JP5743806B2 - 窒化物半導体発光素子、窒化物半導体発光装置、及び窒化物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体発光素子、窒化物半導体発光装置、及び窒化物半導体発光素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、窒化物半導体発光素子、窒化物半導体発光装置、及び窒化物半導体発光素子の製造方法に関する。
従来、一般的な窒化物半導体発光素子では、サファイア基板上にn型窒化物半導体層、窒化物半導体発光層およびp型窒化物半導体層などが順次設けられている。また、そのn型窒化物半導体層側、及びp型窒化物半導体層側には、それぞれ、外部電源と接続するためのn側電極及びp側電極が形成されている。また、p型窒化物半導体層上のほぼ全面には、p型窒化物半導体層内の電流拡散を補助する目的のために、たとえばITO(Indium Tin Oxide;インジウム錫酸化物)で形成される透明導電膜などが電流拡散層として積層される。
さらに、この電流拡散層の上部には反射膜が積層される。この反射膜は、窒化物半導体発光層から電流拡散層に放射される光をサファイア基板側へ反射させることにより、窒化物半導体発光素子の光取り出し効率を向上させる目的で設けられ、通常、Ag,Alなど高反射率を持つ金属材料で形成される。たとえば、特許文献1や特許文献2では、透明導電膜の上に絶縁膜を挟んで金属反射膜が形成される窒化物半導体発光素子が提案されている。また、特許文献3では、透明導電膜の上に、複数の誘電体層から成る多重反射膜を挟んで金属反射膜が形成される窒化物半導体発光素子が提案されている。
特開2011−71444号公報 特開2006−108161号公報 特開2006−120913号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2のように窒化物半導体発光素子に金属反射膜を形成すると、金属反射膜に作用する電界や周囲湿度などの影響によるマイグレーションという現象により、信頼性に係る問題が生じる。また、特許文献3のように多層反射膜を形成すると、高い反射率を得るために何十層もの反射膜を積層する必要があるため、時間がかかるのみならず、コスト的に不経済であるという問題がある。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストで、反射率が高く信頼性も高い反射鏡を有する窒化物半導体発光素子、窒化物半導体発光装置、及び窒化物半導体発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の窒化物半導体発光素子は、基板と、前記基板の上に設けられる窒化物半導体積層部と、前記窒化物半導体積層部の上部に設けられる保護層と、を備え、前記窒化物半導体積層部が発光層を有し、前記基板と前記発光層との間、及び、前記発光層と前記保護層との間のうちの少なくとも一方に、エアーギャップ層が形成される。
上記構成によれば、基板と発光層との間、及び、発光層と保護層との間のうちの少なくとも一方に、エアーギャップ層を含む反射鏡が形成される。この反射鏡は発光層から放射される光に対して高い反射率を示す。また、この反射鏡には金属反射膜が含まれていないため、マイグレーション現象により信頼性が低下するという問題が発生しない。従って、低コストで、反射率が高く信頼性も高い反射鏡を有する窒化物半導体発光素子を得ることができる。
上記構成の窒化物半導体発光素子において、前記窒化物半導体積層部の上に設けられる電流拡散層をさらに備え、前記電流拡散層と前記保護層との間に、前記エアーギャップ層が設けられてもよい。
この構成により、”電流拡散層/エアーギャップ層/保護層”で構成される3層構造の反射鏡が形成される。電流拡散層とエアーギャップ層との界面では屈折率コントラストが高いため、この反射鏡は発光層から放射される光に対して高い反射率を示す。
また、上記構成の窒化物半導体発光素子において、前記窒化物半導体積層部が、前記基板と前記発光層との間に設けられる第1窒化物半導体層と、前記発光層と前記保護層との間の上に設けられる第2窒化物半導体層と、をさらに有し、前記第1窒化物半導体層内、及び、前記第2窒化物半導体層内のうちの少なくとも一方に、前記エアーギャップ層が形成されてもよい。
この構成により、第1窒化物半導体層内、及び、第2窒化物半導体層内のうちの少なくとも一方に、エアーギャップ層を含む反射鏡が形成される。そのため、発光層により近い位置に反射鏡を形成することができる。そのため、この反射鏡により発光層から放射される光をより効率良く反射することができる。従って、発光層から放射される光の利用効率をより高めることができる。
また、上記構成の窒化物半導体発光素子において、前記発光層の主面の法線方向に対して、前記エアーギャップ層と隣接するように設けられる固体層をさらに備え、前記固体層が、前記エアーギャップ層に対して高い屈折率コントラストを示すとともに、前記エアーギャップ層と対となって反射鏡を形成してもよい。
この構成によれば、発光層の主面の法線方向に対して、エアーギャップ層と隣接するように、エアーギャップ層に対して高い屈折率コントラストを示す固体層が設けられる。この固体層は、エアーギャップ層と対となって反射鏡として機能するDBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射型)ミラーを形成する。そのため、固体層とエアーギャップ層との界面では高い屈折率コントラストが得られる。従って、発光層から放射される光に対する反射鏡の反射率をさらに高めることができる。
また、上記構成の窒化物半導体発光素子において、前記窒化物半導体積層部の上部に設けられる接合電極と、前記窒化物半導体積層部と前記接合電極との間に設けられる第1高反射電極層と、をさらに備えてもよい。
この構成により、窒化物半導体積層部と接合電極との間に第1高反射電極層が設けられるので、発光層から放射される光を第1高反射電極層で反射することができる。従って、発光層から放射される光を接合電極に吸収されないようにすることができる。
また、上記構成の窒化物半導体発光素子において、前記窒化物半導体積層部が、前記基板と前記発光層との間に設けられる第1窒化物半導体層をさらに有し、前記第1窒化物半導体層の上部に設けられるコンタクト電極と、前記第1窒化物半導体層と前記コンタクト電極との間に設けられる第2高反射電極層と、をさらに備えてもよい。
この構成により、第1窒化物半導体層とコンタクト電極との間に第2高反射電極層が設けられるので、発光層から放射される光を第2高反射電極層で反射することができる。従って、発光層から放射される光をコンタクト電極に吸収されないようにすることができる。
また、上記目的を達成するために本発明の窒化物半導体発光装置は、基板と、前記基板の上に設けられ、発光層を有する窒化物半導体積層部と、前記窒化物半導体積層部の上部に設けられる保護層と、を有する窒化物半導体発光素子と、前記窒化物半導体発光素子が実装されるパッケージ基板と、前記パッケージ基板に実装された前記窒化物半導体発光素子を封止する透光性の樹脂封止部と、を備え、前記窒化物半導体発光素子の前記基板と前記発光層との間、前記窒化物半導体発光素子の前記発光層と前記保護層との間、及び前記パッケージ基板のうちの少なくとも1つに、エアーギャップ層が形成される。
上記構成によれば、窒化物半導体発光素子の基板と発光層との間、窒化物半導体発光素子の発光層と保護層との間、及びパッケージ基板のうちの少なくとも1つに、エアーギャップ層を含む反射鏡が形成される。この反射鏡は発光層から放射される光に対して高い反射率を示す。また、この反射鏡には金属反射膜が含まれていないため、マイグレーション現象により信頼性が低下するという問題が発生しない。従って、低コストで、反射率が高く信頼性も高い反射鏡を有する窒化物半導体発光装置を得ることができる。
また、上記目的を達成するために本発明の窒化物半導体発光素子の製造方法は、基板の上に、発光層を有する窒化物半導体積層部が設けられるステップと、前記窒化物半導体積層部の上部に、保護層が設けられるステップと、前記基板と前記発光層との間、及び、前記発光層と前記保護層との間のうちの少なくとも一方に、エアーギャップ層が形成されるステップと、を備える。
上記構成によれば、基板と発光層との間、及び、発光層と保護層との間のうちの少なくとも一方に、エアーギャップ層を含む反射鏡が形成される。この反射鏡は発光層から放射される光に対して高い反射率を示す。また、この反射鏡には金属反射膜が含まれていないため、マイグレーション現象により信頼性が低下するという問題が発生しない。従って、低コストで、反射率が高く信頼性も高い反射鏡を有する窒化物半導体発光素子の製造方法を得ることができる。
上記構成の窒化物半導体発光素子の製造方法において、前記発光層の主面の法線方向に対して前記エアーギャップ層と隣接するように、前記エアーギャップ層に対して高い屈折率コントラストを示すとともに前記エアーギャップ層と対となって反射鏡を形成する固体層が設けられるステップをさらに備えてもよい。
この構成により、発光層の主面の法線方向に対して、エアーギャップ層と隣接するように、前記エアーギャップ層に対して高い屈折率コントラストを示す固体層が設けられる。この固体層は、エアーギャップ層と対となって反射鏡として機能するDBRミラーを形成する。そのため、固体層とエアーギャップ層との界面では高い屈折率コントラストが得られる。従って、発光層から放射される光に対する反射鏡の反射率をさらに高めることができる。
本発明によれば、低コストで、反射率が高く信頼性も高い反射鏡を有する窒化物半導体発光素子、窒化物半導体発光装置、及び窒化物半導体発光素子の製造方法を得ることができる。
第1実施形態に係る窒化物半導体発光装置の断面構造図である。 第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の断面構造図である。 第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の各製造工程における断面図である。 第1実施形態に係る反射鏡の反射率の特性を示すグラフである。 第2実施形態に係る窒化物半導体発光装置の断面構造図である。 第3実施形態に係る窒化物半導体発光装置の断面構造図である。 第4実施形態に係る窒化物半導体発光装置の断面構造図である。 エアーギャップ層と固体層とが対となって形成されるDBRミラーの一例を示す構造図である。 第5実施形態に係る窒化物半導体発光装置の断面構造図である。 第5実施形態の変形例に係る窒化物半導体発光装置の断面構造図である。 第6実施形態に係る窒化物半導体発光素子の断面構造図である。 第7実施形態に係る窒化物半導体発光装置の断面構造図である。
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下において本発明の幾つかの実施形態が説明されるが、具体的な構成は本実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る窒化物半導体発光装置の断面構造図である。図1に示すように、第1実施形態に係る窒化物半導体発光装置1aは、フリップチップ型の窒化物半導体発光素子10aと、パッケージ基板20と、樹脂封止部30と、を備える。
パッケージ基板20の一方の主面にはバンプ21A、21Bが設けられており、他方の主面には、p側配線パターン22A及びn側配線パターン22Bが設けられている。また、パッケージ基板20には、一方の主面から他方の主面に貫通するスルーホール23A、23Bが設けられている。スルーホール23A、23Bの内側には導電経路が形成されており、バンプ21Aはスルーホール23A内に形成された導電経路を通じてp側配線パターン22Aと電気的に接続されており、バンプ21Bはスルーホール23B内に形成された導電経路を通じてn側配線パターン22Bと電気的に接続されている。
また、窒化物半導体発光素子10aの一方の主面には、p側接合電極14A及びn側接合電極14Bが設けられている。パッケージ基板20に窒化物半導体発光素子10aがフリップチップ実装されるとき、窒化物半導体発光素子10aのp側接合電極14Aがパッケージ基板20上のバンプ21Aと電気的に接続され、窒化物半導体発光素子10aのn側接合電極14Bがパッケージ基板20上のバンプ21Bと電気的に接続される。
樹脂封止部30は、パッケージ基板20の一方の主面に実装されたフリップチップ型の窒化物半導体発光素子10aを封止している。樹脂封止部30の材料は、透光性材料であればよく、特に限定しない。また、樹脂封止部30の材料は、樹脂材料であってもよいし、蛍光体や熱伝導性の高い充填材などを含む複合樹脂材料であってもよい。
次に、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子10aの構造について、詳細に説明する。図2は、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の断面構造図である。窒化物半導体発光素子10aは、図2に示すように、基板11と、窒化物半導体(InAlGa1−x−yN:0≦x<1、0≦y<1)を用いて形成される複数の窒化物半導体層で構成される窒化物半導体積層部12と、電流拡散層13と、p側接合電極14A(接合電極)と、n側接合電極14Bと、n側コンタクト電極15(コンタクト電極)と、高反射電極層16A〜16Cと、保護層17と、エアーギャップ層191と、を備えている。また、窒化物半導体積層部12は、バッファ層121と、n型コンタクト半導体層122(第1窒化物半導体層の一部)と、n型クラッド層123(第1窒化物半導体層の一部)と、発光層124と、p型半導体層125(第2窒化物半導体層)と、を有する。また、窒化物半導体発光素子10aが、その主面の法線方向から見て略矩形となっているが、窒化物半導体発光素子10aの形状はこれに限定されない。
基板11は、たとえばサファイア基板であり、(0001)面方位の主面を有している。基板11の主面には、複数の凸部110が形成されている。この凸部110は略円錐台状又は略円錐状をしている。基板11の主面の法線方向における凸部110の高さはたとえば0.6μmである。また、基板11の主面の法線方向からみた平面視において、基板11の主面での凸部110の平面形状は、たとえば直径1μmの円形となっている。また、基板11の主面の法線方向からみた平面視において、基板11の主面での各凸部110の平面形状の中心が仮想の正三角形の各頂点に位置するとともに、この仮想の正三角形の3辺の方向に配列するように、各凸部110が規則的に配置されている。また、各凸部110間のピッチはたとえば2μmである。このように、基板11の主面に複数の凸部110を形成すると、窒化物半導体発光素子10aの内部量子効果及び光取り出し効率を向上させることができる。
具体的には、LEPS(Lateral Epitaxy on the Patterned Substrate)法により、基板11の主面上に低転位密度の窒化物半導体積層部12を積層することができる。LEPS法では、たとえば凸部110の側面の略法線方向に優先して結晶成長をさせるので、結晶成長の過程においてファセット面により成長膜中の転位が曲げられる。その結果、結晶成長の過程において、基板11の主面の略法線方向への転位の伝播が抑制されるため、成長膜中の転位密度が低減する。そのため、窒化物半導体発光素子10aの内部量子効果を向上させることができる。
また、窒化物半導体積層部12の屈折率が大きいため、通常、窒化物半導体発光素子では内部で光の全反射が起こり易い。一方、本実施形態に係る窒化物半導体発光素子10aのように基板11の主面に複数の凸部110を形成すると、光を散乱させ、光の全反射を抑制することができる。また、各凸部110間のピッチを小さくすることにより、光の回折効果も期待できる。従って、窒化物半導体発光素子10aの光取り出し効率を向上させることができる。
また、基板11の主面上には、LEPS法により、窒化物半導体積層部12が積層されている。具体的には、たとえばAlNで形成されるバッファ層121を介して、n型コンタクト半導体層122が積層されている。また、n型コンタクト半導体層122の上面のうちの予め定められた一部領域(以下では、第1領域と呼ぶ。)には、n型クラッド層123が積層されている。n型クラッド層123の上部には、発光層124が積層されている。発光層124は、たとえば厚さ3.5nmのn型In0.15Ga0.85N量子井戸層と、たとえば厚さ6nmのSiドープGaN障壁層と、が交互に6回繰り返し積層された多重量子井戸構造を有している。また、発光層124の上には、Mgがドープされた窒化物半導体(InAlGa1−x−yN:0≦x<1、0≦y<1)で形成されるp型半導体層125が積層されている。p型半導体層125の上には、たとえば厚さ150nmのITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)で形成される電流拡散層13が積層されている。電流拡散層13の上面の一部領域には、高反射電極層16Aを介して、p側接合電極14Aが設けられている。
また、n型コンタクト半導体層122の上面のうち、第1領域を除いて、一部領域には、高反射電極層16Bを介してn側コンタクト電極15が設けられている。このn側コンタクト電極15の上面は、電流拡散層13の上面と略同じ高さとなっている。さらに、n側コンタクト電極15の上には、高反射電極層16Cを介して、n側接合電極14Bが設けられている。
なお、高反射電極層16A〜16Cは、高い反射率を有する反射膜であり、発光層124から放射される光がそれぞれp側接合電極14A、n側コンタクト電極15、n側接合電極14Bで吸収されないようにする目的で設けられる。高反射電極層16A〜16Cは、たとえばAl,AG,Pt,Rhなどで形成されるが、これらに限定されない。高反射電極層16A〜16Cは、発光層から放射される光に対して反射率が高く、導電性を有する材料で形成されていればよい。
窒化物半導体発光素子10aの上面(すなわち、p側接合電極14Aやn側接合電極14Bが設けられている側の主面)には、高反射電極層16B、16Cが形成されている領域やp側接合電極14A及びn側接合電極14Bの表面を除いて、保護層17が設けられている。より具体的に言えば、第1領域(n型クラッド層123が設けられている領域)や高反射電極層16Bが設けられる領域を除くn型コンタクト半導体層122の上面、窒化物半導体積層部12の側面、高反射電極層16Aが設けられる領域を除く電流拡散層13の上面及び側面、高反射電極層16Cが設けられる領域を除くn側コンタクト電極15の上面及び側面が、保護層17で覆われている。
また、電流拡散層13の上面のうち、高反射電極層16Aが設けられる領域を除いて、一部領域(以下では、第2領域と呼ぶ。)では、電流拡散層13と保護層17との間にエアーギャップ層191が形成されている。このエアーギャップ層191は、電流拡散層13と保護層17との間に設けられる空隙である。また、エアーギャップ層191の厚さは、{λ×1/(4nair)}の略奇数倍となっている。なお、λ/nairは発光層124から放射される光の空気中での波長である。また、λとnairはそれぞれ放射される光の真空中での波長とエアーギャップ層191(すなわち空気)の屈折率である。実際には、空気の屈折率はほぼ1であるため、エアーギャップ層191の厚さは、{λ×1/4}の略奇数倍、すなわち、発光層124から放射される光の真空中での波長の1/4の略奇数倍となっている。
このエアーギャップ層191の形成により、電流拡散層13の上面の第2領域では、”電流拡散層13/エアーギャップ層191/保護層17”で構成される3層構造の反射鏡19が形成される。このようなエアーギャップ層191を含む反射鏡19では、電流拡散層13とエアーギャップ層191との界面での屈折率コントラストが高いため、発光層124から放射される光に対して高い反射率を示す。また、この反射鏡19には、金属反射膜が含まれていないため、マイグレーション現象により信頼性が低下するという問題が発生しない。
なお、エアーギャップ層191は、後述するように、電流拡散層13の上面の第2領域に犠牲層18を形成し、保護層17を積層した後に、犠牲層18をエッチングにより除去して設けられる。そのため、第2領域の上部では、保護層17に開口171が設けられている。なお、本実施形態では、開口171がエアーギャップ層191の上部において形成されているが、エアーギャップ層191の側方において形成されていてもよい。また、開口171は、エアーギャップ層191の上部や側方において、少なくとも1つも設けられていればよい。また、開口171の周縁部がたとえばフッ素樹脂などを用いてコーティングされていてもよい。こうすれば、樹脂封止部30を形成する際に、樹脂封止部30の材料が開口171からエアーギャップ層191内に入り込まないようにすることができる。
次に、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子10aの製造方法について説明する。図3は、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の各製造工程における断面図である。
まず、(0001)面方位の主面を有する基板11を準備し、基板11の主面に、フォトリソグラフィやエッチングにより、複数の凸部110を形成した。そして、図3(a)に示すように、複数の凸部110が形成された基板11の主面上に、LEPS法により、窒化物半導体積層部12を形成した。
具体的には、複数の凸部110が形成された基板11の主面上に、バッファ層121を形成した後、n型コンタクト半導体層122及びn型クラッド層123(第1窒化物半導体層)を順次形成した。
次に、基板温度が約890℃である条件下にて、n型クラッド層123の上に、n型In0.15Ga0.85N量子井戸層を形成した後、SiドープGaN障壁層を形成した。この工程を交互に6回繰り返し行うことにより、多重量子井戸構造を有する発光層124を形成した。
そして、発光層124の上にp型半導体層125(第2窒化物半導体層)を形成した後、電流拡散層13として、厚さ150nmのITO透明導電膜をスパッタによりp型半導体層125の上に成膜した。このとき、電流拡散層13として形成したITO透明導電膜のシート抵抗を測定したところ、約200Ω/□であった。
電流拡散層13を成膜した後、酸素2%と窒素98%の混合ガス雰囲気中で基板温度が600℃である条件下にて、10分の第1アニール処理を行った。第1アニール処理を行った後に、電流拡散層13として形成したITO透明導電膜の透過率を測定したところ、波長450nmの光に対する透過率が94%以上に高められていた。
第1アニール処理の終了後、電流拡散層13を一旦大気に曝した後、再び炉内に戻し、真空雰囲気中で基板温度が500℃である条件下にて、5分の第2アニール処理を行った。第2アニール処理を行った後に、電流拡散層13として形成したITO膜のシート抵抗を測定したところ、11Ω/□まで低下していた。このように、この第2アニール処理を施すことにより、電流拡散層13として形成したITO透明導電膜のシート抵抗を低下させることができる。
第2アニール処理後、フォトリソグラフィ法などを用いて、電流拡散層13の上面のうちの一部領域を部分的にエッチングした。この第1エッチング処理により、図3(b)に示すように、電流拡散層13、p型半導体層125、発光層124、n型クラッド層123、n型コンタクト半導体層122の一部が除去された。このとき、電流拡散層13の上面の鉛直上方から平面視すると、n型コンタクト半導体層122の上面のうち、第1領域(n型クラッド層123が積層されている領域)以外の領域が露出した状態となった。
n型コンタクト半導体層122上の露出した領域のうちの一部領域には、図3(c)に示すように、n側コンタクト電極15を設けた。また、n型コンタクト半導体層122とn側コンタクト電極15との間には、高反射電極層16Bを設けた。これらの層は、フォトリソグラフィ法を利用して、電子線蒸着及びリフトオフ法により形成される。たとえば、フォトリソグラフィ法を用いて、図3(b)の状態の窒化物半導体発光素子10aの主面上に、高反射電極層16Bを形成する領域(すなわち、n型コンタクト半導体層122が露出した領域のうちの一部領域)を除いて、フォトレジストパターンを形成する。そして、電子線蒸着法により高反射電極層16Bとn側コンタクト電極15とを順次積層する。n側コンタクト電極15の上面が電流拡散層13の上面と略同じ高さになるまでn側コンタクト電極15を積層した後、リフトオフ法により、フォトレジストパターン上に形成された高反射電極層16B及びn側コンタクト電極15をフォトレジストパターンごと除去する。
次に、図3(d)に示すように、電流拡散層13の上面のうちの一部領域(第2領域)に、犠牲層18を形成した。この犠牲層18の厚さは{λ×1/(4nair)}の略奇数倍とした。なお、λ/nairは発光層124から放射される光の空気中での波長である。また、λとnairはそれぞれ放射される光の真空中での波長と空気の屈折率である。また、実際には、空気の屈折率はほぼ1となるため、犠牲層18の厚さは{λ×1/4}の略奇数倍、すなわち、発光層124から放射される光の真空中での波長の1/4の略奇数倍とした。そして、図3(e)に示すように、プラズマ化学蒸着(PCVD)により、窒化物半導体発光素子10aの上面全体に保護層17を形成した。なお、犠牲層18の材料は、たとえばSi、Al、Cuなどを挙げることができるが、これらに限定しない。犠牲層18の材料は、保護層17や電流拡散層13とエッチング特性が著しく異なる材料であればよい。また、保護層17の材料は、保護層17の形成工程に熱が加えなければ、フォトレジスト材料を用いてもよい。
なお、保護層17の形成工程では、犠牲層18の上部又は側方において、エッチング処理により犠牲層18を除去するための開口171が保護層17に設けられる。なお、本実施形態では、2つの開口171が形成されているが、これに限定されない。犠牲層18の上部又は側方において、少なくとも1つの開口171が保護層17に形成されていればよい。また、保護層17に開口171を形成した後、たとえばフッ素樹脂などを用いて、開口171の周縁部をコーティングしてもよい。こうすれば、樹脂封止部30を形成する際に、樹脂封止部30の材料が開口171からエアーギャップ層191内に入り込まないようにすることができる。
保護層17を形成した後、図3(f)に示すように、フォトリソグラフィ法を利用して、犠牲層18をエッチング処理により除去した。このエッチング処理により、電流拡散層13の上面の第2領域にエアーギャップ層191を形成した。このエアーギャップ層191の厚さは、{λ×1/(4nair)}の略奇数倍となっている。実際には、空気の屈折率はほぼ1となるため、エアーギャップ層191の厚さは、{λ×1/4}の略奇数倍となる。こうすることにより、電流拡散層13の上面の第2領域に、”電流拡散層13/エアーギャップ層191/保護層17”で構成される3層構造の反射鏡19が形成される。このようなエアーギャップ層191を含む反射鏡19では、電流拡散層13とエアーギャップ層191との界面での屈折率コントラストが高いため、発光層124から放射される光に対して高い反射率を示す。
次に、電子線蒸着法とフォトリソグラフィ法を用いて、図3(f)に示すように、電流拡散層13の上面のうちの第2領域を除く一部領域において、保護層17を除去するとともに、高反射電極層16Aとp側接合電極14Aとを順次設けた。同様に、電子線蒸着法とフォトリソグラフィ法を利用して、図3(f)に示すように、n側コンタクト電極15の上面の一部領域において、保護層17を除去するとともに、高反射電極層16Cとn側接合電極14Bとを順次設けた。なお、このとき、p側接合電極14A及びn側接合電極14Bは、p側接合電極14Aの上面とn側接合電極14Bの上面とが略同じ高さとなるように設けている。
以上により、第1実施形態では、”電流拡散層13/エアーギャップ層191/保護層17”で構成される3層構造の反射鏡19を有する略矩形のフリップチップ型の窒化物半導体発光素子10aを得ることができる。
次に、第1実施形態に係る反射鏡19の反射率特性について、エアーギャップ層を形成しない比較例と比較して説明する。図4は、第1実施形態に係る反射鏡の反射率の特性を示すグラフである。図4(a)は入射角度0°で入射する各波長の光に対する反射鏡の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフであり、図4(b)は異なる入射角度で入射する波長450nmの光に対する反射鏡の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。図4(a)に示すように、第1実施形態に係る反射鏡19では、入射角度0°で入射する420〜490nmの波長域の光に対しておよそ40%以上の高い反射率を示した。対して、エアーギャップ層を形成しない比較例では、3%以下の低い反射率しか示さなかった。また、光の入射角度に対する反射率の測定結果についても同様に、20°未満の入射角度で入射する波長450nmの光に対して、図4(b)に示すように、第1実施形態に係る反射鏡19は、エアーギャップ層を形成しない比較例よりも高い反射率を示した。
このように、第1実施形態に係る窒化物半導体発光装置1aでは、窒化物半導体発光素子10aにおいて、電流拡散層13と保護層17との間に、エアーギャップ層191が設けられる。こうすれば、”電流拡散層13/エアーギャップ層191/保護層17”で構成される3層構造の反射鏡19が形成される。電流拡散層13とエアーギャップ層191との界面では屈折率コントラストが高いため、この反射鏡19を発光層124から放射される光に対して高い反射率を示す。
なお、上述の第1実施形態では、電流拡散層13と保護層17との間に、エアーギャップ層191が形成されているが、これに限定しない。窒化物半導体発光素子10aにおいて、エアーギャップ層191は、基板11と発光層124との間、及び、発光層124と保護層17との間のうちの少なくともに一方に形成されていればよい。たとえば、エアーギャップ層191が、p型半導体層125と電流拡散層13との間、又は、p型半導体層125内に形成されてもよい。或いは、エアーギャップ層191が、n型コンタクト半導体層122内、又は、n型クラッド層123内、若しくは、n型コンタクト半導体層122とn型クラッド層123との間に設けられていてもよい。
こうすれば、基板11と発光層124との間、及び、発光層124と保護層17との間のうちの少なくとも一方に、エアーギャップ層191を含む反射鏡19を形成することができる。この反射鏡19は発光層124から放射される光に対して高い反射率を示す。また、この反射鏡19には金属反射膜が含まれていないため、マイグレーション現象により信頼性が低下するという問題が発生しない。従って、低コストで、反射率が高く信頼性も高い反射鏡を有する窒化物半導体発光素子10a、窒化物半導体発光装置1a、及び窒化物半導体発光素子10aの製造方法を得ることができる。
また、上述の第1実施形態では、1つのエアーギャップ層191が形成されているが、基板11と発光層124との間、及び、発光層124と保護層17との間のうちの少なくとも2箇所以上に、複数のエアーギャップ層191が形成されていてもよい。こうすれば、エアーギャップ層191を含む反射鏡19が複数形成されるので、発光層124から放射される光の利用効率をさらに高めることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る窒化物半導体発光装置1bについて説明する。図5は、第2実施形態に係る窒化物半導体発光装置の断面構造図である。第2実施形態では、窒化物半導体発光素子10bの電流拡散層13の上面の一部領域に加えて、保護層17の上にも高反射電極層16Aとp側接合電極14Aとが順次設けられる。この点以外は、第1実施形態と同様である。以下に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同じ又は相当する部分については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態に係る窒化物半導体発光装置1bでは、図5に示すように、窒化物半導体発光素子10bにおいて、”電流拡散層13/エアーギャップ層191/保護層17”で構成される3層構造の反射鏡19の上部に、高反射電極層16Aがさらに設けられる。こうすると、発光層124から放射される光が、反射鏡19のほか、高反射電極層16Aでも反射される。従って、発光層124から放射される光の利用効率をさらに高めることができる。
なお、上述の第2実施形態では、電流拡散層13と保護層17との間に、エアーギャップ層191を設けているが、これに限定しない。エアーギャップ層191は、基板11と発光層124との間、及び、発光層124と保護層17との間のうちの少なくとも一方に形成されていればよい。また、基板11と発光層124との間、及び、発光層124と保護層17との間のうちの少なくとも2箇所以上に、複数のエアーギャップ層191が形成されていてもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る窒化物半導体発光装置1cについて説明する。図6は、第3実施形態に係る窒化物半導体発光装置の断面構造図である。第3実施形態では、発光層124から放射される光を反射するための高反射膜24がパッケージ基板20の主面上に設けられる。この点以外は、第1実施形態と同様である。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同じ又は相当する部分については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
窒化物半導体発光装置1cでは高反射膜24をパッケージ基板20の主面上に設けているので、発光層124から放射される光が、パッケージ基板20の主面上に設けられる高反射膜24でも反射されるので、発光層124から放射される光の利用効率をさらに高めることができる。なお、高反射膜24の材料は、たとえばAl,AG,Pt,Rhなどを用いることができるが、発光層124から放射される光に対する反射率が高い材料であればよく、これらに限定されない。
また、第3実施形態の変形例として、第2実施形態の窒化物半導体発光装置1bのパッケージ基板20の主面上に、上述の高反射膜24を設けてもよい。
また、上述の第3実施形態では、電流拡散層13と保護層17との間に、エアーギャップ層191を設けているが、これに限定しない。エアーギャップ層191は、基板11と発光層124との間、及び、発光層124と保護層17との間のうちの少なくとも一方に形成されていればよい。また、基板11と発光層124との間、及び、発光層124と保護層17との間のうちの少なくとも2箇所以上に、複数のエアーギャップ層191が形成されていてもよい。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る窒化物半導体発光装置1dについて説明する。図7は、第4実施形態に係る窒化物半導体発光装置の断面構造図である。第4実施形態では、窒化物半導体発光素子10dが、電流拡散層13と保護層17との間において、発光層124の主面の法線方向に対して、エアーギャップ層191と隣接するように設けられる固体層192をさらに備える。この固体層192は、エアーギャップ層191に対して高い屈折率コントラストを示す材料を用いて形成されており、エアーギャップ層191と対となって反射鏡として機能するDBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射型)ミラー19を形成する。また、エアーギャップ層191と固体層192とは、発光層124の主面の法線方向に対して交互に設けられる。この点以外は、第1実施形態と同様である。以下に、第4実施形態について説明するが、第1実施形態と同じ又は相当する部分については、同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
図8は、エアーギャップ層と固体層とが対となって形成されるDBRミラーの一例を示す構造図である。図8では、5層のエアーギャップ層191と6層の固体層192とが、(固体層192)/(エアーギャップ層191)/(固体層192)/・・・/(固体層192)/(エアーギャップ層191)/(固体層192)の順で交互に、発光層124の主面の法線方向に対して隣接するように設けられている。そのため、電流拡散層13の上面の第2領域には、エアーギャップ層191と固体層192とが5つのペアとなって構成されるDBRミラー19が形成されている。言い換えると、電流拡散層13の上面の第2領域に、”電流拡散層13/(エアーギャップ層191及び固体層192)の5ペア/保護層17”で構成される多層構造のDBRミラー19が形成される。また、各エアーギャップ層191には、後述する犠牲層18の一部18aが残っている。犠牲層18の一部18aによりエアーギャップ層191の上下の層が支えられるため、エアーギャップ層191は潰れ難くなっている。
また、DBRミラー19を形成する各エアーギャップ層191の厚さは、{λ×1/(4nair)}の略奇数倍となっている。なお、λ/nairは発光層124から放射される光の空気中での波長である。また、λとnairはそれぞれ放射される光の真空中での波長とエアーギャップ層191(すなわち空気)の屈折率である。実際には、空気の屈折率はほぼ1となるため、エアーギャップ層191の厚さは{λ×1/4}の略奇数倍となる。また、DBRミラー19を形成する各固体層192の厚さは、{λ×1/(4nSC)}の略奇数倍となっている。なお、λ/nscは発光層124から放射される光の固体層192中での波長である。また、λとnscはそれぞれ放射される光の真空中での波長の波長と固体層192の屈折率である。
また、第4実施形態のように、電流拡散層13と保護層17との間に固体層192を形成する場合には、一般的に、スパッタや電子線蒸着などが用いられる。そのため、第4実施形態では、固体層192の材料を、たとえばSiO、SiN、TiOなどの誘電体材料(特に光学特性に優れた誘電体材料)を用いて形成している。
このように、発光層124の主面の法線方向に対してエアーギャップ層191と交互に隣接するように、固体層192を設けると、エアーギャップ層191と固体層192とが対となって反射鏡として機能するDBRミラー19を形成する。そのため、エアーギャップ層191と固体層192との界面では高い屈折率コントラストが得られる。従って、発光層124から放射される光に対するDBRミラー19の反射率をさらに高めることができる。さらに、このDBRミラー19では、従来のDBRミラーと比べてより少ない層数(或いはペア数)で高い反射率を得ることができる。
なお、DBRミラー19を形成するエアーギャップ層191及び固体層192の数及び配列や、エアーギャップ層191及び固体層192のペアの数は、図8の例に限定されない。エアーギャップ層191及び固体層192はそれぞれ1層以上であればよい。また、たとえばm層(mは1以上の整数)のエアーギャップ層191と(m−1)層の固体層192とが(エアーギャップ層191)/(固体層192)/(エアーギャップ層191)/(固体層192)/・・・/(固体層192)m−1/(エアーギャップ層191)の順で交互に、発光層124の主面の法線方向に対して隣接するように設けられていてもよい。或いは、m層のエアーギャップ層191とm層の固体層192とが、電流拡散層13の上に、たとえば(エアーギャップ層191)/(固体層192)/(エアーギャップ層191)/(固体層192)/・・・/(エアーギャップ層191)/(固体層192)の順で交互に、発光層124の主面の法線方向に対して隣接するように設けられていてもよい。
このような、DBRミラー19を有する窒化物半導体発光素子10dは、その製造工程において、電流拡散層13の上面の第2領域で、犠牲層18の形成工程と固体層192の形成工程とを繰り返し行った後、エッチングによる犠牲層18の除去工程を行うことにより得ることができる。
たとえば、第1実施形態と同様に、電流拡散層13の上の第2領域に犠牲層18の形成工程を行った後、フォトリソグラフィ法を利用してスパッタや電子線蒸着などとリフトオフ法により、犠牲層18の表面(たとえば上面及び側面)に固体層192を形成する。このとき、各犠牲層18の上部又は側方において、エッチング処理により犠牲層18を除去するための開口(不図示)が固体層192に設けられる。そして、上記と同様に、形成した固体層192の上に犠牲層18を形成する工程と、固体層192の形成工程と、を繰り返し行う。
次に、犠牲層18及び固体層192をそれぞれ所望の層数及び順番で交互に形成した後、フォトリソグラフィ法を利用したリフトオフ法とエッチング処理により、犠牲層18及び固体層192の交互積層構造体をパターニングする。そして、ウェットエッチング処理により、各犠牲層18を除去して、各エアーギャップ層191を形成する。このとき、犠牲層18及び固体層192に対してエッチングレート選択性があるエッチング液を用いる。具体的には、犠牲層18に対するエッチングレートが固体層192に対するエッチングレートよりも大きくなるようなエッチング液を用いて、エアーギャップ層191を形成する。また、ウェットエッチング処理により各犠牲層18を除去するとき、犠牲層18の一部18aが残るように、ウェットエッチング処理を行う。こうすれば、エアーギャップ層191内において、残った犠牲層18の一部18aがエアーギャップ層191の上下の層を支えることができるので、エアーギャップ層191を潰れ難くすることができる。
このようにして、エアーギャップ層191及び固体層192をそれぞれ所望の層数及び順番で交互に形成することにより、エアーギャップ層191及び固体層192が対となって反射鏡として機能するDBRミラー19が形成される。こうして、DBRミラー19を形成した後、プラズマ化学蒸着(PCVD)により、窒化物半導体発光素子10dの上面全体に保護層17を形成する。
なお、第4実施形態において形成される各犠牲層18の厚さ(言い換えると、各エアーギャップ層191の厚さ)は、{λ×1/(4nair)}の略奇数倍とする。実際には、空気の屈折率はほぼ1であるため、各犠牲層18の厚さは{λ×1/4}の略奇数倍とする。また、各固体層192の厚さは、{λ×1/(4nSC)}の略奇数倍とする。また、第4実施形態では、犠牲層18の材料には、固体層192とエッチング特性が著しく異なる誘電体材料(特に光学特性に優れた誘電体材料)を用いる。
また、第4実施形態の変形例として、第2実施形態と同様に、電流拡散層13の上面の一部領域に加えて、保護層17の上にも、高反射電極層16A及びp側接合電極14Aが順次設けられていてもよい。また、第4実施形態の変形例として、さらに、第3実施形態と同様の高反射膜24をパッケージ基板20の主面上に設けてもよい。こうすれば、発光層124から放射される光が、高反射電極層16Aや、パッケージ基板20の主面上に設けられる高反射膜24でも反射されるので、発光層124から放射される光の利用効率をさらに高めることができる。
また、上述の第4実施形態では、電流拡散層13と保護層17との間に、エアーギャップ層191及び固体層192で構成されるDBRミラー19が形成されているが、DBRミラー19が、たとえばp型半導体層125内に形成されていてもよい。
<第5実施形態>
図9は、第5実施形態に係る窒化物半導体発光装置の断面構造図である。第5実施形態に係る窒化物半導体発光装置1eでは、窒化物半導体発光素子10eにおいて、たとえば図8に示すようなDBRミラー19が、電流拡散層13の上面の第2領域に代えて、p型半導体層125内に設けられる。また、電流拡散層13の上面のほぼ全域に、高反射電極層16Aを介して、p側接合電極14Aが設けられている。これらの点以外は、第1実施形態や第4実施形態と同様である。以下に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態や第4実施形態と同じ又は相当する部分については、同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
こうすれば、窒化物半導体発光素子10eにおいて、発光層124により近い位置にDBRミラー19を形成することができる。そのため、DBRミラー19により、発光層124から放射される光をより効率良く反射することができる。従って、発光層124から放射される光の利用効率をより高めることができる。
このような、DBRミラー19を有する窒化物半導体発光素子10eは、p型半導体層125を予め定めた厚さだけ積層する途中で、第4実施形態と同様に、犠牲層18の形成工程と固体層192の形成工程とを繰り返し行った後、エッチングによる犠牲層18の除去工程を行うことにより得ることができる。なお、窒化物半導体積層部12を構成する窒化物半導体層の内部に固体層192を形成する場合には、一般的に、MOCVD法などが用いられる。そのため、第5実施形態では、犠牲層18や固体層192を、たとえば窒化物半導体(InAlGa1−x−yN:0≦x<1、0≦y<1)などの半導体材料を用いて形成している。
たとえば、第1実施形態や第4実施形態と同様に、p型半導体層125Aを所定の厚さだけ積層した後に、p型半導体層125Aの上面に犠牲層18を形成する。そして、フォトリソグラフィ法を利用して、スパッタや電子線蒸着などとリフトオフ法により、犠牲層18の表面(たとえば上面及び側面)に固体層192を形成する。このとき、各犠牲層18の上部又は側方において、エッチング処理により犠牲層18を除去するための開口(不図示)が固体層192に設けられる。そして、上記と同様に、形成した固体層192の上に犠牲層18を形成する工程と、固体層192の形成工程と、を繰り返し行う。
次に、犠牲層18及び固体層192をそれぞれ所望の層数及び順番で交互に形成した後、ウェットエッチング処理により、各犠牲層18を除去して、各エアーギャップ層191を形成する。このとき、犠牲層18及び固体層192に対してエッチングレート選択性があるエッチング液を用いる。具体的には、犠牲層18に対するエッチングレートが固体層192に対するエッチングレートよりも大きくなるようなエッチング液を用いて、エアーギャップ層191を形成する。また、ウェットエッチング処理により各犠牲層18を除去するとき、犠牲層18の一部18aが残るように、ウェットエッチング処理を行う。こうすれば、エアーギャップ層191内において、残った犠牲層18の一部18aがエアーギャップ層191の上下の層を支えることができるので、エアーギャップ層191を潰れ難くすることができる。さらに、半導体材料を用いて犠牲層18及び固体層192を形成しているので、残った犠牲層18の一部18aを利用して、エアーギャップ層191の上下に形成された2つの固体層192間を導通させることができる。
このようにして、エアーギャップ層191及び固体層192をそれぞれ所望の層数及び順番で交互に形成することにより、エアーギャップ層191及び固体層192が対となって反射鏡として機能するDBRミラー19が形成される。こうして、DBRミラー19を形成した後、再びp型半導体層125Bを積層する。
なお、第5実施形態において形成される各エアーギャップ層191の厚さ(言い換えると各犠牲層18の厚さ)は、{λ×1/(4nair)}の略奇数倍とする。なお、λ/nairは発光層124から放射される光の空気中での波長であり、λとnairはそれぞれ放射される光の真空中での波長とエアーギャップ層191(すなわち空気)の屈折率である。実際には、空気の屈折率はほぼ1であるため、各犠牲層18の厚さは{λ×1/4}の略奇数倍とする。また、各固体層192の厚さは、{λ×1/(4nSC)}の略奇数倍とする。なお、λ/nscは発光層124から放射される光の固体層192中での波長であり、λとnscはそれぞれ放射される光の真空中での波長の波長と固体層192の屈折率である。また、第5実施形態では、犠牲層18の材料には、固体層192とエッチング特性が著しく異なる半導体材料を用い、固体層192の材料には、エアーギャップ層191に対して高い屈折率コントラストを示す半導体材料を用いる。
なお、第5実施形態では、DBRミラー19がp型半導体層125内に形成されているが、これに限定されず、DBRミラー19は発光層124と保護層17との間に形成されていればよい。図10は、第5実施形態の変形例に係る窒化物半導体発光装置の断面構造図である。図10に示す第5実施形態の変形例に係る窒化物半導体発光装置1fでは、窒化物半導体発光素子10fにおいて、たとえば図8に示すようなDBRミラー19が、電流拡散層13の上面の第2領域に代えて、p型半導体層125と電流拡散層13との間に形成される。このようにしても、発光層124に近い位置にDBRミラー19を形成することができる。そのため、このDBRミラー19により発光層124から放射される光をより効率良く反射することができる。従って、発光層124から放射される光の利用効率をより高めることができる。
また、第5実施形態の他の変形例として、第2実施形態と同様に、電流拡散層13の上面の一部領域に加えて、保護層17の上にも、高反射電極層16A及びp側接合電極14Aが順次設けられていてもよい。また、第5実施形態の他の変形例として、さらに、第2実施形態と同様の高反射膜24をパッケージ基板20の主面上に設けてもよい。こうすれば、発光層124から放射される光が、高反射電極層16Aや、パッケージ基板20の主面上に設けられる高反射膜24でも反射されるので、発光層124から放射される光の利用効率をさらに高めることができる。
このように、上述の第1〜第5実施形態では、窒化物半導体発光素子10において、DBRミラー19が発光層124と保護層17との間に設けられているが、窒化物半導体発光素子10をパッケージ基板20にフリップチップ実装しない場合には、DBRミラー19が基板11と発光層124との間に設けられていてもよい。
<第6実施形態>
図11は、第6実施形態に係る窒化物半導体発光素子の断面構造図である。図11に示すように、第6実施形態に係る窒化物半導体発光素子10gでは、たとえば図8に示すようなDBRミラー19がn型コンタクト半導体層122内に形成される。また、電流拡散層13の上面では、高反射電極層16Aが設けられる領域を除く領域(第2領域)に保護層17が形成される。これら以外の窒化物半導体発光素子10gの構成は、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子10aと同じである。
また、第6実施形態に係る窒化物半導体発光装置(不図示)では、窒化物半導体発光素子10gが、フリップチップ実装されず、たとえば配線など用いてパッケージ基板20に実装される。さらに、パッケージ基板20の主面の法線方向において、窒化物半導体発光素子10gのDBRミラー19が発光層124よりもパッケージ基板20側に位置するように、窒化物半導体発光素子10gはパッケージ基板20に実装される。たとえば、窒化物半導体発光素子10gの基板11側の主面がパッケージ基板20の主面と対向するように、窒化物半導体発光素子10gがパッケージ基板20に実装される。
なお、第6実施形態において、第1実施形態と同じ又は相当する部分については、同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
このようにしても、窒化物半導体発光素子10gにおいて、発光層124により近い位置にDBRミラー19を形成することができる。そのため、DBRミラー19により、発光層124から放射される光をより効率良く反射することができる。従って、発光層124から放射される光の利用効率をより高めることができる。
このようなDBRミラー19を有する窒化物半導体発光素子10gは、n型コンタクト半導体層122を予め定めた厚さだけ積層する途中で、第5実施形態と同様に、犠牲層18の形成工程と固体層192の形成工程とを繰り返し行った後、エッチングによる犠牲層18の除去工程を行うことにより得ることができる。なお、窒化物半導体積層部12を構成する窒化物半導体層の内部に固体層192を形成する場合には、一般的に、MOCVD法などが用いられる。そのため、第6実施形態では、犠牲層18や固体層192を、たとえば窒化物半導体(InAlGa1−x−yN:0≦x<1、0≦y<1)などの半導体材料を用いて形成している。
たとえば、窒化物半導体積層部12の積層工程において、n型コンタクト半導体層122Aを所定の厚さだけ積層した後に、n型コンタクト半導体層122Aの上面に犠牲層18を形成する。そして、フォトリソグラフィ法を利用してスパッタや電子線蒸着などとリフトオフ法により、形成した犠牲層18の表面(たとえば上面及び側面)に固体層192を形成する。このとき、各犠牲層18の上部又は側方において、エッチング処理により犠牲層18を除去するための開口(不図示)が固体層192に設けられる。そして、上記と同様に、形成した固体層192の上に犠牲層18を形成する工程と、固体層192の形成工程と、を繰り返し行う。
次に、犠牲層18及び固体層192をそれぞれ所望の層数及び順番で交互に形成した後、ウェットエッチング処理により、各犠牲層18を除去して、各エアーギャップ層191を形成する。このとき、犠牲層18及び固体層192に対してエッチングレート選択性があるエッチング液を用いる。具体的には、犠牲層18に対するエッチングレートが固体層192に対するエッチングレートよりも大きくなるようなエッチング液を用いて、エアーギャップ層191を形成する。また、ウェットエッチング処理により各犠牲層18を除去するとき、犠牲層18の一部18aが残るように、ウェットエッチング処理を行う。こうすれば、エアーギャップ層191内において、残った犠牲層18の一部18aがエアーギャップ層191の上下の層を支えることができるので、エアーギャップ層191を潰れ難くすることができる。さらに、半導体材料を用いて犠牲層18及び固体層192を形成しているので、残った犠牲層18の一部18aを利用して、エアーギャップ層191の上下に形成された2つの固体層192間を導通させることができる。
このようにして、エアーギャップ層191及び固体層192をそれぞれ所望の層数及び順番で交互に形成することにより、エアーギャップ層191及び固体層192が対となって反射鏡として機能するDBRミラー19が形成される。こうして、DBRミラー19を形成した後、再びn型コンタクト半導体層122Bを積層する。
なお、第6実施形態において形成される各エアーギャップ層191の厚さ(言い換えると、各犠牲層18の厚さ)は、{λ×1/(4nair)}の略奇数倍とする。実際には、空気の屈折率はほぼ1であるため、各エアーギャップ層191の厚さは{λ×1/4}の略奇数倍とする。また、各固体層192の厚さは、{λ×1/(4nSC)}の略奇数倍とする。また、第6実施形態では、犠牲層18の材料には、固体層192とエッチング特性が著しく異なる半導体材料を用い、固体層192の材料には、エアーギャップ層191に対して高い屈折率コントラストを示す半導体材料を用いる。なお、電流拡散層13とn側接合電極14Bとの間の導電経路が確保できれば、犠牲層18や固体層192の材料に、たとえばSiO、SiN、TiOなどの誘電体材料(特に光学特性に優れた誘電体材料)を用いてもよい。
なお、第6実施形態では、窒化物半導体発光素子10gにおいて、DBRミラー19がn型コンタクト半導体層122内に形成されているが、これに限定されない。DBRミラー19は、基板11と発光層124との間に形成されていればよい。たとえば、第6実施形態の変形例として、n型コンタクト半導体層122とn型クラッド層123との間にDBRミラー19が形成されてもよい。このようにしても、発光層124に近い位置にDBRミラー19を形成することができる。そのため、このDBRミラー19により発光層124から放射される光をより効率良く反射することができる。従って、発光層124から放射される光の利用効率をより高めることができる。
また、第6実施形態の他の変形例として、第3実施形態と同様の高反射膜24がパッケージ基板20の主面上に設けられていてもよい。こうすれば、発光層124から放射される光が、パッケージ基板20の主面上に設けられる高反射膜24でも反射されるので、発光層124から放射される光の利用効率をさらに高めることができる。
このように、上述の第1〜第6実施形態に係る窒化物半導体発光装置1a〜1gでは、DBRミラー19が窒化物半導体発光素子10に設けられているが、DBRミラー19がパッケージ基板20に設けられていてもよい。
<第7実施形態>
図12は、第7実施形態に係る窒化物半導体発光装置の断面構造図である。第7実施形態に係る窒化物半導体発光装置1hでは、窒化物半導体発光素子10hの発光層124と保護層17との間や基板11と発光層124との間に代えて、たとえば図8に示すようなDBRミラー19がパッケージ基板20内に設けられている。それ以外は、第1〜第6実施形態と同じである。なお、第7実施形態において、第1〜第6実施形態と同じ又は相当する部分については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
窒化物半導体発光装置1hでは、たとえばDBRミラー19がパッケージ基板20内に設けられているので、発光層124から放射される光がパッケージ基板20に設けられる高反射率のDBRミラー19により反射されるので、発光層124から放射される光をより効率良く利用することができる。
なお、第7実施形態では、DBRミラー19がパッケージ基板20内に形成されているが、これに限定されない。たとえば、DBRミラー19が、パッケージ基板20の上面(バンプ21A、21Bが設けられる側の主面)に設けられていてもよいし、パッケージ基板20の裏面(n側配線パターン22Aやp側配線パターン22Bが設けられる側の主面)に設けられていてもよい。
また、第7実施形態の変形例として、窒化物半導体発光装置1hにおいて、第2実施形態と同様に、電流拡散層13の上面の一部領域に加えて、保護層17の上にも、高反射電極層16A及びp側接合電極14Aが順次設けられていてもよい。また、第7実施形態の変形例として、窒化物半導体発光装置1hにおいて、さらに、第3実施形態と同様の高反射膜24をパッケージ基板20の主面上に設けてもよい。こうすれば、発光層124から放射される光が、窒化物半導体発光装置1hの高反射電極層16Aや、パッケージ基板20の主面上に設けられる高反射膜24でも反射されるので、発光層124から放射される光の利用効率をさらに高めることができる。
上述のように、第1〜第7実施形態では、反射鏡19が、窒化物半導体発光素子10の発光層124と保護層17との間、基板11と発光層124との間、及び、パッケージ基板のうちの1つに設けられているが、これに限定されない。
反射鏡19は、窒化物半導体発光素子10の発光層124と保護層17との間、窒化物半導体発光素子10の基板11と発光層124との間、及び、パッケージ基板のうちの少なくとも1つに設けられていればよい。たとえば、窒化物半導体発光素子10において、発光層124と保護層17との間、及び、基板11と発光層124との間の両方に反射鏡19が設けられていてもよい。こうすれば、窒化物半導体発光素子10において、発光層124と保護層17との間に形成される反射鏡19と、基板11と発光層124との間に形成される反射鏡19で、発光層124から放射される光を反射することができるので、発光層124から放射される光の利用効率をさらに高めることができる。
また、たとえば、反射鏡19が、第1〜第6実施形態と同様に窒化物半導体発光素子10に設けられるとともに、第7実施形態と同様にパッケージ基板20にも設けられていてもよい。こうすれば、発光層124と保護層17との間に設けられる反射鏡と、基板11と発光層124との間に設けられる反射鏡とで、発光層124から放射される光を反射することができるので、発光層124から放射される光の利用効率をさらに高めることができる。
また、第1〜第7実施形態では、窒化物半導体発光素子10において、n型コンタクト半導体層122及びn型クラッド層123が第1窒化物半導体層として基板11と発光層124との間に設けられ、p型半導体層125が第2窒化物半導体層として発光層124の上に設けられているが、これに限定されない。第1〜第7実施形態において、窒化物半導体発光素子10では、p型コンタクト半導体層及びp型クラッド層が第1窒化物半導体層として基板11と発光層124との間に設けられ、n型半導体層が第2窒化物半導体層として発光層124の上に設けられてもよい。
以上、本発明について実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、その各構成要素や各処理の組み合わせに色々な変形例が可能であり、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明は、窒化物半導体レーザ素子や、LEDなどの発光素子、発光素子が実装される発光装置などに利用することができる。
1 窒化物半導体発光装置
10 窒化物半導体発光素子
11 基板
110 凸部
12 窒化物半導体積層部
121 バッファ層
122 n型コンタクト半導体層(第1窒化物半導体層の一部)
123 n型クラッド層(第1窒化物半導体層の一部)
124 発光層
125 p型半導体層(第2窒化物半導体層)
13 電流拡散層
14A p側接合電極(接合電極)
14B n側接合電極
15 n側コンタクト電極(コンタクト電極)
16A、16B、16C 高反射電極層
17 保護層
171 開口
18 犠牲層
19 反射鏡、DBRミラー
191 エアーギャップ層
192 固体層
20 パッケージ基板
21A、21B バンプ
22A p側配線パターン
22B n側配線パターン
23A、23B スルーホール
24 高反射膜
30 樹脂封止部

Claims (8)

  1. 基板と、前記基板の上に設けられる窒化物半導体積層部と、前記窒化物半導体積層部の上に設けられる電流拡散層と、前記電流拡散層の上に設けられる保護層と、を備え、
    前記窒化物半導体積層部が発光層を有し、
    前記電流拡散層と前記保護層との間にエアーギャップ層が形成されることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 前記発光層の主面の法線方向に対して、前記エアーギャップ層と隣接するように設けられる固体層をさらに備え、
    前記固体層が、前記エアーギャップ層に対して高い屈折率コントラストを示すとともに、前記エアーギャップ層と対となって反射鏡を形成することを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 前記窒化物半導体積層部の上部に設けられて前記窒化物半導体積層部と電気的に接続される電極部と、
    前記窒化物半導体積層部と前記電極部との間に設けられる第1高反射電極層と、
    をさらに備え、
    前記保護層は前記電流拡散層上の一部領域に設けられ、
    前記第1高反射電極層は少なくとも前記電流拡散層上の他の一部領域に設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記窒化物半導体積層部が、前記基板と前記発光層との間に設けられる第1窒化物半導体層をさらに有し、
    前記第1窒化物半導体層の上部に設けられるコンタクト電極と、
    前記第1窒化物半導体層と前記コンタクト電極との間に設けられる第2高反射電極層と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 基板と、前記基板の上に設けられ、発光層を有する窒化物半導体積層部と、前記窒化物半導体積層部の上に設けられる電流拡散層と、前記電流拡散層の上に設けられる保護層と、を有する窒化物半導体発光素子と、
    前記窒化物半導体発光素子が実装されるパッケージ基板と、
    前記パッケージ基板に実装された前記窒化物半導体発光素子を封止する透光性の樹脂封止部と、を備え、
    前記電流拡散層と前記保護層との間にエアーギャップ層が形成されることを特徴とする窒化物半導体発光装置。
  6. 前記エアーギャップ層はさらに、前記パッケージ基板に形成されることを特徴とする請求項5に記載の窒化物半導体発光装置。
  7. 基板の上に、発光層を有する窒化物半導体積層部が設けられるステップと、
    前記窒化物半導体積層部の上に、電流拡散層が設けられるステップと、
    前記電流拡散層の上に、保護層が設けられるステップと、
    前記電流拡散層と前記保護層との間に、エアーギャップ層が形成されるステップと、
    を備えることを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
  8. 前記発光層の主面の法線方向に対して前記エアーギャップ層と隣接するように、前記エアーギャップ層に対して高い屈折率コントラストを示すとともに前記エアーギャップ層と対となって反射鏡を形成する固体層が設けられるステップをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
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