JP5742174B2 - 熱電発電装置、熱電発電方法及び電気信号検出方法 - Google Patents

熱電発電装置、熱電発電方法及び電気信号検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱電発電装置、熱電発電方法、電気信号検出装置及び電気信号検出方法に関する。
従来、温度差を利用した熱電発電装置は、受熱部、放熱部、並びに、受熱部と放熱部との間に配置された熱電変換素子から構成されている。そして、このような熱電発電装置を応用した機器として、例えば、携帯通信機器(特開2004−056866参照)や腕時計(特開2000−147161参照)が知られている。
特開2004−056866 特開2000−147161
ところで、従来の熱電発電装置にあっては、受熱部と放熱部との間に温度差が存在することが必須である。従って、例えば、受熱部の熱が熱電変換素子の熱伝導によって放熱部に流入し、受熱部と放熱部との間に温度差が無くなった場合、熱電発電はできなくなる。また、そもそも、発熱源から受熱部に熱が流入しない場合、発電ができない。それ故、従来の熱電発電装置を、例えば通常の生活環境下に放置した場合、即ち、例えば室内に熱電発電装置を放置した場合、熱電発電を行うことは困難である。また、従来の熱電発電装置によって、常時、熱電発電を行うことができる状況は限られており、特に、常温域での常時熱電発電は困難である。
通常、センシング装置はエネルギーを必要とし、このエネルギーは、一般に、電池や商用電源から給電される。そのため、電池の交換や充電とされるし、結線されている場合、利用に制約を受けるという問題がある。また、体温で発電する発電装置を搭載したものもあるが、センシング装置と発電デ装置を、別途、設ける必要があり、装置のサイズが大きなものとなり、あるいは又、複雑化してしまう。
従って、本発明の目的は、特に発熱源が存在しなくとも熱電発電を行うことを可能とする熱電発電装置及び熱電発電方法、電気信号検出装置及び電気信号検出方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係る熱電発電装置は、
(A)第1支持部材、
(B)第1支持部材と対向して配置された第2支持部材、
(C)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された熱電変換素子、並びに、
(D)熱電変換素子に接続された第1出力部及び第2出力部、
を備えており、
熱電変換素子は、
(C−1)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第1熱電変換部材、及び、
(C−2)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、第1熱電変換部材を構成する材料とは異なる材料から構成され、第1熱電変換部材と電気的に直列に接続された第2熱電変換部材、
から成り、
第1出力部は、第1熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されており、
第2出力部は、第2熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されている熱電発電装置である。
そして、本発明の第1の態様に係る熱電発電装置においては、第1支持部材と接する第1熱電変換部材の第1面の面積をS11、第2支持部材と接する第1熱電変換部材の第2面の面積をS12(但し、S11>S12)、第1支持部材と接する第2熱電変換部材の第1面の面積をS21、第2支持部材と接する第2熱電変換部材の第2面の面積をS22(但し、S21>S22)、第1支持部材の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材の熱応答時定数をτSM2としたとき、
τSM1>τSM2
12 ≠S22
である。
また、本発明の第2の態様に係る熱電発電装置においては、第1熱電変換部材の体積をVL1、第2熱電変換部材の体積をVL2、第1支持部材の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材の熱応答時定数をτSM2としたとき、
τSM1>τSM2
VL1≠VL2
である。
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る熱電発電装置は、
(A)第1支持部材、
(B)第1支持部材と対向して配置された第2支持部材、
(C)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第1熱電変換素子、
(D)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第2熱電変換素子、並びに、
(E)第1出力部及び第2出力部、
を備えており、
第1熱電変換素子は、第2支持部材と接する第1A熱電変換部材と、第1支持部材と接する第1B熱電変換部材とが、接して配置されて成り、
第2熱電変換素子は、第1支持部材と接する第2A熱電変換部材と、第2支持部材と接する第2B熱電変換部材とが、接して配置されて成り、
第1熱電変換素子と第2熱電変換素子とは電気的に直列に接続されており、
第1出力部は、第1B熱電変換部材の端部に接続されており、
第2出力部は、第2A熱電変換部材の端部に接続されており、
第1支持部材の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材の熱応答時定数をτSM2としたとき、
τSM1≠τSM2
である。
上記の目的を達成するための本発明の第4の態様に係る熱電発電装置は、
(A)第1支持部材、
(B)第1支持部材と対向して配置された第2支持部材、
(C)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第1熱電変換素子、
(D)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第2熱電変換素子、並びに、
(E)第1出力部、第2出力部、第3出力部、及び、第4出力部、
を備えており、
第1熱電変換素子は、
(C−1)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第1熱電変換部材、及び、
(C−2)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、第1熱電変換部材を構成する材料とは異なる材料から構成され、第1熱電変換部材と電気的に直列に接続された第2熱電変換部材、
から成り、
第2熱電変換素子は、
(D−1)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第3熱電変換部材、及び、
(D−2)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、第3熱電変換部材を構成する材料とは異なる材料から構成され、第3熱電変換部材と電気的に直列に接続された第4熱電変換部材、
から成り、
第1出力部は、第1熱電変換部材に接続されており、
第2出力部は、第2熱電変換部材に接続されており、
第3出力部は、第3熱電変換部材に接続されており、
第4出力部は、第4熱電変換部材に接続されており、
第1支持部材の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材の熱応答時定数をτSM2としたとき、
τSM1≠τSM2
である。
上記の目的を達成するための本発明の第5の態様に係る熱電発電装置は、
(A)第1支持部材、
(B)第1支持部材と対向して配置された第2支持部材、
(C)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第1熱電変換素子、
(D)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第2熱電変換素子、
(E)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第3熱電変換素子、
(F)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第4熱電変換素子、並びに、
(G)第1出力部、第2出力部、第3出力部、及び、第4出力部、
を備えており、
第1熱電変換素子は、第2支持部材と接する第1A熱電変換部材と、第1支持部材と接する第1B熱電変換部材とが、接して配置されて成り、
第2熱電変換素子は、第1支持部材と接する第2A熱電変換部材と、第2支持部材と接する第2B熱電変換部材とが、接して配置されて成り、
第3熱電変換素子は、第2支持部材と接する第3A熱電変換部材と、第1支持部材と接する第3B熱電変換部材とが、接して配置されて成り、
第4熱電変換素子は、第1支持部材と接する第4A熱電変換部材と、第2支持部材と接する第4B熱電変換部材とが、接して配置されて成り、
第1熱電変換素子と第2熱電変換素子とは電気的に直列に接続されており、
第3熱電変換素子と第4熱電変換素子とは電気的に直列に接続されており、
第1出力部は、第1熱電変換素子に接続されており、
第2出力部は、第2熱電変換素子に接続されており、
第3出力部は、第3熱電変換素子に接続されており、
第4出力部は、第4熱電変換素子に接続されており、
第1支持部材の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材の熱応答時定数をτSM2としたとき、
τSM1≠τSM2
である。
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る熱電発電方法は、上述した本発明の第1の態様に係る熱電発電装置を用いた熱電発電方法であり、上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る熱電発電方法は、上述した本発明の第2の態様に係る熱電発電装置を用いた熱電発電方法であり、上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る熱電発電方法は、上述した本発明の第3の態様に係る熱電発電装置を用いた熱電発電方法であり、
温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配し、
第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材から第1熱電変換部材へと流れる電流を、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し(本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係る熱電発電方法)、あるいは又、第2熱電変換素子から第1熱電変換素子へと流れる電流を、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出す(本発明の第3の態様に係る熱電発電方法)。
上記の目的を達成するための本発明の第4Aの態様に係る熱電発電方法は、上述した本発明の第4の態様に係る熱電発電装置を用いた熱電発電方法であり、
温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配し、
第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材から第1熱電変換部材へと流れる電流を、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、
第1支持部材の温度が第2支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第4熱電変換部材から第3熱電変換部材へと流れる電流を、第3出力部を正極、第4出力部を負極として、外部に取り出す。
上記の目的を達成するための本発明の第4Bの態様に係る熱電発電方法は、上述した本発明の第4Aの態様に係る熱電発電方法において、第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材から第1熱電変換部材へと流れる電流を、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、第1支持部材の温度が第2支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第4熱電変換部材から第3熱電変換部材へと流れる電流を、第3出力部を正極、第4出力部を負極として、外部に取り出す代わりに、
第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材から第1熱電変換部材へと流れる電流を、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、且つ、第4熱電変換部材から第3熱電変換部材へと流れる電流を、第3出力部を正極、第4出力部を負極として、外部に取り出す。
上記の目的を達成するための本発明の第5Aの態様に係る熱電発電方法は、上述した本発明の第5の態様に係る熱電発電装置を用いた熱電発電方法であり、
温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配し、
第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換素子から第1熱電変換素子へと流れる電流を、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、
第1支持部材の温度が第2支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第3熱電変換素子から第4熱電変換素子へと流れる電流を、第4出力部を正極、第3出力部を負極として、外部に取り出す。
上記の目的を達成するための本発明の第5Bの態様に係る熱電発電方法は、上述した本発明の第5Aの態様に係る熱電発電方法において、第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換素子から第1熱電変換素子へと流れる電流を、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、第1支持部材の温度が第2支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第3熱電変換素子から第4熱電変換素子へと流れる電流を、第4出力部を正極、第3出力部を負極として、外部に取り出す代わりに、
第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換素子から第1熱電変換素子へと流れる電流を、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、且つ、第4熱電変換素子から第3熱電変換素子へと流れる電流を、第3出力部を正極、第4出力部を負極として、外部に取り出す。
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る電気信号検出方法は、上述した本発明の第1の態様に係る熱電発電装置を用いた電気信号検出方法であり、上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る電気信号検出方法は、上述した本発明の第2の態様に係る熱電発電装置を用いた電気信号検出方法であり、上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る電気信号検出方法は、上述した本発明の第3の態様に係る熱電発電装置を用いた電気信号検出方法であり、
温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配し、
第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材から第1熱電変換部材へと流れる電流を、電気信号として、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し(本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係る電気信号検出方法)、あるいは又、第2熱電変換素子から第1熱電変換素子へと流れる電流を、電気信号として、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し(本発明の第3の態様に係る電気信号検出方法)、該電気信号から複数種の電気信号を得る。
上記の目的を達成するための本発明の第4Aの態様に係る電気信号検出方法は、上述した本発明の第4の態様に係る熱電発電装置を用いた電気信号検出方法であり、
温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配し、
第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材から第1熱電変換部材へと流れる電流を、電気信号として、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、
第1支持部材の温度が第2支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第4熱電変換部材から第3熱電変換部材へと流れる電流を、電気信号として、第3出力部を正極、第4出力部を負極として、外部に取り出し、
該電気信号から複数種の電気信号を得る。
上記の目的を達成するための本発明の第4Bの態様に係る電気信号検出方法は、上述した本発明の第4Aの態様に係る電気信号検出方法において、第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材から第1熱電変換部材へと流れる電流を、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、第1支持部材の温度が第2支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第4熱電変換部材から第3熱電変換部材へと流れる電流を、第3出力部を正極、第4出力部を負極として、外部に取り出す代わりに、
第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材から第1熱電変換部材へと流れる電流を、電気信号として、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、且つ、第4熱電変換部材から第3熱電変換部材へと流れる電流を、電気信号として、第3出力部を正極、第4出力部を負極として、外部に取り出し、
該電気信号から複数種の電気信号を得る。
上記の目的を達成するための本発明の第5Aの態様に係る電気信号検出方法は、上述した本発明の第5の態様に係る熱電発電装置を用いた電気信号検出方法であり、
温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配し、
第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換素子から第1熱電変換素子へと流れる電流を、電気信号として、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、
第1支持部材の温度が第2支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第3熱電変換素子から第4熱電変換素子へと流れる電流を、電気信号として、第4出力部を正極、第3出力部を負極として、外部に取り出し、
該電気信号から複数種の電気信号を得る。
上記の目的を達成するための本発明の第5Bの態様に係る電気信号検出方法は、上述した本発明の第5Aの態様に係る電気信号検出方法において、第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換素子から第1熱電変換素子へと流れる電流を、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、第1支持部材の温度が第2支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第3熱電変換素子から第4熱電変換素子へと流れる電流を、第4出力部を正極、第3出力部を負極として、外部に取り出す代わりに、
第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換素子から第1熱電変換素子へと流れる電流を、電気信号として、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、且つ、第4熱電変換素子から第3熱電変換素子へと流れる電流を、電気信号として、第3出力部を正極、第4出力部を負極として、外部に取り出し、
該電気信号から複数種の電気信号を得る。
上記の目的を達成するための本発明の電気信号検出装置は、本発明の第1の態様〜第5の態様に係る熱電発電装置を少なくとも2つ備えており、各熱電発電装置から得られる電流を電気信号として得る。具体的には、本発明の電気信号検出装置は、
(01)本発明の第1の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ、本発明の第2の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ備えている形態
(02)本発明の第1の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ、本発明の第3の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ備えている形態
(03)本発明の第1の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ、本発明の第4の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ備えている形態
(04)本発明の第1の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ、本発明の第5の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ備えている形態
(05)本発明の第2の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ、本発明の第3の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ備えている形態
(06)本発明の第2の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ、本発明の第4の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ備えている形態
(07)本発明の第2の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ、本発明の第5の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ備えている形態
(08)本発明の第3の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ、本発明の第4の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ備えている形態
(09)本発明の第3の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ、本発明の第5の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ備えている形態
(10)本発明の第4の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ、本発明の第5の態様に係る熱電発電装置を少なくとも1つ備えている形態
の10通りの形態を挙げることができるし、(第1の態様,第2の態様,第3の態様,第4の態様,第5の態様)に係る熱電発電装置から、3種類、例えば、3つの熱電発電装置を選ぶ10通りの組合せ、4種類、例えば、4つの熱電発電装置を選ぶ5通りの組合せ、5種類、例えば、5つの熱電発電装置を選ぶ1通りの組合せを挙げることができる。
本発明の第1の態様〜第5の態様に係る熱電発電装置、本発明の第1の態様〜第5Bの態様に係る熱電発電方法にて使用する熱電発電装置、本発明の第1の態様〜第5の態様に係る電気信号検出方法、本発明の電気信号検出装置にあっては、第1支持部材の熱応答時定数τSM1と第2支持部材の熱応答時定数τSM2とが異なっている。従って、温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配したとき、第1支持部材の温度と第2支持部材の温度との間に温度差が生じ得る。その結果、熱電変換素子、第1熱電変換素子あるいは第2熱電変換素子において熱電発電が生じる。即ち、特に発熱源が存在しなくとも、熱電発電装置を配した環境や雰囲気に温度変化や温度の揺らぎが存在すれば、熱電発電を行うことが可能となり、あるいは又、電気信号の生成が可能となる。それ故、遠隔地におけるリモートモニタリングやリモートセンシング等が可能となるし、一旦設置した後には発電装置の取付けが困難な場所、物理的な配線や結線が困難な場所へ発電装置を予め取り付けておくことができる。また、発電装置の設計やレイアウトの自由度を高めることができる。
しかも、本発明の第1の態様〜第5の態様に係る電気信号検出方法にあっては、1種類の電気信号から複数種の電気信号を得る。また、本発明の電気信号検出装置にあっては、1つの電気信号検出装置にて複数種の電気信号を得る。また、電気信号検出装置、それ自体が、発電装置を兼ねている。従って、電気信号検出装置の小型化、簡素化を図ることができるし、常時、モニタリング行うことが可能である。更には、システム全体の省電力化を図ることができる。
図1の(A)は、実施例1の熱電発電装置の模式的な一部断面図であり、図1の(B)は、第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、及び、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化を模式的に示す図である。 図2の(A)は、実施例2の熱電発電装置の模式的な一部断面図であり、図2の(B)は、第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、及び、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化を模式的に示す図である。 図3の(A)は、実施例3の熱電発電装置の模式的な一部断面図であり、図3の(B)は、第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、及び、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化を模式的に示す図である。 図4は、実施例4の熱電発電装置の模式的な一部平面図である。 図5の(A)、(B)、(C)及び(D)は、それぞれ、図4に示した実施例4の熱電発電装置の矢印A−A、矢印B−B、矢印C−C、矢印D−Dに沿った模式的な一部断面図である。 図6の(A)及び(B)は、実施例5の熱電発電装置の模式的な一部断面図である。 図7は、実施例5における第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化、及び、第3出力部と第4出力部との間の電圧V3-4の変化を模式的に示す図である。 図8の(A)及び(B)は、実施例6の熱電発電装置の模式的な一部断面図である。 図9は、実施例6における第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化、及び、第3出力部と第4出力部との間の電圧V3-4の変化を模式的に示す図である。 図10の(A)及び(B)は、実施例7の熱電発電装置の模式的な一部断面図である。 図11は、実施例7における第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化、及び、第3出力部と第4出力部との間の電圧V3-4の変化を模式的に示す図である。 図12の(A)及び(B)は、実施例8の熱電発電装置の模式的な一部断面図である。 図13は、実施例8における第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化、及び、第3出力部と第4出力部との間の電圧V3-4の変化を模式的に示す図である。 図14の(A)及び(B)は、実施例9の熱電発電装置の模式的な一部断面図である。 図15は、実施例9における第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化、及び、第3出力部と第4出力部との間の電圧V3-4の変化を模式的に示す図である。 図16の(A)及び(B)は、実施例10の熱電発電装置の模式的な一部断面図である。 図17の(A)、(B)及び(C)は、それぞれ、整流回路の一例を示す回路図であり、図17の(D)は、本発明の熱電発電装置の応用例の一例を示す概念図である。 図18は、雰囲気の温度変化を正弦波状と仮定したとき、このような温度変化に対応して、第2支持部材の温度TBと第1支持部材の温度TAとの温度差ΔT(=TB−TA)がどのように変化するかをシミュレーションした結果を示すグラフである。 図19は、τ2=0.1、一定とし、ωをパラメータとして種々、変化させたとき、τ1の値によってどのような値のΔTが得られるかをシミュレーションした結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本発明の熱電発電装置及び熱電発電方法、全般に関する説明
2.実施例1(本発明の第1の態様に係る熱電発電装置及び熱電発電方法)
3.実施例2(本発明の第2の態様に係る熱電発電方法及び本発明の第1の態様に係る熱電発電装置)
4.実施例3(本発明の第3の態様に係る熱電発電装置及び熱電発電方法)
5.実施例4(実施例3の変形)
6.実施例5(本発明の第4Aの態様に係る熱電発電方法)
7.実施例6(本発明の第4Bの態様に係る熱電発電方法及び本発明の第4の態様に係る熱電発電装置)
8.実施例7(実施例6の変形)
9.実施例8(本発明の第5Aの態様に係る熱電発電方法)
10.実施例9(本発明の第5Bの態様に係る熱電発電方法及び本発明の第5の態様に係る熱電発電装置)
11.実施例10(実施例9の変形)
12.実施例11(実施例2の変形)
13.実施例12(本発明の第1の態様に係る電気信号検出方法、本発明の電気信号検出装置)
14.実施例13(本発明の第2の態様に係る電気信号検出方法)
15.実施例14(本発明の第3の態様に係る電気信号検出方法)
16.実施例15(本発明の第4Aの態様に係る電気信号検出方法)
17.実施例16(本発明の第4Bの態様に係る電気信号検出方法)
18.実施例17(本発明の第5Aの態様に係る電気信号検出方法)
19.実施例18(本発明の第5Bの態様に係る電気信号検出方法)、その他
[本発明の熱電発電装置及び熱電発電方法、全般に関する説明]
本発明の第4Aの態様に係る熱電発電方法又は本発明の第4Aの態様に係る電気信号検出方法における熱電発電装置、若しくは、本発明の第4の態様に係る熱電発電装置、本発明の第4の態様に係る熱電発電装置を適用した本発明の電気信号検出装置(以下、これらを総称して、『第4Aの態様等に係る発明』と呼ぶ場合がある)にあっては、熱電発電装置において、
第1出力部は、第1熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されており、
第2出力部は、第2熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されており、
第3出力部は、第3熱電変換部材の第2支持部材側の端部に接続されており、
第4出力部は、第4熱電変換部材の第2支持部材側の端部に接続されている構成とすることができる。
本発明の第4Bの態様に係る熱電発電方法又は本発明の第4Bの態様に係る電気信号検出方法における熱電発電装置、若しくは、本発明の第4の態様に係る熱電発電装置、本発明の第4の態様に係る熱電発電装置を適用した本発明の電気信号検出装置(以下、これらを総称して、『第4Bの態様等に係る発明』と呼ぶ場合がある)にあっては、熱電発電装置において、
第1出力部は、第1熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されており、
第2出力部は、第2熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されており、
第3出力部は、第3熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されており、
第4出力部は、第4熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されている構成とすることができる。
そして、このような好ましい構成を含む第4Bの態様に係る発明等にあっては、熱電発電装置において、第1熱電変換素子の熱応答時定数をτTE1、第2熱電変換素子の熱応答時定数をτTE2としたとき、τTE1≠τTE2であることが好ましい。そして、この場合、
第1熱電変換部材は、面積S11の第1面、及び、面積S12(但し、S11>S12)の第2面を有し、
第2熱電変換部材は、面積S21の第1面、及び、面積S22(但し、S21>S22)の第2面を有し、
第3熱電変換部材は、面積S31の第1面、及び、面積S32(但し、S31<S32)の第2面を有し、
第4熱電変換部材は、面積S41の第1面、及び、面積S42(但し、S41<S42)の第2面を有し、
第1熱電変換部材及び第2熱電変換部材の第1面は第1支持部材と接しており、
第1熱電変換部材及び第2熱電変換部材の第2面は第2支持部材と接しており、
第3熱電変換部材及び第4熱電変換部材の第1面は第1支持部材と接しており、
第3熱電変換部材及び第4熱電変換部材の第2面は第2支持部材と接している構成とすることができる。このような構成における第1熱電変換部材、第2熱電変換部材、第3熱電変換部材及び第4熱電変換部材の具体的な形状として、切頭錐形状、より具体的には、切頭三角錐形状、切頭四角錐形状、切頭六角錐形状、切頭円錐形状を例示することができる。あるいは又、この場合、第1熱電変換部材の体積をVL1、第2熱電変換部材の体積をVL2、第3熱電変換部材の体積をVL3、第4熱電変換部材の体積をVL4としたとき、
VL1≠VL3
VL2≠VL4
である構成とすることができる。このような構成における第1熱電変換部材、第2熱電変換部材、第3熱電変換部材及び第4熱電変換部材の具体的な形状として、柱状、より具体的には、三角柱状、四角柱状、六角柱状、円柱状を例示することができる。尚、
VL1≠VL2
VL3≠VL4
であることがより好ましい。
本発明の第5Aの態様に係る熱電発電方法又は本発明の第5Aの態様に係る電気信号検出方法における熱電発電装置、若しくは、本発明の第5の態様に係る熱電発電装置、本発明の第5の態様に係る熱電発電装置を適用した本発明の電気信号検出装置(以下、これらを総称して、『第5Aの態様等に係る発明』と呼ぶ場合がある)にあっては、熱電発電装置において、
第1出力部は、第1B熱電変換部材の端部に接続されており、
第2出力部は、第2A熱電変換部材の端部に接続されており、
第3出力部は、第3A熱電変換部材の端部に接続されており、
第4出力部は、第4B熱電変換部材の端部に接続されている構成とすることができる。
あるいは又、本発明の第5Bの態様に係る熱電発電方法又は本発明の第5Bの態様に係る電気信号検出方法における熱電発電装置、若しくは、本発明の第5の態様に係る熱電発電装置、本発明の第5の態様に係る熱電発電装置を適用した本発明の電気信号検出装置(以下、これらを総称して、『第5Bの態様等に係る発明』と呼ぶ場合がある)にあっては、熱電発電装置において、
第1出力部は、第1B熱電変換部材の端部に接続されており、
第2出力部は、第2A熱電変換部材の端部に接続されており、
第3出力部は、第3B熱電変換部材の端部に接続されており、
第4出力部は、第4A熱電変換部材の端部に接続されている構成とすることができる。
そして、このような好ましい構成を含む第5Bの態様等に係る発明にあっては、熱電発電装置において、第1熱電変換素子の熱応答時定数をτTE1、第2熱電変換素子の熱応答時定数をτTE2、第3熱電変換素子の熱応答時定数をτTE3、第4熱電変換素子の熱応答時定数をτTE4としたとき、
τTE1≠τTE3
τTE2≠τTE4
であることが好ましい。そして、この場合、第1熱電変換素子の体積をVL1、第2熱電変換素子の体積をVL2、第3熱電変換素子の体積をVL3、第4熱電変換素子の体積をVL4としたとき、
VL1≠VL3
VL2≠VL4
である構成とすることができる。あるいは又、第2支持部材と接する第1A熱電変換部材の部分の面積をS12、第1支持部材と接する第2B熱電変換部材の部分の面積をS21、第2支持部材と接する第3A熱電変換部材の部分の面積をS32、第1支持部材と接する第4B熱電変換部材の部分の面積をS41としたとき、
12≠S32
21≠S41
である構成とすることができ、更には、
12≠S21
32≠S41
である構成とすることができる。
以上に説明した種々の好ましい構成を含む、本発明の第1の態様〜第5Bの態様に係る熱電発電方法、本発明の第1の態様〜第5Bの態様に係る電気信号検出方法、あるいは本発明の第1の態様〜第5の態様に係る熱電発電装置、本発明の電気信号検出装置(以下、これらを総称して、単に、『本発明』と呼ぶ場合がある)において、熱電発電装置を構成する熱電変換素子の数は、本質的に任意であり、熱電発電装置に要求される熱発電量に基づき熱電変換素子の数を決定すればよい。
熱応答時定数τは、支持部材や熱電変換素子、熱電変換部材を構成する材料の密度ρ、比熱c、熱伝達率h、支持部材や熱電変換素子、熱電変換部材の体積VL、面積Sにより決まる。密度が大きく、比熱が大きく、熱伝達率が小さい材料を用い、体積が大きく、面積が小さければ、熱応答時定数の値は大きくなる。ここで、熱応答時定数τは、以下の式(1)で求めることができる。
τ=(ρ・c/h)×(V/S) (1)
本発明においては、熱電発電装置の一端にステップ状の温度変化を与え、そのときの温度過渡応答を例えば赤外温度計にてモニタすることで、熱応答時定数を測定することができる。あるいは又、支持部材に十分に熱時定数の早い熱電対を取り付け、温度遷移を計測することで熱応答時定数を測定することができる。また、熱電変換素子の熱応答時定数は、同様の温度変化を与えた後に熱電発電装置の出力波形をモニタすることで熱電変換素子上下端の温度差を推定することができ、この出力電圧が最大となるポイントから最小となるまでの時間を計測することで得ることができる。
また、熱電発電装置が配された雰囲気の雰囲気温度をTamb、支持部材の熱応答時定数をτSMとしたとき、支持部材の温度TSMは、以下の式(2)で求めることができる。
amb=TSM+τSM×(dTSM/dt) (2)
ここで、雰囲気温度Tambの温度変化を、以下の式(3)で表される正弦波状と仮定する。
amb=ΔTamb×sin(ω・t)+A (3)
但し、
ΔTamb:雰囲気温度Tambの温度変化の振幅
ω :角速度であり、温度変化の周期(TM)の逆数で2πを除した値
A :定数
である。
このような雰囲気温度Tambの温度変化に対して、熱応答時定数τ1,τ2を有する支持部材の熱応答T1,T2は、以下の式(4−1)、式(4−2)で表すことができる。
1=ΔTamb(1+τ1 2ω2-1×sin(ω・t+k1)+B1 (4−1)
2=ΔTamb(1+τ2 2ω2-1×sin(ω・t+k2)+B2 (4−2)
但し、
sin(k1)=(τ1・ω)・(1+τ1 2ω2-1
cos(k1)=(1+τ1 2ω2-1
sin(k2)=(τ2・ω)・(1+τ2 2ω2-1
cos(k2)=(1+τ2 2ω2-1
であり、k1,k2は位相遅れを表し、B1,B2は温度変化の中心温度である。
従って、第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)の温度の温度差(ΔT=TB−TA)は、以下の式(5)で近似することができる。
ΔT=[ΔTamb・ω(τ1−τ2)]×(1+τ1 2ω2-1×(1+τ2 2ω2-1
×sin(ω・t+φ)+C (5)
但し、
sin(φ)=N(M2+N2-1
cos(φ)=M(M2+N2-1
C =B1−B2
M =ω(τ1 2−τ2 2
N =τ2(1+τ1 2ω2)−τ1(1+τ2 2ω2
τ2=0.1、一定とし、ωをパラメータとして種々、変化させたとき、τ1の値によってどのような値のΔTが得られるかをシミュレーションした結果を図19に示す。尚、ΔTの値は、最大値が「1」となるように、規格化してある。尚、図19中の符号「A」〜「O」は、以下の温度変化の周期TMを示す。
第4Aの態様、第4Bの態様、第5Aの態様、第5Bの態様に係る発明において、第1熱電変換素子及び第2熱電変換素子の配列は、本質的に任意であり、1列を第1熱電変換素子と第2熱電変換素子とが交互に占める配列;1列を複数の第1熱電変換素子から成る群と複数の第2熱電変換素子から成る群とが交互に占める配列;1列を第1熱電変換素子が占め、この列に隣接する列を第2熱電変換素子が占める配列;複数列を第1熱電変換素子が占め、これらの列に隣接する複数列を第2熱電変換素子が占める配列;熱電発電装置を複数の領域に分け、各領域を複数の第1熱電変換素子あるいは複数の第2熱電変換素子が占める配列を例示することができる。
本発明において、熱電変換部材を構成する材料は、周知の材料とすることができ、例えば、ビスマス・テルル系材料(具体的には、例えば、Bi2Te3、Bi2Te2.85Se0.15)、ビスマス・テルル・アンチモン系材料、アンチモン・テルル系材料(具体的には、例えば、Sb2Te3)、タリウム・テルル系材料、ビスマス・セレン系材料(具体的には、例えば、Bi2Se3)、鉛・テルル系材料、錫・テルル系材料、ゲルマニウム・テルル系材料、Pb1-xSnxTe化合物、ビスマス・アンチモン系材料、亜鉛・アンチモン系材料(具体的には、例えば、Zn4Sb3)、コバルト・アンチモン系材料(具体的には、例えば、CoSb3)、鉄・コバルト・アンチモン系材料、銀・アンチモン・テルル系材料(具体的には、例えば、AgSbTe2)、TAGS(Telluride of Antimony, Germaniumu and Silver)化合物、Si−Ge系材料、シリサイド系材料[Fe−Si系材料(具体的には、例えば、β−FeSi2)、Mn−Si系材料(具体的には、例えば、MnSi2)、Cr−Si系材料(具体的には、例えば、CrSi2)、Mg−Si系材料(具体的には、例えば、Mg2Si)]、スクッテルダイト系材料[MX3化合物(但し、MはCo、Rh、Ir、XはP、As、Sb)、あるいは又、RM’412化合物(但し、RはLa、Ce、Eu、Yb等、M’はFe、Ru、Os)]、ホウ素化合物[具体的には、例えば、MB6(但し、MはCa、Sr、Baのアルカリ土類金属及びY等の希土類金属)]、Si系材料、Ge系材料、クラスレート化合物、ホイスラー化合物、ハーフホイスラー化合物、希土類近藤半導体材料、遷移金属酸化物系材料(具体的には、例えば、NaxCoO2、NaCo24、Ca3Co49)、酸化亜鉛系材料、酸化チタン系材料、酸化コバルト系材料、SrTiO3、有機熱電変換材料(具体的には、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン)、クロメル合金、コンスタンタン、アルメル合金、TGS(Triglycine Sulfate,硫酸三グリシン)、 PbTiO3、Sr0.5Ba0.5Nb26、PZT、BaO−TiO2系化合物、タングステンブロンズ(AxBO3)、15ペロブスカイト系材料、 24系ペロブスカイト系材料、 BiFeO3、 Bi層状ペロブスカイト系材料を挙げることができる。熱電変換部材の材料は、化学量論的組成から外れていてもよい。そして、これらの材料の中でも、ビスマス・テルル系材料及びビスマス・テルル・アンチモン系材料を組み合わせて用いることが好ましい。より具体的には、例えば、第1熱電変換部材、第3熱電変換部材、第1A熱電変換部材、第2A熱電変換部材、第3A熱電変換部材及び第4A熱電変換部材の材料としてビスマス・テルル・アンチモン系材料を用い、第2熱電変換部材、第4熱電変換部材、第1B熱電変換部材、第2B熱電変換部材、第3B熱電変換部材及び第4B熱電変換部材の材料としてビスマス・テルル系材料を用いる形態とすることが好ましい。尚、この場合、第1熱電変換部材、第3熱電変換部材、第1A熱電変換部材、第2A熱電変換部材、第3A熱電変換部材及び第4A熱電変換部材はp型半導体としての挙動を示し、第2熱電変換部材、第4熱電変換部材、第1B熱電変換部材、第2B熱電変換部材、第3B熱電変換部材及び第4B熱電変換部材はn型半導体としての挙動を示す。第1熱電変換部材と第2熱電変換部材を構成する材料の両方がゼーベック効果を有していてもよいし、いずれか一方の材料のみがゼーベック効果を有していてもよい。同様に、第3熱電変換部材と第4熱電変換部材を構成する材料の両方がゼーベック効果を有していてもよいし、いずれか一方の材料のみがゼーベック効果を有していてもよい。第1A熱電変換部材と第1B熱電変換部材との組合せ、第2A熱電変換部材と第2B熱電変換部材との組合せ、第3A熱電変換部材と第3B熱電変換部材との組合せ、第4A熱電変換部材と第4B熱電変換部材との組合せにおいても同様である。
熱電変換部材や熱電変換素子の製造方法、熱電変換部材や熱電変換素子を所望の形状に賦形する方法として、熱電変換部材を構成する材料のインゴットを切削する方法、熱電変換部材を構成する材料をエッチングする方法、モールドを用いて成形する方法、メッキ法によって成膜する方法、PVD法やCVD法とパターニング技術との組合せ、リフトオフ法を例示することができる。
第1支持部材及び第2支持部材を構成する材料として、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマー(シリコンゴム、エチレンゴム、プロピレンゴム、クロロプレンゴム)、例えばノルマルパラフィンで代表される潜熱蓄熱材料、化学蓄熱材料、加硫ゴム(天然ゴム)、ガラス、セラミックス(例えば、Al23、MgO、BeO、AlN、SiC、TiO2、陶器、磁器)、ダイアモンド・ライク・カーボン(DLC)やグラファイトといった炭素系材料、木材、各種の金属[例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、シリコン(Si)、錫(Sn)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、テルル(Te)、セレン(Se)]やこれら金属の合金、銅のナノ粒子等を例示することができる。第1支持部材及び第2支持部材は、これらの材料を、適宜、選択して、組み合わせればよい。第1支持部材や第2支持部材の外面に、例えば、フィンやヒートシンクを取り付けてもよいし、第1支持部材や第2支持部材の外面を粗面化したり、凹凸をつけ、熱交換効率の向上を図ってもよい。
潜熱蓄熱材料とは、材料の相変化、転移の際に外部とやり取りされる潜熱を熱エネルギーとして蓄える材料である。上述したノルマルパラフィン(例えば、n−テトラデカン、n−ペンタデカン、n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、n−ノナデカン、n−イコサン等)は、室温程度であってもその組成により相変化が生じる。このような潜熱蓄熱材料を、蓄熱材料として、第1支持部材や第2支持部材、あるいは、第1支持部材や第2支持部材の一部に用いることで、より大きな熱容量を有する構造を小さい容積で実現することができる。それ故、熱電発電装置における熱電変換素子の小型化・低背化が可能となる。また、温度変化が生じ難く、長周期の温度変動を捉える熱電変換素子の構成材料としての利用が可能である。例えば、エポキシ樹脂の融解熱が2.2kJ/kgであるのに対して、25゜Cに融点を有するノルマルパラフィンの融解熱は、例えば、85kJ/kgである。従って、ノルマルパラフィンは、エポキシ樹脂の約40倍の熱を蓄積することが可能である。化学蓄熱材料は、材料の化学反応熱を利用したものであり、例えば、Ca(OH)2/CaO2+H2やNa2S+5H2O等を挙げることができる。
第1熱電変換部材と第2熱電変換部材、第3熱電変換部材と第4熱電変換部材、第1熱電変換素子と第2熱電変換素子、第3熱電変換素子と第4熱電変換素子とを電気的に直列に接続するためには、支持部材に電極を設ければよいが、電極を設けることは必須ではない。係る電極は、導電性を有する材料であれば、本質的に任意の材料を用いることができ、例えば、熱電変換部材や熱電変換素子の側から、チタン層、金層、ニッケル層が積層された電極構造を例示することができる。電極の一部が出力部を兼ねる構成とすることが、熱電発電装置の構造、構成の簡素化といった観点から好ましい。場合によっては、熱電変換部材や熱電変換素子の延在部から電極を構成することもできる。
熱電発電装置を、例えば、適切な樹脂で封止してもよい。第1支持部材や第2支持部材に蓄熱手段を配してもよい。熱電変換部材と熱電変換部材、熱電変換素子と熱電変換素子との間は、空隙のままとしてもよいし、絶縁材料で充填してもよい。
本発明は、温度が変化する雰囲気において熱電発電を行う如何なる技術分野へも適用することができる。具体的には、係る技術分野として、あるいは又、本発明の熱電発電装置を組み込むのに適した装置として、テレビジョン受像機や録画装置、エアーコンディショニング装置等の各種機器の操作のためのリモートコントロール装置;各種計測装置(例えば、土壌の状態をモニタリングするための計測装置、天候や気象をモニタリングするための計測装置);遠隔地におけるリモートモニタリング装置やリモートセンシング装置;携帯通信機器;時計;身体あるいは動物、家畜、ペットの体温、血圧、脈拍等の生体情報を入手するための計測装置やこれらの生体情報に基づく各種情報の検出・抽出装置;2次電池への充電のための電源;自動車の排気熱を利用した発電装置;バッテリレスの無線システム;ワイヤレスセンサネットワークのセンサノード;タイヤ圧モニタリングシステム(TPMS);照明機器の操作のためのリモートコントロール装置及びスイッチ;温度情報を入力信号若しくは入力信号とエネルギー源として入力信号に同期した動作をするシステム;携帯型音楽再生機器若しくは補聴器、携帯型音楽再生機器のノイズキャンセリングシステムの電源等を挙げることができる。また、一旦設置した後には発電装置の取付けが困難な場所、物理的な配線や結線が困難な場所への本発明の適用は最適である。また、本発明の電気信号検出装置を機械や建築物に取り付け、機械や建築物に周期的な温度変化を与えることで、異常の発生の有無を検出することが可能である。また、鍵や携帯電話等へ取り付けて、永続的に自己発電することで、これらの位置情報を間欠動作で伝えるシステムの構築も可能である。
実施例1は、本発明の第1の態様に係る熱電発電装置及び本発明の第1の態様に係る熱電発電方法に関する。実施例1の熱電発電装置の模式的な一部断面図を図1の(A)に示し、第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、及び、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化を、模式的に図1の(B)に示す。尚、各実施例を説明する図面においては、4個あるいは8個の熱電変換素子、熱電変換部材を図示しているが、熱電変換素子、熱電変換部材の数は、これらに限定するものではない。
実施例1あるいは後述する実施例2の熱電発電装置は、
(A)第1支持部材11、
(B)第1支持部材11と対向して配置された第2支持部材12、
(C)第1支持部材11と第2支持部材12との間に配置された熱電変換素子、並びに、
(D)熱電変換素子に接続された第1出力部41及び第2出力部42、
を備えている。
そして、実施例1あるいは後述する実施例2における熱電変換素子は、
(C−1)第1支持部材11と第2支持部材12との間に配置された第1熱電変換部材21A,21B、及び、
(C−2)第1支持部材11と第2支持部材12との間に配置され、第1熱電変換部材21A,21Bを構成する材料とは異なる材料から構成され、第1熱電変換部材21A,21Bと電気的に直列に接続された第2熱電変換部材22A,22B、
から成る。
更には、実施例1あるいは後述する実施例2の熱電発電装置にあっては、より具体的には、第1熱電変換部材21A,21Bと第2熱電変換部材22A,22Bとは、第2支持部材12に設けられた配線32によって電気的に直列に接続されており、更には、第2熱電変換部材22A,22Bと第1熱電変換部材21A,21Bとは、第1支持部材11に設けられた配線31によって電気的に直列に接続されている。また、第1出力部41は、第1熱電変換部材21A,21Bの第1支持部材側の端部に接続されており、第2出力部42は、第2熱電変換部材22A,22Bの第1支持部材側の端部に接続されている。
ここで、第1支持部材11はAl23から成り、第2支持部材12はエポキシ樹脂から成る。第1熱電変換部材あるいは後述する第3熱電変換部材、第1A熱電変換部材、第2A熱電変換部材、第3A熱電変換部材及び第4A熱電変換部材は、p型導電型を示すビスマス・テルル・アンチモンから成り、第2熱電変換部材あるいは後述する第4熱電変換部材、第1B熱電変換部材、第2B熱電変換部材、第3B熱電変換部材及び第4B熱電変換部材は、n型導電型を示すビスマス・テルルから成る。第1出力部41、第2出力部42、配線31,32は、支持部材側から、チタン層、金層、ニッケル層の多層構造から構成されている。熱電変換部材と配線との接合は、周知の接合技術を用いればよい。また、第1熱電変換部材、第1熱電変換素子のゼーベック係数をSB1、第2熱電変換部材、第2熱電変換素子のゼーベック係数をSB2、第3熱電変換部材、第3熱電変換素子のゼーベック係数をSB3、第4熱電変換部材、第4熱電変換素子のゼーベック係数をSB4とする。後述する実施例2〜実施例10においても同様である。
そして、実施例1の熱電発電装置にあっては、第1支持部材11と接する第1熱電変換部材21Aの第1面21A1の面積をS11、第2支持部材12と接する第1熱電変換部材21Aの第2面21A2の面積をS12(但し、S11>S12)、第1支持部材11と接する第2熱電変換部材22Aの第1面22A1の面積をS21、第2支持部材12と接する第2熱電変換部材22Aの第2面22A2の面積をS22(但し、S21>S22)とし、第1支持部材11の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材12の熱応答時定数をτSM2としたとき、
τSM1>τSM2
である。実施例1にあっては、更には、
12 ≠S22
である。尚、第1熱電変換部材21A及び第2熱電変換部材22Aは、切頭錐形状、より具体的には、切頭四角錐形状を有する。
実施例1あるいは後述する実施例2の熱電発電方法にあっては、熱電発電装置を温度が変化する雰囲気に配する。そして、第2支持部材12の温度が第1支持部材11の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材22A,22Bから第1熱電変換部材21A,21Bへと流れる電流を、第1出力部41を正極(プラス極)、第2出力部42を負極(マイナス極)として、外部に取り出す。この場合、第1出力部41と第2出力部42との間には交流が流れるので、周知の半波整流回路を用いて直流に変換し、更に、平滑化を行えばよい。尚、第1支持部材11の温度が第2支持部材12の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第1熱電変換部材21A,21Bから第2熱電変換部材22A,22Bへと流れる電流を、第2出力部42を正極、第1出力部41を負極として、外部に取り出すことができる。そして、この場合には、周知の全波整流回路を用いて交流を直流に変換し、更に、平滑化を行えばよい。
ここで、τSM1>τSM2であるが故に、温度が変化する雰囲気(図1の(B)において、楕円「A」で囲った時刻における雰囲気温度をTambとする)に熱電発電装置を配したとき、第2支持部材12の温度TBは、速やかに雰囲気温度Tambあるいはその近傍の温度となる。一方、τSM1>τSM2であるが故に、第1支持部材11の温度TAは、第2支持部材12の温度変化に遅れて変化する。従って、第1支持部材11の温度TA(<Tamb)と第2支持部材12の温度TB(=Tamb)との間には、温度差ΔT(=TB−TA)が生じる。第1支持部材11と接する第1熱電変換部材21Aの第1面21A1の近傍の温度をT11、第2支持部材12と接する第1熱電変換部材21Aの第2面21A2の近傍の温度をT12、第1支持部材11と接する第2熱電変換部材22Aの第1面22A1の近傍の温度をT21、第2支持部材12と接する第2熱電変換部材22Aの第2面22A2の近傍の温度をT22としたとき、概ね、
12=T22>T11=T21
の関係にある。そして、1つの熱電変換素子による起電力EMFは、
EMF=T12×SB1−T21×SB2
で求めることができる。
雰囲気の温度変化を正弦波状と仮定し、温度変化における最高温度と最低温度の差ΔTambを2゜Cと仮定し、温度変化の周期(TM=2π/ω)を10分と仮定した。そして、このような温度変化に対応して、第2支持部材12の温度TBと第1支持部材11の温度TAとの温度差ΔT(=TB−TA)がどのように変化するかをシミュレーションした結果を、図18に示す。尚、図18において、「B」にて示す曲線は、第2支持部材12の温度TBの温度変化を示し、「A」にて示す曲線は、第1支持部材11の温度TAの温度変化を示す。
実施例2は、本発明の第2の態様に係る熱電発電装置及び本発明の第2の態様に係る熱電発電方法に関する。実施例2の熱電発電装置の模式的な一部断面図を図2の(A)に示し、第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、及び、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化を、模式的に図2の(B)に示す。
実施例2にあっては、実施例1と異なり、第1熱電変換部材21B及び第2熱電変換部材22Bは、柱状、より具体的には、四角柱状を有する。そして、第1熱電変換部材21Bの体積をVL1、第2熱電変換部材22Bの体積をVL2、第1支持部材11の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材12の熱応答時定数をτSM2としたとき、
τSM1>τSM2
VL1≠VL2(但し、実施例2にあっては、具体的には、VL1<VL2
である。
ここで、τSM1>τSM2であるが故に、実施例1と同様に、温度が変化する雰囲気(図2の(B)において、楕円「A」で囲った時刻における雰囲気温度をTambとする)に熱電発電装置を配したとき、第2支持部材12の温度TBは、速やかに雰囲気温度Tambあるいはその近傍の温度となる。一方、τSM1>τSM2であるが故に、第1支持部材11の温度TAは、第2支持部材12の温度変化に遅れて変化する。従って、第1支持部材11の温度TA(<Tamb)と第2支持部材12の温度TB(=Tamb)との間には、温度差ΔT(=TB−TA)が生じる。第1支持部材11と接する第1熱電変換部材21Bの第1面21B1の近傍の温度をT11、第2支持部材12と接する第1熱電変換部材21Bの第2面21B2の近傍の温度をT12、第1支持部材11と接する第2熱電変換部材22Bの第1面22B1の近傍の温度をT21、第2支持部材12と接する第2熱電変換部材22Bの第2面22B2の近傍の温度をT22としたとき、VL1<VL2とすれば、
12>T22>T11>T21
12−T11>T22−T21
の関係にある。そして、1つの熱電変換素子による起電力EMFは、
EMF=(T12−T11)×SB1+(T21−T22)×SB2
で求めることができる。
実施例3は、本発明の第3の態様に係る熱電発電装置及び本発明の第3の態様に係る熱電発電方法に関する。実施例3の熱電発電装置の模式的な一部断面図を図3の(A)に示し、第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、及び、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化を、模式的に図3の(B)に示す。
実施例3の熱電発電装置は、
(A)第1支持部材11、
(B)第1支持部材11と対向して配置された第2支持部材12、
(C)第1支持部材11と第2支持部材12との間に配置された第1熱電変換素子121C、
(D)第1支持部材11と第2支持部材12との間に配置された第2熱電変換素子122C、並びに、
(E)第1出力部141及び第2出力部142、
を備えている。
そして、実施例3の熱電発電装置において、第1熱電変換素子121Cは、第2支持部材12と接する第1A熱電変換部材121CAと、第1支持部材11と接する第1B熱電変換部材121CBとが、接して配置されて成る(具体的には、積層されて成る)。また、第2熱電変換素子122Cは、第1支持部材11と接する第2A熱電変換部材122CAと、第2支持部材12と接する第2B熱電変換部材122CBとが、接して配置されて成る(具体的には、積層されて成る)。更には、第1熱電変換素子121Cと第2熱電変換素子122Cとは電気的に直列に接続されている。また、第1出力部141は、第1B熱電変換部材121CBの端部に接続されており、第2出力部142は、第2A熱電変換部材122CAの端部に接続されている。第1A熱電変換部材121CAと第2B熱電変換部材122CBとは、第2支持部材12に設けられた配線32によって電気的に接続されており、第2A熱電変換部材122CAと第1B熱電変換部材121CBとは、第1支持部材11に設けられた配線31によって電気的に接続されている。
更には、第1支持部材11の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材12の熱応答時定数をτSM2としたとき、
τSM1≠τSM2
である。第1熱電変換素子121C及び第2熱電変換素子122Cは、柱状、より具体的には、四角柱状である。
実施例3の熱電発電方法にあっては、熱電発電装置を温度が変化する雰囲気に配する。そして、第2支持部材12の温度が第1支持部材11の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第2熱電変換素子122Cから第1熱電変換素子121Cへと流れる電流を、第1出力部141を正極、第2出力部142を負極として、外部に取り出す。この場合、第1出力部141と第2出力部142との間には交流が流れるので、周知の半波整流回路を用いて直流に変換し、更に、平滑化を行えばよい。尚、第1支持部材11の温度が第2支持部材12の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第1熱電変換素子121Cから第2熱電変換素子122Cへと流れる電流を、第2出力部142を正極、第1出力部141を負極として、外部に取り出すことができる。この場合には、周知の全波整流回路を用いて交流を直流に変換し、更に、平滑化を行えばよい。
ここで、τSM1>τSM2としたとき、温度が変化する雰囲気(図3の(B)において、楕円「A」で囲った時刻における雰囲気温度をTambとする)に熱電発電装置を配すれば、第2支持部材12の温度TBは、速やかに雰囲気温度Tambあるいはその近傍の温度となる。一方、τSM1>τSM2であるが故に、第1支持部材11の温度TAは、第2支持部材12の温度変化に遅れて変化する。従って、第1支持部材11の温度TA(<Tamb)と第2支持部材12の温度TB(=Tamb)との間には、温度差ΔT(=TB−TA)が生じる。第2支持部材12と接する第1熱電変換素子121Cの第2面121C2及び第2熱電変換素子122Cの第2面122C2の近傍の温度をT2とし、第1支持部材11と接する第1熱電変換素子121Cの第1面121C1及び第2熱電変換素子122Cの第1面122C1の近傍の温度をT1としたとき、
2>T1
の関係にある。そして、1組の熱電変換素子121C,122Cによる起電力EMFは、
EMF=T2×SB1−T1×SB2
で求めることができる。
実施例4は、実施例3の変形である。実施例3においては、第1熱電変換素子121C及び第2熱電変換素子122Cを積層型とした。即ち、第1A熱電変換部材121CAと第1B熱電変換部材121CBとを積層し、第2A熱電変換部材122CAとと第2B熱電変換部材122CBとを積層した。一方、実施例4においては、第1熱電変換素子221C及び第2熱電変換素子222Cを水平配置型とする。実施例4の熱電発電装置の模式的な一部平面図を図4に示し、図4に示した実施例4の熱電発電装置の矢印A−A、矢印B−B、矢印C−C、矢印D−D、矢印E−Eに沿った模式的な一部断面図を、図5の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)に示す。尚、図4においては、熱電発電装置の構成要素を明確化するために、斜線を付した。
実施例4にあっては、第1熱電変換素子221Cは、第2支持部材212と接する第1A熱電変換部材221CAと、第1支持部材211と接する第1B熱電変換部材221CBとが、水平方向に接して配置されて成る。また、第2熱電変換素子222Cは、第1支持部材211と接する第2A熱電変換部材222CAと、第2支持部材212と接する第2B熱電変換部材222CBとが、水平方向に接して配置されて成る。より具体的には、第1A熱電変換部材221CAと第1B熱電変換部材221CBとは、接合部材213を介して、端面と端面とが水平方向において接している。同様に、第2A熱電変換部材222CAと第2B熱電変換部材222CBとは、接合部材213を介して、端面と端面とが水平方向において接している。更には、第1A熱電変換部材221CAの端部及び第2B熱電変換部材222CBの端部に下方には、第2支持部材212が配置されており、第1A熱電変換部材221CA及び第2B熱電変換部材222CBは、第2支持部材212によって支持されている。同様に、第1B熱電変換部材221CBの端部及び第2A熱電変換部材222CAの端部に下方には、第1支持部材211が配置されており、第1B熱電変換部材221CB及び第2A熱電変換部材222CAは、第1支持部材211によって支持されている。
更には、第1熱電変換素子221Cと第2熱電変換素子222Cとは電気的に直列に接続されている。また、第1出力部241は、第1B熱電変換部材221CBの端部に接続されており、第2出力部242は、第2A熱電変換部材222CAの端部に接続されている。第1A熱電変換部材221CAと第2B熱電変換部材222CBとは、第2支持部材212に設けられた配線232によって電気的に接続されており、第2A熱電変換部材222CAと第1B熱電変換部材221CBとは、第1支持部材12に設けられた配線231によって電気的に接続されている。
そして,実施例3と同様に、第1支持部材211の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材212の熱応答時定数をτSM2としたとき、
τSM1≠τSM2
である。第1熱電変換素子221C及び第2熱電変換素子222Cは、直方体(平板状)である。
実施例4の熱電発電方法にあっては、熱電発電装置を温度が変化する雰囲気に配する。そして、第2支持部材212の温度が第1支持部材211の温度よりも高いとき、第1支持部材211と第2支持部材212との温度差に起因して生成し、第2熱電変換素子222Cから第1熱電変換素子221Cへと流れる電流を、第1出力部241を正極、第2出力部242を負極として、外部に取り出す。この場合、第1出力部241と第2出力部242との間には交流が流れるので、周知の半波整流回路を用いて直流に変換し、更に、平滑化を行えばよい。尚、第1支持部材211の温度が第2支持部材212の温度よりも高いとき、第1支持部材211と第2支持部材212との温度差に起因して生成し、第1熱電変換素子221Cから第2熱電変換素子222Cへと流れる電流を、第2出力部242を正極、第1出力部241を負極として、外部に取り出すことができる。この場合には、周知の全波整流回路を用いて交流を直流に変換し、更に、平滑化を行えばよい。
ここで、τSM1>τSM2としたとき、温度が変化する雰囲気(図3の(B)において、楕円「A」で囲った時刻における雰囲気温度をTambとする)に熱電発電装置を配すれば、第2支持部材212の温度TBは、速やかに雰囲気温度Tambあるいはその近傍の温度となる。一方、τSM1>τSM2であるが故に、第1支持部材211の温度TAは、第2支持部材212の温度変化に遅れて変化する。従って、第1支持部材211の温度TA(<Tamb)と第2支持部材212の温度TB(=Tamb)との間には、温度差ΔT(=TB−TA)が生じる。第2支持部材212と接する第1A熱電変換部材221CA及び第2B熱電変換部材222CBの近傍の温度をT2とし、第1支持部材211と接する第1B熱電変換部材221CB及び第2A熱電変換部材222CAの近傍の温度をT1としたとき、
2>T1
の関係にある。そして、1組の熱電変換素子221C,222Cによる起電力EMFは、
EMF=T2×SB1−T1×SB2
で求めることができる。
場合によっては、接合部材213の熱応答時定数をτSM3としたとき、
τSM3≠τSM1
τSM3≠τSM2
τSM1=τSM2
を満足する構成としてもよい。
実施例5は、本発明の第4Aの態様に係る熱電発電方法に関する。実施例5の熱電発電方法での使用に適した熱電発電装置の模式的な一部断面図を図6の(A)及び(B)に示し、第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化、及び、第3出力部と第4出力部との間の電圧V3-4の変化を、模式的に図7に示す。
実施例5あるいは後述する実施例6〜実施例7の熱電発電装置は、
(A)第1支持部材11、
(B)第1支持部材11と対向して配置された第2支持部材12、
(C)第1支持部材11と第2支持部材12との間に配置された第1熱電変換素子、
(D)第1支持部材11と第2支持部材12との間に配置された第2熱電変換素子、並びに、
(E)第1出力部41、第2出力部42、第3出力部43、及び、第4出力部44、
を備えており、
第1熱電変換素子は、
(C−1)第1支持部材11と第2支持部材12との間に配置された第1熱電変換部材21D,21E,21F、及び、
(C−2)第1支持部材11と第2支持部材12との間に配置され、第1熱電変換部材21D,21E,21Fを構成する材料とは異なる材料から構成され、第1熱電変換部材21D,21E,21Fと電気的に直列に接続された第2熱電変換部材22D,22E,22F、
から成り、
第2熱電変換素子は、
(D−1)第1支持部材11と第2支持部材12との間に配置された第3熱電変換部材23D,23E,23F、及び、
(D−2)第1支持部材11と第2支持部材12との間に配置され、第3熱電変換部材23D,23E,23Fを構成する材料とは異なる材料から構成され、第3熱電変換部材23D,23E,23Fと電気的に直列に接続された第4熱電変換部材24D,24E,24F、
から成る。
そして、第1出力部41は第1熱電変換部材21D,21E,21Fに接続されており、第2出力部42は第2熱電変換部材22D,22E,22Fに接続されており、第3出力部43は第3熱電変換部材23D,23E,23Fに接続されており、第4出力部44は第4熱電変換部材24D,24E,24Fに接続されている。
より具体的には、実施例5あるいは後述する実施例6〜実施例7において、第1熱電変換部材21D,21E,21Fと第2熱電変換部材22D,22E,22Fとは、第2支持部材12に設けられた配線31Bによって電気的に直列に接続されており、更には、第2熱電変換部材22D,22E,22Fと第1熱電変換部材21D,21E,21Fとは、第1支持部材11に設けられた配線31Aによって電気的に直列に接続されている。また、第3熱電変換部材23D,23E,23Fと第4熱電変換部材24D,24E,24Fとは、第1支持部材11に設けられた配線32Aによって電気的に直列に接続されており、更には、第4熱電変換部材24D,24E,24Fと第3熱電変換部材23D,23E,23Fとは、第2支持部材12に設けられた配線32Bによって電気的に直列に接続されている。
第1熱電変換部材21Dは、面積S11の第1面21D1、及び、面積S12(但し、S11>S12)の第2面21D2を有し、第2熱電変換部材22Dは、面積S21の第1面22D1、及び、面積S22(但し、S21>S22)の第2面22D2を有し、第3熱電変換部材23Dは、面積S31の第1面23D1、及び、面積S32(但し、S31<S32)の第2面23D2を有し、第4熱電変換部材24Dは、面積S41の第1面24D1、及び、面積S42(但し、S41<S42)の第2面24D2を有する。そして、第1熱電変換部材21D及び第2熱電変換部材22Dの第1面21D1,22D1は第1支持部材11と接しており、第1熱電変換部材21D及び第2熱電変換部材22Dの第2面21D2,22D2は第2支持部材12と接しており、第3熱電変換部材23D及び第4熱電変換部材24Dの第1面23D1,24D1は第1支持部材11と接しており、第3熱電変換部材23D及び第4熱電変換部材24Dの第2面23D2,24D2は第2支持部材12と接している。第1熱電変換部材21D、第2熱電変換部材22D、第3熱電変換部材23D及び第4熱電変換部材24Dは、切頭錐形状、より具体的には、切頭四角錐形状を有する。尚、後述する実施例6の熱電発電装置における第1熱電変換部材〜第4熱電変換部材も、以上に説明した実施例5の熱電発電装置における第1熱電変換部材〜第4熱電変換部材と同様の構成を有する。
更には、第1支持部材11の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材12の熱応答時定数をτSM2としたとき、
τSM1≠τSM2
である。また、第1熱電変換素子の熱応答時定数をτTE1、第2熱電変換素子の熱応答時定数をτTE2としたとき、
τTE1≠τTE2
である。
ここで、第1出力部41は、第1熱電変換部材21Dの第1支持部材側の端部に接続されており、第2出力部42は、第2熱電変換部材22Dの第1支持部材側の端部に接続されており、第3出力部43は、第3熱電変換部材23Dの第2支持部材側の端部に接続されており、第4出力部44は、第4熱電変換部材24Dの第2支持部材側の端部に接続されている。即ち、第1出力部41及び第2出力部42と、第3出力部43及び第4出力部44とは、異なる支持部材に配置されている。
実施例5の熱電発電方法にあっては、熱電発電装置を温度が変化する雰囲気に配する。そして、第2支持部材12の温度が第1支持部材11の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材22Dから第1熱電変換部材21Dへと流れる電流を、第1出力部41を正極、第2出力部42を負極として、外部に取り出す。一方、第1支持部材11の温度が第2支持部材12の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第4熱電変換部材24Dから第3熱電変換部材23Dへと流れる電流を、第3出力部43を正極、第4出力部44を負極として、外部に取り出す。この場合、第1出力部41と第2出力部42との間には交流が流れ、第3出力部43と第4出力部44との間には交流が流れるので、周知の半波整流回路を用いて直流に変換し、更に、平滑化を行えばよい。ここで、図17の(A)に示す回路を用いて交流を直流に変換し、更に、平滑化を行えばよい。あるいは又、図17の(B)に示す回路を用いて交流を直流に変換し、更に、平滑化を行い、2次電池(例えば、薄膜バッテリから成る)に蓄電すればよい。図17の(A)あるいは(B)に示す整流回路は、他の実施例にも適用することができる。尚、第1出力部41を正極、第2出力部42を負極として、外部に取り出される電圧の位相(便宜上、『位相−1』と呼ぶ)と、第3出力部43を正極、第4出力部44を負極として、外部に取り出される電圧の位相(便宜上、『位相−2』と呼ぶ)とは、概ね、180度ずれている。即ち、位相−1と位相−2とは、逆位相、あるいは概ね逆位相の関係にある。
第1支持部材11の温度が第2支持部材12の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第1熱電変換部材21Dから第2熱電変換部材22Dへと流れる電流を、第2出力部42を正極、第1出力部41を負極として、外部に取り出すことができる。また、第2支持部材12の温度が第1支持部材11の温度よりも高いとき、第3熱電変換部材23Dから第4熱電変換部材24Dへと流れる電流を、第4出力部44を正極、第3出力部43を負極として、外部に取り出すことができる。この場合には、全波整流回路を用いて交流を直流に変換し、更に、平滑化を行えばよい。以上の議論は、後述する実施例6〜実施例7にも適用することができる。
熱電発電装置の応用例の一例を示す概念図を、図17の(D)に示すが、この応用例は、身体の体温、血圧、脈拍等の生体情報を入手するための計測装置であり、体温、血圧、脈拍等を測定するセンサに熱電発電装置から電力が供給されると共に、制御装置を構成するA/Dコンバータ、送信装置、タイマーにも熱電発電装置から電力が供給される。そして、タイマーの作動によって、所定の時間間隔で、センサからの値がA/Dコンバータに送られ、データとして送信装置によって外部に送出される。
ここで、τSM1>τSM2としたとき、温度が変化する雰囲気(図7において、楕円「A」で囲った時刻における雰囲気温度をTambとする)に熱電発電装置を配すれば、第2支持部材12の温度TBは、速やかに雰囲気温度Tambあるいはその近傍の温度となる。一方、τSM1>τSM2であるが故に、第1支持部材11の温度TAは、第2支持部材12の温度変化に遅れて変化する。従って、第1支持部材11の温度TA(<Tamb)と第2支持部材12の温度TB(=Tamb)との間には、温度差ΔT(=TB−TA)が生じる。第1支持部材11と接する第1熱電変換部材21Dの第1面21D1及び第2熱電変換部材22Dの第1面22D1の近傍の温度をT1、第2支持部材12と接する第1熱電変換部材21Dの第2面21D2及び第2熱電変換部材22Dの第2面22D2の近傍の温度をT2、第1支持部材11と接する第3熱電変換部材23Dの第1面23D1及び第4熱電変換部材24Dの第1面24D1の近傍の温度をT3、第2支持部材12と接する第3熱電変換部材23Dの第2面23D2及び第4熱電変換部材24Dの第2面24D2の近傍の温度をT4としたとき、概ね、
2>T4>T3>T1
の関係にある。そして、1組の第1熱電変換素子及び第2熱電変換素子による起電力EMF1、1組の第3熱電変換素子及び第4熱電変換素子による起電力EMF2は、
EMF1=T2×SB1−T1×SB2
EMF2=T4×SB3−T3×SB4
で求めることができる。尚、以上の議論は、後述する実施例6〜実施例7にも適用することができる。
実施例6は、本発明の第4の態様に係る熱電発電装置、及び、本発明の第4Bの態様に係る熱電発電方法に関する。実施例6の熱電発電装置の模式的な一部断面図を図8の(A)及び(B)に示し、第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化、及び、第3出力部と第4出力部との間の電圧V3-4の変化を、模式的に図9に示す。
実施例6の熱電発電装置にあっては、実施例5の熱電発電装置と同様に、第1出力部41は、第1熱電変換部材21Eの第1支持部材側の端部に接続されており、第2出力部42は、第2熱電変換部材22Eの第1支持部材側の端部に接続されている。しかしながら、第3出力部43は、第3熱電変換部材23Eの第1支持部材側の端部に接続されており、第4出力部44は、第4熱電変換部材24Eの第1支持部材側の端部に接続されている。即ち、第1出力部41及び第2出力部42と、第3出力部43及び第4出力部44とは、同じ支持部材に配置されている。
そして、実施例6にあっては、第1支持部材11の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材12の熱応答時定数をτSM2、第1熱電変換素子の熱応答時定数をτTE1、第2熱電変換素子の熱応答時定数をτTE2としたとき、
τSM1≠τSM2
τTE1≠τTE2
である。
実施例6の熱電発電方法にあっては、熱電発電装置を温度が変化する雰囲気に配する。そして、第2支持部材12の温度が第1支持部材11の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材22Eから第1熱電変換部材21Eへと流れる電流を、第1出力部41を正極、第2出力部42を負極として、外部に取り出し、且つ、第4熱電変換部材24Eから第3熱電変換部材23Eへと流れる電流を、第3出力部43を正極、第4出力部44を負極として、外部に取り出す。この場合、第1出力部41と第2出力部42との間には交流が流れ、第3出力部43と第4出力部44との間には交流が流れるので、例えば、図17の(C)に示す全波整流回路を用いて交流を直流に変換し、更に、平滑化を行えばよい。図17の(C)に示す全波整流回路は、他の実施例にも適用することができる。尚、第1出力部41を正極、第2出力部42を負極として、外部に取り出される電圧の位相−1と、第3出力部43を正極、第4出力部44を負極として、外部に取り出される電圧の位相−2とは、0度を超え、180度未満、ずれている。
実施例7は、実施例6の変形である。実施例7の熱電発電装置の模式的な一部断面図を図10の(A)及び(B)に示し、第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化、及び、第3出力部と第4出力部との間の電圧V3-4の変化を、模式的に図11に示す。
実施例6の熱電発電装置にあっては、第1熱電変換部材21E、第2熱電変換部材22E、第3熱電変換部材23E及び第4熱電変換部材24Eの形状を切頭四角錐形状とした。これに対して、実施例7の熱電発電装置にあっては、第1熱電変換部材21F、第2熱電変換部材22F、第3熱電変換部材23F及び第4熱電変換部材24Fの形状を四角柱状とした。更には、第1熱電変換部材21の体積をVL1、第2熱電変換部材22の体積をVL2、第3熱電変換部材23の体積をVL3、第4熱電変換部材24の体積をVL4としたとき、
VL1≠VL3
VL2≠VL4
であるし、
VL1≠VL2
VL3≠VL4
である。以上の点を除き、実施例7の熱電発電装置、熱電発電方法は、実施例6の熱電発電装置、熱電発電方法と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例8は、本発明の第5Aの態様に係る熱電発電方法に関する。実施例8の熱電発電方法での使用に適した熱電発電装置の模式的な一部断面図を図12の(A)及び(B)に示し、第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化、及び、第3出力部と第4出力部との間の電圧V3-4の変化を、模式的に図13に示す。
実施例8あるいは後述する実施例9〜実施例10における熱電発電装置は、
(A)第1支持部材11、
(B)第1支持部材11と対向して配置された第2支持部材12、
(C)第1支持部材11と第2支持部材12との間に配置された第1熱電変換素子121G,121H,121J、
(D)第1支持部材11と第2支持部材12との間に配置された第2熱電変換素子122G,122H,122J、
(E)第1支持部材11と第2支持部材12との間に配置された第3熱電変換素子123G,123H,123J、
(F)第1支持部材11と第2支持部材12との間に配置された第4熱電変換素子124G,124H,124J、並びに、
(G)第1出力部141、第2出力部142、第3出力部143、及び、第4出力部144、
を備えており、
第1熱電変換素子121G,121H,121Jは、第2支持部材12と接する第1A熱電変換部材121GA、121HGA,121JAと、第1支持部材11と接する第1B熱電変換部材121GB,121HB,121JBとが、接して配置されて成り(具体的には積層されて成り)、
第2熱電変換素子122G,122H,122Jは、第1支持部材11と接する第2A熱電変換部材122GA,122HA,122JAと、第2支持部材12と接する第2B熱電変換部材122GB,122HB,122JBとが、接して配置されて成り(具体的には積層されて成り)、
第3熱電変換素子123G,123H,123Jは、第2支持部材12と接する第3A熱電変換部材123GA,123HA,123JAと、第1支持部材11と接する第3B熱電変換部材123GB,123HB,123JBとが、接して配置されて成り(具体的には積層されて成り)、
第4熱電変換素子124G,124H,124Jは、第1支持部材11と接する第4A熱電変換部材124GA,124HA,124JAと、第2支持部材12と接する第4B熱電変換部材124GB,124HB,124JBとが、接して配置されて成る(具体的には積層されて成る)。
そして、第1熱電変換素子121G,121H,121Jと第2熱電変換素子122G,122H,122Jとは電気的に直列に接続されており、第3熱電変換素子123G,123H,123Jと第4熱電変換素子124G,124H,124Jとは電気的に直列に接続されている。また、第1出力部141は第1熱電変換素子121G,,121H,121Jに接続されており、第2出力部142は第2熱電変換素子122G,122H,122Jに接続されており、第3出力部143は第3熱電変換素子123G,123H,123Jに接続されており、第4出力部144は第4熱電変換素子124G,124H,124Jに接続されている。即ち、第1出力部141及び第2出力部142と、第3出力部143及び第4出力部144とは、異なる支持部材に配置されている。
具体的には、実施例8にあっては、第1出力部141は、第1B熱電変換部材121GBの端部に接続されており、第2出力部142は第2A熱電変換部材122GAの端部に接続されており、第3出力部143は第3A熱電変換部材123GAの端部に接続されており、第4出力部144は第4B熱電変換部材124GBの端部に接続されている。具体的には、第1A熱電変換部材121GAと第2B熱電変換部材122GBとは、第2支持部材12に設けられた配線31Bによって電気的に接続されており、第2A熱電変換部材122GAと第1B熱電変換部材121GBとは、第1支持部材11に設けられた配線31Aによって電気的に接続されており、第3A熱電変換部材123GAと第4B熱電変換部材124GBとは、第2支持部材12に設けられた配線32Bによって電気的に接続されており、第4A熱電変換部材124GAと第3B熱電変換部材123GBとは、第1支持部材11に設けられた配線32Aによって電気的に接続されている。
更には、実施例8にあっては、第1支持部材11の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材12の熱応答時定数をτSM2としたとき、
τSM1≠τSM2
である。第1熱電変換素子121G、第2熱電変換素子122G、第3熱電変換素子123G及び第4熱電変換素子124Gは、柱状、より具体的には、四角柱状を有する。
実施例8の熱電発電方法にあっては、熱電発電装置を温度が変化する雰囲気に配する。そして、第2支持部材12の温度が第1支持部材11の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第2熱電変換素子122Gから第1熱電変換素子121Gへと流れる電流を、第1出力部141を正極、第2出力部142を負極として、外部に取り出す。一方、第1支持部材11の温度が第2支持部材12の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第3熱電変換素子123Gから第4熱電変換素子124Gへと流れる電流を、第4出力部144を正極、第3出力部143を負極として、外部に取り出す。この場合、第1出力部141と第2出力部142との間には交流が流れ、第3出力部143と第4出力部144との間には交流が流れるので、周知の半波整流回路を用いて直流に変換し、更に、平滑化を行えばよい。尚、第1出力部子141を正極、第2出力部142を負極として、外部に取り出される電圧の位相−1と、第4出力部144を正極、第3出力部143を負極として、外部に取り出される電圧の位相−2とは、概ね、180度ずれている。即ち、位相−1と位相−2とは、逆位相、あるいは概ね逆位相の関係にある。
第1支持部材11の温度が第2支持部材12の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第1熱電変換素子121Gから第2熱電変換素子122Gへと流れる電流を、第2出力部142を正極、第1出力部141を負極として、外部に取り出すことができる。また、第2支持部材12の温度が第1支持部材11の温度よりも高いとき、第4熱電変換素子124Gから第3熱電変換素子123Gへと流れる電流を、第3出力部143を正極、第4出力部144を負極として、外部に取り出すことができる。この場合、周知の全波整流回路を用いて交流を直流に変換し、更に、平滑化を行えばよい。尚、以上の議論は、後述する実施例9〜実施例10にも適用することができる。
ここで、τSM1>τSM2としたとき、温度が変化する雰囲気(図13において、楕円「A」で囲った時刻における雰囲気温度をTambとする)に熱電発電装置を配すれば、第2支持部材12の温度TBは、速やかに雰囲気温度Tambあるいはその近傍の温度となる。一方、τSM1>τSM2であるが故に、第1支持部材11の温度TAは、第2支持部材12の温度変化に遅れて変化する。従って、第1支持部材11の温度TA(<Tamb)と第2支持部材12の温度TB(=Tamb)との間には、温度差ΔT(=TB−TA)が生じる。第2支持部材12と接する第1A熱電変換部材121GAの第2面121G2及び第2B熱電変換部材122GBの第2面122G2の近傍の温度をT2、第1支持部材11と接する第1B熱電変換部材121GBの第1面121G1及び第2A熱電変換部材122GAの第1面122G1の近傍の温度をT1、第2支持部材12と接する第3A熱電変換部材123GAの第2面123G2及び第4B熱電変換部材124GBの第2面124G2の近傍の温度をT4、第1支持部材11と接する第3B熱電変換部材123GBの第1面123G1及び第4A熱電変換部材124GAの第1面124G1の近傍の温度をT3としたとき、
2>T1
4>T3
の関係にある。そして、1組の第1熱電変換素子及び第2熱電変換素子による起電力EMF1、1組の第3熱電変換素子及び第4熱電変換素子による起電力EMF2は、
EMF1=T2×SB1−T1×SB2
EMF2=T4×SB3−T3×SB4
で求めることができる。
実施例9は、本発明の第5の態様に係る熱電発電装置、及び、本発明の第5Bの態様に係る熱電発電方法に関する。実施例9の熱電発電装置の模式的な一部断面図を図14の(A)及び(B)に示し、第1支持部材の温度(TA)と第2支持部材の温度(TB)、これらの温度の温度差(ΔT=TB−TA)の変化、第1出力部と第2出力部との間の電圧V1-2の変化、及び、第3出力部と第4出力部との間の電圧V3-4の変化を、模式的に図15に示す。
実施例9あるいは後述する実施例10にあっては、第1出力部141は第1B熱電変換部材121HB,121JBの端部に接続されており、第2出力部142は第2A熱電変換部材122HA,122JAの端部に接続されており、第3出力部143は第3B熱電変換部材123HB,123JBの端部に接続されており、第4出力部144は第4A熱電変換部材124HA,124JAの端部に接続されている。即ち、第1出力部141及び第2出力部142と、第3出力部143及び第4出力部144とは、同じ支持部材に配置されている。第1A熱電変換部材121HA,121JAと第2B熱電変換部材122HB,122JBとは、第2支持部材12に設けられた配線31Bによって電気的に接続されており、第1B熱電変換部材121HB,121JBと第2A熱電変換部材122HA,122JAとは、第1支持部材11に設けられた配線31Aによって電気的に接続されており、第3A熱電変換部材123HA,123JAと第4B熱電変換部材124HB,124JBとは、第2支持部材12に設けられた配線32Bによって電気的に接続されており、第3B熱電変換部材123HB,123JBと第4A熱電変換部材124HA,124JAとは、第1支持部材11に設けられた配線32Aによって電気的に接続されている。
更には、第1支持部材11の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材12の熱応答時定数をτSM2、第1熱電変換素子121H,121Jの熱応答時定数をτTE1、第2熱電変換素子122H,122Jの熱応答時定数をτTE2、第3熱電変換素子123H,123Jの熱応答時定数をτTE3、第4熱電変換素子124H,124Jの熱応答時定数をτTE4としたとき、
τTE1≠τTE3
τTE2≠τTE4
である。また、実施例9にあっては、第1熱電変換素子121Hの体積をVL1、第2熱電変換素子122Hの体積をVL2、第3熱電変換素子123Hの体積をVL3、第4熱電変換素子124Hの体積をVL4としたとき、
VL1=VL2≠VL3=VL4(但し、実施例9にあっては、具体的には、VL1=VL2<VL3=VL4
である。第1熱電変換素子121H、第2熱電変換素子122H、第3熱電変換素子123H及び第4熱電変換素子124Hは、柱状、より具体的には、四角柱状を有する。
実施例9の熱電発電方法にあっては、熱電発電装置を温度が変化する雰囲気に配する。そして、第2支持部材12の温度が第1支持部材11の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第2熱電変換素子122Hから第1熱電変換素子121Hへと流れる電流を、第1出力部141を正極、第2出力部142を負極として、外部に取り出し、且つ、第4熱電変換素子124Hから第3熱電変換素子123Hへと流れる電流を、第3出力部143を正極、第4出力部144を負極として、外部に取り出す。この場合、第1出力部141と第2出力部142との間には交流が流れ、第3出力部143と第4出力部144との間には交流が流れるので、周知の半波整流回路を用いて直流に変換し、更に、平滑化を行えばよい。尚、第1出力部141を正極、第2出力部142を負極として、外部に取り出される電圧の位相−1と、第3出力部143を正極、第4出力部144を負極として、外部に取り出される電圧の位相−2とは、0度を超え、180度未満、ずれている。
ここで、τSM1>τSM2としたとき、温度が変化する雰囲気(図15において、楕円「A」で囲った時刻における雰囲気温度をTambとする)に熱電発電装置を配すれば、第2支持部材12の温度TBは、速やかに雰囲気温度Tambあるいはその近傍の温度となる。一方、τSM1>τSM2であるが故に、第1支持部材11の温度TAは、第2支持部材12の温度変化に遅れて変化する。従って、第1支持部材11の温度TA(<Tamb)と第2支持部材12の温度TB(=Tamb)との間には、温度差ΔT(=TB−TA)が生じる。第2支持部材12と接する第1A熱電変換部材121HAの第2面121H2及び第2B熱電変換部材122HBの第2面122H2の近傍の温度をT2、第1支持部材11と接する第1A熱電変換部材121HAの第1面121H1及び第2B熱電変換部材122HBの第1面122H1の近傍の温度をT1、第2支持部材12と接する第3A熱電変換部材123HAの第2面123H2及び第4B熱電変換部材124HBの第2面124H2の近傍の温度をT4、第1支持部材11と接する第3A熱電変換部材123HAの第1面123H1及び第4B熱電変換部材124HBの第1面124H1の近傍の温度をT3としたとき、
2>T1
4>T3
の関係にある。そして、1組の第1熱電変換素子及び第2熱電変換素子による起電力EMF1、1組の第3熱電変換素子及び第4熱電変換素子による起電力EMF2は、
EMF1=T2×SB1−T1×SB2
EMF2=T4×SB3−T3×SB4
で求めることができる。
実施例10は、実施例9の変形である。実施例10の熱電発電装置の模式的な一部断面図を図16の(A)及び(B)に示す。
実施例9の熱電発電装置にあっては、第1熱電変換素子121H、第2熱電変換素子122H、第3熱電変換素子123H及び第4熱電変換素子124Hの形状を四角柱状とした。これに対して、実施例10の熱電発電装置にあっては、第1熱電変換素子121J、第2熱電変換素子122J、第3熱電変換素子123J及び第4熱電変換素子124Jの形状を切頭四角錐形状とした。具体的には、第2支持部材12と接する第1A熱電変換部材121JAの部分(第2面121J2)の面積をS12、第2支持部材12と接する第2B熱電変換部材122JBの部分(第2面122J2)の面積をS22、第1支持部材11と接する第1B熱電変換部材121JBの部分(第1面121J11)の面積をS11、第1支持部材11と接する第2A熱電変換部材122JAの部分(第1面122J1)の面積をS21、第2支持部材12と接する第3A熱電変換部材123JAの部分(第2面123J2)の面積をS32、第2支持部材12と接する第4B熱電変換部材124JBの部分(第2面124J2)の面積をS42、第1支持部材11と接する第3B熱電変換部材123JBの部分(第1面123J1)の面積をS31、第1支持部材11と接する第4A熱電変換部材124JAの部分(第1面124J1)の面積をS41としたとき、
12≠S32
21≠S41
であり、更には、
12≠S21
31≠S42
である。以上の点を除き、実施例10の熱電発電装置、熱電発電方法は、実施例9の熱電発電装置、熱電発電方法と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例11においては、実施例2において説明した構造と概ね同様の構造を有する熱電発電装置を使用し、倍電圧整流回路、昇圧回路(セイコーインスツル株式会社製:昇圧DC−DCコンバータ起動用超低電圧動作チャージポンプIC S−882Z18)を介して、デジタル湿度センサモジュール(株式会社マザーツール製:Model MT−160)に電力を供給した。熱電発電装置の置かれた温度が変化する雰囲気は、
ΔTamb :約4.5゜C
温度変化の周期TM:15分
であり、風速約1m/秒の空気の流れがある雰囲気とした。このような雰囲気において、熱電発電装置から最大750ミリボルトの電圧が得られ、15時間の熱発電において平均電力が44.2マイクロワット/200cm2であった。そして、デジタル湿度センサモジュールの動作仕様である1ボルト、4.5マイクロワットを満たす電圧、電力をデジタル湿度センサモジュールに供給することができた。
実施例12は、本発明の第1の態様に係る電気信号検出方法、及び、本発明の電気信号検出装置に関する。実施例12の電気信号検出方法は、実施例1において説明した本発明の第1の態様に係る熱電発電装置から構成された電気信号検出装置を用いた電気信号検出方法である。実施例12の電気信号検出方法にあっても、温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配する。そして、実質的に実施例1と同様に、第2支持部材12の温度が第1支持部材11の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材22A,22Bから第1熱電変換部材21A,21Bへと流れる電流を、電気信号として、第1出力部41を正極(プラス極)、第2出力部42を負極(マイナス極)として、外部に取り出す。ここで、実施例1にあっては、第2熱電変換部材22A,22Bから第1熱電変換部材21A,21Bへと流れる電流をエネルギー源として用いた。一方、実施例12にあっては、第2熱電変換部材22A,22Bから第1熱電変換部材21A,21Bへと流れる電流を、電気信号として、即ち、情報を含む電気信号として用いる。そして、この電気信号から複数種の電気信号を得る。
例えば、生体情報として人の心拍と体温とは相関がある。体温1゜C当たりの心拍上昇値は8拍/゜C〜10拍/゜Cと云われている。また、ストレス、意識レベル、病態等によっても体温が変動する。このため、温度情報(絶対的な温度、相対的な温度、変動周期)をセンシングする電気信号検出によって、脈拍、ストレスレベル、意識レベル、病態等の生体情報をモニタリングすることが可能である。しかも、熱電発電装置から構成された電気信号検出装置を用いるので、モニタリングと同時に、熱電発電を行うことができる。即ち、第2熱電変換部材22A,22Bから第1熱電変換部材21A,21Bへと流れる電流を、電気信号として、即ち、情報を含む電気信号として用いるだけでなく、エネルギー源として用いることができ、この発電エネルギーは、キャパシタや2次電池に一度蓄えてから、他の用途(例えば、図17の(D)に示した計測装置のエネルギー源)として利用することができる。
このような実施例12の電気信号検出方法にあっては、一方の温度接点を測定面とし、他方の温度接点を大気等と想定した場合、周囲温度と対象温度(例えば体温)との温度差による起電となる。そして、この場合、電気信号(出力信号)は、周囲の温度変動の周期、温度変動幅だけでなく、対象温度(例えば、体温)の変動周期、対象温度(例えば、体温)の変動幅による起電力の合成波となる。また、温度変動の周期によって検知される電気信号の種類は、例えば、ストレス度合い、行動による体温変動等で異なる。それ故、電気信号は、それぞれに起因した電気信号の合成となる。従って、第2熱電変換部材22A,22Bから第1熱電変換部材21A,21Bへと流れる電流に基づき、電気信号(便宜上、『処理前電気信号』と呼ぶ)として得る。そして、この電気信号(処理前電気信号)を周波数解析にかけるといったポスト処理を行えば、複数種類の電気信号(便宜上、『処理後電気信号』と呼ぶ)を得ることができる。
ポスト処理として、例えば、隠れマルコフモデルを適用する。具体的には、予め、モデルとなる温度信号を、例えば、各構成要素・各種要因に独立して生じる信号単位として、あるいは又、複数構成要素・複数要因と同時に相関を有し、或る特定の要因に起因する信号として、所定の周期内に含まれる固有パターン若しくは或る信号強度に含まれる固有パターンのモデルを取得する。この際、音叉的なイメージで熱時定数の異なる熱電変換素子毎に特異的に得られる周期性を利用する。つまり、或る温度変動幅を有する周期的な温度変動が存在する場合、その温度変動幅に対して、熱時定数の異なる熱電変換素子のうち、最も少ない損失で出力が得られる熱電変換素子からの信号を抽出することだけで、複雑な演算処理を行うこと無くなく、周波数分解が可能となる。また、複数の異なる信号の合成波についても基本的には同様の処理が利用できる。こうした処理が可能となるが故に、例えばFFT(高速フーリエ・コサイン・サイン変換)によるスペクトル解析において、精度上十分なサンプリング周期が極端に異なる入力波形に対しても演算数を減じることができるなどの利点がある。これは、各熱電変換素子が、そもそも得意とする周波数を持つからであり、スペクトル解析における十分なサンプリング周期を予め設定することが可能であるためである。勿論、熱電変換素子が全て同じ熱時定数を有する場合には、FFTによるスペクトル解析が必須であるし、異なる熱時定数を有する場合であってもスペクトル解析のみを用いてもよい。このモデル抽出にあたっては、前処理として、PCA(Principal Components Analysis)、ICA(Independent Component Analysis)等により特徴的な状態を抽出する。そして、抽出された状態に関する確率密度関数を求め、状態遷移モデルを作成する。この状態遷移モデルは、熱時定数の異なる熱電変換素子のそれぞれについて行ってもよい。そして、処理前電気信号に対して、ビタビアルゴリズム(Viterbi algorithm)等により、出力系列に対して確率がベストスコアとなる状態遷移パスを選択し、最適パストラッキングを行うことで処理後電気信号を得ることができる。また、この最適パストラッキングは熱時定数の異なる熱電変換素子のそれぞれについて行うことが可能である。後述する実施例13〜実施例18においても、同様のポスト処理を行えばよい。
具体的には、例えば、周囲の温度変動の周期と、体温の変動周期とが混在した電気信号から、体温の変動周期を抽出するためには、予め、外気変動モデル、体温変動モデルを、PCAやICAに基づき、状態遷移モデルとして特徴抽出をしておく。この際、例えば周囲の温度変動に関しては、一般的な対流熱伝達・輻射熱伝達に基づき温度データを取得することができる。これに対して、体温に関しては、熱伝導あるいは輻射に基づき温度データを取得することができる。空気に対して皮膚は熱容量が大きいため、外気の温度変動に対して皮膚の温度変動に遅れが生じる。外気の温度変動は、比較的、短い周期であり、信号が変動し易い。また、輻射熱伝達であれば、熱電変換素子と周囲、熱電変換素子と人体との間での輻射率、形態係数、吸収スペクトルの違いがある。こうしたデータ取得方法の違いや、測定対象の熱容量、輻射率等の材料物性、形態係数等の定数差によって、複数の状態遷移モデルが形成される。これらを事前に取得しておき、それぞれの状況に応じて確率密度分布を求めることにより、その後、実際にモニタリングする際には最適パストラッキングをすることで状態を判定することができる。また、周囲の温度変動の周期と、ストレス度合いとが混在した電気信号から、ストレス度合いを抽出するが、ストレス度合いは複数の信号の組み合わせから判断される。即ち、皮膚表面温度、発汗レベル、心拍数、脈拍数等である。心拍数、脈拍数については、体温計測により信号を取得することができる。発汗レベルについては、発汗により皮膚表面の熱伝達率が変化することとして捉えれば、温度計測による信号取得が可能である。また、それぞれの信号については信号発生源が異なるため、十分なサンプリング周期を取れば、全く同一の周期になることはない。このため、前述した熱電変換素子に特徴的な周波数を利用した周波数分解やFFT、スペクトル解析等により信号抽出が可能である。そして、複数の信号それぞれについてPCAやICAに基づき特徴抽出を行い、状態遷移モデルを取得し、それぞれの状況に応じて確率密度分布を求める。その後、実際にモニタリングする際には最適パストラッキングをすることで状態を判定する。後述する実施例13〜実施例18においても同様とすることができる。
実施例12の電気信号検出装置は、このような原理に基づき動作する。即ち、実施例12の電気信号検出装置は、実施例1〜実施例10にて説明した本発明の第1の態様〜第5の態様に係る熱電発電装置を少なくとも2つ備えており、各熱電発電装置から得られる電流を電気信号として得る。このように、実施例1〜実施例10にて説明した本発明の第1の態様〜第5の態様に係る熱電発電装置を少なくとも2つ備えることで、1つの熱電発電装置を備えた電気信号検出装置では検出できない情報(電気信号)を検出することが可能となるし、あるいは又、上述したとおり、複数の情報(電気信号)を検出することが可能となる。即ち、例えば、実施例1及び実施例4にて説明した熱電発電装置を組み合わせることで、血圧を測定するのに適した熱電発電装置と、心拍数を測定するのに適した熱電発電装置とを組み合わせた電気信号検出装置とすることができる。尚、当然のことながら、熱電発電装置としても機能する。必要に応じて、得られた電気信号を、バンドパスフィルターやローパスフィルター、ハイパスフィルターを通してもよい。尚、実施例12の電気信号検出装置を、以下に説明する実施例13〜実施例18にも適用することができる。
熱応答時定数τは、前述したとおり、支持部材や熱電変換素子、熱電変換部材を構成する材料の密度ρ、比熱c、熱伝達率h、支持部材や熱電変換素子、熱電変換部材の体積VL、面積Sにより決まるので、所望とする情報(電気信号)を得るためには、これらを適切に選択すればよい。これによって、複数の熱応答時定数τを有する熱電発電装置が組み合わされた電気信号検出装置を得ることができる。そして、温度変化に対する熱応答差が生じ、電気信号検出装置からは複数の電気信号を得ることができる結果、1つの電気信号検出装置から複数の情報を得ることが可能となる。一般的な人間の心拍数は、成人の場合50乃至90、子供の場合50乃至100前後であるため、例えば、熱応答時定数τとして、0.1乃至5、好ましくは1乃至3を例示することができる。血圧変動については、運動状態を信号として捉える場合、熱応答時定数τとして10乃至60を例示することができるし、呼吸状態を信号として捉える場合、熱応答時定数τとして3乃至6を例示することができる。
実施例13は、本発明の第2の態様に係る電気信号検出方法である。実施例13の電気信号検出方法は、実施例2において説明した本発明の第2の態様に係る熱電発電装置を用いた電気信号検出方法である。実施例13にあっては、実施例2と同様に、温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配す。そして、実質的に実施例2と同様に、第2支持部材12の温度が第1支持部材11の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材22A,22Bから第1熱電変換部材21A,21Bへと流れる電流を、電気信号として、第1出力部41を正極(プラス極)、第2出力部42を負極(マイナス極)として、外部に取り出す。そして、実施例12と同様にして、電気信号(処理前電気信号)から複数種の電気信号(処理後電気信号)を得る。

実施例14は、本発明の第3の態様に係る電気信号検出方法である。実施例14の電気信号検出方法は、実施例3〜実施例4において説明した本発明の第3の態様に係る熱電発電装置を用いた電気信号検出方法である。実施例14にあっては、実施例3〜実施例4と同様に、温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配す。そして、実質的に実施例3〜実施例4と同様に、第2支持部材12,212の温度が第1支持部材11,211の温度よりも高いとき、第1支持部材11,211と第2支持部材12,212との温度差に起因して生成し、第2熱電変換素子122C,222Cから第1熱電変換素子121C,221Cへと流れる電流を、電気信号として、第1出力部141,241を正極、第2出力部142,242を負極として、外部に取り出す。そして、実施例12と同様にして、電気信号(処理前電気信号)から複数種の電気信号(処理後電気信号)を得る。
実施例15は、本発明の第4Aの態様に係る電気信号検出方法である。実施例15の電気信号検出方法は、実施例5において説明した本発明の第4の態様に係る熱電発電装置を用いた電気信号検出方法である。実施例15にあっては、実施例5と同様に、温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配す。そして、実質的に実施例5と同様に、第2支持部材12の温度が第1支持部材11の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材22Dから第1熱電変換部材21Dへと流れる電流を、電気信号として、第1出力部41を正極、第2出力部42を負極として、外部に取り出す。一方、第1支持部材11の温度が第2支持部材12の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第4熱電変換部材24Dから第3熱電変換部材23Dへと流れる電流を、電気信号として、第3出力部43を正極、第4出力部44を負極として、外部に取り出す。そして、実施例12と同様にして、電気信号(処理前電気信号)から複数種の電気信号(処理後電気信号)を得る。
実施例16は、本発明の第4Bの態様に係る電気信号検出方法である。実施例16の電気信号検出方法は、実施例6〜実施例7において説明した本発明の第4の態様に係る熱電発電装置を用いた電気信号検出方法である。実施例16にあっては、実施例6〜実施例7と同様に、温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配す。そして、実質的に実施例6〜実施例7と同様に、第2支持部材12の温度が第1支持部材11の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材22E,22Fから第1熱電変換部材21E,21Fへと流れる電流を、電気信号として、第1出力部41を正極、第2出力部42を負極として、外部に取り出し、且つ、第4熱電変換部材24E,24Fから第3熱電変換部材23E,23Fへと流れる電流を、電気信号として、第3出力部43を正極、第4出力部44を負極として、外部に取り出す。そして、実施例12と同様にして、電気信号(処理前電気信号)から複数種の電気信号(処理後電気信号)を得る。
実施例17は、本発明の第5Aの態様に係る電気信号検出方法である。実施例17の電気信号検出方法は、実施例8において説明した本発明の第5の態様に係る熱電発電装置を用いた電気信号検出方法である。実施例17にあっては、実施例8と同様に、温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配す。そして、実質的に実施例8と同様に、第2支持部材12の温度が第1支持部材11の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第2熱電変換素子122Gから第1熱電変換素子121Gへと流れる電流を、電気信号として、第1出力部141を正極、第2出力部142を負極として、外部に取り出す。一方、第1支持部材11の温度が第2支持部材12の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第3熱電変換素子123Gから第4熱電変換素子124Gへと流れる電流を、電気信号として、第4出力部144を正極、第3出力部143を負極として、外部に取り出す。そして、実施例12と同様にして、電気信号(処理前電気信号)から複数種の電気信号(処理後電気信号)を得る。
実施例18は、本発明の第5Bの態様に係る電気信号検出方法である。実施例18の電気信号検出方法は、実施例9〜実施例10において説明した本発明の第5の態様に係る熱電発電装置を用いた電気信号検出方法である。実施例18にあっては、実施例9〜実施例10と同様に、温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配す。そして、実質的に実施例9〜実施例10と同様に、第2支持部材12の温度が第1支持部材11の温度よりも高いとき、第1支持部材11と第2支持部材12との温度差に起因して生成し、第2熱電変換素子122H,122Jから第1熱電変換素子121H,121Jへと流れる電流を、電気信号として、第1出力部141を正極、第2出力部142を負極として、外部に取り出し、且つ、第4熱電変換素子124H,124Jから第3熱電変換素子123H,123Jへと流れる電流を、電気信号として、第3出力部143を正極、第4出力部144を負極として、外部に取り出す。そして、実施例12と同様にして、電気信号(処理前電気信号)から複数種の電気信号(処理後電気信号)を得る。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例における熱電発電装置の構造、構成、実施例において用いた各種材料、大きさ等は例示であり、適宜、変更することができる。例えば、第1熱電変換部材、第3熱電変換部材、第1A熱電変換部材、第2A熱電変換部材、第3A熱電変換部材及び第4A熱電変換部材を、p型導電型を示すビスマス・テルル・アンチモンから構成する代わりに、Mg2Si、SrTiO3、MnSi2、Si−Ge系材料、β−FeSi2、PbTe系材料、ZnSb系材料、CoSb系材料、Si系材料、クラスレート化合物、NaCo24、Ca3Co49、クロメル合金等から構成することができるし、第2熱電変換部材、第4熱電変換部材、第1B熱電変換部材、第2B熱電変換部材、第3B熱電変換部材及び第4B熱電変換部材を、n型導電型を示すビスマス・テルルから構成する代わりに、Mg2Si、SrTiO3、MnSi2、Si−Ge系材料、β−FeSi2、PbTe系材料、ZnSb系材料、CoSb系材料、Si系材料、クラスレート化合物、コンスタンタン、アルメル合金等から構成することができる。また、実施例10に示した第1熱電変換素子あるいは第2熱電変換素子の構造を、実施例3の熱電変換素子に適用することができる。また、実施例4にて説明した熱電変換素子の構成、構造を、実施例8〜実施例9にて説明した熱電変換素子に適用することができる。
例えば、本発明の第1の態様〜第5の態様に係る熱電発電装置において、第2支持部材に、伸縮自在であって熱伝導に優れた弾性材料(例えば、シリコーンゴム)を用いて第3支持部材を取り付ければ、弾性材料の伸縮によって、第2支持部材、弾性材料及び第3支持部材、全体の熱応答時定数τが変化する。その結果、取り出される電気信号に変化が生じるので、第2支持部材に対する第3支持部材の動きを検出することができる。具体的には、例えば、第1支持部材、第2支持部材等を腕の或る部位に取り付けておき、第3支持部材を腕の別の部位に取り付けておけば、腕の或る部位と腕の別の部位との位置関係の変化(例えば、腕を曲げた状態、伸ばした状態)を検出することができる。また、本発明の電気信号検出装置を機械や建築物に取り付け、機械や建築物に周期的な温度変化を与えたとき、与えられた周期的な温度変化に基づく電気信号とは異なる電気信号が検出されたならば、何らかの異常が発生したことを知ることができる。このような検出は、例えば、ハンマーで機械や建築物を叩き、発生した音によって異常を知る操作の代替となり得る。
11,211・・・第1支持部材、12,212・・・第2支持部材、213・・・接合部材、21A,21B,21D,21E,21F,121H,121J・・・第1熱電変換部材、22A,22B,22D,22E,22F,122H,122J・・・第2熱電変換部材、23A,23B,23D,23E,23F,123H,123J・・・第3熱電変換部材、24A,24B,24D,24E,24F,124H,124J・・・第4熱電変換部材、121GA,121HA,121JA,221CA・・・第1A熱電変換部材、121GB,121HB,121JB,221CB・・・第1B熱電変換部材、122GA,122HA,122JA,222CA・・・第2A熱電変換部材、122GB,122HB,122JB,222CB・・・第2B熱電変換部材、123GA,123HA,123JA・・・第3A熱電変換部材、123GB,123HB,123JB・・・第3B熱電変換部材、124GA,124HA,124JA・・・第4A熱電変換部材、124GB,124HB,124JB・・・第4B熱電変換部材、121C,121G,121G,121H,121J,221C・・・第1熱電変換素子、122C,122G,122G,122H,122J,222C・・・第2熱電変換素子、123G,123H,123J・・・第3熱電変換素子、124G,124H,124J・・・第4熱電変換素子、31,31A,31B,32,32A,32B,231,232・・・配線、41,141,241・・・第1出力部、42,142,242・・・第2出力部、43,143・・・第3出力部、44,144・・・第4出力部

Claims (9)

  1. (A)第1支持部材、
    (B)第1支持部材と対向して配置された第2支持部材、
    (C)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第1熱電変換素子、
    (D)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第2熱電変換素子、並びに、
    (E)第1出力部、第2出力部、第3出力部、及び、第4出力部、
    を備えており、
    第1熱電変換素子は、
    (C−1)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、p型導電型を示す第1熱電変換部材、及び、
    (C−2)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、第1熱電変換部材を構成する材料とは異なる材料から構成され、第1熱電変換部材と電気的に直列に接続され、n型導電型を示す第2熱電変換部材、
    から成り、
    第2熱電変換素子は、
    (D−1)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、p型導電型を示す第3熱電変換部材、及び、
    (D−2)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、第3熱電変換部材を構成する材料とは異なる材料から構成され、第3熱電変換部材と電気的に直列に接続され、n型導電型を示す第4熱電変換部材、
    から成り、
    第1出力部は、第1熱電変換部材に接続されており、
    第2出力部は、第2熱電変換部材に接続されており、
    第3出力部は、第3熱電変換部材に接続されており、
    第4出力部は、第4熱電変換部材に接続されており、
    第1支持部材の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材の熱応答時定数をτSM2としたとき、
    τSM1≠τSM2
    である熱電発電装置を用いた熱電発電方法であって、
    温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配し、
    第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材から第1熱電変換部材へと流れる電流を、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、
    第1支持部材の温度が第2支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第4熱電変換部材から第3熱電変換部材へと流れる電流を、第3出力部を正極、第4出力部を負極として、外部に取り出す熱電発電方法。
  2. 熱電発電装置において、
    第1出力部は、第1熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されており、
    第2出力部は、第2熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されており、
    第3出力部は、第3熱電変換部材の第2支持部材側の端部に接続されており、
    第4出力部は、第4熱電変換部材の第2支持部材側の端部に接続されている請求項1に記載の熱電発電方法。
  3. (A)第1支持部材、
    (B)第1支持部材と対向して配置された第2支持部材、
    (C)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第1熱電変換素子、
    (D)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第2熱電変換素子、
    (E)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第3熱電変換素子、
    (F)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第4熱電変換素子、並びに、
    (G)第1出力部、第2出力部、第3出力部、及び、第4出力部、
    を備えており、
    第1熱電変換素子は、第2支持部材と接し、p型導電型を示す第1A熱電変換部材と、第1支持部材と接し、n型導電型を示す第1B熱電変換部材とが、接して配置されて成り、
    第2熱電変換素子は、第1支持部材と接し、p型導電型を示す第2A熱電変換部材と、第2支持部材と接し、n型導電型を示す第2B熱電変換部材とが、接して配置されて成り、
    第3熱電変換素子は、第2支持部材と接し、p型導電型を示す第3A熱電変換部材と、第1支持部材と接し、n型導電型を示す第3B熱電変換部材とが、接して配置されて成り、
    第4熱電変換素子は、第1支持部材と接し、p型導電型を示す第4A熱電変換部材と、第2支持部材と接し、n型導電型を示す第4B熱電変換部材とが、接して配置されて成り、
    第1熱電変換素子と第2熱電変換素子とは電気的に直列に接続されており、
    第3熱電変換素子と第4熱電変換素子とは電気的に直列に接続されており、
    第1出力部は、第1熱電変換素子に接続されており、
    第2出力部は、第2熱電変換素子に接続されており、
    第3出力部は、第3熱電変換素子に接続されており、
    第4出力部は、第4熱電変換素子に接続されており、
    第1支持部材の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材の熱応答時定数をτSM2としたとき、
    τSM1≠τSM2
    である熱電発電装置を用いた熱電発電方法であって、
    温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配し、
    第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換素子から第1熱電変換素子へと流れる電流を、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、
    第1支持部材の温度が第2支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第3熱電変換素子から第4熱電変換素子へと流れる電流を、第4出力部を正極、第3出力部を負極として、外部に取り出す熱電発電方法。
  4. 熱電発電装置において、
    第1出力部は、第1B熱電変換部材の端部に接続されており、
    第2出力部は、第2A熱電変換部材の端部に接続されており、
    第3出力部は、第3A熱電変換部材の端部に接続されており、
    第4出力部は、第4B熱電変換部材の端部に接続されている請求項3に記載の熱電発電方法。
  5. (A)第1支持部材、
    (B)第1支持部材と対向して配置された第2支持部材、
    (C)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された熱電変換素子、並びに、
    (D)熱電変換素子に接続された第1出力部及び第2出力部、
    を備えており、
    熱電変換素子は、
    (C−1)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、p型導電型を示す第1熱電変換部材、及び、
    (C−2)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、第1熱電変換部材を構成する材料とは異なる材料から構成され、第1熱電変換部材と電気的に直列に接続され、n型導電型を示す第2熱電変換部材、
    から成り、
    第1出力部は、第1熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されており、
    第2出力部は、第2熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されており、
    第1支持部材と接する第1熱電変換部材の第1面の面積をS11、第2支持部材と接する第1熱電変換部材の第2面の面積をS12(但し、S11>S12)、第1支持部材と接する第2熱電変換部材の第1面の面積をS21、第2支持部材と接する第2熱電変換部材の第2面の面積をS22(但し、S21>S22)、第1支持部材の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材の熱応答時定数をτSM2としたとき、
    τSM1>τSM2
    12 ≠S22
    である熱電発電装置を用いた熱電発電方法であって、
    温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配し、
    第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材から第1熱電変換部材へと流れる電流を、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出す熱電発電方法。
  6. (A)第1支持部材、
    (B)第1支持部材と対向して配置された第2支持部材、
    (C)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された熱電変換素子、並びに、
    (D)熱電変換素子に接続された第1出力部及び第2出力部、
    を備えており、
    熱電変換素子は、
    (C−1)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、p型導電型を示す第1熱電変換部材、及び、
    (C−2)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、第1熱電変換部材を構成する材料とは異なる材料から構成され、第1熱電変換部材と電気的に直列に接続され、n型導電型を示す第2熱電変換部材、
    から成り、
    第1出力部は、第1熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されており、
    第2出力部は、第2熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されており、
    第1支持部材と接する第1熱電変換部材の第1面の面積をS11、第2支持部材と接する第1熱電変換部材の第2面の面積をS12(但し、S11>S12)、第1支持部材と接する第2熱電変換部材の第1面の面積をS21、第2支持部材と接する第2熱電変換部材の第2面の面積をS22(但し、S21>S22)、第1支持部材の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材の熱応答時定数をτSM2としたとき、
    τSM1>τSM2
    12 ≠S22
    である熱電発電装置。
  7. (A)第1支持部材、
    (B)第1支持部材と対向して配置された第2支持部材、
    (C)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第1熱電変換素子、
    (D)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第2熱電変換素子、並びに、
    (E)第1出力部、第2出力部、第3出力部、及び、第4出力部、
    を備えており、
    第1熱電変換素子は、
    (C−1)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、p型導電型を示す第1熱電変換部材、及び、
    (C−2)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、第1熱電変換部材を構成する材料とは異なる材料から構成され、第1熱電変換部材と電気的に直列に接続され、n型導電型を示す第2熱電変換部材、
    から成り、
    第2熱電変換素子は、
    (D−1)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、p型導電型を示す第3熱電変換部材、及び、
    (D−2)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、第3熱電変換部材を構成する材料とは異なる材料から構成され、第3熱電変換部材と電気的に直列に接続され、n型導電型を示す第4熱電変換部材、
    から成り、
    第1出力部は、第1熱電変換部材に接続されており、
    第2出力部は、第2熱電変換部材に接続されており、
    第3出力部は、第3熱電変換部材に接続されており、
    第4出力部は、第4熱電変換部材に接続されており、
    第1支持部材の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材の熱応答時定数をτSM2としたとき、
    τSM1≠τSM2
    である熱電発電装置を用いた電気信号検出方法であって、
    温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配し、
    第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材から第1熱電変換部材へと流れる電流を、電気信号として、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、
    第1支持部材の温度が第2支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第4熱電変換部材から第3熱電変換部材へと流れる電流を、電気信号として、第3出力部を正極、第4出力部を負極として、外部に取り出し、
    該電気信号から複数種の電気信号を得る電気信号検出方法。
  8. (A)第1支持部材、
    (B)第1支持部材と対向して配置された第2支持部材、
    (C)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第1熱電変換素子、
    (D)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第2熱電変換素子、
    (E)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第3熱電変換素子、
    (F)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された第4熱電変換素子、並びに、
    (G)第1出力部、第2出力部、第3出力部、及び、第4出力部、
    を備えており、
    第1熱電変換素子は、第2支持部材と接し、p型導電型を示す第1A熱電変換部材と、第1支持部材と接し、n型導電型を示す第1B熱電変換部材とが、接して配置されて成り、
    第2熱電変換素子は、第1支持部材と接し、p型導電型を示す第2A熱電変換部材と、第2支持部材と接し、n型導電型を示す第2B熱電変換部材とが、接して配置されて成り、
    第3熱電変換素子は、第2支持部材と接し、p型導電型を示す第3A熱電変換部材と、第1支持部材と接し、n型導電型を示す第3B熱電変換部材とが、接して配置されて成り、
    第4熱電変換素子は、第1支持部材と接し、p型導電型を示す第4A熱電変換部材と、第2支持部材と接し、n型導電型を示す第4B熱電変換部材とが、接して配置されて成り、
    第1熱電変換素子と第2熱電変換素子とは電気的に直列に接続されており、
    第3熱電変換素子と第4熱電変換素子とは電気的に直列に接続されており、
    第1出力部は、第1熱電変換素子に接続されており、
    第2出力部は、第2熱電変換素子に接続されており、
    第3出力部は、第3熱電変換素子に接続されており、
    第4出力部は、第4熱電変換素子に接続されており、
    第1支持部材の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材の熱応答時定数をτSM2としたとき、
    τSM1≠τSM2
    である熱電発電装置を用いた電気信号検出方法であって、
    温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配し、
    第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換素子から第1熱電変換素子へと流れる電流を、電気信号として、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、
    第1支持部材の温度が第2支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第3熱電変換素子から第4熱電変換素子へと流れる電流を、電気信号として、第4出力部を正極、第3出力部を負極として、外部に取り出し、
    該電気信号から複数種の電気信号を得る電気信号検出方法。
  9. (A)第1支持部材、
    (B)第1支持部材と対向して配置された第2支持部材、
    (C)第1支持部材と第2支持部材との間に配置された熱電変換素子、並びに、
    (D)熱電変換素子に接続された第1出力部及び第2出力部、
    を備えており、
    熱電変換素子は、
    (C−1)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、p型導電型を示す第1熱電変換部材、及び、
    (C−2)第1支持部材と第2支持部材との間に配置され、第1熱電変換部材を構成する材料とは異なる材料から構成され、第1熱電変換部材と電気的に直列に接続され、n型導電型を示す第2熱電変換部材、
    から成り、
    第1出力部は、第1熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されており、
    第2出力部は、第2熱電変換部材の第1支持部材側の端部に接続されており、
    第1支持部材と接する第1熱電変換部材の第1面の面積をS11、第2支持部材と接する第1熱電変換部材の第2面の面積をS12(但し、S11>S12)、第1支持部材と接する第2熱電変換部材の第1面の面積をS21、第2支持部材と接する第2熱電変換部材の第2面の面積をS22(但し、S21>S22)、第1支持部材の熱応答時定数をτSM1、第2支持部材の熱応答時定数をτSM2としたとき、
    τSM1>τSM2
    12 ≠S22
    である熱電発電装置を用いた電気信号検出方法であって、
    温度が変化する雰囲気に熱電発電装置を配し、
    第2支持部材の温度が第1支持部材の温度よりも高いとき、第1支持部材と第2支持部材との温度差に起因して生成し、第2熱電変換部材から第1熱電変換部材へと流れる電流を、電気信号として、第1出力部を正極、第2出力部を負極として、外部に取り出し、
    該電気信号から複数種の電気信号を得る電気信号検出方法。
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