JP5747433B2 - 熱線遮蔽膜形成用分散液 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた熱線遮蔽効果を有すると共にヘーズが低い透明膜を形成することができる熱線遮蔽分散液に関する。本発明の熱線遮蔽分散液は、合せガラスの中間膜用組成物として好適であり、各種車両の窓ガラスの、建材の窓ガラス、医療器械など各種装置の窓ガラス、一般包装物、ショーケース等の透明部に広く適用することができる。
従来、熱線遮蔽材としてアンチモン錫酸化物粉(ATO粉)、インジウム錫酸化物粉(ITO粉)を用いることが知られている。ITO粉は透明性および熱線遮蔽性に優れ、しかも耐候性が良いと云う利点を有しているが、高価であるためコスト高になる。一方、ATO粉はITO粉と比較して安価であり、ヘーズの低い被膜を形成することができるが、透明性、熱線遮蔽性、耐候性がITO粉より劣ると云う問題がある(特許文献1)。
そこで、ATO粉とITO粉を混合して両者の利点を利用することが考えられるが、ITO粉の等電点は約pH8であるのに対して、ATO粉の等電点は約pH3であって大きく異なるため、これらを単に混合しても均一に分散した安定な液を得ることが難しいと云う問題がある。このため、従来、ATO粉とITO粉の併用を意図しても所望の効果が得られず、具体的な適用例は知られていない。(特許文献2,3)
この問題を解決するため、ATO粉とITO粉をリン酸基またはスルホン酸基を有する有機化合物からなる保護剤の存在下で分散させた組成物が提案されている(特許文献4)。この分散組成物(分散液)は、ATO粉およびITO粉が安定に均一に分散されているので、優れた熱線遮蔽効果および耐候性を有している。
特許第3250125号公報 特開平9−208775号公報 特開平9−208918号公報 特開2007−154152号公報
一般に、合わせガラスは、可塑剤を加えた樹脂膜(中間膜)を少なくとも一対のガラスの間に挟み込んで形成されている。このような構造の合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく、安全であるために自動車等の車両、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。
この中間膜にITO粉などの熱線遮蔽材を分散させて熱線遮蔽効果を有する合せガラスを形成することが知られている。この熱線遮蔽材としてATO粉とITO粉とを併用することができ、上記特許文献4に記載されているATO粉およびITO粉の分散液を利用することができる。具体的には、合せガラスの中間膜は可塑剤を加えた樹脂によって形成されるので、ATO粉およびITO粉と共に可塑剤を加えた分散液を用いることができる。
一方、合せガラスの中間膜は、その用途上から出来る限り透明性が高く、かつヘーズの低いものが求められる。本発明は、ATO粉とITO粉とを混合分散した分散液について、熱線遮蔽効果が高く、かつヘーズの低い分散液を提供する。
また、本発明は、ATO粉とITO粉の組み合わせに限らず、ATO粉とITO粉をおのおの単独に用いた分散液、またはITO粉とAl23粉の混合分散液、ITO粉とZrO2粉の混合分散液、ITO粉とTiO2粉の混合分散液、ITO粉とSnO2粉の混合分散液、ITO粉とSiO2粉の混合分散液においても、熱線遮蔽効果が高く、かつヘーズの低い分散液を提供する。
本発明は、以下の構成を有することによって上記課題を解決した熱線遮蔽膜形成用分散液に関する。
〔1〕熱線遮蔽材粉、可塑剤、アルコール、分散保護剤、および分散安定剤を含む分散液であって、熱線遮蔽材粉がATO粉、ITO粉、ATO粉とITO粉の混合粉、ITO粉とAl 粉の混合粉、ITO粉とZnO粉の混合粉、ITO粉とTiO 粉の混合粉、ITO粉とSnO 粉の混合粉、またはITO粉とSiO 粉の混合粉であり、
分散保護剤次式[1]〔式中、Rはアルキル基またはアルキルアリル基、Rは水素またはR(CHCHO)基、nはエチレンオキシド付加モル数〕によって表されるリン酸エステル系化合物、または次式[2]〔式中、Rは金属塩またはエーテルを含有した基、Rはアルキル基またはアルキルアリル基〕によって表されるスルホン酸基含有化合物であり、
分散安定剤硫酸エステル、βジケトン類、脂肪族カルボン酸の1種または2種以上であり、
熱線遮蔽材粉の含有量に対して0.05質量%〜10.0質量%の水を含むことを特徴とする熱線遮蔽膜形成用分散液。
Figure 0005747433
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〔2〕分散保護剤が、フェノールスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンスルホ琥珀酸ラウリル二ナトリウム、またはスルホン基含有カップリング剤の1種または2種である上記[1]に記載する熱線遮蔽膜形成用分散液。
〔3〕可視光線透過率(%Tv)が84%以上、日射透過率(%Ts)が64%以下であり、ヘーズが0.65%以下である上記[1]または上記[2]に記載する熱線遮蔽膜形成用分散液。
〔4〕合せガラス用中間膜の形成材料として用いられる上記[1]〜上記[3]の何れかに記載する熱線遮蔽膜形成用分散液。
本発明の分散液は、熱線遮蔽材が均一に分散されており、この分散状態が安定であり、優れた可視光線透過率と熱線遮蔽効果を有し、かつヘーズが大幅に低い。
本発明の分散液は、ATO粉とITO粉を混合して使用したときに、これらの分散状態が安定で均一であり、ヘーズが大幅に低い分散液を得ることができ、さらに、ATO粉とITO粉の組み合わせに限らず、ATO粉とITO粉をおのおの単独に用いた分散液、ITO粉とAl23粉の混合粉、またはITO粉とZnO粉の混合粉、またはITO粉とTiO2粉の混合粉、またはITO粉とSnO2粉の混合粉、ITO粉とSiO2粉の混合粉を用いた分散液においても、熱線遮蔽効果が高く、かつヘーズの低い分散液を得ることができる。
本発明の分散液は、合せガラスの中間膜を形成する可塑剤を含む系において、ITO粉やATO粉の分散性が良いので、熱線遮蔽効果を有する合せガラス用中間膜の形成材料として利用することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
本発明の分散液は、熱線遮蔽材粉、可塑剤、アルコール、分散保護剤、および分散安定剤を含む分散液であって、熱線遮蔽材粉がATO粉、ITO粉、ATO粉とITO粉の混合粉、ITO粉とAl 粉の混合粉、ITO粉とZnO粉の混合粉、ITO粉とTiO 粉の混合粉、ITO粉とSnO 粉の混合粉、またはITO粉とSiO 粉の混合粉であり、
分散保護剤次式[1]〔式中、Rはアルキル基またはアルキルアリル基、Rは水素またはR(CHCHO)基、nはエチレンオキシド付加モル数〕によって表されるリン酸エステル系化合物、または次式[2]〔式中、Rは金属塩またはエーテルを含有した基、Rはアルキル基またはアルキルアリル基〕によって表されるスルホン酸基含有化合物であり、分散安定剤硫酸エステル、βジケトン類、脂肪族カルボン酸の1種または2種以上であり、熱線遮蔽材粉の含有量に対して0.05質量%〜10.0質量%の水を含むことを特徴とする熱線遮蔽膜形成用分散液である。
Figure 0005747433
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本発明の分散液において、熱線遮蔽材粉としてATO粉とITO粉の混合粉を用いることができる。また、本発明の分散液において、熱線遮蔽材粉として、ATO粉およびITO粉を単独に用いることができ、さらに、ITO粉とAl23粉の混合粉、またはITO粉とAl23粉の混合粉、またはITO粉とZnO粉の混合粉、またはITO粉とTiO2粉の混合粉、またはITO粉とSnO2粉の混合粉、ITO粉とSiO2粉の混合粉を用いることができる。
ITO粉は、例えば、塩化インジウム水溶液(InCl3水溶液)と塩化スズ水溶液(SnCl4 水溶液)の混合水溶液をアルカリと反応させ、生成した沈殿物を焼成して製造することができる。このようにして製造したITO粉を熱線遮蔽材粉として用いる場合には、ITO粉をアルコール存在下の不活性雰囲気で加熱して粉末表面を還元処理したものを用いると良い。この還元処理によって、ITO粉はやや黄色の色調がやや青色を帯びた色調に変わり、アルコール溶媒との馴染みが良くなり、熱線遮蔽性が向上し、ヘーズも低減する。
本発明の分散液に用いるITO粉およびATO粉などの熱線遮蔽材粉の一次平均粒子径は0.2μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましく、0.08μm以下がさらに好ましい。熱線遮蔽材粉の一次平均粒子径が0.2μmを上回ると被膜(合せガラスの中間膜)を形成したときにヘーズが劣化し、また可視光線の散乱による白濁が生じることがある。
本発明の分散液において、熱線遮蔽材粉の含有量は特に規定されないが、0.1〜60質量%が好ましい。熱線遮蔽材粉の含有量がこれより少ないと十分な熱線遮蔽効果が得られず、上記含有量がこれより多いと分散液の安定性が損なわれ、製品歩留まりが大幅に低下する。
本発明の分散液において、熱線遮蔽材粉としてITO粉とATO粉の混合粉を用いる場合には、ITO粉とATO粉の量比は、ITO粉が90〜30質量%およびATO粉が10〜70質量%の範囲が適当である。ITO粉とATO粉の量比を調整することによって可視光線透過率(%Tv)や日射透過率(%Ts)を制御することができる。
また熱線遮蔽材粉として、ITO粉とAl23粉の混合粉、ITO粉とZnO粉の混合粉、ITO粉とTiO2粉の混合粉、ITO粉とSnO2粉の混合粉、ITO粉とSiO2粉の混合粉を用いる場合には、Al23粉、ZnO粉、TiO2粉、SnO2粉、SiO2粉が多ぎると、可視光線透過率の透明性は得られるが、遮熱性能が劣ってくるため、ITO粉に対してAl23粉、ZnO粉、TiO2粉、SnO2粉、SiO2粉が30質量%以下の範囲が好ましい。
一般に合せガラスの中間膜(被膜)は樹脂成分としてポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂が用いられている。本発明の分散液に含まれる可塑剤はポリビニルアセタール樹脂等に対する可塑剤として一般的なものを用いることができる。例えば、一塩基酸エステル、多塩基酸エステル等の有機エステル系可塑剤、あるいは有機リン酸系、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等を用いることができる。
上記有機エステル系可塑剤の具体例としては、例えば、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキソエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクトエート、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプトエート、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプトエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、1,4−プロピレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、1,2−ブチレングリコールジ−2−エチレンブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキソエート、ジプロピレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルペントエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート等が挙げられる。
上記有機リン酸系可塑剤としては、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスファイト等が挙げられる。
上記可塑剤のうち、ジヘキシルアジペート(DHA)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコール―ジ―2−エチルブチレート(4GH)、テトラエチレングリコール−ジ−ヘプタノエート(4G7)、およびトリエチレングリコール−ジ−ヘプタノエート(3G7)からなる群より選択される少なくとも1種は、接着力調整剤として炭素数5または6のカルボン酸の金属塩を含有させることによって、中間膜とガラスとの接着力の経時低下を防止することができ、白化防止と接着力の経時低下防止を両立させることができることから好適である。これらのなかでも、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)およびジヘキシルアジペート(DHA)は加水分解を起こし難いことから特に好適である。
本発明の分散液において、上記可塑剤は液状であり、熱線遮蔽材粉を樹脂に分散させる分散媒としての役割を果たす。この可塑剤の含有量は20質量%以上が好ましい。可塑剤の含有量がこれより少ないと分散性の良い液を得ることができない。一方、可塑剤の含有量がこれより多いと相対的に熱線遮蔽材粉の含有量が少なくなり、十分な熱線遮蔽効果を得ることができない。
本発明の分散液は有機溶剤としてアルコールを含む。アルコールはITO粉やATO粉などの熱線遮蔽材粉に対して馴染みやすく、かつ上記可塑剤との相溶性がよいため、熱線遮蔽材粉の分散性を高めることができる。また、ソルベントショックの防止効果もあり、可塑剤の種類による分散液特性の変動を抑制する効果もある。分散液中のアルコールの含有量は1〜20質量%が好ましい。アルコールが多過ぎると、低沸点溶媒が多くなることから、中間膜の製造工程に適さなくなる。
本発明の分散液に含まれるアルコールの種類は限定されない。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ラウリルアルコール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびトリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種が好適である。
本発明の分散液は分散保護剤を含む。分散保護剤として、次式[1]によって表されるリン酸エステル系化合物を用いることができる。このリン酸エステル系化合物は分子量1600以下、酸価40以下のものが好ましい。このリン酸エステル系化合物としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、アルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
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〔式中、R1はアルキル基またはアルキルアリル基、R2は水素またはR1(CH2CH2O)n基、nはエチレンオキシド付加モル数〕
また、分散保護剤として、次式[2]によって表されるスルホン酸基含有化合物を用いることができる。このスルホン酸基含有化合物としては、例えば、フェノールスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンスルホ琥珀酸ラウリル二ナトリウムなどが挙げられる。
Figure 0005747433
〔式中、R3は金属塩またはエーテルを含有した基、R4はアルキル基またはアルキルアリル基〕
さらに、分散保護剤として用いる上記式[2]のスルホン酸基含有化合物としては、スルホン酸基含有カップリング剤を用いることができる。スルホン酸基含有カップリング剤としては、スルホン基含有するトリエトキシシラン、スルホン基含有するトリイソプロポキシチタン、スルホン基含有するトリブトキシアルミニウム、スルホン基含有するトリブトキシジルコニウムなどが挙げられる。
上記分散保護剤を含むことによって、ITO粉やATO粉などの熱線遮蔽材粉の表面が分散保護剤によって覆われ安定な分散状態を得ることができる。分散保護剤の含有量は熱線遮蔽材に対して0.1〜50質量%が好ましい。より好ましい分散保護剤の含有量は、熱線遮蔽材に対して1〜20%である。
本発明の分散液は分散安定剤を含む。分散安定剤としては、例えば、窒素、リン、およびカルコゲン系原子群からなる群より選択される少なくとも1種の原子を有する化合物が好ましい。これらの化合物はITO粉やATO粉などの熱線遮蔽材粉に対して馴染みやすく、良好な分散効果を得ることができる。
このような分散安定剤としては、例えば、硫酸エステル系化合物、リン酸エステル系化合物、リシノール酸、ポリリシノール酸、ポリカルボン酸、多価アルコール型界面活性剤、ポリビニルアルコールおよびポリビニルブチラールからなる群より選択される少なくとも1種などが好適である。
さらに、分散安定剤としては、キレート、無機酸、有機酸などの好適である。キレートは例えば、エチレンジアミン四酢酸類、βジケトン類などを用いることができる。可塑剤や樹脂との相溶性に優れることからβジケトン類が好ましく、そのなかでもアセチルアセトンが特に好適である。βジケトン類としては、その他にも例えば、ベンゾイルトリフルオロアセトン、ジピバロイルメタンなどを用いても良い。
分散安定剤として用いる無機酸は、例えば、塩酸、硝酸などを用いることができ、また、有機酸は、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、芳香族カルボン酸、芳香族ジカルボン酸などを用いることができる。具体的には、例えば、安息香酸、フタル酸、サリチル酸等が挙げられる。なかでも、炭素数C2〜C18の脂肪族カルボン酸が好ましく、例えば、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、2−エチル酪酸、n−ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、n−オクタン酸等が挙げられる。これらの無機酸および有機酸は、ITO粉やATO粉などの熱線遮蔽材粉の凝集を防ぐ効果がある。
本発明の分散液において、分散媒となる可塑剤と分散安定剤との組み合わせは、例えば、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)を用いる場合には、溶剤としてアルコールを用い、分散安定剤として上記リン酸エステル系化合物、2エチルヘキサン酸等の有機酸、およびアセチルアセトン等を用いると良い。このような分散媒の構成によって、ITO粉やATO粉などの熱線遮蔽材粉を高濃度でかつ分散性良く分散させることができる。なお、アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジアセトンアルコールなどが好ましい。
本発明の分散液において、分散安定剤の含有量は熱線遮蔽材に対して0.1〜50質量%が好ましい。分散安定剤の含有量がこれより少ないと十分な効果を得るのが難しい。一方、分散安定剤の含有量がこれより多くてもその効果はあまり変わらない。
本発明の分散液は、熱線遮蔽材粉の含有量(混合粉を含有する場合にはその合計量)に対して0.05〜10.0質量%の水を含む。この水分量を含むことによって、ヘーズを低減することができ、さらに大気中の湿度等に影響される不可避的な混入による水分の影響を受けに難くなるため、品質の安定化を図ることが可能となる。
分散液に含まれる水分量は、熱線遮蔽材粉の含有量に対して0.05〜10.0質量%が適当であり、0.1〜1.5質量%が好ましい。分散液に含まれる水分量が0.05質量%より少ないとその効果が不十分であり、10.0質量%を上回ると分散不良を起こしてヘーズが劣化し、また、中間膜の樹脂成分、例えばブチラール樹脂等が溶解し難くなるので好ましくない。
本発明によれば、可視光線透過率(%Tv)84%以上、日射透過率(%Ts)64%以下であって、ヘーズが0.65%以下である熱線遮蔽膜形成用分散液を得ることができる。また、本発明の分散液は反射イエローインデックス(YI)を−23より絶対値を小さく(ゼロに近く)することができる。
本発明の分散液において、熱線遮蔽材粉としてITO粉とATO粉の混合粉を用いたものは、ATO粉を単独に用いたものより可視光線透過率(%Tv)を高く、86%以上に制御することができ、さらにITO粉を単独に用いたものよりヘーズを低く、0.63以下に制御することができ、反射イエローインデックス(YI)を−22.5より絶対値を小さく(ゼロに近く)することができる。
本発明を実施例および比較例によって具体的に示す。なお、熱線遮蔽材粉の分散には液中にZrO2を投入して攪拌した。評価方法を以下に示す。分散液の組成および可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を表1〜表 に示した。
〔分光特性の測定〕
調製した分散液をトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートで熱線遮蔽材粉の含有量が0.7質量%になるまで希釈した。この希釈液を光路長1mmのガラスセルに入れ、自記分光光度計(日立製作所社製U-4000)を用い、規格(JIS R 3216-1998)に従い、380nm〜780nmの可視光線透過率(%Tv)を測定し、300nm〜2100nmの日射透過率(%Ts)を測定した。
〔ヘーズ測定〕
分光特性測定試料と同様に希釈した分散液を試料とし、ヘーズコンピュータ(スガ試験機株式会社製HZ-2)を用い、規格(JIS K 7136)に従ってヘーズを測定した。
〔YIの測定〕
分光特性測定試料と同様に希釈した分散液を試料とし、この希釈液試料を反射用液体セル(No.15)に6.73g入れ、カラーコンピュータ(スガ試験機社製SM-T)を用い、外光遮光用暗箱をかぶせた状態にて、可視光線(380nm〜780nm)の反射率から規格(JIS K 7105)に従って反射イエローインデックス(YI)を測定した。
〔ITO粉の合成〕
InCl3水溶液(In金属 350g含有)900mLと55%SnCl4 水溶液144gとを混合し、この混合水溶液をNH4HCO3 1900gを含有するアルカリ水溶液6Lと60℃の液温で30分間反応させた後、沈殿をイオン交換水により繰り返し傾斜洗浄を行った。上澄み液の電気伝導度が5000Ω・cm以上になったところで沈殿のIn/Sn共沈水酸化物を濾別し、110℃で一晩乾燥した後、大気中550℃で3時間焼成し、粉砕して凝集体をほぐしてITO粉約440gを得た。この合成処理を2バッチ実施し、合計で約880gのITO粉を得た。なお、合成バッチ毎の特性バラツキを極力排除するため同一のビニール袋に入れてITO粉が均一になるよう混合した。
〔ITO粉の表面処理〕
上記方法で調製したITO粉40gを、無水エタノールと蒸留水を混合(混合比率はエタノール95重量部に対して蒸留水5重量部)した表面処理液に含浸させた後、ガラスシャーレに入れて窒素ガス雰囲気下、330℃にて2時間加熱処理した。この表面処理を1回ずつ20バッチ実施し、合計約800gの表面処理ITO粉を得た。なお、表面処理バッチ毎の特性差をなくすため、ITO粉が良く冷えてからビニール袋に入れて表面処理したITO粉が均一になるよう混合した。以下、この表面処理ITO粉を「ITO粉P」と表記する。
ATO粉は三菱マテリアル電子化成株式会社製のATO粉(商品名:導電性粉末T-1)を使用した。SnO2粉は三菱マテリアル電子化成株式会社製のSnO2粉(商品名:導電性粉末S2000)を使用した。Al23粉は、日本アエロジル株式会社製のAl23粉末(商品名:アルミナC)を使用した。TiO2粉は日本アエロジル株式会社製のTiO2粉末(商品名:P-25)を使用した。SiO2粉は日本アエロジル株式会社製のSiO2粉末(商品名:R972)を使用した。ZrO2粉は四塩化ジルコニウムを加水分解し、加熱処理して調製した。
〔実施例1〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表1に示した。
ITO粉P(40g)、蒸留水(0.040g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3G](47.7g)、無水エタノール(5.1g)、リン酸ポリエステル(2.0g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例2〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表1に示した。
ITO粉P(40g)、蒸留水(0.080g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](47.6g)、無水エタノール(5.1g)、リン酸ポリエステル(2.0g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例3〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表1に示した。
ITO粉P(40g)、蒸留水(0.40g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](47.3g)、無水エタノール(5.1g)、リン酸ポリエステル(2.0g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例4〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表1に示した。
ITO粉P(40g)、蒸留水(2.8g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](44.9g)、無水エタノール(5.1g)、リン酸ポリエステル(2.0g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例5〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表1に示した。
ATO粉(40g)、蒸留水(0.080g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](43.6g)、無水エタノール(5.1g)、リン酸ポリエステル(3.0g)、ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩(3.0g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例6〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表2に示した。
ITO粉P(28g)、ATO粉(12g)、蒸留水(0.17g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](46.3g)、無水エタノール(5.1g)、リン酸ポリエステル(2.3g)、ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩(0.90g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例7〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表2に示した。
ITO粉P(20g)、ATO粉(20g)、蒸留水(0.17g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](45.5g)、無水エタノール(5.1g)、リン酸ポリエステル(2.5g)、ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩(1.5g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例8〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表2に示した。
ITO粉P(12g)、ATO粉(28g)、蒸留水(0.17g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](44.7g)、無水エタノール(5.1g)、リン酸ポリエステル(2.7g)、ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩(2.1g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例9〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表2に示した。
ITO粉P(28g)、ATO粉(12g)、蒸留水(0.70g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](46.5g)、無水エタノール(4.4g)、リン酸ポリエステル(2.3g)、ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩(0.90g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例10〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表2に示した。
ITO粉P(40g)、蒸留水(0.17g)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[4GO](47.5g)、無水エタノール(5.1g)、リン酸ポリエステル(2.0g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例11〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表3に示した。
ITO粉P(40g)、蒸留水(0.17g)、DHA(47.5g)、無水エタノール(5.1g)、リン酸ポリエステル(2.0g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例12〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表3に示した。
ITO粉P(28g)、ATO粉(12g)、蒸留水(0.17g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](46.5g)、無水エタノール(4.9g)、リン酸ポリエステル(2.3g)、スルホン酸基含有カップリング剤(0.90g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例13〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表3に示した。
ITO粉P(40g)、蒸留水(0.17g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](47.6g)、無水エタノール(4.7g)、メタノール(0.30g)、リン酸ポリエステル(2.0g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例14〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表3に示した。
ITO粉P(28g9、ATO粉(12g)、蒸留水(0.17g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)(46.4g)、無水エタノール(4.7g)、イソプロパノール[IPA](0.30g)、リン酸ポリエステル(2.3g)、スルホン酸基含有カップリング剤(0.90g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例15〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表3に示した。
ITO粉P(28g)、ATO粉(12g)、蒸留水(0.17g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](46.4g)、無水エタノール(4.7g)、メタノール(0.30g)、リン酸ポリエステル(2.3g)、スルホン酸基含有カップリング剤(0.90g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例16〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表4に示した。
ITO粉P(36g)、SnO2粉(4.0g)、蒸留水(0.08g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](46.4g)、無水エタノール(5.1g)、リン酸ポリエステル(2.1g)、スルホン酸基含有トリイソプロポキシチタン(0.30g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例17〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表4に示した。
ITO粉P(36g)、Al23粉(4.0g)、蒸留水(0.20g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](47.1g)、無水エタノール(5.1g)、リン酸ポリエステル(2.0g)、スルホン酸基含有トリイソプロポキシチタン(0.40g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例18〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表4に示した。
ITO粉P(36g)、TiO2粉(4.0g)、蒸留水(0.20g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](47.2g)、無水エタノール(5.1g)、リン酸ポリエステル(2.0g)、スルホン酸基含有カップリング剤(0.40g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例19〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表4に示した。
ITO粉P(36g)、ZnO粉(4.0g)、蒸留水(0.20g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](47.1g)、無水エタノール(5.1g)、リン酸ポリエステル(2.0g)、スルホン酸基含有カップリング剤(0.40g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔実施例20〕
下記材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表4に示した。
ITO粉P(36g)、SiO2粉(4.0g)、蒸留水(0.20g)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート[3GO](47.1g)、無水エタノール(5.1g)、リン酸ポリエステル(2.0g)、スルホン酸基含有カップリング剤(0.40g)、2−エチルヘキサン酸(4.0g)、2,4−ペンタンジオン(1.0g)
〔比較例1〜5〕
表5に示す材料を混合して分散液を作製した。この分散液について、可視光線透過率(%Tv)、日射透過率(%Ts)、ヘーズ、反射イエローインデックス(YI)を測定した。この結果を表5に示した。
Figure 0005747433
Figure 0005747433
Figure 0005747433
Figure 0005747433
Figure 0005747433

Claims (4)

  1. 熱線遮蔽材粉、可塑剤、アルコール、分散保護剤、および分散安定剤を含む分散液であって、熱線遮蔽材粉がATO粉、ITO粉、ATO粉とITO粉の混合粉、ITO粉とAl 粉の混合粉、ITO粉とZnO粉の混合粉、ITO粉とTiO 粉の混合粉、ITO粉とSnO 粉の混合粉、またはITO粉とSiO 粉の混合粉であり、
    分散保護剤次式[1]〔式中、Rはアルキル基またはアルキルアリル基、Rは水素またはR(CHCHO)基、nはエチレンオキシド付加モル数〕によって表されるリン酸エステル系化合物、または次式[2]〔式中、Rは金属塩またはエーテルを含有した基、Rはアルキル基またはアルキルアリル基〕によって表されるスルホン酸基含有化合物であり、
    分散安定剤硫酸エステル、βジケトン類、脂肪族カルボン酸の1種または2種以上であり、
    熱線遮蔽材粉の含有量に対して0.05質量%〜10.0質量%の水を含むことを特徴とする熱線遮蔽膜形成用分散液。
    Figure 0005747433
    Figure 0005747433
  2. 分散保護剤が、フェノールスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンスルホ琥珀酸ラウリル二ナトリウム、またはスルホン基含有カップリング剤の1種または2種である請求項1に記載する熱線遮蔽膜形成用分散液。
  3. 可視光線透過率(%Tv)が84%以上、日射透過率(%Ts)が64%以下であり、ヘーズが0.65%以下である請求項1または請求項2に記載する熱線遮蔽膜形成用分散液。
  4. 合せガラス用中間膜の形成材料として用いられる請求項1〜請求項3の何れかに記載する熱線遮蔽膜形成用分散液。
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