JP4614350B2 - 焼き色の少ない白色焼成パン類または着色焼成パン類 - Google Patents
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Description
また、パン生地に配合する糖類の量を最終醗酵が終わるまでに資化される程度とし、かつ、醗酵により資化されることのない糖アルコールを使用したサンドイッチ用パンの製造方法(特許文献2)、パン生地に配合する砂糖の量をイーストの醗酵に必要な必要量相当にとどめ且つ所定の甘味を出すための強甘味成分(ステビオサイドなど)をパン生地に配合するパンの製造方法(特許文献3)、1〜6%の醗酵性糖類および非醗酵性糖類(1%〜10%の糖アルコールおよび/またはステビア甘味料)を添加した白色系パン生地の製造方法(特許文献4)、小麦粉100重量部に対し糖アルコール2〜30重量部および乳蛋白質0.02〜0.5重量部を添加する白色パンの製法(特許文献5)、
スクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチンおよびアリテームなどから選ばれる少なくとも1種を含み、焼成を140〜210℃で行うことを特徴とする焼き色が薄く調製されたパン(特許文献6、特許文献7)、も開示されている。
また、糖アルコールのようなイースト非資化性(非醗酵性)の糖や甘味料などの配合により、焼成時に焼き色を増加させる糖の量を極力減らす方法は、生地の滑らかさ(伸展性)に欠け、食感は硬く、風味も劣るといった問題が生じ、糖アルコールを利用した場合の風味改善に乳蛋白質を利用する方法も満足のいくものではなかった。
上記のパン生地の製造方法において、さらに、小麦粉100重量部に対して、マルトース0.4〜0.8重量部を添加することを特徴とする。
さらにまた、上記のいずれかに記載の方法で製造されたパン生地を焼成して得られる白色焼成パン類を要旨とする。
さらにまた、上記に記載の方法で製造されたパン生地を焼成して得られる着色焼成パン類を要旨とする。
(1)パン類の代表的な焼成温度である200℃で焼成しても焼き色の増加がほとんど見られない〔焼成前の生地の明度に対する焼成後のパン(クラスト部)の明度の低下率が10%以下となる〕ことから、連続的に生産するときにわざわざ窯の温度を下げる必要がなくなるため、課題であった時間とエネルギーのロスといった生産性低下の要因を排除することができる。また、高い温度で焼くことが可能であるため、パン類の内相(クラム)は火抜けが良く、くちゃつきの少ないふんわりとした食感のパンが製造できるといった利点も期待できる。さらには、パン類の表面にしわが少なく、ボリューム感があるといった効果も期待できる。
(2)従来製法で課題となっていた生地の伸展性の悪さと製品の硬さを改善する。
本発明の白色焼成パン類の技術を用いてパン類を焼成する際に、色価50の食品色素の場合で、小麦粉100重量部当たり0.1〜0.5重量部に当たる量を添加することで色素の色を鮮やかに表現できる。
これにより、通常のパンと同様の焼成条件にて、焼き色の白いパン類、または色素の色を鮮やかに発色したパン類に焼き上げたことを特徴とするパン類を製造することが可能となった。
通常、生地の発酵中に小麦澱粉より発生するマルトースは、イーストに資化され難く、焼成時の焼き色増加の一因となっている。本発明においては、イーストが発酵中に生地より生じたマルトースの資化能を高める条件、すなわち、生地の発酵がスムーズに進行し、しかもパン生地の発酵途中で小麦澱粉より生じるマルトースの資化を阻害することなく、焼成前の段階で焼き色の増加(メイラード反応)を促す糖をほぼ資化し尽くすことで焼き色の発生を抑えることができるパンの製造方法を代表的な製パン法である中種法、ストレート法、冷凍生地法において明らかにし、これにより、高温で焼成しても焼き色がつかず、食感、外観にも優れたパンを製造することが可能となった。
本発明の製法では、従来技術のように加熱着色性のない甘味料や糖アルコールなどを添加する白色パン類の製法に比べて、イーストの発酵を阻害しないうえに、焼成前の段階までイーストのガス発生を維持でき、十分な発酵風味が得られるため特別な風味付けを行う必要がないなどの優れた特徴を有する。
トレハロースについては、トレハロースの添加により酵母発酵を行う期間を顕著に短縮せしめる作用(特開平7-322810号公報)が知られているが、発酵時間そのものを短縮する効果であり、また、ソフトな焼き色が得られる効果(特開2002-345392号公報)が知られているが、トレハロース自体が加熱褐変しない性質を利用して焼き色をソフトに仕上げる効果であり、何れもパン生地の発酵途中で小麦澱粉より生じるマルトースの資化を阻害することなく、さらには焼成前の段階までイーストのガス発生を維持させるという本発明の効果について示唆するものではない。さらに、マルトースを添加することでより安定的にコントロールできる場合がある。
ここで、明度を規定するための焼成条件は、通常の一般的なパンと同じ条件であればよく、様々な温度、時間の条件を検討する必要はない。窯の温度は190℃〜210℃で、焼成時間5〜40分の範囲が例示される。窯の特性、焼成するパンの基本原材料、大きさ、形状にあわせて一般的に選択される条件である。例えば、生地50gをロールパン成型した場合では、窯の温度200℃のときに、焼成時間は8分が標準である。
実際の焼成条件は、事前に検討を行って選択した焼成条件に対して、温度条件は±5%以内、時間条件は±3分以内で、望ましくは、同条件で行うのがよい。
[炭酸ガス発生量の測定方法]
下記配合の原材料を捏上温度27〜28℃になるように捏ね上げた生地を1試験区のサンプル量が20g程度になるように分割し、ファーモグラフII(アトー(株)製)を用いて、30℃で60分間に発生した炭酸ガスの量を測定する。本発明においては、30℃60分間の生地1g当たりの炭酸ガス発生量が1.5ml以上であるイーストをマルトース資化能力が高いイーストという。
[生地配合]
強力粉 100g
食塩 2g
水 45g
イースト 2g
[市販イーストの評価]
上記測定方法に従い、市販イーストのマルトース資化能力の評価を行った結果を表1に示す。
またブドウ糖およびトレハロース以外のイースト発酵性の糖類、例えば、ショ糖、マルトースなどから選ばれる1種または2種以上の糖類を使用する場合は、該糖類とブドウ糖との合計量が3重量部を超えない範囲で併用することが可能である。
中種法では、中種発酵の工程を経ることで、イーストのマルトース資化の誘導期間を十分に確保できるため、マルトースの添加やマルトース資化能力が高いイーストの選択は必要に応じて行えばよい。
中種法におけるイーストの添加量は、通常の中種法に準じた量で行えばよいが、より好ましい条件として、小麦粉100重量部あたり2〜4重量部が例示され、中種を製造する際に全量を中種に添加する方法のほかに、イーストを中種と本捏に分割して添加することもできるが、その場合、中種に大部分を添加するのが良い。また、中種法としてより好ましくは無糖中種法を採用するのが望ましい。
これにより調製された生地を通常のパンと同様の焼成条件で焼成することで、焼き色の着かない白色焼成パン類を製造することができる。
一次発酵条件およびホイロ条件は、通常のストレート法に準じて行えばよい。また、マルトースを添加することで、イーストのマルトース資化の誘導期間を早めることができ、一次発酵およびホイロの時間を特別に長く取る必要がなくなるのでより好ましい。マルトースを添加した場合の一次発酵条件およびホイロ条件のより好ましい条件として、一次発酵条件は26〜29℃で50〜90分、ホイロ条件は35〜39℃で55〜70分が例示される。
ストレート法におけるイーストの添加量は、通常のストレート法に準じた量で行えばよいが、より好ましい条件として、小麦粉100重量部あたり4〜5重量部が例示される。また必要に応じてマルトース資化能力が高いイーストを選択しても良い。
これにより調製された生地を通常のパンと同様の焼成条件で焼成することで、焼き色の着かない白色焼成パン類を製造することができる。
冷凍生地法における代表的な製法としては、ノータイムストレート法、中種法、液種法、発酵種法、低温発酵法などが挙げられ、本発明においてもこれらの冷凍生地の製法を適用できるが、より好ましくはノータイムストレート法(一次発酵を0〜30分とする方法)を採用するとよい。
マルトース資化能力が高い冷凍生地専用イーストを使用することで、イーストのマルトース資化の誘導期間を著しく短縮することができるため、特に冷凍生地の製法としてノータイムストレート法を採用した場合において効果が高い。冷凍生地専用イーストであってもマルトース資化能力の低いイーストでは、特に冷凍生地の製法としてノータイムストレート法を採用した場合において、ホイロ工程での発酵が十分に進行しないため、パンとしての品質を確保できないなどの問題を生じてしまう。また冷凍耐性を有しないイーストでは、冷凍保管中にイーストがダメージを受けるため、冷凍生地法には適さない。
冷凍生地法におけるイーストの添加量は、通常の冷凍生地法に準じた量で行えばよいが、ノータイムストレート法を採用した場合の好ましい条件として、小麦粉100重量部あたり5〜6重量部が例示される。
また冷凍生地法では、糖アルコールを添加するのが好ましく、その添加量としては、ソルビトールの場合で小麦粉100重量部あたり1.5〜3重量部(より好ましくは1.5〜2重量部)が例示される。糖アルコールの併用効果については、そのメカニズムは不明瞭ではあるが、冷凍耐性が向上する効果が示唆されることを確認している。
冷凍生地の種類には、生地玉冷凍生地、成型冷凍生地、ホイロ後冷凍生地などがあるが、本発明においては、何れの冷凍生地にも適用可能であるが、より好ましくは成型冷凍生地である。
冷凍生地の解凍以降の工程、すなわち、成型冷凍生地の場合で解凍・ホイロ・焼成の工程は、特に制限なく、通常実施されている方法が適用できる。例えば、解凍方法としては、一定の温度条件下で解凍を行う方法や温度帯を段階的に変えて実施する多段階の解凍方法などが挙げられ、温度や時間の条件は特に制限されないが、適切な解凍を行うことが必要であり、より好ましくは解凍終了時の生地中心部の温度が10℃以上であることが望ましい。またホイロ条件は生地に合わせた適切な温度・時間を設定すればよく、特に制限されないが、好ましい条件として、35〜40℃で55〜70分が例示される。
これにより調製された生地を通常のパンと同様の焼成条件で焼成することで、焼き色の着かない白色焼成パン類を製造することができる。
冷凍生地法においては、生地の冷凍保管による冷凍障害により、焼成後のパンの外観の悪化や容積の低下という問題が生じるため、冷凍生地用の各種改良剤が利用されるが、冷凍生地用改良剤の多くは各種の酵素製剤を含むため、焼成時の焼き色増加の一因となるリスクが高く、白色焼成パン類を冷凍生地法で製造することは困難であった。
しかしながら、本発明の白色焼成パン類においては、冷凍生地用の各種改良剤を使用しなくても2ヶ月以上の冷凍耐性を有するため、十分に商品価値を有している。
試料約0.5gを精密に量り、0.1mol/L塩酸を加えて100mlとし、その10mlを採り0.1mol/L塩酸を加えて50mlとする。これを試験溶液として0.1mol/L塩酸を対照とし、液層の長さ10mmで波長495nm付近の最大吸収波長における試験溶液の吸光度Aを測定し、次式により求める:色価=A×50/試料の採取量(g)。
〔配合〕
中種(重量部) 小麦粉 70
イースト 3
(レッドイースト:(株)カネカ製)
イーストフード 0.1
(Cフード:オリエンタル酵母工業(株)製)
水 40
本捏(重量部) 小麦粉 30
ショートニング 8
乳化剤 0.6
(エマルジーMM-100:理研ビタミン(株)製)
食塩 1.6
水 20
表2記載の糖類
〔工程〕
中種:ミキシング 低速3分中速1分
捏上温度 26℃
発酵時間 2.5時間
発酵条件 27℃、75%湿度
本捏:ミキシング 低速2分中速4分↓(ショートニング)低速2分中速5分
捏上温度 27℃
フロアタイム 20分
分割 50g
ベンチタイム 20分
成型 ロール型(円柱状、長さ16cm、直径3.2cm)
ホイロ(最終発酵)時間 60分
ホイロ(最終発酵)条件 28℃、85%湿度
焼成温度 200℃
焼成時間 8分
総合評価は、上記の評価に加え、パン生地製造時の生地の発酵状態、焼成後のロールパンの比容積、パンの食感を総合して以下の基準により、白色焼成パン類としての品質を評価した。また特にコメントを要する評価内容があるものについては、総合評価の欄に特記した。結果を表2に示す。
総合評価
◎ 極めて良好
○ 良好
△ やや不良
× 不良
また対照区1〜16の結果より以下のことが分かる。
(1)トレハロースを添加しないとブドウ糖を組み合わせる際に焼き色の発生を抑制できない(対照区1〜4)。また、生地の伸展性に悪影響を生じることがある(対照区2)。
(2)糖類の添加をトレハロースのみとした場合は、焼き色の発生は抑制できるが、生地の伸展性が悪くなり、パンのボリュームも小さくなる(対照区5)。
(3)ブドウ糖およびトレハロース以外のイースト発酵性の糖類1種または2種以上を使用する場合に、ブドウ糖を含まない組合せとすると、焼き色の発生を十分に抑制することが難しい(対照区6および7)。
(4)トレハロースの添加量が小麦粉100重量部に対して4重量部より多くなると、焼き色の発生を十分に抑制できなくなる(対照区8)。
(5)ブドウ糖の添加量が小麦粉100重量部に対して3重量部より多くなると、焼き色が著しく強くなる(対照区9)。
(6)ブドウ糖およびトレハロース以外のイースト発酵性の糖類1種または2種以上をブドウ糖と併用して使用する場合に、小麦粉100重量部に対して該糖類の合計量が3重量部より多くなると、焼き色が著しく強くなる(対照区9)。
(6)糖類を添加しない場合は、生地の伸展性が悪く、パンのボリュームも著しく小さい(対照区11)。
(7)従来技術を採用した場合は、焼き色を抑える効果はあるが、比容積は小さく、食感はくちゃついて劣るほか、一部では生地の伸展性も悪くなってしまいパンの品質としては満足できるものではない(対照区12〜16)。
〔配合〕
(重量部) 小麦粉 100
イースト 表3記載の量
(レッドイースト:(株)カネカ製)
イーストフード 0.1
(Cフード:オリエンタル酵母工業(株)製)
乳化剤 0.6
(エマルジーMM-100:理研ビタミン(株)製)
食塩 1.5
水 55
ショートニング 8
表3記載の糖類
〔工程〕
ミキシング 低速2分中速4分↓(ショートニング)低速2分中速4分
捏上温度 27℃
一次発酵 60分
分割 60g
ベンチタイム 20分
成型 ロール型(円柱状、長さ16cm、直径3.2cm)
ホイロ(最終発酵)時間 60分
ホイロ(最終発酵)条件 38℃、85%湿度
焼成温度 200℃
焼成時間 8分
総合評価は、上記の評価に加え、パン生地製造時の生地の発酵状態、焼成後のロールパンの比容積、パンの食感を総合して以下の基準により、白色焼成パン類としての品質を評価した。また特にコメントを要する評価内容があるものについては、総合評価の欄に特記した。結果を表3に示す。
総合評価
◎
極めて良好、○ 良好、△ やや不良、× 不良
また対照区17〜21の結果より以下のことが分かる。
(1)ブドウ糖を添加しない場合は、生地の伸展性が悪くなり、パンの比容積も小さくなる(対照区17)。
(2)ブドウ糖の添加量が小麦粉100重量部に対して0.5重量部より多くなると、焼き色が強くなる(対照区18)。
(3)マルトースの添加量が小麦粉100重量部に対して0.8重量部より多くなると、焼き色が強くなる(対照区19)。
(4)トレハロースを添加しないと、生地の伸展性が悪くなり、比容積も小さくなる(対照区20)。
(5)従来技術を採用した場合は、著しい焼き色が着くほか、比容積も小さくなり、パンの品質としては満足できるものではなく(対照区21)、従来技術は製法にストレート法を採用した場合には焼き色を抑制する効果が無いことが分かる。
〔配合〕
(重量部) 小麦粉 100
イースト 表4記載の量
(表4記載のイースト)
イーストフード 0.1
(Cフード:オリエンタル酵母工業(株)製)
乳化剤 0.6
(エマルジーMM-100:理研ビタミン(株)製)
食塩 1.5
水 56
ショートニング 8
表4記載の糖類
〔工程〕
ミキシング 低速2分中速8分↓(ショートニング)低速2分中速6分
捏上温度 20℃
一次発酵 0〜60分(表4記載の時間条件)、22℃
分割 50g
ベンチタイム 15分
成型 ロール型(円柱状、長さ16cm、直径3.2cm)
凍結 −40℃ 40分
冷凍保管 −30℃、2ヶ月間
解凍条件(ドウコン使用) −5℃、10hr→3℃、3hr→20℃、1.5hr→ホイロへ
ホイロ(最終発酵)時間 55〜70分(表4記載の時間条件)
ホイロ(最終発酵)条件 35〜40℃(表4記載の温度条件)、85%湿度
焼成温度 200℃
焼成時間 8分
2ヶ月保管後の冷凍耐性の評価を焼成後のロールパンの比容積、外観観察(梨肌の発生有無など)を基に以下の基準により評価した。
総合評価は、上記の評価に加え、焼成後のロールパンの比容積、パンの食感、冷凍耐性を総合して以下の基準により、白色焼成パン類としての品質を評価した。また特にコメントを要する評価内容があるものについては、総合評価の欄に特記した。結果を表4に示す。
冷凍耐性の評価
◎ 比容積・外観共に極めて良好 ○ 比容積・外観共に良好
△ やや不良(比容積小さいまたは外観悪い) × 不良(比容積小さく、外観も悪い)
総合評価
◎ 極めて良好 ○ 良好 △ やや不良 × 不良
ブドウ糖およびトレハロースの最適添加量は、小麦粉100重量部に対して、ブドウ糖0.1〜0.3重量部、トレハロース1〜5重量部であると考えられる。またソルビトールを使用する場合は、小麦粉100重量部に対してソルビトール1.5〜3重量部が好適な量であると考えられる。
また対照区22〜28の結果より以下のことが分かる。
(1)ブドウ糖を添加しない場合は、冷凍耐性が悪く、容積が小さめになり、食感もくちゃつく(対照区22)。
(2)ブドウ糖の添加量が小麦粉100重量部に対して0.3重量部より多くなると、焼き色が強くなり、特にパン底面の焼き色が強くなる(対照区23)。
(3)トレハロースを添加しないと冷凍耐性に問題を生じる(対照区24)。
(4)冷凍生地法においては、マルトース資化能力の低いイーストを使用すると、パンとしての品質自体に問題を生じることが分かる(対照区25、26)。
(5)従来技術を採用した場合は、強い焼き色を生じるだけでなく、パンとしての最低限の品質さえも得られないこと(対照区27、28)から、従来技術は冷凍生地法には適用できないことが分かる。
コチニール色素:SRレッドK-6 三栄源エフ・エフ・アイ製
ベニバナ・クチナシ色素:抹茶ベース 横山香料製
クチナシ色素:サンイエローNo.3 三栄源エフ・エフ・アイ製
Claims (6)
- 焼成条件として窯の温度を200℃とした場合に、焼成前の生地の明度に対する焼成後のパンのクラスト部の明度の低下率が10%以下となるパン生地の製造方法であって、該パン生地の製造法としてストレート法を採用し、小麦粉100重量部に対してブドウ糖0.2〜0.5重量部及びトレハロース1〜5重量部を添加し、添加したトレハロースが、生地の発酵中に小麦澱粉より発生するマルトースの資化を阻害せずに継続的に発酵を進行させ、焼成前の段階までイーストのガス発生を維持させることを特徴とするパン生地の製造方法。
- さらに、小麦粉100重量部に対して、マルトース0.4〜0.8重量部を添加することを特徴とする請求項1記載のパン生地の製造方法。
- 焼成条件として窯の温度を200℃とした場合に、焼成前の生地の明度に対する焼成後のパンのクラスト部の明度の低下率が10%以下となるパン生地の製造方法であって、該パン生地の製造法としてノータイムストレートによる冷凍生地法を採用し、小麦粉100重量部に対してブドウ糖0.1〜0.3重量部及びトレハロース1〜5重量部を配合し、かつマルトース資化能力が高い冷凍生地専用イーストを使用すること、ならびに、添加したトレハロースが、生地の発酵中に小麦澱粉より発生するマルトースの資化を阻害せずに継続的に発酵を進行させ、焼成前の段階までイーストのガス発生を維持させることを特徴とするパン生地の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の方法で製造されたパン生地を焼成して得られる白色焼成パン類。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の方法で製造されたパン生地を調製する際の製パン原材料として食品色素を添加することを特徴とする色素の色を鮮やかに発色したパン類に焼き上げるためのパン生地の製造方法。
- 請求項5に記載の方法で製造されたパン生地を焼成して得られる着色焼成パン類。
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