JP2013116977A - 熱線遮蔽微粒子含有組成物およびその製造方法、熱線遮蔽膜、および、熱線遮蔽合わせ透明基材 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリビニルアセタール樹脂を主成分としながら熱線遮蔽効果の高い複合タングステン酸化物微粒子を用いた、優れた光学的特性と高い耐候性とを発揮する熱線遮蔽膜を提供する。
【解決手段】一般式MyWOZで示されかつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子と、主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてアミノ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤Iと、主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてエポキシ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤IIとを含有し、沸点120℃以下の有機溶剤の含有量が5質量%以下である熱線遮蔽微粒子含有組成物を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】一般式MyWOZで示されかつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子と、主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてアミノ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤Iと、主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてエポキシ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤IIとを含有し、沸点120℃以下の有機溶剤の含有量が5質量%以下である熱線遮蔽微粒子含有組成物を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、可視光透過性が良好、かつ、優れた熱線遮蔽機能を有する合わせ透明基材に用いる熱線遮蔽膜の製造に適用される、熱線遮蔽微粒子含有組成物とその製造方法に係る。さらには、当該熱線遮蔽微粒子含有組成物が適用された熱線遮蔽膜、当該熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ透明基材に係る。
自動車用などに用いられる安全ガラスとして、2枚の板ガラス間にポリビニルアセタール樹脂等を含む中間膜を挟み込んで合わせガラスを構成したものが用いられている。さらに、当該中間膜に熱線遮蔽機能を持たせ、当該合わせガラスにより入射する太陽エネルギーを遮断して、冷房負荷や人の熱暑感の軽減を目的とした合わせガラスが提案されている。
例えば、特許文献1には、一対の板ガラス間に、粒径0.1μm以下の微細な酸化錫または酸化インジウムから成る熱線遮蔽性金属酸化物を含有した軟質樹脂層を存在させた合わせガラスが提案されている。
また、特許文献2には、少なくとも2枚の板ガラスの間に、Sn、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、Co、Ce、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Moといった金属、当該金属の酸化物、窒化物、硫化物、または、当該金属へのSbやFのドープ物、または、これらの複合物が分散している中間層を設けた構成を有する合わせガラスが提案されている。
また、特許文献3には、TiO2、ZrO2、SnO2、In2O3から成る微粒子と、有機ケイ素または有機ケイ素化合物から成るガラス成分とを、透明板状部材の間に存在させた自動車用窓ガラスが提案されている。
さらに、特許文献4には、少なくとも2枚の透明ガラス板状体の間に3層から成る中間層を設け、当該中間層のうち第2層にSn、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、Co、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Moといった金属、当該金属の酸化物、窒化物、硫化物、または、当該金属へのSbやFのドープ物、または、これらの複合物を分散させ、一方、当該中間層のうち第1層および第3層を樹脂層とした合わせガラスが提案されている。
一方、本出願人は、熱線遮蔽機能を有する中間層を2枚の板ガラス間に存在させて成り、この中間層が、六ホウ化物微粒子単独若しくは六ホウ化物微粒子とITO微粒子および/またはATO微粒子とビニル系樹脂を含有する中間膜により構成された熱線遮蔽用合わせガラス、あるいは、上記中間層が、少なくとも一方の板ガラスの内側に位置する面に形成された上記微粒子が含まれる熱線遮蔽膜と、上記2枚の板ガラス間に存在されるビニル系樹脂を含有する中間膜とで構成された熱線遮蔽用合わせガラスを特許文献5として開示している。
また本出願人は、中間膜が紫外線硬化樹脂と複合タングステン化合物と六ホウ化物とを組み合わせである、合わせガラスを特許文献6に開示している。
しかしながら、本発明らが更なる検討を行った結果、以下の課題が見出された。
第1の課題は、特許文献1〜4に記載された従来の技術に係る合わせガラスは、いずれも高い可視光透過率が求められたときの熱線遮蔽機能が十分でないことである。さらに透明基材の曇り具合を示すヘイズ値は、車両用窓材で1%以下、建築用窓材で3%以下が求められるのに対し、例えば、特許文献5に記載された熱線遮蔽用合わせガラスにおいても、未だ改善の余地を有していた。また、従来の技術に係る熱線遮蔽用合わせガラス等は、いずれも長期使用した際の耐候性が不足で、可視光透過率の低下(劣化)がみられた。
第1の課題は、特許文献1〜4に記載された従来の技術に係る合わせガラスは、いずれも高い可視光透過率が求められたときの熱線遮蔽機能が十分でないことである。さらに透明基材の曇り具合を示すヘイズ値は、車両用窓材で1%以下、建築用窓材で3%以下が求められるのに対し、例えば、特許文献5に記載された熱線遮蔽用合わせガラスにおいても、未だ改善の余地を有していた。また、従来の技術に係る熱線遮蔽用合わせガラス等は、いずれも長期使用した際の耐候性が不足で、可視光透過率の低下(劣化)がみられた。
第2の課題は、各種窓材に用いられる熱線遮蔽用合わせガラス等には、光学的特性に加えて機械的特性も求められることである。具体的には、安全ガラス等の合わせガラスには、貫通への耐性が求められる。従来、当該合わせガラスに貫通耐性を付与する為、中間層にはポリビニルアセタール樹脂が用いられてきた。ところが、ポリビニルアセタール樹脂へ複合タングステン酸化物微粒子を含有させると光学特性が低下することが知見された。そこで、次善の策として、例えば特許文献6に記載するように、ポリビニルアセタール樹脂を紫外線硬化樹脂に代替し、紫外線硬化樹脂に複合タングステン化合物と六ホウ化物とを含有させた熱線遮蔽膜が開示された。しかし、市場では安全ガラスの機械的強度充足の観点から、中間層用の樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を要望する声が高い。
本発明は、上記課題に着目してなされたものである。そして、その解決しようとする課題は、ポリビニルアセタール樹脂を主成分としながら、熱線遮蔽効果の高い複合タングステン酸化物微粒子を含有し、優れた光学的特性と高い耐候性とを発揮する熱線遮蔽膜とその製造方法、当該熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ透明基材を製造することを可能とする熱線遮蔽微粒子含有組成物を提供することである。
即ち、上述の課題を解決する第1の発明は、
一般式MyWOZ(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示されかつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子と、
主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてアミノ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤Iと、
主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてエポキシ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤IIとを含有し、沸点120℃以下の有機溶剤の含有量が5質量%以下であることを特徴とする熱線遮蔽微粒子含有組成物である。
一般式MyWOZ(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示されかつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子と、
主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてアミノ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤Iと、
主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてエポキシ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤IIとを含有し、沸点120℃以下の有機溶剤の含有量が5質量%以下であることを特徴とする熱線遮蔽微粒子含有組成物である。
第2の発明は、
前記分散剤Iが、前記複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対し、50重量部以上9900重量部以下含まれることを特徴とする第1の発明に記載の熱線遮蔽微粒子含有組成物である。
前記分散剤Iが、前記複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対し、50重量部以上9900重量部以下含まれることを特徴とする第1の発明に記載の熱線遮蔽微粒子含有組成物である。
第3の発明は、
前記有機溶剤が、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、エタノールから選択される1種以上であることを特徴とする第1または第2の発明に記載の熱線遮蔽微粒子含有組成物である。
前記有機溶剤が、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、エタノールから選択される1種以上であることを特徴とする第1または第2の発明に記載の熱線遮蔽微粒子含有組成物である。
第4の発明は、
第1から第3の発明のいずれかに記載の熱線遮蔽微粒子含有組成物と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤とを混練し、フィルム状に成形することにより製造されたことを特徴とする熱線遮蔽膜である。
第1から第3の発明のいずれかに記載の熱線遮蔽微粒子含有組成物と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤とを混練し、フィルム状に成形することにより製造されたことを特徴とする熱線遮蔽膜である。
第5の発明は、
第4の発明に記載の熱線遮蔽膜が、二枚以上の透明基材の間に存在していることを特徴とする熱線遮蔽合わせ透明基材である。
第4の発明に記載の熱線遮蔽膜が、二枚以上の透明基材の間に存在していることを特徴とする熱線遮蔽合わせ透明基材である。
第6の発明は、
一般式MyWOZ(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示され、かつ六方晶の結晶構造を有する複合タングステン酸化物微粒子と、分散剤とを、沸点120℃以下の有機溶剤に分散して分散液を得る第1工程と、
第1工程で得られた分散液へ、前記分散剤I、II、または、前記有機溶剤に溶解した前記分散剤I、IIを添加して混合し、混合物を得る第2工程と、
第2工程で得られた混合物を乾燥して熱線遮蔽微粒子含有組成物とし、当該熱線遮蔽微粒子含有組成物に含有される前記有機溶剤の含有量を5質量%以下にする第3工程とを有する、ことを特徴とする第1から第3の発明のいずれかに記載の熱線遮蔽微粒子含有組成物の製造方法である。
一般式MyWOZ(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示され、かつ六方晶の結晶構造を有する複合タングステン酸化物微粒子と、分散剤とを、沸点120℃以下の有機溶剤に分散して分散液を得る第1工程と、
第1工程で得られた分散液へ、前記分散剤I、II、または、前記有機溶剤に溶解した前記分散剤I、IIを添加して混合し、混合物を得る第2工程と、
第2工程で得られた混合物を乾燥して熱線遮蔽微粒子含有組成物とし、当該熱線遮蔽微粒子含有組成物に含有される前記有機溶剤の含有量を5質量%以下にする第3工程とを有する、ことを特徴とする第1から第3の発明のいずれかに記載の熱線遮蔽微粒子含有組成物の製造方法である。
第7の発明は、
前記分散液中において、前記複合タングステン酸化物微粒子の平均粒径を40nm以下とすることを特徴とする第6の発明に記載の熱線遮蔽微粒子含有組成物の製造方法である。
前記分散液中において、前記複合タングステン酸化物微粒子の平均粒径を40nm以下とすることを特徴とする第6の発明に記載の熱線遮蔽微粒子含有組成物の製造方法である。
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物を、可塑剤と伴にポリビニルアセタール樹脂へ添加して混合し混練することで、ポリビニルアセタール樹脂を主成分としながら、熱線遮蔽効果の高い複合タングステン酸化物微粒子を含有し、優れた光学的特性と高い耐候性とを発揮する熱線遮蔽膜と、当該熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ透明基材とを得ることが出来た。
以下、本発明の実施の形態について、熱線遮蔽微粒子含有組成物とその製造方法、熱線遮蔽微粒子含有組成物を用いた熱線遮蔽膜および当該熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ透明基材の順で詳細に説明する。
[1]熱線遮蔽微粒子含有組成物
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物は、熱線遮蔽機能を有する微粒子、分散剤、有機溶剤、さらに所望によりその他の添加剤を含有している。
以下、熱線遮蔽微粒子含有組成物の各々の成分について説明する。
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物は、熱線遮蔽機能を有する微粒子、分散剤、有機溶剤、さらに所望によりその他の添加剤を含有している。
以下、熱線遮蔽微粒子含有組成物の各々の成分について説明する。
(1)熱線遮蔽機能を有する微粒子
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物に用いられる熱線遮蔽機能を有する微粒子は、複合タングステン酸化物微粒子である。複合タングステン酸化物微粒子は、近赤外線領域、特に波長1000nm以上の光を大きく吸収するため、その透過色調はブルー系の色調となるものが多い。
当該複合タングステン酸化物微粒子の粒子径は、その使用目的によって適宜選定することができる。例えば、透明性を保持した応用に使用する場合は、当該複合タングステン酸化物微粒子は、40nm以下の分散粒子径を有していることが好ましい。40nmよりも小さい分散粒子径であれば、散乱により光を完全に遮蔽することが無く、可視光領域の視認性を保持し、同時に効率よく透明性を保持することができるからである。
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物に用いられる熱線遮蔽機能を有する微粒子は、複合タングステン酸化物微粒子である。複合タングステン酸化物微粒子は、近赤外線領域、特に波長1000nm以上の光を大きく吸収するため、その透過色調はブルー系の色調となるものが多い。
当該複合タングステン酸化物微粒子の粒子径は、その使用目的によって適宜選定することができる。例えば、透明性を保持した応用に使用する場合は、当該複合タングステン酸化物微粒子は、40nm以下の分散粒子径を有していることが好ましい。40nmよりも小さい分散粒子径であれば、散乱により光を完全に遮蔽することが無く、可視光領域の視認性を保持し、同時に効率よく透明性を保持することができるからである。
特に、可視光領域の透明性を重視し、例えば、自動車のフロントガラスに適用する場合は、さらに粒子による散乱を考慮することが好ましい。そして、この粒子による散乱の低減を重視するときには、当該タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径は30nm以下、好ましくは25nm以下がよい。
この理由は、粒子の分散粒子径が小さければ、幾何学散乱もしくはミー散乱による波長400nm〜780nmの可視光線領域における光の散乱が低減されるからである。当該光の散乱が低減されれば、強い光が照射されたときに熱線遮蔽膜が曇りガラスのようになってしまい、鮮明な透明性が得られなくなることを回避できる。これは、分散粒子の径が40nm以下になると、上記幾何学散乱もしくはミー散乱が低減し、レイリー散乱領域になる為である。レイリー散乱領域では、散乱光は粒子径の6乗に反比例して低減するため、分散粒子径の減少に伴い散乱が低減し透明性が向上する。さらに、分散粒子径が25nm以下になると、散乱光は非常に少なくなり好ましい。光の散乱を回避する観点からは、分散粒子径は小さい方が好ましく、分散粒子径が1nm以上であれば工業的な製造は容易である。
また、熱線遮蔽膜に含まれる複合タングステン微粒子の量は、単位面積あたり0.2g/m2〜2.5g/m2が望ましい。
以下、熱線遮蔽機能を有する微粒子である複合タングステン酸化物微粒子およびその製造方法についてさらに説明する。
また、熱線遮蔽膜に含まれる複合タングステン微粒子の量は、単位面積あたり0.2g/m2〜2.5g/m2が望ましい。
以下、熱線遮蔽機能を有する微粒子である複合タングステン酸化物微粒子およびその製造方法についてさらに説明する。
(a)複合タングステン酸化物微粒子
本発明に係る複合タングステン酸化物として、一般式MyWOZ(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示され、かつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物を挙げることが出来る。当該複合タングステン酸化物においてy、zの値が0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0の範囲に収まるものであれば、有用な熱線遮蔽特性を得ることができる。添加元素Mの添加量は、0.1以上0.5以下が好ましく、さらに好ましくは0.33付近である。これは六方晶の結晶構造から理論的に算出される値が0.33であり、この前後の添加量で好ましい光学特性が得られるからである。また、Zの範囲については、2.2≦z≦3.0が好ましい。これは、MyWOZで表記される複合タングステン酸化物材料においても、上述したWOxで表記されるタングステン酸化物材料と同様の機構が働くのに加え、z≦3.0においても、上述した元素Mの添加による自由電子の供給があるためである。尤も、光学特性の観点から、より好ましくは2.45≦z≦3.00である。
上述の条件を満たす好ましい複合タングステン酸化物微粒子の例として、Cs0.33WO3、Rb0.33WO3、K0.33WO3、Ba0.33WO3などの微粒子を挙げることができる。
本発明に係る複合タングステン酸化物として、一般式MyWOZ(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示され、かつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物を挙げることが出来る。当該複合タングステン酸化物においてy、zの値が0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0の範囲に収まるものであれば、有用な熱線遮蔽特性を得ることができる。添加元素Mの添加量は、0.1以上0.5以下が好ましく、さらに好ましくは0.33付近である。これは六方晶の結晶構造から理論的に算出される値が0.33であり、この前後の添加量で好ましい光学特性が得られるからである。また、Zの範囲については、2.2≦z≦3.0が好ましい。これは、MyWOZで表記される複合タングステン酸化物材料においても、上述したWOxで表記されるタングステン酸化物材料と同様の機構が働くのに加え、z≦3.0においても、上述した元素Mの添加による自由電子の供給があるためである。尤も、光学特性の観点から、より好ましくは2.45≦z≦3.00である。
上述の条件を満たす好ましい複合タングステン酸化物微粒子の例として、Cs0.33WO3、Rb0.33WO3、K0.33WO3、Ba0.33WO3などの微粒子を挙げることができる。
(b)複合タングステン酸化物微粒子の製造方法
一般式MYWOZで表記される複合タングステン酸化物微粒子は、タングステン化合物
出発原料を不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中で熱処理して得ることができる。
まず、タングステン化合物出発原料について説明する。
タングステン化合物出発原料には、三酸化タングステン粉末、二酸化タングステン粉末、または酸化タングステンの水和物、または、六塩化タングステン粉末、またはタングステン酸アンモニウム粉末、または、六塩化タングステンをアルコール中に溶解させた後乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、または、六塩化タングステンをアルコール中に溶解させたのち水を添加して沈殿させこれを乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、またはタングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、金属タングステン粉末、から選ばれたいずれか1種類以上であることが好ましい。
一般式MYWOZで表記される複合タングステン酸化物微粒子は、タングステン化合物
出発原料を不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中で熱処理して得ることができる。
まず、タングステン化合物出発原料について説明する。
タングステン化合物出発原料には、三酸化タングステン粉末、二酸化タングステン粉末、または酸化タングステンの水和物、または、六塩化タングステン粉末、またはタングステン酸アンモニウム粉末、または、六塩化タングステンをアルコール中に溶解させた後乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、または、六塩化タングステンをアルコール中に溶解させたのち水を添加して沈殿させこれを乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、またはタングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、金属タングステン粉末、から選ばれたいずれか1種類以上であることが好ましい。
複合タングステン酸化物微粒子を製造する場合には、出発原料が溶液である各元素は容易に均一混合可能となる観点より、タングステン酸アンモニウム水溶液や、六塩化タングステン溶液を用いることがさらに好ましい。これら原料を用い、これを不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中で熱処理して複合タングステン酸化物微粒子を得ることができる。さらに元素Mを、元素単体または化合物の形態で含有するタングステン化合物を出発原料とする。
ここで、各成分が分子レベルで均一混合した出発原料を製造するためには各原料を溶液で混合することが好ましく、元素Mを含むタングステン化合物出発原料が、水や有機溶媒等の溶媒に溶解可能なものであることが好ましい。例えば、元素Mを含有するタングステン酸塩、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酸化物、炭酸塩、水酸化物等が挙げられるが、これらに限定されず、溶液状になるものであれば好ましい。
次に、不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中における熱処理について説明する。まず、不活性ガス雰囲気中における熱処理条件としては、650℃以上が好ましい。650℃以上で熱処理された出発原料は、十分な近赤外線吸収力を有し熱線遮蔽微粒子として効率が良い。不活性ガスとしてはAr、N2等の不活性ガスを用いることがよい。
また、還元性雰囲気中における熱処理条件としては、出発原料を、まず還元性ガス雰囲気中にて100℃以上650℃以下で熱処理し、次いで不活性ガス雰囲気中にて650℃以上1200℃以下の温度で熱処理することが良い。この時の還元性ガスは、特に限定されないが、H2が好ましい。そして、還元性ガスとしてH2を用いる場合は、還元性雰囲気の組成として、例えば、Ar、N2等の不活性ガスにH2を体積比で0.1%以上を混合することが好ましく、さらに好ましくは0.2%以上混合したものである。H2が体積比で0.1%以上であれば効率よく還元を進めることができる。
水素で還元された出発原料粉末は、マグネリ相を含み、良好な熱線遮蔽特性を示す。従って、この状態でも熱線遮蔽微粒子として使用可能である。
また、還元性雰囲気中における熱処理条件としては、出発原料を、まず還元性ガス雰囲気中にて100℃以上650℃以下で熱処理し、次いで不活性ガス雰囲気中にて650℃以上1200℃以下の温度で熱処理することが良い。この時の還元性ガスは、特に限定されないが、H2が好ましい。そして、還元性ガスとしてH2を用いる場合は、還元性雰囲気の組成として、例えば、Ar、N2等の不活性ガスにH2を体積比で0.1%以上を混合することが好ましく、さらに好ましくは0.2%以上混合したものである。H2が体積比で0.1%以上であれば効率よく還元を進めることができる。
水素で還元された出発原料粉末は、マグネリ相を含み、良好な熱線遮蔽特性を示す。従って、この状態でも熱線遮蔽微粒子として使用可能である。
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子の表面が、Si、Ti、Zr、Alの1種類以上を含有する化合物、好ましくは、酸化物で被覆された表面処理されていることは、耐候性向上の観点から好ましい。前記表面処理を行うには、Si、Ti、Zr、Alの1種類以上を含有する化合物有機化合物をもちいて公知の表面処理を行えばよい。例えば、複合タングステン酸化物微粒子と有機ケイ素化合物混合し、加水分解等を行えばよい。
また、所望とする熱線遮蔽微粒子含有組成物を得るには、前記複合タングステン酸化物微粒子の粉体色が、国際照明委員会(CIE)が推奨しているL*a*b*表色系(JIS Z 8729−2004)における粉体色において、L*が25〜80、a*が−10〜10、b*が−15〜15である条件を満たすことが望ましい。
当該粉体色を有する複合タングステン酸化物微粒子を用いることで、優れた光学特性を有する熱線遮蔽膜を得ることが出来る。
当該粉体色を有する複合タングステン酸化物微粒子を用いることで、優れた光学特性を有する熱線遮蔽膜を得ることが出来る。
(2)分散剤
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物に用いられる分散剤は、官能基としてアミノ基を有する分散剤(本発明において「分散剤I」と記載する場合がある。)と、官能基としてエポキシ基を有する分散剤(本発明において「分散剤II」と記載する場合がある。)とを併用する。両分散剤I、IIはアクリル主鎖を有し、示差熱熱重量同時測定装置(本発明において「TG−DTA」と記載する場合がある。)で測定される熱分解温度が200℃以上ある分散剤である。
ここで、熱分解温度とはTG−DTA測定において、当該分散剤の熱分解が始まることによる重量減少が始まる温度である。
両分散剤I、IIの熱分解温度が200℃以上であることにより、後述する、両分散剤I、IIとポリビニルアセタール樹脂との混練時に、当該分散剤I、IIが熱分解することはない。その結果、本発明に係る熱線遮蔽膜や熱線遮蔽合わせ透明基材において、分散剤の熱分解に起因した褐色着色や可視光透過率の低下といった、本来の光学特性が得られない事態を回避出来る。
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物に用いられる分散剤は、官能基としてアミノ基を有する分散剤(本発明において「分散剤I」と記載する場合がある。)と、官能基としてエポキシ基を有する分散剤(本発明において「分散剤II」と記載する場合がある。)とを併用する。両分散剤I、IIはアクリル主鎖を有し、示差熱熱重量同時測定装置(本発明において「TG−DTA」と記載する場合がある。)で測定される熱分解温度が200℃以上ある分散剤である。
ここで、熱分解温度とはTG−DTA測定において、当該分散剤の熱分解が始まることによる重量減少が始まる温度である。
両分散剤I、IIの熱分解温度が200℃以上であることにより、後述する、両分散剤I、IIとポリビニルアセタール樹脂との混練時に、当該分散剤I、IIが熱分解することはない。その結果、本発明に係る熱線遮蔽膜や熱線遮蔽合わせ透明基材において、分散剤の熱分解に起因した褐色着色や可視光透過率の低下といった、本来の光学特性が得られない事態を回避出来る。
官能基としてアミノ基を有する分散剤Iは、上述した複合タングステン酸化物微粒子の表面に吸着し、当該複合タングステン酸化物微粒子の凝集を防ぎ、熱線遮蔽膜中でこれらの微粒子を均一に分散させる効果を発揮するものである。分散剤Iのアミン価は5〜100mL/gであることが好ましく、分子量Mwは2000〜200000であることが好ましい。
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物における分散剤Iの含有量は、複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対し、50重量部以上9900重量部以下であることが好ましい。これは分散剤Iの含有量が当該範囲にあることで、複合タングステン酸化物微粒子が熱線遮蔽膜中で均一に分散し、得られる熱線遮蔽膜の透明性が良好となるためである。具体的には、複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対し、分散剤Iを50重量部以上含有させることで熱線遮蔽膜のヘイズ値を低減させることが出来、9900重量部以下含有させることで、得られる熱線遮蔽膜の熱線遮蔽機能を確保出来る。
官能基としてエポキシ基を有する分散剤IIは、上述した複合タングステン酸化物微粒子の表面に吸着し、当該複合タングステン酸化物微粒子の凝集を防ぎ、熱線遮蔽膜中でこれらの微粒子を均一に分散させる効果と伴に、複合タングステン酸化物微粒子および分散剤Iを含む樹脂の耐熱性を向上し、熱による黄変劣化を防止する効果を発揮するものである。分散剤IIのエポキシ当量は10〜1000g/eqであることが好ましく、分子量Mwは2000〜200000であることが好ましい。
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物における分散剤IIの含有量は、複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対し5重量部以上1000重量部以下の範囲であることが望ましく、より好ましくは20重量部以上400重量部以下の範囲である。これは、分散剤IIの含有量が上記範囲にあることで、複合タンスグテン酸化物微粒子および分散剤Iを含有する本発明に係る熱線遮蔽膜の耐熱性を向上でき、且つ、当該熱線遮蔽膜の光学的特性および機械的特性を、良好に保つことが出来るからである。
(3)有機溶剤
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物に用いられる有機溶剤は、120℃以下の沸点を持つものが好ましく使用される。当該有機溶剤の沸点が120℃以下であれば、乾燥工程、特に減圧乾燥で除去することが容易である。この結果、当該有機溶剤を減圧乾燥の工程で除去することが迅速に進み、熱線遮蔽微粒子含有組成物の生産性に寄与するからである。さらに、減圧乾燥の工程が容易かつ十分に進行するので、本発明に係る熱線遮蔽微粒
子含有組成物中に過剰な有機溶剤が残留するのを回避できる。この結果、熱線遮蔽膜成形時に気泡の発生などの不具合が発生することを回避できる。具体的には、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、エタノールが挙げられるが、沸点が120℃以下で熱線遮蔽機能を発揮する微粒子を均一に分散可能なものであれば、任意に選択できる。
当該有機溶剤の、熱線遮蔽機能を有する微粒子に対する配合量については後述する「[2]熱線遮蔽微粒子含有組成物の製造方法の(1)」欄にて説明する。
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物に用いられる有機溶剤は、120℃以下の沸点を持つものが好ましく使用される。当該有機溶剤の沸点が120℃以下であれば、乾燥工程、特に減圧乾燥で除去することが容易である。この結果、当該有機溶剤を減圧乾燥の工程で除去することが迅速に進み、熱線遮蔽微粒子含有組成物の生産性に寄与するからである。さらに、減圧乾燥の工程が容易かつ十分に進行するので、本発明に係る熱線遮蔽微粒
子含有組成物中に過剰な有機溶剤が残留するのを回避できる。この結果、熱線遮蔽膜成形時に気泡の発生などの不具合が発生することを回避できる。具体的には、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、エタノールが挙げられるが、沸点が120℃以下で熱線遮蔽機能を発揮する微粒子を均一に分散可能なものであれば、任意に選択できる。
当該有機溶剤の、熱線遮蔽機能を有する微粒子に対する配合量については後述する「[2]熱線遮蔽微粒子含有組成物の製造方法の(1)」欄にて説明する。
(5)その他の添加剤
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物へは、さらに、一般的な添加剤を配合することも可能である。例えば、必要に応じて任意の色調を与えるための、アゾ系染料、シアニン系染料、キノリン系、ペリレン系染料、カーボンブラック等、一般的に熱可塑性樹脂の着色に利用されている染料、顔料を添加しても良い。また、ヒンダードフェノール系、リン系等の安定剤、離型剤、ヒドロキシベンゾフェノン系、サリチル酸系、HALS系、トリアゾール系、トリアジン系等の有機紫外線吸収剤、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の無機紫外線吸収剤、カップリング剤、界面活性剤、帯電防止剤等を添加剤として添加することができる。
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物へは、さらに、一般的な添加剤を配合することも可能である。例えば、必要に応じて任意の色調を与えるための、アゾ系染料、シアニン系染料、キノリン系、ペリレン系染料、カーボンブラック等、一般的に熱可塑性樹脂の着色に利用されている染料、顔料を添加しても良い。また、ヒンダードフェノール系、リン系等の安定剤、離型剤、ヒドロキシベンゾフェノン系、サリチル酸系、HALS系、トリアゾール系、トリアジン系等の有機紫外線吸収剤、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の無機紫外線吸収剤、カップリング剤、界面活性剤、帯電防止剤等を添加剤として添加することができる。
[2]熱線遮蔽微粒子含有組成物の製造方法
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物は、熱線遮蔽機能を有する微粒子と、分散剤とを、有機溶剤に分散して分散液を得る第一工程、第一工程を経て得られた分散液に、分散剤もしくは有機溶媒に溶解した分散剤を混合し混合物を得る第二工程、第二工程により得られた混合物を乾燥し、乾燥後の混合物において上記有機溶剤の残留量が5質量%以下となるまで有機溶剤を除去する、第三工程を経て製造される。
以下、熱線遮蔽微粒子含有組成物の製造方法に係る各製造工程について説明する。
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物は、熱線遮蔽機能を有する微粒子と、分散剤とを、有機溶剤に分散して分散液を得る第一工程、第一工程を経て得られた分散液に、分散剤もしくは有機溶媒に溶解した分散剤を混合し混合物を得る第二工程、第二工程により得られた混合物を乾燥し、乾燥後の混合物において上記有機溶剤の残留量が5質量%以下となるまで有機溶剤を除去する、第三工程を経て製造される。
以下、熱線遮蔽微粒子含有組成物の製造方法に係る各製造工程について説明する。
(1)熱線遮蔽機能を有する微粒子と分散剤とを有機溶剤に分散して分散液を得る工程(第一工程)
複合タングステン酸化物微粒子の有機溶剤への分散方法は、当該微粒子が均一に有機溶剤に分散する方法であれば任意に選択できる。例としては、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散などの方法を用いることが出来る。
有機溶剤中の複合タングステン酸化物微粒子の濃度は、5〜50質量%とすることが望ましい。5質量%以上であれば、除去すべき有機溶剤量が多くなり過ぎて製造コストが高くなってしまう事態を回避出来る。また、50質量%以下であれば、微粒子の凝集が起こり易くなり微粒子の分散が困難になる事態や、液の粘性が著しく増加し取り扱いが困難となる事態を回避出来るからである。
また、分散液中の複合タングステン酸化物微粒子は、平均粒径で40nm以下に分散することが望ましい。平均粒径が40nm以下であれば、加工後の熱線遮蔽膜のヘイズ等の光学特性がより望ましく向上するからである。
複合タングステン酸化物微粒子の有機溶剤への分散方法は、当該微粒子が均一に有機溶剤に分散する方法であれば任意に選択できる。例としては、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散などの方法を用いることが出来る。
有機溶剤中の複合タングステン酸化物微粒子の濃度は、5〜50質量%とすることが望ましい。5質量%以上であれば、除去すべき有機溶剤量が多くなり過ぎて製造コストが高くなってしまう事態を回避出来る。また、50質量%以下であれば、微粒子の凝集が起こり易くなり微粒子の分散が困難になる事態や、液の粘性が著しく増加し取り扱いが困難となる事態を回避出来るからである。
また、分散液中の複合タングステン酸化物微粒子は、平均粒径で40nm以下に分散することが望ましい。平均粒径が40nm以下であれば、加工後の熱線遮蔽膜のヘイズ等の光学特性がより望ましく向上するからである。
なお、複合タングステン酸化物微粒子を、分散剤と後述する熱線遮蔽膜に添加される可塑剤とに分散させることも考えられる。しかし、複合タングステン酸化物と分散剤とを、可塑剤に分散させると、可塑剤は前記有機溶媒に比べて粘度が高い為、分散に長時間を要することがある。そこで、本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物の製造工程としては、当該第一工程および後述する第二、第三工程を採ることが好ましい。
(2)第一工程を経て得られた分散液に、分散剤、または、上述した有機溶剤に溶解した分散剤を添加し、混合物を得る工程(第二工程)
前記第一工程で得られた分散液へ、前記分散剤I、IIを直接、または、前記有機溶剤に予め溶解した前記分散剤I、IIを混合し混合物を得る。混合方法は、公知の混合方法を用
いればよい。
前記第一工程で得られた分散液へ、前記分散剤I、IIを直接、または、前記有機溶剤に予め溶解した前記分散剤I、IIを混合し混合物を得る。混合方法は、公知の混合方法を用
いればよい。
(3)第二工程を経て得られた混合物を乾燥し、乾燥後の前記有機溶剤の残留量が5質量%以下となるまで、前記有機溶剤を除去する工程(第三工程)
当該第三工程は、第二工程を経て得られた混合物中の有機溶剤の除去し、本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物を得るために行われる工程である。当該第二工程は、得られた混合物を減圧乾燥することで実施する方法が好ましい。具体的には、前記混合物を攪拌しながら減圧乾燥し、熱線遮蔽微粒子含有組成物と有機溶剤成分とを分離する。減圧乾燥に用いる装置としては、真空攪拌型の乾燥機があげられるが、上記機能を有する装置であれば良く、特に限定されない。また、乾燥工程の減圧の際の圧力値は適宜選択される。
当該第三工程は、第二工程を経て得られた混合物中の有機溶剤の除去し、本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物を得るために行われる工程である。当該第二工程は、得られた混合物を減圧乾燥することで実施する方法が好ましい。具体的には、前記混合物を攪拌しながら減圧乾燥し、熱線遮蔽微粒子含有組成物と有機溶剤成分とを分離する。減圧乾燥に用いる装置としては、真空攪拌型の乾燥機があげられるが、上記機能を有する装置であれば良く、特に限定されない。また、乾燥工程の減圧の際の圧力値は適宜選択される。
当該減圧乾燥法を用いることで、溶剤の除去効率が向上すると伴に、前記混合物が長時間高温に曝されることがないので、前記混合物中に分散している微粒子の凝集が起こらず好ましい。さらに生産性も上がり、蒸発した有機溶剤を回収することも容易で、環境的配慮からも好ましい。
当該乾燥工程後に得られた熱線遮蔽微粒子含有組成物おいて、残留する有機溶剤は5質量%以下であることが求められる。残留する有機溶媒が5質量%以下であれば、当該熱線遮蔽微粒子含有組成物が熱線遮蔽合わせ透明基材に加工した際に気泡が発生せず、外観や光学特性が良好に保たれるからである。
[3]熱線遮蔽微粒子含有組成物を用いた熱線遮蔽膜
本発明に係る熱線遮蔽膜は、上述した熱線遮蔽微粒子含有組成物と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤と、所望によりその他の添加剤や接着力調整剤とを混合し、混練した後、押出成形法、カレンダー成形法等の公知の方法により、例えば、フィルム状に成形することによって得られる。
以下、ポリビニルアセタール樹脂、可塑剤、接着力調整剤、熱線遮蔽膜の製造方法、さらに、熱線遮蔽膜の特徴について説明する。
本発明に係る熱線遮蔽膜は、上述した熱線遮蔽微粒子含有組成物と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤と、所望によりその他の添加剤や接着力調整剤とを混合し、混練した後、押出成形法、カレンダー成形法等の公知の方法により、例えば、フィルム状に成形することによって得られる。
以下、ポリビニルアセタール樹脂、可塑剤、接着力調整剤、熱線遮蔽膜の製造方法、さらに、熱線遮蔽膜の特徴について説明する。
(1)ポリビニルアセタール樹脂
ポリビニルアセタール樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂が特に好ましい。
また、熱線遮蔽膜の物性を考慮した上で、アセタール化度が異なる複数のポリビニルアセタール樹脂を併用してもよい。更に、アセタール化時に複数種類のアルデヒドを組み合わせて反応させた共ポリビニルアセタール樹脂も用いることができる。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は60%、より好ましい上限は75%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することにより調製することができる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂が特に好ましい。
また、熱線遮蔽膜の物性を考慮した上で、アセタール化度が異なる複数のポリビニルアセタール樹脂を併用してもよい。更に、アセタール化時に複数種類のアルデヒドを組み合わせて反応させた共ポリビニルアセタール樹脂も用いることができる。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は60%、より好ましい上限は75%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することにより調製することができる。
上記原料となるポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られ、一般に、ケン化度80〜99.8モル%のポリビニルアルコールが用いられる。
また、上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は3000である。重合度が200以上であると、得られる熱線遮蔽合わせ透明基材の貫通への耐性が保持され、熱線遮蔽合わせ透明基材の安全性が保たれる。一方、重合度が3000以下であれば樹脂膜の成形性が良く、また樹脂膜の剛性が大きくなり過ぎず、加工性が保たれる。
また、上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は3000である。重合度が200以上であると、得られる熱線遮蔽合わせ透明基材の貫通への耐性が保持され、熱線遮蔽合わせ透明基材の安全性が保たれる。一方、重合度が3000以下であれば樹脂膜の成形性が良く、また樹脂膜の剛性が大きくなり過ぎず、加工性が保たれる。
上記アルデヒドとしては特に限定されず、一般に、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアル
デヒド、アセトアルデヒド等、炭素数が1〜10のアルデヒドが用いられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、より好ましくは炭素数が4のブチルアルデヒドである。
デヒド、アセトアルデヒド等、炭素数が1〜10のアルデヒドが用いられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、より好ましくは炭素数が4のブチルアルデヒドである。
(2)可塑剤
本発明に係る熱線遮蔽膜、さらには後述する熱線遮蔽合わせ透明基材に用いられる可塑剤は、一価アルコールと有機酸エステル化合物、多価アルコール有機酸エステル化合物等のエステル系可塑剤、有機リン酸系可塑剤、有機有リン酸系可塑剤等のリン酸系可塑剤が挙げられ、いずれも室温液状であることが好ましい。特に多価アルコールと脂肪酸から合成されたエステル化合物がより好ましい。
本発明に係る熱線遮蔽膜、さらには後述する熱線遮蔽合わせ透明基材に用いられる可塑剤は、一価アルコールと有機酸エステル化合物、多価アルコール有機酸エステル化合物等のエステル系可塑剤、有機リン酸系可塑剤、有機有リン酸系可塑剤等のリン酸系可塑剤が挙げられ、いずれも室温液状であることが好ましい。特に多価アルコールと脂肪酸から合成されたエステル化合物がより好ましい。
多価アルコールと脂肪酸から合成されたエステル化合物は特に限定されないが、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコール系エステル化合物又はテトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールと上記有機酸とのエステル化合物等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコールジヘキサネート、トリエチレングリコール ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−オクタネート、トリエチレングリコール ジ−2−エチルヘキサノネート等のトリエチレングリコールの脂肪酸エステルが好適である。可塑剤の選択には加水分解に留意し、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサネート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサネートが好ましい。
上述の通りトリエチレングリコールの脂肪酸エステルは、ポリビニルアセタールとの相溶性や耐寒性など様々な性質をバランスよく備えており、加工性、経済性にも優れている。
上述の通りトリエチレングリコールの脂肪酸エステルは、ポリビニルアセタールとの相溶性や耐寒性など様々な性質をバランスよく備えており、加工性、経済性にも優れている。
また、他の可塑剤を熱線遮蔽膜の物性を考慮してさらに添加しても良い。例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性カルボン酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物やリン酸系可塑剤を添加してもよい。
熱線遮蔽膜へのこれら可塑剤の全添加量は、熱線遮蔽膜の物性を考慮して添加量を定めればよい。望ましい全添加量は、10質量%〜70質量%である。
熱線遮蔽膜へのこれら可塑剤の全添加量は、熱線遮蔽膜の物性を考慮して添加量を定めればよい。望ましい全添加量は、10質量%〜70質量%である。
(3)接着力調整剤
本発明に係る熱線遮蔽膜へ、接着力調整剤を含有させることも好ましい。
当該接着力調整剤としては、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が好適に用いられる。上記塩を構成する相手方の酸としては、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸、塩酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。
アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩の中でも、炭素数2〜16のカルボン酸マグネシウム塩及び炭素数2〜16のカルボン酸カリウム塩が更に好ましい。
本発明に係る熱線遮蔽膜へ、接着力調整剤を含有させることも好ましい。
当該接着力調整剤としては、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が好適に用いられる。上記塩を構成する相手方の酸としては、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸、塩酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。
アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩の中でも、炭素数2〜16のカルボン酸マグネシウム塩及び炭素数2〜16のカルボン酸カリウム塩が更に好ましい。
上記炭素数2〜16の有機酸のカルボン酸マグネシウム塩、又は、カリウム塩としては特に限定されないが、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が好適に用いられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、セリウムのカルボン酸塩ならば、接着力調整剤としての作用と、複合タングステン酸化物微粒子の耐久性向上の作用を兼ね備えることができる。
なお、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、セリウムのカルボン酸塩ならば、接着力調整剤としての作用と、複合タングステン酸化物微粒子の耐久性向上の作用を兼ね備えることができる。
(4)熱線遮蔽膜の製造方法
本発明に係る熱線遮蔽膜は、上述した熱線遮蔽微粒子含有組成物と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤とを混合し混練した後、押出成形法、カレンダー成形法等の、公知の方法によりフィルム状に成形することによって得られる。
本発明に係る熱線遮蔽膜の膜厚は、300μm以上2000μm以下であることが好ましい。熱線遮蔽膜の膜厚が300μm以上あれば、当該熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ透明基材において求められる耐貫通性が得られる。また、当該熱線遮蔽膜の厚さが2000μm以下であれば、当該熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ透明基材において、当該透明基材の厚みを超えてしまうことがないからである。これらの観点から、本発明に係る熱線遮蔽膜の膜厚は、400μm以上1200μm以下であることがより好ましい。
本発明に係る熱線遮蔽膜は、上述した熱線遮蔽微粒子含有組成物と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤とを混合し混練した後、押出成形法、カレンダー成形法等の、公知の方法によりフィルム状に成形することによって得られる。
本発明に係る熱線遮蔽膜の膜厚は、300μm以上2000μm以下であることが好ましい。熱線遮蔽膜の膜厚が300μm以上あれば、当該熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ透明基材において求められる耐貫通性が得られる。また、当該熱線遮蔽膜の厚さが2000μm以下であれば、当該熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ透明基材において、当該透明基材の厚みを超えてしまうことがないからである。これらの観点から、本発明に係る熱線遮蔽膜の膜厚は、400μm以上1200μm以下であることがより好ましい。
(5)熱線遮蔽膜の特徴
本発明に係る熱線遮蔽膜を、一対の無機ガラスに挟み込んだ熱線遮蔽合わせ透明基材において、ヘイズ値は2.0%以下、可視光透過率は70%以上、波長300〜2100nmの領域での日射透過率は、可視光透過率の60%以下であるという熱線遮蔽性を有していた。また、当該熱線遮蔽合わせ透明基材を大気中120℃で5日間放置しても、黄色味値の変化は、b*の変化量Δb*で10以内であった。
ヘイズ値が2.0%を超えると、中間膜あるいは合わせ透明基材の透明性が著しく損なわれること、Δb*が10を超えて変化すると目視においても当該変化を確認することができることを考慮すると、本発明に係る熱線遮蔽膜は、十分な光学的特性と耐久性とを有していることが判明した。
本発明に係る熱線遮蔽膜を、一対の無機ガラスに挟み込んだ熱線遮蔽合わせ透明基材において、ヘイズ値は2.0%以下、可視光透過率は70%以上、波長300〜2100nmの領域での日射透過率は、可視光透過率の60%以下であるという熱線遮蔽性を有していた。また、当該熱線遮蔽合わせ透明基材を大気中120℃で5日間放置しても、黄色味値の変化は、b*の変化量Δb*で10以内であった。
ヘイズ値が2.0%を超えると、中間膜あるいは合わせ透明基材の透明性が著しく損なわれること、Δb*が10を超えて変化すると目視においても当該変化を確認することができることを考慮すると、本発明に係る熱線遮蔽膜は、十分な光学的特性と耐久性とを有していることが判明した。
[4]熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ透明基材
本発明に係る熱線遮蔽合わせ透明基材は、熱線遮蔽膜を存在させた2枚の無機ガラスと同様な透明基材を公知の方法で張り合わせ一体化することによって得られる。得られた熱線遮蔽合わせガラスは、主に自動車のフロントガラスや建物の窓として使用することが出来る。
本発明に係る熱線遮蔽合わせ透明基材は、熱線遮蔽膜を存在させた2枚の無機ガラスと同様な透明基材を公知の方法で張り合わせ一体化することによって得られる。得られた熱線遮蔽合わせガラスは、主に自動車のフロントガラスや建物の窓として使用することが出来る。
透明基材として、透明樹脂を用い上記ガラスと同様に、または、上記無機ガラスと併用し、対向する透明基材の間に熱線遮蔽膜を挟み込んで存在させることで、熱線遮蔽合わせ透明基材を得ることが出来る。用途は、熱線遮蔽合わせガラスと同様である。
用途によっては、熱線遮蔽膜単体として使用すること、無機ガラスや透明樹脂等の透明基材の片面または両面に熱線遮蔽膜を存在させて使用することも、勿論可能である。無機ガラスには、高熱線吸収ガラス、クリアガラス、グリーンガラス等が用いられる。尚、高熱線吸収ガラスとは、可視光透過率が75%以上であって、波長900〜1300nmの全領域において透過率が65%以下である熱線吸収ガラスのことをいう。
用途によっては、熱線遮蔽膜単体として使用すること、無機ガラスや透明樹脂等の透明基材の片面または両面に熱線遮蔽膜を存在させて使用することも、勿論可能である。無機ガラスには、高熱線吸収ガラス、クリアガラス、グリーンガラス等が用いられる。尚、高熱線吸収ガラスとは、可視光透過率が75%以上であって、波長900〜1300nmの全領域において透過率が65%以下である熱線吸収ガラスのことをいう。
[5]まとめ
以上、詳細に説明したように、熱線遮蔽成分として複合タングステン酸化物微粒子と、分散剤I、IIとを、沸点120℃以下の有機溶剤に分散して得られる分散液から、減圧乾燥法を用いて該有機溶剤を5質量%以下まで除去することにより、熱線遮蔽微粒子含有組成物を得ることが出来た。そして、当該熱線遮蔽微粒子含有組成物と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤を混練し、かつ、公知の方法により、フィルム状に成形することによって、可視光領域に透過率の極大を持つと共に近赤外域に強い吸収をもつような熱線遮蔽合わせ透明基材用の熱線遮蔽膜の作製が可能となった。さらに本発明に係る熱線遮蔽合わせ透明基材は、中間層用の樹脂としてポリビニルアセタール樹脂をもちいることで、安全ガラスの機械的強度を充足するものであった。
以上、詳細に説明したように、熱線遮蔽成分として複合タングステン酸化物微粒子と、分散剤I、IIとを、沸点120℃以下の有機溶剤に分散して得られる分散液から、減圧乾燥法を用いて該有機溶剤を5質量%以下まで除去することにより、熱線遮蔽微粒子含有組成物を得ることが出来た。そして、当該熱線遮蔽微粒子含有組成物と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤を混練し、かつ、公知の方法により、フィルム状に成形することによって、可視光領域に透過率の極大を持つと共に近赤外域に強い吸収をもつような熱線遮蔽合わせ透明基材用の熱線遮蔽膜の作製が可能となった。さらに本発明に係る熱線遮蔽合わせ透明基材は、中間層用の樹脂としてポリビニルアセタール樹脂をもちいることで、安全ガラスの機械的強度を充足するものであった。
以下に、実施例を参照しながら本発明を具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施
例に限定されるものではない。
また、各実施例における複合タングステン酸化物微粒子の粉体色(10°視野、光源D65)、および、熱線遮蔽合わせ透明基材の可視光透過率並びに日射透過率は、日立製作所(株)製の分光光度計U−4000を用いて測定した。尚、当該日射透過率は、熱線遮蔽合わせ透明基材の熱線遮蔽性能を示す指標である。
また、ヘイズ値は村上色彩技術研究所(株)社製HR−200を用い、JIS K 7105に基づいて測定した。
例に限定されるものではない。
また、各実施例における複合タングステン酸化物微粒子の粉体色(10°視野、光源D65)、および、熱線遮蔽合わせ透明基材の可視光透過率並びに日射透過率は、日立製作所(株)製の分光光度計U−4000を用いて測定した。尚、当該日射透過率は、熱線遮蔽合わせ透明基材の熱線遮蔽性能を示す指標である。
また、ヘイズ値は村上色彩技術研究所(株)社製HR−200を用い、JIS K 7105に基づいて測定した。
[実施例1]
H2WO450gとCs(OH)218.7g(Cs/W(モル比)=0.33相当)とをメノウ乳鉢で十分混合して混合粉末とした。当該混合粉末を、N2ガスをキャリアーとした5%H2ガス供給下で加熱し、600℃の温度で1時間の還元処理を行った後、N2ガス雰囲気下で800℃で30分焼成して、複合タングステン酸化物微粒子(以下、微粒子aと略称する。)を得た。
微粒子aの組成式は、Cs0.33WO3であり、粉体色のL*が35.2845、a*が1.4873、b*が−5.2114であった。
H2WO450gとCs(OH)218.7g(Cs/W(モル比)=0.33相当)とをメノウ乳鉢で十分混合して混合粉末とした。当該混合粉末を、N2ガスをキャリアーとした5%H2ガス供給下で加熱し、600℃の温度で1時間の還元処理を行った後、N2ガス雰囲気下で800℃で30分焼成して、複合タングステン酸化物微粒子(以下、微粒子aと略称する。)を得た。
微粒子aの組成式は、Cs0.33WO3であり、粉体色のL*が35.2845、a*が1.4873、b*が−5.2114であった。
微粒子aを10質量%、分散剤I(アクリル主鎖を有し、官能基としてアミノ基を有し、アミン価40mL/g、熱分解温度230℃である分散剤、以下、分散剤aと略称する。)10質量%、メチルイソブチルケトン(MIBK)80質量%を秤量した。これらを、0.3mmφZrO2ビーズを入れたペイントシェーカーで7時間粉砕・分散処理することによって、複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、A液と略称する。)を調製した。
ここで、A液内における微粒子aの分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ20nmであった。
ここで、A液内における微粒子aの分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ20nmであった。
A液へ、成分中の微粒子a、分散剤a、および、分散剤II(アクリル主鎖を有し、官能基としてエポキシ基を有し、エポキシ当量34g/eq、熱分解温度280℃である分散剤、以下、分散剤bと略称する。)の重量比が、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:1:2となるように分散剤IIを添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行ってメチルイソブチルケトンを除去し、実施例1に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Aと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが100重量部含まれることとなった。
得られた組成物A中のメチルイソブチルケトン含有量は、1.7質量%であった。
得られた組成物A中のメチルイソブチルケトン含有量は、1.7質量%であった。
得られた組成物A0.8質量%、可塑剤としてトリエチレングリコール・ジ−2−エチルヘキサノネート(以下可塑剤aと略称する。)28.2質量%、ポリビニルアセタール樹脂70質量%とを秤量し、混合して樹脂組成物とし二軸押出機に装填した。そして、当該樹脂組成物を200℃で混練しTダイより押出し、カレンダーロール法で0.7mm厚として、実施例1に係る熱線遮蔽合わせ透明基材用の熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Aと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Aを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例1に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Aと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Aを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例1に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Aと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Aの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率79.8%のときの日射透過率は48.4%で、ヘイズ値は0.6%であった。
一方、遮蔽膜Aを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例1に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材A’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Aと合わせ透明基材A’との黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は4.64であった。この結果を表1に
示した。
一方、遮蔽膜Aを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例1に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材A’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Aと合わせ透明基材A’との黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は4.64であった。この結果を表1に
示した。
[実施例2]
実施例1で得たA液へ、成分中の微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比が、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:1.5:1.5となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行ってメチルイソブチルケトンを除去し、実施例2に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Bと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが150重量部含まれることとなった。
得られた組成物A中のメチルイソブチルケトン含有量は1.9質量%であった。
実施例1で得たA液へ、成分中の微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比が、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:1.5:1.5となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行ってメチルイソブチルケトンを除去し、実施例2に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Bと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが150重量部含まれることとなった。
得られた組成物A中のメチルイソブチルケトン含有量は1.9質量%であった。
組成物Aを組成物Bに代替した以外は実施例1と同様にして、実施例2に係る熱線遮蔽合わせ透明基材用の熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Bと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Bを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例2に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Bと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Bを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例2に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Bと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Bの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率79.6%のときの日射透過率は47.4%で、ヘイズ値は0.5%であった。
一方、遮蔽膜Bを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例2に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材B’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Bと合わせ透明基材B’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は5.92であった。この結果を表1に示した。
一方、遮蔽膜Bを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例2に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材B’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Bと合わせ透明基材B’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は5.92であった。この結果を表1に示した。
[実施例3]
微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比を、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:2:1とした以外は実施例2と同様にして、実施例3に係る熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Cと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが200重量部含まれることとなった。
得られた遮蔽膜Cを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例3に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Cと略称する。)を得た。
微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比を、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:2:1とした以外は実施例2と同様にして、実施例3に係る熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Cと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが200重量部含まれることとなった。
得られた遮蔽膜Cを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例3に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Cと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Cの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率77.9%のときの日射透過率は43.9%で、ヘイズ値は0.6%であった。
一方、遮蔽膜Cを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例3に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材C’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Cと合わせ透明基材C’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は7.75であった。この結果を表1に示した。
一方、遮蔽膜Cを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例3に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材C’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Cと合わせ透明基材C’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は7.75であった。この結果を表1に示した。
[実施例4]
微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比を、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:1:0.5とした以外は実施例2と同様にして、実施例4に係る熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Dと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが100重量部含まれることとなった。
得られた遮蔽膜Dを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例4に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Dと略称する。)を得た。
微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比を、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:1:0.5とした以外は実施例2と同様にして、実施例4に係る熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Dと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが100重量部含まれることとなった。
得られた遮蔽膜Dを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例4に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Dと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Dの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率75.0%のときの日射透過率は39.2%で、ヘイズ値は0.8%であった。
一方、遮蔽膜Dを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例4に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材D’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Dと合わせ透明基材D’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は5.20であった。この結果を表1に示した。
一方、遮蔽膜Dを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例4に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材D’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Dと合わせ透明基材D’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は5.20であった。この結果を表1に示した。
[実施例5]
微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比を、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:1:1とした以外は実施例2と同様にして、実施例5に係る熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Eと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが100重量部含まれることとなった。
得られた遮蔽膜Eを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例5に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Eと略称する。)を得た。
微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比を、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:1:1とした以外は実施例2と同様にして、実施例5に係る熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Eと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが100重量部含まれることとなった。
得られた遮蔽膜Eを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例5に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Eと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Eの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率78.3%のときの日射透過率は45.2%で、ヘイズ値は0.8%であった。
一方、遮蔽膜Eを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例5に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材E’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Eと合わせ透明基材E’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は3.91であった。この結果を表1に示した。
一方、遮蔽膜Eを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例5に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材E’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Eと合わせ透明基材E’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は3.91であった。この結果を表1に示した。
[実施例6]
微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比を、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:0.67:0.33とした以外は実施例2と同様にして、実施例6に係る熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Fと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが67重量部含まれることとなった。
得られた遮蔽膜Fを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例6に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Fと略称する。)を得た。
微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比を、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:0.67:0.33とした以外は実施例2と同様にして、実施例6に係る熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Fと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが67重量部含まれることとなった。
得られた遮蔽膜Fを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例6に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Fと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Fの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率78.6%のときの日射透過率は45.7%で、ヘイズ値は1.0%であった。
一方、遮蔽膜Fを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例6に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材F’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Fと合わせ透明基材F’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は5.90であった。この結果を表1に示した。
一方、遮蔽膜Fを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例6に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材F’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Fと合わせ透明基材F’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は5.90であった。この結果を表1に示した。
[実施例7]
秤量の比率を、微粒子aを10質量%、分散剤aを10質量%、トルエンを80質量%とした以外は実施例1と同様にして、実施例7に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、G液と略称する。)を得た。
ここで、G液内における微粒子aの分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ19nmであった。
G液へ、成分中の微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比が、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:1:2となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行ってトルエンを除去し、実施例7に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Gと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが100重量部含まれることとなった。
得られた組成物G中のトルエン含有量は、2.3質量%であった。
秤量の比率を、微粒子aを10質量%、分散剤aを10質量%、トルエンを80質量%とした以外は実施例1と同様にして、実施例7に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、G液と略称する。)を得た。
ここで、G液内における微粒子aの分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ19nmであった。
G液へ、成分中の微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比が、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:1:2となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行ってトルエンを除去し、実施例7に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Gと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが100重量部含まれることとなった。
得られた組成物G中のトルエン含有量は、2.3質量%であった。
組成物Aを組成物Gに代替した以外は、実施例1と同様にして、実施例7に係る熱線遮蔽合わせ透明基材用の熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Gと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Gを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例7に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Gと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Gを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例7に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Gと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Gの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率75.1%のときの日射透過率は39.6%で、ヘイズ値は1.0%であった。
一方、遮蔽膜Gを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例7に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材G’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Gと合わせ透明基材G’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は4.33であった。この結果を表1に示した。
一方、遮蔽膜Gを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例7に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材G’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Gと合わせ透明基材G’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は4.33であった。この結果を表1に示した。
[実施例8]
秤量の比率を、微粒子aを10質量%、分散剤aを10質量%、メチルエチルケトン(MEK)80質量%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例8に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、H液と略称する。)を得た。
ここで、H液内における微粒子aの分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ25nmであった。
H液へ、成分中の微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比が、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:1:2となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行ってMEKを除去し、実施例8に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Hと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが100重量部含まれることとなった。
得られた組成物H中のMEK含有量は、4.0質量%であった。
秤量の比率を、微粒子aを10質量%、分散剤aを10質量%、メチルエチルケトン(MEK)80質量%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例8に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、H液と略称する。)を得た。
ここで、H液内における微粒子aの分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ25nmであった。
H液へ、成分中の微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比が、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:1:2となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行ってMEKを除去し、実施例8に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Hと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが100重量部含まれることとなった。
得られた組成物H中のMEK含有量は、4.0質量%であった。
組成物Aを組成物Hに代替した以外は、実施例1と同様にして、実施例8に係る熱線遮蔽合わせ透明基材用の熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Hと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Hを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例8に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Hと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Hを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例8に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Hと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Hの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率79.8%のときの日射透過率は49.0%で、ヘイズ値は0.6%であった。
一方、遮蔽膜Hを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例8に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材H’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Hと合わせ透明基材H’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は5.60であった。この結果を表1に示した。
一方、遮蔽膜Hを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例8に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材H’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Hと合わせ透明基材H’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は5.60であった。この結果を表1に示した。
[実施例9]
秤量の比率を、微粒子aを10質量%、分散剤aを10質量%、酢酸ブチル80質量%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例9に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、I液と略称する。)を得た。
ここで、I液内における微粒子aの分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ31nmであった。
I液へ、成分中の微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比が熱線遮蔽微粒子:分散剤a:分散剤b=1:1:2となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行って酢酸ブチルを除去し、実施例9に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Iと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部
に対し、分散剤Iが100重量部含まれることとなった。
得られた組成物I中の酢酸ブチル含有量は、2.0質量%であった。
秤量の比率を、微粒子aを10質量%、分散剤aを10質量%、酢酸ブチル80質量%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例9に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、I液と略称する。)を得た。
ここで、I液内における微粒子aの分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ31nmであった。
I液へ、成分中の微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比が熱線遮蔽微粒子:分散剤a:分散剤b=1:1:2となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行って酢酸ブチルを除去し、実施例9に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Iと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部
に対し、分散剤Iが100重量部含まれることとなった。
得られた組成物I中の酢酸ブチル含有量は、2.0質量%であった。
組成物Aを組成物Iに代替した以外は、実施例1と同様にして、実施例9に係る熱線遮蔽合わせ透明基材用の熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Iと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Iを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例9に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Iと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Iを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例9に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Iと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Iの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率76.6%のときの日射透過率は41.2%で、ヘイズ値は1.0%であった。
一方、遮蔽膜Iを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例9に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材I’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Iと合わせ透明基材I’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は7.01であった。この結果を表1に示した。
一方、遮蔽膜Iを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例9に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材I’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Iと合わせ透明基材I’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は7.01であった。この結果を表1に示した。
[実施例10]
秤量の比率を、微粒子aを10質量%、分散剤aを10質量%、イソプロピルアルコール(IPA)80質量%とした以外は実施例1と同様にして、実施例10に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、J液と略称する。)を得た。
ここで、J液内における微粒子aの分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ30nmであった。
J液へ、成分中の微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比が、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:1:2となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行ってIPAを除去し、実施例10に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Jと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが100重量部含まれることとなった。
得られた組成物J中のIPA含有量は、2.1質量%であった。
秤量の比率を、微粒子aを10質量%、分散剤aを10質量%、イソプロピルアルコール(IPA)80質量%とした以外は実施例1と同様にして、実施例10に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、J液と略称する。)を得た。
ここで、J液内における微粒子aの分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ30nmであった。
J液へ、成分中の微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比が、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:1:2となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行ってIPAを除去し、実施例10に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Jと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが100重量部含まれることとなった。
得られた組成物J中のIPA含有量は、2.1質量%であった。
組成物Aを組成物Jに代替した以外は実施例1と同様にして、実施例10に係る熱線遮蔽合わせ透明基材用の熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Jと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Jを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例10に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Jと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Jを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例10に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Jと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Jの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率77.7%のときの日射透過率は43.7%で、ヘイズ値は0.9%であった。
一方、遮蔽膜Jを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例10に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材J’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Jと合わせ透明基材J’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は3.33であった。この結果を表1に示した。
一方、遮蔽膜Jを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例10に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材J’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Jと合わせ透明基材J’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は3.33であった。この結果を表1に示した。
[実施例11]
秤量の比率を、微粒子aを10質量%、分散剤aを10質量%、エタノール80質量%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例11に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、K液と略称する。)を得た。
ここで、K液内における微粒子aの分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ19nmであった。
K液へ、成分中の微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比が微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:1:2となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そ
して、常温で減圧乾燥を行ってエタノールを除去し、実施例11に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Kと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが100重量部含まれることとなった。
得られた組成物K中のエタノール含有量は、2.5質量%であった。
秤量の比率を、微粒子aを10質量%、分散剤aを10質量%、エタノール80質量%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例11に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、K液と略称する。)を得た。
ここで、K液内における微粒子aの分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ19nmであった。
K液へ、成分中の微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比が微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:1:2となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そ
して、常温で減圧乾燥を行ってエタノールを除去し、実施例11に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Kと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが100重量部含まれることとなった。
得られた組成物K中のエタノール含有量は、2.5質量%であった。
組成物Aを組成物Kに代替した以外は実施例1と同様にして、実施例11に係る熱線遮蔽合わせ透明基材用の熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Kと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Kを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例11に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Kと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Kを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例11に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Kと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Kの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率74.9%のときの日射透過率は38.9%で、ヘイズ値は1.0%であった。
一方、遮蔽膜Kを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例11に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材K’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Kと合わせ透明基材K’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は5.94であった。この結果を表1に示した。
一方、遮蔽膜Kを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で実施例11に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材K’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Kと合わせ透明基材K’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は5.94であった。この結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1で得たA液へ、成分中の微粒子a、分散剤aの重量比が、微粒子a:分散剤a=1:3となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行ってメチルイソブチルケトンを除去し、比較例1に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Lと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが300重量部含まれることとなった。
得られた組成物L中のメチルイソブチルケトン含有量は、1.5質量%であった。
実施例1で得たA液へ、成分中の微粒子a、分散剤aの重量比が、微粒子a:分散剤a=1:3となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行ってメチルイソブチルケトンを除去し、比較例1に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Lと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが300重量部含まれることとなった。
得られた組成物L中のメチルイソブチルケトン含有量は、1.5質量%であった。
組成物Aを組成物Lに代替した以外は実施例1と同様にして、比較例1に係る熱線遮蔽合わせ透明基材用の熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Lと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Lを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例1に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Lと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Lを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例1に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Lと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Lの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率74.6%のときの日射透過率は38.9%で、ヘイズ値は0.9%であった。
一方、遮蔽膜Lを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例1に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材L’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Lと合わせ透明基材L’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は22.83であった。これは、主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてエポキシ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤IIを含有しないために、熱線遮熱膜が激しく黄変したものと考えられる。この結果を表1に示した。
一方、遮蔽膜Lを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例1に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材L’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Lと合わせ透明基材L’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は22.83であった。これは、主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてエポキシ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤IIを含有しないために、熱線遮熱膜が激しく黄変したものと考えられる。この結果を表1に示した。
[比較例2]
秤量の比率を、微粒子aを10質量%、分散剤bを10質量%、メチルイソブチルケトン(MIBK)80質量%とした以外は、実施例1と同様にして、比較例2に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、M液と略称する。)を得た。
ここで、M液内における微粒子aの分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ21nmであった。
M液へ、成分中の熱線遮蔽微粒子、分散剤bの重量比が熱線遮蔽微粒子:分散剤b=1:3となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行ってメチルイソブチルケトンを除去し、比較例2に係る熱線遮蔽微粒子含有
組成物(以下、組成物Mと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iは含まれていないこととなった。
得られた組成物M中のメチルイソブチルケトン含有量は2.3質量%であった。
秤量の比率を、微粒子aを10質量%、分散剤bを10質量%、メチルイソブチルケトン(MIBK)80質量%とした以外は、実施例1と同様にして、比較例2に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、M液と略称する。)を得た。
ここで、M液内における微粒子aの分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ21nmであった。
M液へ、成分中の熱線遮蔽微粒子、分散剤bの重量比が熱線遮蔽微粒子:分散剤b=1:3となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行ってメチルイソブチルケトンを除去し、比較例2に係る熱線遮蔽微粒子含有
組成物(以下、組成物Mと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iは含まれていないこととなった。
得られた組成物M中のメチルイソブチルケトン含有量は2.3質量%であった。
組成物Aを組成物Mに代替した以外は実施例1と同様にして、比較例2に係る熱線遮蔽合わせ透明基材用の熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Mと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Mを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例2に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Mと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Mを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例2に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Mと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Mの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率77.8%のときの日射透過率は47.7%で、ヘイズ値は2.2%であった。これは、熱線遮蔽微粒子に対して高い分散能を持つ、主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてアミノ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤Iを含まないために、熱線遮蔽微粒子の凝集が起こり、ヘイズ値が高くなり透明性が損なわれたものと考えられる。
一方、遮蔽膜Mを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例2に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材M’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Mと合わせ透明基材M’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は5.97であった。この結果を表1に示した。
一方、遮蔽膜Mを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例2に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材M’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Mと合わせ透明基材M’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は5.97であった。この結果を表1に示した。
[比較例3]
秤量の比率を、微粒子aを10質量%、分散剤IIIを10質量%、メチルイソブチルケ
トン(MIBK)80質量%とした以外は実施例1と同様にして、比較例3に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、N液と略称する。)を得た。
但し、分散剤IIIは、ヒドロキシル基を官能基として有するアクリル系分散剤(アクリル主鎖を有し、官能基としてOH基を有し、OH価88mgKOH/g、熱分解温度250℃である分散剤、以下、分散剤cと略称する。)である。
ここで、N液内におけるタングステン酸化物微粒子の分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ23nmであった。
N液へ、成分中の熱線遮蔽微粒子、分散剤cの重量比が熱線遮蔽微粒子:分散剤c=1:3となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行ってメチルイソブチルケトンを除去し、比較例3に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Nと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iは含まれていないこととなった。
得られた組成物N中のメチルイソブチルケトン含有量は、1.9質量%であった。
秤量の比率を、微粒子aを10質量%、分散剤IIIを10質量%、メチルイソブチルケ
トン(MIBK)80質量%とした以外は実施例1と同様にして、比較例3に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、N液と略称する。)を得た。
但し、分散剤IIIは、ヒドロキシル基を官能基として有するアクリル系分散剤(アクリル主鎖を有し、官能基としてOH基を有し、OH価88mgKOH/g、熱分解温度250℃である分散剤、以下、分散剤cと略称する。)である。
ここで、N液内におけるタングステン酸化物微粒子の分散平均粒子径を日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ23nmであった。
N液へ、成分中の熱線遮蔽微粒子、分散剤cの重量比が熱線遮蔽微粒子:分散剤c=1:3となるよう分散剤を添加し、それらを攪拌型真空乾燥機へ装填した。そして、常温で減圧乾燥を行ってメチルイソブチルケトンを除去し、比較例3に係る熱線遮蔽微粒子含有組成物(以下、組成物Nと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iは含まれていないこととなった。
得られた組成物N中のメチルイソブチルケトン含有量は、1.9質量%であった。
組成物Aを組成物Nに代替した以外は実施例1と同様にして、比較例3に係る熱線遮蔽合わせ透明基材用の熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Nと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Nを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例3に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Nと略称する。)を得た。
得られた遮蔽膜Nを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例3に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Nと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Nの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率73.1%のときの日射透過率は42.7%で、ヘイズ値は5.9%であった。これは、熱線遮蔽微粒子に対して高い分散能を持つ、主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてアミノ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤Iを含まないために、熱線遮蔽微粒子の凝集が起こり、ヘイズ値が高くなり透明性が損なわれたものと考えられる。
一方、遮蔽膜Nを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例3に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材N’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Nと合わせ透明基材N’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は3.84であった。この結果を表1に示
した。
一方、遮蔽膜Nを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例3に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材N’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Nと合わせ透明基材N’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は3.84であった。この結果を表1に示
した。
[比較例4]
微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比を、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:0.43:0.21とした以外は実施例2と同様にして、比較例4に係る熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Oと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが43重量部含まれることとなった。
得られた遮蔽膜Oを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例4に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Oと略称する。)を得た。
微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比を、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:0.43:0.21とした以外は実施例2と同様にして、比較例4に係る熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Oと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが43重量部含まれることとなった。
得られた遮蔽膜Oを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例4に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Oと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Oの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率74.2%のときの日射透過率は40.5%で、ヘイズ値は2.1%であった。これは、熱線遮蔽微粒子に対して高い分散能を持つ、主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてアミノ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤Iの含有率が低いために、熱線遮蔽微粒子の凝集が起こり、ヘイズ値が高くなり透明性が損なわれたものと考えられる。
一方、遮蔽膜Oを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例4に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材O’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Oと合わせ透明基材O’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は3.43であった。この結果を表1に示した。
一方、遮蔽膜Oを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例4に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材O’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Oと合わせ透明基材O’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は3.43であった。この結果を表1に示した。
[比較例5]
微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比を、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:0.43:0.86とした以外は実施例2と同様にして、比較例5に係る熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Pと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが43重量部含まれることとなった。
得られた遮蔽膜Pを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例5に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Pと略称する。)を得た。
微粒子a、分散剤a、分散剤bの重量比を、微粒子a:分散剤a:分散剤b=1:0.43:0.86とした以外は実施例2と同様にして、比較例5に係る熱線遮蔽膜(以下、遮蔽膜Pと略称する。)を得た。この結果、微粒子a100重量部に対し、分散剤Iが43重量部含まれることとなった。
得られた遮蔽膜Pを2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例5に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材Pと略称する。)を得た。
合わせ透明基材Pの光学特性は、表1に示すように、可視光透過率75.1%のときの日射透過率は41.2%で、ヘイズ値は2.0%であった。これは、熱線遮蔽微粒子に対して高い分散能を持つ、主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてアミノ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤Iの含有率が低いために、熱線遮蔽微粒子の凝集が起こり、ヘイズ値が高くなり透明性が損なわれたものと考えられる。
一方、遮蔽膜Pを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例5に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材P’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Pと合わせ透明基材P’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は2.72であった。この結果を表1に示した。
一方、遮蔽膜Pを120℃恒温槽に入れ、5日間の耐熱試験を行ったのちに2枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で比較例5に係る熱線遮蔽合わせガラス(以下、合わせ透明基材P’と略称する。)を得た。このとき、合わせ透明基材Pと合わせ透明基材P’の黄色味値b*を測定したところ、その差Δb*は2.72であった。この結果を表1に示した。
[実施例1〜11および比較例1〜5の評価]
実施例1〜11においては、熱線遮蔽微粒子に対して高い分散能を持つ、主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてアミノ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤Iとを十分に含有するため、熱線遮蔽微粒子の凝集を防ぐことができ、ヘイズ値の低い合わせ透明な合わせ透明基材A〜Kが得られた。また、主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてエポキシ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤IIを含有するため、耐熱試験での黄変が抑制された耐熱性の高い合わせ透明基材A〜Kが得られた。
実施例1〜11においては、熱線遮蔽微粒子に対して高い分散能を持つ、主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてアミノ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤Iとを十分に含有するため、熱線遮蔽微粒子の凝集を防ぐことができ、ヘイズ値の低い合わせ透明な合わせ透明基材A〜Kが得られた。また、主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてエポキシ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤IIを含有するため、耐熱試験での黄変が抑制された耐熱性の高い合わせ透明基材A〜Kが得られた。
一方、比較例1においては分散剤IIを含有しないため、耐熱試験で黄変が発生し、得られる合わせ透明基材の外観が損なわれた。
比較例2〜5においては、熱線遮蔽微粒子に対して高い分散能を持つ分散剤Iを含有しないか、あるいは含有量が十分ではないため、複合タングステン酸化物微粒子の凝集が起こり、得られる合わせ透明基材のヘイズ値が2%を超え透明性が損なわれていた。
比較例2〜5においては、熱線遮蔽微粒子に対して高い分散能を持つ分散剤Iを含有しないか、あるいは含有量が十分ではないため、複合タングステン酸化物微粒子の凝集が起こり、得られる合わせ透明基材のヘイズ値が2%を超え透明性が損なわれていた。
Claims (7)
- 一般式MyWOZ(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示されかつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子と、
主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてアミノ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤Iと、
主鎖にアクリル構造を有し、官能基としてエポキシ基を有し、熱分解温度が200℃以上である分散剤IIとを含有し、沸点120℃以下の有機溶剤の含有量が5質量%以下であることを特徴とする熱線遮蔽微粒子含有組成物。 - 前記分散剤Iが、前記複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対し、50重量部以上9900重量部以下含まれることを特徴とする請求項1に記載の熱線遮蔽微粒子含有組成物。
- 前記有機溶剤が、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、エタノールから選択される1種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱線遮蔽微粒子含有組成物。
- 請求項1から3のいずれかに記載の熱線遮蔽微粒子含有組成物と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤とを混練し、フィルム状に成形することにより製造されたことを特徴とする熱線遮蔽膜。
- 請求項4記載の熱線遮蔽膜が、二枚以上の透明基材の間に存在していることを特徴とする熱線遮蔽合わせ透明基材。
- 一般式MyWOZ(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示され、かつ六方晶の結晶構造を有する複合タングステン酸化物微粒子と、分散剤とを、沸点120℃以下の有機溶剤に分散して分散液を得る第1工程と、
第1工程で得られた分散液へ、前記分散剤I、II、または、前記有機溶剤に溶解した前記分散剤I、IIを添加して混合し、混合物を得る第2工程と、
第2工程で得られた混合物を乾燥して熱線遮蔽微粒子含有組成物とし、当該熱線遮蔽微粒子含有組成物に含有される前記有機溶剤の含有量を5質量%以下にする第3工程とを有する、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱線遮蔽微粒子含有組成物の製造方法。 - 前記分散液中において、前記複合タングステン酸化物微粒子の平均粒径を40nm以下とすることを特徴とする請求項6に記載の熱線遮蔽微粒子含有組成物の製造方法。
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CN104231500A (zh) * | 2013-06-18 | 2014-12-24 | 台虹科技股份有限公司 | 可塑化隔热组合物、及含其的透明隔热中间膜和透明隔热夹层板 |
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2011
- 2011-12-02 JP JP2011265287A patent/JP2013116977A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014192676A1 (ja) * | 2013-05-28 | 2014-12-04 | 住友金属鉱山株式会社 | 熱線遮蔽微粒子含有組成物およびその製造方法、熱線遮蔽膜、および、熱線遮蔽合わせ透明基材 |
US10308801B2 (en) | 2013-05-28 | 2019-06-04 | Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. | Heat ray-shielding particle-containing composition and method of producing the same, heat ray-shielding film, and heat ray-shielding laminated transparent base material |
CN104231500A (zh) * | 2013-06-18 | 2014-12-24 | 台虹科技股份有限公司 | 可塑化隔热组合物、及含其的透明隔热中间膜和透明隔热夹层板 |
CN104231306A (zh) * | 2013-06-18 | 2014-12-24 | 台虹科技股份有限公司 | 隔热可塑剂组合物、透明隔热中间膜及透明隔热夹层板 |
JP2015003853A (ja) * | 2013-06-18 | 2015-01-08 | 台虹科技股▲分▼有限公司 | 可塑化可能な断熱組成物、透明な断熱中間シート、および透明な断熱サンドイッチ構造パネル |
CN104231306B (zh) * | 2013-06-18 | 2016-03-30 | 台虹科技股份有限公司 | 隔热可塑剂组合物、透明隔热中间膜及透明隔热夹层板 |
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