JP7141458B2 - クロマトグラフキットおよびクロマトグラフ方法 - Google Patents
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Description
[1] 被検物質に対する第一の結合物質で修飾した標識物質と、非イオン性界面活性剤と、グッド緩衝剤と、カゼインと、上記被検物質に対する第二の結合物質または上記第一の結合物質に対する結合物質を有する多孔性担体と、銀を含む化合物と、銀イオンを還元し得る還元剤とを含む、クロマトグラフキット。
[2] グッド緩衝剤が、Tricineとも称するN-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、HEPPSOとも称する2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸・一水和物、TAPSとも称するN-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸、CHESとも称するN-シクロヘキシル-2-アミノエタンスルホン酸、またはBicineとも称するN,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシンである、[1]に記載のクロマトグラフキット。
[3] 非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート界面活性剤である、[1]または[2]に記載のクロマトグラフキット。
[4] 標識物質が、金属粒子である、[1]から[3]の何れか一に記載のクロマトグラフキット。
[5] 標識物質が、金、銀、白金、またはそれらの化合物である、[1]から[4]の何れか一に記載のクロマトグラフキット。
[6] 銀を含む化合物が硝酸銀である、[1]から[5]の何れか一に記載のクロマトグラフキット。
[7] 銀イオンを還元し得る還元剤が、Fe2+である、[1]から[6]の何れか一に記載のクロマトグラフキット。
[8] 多孔性担体が、
被検物質に対する第一の結合物質で修飾した標識物質を有する標識物質保持領域と、
被検物質に対する第二の結合物質または上記第一の結合物質に対する結合物質を有する標識物質捕捉領域と、
銀イオンを還元し得る還元剤を検出するための発色試薬を有する発色領域と、
を有する、[1]から[7]の何れか一に記載のクロマトグラフキット。
[9] 多孔性担体がニトロセルロース担体である、[1]から[8]の何れか一に記載のクロマトグラフキット。
[10] 第一の結合物質および第二の結合物質が抗体である、[1]から[9]の何れか一に記載のクロマトグラフキット。
上記標識物質捕捉領域において、上記被検物質と、上記被検物質に対する第一の結合物質で修飾した標識物質との複合体を捕捉する工程と、
捕捉された上記複合体の標識物質のシグナルを、銀を含む化合物と、銀イオンを還元し得る還元剤とを用いて増幅する工程と、
を含む、クロマトグラフ方法。
[12] グッド緩衝剤が、Tricineとも称するN-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、HEPPSOとも称する2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸・一水和物、TAPSとも称するN-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸、CHESとも称するN-シクロヘキシル-2-アミノエタンスルホン酸、またはBicineとも称するN,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシンである、[11]に記載のクロマトグラフ方法。
[13] 展開液中の非イオン性界面活性剤の終濃度が0.05~2.5質量%である、[11]または[12]に記載のクロマトグラフ方法。
[14] 非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート界面活性剤である、[11]から[13]の何れか一に記載のクロマトグラフ方法。
[15] 標識物質が、金属粒子である、[11]から[14]の何れか一に記載のクロマトグラフ方法。
[16] 標識物質が、金、銀、白金、またはそれらの化合物である、[11]から[15]の何れか一に記載のクロマトグラフ方法。
[17] 検出時に1μm以上20μm以下の平均粒径を有する標識物質を検出する、[11]から[16]の何れか一に記載のクロマトグラフ方法。
[18] 銀を含む化合物が硝酸銀である、[11]から[17]の何れか一に記載のクロマトグラフ方法。
[19] 銀イオンを還元し得る還元剤がFe2+である、[11]から[18]の何れか一に記載のクロマトグラフ方法。
[20] 多孔性担体がニトロセルロース担体である、[11]から[19]の何れか一に記載のクロマトグラフ方法。
[21] 被検物質を含む試料が、鼻汁、鼻腔拭い液、咽頭拭い液、鼻腔吸引液、または尿である[11]から[20]の何れか一に記載のクロマトグラフ方法。
本明細書において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を意味する。
上記標識物質捕捉領域において、上記被検物質と、上記被検物質に対する第一の結合物質で修飾した標識物質との複合体を捕捉する工程と、
捕捉された上記複合体の標識物質のシグナルを、銀を含む化合物と、銀イオンを還元し得る還元剤とを用いて増幅する工程、
とを含む方法である。
一般には、クロマトグラフ方法とは以下のような手法で被検物質を簡便・迅速・特異的に判定および測定する手法である。すなわち、被検物質と結合可能な結合物質(具体的には抗体など)を有する検出部位の少なくとも1つを有する標識物質捕捉領域を有することが可能なメンブレン(多孔性担体)を固定相として用いる。この多孔性担体上で、被検物質に対する第一の結合物質によって修飾された標識物質を含む液を移動層としてクロマトグラフ的に移動させると共に、被検物質と標識物質とが特異的に結合しながら、検出部位を有する標識物質捕捉領域まで到達する。標識物質捕捉領域の検出部位において、被検物質と標識物質の複合体が、固定化された第二の結合物質に特異的に結合することにより、被検試料中に被検物質が存在する場合にのみ、第二の結合物質に標識物質が濃縮されることを利用し、それらを目視または適当な機器を用いて被検試料中に被検物質が存在することを定性的および定量的に分析する手法である。
本発明のクロマトグラフ方法およびキットを用いて分析することのできる被検試料としては、被検物質を含む可能性のある試料である限り、特に限定されるものではなく、例えば、生物学的試料、特には動物(特にヒト)の体液(例えば、血液、血清、血漿、髄液、涙液、汗、尿、膿、鼻汁、鼻腔拭い液、咽頭拭い液、鼻腔吸引液、または喀痰)若しくは排泄物(例えば、糞便)、臓器、組織、粘膜や皮膚、それらを含むと考えられる擦過検体(スワブ)、または動植物それ自体若しくはそれらの乾燥体を挙げることができる。好ましくは、被検物質を含む試料は、鼻汁、鼻腔拭い液、咽頭拭い液、鼻腔吸引液、または尿である。
被検物質を含む試料を多孔性担体上に展開する際の展開液は、非イオン性界面活性剤と、グッド緩衝剤と、カゼインとを含む。
グッド緩衝剤の具体例を以下の表1に記載する。本発明においてはpH8~9(例えば、pH8.5)の緩衝能を有するグッド緩衝剤を使用することが好ましい。
本発明のクロマトグラフキットにおいては、クロマトグラフ用ストリップを組み込み使用することができる。使用することのできるクロマトグラフ用ストリップとしては、通常のクロマトグラフ法に用いることができるクロマトグラフ用ストリップである限り、特に限定されるものではない。
本発明で用いる標識物質としては、被検物質に対する第一の結合物質を標識するのに用いる標識として、金属を含む標識物質を用いることが好ましい。標識物質は、金属粒子であることがさらに好ましい。本発明で用いることができる金属の種類としては、好ましくは、金、銀、白金の貴金属や、鉄、鉛、銅、カドミウム、ビスマス、アンチモン、錫、または水銀を用いることができ、それらの化合物を用いることができる。更に好ましくは金、銀、白金の貴金属を用いることができる。本発明において使用できる金属を含む標識物質の好ましい形態としては、金属コロイド標識または金属硫化物標識を用いることができる。本発明においては、金属コロイド標識としては、好ましくは、白金コロイド、金コロイド、銀コロイド、鉄コロイド、または水酸化アルミニウムコロイドなどを用いることができ、金属硫化物標識としては、好ましくは、鉄、銀、鉛、銅、カドミウム、ビスマス、アンチモン、錫、または水銀の各硫化物を用いることができる。本発明においては更に好ましくは、白金コロイド、金コロイド、銀コロイド、最も好ましくは金コロイドを用いることができる。金属コロイド標識として金コロイド粒子を用いる場合には、市販のものを用いてもよい。あるいは、常法、例えば塩化金酸をクエン酸ナトリウムで還元する方法(Nature Physical Science,241(1973)20等)により金コロイド粒子を調製することができる。
本発明では、標識物質は、被検物質に対する第一の結合物質で修飾されている。第一の結合物質とは、例えば被検物質(抗原)に対する抗体、被検物質(抗体)に対する抗原、被検物質(たんぱく質、低分子化合物等)に対するアプタマーなど、被検物質に対して親和性を持つ化合物であれば何でもよい。
本発明で用いることができる多孔性担体としては、特に、ニトロセルロース担体(ニトロセルロース膜など)、セルロース膜、アセチルセルロース膜、ポリスルホン膜、ポリエーテルスルホン膜、ナイロン膜、ガラス繊維、不織布、布、または糸等が好ましい。
本発明においては、標識物質保持領域を有する標識物質保持パッド、好ましくは金コロイド保持パッドをクロマトグラフキットに組み込んで使用する態様が好ましい。標識物質保持パッドの素材としては、例えば、セルロース濾紙、グラスファイバー、および不織布等を好ましく使用することができ、前述のように調製した標識物質を一定量含浸し、乾燥させて標識物質保持領域とすることができる。
本発明のクロマトグラフキットは更に、試料添加パッドを組み込み使用することが好ましい。試料添加パッドは、添加された被検物質を含む試料を受け入れるだけでなく、試料中の不溶物粒子等を濾過する機能をも兼ねる態様が好ましい。試料添加パッドの材質としては、セルロース濾紙、ガラス繊維、ポリウレタン、ポリアセテート、酢酸セルロース、ナイロン、および綿布等の均一な特性を有するものが挙げられる。また、分析の際、試料中の被検物質が試料添加パッドの材質に非特異的に吸着し、分析の精度を低下させることを防止するため、試料添加部を構成する材質は、予め非特異的吸着防止処理して用いることもできる。本発明においては、試料添加パッドは、標識物質保持領域を有する標識物質保持パッドを兼ねていてもよい。
本発明においては、吸水パッドをクロマトグラフキットに好ましく組み込んで用いることができる。吸水パッドは、添加された試料がクロマト移動により物理的に吸収されると共に、クロマトグラフ担体の検出部に不溶化されない未反応標識物質等を吸収除去する部位であり、セルロ-ス濾紙、不織布、布、セルロースアセテート等吸水性材料が用いられる。添加された試料のクロマト先端部が吸水パッドに届いてからのクロマトの速度は、吸水パッドの材質、大きさなどにより異なるので、その選定により被検物質の測定に合った速度を設定することができる。
本発明で用いるクロマトグラフキットにおいては、発色試薬は、多孔性担体に担持されていることが好ましい。
被検試料を含む水溶液または第1の増幅試薬を含む水溶液のいずれかを展開した際に、発色試薬が多孔性担体中を実質的に移動する場合には、発色試薬を吸水パッドに含有させて使用することが好ましい。
標識物質捕捉領域に第1の増幅試薬が到達したことをより小さいタイムラグで表示することを可能とするため、本発明においては発色試薬を多孔性担体に担持させる態様がより好ましい。
以下、本発明のクロマトグラフ方法について、その具体的な実施態様であるサンドイッチ法および競合法について説明する。
サンドイッチ法では、特に限定されるものではないが、例えば、以下の手順により被検物質の分析を実施することができる。まず、被検物質に対する第一の結合物質、および被検物質に対する第二の結合物質を予め調製しておく。また、第一の結合物質で、予め標識物質を修飾しておく。第二の結合物質を、適当なクロマトグラフ担体(多孔性担体)(例えば、ニトロセルロ-ス膜、ガラス繊維膜、ナイロン膜、またはセルロ-ス膜等)上に固定して標識物質捕捉領域とし、被検物質を含む可能性のある被検試料(またはその抽出液)と接触させると、その被検試料中に被検物質が存在する場合には、第二の結合物質との結合(例えば、第二の結合物質との抗原抗体反応)が起こる。被検物質と第二の結合物質との結合と同時または結合後に、更に第一の結合物質で修飾した標識物質を過剰量接触させると、被検試料中に被検物質が存在する場合には、固定化された第二の結合物質と被検物質と第一の結合物質で修飾した標識物質とからなる複合体が形成される。
増幅試薬は、標識物質や被検物質の作用により、触媒的に反応することで、着色した化合物や発光などを生じ、シグナルの増幅を起こすことができる試薬であり、試薬を含有する溶液の状態、即ち増幅液として使用することができる。例えば、金属標識上で、物理現像により金属銀の析出を起こす銀イオン溶液や、ペルオキシダーゼ標識と過酸化水素の作用により色素となる、フェニレンジアミン化合物とナフトール化合物の溶液などが挙げられる。
以下、第1の増幅液に含まれる銀イオンを還元し得る還元剤と第2の増幅液に含まれる銀を含む化合物等について説明する。
銀を含む化合物としては、銀イオン含有化合物、例えば、有機銀塩、無機銀塩、もしくは銀錯体を用いることができる。好ましくは、水などの溶媒に対して溶解度の高い銀イオン含有化合物であり、硝酸銀、酢酸銀、乳酸銀、酪酸銀、チオ硫酸銀などが挙げられる。特に好ましくは硝酸銀である。銀錯体としては、水酸基やスルホン基など水溶性基を有する配位子に配位された銀錯体が好ましく、ヒドロキシチオエーテル銀等が挙げられる。
銀イオンを還元し得る還元剤は、銀イオンを銀に還元することができれば、無機・有機のいかなる材料、またはその混合物でも用いることができる。
無機還元剤としては、Fe2+、V2+、Ti3+、などの金属イオンで原子価の変化し得る還元性金属塩、還元性金属錯塩を好ましく挙げることができる。無機還元剤を用いる際には、酸化されたイオンを錯形成するか還元して、除去するか無害化する必要がある。例えば、Fe2+を還元剤として用いる系では、クエン酸やEDTAを用いて酸化物であるFe3+の錯体を形成し、無害化することができる。本系ではこのような無機還元剤を用いることが好ましく、より好ましくはFe2+の金属塩が好ましい。
増幅液のその他の助剤としては、緩衝剤、防腐剤、例えば酸化防止剤または有機安定剤、速度調節剤を含む場合がある。緩衝剤としては、例えば、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウムまたはこれらの塩、またはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを用いた緩衝剤、その他一般的化学実験に用いられる緩衝剤を用いることができる。これら緩衝剤を適宜用いて、その増幅溶液に最適なpHに調整することができる。また、カブリ防止剤としてアルキルアミンを添加剤として用いることができ、特に好ましくはドデシルアミンである。またこれら添加剤の溶解性向上のため、界面活性剤を用いることができ、特に好ましくはC9H19-C6H4-O-(CH2CH2O)50Hである。
2種の増幅試薬をクロマトグラフキットに内蔵する方法としては、各増幅試薬を含む溶液を含むポットを、各増幅試薬を点着する部位の上部に配置する方法が挙げられる。還元剤溶液(第1の増幅液)を、還元剤溶液を送液するためのパッドの上部に置き、銀イオン溶液(第2の増幅液)を含むポットを銀イオン溶液充填孔のすぐ上部に設置することが好ましい。このように配置することにより、それぞれのポットを押すことで液が流れ、所定の部位に点着することができる。
本発明のクロマトグラフキットにおいては、被検物質に対する第一の結合物質で修飾した標識物質を予め多孔性担体上に具えているものでもよいし、あるいは、被検物質に対する第一の結合物質で修飾した標識物質を多孔性担体とは別に具えているものでもよい。この場合、多孔性担体とは別に具えられた、被検物質に対する第一の結合物質で修飾した標識物質を、被検試料と混合した後に多孔性担体上を展開するなどの方法で測定を行うことができる。
本発明のクロマトグラフキットはさらに、銀を含む化合物と、銀イオンを還元し得る還元剤とを含む。
本発明のクロマトグラフキットは、破断可能な部材を備えたポットをさらに含み、銀を含む化合物と、銀イオンを還元し得る還元剤とがそれぞれ上記ポットに封入されていてもよい。この場合、上記ポットが、外力によって破断することができる。
図1~図3に示すように、本実施形態のクロマトグラフキット100は、試料液を展開させる、被検物質の検査領域を有する多孔性担体2を含む検査用ストリップ1と、検査領域における検出シグナルを増幅するための、第1の増幅液41および第2の増幅液46がそれぞれ封入された、シート部材を備えた一面を有する第1のポット40および第2のポット45とがハウジングケース9に内包されてなる。ハウジングケース9は、検査用ストリップ1が配置される収容部21を備えた下部ケース20と、下部ケース20と周縁で接合された上部ケース10と、上部ケース10と下部ケース20との間に配置された中間部材30とを備えてなる。なお、本クロマトグラフキット100を説明するに当たっては、上部ケース10側を上、下部ケース20側を下と定義する。
第2の増幅液46が封入された第2のポット45も同様に、例えば樹脂材料から構成された一面に開口を有する容器47に第2の増幅液46が充填され、その容器47の開口が破断可能なシート部材48により覆われ封止されている。
第1のポット40および第2のポット45における破断可能なシート部材43、48としては、アルミ箔やアルミラミネートシートなどのラミネートフィルムが好適に使用される。ここで、破断とは、破れた後に再生しない状態をいう。
検出時(増幅後)、テストライン部を切り出し、試料裏面をカーボンペーストで試料台に取り付けた後、断面を切り、カーボン蒸着し、走査型電子顕微鏡にて、形状と大きさを観察する。例えば、日立ハイテクノロジーズ製FE-STEM S-5500で、加速電圧10KVで反射電子による試料表面の観察を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)で行うことができる。その後、シグナル粒子を100粒子選び、粒子の投影面積の円相当直径を測定し、平均値を算出し、検出時の平均粒径とする。
検出時の標識物質の平均粒径は好ましくは1μm以上20μm以下であり、さらに好ましくは3μm以上20μm以下である。
(1-1)抗体修飾金コロイドの作製
直径50nmの金コロイドを含有する溶液(品番:EM.GC50、BBI社製)9mLに50mmol/LのKH2PO4バッファー(pH7.5)を1mL加えてpHの調整を行い、その後、160μg/mLの抗インフルエンザA型モノクローナル抗体(Anti-Influenza A SPTN-5 7307、Medix Biochemica社製)含有溶液1mLを加えて10分間攪拌した。その後、10分間静置した後に、1質量%のポリエチレングリコール(PEG(polyethylene glycol);重量平均分子量(Mw.):20000、品番:168-11285、富士フイルム和光純薬(株)社製)含有水溶液を550μL加えて10分間攪拌し、続いて10質量%牛血清アルブミン(BSA(Bovine serum albumin);FractionV、品番:A-7906、SIGMA社製)の水溶液を1.1mL加えて10分間攪拌した。この溶液を遠心分離装置(himacCF16RX、日立(株)社製)を用いて、8000×g、4℃の条件で30分間遠心分離した。容器の底に1mLを残して上澄み液を取り除き、超音波洗浄機により容器の底に残った1mL液中に含まれる金コロイドを再分散した。この後、20mLの金コロイド保存液(20mmol/L Tris-HCl(トリス塩酸)バッファー(pH8.2)、0.05%PEG(Mw.20000)、150mmol/L NaCl、1%BSA)に分散し、再び同じ遠心分離装置を用いて同様の条件で遠心分離を行い、上澄み液を取り除き、超音波分散後、金コロイド保存液に分散し、被検物質に結合可能な第1の物質である抗体が修飾された標識物質としての抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド(50nm)溶液を得た。
(1-1)で作製したインフルエンザA型抗体修飾金コロイドを、Tris-HClバッファー(pH8.2)の濃度が20mmol/L、PEG(Mw.20000)の濃度が0.05質量%、スクロースの濃度が5質量%、そして光路長10mmとしたときの金コロイドの520nmの光学濃度が0.2となるように水で希釈し、金コロイド塗布液とした。この塗布液を、5mm×300mmに切ったグラスファイバーパッド(GlassFiber Conjugate Pad、ミリポア社製)1枚あたり0.1mLずつ均一に塗布し、24時間減圧乾燥することで抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドを得た。
多孔性担体として、60mm×300mmに切断したニトロセルロースメンブレン(プラスチックの裏打ちあり、HiFlow Plus HF135(キャピラリーフローレート=135秒/cm)、ミリポア社製)を用い、このメンブレン上に以下のような方法により、検査領域、確認領域および増幅指標領域を形成してクロマトグラフ担体を作製した。
バック粘着シート(60mm×300mm(ニップンテクノクラスタ社製))に、(1-3)で作製したクロマトグラフ担体を貼り付けた。次に、クロマトグラフ担体の短辺のうちの下流側から26mmの位置に幅3mmの両面テープ(日東電工)を固定した。その後、両面テープの下流端と8mm×300mmに切ったグラスファイバーパッド(GlassFiber Conjugate Pad、ミリポア社製)の下流端が重なるようにして金コロイド保持パッドをクロマトグラフ担体に固定した。送液用パッド(25mm×300mmに切ったグラスファイバーパッド(Glass Fiber Conjugate Pad、ミリポア社製))をクロマトグラフ担体の上流側に、送液用パッドとクロマトグラフ担体が7mm重なるように貼り付けた。こうして作製した部材を、300mmの長辺と垂直な方向に対して平行に、幅が5mmとなるようにギロチン式カッター(CM4000、ニップンテクノクラスタ社製)で切断し、60本の検査用ストリップ(但し、吸収パッドを含まない。)を作製した。
(1-5-1)第2のポットに封入する増幅液(還元剤溶液)の作製
水290gに、硝酸鉄(III)九水和物(富士フイルム和光純薬(株)社製、095-00995)を水に溶解して作製した1mol/Lの硝酸鉄水溶液23.6mL、クエン酸(富士フイルム和光純薬(株)社製、038-06925)13.1gを溶解させた。全て溶解したら、スターラーで攪拌しながら硝酸(10質量%)溶液を36mL加え、硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物(富士フイルム和光純薬(株)社製、091-00855)を60.8g加えた。このように調製した溶液を第2のポットに封入する第2の増幅液である還元剤溶液とした。
水66gに、硝酸銀溶液8mL(10gの硝酸銀を含む)と1mol/Lの硝酸鉄水溶液24mLを加えた。さらに、この溶液と、硝酸(10質量%)5.9mL、ドデシルアミン(富士フイルム和光純薬(株)社製、123-00246)0.1g、界面活性剤C12H25-C6H4-O-(CH2CH2O)50H 0.1gをあらかじめ47.6gの水に溶解した溶液を混合し、これを第1のポットに封入する第1の増幅液である銀イオン溶液とした。
12mm×10mmに切ったグラスファイバーパッド(ガラス濾紙、アドバンテック社製)を60枚準備し、吸収パッドとした。
図1に示すようなクロマトグラフキット100を構成する下部ケース20、上部ケース10、中間部材30、および第1のポット40、第2のポット45を、ポリプロピレンを材料として射出成形によりそれぞれ作製した。上部ケースは住友化学(株)社製オレフィン系エラストマーであるタフセレン(登録商標)を50質量%含有するポリプロピレンを材料として射出成形により作製した。なお、上部ケース10は、2つの変形可能な部位(第1の凸状変形部と第2の凸状変形部と)を備え、この2つの変形部は上部ケース10と分離する部分はなく、すべての境界部で上部ケース10の一部として射出成形で作製した。
なお、上部ケースは、図1および図2等に示す第1の凸状変形部12が2本の突起部を有し、第2の凸状変形部14が1本の突起部を有する構成とした。
下部ケース20、(1-4)で作製した検査用ストリップ1と(1-6)で作製した吸収パッド6を、図1および図2に示すように固定した。次に、第1のポット40、第2のポット45に、それぞれ、(1-5-2)、(1-5-1)で作製した第1のポット40に封入する増幅液41、第2のポット45に封入する増幅液46を充填し、シート部材48としてのアルミ箔でポット45を、シート部材43としてのアルミ箔でポット40をそれぞれ封止し、図1および図2に示すように、第2のポット45を、シート部材48を上にして下部ケース20に、第1のポット40を、シート部材43を下にして中間部材30に装着した。そして、上部ケース10と下部ケース20とを外周同士が接触するように嵌め合わせた状態で、上部ケースと下部ケースとの接触部を超音波溶着により接合させた。このとき、溶着部位は密閉状態で均一にすべての部位で溶着されていることを確認した。このようにして実施例1のクロマトグラフキットを作製した。
0.1質量%カゼイン、1質量%Tween(登録商標)40を含む400mmol/L Tricine緩衝液(pH8.5)の展開液を調製し、1.5mLチューブに100μL添加し、これを鼻汁・痰・咽頭ぬぐい液・尿等の検体を処理するための試薬とした。
(2-1)点着
健常人の鼻汁を含んだPBS(リン酸緩衝生理食塩水)を用いて、市販の不活化インフルエンザAウイルスをタンパク濃度1.0ng/mLとなるように希釈した液100μLを、(1-9)で作製した試薬に添加・溶解させたものを陽性検体試料とした。また不活化インフルエンザAウイルスを含まない、健常人の鼻汁を含んだPBS100μLを、(1-9)で作製した試薬に添加・溶解させたものを陰性検体試料とした。これらの陽性検体試料、陰性検体試料に(1-2)で作製したインフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドを5mm×4mmに切ったものを添加し、120分間静置させた。静置した後、各液40μLを点着した。
(2-1)の試料液を点着して30分後に、第2の凸状変形部14を押下することで、第2のポット45に封入した増幅液46を封止しているシート部材48であるアルミ箔を破り、第2のポット45の中に送液用パッド4を浸すことにより、毛細管現象を利用して第2の増幅液46を多孔性担体2に供給した。
増幅指標領域L3が緑からオレンジに変色した後、第1の凸状変形部12(実施例2では第1の凸状変形部114)を押下して第1のポット40を中間部材30のポット収容部32の破断部34に向けて移動させることにより、第1のポット40を封止しているシート部材43であるアルミ箔を破断部34により押し破り、第1の増幅液41である銀イオン溶液を中間部材30の開口部から多孔性担体2に供給して、銀増幅反応を行った。銀増幅反応は数十秒で完了する。
増幅処理済みの実施例1のクロマトグラフキットの検査領域L1および確認領域L2の濃度を目視で観察した。さらに、実施例1のクロマトグラフキットから、クロマトグラフ担体を取り出し、検査領域L1の濃度をLAS4000(Fujifilm(株)社製)で撮影し、濃度差(ΔOD=(検査領域L1の濃度)-(バックグラウンド部の濃度))を算出した。ΔOD≧0.020であれば増幅結果はおおむね良好といえる。
評価結果を表3に示す。
実施例1の(1-9)において、1質量%Tween40の代わりに、1質量%Tween60を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。展開時の展開液中に含まれる終濃度は、0.5質量%Tween60になる。評価結果を表3に示す。
実施例1の(1-9)において、1質量%Tween40の代わりに、1質量%Tween80を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。展開時の展開液中に含まれる終濃度は、0.5質量%Tween80になる。評価結果を表3に示す
実施例1の(1-9)において、1質量%Tween40を含まないこと以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。評価結果を表3に示す。
実施例1の(1-9)において、0.1質量%カゼインの代わりに、0.1質量%BSAを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。展開時の展開液中に含まれる終濃度は、0.05質量%BSAになる。評価結果を表3に示す。
ΔODは、以下の基準で判定した。
+:0.020以上(視認可能な領域)
-:0.020未満。(視認不可な領域)
表内の陰性検体試料の欄における()の数値はΔODを示している。
実施例1の(1-9)において、1質量%Tween40の代わりに、5質量%Tween40を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。展開時の展開液中に含まれる終濃度は、2.5質量%Tween40になる。評価結果を表4に示す。
実施例1の(1-9)において、1質量%Tween40の代わりに、0.1質量%Tween40を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。展開時の展開液中に含まれる終濃度は、0.05質量%Tween40になる。評価結果を表4に示す。
ΔODは、以下の基準で判定した。
+:0.020以上(視認可能な領域)
-:0.020未満。(視認不可な領域)
表内の陰性検体試料の欄における()の数値はΔODを示している。
実施例1の(1-9)において、400mmol/L Tricine(pH8.5)の代わりに、400mmol/L Bicine(pH8.5)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。展開時の展開液中に含まれる終濃度は、200mmol/L Bicineになる。評価結果を表5に示す。
実施例1の(1-9)において、400mmol/L Tricine(pH8.5)の代わりに、400mmol/L HEPPSO(pH8.5)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。展開時の展開液中に含まれる終濃度は、200mmol/L HEPPSOになる。評価結果を表5に示す。
実施例1の(1-9)において、400mmol/L Tricine(pH8.5)の代わりに、400mmol/L TAPS(pH8.5)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。展開時の展開液中に含まれる終濃度は、200mmol/L TAPSになる。評価結果を表5に示す。
実施例1の(1-9)において、400mmol/L Tricine(pH8.5)の代わりに、400mmol/L CHES(pH8.5)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。展開時の展開液中に含まれる終濃度は、200mmol/L CHESになる。評価結果を表5に示す。
実施例1の(1-9)において、400mmol/L Tricine(pH8.5)の代わりに、400mmol/Lグリシン(pH8.5)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。展開時の展開液中に含まれる終濃度は、200mmol/Lグリシンになる。評価結果を表5に示す。
実施例1の(1-9)において、400mmol/L Tricine(pH8.5)の代わりに、400mmol/Lホウ酸(pH8.5)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。展開時の展開液中に含まれる終濃度は、200mmol/Lホウ酸になる。評価結果を表5に示す。
ΔODは、以下の基準で判定した。
++:0.040以上(十分に視認可能な領域)
+:0.020以上(視認可能な領域)
-:0.020未満。(視認不可な領域)
表内の陰性検体試料および陽性検体試料の欄における()の数値はΔODを示している。
実施例1の(1-9)において、400mmol/L Tricine(pH8.5)と1質量%Tween40の代わりに、400mmol/L Bicine(pH8.5)と1質量%Tween60を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。展開時の展開液中に含まれる終濃度は、200mmol/L Bicineと0.5質量%Tween60になる。評価結果を表6に示す。
実施例1の(1-9)において、400mmol/L Tricine(pH8.5)と1質量%Tween40の代わりに、400mmol/L Bicine(pH8.5)を使用し、界面活性剤を含まないこと以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。展開時の展開液中に含まれる終濃度は、200mmol/L Bicineとなる。評価結果を表6に示す。
実施例1の(1-9)において、400mmol/L Tricine(pH8.5)と1質量%Tween40の代わりに、400mmol/L Tris(pH8.5)と1質量%Tween60を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。展開時の展開液中に含まれる終濃度は、200mmol/L Trisと0.5質量%Tween60になる。評価結果を表6に示す。
ΔODは、以下の基準で判定した。
++:0.040以上(十分に視認可能な領域)
+:0.020以上(視認可能な領域)
-:0.020未満。(視認不可な領域)
表内の()の数値はΔODを示している。
2 多孔性担体
3 標識保持パッド(グラスファイバーパッド)
4 送液用パッド
6 吸収パッド
7 バック粘着シート
9 ハウジングケース
10 上部ケース
12 第1の凸状変形部
14 第2の凸状変形部
16 試料液滴下用開孔
18 観察窓
20 下部ケース
21 多孔性担体収容部
22 吸収パッド収容部
24 第2のポットの収容部
30 中間部材
32 第1のポットの収容部
34 破断部
35 流路形成部
36 流路形成部35の裏面
40 第1の増幅液用の第1のポット
41 第1の増幅液
42 容器
43 シート部材
45 第2の増幅液用の第2のポット
46 第2の増幅液
47 容器
48 シート部材
100 クロマトグラフキット
L1 検査領域
L2 確認領域
L3 増幅指標領域
D 隙間(クリアランス)
Claims (19)
- 被検物質に対する第一の結合物質で修飾した標識物質と、非イオン性界面活性剤と、グッド緩衝剤と、カゼインと、前記被検物質に対する第二の結合物質または前記第一の結合物質に対する結合物質を有する多孔性担体と、銀を含む化合物と、銀イオンを還元し得る還元剤とを含む、クロマトグラフキットであって、グッド緩衝剤が、Tricineとも称するN-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、HEPPSOとも称する2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸・一水和物、TAPSとも称するN-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸、またはCHESとも称するN-シクロヘキシル-2-アミノエタンスルホン酸である、クロマトグラフキット。
- 非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート界面活性剤である、請求項1に記載のクロマトグラフキット。
- 標識物質が、金属粒子である、請求項1又は2に記載のクロマトグラフキット。
- 標識物質が、金、銀、白金、またはそれらの化合物である、請求項1から3の何れか一項に記載のクロマトグラフキット。
- 銀を含む化合物が硝酸銀である、請求項1から4の何れか一項に記載のクロマトグラフキット。
- 銀イオンを還元し得る還元剤が、Fe2+である、請求項1から5の何れか一項に記載のクロマトグラフキット。
- 多孔性担体が、
被検物質に対する第一の結合物質で修飾した標識物質を有する標識物質保持領域と、
被検物質に対する第二の結合物質または前記第一の結合物質に対する結合物質を有する標識物質捕捉領域と、
銀イオンを還元し得る還元剤を検出するための発色試薬を有する発色領域と、
を有する、請求項1から6の何れか一項に記載のクロマトグラフキット。 - 多孔性担体がニトロセルロース担体である、請求項1から7の何れか一項に記載のクロマトグラフキット。
- 第一の結合物質および第二の結合物質が抗体である、請求項1から8の何れか一項に記載のクロマトグラフキット。
- 被検物質を含む試料と、被検物質に対する第一の結合物質で修飾した標識物質と、非イオン性界面活性剤と、グッド緩衝剤と、カゼインとを含む展開液を、被検物質に対する第二の結合物質または前記第一の結合物質に対する結合物質を有する標識物質捕捉領域を有する多孔性担体上に展開する展開工程と、
前記標識物質捕捉領域において、前記被検物質と、前記被検物質に対する第一の結合物質で修飾した標識物質との複合体を捕捉する工程と、
捕捉された前記複合体の標識物質のシグナルを、銀を含む化合物と、銀イオンを還元し得る還元剤とを用いて増幅する工程と、
を含む、クロマトグラフ方法であって、グッド緩衝剤が、Tricineとも称するN-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、HEPPSOとも称する2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸・一水和物、TAPSとも称するN-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸、またはCHESとも称するN-シクロヘキシル-2-アミノエタンスルホン酸である、クロマトグラフ方法。 - 展開液中の非イオン性界面活性剤の終濃度が0.05~2.5質量%である、請求項10に記載のクロマトグラフ方法。
- 非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート界面活性剤である、請求項10又は11に記載のクロマトグラフ方法。
- 標識物質が、金属粒子である、請求項10から12の何れ一項に記載のクロマトグラフ方法。
- 標識物質が、金、銀、白金、またはそれらの化合物である、請求項10から13の何れか一項に記載のクロマトグラフ方法。
- 検出時に1μm以上20μm以下の平均粒径を有する標識物質を検出する、請求項10から14の何れかに記載のクロマトグラフ方法。
- 銀を含む化合物が硝酸銀である、請求項10から15の何れか一項に記載のクロマトグラフ方法。
- 銀イオンを還元し得る還元剤がFe2+である、請求項10から16の何れか一項に記載のクロマトグラフ方法。
- 多孔性担体がニトロセルロース担体である、請求項10から17の何れか一項に記載のクロマトグラフ方法。
- 被検物質を含む試料が、鼻汁、鼻腔拭い液、咽頭拭い液、鼻腔吸引液、または尿である請求項10から18の何れか一項に記載のクロマトグラフ方法。
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