JP6634664B2 - 環境温度の時間変動から定常熱流や安定電力を得る機構 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンなどの廃熱や太陽熱、室温などの時間的に温度が変動する環境から、定常的な空間的に一方向の熱流を自発的に生じる技術、及びその温度差を活用した発電等のエネルギー変換技術に関するものである。
熱エネルギーを機械エネルギーや電気エネルギーに変換するエンジンや発電機などについて、熱エネルギーの最大変換効率は絶対温度の差で決まることがカルノーの定理として知られている。従来、低温熱源を冷却水や常温空気にとり、高温熱源の実現は石油などの化石燃料の利用がなされてきたが、資源の枯渇や地球温暖化対策の観点から、十分に利用されていない廃熱や自然現象から生じる温度差の活用が期待されている。
温度差を活用したエネルギー変換においては高温熱源の確保だけでなく、低温熱源の確保が重要である。特許文献1に示す焼却炉の廃熱を活用した発電技術では焼却炉で生じる排ガスを高温熱源とし、冷却水などを低温熱源としてこれらの熱源間の温度差を活用して発電する。同様のエネルギー変換技術が自動車エンジンなどの廃熱に対しても利用されている。
発電機構としては特許文献2に示す熱電変換素子や特許文献3に示すバイナリー発電などが用いられている。生じた電力はエネルギー変換を通して光源や化学反応の推進など様々に応用できる。
これら温度差発電は同時刻において高温熱源と低温熱源が存在することを前提としている。また、高温熱源と低温熱源は空間的に隔離されその温度差が確保されることが好ましい。すなわち、加熱機構と冷却機構を用い、変換機構内部の伝熱による温度差の減少を回避する工夫が施される。
特開2016―90129号公報 特開2006―74919号公報 特開2014―194210号公報
廃熱を生じるエンジンや熱を伴う自然現象は時間的に変動するものが多い。また、熱は拡散しやすく、対象とする空間領域の温度差は消失しやすい。従って狭い空間領域に同時に高温熱源と低温熱源を確保するには大掛かりな装置構成を必要とすることが多い。時間的な温度変動の中でも温度差を自発的に生じ、発電等を可能にするコンパクトな機構が実現できれば、資源問題や地球温暖化問題に大きく貢献できる。
室内の気温や壁の温度のように広い範囲でほぼ均一で比較的長い時間周期で変動する熱エネルギーは、その変化総量は大きくても利用可能な電気エネルギー等へのエネルギー変換を行うことはできなかった。
そこで本発明では、空間的に温度が均一でも時間的に温度が変動する環境から、空間的に一方向の温度差と定常的熱流を生じるシンプルな伝熱機構、及びその伝熱機構を活用したコンパクトな発電技術を提供する。
本発明は、二つの異なる相転移温度を持つ潜熱蓄熱物質または二つの異なる反応温度を持つ化学蓄熱物質を空間的に配置し、時間的に変動する環境温度で二つの潜熱蓄熱物質が異なる温度応答をすることにより定常的に一方が他方よりも高温になることを実現し、またこの温度差を発電等に利用することを最も主要な特徴とする。
上記の二つの潜熱蓄熱物質または化学蓄熱物質は異なる固有の相転移温度または反応温度をもち、相転移または反応を維持する性質を持つ。これら二つが同じ変動する外部の環境温度に触れる場合、その一方は対象とする環境温度変動の平均温度よりも高く最高温度よりも低く、他方は環境変動の平均温度よりも低く最低温度よりも高いことが必要である。もし、二つの触れる外部環境温度に差がある場合は、それぞれ熱交換を行う外部環境の平均温度に設定しても良い。以下、潜熱蓄熱物質と化学蓄熱物質をまとめて蓄熱物質と呼び、物質固有の相転移温度または反応温度をまとめて固有温度と呼ぶ。
温度差を生じることになる内部の空間と外部環境との熱的結合は、可能な限り二つの蓄熱物質のみを経由して実現される。すなわち、内部空間と二つの蓄熱物質は異なる二つの伝熱面で接し、この二つの伝熱面が直接触れ合わないように伝熱面以外は断熱壁で構成される。蓄熱物質は外部環境温度の時間的変動周期の中で固有温度付近を維持できるために十分な量を用いる。
蓄熱物質は熱伝導性に乏しい場合は、熱伝導性に富む物質と蓄熱物質との複合材料を構成して外界と内部空間を移動する熱エネルギーの流路とする。
このようにして実現される内部空間には二つの蓄熱物質によって定常的に温度差が生じるので、この温度差を活用して熱電変換素子を活用した発電やバイナリー発電を行うことが可能となる。
外界と蓄熱物質との熱的なやりとりが内部の熱伝導よりも支配的になって内部の温度差を消失しない工夫として、十分な量の蓄熱物質を用いるほか、蓄熱物質と外部環境と接する境界面に熱整流機構を導入することが有効である。このとき、内部の熱流方向と外部から流入流出する熱の方向性が一致するように整流方向を定める。
本発明によれば、時間的に温度変動する外部環境から自発的に定常的な温度勾配を生じることができる。さらに、この温度差を用いて、単純でコンパクかつ安価な構成で温度差発電や動力源を実現できる。蓄熱・温度維持作用もあることから、住宅の壁などや家具などに利用して室内の温度調節を自発的に行いながら発電をすることなどが可能になる。コンピュータのCPUなどの温度上昇防止手段としても利用でき、省電力化にもつながる。携帯電源や防災時等の非常用電源、バッテリ交換や電線を引き回しにくい場所でのセンサや通信用電源、自動車や炉などに適用してエネルギーの有効利用にも利用できる。水素製造や蓄電池充電、淡水生成機構用電源など多様なオンサイトのエネルギーインフラとして利用が可能である。夜間は発電できなくなる太陽光発電などと異なり、常時安定して電力を生成できるように設計することができることが特徴である。
本発明の実施形態における伝熱機構の概略を示す図である。 高熱伝導度の物質中に蓄熱物質を分散させた複合材料の図である。 蓄熱物質中に高熱伝導度の物質を分散させた複合材料の図である。 加熱時及び冷却時の蓄熱物質複合材料の温度応答を示す図である。 環境温度変動と二種の蓄熱物質複合材料の温度グラフである。 第一の実施形態である自然充電電池の図である。 第二の実施形態である周期的熱放射による発電系の図である。 第三の実施形態における離れた変動熱源を用いる発電系の図である。 第四の実施形態におけるカスケード型発電機構の図である。
以下、図面を参照して説明する。
図1に示されるように、本発明の伝熱機構Aは少なくとも断熱壁1と固有温度の異なる蓄熱物質2(固有温度TH)及び3(固有温度TL)で隔離された内部空間4から構成される。二つの蓄熱物質に熱的に接触するように内部空間に伝熱系を入れれば、内部空間を流れる熱流Qが発生する。内部空間に入れるものがエネルギー変換装置であればその熱エネルギーの一部を電力など他のエネルギーに変換することができる。
内部空間4は少なくとも蓄熱物質2及び3と伝熱面5を通して外部環境と熱的につながる。熱整流機構6を蓄熱物質2と伝熱面5の間、及び蓄熱物質3と伝熱面5の間に挿入することが好ましい。このとき、各々の伝熱面での熱整流の方向はより高温の固有温度THからより低温の固有温度TLに向かう内部空間の熱流Qの方向に一致させる。
以下、外部環境温度の時間変動から内部空間に定常的な温度勾配、従って定常的な熱流Qを生じるメカニズムについて説明する。以下の説明は潜熱蓄熱物質の例であるが、化学蓄熱物質を使った場合も同様の機構で目的が実現される。
潜熱蓄熱物質が相転移温度より低い温度で固体になっており、より温度の高い外部環境から一定の熱流が潜熱蓄熱物質に流入するとき、外部環境に接する表面側から内部空間側に温度勾配ができる。やがて相転移温度に達した表面側は融解する。内部の固/液界面は表面側から内部側に移動し、やがて潜熱蓄熱物質全体が融解し液体になる。逆に潜熱蓄熱物質が相転移温度よりも高く固体になっており、外部環境に熱が流出する場合には表面側から固体になり固/液界面が内部に向かって移動する。
このときの外部から内部への温度勾配や固/液界面の移動速度は潜熱蓄熱物質の熱伝導度によって定まる。一般に潜熱蓄熱物質は熱伝導度が低く、表面と内部の温度変化の差は顕著になりやすい。
しかしながら、図2のようにマイクロカプセルに入った潜熱蓄熱物質が炭素や銀ペーストなど熱伝導度の大きい物質に分散されて複合材料となっているような場合、あるいは図3のように炭素繊維など熱伝導度の大きい物質が潜熱蓄熱物質内に分散されている複合材料となっているような場合は、内部と外部の温度分布はより均一化される。
潜熱蓄熱物質複合材料の初期状態が固体であるとし、外部環境から一定の熱流が与えられた時、潜熱蓄熱物質複合材料の平均温度は図4の左側グラフのように変動する。初期の勾配は固体としての温度上昇、温度停滞状態は固体から液体への相転移でありこれは完全に融解するまで継続する。完全に融解した後は液体として温度上昇する。
逆に、溶液状態の潜熱蓄熱物質複合材料を一定の冷却速度の環境下に置くと、図4の右側グラフのように左側のグラフを逆にたどる変化を示す。すなわち、液体としての冷却を示す最初の勾配、液体から固体への相転移を示すプラトー、そして固体としての冷却勾配の順に変化する。
このように、潜熱蓄熱物質を活用すれば相転移の間は複合材料の温度を一定に保つことができる。潜熱蓄熱物質の分子鎖長など化学構造や組成を変化させて固有温度を適切に選択すれば望みの温度でプラトーを作ることができる。
周期的な温度変化をする外部環境に潜熱蓄熱物質が接する時、潜熱蓄熱物質は固化したり液化したりする。周期内で出入りする総熱量よりも潜熱蓄熱材の潜熱総量が大きければ相転移状態の中で液体と固体の比率が変わるだけで潜熱蓄熱複合材料全体の温度としてはプラトーを維持することになる。
従って、図5に示すように周期的変動する外部環境温度に対して、相転移温度を保つ量の2種の固有温度(THとTL)の潜熱蓄熱材を用いれば、外部環境が変化しても系の内部に定常的に高温THと低温TLを維持することができる。図1のように内部空間は一方をTH、他方をTLと所定の温度差がある熱源に接しているため、内部空間に熱流Qが発生する。
潜熱蓄熱物質と外部環境の周期的な熱の出入りと内部空間の熱流Qの総和に対しても恒常的に相転移状態の範囲になるように潜熱蓄熱物質が用いられた場合、温度差ΔT= THとTLと熱流Qは定常的に一定値となる。仮に潜熱熱容量を超えて熱交換が行われる場合も、二つの潜熱蓄熱物質の外部温度への応答の遅れから温度差が生じるように作成することが可能である。後者の場合には温度差はΔTよりも小さくなる。
図1に示されるように、熱整流性のある物質6を熱流Qと方向が一致するように潜熱蓄熱物質が外部環境と接する界面に設置すると、外部環境が想定外の振れ幅で変動をした場合であっても、熱流Qと逆行する方向の潜熱蓄熱物質と外部環境との熱交換を相対的に制限でき、内部熱流Qを維持しやすい。外部環境の変動温度の平均よりも高いTHと低いTLを用いる場合、これらの潜熱蓄熱物質の経験する固有温度以上の外部環境からの熱流入が生じる加熱時間と、固有温度以下の外部環境へ流出する冷却時間は一般に等しくならない。常に固有温度を保つためには融解と凝固が一周期で等量の変化をする、すなわち熱流入と流出のバランスをとることが望ましい。よって熱整流の導入はこの調整のためにより好ましい構成である。
図1の構成における本質は形状ではなくその構成にある。断熱壁で囲まれた内部空間が二つの蓄熱物質に接した伝熱面を持ち、内部空間は外部環境と蓄熱物質を通して伝熱を担う。系全体の硬さ、二つの伝熱面の位置関係の設計には自由度がある。
以上のメカニズムによって、外部環境温度の時間変動から内部空間に定常的な温度勾配、従って定常的な熱流Qを生じる。目的の実現のためには、外部環境の温度は完全に周期的な変化でなくても良いが、平均温度の周りを揺動するものである必要がある。そして、THは平均温度と揺動の上限の間に定め、TLは平均温度と揺動の上限の間に定める。平均単調上昇のみ、あるいは逆に単調減少のみをする系では潜熱蓄熱物質が完全に液化または固化してしまい、相転移温度を維持することができずやがて系の全てが平衡温度に到達して温度差ΔTが消失する。
内部熱流Qは熱エネルギーを活用する発電や充電、熱エネルギーを活用する動力源などのエネルギー変換を通した活用、あるいはそれら変換されたエネルギーを活用した化学反応、センシング、演算など多様な応用が可能である。発電機能のみならず、本発明の機構を部屋の壁などに用いる場合は、蓄熱物質を介した外部環境との熱交換で部屋の温度変動が抑制され、温調にかかる消費エネルギーの削減に寄与する。
以下に本発明の時間的温度変動から空間的温度勾配へ変換する伝熱機構及びその温度差または熱流を活用したエネルギー変換機構の構成部品について、詳細に説明する。
断熱壁1はポリスチレンフォーム、グラスウール、羊毛断熱材、熱伝導度の低い物質や真空断熱構造を用いることができる。これらに限定されず、断熱性が認められるものはいずれも適用可能である。
蓄熱物質2及び3で利用可能な潜熱蓄熱物質にはパラフィン、脂肪酸、糖アルコールなど有機物化合物、塩化カルシウム水和物、硫酸ナトリウム水和物などの無機水和塩、ガリウムなどの低融点金属、そして氷−水などが常温付近では使用可能である。また、高温では銅などの金属、Al−Siなどの合金、塩-溶融塩系などが使用できる。これらに限定されず、潜熱蓄熱性が認められるものはいずれも適用可能である。その物質選定は外部環境の温度変動の範囲に融点を持つように行う。
蓄熱物質2及び3で利用可能な化学蓄熱物質にはMgO+H2O→Mg(OH)2などの吸収反応、FeCl3・(m-n)CH3OH+nCH3OH→FeCl3・mCH3OHなどの混合反応、Na2S+5H2O→Na2S・5H2Oなどの水和反応が使用できる。これらに限定されず、化学蓄熱性が認められるものはいずれも適用可能である。その物質選定は外部環境の温度変動の範囲に反応平衡温度を持つように行う。
内部空間4に導入する熱エネルギーを電気エネルギーに変換する機構にはビスマス・テルル、鉛・テルル、シリコン・ゲルマニウムなどの素材を用いた熱電変換素子、及び銅、鉄、クロメルなどの熱電対、水蒸気を用いるタービン発電、アンモニアなどを用いるバイナリー発電などが利用可能である。熱エネルギーを力学エネルギーなど別のエネルギーに変換して最終的に電気エネルギーにしても良い。
内部空間4に導入する熱エネルギーを力学エネルギーに変換する機構には蒸気機関、スターリングエンジンなどが利用可能である。熱エネルギーを電気エネルギーなど別のエネルギーに変換して最終的に力学エネルギーにしても良い。
さらに、上記の電気エネルギーや力学エネルギーを用いてさらにレーザー等の光エネルギーへの変換、電気分解や充電など化学エネルギーへの変換、ヒーターなどの熱エネルギーへの変換が可能である。これらの付加的な変換機構は、内部空間や他の構成部分の一部をめても良く、また外部にあっても良い。
伝熱面5はアルミやサファイヤ、カーボン材料など熱伝導度の高い任意の固体及び銀ペーストなどの熱伝導性に優れた流動性のある物質、あるいはその内部に対流する流体や容易に蒸発する液体を含み熱輸送性に優れた構造にする。熱放射で外部環境と熱的交換させてもよく、その場合には、伝熱面は黒体に近いもの(特に赤外線と遠赤外線の領域で放射率が1に近いものや多孔質構造などで広い波長域で放射率が1に近いもの)が好ましい。
また、上記伝熱面は外部環境や本体構造のカバーを通して熱的につながっていてもよく、分離していても良い。前者の例として、二つの伝熱面が同一の金属容器の一部をなしており、一日の外気の温度変動を利用する場合がある。後者の例として、一方の伝熱面が焼却炉やその熱放射に面し、他方の伝熱面が焼却炉の熱放射を直接受けない外気などに面しており、それぞれ異なった温度範囲と周期で変動する外気と熱交換する場合がある。
伝熱面と蓄熱物質の間に入れると好ましい熱整流性物質6には様々な物質が知られている。例えば、接触面に粗さなどがあり伝熱方向によって熱的接触の程度が変化する二つの物質の接触構造、温度勾配方向により歪みや圧が変化し接触面の伝熱性に不均等が生じる二つの物質の接合構造、グラファイト/クオーツなど熱伝導度の温度依存性が異なるために伝熱方向によって総合的な熱伝導に差が出る二つの物質の接合構造、Cu/Cu2Oなど金属と絶縁体の接合において熱伝達キャリアの分布に非対称性がある二つの接合構造、アルミニウムと鉄など仕事関数の異なる金属が酸化膜等の絶縁体を介して接触している構造、炭素やカーボンナノチューブなどが熱伝導方向に対して非対称に分散された構造、真空中で放射率の異なる物質が黒体に近い物質を介して互いに熱放射でエネルギー交換を行う系など多様な物質系または機構、液体を用いた伝熱系で浮力によって下から上に伝わりやすいが上から下に伝わりにくい構造などである。これらに限定されず、対象とする外部環境の温度変動範囲で熱整流性が認められるものはいずれも適用可能である。
以下、第一の実施形態である自然充電電池Bについて説明する。
図6に示すように、板状の自然充電電池Bが作成可能である。内部には熱電変換素子9からの電力で電池10を充電するための充電用回路11を含み、気温変動の中で自然に蓄電池を充電する。蓄電池からの出力は端子12から取り出す。蓄電池と充電用回路は断熱性のある容器に収められており、熱伝達の経路とならないようにする。室温付近で動作させるためにパラフィンを蓄熱物質として用い、THとTLの融点は分子量で調節する。
上記の自然充電電池Bはセンサやその通信電源として、あるいは持ち運び可能な携帯電話等の電子機器とすることができる。多数結合してより大きな板状にして住宅等の壁面に内蔵させることもできる。壁面に利用する場合は、発電のみならず、蓄熱材が室内の温度変動を緩和する効果も生じる。
次に、第二の実施形態である周期的熱放射による発電系Cについて説明する。
図7の矢印で示すように、太陽光や断続運転する炉など周期的に変動する一方向に向いた熱放射により動作する発電系を構築できる。このとき、伝熱面5を受光・放熱面とするので放射率の高い(従って吸収率の高い)物質を伝熱面とするのが好ましい。この発電構造を壁に並べることにより安定した電力を得ることが可能になる。本技術は自転する宇宙船や周期的に太陽光にさらされる地球外の構造物にも用いることができる。熱放射に対して本発電系を並べた面を持つ構図を自転させることで熱負荷を軽減しながら安定発電するように活用することも可能となる。熱電変換素子9の出力ケーブル2本を系の外に引き出しを明示するために断熱壁が一部途切れたように描かれているが、伝熱面以外は全て断熱壁で囲まれていることが望ましい。以降の図でも同様である。
次に、第三の実施形態である距離的に離れた変動熱源を用いる発電系Dについて説明する。
太陽光に照らされた建築物の天井は室内よりも高くなりやすい。また温められた空気は上昇するので上層階の方が高温になりやすい。溶鉱炉の壁では内壁から外側に向かって温度が下降する。このように、一つの熱的環境の変化が距離の離れた二つの位置で事なる二つの変動熱源となることは広く見られる。この環境下で本発明を適用したのが図8である。
図8のように、ある熱源の影響を受ける物体13に温度勾配をもたらす。離れた2点は異なる温度の熱源となる。高温熱源と低温熱源それぞれに潜熱蓄熱物質またはその温度を伝えるヒートパイプや熱交換器などの伝熱機構14を介して、これまで記述して来た構造と同様に内部空間の温度差TH及びTLを生じさせる。大元の熱源が変動する環境下で安定した温度勾配を作成でき、またエネルギー変換を行うことができることは同様である。
次に、第四の実施形態であるカスケード型発電機構Eについて説明する。
図9に示されるように、本発明の伝熱機構及びエネルギー変換機構は面方向にアレイ化するだけでなく、伝熱方向に積み重ねてカスケード構造とすることが可能である。すなわち、ある階層のTHは次の階層のTLとなる。これにより、広い温度範囲にわたって無駄のないエネルギーの活用を行うことができる。
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
A 伝熱機構本体
B 自然充電電池
C 周期的熱放射による発電系
D 離れた変動熱源を用いる発電系
E カスケード型発電機構
1 断熱壁
2 より高温(TH)の固有温度である蓄熱物質
3 より低温(TL)の固有温度である蓄熱物質
4 内部空間
5 伝熱面
6 熱整流機構
7 蓄熱物質
8 熱伝導度の大きい物質
9 熱電変換素子
10 蓄電池
11 充電用回路
12 電池からの出力端子
13 ある熱源の影響を受ける物体
14 伝熱機構

Claims (4)

  1. 空間的に分布があっても時間的には各位置での平均温度を中心に温度変動する外部環境 に対して、2つの伝熱面以外は断熱壁で囲まれた内部空間を形成し、それら各々の伝熱面、および前記伝熱面に接し、方向によって熱伝導に差が出る熱整流性物質を通した外部環境と内部空間の間の熱伝導が、空間的温度分布の効果により一方の伝熱面が他方の伝熱面よりも高い平均温度を中心に変動する外部環境に触れている場合にはそれぞれの接する外 部環境の平均温度付近の相転移温度(あるいは反応温度)である潜熱蓄熱物質(あるいは化学蓄熱物質)の影響を受けながら実現され、あるいは外部環境の空間的温度分布が小さいために両伝熱面がほぼ同じ平均温度付近で変動する外部環境に触れている場合には、一 方の伝熱面では温度変動の平均温度よりも高く最高温度よりも低い相転移温度(あるいは 反応温度)である潜熱蓄熱物質(あるいは化学蓄熱物質)の影響を受けながら実現され、他方の伝熱面では温度変動の平均温度よりも低く最低温度よりも高い相転移温度(あるいは反応温度)である潜熱蓄熱物質(あるいは化学蓄熱物質)の影響を受けながら実現されることにより、温度変動する外部環境から内部空間に自発的で定常的な温度差とそれによる定常的で一方向の熱流を自発的に生じることを特徴とする伝熱機構。
  2. 請求項1に記載の伝熱機構において、外部環境と内部空間の間の熱伝導に影響を与える 所定の相転移温度(あるいは反応温度)を持つ潜熱蓄熱物質(あるいは化学蓄熱物質)が、熱伝導性に優れた物質中にマイクロカプセル等の部分系として分散された、あるいは逆に所定の相転移温度(あるいは反応温度)を持つ潜熱蓄熱物質(あるいは化学蓄熱物質)の内部に熱伝導性に優れる粒子や繊維等を分散された複合材料であることを特徴とする、温度変動する外部環境から当該内部空間に定常的に一方向の熱流を生じることを特徴とする伝熱機構。
  3. 請求項1及び2に記載される熱伝達機構の内部空間に生じる温度差を利用して発電機構 及び動力源、化学反応の推進などを行うエネルギー変換機構。
  4. 請求項1から3に記載の伝熱機構及びエネルギー変換機構において、前記熱整流物質が 熱伝達キャリアの分布に非対称性がある金属と絶縁体の接合構造、あるいは仕事関数の異なる金属が絶縁体を介して接合する構造である温度変動する外部環境から当該内部空間に定常的に一方向の熱流を生じることを特徴とする伝熱機構及びエネルギー変換機構。
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