JP5729000B2 - リチウムイオン電池の充放電動作状態監視方式 - Google Patents

リチウムイオン電池の充放電動作状態監視方式 Download PDF

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Description

この発明は電池、特にリチウムイオン電池の充放電動作状態を監視し表示する監視方式に関する。
鉛電池などの従来型電池の充放電動作監視は、電池電圧と充放電電流および電解液比重等を監視するものが一般的である。
一方、リチウムイオン電池では、その電池内部抵抗が、電池温度,周囲温度の影響,使用期間に係わるカレンダー寿命,充放電回数に係わるサイクル寿命等の変化によって変化するが、電解液を有しないことから電池内部抵抗の時系列的変化が、鉛電池などの場合に比べて比較的把握し易いことが知られている。
しかるに、リチウムイオン電池に対しては、その電池寿命を予測して使用限界、交換時期の予測をするものなどが殆どで、例えば特許文献1では、リチウムイオン電池を一定電力で所定時間連続充放電させたときの電池電圧降下や電池電圧上昇から、その劣化状態を検知するようにしており、劣化の度合いがしきい値を超えたときは、劣化の進行を抑制するようにしている。
つまり、リチウムイオン電池の内部抵抗は電池温度によって増減するとともに、使用期間に係わるカレンダー寿命,充放電回数に係わるサイクル寿命により増加して、充放電動作特性すなわちI−V特性が時間変化するが、電解液を有しないことから鉛電池などの場合に比べて電池内部抵抗の時系列的変化の把握が比較的容易であるにも関わらず、このように時々刻々変化する動作状態の監視をするものが見当たらないのが現状である。
特開2010−060408号公報
したがって、この発明の課題は、リチウムイオン電池の動作状態をリアルタイムで監視,表示できるようにして電池事故の拡大を防止するとともに、監視,表示に基づき適切な充放電動作を可能として電池寿命の延伸が期待できるようにすることにある。
このような課題を解決するため、請求項1の発明では、リチウムイオン電池の内部抵抗値の設計値、計画値、または、使用初期の実測した内部抵抗値に基づく基準内部抵抗値を電池の使用初期、使用中期および使用終期に分けて設定しておくとともに、この電池の使用初期、使用中期および使用終期に分けて設定した基準内部抵抗値と所定の充放電電流とに基づき予め作成された基準I−V特性パターンを記憶しておき、別途検出される電池実動作中の電圧,電流で示される動作点または同電圧,電流から作成される実I−V特性パターンを、前記基準I−V特性パターンとともに同じ画面上に表示し、電池の充放電動作状態を監視可能にしたことを特徴とする。
この請求項1の発明においては、充放電動作時の警報レベル,警告レベルをそれぞれ設定しておき、充放電動作時に実電圧が前記警報レベルに達したときは充放電電流を低下させるように操作者に警報を発するとともに、放電動作時に実電圧が前記警告レベルに達したときは放電を停止させるように操作者に警告を発することができる(請求項2の発明)。
上記請求項1または2の発明においては、充放電動作時には、電池電圧,充放電電流および電池内部抵抗から算出される電池起電圧を表示して、電池の充電状態を診断可能にすることができる(請求項3の発明)。
また、請求項1〜3の発明においては、充放電動作時には、所定の時間間隔で計測した充放電電流,電池電圧を連続表示するとともに、充電電流と充電時間との積で示される充電電流時間積と、放電電流と放電時間との積で示される放電電流時間積と、充電電流時間積から放電電流時間積を減じた残存電流時間積とを表示可能にすることができる(請求項4の発明)。
請求項1〜4の発明においては、放電動作時には、前記基準内部抵抗値,実内部抵抗値または実内部抵抗変化値を表示して監視可能にすることができる(請求項5の発明)。
この発明によれば、電池内部抵抗は電池温度で変化するとともに、使用時間経過に起因するカレンダー寿命および充放電回数に起因するサイクル寿命によって増加することに着目し、充放電電流により変化する電池電圧、すなわちI−V特性を監視することにより、電池動作状態を常時監視(リアルタイム監視)できるようにする。なお、このような特徴は、特定の使用環境においては極めて有力な支援手段となることを付言する。
また、放電動作の場合に、電池内部抵抗の増加により電池電圧VBiが低下して警報(制限)レベルL1に達したときには警報を発して放電電流の抑制を促し、警告(保護)レベルL2に達したときには警報を発して放電動作の停止を促す。
一方、充電動作の場合には、電池電圧VBiが電圧制限(警報)レベルL3を超えないように充電電流IBiを抑制して過充電を防止する。なお、充電電流=0として電圧VBi=起電圧eBを監視することで、充電状態を把握できるようにする。
この発明による電池の充電動作状態の監視方式を示すブロック図 電池の内部回路と内部抵抗変化例の説明図 放電動作時のI−V特性と警報(制限)レベルの説明図 放電動作時のI−V特性と警告(保護)レベルの説明図 充電動作時のI−V特性説明図 各種充電方式の説明図 応用例としての電気推進システムを示す構成図
図1はこの発明の実施の形態を説明するブロック図である。充放電動作を説明する前に基本的事項について先ず説明する。
1)温度変化と内部抵抗RB変化
図2(イ)に電池の内部回路図、同(ロ)に電池の内部抵抗変化例を示す。
いま、電池動作の基準温度をT5として、T5より低い温度T4→T3→T2→T1→T0へと変化すると内部抵抗RBは増加し、T5より高い温度T6→T7→T8→T9→T10へと変化すると内部抵抗RBは増加する。このように、電池内部抵抗RBは温度によって図示のように変化する。
2)使用期間による内部抵抗RB変化
内部抵抗RBは使用時間に関するカレンダー寿命,充電回数に関するサイクル寿命によって増加する。つまり、図2(ロ)のように使用初期A⇒使用中期B⇒使用終期Cへと内部抵抗は増加する。内部抵抗が増加すると、充放電電流によるI−V特性の傾斜が増加するとともに、電池内部損失が増加することによって電池内部温度は上昇する。これは、図2(イ)のように、電池電流をIB、電池内部抵抗をRBとすると電池内部損失PBWが、PBW=IB2×RBで表わされることによる。
図2(ロ)のように、電池の通常使用範囲の上限をL1線(AT9,BT7,CT6),L2線(AT1,BT3,CT4)に設定すれば、この範囲で通常の充放電動作が行なわれる。そして、放電動作がL1線,L2線に至れば放電電流を制限し、さらに何らかの理由で電池内部抵抗が増加してL3線(AT10,BT9,CT8),L4線(AT0,BT1,CT2)に至れば電池を破損させるおそれがあるため、放電動作を停止させることが望ましい。
このように、リチウムイオン電池の内部抵抗は電池温度,使用時間(カレンダー寿命),充放電回数(サイクル寿命)によって変化し、電池I−V特性が変化するから、このI−V特性変化を監視すれば電池充放電動作状態を知ることができる。
また、電池の充放電動作が警報(制限)レベルに達すれば警報を発して充放電電流の抑制を促し、さらに警告(保護)レベルに達すれば警告を発して充放電電流の停止を促して、電池寿命の延命,電池破損の防止を図るようにする。
なお、リチウムイオン電池の内部抵抗は、電池充電状態によっては変化しない(変化しても微小)ことが、例えば参考文献(NTT DoCoMoテクニカルジャーナルVOL13,No14)などにより知られている。また、電池起電圧は後記のように充電状態によって変化し、また、内部抵抗は充電容量(状態)に支配されないものとすれば、I−V特性は満充電状態から放電終止状態へ放電が移行し、起電圧低下に比例して平行移動することになる。放電動作時のこの様子を図3A,3Bに示し、充電動作時のI−V特性を図3Cに示す。放電動作時の警報,警告レベルをL0−L1,L2、充電動作時の警報レベルをL0−L3とすれば、起電圧,電池電圧に連動させて基準点L0を移動させる。
ここで、電池起電圧eBについて説明する。
電池から負荷回路を切り離した状態で、高インピーダンス電圧計を用いて電池端子電圧を計測すると、満充電状態,放電終止状態(空)のいずれであっても電池起電圧eBに変わりはなく、この電圧をオープン電圧という。しかし、電池に僅かな放電負荷(5〜10%)を接続すると電池電圧は急激に低下し、あたかも起電圧が低下したように観測される。これは、放電深度による内部抵抗の増加によって、電池内部電圧降下が増加したために発生する現象で、起電圧が低下したためではない。
I−V特性例を図3A,3Bに示す。
すなわち、僅かな放電負荷(5−10%)に流れる放電電流IBiにより、電池電圧eBf=VB=100%から、I−V特性の直線沿線上の放電電流0の起電圧eBe1,eBe2(図3A参照)と近似しても、実用上の問題はないと考えられる。
<放電動作>
以上のことを前提として、以下、放電動作時における図1の動作について、図3A,3B等を参照しながら説明する。
内部抵抗設定部1には、電池内部抵抗の設計値,計画値または使用初期の実測値を基準値として設定する。電池内部抵抗値としては、電池抵抗と接続導体,端子などの電池抵抗以外の抵抗を加算したものを、使用初期,使用中期,使用終期に分けて設定する。従って、
使用初期:RX+RBA…(1)、
使用中期:RX+RBB…(2)、
使用終期:RX+RBC…(3)となる。
電圧降下演算部(基準値)2は、内部抵抗設定部1での設定値(基準値)と実電池電流IBiとを乗じて電池内部電圧降下量を次式のように演算する。
使用初期:ΔVBAi=IBi×(RX+RBA)…(4)
使用中期:ΔVBBi=IBi×(RX+RBB)…(5)
使用終期:ΔVBCi=IBi×(RX+RBC)…(6)
起電圧演算部3は、電圧降下演算部(基準値)2の演算結果に実電池電圧VBiを加算して、放電動作時の各電池起電圧eBを(7)〜(9)式のように演算する。なお、起電圧eBは充放電状態に比例して変化するが、電池温度には支配されないものと仮定し、充放電動作の基準点を起電圧eBとしている。
初期起電圧eB=VBi+ΔVBAi…(7)
中期起電圧eB=VBi+ΔVBBi…(8)
終期起電圧eB=VBi+ΔVBCi…(9)
内部抵抗演算部4は、起電圧演算部3で求めた起電圧eBから実電池電圧VBiを減じて、実動作時の電池内部電圧降下ΔVBi=eB−VBi…(13)を求める。また、電池内部電圧降下ΔVBiと実放電電流IBiから、実動作時の電池内部抵抗RBi=ΔVBi÷IBi…(14)を求める。
内部抵抗変化演算部5は、内部抵抗演算部4で求めた実動作時の電池内部抵抗RBiと、内部抵抗設定部1で設定したRX+RBA,RX+RBBおよびRX+RBCから使用初期,使用中期,使用終期の各内部抵抗変化ΔRBiA=RBi−(RX+RBA)…(15),ΔRBiB=RBi−(RX+RBB)…(16)およびΔRBiC=RBi−(RX+RBC)…(17)を求める。このように、内部抵抗変化値を監視することによって、電池温度変化,カレンダー寿命,サイクル寿命等電池動作状態変化の概略を知ることが可能となる。
制限レベル設定部7は、図2(ロ)に示す各レベルΔV1…(20)、ΔV2…(21)を設定する。電池の動作基準温度T5における電池内部抵抗の設計,計画または使用初期実測値等によって設定した内部抵抗を基準として、温度変化によって予想される内部抵抗の変化値と規定(IBN=100%)充放電電流の積で求めた警報(制限)レベルΔV1,警告(保護)レベルΔV2を設定する。
基準点演算部6は、現在放電動作中の放電電流IBi、電池電圧VBiと規定(IBN=100%)放電動作電流から規定(IBN=100%)点の電圧降下ΔVBiNを予測する。また、電圧設定部8は起電圧eBを基点とするI−V特性と電圧降下ΔVBiNとから、制限レベル設定部7で設定した警報・警告レベルの基点L0をΔVBiN点・IBN(100%)点として、図3A,3Bに示すA0点に固定する。放電動作の時間経過によって起電圧eBおよび電池電圧VBiは低下するから、起電圧eBに連動させてI−V特性を平行移動させ、警報・警告レベルA0をA11点に移動させる。
いま、A0点で放電動作中に電池温度が上昇して電池内部抵抗が増加すると、電圧降下ΔV1(▲点)が増加してI−V特性の傾斜は増加する(図3B参照)。起電圧eBを基点とする実I−V特性の電池電圧VBi点が警報レベルL1(▲点)に達したことを電池動作状態監視装置52が検出すると警報を発し、電動機制御装置64へ回転速度低下指令を与えて、電動機電流=電池放電電流を減少させて電池保護動作を行なう。また、何らかの要因で内部抵抗が急増して電圧降下ΔV2(×点)が増加し、警告レベルL2に達した場合には警告を発するとともに、電動機制御装置64へ停止指令を与えて、電動機を停止させて電池保護を行なう。
<充電動作>
次に、充電動作について説明する。図3Cに、充電動作時のI−V特性を示す。
図1の起電圧演算部3は、次の(10)式〜(12)式に基づき充電動作時の起電圧eBを演算する。
eB=VBi−ΔVBAi…(10)
eB=VBi−ΔVBBi…(11)
eB=VBi−ΔVBCi…(12)
電池端子電圧VBiは、起電圧eBよりΔVBA〜ΔVBCだけ高い電圧であるから、充電動作時の起電圧eB,端子電圧VBiおよび電圧降下ΔVBiの関係が放電動作とは異なる形式になる。
また、負荷に依存する放電動作に対し、充電動作は電池電圧および充電電流を管理して行なうから、充電動作中の異常動作は放電動作の場合に比べて少ない。充電動作中で注意すべきは、満充電領域において過充電動作が行なわれないように監視することである。特に、リチウムイオン電池の過充電は電池特性を劣化させるだけでなく、電池を破損に至らしめる虞があるから、過充電に対する監視は重要である。
充電動作時には、電池電圧VBiや起電圧eBは図3Cのように、充電の進行とともに充電初期⇒充電中期⇒満充電領域へと上昇する。ここで、満充電領域での電池電圧監視が重要で、一般的には電池端子電圧が所定値に達したことによって満充電を判定している。
リチウムイオン電池の満充電電圧は4.1V程度とされ、電池端子電圧VBi=4.1Vに達したことで満充電と判定する。すなわち、充電電流IBcで充電中の端子電圧VBi=4.1Vであれば、起電圧eB=VBi(4.1V)−ΔVBA〜ΔVBCより、起電圧eBは電池端子電圧VBiより低い電圧になるから、起電圧eBの監視により満充電状態を把握すれば、電池内部電圧降下の影響を除去できることになる。
ここで、満充電領域の充電電圧上限値をΔV3(L3)に設定し、内部抵抗の増加によってA0⇒A1⇒A2へとI−V特性が変化して、警報値L3=ΔV3に達したことを電池動作状態監視装置52が検出すると、発電機制御装置58に信号55を出力して発電機電流を低下させ、充電電流を低下させる。なお、充電電流IBc=0では電池端子電圧VBi=起電圧eBであるから、充電電流を0にして電池端子電圧VBiを監視すれば、満充電状態での起電圧eBを確認することができる。
<電池動作状態監視装置の動作>
以上、充放電動作について説明したが、ここで電池動作状態監視装置52の動作,機能について説明する。
1)電池内部抵抗監視
電池動作状態表示装置52は、基準内部抵抗設定部1の出力信号20、内部抵抗演算部4の出力信号23(実内部抵抗)、内部抵抗変化演算部5の出力信号24を受信して以下の監視・表示を行なう。
ア)基準内部抵抗設定部1の出力信号20と内部抵抗演算部4の出力信号23とを比較し、その値が規定値を超過したときは警報を発する。また、両値を電池動作状態表示装置53にて表示し、内部抵抗の状態変化が目視確認できるようにする。
イ)内部抵抗変化演算部5の出力信号24を電池動作状態表示装置53で表示し、両値の内部抵抗差が目視確認できるようにする。
2)起電圧eBの監視
電池の動作状態管理の従来方法は、電池端子電圧VBiによる評価が一般的であるが、リチウムイオン電池のように内部抵抗RBが刻々変化する電池に適用するに当っては問題が多い。
これは、VBi=eB±IBi×RBのように、電池端子電圧VBiが内部抵抗RBの影響を受けるからである。
そこで、起電圧演算部3の出力信号22、信号50として与えられる実電圧VBiおよび内部抵抗演算部4の出力信号23(ΔVBi)の状態を電池動作状態監視装置52で監視するとともに、電池動作状態表示装置53で表示し、起電圧eBが目視,確認できるようにする。
ア)起電圧eBを監視,表示することで、電池動作状態を把握することができる。
イ)併せて、実電圧VBiおよび電池内部電圧降下ΔVBiの監視,表示を行なうことで、電池の全体動作が目視確認、把握できるようにする。
3)放電動作の監視
放電動作における電池充電状態は電池温度、カレンダー寿命、サイクル寿命に伴う内部抵抗変化と、放電電流によって電池端子電圧が大きく変化することは上述の通りであり、代表例を図3A,3BにI−V特性で示す。
放電・基準I−V特性パターン部9は、放電の基準I−V特性パターンを図3A,3Bに示す起電圧eBf=VB=100(%V)を基点とし、放電初期,中期,終期の基準内部抵抗設定部1の出力20と、規定の放電電流IBN点電流(100%)との積で演算した電圧降下ΔVBA〜ΔVBC等から作成し、出力30を電池動作状態監視装置52に与える。
また、起電圧演算部3の出力信号22(起電圧eB)によって、パターン部9の放電・基準I−V特性パターンを平行移動させるように、電池動作状態監視装置52を動作させる。さらに、電圧降下演算部(基準値)2からの出力信号21(ΔVBAi〜ΔVBCi)を電池動作状態監視装置52に与えるとともに、信号51による現在動作中の実放電電流IBiと信号50による現在動作中の実電池電圧VBiで示される動作点を基準I−V特性パターン上に表示させる。なお、パターン部9に放電時の基準I−V特性のみを示しているが、充電時の基準I−V特性も同様に格納されていることは言うまでも無い。
例えば、図3Bで「○」の表示例1や「△」の表示例2のような点を、電池動作状態監視装置52は信号54を電池動作状態表示装置53に与えて表示させる。表示例1(○)は、初期電池の満充電状態における実放電電流IBiと実電池電圧VBiを表示し、表示例2(△)は、初期電池の放電終止状態における実放電電流IBiと実電池電圧VBiを表示する例である。また、制限レベル設定部7の出力信号26を、図3BでL0(●),L1(▲),L2(×)のように表示させ、実動作点と制限(保護)レベルの相関関係が目視,確認できるようにしている。
電池内部抵抗が電池温度,カレンダー寿命およびサイクル寿命によって増加すると、実電圧VBiは図3Bの警報レベルL1(▲)に低下する。低下した実電圧VBiがVBi<L1になったことを電池動作状態監視装置52が検出すると、装置52は出力信号55を電動機制御装置64に与えて電動機回転速度を低下させる。これにより、電動機入力電流=放電電流が減少して実電圧VBiは上昇するから、電池はL1(▲)付近の放電動作をすることになる。
また、何らかの理由で電池温度がT10に上昇して内部抵抗が増加すると、実電圧VBiは警告レベルL2(×)に達する。VBi<L2に達したことを電池動作状態監視装置52が検出すると、装置52は出力信号55を電動機制御装置64に与えて電動機の停止を促すか、または停止させる。電動機が停止すれば、放電動作は停止するので、電池保護が行なわれる。
なお、基準内部抵抗を示す信号20、実内部抵抗を示す信号23、実内部抵抗変化を示す信号24および起電圧信号22を常時記録するとともに、電池動作状態表示装置52に与えて表示させ、目視確認,監視できるようにする。
4)充電動作の監視
電池動作状態監視装置52は、起電圧演算部3から(10)〜(12)式で示す出力信号22を受信して起電圧eBを常時監視,表示するとともに、電池端子電圧VBiも常時監視,表示する。
一般的な充電パターンとして、図4(a)に定電流充電⇒低電圧充電⇒多段定電流充電、図4(b)に多段定電流充電、図4(c)に多段定電力充電の各充電方式を示す。なお、どの充電方式とするかは、充電モード切替部11にて行なう。
電池動作状態監視装置52は、所定の時間間隔で実電池電圧VBi、実電池電流IBiおよび起電圧eBを記録(記憶)するとともに、図4(a)〜4(c)に示すような実動作パターンを電池動作状態表示装置53に表示させる。
また、充放電AH演算部13は充放電の電流(A)と時間(H)の積(電気量AH)を演算し、その結果を信号32として電池動作状態監視装置52へ入力する。電池動作状態監視装置52は充電のAH,放電のAHおよび残存AH(=充電AH−放電AH)を演算して記録(記憶)するとともに、電池動作状態表示装置53で表示する。また、充電動作パターンでの実電池電圧VBi、実実電池電流IBiおよび起電圧eBを所定の時間間隔で計測,記録(記憶)するとともに、動作状態表示装置53に表示させて電池充電動作が目視,確認できるようにする。
なお、上記の充電動作パターンでの実電池電圧VBi、実電池電流IBi、起電圧eB、およびAHを監視しながら、充電モード切替部11によるモード切替えを行なうとともに、充電設定部12によって充電電圧,充電電流および充電電力の設定値を変更し、最適な充電が行なえるようにする。また、放電モードにするか、充電モードにするかの切替えは充放電切替部10により行なわれる。
<電気推進システムについて>
応用例として、電気推進システムに適用した例を図5に示す。
図5に示す電池Bを主電源とする電気推進システムでは、発電機Gは電池Bを充電するとともに、電池以外の負荷(補機LAX)へも電力を供給する。
1)放電動作
発電機Gが停止状態で、電池Bから推進装置(電力変換装置)INV、電動機Mおよび補機LAXへ電力を供給する。ここで、放電電流(−IB)を規定値100%とし、推進装置電流を約90%、補機電流を約10%程度と仮定すれば、推進装置INVを停止すると放電電流は補機分の−10%になるから、放電電流の大小は推進装置の運転(回転)−停止に支配されることになる。また、運転時間=放電時間の経過とともに、電池容量および電池電圧は低下する。
このように、運転中の電池放電動作は刻々変化するから、電池内部損失(電池内部抵抗×(放電電流)2)は放電電流に支配され、電池温度は変化する。電池温度が上昇すると内部抵抗が増加し、内部抵抗が増加すると内部損失が増加し、内部損失が増加すれば温度が上昇し…のように熱暴走状態が発生するおそれがあるので、電池動作状態監視装置52を用いてI−V特性,実電圧VBi,実電流IBi,起電圧eB,内部抵抗,温度などにより電池動作状態を監視して電池の安全動作を確保できるようにする。
起電圧eBの判定は上述のように、放電負荷(5〜10%)の電池電圧VBiの直線沿線上の、放電電流0での電圧を起電圧eB1,eB2…として近似しても実用上問題はないから、推進装置を停止させたときの補機電流が約10%の程度の電池電圧VBiより、起電圧eBを判定すれば良い。
2)充電動作
この場合は、発電機Gを運転して電池Bを充電するとともに、推進装置INVおよび補機LAXへ電力を供給するが、充電過程における電池電圧VBi,電池電流IBi,起電圧eB,内部抵抗,充電AH,残存AHを電池動作状態監視装置52にて連続監視するとともに、状況に応じて最適充電ができるように充電電圧,充電電流,充電電力の設定変更ができるようにする。なお、起電圧eBの監視によって電池の充電状態,満充電状態を判断することができる。
1…基準内部抵抗設定部、2…電圧降下演算部、3…起電圧演算部、4…内部抵抗演算部、5…内部抵抗変化演算部、6…基準点演算部、7…制限レベル設定部、8…電圧設定部、9…放電・基準I−V特性パターン部、10…充放電切替部、11…充電モード切替部、12…充電設定部、13…充放電AH演算部、52…電池動作状態監視装置、53…電池動作状態表示装置、55…出力信号、58…発電機制御装置、64…電動機制御装置、SWB,SWG,SWM…スイッチ、SHM,SHB,SHG…電流検出器、VDB,VDG,VDM…電圧検出器、B…電池、LAX…補機、DE…原動機、G…発電機、INV…電力変換装置、M…推進電動機、TD…速度検出器。

Claims (5)

  1. リチウムイオン電池の内部抵抗値の設計値、計画値、または、使用初期の実測した内部抵抗値に基づく基準内部抵抗値を電池の使用初期、使用中期および使用終期に分けて設定しておくとともに、この電池の使用初期、使用中期および使用終期に分けて設定した基準内部抵抗値と所定の充放電電流とに基づき予め作成された基準I−V特性パターンを記憶しておき、別途検出される電池実動作中の電圧,電流で示される動作点または同電圧,電流から作成される実I−V特性パターンを、前記基準I−V特性パターンとともに同じ画面上に表示し、電池の充放電動作状態を監視可能にしたことを特徴とするリチウムイオン電池の充放電動作状態監視方式。
  2. 充放電動作時の警報レベル,警告レベルをそれぞれ設定しておき、充放電動作時に実電圧が前記警報レベルに達したときは充放電電流を低下させるように操作者に警報を発するとともに、放電動作時に実電圧が前記警告レベルに達したときは放電を停止させるように操作者に警告を発することを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池の充放電動作状態監視方式。
  3. 充放電動作時には、電池電圧,充放電電流および電池内部抵抗から算出される電池起電圧を表示して電池の充電状態を診断可能にしたことを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン電池の充放電動作状態監視方式。
  4. 充放電動作時には、所定の時間間隔で計測した充放電電流,電池電圧を連続表示するとともに、充電電流と充電時間との積で示される充電電流時間積と、放電電流と放電時間との積で示される放電電流時間積と、充電電流時間積から放電電流時間積を減じた残存電流時間積とを表示可能にしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池の充放電動作状態監視方式。
  5. 放電動作時には、前記基準内部抵抗値,実内部抵抗値または実内部抵抗変化値を表示して監視可能にしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池の充放電動作状態監視方式。
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