JP2004309330A - 温度表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温物体Hの表面に容易に取り付けることができ、この高温物体Hの表面温度を一目で分かるよう、高温物体の表面に常時取り付けて用いられる温度表示装置を提供する。
【解決手段】温度表示装置1は、ペルチエ素子6と、ペルチエ素子6により生成された起電力に基づいてこの表面温度に関する情報を表示する温度表示部3とを具え、このペルチエ素子6の高温側を高温物体Hの表面に、直接的に、もしくは高熱伝導媒体を介して間接的に接触させ、低温側をこの高温物体外の気体に直接的に、もしくは高熱伝導媒体を介して間接的に接触させて構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】温度表示装置1は、ペルチエ素子6と、ペルチエ素子6により生成された起電力に基づいてこの表面温度に関する情報を表示する温度表示部3とを具え、このペルチエ素子6の高温側を高温物体Hの表面に、直接的に、もしくは高熱伝導媒体を介して間接的に接触させ、低温側をこの高温物体外の気体に直接的に、もしくは高熱伝導媒体を介して間接的に接触させて構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温物体の表面温度を表示する温度表示装置に関し、特に、この高温物体への接触によるやけど等の事故を未然に防止する目的のために、この表面温度をこの表面上に常時表示する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
露出した高温の物体に人が手で触れたり、可燃物を接触させたりすることは危険なので、通常は高温物体に手が届かないよう、障害物を設けて防止することが行われているが、これらの障害物を設けることが困難な場合も多く、このような場合、高温物体の表面の温度がいつも、すぐに、一目で分かるような表示装置が望まれていた。
【0003】
一方、従来から、高温物体の表面温度を表示する装置としては、この表面から放射される赤外線の波長分布から温度を求める赤外線温度計が知られている(例えば、特許文献1。)。しかしながら、この表示装置を上記の目的に用いようとしても、装置が高価で大型となるため、高温物体に常時取り付けてこの温度を一目で分かるようにする目的にはそぐわないものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開平07−035621号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、高温物体の表面に容易に取り付けることができ、この高温物体の表面温度を一目で分かるよう、高温物体の表面に常時取り付けて用いられる温度表示装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明はなされたものであり、その要旨構成ならびに作用を以下に示す。
【0007】
請求項1に記載の温度表示装置は、高温物体の表面温度を表示する装置であって、ペルチエ素子と、ペルチエ素子により生成された起電力に基づいてこの表面温度に関する情報を表示する温度表示部とを具え、このペルチエ素子の高温側を高温物体の表面に、直接的に、もしくは高熱伝導媒体を介して間接的に接触させ、低温側をこの高温物体外の気体に直接的に、もしくは高熱伝導媒体を介して間接的に接触させてなるものである。
【0008】
ペルチエ素子は、その高温側と低温側との温度差に応じた大きさの起電力を生成するものであり、本発明に係るこの温度表示装置によれば、高温側を高温物体の表面に接触させて設けられたペルチエ素子を具えるので、ペルチエ素子の低温側の温度が既知の場合は、ペルチエ素子により生成される起電力の大きさを検知することにより、ペルチエ素子の高温側の温度を知ることができ、その結果、温度情報を表示する温度表示部により、このようにして求められた高温側の温度、すなわち高温物体の表面温度を表示することができる。仮に、低温側のペルチエ素子の温度が正確に分からなくても、低温側の温度は、一般的には室温である等大きく変化することがないので、予めこの平均的な温度を低温側温度とすることにより、概略の高温側温度、すなわち高温物体の表面温度を表示することができる。
【0009】
そして、この装置の基本構成要素となるペルチエ素子は、小型で、温度差によって直接起電力を発生するものなので、この温度表示装置を安価でしかも小型に構成して、常時取付型の表示装置として用いることができ、電源供給のための煩雑な配線や電源を不要なものとすることができる。
【0010】
請求項2に記載の温度表示装置は、請求項1に記載するところにおいて、ペルチエ素子の低温側に放熱フィンを設けてなるものである。
【0011】
この温度表示装置によれば、ペルチエ素子の低温側に放熱フィンを設けるので、ペルチエ素子の低温側温度を、速やかに、かつ正確に、既知の雰囲気温度に近づけることができ、表示温度の精度を向上させることができる。
【0012】
請求項3に記載の温度表示装置は、請求項1もしくは2に記載するところにおいて、高温物体の表面温度を温度表示部に表示させる表示制御部を具え、ペルチエ素子により生成された起電力を電源として温度表示部および表示制御部を駆動する駆動回路を設けてなるものである。
【0013】
この温度表示装置によれば、温度表示部は高温物体の表面温度を表示するので一目で分かりやすいものとなり、また、温度表示部および表示制御部は、ペルチエ素子により生成された起電力を電源として駆動されるので、外部からの配線や電源を不要なものとすることができる。
【0014】
請求項4に記載の温度表示装置は、請求項1もしくは2に記載するところにおいて、温度表示部は、ペルチエ素子により生成された起電力を直接、表示可能な物理量に変換する変換部よりなるものである。
【0015】
この温度表示装置は、例えば、機械式電圧計のように、ペルチエ素子により生成された起電力をスプリングの力に対向して針を揺動させる揺動力に変換して、針の揺動角を起電力に比例させるとともに揺動角と実際の高温物体の表面温度とが対応するよう目盛り付けることにより、一目で高温物体の表面温度がわかる表示を行うことができるようにしたものであり、表示装置を駆動するための別個の電源を必要としないので、外部からの配線や駆動のための外部エネルギーを不要のものとすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図1ないし図5に基づいて説明する。図1は、本実施形態の温度表示装置を、高温物体に取り付けた状態で示す斜視図であり、図2は、温度表示装置のセンサ部を示す側面図である。温度表示装置1は、高温物体Hの表面温度を検知するセンサ部2、検知した温度を表示する温度表示部3、および、センサ部2と温度表示部3とを支持するとともに接着剤もしくはビス止め等により高温物体Hの表面に取り付けられるフレーム部19を具える。
【0017】
センサ部2は、平板状の、ペルチエ素子よりなる複数の熱電モジュール4、ペルチエ素子により生成された起電力を出力する両方の端子9、熱電モジュール4の出力端の電極7同士を直列に接続する内部配線15、熱電モジュール4の両方の伝熱面4sにそれぞれ貼り付けられた高温側集熱板5aおよび低温側集熱板5bを具える。
【0018】
低温側集熱板5bには複数の放熱フィン14が設けられ、また、これらの放熱フィン14を互いに連結するとともにこれらをフレーム部19に固定するステー16が設けられる。また、フレーム部19を高温物体Hに取り付けるの前の状態において高温側集熱板5aは、フレーム部19の高温物体Hへの取付面よりわずか突出して設けられ、このことにより、フレーム部19を高温物体Hに取り付けた姿勢においては、高温側集熱板5aは、ステー16等の弾性により、全面にわたって高温物体Hに接触するよう構成され、この全面接触により高い熱伝導を確保して、熱電モジュール4の高温側温度を高温物体Hの表面温度に極めて近いものとすることができる。
【0019】
図3は、熱電モジュール4の構造を示す斜視図であり、図4はペルチエ素子6の構成を示す模式図である。熱電モジュール4は複数のペルチエ素子6を直列に接続するとともにこれらを平面的に配列して構成される。一つのペルチエ素子6は互いに電気的特性の異なる導電ブロック11および12と、これらのブロック11、12の一方の端同士を連結する第一の電極13aと、これらの他方の端同士を連結する第二の電極13bとで構成され、隣接するペルチエ素子6同士は、第一および第二の電極13a、13bのいずれか一方を共通にして直列に接続されている。
【0020】
それぞれのペルチエ素子6の第一の電極13aは第一の高熱伝導電気絶縁シート8aに貼り付けられ、同様に、第二の電極13bは第二の高熱伝導電気絶縁シート8bに貼り付けられ、また、直列に接続されたペルチエ素子6のうち、両端のペルチエ素子6の第一の電極13aもしくは第二の電極13b同士に起電力を取り出すリード線7aが取り付けられる。ここでは、これらのリード線7aのついた電極を出力端電極7と呼ぶこととする。
【0021】
ここで、同一種類の半導体のN型とP型とは同じ電流の向きに対して異なる向きに熱流を発生させることから、ペルチエ素子6を構成する導電ブロック11、12の材料として、同一種類の半導体を用い、対をなす一方のブロックをN型半導体、他方のブロックをP型半導体とするのがよく、このことにより、両電極間に高い温度差を得ることができる。そして、このような半導体としては、(Be・Sb)2Te3、Bi2(Te・Se)3、Bi2Te3、PbTe、ZnTe、Biなどが知られている。
【0022】
また、高熱伝導電気絶縁シート8a、8bとしては、アルミナや窒化アルミなどが用いられる。さらに、熱電モジュール4の伝熱面4sとそれぞれの集熱板5a、5bとの間の貼着、および集熱板5bと高温物体Hとの間の接触に際しては、これらの間で高い熱伝導性を担持させる必要があり、このため、熱伝導コンパウンドやシリコングリースなどを用いるのがよい。
【0023】
以上のように、熱電モジュール4は、複数のペルチエ素子6、両高熱伝導電気絶縁シート8a、8b、および両出力端電極7で構成され、両高熱伝導電気絶縁シート8a、8bの間に温度差を付与することにより、両出力端電極7間に起電力を発生し、その起電力の大きさは温度差に比例するものであり、この温度表示装置1は、このことを利用して誘起された起電力を直接表示し、もしくこの起電力に基づいて温度に関する情報を表示するものである。
【0024】
図5は、高温物体Hの表面温度を表示するための装置の構成を示すブロック線図である。端子9間に出力されたセンサ部2からの起電力は、表示制御部18に入力され、この起電力に基づいて信号変換が行われ、温度表示部3の出力形態に合わせて温度表示データが表示制御部18から温度表示部3に出力される。
【0025】
例えば、温度表示部3がデジタル表示のものであれば、表示制御部18は、センサ部2からの入力起電力をAD変換して温度差データを算出したあと、これに予め定められた低温側温度を表わす数値を加算し、この加算値を温度表示部3に出力する。
【0026】
この際、表示制御部18および温度表示部19を駆動するための電源はセンサ部で発生した起電力を用いることができる。
【0027】
また、図5に示すものと異なる構成として、センサ部2からの出力起電力を表示制御部18を経ることなく直接表示させることができ、例えば、機械式電圧計のように、ペルチエ素子により生成された起電力をスプリングの力に対向して針を揺動させる揺動力に変換して、針の揺動角を起電力に比例させるとともに揺動角と実際の高温物体の表面温度とが対応するよう目盛り付けることにより、一目で高温物体の表面温度がわかる温度表示部19を構成することができる。この場合も、外部からの配線が不要となり、エネルギー消費を抑制できる上、図5に示すものとは異なり、表示制御部18そのものが不要となるばかりではなく、温度表示部19を駆動させるための電源も不要となるので、センサ部2からの起電力が低くても温度の表示を行うことができ、したがって、熱電モジュール4の数を減らして、装置を安価にコンパクトに構成することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなように、本発明の温度表示装置1によれば、ペルチエ素子6と、ペルチエ素子6により生成された起電力に基づいてこの表面温度に関する情報を表示する温度表示部3とを具え、このペルチエ素子6の高温側を高温物体Hの表面に、直接的に、もしくは高熱伝導媒体を介して間接的に接触させ、低温側をこの高温物体外の気体に直接的に、もしくは高熱伝導媒体を介して間接的に接触させて構成されているので、高温物体Hの表面に容易に取り付けることができ、この高温物体Hの表面温度を一目で分かるよう、高温物体の表面に常時取り付けて用いられるものとして供することができ、しかも、電源が不要であるので、このための配線が不要になるだけでなく、電力の節減にも寄与させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の温度表示装置を、高温物体に取り付けた状態で示す斜視図である。
【図2】温度表示装置のセンサ部を示す側面図である。
【図3】熱電モジュール4の構造を示す斜視図である。
【図4】ペルチエ素子6の構成を示す模式図である。
【図5】高温物体の表面温度を表示するための装置の構成を示すブロック線図である。
【符号の説明】
1 温度表示装置
2 センサ部
3 温度表示部
4 熱電モジュール
5a、5b 高温側、低温側集熱板
6 ペルチエ素子
7 出力端電極
7a リード線
8a、8b 高熱伝導電気絶縁シート
9 出力端子
11、12 導電ブロック
13a、13b ペルチエ素子の電極
14 放熱フィン
15 内部配線
16 ステー
18 表示制御部
19 フレーム部
H 高温物体
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温物体の表面温度を表示する温度表示装置に関し、特に、この高温物体への接触によるやけど等の事故を未然に防止する目的のために、この表面温度をこの表面上に常時表示する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
露出した高温の物体に人が手で触れたり、可燃物を接触させたりすることは危険なので、通常は高温物体に手が届かないよう、障害物を設けて防止することが行われているが、これらの障害物を設けることが困難な場合も多く、このような場合、高温物体の表面の温度がいつも、すぐに、一目で分かるような表示装置が望まれていた。
【0003】
一方、従来から、高温物体の表面温度を表示する装置としては、この表面から放射される赤外線の波長分布から温度を求める赤外線温度計が知られている(例えば、特許文献1。)。しかしながら、この表示装置を上記の目的に用いようとしても、装置が高価で大型となるため、高温物体に常時取り付けてこの温度を一目で分かるようにする目的にはそぐわないものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開平07−035621号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、高温物体の表面に容易に取り付けることができ、この高温物体の表面温度を一目で分かるよう、高温物体の表面に常時取り付けて用いられる温度表示装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明はなされたものであり、その要旨構成ならびに作用を以下に示す。
【0007】
請求項1に記載の温度表示装置は、高温物体の表面温度を表示する装置であって、ペルチエ素子と、ペルチエ素子により生成された起電力に基づいてこの表面温度に関する情報を表示する温度表示部とを具え、このペルチエ素子の高温側を高温物体の表面に、直接的に、もしくは高熱伝導媒体を介して間接的に接触させ、低温側をこの高温物体外の気体に直接的に、もしくは高熱伝導媒体を介して間接的に接触させてなるものである。
【0008】
ペルチエ素子は、その高温側と低温側との温度差に応じた大きさの起電力を生成するものであり、本発明に係るこの温度表示装置によれば、高温側を高温物体の表面に接触させて設けられたペルチエ素子を具えるので、ペルチエ素子の低温側の温度が既知の場合は、ペルチエ素子により生成される起電力の大きさを検知することにより、ペルチエ素子の高温側の温度を知ることができ、その結果、温度情報を表示する温度表示部により、このようにして求められた高温側の温度、すなわち高温物体の表面温度を表示することができる。仮に、低温側のペルチエ素子の温度が正確に分からなくても、低温側の温度は、一般的には室温である等大きく変化することがないので、予めこの平均的な温度を低温側温度とすることにより、概略の高温側温度、すなわち高温物体の表面温度を表示することができる。
【0009】
そして、この装置の基本構成要素となるペルチエ素子は、小型で、温度差によって直接起電力を発生するものなので、この温度表示装置を安価でしかも小型に構成して、常時取付型の表示装置として用いることができ、電源供給のための煩雑な配線や電源を不要なものとすることができる。
【0010】
請求項2に記載の温度表示装置は、請求項1に記載するところにおいて、ペルチエ素子の低温側に放熱フィンを設けてなるものである。
【0011】
この温度表示装置によれば、ペルチエ素子の低温側に放熱フィンを設けるので、ペルチエ素子の低温側温度を、速やかに、かつ正確に、既知の雰囲気温度に近づけることができ、表示温度の精度を向上させることができる。
【0012】
請求項3に記載の温度表示装置は、請求項1もしくは2に記載するところにおいて、高温物体の表面温度を温度表示部に表示させる表示制御部を具え、ペルチエ素子により生成された起電力を電源として温度表示部および表示制御部を駆動する駆動回路を設けてなるものである。
【0013】
この温度表示装置によれば、温度表示部は高温物体の表面温度を表示するので一目で分かりやすいものとなり、また、温度表示部および表示制御部は、ペルチエ素子により生成された起電力を電源として駆動されるので、外部からの配線や電源を不要なものとすることができる。
【0014】
請求項4に記載の温度表示装置は、請求項1もしくは2に記載するところにおいて、温度表示部は、ペルチエ素子により生成された起電力を直接、表示可能な物理量に変換する変換部よりなるものである。
【0015】
この温度表示装置は、例えば、機械式電圧計のように、ペルチエ素子により生成された起電力をスプリングの力に対向して針を揺動させる揺動力に変換して、針の揺動角を起電力に比例させるとともに揺動角と実際の高温物体の表面温度とが対応するよう目盛り付けることにより、一目で高温物体の表面温度がわかる表示を行うことができるようにしたものであり、表示装置を駆動するための別個の電源を必要としないので、外部からの配線や駆動のための外部エネルギーを不要のものとすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図1ないし図5に基づいて説明する。図1は、本実施形態の温度表示装置を、高温物体に取り付けた状態で示す斜視図であり、図2は、温度表示装置のセンサ部を示す側面図である。温度表示装置1は、高温物体Hの表面温度を検知するセンサ部2、検知した温度を表示する温度表示部3、および、センサ部2と温度表示部3とを支持するとともに接着剤もしくはビス止め等により高温物体Hの表面に取り付けられるフレーム部19を具える。
【0017】
センサ部2は、平板状の、ペルチエ素子よりなる複数の熱電モジュール4、ペルチエ素子により生成された起電力を出力する両方の端子9、熱電モジュール4の出力端の電極7同士を直列に接続する内部配線15、熱電モジュール4の両方の伝熱面4sにそれぞれ貼り付けられた高温側集熱板5aおよび低温側集熱板5bを具える。
【0018】
低温側集熱板5bには複数の放熱フィン14が設けられ、また、これらの放熱フィン14を互いに連結するとともにこれらをフレーム部19に固定するステー16が設けられる。また、フレーム部19を高温物体Hに取り付けるの前の状態において高温側集熱板5aは、フレーム部19の高温物体Hへの取付面よりわずか突出して設けられ、このことにより、フレーム部19を高温物体Hに取り付けた姿勢においては、高温側集熱板5aは、ステー16等の弾性により、全面にわたって高温物体Hに接触するよう構成され、この全面接触により高い熱伝導を確保して、熱電モジュール4の高温側温度を高温物体Hの表面温度に極めて近いものとすることができる。
【0019】
図3は、熱電モジュール4の構造を示す斜視図であり、図4はペルチエ素子6の構成を示す模式図である。熱電モジュール4は複数のペルチエ素子6を直列に接続するとともにこれらを平面的に配列して構成される。一つのペルチエ素子6は互いに電気的特性の異なる導電ブロック11および12と、これらのブロック11、12の一方の端同士を連結する第一の電極13aと、これらの他方の端同士を連結する第二の電極13bとで構成され、隣接するペルチエ素子6同士は、第一および第二の電極13a、13bのいずれか一方を共通にして直列に接続されている。
【0020】
それぞれのペルチエ素子6の第一の電極13aは第一の高熱伝導電気絶縁シート8aに貼り付けられ、同様に、第二の電極13bは第二の高熱伝導電気絶縁シート8bに貼り付けられ、また、直列に接続されたペルチエ素子6のうち、両端のペルチエ素子6の第一の電極13aもしくは第二の電極13b同士に起電力を取り出すリード線7aが取り付けられる。ここでは、これらのリード線7aのついた電極を出力端電極7と呼ぶこととする。
【0021】
ここで、同一種類の半導体のN型とP型とは同じ電流の向きに対して異なる向きに熱流を発生させることから、ペルチエ素子6を構成する導電ブロック11、12の材料として、同一種類の半導体を用い、対をなす一方のブロックをN型半導体、他方のブロックをP型半導体とするのがよく、このことにより、両電極間に高い温度差を得ることができる。そして、このような半導体としては、(Be・Sb)2Te3、Bi2(Te・Se)3、Bi2Te3、PbTe、ZnTe、Biなどが知られている。
【0022】
また、高熱伝導電気絶縁シート8a、8bとしては、アルミナや窒化アルミなどが用いられる。さらに、熱電モジュール4の伝熱面4sとそれぞれの集熱板5a、5bとの間の貼着、および集熱板5bと高温物体Hとの間の接触に際しては、これらの間で高い熱伝導性を担持させる必要があり、このため、熱伝導コンパウンドやシリコングリースなどを用いるのがよい。
【0023】
以上のように、熱電モジュール4は、複数のペルチエ素子6、両高熱伝導電気絶縁シート8a、8b、および両出力端電極7で構成され、両高熱伝導電気絶縁シート8a、8bの間に温度差を付与することにより、両出力端電極7間に起電力を発生し、その起電力の大きさは温度差に比例するものであり、この温度表示装置1は、このことを利用して誘起された起電力を直接表示し、もしくこの起電力に基づいて温度に関する情報を表示するものである。
【0024】
図5は、高温物体Hの表面温度を表示するための装置の構成を示すブロック線図である。端子9間に出力されたセンサ部2からの起電力は、表示制御部18に入力され、この起電力に基づいて信号変換が行われ、温度表示部3の出力形態に合わせて温度表示データが表示制御部18から温度表示部3に出力される。
【0025】
例えば、温度表示部3がデジタル表示のものであれば、表示制御部18は、センサ部2からの入力起電力をAD変換して温度差データを算出したあと、これに予め定められた低温側温度を表わす数値を加算し、この加算値を温度表示部3に出力する。
【0026】
この際、表示制御部18および温度表示部19を駆動するための電源はセンサ部で発生した起電力を用いることができる。
【0027】
また、図5に示すものと異なる構成として、センサ部2からの出力起電力を表示制御部18を経ることなく直接表示させることができ、例えば、機械式電圧計のように、ペルチエ素子により生成された起電力をスプリングの力に対向して針を揺動させる揺動力に変換して、針の揺動角を起電力に比例させるとともに揺動角と実際の高温物体の表面温度とが対応するよう目盛り付けることにより、一目で高温物体の表面温度がわかる温度表示部19を構成することができる。この場合も、外部からの配線が不要となり、エネルギー消費を抑制できる上、図5に示すものとは異なり、表示制御部18そのものが不要となるばかりではなく、温度表示部19を駆動させるための電源も不要となるので、センサ部2からの起電力が低くても温度の表示を行うことができ、したがって、熱電モジュール4の数を減らして、装置を安価にコンパクトに構成することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなように、本発明の温度表示装置1によれば、ペルチエ素子6と、ペルチエ素子6により生成された起電力に基づいてこの表面温度に関する情報を表示する温度表示部3とを具え、このペルチエ素子6の高温側を高温物体Hの表面に、直接的に、もしくは高熱伝導媒体を介して間接的に接触させ、低温側をこの高温物体外の気体に直接的に、もしくは高熱伝導媒体を介して間接的に接触させて構成されているので、高温物体Hの表面に容易に取り付けることができ、この高温物体Hの表面温度を一目で分かるよう、高温物体の表面に常時取り付けて用いられるものとして供することができ、しかも、電源が不要であるので、このための配線が不要になるだけでなく、電力の節減にも寄与させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の温度表示装置を、高温物体に取り付けた状態で示す斜視図である。
【図2】温度表示装置のセンサ部を示す側面図である。
【図3】熱電モジュール4の構造を示す斜視図である。
【図4】ペルチエ素子6の構成を示す模式図である。
【図5】高温物体の表面温度を表示するための装置の構成を示すブロック線図である。
【符号の説明】
1 温度表示装置
2 センサ部
3 温度表示部
4 熱電モジュール
5a、5b 高温側、低温側集熱板
6 ペルチエ素子
7 出力端電極
7a リード線
8a、8b 高熱伝導電気絶縁シート
9 出力端子
11、12 導電ブロック
13a、13b ペルチエ素子の電極
14 放熱フィン
15 内部配線
16 ステー
18 表示制御部
19 フレーム部
H 高温物体
Claims (4)
- 高温物体の表面温度を表示する装置であって、ペルチエ素子と、ペルチエ素子により生成された起電力に基づいてこの表面温度に関する情報を表示する温度表示部とを具え、このペルチエ素子の高温側を高温物体の表面に、直接的に、もしくは高熱伝導媒体を介して間接的に接触させ、低温側をこの高温物体外の気体に直接的に、もしくは高熱伝導媒体を介して間接的に接触させてなる温度表示装置。
- ペルチエ素子の低温側に放熱フィンを設けてなる請求項1に記載の温度表示装置。
- 高温物体の表面温度を温度表示部に表示させる表示制御部を具え、ペルチエ素子により生成された起電力を電源として温度表示部および表示制御部を駆動する駆動回路を設けてなる請求項1もしくは2に記載の温度表示装置。
- 温度表示部は、ペルチエ素子により生成された起電力を直接、表示可能な物理量に変換する変換部よりなる請求項1もしくは2に記載の温度表示装置。
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ID=33466800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003103798A Pending JP2004309330A (ja) | 2003-04-08 | 2003-04-08 | 温度表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004309330A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010231730A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Suzuki Gokin Kk | 高温警報表示器 |
JP2017066667A (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | 株式会社Lixil | 建具 |
JP2018054474A (ja) * | 2016-09-29 | 2018-04-05 | 日本ドライケミカル株式会社 | 熱センサおよびその熱センサを用いた熱検知システム |
WO2022087663A1 (en) * | 2020-10-29 | 2022-05-05 | Krama Technologies Pty Ltd | Conveyor idler failure detection |
-
2003
- 2003-04-08 JP JP2003103798A patent/JP2004309330A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010231730A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Suzuki Gokin Kk | 高温警報表示器 |
JP2017066667A (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | 株式会社Lixil | 建具 |
JP2018054474A (ja) * | 2016-09-29 | 2018-04-05 | 日本ドライケミカル株式会社 | 熱センサおよびその熱センサを用いた熱検知システム |
WO2022087663A1 (en) * | 2020-10-29 | 2022-05-05 | Krama Technologies Pty Ltd | Conveyor idler failure detection |
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