JP5053185B2 - 可変共振器 - Google Patents

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本発明は、帯域幅可変な共振器に関する。
高周波を用いた無線通信の分野においては、数多い信号の中から特定の周波数の信号を取り出すことで、必要な信号と不必要な信号とを分別している。この機能を果たす回路はフィルタと呼ばれ、多くの無線通信装置に搭載されている。
一般的に、フィルタは、その設計パラメータである中心周波数、帯域幅などが予め決めた値に固定されて形成されている。このようなフィルタを用いた無線通信装置で様々な中心周波数(以下、単に周波数とも呼ぶ)と周波数帯域幅(以下、単に帯域幅とも呼ぶ)の組を選択的に用いる場合は、使用する周波数と帯域幅の組のフィルタを複数個用意し、スイッチなどで切り替える方法が容易に考えられる。この方法では、必要な周波数と帯域幅の組合せの数だけフィルタが必要であり、回路規模が大きくなるため装置が大型化してしまう。また、予め用意した各フィルタが有する周波数特性以外の周波数では無線通信装置を動作させることは出来ない。
この課題を解決するため、非特許文献1では、共振器である円環状線路を2箇所で切断し、各切断部の線路間にPINダイオードを挿入し、PINダイオードに印加する電圧によりPINダイオードの容量値を変化させることで中心周波数を変化させている。しかしながら、上記非特許文献1に開示される可変フィルタは、中心周波数を変化させることは可能であるが、帯域幅を変化させることが不可能であった。この問題に関し発明者らは、可変フィルタを構成する重要な構成要素として本願発明者らによる先の出願2007-219967に可変共振器を提案した。その可変共振器は、リング型の共振器とそれにリング周方向に異なる角度位置で接続する複数のスイッチ素子により構成され、オンとするスイッチ素子を選択することにより帯域幅を可変とし、共振周波数に対し独立に制御することが容易という特徴を有する。
しかしながら、オン状態とするスイッチ素子の角度位置により帯域幅を可変とするため、例えば帯域幅を大きく変化させる場合、スイッチ素子間の距離(角度間隔)が数10度と大きくなり、それぞれ個別のスイッチ素子を用いなければならない。例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)や半導体スイッチ素子を用いる場合、複数のスイッチ素子を集積し1つのスイッチアレーとしてパッケージに封入したものと、1つのスイッチ素子を個別のパッケージに封入したものと比較すると、後者の方がスイッチ素子1個にかかるコストが高いため、特許文献1による可変共振器では必然的にコストが高くなる。
また一方では、リングの周長は共振周波数に反比例するため、共振周波数が高くなるほどリングを小さくしなければならない。このため複数スイッチ素子の間隔が一定である場合、共振周波数が高くなるほど、設定可能な帯域幅の分解能が低下する。
1998 IEEE Microwave Theory and Techniques Symposium Digest,pp803-806
このような実情に鑑みて本発明の目的は、複数スイッチ素子の角度間隔当たりの帯域幅の変化が大きい可変共振器を提供することである。具体的には、集積したスイッチデバイスを用いても、個別のスイッチ素子を用いた場合と同様の帯域幅の変化量を得ることを可能とすることを目的とする。また、共振周波数が高い場合において、帯域幅の分解能低下を抑制することを可能とすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の可変共振器は、
同心状に配置された少なくとも2つの環状線路と、
上記2つの環状線路間を、それぞれその線路長を3以上の整数分割した位置で互いに接続する3つ以上の接続線路と、
上記2つの環状線路の少なくとも一方をその線路に沿った異なる位置で選択的に接地可能な2個以上のスイッチ素子、
とを備えるように構成されている。
この構成によれば、電気的に接続するスイッチ素子を変更することで、共振周波数を挟む帯域幅を大きく変更することが可能である。
本発明によれば、複数のスイッチ素子の中から任意のスイッチ素子を1つ選択してオン状態〔電気的に接続した状態〕とすることで、その共振周波数を一定に保ったまま帯域幅を自在に変化させることが可能な可変共振器を、集積化したスイッチアレーを適用した場合においても、個別のスイッチ素子を用いた場合と同等の帯域幅変化量を得ることが可能である。集積化したスイッチアレーの適用により、同数のスイッチ素子を個別に用いた場合に比べて低コスト化が可能となる。また、共振周波数が高い場合において、帯域幅の分解能低下を抑制することが可能である。
図1にマイクロストリップ線路構造を用いた本発明による可変共振器の第1実施形態の構成を示す。図1に示す可変共振器10は、直径が異なる2つの環状線路11,12が同心に配置され、これら環状線路11,12間は4つの接続線路21〜24によって互いに接続された構造となっている。環状線路11に対応する接続線路21〜24の接続位置は、環状線路11の線路長を接続数で等分割した位置である。環状線路12に対する接続線路21〜24の接続位置も同様である。従って、環状線路11,12が円形の場合は、2つの環状線路11,12間は等角度間隔で接続線路21〜24により互いに接続されている。外側の環状線路11は1つの接続線路、ここでは21、の位置でポートP1,P2間の入出力線路9に並列に接続されている。即ち、外側環状線路11上の、1つの接続線路21との接続位置が信号の給電点とされている。図示してないが、これら入出力線路9、環状線路11,12、接続線路21〜24等は共通の誘電体基板上に形成される。各環状線路11,12の線路長は、設計共振周波数での1波長又はその整数倍とする。後述するように、環状線路11,12の線路長は、それらの単独の共振周波数が可変共振器の所望の共振周波数のそれぞれ低周波数側と高周波数側になるように決めなければならない。
外側の環状線路11及び内側の環状線路12にはそれぞれ複数のスイッチ素子を含むスイッチデバイスSW1,SW2が接続されている。スイッチデバイスSW1のそれぞれのスイッチ素子の一端は環状線路11に周方向に等間隔で接続され、他端は接地されている。環状線路12に対するスイッチデバイスSW2も同様である。各スイッチデバイスSW1,SW2は複数の個別スイッチ素子であってもよいし、複数のスイッチ素子が集積されたスイッチアレーであってもよい。スイッチ素子は例えばMEMSや半導体スイッチでもよい。
図1では表示を省略しているが、実際には各スイッチ素子の他端は例えば基板の裏面に形成された接地導体に基板を貫通するビアホール(via hole)等を通して接地されている。以下に本構成により共振周波数に対し帯域幅を独立に制御可能であることを示す。
図2は図1の構造を有する可変共振器の伝達特性を計算機シミュレーションによって求めるための簡略化したモデルである。スイッチデバイスSW1の複数のスイッチ素子から1つオン状態にするスイッチ素子を選択する代わりに、接地角度位置を環状線路11の周方向に沿って移動させるものとし、その位置を図2に示すように入出力線路9と環状線路11の結合点から180°の位置を基準に角θで表す。ここでは外側のスイッチデバイスSW1においてオン状態にするスイッチ素子を選択する場合を説明するが、内側のスイッチデバイスSW2におけるオン状態とするスイッチ素子を選択する場合も同様である。
入出力線路9及び2つの環状線路11,12の特性インピーダンス、ポートP1,P2のインピーダンスは全て50Ωとする。外側の環状線路11の周長は5GHzの1波長、内側の環状線路12の周長は8GHzの1波長とする。図3は図2のモデルにおけるθが10°の場合と30°の場合のポートP1からP2への伝達特性のシミュレーション結果を示す。θが変化しても共振周波数FRは5.6 GHzと一定で、θの変化に応じて帯域幅が変化していることがわかる。この例では少なくともθが10°から30°に大きくなるにつれ帯域幅も拡大している。
注意すべき点は、環状線路11及び12の個別の設計周長はそれぞれ周波数5GHz及び8GHzで1波長としたが、それらが接続線路21〜24により互いに接続されることにより、可変共振器10の共振周波数FRは5GHzと8GHzの間である5.6GHzとなっていることである。逆に言えば、環状線路11と12の線路長は、それらの単独の共振周波数が可変共振器10の所望の共振周波数に対しそれぞれ低周波数側と高周波数側になるよう決める必要がある。
この発明を実現するために要求される環状線路11,12間の接続線路の数Nの下限を決めるため、図4A,4Bに示すN=2の場合とN=3の場合の可変共振器について伝達特性(S21)のシミュレーションを行った結果を図5A,5Bに示す。図4Aに示す可変共振器の構成は図2において接続線路22と24を除去してN=2としたものである。図4Bに示す可変共振器の構成は、等角度間隔の3つの接続線路21,22,23で環状線路11、12間を接続し、1つの接続線路21が接続された環状線路11上の角度位置を入出力線路9からの信号の給電点としている。図4A,4Bのいずれも環状線路11上の接地角度位置は、給電点から180°の角度位置を基準として角θで表している。
図4Aに示すように、図2から環状線路間にある線路の個数を2個にした場合、図5Aに示すθが10°と30°の場合の伝達特性から、θの変化に応じて共振周波数がFR1=5.03GHz, FR2=5.20GHzと変化してしまうことがわかる。一方図4Bに示すように、環状線路11,12間の接続線路を3個(接続線路21,22,23)とした場合、図5Bに示す伝達特性から明らかなように、θが変化しても共振周波数FR=5.5GHzは変化していないことがわかる。
同様に、接続線路の数NをN=5をした場合の可変共振器(図示せず)の伝達特性S21を図6Aに、また、その共振周波数を明確に示すため、反射特性を図6Bに示す。2つの環状線路の線路長は図2の場合と同じである。N=5の場合、図6Bに示すようにθが10°と30°のいずれの場合も共振周波数は5.4GHzと一定であるが、図6Aに示すように帯域幅は変化している。
更にN=6とした場合の可変共振器(図示せず)の伝達特性S21を図7Aに、また、その共振周波数を明確に示すため、反射特性S11を図7Bに示す。ただし、ここではθを10°とした場合と、60°とした場合を示している。図7Bから共振周波数は5.22GHzとθに依存せず、一方、帯域幅は図7Aに示すように大きく変化していることがわかる。また、前述のN=3,4,5の場合についてはθが10°と30°、即ち変化幅20°の例を示したが、図7Aはθを20°以上変化させても、共振周波数一定、かつ、帯域幅可変の特性を有する可変共振器が得られることを示している。
以上のことから、共振周波数と帯域幅を独立に制御する場合、環状線路11,12間の接続線路の数は3個以上必要であることがわかる。
図8Aに本発明による可変共振器の別の実施形態を示す。図1の場合と同様、2つの環状線路11,12間は4つの接続線路21〜24で接続されている。一方、図1と異なり、可変共振器10は入出力線路9に直列に挿入されており、可変共振器10への信号の入出力を行う給電点は2つである。図8Bは図8Aの構造を有する可変共振器の伝達特性を計算機シミュレーションによって求めるための簡略化したモデルである。
この場合も外側のスイッチデバイスSW1においてオン状態にするスイッチ素子を1つ選ぶものとし、スイッチデバイスSW1の複数のスイッチ素子から1つオン状態にするスイッチ素子を選択する代わりに、接地角度位置が環状線路11の周方向に沿って移動するものとし、その角度位置を図8Bに示すように角θで表す。入出力線路9と環状線路11,12の特性インピーダンス、及びポートP1,P2のインピーダンスは全て50Ωとする。外側の環状線路11の周長は5GHzの1波長、内側の環状線路12の周長は8GHzの1波長とする。図9はθが10°と30°の場合のポートP1からP2への伝達特性を示す。図3の場合と同様に、共振周波数FRは5.6 GHzと一定であり、θの変化に応じて帯域幅が変化していることがわかる。
以上のように2つの環状線路11,12間を3つ以上の等角度間隔に配置した接続線路で結合した場合、共振周波数と帯域幅を独立に制御可能であることがわかる。
ここまで外側の環状線路11に接続したスイッチデバイスSW1の内の1つのスイッチ素子を選択してオン状態にする場合について、帯域幅を変化させても共振周波数が変化しないことを示したが、内側の環状線路12に接続したスイッチデバイスSW2についても同様である。その例として、図10に示す可変共振器の構造のみにつき伝達特性を図11に示す。θが変化して帯域幅が変化しても、共振周波数FRが一定であることがわかる。
さて、フィルタの帯域幅は共振器のサセプタンススロープパラメータに依存して変化する。可変共振器のアドミッタンスをY,コンダクタンスをG、サセプタンスをB、jを虚数単位とすると、Y=G+jBであり、サセプタンススロープパラメータbは次式のように求められる。
Figure 0005053185
ここで、ω0は可変共振器の共振角周波数である。
外側のスイッチデバイスSW1の場合と、内側のスイッチデバイスSW2の場合における可変共振器10のサセプタンススロープパラメータを比較することにより、帯域幅の変化の程度を示す。図12は図2及び図10の可変共振器のサセプタンススロープパラメータbのθ依存性を示し、bが外側のスイッチデバイスSW1(図2)、bが内側のスイッチデバイスSW2(図10)のθ(接地角度位置)を変化させた場合の特性である。このように、若干の乖離が見られるが、外側のスイッチデバイスSW1、内側のスイッチデバイスSW2のどちらの場合でもサセプタンススロープがほぼ同様に変化していることがわかる。
以上のように、本発明による可変共振器においては、外側のスイッチデバイスSW1により接地角度位置θを変化させても、内側のスイッチデバイスSW2により接地角度位置θを変化させても共振周波数に対し独立に帯域幅を変化させることが可能で、その変化の大きさがほぼ同程度であることがわかる。
複数のスイッチ素子を集積したスイッチアレーをスイッチデバイスとして用いる場合、同じ長さの2つのスイッチアレーを外側のスイッチデバイスSW1として用いた場合と、内側のスイッチデバイスSW2として用いた場合では、θの単位量当たりの帯域幅の変化量は異なる。図13のように、外側の環状線路11の長さが5GHzの1波長、内側の環状線路12の長さが8GHzの1波長である場合、長さが外側の環状線路11の8分の1であるスイッチアレーを1つずつ外側の環状線路11と内側の環状線路12に対し用いると、中心Oと各スイッチアレーSW1,SW2の両端のスイッチ素子が成す角は、外側のスイッチアレーSW1で45°、内側のスイッチアレーSW2で72°である。
このため、図13のようにアレーの一端をθ=10°の角度位置で環状線路11,12に接続した場合、内側のスイッチアレーSW2ではθが10°から82°まで、外側のスイッチアレーSW1では10°から55°まで変化できる。このときのサセプタンススロープパラメータb、bは、図12のグラフからbで18倍、bで47倍変化することがわかる。即ち、スイッチアレーを内側に配置すれば、小さいサイズのアレーでも大きく帯域幅を変化することが可能であり、逆に外側に配置すれば帯域幅を微細に変化させることが可能である。両方に適切に配置すれば、スイッチ素子数の少ないスイッチアレーで効率的に帯域幅を必要なだけ変化させることが可能である。
以上から本発明によれば、複数のスイッチ素子の中から任意のスイッチ素子を1つ選択してオン状態〔電気的に接続した状態〕とすることで、その共振周波数を一定に保ったまま帯域幅を自在に変化させることが可能な可変共振器を、集積化したスイッチアレーを使用した場合においても、個別のスイッチ素子を用いた場合と同等の帯域幅変化量を得ることが可能である。また、共振周波数が高い場合において、帯域幅の分解低下を抑制することも可能である。
半導体によるスイッチや半導体製作プロセスを応用したMEMSスイッチデバイスを用いる場合、その製作プロセスによる特徴から同じものを大量かつ安価に製作可能である。したがって同一基板上に多数のデバイスを作成した場合、それぞれデバイスを別個に作成した場合のコストに比べ、デバイス1つにかかるコストが低減される。このため、集積化したスイッチアレーを用いる方が同数の個別のスイッチ素子を用いるより安くなるため、本発明により集積化したスイッチアレーの利用に適した構造とすることで可変共振器を低コストで提供可能となる。
図14は本発明による可変共振器の別の構成を示す。図1と異なり、各スイッチ素子の、環状線路11と反対側の端子は固定インピーダンス素子を用いた回路(以下、固定インピーダンス回路と呼ぶ)Zを介して接地されている。インピーダンス回路Zにはキャパシタ、インダクタ、線路、もしくはこれらを組み合わせたものを使用できるが、特にこれらに限ったものではない。この構成により、共振周波数を変えることなくスイッチ素子と接地導体を直接接続した場合とは異なる周波数特性を得ることができる。なお、内側の環状線路12に対する図示してないスイッチデバイスSW2も同様の構成としてもよい。
例えば、各スイッチ素子に接続される固定インピーダンス回路Zを線路で構成する場合、その線路の先端を接地せず、オープンスタッブとし、線路長を共振周波数で1/4波長とすれば、オンとされたスイッチ素子と環状線路との接続点を等価的に接地することになる。即ち、この発明においてスイッチ素子により環状線路を選択した位置で接地可能にするということは、このような等価的に接地された状態にすることも含む。
図15は本発明による可変共振器の別の構成を示す。図1とは異なり、各スイッチ素子の、環状線路11と反対側の端子は可変インピーダンス素子を用いた回路(以下、可変インピーダンス回路と呼ぶ)VZを介して接地されている。可変インピーダンス回路VZには可変キャパシタ、可変インダクタ、可変移相器、可変スタブもしくはこれらを組み合わせたものを使用できるが、特にこれらに限ったものではない。この構成により、共振周波数を変えることなく周波数特性を変更する自由度を高めることが可能である。内側の環状線路12に対する図示してないスイッチデバイスSW2も同様の構成としてもよい。
図16は本発明による可変共振器の別の構成を示す。図1とは異なり、環状線路11,12間を接続する接続線路21〜24にキャパシタC1〜C4がそれぞれ直列に挿入されている。これらのキャパシタC1〜C4は全て同じ容量値で、この値を適切に選定することで、共振周波数を外側の環状線路11の共振周波数と内側の環状線路12の共振周波数の間で設定可能である。このキャパシタC1〜C4はチップキャパシタのような回路素子を用いても良いし、各接続線路にギャップとして形成しても良い。
図17は本発明による可変共振器の別の構成を示す。図1とは異なり、2つの環状線路11,12の更に内側に第3の環状線路13を同心状に設け、環状線路11,12間の4つの接続線路21〜24を中心方向に延長して環状線路12,13間を接続する接続線路31〜34が設けられている。接続線路21〜24にはそれぞれ開閉スイッチS11〜S14が直列に挿入されており、接続線路31〜34にもそれぞれ開閉スイッチS21〜S24が直列に挿入されている。環状線路11,12,13間の接続線路に挿入された開閉スイッチS11〜S14, S21〜S24のオン・オフ状態を変化させることで、環状線路11のみが入出力線路9に接続された状態と、2つの環状線路11,12が接続された状態と、3つの環状線路11,12,13が接続された状態のいずれかを選択可能であり、それにより共振周波数を変化させることができる。これにより帯域幅だけでなく共振周波数も変化させることが可能である。
これまでに示した可変共振器の構成においては、マイクロストリップ線路を用いた同一平面状に環状線路11,12(及び13)を構成していたが、これに限ったものではなく、コプレナ導波路等の構造を用いても良い。
また環状線路11,12(及び13)に接続するスイッチデバイスについては、全ての環状線路に接続する必要はなく、例えば環状線路を2つ用いる場合では、内側の環状線路にのみスイッチデバイスを配置しても構わないし、外側の環状線路にのみスイッチデバイスを配置しても構わない。
また、使用される環状線路の特性インピーダンスは全て同一である必要はなく、それぞれ異なるインピーダンスでも構わない。
本発明による可変共振器の構成を示す例において、これまで可変共振器に信号を給電するにあたり線路を直接可変共振器の外側環状線路11に接続しているが、これに限ったものではなく、キャパシタ、インダクタなどの回路素子を介して接続してもかまわないし、ギャップを介した電界による結合により信号を供給してもかまわないし、入出力線路と磁界による結合を用いて信号を供給してもかまわない。
以上のとおり本発明によれば、複数のスイッチ素子の中から任意のスイッチ素子を1つ選択してオン状態〔電気的に接続した状態〕とすることで、その共振周波数を一定に保ったまま帯域幅を自在に変化させることが可能な可変共振器を、集積化したスイッチアレーを適用した場合においても、個別のスイッチ素子を用いた場合と同等の帯域幅変化量を得ることが可能である。集積化したスイッチアレーの適用により、同数のスイッチ素子を個別に用いた場合に比べて低コスト化が可能となる。また、共振周波数が高い場合において、帯域幅の分解低下を抑制することを可能である。
本発明による可変共振器の第1実施形態を示す図。 図1の可変共振器の特性をシミュレーションするためのモデルを示す図。 図2のモデルでシミュレーションにより得られた伝達特性を示すグラフ。 Aは接続線路数が2の場合のシミュレーションのためのモデルを示し、Bは接続線路数が3の場合のシミュレーションのためのモデルを示す図。 Aは接続線路数が2の場合の伝達特性を示すグラフ、Bは接続線路数が3の場合の伝達特性を示すグラフ。 Aは接続線路数N=5の場合の伝達特性を示すグラフ、Bはその反射特性を示すグラフ。 Aは接続線路数N=6の場合の伝達特性を示すグラフ、Bはその反射特性を示すグラフ。 Aは給電点が2つの場合のこの発明の可変共振器を示す図、Bはその特性をシミュレーションするためのモデルを示す図。 図8Bのモデルにより得られた伝達特性を示すグラフ。 内側の環状線路の接地角度位置を変えた場合の特性をシミュレーションするためのモデルを示す図。 図10のモデルにより得られた伝達特性を示すグラフ。 外側環状線路と内側環状線路によるサセプタンススロープパラメータの、接地角度位置θに対する変化を示すグラフ。 スイッチアレーの大きさと帯域幅分解能の関係を説明するための図。 この発明の可変共振器の他の実施形態を示す図。 この発明の可変共振器の他の実施形態を示す図。 この発明の可変共振器の他の実施形態を示す図。 この発明の可変共振器の他の実施形態を示す図。

Claims (10)

  1. 同心状に配置された少なくとも2つの環状線路と、
    上記2つの環状線路間を、それぞれその線路長を3以上の整数分割した位置で互いに接続する3つ以上の接続線路と、
    上記2つの環状線路の少なくとも一方をその線路に沿った異なる位置で選択的に接地可能な2個以上のスイッチ素子、
    とを備えたことを特徴とする可変共振器。
  2. 請求項1記載の可変共振器において、上記環状線路間を接続する各上記接続線路に直列にキャパシタが挿入されていることを特徴とする可変共振器。
  3. 請求項1又は2記載の可変共振器において、上記環状線路間を接続する各上記接続線路に直列に開閉スイッチが挿入されていることを特徴とする可変共振器。
  4. 請求項1乃至3の何れか記載の可変共振器において、各上記スイッチ素子の一端は上記少なくとも一方の環状線路と接続され、他端は接地されていることを特徴とする可変共振器。
  5. 請求項1乃至3の何れか記載の可変共振器において、各上記スイッチ素子の一端は上記少なくとも一方の環状線路と接続され、他端は固定インピーダンス素子を用いた回路を介して接地されていることを特徴とする可変共振器。
  6. 請求項1乃至3の何れか記載の可変共振器において、各上記スイッチ素子の一端は上記少なくとも一方の環状線路と接続され、他端は可変インピーダンス素子を用いた回路を介して接地導体に接続されていることを特徴とする可変共振器。
  7. 請求項1乃至6の何れか記載の可変共振器において、何れか1つの上記環状線路に信号を給電する給電点が1点であることを特徴とする可変共振器。
  8. 請求項1乃至6の何れか記載の可変共振器において、何れか1つの上記環状線路に信号を給電する給電点が2点であり、上記給電点どうしの間隔が、上記何れか1つの環状線路の実効線路長を一波長とする周波数において180°の電気長であることを特徴とする可変共振器。
  9. 請求項8に記載の可変共振器において、上記環状線路を接続する接続線路のうち2つの接続線路は上記何れか1つの環状線路の2つの上記給電点と同じ角度位置に配置されることを特徴とする可変共振器。
  10. 請求項1乃至9の何れか記載の可変共振器において、上記2個以上のスイッチ素子は2個以上のスイッチ素子を含む集積スイッチデバイスとして構成されていることを特徴とする可変共振器。
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