JP5726635B2 - マルチモードフロントエンド回路 - Google Patents

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Description

本発明は、送信と受信を行うマルチモードフロントエンド回路に関する。
電波を用いた無線通信の分野においては、送信と受信を異なる周波数で行う、いわゆる周波数分割複信(FDD: Frequency Division Duplex)が存在し、W−CDMA方式等で用いられている。一本のアンテナを用いてこの双方向通信を行う場合、自局からの信号が、直接他局からの信号を受信する系に侵入するのを防止するため、送受共用器が用いられる。この送受共用器の周波数特性は通常不変であるため、例えば複数の周波数帯や帯域幅を使用する通信装置においては、それぞれの周波数、帯域幅に対応する送受共用器を用意し、それらをスイッチにより切り替えている(非特許文献1)。
また、送信と受信を異なるタイミングで同じ周波数にて行う、いわゆる時分割複信(TDD:Time Division Duplex)も存在し、GSM方式等で用いられている。TDD方式では一般的にアンテナの共用はスイッチにて達成される。また、TDDでは送信・受信に同じ周波数を使うため、前述の送受共用器を送信、受信の経路に配置することは許容できない。このため、FDDとTDDの2つの方式に対応する通信装置は、FDD用の送信/受信系、TDD用の送信/受信系がそれぞれ必要となる(非特許文献2)。
小岩正明, 井上文義, 岡田隆, 「マルチバンド移動端末の開発」, DoCoMo テクニカルジャーナル, Vol. 14, No.2, pp.31-37, July, 2006. 岡田隆, 「容量/エリア拡大・国際ローミングを実現する携帯電話無線回路技術」, DoCoMo テクニカルジャーナル, Vol. 16, No.2, pp.45-53, July, 2008.
しかしながらこのような手法によると、用いる周波数や帯域幅の数が増大するにつれ、回路面積、部品点数が増大するという課題がある。また、FDDとTDDの両方の送信・受信回路が必要となることも、回路面積、部品点数の増大につながる。
本発明は、このような実情に鑑みて、帯域幅や中心周波数を変化可能な送受共用器と、TDD方式のためのスイッチの機能を同じ回路、即ちマルチモードフロントエンド回路にて提供することを目的とする。
本発明のマルチモードフロントエンド回路は、3つのポートを有し、第1のポートと第2のポートの間の第1の伝送経路と第1のポートと第3のポートの間の第2の伝送経路を有する。各伝送経路は、2つの入出力線路と、一方の入出力線路に接続される一端と他方の入出力線路に接続される他端とを有する第1の伝送線路と、前記一方の入出力線路に接続される一端と前記他方の入出力線路に接続される他端とを有する第2の伝送線路と、一つまたは複数の終端スイッチ回路とを備える。第1の伝送線路の電気長は、第2の伝送線路の電気長に等しい。第1の伝送線路の偶モード特性インピーダンス及び奇モード特性インピーダンスは、それぞれ第1の伝送線路の長さ方向に一様である。第2の伝送線路の偶モード特性インピーダンス及び奇モード特性インピーダンスは、それぞれ第2の伝送線路の長さ方向に一様である。第1の伝送線路の偶モード特性インピーダンスは、第2の伝送線路の偶モード特性インピーダンスに等しい。第1の伝送線路の奇モード特性インピーダンスは、第2の伝送線路の奇モード特性インピーダンスに等しい。終端スイッチ回路は、第1の伝送線路と第2の伝送線路のいずれかに一端が接続されたスイッチと、当該スイッチの他端に接続された終端回路で構成されている。また、各伝送経路は、1個以上の短絡スイッチも備えてもよい。短絡スイッチは、2つの伝送線路間の、入出力線路からの電気長が等しい点同士を短絡できる。
本発明のマルチモードフロントエンド回路によれば、終端スイッチ回路のオン、オフにより、伝送経路ごとに透過周波数と遮断周波数とを設定すること、および、信号を伝搬させる伝送経路を時間的に変化させることが可能である。つまり、帯域幅や中心周波数を変化可能な送受共用器と、TDD方式のためのスイッチの機能を同じ回路、即ちマルチモードフロントエンド回路にて提供できる。
未公開の特許出願の可変共振器の機能構成を示す図。 未公開の特許出願のスイッチ回路の具体的な構成例を示す図。 未公開の特許出願の共振周波数を変更可能な並列共振回路の構成例を示す図。 本発明のマルチモードフロントエンド回路の構成を示す図。 本発明のマルチモードフロントエンド回路をスイッチとして動作させる場合の回路モデルを示す図。 S1を10°及び80°とした場合の4から6GHzの間のインピーダンスZins1を示す図。 S1を10°とした場合のSパラメータを示す図。 S1を80°とした場合のSパラメータを示す図。 本発明のマルチモードフロントエンド回路の別の構成を示す図。 本発明の別のマルチモードフロントエンド回路を、スイッチとして動作させる場合の回路モデルを示す図。 S1を10°及び80°とした場合の4から6GHzの間のインピーダンスZins1を示す図。 S1 を10°とした場合のSパラメータを示す図。 S1 を80°とした場合のSパラメータを示す図。 本発明のマルチモードフロントエンド回路をフィルタとして動作させる場合を説明する図。 本発明のマルチモードフロントエンド回路をフィルタとして動作させる場合の回路モデルを示す図。 本発明のマルチモードフロントエンド回路をフィルタとして動作させる場合であって、LSF1=80°、LFF2=180°とし、LSF2を10°と20°に変更したときの周波数特性を示す図。 本発明のマルチモードフロントエンド回路をフィルタとして動作させる場合であって、LSF1=90°、LFF2=200°とし、LSF2を10°と20°に変更したときの周波数特性を示す図。 本発明のマルチモードフロントエンド回路を送受共用器として用いる場合のスイッチの状態の例を示す図。 本発明のマルチモードフロントエンド回路を送受信器として機能させるときの回路モデルを示す図。 本発明のマルチモードフロントエンド回路を送受信器として動作させる場合であって、LDR1=180°、LD1_1=55°、LD1_2=17°、LDR2=164°、LD2_1=52°、LD2_2=17°のとき周波数特性を示す図。 本発明のマルチモードフロントエンド回路を送受信器として動作させる場合であって、LDR1=200°、LD1_1=65°、LD1_2=17°、LDR2=183°、LD2_1=62°、LD2_2=17°のときの周波数特性を示す図。 さまざまな終端回路を示す図。 本発明のマルチモードフロントエンド回路の終端回路に可変LC共振器を用いた場合の構成を示す図。 図23のマルチモードフロントエンド回路を送受信器として動作させる場合であって、LDR1=180°、LD1_1=48°、LD1_2=35°、LDR2=164°、LD2_1=65°、LD2_2=25°、CP1=0.2pF、LP1=0.4nH、CP2=4.6pF、LP2=0.3nHのときの周波数特性を示す図。 実施例2のマルチモードフロントエンド回路の構成を示す図。 マルチモードフロントエンド回路2000を可変デュアルバンドフィルタとして動作させる場合の構成を示す図。 5GHzの電気長で、LA_1=720°、LTLin_1=20°、L Lout_1=20°、Lin_1=57°、L1_1=180°、L2_1=10°、L3_1=10°、L4_1=155°、L5_1=155°、LA_2=720°、LTLin_2=20°、LTLout_2=20°、Lin_2=73°、L1_2=160°、L2_2=10°、L3_2=10°、L4_2=155°、L5_2=11°とした場合のポート1001からポート2104への透過係数を示す図。 図27の場合のインピーダンスを示す図。 5GHzの電気長で、LA_1=720°、LTLin_1=20°、L Lout_1=20°、Lin_1=57°、L1_1=150°、L2_1=10°、L3_1=10°、L4_1=155°、L5_1=155°、LA_2=720°、LTLin_2=20°、LTLout_2=20°、Lin_2=73°、L1_2=145°、L2_2=10°、L3_2=10°、L4_2=155°、L5_2=11°とした場合のポート1001からポート2104への透過係数を示す図。 図29の場合のインピーダンスを示す図。 5GHzの電気長で、LA_1=720°、LTLin_1=20°、L Lout_1=20°、Lin_1=47°、L1_1=150°、L2_1=10°、L3_1=10°、L4_1=132°、L5_1=30°、LA_2=720°、LTLin_2=20°、LTLout_2=20°、Lin_2=0°、L1_2=145°、L2_2=10°、L3_2=10°、L4_2=180°、L5_2=139°とした場合のポート1001からポート2104への透過係数を示す図。 図31の場合のインピーダンスを示す図。 5GHzの電気長で、LA_1=720°、LTLin_1=20°、L Lout_1=20°、Lin_1=47°、L1_1=150°、L2_1=8°、L3_1=8°、L4_1=132°、L5_1=30°、LA_2=720°、LTLin_2=20°、LTLout_2=20°、Lin_2=0°、L1_2=145°、L2_2=10°、L3_2=10°、L4_2=180°、L5_2=139°とした場合のポート1001からポート2104への透過係数を示す図。 5GHzの電気長で、LA_1=720°、LTLin_1=20°、L Lout_1=20°、Lin_1=47°、L1_1=150°、L2_1=10°、L3_1=10°、L4_1=132°、L5_1=30°、LA_2=720°、LTLin_2=20°、LTLout_2=20°、Lin_2=0°、L1_2=145°、L2_2=8°、L3_2=8°、L4_2=180°、L5_2=139°とした場合のポート1001からポート2104への透過係数を示す図。
本発明の説明の前に、本願出願人が出願済みであり未公開の特許出願(特願2010−049126:2010年3月5日出願)の内容の一部を説明する。
図1に、特願2010−049126の一実施形態である、マイクロストリップ線路構造を持つ可変共振器100を示す。可変共振器100は、二つの伝送線路101,102と、複数のスイッチ回路150を含む。図1に示す実施形態では、誘電体基板805上に長方形状の二つの伝送線路101,102が形成されている。第1の伝送線路101の一端101aは誘電体基板805上に形成された入力線路111に接続され、第1の伝送線路101の他端101bは誘電体基板805上に形成された出力線路112に接続されている。第2の伝送線路102の一端102aは入力線路111に接続され、第2の伝送線路102の他端102bは出力線路112に接続されている。2本の伝送線路101,102は、金属などの導電体であり、誘電体基板805の一方の面上に形成され、誘電体基板805の他方の面(裏面)に地導体800が金属など導電体で形成される。なお、二つの伝送線路101,102と入力線路111と出力線路112で囲まれた符号130で示す部分は誘電体基板805が剥き出しになった部分である。
二つの伝送線路101,102に求められる条件は、
(1)第1の伝送線路101の電気長が第2の伝送線路102の電気長に等しい、
(2)第1の伝送線路101の偶モード特性インピーダンス(the characteristic impedance for the even mode)及び奇モード特性インピーダンス(the characteristic impedance for the odd mode)はそれぞれ第1の伝送線路101の長さ方向に一様である、
(3)第2の伝送線路102の偶モード特性インピーダンス及び奇モード特性インピーダンスはそれぞれ第2の伝送線路102の長さ方向に一様である、
(4)第1の伝送線路101の偶モード特性インピーダンスは第2の伝送線路102の偶モード特性インピーダンスに等しい、
(5)第1の伝送線路101の奇モード特性インピーダンスは第2の伝送線路102の奇モード特性インピーダンスに等しい、
ことである。
例えば誘電体基板805がその全面に亘って均一な厚さと一様な比誘電率を持つならば、
(a)第1の伝送線路101の線路長が第2の伝送線路102の線路長に等しく、
(b)第1の伝送線路101の線路幅が第2の伝送線路102の線路幅に等しく、
(c)第1の伝送線路101と第2の伝送線路102との線路間隔(図1にて記号Dで示される)が一定になる
ように二つの伝送線路101,102を形成すると、二つの伝送線路101,102は条件(1)−(5)を満足する。図1に示す可変共振器100では、誘電体基板805がその全面に亘って均一な厚さと一様な比誘電率を持つことを前提に、二つの伝送線路101,102の線路長をともにL、線路幅をともにWとし、二つの伝送線路101,102が誘電体基板805上にギャップ部130を介して線路間距離Dで平行に形成されている。
誘電体基板805が均一な厚さまたは/および一様な比誘電率を持たない場合には、比誘電率の分布などを考慮して、条件(1)−(5)を満足するように二つの伝送線路101,102を形成すればよい。この設計方法は周知技術によって達成されるので詳細な説明を省略する。
図1に示す可変共振器100は、5個のスイッチ回路150を有する(図が煩雑になることを避けるため、一つのスイッチ回路にのみ符号を附している)。可変共振器100では、第2の伝送線路102のみにすべてのスイッチ回路150が接続されているが、このような構成に限定されず、各スイッチ回路150は、第1の伝送線路101と第2の伝送線路102のいずれかに接続されていればよい。スイッチ回路150の具体的な構成例は後述するが、図1に示す例では、スイッチ回路150は、一端が第1の伝送線路101と第2の伝送線路102のいずれかに接続され、他端が接地されたスイッチ150aを有する。各スイッチ150aは、図1(B)に示すように、スイッチ105aの一端831が第2の伝送線路102に接続され、スイッチ105aの他端832が接地導体800に、導電体833およびビアホール806を介して電気的に接続されている。なお、導電体833の形状などには一切の限定はないから、この他の図では導電体833の図示を省略している。
各スイッチ回路150の接続位置は、[1]第1の伝送線路101上にて一端101aからスイッチ回路の接続位置までの電気長が互いに異なる位置(ただし、一端101aおよび他端101bを除く)であり、同様に、[2]第2の伝送線路102上にて一端102aからスイッチ回路の接続位置までの電気長が互いに異なる位置(ただし、一端102aおよび他端102bを除く)である。このような構成では、第1の伝送線路101上に接続された或るスイッチ回路の接続位置から一端101aまでの電気長θ1と、第2の伝送線路102上に接続された或るスイッチ回路の接続位置から一端102aまでの電気長θ2とが等しくなる場合がある。θ1=θ2の場合、一端101aから電気長θ1の位置にて第1の伝送線路101に接続されたスイッチ回路と一端102aから電気長θ2の位置にて第2の伝送線路102に接続されたスイッチ回路をともにオン状態にしてはならない。後述するように、可変共振器100を共振器として動作させる場合、各スイッチ回路150のうちオン状態とされるスイッチ回路の数は一つである。この観点からすると、入力線路111から等電気長の位置にて第1の伝送線路101と第2の伝送線路102のそれぞれにスイッチ回路150を接続することは意味が無いので、各スイッチ回路150の接続位置に関して、前記条件[1][2]に加えて、[3]二つの伝送線路101,102のうち一方の伝送線路に接続された各スイッチ回路150の当該伝送線路の一端からの電気長はそれぞれ、他方の伝送線路に接続された各スイッチ回路150の当該伝送線路の一端からの電気長いずれとも一致しない、ことを条件に課してもよい。
可変共振器100では、各スイッチ回路150のうち或る一つのスイッチ回路をオン状態にすると、そのスイッチ回路の接続位置に応じた帯域幅が得られ、別のスイッチ回路をオン状態にすると、そのスイッチ回路の接続位置に応じた別の帯域幅が得られる。このため、オン状態にするスイッチ回路を変更することで可変共振器100の帯域幅を変化させることが可能である。
図2に、スイッチ回路150の具体的な構成例を示す。図2(A)に示すスイッチ回路150は、スイッチ150aの他端が直接接地されている。図2(B)に示すスイッチ回路150はキャパシタを含み、スイッチ150aの他端がキャパシタの一端に接続され、キャパシタの他端が接地されている。図2(C)に示すスイッチ回路150はインダクタを含み、スイッチ150aの他端がインダクタの一端に接続され、インダクタの他端が接地されている。図2(D)に示すスイッチ回路150は伝送線路を含み、スイッチ150aの他端が伝送線路の一端に接続され、伝送線路の他端が接地されている。この構成の場合、このスイッチ回路がオン状態とされるときの動作周波数にて、伝送線路は1/4波長の線路長を持つ。図2(E)に示すスイッチ回路150は伝送線路を含み、スイッチ150aの他端が伝送線路の一端に接続され、伝送線路の他端が開放されている。この構成の場合、このスイッチ回路がオン状態とされるときの動作周波数にて、伝送線路は1/2波長の線路長を持つ。図2(F)に示すスイッチ回路150はキャパシタンスを変更可能な可変キャパシタを含み、スイッチ150aの他端が可変キャパシタの一端に接続され、可変キャパシタの他端が接地されている。図2(G)に示すスイッチ回路150はインダクタンスを変更可能な可変インダクタを含み、スイッチ150aの他端が可変インダクタの一端に接続され、可変インダクタの他端が接地されている。図2(H)に示すスイッチ回路150は伝送線路を含み、スイッチ150aの他端が伝送線路の一端に接続され、伝送線路の他端が接地されている。伝送線路には、一つまたは複数のスイッチの各一端が接続されており、各スイッチの他端は接地されている。これらのスイッチのオン/オフを切り替えることにより、スイッチ回路150の特性を変更できる。図2(I)に示すスイッチ回路150はお互いがスイッチを介して直列接続された複数の伝送線路を含み、スイッチ150aの他端が一つの伝送線路の一端に接続されている。伝送線路間の各スイッチのオン/オフを切り替えることにより、スイッチ回路150の特性を変更できる。
またスイッチ150aに限らずスイッチと云えば、接点型のスイッチに限定するものではなく、例えばダイオード、トランジスタなどを用いた、回路網に接点を設けないで回路の開閉機能を有するいわゆるスイッチング素子(switching element)とすることもできる。具体例としては、MEMS(Micro-Electro Mechanical Systems)スイッチ、スイッチングダイオードなどが挙げられる。これらのスイッチング素子は、オン状態のときに直流を通過させるオーミックスイッチ(ohmic switch)に限らず、オン状態において直流は遮断するが交流は通過させるキャパシティブスイッチ(capacitive switch)でもよい。また、図3に示すように、共振周波数が変更可能な並列共振回路でもよい。この場合、スイッチ回路150をオフ状態にする場合に、当該並列共振回路の共振周波数が2本の伝送線路101,102からなる可変共振器の共振周波数に一致するように、かつ、スイッチ回路150をオン状態にする場合は、当該並列共振回路の共振周波数が2本の伝送線路101,102からなる可変共振器の共振周周波数で共振しないように、当該並列共振回路の特性を設定する。図3に示すように、例えば可変キャパシタのキャパシタンスや可変インダクタのインダクタンスを変更することにより、この並列共振回路の共振周波数は変更される。
スイッチ回路150の構成は、これらの構成に限られない。スイッチ回路150の構成次第で、可変共振器の周波数特性を所望の形に変更することができるが、可変共振器の共振周波数は2本の伝送線路101,102の線路長によって決まる共振周波数のままである。
ここまでの説明は、本発明の説明のために少なくとも必要と考えられる特願2010−049126の内容である。しかし、本発明の内容はこれらの記載に限定されるものではなく、特願2010−049126の他の内容を本発明に適用することも可能である。以下、本発明の実施例について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
図4に、実施例1のマルチモードフロントエンド回路の構成を示す。実施例1のマルチモードフロントエンド回路は、例えば、マイクロストリップ線路を用いて形成すればよい。マルチモードフロントエンド回路1000は、3つのポート1001、1002、1003を有し、第1のポート1001と第2のポート1002の間の第1の伝送経路1109と第1のポート1001と第3のポート1003の間の第2の伝送経路1209を有する。各伝送経路1109(1209)は、2つの入出力線路1103、1104(1203、1204)と、第1の伝送線路1101(1201)と、第2の伝送線路1102(1202)と、一つまたは複数の終端スイッチ回路1110−1,…,N(1210−1,…,N)(ただし、Nは1以上の整数、nは1以上N以下の整数)とを備える。第1の伝送線路1101(1201)は、一方の入出力線路1103(1203)に接続される一端と他方の入出力線路1104(1204)に接続される他端とを有する。第2の伝送線路1102(1202)は、一方の入出力線路1103(1203)に接続される一端と他方の入出力線路1104(1204)に接続される他端とを有する。また、各伝送経路1109(1209)は、1個以上の短絡スイッチ1120−1,…,M(1220−1,…,M)(ただし、Mは1以上の整数、mは1以上M以下の整数)も備える。短絡スイッチは、2つの伝送線路1101、1102(1201、1202)間の、入出力線路1103(1203)からの電気長が等しい点同士を短絡できる。なお、伝送線路1101、1102(1201、1202)、入出力線路1103、1104(1203、1204)をまとめたものは、伝送線路1100(1200)と呼ぶことにする。
なお、伝送線路1100(1200)は、上述の線路の条件(1)〜(5)を満たせば、形状は直線に限定する必要はなく、曲線でもよい。つまり、第1の伝送線路1101(1201)の電気長は、第2の伝送線路1102(1202)の電気長に等しい。第1の伝送線路1101(1201)の偶モード特性インピーダンス及び奇モード特性インピーダンスは、それぞれ第1の伝送線路1101(1201)の長さ方向に一様である。第2の伝送線路1102(1202)の偶モード特性インピーダンス及び奇モード特性インピーダンスは、それぞれ第2の伝送線路1102(1202)の長さ方向に一様である。第1の伝送線路1101(1201)の偶モード特性インピーダンスは、第2の伝送線路1102(1202)の偶モード特性インピーダンスに等しい。第1の伝送線路1101(1201)の奇モード特性インピーダンスは、第2の伝送線路1102(1202)の奇モード特性インピーダンスに等しい。終端スイッチ回路1110−n(1210−n)は、第1の伝送線路1101(1201)と第2の伝送線路1102(1202)のいずれかに一端が接続されたスイッチ1111−n(1211−n)と、当該スイッチ1111−n(1211−n)の他端に接続された終端回路1112−n(1212−n)で構成されている。
第1のポート1001は、線路1013、1011を介して入出力線路1103に接続されている。また、第1のポート1001は、線路1013、1012を介して入出力線路1203に接続されている。第2のポート1002は、線路1022を介して入出力線路1104に接続されている。第3のポート1003は、線路1023を介して入出力線路1204に接続されている。また、線路1011、1012、1013の接続部分を交点1010(または、2つの伝送経路の交点1010)と呼ぶことにする。なお、線路1011、1012、1013は、第1のポート1001と入出力線路1103、1203とが電気的につながっていることを図示するものである。実際のマルチモードフロントエンド回路では、設計上無視できる長さとする。
まず、マルチモードフロントエンド回路1000がスイッチとして動作する場合(TDDに対応するため、信号を伝搬させる伝送経路を時間的に切り替える場合)について述べる。図5に、スイッチとしての動作を説明するための回路モデルを示す。平行線路の特性インピーダンスは、ここでは伝送経路1109、1209ともに偶モードが100Ω、奇モードが50Ωとする。平行線路の電気長は、ここでは共に5GHzにおける300°とする。入出力線路1103の特性インピーダンスと電気長は、ここでは50Ω、5GHzの10°とする。以下、特に記載が無ければ、全ての電気長は5GHzにおける値とする。なお、これらの電気長は、必ずしも伝送経路1109、1209で同じ値にする必要は無い。スイッチ1111−nと接続されている終端回路1112−nは、ここでは地導体であるとする。伝送線路1100、1200、スイッチ1111−n、1120−mは理想的であるとする。特に、スイッチ1111−n、1120−mに関して理想的とは、オフ状態のインピーダンスは無限大であり、オン状態のインピーダンスが短絡となることである。図の簡略化のため、オフ状態のスイッチ1111−1,…,n−1、1111−n+1,…,N、1120−1,…,m−1、1120−m+1,…,M、1211−1,…,N、1220−1,…,Mは省略し、オン状態のスイッチ1111−n、1120−mのみを描画している。なお、オフ状態のスイッチに接続されている終端回路(前述のとおり、ここでは地導体)も併せて省略している。
図5の回路において、スイッチ動作させるために必須な条件を以下に述べる。信号を遮断したい伝送経路1109(1209)では、伝送線路1100(1200)上の同じ位置のスイッチ1111−n、1120−m(1211−n、1220−m)を共にオン状態にする。その位置については、LS1と表記し、その値を決める方法は後で述べる。図5においては、伝送経路1109は、伝送線路1100上の同じ位置のスイッチ1111−n、1120−mがオン状態になっている。したがって、スイッチ1111−n、1120−mの位置に対応する周波数の信号は遮断される。
信号を伝搬させたい伝送経路1209(1109)では、反対に、伝送線路1200(1100)上の同じ位置のスイッチ1211−n、1220−m(1111−n、1120−m)をともにオン状態にしない。図5においては、伝送経路1209は、全てのスイッチがオフ状態になっている。したがって、伝送経路1209に入力された信号は第3のポート1003へと出力される。後述するが、この時、伝送経路1209を通過する信号に関し、特定の周波数の信号のみ通過させたい場合には、スイッチ1211−n、1220−mを適切にオンして伝送経路1209の伝送線路1200をフィルタとすればよい。ただし、上述の条件のように、伝送線路1200上の同じ位置にあるスイッチ1211−n、1220−mを同時にオン状態にはしないことが必要である。
次に、信号を遮断したい伝送経路におけるオン状態にするスイッチの位置LS1の決め方を説明する。図6〜8にLS1を10°及び80°とした場合の、伝送経路1109、1209の交点1010から伝送経路1109を見た場合のインピーダンスZins1とSパラメータを示す。図6は、LS1を10°及び80°とした場合の4から6GHzの間のインピーダンスZins1を示している。図7は、LS1を10°とした場合のSパラメータを示す図である。図8は、LS1を80°とした場合のSパラメータを示す図である。S11は第1のポート1001から入力された信号の反射係数(三角の印が付された線)、S21は第1のポート1001から第2のポート1002への透過係数(正方形の印が付された線)、S31は第1のポート1001から第3のポート1003への透過係数(ひし形の印が付された線)である。
まず、LS1が10°の場合について説明する。このとき、5GHzにおけるZins1は0に近い値を持っている。S21は4から6GHzの間で約−800dB程度有り、信号の遮断に成功している。これは、スイッチ1111−n、1120−mがLS1の位置で共にオンになった結果、伝送経路1109が入出力線路1103と長さLS1の伝送線路からなる短絡スタブと同等となったためで、LS1より第2のポート側の線路には信号が伝搬しないためである。一方、5GHzにおけるS31は−4.6dB程度有り、信号は通過しているが損失がやや大きくなっている。これはZins1が小さいことが原因であり、一部の信号が第3のポート1003へは伝わらずに第1のポート1001へと反射されているからである。Zins1が仮に無限大であった場合、交点1010から第2のポート1002までの伝送経路1109は無いものと同様で、第1のポート1001から入力された信号は全て第3のポート1003へと伝達される。
S1が80°のとき、図6から明らかなように、Zins1は5GHzにおいてほぼ無限大である。この時の5GHzにおけるS31はほぼ0であり、無損失となる。つまり、第3のポート1003へほぼ無損失で信号が伝搬していることが分かる。なお例えば4GHzの信号を最も低損失で伝搬させたい場合は、LS1を4GHzにおけるZins1が無限大に近くなるよう設定すればよい。このように、第3のポート1003へと通過させたい信号の周波数付近でZins1が無限大に近くなるようにLS1を設定することにより、より効率的に信号を第3のポート1003へと伝搬させることができる。
[変形例]
このようなスイッチ1111−n、1120−m、1211−n、1220−mの動作は、図4の回路構成から若干の変更を与え、図9のようにすることにより、短絡スイッチ1120−1,…,M(1220−1,…,M)を用いなくても、達成できる。図9は両方の平行線路の両方の線路に終端スイッチ回路を設けた場合のマルチモードフロントエンド回路の構成を示す図である。マルチモードフロントエンド回路1000’では、短絡スイッチ1120−1,…,M、1220−1,…,Mの代わりに、終端スイッチ回路1130−1,…,M、1230−1,…,Mを備えている。
伝送経路1109を、信号を遮断したい経路とする場合、平行線路上の端面から同じ距離にあるスイッチ1111−nと1131−mをオンとする。この動作について、図10の計算モデルを用いて説明する。線路の長さ等について図5と同様であり、終端回路1112、1132も図5と同様に地導体である。図5との相違点は、第1の伝送経路1109の伝送線路1100を形成する2本の伝送線路1101、1102の双方の長さLS1の位置に、オン状態の終端スイッチ回路が存在することである。これにより、長さLS1の位置で伝送線路1101と伝送線路1102との間のインピーダンスはゼロとなる。したがって、図5で短絡スイッチ1120−mを用いている場合と同じインピーダンスが実現できる。このため図10の構成でもスイッチ動作を行うことができる。図11〜13に、図10の構成でLS1を10°及び80°とした場合の、伝送経路1109、1209の交点1010から伝送経路1109を見た場合のインピーダンスZins1とSパラメータを示す。図11は、LS1を10°及び80°とした場合の4から6GHzの間のインピーダンスZins1を示している。図12は、LS1を10°とした場合のSパラメータを示す図である。図13は、LS1を80°とした場合のSパラメータを示す図である。S11は第1のポート1001から入力された信号の反射係数(三角の印が付された線)、S21は第1のポート1001から第2のポート1002への透過係数(正方形の印が付された線)、S31は第1のポート1001から第3のポート1003への透過係数(ひし形の印が付された線)である。図11〜13から、図6〜8と同じ特性が得られることが分かる。このように、図9の構成により図4の構成と同様、スイッチ動作をさせることが可能であることが分かる。なお、本変形例の場合にも、短絡スイッチ1120−1,…,M、1220−1,…,Mを備えておき、求められる機能によって選択的に用いてもよい。
[フィルタ機能の実現]
以下では、図4のマルチモードフロントエンド回路の構成を用いて、実施例1のマルチモードフロントエンド回路の機能について更に説明する。図14では、伝送経路1209の伝送線路1200は、図5や図10と異なり、スイッチ1211−r、1220−p、1220−qがオン状態となっている。スイッチ1211−rの位置はLSF2、スイッチ1220−pとスイッチ1220−qの間隔をLFF2として表す。図5や図10では伝送経路1209のスイッチを全てオフとすることで伝送経路1209を単なる伝送路として動作させていたが、適切にスイッチ1211−r、1220−p、1220−qをオン状態とすることで、伝送経路1209をフィルタとして動作させることができる。この動作について、図15を用いて説明する。
図15は図5同様に、回路の特性計算に用いた回路モデルである。ここでは、これまで同様伝送経路1109を信号を遮断したい経路、伝送経路1209を信号を伝搬したい経路とする。また、終端回路1112−n、1212−rを地導体とする。通過もしくは遮断したい周波数を、一例として5GHz,4.5GHzで可変とし、なおかつ伝送経路1209の帯域幅も可変とする。まず、5GHzの場合について説明する。伝送経路1109については、図6〜8と同様であるため説明を省略する。伝送経路1209について、スイッチ1211−rの位置をLSF2、スイッチ1220−qの位置をLFF2としている。なお、図15ではスイッチ1220−pを用いていない。この場合は、入出力線路1203と伝送線路1201、1202の接続部分(位置が0)がスイッチ1220−pの位置と考えればよいので、スイッチ1220−qの位置がLFF2となっている。フィルタの中心周波数はLFF2によって決まり、LFF2が180°の時、中心周波数は5GHzとなる。帯域幅はLSF2によって決まり、この値を変えると帯域幅が変更されるが、中心周波数は一定のままである。つまり、中心周波数と帯域幅を独立に変更できる。これは実施例1の特徴の1つである。このフィルタの詳細については、上述の本願出願人の未公開の特許出願(特願2010−049126)に記載されているため、ここでは省略する。
図16に、LSF1=80°、LFF2=180°とし、LSF2を10°と20°に変更したときの周波数特性を示す。S11は第1のポート1001から入力された信号の反射係数(三角の印が付された線)、S21は第1のポート1001から第2のポート1002への透過係数(正方形の印が付された線)、S31は第1のポート1001から第3のポート1003への透過係数(ひし形の印が付された線)である。まず伝送経路1109については、S21は−800dBとなっており遮断されている。伝送経路1209については、5GHzを中心周波数としたフィルタ特性を持っていることが分かり、LSF2の値によって中心周波数を変えることなく、帯域幅を変えられることが分かる。
次に4.5GHzの場合について述べる。伝送経路1109については、図15のLSF1を90°に変更することにより、Zins1が4.5GHzで無限大になるようにする。伝送経路1209については、LFF2を200°とし、フィルタの中心周波数を4.5GHzに変更すればよい。帯域幅は、先ほどと同様LSF2によって中心周波数を一定に保ったまま変更可能である。図17に、LSF1=90°、LFF2=200°とし、LSF2を10°と20°に変更したときの周波数特性を示す。図から、伝送経路1109の特性は4.5GHzの信号を遮断し、なおかつ、伝送経路1209の特性は4.5GHzを中心周波数とするフィルタとなっていることが分かる。またその帯域幅は、LSF2を変更することにより、中心周波数に関し独立に変更できていることが分かる。
これまで述べた伝送経路1209のフィルタ特性について、共振器を1つのみ用いた1段のフィルタの特性を示したが、段数を2段以上とした場合もスイッチ1211−r、1220−p、1220−qを適切にオン状態とすることで、フィルタ特性を調整可能である。こちらについても、特許出願(特願2010−049126)に詳細が記載されているため、ここでは省略する。
[送受共用機能の実現]
次に、実施例1のマルチモードフロントエンド回路を送受共用器として用いる場合について説明する。図18は、実施例1のマルチモードフロントエンド回路を送受共用器として用いる場合のスイッチの状態の例を示す図である。伝送経路1109、伝送経路1209共に、上述のフィルタとして動作するようにスイッチが設定されている。伝送経路ごとにオン状態にある短絡スイッチ1120−k、1120−m(1220−p、1220−q)は2箇所あり、2つの短絡スイッチと平行線路によって囲まれた区間にオン状態にあるスイッチ1111−n(1211−r)が1つある。2つの短絡スイッチ1120−k、1120−m(1220−p、1220−q)で囲まれた区間は共振器として動作し、これにより伝送経路をフィルタとして動作させることができる。ここで、伝送線路1101、1102、1201、1202の始点(入出力線路1103、1203と接続している端面)から最も始点に近いオン状態の短絡スイッチ1120−k、1220−pまでの距離を伝送経路1109及び1209において、それぞれLD1_1、LD2_1とする。最も始点に近い短絡スイッチ1120−k、1220−pからオン状態のスイッチ1111−n、1211−rまでの距離を、伝送経路1109及び1209において、それぞれLD1_2、LD2_2とする。2つのオン状態の短絡スイッチ1120−k、1120−m、1220−p、1220−qにより共振器として動作する伝送線路1100、1200の区間の長さを、伝送経路1109及び1209においてそれぞれ、LDR1、LDR2とする。
中心周波数はこの区間の長さLDR1(LDR2)によって定まり、短絡スイッチ1120−k、1120−m(1220−p、1220−q)によって変更可能である。帯域幅はスイッチ1111−n(1211−r)によって設定され、中心周波数に関し独立に設定可能である。送受共用器として用いる場合の注目すべき特徴は、透過する中心周波数を維持しながら、遮断する周波数を変更できる点である。具体的には、共振器として動作させる区間の始点を変更する。例えば、伝送経路1109の中心周波数をf、伝送経路1209の中心周波数をfとする。この場合、Zins1が周波数fにおいて最大となるよう、伝送経路1109の共振器として動作する区間の始点である短絡スイッチ1120−kの位置LD1_1を調整すればよい。Zins2は2つの伝送経路の交点1010から第3のポート1003を見たインピーダンスだが、先ほどと同様に、周波数fにおいてZins2が最大となるよう、伝送経路1209の共振器として動作する区間の始点である短絡スイッチ1220−pの位置LD2_1を調整する。このようにすることにより、伝送経路1109は、周波数fの信号を効率よく通すと共に周波数fの信号を効率よく遮断(伝送経路1209に向かわせることが)できる。また、伝送経路1209は、周波数fの信号を効率よく通すと共に、周波数fの信号を効率よく遮断(伝送経路1109へと向かわせることが)できる。
この動作を図19の回路モデルと図20、21の周波数特性を用いて説明する。図19は、実施例1のマルチモードフロントエンド回路を送受信器として機能させるときの回路モデルであり、終端回路1112−n、1212−nは地導体としている。図20は、LDR1=180°、LD1_1=55°、LD1_2=17°、LDR2=164°、LD2_1=52°、LD2_2=17°の場合の周波数特性を示す図である。図21は、LDR1=200°、LD1_1=65°、LD1_2=17°、LDR2=183°、LD2_1=62°、LD2_2=17°の場合の周波数特性を示す図である。これら各オン状態のスイッチの位置を定めるパラメータを変更することで周波数特性を可変とする送受共用器として動作する。なお、S11は第1のポート1001から入力された信号の反射係数(三角の印が付された線)、S21は第1のポート1001から第2のポート1002への透過係数(正方形の印が付された線)、S31は第1のポート1001から第3のポート1003への透過係数(ひし形の印が付された線)である。図20から、伝送経路1109の通過帯が5GHz、伝送経路1209の通過帯が5.5GHzとなっていることが分かる。また、図21から、伝送経路1109の通過帯が4.5GHz、伝送経路1209の通過帯がおよそ4.8GHzとなっていることが分かる。
このようにオン状態にするスイッチ1120−1,…,M、1111−1,…,N(1220−1,…,M、1211−1,…,N)を適切に選択することで、実施例1によるマルチモードフロントエンド回路は、時にはスイッチとして動作させ、時にはフィルタ機能を有するスイッチとして動作させ、時には送受共用器として動作させることができる。さらに、フィルタと送受共用器は、中心周波数、帯域幅を独立に変化可能で、段数も変更可能である。
これまでのマルチモードフロントエンド回路の特性の説明では、終端回路1112−n、1212−nを地導体とした場合についてのみ示した。しかし、終端回路1112−n、1212−nは地導体に限らず、図22に示すさまざまな回路を接続できる。また特性固定のものに限らず特性可変の回路を接続することで、特性可変の自由度を高めることもできる。この図では、地導体2001、コイル2002、コンデンサ2003、分布定数線路2004、可変コイル2005、可変コンデンサ2006、スイッチ2007を組み合わせた例を示しているが、これらの組合せに限定する必要はない。
図23は一例として終端回路1112−n、1212−rに可変LC共振器を用いた場合の構成である。伝送経路1109及び1209に用いられている並列共振器のコイルのインダクタンスをそれぞれLP1、LP2とし、容量のキャパシタンスをCP1、CP2とする。これらリアクタンス素子の特性を変えることにより、伝送経路1109及び1209の周波数特性を、中心周波数を一定に保ったまま変更できる。図24に、LDR1=180°、LD1_1=48°、LD1_2=35°、LDR2=164°、LD2_1=65°、LD2_2=25°、CP1=0.2pF、LP1=0.4nH、CP2=4.6pF、LP2=0.3nHの場合の周波数特性を示す。伝送経路1109及び1209の通過帯の周波数は図20と同じそれぞれ5GHzと5.5GHzであるが、特に第2の伝送経路1209の5GHzにおける信号の伝搬係数が、約−15dBから−40dB以上と大幅に小さくなり、信号の分離度合いが向上していることが分かる。
終端回路1112−n、1212−nは、特に1種類で構成する必要は無く、必要な特性に応じて設計すればよい。また、これまでの説明ではマイクロストリップ線路を用いた構成例を示したが、特にマイクロストリップ線路に限定するものではない。
このように、実施例1のマルチモードフロントエンド回路によれば、1つの回路により、スイッチ、フィルタ機能を有するスイッチ、送受共用器を提供できる。また、周波数特性を変更することも可能で、特にフィルタや送受共用器においては、中心周周波数、帯域幅、を独立に変更でき、フィルタや送受共用器の段数も変更可能である。また、実施例1のマルチモードフロントエンド回路は、伝送線路と、スイッチ、リアクタンス素子、可変リアクタンス素子などで構成可能であるため、容易に作成できる。
図25に、実施例2のマルチモードフロントエンド回路の構成を示す。実施例2のマルチモードフロントエンド回路は、実施例1と同じように、例えば、マイクロストリップ線路を用いて形成すればよい。マルチモードフロントエンド回路2000は、マルチモードフロントエンド回路1000と同じように、3つのポート1001、1002、1003を有し、第1のポート1001と第2のポート1002の間の第1の伝送経路1109と第1のポート1001と第3のポート1003の間の第2の伝送経路1209を有する。各伝送経路1109(1209)は、2つの入出力線路1103、1104(1203、1204)と、第1の伝送線路1101(1201)と、第2の伝送線路1102(1202)と、複数の終端スイッチ回路1110−1,…,N(1210−1,…,N)(ただし、Nは2以上の整数、nは1以上N以下の整数)と、短絡スイッチ1120−1,…,M(1220−1,…,M)(ただし、Mは4以上の整数、mは1以上M以下の整数)を備える。なお、第1の伝送線路1101(1201)、第2の伝送線路1102(1202)、終端スイッチ回路1110−n(1210−n)、短絡スイッチ1120−m(1220−m)の具体的な構成は、実施例1と同じである。また、伝送線路1100(1200)が満たすべき条件も実施例1と同じである。
マルチモードフロントエンド回路2000は、機能切替スイッチ2141、2241を備えている点がマルチモードフロントエンド回路1000と異なる。機能切替スイッチ2141は、ポート1002を端子2142または端子2143のいずれかに接続するスイッチである。端子2142はポート2102に接続されている(伝送経路1109’)。端子2143は線路2011、交点2010、線路2013を介してポート2104に接続されている(伝送経路2109)。機能切替スイッチ2241は、ポート1003を端子2242または端子2243のいずれかに接続するスイッチである。端子2242はポート2103に接続されている(伝送経路1209’)。端子2243は線路2012、交点2010、線路2013を介してポート2104に接続されている(伝送経路2209)。なお、ポート1001、ポート1002、ポート1003と、入出力線路1103、1203、1104、1204との関係は、実施例1と同じである。また、線路1011、1012、1013、1022、1023、2011、2012、2013は、電気的につながっていることを図示するものである。実際のマルチモードフロントエンド回路では、線路1011、1012、1013、1022、1023、2011、2012、2013は、設計上無視できる長さとしてもよいし、長さを考慮した設計としてもよい。
このような構成なので、機能切替スイッチ2141がポート1002を端子2142に接続し、機能切替スイッチ2241がポート1003を端子2242に接続した場合は、マルチモードフロントエンド回路2000は、マルチモードフロントエンド回路1000と実質的に同じ構成となり、帯域幅や中心周波数を変化可能な送受共用器と、TDD方式のためのスイッチの機能を同じ回路で提供できる。
また、機能切替スイッチ2141がポート1002を端子2143に接続し、機能切替スイッチ2241がポート1003を端子2243に接続した場合は、ポート1001を入力ポート、ポート2104を出力ポートとし、2つの周波数帯の信号を同時に通過させることのできる可変デュアルバンドフィルタとなる。
[可変デュアルバンドフィルタ機能の実現]
次に、可変デュアルバンドフィルタとして動作させる場合の原理と具体例を説明する。可変デュアルバンドフィルタとして動作させる場合、通過させる周波数帯での透過係数は可能な限り大きいこと(挿入損失は可能な限り小さいこと)が望ましい。仮に、伝送経路1109、2109の通過帯の周波数をF1とし、伝送経路1209、2209の通過帯の周波数をF2とする。周波数F1の信号は可能な限り伝送経路1109、2109へ伝達させ、周波数F2の信号は可能な限り伝送経路1209、2209へ伝達させる必要がある。これを実現するためには、交点1010から伝送経路1109、2109を見たインピーダンスZ11と交点2010から伝送経路2109、1109を見たインピーダンスZ41を、周波数F2において無限大もしくはそれに近い高いインピーダンスとし、かつ、交点1010から伝送経路1209、2209を見たインピーダンスZ12と交点2010から伝送経路2209、1209を見たインピーダンスZ42を、周波数F1において無限大もしくはそれに近い高いインピーダンスとすればよい。以下の具体例は、上記の条件を満たすようにマルチモードフロントエンド回路2000を制御すれば、通過させる周波数帯での透過係数を大きくできること(透過係数をほぼ0dBにできること)を示す。
図26は、マルチモードフロントエンド回路2000を可変デュアルバンドフィルタとして動作させる場合の構成を示す図である。まず、機能切替スイッチ2141がポート1002を端子2143に接続し、機能切替スイッチ2241がポート1003を端子2243に接続する。そして、第1の伝送経路1109では、4つの短絡スイッチ1120−m,…,m(ただし、m,…,mは1以上M以下の整数、かつm<m<m<m)をオン状態とし、その他の短絡スイッチをオフ状態とする。また、第1の伝送経路1109では、2つの終端スイッチ回路1110−n,n(ただし、n,nは1以上N以下の整数、かつn<n)をオン状態とし、その他の終端スイッチ回路をオフ状態とする。第2の伝送経路1209では、4つの短絡スイッチ1220−k,…,k(ただし、k,…,kは1以上M以下の整数、かつk<k<k<k)がオン状態であり、その他の短絡スイッチはオフ状態である。また、第2の伝送経路1209では、2つの終端スイッチ回路1210−h,h(ただし、h,hは1以上N以下の整数、かつh<h)がオン状態であり、その他の終端スイッチ回路はオフ状態である。また、終端スイッチ回路1110−1,…,N,1210−1,…,Nの終端回路1112−1,…,N,1212−1,…,Nには、地導体2001に接続された分布定数線路2004を用いている。
なお、第1伝送経路1109の第1の伝送線路1101と第2の伝送線路1102の長さをLA_1、入出力線路1103の長さをLTLin_1、入出力線路1104の長さをLTLout_1、入出力線路1103と短絡スイッチ1120−mとの距離をLin_1、短絡スイッチ1120−mと短絡スイッチ1120−mとの距離をL1_1、短絡スイッチ1120−mと短絡スイッチ1120−mとの距離をL1_1/2、短絡スイッチ1120−mと短絡スイッチ1120−mとの距離をL1_1、短絡スイッチ1120−mと終端スイッチ回路1110−nとの距離をL2_1、短絡スイッチ1120−mと終端スイッチ回路1110−nとの距離をL3_1、終端回路1112−nの分布定数線路2004の長さをL4_1、終端回路1112−nの分布定数線路2004の長さをL5_1とする。また、第2伝送経路1209の第1の伝送線路1201と第2の伝送線路1202の長さをLA_2、入出力線路1203の長さをLTLin_2、入出力線路1204の長さをLTLout_2、入出力線路1203と短絡スイッチ1220−kとの距離をLin_2、短絡スイッチ1220−kと短絡スイッチ1220−kとの距離をL1_2、短絡スイッチ1220−kと短絡スイッチ1220−kとの距離をL1_2/2、短絡スイッチ1220−kと短絡スイッチ1220−kとの距離をL1_2、短絡スイッチ1220−kと終端スイッチ回路1210−hとの距離をL2_2、短絡スイッチ1220−kと終端スイッチ回路1210−hとの距離をL3_2、終端回路1212−hの分布定数線路2004の長さをL4_2、終端回路1212−hの分布定数線路2004の長さをL5_2とする。
図27は、それぞれの長さを5GHzの電気長で、LA_1=720°、LTLin_1=20°、LTLout_1=20°、Lin_1=57°、L1_1=180°、L2_1=10°、L3_1=10°、L4_1=155°、L5_1=155°、LA_2=720°、LTLin_2=20°、LTLout_2=20°、Lin_2=73°、L1_2=160°、L2_2=10°、L3_2=10°、L4_2=155°、L5_2=11°とした場合のポート1001からポート2104への透過係数を示している。図27は、横軸が周波数、縦軸が透過係数(dB)である。この条件の場合、5GHzと5.62GHzに通過帯があり、この2つの周波数帯で透過係数がほぼ0dBである。L1_1が5GHzの電気長で180°であるため、伝送経路1109、2109は5GHzを通過帯としている。また、L1_2は5GHzの電気長で160°である。この長さは、5.62GHzの電気長では180°である。したがって、伝送経路1209、2209は5.62GHzを通過帯としている。
また、図28は、図27の場合のインピーダンスを示すスミスチャートである。図28(A)に5.62GHzでのインピーダンスZ11、Z41を、図28(B)に5GHzでのインピーダンスZ12、Z42を示している。このように、5.62GHzではインピーダンスZ11、Z41が無限大またはそれに近い値である。したがって、5.62GHzの信号は伝送経路1109、2109へは伝搬せず、伝送経路1209、2209を伝搬してポート2104から出力される。また、5GHzではインピーダンスZ12、Z42が無限大に近い値である。したがって、5GHzの信号は伝送経路1209、2209へは伝搬せず、伝送経路1109、2109を伝搬してポート2104から出力される。
図29は、5GHzの電気長で、LA_1=720°、LTLin_1=20°、LTLout_1=20°、Lin_1=57°、L1_1=150°、L2_1=10°、L3_1=10°、L4_1=155°、L5_1=155°、LA_2=720°、LTLin_2=20°、LTLout_2=20°、Lin_2=73°、L1_2=145°、L2_2=10°、L3_2=10°、L4_2=155°、L5_2=11°とした場合のポート1001からポート2104への透過係数を示している。なお、図29の条件は、図27の条件から、L1_1とL1_2のみを変更している。図29は、横軸が周波数、縦軸が透過係数(dB)である。L1_1は5GHzの電気長で150°であり、6GHzの電気長では180°である。したがって、伝送経路1109、2109は6GHzを通過帯とするはずである。L1_2は5GHzの電気長で145°であり、6.18GHzの電気長では180°である。したがって、伝送経路1209、2209は6.18GHzを通過帯とするはずである。しかし、図29に示すように、6GHzと6.18GHzに通過帯があると思われるが、透過係数が小さい。
図30は、図29の場合のインピーダンスを示すスミスチャートである。図30(A)に6.18GHzでのインピーダンスZ11、Z41を、図30(B)に6GHzでのインピーダンスZ12、Z42を示している。6.18GHzではインピーダンスZ11、Z41が無限大から離れた値(小さい値)である。また、6GHzではインピーダンスZ12、Z42が無限大から離れた値(小さい値)である。すなわち、単に共振器長となるL1_1とL1_2を調整しただけでは、透過係数が大きい可変デュアルバンドフィルタとしては動作しないことが分かる。
そこで、6.18GHzではインピーダンスZ11、Z41が無限大に近付き、6GHzではインピーダンスZ12、Z42が無限大に近付くように共振器長(L1_1、L1_2)以外の長さも調整する。図31は、5GHzの電気長で、LA_1=720°、LTLin_1=20°、LTLout_1=20°、Lin_1=47°、L1_1=150°、L2_1=10°、L3_1=10°、L4_1=132°、L5_1=30°、LA_2=720°、LTLin_2=20°、LTLout_2=20°、Lin_2=0°、L1_2=145°、L2_2=10°、L3_2=10°、L4_2=180°、L5_2=139°とした場合のポート1001からポート2104への透過係数を示している。図31は、横軸が周波数、縦軸が透過係数(dB)である。6GHzと6.18GHzの通過帯で透過係数がほぼ0dBとなっている。図31の条件は、図29の条件から、Lin_1、L4_1、L5_1、Lin_2、L4_2、L5_2を変更している。特に、Lin_1、Lin_2は、入出力線路から最初の共振器までの距離を決めるパラメータであり、可変移相器の役割を果たす。これは、平行線路を共振器として機能させたり、単なる伝送線路としたりすることができるという、可変フィルタの特徴を利用している。
図32は、図31の場合のインピーダンスを示すスミスチャートである。図32(A)に6.18GHzでのインピーダンスZ11、Z41を、図32(B)に6GHzでのインピーダンスZ12、Z42を示している。このように、6.18GHzではインピーダンスZ11、Z41が無限大に近い値なので、6.18GHzの信号は伝送経路1109、2109へは伝搬せず、伝送経路1209、2209を伝搬してポート2104から出力される。また、6GHzではインピーダンスZ12、Z42が無限大に近い値なので、6GHzの信号は伝送経路1209、2209へは伝搬せず、伝送経路1109、2109を伝搬してポート2104から出力される。したがって、図31に示した条件の場合は、6GHzと6.18GHzの通過帯で透過係数がほぼ0dBにできている。
次に、通過帯の帯域幅を変更する例を示す。図33は、5GHzの電気長で、LA_1=720°、LTLin_1=20°、LTLout_1=20°、Lin_1=47°、L1_1=150°、L2_1=8°、L3_1=8°、L4_1=132°、L5_1=30°、LA_2=720°、LTLin_2=20°、LTLout_2=20°、Lin_2=0°、L1_2=145°、L2_2=10°、L3_2=10°、L4_2=180°、L5_2=139°とした場合のポート1001からポート2104への透過係数を示している。図33は、横軸が周波数、縦軸が透過係数(dB)であり、点線が上記の条件の場合の透過係数であり、実線は図31の条件の透過係数である。図33の条件は、図31の条件から、L2_1、L3_1のみを変更している。伝送経路1109、2109側の長さを変更したことで、6GHz帯で帯域幅が大きく変化し、6.18GHz帯ではあまり変化していないことが分かる。また、6GHz帯の中心周波数は一定に保たれていることも分かる。これは、中心周波数を一定に保ったまま帯域幅を変更できるという可変フィルタの特徴を利用したものである。
図34は、5GHzの電気長で、LA_1=720°、LTLin_1=20°、LTLout_1=20°、Lin_1=47°、L1_1=150°、L2_1=10°、L3_1=10°、L4_1=132°、L5_1=30°、LA_2=720°、LTLin_2=20°、LTLout_2=20°、Lin_2=0°、L1_2=145°、L2_2=8°、L3_2=8°、L4_2=180°、L5_2=139°とした場合のポート1001からポート2104への透過係数を示している。図34は、横軸が周波数、縦軸が透過係数(dB)であり、点線が上記の条件の場合の透過係数であり、実線は図31の条件の透過係数である。図34の条件は、図31の条件から、L2_2、L3_2のみを変更している。伝送経路1209、2209側の長さを変更したことで、6.18GHz帯で帯域幅が大きく変化し、6GHz帯ではあまり変化していないことが分かる。また、6.18GHz帯の中心周波数は一定に保たれていることも分かる。これは、中心周波数を一定に保ったまま帯域幅を変更できるという可変フィルタの特徴を利用したものである。
なお、図26の終端スイッチ回路1110−1,…,N,1210−1,…,Nの終端回路1112−1,…,N,1212−1,…,Nでは、地導体2001に接続された分布定数線路2004を用いている。しかし、図22(I),(J),(K),(N),(Q)に示したような回路を用いることも可能である。なお、これらに限る必要は無い。
このように、実施例2のマルチモードフロントエンド回路によれば、機能切替スイッチによって実施例1のマルチモードフロントエンド回路と同等の構成にすることができるので同じ効果を得られる。さらに、実施例2のマルチモードフロントエンド回路は、機能切替スイッチの設定によって可変デュアルバンドフィルタとしても動作させることができる。なお、実施例2のマルチモードフロントエンド回路は、可変デュアルバンドフィルタとして動作させるときには、各通過帯域の中心周波数と帯域幅を個別に変更可能である。
100 可変共振器 101、102 伝送線路
105a スイッチ 111 入力線路
112 出力線路 130 ギャップ部
150 スイッチ回路 150a スイッチ
800 地導体 805 誘電体基板
806 ビアホール 833 導電体
1000、2000 マルチモードフロントエンド回路
1001、1002、1003、2102、2103、2104 ポート
1010、2010 交点
1011、1012、1013、1022、1023、2011、2012、2013 線路
1100、1200 伝送線路
1101、1102、1201、1202 伝送線路
1103、1104、1203、1204 入出力線路
1109、1209、2109、2209 伝送経路
1110、1130、1210、1230 終端スイッチ回路
1111、1131、1211、1231 スイッチ
1112、1132、1212、1232 終端回路
1120、1220 短絡スイッチ
2001 地導体 2002 コイル
2003 コンデンサ 2004 分布定数線路
2005 可変コイル 2006 可変コンデンサ
2007 スイッチ
2141、2241 機能切替スイッチ

Claims (9)

  1. 3つのポートを有し、第1のポートと第2のポートの間の第1の伝送経路と第1のポートと第3のポートの間の第2の伝送経路を有するマルチモードフロントエンド回路であって、
    各伝送経路は、
    2つの入出力線路と、
    一方の入出力線路に一端の全体が接続され他方の入出力線路に他端の全体が接続される第1の伝送線路と、
    前記一方の入出力線路に一端の全体が接続され前記他方の入出力線路に他端の全体が接続され第2の伝送線路と、
    一つまたは複数の終端スイッチ回路と
    を備え、
    前記第1の伝送線路の電気長は前記第2伝送線路の電気長に等しく、
    前記第1の伝送線路の偶モード特性インピーダンス及び奇モード特性インピーダンスはそれぞれ前記第1の伝送線路の長さ方向に一様であり、
    前記第2の伝送線路の偶モード特性インピーダンス及び奇モード特性インピーダンスはそれぞれ前記第2の伝送線路の長さ方向に一様であり、
    前記第1の伝送線路の偶モード特性インピーダンスは前記第2の伝送線路の偶モード特性インピーダンスに等しく、
    前記第1の伝送線路の奇モード特性インピーダンスは前記第2の伝送線路の奇モード特性インピーダンスに等しく、
    前記終端スイッチ回路は、前記第1の伝送線路と前記第2の伝送線路のいずれかに一端が接続されたスイッチと、当該スイッチの他端に接続された終端回路で構成されている
    マルチモードフロントエンド回路。
  2. 請求項1記載のマルチモードフロントエンド回路であって、
    前記2つの伝送線路の長さと線路幅が等しく、線路間間隔が線路の長さ方向に渡って一様である
    ことを特徴とするマルチモードフロントエンド回路。
  3. 請求項1または2記載のマルチモードフロントエンド回路であって、
    各伝送経路が備える前記終端スイッチ回路には、
    前記2つの伝送線路間の、入出力線路からの電気長が等しい点にそれぞれ接続された組となる終端スイッチ回路がある
    ことを特徴とするマルチモードフロントエンド回路。
  4. 請求項1または2記載のマルチモードフロントエンド回路であって、
    各伝送経路は、
    1個以上の短絡スイッチも備え、
    前記短絡スイッチは、
    前記2つの伝送線路間の、入出力線路からの電気長が等しい点同士を短絡できる
    ことを特徴とするマルチモードフロントエンド回路。
  5. 請求項4記載のマルチモードフロントエンド回路であって、
    前記終端スイッチ回路と前記短絡スイッチには、前記伝送線路の同じ位置に接続されているものがある
    ことを特徴とするマルチモードフロントエンド回路。
  6. 請求項4または5に記載のマルチモードフロントエンド回路であって、
    前記短絡スイッチは2個以上であり、
    前記短絡スイッチが伝送線路に接続されている位置の間に接続されている前記終端スイッチ回路がある
    ことを特徴とするマルチモードフロントエンド回路。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のマルチモードフロントエンド回路であって、
    前記終端回路は、リアクタンス回路である
    ことを特徴とするマルチモードフロントエンド回路。
  8. 請求項7記載のマルチモードフロントエンド回路であって、
    前記リアクタンス回路は、可変リアクタンス回路である
    ことを特徴とするマルチモードフロントエンド回路。
  9. 請求項4記載のマルチモードフロントエンド回路であって、
    前記第2のポートと前記第3のポートとを接続した状態と接続していない状態に切り替える機能切替スイッチも備え、
    各伝送経路は、
    前記終端スイッチ回路を2個以上、前記短絡スイッチを4個以上有する
    ことを特徴とするマルチモードフロントエンド回路。
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