JP5733316B2 - 車両用制動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用制動装置に関する。
従来、エンジンを自動停止する技術が提案されている。特許文献1には、内燃機関の吸気系に生じる負圧を作動圧として蓄圧し、その作動圧に基づき作動されるブレーキブースタを備える車両に搭載され、作動圧が要求レベルに達していることを条件に車両走行中での内燃機関の自動停止を許可する車載内燃機関の制御装置の技術が開示されている。
特開2002−195068号公報
車両用の制動装置には、バッテリと接続され、供給される電力に応じて発生させる保持力によって、制動力を発生させる液圧を保持する保持装置を備えるものがある。エンジン始動時など、バッテリの電圧低下が生じると、保持装置の保持力が低下し、制動力が変動する可能性がある。バッテリの電圧低下による制動力の変動を抑制できることが望まれている。
本発明の目的は、バッテリの電圧低下による制動力の変動を抑制することができる車両用制動装置を提供することである。
本発明の車両用制動装置は、バッテリから供給される電力を消費してエンジンを始動する始動装置を有し、かつエンジンの停止および再始動が停車中に自動でなされる車両に搭載され、作動流体の液圧によって前記車両を制動する制動力を発生させる制動力発生手段と、前記バッテリと接続され、供給される電力に応じて発生させる保持力によって前記液圧を保持する保持装置とを備え、前記車両の停車中に、前記保持装置によって、前記車両の停車状態を保つことができる圧力に前記液圧を保持するホールド制御を実行可能であり、前記ホールド制御の実行中に前記エンジンが自動で始動されることを予測した場合、前記エンジンの再始動がなされる前に、前記エンジンの始動に伴う前記バッテリの電圧低下量の予測値に応じた値まで前記保持力の要求値を増加させることを特徴とする。
上記車両用制動装置において、前記保持装置は、前記制動力発生手段に接続された前記作動流体の配管に配置され、前記保持力によって前記配管を閉じることにより前記液圧を保持する電磁制御弁であることが好ましい。
上記車両用制動装置において、前記要求値を増加させるときの前記要求値の増分は、前記車両の傾斜角度に応じて変化することが好ましい。
上記車両用制動装置において、前記要求値を増加させるときの前記要求値の増分を前記エンジンの始動に伴う前記保持力の低下量の予測値に基づいて定めることが好ましい。
本発明にかかる車両用制動装置は、バッテリから供給される電力を消費してエンジンを始動する始動装置を有し、かつエンジンの停止および再始動が停車中に自動でなされる車両に搭載され、作動流体の液圧によって車両を制動する制動力を発生させる制動力発生手段と、バッテリと接続され、供給される電力に応じて発生させる保持力によって液圧を保持する保持装置とを備え、車両の停車中に、保持装置によって、車両の停車状態を保つことができる圧力に液圧を保持するホールド制御を実行可能であり、ホールド制御の実行中にエンジンが自動で始動されることを予測した場合、前記エンジンの再始動がなされる前に、前記エンジンの始動に伴う前記バッテリの電圧低下量の予測値に応じた値まで前記保持力の要求値を増加させる。よって、本発明にかかる車両用制動装置によれば、バッテリの電圧低下による制動力の変動を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、第1実施形態の車両用制動装置の動作を示すフローチャートである。 図2は、実施形態の車両用制動装置を備えた車両を示す図である。 図3は、第2実施形態の車両用制動装置の動作を示すフローチャートである。
以下に、本発明の実施形態にかかる車両用制動装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
(第1実施形態)
図1および図2を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、車両用制動装置に関する。図1は、本実施形態にかかる車両用制動装置の動作を示すフローチャート、図2は、本実施形態の車両用制動装置を備えた車両を示す図である。
車両の停車中に自動的にエンジンの停止および再始動を行うエコラン制御と、停車中にブレーキ液圧を保持して停車状態を維持するブレーキホールド制御とを実行可能な車両では、エコラン制御によるエンジンの再始動時にブレーキホールド制御における制動力が変動する可能性がある。例えば、エンジン始動持には、バッテリ電圧が低下するため、ブレーキ液圧を保持する電磁弁(例えば、マスタカット弁)の保持力が低下し、制動力の変動につながることが考えられる。
本実施形態では、エコラン制御によるエンジンの再始動時に、マスタカット弁の保持力の要求値が増加され、ホイールシリンダ圧の低下が抑制される。よって、本実施形態の車両用制動装置1−1によれば、バッテリ電圧の低下による制動力の変動が抑制可能となる。
図2に示すように、車両100は、車両用制動装置1−1、エンジン制御装置2、バッテリ3、エンジン10、スタータ11を備える。
エンジン制御装置2は、車両100の動力源としてのエンジン10を制御する制御装置である。エンジン10が出力する動力は、車両100の駆動輪、例えば左前輪および右前輪に伝達されて車両100を駆動する駆動力となる。エンジン10には、スタータ11が設けられている。スタータ11は、バッテリ3と接続された電気負荷である。スタータ11は、バッテリ3から供給される電力を消費してエンジン10を始動する始動装置である。バッテリ3は、充放電が可能な蓄電装置であり、例えば、鉛蓄電池とすることができる。また、スタータ11は、例えばDCモータとすることができる。
スタータ11の回転軸は、ギヤ等を介してエンジン10の回転軸に対して動力を伝達可能に接続されている。スタータ11が電力を消費して発生させる動力によって回転すると、この回転がエンジン10の回転軸に伝達されてエンジン10が回転する。エンジン制御装置2は、エンジン10およびスタータ11と接続されており、エンジン10およびスタータ11をそれぞれ制御する。
エンジン制御装置2は、車両100の停車中に自動的にエンジン10の停止および再始動を行うエコラン制御を実行可能である。エンジン制御装置2は、車両100の停車中に、予め定められたエンジン停止条件が成立すると、エンジン10を自動的に停止させる。また、エンジン制御装置2は、エコラン制御によるエンジン10の停止中に、エンジン10を再始動させる始動条件が成立すると、エンジン10を再始動させる。エンジン制御装置2は、エンジン10を再始動させる条件が成立し、エンジン10を始動する指令がなされると、スタータ11によりエンジン10を回転させ、かつエンジン10に燃料を供給してエンジン10を始動させる。
車両用制動装置1−1は、車両100の各車輪に制動力を発生させるものである。車両用制動装置1−1は、制動制御装置1、ブレーキペダル20、制動力発生手段41FR,41FL,41RR,41RL、制動力発生手段側ブレーキ液配管42FL,42FR,42RL,42RR、ブレーキブースタ43、マスタシリンダ44およびブレーキアクチュエータ50を備える。なお、本実施形態において、添字FLは車両100の左前輪、FRは車両100の右前輪、RLは車両100の左後輪、RRは車両100の右後輪にかかる構成要素であることをそれぞれ示す。
車両用制動装置1−1が各車輪に発生させる制動力は、機械的な制動力、具体的には摩擦力を利用した制動力である。車両用制動装置1−1は、作動流体としてのブレーキ液の圧力(以下、単に「液圧」あるいは「ブレーキ液圧」とも記載する)により、各車輪に摩擦による機械的な車輪制動トルクを付与し、各車輪に車輪制動力を発生させる。この車輪制動力により、車両100が制動される。
制動力発生手段41FL、41FR、41RL、41RRは、機械式かつ摩擦式の制動手段で、それぞれの車輪に設けたホイールシリンダやブレーキパッド、ディスクローター等から構成される。制動力発生手段41FL、41FR、41RL、41RRは、例えば、ブレーキパッドとディスクローターとの間に発生する摩擦力で制動力(摩擦制動力)を発生させる、摩擦制動装置である。制動力発生手段41FL、41FR、41RL、41RRは、供給される作動流体の液圧によって車両100を制動する制動力を発生させる。
ブレーキブースタ43は、運転者によりブレーキペダル20に入力されたペダル踏力を増加させる。ここで、ブレーキペダル20は、ブレーキブースタ43を介して運転者の踏力をマスタシリンダ44へ伝えるペダルアーム20Aと、ペダルアーム20Aに取り付けられて運転者の踏力をペダルアーム20Aへ伝達するペダル本体20Pを有する。運転者の踏力は、各車輪に車輪制動力を発生させるための力となる。マスタシリンダ44は、ブレーキブースタ43によって増加された踏力を、ブレーキ液圧へと変換する。ブレーキアクチュエータ50は、変換されたブレーキ液圧をそのまま、または調節してそれぞれの制動力発生手段側ブレーキ液配管42FL、42FR、42RL、42RRに伝える。
ブレーキアクチュエータ50と、それぞれの制動力発生手段41FL、41FR、41RL、41RRとは、制動力発生手段側ブレーキ液配管42FL、42FR、42RL、42RRによって接続される。また、ブレーキアクチュエータ50とマスタシリンダ44とは、マスタシリンダ側第1ブレーキ液配管45A及びマスタシリンダ側第2ブレーキ液配管45Bによって接続されている。
マスタシリンダ44、制動力発生手段側ブレーキ液配管42FL、42FR、42RL、42RR、マスタシリンダ側第1ブレーキ液配管45A、マスタシリンダ側第2ブレーキ液配管45B及びブレーキアクチュエータ50内に設けられるブレーキ液通路には、ブレーキ液が満たされている。これによって、ブレーキペダル20から入力され、ブレーキブースタ43を介してマスタシリンダ44へ入力された踏力は、マスタシリンダ側第1ブレーキ液配管45A、マスタシリンダ側第2ブレーキ液配管45Bや制動力発生手段側ブレーキ液配管42FL、42FR、42RL、42RR等の内部のブレーキ液を介して、それぞれの制動力発生手段41FL、41FR、41RL、41RRを構成するホイールシリンダへ伝達される。このように、車両用制動装置1−1は、制動力発生手段に対して、ブレーキ液を介して、車両100の車輪に制動力を発生させるための力を伝達する。
本実施形態において、ブレーキアクチュエータ50は、それぞれの制動力発生手段側ブレーキ液配管42FL、42FR、42RL、42RRのブレーキ液圧を個別に調節する機能を有する。ブレーキアクチュエータ50は、それぞれの車輪に対して、それぞれ独立した大きさの車輪制動力を発生させることができる。制動制御装置1が、ブレーキアクチュエータ50を駆動制御することによって、いわゆるABS制御やブレーキアシスト制御、ヒルスタートアシスト制御等が行われる。
ブレーキアクチュエータ50は、制動制御装置1によってその動作が制御され、目標とする車両の制動力(目標車両制動力)に応じた車輪制動力を各車輪に発生させる。制動制御装置1は、例えば、マイクロコンピュータやメモリ等を組み合わせて構成され、各車輪に対する車輪制動力を制御する。制動制御装置1には、ブレーキの操作状態、すなわち、車両100の運転者によるブレーキペダル20の操作状態を検出する手段(ブレーキ操作検出手段)として、マスタシリンダ圧力センサ31、ストロークセンサ32、踏力検出スイッチ33が接続されている。車両用制動装置1−1は、少なくとも一つのブレーキ操作検出手段を備える。
ブレーキアクチュエータ50は、マスタシリンダ44からのブレーキ液圧を制動力発生手段41FR、41RLへ伝達する第1液圧伝達系統51Aと、制動力発生手段41FL、41RRへ伝達する第2液圧伝達系統51Bとを備える。第1液圧伝達系統51Aは、ブレーキ液通路であるマスタシリンダ側第1ブレーキ液配管45Aによってマスタシリンダ44と接続され、第2液圧伝達系統51Bは、ブレーキ液通路であるマスタシリンダ側第2ブレーキ液配管45Bによってマスタシリンダ44と接続される。
第1液圧伝達系統51Aでは、マスタシリンダ44からのブレーキ液圧は、マスタシリンダ側第1ブレーキ液配管45A、流量制御弁である第1マスタカット弁52A、ブレーキ液通路である第1高圧ブレーキ液配管58A、保持ソレノイド弁53FR、53RLを介して、制動力発生手段41FR、41RLへ伝えられる。保持ソレノイド弁53FR、53RLと制動力発生手段41FR、41RLとの間には、減圧ソレノイド弁54FR、54RLが接続されている。
保持ソレノイド弁53FR、53RL及び減圧ソレノイド弁54FR、54RLを動作させることにより、制動力発生手段41FR、41RLに作用するブレーキ液圧を増減させて、右前輪および左後輪の制動力がそれぞれ調整される。例えば、保持ソレノイド弁53FR、53RL及び減圧ソレノイド弁54FR、54RLの開時間と閉時間とのデューティー比を変更することにより、制動力発生手段41FR、41RLに作用するブレーキ液圧を増減させる。
第2液圧伝達系統51Bでは、マスタシリンダ44からのブレーキ液圧は、マスタシリンダ側第2ブレーキ液配管45B、流量制御弁である第2マスタカット弁52B、ブレーキ液通路である第2高圧ブレーキ液配管58B、保持ソレノイド弁53FL、53RRを介して、制動力発生手段41FL、41RRへ伝えられる。保持ソレノイド弁53FL、53RRと制動力発生手段41FL、41RRとの間には、減圧ソレノイド弁54FL、54RRが接続されている。
保持ソレノイド弁53FL、53RR及び減圧ソレノイド弁54FL、54RRを動作させることにより、制動力発生手段41FL、41RRに作用するブレーキ液圧を増減させて、左前輪および右後輪の制動力がそれぞれ調整される。例えば、保持ソレノイド弁53FL、53RR及び減圧ソレノイド弁54FL、54RRの開時間と閉時間とのデューティー比を変更することにより、制動力発生手段41FL、41RRに作用するブレーキ液圧を増減させる。
流量制御弁である第1マスタカット弁52A及び第2マスタカット弁52B(以下、必要に応じてマスタカット弁52と記載する)は、リニアソレノイド及びスプリングを有している。そして、マスタカット弁52は、ソレノイドが非通電時には開いた状態となり、また、ソレノイドへ供給する電流を調整することで、開度を調整可能な常開型の電磁流量制御弁である。マスタカット弁52は、リニアソレノイドを用いることにより、開度がリニアに変化する。
マスタカット弁52は、供給される電力(制御電流)に応じてソレノイドが発生させる閉弁方向の保持力によって開度が調整されることにより、制動力発生手段41FR,41FL,41RR,41RLに作用するブレーキ液圧を保持する保持装置である。本実施形態のマスタカット弁52は、制動力発生手段41FR,41FL,41RR,41RLに接続された作動流体の配管58A,58Bに配置され、保持力によって配管58A,58Bを閉じることにより、ブレーキ液圧を保持する電磁制御弁である。マスタカット弁52は、開度を調整することにより、出口のブレーキ液圧Peと入口のブレーキ液圧Piとの間に差圧(マスタカット弁差圧)ΔP_SMC(=Pe−Pi)を作り出すことができるとともに、当該差圧ΔP_SMCをリニアに変化させることができる。
ここで、第1マスタカット弁52A、第2マスタカット弁52Bの出口側のブレーキ液圧は、それぞれ第1高圧ブレーキ液配管58A、第2高圧ブレーキ液配管58Bの内部におけるブレーキ液圧である。また、第1マスタカット弁52A、第2マスタカット弁52Bの入口側のブレーキ液圧は、それぞれマスタシリンダ側第1ブレーキ液配管45A、マスタシリンダ側第2ブレーキ液配管45B内部におけるブレーキ液圧である。第1マスタカット弁52Aのマスタカット弁差圧は、第1高圧ブレーキ液配管58A内のブレーキ液圧及びマスタシリンダ側第1ブレーキ液配管45A内のブレーキ液圧から算出される。また、第2マスタカット弁52Bのマスタカット弁差圧は、第2高圧ブレーキ液配管58B内のブレーキ液圧及びマスタシリンダ側第2ブレーキ液配管45B内のブレーキ液圧から算出される。なお、マスタカット弁差圧は、マスタカット弁52に供給する制御電流から求めることもできる。
第1マスタカット弁52A、第2マスタカット弁52Bの入口側の圧力は、マスタシリンダ圧力センサ31によって検出され、制動制御装置1に取得される。また、第1高圧ブレーキ液配管58A、第2高圧ブレーキ液配管58Bの内部におけるブレーキ液圧は、これらに取り付けられる第1出口側ブレーキ液圧センサ36A、第2出口側ブレーキ液圧センサ36Bによって検出されて、制動制御装置1に取得される。なお、第1出口側ブレーキ液圧センサ36A、第2出口側ブレーキ液圧センサ36Bは必ずしも設ける必要はない。
減圧ソレノイド弁54FR、54RLの出口及びマスタシリンダ側第1ブレーキ液配管45Aは、それぞれ第1ブレーキ液リザーバ57Aに接続されている。また、減圧ソレノイド弁54FL、54RRの出口及びマスタシリンダ側第2ブレーキ液配管45Bは、それぞれ第2ブレーキ液リザーバ57Bに接続されている。第1ブレーキ液リザーバ57Aおよび第2ブレーキ液リザーバ57Bは、ブレーキ液を蓄えるブレーキ液貯留手段である。
ブレーキアクチュエータ50は、第1液圧伝達系統51Aの液圧を調整するため、第1液圧伝達系統51A内のブレーキ液を加圧する第1ポンプ56Aを備え、また、第2液圧伝達系統51Bの液圧を調整するため、第2液圧伝達系統51B内のブレーキ液を加圧する第2ポンプ56Bを備える。第1ポンプ56Aが第1液圧伝達系統51A内のブレーキ液を加圧することにより、制動力発生手段41FR、41RLへ与えられるブレーキ液の圧力、すなわち液圧が上昇する。同様に、第2ポンプ56Bが第2液圧伝達系統51B内のブレーキ液を加圧することにより、制動力発生手段41FL、41RRへ与えられる液圧が上昇する。このように、第1ポンプ56A及び第2ポンプ56Bは、ブレーキ液加圧手段として機能する。
第1ポンプ56A及び第2ポンプ56Bは、ポンプ駆動用電動機55によって駆動される。制動制御装置1は、電流計34から検出されるポンプ駆動用電動機55の駆動電流や、レゾルバ35から検出されるポンプ駆動用電動機55の回転角度に基づいて、ポンプ駆動用電動機55の動作を制御する。なお、レゾルバ35は必ずしも設ける必要はない。
第1マスタカット弁52A、第2マスタカット弁52Bを開いた状態とすると、第1ポンプ56Aおよび第2ポンプ56Bから吐出されるブレーキ液は、マスタカット弁52と第1ブレーキ液リザーバ57A、第2ブレーキ液リザーバ57Bとの間を循環する。このため、マスタカット弁差圧は発生しない。一方、第1マスタカット弁52A、第2マスタカット弁52Bへ制御電流を流し、これらの開度を小さくすると、マスタカット弁差圧が発生する。これによって、制動力発生手段41FR、41RL、41FL、41RRに作用するブレーキ液圧を、マスタシリンダ44内のブレーキ液圧以上に増圧できる。
また、第1ポンプ56Aおよび第2ポンプ56Bが作動していない状態であっても、第1マスタカット弁52Aおよび第2マスタカット弁52Bの開度を小さくすることで、制動力発生手段41FR、41RL、41FL、41RRに作用するブレーキ液圧を保持することができる。マスタシリンダ44内のブレーキ液圧が低下したとしても、マスタシリンダ44内のブレーキ液圧の変化に応じてマスタカット弁52の開度を小さくすることで、マスタカット弁差圧を発生させて制動力発生手段41FR、41RL、41FL、41RRに作用するブレーキ液圧を保持することができる。
ブレーキアクチュエータ50は、バッテリ3と接続されている。ブレーキアクチュエータ50のマスタカット弁52は、バッテリ3と接続されており、供給される電力を消費して制動力発生手段41FR、41RL、41FL、41RRに供給する液圧を保持する。また、保持ソレノイド弁53FR,53FL,53RR,53RLおよび減圧ソレノイド弁54FR,54FL,54RR,54RLは、それぞれバッテリ3と接続されており、供給される電力を消費して作動することができる。
制動制御装置1には、電流計34と、レゾルバ35と、第1出口側ブレーキ液圧センサ36Aと、第2出口側ブレーキ液圧センサ36Bと、傾斜角度センサ37とが接続されている。傾斜角度センサ37は、車両100が走行又は停止している路面の傾斜を求めるための情報を検出する路面勾配検出手段であり、本実施形態では、当該情報として、車両100が走行又は停止している路面の勾配を検出する。なお、傾斜角度センサ37が検出する傾斜角度は、前後方向における車両100の傾斜角度でもある。また、制動制御装置1には、バッテリ3の電圧を検出する電圧センサ38が接続されている。
制動制御装置1は、エンジン制御装置2と接続されている。制動制御装置1は、エンジン制御装置2と相互に情報をやり取りして車両100を協調して制御することができる。
制動制御装置1は、ブレーキアクチュエータ50の動作を制御して、各車輪の目標とする車輪制動力である目標車輪制動力を発生させる。制動制御装置1は、目標車両制動力に基づいて、各車輪の目標車輪制動力を決定する。ここで、目標車両制動力とは、例えば、運転者によるブレーキペダル20の操作状態量に応じた、車両100の制動に要する目標値のことである。ブレーキペダル20の操作状態量とは、例えば、ペダルストローク量、ペダルストローク位置、踏力、ペダル操作速度等である。また、目標車輪制動力とは、目標車両制動力を車両100に働かせるためにそれぞれの車輪に分担させる制動力のことである。
また、制動制御装置1は、車両100の走行制御によって要求される車両100に対する要求制動力を目標車両制動力とすることが可能である。例えば、先行車に追従して走行する追従制御において車両100に対して要求される要求制動力や、プリクラッシュブレーキ制御において車両100に対して要求される要求制動力が目標車両制動力とされることができる。
また、制動制御装置1は、ブレーキ液圧を保持するブレーキホールド制御(ホールド制御)を実行することができる。ブレーキホールド制御とは、車両100を停車させておくことができる圧力にブレーキ液圧を保持する制御であり、例えば、車両100の停車中に開始される。ブレーキホールド制御において、制動制御装置1は、第1マスタカット弁52Aおよび第2マスタカット弁52Bを制御して、第1マスタカット弁52Aおよび第2マスタカット弁52Bの出口のブレーキ液圧Peを制御する。以下の説明において、マスタカット弁52A,52Bの出口のブレーキ液圧Peを単に「出口側ブレーキ液圧Pe」とも記載する。また、マスタカット弁52A,52Bの入り口のブレーキ液圧Piを単に「入口側ブレーキ液圧Pi」とも記載する。
ブレーキホールド制御は、例えば、運転者のスイッチ操作によって実行される。運転者によってブレーキホールド制御の実行を指示する操作がなされており、かつ車速が停車状態を示す値である場合に、制動制御装置1はブレーキホールド制御を実行する。なお、ブレーキホールド制御は、運転者の指示によらず停車中に自動的に実行されてもよい。例えば、傾斜角度センサ37によって検出された路面の傾斜に基づいて、車両100が登坂路や降坂路に停車したときにブレーキホールド制御が自動的に実行されてもよい。
ブレーキホールド制御における出口側ブレーキ液圧Peの目標値は、例えば、運転者によるブレーキペダル20の操作状態量や運転者のブレーキ操作によって発生したブレーキ液圧に応じて定められる。一例として、ブレーキホールド制御を開始するときの入口側ブレーキ液圧Piに基づいて、ブレーキホールド制御における出口側ブレーキ液圧Peの目標値が定められる。出口側ブレーキ液圧Peの目標値は、運転者のブレーキ操作により停車しているときの入口側ブレーキ液圧Piと等しい圧力や、これよりも少し低い圧力とされてもよい。
制動制御装置1は、決定した出口側ブレーキ液圧Peの目標値に基づいて、第1マスタカット弁52Aおよび第2マスタカット弁52Bに供給する制御電流の要求値をそれぞれ出力する。制動制御装置1は、保持する出口側ブレーキ液圧Peと、必要となるマスタカット弁52の制御電流との関係を予めマップ等として記憶しており、この記憶した情報に基づいて制御電流の要求値を定めることができる。制動制御装置1によって出力された制御電流の要求値に応じて、電流制御手段、例えばマスタカット弁52A,52Bとバッテリ3との間に介在するリレーが動作することで、マスタカット弁52A,52Bに供給する制御電流が制御される。なお、ブレーキホールド制御では、保持ソレノイド弁53FR,53FL,53RR,53RLは開とされ、減圧ソレノイド弁54FR,54FL,54RR,54RLは閉とされる。
ブレーキホールド制御がなされることで、運転者がブレーキペダルからアクセルペダルに踏み換える場合など、ブレーキOFFされたときにも車両100の停止状態が維持される。よって、登坂路においても車両100が後退することなく、余裕のあるスムーズな発進が可能となる。
ブレーキホールド制御の実行中に、ブレーキホールド制御の終了条件が成立すると、制動制御装置1は、ブレーキホールド制御を終了する。ブレーキホールド制御の終了条件は、例えば、アクセルONが検出されるなど、運転者による加速要求が検出されることである。ブレーキホールド制御の終了条件が成立すると、制動制御装置1は、マスタカット弁52A,52BをOFF(開)とする。これにより、出口側ブレーキ液圧Peは解放され、各車輪に対する制動が解除される。
ここで、車両100の停車中に自動的にエンジン10の停止および再始動を行うエコラン制御と、ブレーキホールド制御とをそれぞれ実行可能な車両100では、エンジン10の再始動時にブレーキ液圧の保持機能が低下する可能性がある。ブレーキホールド制御が実行され、かつエコラン制御によってエンジン10が停止されている状態から、エンジン10の再始動がなされると、スタータ11の消費する電力によって、バッテリ3の電圧低下が生じる。スタータ11の作動開始時には、スタータ11のモータに突入電流が流れ、バッテリ3に対する負荷が大きくなる。これにより、バッテリ3において電圧低下が生じ、ブレーキアクチュエータ50に対する電力供給能力が低下することがある。
ブレーキアクチュエータ50に対する電力供給能力が低下すると、第1マスタカット弁52Aおよび第2マスタカット弁52Bに供給される電流値が、制御電流の要求値を下回り、マスタカット弁52A,52Bの保持力が低下する。マスタカット弁52A,52Bの保持力が低下すると、マスタカット弁52A,52Bの開度が開き気味となり、出口側ブレーキ液圧Peが低下してしまうことがある。例えば、運転者がブレーキペダル20を踏んでいない場合、入口側ブレーキ液圧Piが出口側ブレーキ液圧Peよりも低圧であるため、第1高圧ブレーキ液配管58Aおよび第2高圧ブレーキ液配管58Bから、マスタシリンダ側第1ブレーキ液配管45Aおよびマスタシリンダ側第2ブレーキ液配管45Bにブレーキ液が漏れ、出口側ブレーキ液圧Peが低下してしまう。
本実施形態の車両用制動装置1−1は、以下に説明するように、ブレーキホールド制御の実行中にエンジン10が始動される場合、出口側ブレーキ液圧Peの目標値を増加させる。言い換えると、ブレーキホールド制御の実行中にエンジン10が始動される場合、第1マスタカット弁52Aおよび第2マスタカット弁52Bの保持力の要求値を増加させる。これにより、エンジン始動時におけるブレーキ液圧の保持機能の低下が抑制される。
図1を参照して、本実施形態における車両用制動装置1−1の動作について説明する。図1に示す制御フローは、例えば、車両の停車中に繰り返し実行される。ただし、停車中に限らず本制御フローが実行されてもよい。
まず、ステップS1では、制動制御装置1により、エコランブレーキ制御許可がなされているか否かが判定される。エコランブレーキ制御とは、エコラン制御によってエンジン10が停止されているときのブレーキホールド制御である。すなわち、ステップS1では、車両100が停車している状態で自動的にエンジン10が停止され、かつブレーキホールド制御が許可されてブレーキホールド制御がなされている状態であるか否かが判定される。制動制御装置1は、エンジン制御装置2との通信により取得した情報に基づいて、エコラン制御によるエンジン停止中であるか否かを判定することができる。ステップS1の判定の結果、エコランブレーキ制御許可がなされていると判定された場合(ステップS1−Y)にはステップS2に進み、そうでない場合(ステップS1−N)には本制御フローは終了する。
ステップS2では、制動制御装置1により、エンジンクランキング中であるか否かが判定される。制動制御装置1は、エンジン制御装置2との通信により取得した情報に基づいて、スタータ11によるエンジン10のクランキング中であるか否かを判定することができる。エンジンクランキング中であることは、バッテリ3の電圧が低下している場合や、バッテリ3の電圧が低下すると予測される場合に対応している。ステップS2の判定の結果、エンジンクランキング中であると判定された場合(ステップS2−Y)にはステップS3に進み、そうでない場合(ステップS2−N)には本制御フローは終了する。
ステップS3では、制動制御装置1により、保持圧指示値が通常よりも上げて設定される。ここで、保持圧指示値とは、保持すべき出口側ブレーキ液圧Pe、すなわち出口側ブレーキ液圧Peの目標値である。制動制御装置1は、エンジンクランキング中でない場合よりも出口側ブレーキ液圧Peの目標値を増加させる。具体的には、制動制御装置1は、エンジンクランキング中でない場合の出口側ブレーキ液圧Peの目標値、例えば、エンジンクランキング中であると判定される前の入口側ブレーキ液圧Piに基づいて定められる出口側ブレーキ液圧Peの目標値に対して、出口側ブレーキ液圧Peの目標値を増加させる。
以下の説明では、エンジンクランキング中でない場合の出口側ブレーキ液圧Peの目標値に対応するマスタカット弁52の保持力の要求値を「第1保持力要求値」と記載する。また、第1保持力要求値に対応するマスタカット弁52の制御電流の要求値を「第1電流要求値」と記載する。また、エンジンクランキング中において設定される出口側ブレーキ液圧Peの目標値に対応するマスタカット弁52の保持力の要求値を「第2保持力要求値」と記載する。また、第2保持力要求値に対応するマスタカット弁52の制御電流の要求値を「第2電流要求値」と記載する。
第1保持力要求値に対する第2保持力要求値の増分は、例えば、一定値とされてもよく、路面の勾配に応じて可変とされてもよい。一例として、路面の勾配(前後方向における車両100の傾斜角度)が大きい場合には、路面の勾配が小さい場合よりも第1保持力要求値に対する第2保持力要求値の増分が大きな値とされてもよい。ステップS3が実行されると、本制御フローは終了する。
本実施形態によれば、エコラン制御によるエンジン停止中のブレーキホールド制御において、エンジン10が再始動されるときには、マスタカット弁52の保持力が増加される。これにより、エンジン始動中におけるマスタカット弁の保持力不足を抑制することができる。言い換えると、バッテリ3の電圧低下による制動力の変動を抑制することができ、特に、ブレーキ液圧の低下による制動力の低下を抑制することができる。よって、本実施形態の車両用制動装置1−1によれば、ブレーキホールド制御において車両100の停止状態を維持することができる。
なお、本実施形態では、第2保持力要求値は、第1保持力要求値に基づいて定められたが、これに代えて、第1保持力要求値にかかわらず第2保持力要求値が定められてもよい。例えば、第2保持力要求値は、マスタカット弁52の保持力の最大値に基づいて定められてもよい。一例として、第2保持力要求値は、マスタカット弁52の保持力の最大値とされてもよい。
また、第2保持力要求値は、エンジン始動に伴うマスタカット弁52における保持力の低下量の予測値に基づいて定められてもよい。例えば、バッテリ3の電圧低下量とマスタカット弁52に供給される制御電流の低下量との関係を予め記憶しておき、エンジン始動に伴うバッテリ3の電圧低下量の予測値に応じてマスタカット弁52の保持力の要求値を増加させるようにすることができる。バッテリ3の電圧低下量は、例えば、前回エンジン10を始動したときのバッテリ電圧の推移における最小値、すなわち最低電圧に基づいて予測可能である。
また、第2保持力要求値は、実際のマスタカット弁52の保持力に応じて定められてもよい。例えば、マスタカット弁52に供給される制御電流をモニタし、マスタカット弁52の制御電流の要求値に対して実際の制御電流が不足する場合に、その不足量に応じて第2保持力要求値を増加させるようにしてもよい。
(第1実施形態の第1変形例)
第1実施形態の第1変形例について説明する。上記第1実施形態では、エンジンクランキング中である場合に保持圧指示値を上げたが、本変形例では、エンジン10の再始動が予測される場合に保持圧指示値を上げる。エンジン10の再始動が予測される場合とは、バッテリ3の電圧が低下すると予測される場合に対応している。これにより、エンジン始動によるバッテリ3の電圧低下が生じる前に保持圧指示値を増加させることができる。
エンジン10の再始動の予測は、例えば、エコラン制御におけるエンジン10を再始動させる始動条件に基づいて行うことができる。例えば、アクセルONをエンジン再始動の条件としている場合、アクセルONされた場合にエンジン10の再始動がなされると予測することができる。この他に、手動変速機を搭載した車両100において、クラッチを切る操作が検出されるとエコラン制御によってエンジン10が再始動される場合、クラッチペダルが踏み込まれてクラッチが切れ始めることを検出した場合に、エンジン10の再始動がなされると予測することができる。
また、バッテリ3の電圧に基づいてエンジン10の再始動がなされると予測してもよい。例えば、エコラン制御において、エンジン10の停止中に、バッテリ3の電圧が低下するとエンジン10が再始動される場合、バッテリ3の電圧に基づいてエンジン10が再始動されると予測することができる。
エンジン10の再始動がなされると予測された場合、制動制御装置1は、マスタカット弁52の保持力の要求値を増加させる。これにより、エンジン10の再始動がなされる前にマスタカット弁52の保持力の要求値を増加させることができ、バッテリ3の電圧低下による制動力の変動を未然に抑制することができる。なお、本変形例の保持力の制御は、上記第1実施形態の保持力の制御と合わせて実行されてもよい。例えば、エンジン10が始動されると予測された場合にマスタカット弁52の保持力の要求値をある程度上げておき、実際にエンジン10が始動される場合にさらにマスタカット弁52の保持力の要求値を上げるようにしてもよい。
(第1実施形態の第2変形例)
上記第1実施形態および第1変形例では、エンジン10の再始動、すなわちスタータ11の作動に基づいて保持圧指示値が上げられたが、これに限らず、バッテリ3に対する負荷が増大する場合や増大すると予測される場合に保持圧指示値を上げる制御がなされてもよい。
バッテリ3には、スタータ11およびブレーキアクチュエータ50以外にも、ライト、エアコン、オーディオ、電動パワーステアリング装置(EPS装置)等の補機が接続される場合がある。これらの電気負荷による消費電力が増加する場合や、増加すると予測される場合に、保持圧指示値を上げるようにすれば、保持圧不足を抑制することが可能となる。例えば周囲の明るさに応じて自動的にライトを点灯あるいは消灯させるシステムが搭載されている車両100では、ライトを自動的に点灯する前に保持圧指示値を上げておくようにすることが可能である。また、例えば電動コンプレッサを有するエアコンを搭載した車両100では、コンプレッサの消費電力が増加する前に保持圧指示値を上げておくようにすることができる。また、EPS装置を搭載した車両100では、検出された操舵トルク等に基づいて、EPS装置の消費電力が増加する前に保持圧指示値を上げておくようにすることができる。
(第1実施形態の第3変形例)
第1実施形態の第3変形例について説明する。上記第1実施形態および各変形例において、制動力の変動を抑制する手段として、マスタカット弁52の保持力の要求値を増加させることに代えて、あるいはマスタカット弁52の保持力の要求値を増加させることに加えて、制動力の変動を抑制する他の手段が用いられてもよい。
例えば、マスタカット弁52の保持力の要求値を増加させることに加えて、保持ソレノイド弁53FR,53FL,53RR,53RLを閉じる制御がなされてもよい。このようにすれば、各制動力発生手段41FR,41FL,41RR,41RLを作動させるブレーキ液圧の低下を抑制し、制動力の変動を抑制する効果を高めることが可能である。
また、例えば、マスタカット弁52の保持力の要求値を増加させることに加えて、あるいは代えて、第1ポンプ56Aおよび第2ポンプ56Bを作動させて第1ポンプ56Aおよび第2ポンプ56Bで発生させたブレーキ液圧を各制動力発生手段41FR,41FL,41RR,41RLに導くことにより、制動力の変動を抑制するようにしてもよい。
また、例えば、マスタカット弁52の保持力の要求値を増加させることに加えて、予めアキュムレータに蓄圧された液圧を各制動力発生手段41FR,41FL,41RR,41RLに導くことにより、制動力の変動を抑制するようにしてもよい。アキュムレータは、例えば、第1高圧ブレーキ液配管58Aおよび第2高圧ブレーキ液配管58Bや制動力発生手段側ブレーキ液配管42FL,42FR,42RL,42RRに対して制御弁を介して接続するようにすればよい。
(第2実施形態)
図3を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。上記第1実施形態では、車両100の停止中に出口側ブレーキ液圧Peの低下を抑制する制御がなされたが、出口側ブレーキ液圧Peの低下を抑制する制御は、車両100の走行中になされてもよい。図3は、本実施形態の車両用制動装置の動作を示すフローチャートである。
例えば、クルーズコントロールのような車両100の走行制御において、自動的に制動制御がなされることがある。また、ABS制御やブレーキアシスト制御、プリクラッシュブレーキ制御など、自動的に制動制御がなされることがある。こうした制動制御において、バッテリ3の電圧低下による制動力の変動、例えば制動力の低下を抑制できることが好ましい。本実施形態では、車両用制動装置1−1は、制動制御中にバッテリ電圧が低下する場合、保持圧指示値を通常よりも上げて設定する。
図3を参照して、第2実施形態の車両用制動装置1−1の動作について説明する。図3に示す制御フローは、車両100の走行中に実行されるものであり、例えば、所定の間隔で繰り返し実行される。
まず、ステップS11では、制動制御装置1により、制動制御中であるか否かが判定される。制動制御装置1は、マスタカット弁52による出口側ブレーキ液圧Peの調圧中であるか否かを判定する。その判定の結果、制動制御中であると判定された場合(ステップS11−Y)にはステップS12に進み、そうでない場合(ステップS11−N)には本制御フローは終了する。なお、マスタカット弁52による調圧中に限らず、保持ソレノイド弁53FR,53FL,53RR,53RLや減圧ソレノイド弁54FR,54FL,54RR,54RLがONとされているときや、ポンプ駆動用電動機55が運転しているときにステップS11で肯定判定がなされてもよい。
ステップS12では、制動制御装置1により、バッテリ電圧が低下しているか否かが判定される。制動制御装置1は、電圧センサ38の検出結果に基づいて、ステップS12の判定を行う。その判定の結果、バッテリ電圧が低下していると判定された場合(ステップS12−Y)にはステップS13に進み、そうでない場合(ステップS12−N)には本制御フローは終了する。なお、ステップS12の判定は、バッテリ電圧の検出結果に基づいて行うことに代えて、バッテリ3に接続された電気負荷による消費電力や電気負荷の要求電力に基づいて行われてもよい。電気負荷において消費電力が増加した場合や、要求電力が増加した場合にステップS12で肯定判定を行うことができる。
ステップS13では、制動制御装置1により、保持圧指示値が通常よりも上げて設定される。制動制御装置1は、バッテリ電圧が低下していない場合よりも、目標車両制動力に対応するマスタカット弁52の保持力の要求値を増加させる。これにより、バッテリ電圧の低下による制動力の変動、特に制動力の低下が抑制される。ステップS13が実行されると、本制御フローは終了する。
上記の各実施形態に開示された内容は、適宜組み合わせて実行されることが可能である。
以上のように、本発明にかかる車両用制動装置は、バッテリの電圧低下による制動力の変動を抑制するのに適している。
1−1 車両用制動装置
1 制動制御装置
2 エンジン制御装置
3 バッテリ
10 エンジン
11 スタータ
41FR,41FL,41RR,41RL 制動力発生手段
50 ブレーキアクチュエータ
52A 第1マスタカット弁
52B 第2マスタカット弁
100 車両
Pi 入口側ブレーキ液圧
Pe 出口側ブレーキ液圧

Claims (4)

  1. バッテリから供給される電力を消費してエンジンを始動する始動装置を有し、かつエンジンの停止および再始動が停車中に自動でなされる車両に搭載され、
    作動流体の液圧によって前記車両を制動する制動力を発生させる制動力発生手段と、
    前記バッテリと接続され、供給される電力に応じて発生させる保持力によって前記液圧を保持する保持装置とを備え、
    前記車両の停車中に、前記保持装置によって、前記車両の停車状態を保つことができる圧力に前記液圧を保持するホールド制御を実行可能であり、
    前記ホールド制御の実行中に前記エンジンが自動で始動されることを予測した場合、前記エンジンの再始動がなされる前に、前記エンジンの始動に伴う前記バッテリの電圧低下量の予測値に応じた値まで前記保持力の要求値を増加させる
    ことを特徴とする車両用制動装置。
  2. 前記保持装置は、前記制動力発生手段に接続された前記作動流体の配管に配置され、前記保持力によって前記配管を閉じることにより前記液圧を保持する電磁制御弁である
    請求項1に記載の車両用制動装置。
  3. 前記要求値を増加させるときの前記要求値の増分は、前記車両の傾斜角度に応じて変化する
    請求項1に記載の車両用制動装置。
  4. 前記要求値を増加させるときの前記要求値の増分を前記エンジンの始動に伴う前記保持力の低下量の予測値に基づいて定める
    請求項1に記載の車両用制動装置。
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