JP5728453B2 - クロマトグラフ方法及びクロマトグラフキット - Google Patents

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Description

本発明は、検出感度を高めるためのシグナル増幅操作を行うクロマトグラフ方法及びクロマトグラフキットに関する。
免疫測定方法の中でもイムノクロマトグラフ法は、操作が簡便であり、短時間で測定可能であることから、一般的によく利用されている。イムノクロマトグラフ法で用いられている免疫反応としては、競合的反応又はサンドイッチ型反応が広く使われている。その中でも、イムノクロマトグラフ法ではサンドイッチ型反応が主流であり、その典型例においては、試料中の抗原よりなる被検物質を検出するために、以下のような操作が行われる。まず、被検物質である抗原に対する抗体により感作させた微粒子を固相微粒子としてクロマトグラフ担体に固定化することにより、あるいはこの抗体そのものをクロマトグラフ担体に直接固定化することにより、反応部位を有するクロマトグラフ担体を調製する。一方、標識微粒子に被検物質と特異的に結合可能な抗体を感作させて感作標識微粒子を調製する。この感作標識微粒子を試料と共に、クロマトグラフ担体上でクロマトグラフ的に移動させる。以上の操作により、クロマトグラフ担体に形成された反応部位において、固定化された抗体が固定化試薬となり、これに被検物質である抗原を介して感作標識微粒子が特異的に結合する。その結果、感作標識微粒子が反応部位に捕捉されることになり、それにより生ずるシグナルの有無または程度を目視で判定することにより、試料中の被検物質の存在の有無または量を測定することができる。
イムノクロマトグラフ法の中には、感度が低いために抗原が検出されない(偽陰性)問題を回避するために、検出シグナルを増幅させる方法が行われる場合がある。シグナル増幅の方法として、標識としてアルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼなどの酵素を用いる場合があるが、金属コロイド標識及び金属硫化物標識からなる群から選んだ標識に銀を含む化合物及び銀イオンのための還元剤を用いて増感すること(銀増幅)によって検出を行う場合もある。上記のような増幅を用いたイムノクロマトグラフ法は、特許文献1から3及び非特許文献1などに記載されている。
特開2002−202307号公報 特開2009−216695号公報 特開2009−216696号公報
Journal of Chromatography, 878 (2010) 271-277
検出シグナルを増幅させるイムノクロマトグラフ法においては、増幅を触媒する液と増幅を行う液の2液を用いるが、これらの液、特に1液目を添加する場所、流れる方向やタイミングを規定しないと増幅反応が正常に行われなかったり、バックグラウンドシグナルが増大し、被検物質を適切に検出することができない。さらに、インフルエンザ診断のように迅速に結果を確認したい場合は、測定の迅速さが重要であり、検査時間は極力短いことが好ましく、測定が簡便であることも重要である。
特許文献1には、銀増幅液を検出ゾーンに滴下する方法が記載されているが、この方法では増幅不良が発生する場合がある。非特許文献1においては、増感液の展開方向を検体溶液の展開方向に対して90℃にすることで正常な増幅に成功しているが、構成部材の付け替えが必要であるため簡便性の点で問題がある。また、非特許文献1の方法は操作終了まで20分以上かかり、迅速性の点で問題がある。特許文献2及び3においては、増幅液、又は増幅前の洗浄液や増感のための1液目の流し方を検体溶液の展開方向に対して角度を付けることで正常かつ感度よく増幅することに成功しているが、構成部材の付け替えが必要であり、迅速性及び簡便性の点において十分とはいえない。また、増幅液を用いて検出シグナルを増幅させるイムノクロマトグラフ法においては、増幅液を、検体溶液の展開方向に対して角度を付けることなく、即ち、検体溶液の展開方向と同じ方向に流した場合には、バックグラウンドシグナルが大きくなる場合があるという問題があった。
本発明は、正常な増幅反応を行うことができ、バックグラウンドシグナルが抑制でき、かつ操作が簡便で迅速に測定を行うことができるクロマトグラフ方法及びクロマトグラフキットを提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、第1の増幅試薬を、被検物質を含む被検試料を添加する不溶性担体上の位置よりも展開方向の上流側の位置に、添加することによって第1の増幅試薬と被検試料とを同じ方向に展開し、被検試料を不溶性担体上に添加してから0秒以上1分30秒以内に、第1の増幅液を不溶性担体上に添加し、かつ第2の増幅試薬を、不溶性担体中に、不溶性担体の厚み方向に浸潤させることによって、正常な増幅反応を達成でき、バックグラウンドシグナルが抑制でき、かつ迅速に測定を行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、被検物質と、被検物質に対する第一の結合物質で修飾した金属を含む標識物質との複合体を形成させた状態で、不溶性担体上に展開し、
被検物質に対する第二の結合物質、又は被検物質に対する第一の結合物質への結合性を有する物質を含んだ不溶性担体上の検出部位において被検物質と標識物質を捕捉し、
第1の増幅試薬と第2の増幅試薬を用いて、捕捉した標識物質を増幅して被検物質を検出することを含むクロマトグラフ方法であって、
第1の増幅試薬を不溶性担体上に添加する位置が、被検物質を含む被検試料を添加する不溶性担体上の位置よりも展開方向の上流側であり、
被検試料を不溶性担体上に添加してから0秒以上1分30秒以内に、第1の増幅試薬を不溶性担体上に添加し、
第1の増幅試薬と被検試料とが不溶性担体上において同じ方向に展開され、かつ
第2の増幅試薬を、不溶性担体中に、不溶性担体の厚み方向に浸潤させる、
上記のクロマトグラフ方法が提供される。
好ましくは、被検試料を不溶性担体上に添加してから0秒以上30秒以内に、第1の増幅試薬を不溶性担体上に添加する。
好ましくは、被検試料及び第1の増幅試薬の展開方向は、不溶性担体の長軸方向である。
好ましくは、不溶性担体の上面側に設けた高さ0.01〜1mmの隙間に、第2の増幅試薬を供給し、上記隙間に供給された第2の増幅試薬が、不溶性担体中に、不溶性担体の厚み方向に浸潤する。
好ましくは、第1の増幅試薬は、銀イオンのための還元剤であり、第2の増幅試薬は、銀を含む化合物である。
好ましくは、第1の増幅試薬は、2価の鉄イオンを含む試薬である。
好ましくは、不溶性担体は、第1の増幅試薬を検出するための発色試薬を有する領域を有する。
好ましくは、発色試薬を有する領域は、不溶性担体上の検出部位より下流に位置している。
好ましくは、発色試薬は、イオンに反応して発色する化合物である。
好ましくは、発色試薬は、Fe2+イオンと反応して発色する化合物である。
好ましくは、発色試薬は、フェナントロリン骨格を有する化合物である。
好ましくは、発色試薬は、H+イオンと反応して発色する化合物である。
好ましくは、第一の結合物質および/又は第一の結合物質は、抗体である。
好ましくは、標識物質は金属コロイドである。
好ましくは、金属コロイドは金コロイドである。
本発明によれば、(1)被検物質に対する第一の結合物質で修飾した金属を含む標識物質と、
(2)被検物質を含む被検試料が添加される領域と、被検物質に対する第二の結合物質又は第一の結合物質に対する結合物質を有する標識物質捕捉領域とを、被検物質を含む被検試料の展開方向に対して上流から下流の方向にこの順番で有する第1の部材と;
(3)被検物質を含む被検試料が添加される領域より、被検試料の展開方向において上流側の位置に、第1の増幅試薬を添加できるように位置決めされた孔と、標識物質捕捉領域より、被検試料の展開方向において下流側の位置に、第2の増幅試薬を添加できるように位置決めされた孔とを有する第2の部材;
とを含むクロマトグラフキットが提供される。
好ましくは、第1の部材と第2の部材が配置されることにより、標識物質捕捉領域の上面に高さ0.01〜1mmの隙間が形成されている。
好ましくは、第1の部材がさらに、第1の増幅試薬を検出するための発色試薬を有する領域を有する。
本発明のクロマトグラフキット及びクロマトグラフ方法によれば、正常な増幅反応を行うことができ、バックグラウンドシグナルが抑制でき、かつ操作が簡便で迅速に測定を行うことができる。
図1は、実施例で使用したキットの実施態様を示す。本発明のキットの外部を構成する上部の第2の部材には、第2の増幅試薬である銀イオン溶液充填孔、及び第1の増幅試薬である還元剤溶液添加孔、が設けられている。下部の第1の部材には、第1の増幅試薬である還元剤溶液を送液するためのパッド、標識物質保持領域である金コロイド保持パッド、標識物質捕捉領域である抗体固定化ラインと発色試薬を有する領域である発色試薬固定化ラインとを有する抗体固定化メンブレン、及び吸水パッドが、粘着シート上にこの順に配置されている。図1に示されているように、被検物質を含む被検試料の展開方向に対して、上流、下流とし、その方向を上流側、下流側と定義する。 図2は、実施例で使用したキットの下流側の横方向からの断面図を示す。標識物質捕捉領域である抗体固定化ラインと発色試薬を有する領域である発色試薬固定化ラインとを有する抗体固定化メンブレンの上に、標識物質保持領域である金コロイド保持パッド、及び吸水パッドが、配置されている。抗体固定化メンブレンの上には、デバイスが配置されており、標識物質捕捉領域の上面に高さ0.15mmの隙間が形成されている。 図3は、実施例及び比較例で各液を添加した位置を示す。位置番号Iは金コロイド保持パッド、位置番号IIは還元剤溶液を送液するためのパッド(最も上流)、位置番号IIIは銀イオン溶液充填孔、位置番号IVはIとIIの間、位置番号Vは、Iと抗体固定化ラインの間を示す。位置番号IとIIの間の距離は、2cmである。 図4は、比較例5における還元剤液の送液方法を示す。還元剤添加用パットと吸水用パットと結ぶ方向(還元剤送液方向)は、被検試料液(検体溶液)を流す方向と直交するように配置されている。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の方法は、被検物質と、被検物質に対する第一の結合物質で修飾した金属を含む標識物質との複合体を形成させた状態で、不溶性担体上に展開し、被検物質に対する第二の結合物質、又は被検物質に対する第一の結合物質への結合性を有する物質を含んだ不溶性担体上の検出部位において被検物質と標識物質を捕捉し、第1の増幅試薬と第2の増幅試薬を用いて、捕捉した標識物質を増幅して被検物質を検出することを含むクロマトグラフ方法であって、
第1の増幅試薬を不溶性担体上に添加する位置が、被検物質を含む被検試料を添加する不溶性担体上の位置よりも展開方向の上流側であり、
被検試料を不溶性担体上に添加してから0秒以上1分30秒以内に、第1の増幅試薬を不溶性担体上に添加し、第1の増幅試薬と被検試料とが不溶性担体上において同じ方向に展開され、かつ
第2の増幅試薬を、不溶性担体中に、不溶性担体の厚み方向に浸潤させる、
ことを特徴とする方法であり、この方法により、正常な増幅反応を行うことができ、バックグラウンドシグナルが抑制でき、かつ操作が簡便で迅速に測定を行うことができるクロマトグラフ方法及びクロマトグラフキットを提供することが可能となった。
本発明の方法においては、第一の特徴として、第1の増幅試薬を不溶性担体上に添加する際の添加位置は、被検物質を含む被検試料を添加する不溶性担体上の位置よりも、展開方向の上流側とする。このことで増幅反応を実現することができる。第1の増幅試薬を不溶性担体上に添加する際の添加位置が被検物質を含む被検試料を添加する不溶性担体上の位置と同じ位置か、あるいは下流側の場合には、増幅反応が実現できない場合がある。この第1の増幅試薬の添加位置は、被検試料の添加位置よりも、展開方向の上流側であれば特に限定されないが、好ましくは被検試料を添加位置よりも1cm〜10cm程度上流側であり、より好ましくは1cm〜5cm程度上流側とすることができる。
本発明においては、第二の特徴として、被検試料を不溶性担体上に添加してから0秒以上1分30秒以内に、第1の増幅試薬を不溶性担体上に添加し、第1の増幅試薬と被検試料とが不溶性担体上において同じ方向に展開する。このことで、驚くべきことにバックグラウンドシグナルを抑制することができ、しかも短時間での測定が可能となる。ここで、不溶性担体上において同じ方向とは、不溶性担体の長軸方向に沿って、上流側から下流側に向かって、被検試料と第1の増幅試薬が展開する方向をいう。本発明においては、好ましくは被検試料を不溶性担体上に添加してから0秒以上30秒以内に、第1の増幅液を不溶性担体上に添加することで、本発明の効果であるバックグラウンドシグナルを更に抑制することが可能となる。迅速に測定を行うためには、被検試料を不溶性担体上に添加してから0秒で(即ち、同時に)第1の増幅試薬を添加することが更に好ましい。
さらに本発明においては、第三の特徴として、第2の増幅試薬を、不溶性担体中に、不溶性担体の厚み方向に(即ち、不溶性担体に対して垂直方向に)浸潤させる。このことで第2の増幅液を均一に供給することが可能となる。本発明の実施例で使用したイムノクロマトキットを示す図2においては、不溶性担体とデバイスの間に0.15mm程度の隙間が形成されている。ここで、第2の増幅試薬である銀イオン溶液を銀イオン溶液充填孔に添加すると、銀イオン溶液は毛管力で、上記の隙間に供給される。その後、隙間に供給された銀イオン溶液は、不溶性担体中に、不溶性担体(抗体固定化メンブレン)の厚み方向に(即ち、不溶性担体に対して垂直方向に)、浸潤していく。不溶性担体とデバイスの間の隙間の高さは0.01〜1mm程度が好ましい。隙間の高さが0.01mm未満の場合には第2の増幅試薬を隙間内に供給することが困難となり、また隙間の高さが1mmよりも大きくなると毛管力が発揮されなくなり、第2の増幅試薬を均一に添加することが困難となるからである。
本発明のクロマトグラフ方法は、上記した第一から第三の3つの特徴を有することにより、本発明の課題である、バックグラウンドシグナルが抑制され、増幅ムラなどの発生のない正常で均一な増幅反応を実現することができ、しかも短い測定時間で簡便に測定を行うことが可能になった。
1.クロマトグラフ
本発明は、検出シグナルを増幅させるクロマトグラフ方法において、上記の課題を達成するものである。一般には、クロマトグラフ方法とは以下のような手法で被検物質を簡便・迅速・特異的に判定・測定する手法である。すなわち、被検物質と結合可能な固定化試薬(被検物質に対する第二の結合物質、又は下記の第一の結合物質に対する結合物質に相当するもの;具体的には抗体、抗原等)を有する検出部位の少なくとも1つを有する標識物質捕捉領域を有することが可能な結合物質固定化メンブレン(不溶性担体)を固定相として用いる。この不溶性担体上で、被検物質に対する第一の結合物質によって修飾された標識物質を含む液を移動層としてクロマトグラフ的に移動させると共に、被検物質と標識物質とが特異的に結合しながら、検出部位を有する標識物質捕捉領域まで到達する。標識物質捕捉領域の検出部位において、被検物質と標識物質の複合体が固定化された第二の結合物質又は第一の結合物質に対する結合物質に特異的結合することにより、被検試料中に被検物質が存在する場合にのみ、第二の結合物質又は第一の結合物質に対する結合物質に標識物質が濃縮されることを利用し、それらを目視または適当な機器を用いて被検試料中に被検物質が存在することを定性及び定量的に分析する手法である。
本発明におけるクロマトグラフ方法においては、標識物質のシグナルを増幅するために使用する2種の増幅試薬、例えば、好ましくは銀イオンのための還元剤及び銀を含む化合物を使用し、標識物質捕捉領域上の固定化試薬に結合した被検物質と標識物質の複合体を核として増幅反応によって、シグナルを増幅し、結果として高感度化を達成することができる。本発明によれば、迅速な高感度クロマトグラフを行うことができる。
2.被検試料
本発明のクロマトグラフ方法及びキットを用いて分析することのできる被検試料としては、被検物質を含む可能性のある試料である限り、特に限定されるものではなく、例えば、生物学的試料、特には動物(特にヒト)の体液(例えば、血液、血清、血漿、髄液、涙液、汗、尿、膿、鼻水、又は喀痰)若しくは排泄物(例えば、糞便)、臓器、組織、粘膜や皮膚、それらを含むと考えられる擦過検体(スワブ)、うがい液、又は動植物それ自体若しくはそれらの乾燥体を挙げることができる。被検物質としては、例えば、天然物、毒素、ホルモン、農薬等の生理活性物質、環境汚染物質、ウイルス、抗原、抗体などが挙げられる。
3.被検試料の前処理
本発明のクロマトグラフ方法では、被検試料をそのままで、あるいは、被検試料を適当な抽出用溶媒を用いて抽出して得られる抽出液の形で、更には、抽出液を適当な希釈剤で希釈して得られる希釈液の形、若しくは抽出液を適当な方法で濃縮した形で、用いることができる。本発明で用いられる抽出用溶媒としては、通常の免疫学的分析法で用いられる溶媒(例えば、水、生理食塩液、又は緩衝液等)、あるいは、かかる溶媒で希釈することにより直接抗原抗体反応を実施することができる水混和性有機溶媒を用いることもできる。
4.構成
本発明のクロマトグラフ方法を行うためのクロマトグラフキットにおいては、クロマトグラフ用ストリップを組み込み使用することができる。使用することのできるクロマトグラフ用ストリップとしては、通常のクロマトグラフ法に用いることができるクロマトグラフ用ストリップである限り、特に限定されるものではない。
本発明において使用することができるクロマトグラフ用ストリップとしては、被検物質を含む被検試料の展開方向の上流方向から下流方向に向かって、標識物質保持領域、標識物質補足領域を有している。好ましい態様においては、クロマトグラフ用ストリップは、更に、発色試薬を有する領域を有している。本発明において、より好ましい態様としては、発色試薬を有する領域は、標識物質補足領域の下流方向に位置している態様であり、更には、試料添加パッド、標識物質保持領域を有する標識物質保持パッド(例えば金コロイド抗体保持パッド)、不溶性担体である結合物質固定化メンブレン(例えば、標識物質捕捉領域を有する抗体固定化メンブレン)、及び吸水パッドをこの順に、粘着シート上に配置する態様が好ましく用いられる。不溶性担体である結合物質固定化メンブレンとしては、被検物質と特異的に結合する抗体又は抗原を固定化した検出部位を少なくとも1つを有する領域である標識物質捕捉領域を有し、所望により、コントロール用抗体又は抗原を固定化した領域であるコントロール部位(コントロール領域と記載することもある)を更に有していてもよい。
本発明で用いることができる標識物質保持領域を有する標識物質保持パッドは、標識物質を含む懸濁液を調製し、その懸濁液を適当な吸水パッド(例えば、グラスファイバーパット)に塗布した後、それを乾燥することにより調製することができる。
4−1.標識物質
本発明で用いる標識物質としては、被検物質(抗原)と特異的に結合する第一の結合物質を標識するのに用いる標識として、金属を含む標識物質を用いる。本発明で用いることができる金属の種類としては、好ましくは、金、銀、白金の貴金属や、鉄、鉛、銅、カドミウム、ビスマス、アンチモン、錫、又は水銀を用いることができ、更に好ましくは金、銀、白金の貴金属を用いることができる。本発明において使用できる金属を含む標識物質の好ましい形態としては、金属コロイド標識又は金属硫化物標識を用いることができる。本発明においては、金属コロイド標識としては、好ましくは、白金コロイド、金コロイド、銀コロイド、鉄コロイド、又は水酸化アルミニウムコロイドなどを用いることができ、金属硫化物標識としては、好ましくは、鉄、銀、鉛、銅、カドミウム、ビスマス、アンチモン、錫、又は水銀の各硫化物を用いることができる。本発明においては更に好ましくは、白金コロイド、金コロイド、銀コロイド、最も好ましくは金コロイドを用いることができる。金属コロイド標識として金コロイド粒子を用いる場合には、市販のものを用いてもよい。あるいは、常法、例えば塩化金酸をクエン酸ナトリウムで還元する方法(Nature Physical Science,241(1973)20等)により金コロイド粒子を調製することができる。
金属コロイドの平均粒径としては、約1nm〜500nmが好ましく、3〜100nmがさらに好ましく、5〜60nmが特に好ましい。本発明に用いられる金属コロイドの平均粒径は、市販の粒度分布計等で計測することができる。粒度分布の測定法としては、光学顕微鏡法、共焦点レーザー顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、静的光散乱法、レーザー回折法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気パルス計測法、クロマトグラフィー法、超音波減衰法等が知られており、それぞれの原理に対応した装置が市販されている。
粒径範囲及び測定の容易さから、本発明においては動的光散乱法を好ましく用いることができる。動的光散乱を用いた市販の測定装置としては、ナノトラックUPA(日機装(株))、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550((株)堀場製作所)、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))等が挙げられ、本発明においては、25℃の測定温度で測定したメジアン径(d=50)の値として求める。
本発明によれば、検出用の標識物質として金属コロイド標識又は金属硫化物標識、その他金属合金標識(以下、金属系標識と称することがある)、また金属を含むポリマ−粒子標識を用いるクロマトグラフにおいて、金属系標識の信号を増幅させることができる。具体的には、被検物質と検出用標識物の複合体の形成後に、無機銀塩や有機銀塩などの銀を含む化合物から供給される銀イオンおよび銀イオンのための還元剤を接触させ、還元剤によって銀イオンを還元して銀粒子を生成させると、その銀粒子が金属系標識を核として金属系標識上に沈着するので、金属系標識が増幅され、被検物質の分析を高感度に実施することができる。従って、本発明のクロマトグラフ方法においては、還元剤による銀イオンの還元作用により生じた銀粒子を用いて、免疫複合体の標識に沈着させる反応を実施し、こうして増幅された信号を分析することを除けば、それ以外の点では従来公知のクロマトグラフ法をそのまま適用することができる。
4−2.結合物質
本発明では、標識物質は、被検物質に対する第一の結合物質で修飾されている。第一の結合物質とは、例えば被検物質(抗原)に対する抗体、被検物質(抗体)に対する抗原、被検物質(たんぱく質、低分子化合物等)に対するアプタマーなど、被検物質に対して親和性を持つ化合物であればなんでもよい。
本発明のクロマトグラフキットは、(a)被検物質に対する第二の結合物質、又は(b)第一の結合物質への結合性を有する結合物質を標識物質捕捉領域に有している。被検物質に対する第二の結合物質とは、例えば被検物質(抗原)に対する抗体、被検物質(抗体)に対する抗原、被検物質(たんぱく質、低分子化合物等)に対するアプタマーなど、被検物質に対して親和性を持つ化合物であればなんでもよい。また、第二の結合物質と第一の結合物質とは異なるものでもよいし、同一のものでもよい。第一の結合物質に対する結合物質とは、被検物質そのものでもよいし、第一の結合物質が認識する部位を持つ化合物でもよく、たとえば被検物質の誘導体とタンパク質(例えばBSAなど)とを結合させたような化合物などがそれにあたる。
好ましくは、第一の結合物質が抗体であり、及び/又は第二の結合物質が抗体である。より好ましくは、第一の結合物質が抗体であり、第二の結合物質が第一の結合物質と結合する抗体である。
本発明のクロマトグラフ方法においては、被検物質に対して特異性を有する抗体として、特に限定されるものではないが、例えば、その被検物質によって免疫された動物の血清から調製する抗血清、抗血清から精製された免疫グロブリン画分、その被検物質によって免疫された動物の脾臓細胞を用いる細胞融合によって得られるモノクローナル抗体、あるいは、それらの断片[例えば、F(ab’)2、Fab、Fab’、又はFv]を用いることができる。これらの抗体の調製は、常法により行うことができる。
本発明において、第一の結合物質を用いて標識物質を修飾する方法としては、例えば、金属コロイドと特異結合物質との結合の場合は、以下に記載されている従来公知の方法(例えばThe Journal of Histochemistry and Cytochemistry,30,7 (1982)691-696)に従い、行うことができる。具体例としては、金属コロイドと特異結合物質(例えば抗体)を適当な緩衝液中で室温下5分以上混合する。反応後、遠心分離により得た沈殿を、ポリエチレングリコ−ル等の分散剤を含む溶液中に分散させることにより、目的の金属コロイド標識特異結合物質を得ることができる。
4−3.不溶性担体
本発明で用いることができる不溶性担体としては、多孔性担体が好ましい。特に、ニトロセルロース膜、セルロース膜、アセチルセルロース膜、ポリスルホン膜、ポリエーテルスルホン膜、ナイロン膜、ガラス繊維、不織布、布、または糸等が好ましい。
本発明においては、不溶性担体の標識物質捕捉領域に、被検物質に対する第二の結合物質又は第一の結合物質に対する結合物質を固定化させた検出部位を有する。被検物質に対する第二の結合物質又は第一の結合物質に対する結合物質は、不溶性担体の一部に物理的または化学的結合により直接固定化させて検出部位を形成させてもよいし、あるいはラテックス粒子などの微粒子に物理的または化学的に結合させ、この微粒子を不溶性担体の一部にトラップさせて固定化させ、検出部位を形成してもよい。なお、不溶性担体は、第二の結合物質又は第一の結合物質に対する結合物質を固定化した後、不活性蛋白による処理等により非特異的吸着防止処理を施して使用することが好ましい。本発明の不溶性担体は、結合部位を複数有している態様も好ましく用いることができ、更には標識物質捕捉領域の一部として、所望により、上述のコントロール部位を有していてもよい。
4−4.標識物質保持パッド
本発明においては、標識物質保持領域を有する標識物質保持パッド、本発明において好ましくは金コロイド保持パッドをクロマトグラフキットに組み込んで使用する態様が好ましい。標識物質保持パッドの素材としては、例えば、セルロース濾紙、グラスファイバー、及び不織布等を好ましく使用することができ、前述のように調製した標識物質を一定量含浸し、乾燥させて標識物質保持領域とすることができる。
4−5.試料添加パッド
本発明のクロマトグラフキットは更に、試料添加パッドを組み込み使用することが好ましい。試料添加パッドは、添加された被検物質を含む試料を受入れるだけでなく、試料中の不溶物粒子等を濾過する機能をも兼ねる態様が好ましい。試料添加パッドの材質としては、セルロース濾紙、ガラス繊維、ポリウレタン、ポリアセテート、酢酸セルロース、ナイロン、及び綿布等の均一な特性を有するものが挙げられる。また、分析の際、試料中の被検物質が試料添加パッドの材質に非特異的に吸着し、分析の精度を低下させることを防止するため、試料添加部を構成する材質は、予め非特異的吸着防止処理して用いることもできる。本発明においては、試料添加パッドは、4−4で述べた標識物質保持領域を有する標識物質保持パットを兼ねていてもよい。
4−6.吸水パッド
本発明においては、吸水パッドをクロマトグラフキットに好ましく組み込んで用いることができる。吸水パッドは、添加された試料がクロマト移動により物理的に吸収されると共に、クロマトグラフ担体の検出部に不溶化されない未反応標識物質等を吸収除去する部位であり、セルロ−ス濾紙、不織布、布、セルロースアセテート等吸水性材料が用いられる。添加された試料のクロマト先端部が吸水パッドに届いてからのクロマトの速度は、吸水パッドの材質、大きさなどにより異なるので、その選定により被検物質の測定に合った速度を設定することができる。
5.第1の増幅試薬を検出するための発色試薬
本発明で用いるクロマトグラフキットにおいては、不溶性担体は、標識物質のシグナルを増幅するために使用する2種の増幅試薬のうちの第1の増幅試薬を検出するための発色試薬を有する領域を有していることが好ましい。
本発明において、第1の増幅試薬を検出するための発色試薬としては、例えば、イオンに反応して発色する化合物を使用することが好ましい。第1の増幅試薬については本明細書中で後記するが、例えば、第1の増幅試薬が、2価の鉄イオン(Fe2+)を含む試薬である場合には、その発色試薬としては、Fe2+イオンと反応して発色する化合物を使用することができる。Fe2+イオンと反応して発色する化合物としては、Fe2+イオンと錯形成することで発色できる化合物を使用することができる。Fe2+イオンと反応して発色する化合物の具体例としては、フェナントロリン骨格を有する化合物[例えば、1,10-フェナントロリン、5-メチルフェナントロリン、5-ニトロフェナントロリン、バソフェナントロリン(4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、又はバソフェナントロリンジスルホン酸など]、あるいは-ビピリジン骨格を有する化合物[例えば、2,2'-ビピリジンなど]を使用することができ、好ましくはフェナントロリン骨格を有する化合物を使用することができる。また、被検試料を含む水溶液と第1の増幅試薬を含む水溶液のpHが異なる場合には、第1の増幅試薬を検出するために、H+イオンにより構造変化が起こって色味が変化する試薬を好ましく使用することができる。特に第1の増幅試薬を含む水溶液が酸性(pH7より小さい、H+イオン濃度が高い)である場合には、酸性領域用のpH指示薬として公知の発色試薬であるH+イオンと反応して発色する化合物(例えば、メチルオレンジ、メチルレッド、コンゴーレッド及びメチルイエローなどのジアゾ系の発色試薬、並びに、チモールブルー、ブロモクレゾールグリーン、ブロモクレゾールパープル及びブロモチモールブルーなどのサルトン系の発色試薬)等を、増幅試薬を含む水溶液のpHに合わせて適宜選択して使用することが好ましい。上記の中でも、1,10-フェナントロリン、バソフェナントロリン又はブロモクレゾールグリーンをより好ましく使用できる。
被検試料を含む水溶液または第1の増幅試薬を含む水溶液を展開した際に、不溶性担体上を、発色試薬が移動しないことが好ましいことから、発色試薬のLogP(水とオクタノール中での分配係数)が4.0以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。LogPとしては実測値を用いてもよいが、簡便に判断する方法として、化学構造等から得られる計算値を用いることもできる。LogPを計算する方法としては、CambridgeSoft社のChemDrawPro version 12で使用されている計算方法が好ましい。代表的な発色試薬の応答性及びLogP(ChemDrawPro version 12による)を以下の表1に示した。
Figure 0005728453
発色試薬を有する領域が、不溶性担体の検出部位を有する標識物質補足領域より下流に位置していることが好ましい。発色試薬をクロマトグラフキット内に保持する方法としては、後述する吸水パッドを発色試薬溶液に浸し減圧乾燥する方法、不溶性担体の標識物質補足領域よりも下流方向にライン状に塗布する方法などがある。
被検試料を含む水溶液または第1の増幅試薬を含む水溶液のいずれかを展開した際に、発色試薬が不溶性担体を実質的に移動する場合には、発色試薬を吸水パッドに含有させて使用することが好ましい。
被検試料を含む水溶液または第1の増幅試薬を含む水溶液のいずれかを展開した際に、発色試薬が不溶性担体中を実質的に移動しない場合には、標識物質捕捉領域を有する不溶性担体に発色試薬を担持させることが好ましい。
標識物質補足領域に第1の増幅試薬が到達したことをより小さいタイムラグで表示することを可能とするため、本発明においては発色試薬を不溶性担体に担持させる態様がより好ましい。
本発明において、被検物質を含む被検試料が添加される領域と、標識物質捕捉領域とを、被検物質を含む被検試料の展開方向に対して上流から下流の方向にこの順番で有するとは、被検試料を毛管現象や、吸水パッドを使用した場合の吸引力等を利用して展開させる場合に、被検物質を含む被検試料の展開方向に対して、上流方向、下流方向と定義する。本発明の具体的な態様では、図1に示したように、標識物質保持領域から標識物質保持領域に向かって被検試料等を展開した場合に、標識物質保持領域の方向を上流方向、標識物質補足領域の方向を下流方向と定義する。
本発明の好ましい態様においては、標識物質捕捉領域に捕捉された標識物質のシグナルを増幅するために使用する2種の増幅試薬のうちの第1の増幅試薬を、標識物質捕捉領域の上流方向から標識物質捕捉領域の下流方向に展開し、発色試薬を有する領域における物理又は化学的変化を検出することによって、標識物質捕捉領域が第1の増幅試薬で満たされていることを確認する。発色試薬を有する領域における物理又は化学的変化としては、第1の増幅試薬と発色試薬との反応によって生じる発色や蛍光の変化等を検出することができる。好ましくは発色を検出することができる。このような物理又は化学的変化は、視覚的に検出してもよいし、検出機器を利用して検出してもよい。
6.免疫検査の方法
以下、本発明のクロマトグラフ方法について、その具体的な実施態様であるサンドイッチ法について説明する。
サンドイッチ法では、特に限定されるものではないが、例えば、以下の手順により被検物質の分析を実施することができる。まず、被検物質(抗原)に対して特異性を有する第一の結合物質(例えば、第1抗体)及び第二の結合物質(例えば、第2抗体)を、先に述べた方法により予め調製しておく。また、第一の結合物質で、予め標識物質を修飾しておく。第二の結合物質を、適当なクロマトグラフ担体(不溶性担体)(例えば、ニトロセルロ−ス膜、ガラス繊維膜、ナイロン膜、又はセルロ−ス膜等)上に固定して標識物質捕捉領域とし、被検物質(抗原)を含む可能性のある被検試料(又はその抽出液)と接触させると、その被検試料中に被検物質が存在する場合には、第二の結合物質との結合(例えば、第二抗体との抗原抗体反応)が起こる。被検物質と第二の結合物質との結合と同時又は結合後に、更に第一の結合物質で修飾した標識物質を過剰量接触させると、被検試料中に被検物質が存在する場合には、固定化された第二の結合物質と被検物質(抗原)と第一の結合物質で修飾した標識物質とからなる複合体が形成される。
サンドイッチ法では、固定化された第二の結合物質と被検物質(抗原)、及び被検物質と標識物質を修飾した第一の結合物質との反応が終了した後、免疫複合体を形成しなかった標識物質を除去し、続いて、例えば、不溶性担体の標識物質捕捉領域をそのまま観察しその標識物質を検出、または定量し、被検試料中の被検物質の有無判定または量を測定することができる。本発明においては、例えば、還元剤及び銀イオン含有化合物を供給することにより、かかる複合体を形成した標識物質からの信号を増幅し検出する。
7.増幅試薬
増幅試薬は、標識物質や被検物質の作用により、触媒的に反応することで、着色した化合物や発光などを生じ、シグナルの増幅を起こすことができる試薬であり、試薬を含有する溶液の状態、即ち増幅液として使用することができる。例えば、金属標識上で、物理現像により金属銀の析出を起こす銀イオン溶液や、ペルオキシダーゼ標識と過酸化水素の作用により色素となる、フェニレンジアミン化合物とナフトール化合物の溶液などが挙げられる。
詳細には、写真化学の分野での一般書物(例えば、「改訂写真工学の基礎-銀塩写真編-」(日本写真学会編、コロナ社)、「写真の化学」(笹井明、写真工業出版社)、「最新処方ハンドブック」(菊池真一他、アミコ出版社))に記載されているような、いわゆる現像液を、増幅試薬を含有する増幅液として用いることができ、液中に銀イオンを含み、液中の銀イオンが現像の核となるような金属コロイド等を中心に還元される、いわゆる物理現像液であれば、特に限定されることなく増幅液として用いることができる。
本発明では、2種の増幅試薬を用いる。標識物質捕捉領域に捕捉された標識物質のシグナルを増幅するために使用する2種の増幅試薬のうち、第1の増幅試薬を第1の増幅液に、第2の増幅試薬を第2の増幅液に含有させておき、第1の増幅液および第2の増幅液を順次、添加することにより増幅を行うことが好ましい。第1の増幅液は、標識物質保持パッドおよび試料添加パッドよりも上流方向に位置する、還元剤溶液を送液するためのパッドに添加することが好ましい。
増幅液の具体例としては、銀イオンのための還元剤を含む第1の増幅液、及び、銀を含む化合物を含む第2の増幅液の組み合わせを用いることができる。
以下、第1の増幅液に含まれる銀イオンのための還元剤と第2の増幅液に含まれる銀を含む化合物等について説明する。
7−1.銀を含む化合物
銀を含む化合物としては、銀イオン含有化合物、例えば、有機銀塩、無機銀塩、もしくは銀錯体を用いることができる。好ましくは、水などの溶媒に対して溶解度の高い銀イオン含有化合物であり、硝酸銀、酢酸銀、乳酸銀、酪酸銀、チオ硫酸銀などが挙げられる。特に好ましくは硝酸銀である。銀錯体としては、水酸基やスルホン基など水溶性基を有する配位子に配位された銀錯体が好ましく、ヒドロキシチオエーテル銀等が挙げられる。
無機銀塩、もしくは銀錯体は、銀として一般に0.001モル/m2〜0.2モル/m2、好ましくは0.01モル/m2〜0.05モル/m2含有されることが好ましい。
7−2.銀イオンのための還元剤
銀イオンのための還元剤は、銀イオンを銀に還元することができれば、無機・有機のいかなる材料、またはその混合物でも用いることができる。
無機還元剤としては、Fe2+、V2+、Ti3+、などの金属イオンで原子価の変化し得る還元性金属塩、還元性金属錯塩を好ましく挙げることができる。無機還元剤を用いる際には、酸化されたイオンを錯形成するか還元して、除去するか無害化する必要がある。例えば、Fe2+を還元剤として用いる系では、クエン酸やEDTAを用いて酸化物であるFe3+の錯体を形成し、無害化することができる。本系ではこのような無機還元剤を用いることが好ましく、より好ましくはFe2+の金属塩が好ましい。
なお、湿式のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる現像主薬(例えばメチル没食子酸塩、ヒドロキノン、置換ヒドロキノン、3−ピラゾリドン類、p−アミノフェノール類、p−フェニレンジアミン類、ヒンダードフェノール類、アミドキシム類、アジン類、カテコール類、ピロガロール類、アスコルビン酸(またはその誘導体)、およびロイコ色素類)、および本分野での技術に熟練しているものにとって明らかなその他の材料、例えば米国特許第6,020,117号に記載されている材料も用いることができる。
還元剤としては、アスコルビン酸還元剤も好ましい。有用なアスコルビン酸還元剤は、アスコルビン酸と類似物、異性体とその誘導体を含み、例えば、D−またはL−アスコルビン酸とその糖誘導体(例えばγ−ラクトアスコルビン酸、グルコアスコルビン酸、フコアスコルビン酸、グルコヘプトアスコルビン酸、マルトアスコルビン酸)、アスコルビン酸のナトリウム塩、アスコルビン酸のカリウム塩、イソアスコルビン酸(又はL−エリスロアスコルビン酸)、その塩(例えばアルカリ金属塩、アンモニウム塩又は当技術分野において知られている塩)、エンジオールタイプのアスコルビン酸、エナミノールタイプのアスコルビン酸、チオエノ−ルタイプのアスコルビン酸等を好ましく挙げることができ、特にはD、LまたはD,L−アスコルビン酸(そして、そのアルカリ金属塩)若しくはイソアスコルビン酸(またはそのアルカリ金属塩)が好ましく、ナトリウム塩が好ましい塩である。必要に応じてこれらの還元剤の混合物を用いることができる。
8.その他の助剤
増幅液のその他の助剤としては、緩衝剤、防腐剤、例えば酸化防止剤または有機安定剤、速度調節剤を含む場合がある。緩衝剤としては、例えば、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウムまたはこれらのどれかの塩、又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを用いた緩衝剤、その他一般的化学実験に用いられる緩衝剤を用いることができる。これら緩衝剤を適宜用いて、その増幅溶液に最適なpHに調整することができる。また、カブリ防止剤としてアルキルアミンを添加剤として用いることができ、特に好ましくはドデシルアミンである。またこれら添加剤の溶解性向上のため、界面活性剤を用いることができ、特に好ましくはC919-C64-O-(CH2CH2O)50Hである。
増幅試薬をクロマトキットに点着する方法としては、還元剤溶液を送液するためのパッドに、第1の増幅液としての還元剤溶液を点着し、第2の増幅液としての銀イオン溶液を標識物質捕捉領域を含む領域に上から点着して、銀イオン溶液を不溶性担体の厚み方向に浸潤させる方法が好ましい。
2種の増幅試薬をクロマトキットに内蔵する方法としては、各増幅試薬を含む溶液を含むポットを、各増幅試薬を点着する部位の上部に配置する方法が挙げられる。還元剤溶液(第1の増幅液)を、還元剤溶液を送液するためのパッドの上部に置き、銀イオン溶液(第2の増幅液)を含むポットを銀イオン溶液充填孔のすぐ上部に設置することが好ましい。このように配置することにより、それぞれのポットを押すことで液が流れ、所定の部位に点着することができる。
9.クロマトグラフキット
本発明のクロマトグラフ方法は、被検物質に対する第一の結合物質で修飾した金属を含む標識物質と、被検物質に対する第二の結合物質、又は被検物質に対する第一の結合性を有する物質を含んだ不溶性担体とを具えたクロマトグラフキットを用いて実施することができる。その場合、クロマトグラフキットは、被検物質に対する第一の結合物質で修飾した金属を含む標識物質を予め不溶性担体上に具えているものでもよい。あるいは、被検物質に対する第一の結合物質で修飾した金属を含む標識物質を不溶性担体とは別に具えているものでもよい。この場合、不溶性担体とは別に具えられた標識物質を被検試料と混合した後に不溶性担体上を展開するなどの方法で測定を行うことができる。更に、本発明のイムノクロマトグラフ用キットは、銀を含む化合物及び銀イオンのための還元剤を含む増幅液を具えることもできる。イムノクロマトグラフ用キットを構成する各素材の例、好ましい範囲は、イムノクロマトグラフ方法等で記載した例、範囲を好ましく用いることができる。
特に本発明によれば、
(1)被検物質に対する第一の結合物質で修飾した金属を含む標識物質と、
(2)被検物質を含む被検試料が添加される領域と、被検物質に対する第二の結合物質又は第一の結合物質に対する結合物質を有する標識物質捕捉領域とを、被検物質を含む被検試料の展開方向に対して上流から下流の方向にこの順番で有する第1の部材と;
(3)被検物質を含む被検試料が添加される領域より、被検試料の展開方向において上流側の位置に、第1の増幅試薬を添加できるように位置決めされた孔と、標識物質捕捉領域より、被検試料の展開方向において下流側の位置に、第2の増幅試薬を添加できるように位置決めされた孔とを有する第2の部材;
とを含むクロマトグラフキットが提供される。
被検物質に対する第一の結合物質で修飾した金属を含む標識物質は、第1の部材の上に配置されていてもよいし、第1の部材とは別に具えていてもよい。
クロマトグラフキットにおいて好ましくは、第1の部材と第2の部材が配置されることにより、標識物質捕捉領域の上面に高さ0.01〜1mmの隙間が形成されている。また、第1の部材はさらに、確実に第2の増幅試薬の増幅反応を行わせるために、第1の増幅試薬を検出するための発色試薬を有する領域を有することが好ましい。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
(1)インフルエンザウィルス抗原検出イムノクロマトキットの作成
(1−1)抗インフルエンザA型モノクローナル抗体修飾金コロイド(被検物質に対する第一の結合物質で修飾した標識物質)の作製
直径50nm金コロイド溶液(EM.GC50、BBI社)9mLに50 mM KHPOバッファー(pH7.5)1mLを加えることでpHを調整した金コロイド溶液に、160μg/mLの抗インフルエンザA型モノクローナル抗体(Anti-Influenza A SPTN-5 7307、Medix Biochemica社)溶液1mLを加え攪拌した。10分間静置した後、1質量%ポリエチレングリコール(PEG Mw.20000、品番168-11285、和光純薬社製)水溶液を550μL加えて攪拌し、続いて10質量 %牛血清アルブミン(BSA FractionV、品番A-7906、SIGMA社製)水溶液を1.1mL加え攪拌した。この溶液を8000×g、4 ℃、30分遠心(himacCF16RX、日立社製)した後、1mLを残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散した。この後、20mLの金コロイド保存液(20 mM Tris-HClバッファー(pH8.2)、0.05質量%ポリエチレングリコール(PEG;分子量20000)、150mM NaCl、1質量%BSA)に分散し、再び8000×g、4℃、30分間遠心した後、1mLを残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散し、抗体修飾金コロイド(50nm)溶液を得た。
(1−2)金コロイド保持パッド(標識物質保持領域)の作製
(1−1)で作成した抗インフルエンザA型モノクローナル抗体修飾金コロイドを、金コロイド塗布液(20mM Tris−HClバッファー(pH8.2) 0.05質量 %ポリエチレングリコール(PEG;分子量20000)、5質量% スクロース)及び水で希釈し、520nmの光学濃度(OD)が0.1となるように希釈した。この溶液を、8mm×150mmに切ったグラスファイバーパッド(Glass Fiber Conjugate Pad、ミリポア社)1枚あたり0.8mLずつ均一に塗布し、12時間減圧乾燥した後、5mmに裁断することで抗インフルエンザA型モノクローナル抗体修飾金コロイド保持パッドを得た。金コロイド抗体を保持する部分が、標識物質保持領域に相当する。
(1−3)抗体固定化メンブレン(結合物質固定化メンブレン)の作製
60mm×300mmに切断したニトロセルロースメンブレン(プラスチックの裏打ちあり、HiFlow Plus HF120、ミリポア社製)に関し以下のような方法により抗体及び発色試薬を固定し、抗体固定化メンブレン−3を作成した。メンブレンの長辺を下にし、下から15mmの位置に、1.5mg/mLとなるように調製した抗インフルエンザA型モノクローナル抗体(Anti-Influenza A SPTN-5 7307、Medix Biochemica社製)溶液をライン状に塗布し、検出部位とした。さらに下から11mmの位置に、0.2mg/mLとなるように調製した抗マウスIgG抗体(抗マウスIgG(H+L),ウサギF(ab')2, 品番566-70621、和光純薬社製)溶液をライン状に塗布しコントロール部位とした。本発明では、検出部位とコントロール部位を合わせて抗体固定化ラインとした。さらに下から9mmの位置に、30mMに調整したブロモクレゾールグリーン(和光純薬社製)をライン状に塗布し、発色試薬固定化ラインとした。塗布したメンブレンは、温風式乾燥機で50℃、30分間乾燥した。ブロッキング液(0.5質量%カゼイン(乳由来、品番030-01505、和光純薬社製)含有50mMホウ酸バッファー(pH8.5))500mLをバットに入れ、そのまま30分間静置した。その後、同様のバットに入れた洗浄・安定化液(0.5質量%スクロースおよび0.05質量%コール酸ナトリウムを含む50mMTris−HCl(pH7.5)バッファー)500mLに移して浸し、そのまま30分間静置した。メンブレンを液から取り出し、室温で12時間乾燥し、5mm幅に裁断したものを抗体固定化メンブレンとした。抗インフルエンザA型モノクローナル抗体を固定化した部分である検出部位が、標識物質捕捉領域に相当し、抗マウスIgG抗体固定化した部分であるコントロール部位が、ポジティブコントロール領域に相当する。
(1−4)銀増幅液の作成
(1−4−1)還元剤溶液の作製
水290gに、硝酸鉄(III)九水和物(和光純薬社製、品番095-00995)を水に溶解して作製した1mol/Lの硝酸鉄水溶液23.6mL、クエン酸(和光純薬社製、品番038-06925)13.1gを溶解させた。全て溶解したら、スターラーで攪拌しながら硝酸(10質量%)を36mL加え、硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物(和光純薬社製、品番091-00855)を60.8g加えこれを還元剤溶液とした。
(1−4−2)銀イオン溶液の作製
水66gに、硝酸銀溶液8mL(10gの硝酸銀を含む)と1mol/Lの硝酸鉄水溶液24mLを加えた。さらに、この溶液と、硝酸(10質量%)5.9mL、ドデシルアミン(和光純薬社製、品番123-00246)0.1g、界面活性剤C1225-C64-O-(CH2CH2O)50H 0.1gをあらかじめ47.6gの水に溶解した溶液を混合し、これを銀イオン溶液とした。
(1−5) アッセイ用キットの作製
図1にアッセイ用キット部品の模式図を示した。キットの外部を構成する上部の第2の部材及び下部の第1の部材の材質は、ポリプロピレン製で射出成形により作製し、これを以後デバイスと呼ぶ。図1で示すように(1−3)で作製した抗体固定化メンブレン(抗インフルエンザA型抗体及び抗マウスIgG抗体固定化メンブレン)、吸水パッド(GB-140, ADVANTEC製、100mm×150mmに裁断)、還元剤溶液を送液するためのパッド(Glass Fiber Conjugate Pad、ミリポア社製)、及び中央に金コロイド保持パッドとして、(1−2)で作製した抗インフルエンザA型モノクローナル抗体修飾金コロイド保持パッドを図1のように装填し、アッセイ用キットを作製した。
(2−1)実施例1
(2−1−1)被検試料液(検体溶液)の展開
模擬陽性検体(BD FluエグザマンコントロールA+B− (ベクトン・ディッキンソン社))を抽出液(1質量%BIGCHAP含有1質量% BSA−PBS)で128倍希釈して、30 μLを抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドに点着した。
(2−1−2)還元剤液の展開
(2−1−1)で被検試料液を点着したと同時に還元剤液を送液するためのパッド(図3中の位置II)に還元剤液を200 μL点着することで還元剤液を展開した。即ち、還元剤液の添加位置は、被検試料液の添加位置よりも展開方向の上流側であり、還元剤液と被検試料とは不溶性担体上において同じ方向に展開した。
(2−1−3)銀増幅
発色試薬固定化ラインが緑からオレンジに変色した後、図1の銀イオン溶液充填孔に(1−5−2)で作製した銀イオン溶液を95μL添加することにより、銀イオン溶液を不溶性担体中に不溶性担体の厚み方向に浸潤させて銀増幅を1分間行い、抗体固定化ラインの検出が可能か目視により評価した。結果は、後述するように、「A」、「B」、「C」の3段階で評価した。また、バックグラウンド濃度の定量のため、目視評価の後に銀増幅されたメンブレンを取り出し、光による被り防止のため、3分間よく水洗いし、LAS4000(富士フイルム社製)で撮影し、バックグラウンド濃度を測定した。バックグラウンド濃度とは抗体固定化ラインの検出部位とコントロール部位の間の部位のOD値で示した。
(2−2)実施例2
(2−2−1)被検試料液(検体溶液)の展開
模擬陽性検体(BD FluエグザマンコントロールA+B− (ベクトン・ディッキンソン社))を抽出液(1質量%BIGCHAP含有1質量%BSA−PBS)で128倍希釈して、30μLを抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドに点着した。
(2−2−2) 還元剤液の展開
(2−2−1)で被検試料液を点着したと同時に図3中の位置IVに還元剤液を200μL点着することで還元剤液を展開した。即ち、還元剤液の添加位置は、被検試料液の添加位置よりも展開方向の上流側であり、還元剤液と被検試料とは不溶性担体上において同じ方向に展開した。
(2−2−3) 銀増幅
発色試薬固定化ラインが緑からオレンジに変色した後、図1の銀イオン溶液充填孔に(1−5−2)で作製した銀イオン溶液を95μL添加することにより、銀イオン溶液を不溶性担体中に不溶性担体の厚み方向に浸潤させて銀増幅を1分間行い、抗体固定化ラインの検出が可能か目視により評価した。結果は、後述するように、「A」、「B」、「C」の3段階で評価した。
(2−3)実施例3
(2−3−1)被検試料液(検体溶液)の展開
模擬陽性検体(BD FluエグザマンコントロールA+B− (ベクトン・ディッキンソン社))を抽出液(1質量%BIGCHAP含有1質量%BSA−PBS)で128倍希釈して、30μLを抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドに点着した。
(2−3−2)還元剤液の展開
(2−3−1)で被検試料液を点着してから30秒後に還元剤液を送液するためのパッド(図3中の位置II)に還元剤液を200μL点着することで還元剤液を展開した。即ち、還元剤液の添加位置は、被検試料液の添加位置よりも展開方向の上流側であり、還元剤液と被検試料とは不溶性担体上において同じ方向に展開した。
(2−3−3)銀増幅
発色試薬固定化ラインが緑からオレンジに変色した後、図1の銀イオン溶液充填孔に(1−5−2)で作製した銀イオン溶液を95μL添加することにより、銀イオン溶液を不溶性担体中に不溶性担体の厚み方向に浸潤させて銀増幅を1分間行い、抗体固定化ラインの検出が可能か目視により評価した。結果は、後述するように、「A」、「B」、「C」の3段階で評価した。その後、銀増幅されたメンブレンを取り出し、3分間よく水洗いし、LAS4000(富士フイルム社製)で撮影し、バックグラウンド濃度を測定した。バックグラウンド濃度とは抗体固定化ラインの検出部位とコントロール部位の間の部位のOD値で示した。
(2−4)実施例4
(2−4−1)被検試料液(検体溶液)の展開
模擬陽性検体(BD FluエグザマンコントロールA+B− (ベクトン・ディッキンソン社))を抽出液(1質量%BIGCHAP含有1質量%BSA−PBS)で128倍希釈して、30μLを抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドに点着した。
(2−4−2)還元剤溶液の展開
(2−4−1)で被検試料液を点着してから1.5分後に還元剤液を送液するためのパッド(図3中の位置II)に還元剤液を200μL点着することで還元剤液を展開した。即ち、還元剤液の添加位置は、被検試料液の添加位置よりも展開方向の上流側であり、還元剤液と被検試料とは不溶性担体上において同じ方向に展開した。
(2−4−3)銀増幅
発色試薬固定化ラインが緑からオレンジに変色した後、図1の銀イオン溶液充填孔に(1−5−2)で作製した銀イオン溶液を95μL添加することにより、銀イオン溶液を不溶性担体中に不溶性担体の厚み方向に浸潤させて銀増幅を1分間行い、抗体固定化ラインの検出が可能か目視により評価した。結果は、後述するように、「A」、「B」、「C」の3段階で評価した。その後、銀増幅されたメンブレンを取り出し、3分間よく水洗いし、LAS4000(富士フイルム社製)で撮影し、バックグラウンド濃度を測定した。バックグラウンド濃度とは抗体固定化ラインの検出部位とコントロール部位の間の部位のOD値で示した。
(2−5)比較例1
(2−5−1)被検試料液(検体溶液)の展開
模擬陽性検体(BD FluエグザマンコントロールA+B− (ベクトン・ディッキンソン社))を抽出液(1質量%BIGCHAP含有1質量%BSA−PBS)で128倍希釈して、30μLを抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドに点着した。
(2−5−2)還元剤溶液の展開
(2−3−1)で被検試料液を点着したと同時に図3中の位置Iに還元剤液を200μL点着することで還元剤液を展開した。即ち、還元剤液の添加位置は、被検試料液の添加位置と同じである。
(2−5−3)銀増幅
発色試薬固定化ラインが緑からオレンジに変色した後、図1の銀イオン溶液充填孔に(1−5−2)で作製した銀イオン溶液を95μL添加することにより、銀イオン溶液を不溶性担体中に不溶性担体の厚み方向に浸潤させて銀増幅を1分間行い、抗体固定化ラインの検出が可能か目視により評価した。結果は、後述するように、「A」、「B」、「C」の3段階で評価した。
(2−6)比較例2
(2−6−1)被検試料液(検体溶液)の展開
模擬陽性検体(BD FluエグザマンコントロールA+B− (ベクトン・ディッキンソン社))を抽出液(1質量%BIGCHAP含有1質量%BSA−PBS)で128倍希釈して、30μLを抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドに点着した。
(2−6−2) 還元剤溶液の展開
(2−6−1)で被検試料液を点着したと同時に図3中の位置Vに還元剤液を200μL点着することで還元剤液を展開した。即ち、還元剤液の添加位置は、被検試料液の添加位置よりも展開方向の下流側である。
(2−6−3) 銀増幅
発色試薬固定化ラインが緑からオレンジに変色した後、図1の銀イオン溶液充填孔に(1−5−2)で作製した銀イオン溶液を95μL添加することにより、銀イオン溶液を不溶性担体中に不溶性担体の厚み方向に浸潤させて銀増幅を1分間行い、抗体固定化ラインの検出が可能か目視により評価した。結果は、後述するように、「A」、「B」、「C」の3段階で評価した。
(2−7)比較例3
(2−7−1)被検試料液(検体溶液)の展開
模擬陽性検体(BD FluエグザマンコントロールA+B− (ベクトン・ディッキンソン社))を抽出液(1質量%BIGCHAP含有1質量%BSA−PBS)で128倍希釈して、30μLを抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドに点着した。
(2−7−2)還元剤溶液の展開
(2−7−1)で被検試料液を点着してから5分後に還元剤液を送液するためのパッド(図3中の位置II)に還元剤液を200μL点着することで還元剤液を展開した。即ち、還元剤液の添加位置は、被検試料液の添加位置よりも展開方向の上流側であり、還元剤液と被検試料とは不溶性担体上において同じ方向に展開した。
(2−7−3)銀増幅
発色試薬固定化ラインが緑からオレンジに変色した後、図1の銀イオン溶液充填孔に(1−5−2)で作製した銀イオン溶液を95μL添加することにより、銀イオン溶液を不溶性担体中に不溶性担体の厚み方向に浸潤させて銀増幅を1分間行い、抗体固定化ラインの検出が可能か目視により評価した。結果は、後述するように、「A」、「B」、「C」の3段階で評価した。その後、銀増幅されたメンブレンを取り出し、3分間よく水洗いし、LAS4000(富士フイルム社製)で撮影し、バックグラウンド濃度を測定した。バックグラウンド濃度とは抗体固定化ラインの検出部位とコントロール部位の間の部位のOD値で示した。
(2−8)比較例4
(2−8−1)被検試料液(検体溶液)の展開
模擬陽性検体(BD FluエグザマンコントロールA+B− (ベクトン・ディッキンソン社))を抽出液(1質量%BIGCHAP含有1質量%BSA−PBS)で128倍希釈して、30μLを抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドに点着した。
(2−8−2)還元剤溶液の展開
(2−8−1)で被検試料液を点着してから30分後に還元剤液を送液するためのパッド(図3中の位置II)に還元剤液を200μL点着することで還元剤液を展開した。即ち、還元剤液の添加位置は、被検試料液の添加位置よりも展開方向の上流側であり、還元剤液と被検試料とは不溶性担体上において同じ方向に展開した。
(2−8−3) 銀増幅
発色試薬固定化ラインが緑からオレンジに変色した後、図1の銀イオン溶液充填孔に(1−5−2)で作製した銀イオン溶液を95μL添加することにより、銀イオン溶液を不溶性担体中に不溶性担体の厚み方向に浸潤させて銀増幅を1分間行い、抗体固定化ラインの検出が可能か目視により評価した。結果は、後述するように、「A」、「B」、「C」の3段階で評価した。その後、銀増幅されたメンブレンを取り出し、3分間よく水洗いし、LAS4000(富士フイルム社製)で撮影し、バックグラウンド濃度を測定した。バックグラウンド濃度とは抗体固定化ラインの検出部位とコントロール部位の間の部位のOD値で示した。
(2−9)比較例5
(2−9−1)被検試料液(検体溶液)の展開
模擬陽性検体(BD FluエグザマンコントロールA+B− (ベクトン・ディッキンソン社))を抽出液(1質量%BIGCHAP含有1質量%BSA−PBS)で128倍希釈して、30μLを抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドに点着した。
(2−9−2)還元剤溶液の展開
(2−9−1)で被検試料液を点着して10分間静置した。イムノクロマトストリップをデバイスから取り出し、パット類を全てはずした。還元剤添加用パット(18mm×8mmに切ったグラスファイバーパット(Glass Fiber Conjugate Pad, ミリポア社)に13mm×8mmのバック粘着シート(ARcatre9020、ニップンテクノクラスタ社)を貼ったもの)と、吸水用パット(100mm×8mmに切ったセルロースメンブレン(CF6,ワットマン社)に13mm×8mmのバック粘着シート(ARcatre9020、ニップンテクノクラスタ社)を貼ったもの)をそれぞれメンブレンの長辺に貼り付けた。メンブレンの貼り付け位置は、図4のように、還元剤添加用パットと吸水用パットと結ぶ直線が抗体固定化ライン上を通るようにした。その後再度イムノクロマトストリップをデバイス内に設置した。このパットの付け替え作業に4分要した。還元剤液を10mL入れた直方体の入れ物(縦9mm×横64mm×高25mm)に還元剤添加用パットが液に漬かるように立てかけ、このまま10分間還元剤液を展開した。
(2−9−3) 銀増幅
図1の銀イオン溶液充填孔に(1−5−2)で作製した銀イオン溶液を95μL添加することにより、銀イオン溶液を不溶性担体中に不溶性担体の厚み方向に浸潤させて銀増幅を1分間行い、抗体固定化ラインの検出が可能か目視により評価した。結果は、後述するように、「A」、「B」、「C」の3段階で評価した。その後、銀増幅されたメンブレンを取り出し、3分間よく水洗いし、LAS4000(富士フイルム社製)で撮影し、バックグラウンド濃度を測定した。バックグラウンド濃度とは抗体固定化ラインの検出部位とコントロール部位の間の部位のOD値で示した。
(3)結果
実施例1、2及び比較例1、2の結果を表2に記載する。黒色の抗体固定化ラインが明確に2本見られた場合を「A」、ラインが検出できないか、増幅ムラが生じることでラインを判別できない場合を「C」と判断した。表2から明らかなように、還元剤液が検体より上流部に添加して検体を同じ方向に展開することで正常に増幅することに成功した。還元剤液をI、およびIIに添加した場合には、正常に銀増幅が行われず、ラインがほとんど検出されなかった。
実施例1、3、4及び比較例3〜5の結果を表3に記載する。黒色の抗体固定化ラインが明確に2本見られた場合を「A」、ラインは2本とも見られるが、増幅のムラがあり、ラインが欠ける等する場合を「B」、ラインが検出できないか、増幅ムラが生じることでラインを判別できない場合を「C」と判断した。実施例1、3、4及び比較例3、4における増幅可能なタイミングは、発色試薬固定化ラインが緑からオレンジに発色したタイミングとした。比較例5は検体溶液を添加してから10分後を増幅可能なタイミングとした。検査時間は検体溶液を金コロイド保持パットに添加してから銀増幅が終了するまでにかかる時間とした。表3から明らかなように、検体溶液を添加してから1.5分以内に還元剤液を添加することで正常に増幅できることが確認された。特に、検体溶液を添加してから30秒以内に還元剤液を添加することで、増幅可能になる時間が遅延されず、検査時間も短かった。検体溶液を添加してからの還元剤液を添加するタイミングが5分以上になると、バックグラウンドの上昇が見られ、更に30分では増幅ムラが発生したが、驚くべきことに、検体溶液を添加してから1.5分以内に還元剤液を添加した場合に、バックグラウンドの濃度が低く抑えることができた。還元剤を添加するタイミングを長くすることで、メンブレンの乾燥の影響により、標識物質が不溶性担体から洗浄されにくくなり、増幅不良及びバックグラウンドの濃度の上昇が表れたと推測される。比較例5では還元剤液(洗浄液)を検体溶液の展開に対して90度方向から展開させた例であるが、増幅は正常に行われるものの、実施例1、3及び4と比べるとパット等の取り付時間により検査時間が長い。表2及び3から分かるように、還元剤液を検体溶液の添加場所より上流で添加し、検体溶液の添加と同時又は検体溶液を添加してから1分30秒以内に添加し、検体溶液と同じ方向に還元剤液を展開し、かつ銀イオン溶液を、不溶性担体中に、不溶性担体の厚み方向に浸潤させることにより、正常な増幅を可能にするとともに、バックグラウンドシグナルを抑制でき、かつ検査時間も短くすることに成功した。
Figure 0005728453
Figure 0005728453

Claims (14)

  1. 被検物質と、
    被検物質に対する第一の結合物質で修飾した金属を含む標識物質との複合体を形成させた状態で、不溶性担体上に展開し、
    被検物質に対する第二の結合物質、又は被検物質に対する第一の結合物質への結合性を有する物質を含んだ不溶性担体上の検出部位において被検物質と標識物質を捕捉し、
    第1の増幅試薬と第2の増幅試薬を用いて、捕捉した標識物質を増幅して被検物質を検出することを含むクロマトグラフ方法であって、
    第1の増幅試薬を不溶性担体上に添加する位置が、被検物質を含む被検試料を添加する不溶性担体上の位置よりも展開方向の上流側であり、
    被検試料を不溶性担体上に添加してから0秒以上1分30秒以内に、第1の増幅試薬を不溶性担体上に添加し、
    第1の増幅試薬と被検試料とが不溶性担体上において同じ方向に展開され、かつ
    第2の増幅試薬を、不溶性担体中に、不溶性担体の厚み方向に浸潤させ
    第1の増幅試薬が、銀イオンのための還元剤であり、第2の増幅試薬が、銀を含む化合物であり、
    不溶性担体が、第1の増幅試薬を検出するための発色試薬を有する領域を有し、前記領域が、不溶性担体上の検出部位より下流に位置している
    上記のクロマトグラフ方法。
  2. 被検試料を不溶性担体上に添加してから0秒以上30秒以内に、第1の増幅試薬を不溶性担体上に添加する、請求項1に記載のクロマトグラフ方法。
  3. 被検試料及び第1の増幅試薬の展開方向が、不溶性担体の長軸方向である、請求項1又は2に記載のクロマトグラフ方法。
  4. 不溶性担体の上面側に設けた高さ0.01〜1mmの隙間に、第2の増幅試薬を供給し、上記隙間に供給された第2の増幅試薬が、不溶性担体中に、不溶性担体の厚み方向に浸潤する、請求項1から3の何れか1項に記載のクロマトグラフ方法。
  5. 銀イオンのための還元剤が、2価の鉄イオンを含む試薬である、請求項1からの何れか1項に記載のクロマトグラフ方法。
  6. 発色試薬が、イオンに反応して発色する化合物である、請求項1から5のいずれか1項に記載のクロマトグラフ方法。
  7. 発色試薬が、Fe2+イオンと反応して発色する化合物である、請求項1から6の何れか1項に記載のクロマトグラフ方法。
  8. 発色試薬が、フェナントロリン骨格を有する化合物である、請求項1から7の何れか1項に記載のクロマトグラフ方法。
  9. 発色試薬が、H+イオンと反応して発色する化合物である、請求項1から6の何れか1項に記載のクロマトグラフ方法。
  10. 第一の結合物質および/又は第の結合物質が、抗体である、請求項1からの何れか1項に記載のクロマトグラフ方法。
  11. 標識物質が金属コロイドである、請求項1から10の何れか1項に記載のクロマトグラフ方法。
  12. 金属コロイドが金コロイドである、請求項11に記載のクロマトグラフ方法。
  13. (1)被検物質に対する第一の結合物質で修飾した金属を含む標識物質と、
    (2)被検物質を含む被検試料が添加される領域と、被検物質に対する第二の結合物質又は第一の結合物質に対する結合物質を有する標識物質捕捉領域と、第1の増幅試薬を検出するための発色試薬を有する領域とを、被検物質を含む被検試料の展開方向に対して上流から下流の方向にこの順番で有する第1の部材と;
    (3)被検物質を含む被検試料が添加される領域より、被検試料の展開方向において上流側の位置に、第1の増幅試薬を添加できるように位置決めされた孔と、標識物質捕捉領域より、被検試料の展開方向において下流側の位置に、第2の増幅試薬を添加できるように位置決めされた孔とを有する第2の部材;
    とを含むクロマトグラフキットであって、
    第1の増幅試薬が、銀イオンのための還元剤であり、第2の増幅試薬が、銀を含む化合物である、上記のクロマトグラフキット
  14. 第1の部材と第2の部材が配置されることにより、標識物質捕捉領域の上面に高さ0.01〜1mmの隙間が形成されている、請求項13に記載のクロマトグラフキット。
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