JP3054933B2 - 熱発電腕時計の構造 - Google Patents
熱発電腕時計の構造Info
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Landscapes
- Electric Clocks (AREA)
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Description
熱発電素子を装着した腕時計の構造に関する。
計は、熱電対の電極が直列的に接続された熱発電素子を
バンドに装着し、人体と空気との間に生じる温度差を利
用して電力を発生させ時計を起動させる構造をとってい
た。
電圧を有効な電源とするためには、熱発電素子内により
大きな温度差を発生させる必要がある。また上記の構造
の場合、人間の手首のサイズのバラツキ及び腕時計を構
成する部品の中で、最もストレスの集中する場所(バン
ド部)に熱発電素子を装着することになり、熱発電素子
の破損につながる危険性が高く、素子間の電極が直列的
な接続のため1個熱発電素子が破損すると時計が起動し
なくなる危険性があった。
問題の一つの解決法として、熱発電素子を腕時計本体内
部に設置し、さらなる破損防止策として熱発電素子保護
材(弾性部材)なるものを設置している。また腕からの
熱(体温)を裏ぶたを媒体として、効率良く熱発電素子
内部に取込み、熱伝導率の高い材質の放熱リングを利用
し、効率良く放熱しやすい構造(直接、人体との接触の
無い文字板、ガラス縁、飾り縁などを放熱側に使用)と
し、発熱側の体温と放熱側の環境温との間に生じる温度
差を大きくして熱発電素子からより大きな電圧を得るこ
とを目的としている。
効率良く熱発電素子内部に取込み、効率良く放熱しやす
い構造とし、発熱側の体温と放熱側の環境温との間に生
じる温度差を大きくして熱発電素子からより大きな電圧
を得ることができる。更に、熱発電素子を腕時計本体内
部に設置することにより外部からの応力に対して有効
(時計ケースがプロテクターの役割)であるのはもちろ
んのこと、熱発電素子保護材(弾性部材)なるものを設
置することにより、時計外装部品の組立て公差のバラツ
キによる熱発電素子の破損を防止する。
ト処理を施し、絶縁を取ることにより、熱発電素子間の
ショートを防止する。
態を実施例とその図面に基づいて詳細に説明する。図1
は本発明に関する基本的構造の組立断面図を示し、図2
はその組立平面図を示す。その他の図は実施例毎に説明
することとする。
り、1は胴(BS材)、2はガラス(サファイア)、3
は文字板(BS材)、4は針、5は中枠(ポリアセター
ル)、6はムーブメント、7はスペーサ(メタクリル樹
脂)、8は裏ぶたパッキン(熱可塑性エラストマー)、
9は裏ぶた(SUS304)、10は断熱リング(熱伝
導性の低い樹脂としてポリカーボネート)、11は放熱
リング(熱伝導性の高い金属材料として高純度アルミ、
銅その他)、12は熱発電素子(熱電対を多数個組合わ
せてなる)、13は熱発電素子保護材(熱伝導性か高く
かつ弾性を有する金属材料の板ばね:BeCuR、PB
−BH、SUS17−7PH材その他)である。
と文字板3とムーブメント6はユニット化されている。
放熱リング11は、胴1の内形部にスクリュー式固定法
で組み込まれ、そしてユニットの一部を挟み込んでい
る。針4、文字板3、ムーブメント6よりなるユニット
は、中枠5により横方向の位置決めされている。中枠5
は熱伝導率の高い放熱リング11に締め代ろを持った状
態で固定されている。断熱リング10は胴1の内径部に
装着されており、裏ぶたパッキン8を介して裏ぶた9を
係合・固定する。熱伝導率の低い断熱リング10は、人
体の熱が裏ぶた9から胴1に伝達するのを防止するもの
である。熱発電素子12は放熱リング11に図示しない
銀ペーストにより接着されている。裏ぶた9にはスペー
サ7が接着されて、ユニットを縦方向に支持している。
板ばね13は、裏ぶた9と熱発電素子12との間に挿入
されおり、熱発電素子12との機械的支持および熱的接
続を行う。
3を介して、熱発電素子12の温接点側に伝達される。
なお、胴1は、熱伝導率の低い断熱リング10を介して
裏ぶた9を取りつけているため、熱は裏ふた9から胴1
へ直接伝達しにくくなっている。
品の熱伝導率λ[W/mK]との関係から説明する。まず、
腕からの熱は、裏ぶた9(SUS304:λ16)を介
して熱伝導率の比較的高い熱発電素子保護材(板ばね)
13(BeCuR:λ300)に伝導され、そして熱発
電素子12下面の温接点側(体温側)に伝わる。このと
き、裏ぶた9と板ばね13以外で接している、スペーサ
7、裏ぶたパッキン8、断熱リング10は有機化合物
(λ0.1〜0.2)であり、殆どの熱は熱発電素子保
護材(板ばね)13に伝導され易く熱発電素子12の下
面に集約される。そのとき断熱リング10は、裏ぶた9
から胴1に体温が移動し、時計全体の温度が飽和するの
を防ぎ、環境温と体温との境界となる熱遮断の役目を果
すことから、断熱リング厚み(裏ぶた9から胴1までの
熱伝達距離をできるだけ大きくとる。)はこの構造のポ
イントとなる。
境側)は、比較的熱伝導率の高い放熱リング11(高純
度アルミ:λ220)に銀ペースト(λ:420)で熱
発電素子12上面に接着されている。外気温(冷熱)
は、ガラス2(Al2 03 :λ50)、胴1(BS:λ
121)、文字板3(BS:λ121)に伝導したり、
直接胴1、文字板3が取込み、放熱リング11に伝達
し、熱発電素子12上面に伝導される。また、放熱リン
グ11の材質としてCu(λ300)を使用する場合も
ある。
したのはSiO2 に比べ約50倍の熱伝導率λを有する
ためであり、ガラス2と胴1の固定方法を接着としたの
は熱伝達距離を短くし胴1に効率良く冷熱が伝導され易
くするためである(従来のガラス固定法としてプラスチ
ックを挟み込む方式もある。)。実際は、ガラス2及び
胴1から冷熱が、熱発電素子12の冷接点側に伝達され
ることを説明したが、物理的には冷熱は存在しないの
で、熱発電素子12の冷接点側の熱がガラス2及び胴1
に逃げることを言う。
1をスクリュー式固定法にて、文字板3(BS:λ12
1)を挟み込む形で胴1に固定することにより、放熱リ
ング11と文字板3とは接触面積を大きく取ることがで
き、より多くの環境温(冷熱)を放熱リング11に伝導
することができる。
護材(板ばね)13を冷接点側(熱発電素子12の上
面)に設置し、熱発電素子12を裏ぶた9に直接設置し
たものである。よって図1の熱発電素子保護材(板ば
ね)13を介した構造より熱の損失が少なくて済み、温
接点側(熱発電素子12下面:裏ぶた側)により多くの
体温を伝導することができる。また熱発電素子保護材
(板ばね)13を冷接点側に設置することにより、放熱
リング11から熱発電素子上面までの伝導距離が長くな
る熱の伝達の点で不利であるが、熱発電素子保護材(板
ばね)13が時計外装部品の組立て公差のバラツキによ
る熱発電素子の破損防止の役目をはたす。
温接点側は図1と同じ構造とし、胴1が異なるものであ
る。つまり、図1の胴1に相当するものが、胴1とガラ
ス縁14(時計外装構造で二段プラ直構造と称している
図4)、又は飾り縁15(図5)で構成されているもの
である。外気の冷熱は、ガラス縁14(時計外装構造で
二段プラ直構造と称している図4)、又は飾り縁15
(図5)及び放熱リング11を介して、熱発電素子12
の冷接点側に伝わる。放熱リング11に銀ペーストで接
着された熱発電素子12上面に環境温(冷熱)を集約す
る構造としている。図4、5の特徴として胴1とガラス
縁14、飾り縁15は、縁パッキン17の挟み込みによ
り固定されているため、断熱リング10から胴1(BS
材:λ121)に伝導した微量の腕の熱の殆どが縁パッ
キン17(ポリエチレン:λ0.1〜0.2)でさらに
遮断され、腕時計全体の温度が体温により飽和状態にな
るのを防ぐことができる。よってガラス縁14、飾り縁
15を伝導させ環境温(冷熱)の損失を最小限に抑え、
熱発電素子12に環境温を取込むことができる。また一
般の腕時計のデザインは殆ど、ガラス縁14、飾り縁1
5、もしくは疑似縁がついたデザインをしており装飾性
を損わない有効な構造である。
を使用せず、直にガラス縁14の筒状内面に熱発電素子
12の冷接点側を接触させて複数個周配列した構造であ
る。周配列のため板ばね13の形状は変えている。つま
り、板ばね13の一端を裏ぶた9の内面に接触させ、板
ばね13の他端を熱発電素子12の温接点側に、熱発電
素子12をガラス縁14の筒状内面を押圧するように接
触している。この構造だと熱発電素子上面に環境温を集
約するまでの熱の損失(放熱リング11の環境温の放
熱)が少なくてすむ。
ラス縁14に意識的に複数の溝20を形成させ環境温と
の接触面積を大きくした。これにより胴1、及びガラス
縁14から放熱リング11を経由し熱発電素子上面に伝
導する冷熱・環境温が増加する。
例であり、腕の熱(体温)を効率良く裏ぶた9に集約す
るため、腕時計のバンド19および裏ぶた9の腕に接触
する面に熱集約シート22(高純度Al材:λ220)
を設置する。熱集約シート22は腕周りの体温を伝導さ
せ裏ぶた9に熱を供給している。裏ぶた9(腕上面の
み)のみの接触に比べ人体との接触面積が広いためより
多くの体温を短時間で裏ぶた9に集約できる。
護材13(板ばね)の代替案である。裏ぶた9に溝をも
うけ、熱発電素子保護材(板ばね)13の替りに裏ぶた
9の溝と熱発電素子12の間に熱発電素子保護材(A
u、Ag、Al、Cuその他の箔)13を挟み込み、時
計外装部品の組立て公差のバラツキによる熱発電素子の
破損防止の役目をはたす。更に、これらは高い熱伝導率
(Au:λ300、Ag:λ420、Al:λ220、
Cu:λ390)を有するため、裏ぶた9からの体温を
効率良く熱発電素子12に伝導することができる。
ング11のスクリュー式固定方法の代替案である。図7
は胴1と放熱リング11を接着にて固定しており、図8
は放熱リング固定パッキン18を挟み込んで固定してお
り、図9は放熱リング11に凸形状を胴1に凹形状をも
うけ、食いつきにより固定している。
使用した放熱リング11(Al製)に陽極酸化処理を施
し、さらに陽極酸化処理を施したAl製シート21を熱
発電素子保護材(板ばね)13及び裏ぶた9の間に介在
させることにより絶縁をとり、熱発電素子間のショート
を防止する構造となっている。
り、夏は体温約36℃に対して外気温約30℃、冬場は
体温約36℃に対して外気温約15℃の場合、一年通し
て熱発電素子の下面(体温側)、上面(環境温)には、
約6℃〜11℃の温度差が生じる。つまり、熱発電素子
の下面(体温側)から上面(環境温)との間に温度差が
生じ、微量の電圧が生じる(ゼーベック効果)。その微
量の電圧を、時計本体の主電源又は補助電源として利用
し時計を起動させる。
る。
(熱発電素子上面)に設置した組立断面図である。
図である。(時計外装構造で二段プラ直構造と称してい
る)
である。
に直接、熱発電素子を複数個配列した組立断面図であ
る。
面図である。
ている組立断面図である。
いつきにより固定している組立断面図である。
l又は Cuの箔を使用した組立断面図である。
面図である。
である。
断面図である。
し、さらに陽極酸化処理を施したAl製シートを板ばね
及び裏ぶたの間に介在させた組立断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 胴と、熱伝導性の低い樹脂材料よりなる
断熱リングを介して前記胴に取り付けられた裏ぶたと、
前記裏ぶた側と反対側に前記胴に取り付けられたガラス
と、前記胴の内径部に固定的に取り付けられた熱伝導性
の高い金属材料よりなる放熱リングと、前記放熱リング
と前記裏ぶたとの間に、熱伝導性が高くかつ弾性を有す
る板ばね状の金属材料よりなる熱発電素子保護材を介し
て挿入された熱電対を多数組合わせてなる熱発電素子
と、前記胴及び前記放熱リングの内径部に配置された
針、文字板及びモジュールよりなるユニットとからなる
熱発電腕時計であって、そのバンドと前記裏ぶた表面
に、熱伝導性の高い金属シートである熱集約素材を設置
した構造である熱発電腕時計。
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- 1996-10-04 JP JP8264632A patent/JP3054933B2/ja not_active Expired - Lifetime
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