JP2009216696A - 2つの展開液の展開方向を交差させ、かつ、異なる方向から展開させる測定キット、及びイムノクロマトグラフ方法 - Google Patents

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浩之 知久
Junichi Katada
順一 片田
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英行 唐木
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Abstract

【課題】バックグラウンドノイズを低減した、2つの展開液を異なる方向から展開させる測定キット、及びイムノクロマトグラフキットを提供すること。
【解決手段】第一の展開液を流すための第一の展開部材と第二の展開液を流すための第二の展開部材とを持ち、第一の展開液の展開方向と第二の展開液の展開方向とを交差させ、かつ、異なる方向にして展開を行い、かつ、各展開方向の下流にはそれぞれ吸水部位を設置することを特徴とする測定キット。
【選択図】なし

Description

本発明は、2つの展開液の展開方向を交差させ、かつ、異なる方向から展開させる測定キット、及び標識抗体を用いたイムノクロマトグラフ方法に関する。
尿、血液等の生体試料中に存在する被験物質の存在を定性的にあるいは定量的に測定する方法として、免疫学的測定方法が汎用されている。その中でもイムノクロマトグラフィー法は、操作が簡便であり短時間で測定可能であることから、一般的によく利用されている。
イムノクロマトグラフィー法で用いられている免疫反応としては、競合型反応、サンドイッチ型反応が広く使われている。その中でも、イムノクロマトグラフィー法ではサンドイッチ型反応が主流であり、その典型例においては、試料中の抗原よりなる被験出物質を検出するために、以下のような操作が行われる。(1)被験出物質である抗原に対する抗体により感作させた微粒子を固相微粒子としてクロマトグラフ媒体に固定化することにより、あるいはこの抗体そのものをクロマトグラフ媒体に直接固定化することにより、反応部位を有するクロマトグラフ媒体を調整する。(2)一方、標識微粒子に被験出物質と特異的に結合可能な抗体を感作させて感作標的微粒子を調整する。(3)この感作標識微粒子を、試料と共に、クロマトグラフ媒体上でクロマトグラフ的に移動させる。
以上の操作により、クロマトグラフ媒体に形成された反応部位において、固定化された抗体が固定化試薬となり、これに被験出物質である抗原を介して感作標識微粒子特異的に結合し、その結果、感作標識微粒子が反応部位に捕捉されることにより生ずるシグナルの有無または程度を目視で判定することにより、試料中の被験出物質の存在の有無または量を測定する。
このようなイムノクロマトグラフィー法において、標識微粒子を調製するための微粒子としては、コロイド状金属粒子またはコロイド状金属酸化物粒子、コロイド状非金属粒子および染料粒子が用いられている。また、標識として、アルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼなどの酵素を用いられている場合もある。
イムノクロマトグラフィー法の中には、感度が低いために抗原が検出されない(偽陰性)問題を回避するために、検出シグナルを増幅させる方法が行われる場合がある。シグナル増幅の方法として、標識としてアルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼなどの酵素を用いる場合があるが、金属コロイド標識及び金属硫化物標識からなる群から選んだ標識に銀を含む化合物及び銀イオンのための還元剤を用いて増感することによって検出を行う場合もある。
標識物質のシグナルを増幅させる場合、イムノクロマトストリップの検出ライン以外に存在する前記標識物質のシグナルも増幅させてしまい、バックグラウンドノイズが高くなってしまう場合がある。この問題は、検出ラインに直接、もしくは検出ラインごく近傍に増幅液を接触させることで、解決することができる。
特開2002−202307号公報 特表平10−513263号公報 米国特許第7,189,522号
以上のような問題があるので、本発明では、バックグラウンドノイズを抑制した、第一の展開液と第二の展開液を異なる方向から展開させる測定キット、及びイムノクロマトキットを提供することが解決すべき課題である。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、検出ラインに直接、もしくは検出ラインごく近傍に展開液を接触させる方法を考案し、本発明に至った。このとき、第一の展開液の展開部位の下流、及び、第二の展開液の展開部位の下流に吸水部位を設置しておくことで、液の展開を確実に迅速に行っている。
即ち、本発明によれば、第一の展開液を流すための第一の展開部材と第二の展開液を流すための第二の展開部材とを持ち、第一の展開液の展開方向と第二の展開液の展開方向とを交差させ、かつ、異なる方向にして展開を行い、かつ、各展開方向の下流にはそれぞれ吸水部位を設置することを特徴とする測定キットが提供される。
好ましくは、第一の展開液を流すための部材の、第一の展開液の展開方向と第二の展開液の展開方向との交差部位に、該被験物質に対する結合物質を保持する。
好ましくは、該第一の展開液の展開方向と該二の展開液の展開方向の成す角が、45度から170度である。
好ましくは、該第一の展開液の展開方向と該二の展開液の展開方向の成す角が、60度から150度である。
好ましくは、該第一の展開液の展開方向と該二の展開液の展開方向の成す角が、垂直である。
好ましくは、該第一の展開液を展開させた後に、該二の展開液を展開させる。
好ましくは、該第一の展開液を被験物質、該第二の展開液を増幅液または増幅液の一部を含有する液とする。
好ましくは、第一の展開部材が不溶性担体である。
好ましくは、該不溶性担体が多孔質担体である。
好ましくは、該被験物質に対する第2の結合物質または該被験物質の類似部位を持つ化合物で修飾した標識物質が含まれる。
好ましくは、標識物質が金属コロイドである。
本発明によればさらに、被験物質と、該被験物質に対する第一の結合物質で修飾した標識物質とを、これらを混合させた状態で第一の不溶性担体上において展開し、該被験物質に対する第二の結合物質、または被験物質に対する第一の結合物質への結合性がある物質、を有する第一の不溶性担体上の反応部位において該被験物質と該標識化物質を捕捉して該被験物質を検出することを含むイムノクロマトグラフ方法において、銀を含む化合物及び銀イオンのための還元剤を含む増幅液を用いて増感することによって被験物質の検出を行うことを含み、被験物質の展開方向と増幅液の展開方向とが交差し、かつ、異なる方向にして展開を行うことを特徴とするイムノクロマトグラフ方法が提供される。
好ましくは、該第一の結合物質及び/又は第二の結合物質が抗体である。
好ましくは、被験物質の展開方向と増幅液の展開方向とが45度から170度である。
好ましくは、被験物質の展開方向と増幅液の展開方向とが60度から150度である。
好ましくは、被験物質の展開方向と増幅液の展開方向とが垂直である。
好ましくは、多孔質担体がニトロセルロースである。
好ましくは、平均粒子サイズが1μm以上20μm以下のサイズを有する標識物質を検出する。
好ましくは、銀を含む化合物及び銀イオンのための還元剤を用いて増感するための反応時間が7分以内である。
好ましくは、検出部位の標識物質の数が1×106/mm3以下である。
好ましくは、標識物質が、金属コロイドである。
金属コロイド標識物質及び金属硫化物標識物質を使用したイムノクロマトストリップに検体を滴下し展開させた後、前記の銀を含む増幅液を用いて増感する場合、前記標識物質と前記増幅液を接触させる必要がある。この時イムノクロマトストリップの検出ライン以外に存在する前記標識物質のシグナルも増幅させてしまい、非特異的増幅が生じる場合がある。この問題は、検出ラインに直接、もしくは検出ラインごく近傍に増幅液を接触させることで、解決することができる。
本発明において、第一の展開液は被験試料など検出すべき物質が含まれている溶液、第二の展開液は増幅液、酵素基質など、標識物質のシグナルを増強させる物質を含む溶液、または洗浄のための液、または増幅のために必要な成分の一部を含む溶液とする。
第一の展開部材、及び第二の展開部材は、展開液を毛細管力により流すことのできる部材であればなんでもよく、多孔性の薄膜、繊維、または微細な溝による流路を持つポリマーやガラスでできた部材、などを用いることができる。多孔性の薄膜、繊維としては、ニトロセルロース膜、セルロース膜、アセチルセルロース膜、ポリスルホン膜、ポリエーテルスルホン膜、ナイロン膜、ガラス繊維、不織布、布、または糸等が好ましい。
図1において、第一の展開液を展開させる展開部材a1と第二の展開液を展開させる展開部材a2の上流にそれぞれの液を添加するが、展開部材a1とa2のそれぞれの下流には吸水部位a3、a4を設置する。展開部材a1とa2は互いに交差しており、それぞれの展開部材の接地面はそれぞれの展開液の展開面が重なり合うようにする。こうすることにより、各展開部材間での展開液の移動が可能となる。同様の構成となっていれば、図1の下図のように展開部材が微細な溝による流路を持つポリマーやガラスでできた部材であってもよい。
また、第一の展開液を展開させる展開部材b1と第二の展開液を展開させる展開部材b2の成す角が、それぞれの展開方向に対して、例えば図2のように45度でも可能である。この場合にも展開部材b1とb2のそれぞれの下流には吸水部位b3、b4を設置する。展開部材b1とb2は互いに交差しており、それぞれの展開部材の接地面はそれぞれの展開液の展開面が重なり合うようにする。
同様にして、第一の展開液を展開させる展開部材c1と第二の展開液を展開させる展開部材c2の成す角が、それぞれの展開方向に対して、例えば図3のように170度でも可能である。また、この場合も同様に、展開部材c1とc2のそれぞれの下流には吸水部位c3、c4を設置する。展開部材c1とc2は互いに交差しており、それぞれの展開部材の接地面はそれぞれの展開液の展開面が重なり合うようにする。第一の展開液を展開させる展開部材と第二の展開液を展開させる展開部材の成す角は、それぞれの展開方向に対して45度から170度までの間なら、何度でも可能である。
第一の展開液を展開させる展開部材d1と第二の展開液を展開させる展開部材に関して、それぞれの部材は2つ以上の部材に分離していても良い。例えば図4のように、一体型の展開部材d1と吸水部位d3に対し、第二の展開液を展開させる展開部材が第二の展開液を展開する部位を含む部材d2と第二の展開液の吸水部位d5を含む部材d4に分かれていてもよい。また、この場合も第一の展開液を展開させる展開部材と第二の展開液を展開させる展開部材の成す角は、それぞれの展開方向に対して45度から170度までの間なら、何度でも可能である。
吸水部位d3は、第一の展開液の量に応じて、または展開速度の調節するために、その体積や材質、形状を変えることで最適に調整することができる。材質としては、セルロ−ス濾紙、不織布、布、セルロースアセテート、など、吸水性材料であれば何でも用いることができる。ポリアクリル酸ナトリウム系の化合物のようないわゆる吸水性の高分子を用いてもよい。
また、吸水部位d3および第二の展開液の吸水部位d5とは、同じものであっても、それぞれの展開を最適にするために異なる材質・形状・体積であるものを用いても構わない。
また、本特許では、イムノクロマトキットに適用することも可能である。例えば、図5のように、検体を展開させるイムノクロマトストリップe1と増幅液を展開させる増幅液展開用ストリップe2を、それぞれ展開液が流れる面を重ね合わせるように交差させるキットを提供する。まず、検体を試料添加パッドe3に滴下すると、標識化合物保持パッドe4に展開することで標識化合物が流出し、標識化合物と検出物存在する場合には複合体を形成する。そして、その複合体がクロマトグラフ担体e5を展開し、被験物質に対する第二の結合物質または該被験物質の類似部位を持つ化合物を保持する検出部位e6で捕捉される。この液の展開は、吸水部位e7で吸水されることで継続的に行われる。次に、増幅液を増幅液展開用ストリップe2の増幅液添加パッドe8に添加すると、増幅液展開担体e9を展開し、ストリップe2と交差する部位で増幅液が検出部位e6にも展開することで、捕捉された標識増幅され検出される。この増幅液の展開は、ストリップe2の吸水部位e10で吸水が行われることにより、継続的に行われる。
吸水部位e7の体積は、第一の展開液を十分に展開させうるために、1〜100000mm3となっていることが好ましい。さらに好ましくは、1〜1000mm3である。吸水部位の体積は、吸水させたい展開液の液量及び展開させたい時間、展開させたい流速によって決まるが、本発明においては、第一の展開液の展開がある程度終了した後に第二の展開液を展開させる必要があるので、第一の展開液の液量が通常10〜500mm3程度であるので、その液量の1/10から2倍程度までが好ましいと考えられる。
また、吸水部位e10の体積は、第二の展開液を十分に展開させうるために、1〜100000mm3となっていることが好ましい。この際の吸水部位の体積とは、吸水部位の各辺を測長し、そこから求めた体積である。
吸水部位e10と吸水部位e7との体積比(e10体積)/(e7体積)は、0.01から100となっていることが好ましい。さらに好ましくは、0.1から10となっていることが好ましい。吸水部位e10の体積が吸水部位e7の体積と比べて小さすぎると、吸水部位e7への液展開を完全には終了させることは困難なので、吸水部位e10への液の展開をさせようとした際に、どうしてもe7方向への展開が多くなってしまい、意図する方向への液展開をおこなうことができない。吸水部位e10の体積が吸水部位e7の体積と比べて大きすぎると、一旦e7へ吸水させた成分が吸水部e10方向へと逆流展開してしまうため、好ましくない。
吸水部の形状は長方形である場合を図示しているが、キットの小型化のために図5の下図のように長方形以外の形状にしてもよい。
本発明をイムノクロマトに適用する場合も、被験物質の展開方向と増幅液の展開方向とが45度から170度の間なら、何度でも可能である。
また、イムノクロマトキット、及びイムノクロマト方法に関する説明は、以下の通りである。
1. イムノクロマト
一般に、イムノクロマトグラフ方法とは以下のような手法で被分析物を簡便・迅速・特異的に判定・測定する手法である。すなわち、被分析物と結合可能な固定化試薬(抗体、抗原等)を含む少なくとも1つの反応部位を有するクロマトグラフ担体を固定相として用いる。このクロマトグラフ担体上で、分析対象物結合可能な試薬によって修飾された検出用標識物が分散されてなる分散液を移動層として前記クロマトグラフ担体中をクロマトグラフ的に移動させると共に、前記分析対象物と検出用標識物とが特異的に結合しながら、前記反応部位まで到達する。前記反応部位において、前記分析対象物と検出用標識物の複合体が前記固定化試薬に特異的結合することにより、被分析液中に分析対象物が存在する場合にのみ、前記固定化試薬部に検出用標識物が濃縮されることを利用し、それらを目視または適当な機器を用いて被分析液中に被験出物が存在することを定性および定量的に分析する手法である。
本発明におけるイムノクロマトグラフ方法を行う装置は、銀を含む化合物及び銀イオンのための還元剤を内蔵していてもよく、前記固定化試薬に結合した前記分析対象物と検出用標識物の複合体を核として増幅反応によって、シグナルを増幅し、結果として高感度化を達成することができる。本発明によれば、迅速な高感度イムノクロマトグラフを行うことができる。
1.被験試料
本発明のイムノクロマトグラフ方法で分析することのできる被験試料としては、分析対象物を含む可能性のある試料である限り、特に限定されるものではなく、例えば、生物学的試料、特には動物(特にヒト)の体液(例えば、血液、血清、血漿、髄液、涙液、汗、尿、膿、鼻水、又は喀痰)若しくは排泄物(例えば、糞便)、臓器、組織、粘膜や皮膚、それらを含むと考えられる搾過検体(スワブ)、うがい液、又は動植物それ自体若しくはそれらの乾燥体を挙げることができる。
2.被験試料の前処理
本発明のイムノクロマトグラフ方法では、前記被験試料をそのままで、あるいは、前記被験試料を適当な抽出用溶媒を用いて抽出して得られる抽出液の形で、更には、前記抽出液を適当な希釈剤で希釈して得られる希釈液の形、若しくは前記抽出液を適当な方法で濃縮した形で、用いることができる。前記抽出用溶媒としては、通常の免疫学的分析法で用いられる溶媒(例えば、水、生理食塩液、又は緩衝液等)、あるいは、前記溶媒で希釈することにより直接抗原抗体反応を実施することができる水混和性有機溶媒を用いることもできる。
4.キット構成
本発明のイムノクロマトキットは、検体の有無を検出するイムノクロマトグラフストリップと増幅液添加用パットと吸水用パットとから構成される。また、増幅液添加用パットと吸水用パットは、別々の部材でもよく、また一体型の部材でもよい。イムノクロマトグラフ用ストリップと増幅液添加用パットと吸水用パットの接地は、基本的には互いにメンブレン部分を合わせて重ねているだけであるが、圧力をかけた方法、テープなどで固定する方法、接着剤を用いる方法など、この記載に限定されない。イムノクロマトグラフ用ストリップとしては、通常のイムノクロマトグラフ法に用いることができるイムノクロマトグラフ用ストリップである限り、特に限定されるものではない。例えば、図6に模式的に従来のイムノクロマトグラフ用ストリップの平面図を模式的に示す。図7に図6で示されたイムノクロマトグラフキットの縦断面を模式的に示す縦断面図である。
本発明のイムノクロマトグラフ用ストリップ10は、展開方向(図6において矢印Aで
示す方向)の上流から下流に向かって、試料添加パッド5、標識化物質保持パッド(例えば金コロイド抗体保持パッド)2、クロマトグラフ担体(例えば抗体固定化メンブレン)3、及び吸収パッド4がこの順に、粘着シート5上に配置されている。
前記クロマトグラフ担体3は、補足部位3aを有し、分析対象物と特異的に結合する抗体又は抗原を固定化した領域である検出ゾーン(検出部と記載することもある)31を有し、所望により、コントロール用抗体又は抗原を固定化した領域であるコントロールゾーン(コントロール部と記載することもある)32を更に有する。
前記標識化物質保持パッド2は、標識化物質を含む懸濁液を調製し、その懸濁液を適当な吸収パッド(例えば、グラスファイバーパット)に塗布した後、それを乾燥することにより調製することができる。
前記試料添加パッド1としては、例えばグラスファイバーパットを用いることができる。
また、増幅液展開用ストリップは、イムノクロマトグラフ用ストリップと同様の構成であり、イムノクロマトグラフ用ストリップとの違いは金コロイドと抗体を使用しないで作製されただけである。ただし、増幅液展開用のストリップは、さらに構成を単純にすることも可能であり、その構成は前の記載に限定されない。
4−1.検出用標識物
検出用標識物は、免疫凝集反応に用いられている着色粒子を使用することができる。例えば、金属コロイドのような金属等を用いることができる。担体粒子(又はコロイド)の平均粒径は、0.02〜10μmの範囲が好ましい。色素を含有したリポゾ−ムやマイクロカプセル等も着色粒子として使用することができる。従来公知の着色金属コロイドはいずれも標識用着色粒子として使用することができる。例えば、金コロイド、銀コロイド、白金コロイド、鉄コロイド、水酸化アルミニウムコロイド、およびこれらの複合コロイドなどが挙げられ、好ましくは、金コロイド、銀コロイド、白金コロイド、およびこれらの複合コロイドである。特に、金コロイドと銀コロイドが適当な粒径において、金コロイドは赤色、銀コロイドは黄色を示す点で好ましい。金属コロイドの平均粒径としては、約1〜500nmが好ましく、特に強い色調が得られる5〜100nmがさらに好ましい。
金属コロイドと結合物質との結合は、従来公知の方法(例えばThe Journal of Histochemistry and Cytochemistry,Vol.30,No.7,pp691−696,(1982))に従い、行うことができる。すなわち、金属コロイドと特異結合物質(例えば抗体)を適当な緩衝液中で室温下5分以上混合する。反応後、遠心分離により得た沈殿を、ポリエチレングリコ−ル等の分散剤を含む溶液中に分散させることにより、目的の金属コロイド標識結合物質を得ることができる。金属コロイドとして金コロイド粒子を用いる場合には、市販のものを用いてもよい。あるいは、常法、例えば塩化金酸をクエン酸ナトリウムで還元する方法(Nature Phys. Sci.,vol.241,20,(1973)等)により金コロイド粒子を調製することができる。
本発明によれば、検出用標識物として金属コロイド標識又は金属硫化物標識、その他金属合金標識(以下、金属系標識と称することがある)、また金属を含むポリマー粒子標識を用いるイムノクロマトグラフにおいて、前記金属系標識の信号を増幅させることができる。具体的には、前記分析対象物と検出用標識物の複合体の形成後に、有機銀塩などの銀を含む化合物から供給される銀イオンおよび銀イオンのために還元剤を接触させ、還元剤によって銀イオンを還元して銀粒子を生成させると、その銀粒子が前記金属系標識を核として前記金属系標識上に沈着するので、前記金属系標識が増幅され、分析対象物の分析を高感度に実施することができる。従って、本発明のイムノクロマトグラフ方法においては、還元剤による銀イオンの還元作用により生じた銀粒子を用いて、免疫複合体の標識に沈着させる反応を実施し、こうして増幅された信号を分析することを除けば、それ以外の点では従来公知のイムノクロマトグラフ法をそのまま適用することができる。
本発明のイムノクロマトグラフ方法では、分析対象物(抗原又は抗体)と特異的に結合する抗体若しくは抗原、又は標準化合物を標識するのに用いる標識として、金属コロイド標識又は金属硫化物標識を用いる。前記金属コロイド標識又は金属硫化物標識としては、通常のイムノクロマトグラフ方法に用いることができる標識である限り、特に限定されるものではなく、金属コロイド標識としては、例えば、白金コロイド、金コロイド、パラジウムコロイド、又は銀コロイドそして、それらの混合物を挙げることができ、金属硫化物標識としては、例えば、鉄、銀、パラジウム、鉛、銅、カドミウム、ビスマス、アンチモン、錫、又は水銀の各硫化物を挙げることができる。本発明のイムノクロマトグラフ方法においては、これらの金属コロイド標識及び/又は金属硫化物標識の1又はそれ以上を標識として用いることができる。
4−2.結合物質
本発明では、標識物質は、被験物質に対する第一の結合物質で修飾されている。第一の結合物質とは、例えば該被験物質(抗原)に対する抗体、該被験物質(抗体)に対する抗原、該被験物質(たんぱく質、低分子化合物等)に対するアプタマーなど、該被験物質に対して親和性を持つ化合物であればなんでもよい。
本発明では、多孔性担体は、(a)被験物質に対する第二の結合物質、又は(b)第一の結合物質への結合性を有する物質を有している。 該被験物質に対する第二の結合物質とは、例えば該被験物質(抗原)に対する抗体、該被験物質(抗体)に対する抗原、該被験物質(たんぱく質、低分子化合物等)に対するアプタマーなど、該被験物質に対して親和性を持つ化合物であればなんでもよい。また、第二の結合物質と第一の結合物質とは異なるものでも良いし、同一のものでもよい。
被験物質に対する第一の結合物質への結合性を有する物質とは、被験物質そのものでも良いし、第一の結合物質が認識する部位を持つ化合物でもよく、たとえば被験物質の誘導体とタンパク質(例えばBSAなど)とを結合させたような化合物などがそれにあたる。
好ましくは、第一の結合物質が抗体であり、及び/または第二の結合物質が抗体である。
本発明のイムノクロマトグラフ方法においては、分析対象物に対して特異性を有する抗体として、特に限定されるものではないが、例えば、その分析対象物によって免疫された動物の血清から調製する抗血清、抗血清から精製された免疫グロブリン画分、その分析対象物によって免疫された動物の脾臓細胞を用いる細胞融合によって得られるモノクローナル抗体、あるいは、それらの断片[例えば、F(ab’)2、Fab、Fab’、又はFv]を用いることができる。これらの抗体の調製は、常法により行なうことができる。
断片化抗体は、その動物種やサブクラス等によらず使用できる。例えば、本発明に用いることが可能な抗体は、マウスIgG、マウスIgM、ラットIgG、ラットIgM、ウサギIgG、ウサギIgM、ヤギIgG、ヤギIgM、ヒツジIgG、ヒツジIgM等であり、ポリクローナルもしくはモノクローナルの両方に適用可能である。断片化抗体は、少なくとも1つの抗原結合部位を持つ、完全型抗体から導かれた分子であり、具体的にはFab、F(ab')2等である。これらの断片化抗体は、酵素あるいは化学的処理によって、もしくは遺伝子工学的手法を用いて得られる分子である。
4−3.クロマトグラフ担体
クロマトグラフ担体としては、多孔性担体が好ましい。特に、ニトロセルロース膜、セルロース膜、アセチルセルロース膜、ポリスルホン膜、ポリエーテルスルホン膜、ナイロン膜、ガラス繊維、不織布、布、または糸等が好ましい。
通常クロマトグラフ担体の一部に検出用物質を固定化させて検出ゾーンを作製する。検出用物質は、検出用物質をクロマトグラフ担体の一部に物理的または化学的結合により直接固定化させてもいいし、検出用物質をラテックス粒子などの微粒子に物理的または化学的に結合させ、この微粒子をクロマトグラフ担体の一部にトラップさせて固定化させてもいい。また、この検出用物質は、1種類の担体に2種類以上固定化することも可能である。なお、クロマトグラフ担体は、検出用物質を固定化後、不活性蛋白による処理等により非特異的吸着防止処理をして用いるのが好ましい。
4−4.試料添加パッド
試料添加パッドの材質は、セルロース濾紙、ガラス繊維、ポリウレタン、ポリアセテート、酢酸セルロース、ナイロン、及び綿布等の均一な特性を有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。試料添加部は、添加された分析対象物を含む試料を受入れるだけでなく、試料中の不溶物粒子等を濾過する機能をも兼ねる。また、分析の際、試料中の分析対象物が試料添加部の材質に非特異的に吸着し、分析の精度を低下させることを防止するため、試料添加部を構成する材質は、予め非特異的吸着防止処理して用いることもある。
4−5.標識化物質保持パッド
標識化物質保持パッドの素材としては、例えば、セルロース濾紙、グラスファイバー、及び不織布等が挙げられ、前述のように調製した検出用標識物を一定量含浸し、乾燥させて作製する。
4−6.吸収パッド
吸収パッドは、添加された試料がクロマト移動により物理的に吸収されると共に、クロマトグラフ担体の検出部に不溶化されない未反応標識物質等を吸収除去する部位であり、セルロ−ス濾紙、不織布、布、セルロースアセテート等吸水性材料が用いられる。添加された試料のクロマト先端部が吸収部に届いてからのクロマトの速度は、吸収材の材質、大きさなどにより異なるので、その選定により分析対象物の測定に合った速度を設定することができる。
5.免疫検査の方法
以下、本発明のクロマトグラフ方法について、その具体的な実施態様であるサンドイッチ法及び競合法について説明する。
(サンドイッチ法)
サンドイッチ法では、特に限定されるものではないが、例えば、以下の手順により被験物質の分析を実施することができる。まず、被験物質(抗原)に対して特異性を有する第1抗体及び第2抗体を、先に述べた方法により予め調製しておく。また、第1抗体を、予め標識化しておく。第2抗体を、適当な第一の不溶性担体(例えば、ニトロセルロ−ス膜、ガラス繊維膜、ナイロン膜、又はセルロ−ス膜等)上に固定し、被験物質(抗原)を含む可能性のある被験試料(又はその抽出液)と接触させると、その被験試料中に被験物質が存在する場合には、抗原抗体反応が起きる。この抗原抗体反応は、通常の抗原抗体反応と同様に行なうことができる。前記抗原抗体反応と同時又は反応後に、過剰量の標識化第1抗体を更に接触させると、被験試料中に被験物質が存在する場合には、固定化第2抗体と被験物質(抗原)と標識化第1抗体とからなる免疫複合体が形成される。
サンドイッチ法では、固定化第2抗体と被験物質(抗原)と第1抗体との反応が終了した後、前記免疫複合体を形成しなかった標識化第1抗体を除去し、続いて、例えば、第一の不溶性担体における固定化第2抗体を固定した領域をそのまま観察しその標識物を検出、または定量し、被験試料中の被験物質の有無判定または量を測定することができる。また、金属イオン及び還元剤を供給することにより、前記免疫複合体を形成した標識化第1抗体の標識からの信号を増幅し検出することもできる。
(競合法)
競合法では、特に限定されるものではないが、例えば、以下の手順により被験物質の分析を実施することができる。競合法は、サンドイッチ法でアッセイすることができない低分子化合物の抗原を検出する手法として知られている。
まず、被験物質(抗原)に対して特異性を有する第1抗体を予め調製しておく。また、第1抗体を、予め金属コロイドなどで標識化しておく。第一抗体に対して結合性を有する、被験物質そのもの、または被験物質と類似な部位を持ち被験物質と同様の第一抗体に対するエピトープを持つ化合物を、適当な第一の不溶性担体(例えば、ニトロセルロ−ス膜、ガラス繊維膜、ナイロン膜、又はセルロ−ス膜等)上に固定しておく。被験物質(抗原)を含む可能性のある被験試料(又はその抽出液)と接触させると、その被験試料中に被験物質が存在しない場合には、標識化された第一抗体と、第一抗体に対して結合性を有する、被験物質そのもの、または被験物質と同様の第一抗体に対するエピトープを持つ化合物とにより、第一の不溶性担体上の抗原抗体反応が起きる。一方、被験物質が存在する場合には、標識された第1抗体に被験物質(抗原)が結合するため、その後の第一抗体に対して結合性を有する、被験物質そのもの、または被験物質と類似な部位を持ち被験物質と同様の第一抗体に対するエピトープを持つ化合物との、第一の不溶性担体上の抗原抗体反応が阻害され、抗原抗体反応による結合が起こらない。
第一抗体に対して結合性を有する固定化物と標識化された第1抗体との反応が終了した後、前記免疫複合体を形成しなかった標識化第1抗体を除去し、続いて、例えば、第一の不溶性担体における第一抗体に対して結合性を有する物質をそのまま観察しその標識物量を検出、または定量し、被験試料中の被験物質の有無判定または量を測定することができる。固定した領域に、金属イオン及び還元剤を供給することにより、前記免疫複合体を形成した標識化第1抗体の標識からの信号を増幅して検出することもできる。
6.増幅液
本発明において、使用することのできる増幅液とは、写真化学の分野での一般書物(例えば、「改訂写真工学の基礎-銀塩写真編-」(日本写真学会編、コロナ社)、「写真の化学」(笹井明、写真工業出版社)、「最新処方ハンドブック」(菊池真一他、アミコ出版社))に記載されているような、いわゆる現像液のことである。
本発明では、液中に銀イオンを含み、液中の銀イオンが現像の核となるような金属コロイド等を中心に還元される、いわゆる物理現像液であれば、どんなものでも増幅液として用いることができる。
7.銀を含む化合物
本発明で用いる銀含有化合物としては、有機銀塩、無機銀塩、もしくは銀錯体を用いることができる。
本発明に用いられる有機銀塩は、還元可能な銀イオンを含む有機化合物である。本発明で用いられる、還元可能な銀イオンを含む化合物としては、有機銀塩、無機銀塩、もしくは銀錯体など何でも良い。例えば、硝酸銀、酢酸銀、乳酸銀、酪酸銀などが知られている。
また還元剤の存在下で50℃以上まで加熱されると、光に比較的に安定な金属銀を形成する銀塩または配位化合物であってもよい。
本発明に用いられる有機銀塩は、アゾ−ル化合物の銀塩およびメルカプト化合物の銀塩より選ばれる化合物がであってもよい。好ましくは、アゾ−ル化合物としては含窒素ヘテロ環化合物であり、より好ましくはトリアゾ−ル化合物およびテトラゾ−ル化合物である。メルカプト化合物は、メルカプト基またはチオン基を分子内に少なくとも1つ有する化合物である。
本発明における窒素含有ヘテロ環化合物の銀塩は、好ましくはイミノ基を有する化合物の銀塩である。代表的な化合物としては次にあげるものであるが、これらの化合物に限定されることはない。1,2,4−トリアゾ−ルの銀塩、又はベンゾトリアゾ−ルおよびその誘導体の銀塩(例えば、メチルベンゾトリアゾ−ル銀塩又は5−クロロベンゾトリアゾ−ル銀塩)、米国特許第4,220,709に記載されているフェニルメルカプトテトラゾ−ルのような1H−テトラゾ−ル化合物、米国特許第4,260,677に記載のイミダゾ−ルおよびイミダゾ−ル誘導体。この種の銀塩のうち、特に好ましい化合物はベンゾトリアゾ−ル誘導体の銀塩、又はこれらの2つ以上の混合物である。
本発明に用いられる窒素含有ヘテロ環化合物の銀塩として最も好ましくは、ベンゾトリアゾ−ル誘導体の銀塩である。
本発明におけるメルカプト基またはチオン基を持つ化合物は、好ましくは5つまたは6つの原子を含むヘテロ環化合物である。この場合に環中の原子の少なくとも1つは窒素原子であり、その他の原子は炭素、酸素、硫黄原子である。このようなヘテロ環化合物としてはトリアゾ−ル類オキサゾ−ル類、チアゾ−ル類、チアゾリン類、イミダゾ−ル類、ジアゾ−ル類、ピリジン類、およびトリアジン類が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
メルカプト基またはチオン基を持つ化合物の銀塩のうち代表的な化合物を以下に挙げるが、これらに限定されるわけではない。
3−メルカプト−4−フェニル−1,2,4−トリアゾ−ルの銀塩、2−メルカプト−ベンズイミダゾ−ルの銀塩、2−メルカプト−5−アミノチアゾ−ルの銀塩、メルカプトトリアジンの銀塩、2−メルカプトベンゾオキサゾ−ルの銀塩、および米国特許第4,123,274記載の化合物の銀塩。
本発明におけるメルカプト基またはチオン基を持つ化合物としては、ヘテロ環を含まない化合物を用いることも出来る。ヘテロ環を含まないメルカプトまたはチオン誘導体としては、総炭素数が10以上の脂肪族または芳香族炭化水素化合物が好ましい。
ヘテロ環を含まないメルカプトまたはチオン誘導体のうち有用な化合物としては以下に挙げるものがあるが、これらに制限されるわけではない。
チオグリコ−ル酸銀塩(例えば炭素原子数12から22までのアルキル基を持つS−アルキルチオグリコ−ル酸の銀塩)、ジチオカルボン酸の銀塩(たとえばジチオ酢酸の銀塩又はチオアミドの銀塩)
カルボン酸の銀塩を持つ有機化合物もまた好ましく用いられる。例えば、直鎖のカルボン酸である。具体的には、C数6〜22のカルボン酸が好ましく用いられる。加えて芳香族カルボン酸の銀塩である。芳香族カルボン酸とその他のカルボン酸の例として、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されることはない。
置換または無置換の安息香酸銀(例えば3,5−ジヒドロキシ安息香酸銀、o−メチル安息香酸銀、m−メチル安息香酸銀、p−メチル安息香酸銀、2,4−ジクロロ安息香酸銀、アセタミド安息香酸銀、およびp−フェニル安息香酸銀)、タンニン酸銀、フタル酸銀、テレフタル酸銀、サリチル酸銀、フェニル酢酸銀、又はピロメリット酸銀。
本発明においては米国特許第3,330,663に記載されたようなチオエ−テル基を含む脂肪酸銀もまた好ましく用いられる。エ−テルまたはチオエ−テル結合を含む炭化水素鎖を有するか、α−位(炭化水素基の上)またはオルト位(芳香族基の上)に立体的に遮蔽された置換基を有する可溶性のカルボン酸銀も用いることができる。これらは、塗布溶媒中で溶解性が向上し、光散乱が少ない塗布物になる。
そのような銀のカルボン酸塩は、米国特許第5,491,059に記載されている。ここで記載されている銀塩の混合物はどれでも、本発明においては必要に応じて使うことができる。
米国特許第4,504,575に記載のスルホン酸塩の銀塩もまた、本発明の態様においては使用することが出来る。
さらに、本発明においては例えば米国特許第4,761,361と米国特許第4,775,613に記載のアセチレンの銀塩も使用することが出来る。米国特許第6,355,408に記載のコア−シェル型銀塩として提供されることもできる。これらの銀塩は、一つ以上の銀塩から成るコアと一つ以上の異なる銀塩からなるシェルで構成される。
本発明中において、非感光性銀源としてもう一つ有用なものは米国特許6472131に記載の2つの異なった銀塩から構成される銀の二量体合成物である。そのような非感光性の銀の二量体合成物は2つの異なる銀塩から成る。前記二種の銀塩が直鎖の飽和炭化水素基を銀の配位子として含む場合にはそれら配位子の炭素原子数の差が6以上である。
有機銀塩は、銀として一般に0.001モル/m2〜0.2モル/m2、好ましくは0.001モル/m2〜0.05モル/m2含有される。
本発明に用いられる無機銀塩、もしくは銀錯体は、還元可能な銀イオンを含む化合物である。好ましくは、還元剤の存在下で50℃以上まで加熱されると、光に比較的に安定な金属銀を形成する無機銀塩、もしくは銀錯体である。
本発明に用いられる無機銀塩は、例えば、ハロゲン化銀(塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、ヨウ化銀、塩ヨウ化銀、塩ヨウ臭化銀、およびヨウ臭化銀等)、チオ硫酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩等)の銀塩、チオシアン酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩等)の銀塩、および亜硫酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩等)の銀塩等が挙げられる。
本発明に用いられる無機銀塩は、好ましくはハロゲン化銀、硝酸銀である。
本発明に用いられるハロゲン化銀の粒子形成方法は、写真業界でよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、及び米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物(例えば、硝酸銀)及びハロゲン供給化合物を添加することにより調製される。
ハロゲン化銀の粒子サイズは、検査ノイズを小さくする上で微細であることが好ましく、具体的には0.20μm以下、より好ましくは0.10μm以下、更に好ましくはナノ粒子の範囲がよい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の投影面積(平板粒子の場合は主平面の投影面積)と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
チオ硫酸銀、チオシアン酸銀、および亜硫酸銀等もハロゲン化銀と同様の粒子形成方法により銀供給化合物(例えば、硝酸銀)及びチオ硫酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩等)の銀塩、チオシアン酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩等)の銀塩、および亜硫酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩等)を混合することにより調製される。
また、一般に増幅液中の銀イオン濃度が高すぎると、増幅液中で銀イオンが還元されてしまうので、それを防ぐ為に錯化剤を用いて銀イオンが錯体を形成するようにしてもよい。このような錯化剤としては、グリシン、ヒスチジンのようなアミノ酸及び複素環式塩基や、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ピラゾール、プリン、ピリジン、アミノピリジン、ニコチンアミド、キノリン、その他類似の芳香族複素環式系が知られており、例えばヨーロッパ特許第0293947号中に記載されている。また、錯塩形成剤としては、チオ硫酸塩やチオシアン酸塩なども用いることができる。本発明に用いられる銀錯体の具体例としては、例えば、チオ硫酸塩と銀イオンの錯体、チオシアン酸塩と銀イオンの錯体、またはこれらの複合銀錯体、および、シュガーチオン誘導体と銀イオンの錯体、環状イミド化合物(例えば、ウラシル、ウラゾール、5−メチルウラシル、バルビツール酸など)と銀イオンの錯体、1,1−ビススルホニルアルカン類と銀イオンの錯体である。本発明に用いられる好ましい銀錯体は、環状イミド化合物(例えば、ウラシル、ウラゾール、5−メチルウラシル、バルビツール酸など)と銀イオンの錯体である。
本発明に用いられる銀錯体は、通常知られている塩形成反応により調製することができる。例えば、水もしくは水混和性溶媒中で水溶性銀供給体(例えば、硝酸銀)と銀錯体に対応する配位子化合物とを混合することにより調製される。調製された銀錯体は、透析法もしくは限外濾過法などの公知の脱塩方法により副成する塩類を除去して用いることが出来る。
無機銀塩、もしくは銀錯体は、銀として一般に0.001モル/m2〜0.2モル/m2、好ましくは0.01モル/m2〜0.05モル/m2含有される。
また、無機銀塩または銀錯体を使用する場合は、無機銀塩もしくは銀錯体の溶剤を含有することが好ましい。本発明に用いられる溶剤としては、上記の銀錯体の項で説明した銀錯体を形成する配位子として用いられる化合物が好ましく用いられる。例えば、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、シュガーチオン誘導体、環状イミド化合物、および1,1−ビススルホニルアルカン類糖である。本発明に用いられる溶剤として、より好ましくは、ウラシル、ウラゾール、5−メチルウラシル、バルビツール酸などの環状イミド化合物である。本発明に用いられる溶剤は、銀イオンに対してモル比で0.1モル〜10モルの範囲で好ましく用いられる。
8.銀イオンのための還元剤
銀イオンのための還元剤は、銀(I)イオンを銀に還元することができる無機・有機のいかなる材料、またはその混合物でも用いることができる。
無機還元剤としては、Fe2+、V2+、Ti3+、などの金属イオンで原子価の変化し得る還元
性金属塩、還元性金属錯塩が知られており、本発明に用いることができる。無機還元剤を用いる際には、酸化されたイオンを錯形成するか還元して、除去するか無害化する必要がある。例えば、Fe+2を還元剤として用いる系では、クエン酸やEDTAを用いて酸化物であるFe3+の錯体を形成し、無害化することができる。
本系ではこのような無機還元剤を用いることが好ましく、より好ましくはFe2+の金属塩が好ましい。
また、湿式のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる現像主薬(例えばメチル没食子酸塩、ヒドロキノン、置換ヒドロキノン、3−ピラゾリドン類、p−アミノフェノール類、p−フェニレンジアミン類、ヒンダードフェノール類、アミドキシム類、アジン類、カテコール類、ピロガロール類、アスコルビン酸(またはその誘導体)、およびロイコ色素類)、および本分野での技術に熟練しているものにとって明らかなその他の材料は、たとえば米国特許第6,020,117号(バウアーほか)で記述されるように、本発明において用いることができる。
「アスコルビン酸還元剤」はアスコルビン酸、その誘導体との複合体を意味する。アスコルビン酸還元剤は下記のように多くの文献において記載されており、例えば米国特許第5,236,816号(Purolほか)とその中で引用されている文献が挙げられる。
本発明における還元剤として、アスコルビン酸還元剤が好ましい。有用なアスコルビン酸還元剤は、アスコルビン酸と類似物、異性体とその誘導体を含む。そのような化合物は以下にあげるものであるが、これらに限定されるわけではない。
D−またはL−アスコルビン酸とその糖誘導体(例えばγ−ラクトアスコルビン酸、グルコアスコルビン酸、フコアスコルビン酸、グルコヘプトアスコルビン酸、マルトアスコルビン酸)、アスコルビン酸のナトリウム塩、アスコルビン酸のカリウム塩、イソアスコルビン酸(またはL−エリスロアスコルビン酸)、その塩(例えばアルカリ金属塩、アンモニウム塩または当技術分野において知られている塩)、エンジオールタイプのアスコルビン酸、エナミノールタイプのアスコルビン酸、チオエノ−ルタイプのアスコルビン酸)、たとえば米国特許第5,498,511、EP−A−0585,792、EP−A−0573700、EP−A−0588408、米国特許第5,089,819、米国特許第5,278,035、米国特許第5,384,232、米国特許第5,376,510、JP7−56286、米国特許第2,688,549、およびReseach Disclosure37152(1995年3月)に記載されているような化合物。
これらの化合物のうち、好ましくは、D、LまたはD,L−アスコルビン酸(そして、そのアルカリ金属塩)若しくはイソアスコルビン酸(またはそのアルカリ金属塩)であり、ナトリウム塩が好ましい塩である。必要に応じてこれらの還元剤の混合物を用いることができる。
ヒンダードフェノール類も単独で、または一つ以上の硬調化還元剤とコントラスト強化剤と組み合わせて好ましく用いられる。
ヒンダードフェノールは、ベンゼン環上に一つだけの水酸基を有し、少なくとも一つの置換基を水酸基に対してオルト位に有する化合物である。ヒンダードフェノール還元剤は複数の水酸基を別々のベンゼン環に持っていれば、複数の水酸基を有していて構わない。
ヒンダードフェノール還元剤は、たとえば、ビナフトール類(すなわちジヒドロキシビナフトール類)、ビフェノール類(すなわちジヒドロキシビフェノール類)、ビス(ヒドロキシナフチル)メタン類、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類(すなわちビスフェノール類)、ヒンダ−ドフェノール類、およびヒンダードナフトール類が挙げられ、これらは置換されていて構わない。
代表的なビナフトール類は以下に挙げられる化合物であるが、これらに制限されることはない。
1,1’−ビ−2−ナフトール、1,1’−ビ−4−メチル−2−ナフトール、および米国特許第3,094,417号と米国特許第5,262,295号に記載されている化合物。
代表的なビフェノール類は以下に挙げられる化合物であるが、これらに制限されることはない。
2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4−メチル−6−n−ヘキシルフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、および米国特許第5,262,295号に記載の化合物。
代表的なビス(ヒドロキシナフチル)メタン類は以下に挙げられる化合物であるが、これらに制限されることはない。
4,4’−メチレンビス(2−メチル−1−ナフト−ル)、米国特許第5,262,295号に記載の化合物。
代表的なビス(ヒドロキシフェニル)メタン類は以下に挙げられる化合物であるが、これらに制限されることはない。
ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン(CAO−5)、1,1’−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン(NONOXまたはPERMANAX WSO)、1,1’−ビス(3,5−di−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4’−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノ−ル)、2,2’−イソブチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェノ−ル)(LOWINOX 221B46)、2,2’−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、および米国特許第5,262,295号に記載の化合物。
代表的なヒンダードフェノールは以下に挙げられる化合物であるが、これらに制限されることはない。
2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジクロロフェノール、2,6−ジメチルフェノール、および2−t−ブチル−6−メチルフェノール。
代表的なヒンダードナフトールは以下に挙げられる化合物であるが、これらに制限されることはない。
1−ナフトール、4−メチル−1−ナフトール、4−メトキシ−1−ナフトール、4−クロロ−1−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、および米国特許第5,262,295号に記載の化合物。
その他、下記の化合物の還元剤として開示されている。
アミドキシム類(例えばフェニルアミドキシム)、2−チエニルアミドキシム、p−フェノキシフェニルアミドキシム、脂肪族カルボン酸アリルヒドラジドとアスコルビン酸の組み合わせ(例えば2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)−プロピオニル−β−フェニルヒドラジドとアスコルビン酸の組み合わせ)、ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミン、レダクトンおよびヒドラジンの少なくとも一方の組み合わせ(たとえばヒドロキノンとビス(エトキシエチル)ヒドロキシルアミンの組み合わせ)、ピペリジ−4−メチルフェニルヒドラジン、ヒドロキサム酸(例えばフェニルヒドロキサム酸、p−ヒドロキシフェニルヒドロキサム酸、およびo−アラニンヒドロキサム酸)、アジンとスルホンアミドフェノール類の組合せ(たとえばフェノチアジンと2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノール)、α−シアノフェニル酢酸誘導体(例えばエチル−α−シアノ−2−メチルフェニル酢酸、エチル−α−シアノフェニル酢酸)、ビス−o−ナフトール(例えば2,2’−ジヒドロキシ−1−ビナフチル、6,6’−ジブロモ−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル、ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタン)、
ビス−ナフト−ルと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体の組み合わせ(例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン)、5−ピラゾロン(例えば3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン)、レダクトン類(例えばジメチルアミノヘキソ−スレダクトン、アンヒドロジヒドロ−アミノヘキソ−スレダクトン、またはアンヒドロジヒドロ−ピペリドン−ヘキソースレダクトン)、インダン−1,3−ジオン類(例えば2−フェニルインダン−1,3−ジオン)、クロマン類(例えば2,2−ジメチル−7−t−ブチル−6−ヒドロキシクロマン)、1,4−ジヒドロキシピリジン類(例えば2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルベトキシ−1,4−ジヒドロピリジン)、アスコルビン酸誘導体(1−アスコルビン酸パルミテ−ト、アスコルビン酸ステアレ−ト)、不飽和アルデヒド(ケトン)、3−ピラゾリドン類。
本発明に用いることのできる還元剤として、米国特許第5,464,738に記載されるようなスルホニルヒドラジンを含む置換ヒドラジンがある。この他の有用な還元剤は、例えば、米国特許第3,074,809、米国特許第3,094,417、米国特許第3,080,254および米国特許第3,887,417に記載されている。米国特許第5,981,151に記載の補助還元剤もまた有用である。
還元剤として、ヒンダードフェノール還元剤とその他以下に挙げるような様々な補助還元剤から選ばれる化合物と組み合わせて用いられる場合もある。さらにコントラスト強化剤を加えた3成分の還元剤の混合物もまた有用である。補助還元剤としては米国特許第5,496,695に記載のトリチルヒドラジド、ホルミル−フェニルヒドラジドを用いることができる。
コントラスト強化剤を還元剤とともに用いることができる。コントラスト強化剤としては例えば、下記の化合物が有用であるが、これらに限定されるわけではない。
ヒドロキシルアミン(ヒドロキシルアミンとアルキルとアリ−ル置換誘導体を含む)、米国特許第5,545,505に記載のアルカノールアミンとフタル酸アンモニウム、米国特許第5,545,507に記載のヒドロキサム酸化合物、米国特許第5,558,983に記載のN−アシルヒドラジン化合物、米国特許第5,637,449に記載の水素原子ドナー化合物。
全ての還元剤と有機銀塩の組み合わせが等しく効果があるわけではない。好ましい組合せの一つは、有機銀塩としてベントリアゾ−ルの銀塩又はその置換化合物、又はその混合物と、還元剤としてアスコルビン酸型還元剤である。
本発明における還元剤は、有機銀中の銀に対して1質量%〜10質量%(乾燥質量)含まれる。多層構造において、還元剤が有機銀塩を含む層以外の層に加えられるならば、わずかに割合は高く、およそ2質量%〜15質量%がより望ましい。補助還元剤は、およそ0.001質量%〜1.5質量%(乾燥重)含まれる。
9.その他の助剤
増幅液のその他の助剤としては、緩衝剤、防腐剤、例えば酸化防止剤または有機安定剤、速度調節剤を含む場合がある。緩衝剤としては、例えば、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウムまたはこれらのどれかの塩、またはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを用いた緩衝剤、その他一般的化学実験に用いられる緩衝剤を用いることができる。これら緩衝剤を適宜用いて、その増幅液に最適なpHに調整することができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
(1)インフルエンザA型B型検出イムノクロマトキットの作成
(1-1)抗インフルエンザA型B型抗体修飾金コロイドの作成
(1-1-1)抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイドの作成
直径50 nm金コロイド溶液(EM.GC50、BBI社)9 mLに50 mM KH2PO4バッファー(pH 7.5)1mLを加えることでpHを調整した金コロイド溶液に、90 μg / mLの抗インフルエンザA型モノクローナル抗体(Anti-Influenza A SPTN-5 7307、Medix Biochemica社)溶液1 mLを加え攪拌した。10分間静置した後、1%ポリエチレングリコール(PEG Mw.20000、品番168-11285、和光純薬)水溶液を550 μL加え攪拌し、続いて10 %牛血清アルブミン(BSA FractionV、品番A-7906、SIGMA)水溶液を1.1 mL加え攪拌した。この溶液を8000×g、4 ℃、30分遠心(himacCF16RX、日立)した後、1 mL程度を残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散した。この後、20 mLの金コロイド保存液(20 mM Tris-HClバッファー(pH 8.2), 0.05 % PEG(Mw.20000), 150 mM NaCl, 1 % BSA, 0.1 % NaN3)に分散し、再び8000×g、4℃、30分間遠心した後、1 mL程度を残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散し、抗体修飾金コロイド(50 nm)溶液を得た。
(1-1-2)抗インフルエンザB型抗体修飾金コロイドの作成
直径50 nm金コロイド溶液(EM.GC50、BBI社)9 mLに50 mM KH2PO4バッファー(pH 8.0 )1mLを加えることでpHを調整した金コロイド溶液に、80 μg / mLの抗インフルエンザB型モノクローナル抗体(MONOTOPE aby Influenza B Virus (nuclear) Purified 1131、ViroStat, Inc.)溶液1 mLを加え攪拌した。10分間静置した後、1%ポリエチレングリコール(PEG Mw.20000、品番168-11285、和光純薬)水溶液を550 μL加え攪拌し、続いて10 %牛血清アルブミン(BSA FractionV、品番A-7906、SIGMA)水溶液を1.1 mL加え攪拌した。この溶液を8000×g、4 ℃、30分遠心(himacCF16RX、日立)した後、1 mL程度を残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散した。この後、20 mLの金コロイド保存液(20 mM Tris-HClバッファー(pH 8.2), 0.05 % PEG(Mw.20000), 150 mM NaCl, 1 % BSA, 0.1 % NaN3)に分散し、再び8000×g、4℃、30分間遠心した後、1 mL程度を残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散し、抗体修飾金コロイド(50 nm)溶液を得た。
(1-2)金コロイド抗体保持パットの作成
(1-1)で作成したインフルエンザA型、B型抗体修飾金コロイドを、1:1で混合し、金コロイド塗布液(20 mM Tris-Hclバッファー(pH 8.2), 0.05 % PEG(Mw.20000), 5 % スクロース)及び水により希釈し、520 nmのODが3.0となるように希釈した。この溶液を、8 mm×150 mmに切ったグラスファイバーパッド(Glass Fiber Conjugate Pad、ミリポア社)1枚あたり0.8 mLずつ均一に塗布し、一晩減圧乾燥し、金コロイド抗体保持パッドを得た。
(1-3)抗体固定化メンブレン(クロマトグラフ担体)の作成
25 mm×200 mmに切断したニトロセルロースメンブレン(プラスチックの裏打ちあり、HiFlow Plus HF120、ミリポア社)に関し以下のような方法により抗体を固定し抗体固定化メンブレンを作成した。メンブレンの長辺を下にし、下から7 mmの位置に、1.5 mg / mLとなるように調製した固定化用抗インフルエンザA型モノクローナル抗体(Anti-Influenza A SPTN-5 7307、Medix Biochemica社)溶液をインクジェット方式の塗布機(BioDot社)を用いて幅0.7mm程度のライン状に塗布した。同様に、下から10 mmの位置に、1.5 mg /mLとなるように調製した固定化用抗インフルエンザB型モノクローナル抗体(MONOTOPE a by Influenza B Virus (nuclear) Purified 1131、ViroStat, Inc.)溶液を幅0.7mm程度のライン状に塗布した。さらに同様に、下から13 mmの位置に、0.5 mg / mLとなるように調製したコントロール用抗マウスIgG抗体(抗マウスIgG(H+L),ウサギF(ab')2, 品番566-70621、和光純薬)溶液をライン状に塗布した。塗布したメンブレンは、温風式乾燥機で50℃、30分間乾燥した。ブロッキング液(0.5 w%カゼイン(乳由来、品番030-01505、和光純薬)含有50 mMホウ酸バッファー(pH 8.5))500 mLをバットに入れ、そのまま30分間静置した。その後、同様のバットに入れた洗浄・安定化液(0.5 w%スクロースおよび0.05 w%コール酸ナトリウムを含む50 mM Tris-HCl(pH 7.5)バッファー)500 mLに移して浸し、そのまま30分間静置した。メンブレンを液から取り出し、室温で一晩乾燥し、抗体固定化メンブレンとした。
(1-4)イムノクロマトグラフストリップの作製
バック粘着シート(ARcare9020、ニップンテクノクラスタ社)に、(1-3)で作成した
抗体固定化メンブレンを貼り付けた。その際メンブレン長辺側のうち、抗インフルエンザA型抗体ライン側を下側とする。抗体固定化メンブレンの下側に約2 mm重なるように2で作成した金コロイド抗体保持パッドを貼り付け、約4 mm重なるようにして金コロイド抗体保持パッド下側に試料添加パッド(18 mm×150 mmに切ったグラスファイバーパッド(Glass
Fiber Conjugate Pad、ミリポア社))を重ねて貼り付けた。さらに、抗体固定化メンブレンの上側には約5 mm重なるように吸収パッド(20 mm×150 mmに切ったセルロ−ス膜(Cellulose Fiber Sample Pad、ミリポア社、厚み0.8mm)、を重ねて貼り付けた。これら重ね張り合わせた部材(イムノクロマト本体部材)を、部材の長辺側を15 mm幅になるように短辺に平行にギロチン式カッター(CM4000、ニップンテクノクラスタ社)切断していくことで、15 mm×55 mmのイムノクロマト用ストリップを作成した。これらを試験用イムノクロマトキットとした。この際の吸収パットの体積は、240 mm3であった。
(1-5)異なる方向から増幅用イムノクロマトキットの作製
(1-4)で作成した試験用イムノクロマトグラフキットの2本の捕捉部位(TL)の間のエリアのうちストリップの両端から真ん中になる点を、増幅液添加用パットと吸水用パットとを結ぶ直線が通るようにし、この増幅液展開方向と検体液展開方向とのなす角が45、60、90、135、150,170度となるようにして、増幅液展開の上流端となる端に増幅液添加用パット(18 mm×8mmに切ったグラスファイバーパッド(Glass Fiber Conjugate Pad、ミリポア社)に13mm×8mmのバック粘着シート(ARcare9020、ニップンテクノクラスタ社)
を貼ったもの)をテーフ゜で貼り付け、下流端となる端に吸水用パット(100mm×8mmに切ったセルロースメンブレン(CF6、ワットマン社、厚み1.37mm、体積1096 mm3)に95mm×8mmに切ったバック粘着シート(ARcare9020、ニップンテクノクラスタ社)を貼ったもの)を貼り付けた。
(1-6)洗浄液
PBSバッファー(和光純薬)に1重量%のBSA(シグマ社)を溶解した1%BSA入りPBSバッファーを洗浄液とした。
(1-6)銀増幅液の作成
(1-6-1)増幅液Aの作成
(1-6-1-1)増幅液A-1の作成
水325gに、硝酸鉄(III)九水和物(和光純薬、095-00995)を水に溶解して作成した1mol/Lの硝酸鉄水溶液40mL、クエン酸(和光純薬、038-06925)10.5g、ドデシルアミン(和光純薬、123-00246)0.1g、界面活性剤C919-C64-O-(CH2CH2O)50H 0.44gを溶解させる。全て溶解したら、スターラーで攪拌しながら硝酸(10重量%,)を40mL加える。この溶液80mLを測りとり、硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物(和光純薬、091-00855)を11.76g加えこれを増幅液A-1とした。
(1-6-1-2)増幅液A-2の作成
硝酸銀溶液10mL(10gの硝酸銀を含む)に水を加えて全体量が100gとなるようにし、増幅液A-2(10重量%硝酸銀水溶液)を作成した。
(1-6-1-3)増幅液Aの作成
増幅液A-1 40mLを測りとり、増幅液A-2を4.25mL加え攪拌し、増幅液Aとした。
(2)評価
<比較例1>0度方向からの増幅
(2-1)抗原液の点着・展開
検体液として、クイックS-インフルA・B「生研」陰性/陽性コントロール(品番322968、デンカ生研)を使用した。1質量%BSAを含むPBSバッファーでこの陽性コントロール液を希釈し、市販イムノクロマト検出キット「キャピリアFluA・B」(アルフレッサファーマ)による検出限界はA型B型とも1/40であった。今回は1質量%BSAを含むPBSバッファーで、この陽性コントロールを希釈し、1/200に希釈し、これを検体液として用いた。
(1-4)で作成した試験用イムノクロマトグラフキットの試料添加パットに、検体液を300μL均一になるように滴下し、10分静置した。この際、今回の濃度では検出限界濃度(本キットの場合も同液1/40希釈液)以下であり、目視で検出ラインを確認することはできない。
なおこのメンブレンに、PBSバッファーを送液することによるバックグランドの洗浄を行い、この検出ライン部分を切り出し、王水により金を抽出した後、高分解能ICP質量分析装置 HR-ICP-MS(Element XR、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)で測定し、存在する金量を定量した。金コロイト゛粒子径を50 nmとして測定した金量から計算し、金コロイド個数を算出し、さらにメンブレン単位体積当りの金コロイド粒子数を求めたところ、870000個/mm3であった(3回の平均値)。
本実験において、洗浄時の洗浄液入れ物の形状に依存する液面の高さ、及びイムノクロマトグラフキットの試料添加パッドの形状・材質、実験環境(温度、湿度)、吸収パットの材質・厚み、吸収パットとニトロセルロースメンブレンとの接合、などは洗浄液の吸水スピード・量を変化させる要因であり、実験において、一定に保つことが必要である。この洗浄液の吸水スピード・量は、最終的な洗浄の効果(金微粒子の残存量の減少)を左右する要因である。今回の実験は、気温22±3℃、湿度50±15%にて行った。
(2-2)増幅液によるシグナル増幅、バックグランド評価
抗原液展開後、イムノクロマトストリップのパッド類を全てはずし、増幅液展開の上流端となる端に増幅液添加用パット(18 mm×8mmに切ったグラスファイバーパッド(Glass Fiber Conjugate Pad、ミリポア社)に13mm×8mmのバック粘着シート(ARcare9020、ニップンテクノクラスタ社)を貼ったもの)をテーフ゜で貼り付け、下流端となる端に吸水用パット(100mm×8mmに切ったセルロースメンブレン(CF6、ワットマン社)に95mm×8mmに切ったバック粘着シート(ARcare9020、ニップンテクノクラスタ社)を貼ったもの)を貼り付けた。(1-6)で作成した増幅液Aを40mL入れたプラスチックトレイに増幅液添加用パット浸漬し、2分間銀増幅を行った。その後、このメンブレンを増幅液から取り出し、3分間よく水洗した。これをイムノクロマトグラフ用濃度測定器(ICA-1000、浜松ホトニクス)を用いて測定し、リファレンス白板に対する反射光学濃度を測定した。2回測定し、その平均を小数点以下第4位を四捨五入し、バックグランド測定結果とした。測定位置は、2本の捕捉部位(TL)の中心、かつメンブレンの2本の捕捉部位で囲まれるエリアのうちメンブレンの両端から真ん中になる点を測定した。これの濃度をバックグランッド濃度として表1に示す。
また、全く金コロイドを流さなかったメンブレンでの増幅後の濃度、および、(2-1)
において洗浄操作を行わなかったメンブレンの増幅後の濃度も共に示した。この値を各測定したバックグランッド濃度から引いたものを、残存金によるバックグランド金に起因するバックグランドと考え、図3にあわせて示した。
(2−3)ラインの見えやすさの評価
(2−2)で増幅した際の検出ラインの見やすさをバックグランドとのコントラストが取れて見やすいほうから順に、◎、○、△、×、××(見えない)、で評価した。結果を表1に示す。
<実施例1> 30度方向からの増幅
増幅液展開方向と検体液展開方向とのなす角が30度となるように(1-5)で作製したキットを使用した。抗原液の点着は、(2-1)と同様に行い、抗原液点着10分後、増幅液添加用パットを(1-6)で作成した増幅液Aを40mL入れたプラスチックトレイに増幅液添加用パット浸漬し、2分間銀増幅を行った。その後、このメンブレンを増幅液から取り出し、3分間よく水洗した。これをイムノクロマトグラフ用濃度測定器(ICA-1000、浜松ホトニクス)を用いて測定し、リファレンス白板に対する反射光学濃度を測定した。2回測定し、その平均を小数点以下第4位を四捨五入し、バックグランド測定結果とした。測定位置は、2本の捕捉部位(TL)の中心、かつメンフ゛レンの2本の捕捉部位で囲まれるエリアのうちメンブレンの両端から真ん中になる点を測定した。これの濃度をバックグランッド濃度として表1に示す。
また、全く金コロイドを流さなかったメンブレンでの増幅後の濃度、および、(2-1)において洗浄操作を行わなかったメンブレンの増幅後の濃度も共に示した。この値を各測定したバックグランッド濃度から引いたものを、残存金によるバックグランド金に起因するバックグランドと考え、表1にあわせて示した。それ以降は、(2-3)と同様に実験を行った。
<実施例2> 45度方向からの増幅
増幅液展開方向と検体液展開方向とのなす角が45度となるように(1-5)で作製したキットを使用した。他は<実施例1>と同様に実験を行った。
<実施例3> 60度方向からの増幅
増幅液展開方向と検体液展開方向とのなす角が60度となるように(1-5)で作製したキットを使用した。他は<実施例1>と同様に実験を行った。
<実施例4> 90度方向からの増幅
増幅液展開方向と検体液展開方向とのなす角が90度となるように(1-5)で作製したキ
ットを使用した。他は<実施例1>と同様に実験を行った。
<実施例5> 120度方向からの増幅
増幅液展開方向と検体液展開方向とのなす角が120度となるように(1-5)で作製したキットを使用した。他は<実施例1>と同様に実験を行った。
<実施例6> 135度方向からの増幅
増幅液展開方向と検体液展開方向とのなす角が135度となるように(1-5)で作製したキットを使用した。他は<実施例1>と同様に実験を行った。
<実施例7> 150度方向からの増幅
増幅液展開方向と検体液展開方向とのなす角が150度となるように(1-5)で作製したキットを使用した。他は<実施例1>と同様に実験を行った。
<実施例8> 170度方向からの増幅
増幅液展開方向と検体液展開方向とのなす角が170度となるように(1-5)で作製したキットを使用した。他は<実施例1>と同様に実験を行った。
<比較例2> 180度方向からの増幅
増幅液展開方向と検体液展開方向とのなす角が180度となるように(1-5)で作製したキットを使用した。他は<実施例1>と同様に実験を行った。
<結果>
0度方向からの増幅<比較例1>、180度方向からの増幅<比較例2>に比べ、異なった
角度から増幅した実施例1〜7で増幅後のバックグランドノイズが下がった。増幅液の展開によりバックグランドに非特異的に存在する標識の金が洗い流され、バックグランドノイズが下がったと考えられる。増幅液展開方向と検体液展開方向のなす角と非特異的に残存する標識物質によるバックグランドとの関係を表1に示す。
45度から170度、特に60度から150度、その中でも特に90度において大きくバックグランドノイズが下がった。バックグランドノイズが下がったサンプルでは、検出ラインとバックグランドとのコントラストが向上し、視認度が上がった。
図1は、本発明で用いることができるイムノクロマトグラフキットの二つの態様を模式的に示す平面図である。 図2は、本発明で用いることができるイムノクロマトグラフキットの一態様を模式的に示す平面図である。 図3は、本発明で用いることができるイムノクロマトグラフキットの一態様を模式的に示す平面図である。 図4は、本発明で用いることができるイムノクロマトグラフキットの一態様を模式的に示す平面図である。 図5は、本発明で用いることができるイムノクロマトグラフキットの二つの態様を模式的に示す平面図である。 図6は、イムノクロマトグラフ用ストリップの平面図を模式的に示す。 図7は、図6で示されたイムノクロマトグラフキットの縦断面を模式的に示す縦断面図である。

Claims (21)

  1. 第一の展開液を流すための第一の展開部材と第二の展開液を流すための第二の展開部材とを持ち、第一の展開液の展開方向と第二の展開液の展開方向とを交差させ、かつ、異なる方向にして展開を行い、かつ、各展開方向の下流にはそれぞれ吸水部位を設置することを特徴とする測定キット。
  2. 第一の展開液を流すための部材の、第一の展開液の展開方向と第二の展開液の展開方向との交差部位に、該被験物質に対する結合物質を保持する、請求項1に記載の測定キット。
  3. 該第一の展開液の展開方向と該二の展開液の展開方向の成す角が、45度から170度である、請求項1に記載の測定キット。
  4. 該第一の展開液の展開方向と該二の展開液の展開方向の成す角が、60度から150度である、請求項1に記載の測定キット。
  5. 該第一の展開液の展開方向と該二の展開液の展開方向の成す角が、垂直である、請求項1に記載の測定キット。
  6. 該第一の展開液を展開させた後に、該二の展開液を展開させる、請求項1から5の何れかに記載の測定キット。
  7. 該第一の展開液を被験物質、該第二の展開液を増幅液または増幅液の一部を含有する液とする、請求項1から6の何れかに記載の測定キット。
  8. 第一の展開部材が不溶性担体である、請求項1から7の何れかに記載の測定キット。
  9. 該不溶性担体が多孔質担体である、請求項8に記載の測定キット。
  10. 該被験物質に対する第2の結合物質または該被験物質の類似部位を持つ化合物で修飾した標識物質が含まれる、請求項1から9の何れかに記載の測定キット。
  11. 標識物質が金属コロイドである、請求項1から10何れかに記載の測定キット。
  12. 被験物質と、該被験物質に対する第一の結合物質で修飾した標識物質とを、これらを混合させた状態で第一の不溶性担体上において展開し、該被験物質に対する第二の結合物質、または被験物質に対する第一の結合物質への結合性がある物質、を有する第一の不溶性担体上の反応部位において該被験物質と該標識化物質を捕捉して該被験物質を検出することを含むイムノクロマトグラフ方法において、銀を含む化合物及び銀イオンのための還元剤を含む増幅液を用いて増感することによって被験物質の検出を行うことを含み、被験物質の展開方向と増幅液の展開方向とが交差し、かつ、異なる方向にして展開を行うことを特徴とするイムノクロマトグラフ方法。
  13. 該第一の結合物質及び/又は第二の結合物質が抗体である、請求項12に記載のイムノクロマトグラフ方法。
  14. 被験物質の展開方向と増幅液の展開方向とが45度から170度である、請求項12に記載のイムノクロマトグラフ方法。
  15. 被験物質の展開方向と増幅液の展開方向とが60度から150度である、請求項12に記載のイムノクロマトグラフ方法。
  16. 被験物質の展開方向と増幅液の展開方向とが垂直である、請求項12に記載のイムノクロマトグラフ方法。
  17. 多孔質担体がニトロセルロースである、請求項12から16の何れかに記載のイムノクロマトグラフ方法。
  18. 平均粒子サイズが1μm以上20μm以下のサイズを有する標識物質を検出する、請求項12から17の何れかに記載のイムノクロマトグラフ方法。
  19. 銀を含む化合物及び銀イオンのための還元剤を用いて増感するための反応時間が7分以内である、請求項12から18の何れかに記載のイムノクロマトグラフ方法。
  20. 検出部位の標識物質の数が1×106/mm3以下である、請求項12から19の何れかに記載のイムノクロマトグラフ方法。
  21. 標識物質が、金属コロイドである、請求項12から20の何れかに記載のイムノクロマトグラフ方法。
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