストマー組成物において一般的に使用する通常の添加剤類の全てまたは一部を含み得る。
また、本発明は、上述したようなゴム組成物の製造方法にも関する。
本発明によれば、上記ジヒドラジド化合物は、天然ゴム生産場所での天然ゴムの製造中を含む上記のゴム組成物の製造過程のどの時点であっても混入し得ることに注目すべきである。上記組成物は、適切なミキサー内で、当業者にとって周知の2つの連続する製造段階、即ち、110℃と190℃の間、好ましくは130℃と180℃の間の最高温度までの高温で熱機械的に加工または混練する第1段階(“非生産”段階と称する);その後の、典型的には110℃より低い、例えば、40℃と100℃の間の低めの温度に下げて機械加工する第2段階(“生産”段階と称する)、その間に架橋系を混入する仕上げ段階を使用して製造する。
本発明に従うゴム組成物を製造する本発明に従う方法は、少なくとも、下記の段階を含む:
(i) 130℃と200℃の間、好ましくは145℃と185℃の間の最高温度において、架橋系および必要に応じての接着促進剤を除いた上記ゴム組成物の必須ベース成分の熱機械的加工の第1工程(“非生産段階”とも称する)を、天然ゴムをベースとするエラストマーマトリックス中に上記組成物の成分を1回以上の工程での混練により緊密に混入することによって実施する段階;その後の、
(ii) 上記第1工程の前記最高温度よりも低い、好ましくは120℃よりも低い温度において、機械的加工の第2工程を実施し、その間に、上記架橋系および必要に応じての接着促進剤を混入する工程。
そのようにして得られた最終組成物は、その後、例えば、シートまたはプラークの形状にカレンダー加工するか、或いは押出加工して、タイヤを意図するゴム半製品として使用することのできるゴム形状要素を形成し得る。
上記の式Iに相応するジヒドラジド化合物は、従って、下記のいずれかとして混入し得る:
・天然ゴム生産場所での天然ゴムの製造中の添加剤として;または、
・下記のような本発明に従うゴム組成物の成分として;
‐開放ミルタイプの開放装置または密閉ミキサータイプの密閉装置においての天然ゴム/ジヒドラジドマスターバッチの予備製造中の成分として、
‐マスターバッチを予備製造することなく、上記第1の非生産段階中のミキサー内への上記ゴム組成物の他の化合物と一緒の直接の成分として。
その理由は、本発明に従う方法の別法形が、上記段階(i)を実施する前に、式Iのジヒドラジド化合物を添加することを含む天然ゴムの通常の製造段階を含むからである。
本発明に従う方法のもう1つの別法形は、上記段階(i)を実施する前に、天然ゴムと式Iのジヒドラジド化合物をベースとするマスターバッチの製造段階を含む。
本発明の方法のもう1つの別法形によれば、上記ジヒドラジド化合物を含むが加硫系を除いた本発明の組成物のベース構成成分の全てを、上記第1段階(i)、即ち、“非生産”段階中に混入する。
本発明のもう1つの主題は、その構成コンポーネントの少なくとも1つにおいて、本発明に従う強化ゴム組成物を組込んでいるタイヤである。
本発明の1つの主題は、特に、これらのタイヤを意図する、本発明に従う強化ゴム組成物を含むゴム半製品である。
本発明に従う強化ゴム組成物を特徴付けする低下したヒステリシス故に、上記組成物を含むトレッドを有するタイヤは、有利に低下した転がり抵抗性を示すことに注目すべきである。
本発明に従う強化ゴム組成物を特徴付けする低下したヒステリシス故に、その内部組成物の全てまたは一部が本発明の組成物を含むタイヤは、有意に低下した自己発熱性、ひいては改良された耐久性を示すことにも注目すべきである、用語“内部組成物”とは、空気または膨張ガスと接触しているいずれかの組成物は別として、タイヤの繊維または金属補強材と接触している組成物およびタイヤ内の組成物に隣接している組成物を意味するものと理解されたい。
本発明に従うタイヤは、特に、乗用車用、同様に、バン類、重作業車両(即ち、地下鉄、バス、重量道路輸送車(トラック、トラクター、トレーラー)または道路外車両、重量農業用車両または土木機械装置、航空機および他の輸送または作業用車両)から選ばれる産業用車両用を意図する。
本発明の上記の特徴および他の特徴は、以下の例として示し言うまでもなく限定するものではない本発明の幾つかの実施例の説明を読むことでより一層良好に理解し得るであろう。
使用する測定および試験法
上記ゴム組成物を、下記に示すように、硬化の前後において特性決定する。
(a) 100℃でのムーニー粘度(ML 1+4):規格ASTM: D‐1646 (表中に“Mooney”と標題)に従って測定;相対値の上昇がムーニー粘度の上昇を示す。
(b) ショアA硬度:規格DIN 53505に従って実施する測定;相対値の上昇がショアA硬度の上昇を示す。
(c) 23℃でのスコット破断指数:引張強度(TS)をMPaで測定し、破断点伸び(EB)を%で測定する。これらの引張測定は、全て、規格ISO 37に従う標準の温度および湿度条件下に実施する;相対値の上昇は、引張強度の増強および破断点伸びの増強を示す。
(d) 動的特性デルタG*およびtan(δ)maxは、規格ASTM D 5992‐96に従って、粘度アナライザー(Metravib VA4000)において測定する。単純な交互正弦剪断応力に、規格ASTM D 1349‐99に従い、10Hzの周波数で標準温度条件(23℃)にて供した加硫組成物のサンプル(厚さ2mmおよび79mm2の断面積を有する円筒状試験片)の応答を記録する。頂点間歪み振幅掃引を、0.1%から50%まで(外向きサイクル)、次いで、50%から0.1%まで(戻りサイクル)で実施する。使用する結果は、複素動的剪断モジュラス(G*)および損失係数tanδである。0.1%歪みおよび50%歪み値間で観察されたtan(δ)の最高値(tan(δ)max)および複素モジュラスの差(デルタG*) (パイネ効果)は、戻りサイクルにおいて示される。相対値の上昇が測定する値の上昇を示す。
本発明に従うエラストマーまたは本発明に従わないエラストマーのいずれかを含む組成物
分子の混入
ジヒドラジドタイプの下記の数種の分子を天然ゴム用の添加剤として使用した:
・テレフタル酸ジヒドラジド、
・アジピン酸ジヒドラジド、
・ドデカン二酸ジヒドラジド、
・イソフタル酸ジヒドラジド、
・ヒドロキシナフトエ酸モノヒドラジド、
・ブロックトヒドロキシナフトエ酸モノヒドラジド(BHM)、
・プロピオン酸モノヒドラジド、
・ベンズヒドラジドモノヒドラジド。
各分子を、下記に式で示す。
Figure 0005752604
分子の混入方法は、下記のとおりである:
天然ゴムを、開放ミル(23℃に調整したロール温度;このミルのロールは、150mmに等しい直径、2mmに等しい空隙および20回転/分のロール回転速度を有する)において、下記の段階に供する:
1) 当初周囲温度での天然ゴムの3回通し;
2) 所定量の粉末形の分子の添加;
3) 粉末を分散させ且つサンプルを均質化するための12回通しの実施。
2つの異なるタイプの天然ゴム、即ち、TSR20と表記されたNRおよびTSR3Lと表記されたNRを、マスターバッチを製造するために試験した。
概要を下記の表1に示す。
表1
Figure 0005752604
プロピオン酸ヒドラジド、HNH、BHMおよびベンズヒドラジドの各分子は、反実施例である(脂肪族、ベンジル、ナフトエ酸およびブロックトナフトエ酸のモノヒドラジド)。
組成物の各々は、下記の配合を示す(phr、即ち、エラストマー100部当りの質量部で表している)

表1a
Figure 0005752604
(1) = 天然ゴム;
(2) = シリカ、Rhodia社からのZeosil 1165MP (BETおよびCTAB:約160m2/g);
(3) = カーボンブラック、N330;
(4) = N‐(1,3‐ジメチルブチル)‐N'‐フェニル‐p‐フェニレンジアミン;
(5) = カップリング剤、TESPT (Degussa社からの“Si69”);
(6) = CBS (Flexsys社からのSantocure)。
以下の組成物の各々を、第1工程においては、熱機械的加工によって、次いで、第2の仕上げ工程においては、機械的加工によって製造する。
上記のエラストマー、カーボンブラック、2/3のシリカおよびカップリング剤を、容量が400cm3であり、75%充たし且つおよそ50℃の出発温度を有する“バンバリー”タイプの実験室密閉ミキサー内に連続して導入する。最後の1/3のシリカ、ステアリン酸、6PPDおよびパラフィンを90℃で導入する。酸化亜鉛を140℃で導入する。
上記熱機械的加工段階は、3〜5分間、約165℃の最高落下温度まで実施する。
熱機械的加工の上記第1工程はそのようにして実施する;この第1工程中のブレードの平均速度は70回転/分であるように特定化する。
そのようにして得られた混合物を回収し、冷却し、その後、開放ミキサー(ホモフィニッシャー)内で、イオウおよびスルフェンアミドを30℃で添加し、混ぜ合せた混合物を3〜4分間さらに混合する(第2の上記機械的加工工程)。
その後、そのようにして得られた組成物を、その物理的または機械的性質を測定するためのゴムのプラーク(2〜3mmの範囲の厚さを有する)または微細シートの形にカレンダー加工する。
また、そのようにして得られた組成物は、所望寸法に切断および/または組立てた後、例えば、タイヤ半製品として直接使用することのできる形状要素の形に押出加工することもできる。
表1b
Figure 0005752604
本発明に従う組成物K、L、MおよびNは、一方の未改変NRをベースとする組成物Aの“ムーニー混合物”値よりも高く、また、他方の上記装置上で単に加工しただけのNRをベースとする組成物Bの“ムーニー混合物”値よりも高い“ムーニー混合物”値を示していることに注目すべきである。
動的特性に関しては、本発明に従う組成物K、L、MおよびNのデルタG*とtan(δ)maxの値は、未改変NRをベースとする組成物AのデルタG*とtan(δ)maxの値よりも低く、また、上記装置上を単に通過させただけのNRをベースとする組成物BのデルタG*とtan(δ)maxの値よりも低いことに注目すべきである。本発明に従うテレフタル酸、イソフタル酸または脂肪酸ジヒドラジドを含むエラストマーK、L、MおよびNは、未改変エラストマーAと対比して、また、分子を導入することなく装置上を単に通過させただけのエラストマーBと対比して、ヒステリシス特性を改良するのを可能にしている。
換言すれば、テレフタル酸ジヒドラジドまたはイソフタル酸ジヒドラジドまたはアジピン酸ジヒドラジドまたはドデカン二酸ヒドラジドを含むNRをベースとする本発明に従う組成物K、L、MおよびNは、著しく低下したヒステリシス故に、未改変NRをベースとする組成物Aのゴム特性と対比して、改良されている架橋状態でのゴム特性を示している。
本発明に従わない組成物Q、SおよびTは、未改変NRをベースとする組成物AのデルタG*値よりも高いデルタG*値を有する。本発明に従わない組成物Q、SおよびTは、未改変NRをベースとする組成物Aのtan(δ)max値よりも高いまたは等価のtan(δ)max値を有する。ヒドロキシナフトエ酸ヒドラジドまたはプロピオン酸ヒドラジドまたはベンズヒドラジドを含むエラストマーQ、SおよびTは、未改変エラストマーAと対比して、ヒステリシス特性を改良するのを可能にしていない。
本発明に従わない組成物RのデルタG*とtan(δ)maxの値は、未改変NRをベースとする組成物AのデルタG*とtan(δ)maxの値よりも低いことに注目すべきである。
しかしながら、本発明に従う組成物K、L、MおよびNのデルタG*とtan(δ)maxの値は、ヒドロキシナフチルヒドラゾン(BHM)を含むNRをベースとする組成物RのデルタG*とtan(δ)max値のよりも低い。換言すれば、本発明に従う組成物K、L、MおよびNは、BHMをベースとする組成物Rのゴム特性と対比して、改良されている架橋状態でのゴム特性を示している。
表1c
Figure 0005752604
本発明に従う組成物OおよびPは、一方の未改変NRをベースとする組成物Fの“ムーニー混合物”値よりも高く、また、他方の上記装置上で単に加工しただけのNRをベースとする組成物Gの“ムーニー混合物”値よりも高い“ムーニー混合物”値を示していることに注目すべきである。
動的特性に関しては、本発明に従う組成物OおよびPのデルタG*とtan(δ)maxの値は、未改変NRをベースとする組成物FのデルタG*とtan(δ)maxの値および上記装置上を単に通過させただけのNRをベースとする組成物GのデルタG*とtan(δ)maxの値よりも低いことに注目すべきである。本発明に従うテレフタル酸またはアジピン酸ジヒドラジドを含むエラストマーOおよびPは、未改変エラストマーFと対比して、また、分子を導入することなく装置上を単に通過させただけのエラストマーGと対比して、ヒステリシス特性を改良するのを可能にしている。
換言すれば、テレフタル酸ジヒドラジドまたはアジピン酸ジヒドラジドを含むNRをベースとする本発明に従う組成物OおよびPは、著しく低下したヒステリシスの結果として、未改変NRをベースとする組成物Fおよび他方の上記装置上で単に加工しただけのNRをベースとする組成物Gのゴム特性と対比して、改良されている架橋状態でのゴム特性を示している。
エラストマーの二成分ブレンド
これらの組成物の各々は、下記の配合を示す(phr、即ち、エラストマー100部当りの質量部で表している)

表2a
Figure 0005752604
(1) = 天然ゴム;
(2) = 26%のスチレン単位および24%のポリ(1,2‐ブタジエン)単位を含むSSBR;
(3) = シリカ、Rhodia社からのZeosil 1165MP (BETおよびCTAB:約160m2/g);
(4) = カーボンブラック、N330;
(5) = N‐(1,3‐ジメチルブチル)‐N'‐フェニル‐p‐フェニレンジアミン;
(6) = カップリング剤、TESPT (Degussa社からの“Si69”);
(7) = CBS (Flexsys社からのSantocure)。
以下の組成物の各々を、第1工程においては、熱機械的加工によって、次いで、第2の仕上げ工程においては、機械的加工によって製造する。
上記の各エラストマー、カーボンブラック、2/3のシリカおよびカップリング剤を、容量が400cm3であり、75%充たし且つおよそ50℃の出発温度を有する“バンバリー”タイプの実験室密閉ミキサー内に連続して導入する。最後の1/3のシリカ、ステアリン酸、6PPDおよびパラフィンを90℃で導入する。酸化亜鉛を140℃で導入する。
上記熱機械的加工段階は、3〜5分間、約165℃の最高落下温度まで実施する。
熱機械的加工の上記第1工程はそのようにして実施する;この第1工程中のブレードの平均速度は70回転/分であるように特定化する。
そのようにして得られた混合物を回収し、冷却し、その後、開放ミキサー(ホモフィニッシャー)内で、イオウおよびスルフェンアミドを30℃で添加し、混ぜ合せた混合物を3〜4分間さらに混合する(第2の上記機械的加工工程)。
その後、そのようにして得られた組成物を、その物理的または機械的性質を測定するためのゴムのプラーク(2〜3mmの範囲の厚さを有する)または微細シートの形にカレンダー加工する。
また、そのようにして得られた組成物は、所望寸法に切断および/または組立てた後、例えば、タイヤ半製品として直接使用することのできる形状要素の形に押出加工することもできる。
表2b
Figure 0005752604
本発明に従うSBR/NRブレンドをベースとする組成物X、YおよびZは、SBR/未改変NRブレンドをベースとする組成物U、VおよびWの“ムーニー混合物”値よりも高い“ムーニー混合物”値を示していることに注目すべきである。
動的特性に関しては、本発明に従う組成物X、YおよびZのデルタG*とtan(δ)maxの値は、SBR/未改変NRブレンドをベースとする組成物U、VおよびWのデルタG*とtan(δ)maxの値よりも低いことに注目すべきである。
本発明に従うSBR/NRブレンドをベースとする組成物のヒステリシスの低下は、ブレンド中の本発明に従う改変NRの量に関連している;換言すれば、ヒステリシスの低下は、本発明に従うNRの量がブレンド中でより高いときに、より一層顕著である。
充填剤 = (シリカ/カーボンブラック)混合物
これらの組成物の各々は、下記の配合を示す(phr、即ち、エラストマー100部当りの質量部で表している)

表3a
Figure 0005752604
(1) = 天然ゴム;
(2) = シリカ、Rhodia社からのZeosil 1165MP (BETおよびCTAB:約160m2/g);
(3) = カーボンブラック、N330;
(4) = N‐(1,3‐ジメチルブチル)‐N'‐フェニル‐p‐フェニレンジアミン;
(5) = カップリング剤、TESPT (Degussa社からの“Si69”);
(6) = CBS (Flexsys社からのSantocure)。
以下の組成物の各々を、第1工程においては、熱機械的加工によって、次いで、第2の仕上げ工程においては、機械的加工によって製造する。
上記のエラストマー、カーボンブラック、2/3のシリカおよびカップリング剤を、容量が400cm3であり、75%充たし且つおよそ70℃の出発温度を有する“バンバリー”タイプの実験室密閉ミキサー内に連続して導入する。最後の1/3のシリカ、ステアリン酸、6PPDおよびパラフィンを90℃で導入する。酸化亜鉛を140℃で導入する。
上記熱機械的加工段階は、3〜5分間、約165℃の最高落下温度まで実施する。
熱機械的加工の上記第1工程はそのようにして実施する;この第1工程中のブレードの平均速度は70回転/分であるように特定化する。
そのようにして得られた混合物を回収し、冷却し、その後、開放ミキサー(ホモフィニッシャー)内で、イオウおよびスルフェンアミドを30℃で添加し、混ぜ合せた混合物を3〜4分間さらに混合する(第2の上記機械的加工工程)。
その後、そのようにして得られた組成物を、その物理的または機械的性質を測定するためのゴムのプラーク(2〜3mmの範囲の厚さを有する)または微細シートの形にカレンダー加工する。
表3b
Figure 0005752604
本発明に従うNRをベースとする組成物ACおよびADは、未改変NRをベースとする組成物AAおよびABの“ムーニー混合物”値よりも高い“ムーニー混合物”値を示していることに注目すべきである。
動的特性に関しては、組成物中で可変量のシリカとブラックを含む本発明に従う組成物ACおよびADのデルタG*とtan(δ)maxの値は、未改変NRをベースとする組成物AAおよびABのデルタG*とtan(δ)maxの値よりも低いことに注目すべきである。
配合の拡大
これらの組成物の各々は、下記の配合を示す(phr、即ち、エラストマー100部当りの質量部で表している)

表4a
Figure 0005752604
(1) = 天然ゴム;
(2) = シリカ、Rhodia社からのZeosil 1165MP (BETおよびCTAB:約160m2/g);
(3) = カップリング剤、TESPT (Degussa社からの“Si69”);
(4) = カーボンブラック、N234 (ASTM級);
(5) = MESオイル(Shell社からの“Catenex SNR”);
(6) = ジイソノニル 1,2‐シクロヘキサンジカルボキシレート(BASF社からの“Hexamoll DINCH”);
(7) = ポリリモネン樹脂(DRT社からの“Dercolyte L120”);
(8) = ジフェニルグアニジン(Flexsys社からのPerkacit DPG);
(9) = N‐(1,3‐ジメチルブチル)‐N‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミン(Flexsys社からのSantoflex 6-PPD);
(10) = CBS (Flexsys社からのSantocure)。
これらの以下の組成物の各々を、第1工程においては、熱機械的加工によって、次いで、第2の仕上げ工程においては、機械的加工によって製造する。
上記のエラストマー、カーボンブラック、2/3のシリカ、カップリング剤およびDPGを、容量が400cm3であり、75%充たし且つおよそ70℃の出発温度を有する“バンバリー”タイプの実験室密閉ミキサー内に連続して導入する。およそ1分後、最後の1/3のシリカ、ステアリン酸、6PPD、ワックス、樹脂およびMESオイル(組成物C1)またはジイソノニル 1,2‐シクロヘキサンジカルボキシレート(組成物C2)を導入する。酸化亜鉛を、混合後、およそ3分で導入する。
上記熱機械的加工段階は、3〜5分間、約165℃の最高落下温度まで実施する。
熱機械的加工の上記第1工程はそのようにして実施する;この第1工程中のブレードの平均速度は80回転/分であるように特定化する。
そのようにして得られた混合物を回収し、冷却し、その後、開放ミキサー(ホモフィニッシャー)内で、イオウおよびスルフェンアミドを30℃で添加し、混ぜ合せた混合物を3〜4分間さらに混合する(第2の上記機械的加工工程)。
その後、そのようにして得られた組成物を、その物理的または機械的性質を測定するためのゴムのプラーク(2〜3mmの範囲の厚さを有する)または微細シートの形にカレンダー加工する。

表4b
Figure 0005752604
本発明に従う組成物AJ、AKおよびALは、未改変NRをベースとする組成物AGの“ムーニー混合物”値よりも高い“ムーニー混合物”値を示していることに注目すべきである。
動的特性に関しては、本発明に従う組成物AJ、AKおよびALのデルタG*とtan(δ)maxの値は、未改変NRをベースとする組成物AGのデルタG*とtan(δ)maxの値よりも低いことに注目すべきである。本発明に従うイソフタル酸または脂肪族ジヒドラジドを含むエラストマーL、MおよびNは、組成物C1において、未改変エラストマーAと対比して、ヒステリシス特性を改良するのを可能にする。
換言すれば、イソフタル酸ジヒドラジドまたはアジピン酸ジヒドラジドまたはドデカン二酸ヒドラジドを含むNRをベースとする本発明に従う組成物AJ、AKおよびALは、未改変NRをベースとする組成物AGのゴム特性と対比して、低下したヒステリシスの結果として、改良されている架橋状態でのゴム特性を示している。
本発明に従わない組成物AQ、ASおよびATは、未改変NRをベースとする組成物AGのデルタG*とtan(δ)max値よりも高いデルタG*とtan(δ)max値を有する。ヒドロキシナフトエ酸ヒドラジドまたはプロピオン酸ヒドラジドまたはベンズヒドラジドを含むエラストマーQ、SおよびTは、未改変エラストマーAと対比して、ヒステリシス特性を改良するのを可能にしていない。
本発明に従わない組成物ARのデルタG*とtan(δ)maxの値も、未改変NRをベースとする組成物AGのデルタG*とtan(δ)maxの値よりも低いことに注目すべきである。
しかしながら、本発明に従う組成物AJ、AKおよびALのデルタG*とtan(δ)maxの値は、ヒドロキシナフトエ酸ヒドラジドまたはヒドロキシナフチルヒドラゾン(BHM)またはプロピオン酸ヒドラジドまたはベンズヒドラジドを含むNRをベースとする組成物AQ、AR、ASおよびATのデルタG*とtan(δ)max値よりも低い。換言すれば、本発明に従う組成物AJ、AKおよびALは、ヒドロキシナフトエ酸ヒドラジドまたはヒドロキシナフチルヒドラゾン(BHM)またはプロピオン酸ヒドラジドまたはベンズヒドラジドを含むNRをベースとする組成物AQ、AR、ASおよびATのゴム特性と対比して、改良されている架橋状態でのゴム特性を示している。
表4c
Figure 0005752604
本発明に従う組成物AOおよびAPは、未改変NRをベースとする組成物AMの“ムーニー混合物”値よりも高い“ムーニー混合物”値を示していることに注目すべきである。
動的特性に関しては、本発明に従う組成物AOおよびAPのデルタG*とtan(δ)maxの値は、未改変NRをベースとする組成物AMのデルタG*とtan(δ)maxの値よりも低いことに注目すべきである。本発明に従うテレフタル酸またはアジピン酸ジヒドラジドを含むエラストマーOおよびPは、未改変エラストマーFと対比して、ヒステリシス特性を改良するのを可能にする。
換言すれば、テレフタル酸ジヒドラジドまたはアジピン酸ジヒドラジドを含むNRをベースとする本発明に従う組成物AOおよびAPは、組成物C1において、未改変NRをベースとする組成物AMのゴム特性と対比して、低下したヒステリシスの結果として、改良されている架橋状態でのゴム特性を示している。
表4d
Figure 0005752604
本発明に従う組成物AYおよびAZは、未改変NRをベースとする組成物AXの“ムーニー混合物”値よりも高い“ムーニー混合物”値を示していることに注目すべきである。
動的特性に関しては、本発明に従う組成物AYおよびAZのデルタG*とtan(δ)maxの値は、未改変NRをベースとする組成物AXのデルタG*とtan(δ)maxの値よりも低いことに注目すべきである。本発明に従うテレフタル酸またはアジピン酸ジヒドラジドを含むエラストマーKおよびMは、未改変エラストマーAと対比して、ヒステリシス特性を改良するのを可能にする。
換言すれば、テレフタル酸ジヒドラジドまたはアジピン酸ジヒドラジドを含むNRをベースとする本発明に従う組成物AYおよびAZは、組成物C2において、未改変NRをベースとする組成物AXのゴム特性と対比して、低下したヒステリシスの結果として、改良されている架橋状態でのゴム特性を示している。
ジヒドラジドの導入方法
これらの組成物の各々は、下記の配合を示す(phr、即ち、エラストマー100部当りの質量部で表している)

表5a
Figure 0005752604
(1) = 天然ゴム;
(2) = テレフタル酸ジヒドラジド;
(3) = シリカ、Rhodia社からのZeosil 1165MP (BETおよびCTAB:約160m2/g);
(4) = カーボンブラック、N330;
(5) = N‐(1,3‐ジメチルブチル)‐N'‐フェニル‐p‐フェニレンジアミン;
(6) = カップリング剤、TESPT (Degussa社からの“Si69”);
(7) = CBS (Flexsys社からのSantocure)。
以下の組成物の各々を、第1工程においては、熱機械的加工によって、次いで、第2の仕上げ工程においては、機械的加工によって製造する。
上記のエラストマーおよびテレフタル酸ジヒドラジド(組成物BAにおける)、カーボンブラック、2/3のシリカおよびカップリング剤を、容量が400cm3であり、75%充たし且つおよそ50℃の出発温度を有する“バンバリー”タイプの実験室密閉ミキサー内に連続して導入する。最後の1/3のシリカ、ステアリン酸、6PPDおよびパラフィンを90℃で導入する。酸化亜鉛を140℃で導入する。
上記熱機械的加工段階は、3〜5分間、約165℃の最高落下温度まで実施する。
熱機械的加工の上記第1工程はそのようにして実施する;この第1工程中のブレードの平均速度は70回転/分であるように特定化する。
そのようにして得られた混合物を回収し、冷却し、その後、開放ミキサー(ホモフィニッシャー)内で、イオウおよびスルフェンアミドを30℃で添加し、混ぜ合せた混合物を3〜4分間さらに混合する(第2の上記機械的加工工程)。
その後、そのようにして得られた組成物を、その物理的または機械的性質を測定するためのゴムのプラーク(2〜3mmの範囲の厚さを有する)または微細シートの形にカレンダー加工する。
また、そのようにして得られた組成物は、所望寸法に切断および/または組立てた後、例えば、タイヤ半製品として直接使用することのできる形状要素の形に押出加工することもできる。
表5b
Figure 0005752604
本発明に従う組成物KおよびBAは、未改変NRをベースとする組成物Aの“ムーニー混合物”値よりも高い“ムーニー混合物”値を示していることに注目すべきである。
動的特性に関しては、本発明に従う組成物KおよびBAのデルタG*とtan(δ)maxの値は、未改変NRをベースとする組成物AのデルタG*とtan(δ)maxの値よりも低いことに注目すべきである。テレフタル酸ジヒドラジドを本発明に従ってミキサー内で導入することによってテレフタル酸ジヒドラジドとAを含むエラストマーKは、未改変エラストマーAと対比して、ヒステリシス特性を改良するのを可能にする。
換言すれば、テレフタル酸ジヒドラジドを含むNRをベースとする本発明に従う組成物KおよびBAは、未改変NRをベースとする組成物Aのゴム特性と対比して、(i) 上記分子を、NR中に、混合物を製造する前に導入する場合(装置上でのマスターバッチの製造)および(ii) 上記分子を混合物の製造中のミキサー内に導入する場合に、低下したヒステリシスの結果として、改良されている架橋状態でのゴム特性を示している。
ジヒドラジドの含有量の効果
これらの組成物の各々は、下記の配合を示す(phr、即ち、エラストマー100部当りの質量部で表している)

表6a
Figure 0005752604
(1) = 天然ゴム;
(2) = シリカ、Rhodia社からのZeosil 1165MP (BETおよびCTAB:約160m2/g);
(3) = カーボンブラック、N330;
(4) = N‐(1,3‐ジメチルブチル)‐N'‐フェニル‐p‐フェニレンジアミン;
(5) = カップリング剤、TESPT (Degussa社からの“Si69”);
(6) = CBS (Flexsys社からのSantocure)。
Figure 0005752604
分子の混入方法は、下記のとおりである:
天然ゴムを、開放ミル(23℃に調整したロール温度;このミルのロールは、150mmに等しい直径、2mmに等しい空隙および20回転/分のロール回転速度を有する)において、下記の段階に供する:
1) 当初周囲温度での天然ゴムの3回通し;
2) 所定量の粉末形の分子の添加;
3) 粉末を分散させ且つサンプルを均質化するための12回通しの実施。
以下の組成物の各々を、第1工程においては、熱機械的加工によって、次いで、第2の仕上げ工程においては、機械的加工によって製造する。
上記のエラストマー、カーボンブラック、2/3のシリカおよびカップリング剤を、容量が400cm3であり、75%充たし且つおよそ50℃の出発温度を有する“バンバリー”タイプの実験室密閉ミキサー内に連続して導入する。最後の1/3のシリカ、ステアリン酸、6PPDおよびパラフィンを90℃で導入する。酸化亜鉛を140℃で導入する。
上記熱機械的加工段階は、3〜5分間、約165℃の最高落下温度まで実施する。
熱機械的加工の上記第1工程はそのようにして実施する;この第1工程中のブレードの平均速度は70回転/分であるように特定化する。
そのようにして得られた混合物を回収し、冷却し、その後、開放ミキサー(ホモフィニッシャー)内で、イオウおよびスルフェンアミドを30℃で添加し、混ぜ合せた混合物を3〜4分間さらに混合する(第2の上記機械的加工工程)。
その後、そのようにして得られた組成物を、その物理的または機械的性質を測定するためのゴムのプラーク(2〜3mmの範囲の厚さを有する)または微細シートの形にカレンダー加工する。
また、そのようにして得られた組成物は、所望寸法に切断および/または組立てた後、例えば、タイヤ半製品として直接使用することのできる形状要素の形に押出加工することもできる。
表6b
Figure 0005752604
本発明に従う組成物BBおよびBCは、未改変NRをベースとする組成物Aの“ムーニー混合物”値よりも高い“ムーニー混合物”値を示していることに注目すべきである。
動的特性に関しては、本発明に従う組成物BBおよびBCのデルタG*とtan(δ)maxの値は、未改変NRをベースとする組成物AのデルタG*とtan(δ)maxの値よりも低いことに注目すべきである。本発明に従うアジピン酸ジヒドラジドを異なる含有量で含むエラストマーUおよびVは、未改変エラストマーAと対比して、ヒステリシス特性を改良するのを可能にする。
換言すれば、アジピン酸ジヒドラジドを異なる含有量で含むNRをベースとする本発明に従う組成物BBおよびBCは、未改変NRをベースとする組成物Aのゴム特性と対比して、低下したヒステリシスの結果として、改良されている架橋状態でのゴム特性を示している。

Claims (11)

  1. 少なくとも、(a) 天然ゴム100%からなるエラストマーマトリックス、(b) 補強用充填剤(該補強用充填剤の総質量の少なくとも50質量%はシリカからなる)、(c) カップリング剤、および(d) 下記の一般式Iに相応するジヒドラジド化合物をベースとする強化ゴム組成物:
    Figure 0005752604
    (式中、Rは、6〜20個の炭素原子を有する置換または非置換の芳香族基、または2〜20個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和で線状もしくは枝分れの脂肪族基から選ばれる二価の炭化水素基であり;nは、値0または1を有する)。
  2. 前記ジヒドラジド化合物が、0.25〜7phrの割合で存在する、請求項1記載のゴム組成物。
  3. 前記補強用充填剤が、補強用無機充填剤を、充填剤総質量の55〜95質量%の範囲の割合で含む、請求項1または2記載のゴム組成物。
  4. 前記ジヒドラジド化合物が、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、またはドデカン二酸ジヒドラジドから選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項記載のゴム組成物。
  5. 下記の段階:
    (i) 130℃と200℃の間の最高温度において、架橋系および必要に応じて接着促進剤を除いた前記ゴム組成物の必須ベース成分の熱機械的加工の第1工程を、天然ゴム100%からなるエラストマーマトリックス中に前記組成物の成分を混練により緊密に混入することによって実施する段階;その後の、
    (ii) 前記第1工程の前記最高温度よりも低い度において、機械的加工の第2工程を実施し、その間に、前記架橋系および必要に応じて接着促進剤を混入する段階;
    を含み、前記段階(i)を実施する前に、前記式Iのジヒドラジド化合物の添加段階を含む天然ゴムの製造段階を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の強化ゴム組成物の製造方法。
  6. 下記の段階:
    (i) 130℃と200℃の間の最高温度において、架橋系および必要に応じて接着促進剤を除いた前記ゴム組成物の必須ベース成分の熱機械的加工の第1工程(“非生産段階”とも称する)を、天然ゴム100%からなるエラストマーマトリックス中に前記組成物の成分を混練により緊密に混入することによって実施する段階;その後の、
    (ii) 前記第1工程の前記最高温度よりも低い度において、機械的加工の第2工程を実施し、その間に、前記架橋系および必要に応じて接着促進剤を混入する段階;
    を含み、前記段階(i)を実施する前に、天然ゴムと前記式Iのジヒドラジド化合物をベースとするマスターバッチの製造段階を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載のタイヤ成分の製造方法。
  7. 下記の段階:
    (i) 130℃と200℃の間の最高温度において、架橋系および必要に応じて接着促進剤を除いた前記ゴム組成物の必須ベース成分の熱機械的加工の第1工程(“非生産段階”とも称する)を、天然ゴム100%からなるエラストマーマトリックス中に前記組成物の成分を混練により緊密に混入することによって実施する段階;その後の、
    (ii) 前記第1工程の前記最高温度よりも低い度において、機械的加工の第2工程を実施し、その間に、前記架橋系および必要に応じて接着促進剤を混入する段階;
    を含み、前記式Iのジヒドラジド化合物を段階(i)における混合物に添加することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載のタイヤ成分の製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項記載の架橋可能なまたは架橋させたゴム組成物を含むことを特徴とするタイヤゴム半製品。
  9. 前記製品が、トレッドである、請求項8記載の半製品。
  10. 前記製品が、内部組成物である、請求項8記載の半製品。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項記載の半製品を含むタイヤ。
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