JP6547491B2 - 通信装置、基地局装置及び通信方法 - Google Patents
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Description
次世代の通信技術に対応するRFシステムの開発にあたっては、無線通信サービスの運用状況に応じて、帯域通過フィルタ(バンドパスフィルタ)の帯域通過特性を動的に変化させるニーズがある。
以下、第1の実施形態に係る通信装置について、図1〜図4を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下に述べる各実施形態においては、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、発明の範囲を以下の各実施形態のみに限定するものではない。
図1に示すように、通信装置1は、複数のキャリア周波数帯域を含む所定の第1周波数帯域を通過させる第1帯域通過フィルタ10を備えている。
また、通信装置1は、第1帯域通過フィルタ10を通過した信号のうち所定の第2周波数帯域を通過させる第2帯域通過フィルタ111を備えている。
また、通信装置1は、第2帯域通過フィルタ111を通過した信号を終端する終端器121を備えている。
そして、通信装置1は、第2帯域通過フィルタ111を通過した信号を終端するかどうかを切り替える。
通信装置1は、オペレータによる無線通信サービスを実現するために各地に設置される基地局装置に搭載される。
図2は、第1の実施形態に係る通信装置の具体的な機能構成を示す図である。
図2に示すように、通信装置1は、第1入出力ポートP1と、第2入出力ポートP2と、第1帯域通過フィルタ10と、第2帯域通過フィルタ111と、終端器121と、スイッチ素子S1と、サーキュレータC1と、を備えている。
上述の各種機能構成は、それぞれ、図2に示すように電気的に接続され、高周波回路(RF回路)をなしている。
なお、実際には、第2入出力ポートP2は、アンテナ素子を通じて受信した受信信号を入力する入力ポートとしても機能し、第1入出力ポートP1は、当該受信信号を出力する送受信機能部に出力する出力ポートとしても機能する。
また、第2入出力ポートP2には、アンテナ素子(図示せず)が接続される。アンテナ素子に伝送された送信信号は、当該アンテナ素子を通じて電磁波となり、大気中に放射される。
なお、本実施形態において、上述の送受信機能部が出力する送信信号は、例として、2種類の異なるキャリア周波数帯域(後述する「キャリアA0」、「キャリアA1」)からなる高周波信号(RF信号)であるものとする。
ここで、後述するように、第1帯域通過フィルタ10は、複数のキャリア周波数帯域(「キャリアA0」、「キャリアA1」)を含む所定の第1周波数帯域を通過させるように設計されている。
第1帯域通過フィルタ10を通過した送信信号は、サーキュレータC1に伝送される。
なお、後述するように、第2帯域通過フィルタ111は、複数のキャリア周波数のうち、無線通信サービスの運用にあたって使用する特定のキャリア周波数(例えば「キャリアA0」)の側波帯を含む所定の周波数帯域を通過するように調整されている。
第2帯域通過フィルタ111を通過した送信信号は、スイッチ素子S1に向けて伝送される。
ここで、本実施形態では、無線通信サービスの運用上規定された単位フレーム内において、キャリアA0及びキャリアA1の両方を用いて無線通信を行う期間と、キャリアA0のみを用いて無線通信を行う期間と、が予め設定されている。上述の送受信機能部は、当該単位フレームについての情報に基づいて、キャリアA0及びキャリアA1の両方を用いて無線通信を行う期間にスイッチ素子S1を開放させ、また、キャリアA0のみを用いて無線通信を行う期間に合わせてスイッチ素子S1を短絡させる制御を行う。
スイッチ素子S1が開放されている場合、第2帯域通過フィルタ111を通過した送信信号は、スイッチ素子S1の開放端で全て(100%)反射してサーキュレータC1に戻される。そうすると、結局、送信信号の全ての周波数成分が第2入出力ポートP2に向けて出力されるので、第2帯域通過フィルタ111は、通信装置1の高周波回路上において無効化される。
一方、スイッチ素子S1が短絡されている場合、第2帯域通過フィルタ111を通過した送信信号は、スイッチ素子S1を通じて終端器121に伝送される。
即ち、サーキュレータC1、第2帯域通過フィルタ111及び終端器121は、第2周波数帯域に属する周波数成分を除去する帯域除去フィルタ(Band Eliminate Filter;BEF)として機能する。
図3は、第1の実施形態に係る通信装置全体の特性を説明する第1の図である。
図3に示す帯域通過特性G1は、第1帯域通過フィルタ10が通過させる第1周波数帯域を示している。図3に示すように、第1周波数帯域は、通信装置1を扱うオペレータに割り当てられた運用周波数帯域を全て含む。本実施形態においては、第1帯域通過フィルタ10の第1周波数帯域は、オペレータに割り当てられた2つのキャリア周波数帯域であるキャリアA0及びキャリアA1の両方を含むものとされる。
なお、スイッチ素子S1が開放されている場合、第2帯域通過フィルタ111は、高周波回路上において無効化されている。したがって、帯域通過特性G1は、スイッチ素子S1が開放されている場合における通信装置1全体の帯域通過特性となる。
オペレータは、無線通信サービスの運用にあたりキャリアA0及びキャリアA1の両方を用いて無線通信を行う場合、スイッチ素子S1を開放させる。これにより、送信信号をなす複数のキャリア周波数帯域であるキャリアA0及びキャリアA1の両方が、そのまま、第1入出力ポートP1から第2入出力ポートP2へと伝送される。
また、キャリアA1の高周波側に隣接する周波数帯域は、通信装置1を扱うオペレータとは異なる他のオペレータに割り当てられた運用周波数帯域である。
図4に示す帯域通過特性G2は、第2帯域通過フィルタ111及び終端器121からなる帯域除去フィルタの帯域通過特性である。この帯域除去フィルタは、第2帯域通過フィルタ111の第2周波数帯域に対応する周波数帯域のみを除去する。即ち、第2帯域通過フィルタ111を通過した送信信号のみが終端器121によって終端される。
スイッチ素子S1が短絡されている場合、第2帯域通過フィルタ111が高周波回路上において有効化されるので、通信装置1全体の帯域通過特性G3は、帯域通過特性G1と帯域通過特性G2とを足し合せた特性となる(図4参照)。
これにより、送信信号(キャリアA0)の側波帯のうち、第2周波数帯域に属する周波数成分が除去されるため、他のオペレータの運用周波数帯域への不要波電力を抑圧することができる。
なお、この場合、オペレータは、キャリアA0のみを用いて無線通信サービスの運用を行う。
以上、第1の実施形態に係る通信装置1によれば、第1帯域通過フィルタ10を通過した送信信号のうち、更に第2帯域通過フィルタ111を通過した周波数成分(第2周波数帯域に属する周波数成分)のみが終端器121に伝送される態様となっている。そして、スイッチ素子S1により、第2帯域通過フィルタ111のみの有効化、無効化が切り替えられる態様となっている。
このようにすることで、スイッチ素子S1の切り替えに関わらず、少なくとも第1帯域通過フィルタ10を通過した送信信号は、常に出力ポート(第2入出力ポートP2)を通じて出力されるため、スイッチ素子S1の切り替えのタイミングで送信信号の瞬断が生じることはない。
また、送信信号のうちの所望する周波数成分(不要波)のみが終端器121において熱となって消費されるので、送信信号から当該所望する周波数成分だけを確実に除去することができる。したがって、無線通信サービスの運用に合わせて、スイッチ素子S1を用いて運用周波数帯域を切り替える場合、当該切り替えの前後において通信品質の変化が生じることを抑制することができる。
このようにすることで、キャリア周波数の側波帯に属する不要波が除去されるので、他のオペレータの運用周波数帯域に属する不要波の放射を抑制することができる。
図5は、第1の実施形態の変形例に係る通信装置の具体的な機能構成を示す図である。
図5に示すように、本変形例に係る通信装置1は、第1の実施形態の構成に加え、更に、λ/4伝送線路L、第2帯域通過フィルタ112と、終端器122と、スイッチ素子S2と、サーキュレータC2と、を備えている。
ここで、λ/4伝送線路Lは、送信信号の波長λの1/4の長さとされた伝送線路である。
これにより、第2帯域通過フィルタ111、スイッチ素子S1及び終端器121と、第2帯域通過フィルタ112、スイッチ素子S2及び終端器122とは、主信号ラインQとグランドとの間で並列に接続される態様となる。
スイッチ素子S2は、第2帯域通過フィルタ111を通過した信号を終端するかどうかを切り替える。換言すると、スイッチ素子S2は、高周波回路上における第2帯域通過フィルタ112の有効、無効を切り替える。具体的には、スイッチ素子S2は、上述の送受信機能部から別途入力されるスイッチ制御信号に応じて、伝送線路を電気的に短絡又は開放する。
なお、送受信機能部は、スイッチ素子S1及びスイッチS2を、それぞれ独立して制御可能とする。
一方、スイッチ素子S2が短絡されている場合、第2帯域通過フィルタ112を通過した送信信号は、スイッチ素子S2を通じて終端器122に伝送される。
終端器122は、終端器121と同様に、入力された送信信号を終端する。
そうすると、第1の実施形態に比べ、主信号ラインQ上において、第2周波数帯域を除去する構成(帯域除去フィルタ)の数が多いため、不要波が一層除去される。
また、スイッチ素子S1及びスイッチ素子S2をそれぞれ独立して制御可能としているので、通信サービスの運用形態に応じて、不要波の除去の程度を所望に変更することができる。
図6に示すように、本変形例に係る通信装置1は、第1の実施形態の構成に加え、更に、λ/4伝送線路L1、L2を備えている。
また、スイッチ素子S1は、λ/4伝送線路L1及びλ/4伝送線路L2の中間点と、グランドとの間に接続される。
スイッチ素子S1が短絡されている場合、第2帯域通過フィルタ111を通過した送信信号は、λ/4伝送線路L1を通じてグランドに短絡され、当該グランドで全て(100%)反射してサーキュレータC1に戻される。そうすると、送信信号の全ての周波数成分が第2入出力ポートP2に向けて出力されるので、第2帯域通過フィルタ111は、通信装置1の高周波回路上において無効化される。
一方、スイッチ素子S1が開放されている場合、サーキュレータC1から出力される送信信号は、λ/4伝送線路L1及びλ/4伝送線路L2を経て、第2帯域通過フィルタ111に伝送される。
例えば、他の実施形態においては、帯域除去フィルタを構成する各種機能構成は、主信号ラインQに対し、サーキュレータC1を介さずに直接接続される態様であってもよい。
10 第1帯域通過フィルタ
111、112 第2帯域通過フィルタ
121、122 終端器
C1、C2 サーキュレータ
L、L1、L2 λ/4伝送線路
P1 第1入出力ポート
P2 第2入出力ポート
Q 主信号ライン
S1、S2 スイッチ素子
Claims (5)
- 入力ポートから出力ポートまでを接続する伝送線路と、
前記伝送線路上において、前記入力ポートから入力した複数のキャリア周波数帯域を含む信号のうち所定の第1周波数帯域を通過させる第1帯域通過フィルタと、
前記第1帯域通過フィルタを通過した信号を入力し、前記伝送線路から分岐した線路に出力するサーキュレータと、
前記分岐した線路上において、前記サーキュレータから入力した、前記第1帯域通過フィルタを通過した信号のうち所定の第2周波数帯域を通過させる第2帯域通過フィルタと、
前記第2帯域通過フィルタを通過した信号を終端する終端器と、
前記第2帯域通過フィルタを通過した信号を前記終端器で終端するかどうかを切り替える切替手段と、
を備え、
前記サーキュレータは、さらに、前記第2帯域通過フィルタから入力した信号を前記出力ポートに出力する、
通信装置。 - 前記第2帯域通過フィルタ及び前記終端器の組が、前記伝送線路から複数分岐して接続されている
請求項1に記載の通信装置。 - 前記第2帯域通過フィルタは、
前記複数のキャリア周波数のうち少なくとも何れか一つの側波帯を含む周波数帯域を通過させる
請求項1または請求項2に記載の通信装置。 - 請求項1から請求項3の何れか一項に記載の通信装置を備える
基地局装置。 - 入力ポートから出力ポートまでを接続する伝送線路を用いて信号を伝送する通信方法であって、
前記伝送線路上において、前記入力ポートから、複数のキャリア周波数帯域を含む信号を、所定の第1周波数帯域を通過させる第1帯域通過フィルタに入力するステップと、
前記第1帯域通過フィルタを通過した信号をサーキュレータに入力し、前記伝送線路から分岐した線路に出力するステップと、
前記分岐した線路上において、前記サーキュレータを介して入力した、前記第1帯域通過フィルタを通過した信号を、所定の第2周波数帯域を通過させる第2帯域通過フィルタに入力するステップと、
前記第2帯域通過フィルタを通過した信号を終端器で終端するかどうかを切り替えるステップと、
を有し、
前記サーキュレータは、さらに、前記第2帯域通過フィルタから入力される信号を前記出力ポートに出力する、
通信方法。
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