JPH09149785A - パン酵母の取得と製パン法 - Google Patents

パン酵母の取得と製パン法

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JPH09149785A
JPH09149785A JP33118095A JP33118095A JPH09149785A JP H09149785 A JPH09149785 A JP H09149785A JP 33118095 A JP33118095 A JP 33118095A JP 33118095 A JP33118095 A JP 33118095A JP H09149785 A JPH09149785 A JP H09149785A
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JP
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strain
bread
baker
yeast
invertase
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JP33118095A
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English (en)
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Masahiko Tamura
雅彦 田村
Hiroshi Moriya
浩 森谷
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Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 或る数値の範囲のインベルターゼ活性とマル
ターゼ活性を有するパン酵母菌株を選択取得することに
より、食パン・菓子パンともに良好な品質のパンを作
る。 【解決手段】 インベルターゼ活性が10ユニットから
50ユニット、かつマルターゼ活性が少なくとも40ユ
ニット以上であるサッカロミセス属に属するパン酵母菌
株は、低糖生地にも適し耐糖性も強く、嗜好性の面でも
高い評価を受ける。この様な菌株を選択することにより
得られた菌株は食パン製造にも菓子パン製造にも使用可
能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全く正反対の性質
が要求され、従来両立させることができなかった高糖生
地及び低糖生地の両方に兼用することのできる新規パン
酵母及びそれを用いる製パンシステムに関する。更に詳
細には、本発明は、全く逆の性質が要求されるために従
来作製することができなかったところの、食パンも製造
することができるしまた菓子パンも製造することのでき
る新規パン酵母の創製に成功したものであって、従来の
技術常識とは逆にインベルターゼ活性を低下せしめると
いう技術思想に改めて着目するとともに、マルターゼ活
性との関連についてはじめて着目しただけでなく、これ
らの適正な数値限定にもはじめて成功し、これら特定の
数値範囲のインベルターゼ活性とマルターゼ活性を有す
るパン酵母菌株が食パン性能・菓子パン性能ともに良好
であることを明らかにすると共に、該菌株の取得を目的
とし、更には得られた該菌株を用いてパンを製造するト
ータルシステムを確立することを目的とするものであ
る。
【0002】
【従来の技術】高糖生地(菓子パン生地)においてパン
酵母が発酵阻害を受ける理由は、パン酵母のインベルタ
ーゼによってスクロースが分解されて2分子の単糖とな
り、モル数に比例して生地の浸透圧が上昇するためであ
ると言われている。即ち、インベルターゼ活性の高いパ
ン酵母は高浸透圧により発酵阻害を強く受け、耐糖性が
低い。従って耐糖性の高いパン酵母を得るにはインベル
ターゼ活性の低い菌株を選択すればよいことになる(イ
ースト工業会技術委員会技術懇談会発表報告記録(以
下、イースト技報と略す)第20号 p28〜30)。
一方、低糖生地(食パン生地)ではインベルターゼ活性
が高いほど発酵力が大きくなる。この様に、高糖生地と
低糖生地とではそれぞれに適したインベルターゼ活性の
強さが相反することになる。従来、積極的にインベルタ
ーゼ活性の低いパン酵母を得ようとする試みはなされて
いない。その理由は、このようなパン酵母は低糖生地に
は適さず、製パンに際しては焼き色が薄く、好ましくな
いからである。また、インベルターゼはパン酵母がスク
ロースの発酵を行う上で必要欠くべからざるものと考え
られているからである。他方、実用に供するパン酵母の
選定に当っては、一般に自然界からのスクリーニングま
たは適当と考えられる親株を使用して育種を行い、得ら
れた菌株を生地発酵させ、低糖生地にも適し耐糖性も強
い菌株を取得する方法がとられている。
【0003】パン酵母のインベルターゼに関する報告書
としては、酸処理によりインベルターゼのみを不活化さ
せようとする試み(イースト技報第27号 p1〜
5)。インベルターゼ添加により活性を高めてフラクト
サイドの発酵を促進しようとする試み(イースト技報第
41号 p11〜16)が報告されている。また、イン
ベルターゼについて記載されている公報としては、特開
昭63−237732では食パン製造上の問題解決のた
めにインベルターゼ活性および/またはマルターゼ活性
の増大した変異株をパン製造に用いる方法が記されてい
るが、菓子パンは対象の外である。また、特公平7−1
6401ではインベルターゼ活性の低いパン酵母の培養
法について、特開平3−80073ではインベルターゼ
活性が10nmol/min/乾燥菌体mg以下のパン酵母につ
いて記されているが、これらはフラクトオリゴ糖を分解
させない酵母についての記載にしかすぎない。今まで
に、高糖生地にも低糖生地にも適したパン酵母を得るた
めに積極的にインベルターゼ活性の低い酵母を選抜した
という報告はない。また同様の目的でインベルターゼ活
性とマルターゼ活性との関連についての報告もなく、ま
してや両活性が特定の数値範囲にある酵母を選抜したと
いう報告もない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高糖パン生地と低糖パ
ン生地とでは、特に糖含量が相違するため、低糖パン生
地に適したインベルターゼ活性の高いパン酵母は、高糖
生地では発酵阻害を強く受け、工業的に使用することが
できない。したがって、現在の製パン工業においては、
菓子パン用酵母と食パン用酵母とは、兼用させることは
できない。しかしながら、製パン工業の現場において
は、作業効率や生産コストの面から、両者兼用の新規パ
ン酵母の開発が待望されている。また、その場合、自然
界からのスクリーニングまたは適当と考えられる親株を
使用して育種を行い、得られた菌株を生地発酵させパン
を作り、低糖生地にも適し耐糖性も強い菌株を取得する
方法は多大の労力と時間を必要とするものであり、より
効率のよい取得方法が望まれるところである。たとえば
菌株の或る特性値を指標としてその指標に合致した菌株
を得たとき、得られた菌株は低糖生地にも適し耐糖性も
強い性能を有するものであれば、大いに望ましいのであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであって、高糖生地・低糖生地
兼用新規パン酵母を新たに開発するためになされたもの
であって、低糖生地にも適し耐糖性も強いというインベ
ルターゼ活性に関して全く正反対の性質をパン酵母に対
して併有せしめなければならないという解決困難な新規
技術課題を設定し、これを解決するためになされたもの
である。そこで、各方面から鋭意検討した結果、従来の
技術レベルとは全く逆に、インベルターゼ活性の低いパ
ン酵母にあえて着目しただけでなく、マルターゼにも着
目し、鋭意研究の末、マルターゼ活性が一定値以上であ
れば、インベルターゼ活性が低いパン酵母であっても高
糖生地にも充分使用できること、換言すれば、従来両立
し得ないとされていた低糖生地にも適し且つ同時に耐糖
性をも有するところの高糖生地・低糖生地兼用パン酵母
の創製が可能であることをはじめて発見した。しかし、
インベルターゼ活性がゼロである場合には、還元糖の生
成が行われないため、パン焼成中に生じてパンの焼き色
に反映されるメイラード反応が抑制され、焼き色の非常
に薄いパンができる。ある特殊な用途では焼き色が薄い
ことが高い評価を受ける場合もあるが、通常は適度な焼
き色が好まれるのであり、嗜好性の面で高く評価され
る。この様に、菌株のインベルターゼ活性がゼロの場合
には嗜好性の面でのデメリットを生じる。この嗜好性の
問題点を回避しつつ、低糖生地にも適し耐糖性も強いパ
ン酵母を得るべく本発明者らは研究を行い、インベルタ
ーゼ活性とマルターゼ活性が或る数値の範囲にあるパン
酵母は低糖生地にも適し耐糖性も強く、嗜好性の面でも
高い評価を受けることを見出したのである。そして本発
明者らは、更に検討の結果、これらの適正数値を科学的
につきとめるのに成功し、そして現実に実用パン酵母の
創製に成功しただけでなく、その作製方法も確立し、更
には各種パンの製造にも成功し、新しい製パンのトータ
ルシステムを創製するに至った。以下、本発明について
詳述する。
【0006】本発明は、インベルターゼ活性が10ユニ
ットから50ユニット、かつマルターゼ活性が少なくと
も40ユニット以上であるサッカロミセス属に属する高
糖生地・低糖生地兼用のパン酵母菌株(以下、NIM菌
株と称する)であり、サッカロミセス属に属するパン酵
母菌株の交雑に際してインベルターゼ欠損の半数体株を
一方の親株に使用して得られるNIM菌株であり、また
サッカロミセス属に属するパン酵母菌株の交雑に際し
て、インベルターゼ欠損の半数体株として、Sacch
aromyces cerevisiae ATCC
56795(以下、ATCC 56795と略す)、S
accharomyces cerevisiae A
TCC 56805(以下、ATCC 56805と略
す)から選択される菌株を一方の親株に使用して得られ
るNIM菌株であり、またサッカロミセス属に属するパ
ン酵母菌株の交雑に際して、インベルターゼ欠損の半数
体株を一方の親株に使用して得られる菌株に由来する半
数体株を一方あるいは両方の親株として使用して得られ
るNIM菌株であり、更にSaccharomyces
cerevisiae NIM−P1(以下、NIM
−P1と略す)、Saccharomyces cer
evisiae NIM−14(以下、NIM−14と
略す)、Saccharomyces cerevis
iae NIM−15(以下、NIM−15と略す)、
Saccharomyces cerevisiae
NIM−21(以下、NIM−21と略す)から選択さ
れる高糖生地・低糖生地兼用パン酵母菌株である。また
本発明は、サッカロミセス属に属するパン酵母菌株の交
雑に際してインベルターゼ欠損の半数体株を一方の親株
に使用することを特徴とするNIM菌株の取得方法であ
り、サッカロミセス属に属するパン酵母菌株の交雑に際
してインベルターゼ欠損の半数体株としてATCC 5
6795、ATCC 56805から選択される菌株を
一方の親株に使用することを特徴とするNIM菌株の取
得方法であり、サッカロミセス属に属するパン酵母菌株
の交雑に際して、インベルターゼ欠損の半数体株を一方
の親株に使用して得られる菌株に由来する半数体株を一
方あるいは両方の親株として使用するNIM菌株の取得
方法である。また本発明は、本発明であるNIM菌株を
用いるパン生地発酵特性の改善方法であり、パン製造の
方法である。また本発明は、サッカロミセス属に属する
パン酵母菌株の交雑に際して、インベルターゼ欠損の半
数体株を一方の親株に使用して得られたNIM菌株を用
いてパン生地発酵特性を改善する方法であり、パンを製
造する方法である。更に本発明は、サッカロミセス属に
属するパン酵母菌株の交雑に際して、インベルターゼ欠
損の半数体親株としてATCC 56795、ATCC
56805から選択される菌株を一方に使用して得ら
れたNIM菌株を用いてパン生地発酵特性を改善する方
法であり、パンを製造する方法であり、またNIM−P
1、NIM−14、NIM−15、NIM−21から選
択される菌株を用いてパン生地発酵特性を改善する方法
であり、パンを製造する方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては、高糖生地にも
低糖生地にも適したパン酵母菌株の取得を目的として交
雑を行うが、細胞融合によっても取得が可能である。こ
こでATCC 56795とATCC 56805はイ
ンベルターゼを欠損したタイプカルチャーである。な
お、これらタイプカルチャー以外でもインベルターゼが
欠損していれば、交雑させる場合の片方の親株として使
用可能である。しかし、インベルターゼを欠損している
親株と交雑する相手となる株はマルターゼ活性を必ず有
している必要がある。ただし、インベルターゼを欠損し
ている親株がマルターゼ活性を有しているなら、その交
雑相手は必ずしもマルターゼ活性を有する必要は無い。
つまリ本発明は、インベルターゼ活性が低下あるいは欠
損した部分をマルターゼによるスクロース分解活性に依
存するものである。低糖生地の製パン性能が良好な菌株
は、一般的に高糖生地での製パン性能が劣っている。こ
れとは逆に高糖生地での製パン性能が良好な菌株は低糖
生地発酵力が不十分である。そのためレギュラー菌株、
食パン専用菌株無糖用菌株といった製品が開発された経
緯がある。
【0008】本発明は、低糖用菌株のインベルターゼ活
性を段階的に低下させることによりマルターゼとインベ
ルターゼの最適な範囲を捉え、パン生地の発酵特性を改
良する方法である。育種の具体的な詳細については実施
例に記すが、概略は次の通りである。 (1) 日本甜菜製糖(株)保存のレギュラー系菌株か
ら得られた半数体とATCC 56805を交雑させて
得た菌株のインベルターゼ活性、液体発酵力、パン生地
の発酵特性を調べる。その結果をもとに育種素材として
使用するレギュラー系半数体株を選択する。 (2)日本甜菜製糖(株)保存の低糖系菌株から得られ
た半数体とATCC 56795株とを交雑させ、その
交雑株の胞子とATCC 56795株を再度交雑さ
せ、それから胞子分離を行い半数体株を得る。 (3)(2)で分離した半数体株と(1)で選択した半
数体株を交雑する。交雑によって作成された2倍体につ
いては振とうフラスコで培養を行い、収量、液体発酵
力、インベルターゼ活性、必要に応じてマルターゼ活性
の測定を行う。フラスコ培養で選択された菌株について
はミニジャーを使用した流加培養を行い、フラスコ培養
時の測定項目に加え、菌体成分の分析、製パン試験を行
う。この様な育種の手法によってインベルターゼ活性と
マルターゼ活性の最適な範囲を把握した。
【0009】本発明において、目的とする菌株例とし
て、Saccharomyces cerevisia
e NIM−P1(受託番号FERM P−1514
6)、Saccharomyces cerevisi
ae NIM−14(受託番号FERM P−1514
9)、Saccharomyces cerevisi
ae NIM−15(受託番号FERM P−1514
8)及びSaccharomyces cerevis
iae NIM−21(受託番号FERM P−151
47)の4菌株を得た。これら菌株の菌学的性質は次の
通りである。
【0010】 〔NIM−P1〕 1.生育状態 (麦芽汁培地) 細胞の大きさ及び形状 5×7μm 楕円型 仮性菌糸の有無 あり(強い凝集性を示す) (バレイショ抽出液寒天培地) 細胞の大きさ及び形状 4×5μm 楕円型 仮性菌糸の有無 なし 2.子のう胞子の形成 (酢酸ソーダ培地) あり 3.炭素源の資化性 グルコース + ガラクトース + スクロース + マルトース + ラフィノース + メリビオース − キシロース − トレハロース + メレジトース + メチル−α−グルコシド + グリセロール + 4.その他 硝酸塩の同化 − 尿素の分解 −
【0011】 〔NIM−14〕 1.生育状態 (麦芽汁培地) 細胞の大きさ及び形状 5×7μm 楕円型 仮性菌糸の有無 なし (バレイショ抽出液寒天培地) 細胞の大きさ及び形状 4×5μm 楕円型 仮性菌糸の有無 なし 2.子のう胞子の形成 (酢酸ソーダ培地) あり 3.炭素源の資化性 グルコース + ガラクトース + スクロース + マルトース + ラフィノース + メリビオース + キシロース − トレハロース + メレジトース + メチル−α−グルコシド − グリセロール + 4.その他 硝酸塩の同化 − 尿素の分解 −
【0012】 〔NIM−15〕 1.生育状態 (麦芽汁培地) 細胞の大きさ及び形状 4×6μm 楕円型 仮性菌糸の有無 なし (バレイショ抽出液寒天培地) 細胞の大きさ及び形状 3×4μm 楕円型 仮性菌糸の有無 なし 2.子のう胞子の形成 (酢酸ソーダ培地) あり 3.炭素源の資化性 グルコース + ガラクトース + スクロース + マルトース + ラフィノース + メリビオース − キシロース − トレハロース + メレジトース + メチル−α−グルコシド + グリセロール + 4.その他 硝酸塩の同化 − 尿素の分解 −
【0013】 〔NIM−21〕 1.生育状態 (麦芽汁培地) 細胞の大きさ及び形状 6×7μm 楕円型 仮性菌糸の有無 なし (バレイショ抽出液寒天培地) 細胞の大きさ及び形状 5×6μm 仮性菌糸の有無 なし 2.子のう胞子の形成 (酢酸ソーダ培地) あり 3.炭素源の資化性 グルコース + ガラクトース + スクロース + マルトース + ラフィノース + メリビオース − キシロース − トレハロース + メレジトース + メチル−α−グルコシド + グリセロール + 4.その他 硝酸塩の同化 − 尿素の分解 −
【0014】育種過程で用いた分析手法は次の通りであ
る。なお、培地において使用する%はW/V%であり、
その他において使用する%はW/W%である。 〔接合型の判定〕Rapid asessment o
f S.cerevisiae mating typ
e by PCR(Bio−technique Vo
l.6No.8(1990))に記載されている方法に
より決定した。即ちa接合型からは544bpの大きさ
を有する増幅産物が得られ、α接合型からは404bp
の大きさを有する増幅産物が得られる。aα接合型から
は両方の増幅産物が得られる。 〔液体発酵力の測定〕Influence of Do
ugh Constituents onFermen
tation(Cereal Chemistry V
ol.22(1945))に記載の組成において、発酵
培地の炭素源を10%のスクロースとしたもの(F1
0)、40%のスクロースとしたもの(F40)、8%
のマルトースとしたもの(M8)を用い、200mgの
乾物重量の酵母が、30℃、3時間で発生する炭酸ガス
発生量(mg)を重量法で求める。 〔インベルターゼ活性の強弱の判定〕スクロース2%を
含むイーストエキス0.5%、ペプトン1%の液体培地
に菌株を接種し、25℃で24時間培養後、培地上澄の
還元糖量を尿ブドウ糖半定量用試験紙ハイテスパーG
“栄研”で測定し、−(最も活性が弱い)、±、+、2
+、3+、4+(最も活性が強い)の6段階評価を行っ
た。 〔マルトース発酵力の強弱の判定〕マルトース2%を含
むイーストエキス0.5%、ペプトン1%の液体培地に
BTB指示薬を添加し、接種した菌株により発酵が起こ
った場合にはBTB指示薬の620nmの吸光値が減少
することを指標とし、25℃で24時間培養後の吸光値
が0.3未満まで低下した場合を○、0.3〜0.4は
△、0.4を超える場合は×と判定した。
【0015】〔インベルターゼ活性の定量〕酵母を乾物
重量として0.5〜1.5mg/ml含む懸濁液と0.
1Mクエン酸バッファー(pH5.5)中に調整した5
%スクロース溶液の双方を30℃に保温し、それぞれ1
mlずつを混合する。30℃、3分間の反応の後、1M
の水酸化ナトリウムを2ml添加混合し反応を停止す
る。3000rpmの遠心分離により菌体を除去し、上
澄1mlとDNS試薬lmlを添加混合し、沸騰水中で
5分間加熱し水冷する。脱塩水10mlにて希釈の後、
540nmで吸光度を測定する。ブランクは脱塩水、標
準液は0.1%グルコース溶液を使用する。ここでDN
S試薬とは3,5−ジニトロサリチル酸5gを0.67
Mの水酸化ナトリウム300mlに溶解の後、酒石酸ナ
トリウム150gを添加溶解し、500mlにメスアッ
プしたものである。インベルターゼ活性(INV)の表
示は、水分含量67%の酵母1gが1分間に生成する還
元糖量1mgを1ユニットとする。 〔マルターゼ活性の定量〕酵母を乾物重量として25〜
50mg採取し、脱塩水にて5mlとする。ここに0.
2M燐酸バッファー(pH6.0)を5ml添加し、超
音波破砕機(ヒートシステム社W−375、マイクロチ
ップ使用、レンジ5)で15分間破砕する。処理後、ポ
アサイズ0.2μmの酢酸セルロースメンブレンフィル
ター(アドバンテック東洋製)にて清澄し、酵素溶液と
する。酵素溶液0.5mlと10mMのp−ニトロフェ
ニル−α−D−グルコピラノシド0.5mlを混合し、
25℃、3分間反応を行う。0.1M炭酸ナトリウムを
5ml添加し反応を停止し400nmで吸光度を測定す
る。ブランクは酵素溶液の代わりに0.1M燐酸バッフ
ァーを使用する。標準液は0.2mMのp−ニトロフエ
ノールに0.1M炭酸ナトリウムを5ml添加したもの
を使用する。活性の表示は、酵母乾物1mgが1分間に
生成するp−ニトロフェノール量1μmolを1ユニッ
トとする。
【0016】菌株の交雑方法は以下の通りである。 〔菌株の交雑〕ミクロマニピュレータを用い行う。細胞
対細胞を交雑する場合にはYPD培地で2日間前培養し
た菌体を使用する。細胞対胞子を交雑する場合に使用す
る胞子は、1%酢酸ナトリウム寒天培地で3〜5日間胞
子形成の後、細胞壁溶解酵素(例えば生化学工業株式会
社製「ザイモリエース」)で子のうを溶解して取り出
す。直径8cmのプラスチックシャーレに5mlのYP
D寒天を流し込み、固化させる。交雑させる対象とする
接合型の異なる菌株を寒天平板の径線部分に別々に塗抹
し、顕微鏡下で個々の細胞を釣り上げ、互いに接触させ
る。2〜3日間25℃で培養し接合子を形成させて、交
雑株を得る。交雑の確認は胞子形成能とPCR法によっ
て行う。
【0017】菌株の発酵性能を調べるため、以下に示し
たフラスコ培養方法で得られる菌体とミニジャー培養方
法で得られる菌体を使用した。 〔フラスコ培養の方法〕YMブロス(イーストエキス1
%、モルトエキス10%)10mlにて30℃、2日間
の前培養を行った菌体を、SF培地(ケーン糖蜜2.5
%(発酵性糖分として)、硫酸アンモニウム0.19
%、尿素0.13%、燐酸1カリウム0.05%、硫酸
マグネシウム0.05%、CSL 0.125%、pH
5.2)120mlを分注した500ml振とうフラス
コに接種する。30℃、40時間培養し、培養菌体は3
000rpmの遠心分離にて回収し、脱塩水200ml
で洗浄の後25mlにメスアップする。5mlの乾物重
量を求め、残る20mlで液体発酵力と酵素活性を測定
する。 〔ミニジャー培養の方法〕培養に使用する種菌はSF培
地の組成を1.5倍に増量した1.5×SF培地にて4
8時間培養し作成する。各供試菌株について使用種菌量
16gに見合う本数の培養を行い、3000rpmの遠
心分離にて回収、500mlの滅菌水にて1回洗浄を行
い種菌とする。培養温度30℃における飽和溶存酸素量
の20%以上を維持し、糖蜜流加培養を行う。流加糖量
は103.5g、培養時間は10時間で行う。窒素源は
尿素あるいは硫酸アンモニウムを使用し、ビタミン類、
その他の塩類は適宜加える。0分毎に流加する発酵性糖
量は表1の通りである。
【0018】
【表1】
【0019】〔菓子パン試験法〕育種された菌株の高糖
生地における発酵性能を試験するため、菓子パン配合で
の製パン試験を実施し、ホイロ膨張量(ホイロと略
す)、比容積を測定する。ここでホイロとは110gの
菓子パン生地が50分間に膨張する量をシリンダーで測
定するものであり、単位はmlで表す。比容積とは焼成
後のパンの重量当たりの容積(ml/g)を示す。配合
および工程条件は表2の通りである。
【0020】
【表2】
【0021】〔食パン試験法〕育種された菌株の低糖生
地性での発酵性能を試験するため、食パン配合での製パ
ン試験を実施し、ホイロ時間、比容積を測定する。ここ
でホイロ時間とはパン生地がワンローフパン型の縁から
2cm上まで発酵するに必要な時間を示す。焼成したパ
ンの焼き色は日本電色工業製ND−101色差計を用
い、Lab系色差をもって測定する。ここでL値は明
暗、a値は赤色度、b値は黄色度を示す。同時に10名
のパネラーによる焼き色の好みを判定する。食パン製パ
ン試験の配合および工程条件は表3の通りである。
【0022】
【表3】
【0023】
【実施例】
(実施例1)NIM−P1の育種は以下の通り行った。
日本甜菜製糖(株)保存のレギュラー用菌株NTSR−
9441から胞子分離を行い、PCR法によりa接合型
と判定されるSP−NTS−a株群12株を取得した。
この12株各々に対しATCC 56805をマニピュ
レータを用いて交雑させた。取得されたコロニーについ
て、酢酸ナトリウム培地(酢酸ナトリウム0.5%、塩
化カリウム1%、寒天2%)での胞子形成を確認の後、
単コロニーとし、各単コロニーの接合型をPCR法にて
確認し、接合型へテロである交雑株を取得した。この1
2株の交雑株に対しフラスコ培養を実施し、収量、液体
発酵力、インベルターゼ活性(INV)を測定した。結
果を表4に示す。この結果からM8発酵力に優れインベ
ルターゼ活性の低いATCC 56805*SP−NT
S−13a株を選択し、Saccharomyces
cerevisiae NIM−P1と命名した。
【0024】
【表4】
【0025】(実施例2)NIM−14の育種は以下の
通り行った。日本甜菜製糖(株)保存の食パン用菌株S
PU−251−10から胞子分離を行い、PCR法によ
りα接合型と判定されるSPU−hap−40α体を取
得した。この株とATCC 56795をマニピュレー
タを用いて交雑させた。取得されたコロニーについて、
酢酸ナトリウム培地(酢酸ナトリウム0.5%、塩化カ
リウム1%、寒天2%)での胞子形成を確認の後、単コ
ロニーとし、各単コロニーの接合型をPCR法にて確認
し、接合型へテロである交雑株SPU−hap−40α
*ATCC 56795株を取得した。この交雑株のフ
ラスコ培養を実施し、収量、液体発酵力、インベルター
ゼ活性(INV)を測定した。この菌株はインベルター
ゼ活性が高く、胞子形成率は良好であるが発芽率が1%
以下であったため、SPU−hap−40α*ATCC
56795株からの分離胞子とATCC 56795
株を接触・交雑させるCell to Sporeの交
雑を160個の胞子に対して行った。大きなコロニーを
形成した18個の組み合わせの中から胞子形成率が良好
であり、かつ、胞子発芽率も高い交雑株を選択した。こ
の交雑株についてもフラスコ培養を実施し、収量、液体
発酵力、インベルターゼ活性(INV)を測定した。以
上の結果を表5にまとめた。この結果からF40発酵力
に優れインベルターゼ活性の低いATCC 56795
*(SPU−hap−40α*ATCC 56795)
株を選択し、Saccharomyces cerev
isiae NIM−14と命名した。
【0026】
【表5】
【0027】(実施例3)NIM−15およびNIM−
21の育種は以下の通り行った。NIM−14から単胞
子分離を行い、58株の胞子分離株を取得した。これら
半数体についてPCR法による接合型の判定およびマル
トース発酵力の強弱の判定、尿ブドウ糖半定量用試験紙
ハイテスパーG“栄研”によるインベルターゼ活性の強
弱の判定を行った。結果は表6および表7に示す。な
お、マルトース発酵力の弱いものについてはインベルタ
ーゼの判定は行わなかった。
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】日本甜菜製糖(株)保存のレギュラー用菌
株NTSR−9441からの胞子分離株であり、NIM
−P1を育種する際にATCC 56805株との交雑
相手としたSP−NTS−13a株との交雑株を作成す
るため、インベルターゼ活性などが望ましいと推定され
るα接合型の半数体の選抜を行った。表6中にはNIM
−14に由来する半数体の性質を示した。このうち、α
接合型の半数体株からスラント上での成育が良好であ
り、かつ、インベルターゼ活性が弱いと推定されるNI
Mα−6、NIMα−7、NIMα−9、NIMα−1
3、NIMα−14、NIMα−18、NIMα−22
を選抜し、マニピュレータを用いて交雑させた。この様
にして取得されたコロニーについて、酢酸ナトリウム培
地(酢酸ナトリウム0.5%、塩化カリウム1%、寒天
2%)での胞子形成を確認の後、単コロニーとし、各単
コロニーの接合型をPCR法にて確認し、接合型ヘテロ
である交雑株を取得した。この7株の交雑株をSacc
haromyces cerevisiae NIM−
15、Saccharomyces cerevisi
ae NIM−16(以下、NIM−16と略す)、S
accharomycescerevisiae NI
M−17(以下、NIM−17と略す)、Saccha
romyces cerevisiae NIM−18
(以下、NIM−18と略す)、Saccharomy
ces cerevisiae NIM−19(以下、
NIM−19と略す)、Saccharomyces
cerevisiae NIM−20(以下、NIM−
20と略す)、Saccharomyces cere
visiae NIM−21と命名した。これらの交雑
株に対しフラスコ培養を実施し、収量、液体発酵力、イ
ンベルターゼ活性(INV)を測定した。結果を表8に
示す。供試した中で収量の少ないNIM−19を除き、
実施例1、実施例2で育種された菌株とともにミニジャ
ー培養を行い製パン試験を行うこととした。
【0031】
【表8】
【0032】(実施例4)ミニジャー培養をNIM−P
1、NIM−14、NIM−15、NIM−16、NI
M−17、NIM−18、NIM−20、N1M−21
の8株について行い、収率、菌体成分組成、酵素活性、
液体発酵力を測定した。結果を表9に示す。
【0033】
【表9】
【0034】ミニジャー培養に供試した菌株の液体発酵
力は何れの菌株のM8発酵力も290mg以上であり、
低糖生地での良好な発酵力が期待される。さらに、F4
0発酵力も250mg以上であり、高糖生地においても
良好な発酵力が期待される。酵素活性では、インベルタ
ーゼ活性が5.24ユニットから63.32ユニット、
マルターゼ活性が42.33ユニットから148.14
ユニットであった。
【0035】(実施例5)ミニジャー培養をNIM−P
1、NIM−14、NIM−15、NIM−16、NI
M−17、NIM−18、N1M−20,NIM−21
の8株について行い、食パンおよび菓子パンの製パン試
験を行った。結果を表10に示す。
【0036】
【表10】
【0037】食パン製パン試験の結果では、特にNIM
−15のホイロ時間が短く発酵が速いことを示してい
る。さらに比容積も大きく、膨らみの良好な食パンを製
造することが可能であることを示している。このほか、
NIM−P1、NIM−14、NIM−18、NIM−
20、NIM−21のホイロ時間が短く、比容積が良好
であった。低糖生地の発酵に関わる酵素活生は、損傷デ
ンプンに由来するマルトースを分解し発酵するために必
要なマルターゼである。そのため本製パン試験の結果か
らはホイロ時間が最も短いNIM−15のマルターゼ活
性値42.33ユニット以上を最低限、保持する必要が
考えられる。菓子パン製パン試験の結果では、ホイロが
最も大きなものはNIM−P1であり、最も小さいもの
はNIM−20であった。比容積はNIM−20が5.
52と低かった他は、何れも5.8以上を示し、特にN
IM−P1は6.30と最も高い数値を示した。ついで
NIM−15が6.22である。NIM−P1とNIM
−15の両者において、比容積が変わらないことから、
高糖生地での発酵阻害の原因と考えられるインベルター
ゼによる単糖の生成は両者のインベルターゼ活性の範囲
(9.09ユニット〜49.33ユニット)では大差無
いことを示している。一方、NIM−20はホイロ、比
容積とも低く、この菌株のインベルターゼ活性値(6
3.32ユニット)では単糖が著量生成され発酵阻害が
起き始めていると推定される。
【0038】(実施例6)パンの嗜好性を左右する因子
として焼き色がある。この焼き色の濃淡は、メイラード
反応の強弱によることから、還元糖量の多寡が重要な決
定因子であると考えられる。充分な膨張量が確保されて
いても、焼成後に焼き色が淡い場合には嗜好生の低いパ
ンと一般的に評価される。但し、例外としてパン粉用の
製パン法では、着色を回避する必要があるため低温(1
80℃)、長時間で焼成が行われる。酵母のインベルタ
ーゼ活性の強弱により、生地中に生成する還元糖量が加
減でき、焼き色の濃淡が調整できると考えられる。この
ことから、菌株のインベルターゼ活性の違いで通常の焼
成温度(210℃)における焼き色がどの程度変化する
のかを確かめて、嗜好性において好ましい焼き色のパン
を与えるインベルターゼ活性レベルを把握するため、L
ab系色差を用いて測定し、焼き色の好ましいレベル評
価を10名のパネラーによって行った。Lab系色差の
測定は日本電色工業製ND−101色差計を用いた。結
果を表11に示す。
【0039】
【表11】
【0040】この結果を総合的に判定すると次の通りで
ある。NIM−16、NIM−17は焼き色が淡く、通
常の食パンとしては嗜好性の低い焼き色と判定される。
しかし、パン粉用としては着色が低く好ましいレベルで
ある。NIM−P1は食パン用としては最も淡い焼き色
であり、焼き色の淡さの下限と考えられる。一方、NI
M−20は焼き色が濃すぎると評価する者がおり、焼き
色の濃さの上限はNIM−15と考えられる。インベル
ターゼ活性との関連でみるとNIM−P1は焼成された
パンの焼き色の下限値であり、インベルターゼ活性の下
限値は9.09ユニットと判定される。一方、NIM−
20のインベルターゼ活性値(63.32ユニット)で
は単糖が著量生成され発酵阻害が起き始めていると推定
され、焼成されたパンの焼き色においても嗜好生が低く
評価されたことからインベルターゼ活性の上限値はNI
M−15の49.33ユニットと判定される。これらの
結果から、マルターゼ活性は少なくとも40ユニット以
上、インベルターゼ活性は10ユニット〜50ユニット
の菌株を選択することで、高糖生地と低糖生地双方での
発酵力を備え、焼き色も良好なパン酵母菌株の取得が可
能となることが分かる。
【0041】
【発明の効果】インベルターゼ活性が10ユニットから
50ユニット、かつマルターゼ活性が少なくとも40ユ
ニット以上であるサッカロミセス属に属するパン酵母菌
株は低糖生地にも適し耐糖性も強い。また焼き色を基準
とした嗜好性の面でも高い評価を受ける。パン酵母菌体
の酵素活性を指標とした育種・選抜方法を確立し、食パ
ン・菓子パンともに良好な品質を与えるパン酵母製品を
容易に作成することができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インベルターゼ活性が10ユニットから
    50ユニットで且つマルターゼ活性が少なくとも40ユ
    ニット以上のサッカロミセス属に属する高糖生地・低糖
    生地兼用パン酵母菌株。
  2. 【請求項2】 サッカロミセス属に属するパン酵母菌株
    の交雑に際して、インベルターゼ欠損の半数体株を一方
    の親株に使用して得られる請求項1記載のパン酵母菌
    株。
  3. 【請求項3】 サッカロミセス属に属するパン酵母菌株
    の交雑に際して、インベルターゼ欠損の半数体株として
    Saccharomyces cerevisiae
    ATCC 56795、Saccharomyces
    cereviciae ATCC 56805から選択
    される菌株を一方の親株に使用して得られる請求項1記
    載のパン酵母菌株。
  4. 【請求項4】 サッカロミセス属に属するパン酵母菌株
    の交雑に際して、インベルターゼ欠損の半数体株を一方
    の親株に使用して得られる菌株に由来する半数体株を一
    方あるいは両方の親株として使用して得られる請求項1
    記載のパン酵母菌株。
  5. 【請求項5】 Saccharomyces cere
    visiae NIM−P1、Saccharomyc
    es cerevisiae NIM−14、Sacc
    haromyces cerevisiae NIM−
    15、Saccharomyces cerevisi
    ae NIM−21から選択される高糖生地・低糖生地
    兼用パン酵母菌株。
  6. 【請求項6】 サッカロミセス属に属するパン酵母菌株
    の交雑に際して、インベルターゼ欠損の半数体株を一方
    の親株に使用することを特徴とする請求項1記載のパン
    酵母菌株の取得方法。
  7. 【請求項7】 サッカロミセス属に属するパン酵母菌株
    の交雑に際して、インベルターゼ欠損の半数体株として
    Saccharomyces cerevisiae
    ATCC 56795、Saccharomyces
    cerevisiae ATCC 56805から選択
    される菌株を一方の親株に使用することを特徴とする請
    求項1記載のパン酵母菌株の取得方法。
  8. 【請求項8】 サッカロミセス属に属するパン酵母菌株
    の交雑に際して、インベルターゼ欠損の半数体株を一方
    の親株に使用して得られる菌株に由来する半数体株を一
    方あるいは両方の親株として使用する請求項1記載のパ
    ン酵母菌株の取得方法。
  9. 【請求項9】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4または請求項5に記載の菌株を用いるパン生地発酵特
    性の改善方法。
  10. 【請求項10】 請求項1、請求項2、請求項3、請求
    項4または請求項5に記載の菌株を用いてパンを製造す
    る方法。
  11. 【請求項11】 請求項6、請求項7または請求項8に
    記載の方法によって取得した菌株を用いるパン生地発酵
    特性の改善方法。
  12. 【請求項12】 請求項6、請求項7または請求項8に
    記載の方法によって取得した菌株を用いてパンを製造す
    る方法。
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