JP5498485B2 - 新規な酸化防止剤系を含むタイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ジエンエラストマー組成物、さらにまた、そのような組成物の老化防止保護のために使用する酸化防止剤にも関する。
さら詳細には、本発明は、タイヤのゴムマトリックスの全てまたは一部を形成させるのに使用するジエンエラストマー組成物、特に、“ベルト”としても知られているこれらタイヤのクラウン補強材に関する。
ラジアルカーカス補強材を有するタイヤは、知られている通り、トレッド、2つの非伸長性ビード、これらのビードをトレッドに接合する2つの側壁並びに上記カーカス補強材とトレッド間に円周方向に配置されているベルトを含み、このベルトは、金属または繊維タイプのコードまたはモノフィラメントのような補強要素(即ち“補強材”)によって補強し得るまたは補強し得ないゴムの種々のプライ(または“層”)からなることを簡単に思い起こされたい。
上記のタイヤベルトは、一般に、少なくとも2枚の重ね合せベルト層またはプライ(“作動”プライまたは“交差”プライとしても知られている)からなり、その補強材は、実際上1つの層内で互いに平行に配置されているが1つの層から他の層では交差しており、即ち、正中円周面に対して、該当するタイヤのタイプに応じて概して10°および45°の間の角度で対称的にまたは対称的ではなく傾斜している。これら2枚の交差層の各々は、場合によっては上記補強材を覆っている“カレンダー加工ゴム”としても知られている一般にイソプレンをベースとするゴムマトリックスからなる。各交差層は、場合に応じて変動する幅を有し且つ補強材を含み得るまたは含み得ない種々の他の補助ゴムプライまたは層によって仕上げし得る;例えば、その役割がベルトの残余を外的攻撃、孔形成から保護することである“保護”層として知られている単純なゴムパッド、或いは実質的に円周方向に沿って配向させた補強材を含みこれら補強材が上記交差層と比較して半径方向に外側または内側である“フープ補強”層として知られている層(“零度”層として知られている)が挙げられる。
このタイヤベルトは、知られている通り、多くの、場合によっては相反する、特に下記の必要条件を満たさなければならない:
(i) タイヤクラウンの強化に実質的に寄与するように、低変形時においてでき得る限り剛性であること;
(ii) 一方で、回転時のクラウン内部領域の過熱を最小限にし、且つ、他方で、タイヤの転がり抵抗性を低下させるために、できる限り低いヒステリシス(燃料経済性と同義である)を有すること;
(iii) 最後に、特にタイヤの“ショルダー”領域内の交差層末端の離脱または亀裂現象、即ち、“開裂(cleavage)”なる用語よって知られている問題に関連して高耐久性を有すること。
上記の第3条件は、特に、タイヤベルト形成中に混入するゴム組成物が、特に酸化防止剤(有効な老化防止保護を与える)の使用によって達成される亀裂伝播および熱酸化に対する極めて高い抵抗性を有することを必要とする。
この要求は、トレッドが長期の走行後に臨界的摩耗度に達したときに1回以上再トレッド形成し得るように設計されている重量車両のタイヤ被覆物において特に高い。
タイヤ用のゴム組成物、特にそのようなタイヤのベルトにおける老化防止保護剤として極めて長時間に亘って使用される酸化防止剤は、例えば、同時に優れた酸化防止剤およびオゾン劣化防止剤であるN‐イソプロピル‐N'‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミン(I‐PPD)またはN‐1,3‐ジメチルブチル‐N'‐フェニル‐パラ−フェニレンジアミン (6‐PPD)のようなパラ‐フェニレンジアミン(PPD)の誘導体群に属する(例えば、出願WO 2004/033548号、WO 2005/063510号、WO 2005/133666号を参照されたい)。
今回、本出願人は、研究中に、そのようなパラ-フェニレンジアミン由来の酸化防止剤の一部を、今日までタイヤにおいて使用されていない他の特定の酸化防止剤によって置き換えることによって、これらタイヤ用のゴム組成物の疲労および亀裂伝播に対する長期の耐性を増強することが可能であることを見出した。
従って、本発明の第1の主題は、少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤、架橋系および酸化防止剤系をベースとし、上記酸化防止剤系が、下記の少なくとも2種の酸化防止剤“A”および“B”を含み、A/Bの質量比が0.1と5.0の間であることを特徴とするゴム組成物に関する:
A.下記の式(I)に相当するN‐アルキル‐N'‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミン:
Figure 0005498485
(I)

B.下記の式(II)に相当する4,4',4''‐トリス(アルキルアミノ)トリフェニルアミン:
Figure 0005498485

(式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なるものであって、各々、1〜12個の炭素原子を有する線状または枝分れのアルキル基または5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基を示す)。
即ち、本発明は、タイヤベルト、さらにまた、これらのタイヤ自体、新規で且つ特に有益な諸性質の全体的妥協点を提供する。
本発明のもう1つの主題は、本発明に従う組成物の、最も具体的には重量車両タイヤの場合の新品タイヤの製造または磨耗タイヤの再トレッド形成における使用である。
本発明に従うゴム組成物は、本発明のもう1つの主題を構成する方法によって製造する;該方法は、下記の工程:
・ジエンエラストマー中に、ミキサー内で、補強用充填剤および酸化防止剤系を、混合物全体を1回以上の工程で、110℃〜190℃の最高温度に達するまで、熱機械的に混練することによって混入する工程;
・混合物全体を100℃よりも低い温度に冷却する工程;
・その後、架橋系を混入する工程;
・混合物全体を110℃より低い最高温度に達するまで混練する工程;
を含み、該方法は、上記酸化防止剤系が、少なくとも上述の2種の酸化防止剤“A”および“B”を含み、A/Bの質量比が0.1と5.0の間であることを特徴とする。
また、本発明は、本発明に従う組成物を含むあらゆるタイヤに関し、特に、これらのタイヤは、ラジアルまたは非ラジアルタイプのいずれかである。
本発明のタイヤは、特に、下記のタイプの自動車に装着することを意図する:乗用車、SUV(スポーツ用多目的車)類、二輪車(特にオートバイ);航空機;例えば、バン類、“重量”車両(即ち、地下鉄列車、バス、重量道路輸送車両(トラック、トラクターもしくはトレーラー))、農業用または土木用機械類のようなオフロード車両から選ばれた産業用車両;並びに、他の輸送または操作車両。
また、本発明は、それ自体、特にタイヤ用のゴム組成物の老化防止保護のために使用し得る酸化防止剤系にも関し、この系は、少なくとも2種の上述した酸化防止剤“A”および“B”を含み、A/B質量比が0.1と5.0の間であることに特徴を有する。
本発明およびその利点は、以下の説明および典型的な実施例、さらにまた、ラジアルカーカス補強材を含む重量車両タイヤの放射断面を示すこれらの実施例に関連する概略図(単一図面)に照らして容易に理解し得るであろう。
ラジアルカーカス補強材を含む重量車両タイヤの放射断面を示す概略図である。
I. 使用する測定および試験法
上記ゴム組成物は、以下で示すように、硬化の前後において特性決定する。
A) 流動度測定:
測定は、規格DIN 53529:パート3 (1983年6月)従い、振動室レオメーターにより150℃で実施する。時間の関数としての流動度測定トルクの変化によって、加硫反応後の組成物の剛化の変化を説明する。測定値を規格DIN 53529:パート2 (1983年3月)従い処理する:tiは、誘導時間、即ち、加硫反応を開始するのに必要な時間であり;tα(例えば、t99)は、α%、即ち、最低トルクと最高トルクとの差のα%(例えば、99%)の転換率を達成するのに必要な時間である。また、K (分-1で表す)で示し、30%および80%の間の転換率を算出し、加硫速度の評価を可能にする第1順位の転換速度定数も測定する。
B) 引張試験:
これらの試験は、弾性応力および破壊点諸特性の測定を可能にする。特に断らない限り、これらの試験は、1988年9月のフランス規格 NF T 46‐002に従って行う。“公称”割線モジュラス(即ち、MPaでの見掛け応力)または“真”の割線モジュラス(この場合実際の試験片断面に対して)を、10%伸び(それぞれMA10およびE10と記す)、100%伸び(それぞれMA100およびE100と記す)および300%伸び(それぞれMA300およびE300と記す)において、2回目の伸びにおいて(即ち、順応サイクル後に)測定する。これらの引張測定は、全て、フランス規格NF T 40‐101 (1979年12月)に従う標準の温度(23±2℃)および湿度(50±5%相対湿度)条件下において実施する。また、引張強度(MPaでの)および破壊点伸び (%での)も23℃で測定する。
C)“MFTRA”試験:
サイクル数としてまたは相対単位(u.r.)で表す疲労およびノッチ(事前開始による)伝播に対する耐性を、1mmのノッチ(切込み)を含み且つ20%の伸びまでの低頻度の繰返し引張試験に供した試験片において、Monsanto (“MFTR”タイプ)装置を使用し、フランス規格 NF T 46021に従い、試験片が破壊するまで既知の方法で測定する。
上記試験は、一方では初期状態において、他方では24日の加速熱酸化エージング(その場合、試験する組成物サンプルを、77℃の温度および40%の周囲湿度に保った換気オーブン内に置く)後に実施する。任意に100に設定した対照の値よりも高い値が、改良された結果、即ち、より高い耐性を示す。
II. 発明の詳細な説明
本発明のエラストマー組成物は、少なくとも以下の構成成分をベースとする:(i) (少なくとも1種の)ジエンエラストマー;(ii) (少なくとも1種の)補強用充填剤;(iii) 架橋系;および、(iv) 下記で詳細に説明する酸化防止剤系。
勿論、“ベースとする組成物”なる表現は、使用する各種構成成分の反応生成物および/または混合物を含む組成物を意味するものと理解すべきであり、これらベース構成成分のある種のものは、上記ゴム組成物、ベルトおよびタイヤの種々の製造段階において、特に、これらの加硫中に、少なくとも部分的に一緒に反応し得るか或いは反応するように意図する。
本説明においては、特に明確に断らない限り、示すパーセント(%)は、全て質量%である。
II‐1. ジエンエラストマー
用語“ジエン”エラストマー(またはゴム;この2つは、同義であるとみなす)は、一般に、ジエンモノマー、即ち、2個の(共役型または非共役型)炭素‐炭素二重結合を担持するモノマーに少なくとも一部由来するエラストマー(即ち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味するものと理解されたい。
ジエンエラストマーは、知られている通り、2つのカテゴリー、即ち、“本質的に不飽和”と称するエラストマーおよび“本質的に飽和”と称するエラストマーに分類し得る。一般に、“本質的に不飽和のジエンエラストマー”なる表現は、この場合、15%(モル%)よりも多いジエン単位またはジエン起源(共役ジエン)単位数を有する共役ジエンモノマーに少なくとも一部由来するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。従って、例えば、ブチルゴムまたはEPDMタイプのジエン/α‐オレフィンコポリマーのようなジエンエラストマーは、上述の定義に属さず、具体的には、“本質的に飽和のジエンエラストマー”(常に15%未満である低いまたは極めて低いジエン起原単位数)と称し得る。“本質的に不飽和”のジエンエラストマーのカテゴリーにおいては、“高不飽和ジエンエラストマー”なる表現は、特に50%よりも多いジエン起源(共役ジエン類)の単位数を有するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
これらの定義を考慮すると、さらに具体的には、本発明に従う組成物において使用し得るジエンエラストマーは、下記を意味するものと理解されたい:
(a) 好ましくは4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーを重合させることによって得られる任意のホモポリマー;
(b) 1種以上の共役ジエンを他のジエンまたは好ましくは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物と共重合させることによって得られる任意のコポリマー;
(c) 例えば、エチレンと、プロピレンと、特に1,4‐ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエンのような上述したタイプの非共役ジエンモノマーとから得られるエラストマーのような、エチレンと、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するα‐オレフィンとを、好ましくは6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエンモノマーと共重合させることによって得られる3成分コポリマー、;および、
(d) イソブテンとイソプレンのコポリマー(ブチルゴム)、さらにまた、このタイプのコポリマーのハロゲン化形、特に塩素化または臭素化形。
本発明は、任意のタイプのジエンエラストマーに当てはまるけれども、タイヤ技術における熟練者であれば、本発明は、先ずは、特に上記のタイプ(a)または(b)の本質的に不飽和のジエンエラストマーと一緒に使用するものであることを理解されたい。
さらに好ましくは、上記ジエンエラストマーは、ポリブタジエン(BR)、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、各種ブタジエンコポリマー、各種イソプレンコポリマーおよびこれらエラストマーのブレンドによって形成される群から選択する。そのようなコポリマーは、さらに好ましくは、ブタジエン‐スチレン(SBR)コポリマー(エマルジョン(ESBR)または溶液(SSBR)中での重合によって調製したいずれかのコポリマーである)、イソプレン‐ブタジエン(BIR)コポリマー、イソプレン‐スチレン(SIR)コポリマーおよびイソプレン‐ブタジエン-スチレン(SBIR)コポリマーによって形成される群から選択する。
ポリブタジエンのうちでは、適切なポリブタジエンは、特に、4%と80%の間の‐1,2単位含有量(モル%)を有するポリブタジエン、または80%よりも多いシス‐1,4単位含有量(モル%)を有するポリブタジエンである。合成ポリイソプレンのうちでは、特に適切なポリイソプレンは、シス‐1,4-ポリイソプレン、好ましくは90%よりも多いシス‐1,4結合含有量(モル%)を有するポリイソプレンである。ブタジエンまたはイソプレンコポリマーのうちでは、これらコポリマーは、これら2種のモノマーの少なくとも1種を8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物と共重合させることによって得られるコポリマー類を特に意味するものと理解されたい。適切なビニル芳香族化合物は、例えば、スチレン;オルソ‐、メタ‐およびパラ‐メチルスチレン;市販の“ビニルトルエン”混合物;パラ‐tert‐ブチルスチレン;メトキシスチレン;クロロスチレン;ビニルメシチレン、ジビニルベンゼンおよびビニルナフタレンである。上記コポリマーは、99%〜20%のジエン単位と1%および80%の間のビニル芳香族単位を含有し得る。
上記エラストマーは、使用する重合条件、特に、変性剤および/またはランダム化剤の存在または不存在並びに使用する変性剤および/またはランダム化剤の量に依存する任意のミクロ構造を有し得る。これらのエラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、序列または微細序列エラストマーであり得、分散液または溶液中で調製し得る;これらのエラストマーは、カップリング剤および/または星型枝分れ化剤(star-branching agent)或いは官能化剤によってカップリング化および/または星型枝分れ化或いは官能化し得る。例えば、カーボンブラックにカップリングさせるには、C‐Sn結合を含む官能基または、例えば、ベンゾフェノンのようなアミノ化官能基を挙げることができ;シリカのような補強用無機充填剤にカップリングさせるには、例えば、シラノールまたはシラノール末端を有するポリシロキサン官能基(例えば、FR 2 740 778号またはUS 6 013 718号に記載されているような)、アルコキシシラン基(例えば、FR 2 765 882号またはUS 5 977 238号に記載されているような)、カルボキシル基(例えば、WO 01/92402号またはUS 6 815 473号、WO 2004/096865号またはUS 2006/0089445号に記載されているような)、或いはポリエーテル基(例えば、EP 1 127 909号またはUS 6 503 973号に記載されているような)を挙げることができる。また、他の官能化エラストマー類の例としては、エポキシ化タイプのエラストマー類(SBR、BR、NRまたはIRのような)も挙げることができる。
本発明に従う組成物は、好ましくは、タイヤ用に、特にバン類または重量車両のような産業車両のタイヤ用のカーカス補強材用に、さらにまた、乗用車および産業車両の双方用に意図するタイヤのクラウン補強材用に意図する。
その場合、好ましくは、少なくとも1種のイソプレンエラストマー、即ち、イソプレンホモポリマーまたはコポリマー、換言すれば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)類、各種イソプレンコポリマーおよびこれらエラストマーのブレンドからなる群から選ばれるジエンエラストマーを使用する。イソプレンコポリマーのうちでは、特に、イソブテン/イソプレン(ブチルゴム‐IIR)、イソプレン/スチレン(SIR)、イソプレン/ブタジエン(BIR)またはイソプレン/ブタジエン/スチレン(SBIR)コポリマーが挙げられる。
イソプレンエラストマーは、好ましくは、天然ゴムまたは合成シス‐1,4-ポリイソプレンである。これらの合成ポリイソプレンの中では、好ましくは、90%よりも多い、さらにより好ましくは98%よりも多いシス‐1,4結合含有量(モル%)を有するポリイソプレンを使用する。
上記イソプレンエラストマーとブレンドする(即ち、混合する)ことにより、本発明の組成物は、イソプレンエラストマー以外のジエンエラストマーを、好ましくは少量(即ち、50phr未満)で含有し得る。イソプレンエラストマーは、さらに好ましくは、ジエンエラストマー全体の75〜100質量%、即ち、75〜100phr (phr = ゴム100質量部当りの質量部)を示す。
イソプレンエラストマー以外のそのようなジエンエラストマーとしては、特にポリブタジエン(BR)、特にシス‐1,4または1,2‐シンジオタクチックポリブタジエンおよび4%〜80%の1,2‐単位含有量(モル%)を有するポリブタジエン;および、ブタジエンコポリマー、特にスチレン/ブタジエン(SBR)コポリマー、特に5〜50質量%、特に20質量%〜40質量%のスチレン含有量、4%〜65%のブタジエン成分1,2‐結合含有量(モル%)、30%〜80%のトランス1,4‐結合含有量(モル%)を有するスチレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/ブタジエン/イソプレン(SBIR)コポリマーおよびこれら各種エラストマー(BR、SBRおよびSBIR)のブレンドからなる群から選ばれる不飽和タイプの任意のジエンエラストマーが挙げられる。
例えば、上記組成物を乗用車タイプのタイヤ用に意図するときに、そのようなブレンドを使用する場合、上記組成物は、好ましくは、SBRとBRの混合物であり、好ましくはSBRとBRの混合物の25質量%未満(または25phr未満)に限定した天然ゴムとのブレンドとして使用する。
本発明の組成物は、特に新品タイヤまたは磨耗タイヤ(再トレッド形成の場合)いずれかの重両車両タイヤベルトにおいて使用し得る。そのような場合、イソプレンエラストマーは、好ましくは、単独で、即ち、他のジエンエラストマーまたはポリマーとブレンドすることなく使用する。さらにより好ましくは、このイソプレンエラストマーは、専ら天然ゴムである。
II‐2. 補強用充填剤
タイヤを製造するのに使用することのできるゴム組成物を補強するその能力について知られている任意のタイプの補強用充填剤、例えば、カーボンブラックのような有機充填剤或いはシリカのような無機補強用充填剤(カップリング剤と一緒でなければならない)を使用することができる。
カーボンブラックとしては、全てのカーボンブラック類、特に、タイヤにおいて通常使用するHAF、ISAFまたはSAFタイプのブラック類(タイヤ級ブラック類として知られている)が適している。後者のうちでは、さらに詳細には、例えば、ブラック類N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347またはN375のような100、200または300シリーズの補強用カーボンブラック類(ASTM級)、或いは、目標とする用途次第で、より高級シリーズのブラック類(例えば、N660、N683、N722またはN900)が挙げられる。カーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形で既にイソプレンエラストマーに混入することができる(例えば、出願WO 97/36724号またはWO 99/16600号を参照されたい)。
カーボンブラック以外の有機充填剤の例としては、出願 WO‐A‐2006/069792号およびWO‐A‐2006/069793号に記載されているような官能化ポリビニル芳香族有機充填剤を挙げることができる。
“無機補強用充填剤”なる表現は、本出願においては、定義により、カーボンブラックと対比したときに“白色”充填剤、“透明”充填剤または“非黒色”充填剤としてさえも知られており、それ自体で、中間カップリング剤以外の如何なる手段にもよることなく、タイヤの製造を意図するゴム組成物を補強し得る、換言すれば、通常のタイヤ級カーボンブラックとその補強役割において置換わり得る任意の無機または鉱質充填剤(その色合およびその起源(天然または合成)の如何にかかわらない)を意味するものと理解すべきである;そのような充填剤は、一般に、知られている通り、その表面でのヒドロキシル(‐OH)基の存在に特徴を有する。
補強用無機充填剤を供給する物理的状態は、粉末、マイクロビーズ、顆粒、ビーズまたは任意の他の適切な濃密化形のいずれの形状であれ重要ではない。勿論、補強用無機充填剤なる用語は、種々の補強用無機充填剤、特に下記で説明するような高分散性シリカ質および/またはアルミナ質充填剤の混合物を意味することも理解されたい。
適切な無機補強用充填剤は、特に、シリカ質タイプ(特にシリカ(SiO2))またはアルミナ質タイプ(特にアルミナ(Al2O3))の鉱質充填剤である。使用するシリカは、当業者にとって既知の任意の補強用シリカ、特に、共に450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/gであるBET表面積とCTAB比表面積を有する任意の沈降またはヒュームドシリカであり得る。高分散性(“HD”として知られている)沈降シリカとしては、例えば、Degussa社からのシリカ類Ultrasil 7000およびUltrasil 7005;Rhodia 社からのシリカ類Zeosil 1165MP、1135MPおよび1115MP;PPG社からのシリカHi‐Sil EZ150G;Huber社からのシリカ類Zeopol 8715、8745または8755;および、出願WO 03/16837号に記載されたような高比表面積を有するシリカ類が挙げられる。
本発明の組成物を低転がり抵抗性を有するタイヤトレッド用に意図する場合、使用する無機補強用充填剤は、特にシリカである場合、好ましくは、45m2/gと400m2/gの間、より好ましくは60および300m2/gの間のBET表面積を有する。
好ましくは、補強用充填剤総含有量(カーボンブラック、無機補強用充填剤またはこれら2つのタイプの充填剤混合物)は、20phrと200phrの間、より好ましくは30phrと150phrの間であり、最適量は、知られている通り、目標とする特定用途に応じて異なる:例えば、自転車タイヤに関して期待される補強レベルは、継続的に高速走行し得るタイヤ、例えば、モーターサイクルタイヤ、乗用車用タイヤ、または重量車両のような実用車両用タイヤに関して要求される補強レベルよりも勿論低い。
本発明の1つの好ましい実施態様によれば、30phrと150phrの間、より好ましくは50phrと120phrの間の無機充填剤、特にシリカと、任意構成成分としてのカーボンブラックとを含む補強用充填剤を使用する;カーボンブラックは、存在する場合、好ましくは20phr未満、より好ましくは10phr未満(例えば、0.1〜10phr)の量で使用する。
無機補強用充填剤をジエンエラストマーにカップリングさせるためには、知られている通り、無機充填剤(その粒子表面)とジエンエラストマー間に化学的および/または物理的性質の十分な結合与えることを意図する少なくとも二官能性のカップリング剤(または結合剤)、特に、二官能性のオルガノシラン類またはポリオルガノシロキサン類を使用する。
特に、例えば、出願WO 03/002648号およびWO 03/002649号に記載されたような、その特定構造に応じて“対称性”または“非対称性”であると称するポリスルフィドシラン類を使用する。
特に適するのは、以下の定義に限定されることなしに、下記の一般式に相応する“対称性”と称するポリスルフィドシランである:
Z‐A‐Sn‐A‐Z
(式中、nは、2〜8(好ましくは2〜5)の整数であり;
Aは、二価の炭化水素系の基(好ましくはC1〜C18アルキレン基またはC6〜C12アリーレン基、より詳細にはC1〜C10、特にC1〜C4のアルキレン、特にプロピレン);そして、
Zは、下記の式の1つに相応する:
Figure 0005498485

(式中、R1'基は、置換されているかまたは置換されていない、互いに同一または異なるものであって、C1〜C18アルキル、C5〜C18シクロアルキルまたはC6〜C18アリール基(好ましくはC1〜C6アルキル、シクロヘキシルまたはフェニル基、特にC1〜C4アルキル基、より詳細にはメチルおよび/またはエチル)を示し;
R2'基は、置換されているかまたは置換されていない、互いに同一または異なるものであって、C1〜C18アルコキシまたはC5〜C18シクロアルコキシ基(好ましくはC1〜C8アルコキシおよびC5〜C8シクロアルコキシ基から選ばれる基、さらにより好ましくはC1〜C4アルコキシ基、特にメトキシおよびエトキシ基から選ばれる基)を示す。
上記式に相応するポリスルフィドアルコキシシラン類の混合物、特に、通常の商業的に入手可能な混合物の場合、“n”の平均値は、好ましくは2と5の間の、より好ましくは4に近い分数である。しかしながら、本発明は、例えば、ジスルフィドアルコキシシラン(n = 2)によっても有利に実施し得る。
ポリスルフィドシランの例としては、さらに詳細には、例えば、ビス(3‐トリメトキシシリルプロピル)またはビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)のポリスルフィドのようなビス((C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキルシリル(C1〜C4)アルキル)のポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィドまたはテトラスルフィド類)が挙げられる。これらの化合物のうちでは、特に、式[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2を有するTESPTと略記するビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、または式[(C2H5O)3Si(CH2)3S]2を有するTESPDと略記するビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを使用する。また、好ましい例としては、特許出願WO 02/083782号に記載されているような、ビス(モノ(C1〜C4)アルコキシジ(C1〜C4)アルキルシリルプロピル)のポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィドまたはテトラスルフィド)、より具体的にはビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドが挙げられる。
上記ポリスルフィドアルコキシシラン以外のカップリング剤としては、特許出願 WO 02/30939号およびWO 02/31041号に記載されているような、二官能性POS (ポリオルガノシロキサン)類またはヒドロキシシランポリスルフィド類(上記式において、R2' = OH)、或いは、例えば、特許出願WO 2006/125532号、WO 2006/125533号およびWO 2006/125534号に記載されているようなアゾジカルボニル官能基を担持するシラン類またはPOS類が挙げられる。
本発明に従うゴム組成物においては、カップリング剤の含有量は、好ましくは4phrと12phrの間、より好ましくは3phrと8phrの間である。
カップリング剤は、ジエンエラストマーまたは無機補強用充填剤に前以ってグラフトさせることができる。しかしながら、特に生状態のゴム組成物のより良好な加工性を理由として、無機補強用充填剤にグラフトさせているかまたは遊離状態(即ち、グラフトさせていない)のカップリングを使用するのが好ましい。
最後に、当業者であれば、この項において説明した無機補強用充填剤と等価の充填剤として、他の性質、特に有機性の補強用充填剤も、この補強用充填剤が、シリカのような無機層によって被覆されているか或いはその表面に官能性部位、特にヒドロキシル部位を含んでいて、上記充填剤とエラストマー間の結合を確立するのにカップリング剤の使用を必要とする限りにおいて使用することができることを理解されたい。
II‐3. 酸化防止剤系
本発明の酸化防止剤系は、下記の“A”および“B”によって示す2種の酸化防止剤を組合せて含み、A/Bの質量比が1/10〜5/1の間であるという主要な特徴を有する:
A.下記の式(I)に相応するN‐アルキル‐N'‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミン(I):
Figure 0005498485
(I)
B.下記の式(II)に相応する4,4',4''‐トリス(アルキルアミノ)トリフェニルアミン:
Figure 0005498485

(式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なるものであって、各々、1〜12個の炭素原子を有する線状または枝分れのアルキル基、または5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基を示す)。
好ましくは、上記A/Bの質量比は、1/10〜4/1、より好ましくは1/7〜4/1(即ち、0.14〜4.0)である。
好ましくは、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なるものであって、各々、2〜8個の炭素原子を有する、好ましくは、エチル、プロピル(即ち、n‐プロピル、イソ‐プロピル)、ブチル(即ち、n‐ブチル、sec‐ブチルおよびtert‐ブチル)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチル基からなる群から選ばれるアルキル基;または、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基(シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル基)、より好ましくはシクロヘキシル基を示す。
上記式(I)および(II)の化合物のうちでは、より好ましくは、R1、R2、R3およびR4基が枝分れしており、それぞれ下記の式(I‐bis)および(II‐bis)を有する化合物を使用する:
Figure 0005498485
(I‐bis)
Figure 0005498485
(II‐bis)
(式中、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、互いに同一または異なるものであって、各々、炭素原子数がR1、R2、R3およびR4について上記で示した好ましい定義に従うアルキル基を示す)。
上記式(I‐bis)の化合物は、本明細書の序論において再認識したように、当業者にとって周知である。
上記一般式(II)および(II‐bis)に相応する化合物は、ゴム用のオゾン劣化防止剤として知られている;その幾つか、さらにまたそれらの合成は、例えば、特許FR第1,354,536号に記載されている。しかしながら、タイヤ用のジエンエラストマー組成物における、特に上記タイヤのベルトにおける用途は、上記特許においては想定されていない。
枝分れR1、R2、R3およびR4基のより好ましい例としては、特に下記の式のイソプロピル(a)、1,3‐ジメチルブチル(b)および1,4‐ジメチルペンチル(c)の各基が挙げられる:
Figure 0005498485
従って、本発明の1つの特に好ましい実施態様によれば、酸化防止剤Aとして、下記の2種の化合物の1つを使用する:
● 下記の式に相応するN‐イソプロピル‐N'‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミン(“I‐PPD”):
Figure 0005498485

● 下記の式に相応するN‐1,3‐ジメチルブチル‐N'‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミン(“6‐PPD”):
Figure 0005498485
上記実施態様と組合せてもよいまたは組合せなくてもよいもう1つの特に好ましい実施態様によれば、酸化防止剤Bとして、下記の2種の化合物の1つを使用する:
●下記の特定の式に相応する4,4',4''‐トリス(1,3‐ジメチルブチルアミノ)トリフェニルアミン:
Figure 0005498485

●下記の特定の式に相応する4,4',4''‐トリス(1,4‐ジメチルペンチルアミノ)トリフェニルアミン:
Figure 0005498485
本発明のゴム組成物においては、酸化防止剤AおよびBの各々の含有量は、好ましくは、0.5phrと5phrの間であり、酸化防止剤系自体の総含有量は、好ましくは、1phrと10phrの間である。上記の最低値よりも低いと、耐久性が不十分であることが判明し得ており、一方、推奨する最高値よりも高いと、望ましくない可塑化効果故の機械的性質の低下のリスクが存在する。これら全ての理由により、酸化防止剤AおよびBの各々の含有量は、さらに好ましくは、0.5phrと3.0phrの間であり、酸化防止剤系自体の総含有量は、より好ましくは、1.5phrと4phrの間である。
II‐4. 各種添加剤
また、本発明に従うゴム組成物は、例えば、増量用オイル;可塑剤;オゾン劣化防止剤、他の化学オゾン劣化防止剤または酸化防止剤のような、上述した老化防止保護剤以外の老化防止保護剤;疲労防止剤;メチレン受容体および供与体;ビスマレイミドまたは他の補強用樹脂;イオウまたはイオウ供与体および/または過酸化物供与体のいずれかをベースとする架橋系;加硫促進剤;加硫活性化剤または遅延剤;例えば、ヘキサチオスルホン酸ナトリウムまたはN,N'‐m‐フェニレンビスシトラコンイミドのような戻り防止剤;例えば、金属複合体または塩類(例えば、前出の出願WO 2005/133666号に記載されているようなコバルト、ホウ素、リンまたはランタニド塩類を含有する)のようなゴムの金属への接着を促進する系のような、タイヤ用の、特にタイヤベルト用のゴム組成物において使用される通常の添加剤の全てまたは一部も含み得る。
また、イソプレンマトリックスは、無機補強用充填剤に対する任意構成成分としてのカップリング剤以外に、これらの無機充填剤を被覆するための薬剤、或いは、より一般的には、知られている通り、充填剤のゴムマトリックス中での分散性を改善し且つ組成物の粘度を低下させるためにゴムマトリックスの加工性を改善することのできる加工助剤も含有し得る。
II‐5. 本発明に従うゴム組成物およびタイヤ
上述したジエン組成物は、特に、タイヤの、特に重量車両または乗用車用のタイヤのベルトのゴムマトリックスの全てまたは一部を形成するのに使用することができる。
上記組成物は、例えば、“交差”層、保護層またはフープ補強材用の層(零度での)のいずれであれ、コードファブリック(cord fabric)のベルト層またはプライをカレンダー加工するためのラバーゴムとして使用することができ;或いは、例えば、上記組成物は、上記各種ベルト層の上または下に放射状に位置させるか、または上記各層間に挿入さえして、例えば、トレッドの副層を形成させるか、またはタイヤの“ショルダー”領域内のこれらのベルト層の外側端部に置いて、例えば、デカップリングラバーゴムを形成させる補強材を含まないラバーゴムの単純なパッド、バンドまたはストリップを形成することを意図する。
例えば、添付図面1は、ラジアルカーカス補強材(この一般的な描写においては、本発明に従い得るまたは従い得ない)を有する重量車両タイヤ1の放射断面を概略的に示している。このタイヤ1は、クラウン2、2つの側壁3、2つのビード4、一方のビードから他方のビードに伸びるラジアルカーカス補強材7を含む。トレッド(この極めて略図的な図面においては簡略化のため図示していない)をトッピングしたクラウン2は、知られている通り、少なくとも1枚のクラウン保護層で覆われた少なくとも2枚の“交差”クラウン層からなるベルト6によって補強されており、これらの層は、全て、炭素鋼製の金属コードによって補強されている。カーカス補強材7は、各ビード4内の2本のビードワイヤー5の周りに巻き付けられており、この補強材7の上返し8は、例えば、この場合リム9上に取付けて示しているタイヤ1の外側に向いている。カーカス補強材7は、“ラジアル”コードとして知られている金属コードによって補強された少なくとも1枚のプライまたは層から構成されている、即ち、これらのコードは、実際上、互いに平行に配置され一方のビードから他方のビードに延びて、正中円周面(2つのビード4の中間に位置し且つベルト6の中央を通るタイヤの回転軸に対して垂直の面)と80°と90°の間の角度をなしている。
上記の例からの本発明に従うタイヤは、そのクラウン2中に、ベルト層6(この例においては、2枚の交差層と1枚の保護層)のカレンダー加工用ゴムが本発明の酸化防止剤系を含むベルト6を含むという主要な特徴を有する。
また、例えば、1枚以上の“零度”層を含むタイヤの場合、各交差層の幅に近いある種の幅を有する層の形、狭めのストリップの形または1本のゴム被覆ワイヤーの形いずれかのコード型ファブリックをカレンダー加工するためのラバーゴムも、本発明の酸化防止剤系を含むジエン組成物、特にイソプレン組成物をベースとすることが好ましい。
本発明の1つの好ましい実施態様によれば、ジエンエラストマー(特にイソプレンエラストマー)、補強用充填剤および本発明の酸化防止剤系をベースとするゴム組成物は、加硫状態(即ち、硬化後)において、3MPaよりも高い、より好ましくは5と1820MPaの間の伸び(MA10)での割線モジュラスを有する。上記のモジュラス範囲においては、最良の耐久性妥協点を記録していることが示されている。
II‐6. ゴム組成物の製造
上記ゴム組成物は、適切なミキサー内で、当業者にとって周知の2つの連続する製造段階を使用して製造する:110℃と190℃の間、好ましくは130℃と180℃の間の最高温度(Tmaxと記する)までの高温で熱機械加工または混練する第1段階(“非生産”段階とも称する);および、その後の典型的には110℃よりも低い、例えば、40℃と100℃の間の低めの温度で機械加工する第2段階(“生産”段階とも称する);この仕上げ段階において、架橋または加硫系を混入する。
本発明の組成物の製造方法は、少なくとも補強用充填剤と本発明の酸化防止剤系を、ジエンエラストマー(特にイソプレンエラストマー)中に、第1の非生産段階において混練により混入すること、即ち、少なくともこれらの各種ベース構成成分をミキサー内に導入し、1回以上の工程で、110℃と190℃の間、好ましくは130℃と180℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練することに特徴を有する。
例えば、第1(非生産)段階は、1回の熱機械工程で実施し、その間に、以下を、通常の密閉ミキサーのような適切なミキサー内に導入する:先ず第1の、必須ベース成分の全て(ジエンエラストマー、補強用充填剤および酸化防止剤系)、次いで、第2の、例えば、1〜2分間の混練後の、架橋または加硫系を別にした任意構成成分としての補助的加工助剤および各種他の添加剤。この非生産段階における総混練時間は、好ましくは、2分と10分の間である。
その後、そのようにして得られた混合物を冷却した後、加硫系を、一般にロールミルのような開放ミキサー内で、低温にて混入する;次いで、混合物全体を、数分間、例えば、5〜15分間ブレンドする(生産段階)。
このようにして得られた最終組成物は、その後、その物理的または機械的性質を特に実験室特性決定において測定するための、例えば、ゴムのシート(2〜3mm厚)または薄フィルムの形にカレンダー加工するか、或いは、押出加工して、例えば、目標寸法に切断し或いは組立てた後、さらに、タイヤベルト層のような所望の繊維または金属補強材を組込んだ後、直接使用することのできるゴム形状物を形成する。
要するに、少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤、架橋系および酸化防止剤をベースとするゴム組成物の本発明に従う製造方法は、下記の工程:
・ジエンエラストマー、特にイソプレンエラストマー中に、ミキサー内で、補強用充填剤および酸化防止剤系を、混合物全体を1回以上の工程で110℃と190℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練することによって混入する工程;
・混合物全体を100℃よりも低い温度冷却する工程;
・その後、架橋系を混入する工程;
・混合物全体を110℃よりも低い最高温度まで混練する工程;
を含み、そして、上記酸化防止剤系が、少なくとも上記で詳述した酸化防止剤AおよびBを各々推奨された割合で含むことを特徴とする。
加硫または硬化は、既知の方法で、好ましくは130℃〜200℃の温度で且つ圧力下に、特に硬化温度、使用する加硫系、加硫速度、および、例えば該当するタイヤのサイズに応じて、例えば、5〜90分で変動し得る十分な時間で実施する。
架橋系自体は、好ましくは、イオウと一次加硫促進剤をベースとする。一般に、上記第1の非生産段階および/または生産段階中に混入したこの加硫系には、酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体(特にジフェニルグアニジン)、加硫遅延剤等のような各種既知の二次促進剤または加硫活性化剤を添加する。イオウは、特に本発明を重量車両タイプのタイヤに適用する場合、好ましくは1phrと10phrの間、より好ましくは2phrと8phrの間の量で使用する。一次加硫促進剤は、好ましくは0.5phrと5phrの間、より好ましくは0.5phrと2phrの間の量で使用する。
(一次または二次)促進剤としては、イオウの存在下にジエンエラストマーの加硫促進剤として作用することのできる任意の化合物、特にチアゾールタイプおよびその誘導体の促進剤、ジチオカルバミン酸チウラムまたは亜鉛タイプの促進剤を使用することが可能である。これらの促進剤は、より好ましくは、2‐メルカプトベンゾチアジルジスルフィド(MBTSと略記する)、N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBSと略記する)、N,N‐ジシクロヘキシル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンアミド(DCBSと略記する)、N‐tert‐ブチル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンアミド(TBBSと略記する)、N‐tert‐ブチル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンアミド(TBSIと略記する)、亜鉛ジベンジルジチオカルバメート(ZBECと略記する)およびこれらの化合物の混合物からなる群から選ばれる。好ましくは、スルフェンアミドタイプの一次促進剤を使用する。
本発明が、“生”状態(即ち、硬化前)および“硬化”または加硫状態(即ち、架橋または加硫後)双方の上記で説明したゴム組成物およびタイヤに関することは言うまでのないことである。
III. 典型的実施例
III‐1. 4,4',4''‐トリス(1,3‐ジメチルブチルアミノ)トリフェニルアミンの合成
式(IV‐a)の化合物を、下記のような合成に従い調製した。
攪拌機を備えた0.6リットルのオートクレーブに、Organica Feinchemie GmbH社からの11.0gのトリス(p‐アミノフェニル)アミン、300mlのメチルイソブチルケトンおよび0.8gの炭素上5%白金を添加した。撹拌しながら、媒質を、2.1と3.5MPaの間の水素圧下に160〜165℃で60分間置いた。その後、媒質を濾過して触媒を除去し、その後、減圧下に蒸発させた。20.2gの量で得られた4,4',4''‐トリス(1,3‐ジメチルブチルアミノ)トリフェニルアミン残留物は、ガスクロマトグラフィーによれば97.6%の純度であり、深紫色固形物の形状であった。
III‐2. ゴム組成物の製造
下記の試験を以下の方法で実施した:70%まで満たし且つ初期チャンバー温度が約60℃である密閉ミキサーに、イソプレンエラストマー、補強用充填剤(カーボンブラック)を、次いで、1〜2分間混練した後に、状況に応じるが加硫系を除いた単数または複数の酸化防止剤を含む各種他の成分を導入した。次に、熱機械加工段階(非生産段階)を、1工程または2工程(例えば、およそ7分に等しい合計混練時間)で165〜170℃辺りの最高“落下”温度に達するまで実施した。そのようにして得られた混合物を回収し、冷却し、その後、加硫系(イオウおよび一次スルフェンアミド促進剤)を、30℃の開放ミキサー(ホモ・フィニッシャー)内で、全てを例えば約3〜10分間混合することによって添加した(生産段階)。
その後、そのようにして得られた組成物を、その物理的または機械的性質の測定のためのシート(2〜3mm厚)の形に押出加工し、或いはカレンダー加工して金属コードファブリックを製造して重量車両タイヤのベルト層(“作動”層)を形成させた。
III‐3. 特性決定試験
本試験の目的は、本発明に従う酸化防止剤系を含むときのタイヤベルト用のイソプレン組成物の改良された耐久特性を、酸化防止剤を使用しない第1の対照ゴム組成物および式(III‐b)の通常の酸化防止剤(6‐PPD)のみを使用する第2の対照ゴム組成物と比較して実証することである。
このために、天然ゴムをベースとする下記の3通りの組成物を調製した:
C‐1と記す組成物(通常の酸化防止剤Aを含む対照);
C‐2と記す組成物(本発明に従う;混合酸化防止剤AおよびBを含み、組成物C‐1と同じ含有量の活性成分を有する);
C‐3と記す組成物(本発明に従う;混合酸化防止剤AおよびBを含み、組成物C‐1と同じ含有量の活性成分を有するが、組成物C‐2の酸化防止剤AおよびBと異なる割合を有する);および、
C‐4と記す組成物(本発明に従う;混合酸化防止剤AおよびBを含み、組成物C‐1と同じ含有量の通常の酸化防止剤Aを含む)。
酸化防止剤の性質と濃度を別にすれば全く同一である配合を有するこれら4種の組成物は、重量車両タイヤ用のベルトの作動層の“カレンダー加工ゴム”を構成させることを意図した。
表1および2は、上記4種の組成物の配合(表1:phrで示す各種成分の含有量)、
硬化(140℃で60分)前後のそれら組成物の諸性質、さらにまた、相対単位(r.u.) (初期状態およびエージング後の双方において、対照組成物C‐1に対して設定した基準点100)でのMFTRA耐久性試験の結果を示す。
加硫系は、イオウとスルフェンアミドからなっていた。本発明の組成物C‐3においては、通常の酸化防止剤(式III‐bの6‐PPD)の半分を、式(IV‐b)の酸化防止剤で置換えた。
化合物6‐PPD、即ち、タイヤ用のゴム組成物における、特にタイヤのベルトにおける参照酸化防止剤は、下記の拡大式(III‐b)を有することを思い出されたい:
Figure 0005498485
比較として、組成物C‐2、C‐3およびC‐4において補完物として使用した4,4',4''‐トリス(1,3‐ジメチルブチルアミノ)トリフェニルアミンは、下記の式(IV‐a)を有する:
Figure 0005498485
上記の第2分子が、有意に大きな立体障害を、ひいては、有効な疲労防止保護に対して当業者にとっては先験的に好ましくない拡散能力の低下を有することは、直ちに認識し得ることである。
結果を表2から検証するに、先ずは、本発明に従う3種の組成物C‐2、C‐3およびC‐4は、硬化前(流動特性)および硬化後(伸びにおける機械特性)の双方において対照組成物C‐1のゴム特性と同様なゴム特性を有することに留意されたい。
さて、耐久性(項I‐Dに従うMFTRA疲労試験)に関しては、初期状態の性質とエージング後の性質間で区別することが必要である。
エージングしていない(初期状態の)組成物においては、耐久性は、組成物C‐2、C‐3およびC‐4においては、対照組成物C‐1と比較して実質的に同じであることに注目し得る。
従って、(通常の)酸化防止剤Aの一部の酸化防止剤Bによる置換えは、各組成物のエージング前では、耐久性結果に対して何ら負の効果を有していないことに注目することが重要である。
しかしながら、酸化防止剤Bのみの使用、換言すれば、他の点では同一条件下での酸化防止剤Aの酸化防止剤Bによる純粋且つ単純な置換えは、性能の低下に至ることは認識している。
一方、予期に反して、本発明に従う組成物C‐2、C‐3およびC‐4においては、著しく改良されている耐久性を観察しており(組成物C‐2においては対照C‐1と比較して3倍増しており、組成物C‐3においては対照と比較して19倍増しており、組成物C‐4においてはC‐1と比較して13倍増している)、この改良は、酸化防止剤Aの幾分かを酸化防止剤Bによって置換えていることのみに起因し得ている。
従って、本発明の可塑剤系は、全体的に改良された耐疲労性を、従来技術の組成物と比較して、初期状態と加熱エージング後の耐性間で極めて著しく改良された妥協点でもって本発明のゴム組成物に付与している。
この結果は、当業者が本発明に従うベルトおよびタイヤの高耐久性を、特に本出願の序論において説明したクラウンプライ端部の分離(“開裂”)の問題に関連して予測することを可能にしている。
表1
Figure 0005498485
(1) 天然ゴム;
(2) カーボンブラック N330 (ASTM級);
(3) N‐1,3‐ジメチルブチル‐N‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミン(Flexsys社からのSANTOFLEX 6‐PPD);
(4) 4,4',4''‐トリス(1,3‐ジメチルブチルアミノ)トリフェニルアミン;
(5) 酸化亜鉛(工業級;Umicore社);
(6) ステアリン (PRISTERENE 4931;Uniqema社);および、
(7) N‐ジシクロヘキシル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンアミド(Flexsys社からのSANTOCURE DCBS)
表2
Figure 0005498485
1 重量車両タイヤ
2 クラウン
3 側壁
4 ビード
5 ビードワイヤー
6 ベルト
7 ラジアルカーカス補強材
8 カーカス補強材の上返し
9 リム

Claims (13)

  1. 少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤、架橋系および酸化防止剤系をベースとするゴム組成物であって、前記酸化防止剤系が、少なくとも下記の2種の酸化防止剤“A”および“B”を含み、A/Bの質量比が1/10〜5/1であることを特徴とする前記ゴム組成物:
    A.下記の式(I)に相応するN‐アルキル‐N'‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミン:
    Figure 0005498485
    (I)

    B.下記の式(II)に相応する4,4',4''‐トリス(アルキルアミノ)トリフェニルアミン:
    Figure 0005498485

    (式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なるものであって、各々、1〜12個の炭素原子を有する線状または枝分れのアルキル基または5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基を示す)。
  2. R1、R2、R3およびR4が、同一または異なるものであって、各々、2〜8個の炭素原子を有するアルキル基またはシクロヘキシル基を示す、請求項1記載の組成物。
  3. R1、R2、R3およびR4が、同一または異なるものであって、各々、イソプロピル、1,3‐ジメチルブチルおよび1,4‐ジメチルペンチルからなる群から選ばれるアルキル基を示す、請求項2記載の組成物。
  4. 酸化防止剤Aが、下記の式(III‐a)に相応するN‐イソプロピル‐N'‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミンである、請求項3記載の組成物:
    Figure 0005498485
  5. 酸化防止剤Aが、下記の式(III‐b)に相応するN‐1,3‐ジメチルブチル‐N'‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミンである、請求項3記載の組成物:
    Figure 0005498485
  6. 酸化防止剤Bが、下記の式(IV‐a)に相応する4,4',4''‐トリス(1,3‐ジメチルブチルアミノ)トリフェニルアミンである、請求項3〜5のいずれか1項記載の組成物:
    Figure 0005498485
  7. 酸化防止剤Bが、下記の式(IV‐b)に相応する4,4',4''‐トリス(1,4‐ジメチルペンチルアミノ)トリフェニルアミンである、請求項3〜5のいずれか1項記載の組成物:
    Figure 0005498485
  8. 酸化防止剤AおよびBの各々の含有量が、0.5phrと5phrの間である、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物。
  9. A/B質量比が、1/7と4/1の間である、請求項1〜8のいずれか1項記載の組成物。
  10. 前記ジエンエラストマーが、ポリブタジエン、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらエラストマーのブレンドから形成される群から選ばれる、請求項1〜9のいずれか1項記載の組成物。
  11. イヤ用のゴム組成物の老化防止保護のために使用することのできる酸化防止剤系であって、少なくとも下記の2種の酸化防止剤“A”および“B”を含み、A/Bの質量比が0.1と5.0の間であることを特徴とする前記酸化防止剤系:
    A.下記の式(I)に相応するN‐アルキル‐N'‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミン:
    Figure 0005498485
    (I)

    B.下記の式(II)に相当する4,4',4''‐トリス(アルキルアミノ)トリフェニルアミン:
    Figure 0005498485

    (式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なるものであって、各々、1〜12個の炭素原子を有する線状または枝分れのアルキル基または5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基を示す)。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項記載のゴム組成物を含むタイヤ。
  13. 少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤、架橋系および酸化防止剤系をベースとするゴム組成物の製造方法であって、下記の工程:
    ・ジエンエラストマー中に、ミキサー内で、補強用充填剤および酸化防止剤系を、混合物全体を1回以上の段階で、110℃〜190℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練することによって混入する工程;
    ・前記混合物全体を100℃未満の温度に冷却する工程;
    ・その後、前記架橋系を混入する工程;
    ・混合物全体を110℃未満の最高温度に達するまで混練する工程;
    を含み、前記酸化防止剤系が、少なくとも2種の下記の酸化防止剤“A”および“B”を含み、A/Bの質量比が0.1と5.0の間であることを特徴とする前記製造方法:
    A.下記の式(I)に相当するN‐アルキル‐N'‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミン:
    Figure 0005498485
    (I)

    B.下記の式(II)に相当する4,4',4''‐トリス(アルキルアミノ)トリフェニルアミン:
    Figure 0005498485

    (式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なるものであって、各々、1〜12個の炭素原子を有する線状または枝分れのアルキル基または5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基を示す)。
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