JP2003201155A - 日射遮蔽合わせガラス中間膜用塗布液及び日射遮蔽合わせガラス用中間膜及びこれを用いた日射遮蔽合わせガラス - Google Patents

日射遮蔽合わせガラス中間膜用塗布液及び日射遮蔽合わせガラス用中間膜及びこれを用いた日射遮蔽合わせガラス

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JP2003201155A
JP2003201155A JP2001398934A JP2001398934A JP2003201155A JP 2003201155 A JP2003201155 A JP 2003201155A JP 2001398934 A JP2001398934 A JP 2001398934A JP 2001398934 A JP2001398934 A JP 2001398934A JP 2003201155 A JP2003201155 A JP 2003201155A
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radiation shielding
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intermediate film
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Hiroko Kuno
裕子 久野
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 日射遮蔽機能を高め、かつ可視光領域の高い
透過性能を有する日射遮蔽合わせガラスを簡便に作製で
きる日射遮蔽合わせガラス中間膜用塗布液及び日射遮蔽
合わせガラス用中間膜、該中間膜を用いた日射遮蔽合わ
せガラスを提供する。 【解決手段】6ホウ化ランタンを超微粒子化し、所望に
応じて錫添加酸化インジウムやアンチモン添加酸化錫微
粒子とともに高分子分散剤にて分散してなる分散液を作
製し、この分散液を直接シート状の中間膜基材の片面あ
るいは両面に塗布し、これを低温で乾燥することによ
り、中間膜基材上に日射遮蔽層を形成でき、2枚の板ガ
ラス間に前記中間膜を挟み込むか又は片面に日射遮蔽層
を施した中間膜基材と従来の中間膜とで日射遮蔽層をサ
ンドイッチ状にはさんだものを2枚の板ガラスで挟み込
み、日射遮蔽機能の高い、かつ可視光領域で高い透過性
能を有する日射遮蔽用合わせガラスを作製することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの車両
用の安全ガラス、建物の窓ガラスなどとして用いられる
日射遮蔽用合わせガラスに関し、詳しくは、日射遮蔽用
合わせガラス中間膜用塗布液に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用などの安全ガラスとしては、板
ガラス間に日射遮蔽膜を挟み込んでガラスから入る太陽
エネルギーを遮断し、冷房負荷や人の熱暑感の軽減を目
的としたものが提案されていた。例えば、特開平8−2
17500号公報によれば、かかる合わせガラスは一対
の板ガラス間に、0.1μm以下の微細な粒径の酸化錫
あるいは酸化インジウムからなる熱線遮蔽性金属酸化物
を含有した軟質樹脂層を介在せしめて構成されている。
また、特開平8−259279号公報には、少なくとも
2枚の板ガラスの間に、Sn、Ti、Si、Zn、Z
r、Fe、Al、Cr、Co、Ce、In、Ni、A
g、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Moの金属、酸
化物、窒化物、硫化物あるいはSbやFのドープ物また
はこれらの複合物を分散した中間層を設けて構成した合
わせガラスが開示されている。他に、特開平4−160
041号公報には、TiO2、ZrO2、SnO2、In2
2からなる超微粒子と有機ケイ素あるいは有機ケイ素
化合物からなるガラス成分とを透明板状部材の間に介在
させた自動車用窓ガラスが記載されている。さらには、
特開平10−297945号公報には少なくとも2枚の
透明ガラス板状体の間に、3層からなる中間層を設け、
中間層のうち第2層中間層にはSn、Ti、Si、Z
n、Zr、Fe、Al、Cr、Co、In、Ni、A
g、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Moの金属、酸
化物、窒化物、硫化物あるいはSbやFのドープ物また
はこれらの複合物を分散し、また第1層と第3層中間層
を樹脂層とした合わせガラスを記述している。
【0003】しかしながら、これら公報に記載された従
来の技術に係る合わせガラスは日遮機能や可視光透過性
能が十分ではなく、その改善が求められていた。また、
上記合わせガラスは構成が複雑でありより簡便に作製で
きる方法、構成が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、日射遮蔽機
能を高め、かつ可視光領域の高い透過性能を有する日射
遮蔽合わせガラスを簡便に作製できる日射遮蔽合わせガ
ラス中間膜用塗布液及び日射遮蔽合わせガラス用中間
膜、該中間膜を用いた日射遮蔽合わせガラスを提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者らは、可視光透過性能が十分にあり、なおか
つ日射遮蔽機能が高い材料と、2枚の板ガラスの間に介
在するシート状の中間膜に簡便に直接日射遮蔽層を形成
できる塗布液について種々検討した。その中で、自由電
子を多量に保有する6ホウ化ランタンに着目し、これを
超微粒子化し、所望に応じて錫添加酸化インジウム(以
下ITOと記す)やアンチモン添加酸化錫(以下ATO
と記す)微粒子とともに高分子分散剤にて分散してなる
分散液を作製し、この分散液を直接シート状の中間膜基
材に塗布するか、あるいは必要に応じて分散液に各種バ
インダーを添加したものをシート状の中間膜基材に塗布
して中間膜基材の片面あるいは両面に日射遮蔽層を形成
し、これを低温で乾燥することにより、中間膜基材上に
日射遮蔽層を形成できることを見出した。
【0006】2枚の板ガラス間に前記中間膜を挟み込む
か又は片面に日射遮蔽層を施した中間膜基材と従来の中
間膜基材とで日射遮蔽層をサンドイッチ状にはさんだも
のを2枚の板ガラスで挟み込み日射遮蔽用合わせガラス
を作製することにより、該日射遮蔽用合わせガラスが可
視光領域に透過率の極大を持つとともに、近赤外領域に
強い吸収を発現して透過率の極小を持つことを見出して
本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の第1の発明は、粒径
0.3μm以下の六ホウ化ランタン微粒子を含有する塗
布液であって、塗布液を塗布し塗膜を形成する乾燥温度
が130℃以下であることを特徴とする日射遮蔽合わせ
ガラス中間膜用塗布液である。
【0008】第2の発明は、粒径0.3μm以下の六ホ
ウ化ランタン微粒子と、粒径0.3μm以下の錫添加酸
化インジウム微粒子および/または粒径0.3μm以下
のアンチモン添加酸化錫微粒子とを、重量比で(0.
1:99.9)〜(90:10)の割合で含有する塗布
液であって、塗布液を塗布し塗膜を形成する乾燥温度が
130℃以下であることを特徴とする日射遮蔽合わせガ
ラス中間膜用塗布液である。
【0009】第3の発明は、前記塗布液の分散安定剤と
して、高分子系分散剤を用いることを特徴とする第1の
発明または第2の発明記載の日射遮蔽合わせガラス中間
膜用塗布液である。
【0010】第4の発明は、第1から3の発明いずれか
に記載の日射遮蔽合わせガラス中間膜用塗布液を、中間
膜基材の片面もしくは両面に塗布し、乾燥して塗膜を形
成したことを特徴とする日射遮蔽合わせガラス用中間膜
である。
【0011】第5の発明は、中間膜基材がポリビニルブ
チラール樹脂あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂膜であることを特徴とする第4の発明に記載の日射遮
蔽合わせガラス用中間膜である。
【0012】第6の発明は、第4の発明または第5野発
明記載の中間膜を用いて作製したことを特徴とする日射
遮蔽合わせガラスである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の中間膜に用いる塗布液
は、日射遮蔽成分としての6ホウ化ランタン微粒子、6
ホウ化ランタン微粒子とITO(錫含有酸化インジウ
ム)微粒子、6ホウ化ランタン微粒子とATO(アンチ
モン含有酸化錫)微粒子、あるいは6ホウ化ランタン微
粒子とITO微粒子とATO微粒子を溶媒に均一に分散
して作製されるものである。
【0014】本発明では日射遮蔽成分として6ホウ化ラ
ンタン微粒子を用いているが、「XB6」で表されるその
他の6ホウ化物、例えばXがCe、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、H
o、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、Sr、Caなども6ホウ化
ランタンと同様の日射遮蔽特性を示すことが知られてい
る(特開2000−96034号公報に開示)。よっ
て、6ホウ化ランタンを他の6ホウ化物に代えるか、ま
た他の6ホウ化物と合わせて使用することもできる。
【0015】本発明に使用される6ホウ化ランタン微粒
子としては、その表面が酸化していないことが好ましい
が、通常は僅かに酸化していることが多く、また微粒子
の分散工程で表面の酸化が起こることはある程度避けら
れない。しかし、その場合でも日射遮蔽効果を発現する
有効性には何ら影響を与えない。
【0016】さらに、6ホウ化ランタン微粒子は、結晶
としての完全性が高いほど大きい日射遮蔽効果が得られ
るが、結晶性が低くX線回折でブロードな回折ピークを
生じるようなものであっても、微粒子内部の基本的な結
合がランタンとホウ素の結合からなり立っているもので
あるならば日射遮蔽効果を発現することができる。
【0017】この6ホウ化ランタン微粒子は紫黒色に着
色した粉末であるが、粒径を可視光波長に比べて十分小
さくした場合、中間膜上あるいは合わせガラス中にラミ
ネートされた膜状態において、中間膜あるいは合わせガ
ラスに可視光透過性が生じ、一方、赤外光遮蔽能は十分
強く保持できる。この理由は詳細には判明していない
が、これら微粒子中の自由電子の量が多く、微粒子内部
および表面の自由電子によるバンド間間接遷移の吸収エ
ネルギーがまさに可視〜近赤外の付近にあるために、こ
の波長領域の熱線が選択的に反射、吸収されるものと考
えられる。
【0018】実験によれば、これら微粒子を十分細か
く、かつ均一に分散した膜では、透過率が波長400n
m〜700nmの間に極大値を持ち、また波長700n
m〜1800nmの間に極小値を持ち、さらにこれらの
透過率の極大値と極小値の差が15ポイント以上である
ことが観察される。可視光波長が380nm〜780n
mであり、視感度が550nm付近をピークとする釣鐘
型であることを考慮すると、このような膜では可視光を
有効に透過しそれ以外の熱線を有効に反射・吸収する。
【0019】次に、本発明で6ホウ化ランタン微粒子と
併せて使用されるITO微粒子およびATO微粒子は、
可視光領域で光の反射・吸収が殆どなく、1000nm
以上の領域でプラズマ共鳴に由来する反射・吸収が大き
い。したがって、これらの透過プロファイルでは、近赤
外領域で長波長側に向かうにしたがって透過率が低下す
る。
【0020】一方、6ホウ化ランタンの透過プロファイ
ルは1000nm付近に透過率の極小値をもち、それよ
り長波長側では徐々に透過率が上昇する。このため6ホ
ウ化ランタンとITOやATOとを併用することによっ
て可視光透過率は減少させずに、近赤外領域の太陽光線
を遮蔽することが可能となり、ITO微粒子やATO微
粒子をそれぞれ単独で使用するよりも日射遮蔽特性を向
上させることができる。
【0021】また6ホウ化ランタンの単位重量当たりの
日射遮蔽能力は非常に高く、ITOやATOと比較して
10分の1以下の使用量で同等の効果を発揮する。さら
に、ITOやATOと併用することによって、一定の可
視光透過率を保ちながら日射遮蔽特性のみを一層向上さ
せることができるのでコストも削減できる。また全微粒
子の使用量を大幅に削減することができるので、膜の摩
耗強度や耐候性を向上させることが可能となる。
【0022】さらに6ホウ化物は使用量を増すと可視光
領域に吸収があるため、その添加量を制御することによ
り可視光領域の吸収を自由に制御でき、明るさ調整やプ
ライバシー保護などに応用もできる。
【0023】使用する6ホウ化ランタン微粒子の粒径
は、0.3μm以下とすることが好ましく、より好まし
くは0.1μm以下とする。平均粒径が0.3μmよりも
大きい微粒子もしくは凝集した粗大粒子は、該塗布液を
塗布した日射遮蔽膜からなる中間層の光散乱源となって
該中間層が曇ってしまうからである。
【0024】またITO微粒子やATO微粒子も前記同
様の理由で0.3μm以下とすることが好ましく、より
好ましくは0.1μm以下とする。
【0025】6ホウ化ランタン微粒子と、ITO微粒子
および/またはATO微粒子とを併用する場合の重量比
は0.1:99.9〜90:10の範囲であることが好
ましく、この重量比範囲よりも6ホウ化ランタン微粒子
が少ないと、全微粒子の使用量をあまり削減できず、コ
ス卜削減効果が小さくなり、日射遮蔽特性も悪くなる。
一方、前記重量比範囲よりも6ホウ化ランタン微粒子が
多い場合は、ITOやATOの添加効果が希薄になり併
用の必要性を持たなくなる。
【0026】前記微粒子を溶媒に分散する方法は、微粒
子が均一に溶媒中に分散する方法であれば任意に選択で
きるが、例としてはビーズミル、ボールミル、サンドミ
ル、超音波分散などの方法を挙げることができ、前記微
粒子を溶媒に分散することによって本発明の合わせガラ
ス中間膜用塗布液が作製されることになる。
【0027】前記添加液において前記微粒子を添加して
分散するための溶媒は特に限定されるものではなく、例
えばアルコール、エーテル、エステル、ケトンなどの一
般的な有機溶媒の使用が可能で、またこれらを組み合わ
せて使用することももちろん可能である。
【0028】中間膜に液状の塗布液を塗布しこれを乾燥
して塗膜を形成する際、乾燥に必要な温度が高すぎる
と、シート状の中間膜に伸びや皺が発生するなど欠陥が
生じる恐れがあるため、単独で使用するかまたは組み合
わせて使用する溶媒の乾燥に必要な温度が130℃以
下、好ましくは110℃以下に設計することが望まし
い。また必要に応じて酸やアルカリを添加してpHを調
整してもよい。
【0029】さらに前記塗布液には必要に応じて中間膜
とガラスの接着力を調整する接着調整剤(例えば有機樹
脂粒子、シラン化合物、金属塩など)や、中間膜の白化
を防止する白化防止剤(例えばアクリル酸、アクリル酸
ソーダ重合体などの保水剤)を配合してこれらの機能を
合わせ持たせることも可能である。
【0030】また、本発明の塗布液の日射遮蔽成分は非
常に少量で効果を発揮するので、既存の接着調整用塗布
液や白化防止用塗布液に本発明の塗布液を添加して使用
することも可能である。
【0031】また、紫外線領域の透過率について制御が
必要な場合には、塗布液に紫外線遮蔽用の無機材料、有
機材料、有機無機複合材料、例えば、酸化セリウム、酸
化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、ベンゾフェノ
ン系紫外線吸収材等を目的に合わせて添加することも可
能である。
【0032】なお、前記微粒子を溶媒に均一に安定な状
態で分散させるために、各種分散安定剤を使用すること
ができる。分散安定剤は微粒子を任意の粒径に制御で
き、一定の期間溶媒に安定な状態で分散できるものなら
任意に選択できるが、その際高分子系の分散剤を使用す
ることが好ましい。高分子分散安定剤を使用することに
より、塗布液が中間膜上で乾燥した際、膜を定着させる
ためのバインダーの添加を必要とせず、高分子分散剤の
密着力を利用して塗膜の形成が可能となる。もちろん必
要に応じてエチルシリケートやシリコーン樹脂、紫外線
硬化樹脂その他のバインダーを添加することも可能であ
る。
【0033】上記方法で作製した塗布液は任意の方法で
中間膜基材の片面または両面に塗布することができる。
塗布の方法は特に限定されず、ディッピング法、フロー
コート法、スプレー法、バーコート法、グラビヤコート
法、ロールコート法、スクリーン印刷法、ブレードコー
ト法など、塗布液を平坦に且つ薄く均一に塗布できる方
法であればいかなる方法でもよい。
【0034】上記方法で日射遮蔽膜を塗布形成した中間
膜は、板ガラス間に挟み込むか又は従来の中間膜基材と
で日射遮蔽層をサンドイッチ状にはさんだものを2枚の
板ガラスで挟み込み合わせガラスにすることにより、日
射遮蔽機能を持つ合わせガラスとすることができる。
【0035】中間膜基材としては、合わせガラスとして
の品質を整合し得るような中間膜層となるものであれば
特に限定するものではないが、ポリビニルブチラール系
樹脂膜(PVB)やあるいはエチレン−酢酸ビニル共重
合体系樹脂膜(EVA)など、汎用性の高いものを用い
ることが好ましい。
【0036】本発明では、6ホウ化ランタンその他の無
機材料を用いるので、膜の耐候性は有機材料に比べて優
れ、太陽光線の当たる場所で使用しても、色や諸機能の
劣化はほとんど生じない。
【0037】
【実施例】以下に本発明の実施例を比較例とともに説明
する。 (実施例1)LaB6微粒子(比表面積30m2/g)20重量
部、イソブチルアルコール(IBA)73重量部および
微粒子分散用分散剤(ビックケミー製高分子分散剤)7
重量部を混合し、直径2mmのジルコニアボールを用いて
200時間ボールミル混合し、平均粒径90nmのLaB6
粒子の分散液を得た(A液)。尚、平均分散粒子径は、
動的光散乱法を用いた測定装置(大塚電子株式会社製:
ELS−800)により測定し、その平均値とした。
【0038】また、ITO粒子(比表面積45m2/g)30
重量部、イソブチルアルコール(IBA)56重量部、
および微粒子分散用分散剤(ビックケミー製高分子分散
剤)14重量部を混合し、直径1mmのジルコニアボール
を用いて180時間ボールミル混合し、平均粒径80nm
のITO微粒子の分散液を作製した(B液)。
【0039】A液とB液を表1の組成になるように混合
し、さらにメチルイソブチルケトンで希釈して、中間膜
用塗布液を作製した。この塗布液を予めシート状に成形
されたポリビニルブチラール系樹脂中間膜上にバーコー
ターで塗布し、100℃で乾燥した。こうして得られた
中間膜を厚さ2.5mmのフロートガラス間に挟み込み、
ロール法で予備接着し、ついで130℃のオートクレー
ブで14.5kg/cm2の圧力で圧着し、合わせガラスを作
製した。
【0040】作製された合わせガラスの分光特性は日立
製作所製の分光光度計を用いて測定し、JIS R 31
06にしたがって日射透過率、可視光透過率を算出し
た。また、透明性を評価するために、JIS K 71
05に基づきヘーズ値を測定した。ヘーズ値が低いほ
ど、透明度が高いことを示す。結果を表1に示す。
【0041】また作製された合わせガラスについてパン
メル試験を実施した。これは、−18℃で1時間以上凍
らせた合わせガラスをハンマーで叩いた時の中間膜が露
出した面積を、露出が大きいほうから0〜8のランクで
評価するもので、数値が低すぎる場合は中間膜の密着性
が十分でないことを示し、また数値が高すぎる場合は、
ガラスと共に抜け落ちることを示し、耐貫通性が劣るこ
とになる。したがって、3〜6の範囲が望ましいとされ
ている。測定の結果、パンメル値は5であり、板ガラス
と中間膜との密着性は十分であった。
【0042】(実施例2〜3)A液とB液を表1の組成
になるように混合し、さらにメチルイソブチルケトンで
希釈して、中間膜用塗布液を作製した。これを実施例1
と同様の方法で合わせガラスにし、光学特性を測定し
た。この膜の光学特性を表1に示す。また、作製された
合わせガラスについて実施例1同様にパンメル値を測定
した結果、どちらもパンメル値は5であり、板ガラスと
中間膜との密着性は十分であった。
【0043】(比較例1)B液を表1の組成になるよう
に秤量し、メチルイソブチルケトンで希釈して中間膜用
塗布液を作製した。これを実施例1と同様の方法で合わ
せガラスにし、光学特性を測定した。この膜の光学特性
を表1に示す。
【0044】表1に示すように、LaB6をごく微量添加し
ていくことで従来のITOの特性に比べて、可視光透過
率を下げずにさらに日射透過率を減少させることが可能
となった。また、このときのITO使用量を大幅に削減
できることがわかる。たとえば比較例1と実施例2を比
較すると、LaB6微粒子を中間膜中の全微粒子に対して
1.2重量%添加したことによって、可視光透過率は7
8%に維持したまま日射透過率を2ポイント以上下げる
ことができ、さらにITO添加量を半分以下に軽減でき
る。これよりLaB6微粒子の微量添加で日射遮蔽特性の向
上と、さらにコスト削減とが同時に行なえることが明ら
かである。
【0045】(比較例2)ATO微粒子(比表面積50m
2/g)30重量部、イソブチルアルコール55重量部、お
よび微粒子分散用分散剤(ビックケミー製高分子分散
剤)15重量部を混合し、直径1mmのジルコニアボール
をもちいて150時間ボールミル混合し、平均粒径50
nmのATO微粒子の分散液を作製した(C液)。
【0046】C液を表1の組成になるように秤量し、メ
チルイソブチルケトンで希釈して中間膜用塗布液を作製
した。これを実施例1と同様の方法で合わせガラスに
し、光学特性を測定した。この膜の光学特性を表1に示
す。
【0047】(実施例4〜5)A液とC液を表1の組成
になるように混合し、さらにメチルイソブチルケトンで
希釈して、中間膜用塗布液を作製した。これを実施例1
と同様の方法で合わせガラスにし、光学特性を測定し
た。この膜の光学特性を表1に示す。また、作製された
合わせガラスについて実施例1と同様にパンメル値を測
定した結果、どちらもパンメル値は5で、板ガラスと中
間膜との密着性は十分であった。
【0048】表1よりLaB6微粒子をごく微量添加してい
くことで、従来のATOの特性に比べて可視光透過率を
下げずに、さらに日射透過率を減少させることが可能と
なった。またこの時ATO微粒子量を大幅に削減できる
ことが分った。例えば比較例2と実施例5とを比較する
と、LaB6微粒子を中間膜中の全微粒子に対して6.0重
量%添加したことによって、可視光透過率は78%に維
持したまま、日射透過率を2ポイント程度下げることが
でき、さらにATO添加量を80%以上削減できること
が分った。
【0049】(実施例6)A液を表1の組成になるよう
に秤量し、メチルイソブチルケトンで希釈して中間膜用
塗布液を作製した。これを実施例1と同様の方法で合わ
せガラスにし、光学特性を測定した。この膜の光学特性
を表1に示す。また作製された合わせガラスのパンメル
値は5であり、板ガラスと中間膜との密着性は十分であ
った。
【0050】表1より、ごく少量のLaB6微粒子で日射遮
蔽膜を形成できることがわかる。
【0051】(比較例3)A液を表1の組成になるよう
に秤量し、ジプロピレングリコールメチルエーテルで希
釈して中間膜用塗布液を作製した。これを実施例1と同
様の方法で成膜し、130℃で乾燥を行ない合わせガラ
スにして光学特性を測定した。この膜の光学特性を表1
に示す。表1よりこの膜のヘーズ値が大きいことがわか
る。これは、合わせガラスにしたときに塗膜の乾燥が不
充分であったことによる白化現象に起因する。また作製
された合わせガラスのパンメル値は2であり、板ガラス
と中間膜に剥離が見られた。
【0052】(比較例4)LaB6微粒子(比表面積30m2/
g)20重量部、イソブチルアルコール(IBA)75重
量部および微粒子分散用分散剤(信越化学製シラン系カ
ップリング剤)5重量部を混合し、直径2mmのジルコニ
アボールを用いて250時間ボールミル混合し、平均粒
径95nmのLaB6微粒子の分散液を得た(D液)。
【0053】D液を表1の組成になるように秤量し、メ
チルイソブチルケトンで希釈して中間膜用塗布液を作製
した。これを実施例1と同様の方法で中間膜に塗布し、
100℃で乾燥したところ、塗膜成分の凝集が起こり、
均一な膜が形成されずに塗布液が中間膜上で島状に分布
した。このように、微粒子分散剤に高分子系分散剤を用
いずにバインダーなしで成膜した場合は、均一な塗膜が
形成されなかった。これを合わせガラスにし、光学特性
を測定した結果を表1に示す。
【0054】以上の各実施例に示されるように、2枚の
板ガラスの間に合わせガラス用中間層が介在されている
合わせガラスにおいて、高コストの物理成膜法を用いず
に簡便な方法で6ホウ化物微粒子、所望に応じてITO
微粒子および/またはATO微粒子を含有する塗布液を
合わせガラス用中間膜上に塗布し日射遮蔽膜を形成する
ことにより、日射遮蔽機能を有し、かつ可視光域に高い
透過性能を有する日射遮蔽合わせガラスを製造すること
が可能となった。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明によって、6ホウ化ランタンを超
微粒子化し、所望に応じて錫添加酸化インジウムやアン
チモン添加酸化錫微粒子とともに高分子分散剤にて分散
してなる分散液を作製し、必要に応じて分散液に各種バ
インダーを添加したものを、直接シート状の中間膜基材
の片面あるいは両面に塗布し、これを低温で乾燥するこ
とにより、中間膜基材上に日射遮蔽層を形成でき、2枚
の板ガラス間に前記中間膜を挟み込むか又は片面に日射
遮蔽層を施した中間膜基材と従来の中間膜基材とで日射
遮蔽層をサンドイッチ状にはさんだものを2枚の板ガラ
スで挟み込み日射遮蔽用合わせガラスを作製することが
できる。
【0057】したがって、日射遮蔽機能を高め、かつ可
視光領域の高い透過性能を有する日射遮蔽合わせガラス
を簡便に作製できる日射遮蔽合わせガラス中間膜用塗布
液及び日射遮蔽合わせガラス用中間膜基材、該中間膜基
材を用いた日射遮蔽合わせガラスを提供することができ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒径0.3μm以下の六ホウ化ランタン微
    粒子を含有する塗布液であって、塗布液を塗布し塗膜を
    形成する乾燥温度が130℃以下であることを特徴とす
    る日射遮蔽合わせガラス中間膜用塗布液。
  2. 【請求項2】粒径0.3μm以下の六ホウ化ランタン微
    粒子と、粒径0.3μm以下の錫添加酸化インジウム微
    粒子および/または粒径0.3μm以下のアンチモン添
    加酸化錫微粒子とを、重量比で(0.1:99.9)〜
    (90:10)の割合で含有する塗布液であって、塗布
    液を塗布し塗膜を形成する乾燥温度が130℃以下であ
    ることを特徴とする日射遮蔽合わせガラス中間膜用塗布
    液。
  3. 【請求項3】前記塗布液の分散安定剤として、高分子系
    分散剤を用いることを特徴とする請求項1または2記載
    の日射遮蔽合わせガラス中間膜用塗布液。
  4. 【請求項4】請求項1から3いずれかに記載の日射遮蔽
    合わせガラス中間膜用塗布液を、中間膜基材の片面もし
    くは両面に塗布し、乾燥して塗膜を形成したことを特徴
    とする日射遮蔽合わせガラス用中間膜。
  5. 【請求項5】中間膜基材がポリビニルブチラール樹脂あ
    るいはエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂膜であること
    を特徴とする請求項4に記載の日射遮蔽合わせガラス用
    中間膜。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載の中間膜を用いて作
    製したことを特徴とする日射遮蔽合わせガラス。
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