JP3051919B2 - 熱発電式電子機器 - Google Patents

熱発電式電子機器

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JP3051919B2
JP3051919B2 JP10323825A JP32382598A JP3051919B2 JP 3051919 B2 JP3051919 B2 JP 3051919B2 JP 10323825 A JP10323825 A JP 10323825A JP 32382598 A JP32382598 A JP 32382598A JP 3051919 B2 JP3051919 B2 JP 3051919B2
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    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
    • G04CELECTROMECHANICAL CLOCKS OR WATCHES
    • G04C10/00Arrangements of electric power supplies in time pieces
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N10/00Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱電式発電機を備
えた、例えば、腕時計などの熱発電式電子機器、置時
計、掛時計、ページャー等の電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】熱発電式電子機器、例えば、腕時計は、
いまや電子式腕時計が主流となっているが、その動力源
としては、銀電池やリチウム電池などが使われている。
しかしながら、これら電池は、消耗品であるため定期的
な交換が必要であるばかりでなく、地球の有限な資源を
消費する。
【0003】そこで、これに代わるものとして、発電機
構を内部に備えた腕時計が研究されてきている。その発
電方式としては、例えば、光エネルギーを変換する太陽
電池や、重力エネルギーを利用した機械的発電、或いは
温度差によるゼーベック効果を利用した熱電式発電など
が知られ、そのうち太陽電池及び機械的発電を用いたも
のは既に実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】熱発電式電子機器にお
いて、熱発電方式を利用する場合、腕を介して熱発電式
電子機器に伝わる体温(高温部)と、熱発電式電子機器
のまわりの外気の温度(低温部)との温度差が利用され
る。しかし、これまでの熱発電式電子機器では、高温部
から熱電式発電機の受熱部への熱伝導性や、熱電式発電
機の放熱部から低温部への熱伝導性等が問題となり、必
要な電気エネルギーを熱電式発電機が発生させるのに十
分な前記温度差を得るまでには至らないという問題点が
あった。
【0005】特に、熱発電式電子機器を腕に装着して暫
くは、裏蓋が体温で急速に暖められ、一方胴又はガラス
縁は冷えたままのため、熱電式発電機の受熱部と放熱部
との間の温度差は大きいが、やがてガラス縁も熱伝導に
よって徐々に温度上昇し、温度差は小さくなっていく。
また、熱発電式電子機器を腕から取り外すと、放熱によ
り熱電式発電機の受熱部及び放熱部がほぼ同時に冷却さ
れるため、温度差が僅かとなり、熱電式発電機は、殆ど
電気エネルギーを発生させることができないという問題
点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、前記放熱部が前記ガラス縁に、一方、前記受熱部が
前記裏蓋に、それぞれ熱伝導可能な状態に接続された熱
電式発電機の受熱部に第1の蓄熱材を熱伝導可能な状態
に設置されている構成とした。
【0007】本発明によれば、熱電式発電機の放熱部が
ガラス縁に、一方、受熱部が裏蓋に、それぞれ熱伝導可
能な状態に接続されている。更に、裏蓋には、熱電式発
電機と並列に熱伝導可能な状態で第1の蓄熱材が設置さ
れている。そのため、腕からの熱は裏蓋を介して熱電式
発電機の受熱部へと同時に、第1の蓄熱材にも伝導され
る。熱電式発電機を通った熱は、放熱部から更にガラス
縁やガラスや放熱胴を介して外気へと放熱される。一
方、第1の蓄熱材に流れた熱は、蓄熱材を暖め、融解点
(凝固点)温度までは潜熱として熱を蓄え、やがて融解
点を超えると固体から液体に相変化し温度上昇し熱電式
発電機の受熱部と温度差がなくなり定温となる。裏蓋に
は熱伝導率の低いステンレス鋼やチタンの薄板を使用し
ているので、板厚方向には熱が伝わり易く腕につけた直
後から発電を行ない、径方向には熱が伝わりにくいので
蓄熱材による温度低下の影響を受けない。従って、熱電
式発電機の受熱部と放熱部との間には、第1の蓄熱材を
設置しなかった場合と同等の温度差が生じ、熱電式発電
機が所定の電気エネルギーを発生させることができる。
【0008】 また、第1の蓄熱材には所定の熱量が蓄
えられる。 従って、前記熱発電式電子機器を腕から取
り外した場合においても、第1の蓄熱材に蓄えられた所
定の熱量によって発電が継続される。 熱発電式電子機
器を腕から取り外すと、外気への放熱によって、ガラス
やガラス縁や放熱胴と共に裏蓋も温度低下が始まる。通
常はガラスやガラス縁や放熱胴の方が裏蓋より熱容量が
多いので、裏蓋の方が早く冷却するため発電量が少なく
なり0となる。やがて逆転し、熱電式発電機の受熱部の
温度が放熱部の温度より低くなり逆起電力が生じる。逆
起電力を電気回路で反転させて起電力として利用する方
策もあるが、そのために消費する電力との勘案からみて
あまり効果が大きくないので利用されていない。本発明
によれば、第1の蓄熱材を裏蓋に熱伝導可能な状態で設
置されており、裏蓋には熱伝導率の低いステンレス鋼や
チタンを使用しているが裏蓋の外気への放射に比較すれ
ば数段に熱伝導されるので、前記熱発電式電子機器全体
が冷却していく中でも、ガラスやガラス縁や放熱胴より
も高温に維持されたまま効率は低いが発電を維持する。
前記熱発電式電子機器全体がさらに冷却し、第一の蓄熱
材の凝固点まで下がると前記蓄熱材は潜熱を放出するた
め、一定温度を保ち裏蓋温度を一定に保つ。従って、裏
蓋に熱的に接続している発電機の受熱部も凝固点温度に
一定に維持される。一方、放熱部は、ガラス縁が引続き
冷却を進行しているので、その間温度差は徐々に大きく
なり発電量が増加する。やがて、ガラス縁が外気温にな
る時点で最大発電力になり前記蓄熱材が潜熱を放出する
まで持続する。その後は、前記蓄熱材も徐々に温度を下
げやがて外気温になり発電が停止する。この間前記に見
られた起電力の極性の逆転もなく、熱エネルギーを有効
に電気エネルギーに変換することができる。
【0009】 また、例えば、前記熱発電式電子機器を
腕に装着していない状態で、外気の温度が、上記所定温
度より低い温度から高い温度へ、又は上記所定温度より
高い温度から低い温度へと変化したときには、第1の蓄
熱材が、受熱部からの熱を吸収又は放出するため、受熱
部の温度を一定時間、前記所定温度に保つことが可能と
なる。即ち、腕につけなくても、外気温度の変化があれ
ば、蓄熱材により時間的に一方の温度を遅延させること
により、受熱部と放熱部との間に温度差を発生させ、電
気エネルギーを得ることが可能となる。
【0010】ここで、熱発電式電子機器としては、例え
ば、腕時計、置時計、掛時計、ページャー等の電子機器
が挙げられる。また、熱伝導性の低い材質としては、例
えば、セラミックス、プラスチック、或いは、SUSや
Ti等の金属などが挙げられる。蓄熱材としては、例え
ば、室温や、体温付近で液相から固相に相変化するパラ
フィン系の物質により構成されたものなどが挙げられ
る。
【0011】 更に、別発明では、前記熱電式発電機
が、前記放熱部が前記ガラス縁に、一方、前記受熱部が
前記裏蓋に、それぞれ熱伝導可能な状態に接続され、前
記放熱部と熱伝導可能な状態で、第2の蓄熱材が設置さ
れている構成とした。本発明によれば、熱電式発電機の
放熱部がガラス縁に、一方、受熱部が裏蓋に、それぞれ
熱伝導可能な状態に接続され、前記腕時計には、放熱部
と熱伝導可能な状態で、第2の蓄熱材が設置されている
ため、腕からの熱は裏蓋を介して熱電式発電機の受熱部
に伝導され、一方、熱電式発電機の放熱部からの熱は、
第2の蓄熱材に伝導されるとともに、ガラス縁を介して
外部へと放熱される。
【0012】従って、熱電式発電機の受熱部と放熱部と
の間に温度差が生じ、前記温度差に基づいて、熱電式発
電機が所定の電気エネルギーを発生させることができ
る。熱発電機の放熱部から出た熱はガラス縁やガラスや
放熱胴を介して外気に放熱されるが、空気への放熱は抵
抗が大きいのでやがて飽和となり徐々にガラス縁の温度
が上がり放熱部と受熱部の温度差は少なくなり発電能力
は低下してくる。
【0013】しかしながら本発明の構成によれば、第2
の蓄熱材が発電機と並列に設置されているため、放熱部
の熱は蓄熱材に所定の熱量が吸収され、やがて固体から
液体に相変化しガラス縁と同温度になるまでは熱を吸収
し続ける。従って、当前記熱発電式電子機器を腕に装着
して暫くは、第2の蓄熱材に所定の熱量が吸収されるた
め、第2の蓄熱材と熱伝導可能な状態に接続された放熱
部の温度を一定時間、所定温度に保つことが可能とな
る。即ち、受熱部と放熱部との間の温度差を拡大させ、
より多くの電気エネルギーを得ることが可能となる。
【0014】 また、例えば、前記熱発電式電子機器を
腕から取り外した後は、第2の蓄熱材に蓄えられた所定
量の熱量によって、第2の蓄熱材と熱伝導可能な状態に
接続された放熱部の温度を一定時間、所定温度に保つこ
とが可能となる。即ち、受熱部と放熱部との間にマイナ
スの温度差を発生させる。マイナスの起電力は電子回路
により逆転させることにより熱発電式電子機器を稼動さ
せる電気エネルギーを得ることが可能となる。
【0015】 また、前記熱発電式電子機器を腕に装
着していない状態で収納されていても、断熱されていな
い環境に放置しておけば、その室温の変化、例えば、昼
と夜、冷・暖房機器運転時と停止時、あるいは日射の有
無、人の出入り等日常生活においては一日の中にかなり
の温度変化がある。蓄熱材が無い場合には、裏蓋もガラ
ス縁も環境の温度変化に同時に追従するため、ガラス縁
と裏蓋間には温度変化は生じないが、蓄熱材を入れるこ
とにより温度変化に時間差が生じるため温度差が生じ
る。外気の温度が、上記所定温度より低い温度から高い
温度へ、又は上記所定温度より高い温度から低い温度へ
と変化したときには、第2の蓄熱材が、放熱部からの熱
を吸収又は放出するため、放熱部の温度を一定時間、前
記所定温度に保つことが可能となる。即ち、受熱部と放
熱部との間に温度差を発生させ、電気エネルギーを得る
ことが可能となる。
【0016】 また、第1の熱材と第2の熱材を組
合せて同時に設置すれば、更に有効に温度変化を時間差
による温度差につなげることができる。さらに本発明に
おいては、裏蓋の材質の選択にも工夫があり、裏蓋を敢
えて熱伝導性の低い材質、例えば熱伝導率が20W/m/℃程
度のステンレス鋼やチタンの薄板で形成し、その中央部
に熱式発電機を、縁部に第1の蓄熱材を固着し、腕から
の熱をそれぞれ並列的に吸収する工夫をしている。蓄熱
材を中央に、発電機を縁部に配置する構成でも可能であ
る。
【0017】本発明によれば、裏蓋が、熱伝導性の低い
材質で形成されているため、距離の長い径方向には熱が
伝わりにくく、そのため発電機は蓄熱材による温度低下
の影響を受けず、一方厚み方向には薄いので板厚方向に
は熱が伝わり易く腕につけた直後から発電を行なうこと
ができる。また、ガラス縁と熱電式発電機の放熱部との
接続に、熱伝導率200W/m/℃超の銅やアルミニウム等の
熱伝導性の高い導熱板を配置し、前記導熱板に前記第2
の蓄熱材が固着されている構成とした。
【0018】本発明によれば、ガラス縁と熱電式発電機
の放熱部とが、熱伝導性の高い導熱板を介して接合さ
れ、前記導熱板に、第2の蓄熱材が固着されているた
め、熱電式発電機の放熱部からの熱は、第2の蓄熱材に
伝わり易い状態となる。そのため、熱電式発電機の放熱
部からの熱の殆どが、先ず、第2の蓄熱材に吸収される
こととなり、放熱部の温度上昇を遅らせることが可能と
なる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る熱発電式電子
機器の実施の各形態例について、図面を参照しながら説
明する。 [第1の実施の形態例]図1は、本発明に係る熱発電式
電子機器の第1の実施の形態例として例示する腕時計の
断面図、図2は、図1の腕時計に備わる熱電式発電機
の、放熱部と受熱部との温度変化を示すグラフである。
【0020】 図1において、1はムーブメント、2は
ガラス、3はガラス縁、4は断熱胴、5は裏蓋、6は熱
電式発電機、7は導熱板、9は放熱胴、10Aは蓄熱材
(第1の蓄熱材)、11は針、12は文字盤、13は中
枠、31はパッキン、9Aは放熱フィンである。 熱電
式発電機6は、複数(例えば、12個)の熱発電素子6
a,…と、前記熱発電素子6a,…を上下に挟む放熱部
6c及び受熱部6bと、から構成されている。
【0021】 この熱電式発電機6は、受熱部6b(高
温部)と放熱部6c(低温部)との温度差を利用して、
ゼーベック効果により、所定の電気エネルギーを発生さ
せる。 この熱電式発電機6は、その受熱部6b側端面
が裏蓋5の中心部分に、一方、放熱部6c側端面がバネ
性を有する導熱板7に、それぞれ固着されている。 ま
た、熱電式発電機6の受熱部6bは、裏蓋5からの集熱
機能を高めるために、外側面より延出した状態に形成さ
れている。そして、収容空間4c(後述)への露出面に
は、放熱を防止するために、断熱材が塗布されてい
る。
【0022】ムーブメント1、文字盤12、針11、…
は、ユニット化された状態で、ガラス縁3の内周側に、
中枠13を介して設置されている。ガラス2は、例え
ば、熱伝導性の良いサファイアガラスや、熱線吸収ガラ
ス等から略円盤状に形成されていて、その周縁部が、ガ
ラス縁3の内周上端側に固定されている。
【0023】 裏蓋5は、熱拡散率の低い、例えば、T
i、SUS等の金属により形成されていて、その周縁部
が、断熱胴4の底面に固定されている。この裏蓋5の外
面(腕への装着面)の周縁部には、放熱を防止するため
に、その表面に断熱材が塗布されている。導熱板7
は、熱伝導性の良い、例えば、Cu等により略円盤状に
形成されていて、その中心部分7cが裏蓋5方向に膨出
しバネ性をもたせ、周縁部7dより一段低い形状となっ
ている。
【0024】 この導熱板7は、その周縁部7dがガラ
ス縁3の下端面3bと固着し、中心部分7cが熱電式発
電機6の放熱部6c側端面と固着した状態で設置されて
いる。 また、導熱板7の、放熱部6c側端面との接合
面及びガラス縁3との接合面を除く表面には、導熱板7
から収容空間4c(後述)への熱放射を防止するため
に、断熱材が塗布されている。
【0025】ガラス縁3は、熱拡散率の高い、例えば、
Cu、Alなどの金属により形成されていて、その下端
側が、断熱胴4の収容空間4c(後述)内に嵌入し、一
方、上端側が、断熱胴4の上端より突出した状態で、断
熱胴4に固定されている。このガラス縁3の上端面に
は、外気への放熱性を高めるために、アルマイト処理が
施されている。
【0026】また、ガラス縁3の下端面3bや内周面に
は、熱伝導性を高めるためにCuメッキが施されてい
る。また、ガラス縁3の外周面と断熱胴4の内周面との
間には、ガラス縁3から断熱胴4への熱の移動を防止す
るために、空気層または断熱材が配された状態となって
いる。
【0027】断熱胴4は、例えば、セラミックス、プラ
スチック、或いは、熱拡散率の低いSUSやTi等の金
属などにより形成されている。この断熱胴4は、その内
部に、ムーブメント1、ガラス縁3、熱電式発電機6等
を収容するための収容空間(中空部)4cが上下に貫通
した状態に形成されている。
【0028】この断熱胴4の上端面(傾斜面)には、放
熱胴9が形成されている。放熱胴9は、熱拡散性の高
い、例えば、Cu、Al等の金属により形成されてい
て、その表面には、放熱効率を高める複数の凹凸からな
る放熱フィン9Aが設けられている。放熱胴9はガラス
縁3と熱伝導可能なように係合していて、熱電式発電機
6の放熱部6cから、ガラス縁3を介して伝導された熱
を、放熱フィン9Aを介して効率よく外気へと放熱す
る。
【0029】蓄熱材10A(第1の蓄熱材)は、物質の
相変化(固相から液相へ)に伴う潜熱を利用して熱エネ
ルギーを蓄積するもので、例えば、パラフィン系の物質
などにより構成されている。この蓄熱材10Aを構成す
る物質の融点は、その成分の微調整により、適宜設定可
能となっていて、ここでは、高温部となる体温に応じ
て、体温より5℃低く設定するなど、選択的に決定され
ている。体温はほぼ36℃前後だが、実際の腕の温度は
その時の気温や室温や服装あるいは携帯の仕方等により
変化する。気温が体温近くある時は35℃近くになる
が、冬や寒い環境では20℃以下になる場合もある。本
発明では、凝固点が30℃のパラフィンを選定したが、
蓄熱材選定にあたっては、各個人の生活条件に合わせて
選択するのが望ましい。たとえば、熱帯・亜熱帯地域で
は35℃、寒冷地では20℃等。極寒地や特殊環境下で
は20℃以下になる場合もあるが、大量生産の商品とし
ては概ね20℃以上35℃以下の間で選定するのが実用
的である。
【0030】 この蓄熱材10Aは、裏蓋5の内面(ム
ーブメント1側の面)の周縁部に、固着されている。ま
た、蓄熱材10Aの、裏蓋5との接合面を除く表面に
は、収容空間4cへの熱放射を防止するために、断熱材
が塗布されている。次に、この腕時計における熱伝導
状態について、図2を参照しながら説明する。
【0031】腕時計を装着すると、腕(高温部)からの
熱(体温)は、裏蓋5を介して、熱電式発電機6の受熱
部6b側端面や、蓄熱材10Aへと伝導される。ここ
で、腕から発せられた熱は、裏蓋5の厚み方向(受熱部
6b)へは伝導され易く、裏蓋5の平面方向(蓄熱材1
0A)へは伝導され難いため、裏蓋中央部の熱の多くが
受熱部6bへと吸収される。
【0032】そのため、受熱部6bは、蓄熱材10Aへ
と吸収される熱の影響を殆ど受けず、図2に示すよう
に、所定温度(h2)まで上昇する。一方、蓄熱材10
Aは、裏蓋の外周部から腕の熱を吸収し、図2に示すよ
うに、温度が徐々に上昇していく。そして、蓄熱材10
Aは、融点(ha)まで温度が上昇すると、蓄熱材10
Aを構成する物質が固相から液相へ相変化を起こし、相
変化に必要な熱量(例えば、40〜80cal/g)を潜熱
として蓄積していく。
【0033】この相変化の間、蓄熱材10Aは、融点
(ha)で、温度上昇を一旦停止する。そして、相変化
が終了すると、受熱部6bと同様に上昇するが、およそ
30分程度で受・放熱が均衡し所定温度(h2)で安定
する。また、熱電式発電機6の放熱部6cは、ガラス縁
3及び放熱胴9やガラス2を介して外気(低温部)への
放熱が行われ、およそ30分程度で受・放熱が均衡し所
定温度(h1)に保たれる。
【0034】従って、受熱部6bと放熱部6cとの間
に、ほぼ一定の温度差(h2−h1)が生じ、熱電式発
電機6は、継続して電気エネルギーを発生させることが
できる。このh1、h2及び受・放熱が均衡するまでの
時間は、外気温度や携帯腕の体温や熱発電式電子機器の
構造・材質等によって決まる。また、腕時計を取り外す
と、図2に示すように、熱電式発電機6の放熱部6c、
受熱部6b、及び蓄熱材10Aは、外気への放熱によ
り、徐々に冷却されていく。
【0035】そして、蓄熱材10Aは、前記融点(h
a)まで温度が下降すると、蓄熱材10Aを構成する物
質が相変化(液相から固相へ)を起こし、この相変化と
ともに、潜熱として蓄えられていた熱量(例えば、40
〜80cal/g)を放出していく。この相変化の間、受熱
部6bは、放出された熱により、温度下降を融点(h
a)温度で、一旦停止する。
【0036】その間も放熱部6cは冷却されていくた
め、受熱部6bと放熱部6cとの間に温度差が生じ、熱
電式発電機6は、電気エネルギー(s1)を余分に発生
させることができる。 [第2の実施の形態例]図3は、本発明に係る熱発電式
電子機器の第2の実施の形態例として例示する腕時計の
断面図である。図4は、図3の腕時計に備わる熱電式発
電機の、放熱部と受熱部との温度変化を示すグラフであ
る。
【0037】この実施の形態では、図示のように、蓄熱
材10Bが熱電式発電機6の放熱部6c側に配置された
構成となっている。この第2の実施の形態において、上
記の第1の実施の形態と同一部分には、同一符号を付
し、その説明を省略する。この実施の形態において、蓄
熱材10B(第2の蓄熱材)は、図3に示すように、導
熱板7の周縁部7dの裏蓋5側の面に、固着されてい
る。
【0038】この蓄熱材10Bは、を構成する物質の融
点は、その成分の微調整により、適宜設定可能となって
いて、ここでは、使用地域の平均温度に応じて、平均温
度よりプラス3℃高くするなど、選択的に決定されてい
る。本発明においては、日本では夏場室内で25℃、冬
場室内で15℃を想定し、凝固点が20℃のパラフィン
を選定したが、蓄熱材選定にあたっては、販売地域の生
活条件に合わせて選択するのが望ましい。たとえば、寒
冷地で15℃、亜熱帯地域でで25℃など数種類の選択
肢を持たせながら商品化するのが望ましい。戸外で主に
使用する場合や特殊環境で使用する場合には、15℃以
下や25℃以上の場合もあるが、大多数が生活する室内
としては概ね15〜25℃間で選定するのが実用的であ
る。
【0039】 また、蓄熱材10Aと同様、蓄熱材10
Bの、導熱板7との接合面を除く表面には、収容空間4
cへの熱放射を防止するために、断熱材が塗布されて
いる。また、熱電式発電機6の受熱部6bは、裏蓋5か
らの集熱機能をさらに高めるために、周縁部を除く、裏
蓋5の内面ほぼ全体を覆う大きさに形成されている。
【0040】次に、この腕時計における、熱伝導状態に
ついて、図4を参照しながら説明する。腕時計を装着す
ると、腕(高温部)からの熱(体温)は、裏蓋5を介し
て、熱電式発電機6の受熱部6b側端面へと伝導され
る。その熱により、受熱部6bの温度は、図4に示すよ
うに、所定温度(h2)まで上昇する。
【0041】一方、熱電式発電機6の放熱部6cからの
熱は、導熱板7を介して蓄熱材10Bへと伝導される。
その熱は、蓄熱材10Bに吸収され、蓄熱材10Bの温
度を上昇させていく。そして、蓄熱材10Bは、融点
(hb)まで温度が上昇すると、蓄熱材10Bを構成す
る物質が相変化(固相から液相へ)を起こし、相変化に
必要な熱量(例えば、40〜80cal/g)を潜熱として
蓄積していく。この相変化の間、蓄熱材10B及び放熱
部6cは、融点(hb)温度で、温度上昇を一旦停止す
る。
【0042】その間も受熱部6bの温度は上昇していく
ため、受熱部6bと放熱部6cとの間に大きな温度差が
生じ、電気エネルギー(s2)を余分に発生させること
が可能となる。また、腕時計を取り外すと、図4に示す
ように、熱電式発電機6の放熱部6c及び受熱部6b
(裏蓋5)は、外気への放熱により、徐々に冷却されて
いく。
【0043】そして、蓄熱材10Bは、前記融点(h
b)まで温度が下降すると、蓄熱材10Bを構成する物
質が液相から固相へ相変化を起こし、相変化に必要な熱
量(例えば、40〜80cal/g)を潜熱として放出して
いく。この相変化の間、放熱部6cは、放出された熱に
より、融点(hb)温度で、温度下降を一旦停止する。
その間も受熱部6bは冷却されていくため、受熱部6b
と放熱部6cとの間にマイナスの温度差が生じ、熱電式
発電機6は、逆の電圧を発生させる。この電圧を、例え
ば、電子回路により反転させることにより、電気エネル
ギー(s3)を余分に得ることが可能となる。
【0044】[第3の実施の形態例]図5は、本発明に
係る熱発電式電子機器の第3の実施の形態例として例示
する腕時計の断面図である。図6は、図5の腕時計に備
わる熱電式発電機の、放熱部と受熱部との温度変化を示
すグラフである。この実施の形態では、図示のように、
第一の蓄熱材10Aが熱電式発電機6の受熱部6b側
に、一方、第2の蓄熱材10Bが熱電式発電機6の放熱
部6c側に、それぞれ配置された構成となっている。
【0045】この第3の実施の形態において、上記第1
及び第2の実施の形態と同一部分には、同一符号を付
し、その説明を省略する。この実施の形態において、蓄
熱材10Aは、図5に示すように、裏蓋5の内面(ムー
ブメント1側の面)の周縁部に、一方、蓄熱材10B
は、導熱板7の蓄熱材10Aと対向する位置に、それぞ
れ固着されている。
【0046】 また、蓄熱材10A、10Bの、裏蓋5
や導熱板7との接合面を除く表面には、収容空間4cへ
の熱放射を防止するために、断熱材が塗布されてい
る。このように、この実施の形態の腕時計によれば、蓄
熱材10A、10Bが配設されているため、前述の第1
及び第2の実施の形態の腕時計、双方の効果を得ること
ができる。
【0047】また、この実施の形態の腕時計によれば、
以下に示すように、腕に装着していない場合(放置して
ある場合)にも、熱電式発電機6は、外気の温度変化を
利用して、電気エネルギーを発生させることが可能であ
る。例えば、外気の温度が上昇すると、図6に示すよう
に、外気からの受熱により、受熱部6b、放熱部6c及
び蓄熱材10A、10Bの温度が上昇する。
【0048】そして、蓄熱材10Bは、融点(hb)ま
で温度が上昇すると、蓄熱材10Bを構成する物質が固
相から液相へ相変化を起こし、相変化に必要な熱量(例
えば、40〜80cal/g)を潜熱として蓄積していく。
この相変化の間、蓄熱材10B及び放熱部6cは、融点
(hb)温度で、温度上昇を一旦停止する。その間も受
熱部6bの温度は上昇していくため、受熱部6bと放熱
部6cとの間に温度差が生じ、電気エネルギー(s4)
を発生させることが可能となる。
【0049】また、外気の温度が下降すると、図6に示
すように、外気への放熱により、受熱部6b、放熱部6
c及び蓄熱材10A、10Bの温度が下降する。そし
て、蓄熱材10Aは、前記融点(ha)まで温度が下降
すると、蓄熱材10Aを構成する物質が相変化(液相か
ら固相へ)を起こし、この相変化とともに、潜熱として
蓄えられていた熱量(例えば、40〜80cal/g)を放
出していく。この相変化の間、受熱部6bは、放出され
た熱により、融点(ha)温度で、温度下降を一旦停止
する。
【0050】その間も放熱部6cは冷却されていくた
め、受熱部6bと放熱部6cとの間に温度差が生じ、熱
電式発電機6は、電気エネルギー(s5)を発生させる
ことができる。 [第4の実施の形態例]図7は、本発明に係る熱発電式
電子機器の第4の実施の形態例として例示する腕時計の
断面図である。
【0051】この実施の形態では、図示のように、蓄熱
材10Aが裏蓋5のほぼ中央に配置された構成となって
いる。この第4の実施の形態において、前述の第1の実
施の形態と同一部分には、同一符号を付し、その説明を
省略する。この実施の形態において、熱電式発電機6
は、図7に示すように、放熱部6cがリング状に、一
方、受熱部6bが円盤状に形成されている。
【0052】 熱電式発電機6には、上方が開口した凹
状の空間が形成され、その空間内に、蓄熱材10Aが、
受熱部6bに固着された状態で設置されている。この蓄
熱材10Aの、収容空間4cへの露出面には、放熱を防
止するために、断熱材が塗布されている。導熱板7
は、一端が熱電式発電機6の放熱部6c側端面と固着
し、他端がガラス縁3の下端面3bと固着した状態に設
置されている。
【0053】 また、導熱板7の、放熱部6c側端面と
の接合面及びガラス縁3との接合面を除く表面には、導
熱板7から収容空間4cへの熱放射を防止するために、
断熱材が塗布されている。このように、熱電式発電機
6及び蓄熱材10Aを配置した構成においても、前述の
第1の実施の形態と同様の効果を得ることが可能であ
る。
【0054】[第5の実施の形態例]図8は、本発明に
係る熱発電式電子機器の第5の実施の形態例として例示
する腕時計の断面図である。この実施の形態では、図示
のように、蓄熱材10Bが熱電式発電機6の内側に配置
された構成となっている。
【0055】この第5の実施の形態において、前述の第
2の実施の形態と同一部分には、同一符号を付し、その
説明を省略する。この実施の形態において、熱電式発電
機6は、図8に示すように、放熱部6cがリング状に、
一方、受熱部6bが円盤状に形成されている。この熱電
式発電機6の上端には、導熱板7が固着されている。
【0056】 また、蓄熱材10Bは、導熱板7と熱電
式発電機6とにより囲まれる空間内に配され、受熱部6
bと断熱された状態で、導熱板7の底面に固着されてい
る。そして、蓄熱材10A、導熱板7、熱電式発電機6
の各露出面には、放熱を防止するために、断熱材が塗
布されている。このように、熱電式発電機6及び蓄熱材
10Bを配置した構成においても、前述の第2の実施の
形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0057】[第6の実施の形態例]図9は、本発明に
係る熱発電式電子機器の第6の実施の形態例として例示
する腕時計の断面図である。この実施の形態では、図示
のように、ガラス縁3と放熱胴9が一体となった構成と
なっている。
【0058】この第6の実施の形態において、図9は前
述の図1の実施を基に図例としたが、同一部分には、同
一符号を付し、その説明を省略する。また図2〜8の実
施例においてもガラス縁3と放熱胴9を一体化すること
ができるので図は省略した。この実施の形態において、
放熱胴9は、図9に示すように、ガラス縁3と一体的に
形成されている。通常ガラス縁と放熱外胴とは製造の容
易性やデザイン仕上げの容易性から別体で製造するのが
一般的であるが、形状が容易な場合や製造が容易な場合
は熱伝導の面からも一体化した方が望ましい。製造性と
デザイン性の選択の問題であるが本発明の展開例として
提供する。
【0059】なお、本発明は、各実施の形態例の腕時計
に限られるものではなく、他の腕時計、ページャー等の
電子機器についても適用可能である。その他、具体的に
示した細部構成、方法等は、発明の主旨を逸脱しない範
囲で変更可能である。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、熱電式発電機の放熱部
がガラス縁に、一方、受熱部が裏蓋に、それぞれ熱伝導
可能な状態に接続され、前記腕時計には、受熱板と熱伝
導可能な状態で、第1の蓄熱材が設置されているため、
腕からの熱は裏蓋を介して熱電式発電機の受熱部及び第
1の蓄熱材に伝導され、一方、熱電式発電機の放熱部か
らの熱は、ガラス縁を介して外部へと放熱される。
【0061】従って、熱電式発電機の受熱部と放熱部と
の間に温度差が生じ、前記温度差に基づいて、熱電式発
電機が所定の電気エネルギーを発生させることができ
る。また、第1の蓄熱材に腕からの熱が伝導されるた
め、第1の蓄熱材には所定の熱量が蓄えられる。従っ
て、例えば、当前記熱発電式電子機器を腕から取り外し
た場合においても、第1の蓄熱材に蓄えられた所定の熱
量によって、第1の蓄熱材と熱伝導可能な状態に接続さ
れた受熱部の温度を一定時間、所定温度に保つことが可
能となる。
【0062】即ち、受熱部と放熱部との間に温度差を発
生させ、電気エネルギーを余分に得ることが可能とな
る。また、例えば、当前記熱発電式電子機器を腕に装着
していない状態で、外気の温度が、上記所定温度より低
い温度から高い温度へ、又は上記所定温度より高い温度
から低い温度へと変化したときには、第1の蓄熱材が、
受熱部からの熱を吸収又は放出するため、受熱部の温度
を一定時間、前記所定温度に保つことが可能となる。即
ち、受熱部と放熱部との間に温度差を発生させ、電気エ
ネルギーを得ることが可能となる。
【0063】本発明によれば、熱電式発電機の放熱部が
ガラス縁に、一方、受熱部が裏蓋に、それぞれ熱伝導可
能な状態に接続され、当前記腕時計には、放熱板と熱伝
導可能な状態で、第2の蓄熱材が設置されているため、
腕からの熱は裏蓋を介して熱電式発電機の受熱部に伝導
され、一方、熱電式発電機の放熱部からの熱は、第2の
蓄熱材に伝導されるとともに、ガラス縁を介して外部へ
と放熱される。
【0064】従って、熱電式発電機の受熱部と放熱部と
の間に温度差が生じ、前記温度差に基づいて、熱電式発
電機が所定の電気エネルギーを発生させることができ
る。また、第2の蓄熱材に熱電式発電機の放熱部からの
熱が伝導されるため、第2の蓄熱材には所定の熱量が蓄
えられる。従って、例えば、当前記熱発電式電子機器を
腕に装着して暫くは、第2の蓄熱材に所定の熱量が吸収
されるため、第2の蓄熱材と熱伝導可能な状態に接続さ
れた放熱部の温度を一定時間、所定温度に保つことが可
能となる。即ち、受熱部と放熱部との間の温度差を拡大
させ、より多くの電気エネルギーを得ることが可能とな
る。
【0065】また、例えば、当前記熱発電式電子機器を
腕から取り外した後は、第2の蓄熱材に蓄えられた所定
量の熱量によって、第2の蓄熱材と熱伝導可能な状態に
接続された放熱部の温度を一定時間、所定温度に保つこ
とが可能となる。即ち、受熱部と放熱部との間にマイナ
スの温度差を発生させ、電気エネルギーを得ることが可
能となる。
【0066】また、例えば、前記熱発電式電子機器を腕
に装着していない状態で、外気の温度が、上記所定温度
より低い温度から高い温度へ、又は上記所定温度より高
い温度から低い温度へと変化したときには、第2の蓄熱
材が、放熱部からの熱を吸収又は放出するため、放熱部
の温度を一定時間、前記所定温度に保つことが可能とな
る。即ち、受熱部と放熱部との間に温度差を発生させ、
電気エネルギーを得ることが可能となる。
【0067】このように本発明によれば、熱電式発電機
の放熱部がガラス縁に、一方、受熱部が裏蓋に、それぞ
れ熱伝導可能な状態に接続され、当前記腕時計には、受
熱部若しくは放熱部に熱伝導可能な状態で、蓄熱材が設
置されているため、腕からの熱有効に蓄熱材に蓄え時間
差をおいて供出することにより、より多くのエネルギー
を余分に生み出すことができた。
【0068】すなわち、腕につけている間は蓄熱材の無
い場合と同様に熱電式発電機の受熱部と放熱部との間に
温度差が生じ、前記温度差に基づいて、熱電式発電機が
所定の電気エネルギーを発生させることができる。蓄熱
材の無い場合には、腕から外すと熱供給がなくなり1〜
2分程度で発電が停止してしまう。ところが、本発明で
は、当前記熱発電式電子機器を腕から取り外した場合に
おいても、蓄熱材に蓄えられた所定の熱量によって、蓄
熱材と熱伝導可能な状態に接続された受熱部の温度を一
定時間、所定温度に保つことが可能となる。即ち、腕か
らの熱供給がなくなっても一定時間延長して受熱部と放
熱部との間に温度差を発生させ、電気エネルギーを余分
に得ることが可能となる。
【0069】また、熱発電に限らず他の太陽電池や、運
動エネルギーを利用して発電若しくはゼンマイ巻き上げ
をする熱発電式電子機器の場合には、腕に装着していな
い状態で長期間、抽斗等に格納されていた場合はエネル
ギーの供給がなくなり機能停止してしまう。しかしなが
ら、本発明によれば、当前記熱発電式電子機器を腕に装
着していない状態でも、外気の温度が、上記所定温度よ
り低い温度から高い温度へ、又は上記所定温度より高い
温度から低い温度へと変化したときには、蓄熱材が、受
熱部からの熱を吸収又は放出するため、受熱部の温度を
一定時間、前記所定温度に保つことが可能となる。即
ち、受熱部と放熱部との間に温度差を発生させ、電気エ
ネルギーを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱発電式電子機器の第1の実施の
形態例として例示する腕時計の断面図である。
【図2】図1の腕時計に備わる熱電式発電機の、放熱部
と受熱部との温度変化を示すグラフである。
【図3】本発明に係る熱発電式電子機器の第2の実施の
形態例として例示する腕時計の断面図である。
【図4】図3の腕時計に備わる熱電式発電機の、放熱部
と受熱部との温度変化を示すグラフである。
【図5】本発明に係る熱発電式電子機器の第3の実施の
形態例として例示する腕時計の断面図である。
【図6】図5の腕時計に備わる熱電式発電機の、放熱部
と受熱部との温度変化を示すグラフである。
【図7】本発明に係る熱発電式電子機器の第4の実施の
形態例として例示する腕時計の断面図である。
【図8】本発明に係る熱発電式電子機器の第5の実施の
形態例として例示する腕時計の断面図である。
【図9】本発明に係る熱発電式電子機器の第6の実施の
形態例として例示する腕時計の断面図である。
【符号の説明】
1 ムーブメント 2 ガラス 3 ガラス縁 4 断熱胴 5 裏蓋 6 熱電式発電機 6a 熱発電素子 6b 受熱部(受熱部) 6c 放熱部(放熱部) 7 導熱板 9 放熱胴 9A 放熱フィン 10A 蓄熱材(第1の蓄熱材) 10B 蓄熱材(第2の蓄熱材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−111368(JP,A) 特開 平11−223681(JP,A) 特開 平10−177078(JP,A) 特開 平5−167104(JP,A) 特開 昭57−189584(JP,A) 特開 平7−7976(JP,A) 実開 平7−32590(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G04C 10/00 G04B 37/18 G04G 1/00 310

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下方向に貫通する中空部を有し、熱伝
    導を抑制する断熱胴と、 前記中空部の下端側を覆う裏蓋と、 前記中空部の上端側に配されるガラスと、 前記ガラスの縁を保持した状態で、前記断熱胴に固定さ
    れるガラス縁と、 前記ガラス縁と熱伝導可能な状態で係合する放熱胴と、 受熱部及び放熱部を有し、前記受熱部と放熱部との間に
    生じる温度差に基づき所定の電気エネルギーを発生させ
    る熱電式発電機と、 を備えた熱発電式電子機器であって、 前記熱電式発電機は、前記放熱部が前記ガラス縁に、一
    方、前記受熱部が前記裏蓋に、それぞれ熱伝導可能な状
    態に接続され、第1の蓄熱材は前記熱電式発電機と並列に 前記受熱部と
    熱伝導可能な状態で設置されていることを特徴とする熱
    発電式電子機器。
  2. 【請求項2】上下方向に貫通する中空部を有し、熱伝導
    を抑制する断熱胴と、 前記中空部の下端側を覆う裏蓋と、 前記中空部の上端側に配されるガラスと、 前記ガラスの縁を保持した状態で、前記断熱胴に固定さ
    れるガラス縁と、 前記ガラス縁と熱伝導可能な状態で係合する放熱胴と、 受熱部及び放熱部を有し、前記受熱部と放熱部との間に
    生じる温度差に基づき所定の電気エネルギーを発生させ
    る熱電式発電機と、 を備えた熱発電式電子機器であって、 前記熱電式発電機は、前記放熱部が前記ガラス縁に、一
    方、前記受熱部が前記裏蓋に、それぞれ熱伝導可能な状
    態に接続され、第2の蓄熱材は前記熱電式発電機と並列に 前記放熱部と
    熱伝導可能な状態で設置されていることを特徴とする熱
    発電式電子機器。
  3. 【請求項3】前記裏蓋は、薄板状に形成され、前記裏蓋
    の縁部に、前記第1の蓄熱材が固着されていることを特
    徴とする請求項1記載の熱発電式電子機器。
  4. 【請求項4】前記熱電式発電機の前記放熱部は、前記
    ラス縁と導熱板を介して接合され、前記導熱板に、前記
    第2の蓄熱材が固着されていることを特徴とする請求項
    2記載の熱発電式電子機器。
  5. 【請求項5】前記放熱胴と、前記ガラス縁とは、一体に
    形成されていることを特徴とする請求項1〜の何れか
    に記載の熱発電式電子機器。
  6. 【請求項6】前記第1の蓄熱材は、20℃以上35℃以
    下の温度間に固相から液相へ相変化する変態点を有する
    物質である請求項1又は請求項3に記載の熱発電式電子
    機器。
  7. 【請求項7】前記第2の蓄熱材は、15℃以上25℃以
    下の温度間に固相から液相への変態点を有する物質であ
    る請求項2又は請求項4に記載の熱発電式電子機器。
  8. 【請求項8】上下方向に貫通する中空部を有し、熱伝導
    を抑制する断熱胴と、 前記中空部の下端側を覆う裏蓋と、 前記中空部の上端側に配されるガラスと、 前記ガラスの縁を保持した状態で、前記断熱胴に固定さ
    れるガラス縁と、 前記ガラス縁と熱伝導可能な状態で係合する放熱胴と、 受熱部及び放熱部を有し、前記受熱部と放熱部との間に
    生じる温度差に基づき所定の電気エネルギーを発生させ
    る熱電式発電機と、 を備えた熱発電式電子機器であって、 前記熱電式発電機は、前記放熱部が前記ガラス縁に、一
    方、前記受熱部が前記裏蓋に、それぞれ熱伝導可能な状
    態に接続され、第1の蓄熱材は前記熱電式発電機と並列に 前記受熱部と
    熱伝導可能な状態で、設置され、第2の蓄熱材は前記熱電式発電機と並列に 前記放熱部と
    熱伝導可能な状態で、設置され、前記第2の蓄熱材の変
    態点温度は前記第1の蓄熱材の変態点温度よりもく設
    定したことを特徴とする熱発電式電子機器。
  9. 【請求項9】前記第1及び第2の蓄熱材は、熱発電式電
    子機器が使用される外気温によって凝固点を選択的に設
    定したことを特徴とする請求項1〜記載の熱発電式電
    子機器。
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