JP3160209B2 - オキサスピロウンデカン基を含有するポリカーボネート共重合体およびその製造法 - Google Patents
オキサスピロウンデカン基を含有するポリカーボネート共重合体およびその製造法Info
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Description
カン基を含有するポリカーボネート共重合体およびその
製造法に関する。さらに詳しくは光学的性質の優れた新
規なポリカーボネート共重合体および工業的に有利なそ
の効率的製造法に関する。
ル)プロパン(通称ビスフェノールA)とホスゲンある
いは炭酸ジフェニルなどの炭酸エステル形成性化合物と
反応させて製造されるポリカーボネート樹脂は、透明
性、耐熱性および機械的強度にすぐれているため広範な
用途に供されている。
カーボネート樹脂に対する要求特性が厳しくなり、より
すぐれた性能を有するポリカーボネート樹脂の出現が要
望されている。特に従来のポリカーボネート樹脂を用い
て射出成形などにより成型品を得た場合、この成型品は
応力光学歪みが大きくなりやすく、すなわち複屈折が大
きくなりやすく、このような光学歪みが問題となるよう
な光学用機器の素材としては好ましくないという問題点
がある。
繰り返し単位からなるポリエステルが開示されている。
造を含むスピログリコールとジエチルカーボネートとを
エチルオキシナトリウムを触媒として重縮合せしめ26
0〜270℃で溶融する結晶性のポリカーボネートが得
られたことが記載されている。
リカーボネートと屈折率1.57以上のガラス充填材よ
りなる透明性、強度に優れたポリカーボネート組成物が
開示されている。同公報の合成例2には、上記芳香族ポ
リカーボネートの合成例として、ビスフェノールA4.
4kg、3,9―ビス(1,1―ジメチル―2―ヒドロ
キシエチル)―2,4,8,10―テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカンのジベンゾエートすなわちスピロ
グリコールジベンゾエート(SGOB)7.0kg、p
―tert―ブチルフェノール168gおよびホスゲン
3.8kgとから、界面重縮合法により、白色粉末状の
ポリカーボネート共重合体が得られたことが開示されて
いる。
は、ポリカーボネートを主成分とする光学用樹脂組成物
が開示されている。このポリカーボネートは、230℃
で5kgfの条件下でISO R―1133により測定
したメルトフローレートが5.0g/10分以上であ
り、ガラス転移温度が100℃以上というものである。
このポリカーボネートの具体例として、ビスフェノール
Aのポリカーボネートおよびテトラクロロビスフェノー
ルAのポリカーボネートが開示されているにすぎない。
は、光学的性質の優れた新規ポリカーボネート共重合体
を提供することにある。本発明の他の目的は、透明性に
優れ、光弾性係数の小さいポリカーボネート共重合体を
提供することにある。本発明のさらに他の目的は、上記
の如き優れた光学性質を持つと共に、成形性、耐熱性、
機械的強度も優れたポリカーボネート共重合体を提供す
ることにある。本発明のさらに他の目的は、本発明の上
記諸特性に優れたポリカーボネート共重合体を工業的に
有利に且つ効率的に製造する方法を提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的は、本発明の上記ポリカー
ボネート共重合体を情報伝達媒体もしくは情報記録媒体
のための素材として使用することを提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明か
ら明らかになろう。
の上記目的および利点は、第1に、下記式(I)
下記式(II)
のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、
R2 およびR3 は、互いに独立に、水素原子又は炭素数
1〜6のアルキル基であり、―A―O―は、Aが単結合
でオキシ基(―O―)を表わすか又は―O―(炭素数2
〜4のアルキレン基)―O―基を表わし、
ら実質的になり、塩化メチレンを溶媒として0.5g/
dl濃度の溶液の20℃における還元粘度(ηsp/c)
が少なくとも0.3dl/gであり、光弾性係数が70
×10-13 cm2 /dyne以下であり、そしてガラス
転移温度が少くとも95℃である、ことを特徴とするポ
リカーボネート共重合体によって達成される。
記のとおり、上記式(I)の繰り返し単位と上記式(I
I)の繰り返し単位から実質的になる。上記式(II)に
おいて、R1 は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基ま
たは炭素数6〜10のアリール基である。
ても分岐鎖状であってもよく、その例としてはメチル
基、エチル基、n―プロピル基、iso―プロピル基、
n―ブチル基、iso―ブチル基、sec―ブチル基、
tert―ブチル基、n―ペンチル基、n―ヘキシル基
を挙げることができる。
えばフェニル基、トリル基、キシリル基、クミル基、ナ
フチル基を挙げることができる。
素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数
1〜6のアルキル基の具体例としては上記R1 について
例示したものと同じものを例示できる。
てオキシ基(―O―)を表わすかあるいは―O―(炭素
数2〜4のアルキレン基)―O―基を表わす。後者の基
の中の炭素数2〜4のアルキレン基としては、例えば、
1,2―エチレン、1,1―エチレン、1,3―トリメ
チレン、1,2―プロピレン、1,4―テトラメチレン
を挙げることができる。
なり、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素
数6〜10のアリール基である。]において、R4 およ
びR5 の上記炭素数1〜6のアルキル基および炭素数6
〜10のアリール基としては上記基R1 について例示し
たものと同じものを例示できる。
ルメチレン基、プロピルメチレン基、2,2―プロピリ
デン基を好ましいものとして挙げることができる。
しくは異なり、水素原子または炭素数1〜6のアルキル
基であり、nは0または1である。]において、R6 、
R7 およびR8 の上記炭素数1〜6のアルキル基として
は上記R1 について例示したものと同じものを例示でき
る。
3,3,5―トリメチル―1,1―シクロヘキシリデン
基を好ましいものとして挙げることができる。
しては、例えば
る。
位(A)〜(P)は、本発明のポリカーボネート共重合
体に1種または2種以上で存在することができる。とり
わけ、式(II)で表わされる繰り返し単位として、上記
(A)〜(M)よりなる群から選ばれる第1の繰り返し
単位と上記(N)〜(P)よりなる群から選ばれる第2
の繰り返し単位との組合せであるのが特に好ましい。
れる繰り返し単位が式(A)〜(M)よりなる群から選
ばれる少なくとも1種の第1の繰り返し単位であるポリ
カーボネート共重合体を包含する。
る繰り返し単位が式(N)〜(P)よりなる群から選ば
れる少なくとも1種の第2の繰り返し単位であるポリカ
ーボネート共重合体を包含する。
る繰り返し単位が、前記第1の繰り返し単位と前記第2
の繰り返し単位との組合せであるポリカーボネート共重
合体を包含する。
記式(I)で表わされる繰り返し単位5〜95モル%と
前記式(II)で表わされる繰り返し単位95〜5モル%
からなる。前記式(I)で表わされる繰り返し単位が5
モル%より小さい場合には所望の光学的性質が得られ
ず、95モル%を超えると機械的強度や重合性が不充分
となる。
好ましくは7〜93モル%、より好ましくは10〜80
モル%、特に好ましくは15〜75モル%と、前記式
(II)で表わされる繰り返し単位が好ましくは93〜7
モル%、より好ましくは90〜20モル%、特に好まし
くは85〜25モル%からなるものがとりわけ有利であ
る。
単位が上記第1の繰返し単位と第2の繰返し単位との組
合せである場合には、上記式(I)で表わされる繰返し
単位と第1の繰返し単位の合計が少なくとも50モル%
を占め、第2の繰返し単位が50モル%以下であるのが
とりわけ好ましい。ここで上記式(I)で表わされる繰
返し単位と第1の繰返し単位との割合は、前者と後者の
合計量に対し、前者が95〜5モル%、後者が5〜95
モル%とすることができる。
化メチレンを溶媒として0.5g/dl濃度の溶液の2
0℃で測定した還元粘度(ηsp/c)が少なくとも0.
3dl/gのものである。好ましい還元粘度は0.3d
l/g〜1.0dl/gの範囲にある。
は、光弾性係数が70×10-13 cm2 /dyne以下
である。1×10-13 cm2 /dyneは1Brews
ters(B)として知られているから、70×10
-13 cm2 /dyne以下は70B以下と記載すること
ができる。
の試験片(10mm×100mm×1mm)に異なる大
きさの引張応力を長さ方向に負荷し、発生する複屈折率
を測定し、下記式
よびn2 はそれぞれ第1および第2の引張応力における
複屈折率でありそしてσ1 およびσ2 はそれぞれ第1お
よび第2の引張応力(dyne/cm2 )を表わす。]
から算出される。
り、より好ましくは50B以下である。
体は、ガラス転移温度が少なくとも95℃である。ガラ
ス転移温度は好ましくは少なくとも110℃であり、よ
り好ましくは少なくとも120℃である。
発明の下記製造法によって工業的に有利に製造できる。
すなわち、本発明によれば、第2に、下記式(III )
チル―2―ヒドロキシエチル)―2,4,8,10―テ
トラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、下記式(IV)
の定義は式(II)に同じである。]で表わされるビスフ
ェノール類および下記式(V)
くは異なり、フェニル基またはナフチル基であり、これ
らの基は、塩素原子、炭素数1〜6のアルキル基、メト
キシカルボニル基およびエトキシカルボニル基よりなる
群から選ばれる少なくとも1種により置換されていても
よい。]で表わされるジアリールカーボネート類とを、
上記式(III )の化合物と上記式(IV)の化合物の合計
に基づき上記式(III )の化合物5〜95モル%と上記
式(IV)の化合物95〜5モル%で用い、且つ上記式
(III )の化合物と上記式(IV)の化合物の合計1モル
に対し上記式(V)の化合物を1.0〜1.3モルの割
合で用いて、溶融重縮合せしめて、還元粘度が少なくと
も0.3dl/gであるポリカーボネートを生成せしめ
ることを特徴とするポリカーボネート共重合体の製造法
が同様に提供される。
約208℃の白色粉末として入手できる。
R3 、XおよびAの定義は前記式(II)に同じである。
は、例えば1―フェニル―1,1―ビス(4―ヒドロキ
シフェニル)エタン、1,1―ビス(4―ヒドロキシフ
ェニル)3,3,5―トリメチルシクロヘキサン、1,
1―ビス(3―tert―ブチル―4―ヒドロキシ―6
―メチルフェニル)ブタン、2,2―ビス(3,5―ジ
メチル―4―ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1―
ビス(4―ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1―
ビス(4―ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,
1―ビス(4―ヒドロキシ―3―メチルフェニル)シク
ロヘキサン、1,4―ビス[2―(4―ヒドロキシフェ
ニル)プロピル]ベンゼン、1,3―ビス[2―(4―
ヒドロキシフェニル)プロピル]ベンゼン、2,2―ビ
ス(3―tert―ブチル―4―ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2―ビス(4―ヒドロキシ―3―メチル
フェニル)プロパン、2,2―ビス(4―ヒドロキシ―
3―フェニルフェニル)プロパン、1,1―ビス[4―
(2―ヒドロキシエチルオキシ)フェニル]フルオレ
ン、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ビス(4―ヒドロキシフェニル)エーテルおよびビ
ス(4―ヒドロキシフェニル)スルホン等を挙げること
ができる。
2 は同一もしくは異なり、フェニル基はナフチル基であ
る。これらの基は塩素原子、炭素数1〜6のアルキル
基、メトキシカルボニル基またはエトキシカルボニル基
で置換されていてもよい。これらの置換基は1種又は2
種以上である。炭素数1〜6のアルキル基としては、式
(I)のR1 について前記したものと同じものを例示で
きる。
えば、ジフェニルカーボネート、ジ―p―トリルカーボ
ネート、フェニル―p―トリルカーボネート、ジ―p―
クロロフェニルカーボネート、ジ(2―メトキシカルボ
ニルフェニル)カーボネート、フェニル―2―メトキシ
カルボニルフェニルカーボネート、ジ(2―エトキシカ
ルボニルフェニル)カーボネートおよびジナフチルカー
ボネートを好ましく挙げることができる。
上記式(IV)の化合物の合計1モルに対し上記式(V)
のジアリールカーボネート類を1.0〜1.3モルの割
合で用いて実施される。この範囲内で好ましい割合は、
1.005〜1.10モルである。
の化合物と式(IV)の化合物とは、それらの合計に基づ
き、式(III )の化合物が5〜95モル%および式(I
V)の化合物が95〜5モル%で用いられる。好ましい
割合は、式(III )の化合物が10〜80モル%であ
り、式(V)の化合物が90〜20モル%である。
触媒の存在下に実施される。かかる触媒としては、通常
エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を
用いることができる。このような化合物としては、アル
カリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素塩基
性化合物、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウ
ム化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有
機スズ化合物類、鉛化合物類、チタン化合物類、オスミ
ュウム化合物類、アンチモン化合物類およびジルコニウ
ム化合物類などが挙げられる。この中でもアルカリ金属
化合物、アルカリ土類金属化合物および含窒素塩基性化
合物が特に好ましく用いられる。
属化合物としては、例えばこれらの金属の水酸化物、炭
酸水素塩、炭酸塩、酢酸塩、水素化ホウ素塩、ステアリ
ン酸塩、安息香酸およびビスフェノールとの塩等を挙げ
ることができる。
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ス
テアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステア
リン酸リチウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウ
ム、安息香酸リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン
酸水素二カリウム、リン酸水素二リチウム、ビスフェノ
ールAの二ナトリウム塩、二カリウム塩、二リチウム
塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩およびリチ
ウム塩等が挙げられる。
例としては、水素化カルシウム、水酸化バリウム、水酸
化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カル
シウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭
酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カル
シウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロ
ンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリ
ウム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸ス
トロンチウムなどを挙げることができる。
えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Me4 N
OH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(Et
4 NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
(Bu4 NOH)、トリメチルベンジルアンモニウムヒ
ドロキシド(フェニル―CH2 (Me)3 NOH)など
のアルキル、アリール、アルアリール基等を有するアン
モニウムヒドロキシド類、トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミ
ンなどの三級アミン類;式R2 NH(式中Rはメチル、
エチルなどのアルキル、フェニル、トルイルなどのアリ
ール基などである)で示される二級アミン類;式RNH
2 (式中Rは上記と同じである)で示される一級アミン
類;2―チメルイミダゾール、2―フェニルイミダゾー
ルなどのイミダゾール類;テトラメチルアンモニウムア
セテート(Me4 NOCOCH3 )などのアンモニウム
カルボキシレート類;あるいはテトラメチルアンモニウ
ムボロハイドライド(Me4NBH4 )、テトラブチル
アンモニウムテトラフェニルボレート(Me4 NBPh
4 )などの塩基性塩を挙げることができる。これらの化
合物は1種または2種以上併用してもよい。
物および/またはアルカリ土類金属化合物の場合は、ジ
オール成分1モルに対し1×10-7〜1×10-4当量、
好ましくは1×10-6〜5×10-5当量の範囲で選ばれ
る。
に不活性ガス雰囲気下で加熱しながら攪拌して生成する
モノヒドロキシ化合物を留出させることで行なわれる。
反応温度は通常120〜350℃の範囲であり、反応後
期には系の減圧度を10〜0.1Torrに高めて生成
するモノヒドロキシ化合物の留出を容易にさせて反応を
完結させる。
規重合体が得られる。用途や必要に応じて酸化防止剤、
紫外線吸収剤、離型剤などの添加剤を配合することがで
きる。
共重合体を素材とする情報伝達媒体や情報記録媒体を提
供するものである。すなわち、本発明の新規なポリカー
ボネート重合体は、その優れた透明性の故に、例えば光
ファイバーの素材のような情報伝達媒体や光ディスクの
素材のような情報記録媒体として有利に使用することが
できる。
らに詳しくは説明する。
ビス(1,1―ジメチル―2―ヒドロキシエチル―2,
4,8,10―テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカ
ン(以下スピログリコールという)152重量部(0.
5モル)と2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(Bis―A)114重量部(0.5モル)、炭
酸エステル形成性化合物としてジフェニルカーボネート
225重量部(1.05モル)、および触媒としてテト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド9.1×10-3重量
部と水酸化ナトリウム4×10-4重量部を攪拌装置、精
溜塔および減圧装置を備えた反応槽に仕込み窒素置換を
した後、加熱溶融した。30分攪拌後、内温を180℃
に昇温しつつ徐々に減圧し、生成するフェノールを溜去
しながら100mmHgで30分間反応させた。
し、フェノールを溜去しながら50mmHgで20分間
反応させた。さらに220℃/30mmHgまで徐々に
昇温、減圧し、同温、同圧で20分、さらに240℃/
10mmHg、260℃/1mmHg以下にまで上記と
同じ手法で昇温、減圧を繰り返して反応を続行し、最終
的に260℃/1mmHg以下で2時間反応せしめた。
する溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.
45dl/gであった。得られた重合体のガラス転移温
度はデュポン製熱分析装置(2000型DSC)で測定
したところ、114℃であった。さらに重合体を塩化チ
レンに溶解してキャスト成形により、厚さ100μmの
フイルムに成形し、理研計器製の光弾性係数測定機器
(PA―150)で測定したところ、光弾性係数は30
×10-13 cm2 /dyne(3OB)と低い値であっ
た。(以下の実施例、比較例についても同様の測定を行
った。)
を用い、実施例1と同様にして表1〜8に示した性質を
持つポリカーボネート重合体を得た。
ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパン228重量部
のみを用いた他は、実施例1と同様の操作により反応を
行い、重合体を得た。
する溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.
49dl/gであった。得られた重合体のガラス転移温
度は149℃であり、光弾性係数は79×10-13 cm
2 /dyneと高い値であった。
リコール152重量部(0.5モル)のみを用いた他
は、実施例1と同様の操作により反応を行ったが重合中
に結晶化がおこった。
する溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.
25dl/gであった。得られた重合体のガラス転移温
度は92℃と低く、重合度も低いために強度が不十分で
あり、光弾性係数の測定に足るような強度を有するフイ
ルムが作成できなかった。
ト共重合体は、従来のポリカーボネート樹脂に比べて、
光弾性効果が小さく、成形歪みが少ないため複屈折が小
さく、光学的性質の極めて優れたものである。
合物から合成されるポリカーボネートは耐熱性および機
械的強度に劣るものであったが、本発明のごとく芳香族
化合物と共重合を行うことにより、すぐれた光学的特性
を損なうことなく充分な耐熱性および機械的強度を有す
るポリカーボネートを得ることができる。
は、光ディスクなどの光学機器用素材をはじめとして、
各種産業用機器の素材として有効に利用しうる。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 で表わされる繰返し単位5〜95モル%と下記式(II) 【化2】 [ここで、R1 は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基
又は炭素数6〜10のアリール基であり、R2 およびR
3 は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアル
キル基であり、―A―O―はAが単結合でオキシ基(―
O―)を表わすか又は―O―(炭素数2〜4のアルキレ
ン基)―O―基を表わし、 【化3】 で表わされる繰返し単位95〜5モル%から実質的にな
り、 塩化メチレンを溶媒として0.5g/dl濃度の溶液の
20℃における還元粘度(ηsp/c)が少なくとも0.
3dl/gであり、 光弾性係数が70×10-13 cm2 /dyne以下であ
り、そしてガラス転移温度が少くとも95℃である、こ
とを特徴とするポリカーボネート共重合体。 - 【請求項2】 下記式(III ) 【化4】 で表わされる3,9―ビス(1,1―ジメチル―2―ヒ
ドロキシエチル)―2,4,8,10―テトラオキサス
ピロ[5.5]ウンデカン、下記式(IV) 【化5】 [ここで、R1 、R2 、R3 、XおよびAの定義は式
(II)に同じである。]で表わされるビスフェノール類
および下記式(V) 【化6】 [ここで、Ar1 およびAr2 は同一もしくは異なり、
フェニル基またはナフチル基であり、これらの基は、塩
素原子、炭素数1〜5のアルキル基、メトキシカルボニ
ル基およびエトキシカルボニル基よりなる群から選ばれ
る少なくとも1種により置換されていてもよい。]で表
わされるジアリールカーボネート類とを、上記式(III
)の化合物と上記式(IV)の化合物の合計に基づき、
上記式(III )の化合物5〜95モル%と上記式(IV)
の化合物95〜5モル%で用い、且つ上記式(III )の
化合物と上記式(IV)の化合物の合計1モルに対し、上
記式(V)の化合物を1.0〜1.3モルの割合で用い
て、溶融重縮合せしめて、還元粘度が少なくとも0.3
dl/gであるポリカーボネートを生成せしめることを
特徴とするポリカーボネート共重合体の製造法。 - 【請求項3】 請求項1に記載のポリカーボネート共重
合体を素材とする情報伝達媒体。 - 【請求項4】 請求項1に記載のポリカーボネート共重
合体を素材とする情報記録媒体。
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JP30015496A JP3160209B2 (ja) | 1996-01-30 | 1996-11-12 | オキサスピロウンデカン基を含有するポリカーボネート共重合体およびその製造法 |
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JP1378496 | 1996-01-30 | ||
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JPH09268225A JPH09268225A (ja) | 1997-10-14 |
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