以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、画像形成装置の初回起動時に現像剤補給口から自動的にシャッタ部材が除去される限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、フルカラー/モノクロ、帯電方式、レーザービーム露光/LEDアレイ露光、転写方式、タンデム型/1ドラム型、中間転写型/記録材搬送型/直接転写型の区別無く実施できる。
本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途の画像形成装置で実施できる。
なお、特許文献1、2、3に示される画像形成装置、現像装置、プロセスカートリッジの一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置80は、中間転写ベルト11に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのプロセスカートリッジ10a、10b、10c、10dを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
プロセスカートリッジ10aでは、感光ドラム1aにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト11に転写される。プロセスカートリッジ10bでは、感光ドラム1bにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト11に転写される。プロセスカートリッジ10c、10dでは、それぞれ感光ドラム1c、1dにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト11に転写される。
中間転写ベルト11に転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて記録材Pへ二次転写される。記録材カセット15から取り出された記録材Pは、分離ローラ16で1枚ずつに分離してレジストローラ19へ給送される。レジストローラ19は、中間転写ベルト11のトナー像にタイミングを合わせて二次転写部T2へ記録材Pを送り出す。中間転写ベルト11からトナー像を転写された記録材Pは、定着装置20で加熱加圧を受けて、表面にトナー像を定着された後に、機体外部24へ排出される。
プロセスカートリッジ10a、10b、10c、10dは、画像形成装置80の装置本体に対して正面側から抜き差しして個別に着脱可能であって、それぞれ現像装置を有する現像交換ユニットの一例である。プロセスカートリッジ10a、10b、10c、10dは、現像装置4a、4b、4c、4dで用いるトナーの色が異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、プロセスカートリッジ10aについて説明し、プロセスカートリッジ10b、10c、10dについては、プロセスカートリッジ10aの構成部材に付した符号末尾のaをb、c、dに読み替えて説明されるものとする。
プロセスカートリッジ10aは、感光ドラム1a、帯電ローラ2a、現像装置4aを内蔵している。感光ドラム1aの周囲には、プロセスを行う順番に、帯電ローラ2a、露光装置3、現像装置4a、一次転写ローラ5a、現像同時クリーニングを行うためのデッキブラシ及びファーブラシが配置される。
像担持体の一例である感光ドラム1aは、直径30mmのアルミシリンダの外周面に有機光導伝体層(OPC感光体)を塗布して構成される。感光ドラム1aは、両端部を支持部材によって回転自在に支持され、一方の端部に駆動モータからの駆動力が伝達されて所定のプロセススピードで回転する。
帯電ローラ2aは、感光ドラム1aの表面に当接して従動回転する。直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を帯電ローラ2aに印加することで、感光ドラム1aの表面が一様な暗部電位VDに帯電される。
露光装置3は、画像信号に応じて二値変調されたレーザービームを回転ミラーで走査して、感光ドラム1aの露光部の電位を明部電位VLに低下させて画像の静電像を書き込む。現像装置4aは、感光ドラム1aの露光を受けた部分にトナーを付着させるように静電像を現像して感光ドラム1aにトナー像を形成する。トナー補給装置7aは、画像形成に伴って消費される現像剤を現像装置4aに補給する。
中間転写ベルト11は、対向ローラを兼ねた駆動ローラ13とテンションローラ12に掛け渡して支持され、矢印R2方向に所定のプロセススピードで回転する。一次転写ローラ5aは、中間転写ベルト11の内側面を押圧して中間転写ベルト11と感光ドラム1aとの間に一次転写部を形成する。二次転写ローラ22は、対向ローラ(13)に内側面を支持された中間転写ベルト11に当接して二次転写部T2を形成する。
一次転写ローラ5aに正極性の直流電圧を印加することで、感光ドラム1aに担持された負極性のトナー像が中間転写ベルト11に一次転写される。二次転写ローラ22に正極性の直流電圧を印加することで、中間転写ベルト11に重ねて二次転写部T2を通過する記録材Pへ、中間転写ベルト11に担持されたトナー像が二次転写される。
一次転写部の下流側に配置された帯電部材は、正極性に帯電して一次転写部を通過した転写残トナーを中間転写ベルト11の表面に分散させつつ負極性に帯電させる。負極性に帯電したトナーは現像装置4aで再利用されて現像同時クリーニングが行われる。
定着装置20は、内側から加熱される加熱ローラ21aに加圧ローラ21bを圧接して形成される加熱ニップで記録材Pを挟持搬送して加熱加圧を加えることにより、記録材Pの表面にトナー像を熱定着させる。
<現像装置>
図2は現像装置の長手方向に垂直な断面構成の説明図である。図3は現像装置の平面構成の説明図である。図2中、(a)は未加圧状態、(b)は加圧状態、(c)は初回起動後である。
図2の(c)に示すように、プロセスカートリッジ10aは、現像剤担持体の一例である現像スリーブ41にトナーとキャリアを含む現像剤を担持させて、感光ドラム1aの静電像を現像する。現像装置4aは、トナー(非磁性)とキャリア(磁性)を混合した二成分現像剤を撹拌して、トナーを負極性に、キャリアを正極性にそれぞれ摩擦帯電させる。
現像剤担持体の一例である現像スリーブ41は、中心の固定マグネット42の周囲で回転して、固定マグネット42の磁力が表面にキャリアを引き付けることにより二成分現像剤をコートされる。現像スリーブ41の表面にコートされた二成分現像剤は、層厚規制ブレード35で層厚を規制されて、感光ドラム1aとの対向部へ搬送され、磁気ブラシを形成して感光ドラム1の表面を摺擦する。
負極性の直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧が、電源(D4:図3)から現像スリーブ41に印加されることにより、現像スリーブ41よりも相対的に正極性になった感光ドラム1aの静電像にトナーが移転して静電像が現像される。
静電像の現像に伴ってトナーが感光ドラム1aへ移転する一方でキャリアは、現像室33へ戻されて現像容器40内を循環し続ける。このため、画像形成の累積に伴って二成分現像剤中のトナーが少なくなるため、現像剤補給装置の一例であるトナー補給装置7aは、画像形成時の現像装置4aに現像剤補給口206を通じて現像剤(トナー)を供給する。
図3に示すように、現像容器40は、長手方向の隔壁46によって、第1の搬送路の一例である現像室33と第2の搬送路の一例である撹拌室34とに区分されている。攪拌室34は、現像室33に並行し、隔壁46の両端部に形成された開口部46a、46bを通じて現像室33に連通している。現像スクリュー43は、現像室33の現像剤を、矢印R33方向に搬送しつつ現像スリーブ41に供給する。攪拌スクリュー44は、攪拌室34の現像剤を現像スクリュー43とは逆の矢印R34方向に搬送して現像室33との間で現像剤を循環させる。
攪拌室34から現像室33へ現像剤を受け渡している開口部46bの近傍には、攪拌室34を搬送される現像剤のトナー濃度を検出するためのトナー濃度センサ36が設けられている。
ところで、昨今では、画像形成装置80にプロセスカートリッジ10a、10b、10c、10dを装着した状態で、輸送してユーザーへ提供するカートリッジ装着同梱包が主流となっている。この場合、画像形成装置80の出荷時からエンドユーザへ届くまでの間、長期間、画像形成装置80が使用されない。プロセスカートリッジ10a、10b、10c、10dが装着された状態で輸送される場合、また、画像形成装置80が長期間使用されない場合、プロセスカートリッジ内では次のような問題が発生する。
(1)画像形成装置にプロセスカートリッジを装着した状態で輸送してユーザーへ提供する場合、本体側のトナー補給口とプロセスカートリッジ側のトナー供給口との連結部よりトナーが飛散する。そして、トナー飛散がひどい場合には、飛散したトナーが露光装置のレーザー射出窓に付着してしまい、画像を乱してしまうという問題がある。
(2)プロセスカートリッジ装着同梱包状態の画像形成装置80は、輸送時において、高温高湿環境等、苛酷な環境に置かれることがあり、プロセスカートリッジ内に充填されたトナーは、長期間放置されると、温度・湿度の影響で劣化する。トナー劣化は、画像不良の原因になり、トナー凝集塊の発生や、帯電不足による現像スリーブへの現像剤の汲み上げ不良等、トナーで現像する際に問題が発生する。この現象は、トナー劣化が進行するにつれて、より顕著に発生し易くなっている。
そのため、従来は、ユーザー先での設置時にプロセスカートリッジにトナーを充填していた。あるいは、プロセスカートリッジは本体とは別梱包として密閉した状態で出荷され、本体設置時に開梱して本体に装着していた。
しかし、現場でトナーを充填したり、プロセスカートリッジを装着したりする場合、挿抜時に現像剤供給口と現像剤補給口とがずれて、現像剤補給装置内のトナーが飛散することがあった。
また、装着同梱包する場合、現像剤の受渡し部分はトナー補給装置側、プロセスカートリッジ側のいずれも開き放しとなるため、運送時に振動で接続部が位置ずれすると、巻き上がったトナーが飛散する可能性がある。
また、プロセスカートリッジを画像形成装置に挿入する際に、シャッタが開き放しになることで、プロセスカートリッジ内に充填されたトナーが外気に触れ、温度・湿度等の影響でトナーが劣化する可能性がある。
そこで、以下の実施例では、プロセスカートリッジのトナー供給部にシャッタを設けて、プロセスカートリッジのトナー搬送撹拌スクリューに連動して開閉駆動させている。これにより、プロセスカートリッジ装着同梱包時における機内でのトナー飛散防止し、同時に長期間放置でのトナー劣化を防止し、さらに、シャッタの開閉動作に特別な駆動モータを使用せず、ローコスト化、省スペース化を達成している。
<実施例1>
図4はプロセスカートリッジの駆動系の説明図である。図5はプロセスカートリッジの着脱操作の説明図である。図6はシャッタの移動と開放位置の保持の説明図である。図7は螺旋状のスクリュー羽根部のエッジに突き当たった状態の説明図である。図8は搬送撹拌スクリューの坂道構造の説明図である。図9はシャッタの組み立て構造の説明図である。図10はシャッタの取り付け構造の説明図である。図11は駆動伝達部材の高さ位置の説明図である。図12は画像形成装置の出荷から初回起動までのフローチャートである。
図1に示すように、現像装置4aは、画像形成装置80の装置本体に着脱可能に設けられ、像担持体の一例である感光ドラム1aに形成された静電像を現像する。図3に示すように、封止部材の一例である封止シート48a、48bは、現像装置内に充填された初期現像剤を封止するものであって、現像装置4aは、封止シート48a、48bが開封されることで現像動作が可能となる。
図2の(b)、(c)に示すように、現像シャッタ205は、現像装置4aに現像剤を補給するための開口部の一例である現像剤補給口206を開閉するものであって、現像装置4aの駆動と連動して現像シャッタ205が開かれる。図3に示すように、搬送部材の一例である搬送撹拌スクリュー300は、現像装置内の現像剤を搬送し、駆動受部の一例である駆動伝達部材201は、搬送撹拌スクリュー300から駆動を受ける。駆動伝達部材201からの駆動によって現像シャッタ205が駆動される。
図6の(a)に示すように、搬送撹拌スクリュー300は、係合部の一例であるスクリュー羽根部301が駆動伝達部材201と係合し、解除部の一例である坂道構造302が搬送撹拌スクリュー300と駆動伝達部材201との係合を解除する。搬送撹拌スクリュー300は、螺旋状のスクリュー羽根部301と駆動伝達部材201が係合した状態で搬送撹拌スクリュー300が回転することで駆動伝達部材201に駆動が伝達される。図8に示すように、坂道構造302は、搬送撹拌スクリュー300の回転軸周りに設けられたテーパ部である。
図3に示すように、現像容器40は、第1の搬送路の一例である現像室33と第2の搬送路の一例である撹拌室34とを有する。撹拌室34は、長手方向の両端部に開口部46a、46bが形成された隔壁46によって、現像スリーブ41に沿って現像剤が搬送される現像室33から仕切られている。
図2の(a)に示すように、封止シート48a、48bは、開口部46a、46bをそれぞれ封止して、撹拌室34に初期現像剤の貯留空間を形成する。第1のシャッタ部材の一例である現像シャッタ205は、現像容器40の現像剤補給口206を封止可能であって、封止することによって、封止シート48a、48bとともに、現像容器内に初期現像剤の密封空間を形成可能である。
現像剤補給装置の一例であるトナー補給装置7aは、画像形成装置80の装置本体に固定されている。トナー補給装置7aは、プロセスカートリッジ10aが着脱可能に接続され、現像剤供給口102から現像剤補給口206を通じて画像形成時の現像容器40へ現像剤を補給する。第2のシャッタ部材の一例であるシャッタ100は、現像剤供給口102を封止して、プロセスカートリッジ10aが取り外された際の現像剤のこぼれ落ちを防止する。
プロセスカートリッジ10aは、正面側からトレイ17aに載せて長手方向に滑らせて現像剤供給口102と現像剤補給口206とが重なる位置に挿入される。その後、図2の(b)に示すように、プロセスカートリッジ10aは、トレイ17aを上方へ移動させる加圧機構18aによって上方へ加圧される。これにより、プロセスカートリッジ10aは、トナー補給装置7aに向かって上方へ押圧された状態でトナー補給装置7aに装着される。
プロセスカートリッジ10aは、画像形成装置80の装置本体に挿入後、上方へ加圧してセットする。このとき、画像形成装置80の装置本体に設けてある突き当て部にプロセスカートリッジ10aの感光ドラム1aを保持しているドラムフランジ部が突き当たる。この加圧セット動作をすることで、感光ドラム1aの位置も決まる。
図2の(a)に示すように、シャッタ移動機構の一例は、搬送撹拌スクリュー300、駆動伝達部材201、およびシャッタ保持部材200により構成される。駆動伝達部材201は、現像容器40における初期現像剤の初回の搬送に連動して現像シャッタ205を現像剤補給口206から退去させて、図2の(c)に示すように、トナー補給装置7aと現像容器40とを連通状態に移行させる。
図2の(b)に示すように、プロセスカートリッジ10aをトナー補給装置7aに装着すると、駆動伝達部材201の下端部分が搬送撹拌スクリュー300の螺旋状のスクリュー羽根部に係合する。プロセスカートリッジ10aがトナー補給装置7aに向かって押圧されると、駆動伝達部材201がトナー補給装置7aの下面に当接して螺旋状のスクリュー羽根部に係合する位置へ押し下げられる。
搬送部材の一例である搬送撹拌スクリュー300は、螺旋状のスクリュー羽根部を回転させて現像シャッタ205の移動方向に沿って現像剤を搬送する。プロセスカートリッジ10aの現像シャッタ205に付設されている駆動伝達部材201は、搬送撹拌スクリュー300と係合している。駆動伝達部材201は、回転する螺旋状のスクリュー羽根部に係合して現像シャッタ205を移動させる。
図4に示すように、現像モータM2は、現像スリーブ41を回転動作させる駆動源となる。現像モータM2の駆動は、カプリング31によって現像スリーブ41に伝えられ、プロセスカートリッジ10aのギア列30を介して巻き取り装置18a及び搬送撹拌スクリュー300に駆動力を伝達する。図3に示すように、ギア列30は、アイドルギア31g、32gを経由して、現像スリーブギア41gの回転を、現像スクリューギア43g、撹拌スクリューギア44g、搬送撹拌スクリュー300にそれぞれ伝達する。
画像形成装置80に最初に電源を投入すると、前多回転が開始されて、現像モータM2より駆動力が入る。制御部50は、ドライバ52を制御して、画像形成装置80の最初の電源投入時に現像モータM2と感光ドラムモータM1とを回転させる。現像モータM2から現像スリーブ41に駆動力が入ることで、現像スリーブ41に駆動力が伝わり、プロセスカートリッジ10a内のギア列30を伝達して、搬送撹拌スクリュー300が回転する。搬送撹拌スクリュー300が駆動伝達部材201を移動させて、シャッタ100と現像シャッタ205を開く。
図5の(a)に示すように、第1のバネ部材の一例であるシャッタバネ204は、現像剤補給口206を封止する方向に現像シャッタ205を付勢する。バネ部材の一例であるシャッタバネ204は、現像剤補給口206を封止する方向に現像シャッタ205を付勢する。現像シャッタ205は、シャッタバネ204による付勢力が掛かっているため、プロセスカートリッジ10aの現像剤補給口206が閉じた状態になっている。
第2のバネ部材の一例であるシャッタバネ103は、現像剤供給口102を封止する方向にシャッタ100を付勢する。シャッタバネ103は、プロセスカートリッジ10aが装置本体内に無い状態では、常にシャッタ100を閉じた状態に維持する。シャッタ100は、シャッタバネ103による付勢力が掛かっているため、現像剤供給口102が閉じた状態になっている。
図5の(b)に示すように、プロセスカートリッジ10aをトナー補給装置7aに装着すると、現像シャッタ205がシャッタ100に係合する。このため、搬送撹拌スクリュー300の回転に伴って、駆動伝達部材201は、現像シャッタ205とシャッタ100とを一体に移動させることが可能になる。
実施例1の移動機構は、シャッタバネ(付勢手段)204、駆動伝達部材(駆動受け部)201、シャッタ保持部材加圧バネ(解除機構)203、坂道構造(解除機構)302、シャッタ保持部材(係合部)200と、を備える。駆動伝達部材201は、上下方向へ移動可能に配置されて、シャッタ保持部材加圧バネ203によって、押圧に逆らう方向にばね付勢されている。
図6の(a)に示すように、搬送撹拌スクリュー300の回転に伴って、駆動伝達部材201及びシャッタ保持部材200がトナー補給装置7aに対して相対移動する。図6の(b)に示すように、トナー補給装置7aによるシャッタ保持部材200の押圧が解除される位置まで現像シャッタ205が移動すると、シャッタ保持部材(係合部)200と一体に駆動伝達部材201が上方へ移動して、螺旋状のスクリュー羽根部に対する係合が解除される。駆動伝達部材201は、現像シャッタ205の移動行程の終端で螺旋状のスクリューとの係合が解除されると、シャッタ保持部材加圧バネ203のばね付勢によって上方へ突き出して、トナー補給装置7aに係合する。駆動伝達部材201のシャッタ保持部材200は、トナー補給装置7aによる押圧が解除される位置に到達すると、上方へ移動してトナー補給装置7aの外壁に係合する。
これにより、シャッタバネ204とシャッタバネ103の付勢に逆らって、現像シャッタ205およびシャッタ100の位置が開き状態に保持される。シャッタバネ204の付勢に逆らって現像シャッタ205が開放位置に保持される。
図6の(b)に示すように、テーパ部の一例である坂道構造302は、トナー補給装置7aによる押圧が解除される位置に対応させて、搬送撹拌スクリュー300に設けられている。坂道構造302は、搬送部材の回転軸の周方向に沿ってテーパ形状となっており、トナー補給装置7aによる押圧が解除される位置で、駆動伝達部材201を持ち上げて、螺旋状のスクリュー羽根部の駆動伝達部材201に対する拘束を解除させる。シャッタ保持部材加圧バネ203は、坂道構造302により退避した駆動伝達部材201が搬送撹拌スクリュー300と再度係合しないように、シャッタ保持部材200の位置を維持する。
坂道構造302を乗り越えて駆動伝達部材201の下端を移動方向に付勢していた拘束が解除されると、現像シャッタ205の案内構造における駆動伝達部材201の摩擦が低下するため、駆動伝達部材201は案内構造に沿って上方へ移動する。これにより、駆動伝達部材201に移動を限界付けられていたシャッタ保持部材200がさらに上方へ突き出して、トナー補給装置7aに対する係合を確実にする。
図7に示すように、駆動伝達部材の下側部分の一例である駆動伝達部材201は、螺旋状のスクリュー羽根部に係合する。駆動伝達部材の上側部分の一例であるシャッタ保持部材200は、駆動伝達部材201と加圧バネ202で連結されてトナー補給装置7aに当接する。駆動伝達部材201とシャッタ保持部材200とは現像シャッタ205に設けたそれぞれの案内構造に保持されて上下方向へ移動可能である。
駆動伝達部材201およびシャッタ保持部材200は、駆動伝達部材201と螺旋状のスクリュー羽根部のエッジとが当接した状態で、プロセスカートリッジ10aがトナー補給装置7aに向かって押圧された際には、全体が押圧方向に圧縮変形する。加圧バネ202は、駆動伝達部材201とシャッタ保持部材200の間に配置されて、全体を押圧方向に圧縮変形させる。
プロセスカートリッジ10aを上方へ加圧セットした際、搬送撹拌スクリュー300の回転位置によっては、駆動伝達部材201がスクリュー羽根部301のエッジに乗り上げた状態になる。このとき、駆動伝達部材201とシャッタ保持部材200とが一体に固定された部品であると、トナー補給装置7aの天井壁101を押し上げてしまう。その結果、画像形成装置80の保管期間に、トナー補給装置7aの天井壁101が上方へ永久変形するおそれがある。
図6の(b)に示すように、もし、仮に、トナー補給装置7aの天井壁101が上方へ永久変形すると、天井壁101と現像シャッタ205との間に隙間ができてしまう。シャッタ保持部材200が天井壁101の側面に突き当たって、現像シャッタ205が開いた状態で保持されようとするとき、シャッタ保持部材200が隙間を通じて天井壁101の下に潜り込むと、シャッタ開き不良が発生する可能性がある。
そこで、駆動伝達部材201とシャッタ保持部材200とが独立した部材で構成され、両者が加圧バネ202により連結されている。このため、プロセスカートリッジ10aを上方へ加圧セットした際、駆動伝達部材201がスクリュー羽根部301のエッジに乗り上げると、駆動伝達部材201が独立してスクリュー羽根部301の高さまで上方へ退避する。したがって、駆動伝達部材201がトナー補給装置7aの天井壁101を押し上げることはない。駆動伝達部材201は、螺旋状のスクリュー羽根部のエッジと当接した状態から搬送撹拌スクリュー300の回転に伴って、螺旋状のスクリュー羽根部に係合する。
図8に示すように、搬送撹拌スクリュー300には、プロセスカートリッジ10aの駆動伝達部材201と搬送撹拌スクリュー300とを係合状態から退避させる退避形状となる坂道構造302を備えている。搬送撹拌スクリュー300の「退避ポイント」には、駆動伝達部材201のを上方へ退避させる坂道構造302(凸形状)302を具備している。
図9に示すように、現像シャッタ205に対してそれぞれ垂直方向の移動が自在に取り付けられたシャッタ保持部材200と駆動伝達部材201は、相対的な位置関係を最長位置と最短位置とに限界付けるように連結されている。シャッタ保持部材200と駆動伝達部材201は、シャッタ保持部材200の内側に配置された加圧バネ202に付勢されて、シャッタ保持部材200と駆動伝達部材201の相対的な位置関係を最長位置に位置決めている。
図10の(a)に示すように、現像シャッタ205は、シャッタガイド40fに案内されてプロセスカートリッジ10aの長手方向に移動可能である。シャッタガイド40fの上面には、図2の(b)に示すように、トナー補給装置7aを取り付けた際に隙間を封止するスポンジシール40eが取り付けられている。図10の(b)に示すように、現像シャッタ205は、閉じ位置へ向かってばね付勢されているため、プロセスカートリッジ10aを取り外した単独状態では、シャッタガイド40fの内側で現像シャッタ205が現像容器40の現像剤空間を密封している。
現像シャッタ205とシャッタカバー205aとの間に挟み込んで配置されるシャッタ保持部材200と駆動伝達部材201は、各々独立した部材である。シャッタ保持部材200は、シャッタ保持部材加圧バネ203によって上方へ付勢されているので、シャッタ保持部材200に対する押圧が解除されると、連結された駆動伝達部材201も上方へ移動する。駆動伝達部材201は、シャッタ保持部材200の内側に配置された加圧バネ202を押し縮めて、シャッタ保持部材200との相対位置を最短位置へ向かって変化させる。これにより、シャッタ保持部材200の上面と駆動伝達部材201の下端までの長さは圧縮変形が可能になっている。
現像シャッタ205の上面には、トナー補給装置7aのシャッタ100を係合して現像シャッタ205と一体に移動させるための係合凹所205bが形成されている。
図5の(a)に示すように、画像形成装置80にプロセスカートリッジ10aが挿入されたとき、トナー補給装置7aのシャッタ100とプロセスカートリッジ10aの現像シャッタ205はいずれも閉じている。この状態を、状態A1と呼ぶ。状態A1では、シャッタ100が現像剤供給口102を閉じて、現像シャッタ205が現像剤補給口206を閉じている。
状態A1から、図5の(b)に示すように、手動操作により、プロセスカートリッジ10aを上方へ加圧セットして、画像形成装置80の装置本体にプロセスカートリッジ10aを位置決める。このとき、プロセスカートリッジ10aの現像シャッタ205に具備されるシャッタ保持部材200と駆動伝達部材201は、トナー補給装置7aの天井壁101によって下側に押し下げられる。駆動伝達部材201は、トナー補給装置7aの天井壁101によって押し下げられると、加圧バネ(202:図7)の付勢力で、搬送撹拌スクリュー300と係合される。
また、トナー補給装置7aのシャッタ100とプロセスカートリッジ10aの現像シャッタ205もプロセスカートリッジ10aを上方へ加圧することで係合される。この状態を、状態B1と呼ぶ。
状態B1は、初回起動時に現像モータM2が動作する前の出荷状態であって、シャッタ100がトナー補給装置7aの現像剤供給口102を閉じ、現像シャッタ205がプロセスカートリッジ10aの現像剤補給口206を閉じた状態である。
画像形成装置80は、状態B1で出荷されるため、画像形成装置80の輸送中のトナー飛散を防止することが可能である。また、画像形成装置80が高温高湿環境で長時間放置されても、外気の影響がプロセスカートリッジ10a内に充填した初期現像剤に及びにくい。プロセスカートリッジ10a内の初期現像剤が密封状態になっていることで、トナー劣化についても防止することができる。
図6の(b)に示すように、最初に電源が投入されて前多回転が開始されると、搬送撹拌スクリュー300が回転して、トナー補給装置7aのシャッタ100とプロセスカートリッジ10aの現像シャッタ205とがいずれも開いた状態へ移行する。この状態を状態C1と呼ぶ。
駆動伝達部材201は、搬送撹拌スクリュー300と係合しているため、搬送撹拌スクリュー300の回転に連動して「状態B」のポジションから矢印D方向へ坂道構造302の「退避ポイント」まで移動する。この過程でプロセスカートリッジ10a側の現像シャッタ205とトナー補給装置7a側のシャッタ100が連動して開く。
図11の(a)に示すように、シャッタ保持部材200は、駆動伝達部材201が坂道構造302に達する前に、天井壁101を通過して押圧を解除されるため、シャッタ保持部材加圧バネ203の付勢力で上方へ突き出す。ただし、螺旋状のスクリュー羽根部が駆動伝達部材201の下端を押圧する力によって、駆動伝達部材201が現像シャッタ205の案内構造に拘束されているため、突き出し量は、駆動伝達部材201に対する最長位置に限界付けられている。すなわち、シャッタ保持部材200は、駆動伝達部材201との連結突き当て部207によって限界付けられた位置まで上方へ突出する。このときのトナー補給装置7aの天井壁101よりも上方へ突出した位置を「突出位置α1」とすると、以下の関係が成立する。
トナー補給装置7aの天井壁 < 突出位置α1
シャッタ保持部材200が「突出位置α1」になることで現像シャッタ205が開いた状態で保持されるようになる。
図11の(b)に示すように、その後、搬送撹拌スクリュー300の回転に伴って駆動伝達部材201が坂道構造302を登って、螺旋状のスクリュー羽根部301との係合が解除される。係合が解除されることで上下方向の移動が自在になるため、連結突き当て部207に限界付けられた最長の位置関係を保ったまま、駆動伝達部材201とシャッタ保持部材200とが一体に上方へ移動する。駆動伝達部材201は、現像シャッタ205のシャッタカバー205aと駆動伝達部材201が突き当たる位置まで上昇し、シャッタ保持部材200も更に上方へ突出する。このときのトナー補給装置7aの天井壁101よりも上方へ突出した位置を「突出位置β1」とすると、以下の関係が成立する。
トナー補給装置7aの天井壁 < 突出位置α1 < 突出位置β1
坂道構造302によって駆動伝達部材201と螺旋状のスクリュー羽根部301の係合が解除された瞬間、プロセスカートリッジ10aの現像シャッタ205は、シャッタバネ204の付勢力によって矢印F方向へ押し戻される。そして、「突出位置β1」に突き出したシャッタ保持部材200がトナー補給装置7aの天井壁101の側面に突き当たる。これにより、状態C1の位置でシャッタ100、205が開いた状態で保持され、トナー補給装置7aの現像剤供給口102とプロセスカートリッジ10aの現像剤補給口206は、ともに開口して現像剤を受け渡し可能な状態となる。
実施例1では、シャッタ保持部材200が「突出位置β1」になることで、より確実にトナー補給装置7aの天井壁101側面に突き当てることが可能となり、シャッタの開き不良を防ぐことが可能となる。
図2の(a)に示すように、プロセスカートリッジ10aをトナー補給装置7aから取り外す際は、加圧機構18aによる加圧状態を解除してプロセスカートリッジ10aをトナー補給装置7aから離間させる。このとき、シャッタ保持部材200がトナー補給装置7aの天井壁101より低くなり、天井壁101によるシャッタ保持部材200の係合が解除されて、シャッタバネ204の付勢力で現像シャッタ205が現像剤補給口206を閉じる。同時に、シャッタバネ103の付勢力でシャッタ100が現像剤供給口102を閉じて、図5の(a)に示す「状態A1」に戻る。
図12に示すように、画像形成装置80の最終組み立て工程で、装置本体にプロセスカートリッジ10aが装着されて状態A1とする(S1)。その後、プロセスカートリッジ10aを加圧セットして状態B1とする(S2)。この状態で保管、出荷がされる。
画像形成装置80の設置後、本体電源をONすると前多回転動作が開始する(S3)。搬送撹拌スクリュー300が回転して駆動伝達部材201が螺旋状のスクリュー羽根部に案内されて動き出すことで、シャッタ100、205が動作開始する(S4)。シャッタ保持部材200がトナー補給装置7aの天井壁101を越えた時点で、トナー補給装置7aの天井壁101よりも上方の突出位置α1まで突出する(S5)。
その後、坂道構造302によって駆動伝達部材201の拘束が解除されると、シャッタ保持部材200が突出位置β1までさらに突出する(S6)。すると、現像シャッタ205がシャッタバネ204によって押し戻され、シャッタ保持部材200がトナー補給装置7aの天井壁101の側面に突き当って状態C1に移行して(S7)、スタンバイ状態となる(S8)。
プロセスカートリッジ10aを交換する際、本体より加圧状態を解除してプロセスカートリッジ10a取り外す(S9)。その後再びステップS1に戻る。
実施例1では、プロセスカートリッジ10a、10b、10c、10dを装着同梱包出荷する場合には、図5の(b)に示す状態B1に設定する。これにより、画像形成装置80では、トナー補給装置7a、7b、7c、7dの現像剤供給口102も、プロセスカートリッジ10a、10b、10c、10dの現像剤補給口206も閉じている。このため、輸送時の振動等で現像剤が機内飛散することを防止できる。また、電源投入時まで現像剤補給口206は閉じた状態であるため、プロセスカートリッジ10a、10b、10c、10dに充填された初期現像剤は機密された状態を保持することが可能である。このため、環境変化による温度・湿度影響でのトナー劣化を防止できる。更に、シャッタ100、205を開き動作させる駆動源に搬送撹拌スクリュー300を使用するため、専用の駆動源を設ける必要が無く、省スペース、低コスト化にも繋がる。
実施例1では、製品出荷時、画像形成装置内に装着同梱包されたプロセスカートリッジ又は現像装置は、撹拌部材が動作するまで開閉が行われない。即ち、本体電源が入るまでは、現像剤補給装置の現像剤供給口とプロセスカートリッジ又は現像装置の現像剤補給口はともに閉じた状態である。このため、輸送によるトナーの機内飛散を防止することができる。又、電源投入時までシャッタは閉じた状態であるため、プロセスカートリッジ又は現像装置に充填されたトナーは機密された状態を保持され、環境変化による温度・湿度影響でのトナー劣化が防止される。更に、シャッタの開き動作の駆動源にトナー搬送撹拌部材を使用するため、シャッタを動作させる駆動源が必要なく、省スペース、低コスト化に繋がる。
<実施例2>
図13は実施例2におけるプロセスカートリッジの着脱操作の説明図である。図14は実施例2におけるシャッタの移動と開放位置の保持の説明図である。
図13の(a)に示すように、実施例2では、プロセスカートリッジ10aは、画像形成装置に挿入される過程でシャッタ100が現像容器40に押圧されて開き位置へ向かって移動する。
図13の(b)は、プロセスカートリッジ10aを挿入し、プロセスカートリッジ10aを加圧セットする前のシャッタ100と現像シャッタ205の位置関係を示す。プロセスカートリッジ10aを加圧位置の直下まで送り込むと、シャッタ100が開き位置に位置決められて、現像剤供給口102が現像剤補給口206の直上で開口する。プロセスカートリッジ10aを挿入する際、プロセスカートリッジ10aの側面に押されてシャッタ100が開かれる。しかし、プロセスカートリッジ10aの現像シャッタ205は閉じた状態になっている。この状態を状態A2と呼ぶ。
図13の(c)は、プロセスカートリッジ10aを図示上方へ加圧セットした状態であり、現像モータ(M2)が動作する前の現像シャッタ205が閉じている位置関係を示す。その後、プロセスカートリッジ10aは、上方へ加圧セットされ、画像形成装置80の本体枠体に設けてある突き当て部にプロセスカートリッジの感光ドラムを保持しているドラムフランジ部分を突き当てられる。プロセスカートリッジ10aを加圧セットすることで、画像形成装置80内での感光ドラム1a、1b、1c、1dの位置を決めている。
実施例1と同様に、プロセスカートリッジ10aを加圧セットすると、シャッタ保持部材200がトナー補給装置7aの天井壁101によって押し下げられて、駆動伝達部材201が搬送撹拌スクリュー300に係合する。この状態を状態B2と呼ぶ。
図9に示すように、シャッタ保持部材200が押し下げられると、加圧バネ202の付勢力によって駆動伝達部材201が搬送撹拌スクリュー300に向かって押圧されて、駆動伝達部材201が螺旋状のスクリュー羽根部に係合する。
図13の(c)に示すように、現像シャッタ205は、シャッタバネ204により付勢力が掛かっており、現像剤補給口206は現像シャッタ205によって閉じられた状態になっている。そして、プロセスカートリッジ10a、10b、10c、10dが装着されて、それぞれの現像剤補給口206が現像シャッタ205によって閉じられた「状態B2」で画像形成装置80は出荷される。現像シャッタ205が閉じていることで、輸送中のトナー飛散が防止され、同時に、プロセスカートリッジ10a内に充填した現像剤が密閉状態になっていることで、トナー劣化が防止される。
図4に示すように、画像形成装置の設置がされた後に、最初に電源が投入されて前多回転が開始され、現像モータM2に駆動力が入る。現像モータM2に駆動力が入ると、現像スリーブ41に駆動力が伝わってギア列30を伝達して搬送撹拌スクリュー300が回動する。
図14の(a)に示すように、搬送撹拌スクリュー300が回転すると、螺旋状のスクリュー羽根部が駆動伝達部材201を移動させて、駆動伝達部材201を取り付けた現像シャッタ205が開き位置へ向かって移動する。そして、駆動伝達部材201が坂道構造302に達すると、実施例1と同様に、螺旋状のスクリュー羽根部による駆動伝達部材201の拘束が解除されて、駆動伝達部材201及びシャッタ保持部材200が上方へ移動する。
そして、図14の(b)に示すように、天井壁101にシャッタ保持部材200が係止して、シャッタバネ204の付勢力に逆らって現像シャッタ205が開いた状態に保持される。現像剤供給口102と現像剤補給口206とが連通して、トナー補給装置7aから現像容器40へトナーを補給して画像形成が可能な状態となる。この状態を状態C2と呼ぶ。
図9を参照して説明したように、現像シャッタ205に対してそれぞれ垂直方向の移動が自在に取り付けられたシャッタ保持部材200と駆動伝達部材201は、相対的な位置関係を最長位置と最短位置とに限界付けるように連結されている。シャッタ保持部材200と駆動伝達部材201は、シャッタ保持部材200の内側に配置された加圧バネ202に付勢されて、シャッタ保持部材200と駆動伝達部材201の相対的な位置関係を最長位置に位置決めている。
このため、図11を参照して説明したように、搬送撹拌スクリュー300の回転に伴う現像シャッタ205の移動過程で、シャッタ保持部材200は、「突出位置α1」から「突出位置β1」へ二段階に突き出す。
実施例2では、シャッタ保持部材200が「突出位置β1」になることで、より確実にトナー補給装置7aの天井壁101側面に突き当てることが可能となり、シャッタの開き不良を防ぐことが可能となる。
プロセスカートリッジ10aを画像形成装置80から取り外す際は、プロセスカートリッジ10aの上方への加圧を解除する。これにより、シャッタ保持部材200がトナー補給装置7aの天井壁101より低くなって、図12の(b)に示すように、シャッタバネ204の付勢力で「状態A2」に戻って、現像剤補給口206が現像シャッタ205によって閉じられた状態となる。その後、図12の(a)に示すように、プロセスカートリッジ10aを正面側へ引き出すことで、トナー補給装置7aの現像剤供給口102がシャッタ100によって閉じられる。
実施例2によれば、プロセスカートリッジ10aを画像形成装置80に挿入する際にトナー補給装置7aのシャッタ100が開くため、駆動伝達部材201が縮めるシャッタバネが1本(204)で済む。このため、最初に電源が投入されて前多回転が開始された際のプロセスカートリッジ10aの駆動負荷を抑えることが可能である。
その他の効果については実施例1と同様である。すなわち、プロセスカートリッジ10aを図示上方へ加圧セットした際、駆動伝達部材201が搬送撹拌スクリュー300の螺旋状のスクリュー羽根部301上面に乗り上げた状態でも、トナー補給装置7aの天井壁101の変形が発生しない。
<実施例3>
図15は実施例3におけるシャッタの開放位置の保持の説明図である。図16は実施例3における搬送撹拌スクリューの切り欠き部の説明図である。図17は実施例3における駆動伝達部材の高さ位置の説明図である。
実施例3は図8に示す坂道構造302を図16に示す切り欠き部303に置き換えて、駆動伝達部材201の「退避ポイント」を構成している以外は実施例1と同様に構成されている。このため、図15〜図17中、実施例1と共通する構成には図5〜図11と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図15に示すように、シャッタ保持部材200がトナー補給装置7aの天井壁101側面に突き当たることで、トナー補給装置7aのシャッタ100とプロセスカートリッジ10aの現像シャッタ205が開いた状態に保持される。この状態を実施例1と同様に「状態C1」と呼ぶ。
そして、プロセスカートリッジ10aを取り外す際は、プロセスカートリッジ10aの本体への加圧状態を解除することで、シャッタ保持部材200が現像剤補給装置7aの天井壁101より低くなる。これにより、シャッタバネ204の負性力で、図5の(a)に示す「状態A1」に戻り、トナー補給装置7aの現像剤供給口102とプロセスカートリッジ10aの現像剤補給口206は閉じた状態となる。
図15を参照して図16に示すように、解除部の一例である切欠き部303がスクリュー羽根部に設けられている。搬送撹拌スクリュー300には、駆動伝達部材201を上方へ退避させるための退避形状として、部分的に螺旋状のスクリュー羽根部301を切り欠いている切り欠き部303を具備している。
図9に示すように、シャッタ保持部材200と駆動伝達部材201は、相対的な位置関係を最長位置と最短位置とに限界付けるように連結されている。シャッタ保持部材200と駆動伝達部材201は、シャッタ保持部材200の内側に配置された加圧バネ202に付勢されて、シャッタ保持部材200と駆動伝達部材201の相対的な位置関係を最長位置に位置決めている。
このため、図17に示すように、搬送撹拌スクリュー300の回転に伴う現像シャッタ205の移動過程で、シャッタ保持部材200は、「突出位置α1」から「突出位置β1」へ二段階に突き出す。
図3に示すように、画像形成装置に最初に電源投入したときの前多回転時に現像モータM2より駆動力が入る。現像モータM2からの駆動力が入ることで、現像スリーブ41に駆動力が伝わり、プロセスカートリッジ10a内のギア列30を伝達して搬送撹拌スクリュー300が回動する。
図17の(a)に示すように、シャッタ保持部材200は、駆動伝達部材201が切り欠き部303に達する前に、天井壁101を通過して押圧を解除されるため、シャッタ保持部材加圧バネ203の付勢力で上方へ突き出す。シャッタ保持部材200は、駆動伝達部材201との連結突き当て部207によって限界付けられた「突出位置α1」まで上方へ突出する。
図17の(b)に示すように、その後、搬送撹拌スクリュー300の回転に伴って駆動伝達部材201が切り欠き部303に入ると、螺旋状のスクリュー羽根部301との係合が解除される。係合が解除されると、連結突き当て部207に限界付けられた位置関係を保ったまま、駆動伝達部材201とシャッタ保持部材200とが一体に上方へ移動する。駆動伝達部材201は、現像シャッタ205のシャッタカバー205aと駆動伝達部材201が突き当たるまで上昇し、シャッタ保持部材200は「突出位置β1」まで更に上方へ突出する。
切り欠き部303によって駆動伝達部材201と螺旋状のスクリュー羽根部301の係合が解除された瞬間、プロセスカートリッジ10aの現像シャッタ205は、シャッタバネ204の付勢力によって矢印F方向へ押し戻される。そして、「突出位置β1」に突き出したシャッタ保持部材200がトナー補給装置7aの天井壁101の側面に突き当たる。これにより、状態C1の位置でシャッタ100、205が開いた状態で保持され、トナー補給装置7aの現像剤供給口102とプロセスカートリッジ10aの現像剤補給口206は、ともに開口して現像剤を受け渡し可能な状態となる。
実施例3では、シャッタ保持部材200が「突出位置β1」になることで、より確実にトナー補給装置7aの天井壁101側面に突き当てることが可能となり、シャッタの開き不良を防ぐことが可能となる。搬送撹拌スクリュー300の退避形状として、螺旋状のスクリュー羽根部301を部分的に切り欠くことで、駆動伝達部材201を退避させることが可能であり、実施例1、2と同様の効果を得ることができる。