JP5731124B2 - 光弾性定数が低いポリカーボネート樹脂の製造方法 - Google Patents
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1.少なくとも2種類のジオール類とカーボネート前駆物質を用いるポリカーボネート樹脂の製造方法であって、下記式(A)で表される環状アセタール系ジオール類の仕込み量が、全ジオール類のモル数を基準として、10〜90mol%の範囲で、環状アセタール系ジオール類以外のジオール類(B)が、下記式(B1)で表される芳香族ジオール類および/または下記式(B2)で表される脂肪族ジオール類からなり、下記(i)、(ii)および(iii)の工程順で溶融重合し、さらには、環状アセタール系ジオール類成分中に含有するメタンスルホン酸イオンの量が15ppm以下であることを特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。
(i)第一工程は、最終真空度が40kPa以下8kPa以上の範囲で最終樹脂温度が160℃以上235℃以下の範囲であり、仕込んだ全ジオールモル数を基準として残存環状アセタール系ジオール類のモル数が1mol%以上30mol%以下になるまでエステル交換させる工程、
(ii)第二工程は、最終真空度が8kPa未満1kPa以上の範囲で、最終樹脂温度が220℃以上240℃以下の範囲であり、ポリカーボネート樹脂の比粘度が0.03以上0.2未満にエステル交換させる工程、そして、
(iii)第三工程は、最終真空度が1kPa未満で、最終樹脂温度235℃以上260℃以下の範囲で、ポリカーボネート樹脂の比粘度が0.2以上0.6以下にエステル交換させる工程。
で表される芳香族ジオール類(以下(B1)成分)および/または下記式(B2)
で表される脂肪族ジオール類(以下(B2)成分)からなる上記1記載の製造方法。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明の製造方法で得られるポリカーボネート樹脂は、前記式(A)に示した環状アセタール系ジオール類を含むジオール成分を用いることを特徴とするものである。
本発明で用いられる環状アセタール系ジオール類は、前記式(A)で表される。具体的には、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ジエチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ジプロピル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが例示される。なかでも、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(以下スピログリコールと略す)が、低い光弾性定数を有するという点から好ましい。
本発明では、前記式(A)に示した環状アセタール系ジオール類以外のジオール類として、前記式(B1)で示される芳香族ジオール類を用いることが、耐熱性や波長分散性の点から好ましい。
本発明では、前記式(A)に示した環状アセタール系ジオール類以外のジオール類として、前記式(B2)で示される脂肪族ジオール類を用いることが光弾性定数の低減、流動性の点から好ましい。
これらの脂肪族ジオール類は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
本発明の製造方法は、前記式(A)で示される(A)成分と、前記式(B1)または(B2)で示される(B)成分の仕込みのモル比(A/B)が、10/90〜90/10である。好ましくは20/80〜80/20、さらに好ましくは30/70〜70/30である。(A)成分の割合が下限以上では、得られるポリカーボネート樹脂の光弾性定数が低く、フィルムとして使用するとき、熱による斑が発生しづらく好ましい。また、A成分の割合が上限以下では、フィルムとしたときに結晶化が起こりづらく好ましい。モル比は、日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて測定し算出する。
本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法は、前記のモル比で仕込んだジオール成分に炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を反応させる溶融重合法であり、以下に示す第一工程、第二工程、第三工程からなる。
本発明の製造方法で重合することでゲル数の少ないポリカーボネート樹脂を得ることができる。本発明のポリカーボネート樹脂からなるフィルム中のゲル数は、好ましくは100個/m2以下、より好ましくは50個/m2以下、さらに好ましくは30個/m2以下であり、ゲル数は少ないほど好ましい。フィルム状物中のゲル数が100個/m2を超えると、延伸時にフィルム破断が多発したり、製膜時のフィルターライフが短くなるため問題である。また光学用途の場合、フィルム品質を悪くするため問題である。なお、本発明のフィルム状物のゲル数とは、(株)キーエンス製 カラー3Dレーザー顕微鏡 VK−9700を用いて、フィルム状物1m2中に存在する長軸の直径が300μm以上の干渉縞を有する欠点の数を厚み50μmのフィルムに換算した値である。なお、ゲルは蛍光顕微鏡で光ることから、ごみとの識別も可能である。
本発明の製造方法で得られる第三工程のポリカーボネート樹脂の比粘度(ηSP)は、強度と成形加工性とを両立させやすいことから、0.20〜1.50の範囲が好ましく、0.23〜1.20の範囲がより好ましく、0.25〜1.00の範囲が特に好ましい。
本発明でいう比粘度は、20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
本発明の製造方法で得られるポリカーボネート樹脂の光弾性定数の絶対値は、好ましくは40×10−12Pa−1以下、より好ましくは35×10−12Pa−1以下、さらに好ましくは30×10−12Pa−1以下である。絶対値が40×10−12Pa−1を超えると、成形時の残留応力によって生じる複屈折が大きくなりやすい。光弾性定数は未延伸フィルムを日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用し測定する。
本発明の製造方法で得られるポリカーボネート樹脂を用いてなる光学成形品は、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、溶液キャスティング法など任意の方法により成形される。本発明の製造方法で得られるポリカーボネート樹脂は、光弾性定数が低く、延伸により所望の波長分散性を実現することができるため特に光学フィルムとして有利に使用することができる。もちろん本発明の製造方法で得られるポリカーボネート樹脂は、光弾性定数が低く、しかも成形性にも優れているので、光ディスク基板、光学レンズ、液晶パネル、光カード、シート、フィルム、光ファイバー、コネクター、蒸着プラスチック反射鏡、ディスプレーなどの光学部品の構造材料または機能材料用途に適した光学用成形品としても有利に使用することができる。
本発明の製造方法で得られるポリカーボネート樹脂を用いてなる光学フィルムは、具体的には、具体的には、位相差フィルム、プラセル基板フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルム、輝度上昇フィルム、光ディスクの保護フィルム、拡散フィルム等の用途が挙げられ、なかでも位相差フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルムに好適に用いることができる。
スピログリコールモノマー5gを50mlの純水に懸濁し、70℃の温水バスで2時間加熱し、超音波装置で30分間処理、マイクロフィルターでろ過したろ液をイオンクロマトグラフィー(DIONEX社 DX−320)を用いて、以下の条件でメタンスルホン酸イオンの重量を定量した。
カラム: AS17, 溶離液: KOH水溶液, オーブン温度: 35℃, 流速: 1.5ml/min, グラジエント条件: 溶離液濃度 0mM(0min)→1mM(4min)→1mM(7min)→12mM(14min)→35mM(18min)→35mM(22min)
20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
未延伸フィルムを日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用して測定した。
厚さ50μmのフィルム状物をカラー3Dレーザ顕微鏡を用いて、500mm×1000mmに存在する長軸の直径が300μm以上の干渉縞を有するゲル数をフィルム1m2中に換算して求めた。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
市販の3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(以下SPGと略す)86.97部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下BPAと略す)27.95部、ジフェニルカーボネート89.29部、および触媒として炭酸水素ナトリウム5.2×10−4部を窒素雰囲気下樹脂温度を150℃に加熱し溶融させた。その後、10分かけて最終真空度を20kPaに調整し、樹脂温度を160℃に加熱し反応させた。その後、60℃/hrの速度で最終樹脂温度220℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持し、反応物をサンプリングし、NMRから残存するSPG量を測定した(第一工程)。さらに30℃/hrの速度で最終樹脂温度230℃まで昇温を行い、減圧度を6kPaとし、反応物をサンプリングして比粘度を測定した(第二工程)。さらに30℃/hrの速度で最終樹脂温度245℃にし、最終真空度を133Paとし合計210分間反応を行った(第三工程)。反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。なお、市販のSPGのメタンスルホン酸イオンは12.1ppmであった。
次に、(株)テクノベル製15mmφ二軸押出機に幅150mm、リップ幅500μmのTダイとフィルム引取り装置を取り付け、得られたポリカーボネート樹脂を270℃でフィルム成形することにより厚さ50μmの透明な押出しフィルムを得て、光弾性定数、ゲル数を測定した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
実施例1で使用したSPG85.12部、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下BCFと略す)45.36部、ジフェニルカーボネート89.29部、および触媒として炭酸水素ナトリウム5.2×10−4部を窒素雰囲気下樹脂温度を150℃に加熱し溶融させた。その後、10分かけて最終真空度を10kPaに調整し、樹脂温度を160℃に加熱し反応させた。その後、60℃/hrの速度で最終樹脂温度190℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持し、反応物をサンプリングし、NMRから残存するSPG量を測定した(第一工程)。さらに30℃/hrの速度で最終樹脂温度225℃まで昇温を行い、最終真空度を2kPaとし、反応物をサンプリングして比粘度を測定した(第二工程)、さらに30℃/hrの速度で最終樹脂温度を260℃にし、最終真空度を133Paとし合計220分間反応を行った(第三工程)。反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成し、フィルムの光弾性定数、ゲル数を測定した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
実施例1で使用したSPG49.7部、BPAの変わりにイソソルビド(以下ISSという)35.8部、および触媒として炭酸水素ナトリウム5.2×10−4部を窒素雰囲気下樹脂温度を150℃に加熱し溶融させた。その後、10分かけて最終真空度を35kPaに調整し、樹脂温度を160℃に加熱し反応させた。その後、60℃/hrの速度で最終樹脂温度230℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持し、反応物をサンプリングし、NMRから残存するSPG量を測定した(第一工程)。さらに30℃/hrの速度で最終樹脂温度235℃まで昇温を行い、最終真空度を6kPaとし、反応物をサンプリングして比粘度を測定した(第二工程)、さらに30℃/hrの速度で最終樹脂温度を250℃にし、最終真空度を133Paとし合計220分間反応を行った(第三工程)。反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成し、フィルムの光弾性定数、ゲル数を測定した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
実施例1で使用したSPG150部をメタノール10リットルに温度60℃で完全に溶解させた後、室温まで冷却しスピログリコールを再結晶させた。結晶を濾別し、結晶とほぼ同体積のイオン交換水で2回リンスした後、真空乾燥機で60℃で乾燥させ結晶128部を得た。上記精製SPG85.12部、BCF45.36部、ジフェニルカーボネート89.29部、および触媒として炭酸水素ナトリウム5.2×10−4部を窒素雰囲気下樹脂温度を150℃に加熱し溶融させた。その後、10分かけて最終真空度を10kPaに調整し、樹脂温度を160℃に加熱し反応させた。その後、60℃/hrの速度で最終樹脂温度190℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持し、反応物をサンプリングし、NMRから残存するSPG量を測定した(第一工程)。さらに60℃/hrの速度で最終樹脂温度225℃まで昇温を行い、最終真空度を2kPaとし、反応物をサンプリングして比粘度を測定した(第二工程)。さらに30℃/hrの速度で最終樹脂温度260℃まで昇温を行い、最終真空度を133Paとし合計220分間反応を行った(第三工程)。反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。なお、このSPGのメタンスルホン酸イオンは1.9ppmであった。
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成し、フィルムの光弾性定数、ゲル数を測定した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
SPG86.97部、BPA27.95部、ジフェニルカーボネート89.29部、および触媒として炭酸水素ナトリウム5.2×10−4部を窒素雰囲気下樹脂温度を150℃に加熱し溶融させた。その後、10分かけて最終真空度を20kPaに調整し、樹脂温度を160℃に加熱し反応させた。その後、60℃/hrの速度で最終樹脂温度240℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持し、反応物をサンプリングし、NMRから残存するSPG量を測定した(第一工程)。さらに樹脂温度240℃のまま、20分かけて、最終真空度を4kPaとし、反応物をサンプリングして比粘度を測定した(第二工程)。さらに30℃/hrの速度で最終樹脂温度260℃まで昇温を行い、最終真空度を133Paとし合計210分間反応を行った(第三工程)。反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成し、フィルムの光弾性定数、ゲル数を測定した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
SPG86.97部、BPA27.95部、ジフェニルカーボネート89.29部、および触媒として炭酸水素ナトリウム5.2×10−4部を窒素雰囲気下樹脂温度を150℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて最終真空度を13.4kPaに調整した。その後、60℃/hrの速度で最終樹脂温度260℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、反応物をサンプリングし、NMRから残存するSPG量を測定した(第一工程)。さらに樹脂温度260℃のまま、20分かけて、最終真空度を4kPaとし、反応物をサンプリングして比粘度を測定した(第二工程)。さらに1時間かけて最終真空度を133Paとし300分間反応を行った(第三工程)。反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成し、フィルムの光弾性定数、ゲル数測定した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
SPG85.12部、BCF45.36部、ジフェニルカーボネート89.29部、および触媒として炭酸水素ナトリウム5.2×10−4部を窒素雰囲気下樹脂温度を150℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて最終真空度を30kPaに調整した。60℃/hrの速度で最終樹脂温度170℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持し、反応物をサンプリングし、NMRから残存するSPG量を測定した(第一工程)。さらに60℃/hrの速度で最終樹脂温度260℃まで昇温を行い、最終真空度を4kPaとし、反応物をサンプリングして比粘度を測定した(第二工程)。さらに、最終真空度を133Paとし合計210分間反応を行った(第三工程)。反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成し、フィルムの光弾性定数、ゲル数測定した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
SPG49.7部、ISS35.8部、ジフェニルカーボネート89.29部、および触媒として炭酸水素ナトリウム5.2×10−4部を窒素雰囲気下樹脂温度を150℃に加熱し溶融させた。その後、10分かけて最終真空度を20kPaに調整し、樹脂温度を160℃に加熱し反応させた。その後、60℃/hrの速度で最終樹脂温度230℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持し、反応物をサンプリングし、NMRから残存するSPG量を測定した(第一工程)。さらに30℃/hrの速度で最終樹脂温度240℃まで昇温を行い、最終真空度を4kPaとし、反応物をサンプリングして比粘度を測定した(第二工程)。さらに30℃/hrの速度で最終樹脂温度280℃まで昇温を行い、最終真空度を133Paとし合計220分間反応を行った(第三工程)。反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。
得られたポリカーボネート樹脂を15mmφ二軸押出機によりペレット化した。次に実施例1と同様にしてフィルムを作成し、フィルムの光弾性定数、ゲル数測定した。結果を表1に示す。
Claims (3)
- 少なくとも2種類のジオール類とカーボネート前駆物質を用いるポリカーボネート樹脂の製造方法であって、下記式(A)で表される環状アセタール系ジオール類の仕込み量が、全ジオール類のモル数を基準として、10〜90mol%の範囲で、環状アセタール系ジオール類以外のジオール類(B)が、下記式(B1)で表される芳香族ジオール類および/または下記式(B2)で表される脂肪族ジオール類からなり、下記(i)、(ii)および(iii)の工程順で溶融重合し、さらには、環状アセタール系ジオール類成分中に含有するメタンスルホン酸イオンの量が15ppm以下であることを特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。
(i)第一工程は、最終真空度が40kPa以下8kPa以上の範囲で最終樹脂温度が160℃以上235℃以下の範囲であり、仕込んだ全ジオールモル数を基準として残存環状アセタール系ジオール類のモル数が1mol%以上30mol%以下になるまでエステル交換させる工程、
(ii)第二工程は、最終真空度が8kPa未満1kPa以上の範囲で、最終樹脂温度が220℃以上240℃以下の範囲であり、ポリカーボネート樹脂の比粘度が0.03以上0.2未満にエステル交換させる工程、そして、
(iii)第三工程は、最終真空度が1kPa未満で、最終樹脂温度235℃以上260℃以下の範囲で、ポリカーボネート樹脂の比粘度が0.2以上0.6以下にエステル交換させる工程。
- 請求項1記載の製造方法で得られたポリカーボネート樹脂を溶融押出するフィルムの製造方法。
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