JP5727753B2 - 揚げ物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
小麦粉としては、例えば、強力小麦粉、中力小麦粉、薄力小麦粉、熱処理小麦粉等の、任意の種類の小麦粉が挙げられるが、薄力小麦粉、熱処理小麦粉等のグルテンの質の弱い小麦粉が好ましい。ここに、熱処理小麦粉とは、強力系、準強力系、中力系、薄力系の小麦粉を、例えば、80〜140℃で、40〜60分間処理し、グルテンを変性させたものをいう。
澱粉としては、例えば、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉、サツマイモ澱粉、米澱粉等の任意の種類の澱粉が挙げられる。当該澱粉は、α化処理、アセチル化処理、リン酸架橋処理等の化学処理が施されていてもよい。上記小麦粉及び澱粉は、いずれか一方の単独使用であっても、あるいは両方の併用であってもよい。
上記糖液に含まれる糖類としては、例えば、グルコース、フルクトース、キシロース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、トレハロース等を挙げることができ、なかでも、トレハロースが好ましい。糖アルコールとしては、例えば、キシリトール、ソルビトール、ラクチトール等を挙げることができる。多糖類としては、例えば、イヌリン(フルクオリゴ糖)、ガラクトオリゴ糖などを挙げることができる。
糖液は、上記に挙げた糖類、糖アルコール及び多糖類のうちのいずれか1種類を単独で含んでいてもよく、又は複数を併せて含んでいてもよい。
好ましい糖液としては、10〜40質量%のトレハロース水溶液、グルコース水溶液、ソルビトール水溶液、イヌリン水溶液等が挙げられ、10〜40質量%のトレハロース水溶液がより好ましい。
また、付着させる糖液の量は、当該糖液に含まれる糖類、糖アルコール及び多糖類の量を考慮して決定される。すなわち、当該糖類、糖アルコール及び多糖類が、糖液付着前の油ちょう後の揚げ物の全質量に対して、好ましくは0.75〜6質量%、より好ましくは1.5〜6質量%の量で付着するように、糖液を揚げ物に付着させる。付着させる当該糖類、糖アルコール及び多糖類の量が0.75質量%未満であると、保存後の食感が劣り、他方、6質量%を超えると、衣がべた付き、食感が悪化してしまう。
斯くして得られた揚げ物の表面には、上記に上げた糖類、糖アルコール及び多糖類のうちのいずれか1種以上が付着している。
市販の天ぷら粉100質量部と水150質量部を混合してバッターを作製し、これを用いて殻を除いたえび(ブラックタイガー:サイズ26−30)を衣付けした後、170℃、2分30秒油ちょうした。油ちょう後のえび天ぷらに、糖液を噴霧し衣に付着させ、これをジェットオーブンを用いて乾燥させて、えび天ぷらを得た。付着させた糖液の種類、揚げ物全質量に対する糖液の付着量と糖類、糖アルコール及び多糖類(以下、糖類等)の付着量、ならびに乾燥条件を表1に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜3で得られたえび天ぷらを、5℃、24時間の条件で冷蔵保存した後、電子レンジ(1400W、30秒間)で再加熱を行った。この再加熱エビ天について、パネラー10名により以下の評価基準で評価を行った。その評価結果の平均値を表1にあわせて示す。
(評価基準)
(再加熱後の食感)
5:ぼそぼそとした食感が無く、歯切れ口溶け共に良い。
4:ぼそぼそとした食感が感じ難く、口溶けが良い。
3:ややぼそぼそとした食感。
2:ぼそぼそとした食感で、歯切れが悪い。
1:非常にぼそぼそとした食感で、歯切れ口溶け共に悪い。
表2に記載の条件で糖液を付着させ乾燥した他は、実施例1と同様の手順でえび天を得た。これを試験例1と同様の手順で評価した。その評価結果の平均値を表2にあわせて示す。尚、表2中には、試験例1における実施例1の評価結果を併せて記した。
表3に記載の条件で糖液を付着させ乾燥した他は、実施例1と同様の手順でえび天を得た。これを試験例1と同様の手順で評価した。その評価結果の平均値を表3にあわせて示す。尚、表3中には、試験例1における実施例1の評価結果を併せて記した。
市販の唐揚げ粉100質量部と鶏肉500重量部を混合し、鶏肉に唐揚げ粉を満遍なくまぶした後、水100質量部を加えて鶏肉に練りこむようにして、衣付けをした後、これを170℃、4分で油ちょうした。油ちょう後の鶏の唐揚げ(約25g/個)に、表4に記載の条件で糖液約2.5g(揚げ物全質量に対して10質量%)を噴霧し、ジェットオーブンを用いて乾燥させて、鶏唐揚げを得た。
Claims (7)
- 油ちょう後の揚げ物の表面に、糖類、糖アルコール及び多糖類のうちのいずれか1種以上を含む糖液を付着させた後、これを乾燥させること(但し、再油ちょうすることを除く)を含み、該糖類、糖アルコール及び多糖類のうちのいずれか1種以上の該揚げ物への付着量が、付着前の揚げ物の全質量に対して1.5〜6質量%であることを特徴とする揚げ物の製造方法。
- 油ちょう後の揚げ物の表面に、糖類、糖アルコール及び多糖類のうちのいずれか1種以上を含む糖液を付着させた後、これを乾燥させ(但し、再油ちょうを除く)、次いで冷蔵保存することを含み、該糖類、糖アルコール及び多糖類のうちのいずれか1種以上の該揚げ物への付着量が、付着前の揚げ物の全質量に対して1.5〜6質量%であることを特徴とする揚げ物の保存方法。
- 前記糖類、糖アルコール及び多糖類のうちのいずれか1種以上がトレハロースである請求項1又は2に記載の方法。
- 請求項1又は3に記載の方法によって得られた揚げ物を冷蔵保存した後、再加熱することを特徴とする、揚げ物の製造方法。
- 請求項2又は3に記載の方法によって保存された揚げ物を再加熱することを特徴とする、揚げ物の製造方法。
- 糖類、糖アルコール及び多糖類のうちのいずれか1種以上が付着しており、該糖類、糖アルコール及び多糖類のうちのいずれか1種以上の付着量が、その付着前の揚げ物の全質量に対して1.5〜6質量%であることを特徴とする揚げ物。
- 前記糖類、糖アルコール及び多糖類のうちのいずれか1種以上がトレハロースである請求項6に記載の揚げ物。
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