JPH118417A - 熱電素子 - Google Patents

熱電素子

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JPH118417A
JPH118417A JP9156786A JP15678697A JPH118417A JP H118417 A JPH118417 A JP H118417A JP 9156786 A JP9156786 A JP 9156786A JP 15678697 A JP15678697 A JP 15678697A JP H118417 A JPH118417 A JP H118417A
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JP
Japan
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type thermoelectric
heat
thermoelectric element
power generation
semiconductors
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JP9156786A
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English (en)
Inventor
Atsushi Murakami
村上  淳
Shigeru Watanabe
渡辺  滋
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸熱側と放熱側に2つの温度センサーを設け
ることなく発電量を知ることのできる熱電素子を得るこ
と。 【解決手段】 ほぼ平行な放熱面と吸熱面のあいだに多
数の棒状のn型熱電半導体101とp型熱電半導体10
2とがほぼ対をなすように配置し、この多数のn型熱電
半導体101とp型熱電半導体102を交互に直列に接
続するように放熱面および吸熱面に電極103、104
を設けた発電部109と、放熱面と吸熱面のあいだに少
数の棒状のn型熱電半導体101とp型熱電半導体10
2とがほぼ対をなすように配置し、この少数のn型熱電
半導体101とp型熱電半導体102を交互に直列に接
続するように放熱面および吸熱面に電極105、106
を設けた検出部110とを有し、発電部109と検出部
110を電気的に絶縁する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱電素子の構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、温度差に比例して起電力を発生す
るp型熱電半導体およびn型熱電半導体を直列に複数個
接続して構成される熱電素子に生じる起電力を二次電池
等の充電手段に充電したものを駆動源として用いる電子
機器が知られている。
【0003】このような熱電素子の発電量は温度差の二
乗に比例するので、温度差が大きくなればなるほど発電
量は急激に増大する。
【0004】しかし、一般に電子機器では大きな温度差
を得ることは容易ではなく、熱電素子の発電量は温度差
が小さくなると急激に減少する。そして温度差がわずか
で発電量が過度に小さい状態が続くと二次電池が放電し
きってしまい、電子機器は作動しなくなってしまうとい
う問題がある。
【0005】このような問題を解決する上で、電子機器
が作動しなくなる前に、この状態を検知し種々の対策を
施すことが有効であり、このためには熱電素子の発電量
を知ることが重要である。
【0006】熱電素子の発電量を知る手段としては、た
とえば特開平8−37323号公報に示されるように、
熱電素子の吸熱側および放熱側の各々の温度をサーミス
ターなどの温度センサーで検出することにより発電量を
知る手段が提案されている。
【0007】図3および図4は上記の公報に開示された
温度センサーを設ける熱電素子を示す図面である。図3
は熱電素子311を示す断面図である。熱電素子311
はn型熱電半導体101とp型熱電半導体102を電極
103および104で交互に電気的に接続して構成して
いる。その熱電素子311の放熱板107および吸熱板
108に、それぞれの温度を検出する2つの温度センサ
ー301および302を設ける。
【0008】そして、図4に示すように、温度センサー
301および302の信号を回路手段113で検出し、
それぞれ温度を演算し、さらに温度差を演算し、温度差
表示手段114で使用者に温度差(発電量)を知らせる
ことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来技術では、放熱板107および吸熱板108に設け
る温度センサー301および302の部品が必要とな
り、部品点数が多くなってしまう問題がある。また、温
度センサー301および302を設けるための組立工程
が多くなってしまう問題もある。
【0010】また、放熱板107および吸熱板108に
は温度センサー301および302を取り付けるための
スペースが必要となり、熱電素子303が大きくなって
しまう問題がある。熱電素子303を腕時計などの小さ
い電子機器に入れるために小型化すればするほどこのス
ペースの熱電素子303全体に対して占める割合は大き
くなり、熱電素子311の小型化を阻害する要因となっ
てしまう。
【0011】さらに、温度センサーで熱電素子の放熱板
および吸熱板の温度を検出する従来技術では、放熱板と
吸熱板の温度センサーを取り付けるスペース部分は、外
側に突出して空気に触れるので、空気の温度の影響を受
けやすい。したがって放熱板と吸熱板の温度センサー取
り付け部分と内側の部分に温度勾配が生じる。
【0012】そして、さらに温度センサーはある程度の
熱容量を持ち、温度センサーそのものの内部にも温度勾
配が生じる。したがって、温度センサーを用いて熱電素
子311に生じる温度差を正確に検出することは難し
く、発電量を正確に見積もることが困難である問題もあ
る。
【0013】〔発明の目的〕そこで、本発明の目的は上
記の問題を解決し、2つの温度センサーを用いずに温度
差を使用者に知らせることが可能な熱電素子を得ること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の熱電素子においては、下記記載の構成を
採用する。
【0015】本発明の熱電素子は、ほぼ平行な放熱面と
吸熱面のあいだに放熱面および吸熱面にほぼ直角になる
ように、多数の棒状のn型熱電半導体とp型熱電半導体
とがほぼ対をなすように配置し、この多数のn型熱電半
導体とp型熱電半導体を交互に直列に接続するように放
熱面および吸熱面に電極を設けた発電部を有し、放熱面
と吸熱面のあいだに放熱面および吸熱面にほぼ直角にな
るように、少数の棒状のn型熱電半導体とp型熱電半導
体とがほぼ対をなすように配置し、この少数のn型熱電
半導体とp型熱電半導体を交互に直列に接続するように
放熱面および吸熱面に電極を設けた検出部を有し、発電
部と検出部は電気的に絶縁されていることを特徴とす
る。
【0016】本発明の熱電素子は、ほぼ平行な放熱面と
吸熱面のあいだに放熱面および吸熱面にほぼ直角になる
ように、多数の棒状のn型熱電半導体とp型熱電半導体
とがほぼ対をなすように配置し、この多数のn型熱電半
導体とp型熱電半導体を交互に直列に接続するように放
熱面および吸熱面に電極を設けた発電部を有し、放熱面
と吸熱面のあいだに放熱面および吸熱面にほぼ直角にな
るように、少数の棒状のn型熱電半導体とp型熱電半導
体とがほぼ対をなすように配置し、この少数のn型熱電
半導体とp型熱電半導体を交互に直列に接続するように
放熱面および吸熱面に電極を設けた検出部を有し、発電
部の一端のn(p)型熱電半導体と、検出部の一端のn
(p)型熱電半導体とが放熱面または吸熱面に設けた共
通の電極を有することを特徴とする。
【0017】〔作用〕本発明においては、熱電素子のn
型熱電半導体とp型熱電半導体の大半を発電部とし、残
りのごく一部を検出部とすることによって、新たに温度
センサーを設けることなく、熱電素子の発電量を直接に
測定することができる。しかも熱電素子の大きさはほと
んど変わらないので、小型の熱電素子が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱電素子の構成を
実施するための最良の形態における実施形態を、図面を
用いて説明する。
【0019】まずはじめに図1および図2を用いて、本
発明の第1の実施の形態における熱電素子の構成を説明
する。
【0020】図1に示した本発明の熱電素子111は、
発電部109と検出部110とから構成される。ここで
発電部109は熱電素子111に生じた温度差により電
力を発生する部分であり、検出部110はこの温度差あ
るいは発電部109での発生電力を検出するセンサー部
分である。熱電素子111には、放熱側(冷却側)に放
熱板107を設け、吸熱側(加熱側)に吸熱板を設けて
いる。
【0021】熱電素子111の発電部109は、放熱板
107に設けた電極103および吸熱板108に設けた
電極104に半田や導電性接着剤などを用いてn型熱電
半導体101とp型熱電半導体102が交互になるよう
にして、これらの熱電半導体を電気的に直列に接続して
構成したものである。
【0022】熱電素子111の検出部110は、発電部
109と同様に、放熱板107に設けた電極105およ
び吸熱板108に設けた電極106に半田や導電性接着
剤などでn型熱電半導体101とp型熱電半導体102
が交互になるようにして、これらの熱電半導体を電気的
に直列に接続して構成したものである。
【0023】ここで、熱電素子111のn型熱電半導体
101とp型熱電半導体102の大半を発電部109と
し、残りのごく一部を検出部110とすることにより、
熱電素子111のn型熱電半導体101およびp型熱電
半導体102の大半を発電に使用することができる。
【0024】たとえば、熱電素子111の全ての対数を
1000対、発電部109の対数を990対、検出部1
10の対数を10対とした場合、熱電素子111のn型
熱電半導体およびp型熱電半導体のわずか1%が検出部
110となり、残りのほとんど全てである99%が発電
部109となって発電に使用することができる。
【0025】ここで電極103および電極105と放熱
板107との境界面が形成する面部を放熱面、電極10
4および電極106と吸熱面108との境界面が形成す
る面部を吸熱面と定義しておく。
【0026】n型熱電半導体101の構成材料として
は、たとえばBiTeSe合金を使用し、p型熱電半導
体102の構成材料としては、たとえばBiSbTe合
金を使用する。また、上記BiTe系合金に限らず、高
温用としてはFeSi系合金など、熱電素子111を含
む電子機器を使用する温度範囲に適した熱電半導体材料
を使用すればよい。また、電極103、104、10
5、106の構成材料としては、銅やアルミニウムなど
を使用する。また、銅やアルミニウムに限らず比抵抗が
小さく熱伝導率のよい金属材料であればよい。
【0027】そして、放熱板107、吸熱板108の構
成材料としては、アルミナなどを使用する。また、アル
ミナに限らず絶縁性を有しかつ熱伝導率のよい材料であ
ればよい。
【0028】熱電素子111を構成する発電部109お
よび検出部110は、隣接する電極104aと電極10
6aがつながっていないことにより、電極104の両端
および電極106の両端に生じる電圧をそれぞれ独立に
取り出すことができる。
【0029】図2は熱電素子111を含む電子機器のシ
ステムブロック図である。熱電素子111に生じる温度
差に比例した、発電部109が発生する電圧によって充
電される二次電池などで構成される充電手段112を設
け、発電部109または充電手段112を電源として駆
動する回路手段113を設ける。
【0030】この回路手段113は、熱電素子111の
検出部110に発生する電圧を検出する。この電圧は検
出部110の熱電半導体の放熱板107側と吸熱板10
8側との温度差に比例するので、本実施形態では検出し
た電圧信号から温度差を演算し、温度差表示手段114
に表示する。そして、温度差表示手段114は、発電部
109または充電手段112を電源として駆動する。
【0031】熱電素子111に温度差が生じれば、発電
部109と検出部110とに同じ温度差が生じ、発電部
109が発生する電圧と検出部110の発生する電圧と
は比例する。
【0032】そして、発電部109が発生し充電手段1
12に充電される発電量は、発電部109が発生する電
圧の2乗に比例する。すなわち、発電部109が発生し
充電手段112に充電される発電量は温度差表示手段1
14で表示する温度差の2乗に比例するので、発電部1
09が発生し充電手段112に充電される発電量、つま
り熱電素子111の発電量を使用者が知ることができ
る。
【0033】つまり、発電部109が発生する電圧と検
出部110の発生する電圧との比例係数が分かれば、発
電部109が発生し充電手段112に充電される発電量
を回路手段113で演算することもできる。このため、
温度差表示手段114で温度差と同時に熱電素子111
の発電量を直接表示することもでき、使用者が熱電素子
111の発電量を直接知ることができる。
【0034】ここで、従来技術の熱電素子311では、
温度差を検出するために使用する温度センサー301お
よび302には通常サーミスタを使用し、一般的に1つ
のサーミスタからは2本の導線が引き出されている。し
たがって、図4に示すように従来技術の熱電素子311
では、温度センサー301および302からは各々2本
ずつ計4本の導線が引き出される。
【0035】そして熱電素子311から充電手段112
へ配線する2本と合わせて、熱電素子311から引き出
される導線は、図4に示すように合計6本となる。
【0036】本発明の実施形態の熱電素子111では、
図2に示すように、検出部110からは2本のみの導線
が引き出され、熱電素子111から充電手段112へ配
線する2本と合わせて、熱電素子111から引き出され
る導線は、図2に示すように合計4本となり、従来技術
の熱電素子311よりも引き出される導線が少なくな
り、熱電素子111から外部に導線を引き出す部分の実
装が簡単になる。
【0037】また、従来技術ではサーミスタなどの温度
センサーを2つ使用するので、得られる温度差の誤差と
しては、温度センサー1つで見込まれる誤差の2倍を見
込む必要があるが、本発明の実施形態では検出部110
から演算される温度差の誤差のみを見込めばよい。すな
わち、従来技術に使用する温度センサーの温度誤差
(℃)と本発明の実施形態の検出部110から演算され
る温度差の誤差(℃)が同レベルであれば、本発明の実
施形態では、従来技術に対して2倍程度精度良く温度差
を測定できる。
【0038】また、発電部109と検出部110のn型
熱電半導体101およびp型熱電半導体102を同一の
熱電半導体材料で、かつ同一の形状で形成することによ
り発電部109と検出部110のn型熱電半導体101
およびp型熱電半導体102を全く同じ方法で作ること
ができ、熱電素子111の作成が容易となる。
【0039】さらに、発電部109が発生する電圧と検
出部110が発生する電圧の比が単純に発電部109と
検出部110のn型熱電半導体101およびp型熱電半
導体102の直列接続数の比になる。このために、発電
部109が発生する電圧と検出部110の発生する電圧
との比例係数が簡単に分かり、温度差表示手段114で
温度差と同時に熱電素子111の発電量を直接表示する
ことが簡単にできる。
【0040】そして、発電部109と検出部110のn
型熱電半導体101およびp型熱電半導体102を同一
の熱電半導体材料で形成し、かつ、n型熱電半導体10
1とp型熱電半導体102の熱膨張率がほぼ同じ場合に
は、熱電素子111を高温で使用する場合に熱膨張率の
差から熱電素子111が壊れてしまうという問題を軽減
することもできる。
【0041】つぎに、図5から図8を用いて第2の実施
の形態における熱電素子の構成を説明する。図5に示し
た本発明の熱電素子111は、発電部109と検出部1
10とから構成される。
【0042】熱電素子111の発電部109は、電極1
03および電極104により、n型熱電半導体101と
p型熱電半導体102が交互になるようにして、これら
の熱電半導体を電気的に直列に接続して構成したもので
ある。また熱電素子111の検出部110は、発電部1
09と同様に、電極105および電極106により、n
型熱電半導体101とp型熱電半導体102が交互にな
るようにして、これらの熱電半導体を電気的に直列に接
続して構成したものである。
【0043】熱電素子111の発電部109と検出部1
10には、n型熱電半導体101とp型熱電半導体10
2との間および周囲に隙間なく充填材501を設ける。
これはp型熱電半導体101およびn型熱電半導体10
2の補強の役目をし、さらに電極103、104、10
5、106を形成しやすくする役目も持っている。
【0044】そして、電極103、105および充填材
501は絶縁層502を介して放熱側部材504に接合
している。同様に、電極104、106および充填材5
01は絶縁層503を介して吸熱側部材503に接合し
ている。
【0045】したがって第1の実施の形態で説明したよ
うに、発電部109が発生する電圧によって充電される
充電手段112を設け、発電部109または充電手段1
12を電源として駆動し、検出部110からの電圧信号
を検出し、温度差を演算する回路手段113を設け、回
路手段113で演算された温度差信号を実際に温度差と
して使用者に知らせる温度差表示手段114を設ける。
このことにより、熱電素子111の発電量を使用者が知
ることができる。
【0046】n型熱電半導体101およびp型熱電半導
体102は、ワイヤーソー加工などの機械加工技術で棒
状に切断して並べて形成する。
【0047】充填材501の構成材料としては、たとえ
ばエポキシなどの有機材料を使用する。また、上記エポ
キシに限らず、熱伝導率のなるべく小さい材料を使用す
ればよい。もしくは、高温条件で使用するために、熱伝
導率の点では必ずしも好ましくはないが耐久性に優れる
アルミナなどのセラミックを使用することもできる。
【0048】各電極103、104、105、106
は、n型熱電半導体101、p型熱電半導体102およ
び充填材501で形成される平面上に金や銅またはアル
ミニウムなどの比抵抗が小さく熱伝導率の良い金属材料
を蒸着、スパッタまたはメッキなどで成膜することによ
り形成する。
【0049】絶縁層502および絶縁層503の構成材
料としては、たとえばアルミナやガラスなどの熱伝導率
の良い材料をフィラーに用いた絶縁性をもつ熱伝導性接
着剤などを使用する。
【0050】放熱板504および吸熱板505の構成材
料としては熱伝導率のよい材料であればよく、第1の実
施の形態で用いた絶縁材料であるアルミナなどを用いる
ことができるが、本発明の実施形態では絶縁層502,
503があるので、より熱伝導率の高いたとえば銅やア
ルミニウムなどの金属材料を使用することができる。
【0051】熱電素子111は、細い棒状に加工したn
型熱電半導体101およびp型熱電半導体102を並べ
る場合、n型熱電半導体101およびp型熱電半導体1
02を細くすればするほどn型熱電半導体およびp型熱
電半導体の機械的強度が弱くなるので、n型熱電半導体
およびp型熱電半導体の補強のためにn型熱電半導体お
よびp型熱電半導体のあいだに充填材501を充填して
形成する。
【0052】したがって、充填材501で補強すること
によって、n型熱電半導体101およびp型熱電半導体
102を細くすることができるので、熱電素子111の
高密度化および小型化が可能になり、熱電素子111を
腕時計などのような小さな電子機器にも利用できる。
【0053】以下の説明において、図6、図7ではn型
熱電半導体101、p型熱電半導体の具体的な配置およ
び電極103、104、105、106による具体的な
配線を説明する便宜上、熱電素子111を絶縁層50
2、503、放熱板504、吸熱板505を省いて説明
する。
【0054】図6および図7は、電極103、104、
105、106による具体的な配線方法を説明する図で
ある。図6は、n型熱電半導体101、p型熱電半導体
102および充填材501のみを抜き出し、吸熱側を上
にして部分的に見た斜視図である。具体的にはn型熱電
半導体およびp型熱電半導体は、図6のように一列ずつ
交互に形成する。
【0055】図5で示した熱電素子111はn型熱電半
導体101とp型熱電半導体102を1次元的に横一列
で配線を行った例であるが、図6で示した熱電素子11
1はn型熱電半導体101とp型熱電半導体102を2
次元的に縦と横に配置した例である。
【0056】図7は、図6の示すn型熱電半導体10
1、p型熱電半導体102,および充填材501の放熱
側および吸熱側に電極103、104、105、106
を形成し、n型熱電半導体101とp型熱電半導体10
2を2次元的に交互に配線した熱電素子111を吸熱側
から見たものである。
【0057】図7に示すように、発電部109は、隣接
するn型熱電半導体101とp型熱電半導体102を、
放熱側で電極103によってまっすぐ接続し、吸熱側で
電極104によって斜めに接続し、発電部109のn型
熱電半導体とp型熱電半導体すべてを交互に電気的に直
列になるように接続する。
【0058】検出部110も同じように、隣接するn型
熱電半導体101とp型熱電半導体102を交互に電気
的に直列になるように接続する。発電部109内の電極
104の両端を充電手段112に接続し、発電部109
の発生する電圧により充電手段112を充電し、検出部
110内の電極106の両端を電圧検出手段701に接
続し、検出部110の電圧を電圧検出手段701で検出
する。
【0059】このとき、充電手段112を電源として電
圧検出手段701を駆動させるために、充電手段112
および電圧検出手段701のそれぞれ高電位側またはそ
れぞれ低電位側の一端同士を接続して等電位にする必要
がある。そのために、充電手段112および電圧検出手
段701のそれぞれ高電位またはそれぞれ低電位の一端
に接続されている電極106の一端と電極104の一端
を電極702を設けて電気的に等電位になるように接続
する。
【0060】電極702を熱電素子111の内部に設け
ることにより、電極702によって接続された電極10
4と電極106は電気的に等電位となり、電極702と
接続している電極104と充電手段112とを接続する
導線と、電極702と接続している電極106と電圧検
出手段701とを接続する導線は電気的に等電位となる
のでその2本の導線を共有することができる。
【0061】すなわち、電極702と接続している電極
104と電極106から従来引き出していた2本の導線
を1本にすることができ、その導線を熱電素子111の
外部で2本に分けて充電手段112の一端および電圧検
出手段701の一端に接続することができる。その導線
は電極104、電極106、電極702のいずれから引
き出してもよい。図7では電極106から引き出した例
を示している。
【0062】したがって、従来は発電部109の両端お
よび検出部110の両端から熱電素子111の外部に引
き出す4本の導線を3本に少なくすることができ、熱電
素子111から外部に導線を引き出す実装が簡単にな
る。導線の具体的な実装方法としては、熱電素子111
の内部で電極104および電極106と導線を半田など
で接続して行う。以上の説明により、図7のような構成
をとることにより、具体的な配線が実施できる。
【0063】図8は、図7の接続を簡単に表した回路図
である。電圧検出手段701で電圧を検出し、回路手段
113内部の温度差表示回路801で演算し、温度差表
示手段114で温度差を表示する構成である。温度差表
示手段114により、使用者は発電量を知ることがで
き、発電量が少ない場合には使用者に発電を促すことが
でき、また発電量が充分であれば使用者は安心して電子
機器を使用できる。
【0064】上記の例の他にも、発電量の大小により電
子機器を変則駆動させたり、発電量が少ないときにアラ
ーム等の音によって発電量が少ないことを知らせること
によって、使用者に発電量を直接知らせることができ
る。
【0065】また、使用者に発電量を直接知らせること
の他に、発電量が少なくなったら電子機器の一部の機能
を止めるなどして消費電力を小さくする、発電量に合わ
せて充電量を最大にするような最適な充電制御を行って
充電効率を上げる、などの充電制御に応用することもで
きる。
【0066】つぎに、図9を用いて第3の実施の形態に
おける熱電素子の構成を説明する。図9では、n型熱電
半導体101、p型熱電半導体の具体的な配置および電
極103、104、105、106による具体的な配線
を説明する便宜上、熱電素子111を絶縁層502、5
03、放熱板504、吸熱板505を省いて説明する。
【0067】図9は、熱電素子111の4つの角部に、
4つの検出部110a、110b、110c、110d
を設けるための、電極103、104、105、106
による具体的な配線の様子を表している。
【0068】図9に示すように、発電部109は、熱電
素子111の4つの角を除いた全面にて、隣接するn型
熱電半導体101とp型熱電半導体102を、放熱側で
電極103によってまっすぐ接続し、吸熱側で電極10
4によって斜めに接続し、発電部109のn型熱電半導
体とp型熱電半導体すべてを交互に電気的に直列になる
ように接続する。
【0069】4つの検出部110a、110b、110
c、110dも同じように、熱電素子111の4つの角
部において、隣接するn型熱電半導体101とp型熱電
半導体102を交互に電気的に直列になるように接続
し、検出部110bと110cのように距離が離れてい
る部分は、電極901を設けて接続する。
【0070】以上の説明により、図9のような構成をと
ることによって、熱電素子111の4つの角部に、4つ
の検出部110a、110b、110c、110dを設
けることが可能となり、4つの角部で温度差を測定する
ので、温度差のばらつきが緩和され平均化されるので、
より正確な温度差が得られる。
【0071】図9では4つの検出部110a、110
b、110c、110dを設ける例を示したが、4つに
限らず、複数の検出部110を設けることによって、温
度差のばらつきが平均化される効果がある。
【0072】さらに図10を用いて第4の実施の形態に
おける熱電素子の構成を説明する。図10ではn型熱電
半導体101、p型熱電半導体の具体的な配置および電
極103、104、105、106による具体的な配線
を説明する便宜上、熱電素子111を絶縁層502、5
03、放熱板504、吸熱板505を省いて説明する。
【0073】図10は熱電素子111の中央部に検出部
110を設けるための電極103、104、105、1
06による具体的な配線の様子を表したものである。
【0074】図10に示すように、発電部109は、熱
電素子111の中央部を除いた全面にて、隣接するn型
熱電半導体101とp型熱電半導体102を、放熱側で
電極103によってまっすぐ接続し、吸熱側で電極10
4によって斜めに接続し、熱電素子111の中央部で
は、検出部110と干渉しないように、電極1001を
用いて検出部110と絶縁するように斜めにとび越して
接続し、発電部109のn型熱電半導体とp型熱電半導
体すべてを交互に電気的に直列になるように接続する。
【0075】検出部110も同様に、熱電素子111の
中央部において、隣接するn型熱電半導体101とp型
熱電半導体102を交互に電気的に直列になるように接
続する。
【0076】図10のような構成をとることによって、
熱電素子111の中央部に、検出部110を設けること
ができ、熱電素子111の中央部で温度差を測定するの
で、熱電素子111の端部で測定するよりも、より正確
な温度差が得られる。
【0077】また、図11は第5の実施の形態における
熱電素子の配置構成を説明する図である。図11は、検
出部110を設けた熱電素子111を複数備えた腕時計
の平面図および断面図である。腕時計に複数の熱電素子
111を設けることにより、それぞれの位置に設けた熱
電素子111の検出部110でそれぞれの位置での温度
差を検出できるので、腕時計内部での位置の違いによる
温度差のばらつきをも含んだ、より正確な温度差が得ら
れる。
【0078】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の熱電素子では、熱電素子を発電部と検出部に分けて、
検出部の起電力を検出して温度差を換算することによ
り、熱電素子を構成する要素のみで温度差(発電量)を
検出することができ、温度センサーを新たに設ける必要
がないので、温度センサーの部品を減らすことができ、
そして熱電素子に温度センサーを設けるための組立工程
を省略することができる。また、温度センサーを取り付
けるためのスペースが必要なくなるので、熱電素子を小
型化することができる。
【0079】さらに、温度センサーで熱電素子の放熱板
および吸熱板の温度を検出する従来技術では、放熱板と
吸熱板の温度センサー取り付け部分と内側の部分や、温
度センサーそのものの内部に温度勾配が生じるので、熱
電素子に生じる温度差を正確に検出することは難しい
が、本発明では熱電素子の一部を直接温度差検出に用い
ることで、熱電素子に生じる温度差を正確に検出するこ
とができる。
【0080】そして、熱電素子111から引き出される
導線は4本となり、従来技術の熱電素子311の6本よ
りも少なくなり、熱電素子111から外部に導線を引き
出す部分の実装を簡単にすることができる。
【0081】また、第2の実施の形態では、充填材で補
強することによって、n型熱電半導体およびp型熱電半
導体を細くすることができるので、熱電素子をより高密
度化および小型化することができる。
【0082】さらに、第2の実施の形態では、熱電素子
111から引き出される導線は3本となり、さらに少な
くなるので、熱電素子111から外部に導線を引き出す
部分の実装をさらに簡単にすることができる。
【0083】また、第3の実施の形態では、熱電素子1
11の4つの角部で温度差を測定するので、温度差のば
らつきが緩和され平均化されるので、より正確な温度差
を得ることができる。
【0084】さらに、第4の実施の形態では、熱電素子
111の中央部で温度差を測定するので、熱電素子11
1の端部で測定するよりも、より正確な温度差が得られ
る。
【0085】そして、第5の実施の形態では、腕時計に
複数の熱電素子111を設けることにより、それぞれの
位置に設けた熱電素子の検出部でそれぞれの位置での温
度差を検出できるので、腕時計内部での位置の違いによ
る温度差のばらつきをも含んだ、より正確な温度差が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における熱電素子を
示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における熱電素子を
含む電子機器のシステム構成を示すブロック図である。
【図3】従来技術における熱電素子を示す断面図であ
る。
【図4】従来技術における熱電素子を含む電子機器のシ
ステム構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における熱電素子を
示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における熱電素子を
示す斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における熱電素子の
配線を示す平面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における熱電素子の
配線によるシステム構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態における熱電素子の
配線を示す平面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態における熱電素子
の配線を示す平面図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態における熱電素子
を腕時計に配置した平面図および断面図である。
【符号の説明】
101 n型熱電半導体 102 p型熱電半導体 103〜106、702、901、1001 電極 107、504 放熱板 108、505 吸熱板 109 発電部 110 検出部 111 熱電素子 301、302 温度センサー 501 充填材 502、503 絶縁層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ平行な放熱面と吸熱面のあいだに放
    熱面および吸熱面にほぼ直角になるように、多数の棒状
    のn型熱電半導体とp型熱電半導体とがほぼ対をなすよ
    うに配置し、この多数のn型熱電半導体とp型熱電半導
    体を交互に直列に接続するように放熱面および吸熱面に
    電極を設けた発電部を有し、放熱面と吸熱面のあいだに
    放熱面および吸熱面にほぼ直角になるように、少数の棒
    状のn型熱電半導体とp型熱電半導体とがほぼ対をなす
    ように配置し、この少数のn型熱電半導体とp型熱電半
    導体を交互に直列に接続するように放熱面および吸熱面
    に電極を設けた検出部を有し、発電部と検出部は電気的
    に絶縁されていることを特徴とする熱電素子。
  2. 【請求項2】 ほぼ平行な放熱面と吸熱面のあいだに放
    熱面および吸熱面にほぼ直角になるように、多数の棒状
    のn型熱電半導体とp型熱電半導体とがほぼ対をなすよ
    うに配置し、この多数のn型熱電半導体とp型熱電半導
    体を交互に直列に接続するように放熱面および吸熱面に
    電極を設けた発電部を有し、放熱面と吸熱面のあいだに
    放熱面および吸熱面にほぼ直角になるように、少数の棒
    状のn型熱電半導体とp型熱電半導体とがほぼ対をなす
    ように配置し、この少数のn型熱電半導体とp型熱電半
    導体を交互に直列に接続するように放熱面および吸熱面
    に電極を設けた検出部を有し、発電部の一端のn(p)
    型熱電半導体と、検出部の一端のn(p)型熱電半導体
    とが放熱面または吸熱面に設けた共通の電極を有するこ
    とを特徴とする熱電素子。
  3. 【請求項3】 発電部と検出部のn型熱電半導体および
    p型熱電半導体が、同一の熱電半導体材料で、かつ同一
    の形状で形成されていることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の熱電素子。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100642418B1 (ko) 1999-11-26 2006-11-03 혼다 기켄 코교 가부시키 가이샤 열전소자
KR100772201B1 (ko) 2006-05-26 2007-11-01 김성완 열전소자모듈
JP4593007B2 (ja) * 2001-05-23 2010-12-08 東京エレクトロン株式会社 載置装置
JP2012016074A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Swcc Showa Cable Systems Co Ltd 熱電変換発電装置
JP2012074662A (ja) * 2009-12-09 2012-04-12 Sony Corp 熱電発電装置、熱電発電方法、電気信号検出装置及び電気信号検出方法
CN113097586A (zh) * 2021-03-16 2021-07-09 电子科技大学 一种智能型热电-电池集成结构
JP2021173754A (ja) * 2020-04-30 2021-11-01 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 時計の熱電発電器の電力表示器デバイス

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