本明細書で使用される「(1−6C)アルキル」、「(1−3C)アルキル」および「(2−6C)アルキル」という用語は、それぞれ1から6個、1から3個、または2から6個の炭素原子の、飽和した、直鎖状または分枝鎖状の、一価の炭化水素基を指す。例として、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−メチル−1−プロピル、2−ブチル、2−メチル−2−プロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−1−ブチル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、2,3−ジメチル−2−ブチルおよび3,3−ジメチル−2−ブチルが挙げられるが、これらに限らない。
式Ibの化合物は、薬物動態特性が改善されていることが判明した。例えば、式Ibの特定の化合物では、経口での生物学的利用度が増加し、露出量が増加(すなわち、時間の経過と共に血中濃度が上昇)および/またはクリアランスが低下したことが判明した。加えて、式Ibの特定の化合物は、水溶解度が上昇したことが判明した。
式IcおよびIdの化合物は、特に予想外の、望ましい特性を有することが判明した。例えば、これらの化合物は、低pHでの場合を含め、用量に比例したPKを得るのに十分な溶解度を有する。式IcおよびIdの化合物はまた、実施例Aに記載のアッセイで試験した場合、血漿タンパクの存在下で(すなわち4%HSAの存在下で)優れた活性を有する。
加えて、式IcおよびIdの化合物は、予想外に高い経口AUC(低経口投与後の薬物血漿中濃度−時間曲線下面積)を達成し、これにより、グルコキナーゼ酵素に結合可能な化合物の量が増えることになる。直線状の、用量に比例したPKと共に、これは、治療用の化合物濃度が予測可能な形で達成されることを可能とする。
式IcおよびIdの化合物の用量比例性および高い露出量により、異なる用量が投与される場合、または薬物が異なる投与経路を介して、単回投与以上回投与で与えられる場合でも変わらないような薬物動態パラメータが得られる。その結果、用量がわずかに増加した場合でも、患者が過量に投与を受ける可能性はより低くなる。加えて、治療効果を達成するために必要とされる用量は減ることになる。
反対に、非直線性を示す薬物は、考えられるいくつかの理由により、経口での生物学的利用度が減少する可能性がある。これらの理由としては、薬物濃度が消化管における薬物溶解度の限界に接近すること、または吸収のための移送システムが過剰供給になっていること、または高濃度で飽和し得る代謝により経口の生物学的利用度が増加したことなどが挙げられる。
式IcおよびIdの化合物の具体例を表1に提供する。これには、実施例Bに記載のアッセイで試験した場合の、経口AUC(10mg/kg)に対する相対値も含まれる。表1の化合物は、実施例Aに記載のアッセイに従い、4%HSAにおいて試験した場合、EC50値が1μM未満であることが判明した。
式IcおよびIdの化合物の具体例を表1に提供する。これは、実施例Bに記載のアッセイで試験した場合の、経口AUC(10mg/kg)に対する相対値も示している。表1の化合物は、実施例Aに記載のアッセイに従い、4%HSAにおいて試験した場合、EC50値が1μM未満であることが判明した。
本発明による特定の化合物は、1つ以上の不斉中心を含有してもよく、したがって、ラセミ混合物などの異性体混合物、または鏡像異性的に純粋な形態で調製および単離してもよいということを認識されたい。
式Iの化合物は、医薬として許容されるその塩を含む。加えて式Iの化合物は、必ずしも医薬として許容される塩ではないが、中間体として、式I化合物を調製および/もしくは精製するために有用であり得る、ならびに/または式Iの化合物のエナンチオマーを分離するために有用であり得る、このような化合物の他の塩も含む。
本発明の化合物は、合成経路により合成することができ、この合成経路には、特に本明細書中に含まれる記載を踏まえ、化学的分野において周知な方法に類似した方法が含まれる。出発物質は、Aldrich Chemicals(Milwaukee、WI)などの販売元から一般的に入手可能であり、または当業者に周知の方法を用いて容易に調製される(例えば、Louis F. FieserおよびMary Fieser、Reagents for Organic Synthesis、v.1−19、Wiley、N.Y.(1967−1999年版)、またはBeilsteins Handbuch der organischen Chemie、4、Aufl.ed.Springer−Verlag、Berlin(補遺を含む。)に全般的に記載された方法で調製される。)。
例示の目的のため、スキームA−Sにおいて、本発明の化合物および主要な中間体を調製するための一般的方法を示す。個々の反応ステップのより詳細な記載に関しては、以下の実施例のセクションを参照されたい。
スキームAは、式Iの化合物(3A)を調製する方法を示す。化合物(3A)を調製するために、2−アミノ複素環(1)をベンゾイルイソチオシアネートと反応させることによって、ベンゾイルチオ尿素中間体を生成させる。この中間体を、これだけには限定されないが、炭酸カリウムなどの塩基を用いて、これだけには限定されないが、エタノールなどの適切な溶媒中で、チオ尿素(2)へと加水分解する。別法として、アミノ複素環(1)を、酸の存在下、無機物またはイソチオシアン酸アンモニウムで、例えば、Mecklerの手順により処理することによって、1段階でチオ尿素(2)を生成することもできる。α−ハロケトンR13COCH2X(式中、X=OTs、Cl、Br、IまたはNR3(式中、R=C1−C6アルキル))を、トリエチルアミン、Hunigの塩基、DBU、アルカリカーボネート、水酸化ナトリウムなどの適切な塩基中で、エタノールなどの適切な溶媒中で、チオ尿素(2)を処理することによって、チアゾール(3A)を生成する。所望のα−ハロケトンR13COCH2Xが市販されていない場合には、当業者に知られた様々な方法で調製することができる。例として、商業的にまたは容易に合成されたメチルケトンの臭素化(Tetrahedron、(1970年)5611−5615頁、Organic Synthesis、(1946年)13−15頁、Tetrahedron、(1990年)2943−2964頁)、塩化カルボニルのジアゾメタン処理、1−クロロ−2−アルカノールの酸化、シリルエノールエーテルの臭素化またはβ−ケトエステルのハロゲン化、それに続く脱炭酸などが挙げられるが、これらに限らない。チアゾール(3A)の生成後、保護基が存在する場合は、これを取り除くことができる。
スキームBは、式Iの化合物を調製する代替法を示す。スキームBに従い、ヒドロキシル化ヘテロアリールハロゲン化物(5)は(市販されていない場合には)、ヘテロアリールハロゲン化物(4)から、以下により調製することができる:1)LDAまたは別の適切な塩基を用いてオルトメタル化する、2)B(OR)3との反応を介してアニオンをボロネートへと変換する、および3)N−メチルモルホリンオキシドまたは過酸化水素など、適切なオキシダントを用いてボロネートを酸化する。オルトメタレート化した種は、(TMSO)2でクエンチすることによって、ヒドロキシル化した物質(5)を、酸による後処理により直接得ることができる。このヒドロキシル化したヘテロ芳香族化合物(5)は、これだけには限定されないが、炭酸セシウムまたは水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、これだけには限定されないが、DMFなど適切な溶媒中で、R2Xでアルキレート化することによって、化合物(6)を生成することができる。化合物(6)は、Hartwigらの方法(類似の方法を介してのこの変換の例については、Organic Letters(2001)2729−2732頁を参照されたい。)、またはPd触媒およびベンゾフェノンイミンでの処理、またはアンモニア存在下での加熱(またはNH2PG(式中、PGは保護基である。)により、化合物(7)へと変換することができる。
化合物(7)は、塩基触媒または金属(例えば、銅またはパラジウム)触媒の存在下で、ハロ置換されているチアゾールまたはハロ置換されているチアジアゾールと反応させることによって、式Iの化合物(3)へと変換することができる。別法として、化合物(6)は、塩基触媒作用を介してまたは銅またはパラジウム触媒作用を介して、すなわちBuchwald反応により、アミノ置換チアゾールまたはアミノ置換チアジアゾールで処理することによって、式Iの化合物(3)へと直接変換することができる。化合物(3)の生成後、保護基が存在する場合は、これを取り除くことができる。
スキームCは、2−アミノチアゾールおよび2−ハロチアゾール中間体、それぞれ(8)および(9)を調製する方法を示しており、これら中間体は、スキームBに示した式Iの化合物の調製に使用するのに適している。スキームCに従い、α−ハロケトンR13COCH2Xは、炭酸カリウムまたはトリエチルアミンなどの適切な塩基の存在下、DMFまたはエタノールなどの適切な溶媒中で、チオ尿素で処理することによって、アミノチアゾール(8)を生成することができる。このアミノチアゾール(8)は、これだけには限定されないが、酸中の亜硝酸ナトリウムまたはイソブチル亜硝酸ナトリウムとの処理を含めた多数の方法によって、ジアゾニウム塩中間体へと変換することができる。ジアゾニウム塩と、Cu(X1)2(X1=ClまたはBr)またはHBrとのその場での処理により、対応する2−ハロチアゾール(9)を生成する。別法として、Hantzsch合成方法を用いて、α−ハロケトンR13COCH2Xを、まずKSCNで処理し、次いでHX(式中、Xは、ClまたはBrである。)で処理することによって、2−ハロチアゾール(9)を得ることができる。この2−ハロチアゾール化合物(8)および(9)は、スキームBに示した方法により、化合物(3A)へと変換することができる。
スキームDは、5−アミノ−1,2,4−チアジアゾールおよび5−クロロ−1,2,4−チアジアゾール中間体、それぞれ(15)および(16)を調製する方法を示しており、これら中間体は、スキームBに示した式Iの化合物の調製に使用するのに適している。スキームDに従い、第一級のアミド(14)は、KSCNと共に、メタノールまたはエタノールなどの適切な溶媒中で加熱することにより、5−アミノ−1,2,4チアジアゾール(15)へと変換することができる(Adv.Heterocycl.Chem.、(1982年)32、285頁)。化合物(15)のジアゾニウム塩を生成し、続いてその場でジアゾニウム塩をCuCl2で処理することによって、対応する5−クロロ−1,2,4−チアジアゾール(16)を生成する。この対応するブロモ誘導体は、CuBr2の使用を介して合成することもできる。別法として、アミジン(17)をペルクロロメチルメルカプタンと反応させることによって、5−クロロ−1,2,4−チアジアゾール(16)を生成する(Bioorg.Med.Chem.、(2003年)11、5529−5537頁)。中間体(15)および(16)は、スキームBに示した方法により式Iの化合物(3C)へと変換することができる。
スキームFは、ハロ置換された複素環(28)から式Iの化合物(3H)を調製する方法を示す。スキームFに従い、スキームAまたはBの方法で調製した、ハロ置換された複素環(28)を、いくつかの手順のうちの1つを介してチオール(29)へと変換することができる。1つの方法に従い、このハロ置換された複素環(28)を、まず適量のメチルリチウム溶液で処理することによって、交換性プロトン(複数可)を除去し、次いでn−BuLi、sec−ブチルまたはtert−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム試薬、またはi−PrMg−ハロゲン化物などのグリニャール試薬でトランスメタル化する。生成したアニオンを、元素硫黄またはビス(トリメチルシリル)ペルオキシドのいずれかでクエンチすることによって、対応するメルカプト置換された化合物(29)を形成する。別法として、このハロゲン化物(28)は、カリウムトリイソプロピルシランチオラートを利用して、Pd−媒介された条件下でチオール(29)へと変換することができる(Tetrahedron Letters(1994年)、3225−3226頁)。標準的な反応物条件を用いて、チオールを様々な求電子剤と反応させることによって、式Iの対応するエーテル(3H)を得ることができる。適切な求電子剤として、活性化したヘテロアリールハロゲン化物、例えば、これだけには限らないが、2−フルオロシアノベンゼン、4−フルオロシアノベンゼン、2−フルオロニトロベンゼン、4−フルオロニトロベンゼン、2−クロロ−4−ニトロピリジン、2−ハロピリジン、2−ハロピリミジン、4−ハロピリミジン、アリールハロゲン化物およびヘテロアリールハロゲン化物などが挙げられるがこれらに限らない。化合物(3H)の生成後、保護基が存在する場合は、これを取り除くことができる。
スキームHは、式Iの化合物(3L)を調製する代替法を示す。スキームHに従い、2−アミノピリジン(38)を、NBSまたは臭素などの適切な臭素化剤で位置選択的にブロム化することによって、化合物(39)を得る。このブロム化した化合物は、炭酸セシウム、水素化ナトリウムまたはトリエチルアミンなど適切な塩基の存在下、金属触媒(すなわち、CuIまたはPd2dba3)の存在下で、DMSOまたはDMFなどの適切な溶媒中で、R2LH(式中、LはOである。)との反応により化合物(40)に変換することができる。塩素化した生成物(40)は、スキームA、BまたはLの方法で、化合物(41)に変換することができる。化合物(41)は、スキームEまたはFの方法で、5位置換されている式Iの化合物(3L)に変換することができる。別法として、塩素化した2−アミノピリジン(40)を、スキームEまたはFの方法で5位置換されている化合物(42)に変換することができ、次いでチアゾリルまたはチアジアゾリル基をスキームA、BまたはLの方法で化合物(42)に加えることによって、化合物(3L)を得ることができる。化合物(3L)の生成後、保護基が存在する場合は、これを取り除くことができる。
スキームIは、式Iの化合物(3L)を調製する代替法を示す。スキームIに従い、炭酸セシウムまたは水素化ナトリウムなどの適切な塩基の存在下、DMSOまたはDMF中の金属触媒(すなわち、Pd2dba3またはCuI)を用いて、または用いず、いずれかによって、化合物(43)とR2LH(式中、LはOである。)を反応させることによって、化合物(44)(式中、LはOである。)を生成する。
次いで2−アミノピリジン(44)を、NBSまたは臭素などの適切な臭素化剤で位置選択的にブロム化することによって、化合物(45)を得る。このブロム化された生成物(45)は、スキームA、BまたはLの方法により、化合物(46)に変換することができる。化合物(46)は、スキームEまたはFの方法により、5位置換されている式Iの化合物(3L)に変換することができる。別法として、ブロム化された2−アミノピリジン(45)を、スキームEまたはFの方法により5位置換されている化合物(47)に変換することができ、次いでチアゾリルまたはチアジアゾリル基をスキームA、BまたはLの方法で化合物(47)に加えることによって、化合物(3L)を得ることができる。化合物(3L)の生成後、保護基が存在する場合は、これを取り除くことができる。
式(IX)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)、(XV)、(XVI)、(XVII)、(XVIII)、(XIX)および(XX)の化合物については、新規であるとも考えられ、本発明のさらなる態様として提供される。
式Iの化合物の調製において、中間体の離れた官能基(例えば、第一級または第二級アミンなど)を保護することが必要となる場合がある。そのような保護の必要性は、離れた官能基の性質および調製方法の条件に応じて異なることになる。適切なアミノ保護基(NH−Pg)として、アセチル、トリフルオロアセチル、t−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)および9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。そのような保護の必要性は、当業者により容易に決定される。保護基およびこれらの使用の一般的記載については、T.W.Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley&Sons、New York、1991年を参照されたい。
本発明の化合物は、不十分なレベルのグルコキナーゼ活性で媒介される疾患もしくは障害、またはグルコキナーゼを活性化することで治療することができる疾患もしくは障害を治療するための予防薬または治療薬として使用することができ、このような疾患もしくは障害としては、糖尿病、耐糖能障害、IFG(空腹時血糖異常)およびIFG(空腹時高血糖)、ならびに以下に記載されているような他の疾患および障害が挙げられるが、これらに限らない。さらに本発明の化合物は、境界型の、耐糖能障害、IFG(空腹時血糖異常)またはIFG(空腹時高血糖)が糖尿病へと進行するのを予防するために使用することもできる。
したがって、本発明の別の態様は、ヒトなどの哺乳動物に、式Iの化合物の治療有効量を投与することによって、本明細書に記載されている疾患または状態を治療または予防する方法を提供する。
「治療有効量」という句は、(i)特定の疾患、状態もしくは障害を、治療もしくは予防する、(ii)特定の疾患、状態もしくは障害の1つ以上の症状を、減弱、回復もしくは排除する、または(iii)本明細書に記載されている特定の疾患、状態もしくは障害の1つ以上の症状の発症を、予防もしくは遅らせるような本発明の化合物の量を意味する。
このような量に相当する式Iの化合物の量は、特定の化合物、疾患状態およびその重症度、治療を必要とする哺乳動物の独自性(体重など)などの因子に応じて異なることになるが、当業者であれば規定通りに決定することができる。
「治療する」および「治療」という用語は、治療のための処置および予防対策または防止対策の両方を指し、この目的は、望まれない生理的変化または障害を予防または遅らせる(和らげる。)ことにある。本発明の目的のために有利とされる、または所望される臨床的結果とは、検出可能であるかまたは検出不可能であるかを問わず、症状の軽減、疾患の程度の低減、疾患の状態の安定化(すなわち悪化させないこと)、病状悪化の遅延または徐脈化、疾患状態の回復または緩和および寛解(部分的または全体的を問わず)が挙げられるがこれらに限らない。「治療」はまた、治療を受けなかった場合に予想された生存時間と比較して、生存時間が延長されることも意味することができる。治療を必要とする者の中には、その状態または障害をすでに有している者、さらにはその状態もしくは障害を有する傾向にある者またはその状態もしくは障害を予防すべき者が含まれる。
本明細書で使用する場合、「哺乳動物」という用語は、本明細書に記載される疾患を有する、または発症するリスクのある温血動物を指し、モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ハムスターおよびヒトなどの霊長類を含むが、これらに限らない。
特定の実施形態において、本発明の方法は、糖尿病を治療するのに有用である。糖尿病とは、空腹時血漿グルコースレベル(静脈血漿中のグルコース濃度)が、126mg/dL以上(検査を2回実施)であり、75gの経口グルコース負荷試験(OGTT)の2時間後の血漿グルコースレベルが200mg/dL以上である状態を言う。さらなる典型的症状として、多飲、多食および多尿が挙げられる。
特定の実施形態において、本発明の方法は、耐糖能障害(IGT)の症候群を治療するのに有用である。空腹時の血漿グルコースレベルが126mg/dL未満であり、グルコース経口から2時間後のグルコース負荷試験の濃度が140mg/dLを超えることが示された場合IGTと診断される。
本発明の化合物は、糖尿病合併症、例えば、これらだけに限らないが、ニューロパチー、腎症、網膜症、白内障、脈硬化性血管合併症、骨減少症、糖尿病性高浸透圧性昏睡、感染症(例えば、呼吸器感染症、尿路感染症、消化管感染症、皮膚軟部組織感染症、下肢感染症など)、糖尿病性壊疽、口内乾燥、聴覚減少、脳血管疾患、末梢性循環障害などの予防薬または治療薬としても使用することができる。
本発明の化合物は、疾患および障害、例えば、これらだけに限らないが、肥満症、メタボリック症候群(シンドロームX)、高インスリン血症、高インスリン血症誘発性感覚障害、異リポタンパク質血症(血液中の異常なリポタンパク質)、例えば糖尿病性異脂肪血症など、高脂血症、高リポタンパク質血症(血液中の過剰なリポタンパク質)、例えばI型、II−a型(高コレステロール血症)、II−b型、III型、IV型(高トリグリセリド血症)およびV型(高トリグリセリド血症)など、低HDL濃度、高LDL濃度、アテローム動脈硬化症およびその後遺症、血管再狭窄、神経変性疾患、うつ病、CNS障害、脂肪肝、骨粗鬆症、高血圧症、腎疾患(例えば、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症、末端腎障害など)、心筋梗塞、狭心症および脳血管疾患(例えば、脳梗塞、脳卒中)などの治療においても、予防薬または治療薬として使用することができる。
本発明の化合物は、例えば、これだけには限定されないが、骨粗鬆症、脂肪肝、高血圧症、インスリン抵抗症候群、炎症性疾患(例えば、慢性関節リウマチ、変形性脊椎炎、変形性関節炎、腰痛、痛風、手術後または傷害性の炎症、腫脹の寛解、神経痛、咽頭喉頭炎、膀胱炎、肝炎(非アルコール性脂肪性肝炎を含む。)、肺炎、炎症性大腸炎、潰瘍性大腸炎、膵炎、内臓肥満症候群、カヘキシー(例えば、癌性カヘキシー、結核性カヘキシー、糖尿病性カヘキシー、血液疾患性カヘキシー、内分泌病性カヘキシー、感染性カヘキシー、エイズ誘発性カヘキシー)、多嚢胞性卵巣症候群、筋ジストロフィー、腫瘍(例えば、白血病、乳癌、前立腺癌、皮膚癌など)、過敏性大腸症候群、急性または慢性の下痢、変形性脊椎炎、変形性関節炎、腫脹の寛解、神経痛、咽頭喉頭炎、膀胱炎、SIDSなどの疾患および障害の治療において、予防薬または治療薬として使用することもできる。
本発明の化合物は、1つ以上の追加の薬物、例えば、同一であるまたは異なる作用メカニズムで作用する化合物、例えばインスリン調合薬、インスリン抵抗性を改善する薬剤、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド、インスリン分泌促進剤、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP IV)阻害剤、ベータ−3作用剤、アミリン作用剤、ホスホチロシンホスファターゼ阻害剤、糖新生阻害剤、ナトリウム−グルコース共輸送体阻害剤、糖尿病合併症のための既知の治療薬、抗高脂血症剤、血圧降下薬および抗肥満剤などと組み合わせて使用することもできる。インスリン抵抗性を改善するための薬剤の例として、ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプター−ガンマ(PPARガンマ)に対する作用剤がある。
本発明の化合物は、例えば消化管(例えば直腸からまたは経口的に)、鼻、肺、筋系もしくは血管系から、または経皮的に、任意の便利な経路で投与することができる。化合物は、例えば錠剤、粉末、カプセル剤、溶液、分散液、懸濁液、シロップ、スプレー、坐薬、ゲル、乳濁液、パッチなど、任意の便利な投与形態で投与することができる。このような組成物は、医薬調合物における標準的成分、例えば希釈剤、担体、pH調整剤、甘味料、塊状薬剤および追加の活性薬剤などを含有してもよい。非経口投与が所望される場合、組成物は、無菌であり、注射または点滴に適した溶液または懸濁液の形態をとることになる。このような組成物は、本発明のさらなる態様を形成する。
別の態様によると、本発明は、本明細書中でこれまでに定義された式Iの化合物または医薬として許容されるその塩を含む医薬組成物を提供する。一実施形態において医薬組成物は、医薬として許容される希釈剤または担体と組み合わせた式Iの化合物を含む。
本発明はまた、不十分な濃度のグルコキナーゼ活性で媒介された疾患もしくは障害、またはグルコキナーゼを活性化することによって治療することができる疾患もしくは障害の治療における式Iの化合物の使用を提供する。
本発明の追加の態様は、不十分な濃度のグルコキナーゼ活性で媒介された疾患もしくは障害、またはグルコキナーゼを活性化することによって治療することができる疾患もしくは障害の治療または予防のための薬物の調製における式Iの化合物の使用である。
以下の実施例は、本発明を例示している。以下に記載の実施例において、特に指定しない限り、すべての温度は、摂氏で記述されている。試薬は、Aldrich Chemical Company、Lancaster、TCIまたはMaybridgeなどの販売製造元から購入し、特に指定しない限り、さらなる精製なしで使用した。テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(CH2Cl2、塩化メチレン)、トルエンおよびジオキサンは、Sureシールボトルに入ったAldrich製のものを購入し、そのまま使用した。
以下に記述する反応は、窒素またはアルゴンの陽圧下、または無水溶媒中の乾燥チューブ(特に明記しない限り)を用いて一般的に行われ、反応フラスコは通常、シリンジを介して基質および試薬を導入するためのゴム製セプタムを備えていた。ガラス製品は、オーブン乾燥および/または加熱乾燥した。
1HNMRスペクトルは、対照基準として、テトラメチルシラン(0.00ppm)または残留溶媒(CDCl3:7.25ppm、CD3OD:3.31ppm、D2O:4.79ppm、d6−DMSO:2.50ppm)を用いて、CDCl3、CD3OD、D2Oまたはd6−DMSO溶液(ppmで記録)として得た。最大多重度が報告される場合には、以下の省略形を用いる:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、m(多重線)、br(広域化)、dd(二重線の二重線)、dt(三重線の二重線)。結合定数が与えられる場合には、ヘルツ(Hz)で記録される。
実施例1
(S)−1−(5−(5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール
ステップA:(R)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒド(9.0g、52.9mmol)のTHF(120mLと水60mL)中溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(3.73g、52.9mmol)を加え、透明になるまでこの反応物を撹拌した(10分間)。炭酸ナトリウム(2.75g、25.9mmol)を加え、この反応物を周辺温度で一晩撹拌した。この反応物を、酢酸エチル(500mL)に注ぎ入れ、層を分離させた。有機物を水(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシムを生成した(9.08g、49mmol、92.7%)。
ステップB:(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシム(9.08g、49mmol)のDMF(50mL)中溶液に、1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(7.20g、53.9mmol)を加え、この反応物を周辺温度で一晩撹拌した。この反応物を水(500mL)に注ぎ入れ、エーテルで抽出した。この有機物を、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。この物質を真空中で濃縮することによって、(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(10.4g、47mmol、96.6%)。
ステップC:(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(10.4g、47.3mmol)の、0℃に冷却した、THF(150mL)中溶液に、メタンスルホニルクロリド(5.97g、52.1mmol)を加え、続いてN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(6.73g、52.1mmol)を加え、この反応物を周辺温度で1時間撹拌した。この反応物を真空中で濃縮した。この物質をジクロロメタン中に溶解し、8:1ヘキサン/EtOAcから4:1ヘキサン/EtOAc(2コラム)を用いてクロマトグラフィーにかけることによって、粘稠の油として(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを得た。これを静置で固化させた(12g、40mmol、収率85%).
ステップD:フラスコに、2−メチルピリジン−3−オール(3.0g、27.5mmol)およびDMF(100mL)を仕込んだ。水素化ナトリウム(0.760g、30.2mmol)を加え、5分間撹拌した。5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(6.26g、27.5mmol)を加え、10分間撹拌した。飽和したNH4Cl300mLおよび水300mLを含有するフラスコに、この反応物を活発に撹拌しながら注ぎ入れた。固体を濾過し、高真空下で乾燥させることによって、薄い黄褐色の固体として、5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリルを生成した(7.78g、収率97.6%)。
ステップE:フラスコに、5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリル(60g、207mmol)および硫酸(203g、2068mmol)を仕込んだ。この反応物を周辺温度で一晩撹拌した。水(500mL)を慎重に加え、50%水酸化ナトリウムを用いてpH5.0に中和した。混合物をジクロロメタンおよび酢酸エチルで抽出し、乾燥させ、濃縮することによって、黄色の固体として、5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリンアミドを生成した(63.0g、204mmol、収率98.9%)。
ステップF:フラスコに、2M水酸化ナトリウム(256ml、511mmol)を仕込み、0℃に冷却した。臭素(7.85ml、153mmol)を加え、15分間撹拌した。ジオキサン(650mL)中の5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリンアミド(31.5g、102mmol)を加え、周辺温度で一晩撹拌した。水層を酢酸エチルおよびCH2Cl2で抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮し、シリカゲル上で(ヘキサン中25−50−75−100%酢酸エチル)精製することによって、黄色の固体として、5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミンを生成した(12g、43mmol、収率41.9%)。
ステップG:(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(1.86g、6.25mmol)、ピリジン(1.13g、14.3mmol)およびチオシアン酸ナトリウム(0.58g、7.14mmol)をアセトニトリル(45mL)中に溶解した。この溶液を40℃で40分間加熱した。5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミン(1.0g、3.57mmol)を加え、反応物を60℃で一晩加熱した。この溶液を0℃に冷却し、濾過し、固体を乾燥させることによって、白色の固体として(S)−N−(5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを得た(0.90g、1.78mmol、収率50%)。
ステップH:(S)−N−(5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(0.072g、0.20mmol)のメタノール(10mL)中溶液に、濃縮したHCl(3滴)を加え、反応物を3時間80℃に加熱した。この反応物を真空中で濃縮した。この物質を酢酸エチル/メタノール1/1(10mL)で粉砕することによって、白色の固体として(S)−1−(5−(5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール(0.070g、0.16mmol、83%)を得た(APCI POS 424、426 M+H)。
実施例2
(S)1−(5−(5−トリフルオロメチル−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール
ステップDの5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリルの代わりに、5−トリフルオロメチル−3−クロロピコリノニトリルを使用して、実施例1の手順に従い、(S)−1−(5−(5−トリフルオロメチル−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオールを合成した(APCI POS 414 M+H)。
実施例3
(S)−1−(5−(5−フェニルチオ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール
ステップA:2−メチルピリジン−3−オール(0.96g、8.8mmol)のDMF(10mL)中の、0℃に冷却した溶液に、NaH(0.35g、8.8mmol)を少しずつ加え、この反応物を周辺温度に温めた。この混合物に、5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(2.0g、8.8mmol)を加え、反応物を周辺温度で一晩撹拌した。この反応物に、チオフェノール(0.96g、8.8mmol)を加え、反応物を0℃に冷却した。NaH(0.35g、8.8mmol)を加え、この反応物を周辺温度に温め、反応物を周辺温度で一晩撹拌した。この反応物を水(1000mL)に注ぎ入れ、水層をエーテル(3×100mL)で抽出した。有機物を、1N NaOH(100mL)、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、固体として5−フェニルチオ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリル(2.8g、8.8mmol、100%)を得た。
ステップB:ステップEの5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリルの代わりに、5−フェニルチオ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリルを使用して、実施例1の手順に従い、(S)−1−(5−(5−フェニルチオ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオールを合成した(APCI POS 454 M+H)。
実施例4
4(S)−1−(5−(5−フェニルチオ−3−(ピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−イル)エタン−1,2−ジオール
ステップAの2−メチルピリジン−3−オールの代わりに、ピリジン−3−オールを使用して、実施例3の手順に従い、(S)−1−(5−(5−フェニルチオ−3−(ピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−イル)エタン−1,2−ジオールを合成した(APCI POS 440 M+H)。
実施例5
(S)−1−(5−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール
ステップAのチオフェノールの代わりに、2−チオピリジンを使用して、実施例3の手順に従い、(S)−1−(5−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオールを合成した(APCI POS 455 M+H)。
実施例6
(S)−1−(5−(5(2ヒドロキシエチルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール
ステップA:N2で持続的にバブリングを行ったジオキサン(50mL)に、Pd2dba3(0.041g、0.046mmol)、Xanphos(0.055g、0.091mmol)、(S)−N−(5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(0.46g、0.091mmol)、エチル2−メルカプトアセテート(0.11g、0.091mmol)およびHunig塩基(0.12g、0.091mmol)をこの順序で加え、反応物を6時間80℃に加熱した。この反応物を真空中で濃縮し、この物質を40%EtOAcを溶離液として用いてクロマトグラフィーにかけることによって、(S)−エチル−2−(6−(3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)1,2,4−チアジアゾ−5−イルアミノ)−5−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−3−イルチオ)アセテートを得た(0.30g、0.55mmol)。
ステップB:(S)−エチル−2−(6−(3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)1,2,4−チアジアゾ−5−イルアミノ)−5−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−3−イルチオ)アセテート(0.30g、0.55mmol)の、THF(20mL)中の、0℃に冷却した溶液に、LiAlH4(THF中1M溶液)(0.55mL、0.55mmol)を加え、この反応物を、周辺温度に温めながら、3時間撹拌した。反応を水の添加によりクエンチし、酢酸エチル(100mL)に注ぎ入れ、層を分離させた。有機物をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、(S)−2−(6−(3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)1,2,4−チアジアゾ−5−イルアミノ)−5−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−3−イルチオ)エタノールを得た(0.28g、0.55mmol)。
ステップC:ステップHの(S)−N−(5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンの代わりに、(S)−2−(6−(3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)1,2,4−チアジアゾ−5−イルアミノ)−5−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−3−イルチオ)エタノールを使用して、実施例1の手順に従い、(S)−1−(5−(5−(2−ヒドロキシエチルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオールを合成した(APCI POS 422 M+H)。
実施例7
(S)−1−(5−(3−(4−フルオロフェノキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール
ステップA:フラスコに4−フルオロフェノール(44g、365mmol)およびDMF(500mL)を仕込んだ。この反応物を0℃に冷却した。水素化ナトリウム(16.6g、414mmol)を加え、10分間撹拌した。5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(90g、395mmol)を加え、この混合物を周辺温度で30分間撹拌した。この反応物を、水(5000mL)を含有するフラスコに注ぎ入れ、10分間撹拌した。pHを10に調整することによって、固体として5−ブロモ−3−(4−フルオロフェノキシ)ピコリノニトリルを得た(121g、413mmol、収率105%)。
ステップB:ピリジン−2−チオール(2.5g、23mmol)のDMA(25mL)中の、0℃に冷却した溶液に、NaH(0.90g、23mmol)を加え、この反応物を周辺温度で20分間撹拌し、続いて5−ブロモ−3−(4−フルオロフェノキシ)ピコリノニトリル(6.6g、23mmol)を添加し、周辺温度で一晩撹拌した。この反応物を水(250mL)に注ぎ入れると、固体が形成した。固体を収集し、水で洗浄し、真空中で乾燥することによって、3−(4−フルオロフェノキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリルを生成した(5g、16mmol、70%)。
ステップC:ステップEの5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリルの代わりに、3−(4−フルオロフェノキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリルを使用して、実施例1の手順に従い、(S)−1−(5−(3−(4−フルオロフェノキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオールを合成した(APCI POS 458 M+H)。
実施例8
(R)−1−(2−(5−ブロモ−3−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イルアミノ)チアゾール−4−イル)エタン−1,2−ジオール
ステップA:フラスコに、5−ブロモ−3−(4−フルオロフェノキシ)ピコリノニトリル(10g、34mmol)および硫酸(50mL)を仕込んだ。反応物を周辺温度で一晩撹拌した。水(500mL)を慎重に加え、50%水酸化ナトリウムを用いて混合物をpH5.0に調整した。この混合物をジクロロメタンおよび酢酸エチルで抽出し、乾燥させ、濃縮することによって、黄色の固体として5−ブロモ−3−(4−フルオロフェノキシ)ピコリンアミドを生成した(10.6g、34mmol、収率100%)。
ステップB:フラスコに、2M水酸化ナトリウム(115ml、230mmol)を仕込み、0℃に冷却した。臭素(9.3g、58mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。ジオキサン(200mL)中の5−ブロモ−3−(4−フルオロフェノキシ)ピコリンアミド(15.8g、51mmol)を加え、混合物を周辺温度で一晩撹拌した。水層を酢酸エチルおよびCH2Cl2で抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させた、濃縮し、クロマトグラフィー(ヘキサン中、25−50−75−100%酢酸エチル)で精製することによって、黄色の固体として5−ブロモ−3−(2−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−アミンを生成した(12g、42mmol、収率82%)。
ステップC:5−ブロモ−3−(2−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−アミン(17g、60mmol)のTHF(500mL)中溶液に、ベンゾイルイソチオシアネート(9.8g、60mmol)を加え、反応物を周辺温度で一晩撹拌した。この反応物をヘキサン(2L)に注ぎ入れ、固体を収集し、真空中で乾燥させることによって、N−(5−ブロモ−3−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イルカルバモチオイル)ベンズアミドを得た(25g、56mmol、収率93%)。
ステップD:N−(5−ブロモ−3−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イルカルバモチオイル)ベンズアミド(25g、56mmol)のエタノール(150mL)中溶液に、NaOH(2M)(56mL、112mmol)を加え、この反応物を80℃で撹拌した。この混合物を水に注ぎ入れ、スラリーを濾過した。収集した固体を真空中で乾燥させることによって、1−(5−ブロモ−3−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル)チオ尿素を生成した(15.4g、45mmol)。
ステップE:(S)−メチル2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルボキシレート(1.3g、8.1mmol)およびクロロヨードメタン(4.3g、24mmol)のTHF(50mL)中の−78℃の溶液に、LDA溶液(16.2mL、24mmol)を10分間に渡り少しずつ加えた。この反応物を−78℃で10分間撹拌した。この混合物に、酢酸(50mL)のTHF中10%溶液を−78℃で加えた。添加後、スラリーを周辺温度に温めた。この反応物をEtOAc(200mL)に注ぎ入れ、水層を1N NaOHを用いて塩基性化した。有機物を分離させ、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。この物質を、溶離液としてDCMを用いてクロマトグラフィーで精製することによって、油として(S)−2−クロロ−1−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)エタノン(0.60g、3.4mmol、収率42%)を得た。
ステップF:エタノール(50mL)中の1−(5−ブロモ−3−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル)チオ尿素(0.5g、1.5mmol)に、(S)−2−クロロ−1−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)エタノン(0.34g、1.9mmol)を加え、反応物を80℃で1時間撹拌した。この反応物を水(250mL)に注ぎ入れ、濾過した。この固体を酢酸エチルおよびメタノールで粉砕した。固体を酢酸エチル(500mL)中に懸濁し、1N NaOH(500mL)で洗浄した。有機物を濃縮し、粗原料を、3から10%のMeOH/CH2Cl2を溶離液として用いてクロマトグラフィーで精製することによって、(R)−1−(2−(5−ブロモ−3−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イルアミノ)チアゾール−4−イル)エタン−1,2−ジオールを得た(0.043g、0.10mmol、7%)(APCI POS 426、428 M+H)。
実施例9
(S)−1−(2−(5−ブロモ−3(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イルアミノ)チアゾール−4−イル)エタン−1,2−ジオール
ステップEの(S)−メチル2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルボキシレートの代わりに、(R)−メチル2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルボキシレートを使用して、実施例8の手順に従い、(S)−1−(2−(5−ブロモ−3−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イルアミノ)チアゾール−4−イル)エタン−1,2−ジオールを合成した(APCI POS 426、428 M+H)。
実施例10
(R)−1−(2−(3−(4−フルオロフェノキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)チアゾール−4−イル)エタン−1,2−ジオール
ステップCの5−ブロモ−3−(2−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−アミンの代わりに、3−(4−フルオロフェノキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミンを使用して、実施例8の手順に従い、(R)−1−(2−(3−(4−フルオロフェノキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)チアゾール−4−イル)エタン−1,2−ジオールを合成した(APCI POS 457 M+H)。
実施例11
(1S)−1−(5−(5−ブロモ−3−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール
ステップDの2−メチルピリジン−3−オールの代わりに、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オールを使用して、実施例1の手順に従い、(1S)−1−(5−(5−ブロモ−3−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオールを合成した。M+H(apci)=464、466。
実施例12
(S)−1−(5−(5−ブロモ−3−(1−(2−ヒドロキシエチル−)−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール
ステップA:POCl3(12.9ml、141.2mmol)を0℃でDMF(10.9ml、141.2mmol)に加えた。この反応物を直ちに周辺温度に温め、30分間撹拌した。((2,2−ジエトキシエトキシ)メチル)ベンゼン(10.6g、47mmol)をクロロホルム80mL中溶液として加えた。この溶液を75℃で3.5時間撹拌した。この溶液を冷却し、氷水上へ注ぎ、Na2CO3で中和した。残留物をクロロホルムで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物を再びMeOH(450mL)中に溶解した。NaOMe(MeOH中25%、58ml、253mmol)を加え、続いて2−ヒドラジニルエタノール(10.6g、139mmol)を加えた。この反応物を周辺温度で一晩撹拌した。この物質を真空中で濃縮し、続いてNH4Cl飽和溶液で希釈した。この物質をEtOAcで抽出し、乾燥させ(Mg2SO4)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより、2−(4−(ベンジルオキシ)−1H−ピラゾール−1−イル)エタノールを得た(1.81g、収率13%)。
ステップB:2−(4−(ベンジルオキシ)−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール(1.81g、8.3mmol)を窒素下でTHF(15mL)中に溶解した。Pd/C(0.22g、0.21mmol)を加え、溶液を真空下に置き、水素バルーンを充填した。この水素雰囲気下、周辺温度で一晩この混合物を撹拌した。この溶液をGF/Fペーパーを介して濾過し、濃縮することによって、1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−オールを得た(1.8g定量)。
ステップC:ステップDの2−メチルピリジン−3−オールの代わりに、1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−オールを使用して、実施例1の手順に従い、(S)−1−(5−(5−ブロモ−3−(1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオールを合成した(APCI POS 443、445 M+H)。
以下の化合物もまた、上記の方法により調製した。
本発明は、さらに式Iの以下の化合物の調製についても考察している。
実施例134
(S)−1−(5−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩
ステップA:窒素下の、オーバーヘッド撹拌メカニズムを備えた3000mL4口丸底フラスコ内のDMF600mLに、2−メチルピリジン−3−オール(71.8g、658mmol)を加え、反応物を2℃に冷却した。内部温度が10℃を超えないような速度で、30分間という時間に渡り、60%水素化ナトリウム(26.3g、658mmol)を加えた。この反応物を、周辺温度に温めながら、1時間撹拌した。この反応物に、5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(150g、658mmol)のDMF400mL中溶液を2回に分けて加え、この反応物を1.5時間周辺温度で放置した。周辺温度のこの反応物に、固体のピリジン−2−チオール(73.1g、658mmol)を少しずつ加え、この反応物を15分間撹拌することによって、物質を溶解した。この反応物を3℃に冷却し、内部温度が10℃を超えないように、水素化ナトリウム(26.3g、658mmol)を再び少しずつ加えた(添加時間35分間)。この反応物を氷浴から取り除き、12時間撹拌しながら周辺温度に温めた。この反応物をブライン4容量(8L)で希釈した。混合物を30分間撹拌し、この時点で固体が形成した。この固体を濾別し、濾液をMTBE(全量10L)で抽出した。このMTBE相を真空中で濃縮した。固体を濃縮した物質と合わせ、酢酸エチル(3L)中で溶解した。EtOAcをブラインで洗浄(4×1L)し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。形成した固体を粉末へと粉砕し、真空中で4時間乾燥させた。この物質をMTBE30mL/生成物10gで取り出し、この反応物を30分間撹拌した。この固体を濾過し、真空中で乾燥させた(2時間)。母液を濃縮し、MTBEで(同じ希釈速度で)粉砕した。これらの固体を合わせ、3時間真空中で乾燥させることによって、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリルを生成した(181g、85%)。
ステップB:氷浴内で冷却した濃縮H2SO4(90mL)に、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリル(43g、130mmol)を少しずつ、内部温度が50℃を超えず、しかも25℃より低くならないように加えた。添加完了後、この混合物を氷浴内で撹拌し、これを反応物が冷却し始めるまで続け、冷却し始めた時点でこの反応物を氷浴から取り除き、混合物を50℃まで加熱した。この反応物を周辺温度に冷却し、3分間に渡りゆっくりと氷水へと加えた(水中30%氷を約1400mL)。この混合物を氷浴内で5℃にさらに冷却し、内部温度を20℃より低く保ちながら、4M NaOH(約800mL)でpH約10に中和し、この時点で固体が形成した。この混合物を20分間撹拌した。混合物を濾過し、MTBE(5×150mL)、ヘキサン(5×100mL)で洗浄し、真空下乾燥させることによって、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミドを生成した(43g、96%)。
ステップC:2L3口丸底フラスコに、水性の2M水酸化ナトリウム(343ml、686mmol)を加え、溶液を氷浴内で冷却した。臭素(12ml、257mmol)を加え、混合物を30分間撹拌し、この間に氷浴を取り除いた。3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミド(58g、171mmol)を、ジオキサン約600mL中のスラリーとして一度に加えた。30分後、濃縮HClを1mLずつpHが約1になるまで加えた。この反応物を15分間撹拌し、4N NaOHをpHが約10になるまで溶液に加えた。水性混合物をEtOAc(3×750mL)で抽出し、水(2×250mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。この物質を真空中で、50℃で乾燥させ、この時点で赤色の固体が形成された。この固体をCH2Cl2(物質5gに対しCH2Cl2約40mL)で粉砕し、固体を濾過した。この固体をCH2Cl2で洗浄し、真空下50℃で乾燥させた。濾液を真空中で濃縮し、この物質をシリカゲル上で(3%MeOH/CH2Cl2)精製することによって、赤色の固体を生成した。これら2つの生成物を合わせることによって、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミン(24g、45%)を生成した。
ステップD:Dl水1000mLに、ヒドロキシルアミン塩酸塩(51.0g、734mmol)を加え、混合物を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(38.1g、360mmol)を、3つに大きく分けて加え、この反応物を15分間撹拌した。THF(700mL)を反応物に加え、(R)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒド(125g、734mmol)をTHF800mL中に一度に加えた。この反応物を4時間撹拌し、4L分液ロートに注ぎ入れ、層を分離させた。水層をMTBE(全量約3000mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(700mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって透明な粘稠の油として(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシムを生成した(135g、99%)。
ステップE:2L4口丸底フラスコに、(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシム(135.1g、729.4mmol)およびDMF750mLを加えた。この反応物を水槽内に置き、1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(97.40g、729.4mmol)を2分間に渡って少しずつ加えた。この反応物を水槽内で3時間撹拌し、次いでMTBE2Lで希釈し、水1Lで洗浄した。水をMTBE500mLで抽出した。合わせた有機層を水(5×800mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中濃縮することによって、緑色の粘稠の油として、付加された(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、98%)。
ステップF:5L4口フラスコ内に、THF2.5L中の(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(158g、719mmol)を加えた。この物質を3℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド(56.1ml、719mmol)を10分間に渡り10mLの分量ずつ加えた。N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(126ml、719mmol)を滴下ロートを介して12分間に渡り加えた。この反応物を氷浴中で30分間撹拌し、次いで周辺温度で1時間撹拌した。この反応物を濾過し、固体をMTBE(約3L)で洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をシリカゲル上で(7:1から3:1ヘキサン/EtOAc)精製することによって油を生成し、これをゆっくりと真空下で固化した。この固体を乳鉢および乳棒を用いて砕き、ヘキサン(約1000mL)で洗浄し、乾燥させることによって、白色の固体として(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、531mmol、収率73.8%)。
ステップG:アセトニトリル700mLに、イソチオシアン酸ナトリウム(12.5g、155mmol)、ピリジン(25.2ml、309mmol)および(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(38.4g、129mmol)を加え、この反応物を15分間60℃に加熱した(白色固体が形成)。この混合物に、固体として3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミン(32g、103mmol)を加え、この反応物を60℃で14時間撹拌した。この反応物を冷却し、真空中で濃縮した。残留物をEtOAcと1N NaOHの間で分離させた。水性混合物(塩基性、約700ML)をEtOAcで(総容積3000mL)2回抽出した。合わせた有機層を1N NaOH(300mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル約1kg上で1:1EtOAc/CH2Cl2を1%MeOHと共に溶離液として用いてクロマトグラフィーで精製することによって、(S)−N−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(38.7g、72.4mmol、収率70.2%)。
ステップH:無水エタノール1L中に、(S)−N−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(41g、76.7mmol)を加え、この反応物を80℃に加熱した。水性HCl41mL(濃縮HCl11.6mLを水中で希釈)を加えた。2時間後、生成した固体の物質を熱濾過し、エタノール(200mL)で洗浄し、真空中で乾燥させることによって、固体として粗生成物を生成した。これには出発物質約2%が含有されていた。固体をEtOH(1L)中で懸濁し、80℃に加熱し、続いて水性HCl(濃縮HCl11.6mLを水中で希釈)中で懸濁した。3.5時間後、生成した固体の物質を熱濾過し、エタノール(200mL)で洗浄し、真空中で乾燥させることによって、(S)−1−(5−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩(35g、85%)を生成した。質量スペクトル(apci)m/z=455.2(M+H−HCl)。
実施例135
(S)−1−(5−(3−(2,6−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩
ステップA:2,6−ジメチルピリジン−3−オール(10g、81.2mmol)のDMF(50ml)中0℃溶液に、水素化ナトリウム(油中60%分散液、3.4g、85mmol)を加えた。15分間後、5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(18.5g、81mmol)を加え、混合物を周辺温度にゆっくりと温めさせておいた。反応混合物を急速撹拌している水500mLにゆっくりと加えた。薄い赤色の固体が形成され、次いでこの物質がゴムを形成した。このゴムを酢酸エチルへと抽出し、有機物をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、5−ブロモ−3−(2,6−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリルを生成した(25g、82mmol、収率101%)。
ステップB:5−ブロモ−3−(2,6−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリル(25g、82mmol)に、濃硫酸(25ml)を加え、この混合物を周辺温度で一晩撹拌した。この混合物を氷(500ml)上へ注ぎ、この水性混合物を、50%NaOHを用いて中和した。pH7で固体を形成した。この固体を収集し、真空中で乾燥させることによって、3−(2,6−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−ブロモピコリンアミドを生成した(24.2g、92%)。
ステップC:NaOH(150mL、2M)の0℃溶液に、臭素(14.4g、90mmol)を加え、続いてジオキサン(300ml)中に溶解した3−(2,6−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−ブロモピコリンアミド(24g、75mmol)を加えた。この反応物を周辺温度で1時間撹拌し、次いで80℃で1時間撹拌した。この反応物を周辺温度に冷却し、濃縮HClでpH1に酸性化した。この混合物を周辺温度で1時間撹拌し、2M NaOHを用いてpH10に塩基性化した。水層を酢酸エチルへと抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、5−ブロモ−3−(2,6−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミンを生成した(20.5g、92%)。
ステップD:250mLフラスコに、5−ブロモ−3−(2,6−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミン(5.00g、17.66mmol)およびTHF(100mL)を仕込み、窒素でパージした。溶液を−78℃に冷却し、メチルリチウム(ヘキサン中1.6M、12.7mL、20.4mmol)を加え、反応物を5分間撹拌した。ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、8.1mL、20.4mmol)を加え、反応物を−78℃で10分間撹拌した(固体を形成)。2−(2−(ピリジン−3−イル)ジスルファニル)ピリジン(4.49g、20.4mmol)を加え、反応物を周辺温度に温め、18時間撹拌した。反応物を水性のNH4Clに注ぎ入れ、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上で(CH2Cl2中の5%MeOH)精製することによって、3−(2,6−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミンを生成した(3.5g、63%)。
ステップE:DI水1000mLに、ヒドロキシルアミン塩酸塩(51.0g、734mmol)を加え、反応物を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(38.1g、360mmol)を3つに大きく分けて加え、反応物を15分間撹拌した。THF(700mL)をこの反応物に加え、(R)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒド(125g、734mmol)を、THF800mL中で一度に加えた。反応物を4時間撹拌し、4L分液ロートに注ぎ入れ、層を分離させた。水層をMTBE(全量約3000mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(700mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、透明な粘稠の油として(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシムを生成した(135g、99%)。
ステップF:2L4口丸底フラスコに、(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシム(135.1g、729.4mmol)を加え、DMF750mL中に溶解した。この反応物を水槽内に置き、1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(97.40g、729.4mmol)を2分間に渡り少しずつ加えた。この反応物を水槽内で3時間撹拌し、次いでMTBE2Lで希釈し、水1Lで洗浄した。水をMTBE500mLで抽出した。合わせた有機層を水(5×800mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、緑色の粘稠の油として、付加された(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、98%)。
ステップG:4口5Lフラスコに、THF2.5L中の(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(158g、719mmol)を加えた。この物質を3℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド(56.1ml、719mmol)を10分間に渡り10mLの分量ずつ加えた。次に、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(126ml、719mmol)を12分間に渡り滴下ロートを介して加えた。この反応物を氷浴内で30分間撹拌し、次いで周辺温度で1時間撹拌した。この反応物を濾過し、固体をMTBE(約3L)で洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をシリカゲル上で(7:1から3:1Hex/EtOAc)精製することによって、油を生成し、これを真空下でゆっくりと固化した。この固体を乳鉢および乳棒を用いて砕き、ヘキサン(約1000mL)で洗浄し、乾燥することによって、白色固体として(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、531mmol、収率73.8%)。
ステップH:イソチオシアン酸ナトリウム(0.24g、3.0mmol)のアセトニトリル(30mL)中溶液に、ピリジン(0.51g、6.5mmol)を加え、続いて(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(0.77g、2.6mmol)を加え、反応物を60℃で20分間撹拌し、続いて3−(2,6−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミン(0.70g、2.2mmol)を添加し、反応物を一晩60℃で撹拌した。この反応物を真空中で濃縮し、残留物をEtOAcと2M NaOHの間で分離させた。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。この物質をシリカゲル上で(CH2Cl2中30%EtOAc)精製することによって、(S)−N−(3−(2,6−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(0.50g、0.91mmol、収率42%)。
ステップI:(S)−N−(3−(2,6−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(0.70g、1.3mmol)のエタノール(20mL)中溶液に、濃縮HCl(2.4ml)を加え、反応物を80℃に2時間加熱した。この反応物を濃縮し、この物質をEtOHで粉砕した。この固体を逆相HPLCでさらに精製することによって、純粋な生成物を生成した。この生成物をエタノール中で取り出し、HCl(エーテル中2M)を加えた。混合物を2時間撹拌し、真空中で濃縮し、真空中で乾燥させることによって、HCl塩として生成物を生成した(73.2mg、12%)。質量スペクトル(apci)m/z=469.2(M+H−HCl)。
実施例136
(S)−1−(5−(5−(シクロプロピルメチルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩
ステップA:2−メチルピリジン−3−オール(11.8g、108mmol)のDMF中0℃の溶液に、水素化ナトリウム(油中60%分散液、4.32g、108mmol)を少量ずつ加え、反応物を周辺温度に温めた。この混合物に、5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(24.6g、108mmol)を加え、この反応物を一晩周辺温度で撹拌した。この反応物を水(1000mL)に注ぎ入れ、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水(3×)およびブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリルを生成した(15g、48%)。
ステップB:5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリル(15g、52mmol)に濃縮H2SO4(30mL)を加え、スラリーを一晩撹拌したまま置いた。この時点でこの物質は完全に溶解した。この反応物を0℃の水に少量ずつ注ぎ入れた。温度を20℃より低く維持しながら、NaOHペレットの添加によりこの水層をpHが約5となるように塩基性化した。この時点で固体が形成された。この固体を濾過し、残っている水層をEtOAcで抽出した。有機層を固体と合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリンアミドを生成した(11g、69%)。
ステップC:NaOH(2M、90mL、182mmol)の0℃の溶液に、臭素(8.71g、54mmol)を加え、反応物を0℃で30分間撹拌した。この混合物にジオキサン(100mL)中の5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリンアミド(11.2g、36.3mmol)を加え、反応物を周辺温度で1時間撹拌し、続いて1時間80℃に加熱した。この反応物を周辺温度に冷却し、濃縮HClを用いてpH1に酸性化した。この反応物を塩基性化し、固体を沈殿させた。この固体を濾過し、真空中で乾燥させることによって、5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミンを生成した(4.1g、41%)。
ステップD:DI水1000mL中にヒドロキシルアミン塩酸塩(51.0g、734mmol)を加え、反応物を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(38.1g、360mmol)を大きく3つに分けて加え、反応物を15分間撹拌した。THF(700mL)をこの反応物に加え、THF800mL中の(R)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒド(125g、734mmol)を一度に加えた。この反応物を4時間撹拌し、次いで4L分液ロートに注ぎ入れた。層を分離させ、水層をMTBE(全量約3000mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(700mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、透明な粘稠の油として(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシムを生成した(135g、99%)。
ステップE:2L4口丸底フラスコに、DMF750mL中に溶解した(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシム(135.1g、729.4mmol)を加えた。この反応物を水槽内に置き、1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(97.40g、729.4mmol)を2分間に渡り少しずつ加えた。この反応物を水槽内で3時間撹拌した。この反応物をMTBE2Lで希釈し、水1Lで洗浄した。水をMTBE500mLで抽出した。合わせた有機層を水(5×800mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、緑色の粘稠の油として、付加された(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、98%)。
ステップF:5L4口フラスコに、THF2.5L中の(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(158g、719mmol)を加えた。この物質を3℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド(56.1ml、719mmol)を10分間に渡り10mLの分量ずつ加えた。次に、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(126ml、719mmol)を12分間に渡り滴下ロートを介して加えた。この反応物を氷浴中で30分間撹拌し、次いで周辺温度で1時間撹拌した。この反応物を濾過させ、固体をMTBE(約3L)で洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をシリカゲル上で(シリカ3kg、7:1から3:1Hex/EtOAc)精製することによって、油を生成し、これを真空下でゆっくりと固化した。この固体を乳鉢および乳棒を用いて砕き、ヘキサン(約1000mL)で洗浄し、乾燥させることによって、白色の固体として(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、531mmol、収率73.8%)。
ステップG:アセトニトリル100mL中に、チオイソシアン酸ナトリウム(1.5g、20mmol)、ピリジン(3.5g、44mmol)を加え、続いて(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(5.2g、18mmol)を加え、この反応物を30分間60℃に加熱した。5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミン(4.1g、15mmol)を加え、この反応物を一晩60℃で加熱した。この反応物を、容量が四分の一になるように濃縮し、残留物をEtOAcと水の間で分離させ、1N NaOHで塩基性にした。有機層を分離させ、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。この物質をシリカゲル上で(CH2Cl2中25%EtOAc)精製することによって、(S)−N−(5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(5.4g、73%)。
ステップH:(S)−N−(5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(3.1g、6.14mmol)のジオキサン(30mL)中の、窒素で持続的にパージした溶液に、Xanphos(0.177g、0.303mmol)、Pd2dba3(0.14g、0.153mmol)、メチル3−メルカプトプロパノエート(0.73g、6.14mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.17mL、6.45mmol)を加え、この反応物を一晩80℃で加熱した。この反応物を真空中で濃縮し、残留物をシリカゲル上で(5%MeOH/CH2Cl2)精製することによって、(S)−メチル3−(6−(3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イルアミノ)−5−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−3−イルチオ)プロパノエートを生成した(2.3g、68%)。
ステップI:(S)−メチル3−(6−(3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イルアミノ)−5−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−3−イルチオ)プロパノエート(0.428g、0.787mmol)のTHF(20mL)中溶液に、カリウム2−メチルプロパン−2−オラート(THF中1M、2.36ml、2.36mmol)を加え、反応物を周辺温度で5分間撹拌した。(ブロモメチル)シクロプロパン(0.106g、0.787mmol)を加え、続いてDMF(5mL)を加え、反応物を周辺温度で1時間撹拌した。この反応物をEtOAc(500mL)に注ぎ入れ、有機層を1:1水溶液、1N NaOH(全量100mL)およびブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上で(40%EtOAc/CH2Cl2)精製することによって、(S)−N−(5−(シクロプロピルメチルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(0.30g、0.586mmol、収率74.5%)。
ステップJ:(S)−N−(5−(シクロプロピルメチルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(0.30g、0.586mmol)のエタノール(20mL)中溶液に、1M HCl(0.87mL)を加え、この反応物を2時間80℃に加熱した。この反応物を冷却し、真空中で濃縮し、固体をエタノールで粉砕した。この固体を真空中で乾燥させることによって、モノHCl塩として(S)−1−(5−(5−(シクロプロピルメチルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオールを生成した(0.146g、0.338mmol、収率57.7%)。質量スペクトル(apci)m/z=432.0(M+H−HCl)。
実施例137
(S)−1−(5−(3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール
ステップA:2−ブロモピリジン−3−イルアセテート(10g、46mmol)をTHF(80mL)およびトリエチルアミン(32ml、231mmol)中に溶解し、エチニルトリメチルシラン(19.5ml、139mmol)およびCuI(0.44g、2.3mmol)を加えた。この混合物をアルゴンで15分間脱気し、次いでPdCl2(PPh3)2(1.6g、2.3mmol)を加え、混合物をアルゴン下、周辺温度で18時間撹拌した。この反応物を真空中で濃縮し、ヘキサン中の25%EtOAcに溶解し、濾過し、シリカゲル上で(25%酢酸エチル/ヘキサン)精製することによって、2−((トリメチルシリル)エチニル)ピリジン−3−イルアセテートを生成した(9.7g、41mmol)。
ステップB:2−((トリメチルシリル)エチニル)ピリジン−3−イルアセテート(9.5g、41mmol)のTHF(200mL)中溶液に、水(25ml)を加えた。この反応物を0℃に冷却し、TBAF(1M、45ml、45mmol)を加えた。混合物を周辺温度に温め、1時間撹拌した。水(100mL)を加え、容量を2分の1に減らした。生成物をエーテル(3×100mL)へと抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。この溶液を真空中で濃縮することによって、淡褐色の油として2−エチニルピリジン−3−イルアセテートを生成した(5.5g、34mmol)。
ステップC:2−エチニルピリジン−3−イルアセテート(5.0g、31mmol)のエタノール(50mL)中溶液に、PtO2(0.50g、2.2mmol)を加えた。混合物を窒素で脱気し、水素の二重層バルーン下に置いた。この反応物を周辺温度で30分間撹拌し、次いで濾過し、真空中で濃縮することによって、2−エチルピリジン−3−イルアセテートを得た(5.1g、31mmol)。これを、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
ステップD:2−エチルピリジン−3−イルアセテート(5.1g、31mmol)のエタノール(50mL)中溶液に、3M LiOH(50mL、150mmol)を加えた。この反応混合物を周辺温度で30分間撹拌した。この混合物を乾燥濃縮し、シリカゲル上で(CH2Cl2中10%MeOH)精製することによって、2−エチルピリジン−3−オールを生成した(2.5g、20mmol)。
ステップE:2−エチルピリジン−3−オール(2.5g、20.3mmol)のDMF(20ml)中0℃の溶液に、水素化ナトリウム(0.512g、21.3mmol)を加えた。15分後、5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(4.63g、20.3mmol)を加え、この混合物を周辺温度にゆっくりと温めさせておき、2時間撹拌した。ピリジン−2−チオール(0.804g、7.23mmol)を加え、続いて水素化ナトリウム(0.182g、7.60mmol)を加え、混合物を周辺温度で一晩撹拌した。水(200ml)を加え、混合物をジエチルエーテル(3×100mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中の25から75%EtOAc)精製することによって、3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリルを生成した(1.4g、4.19mmol)。
ステップF:3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリル(1.4g、4.19mmol)を濃硫酸(10mL)中で、一晩周辺温度で撹拌した。氷(100g)を加え、4M NaOHを用いて溶液を中和した。温度を20℃より低く維持するため、必要に応じて氷を加えた。生成物を酢酸エチルへと抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミドを生成した(1.5g、4.2mmol)。
ステップG:NaOH(10.6ml、21.2mmol)の1M溶液を0℃に冷却し、臭素(0.38ml、7.4mmol)を加えた。この混合物を周辺温度で30分間撹拌した。ジオキサン(15mL)を加え、続いて3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミド(1.50g、4.25mmol)を加えた。この混合物を周辺温度で30分間撹拌した。溶液がpH1になるまで濃縮したHClを加え、混合物を5分間撹拌した。この反応物を1M NaOHで塩基性にし、生成物を酢酸エチル(3×100mL)へと抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。この溶液を濃縮し、シリカゲル上で(ヘキサン中50から100%EtOAc)精製することによって、3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミンを生成した(0.620g、1.91mmol)。
ステップH:DI水1000mL中にヒドロキシルアミン塩酸塩(51.0g、734mmol)を加え、反応物を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(38.1g、360mmol)を大きく3つに分けて加え、反応物を15分間撹拌した。THF(700mL)を反応物に加え、(R)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒド(125g、734mmol)をTHF800mL中で一度に加えた。この反応物を4時間撹拌し、次いで4L分液ロートに注ぎ入れ、層を分離させた。水層をMTBE(全量約3000mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(700mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、透明な粘稠の油として(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシムを生成した(135g、99%)。
ステップI:2L4口丸底フラスコに、(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシム(135.1g、729.4mmol)およびDMF750mLを加えた。この反応物を水槽内に置き、1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(97.40g、729.4mmol)を2分間に渡り少しずつ加えた。この反応物を水槽内で3時間撹拌した。この反応物をMTBE2Lで希釈し、水1Lで洗浄した。水をMTBE500mLで抽出し、合わせた有機層を水(5×800mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、緑色の粘稠の油として、付加された(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、98%)。
ステップJ:5L4口フラスコに、THF2.5L中の(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(158g、719mmol)を加えた。この物質を3℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド(56.1ml、719mmol)を10分間に渡り10mLの分量ずつ加えた。次に、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(126ml、719mmol)を12分間に渡り滴下ロートを介して加えた。この反応物を氷浴内で30分間撹拌し、次いで周辺温度で1時間撹拌した。この反応物を濾過し、この固体をMTBE(約3L)で洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をクロマトグラフィー(3kgシリカ、7:1から3:1Hex/EtOAc)で精製することによって、油を生成し、これを真空下でゆっくりと固化した。固体を乳鉢および乳棒を用いて砕き、ヘキサン(約1000mL)で洗浄し、乾燥させることによって、白色の固体として(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、531mmol、収率73.8%)。
ステップK:(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(0.854g、2.87mmol)、ピリジン(0.618ml、7.64mmol)およびチオシアン酸ナトリウム(0.310g、3.82mmol)をアセトニトリル(10mL)中に溶解した。この溶液を30分間60℃に加熱した。3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミン(0.620g、1.91mmol)を加え、反応物を60℃で一晩加熱した。この溶液をNaHCO3飽和水溶液でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。この物質をシリカゲル上で(ヘキサン中の25から100%酢酸エチル)精製することによって(S)−N−(3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(0.600g、1.09mmol)。
ステップL:(S)−N−(3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(0.600g、1.09mmol)をエタノール(25ml)および水(600mg)中に溶解し、濃縮HCl(600mg)を加えた。混合物を2時間加熱還流し、真空中で濃縮し、溶解し、EtOH(2×50mL)で濃縮した。この物質をアセトニトリルから粉砕することによって、固体として(S)−1−(5−(3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール(0.420g、0.90mmol、82%)を生成した。質量スペクトル(apci)m/z=469.1(M+H−HCl)。
実施例138
(S)−1−[5−(5−[3−メトキシプロピルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩
ステップA:2−メチルピリジン−3−オール(11.8g、108mmol)のDMF中0℃の溶液に、水素化ナトリウム(油中60%分散液、4.32g、108mmol)を少量ずつ加え、反応物を周辺温度に温めた。この混合物に5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(24.6g、108mmol)を加え、この反応物を一晩周辺温度で撹拌した。この反応物を水(1000mL)に注ぎ入れ、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリルを生成した(15g、48%)。
ステップB:5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリル(15g、52mmol)に、濃縮H2SO4(30mL)を加え、このスラリーを一晩撹拌した。この時点で物質は完全に溶解した。この反応物を少量ずつ0℃の水に注ぎ入れた。温度を20℃より低く維持しながら、NaOHペレットの添加によりpHが約5になるように水層を塩基性化した。この時点で固体が形成された。固体を濾過し、残っている水層をEtOAcで抽出した。有機層を固体と合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリンアミドを生成した(11g、69%)。
ステップC:NaOH(2M、90mL、182mmol)の0℃溶液に、臭素(8.71g、54mmol)を加え、反応物を0℃で30分間撹拌した。この混合物に、ジオキサン(100mL)中の5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリンアミド(11.2g、36.3mmol)を加え、反応物を周辺温度で1時間撹拌し、続いて1時間の間80℃に加熱した。この反応物を周辺温度に冷却し、濃縮HClを用いてpH1に酸性化した。この反応物を塩基性化し、固体を沈殿させた。この固体を濾過し、真空中で乾燥させることによって、生成物5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミンを生成した(4.1g、41%)。
ステップD:DI水1000mL中にヒドロキシルアミン塩酸塩(51.0g、734mmol)を加え、反応物を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(38.1g、360mmol)を3つに大きく分けて加え、反応物を15分間撹拌した。THF(700mL)をこの反応物に加え、(R)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒド(125g、734mmol)をTHF800mL中で一度に加えた。この反応物を4時間撹拌し、4L分液ロートに注ぎ入れ、層を分離させた。水層をMTBE(全量約3000mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(700mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、透明な粘稠の油として(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシムを生成した(135g、99%)。
ステップE:2L4口丸底フラスコに、DMF750mL中に溶解した(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシム(135.1g、729.4mmol)を加えた。この反応物を水槽内に置き、1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(97.40g、729.4mmol)を2分間に渡り少しずつ加えた。この反応物を水槽内で3時間撹拌させ、次いでMTBE2Lで希釈し、水1Lで洗浄した。この水をMTBE500mLで抽出した。合わせた有機層を水(5×800mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、緑色の粘稠の油として、付加された(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、98%)。
ステップF:5L4口フラスコ中に、THF2.5L中の(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(158g、719mmol)を加えた。この物質を3℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド(56.1ml、719mmol)を10分間に渡り10mLの分量ずつ加えた。次に、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(126ml、719mmol)を12分間に渡り滴下ロートを介して加えた。この反応物を氷浴内で30分間撹拌し、次いで周辺温度で1時間撹拌した。この反応物を濾過し、この固体をMTBE(約3L)で洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をシリカゲル上で(3kgシリカ、7:1から3:1ヘキサン/EtOAc)精製することによって、油を生成し、これをゆっくりと真空下で固化した。この固体を乳鉢および乳棒を用いて砕き、ヘキサン(約1000mL)で洗浄し、乾燥させることによって、白色の固体として(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、531mmol、収率73.8%)。
ステップG:アセトニトリル100mL中に、チオイソシアン酸ナトリウム(1.5g、20mmol)、ピリジン(3.5g、44mmol)を加え、続いて(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(5.2g、18mmol)を加え、反応物を30分間60℃に加熱した。5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミン(4.1g、15mmol)を加え、反応物を一晩60℃で加熱した。この反応物を約4分の1の容量に濃縮し、残留物をEtOAcと水層の間で分離させ、1N NaOHで塩基性にした。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。この物質をシリカゲル(CH2Cl2中25%EtOAc)上で精製することによって、(S)−N−(5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(5.4g、73%)。
ステップH:(S)−N−(5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(3.1g、6.14mmol)のジオキサン(30mL)中の、持続的に窒素でパージした溶液に、Xanphos(0.177g、0.303mmol)、Pd2dba3(0.14g、0.153mmol)、メチル3−メルカプトプロパノエート(0.73g、6.14mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.17mL、6.45mmol)を加え、反応物を一晩80℃で加熱した。この反応物を真空中で濃縮し、残留物をシリカゲル上で(5%MeOH/CH2Cl2)精製することによって、(S)−メチル3−(6−(3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イルアミノ)−5−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−3−イルチオ)プロパノエートを生成した(2.3g、68%)。
ステップI:(S)−メチル3−(6−(3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イルアミノ)−5−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−3−イルチオ)プロパノエート(105mg、0.19mmol)をTHF(5ml)中に溶解し、KOtBu(65mg、0.58mmol)を加えた。この混合物を30分間かき混ぜ、1−ブロモ−3−メトキシプロパン(37mg、0.24mmol)を加えた。この混合物を1時間かき混ぜ、酢酸エチルで希釈し、重曹溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をシリカゲル上で(60−75%酢酸エチル/ヘキサン)精製することによって、ガラス状の無色の固体として(S)−N−(5−(3−メトキシプロピルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(85mg、収率83%)。
ステップJ:(S)−N−(5−(3−メトキシプロピルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(85mg、0.16mmol)をエタノール(5ml)中に溶解し、1M HCl(0.5ml)を加えた。この混合物を70℃に加熱し、3時間かき混ぜた。冷却してから、反応物を酢酸エチルで希釈し、炭酸ナトリウム溶液で塩基性化し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。生成した固体を少量のジクロロメタンで溶解し、エーテル中の1M HClで処理した。蒸発後、(S)−1−(5−(5−(3−メトキシプロピルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩(65mg、収率90%)を白色の固体として得た。質量スペクトル(apci)m/z=450.1(M+H−HCl)。
実施例139
(S)−1−(5−(3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩
ステップA:1Lガラスビーカー中で、エチルヒドラジンオキサレート(51.4g、342mmol)を水(300ml)と合わせた。生成したスラリーに50%w/vNaOH溶液(75.5g)を加えることによって、pHを9.5に調整した(pHメータによる。)。この混合物を40℃に加熱し、メチル−トランス−3−メトキシアクリレート(24.5ml、228mmol)を1時間に渡り滴加した。50%w/vNaOH溶液の添加により、pHを定期的に9.0−9.5の範囲に調整した。添加完了後、混合物をさらに3時間40℃でかき混ぜ、pHを時々約9.0−9.5に調整した。この混合物を5℃に冷却し、濾過した。濾液を約150mlまで蒸発させ、5℃に冷却し、再び濾過した。6M HCl(45ml)を用いて濾液をpH3−4まで酸性化し、クロロホルム/イソプロパノールの3:1混合物で8回抽出した。合わせた抽出を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。この粗生成物をシリカゲル上で(20%MeOH/EtOAc)精製することによって、黄色の固体として1−エチル−1H−ピラゾール−5−オールを生成した(18.3g、収率71%)。
ステップB:5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(24.0g、105mmol)、1−エチル−1H−ピラゾール−5−オール(13.0g、116mmol)および炭酸ナトリウム(11.2g、105mmol)をアセトニトリル(400ml)と合わせた。この混合物を20時間加熱還流し、次いで周辺温度に冷却し、濾過し、蒸発させた。残留物を酢酸エチル(800ml)中に溶解し、水(3×200ml)およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。この粗原料をシリカゲル上で(15:35:50、次いで20:30:50酢酸エチル/クロロホルム/ヘキサン)で精製することによって、白色の固体として5−ブロモ−3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)ピコリノニトリルを生成した(16.4g、収率53%)。
ステップC:5−ブロモ−3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)ピコリノニトリル(16.1g、55mmol)および炭酸セシウム(17.9g、55mmol)をDMF(160ml)中で合わせ、DMF(40ml)中に溶解したピリジン−2−チオール(6.1g、55mmol)を30分間に渡り滴加した。この混合物を1時間かき混ぜ、塩化アンモニウム飽和溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物抽出物を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。残留物をシリカゲル上で(20−35%酢酸エチル/ヘキサン)精製することによって、白色固体として3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリルを生成した(16.6g、収率93%)。
ステップD:3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリル(16.6g、51.33mmol)を−10℃に冷却し、同じ温度に冷却した濃縮HCl(120ml、1440mmol)をゆっくりと加えた。固体が大部分溶解するまで(30分間)、この混合物を冷却槽内でかき混ぜた。槽を取り除き、混合物を24時間かき混た。次いでこの混合物を−10℃に冷却し、温度を20℃より低く保ちながら、氷(150g)と50%w/vNaOH(120ml)の混合物をゆっくりと加えることによって、pHを約12−13に調整した。次いで混合物をジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機抽出物を重曹溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させることによって、高粘度の琥珀色の油として3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミド(16.5g、収率94%)を生成し、これを後に固化した。
ステップE:KOH(15.99ml、47.98mmol)の3M溶液を0℃槽内で冷やし、臭素(0.5120ml、9.996mmol)を一度に加え、混合物を15分間撹した。ジオキサン(10ml)中に溶解した3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミド(1.365g、3.998mmol)の溶液を加え、生成した混合物を一晩周辺温度で撹拌した。大部分のジオキサンを真空中で取り除き、生成した水性混合物をEtOAcで抽出した。有機抽出物を水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、粗原料3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミンを生成した(1.12g、3.574mmol、収率89.39%)(LCによると、生成物82%、出発物質18%)。この粗生成物は、さらなる精製なしで、次のステップでそのまま引き継いで使用した。
ステップF:DI水1000mL中に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(51.0g、734mmol)を加え、反応物を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(38.1g、360mmol)を大きく3つに分けて加え、反応物を15分間撹拌した。THF(700mL)をこの反応物に加え、THF800mL中の(R)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒド(125g、734mmol)を一度に加えた。この反応物を4時間撹拌し、4L分液ロートに注ぎ入れ、層を分離させた。水層をMTBE(全量約3000mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(700mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、透明な粘稠の油として(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシムを生成した(135g、99%)。
ステップG:2L4口丸底フラスコに、DMF750mL中に溶解した(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシム(135.1g、729.4mmol)を加えた。この反応物を水槽内に置き、1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(97.40g、729.4mmol)を2分間に渡り少しずつ加えた。この反応物を水槽内で3時間撹拌し、次いでMTBE2Lで希釈し、水1Lで洗浄した。この水をMTBE500mLで抽出した。合わせた有機層を水(5×800mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、緑色の粘稠の油として、付加された(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、98%)。
ステップH:5L4口フラスコ中で、THF2.5L中の(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(158g、719mmol)を加えた。この物質を3℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド(56.1ml、719mmol)を10分間に渡り10mLの分量ずつ加えた。次に、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(126ml、719mmol)を12分間に渡り滴下ロートを介して加えた。この反応物を氷浴内で30分間撹拌し、次いで周辺温度で1時間撹拌した。この反応物を濾過し、この固体をMTBE(約3L)で洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をクロマトグラフィー(3kgシリカ、7:1から3:1ヘキサン/EtOAc)で精製することによって、油を生成し、これを真空下でゆっくりと固化した。この固体を乳鉢および乳棒を用いて砕き、ヘキサンで洗浄し(約1000mL)、乾燥させることによって、白色の固体として(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、531mmol、収率73.8%)。
ステップI:EtOAc75mLに、イソチオシアン酸ナトリウム(0.579g、7.15mmol)、ピリジン(0.874ml、10.7mmol)および(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(2.13g、7.15mmol)を加え、反応物を50℃で30分間加熱した。この反応混合物を3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミン(1.12g、3.57mmol)に加え、反応物を75℃で65時間撹拌した。この反応物を冷却し、EtOAc50mlおよび1N NaOH75mlで希釈した。水層をEtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(75%EtOAc/ヘキサン)精製することによって、黄褐色の固体として(S)−N−(3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(1.24g、2.31mmol、収率64.5%)。
ステップJ:EtOH(25ml)中の(S)−N−(3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(1.24g、2.31mmol)とH2O(1.09ml、2.31mmol)の混合物に、濃縮HCl(0.480ml、5.77mmol)を加え、反応物を8時間加熱還流した。この反応物を周辺温度まで冷却させておき、一晩撹拌した。この混合物を濃縮して、残留物を生成させた。これをEtOAcおよび飽和した水性NaHCO3中に溶解した。合わせた有機層を水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(3%MeOH/CH2Cl2)精製することによって、クリーム色の固体として(S)−1−(5−(3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオールを生成した。この固体をCH2Cl2(25ml)中に溶解し、Et2O(20ml)中の1N HClを加えた。この混合物を乾燥濃縮し、真空オーブン内で乾燥させることによって、オフホワイト色の固体として(S)−1−(5−(3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩を生成した(0.569g、収率49.9%)。質量スペクトル(apci)m/z=458.1(M+H−HCl)。
実施例140
(S)−1−(5−(3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール
ステップA:1Lガラスビーカー中で、エチルヒドラジンオキサレート(51.4g、342mmol)を水(300ml)と合わせた。pHを9.5に調整する(pHメータを使用)ために、生成したスラリーに、50%w/vNaOH溶液(75.5g)を加えた。この混合物を40℃に加熱し、メチルトランス−3−メトキシアクリレート(24.5ml、228mmol)を1時間に渡り滴加した。50%w/vNaOH溶液の添加によって、pHを定期的に約9.0−9.5に調整した。添加完了後、混合物をさらに3時間40℃でかき混ぜ、pHを時々約9.0−9.5に調整した。この混合物を5℃に冷却し、濾過した。濾液を約150mlまで蒸発させ、5℃に冷却し、濾過した。濾液を6M HCl(45ml)でpH3−4まで酸性化し、クロロホルム/イソプロパノールの3:1混合物で8回抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮した。この粗生成物をシリカゲル上で(20%MeOH/EtOAc)精製することによって、黄色の固体として1−エチル−1H−ピラゾール−5−オールを生成した(18.3g、収率71%)。
ステップB:5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(24.0g、105mmol)、1−エチル−1H−ピラゾール−5−オール(13.0g、116mmol)および炭酸ナトリウム(11.2g、105mmol)をアセトニトリル(400ml)と合わせた。この混合物を20時間加熱還流した。次いで混合物を周辺温度に冷却し、濾過し、蒸発させた。残留物を酢酸エチル(800ml)中に溶解し、水(3×200ml)およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。この粗原料をシリカゲル上で(15:35:50、次いで20:30:50酢酸エチル/クロロホルム/ヘキサン)精製することによって、白色の固体として5−ブロモ−3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)ピコリノニトリルを生成した(16.4g、収率53%)。
ステップC:5−ブロモ−3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)ピコリノニトリル(16.1g、55mmol)および炭酸セシウム(17.9g、55mmol)をDMF(160ml)と合わせ、DMF(40ml)中に溶解したピリジン−2−チオール(6.1g、55mmol)を30分間に渡り滴加した。次いでこの混合物を1時間かき混ぜ、塩化アンモニウム飽和溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。残留物をシリカゲル上で(20−35%酢酸エチル/ヘキサン)精製することによって、白色の固体として3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリルを生成した(16.6g、収率93%)。
ステップD:3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミド:3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリルの調製物(16.6g、51.33mmol)を−10℃に冷却し、同じ温度に冷却した濃縮HCl(120ml、1440mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を固体の大部分が溶解するまで(30分間)冷却槽内でかき混ぜた。槽を取り除き、混合物を24時間かき混ぜた。次いでこれを−10℃に冷却し、温度を20℃より低く保ちながら氷(150g)と50%w/vNaOH(120ml)の混合物をゆっくりと加えることによって、pHを12−13に調整した。この混合物をジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機抽出物を重曹溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させることによって、高粘度の琥珀色の油として3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミドを生成し(16.5g、収率94%)、これを後に固化した。
ステップE:KOH(15.99ml、47.98mmol)の3M溶液を0℃槽内で冷やし、臭素(0.5120ml、9.996mmol)を一度に加え、混合物を15分間撹拌した。ジオキサン(10ml)中に溶解した3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミド(1.365g、3.998mmol)溶液を加えた。次いで生成した混合物を周辺温度で一晩撹拌した。ジオキサンの大部分を真空中で取り除き、生成した水性混合物をEtOAcで抽出し、有機物を水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、粗原料3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミンを生成した(1.12g、3.574mmol、収率89.39%)(LCにより、生成物82%および出発物質18%)。この粗生成物は、さらなる精製なしで、次のステップでそのまま引き継いで使用した。
ステップF:(R)−2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒド(16g、101mmol)(Burger、A. Synthesis、1989年、(2)93−97頁)を1:1メタノール:水(250mL)中に溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩(7.0g、101mmol)およびNa2CO3(5.4g、51mmol)を加え、この反応物を周辺温度で2時間撹拌した。メタノールを真空中で部分的に取り除き、水層をCH2Cl2で抽出し、乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、琥珀色の油として(S)−2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドオキシムを生成した(13g、75mmol、収率74%)。
ステップG:(S)−2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドオキシム(13g、75.1mmol)をDMF(200mL)中に溶解し、氷浴内で冷却した。1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(10.0g、75.1mmol)を加え、周辺温度にゆっくりと温めながら、反応物を一晩撹拌した。淡黄色の溶液を水(1.5L)に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中40%EtOAc)精製することによって、(R)−N−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリドを生成した(12.4g、59.7mmol、収率79.6%)。
ステップH:(R)−N−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリド(12.4g、59.7mmol)をEt2O(200mL)中に溶解し、氷浴内で冷却した。メタンスルホニルクロリド(4.6ml、59.7mmol)を加えた。トリエチルアミン(8.3ml、59.7mmol)をゆっくりと加え、反応物を氷浴内で30分間撹拌した。反応物を濾過し、濃縮した。この残留物をシリカゲル上で(100%CH2Cl2)精製することによって、白色の固体として(R)−2,2,5,5−テトラメチル−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリドを生成した(11.3g、39.55mmol、収率66.22%)。
ステップI:EtOAc30mLに、イソチオシアン酸ナトリウム(0.0970g、1.20mmol)、ピリジン(0.195ml、2.39mmol)および(R)−2,2,5,5−テトラメチル−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリド(0.342g、1.20mmol)を加えた。この反応物を15分間60℃に加熱した。この混合物に3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミン(0.250g、0.798mmol)を加え、反応物を70℃で一晩撹拌した。この反応物を冷却し、EtOAc50mlおよび1N NaOH50mlで希釈した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上で(50%EtOAc/ヘキサン)精製することによって、(S)−N−(3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(0.134g、0.255mmol、収率32.0%)。
ステップJ:EtOH(5ml)中の(S)−N−(3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(0.134g、0.255mmol)と水(0.227ml、0.255mmol)の混合物に、濃縮HCl(0.0531ml、0.637mmol)を加え、反応物を5時間加熱還流した。この反応物を濃縮して残留物を得た。これをEtOAcとNaHCO3飽和水溶液の間で分離させた。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、白色の固体として(S)−1−(5−(3−(1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール(0.115g、収率92.9%)を得た。質量スペクトル(apci)m/z=468.1(M+H−H2O)。
実施例141
(S)−1−5−(5(3−メチルピリジン−2−イルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩
ステップA:チオ尿素(22.1g、291mmol)を2−ブロモ−3−メチルピリジン(25.0g、145mmol)のエタノール(500mL)中溶液に加え、一晩還流させた。この反応物を周辺温度に冷却し、水酸化ナトリウム(2.33ml、14.5mmol)の25%水溶液を加えた。この反応物を1時間加熱還流し、冷却した。蝋様の固体が形成された。この反応混合物を酢酸エチル(600mL)と水(1L)の間で分離させ、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。この固体を1時間エーテル(150mL)で粉砕し、濾過することによって、黄色の粉末として3−メチルピリジン−2−チオールを生成した(5.69g、45.5mmol、収率31.3%)。
ステップB:2−メチルピリジン−3−オール(11.8g、108mmol)のDMF中0℃の溶液に、水素化ナトリウム(油中60%分散液、4.32g、108mmol)を小量ずつ加え、この反応物を周辺温度に温めた。この混合物に、5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(24.6g、108mmol)を加え、この反応物を一晩周辺温度で撹拌した。この反応物を水(1000mL)に注ぎ入れ、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリルを生成した(15g、48%)。
ステップC:3−メチルピリジン−2(1H)−チオン(0.906g、7.24mmol)および5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリル(2.00g、6.89mmol)をDMF(12mL)中に溶解し、この混合物を0℃に冷却した。水素化ナトリウム(95%、0.183g、7.24mmol)をゆっくりと加え、反応物を周辺温度に温め、一晩撹拌した。反応混合物を水(100mL)に注ぎ入れ、30分間撹拌し、次いで濾過することによって固体を生成した。これをシリカゲル上で(2:3ヘキサン:酢酸エチル)で精製した。UV活性のある第2の画分を溶離のために濃縮することによって、淡黄色/オフホワイト色の粉末/結晶として5−(3−メチルピリジン−2−イルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリルを生成した(1.40g、4.19mmol、収率60.7%)。
ステップD:濃硫酸(8mL)を5−(3−メチルピリジン−2−イルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリル(1.40g、4.19mmol)に加えた。この反応物を週末にかけて撹拌し、次いで氷(100g)上に注ぎ、氷浴内で冷却し、50%NaOHでpH10へと塩基性にした。この反応混合物を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮することによって、無色の油として5−(3−メチルピリジン−2−イルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリンアミドを生成した(1.40g、3.97mmol、収率94.9%)。これが真空下、一晩で白色の結晶性固体となった。
ステップE:2N水酸化ナトリウム(8.94ml、17.9mmol)の0℃の溶液に、臭素(0.825g、5.16mmol)を一度に加えた。この反応物を15分間撹拌し、5−(3−メチルピリジン−2−イルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリンアミド(1.40g、3.97mmol)のジオキサン(30mL)中溶液を加えた。この反応物を周辺温度に対して1時間撹拌し、次いで80℃でさらに1時間撹拌した。この反応物を冷却し、次いで一晩周辺温度で撹拌した。濃縮HClを加えることによって、反応混合物を約pH2に調整し、二酸化炭素の生成が停止するまで約20分間、混合物を撹拌した。この混合物を2N NaOHと酢酸エチルの間で分離させた。有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残留物を1:5ジクロロメタン(60mL)で粉砕し、濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させることによって、淡黄色の粉末として5−(3−メチルピリジン−2−イルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミンを生成した(0.920g、2.84mmol、収率71.4%)。
ステップF:DI水1000mLに、ヒドロキシルアミン塩酸塩(51.0g、734mmol)を加え、混合物を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(38.1g、360mmol)を大きく3つに分けて加え、反応物を15分間撹拌した。THF(700mL)を反応物に加え、THF800mL中の(R)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒド(125g、734mmol)を一度に加えた。この反応物を4時間撹拌し、4L分液ロートに注ぎ入れ、層を分離させた。水層をMTBE(全量約3000mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(700mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、透明な粘稠の油として(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシムを生成した(135g、99%)。
ステップG:2L4口丸底フラスコに、DMF750mL中に溶解した(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシム(135.1g、729.4mmol)を加えた。この反応物を水槽内に置き、1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(97.40g、729.4mmol)2分間に渡り少しずつ加えた。この反応物を水槽内で3時間撹拌し、次いでMTBE2Lで希釈し、水1Lで洗浄した。この水をMTBE500mLで抽出した。合わせた有機層を水(5×800mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、緑色の粘稠の油として、付加された(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、98%)。
ステップH:5L4口フラスコに、THF2.5L中の(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(158g、719mmol)を加えた。この物質を3℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド(56.1ml、719mmol)を10分間に渡り10mLの分量ずつ加えた。N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(126ml、719mmol)を12分間に渡り滴下ロートを介して加えた。この反応物を氷浴内で30分間撹拌し、次いで周辺温度で1時間撹拌した。反応物を濾過し、固体をMTBE(約3L)で洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をシリカゲル上で(7:1から3:1ヘキサン/EtOAc)精製することによって、油を生成した。これをする真空下でゆっくりと固化した。この固体を乳鉢および乳棒を用いて砕き、ヘキサン(約1000mL)で洗浄し乾燥させることによって、白色の固体として(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、531mmol、収率73.8%)。
ステップI:アセトニトリル(50mL)に、イソチオシアン酸ナトリウム(0.1749g、2.158mmol)、ピリジン(0.3740ml、4.624mmol)を加え、続いて(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(0.5507g、1.850mmol)を加え、生成した混合物を30分間60℃に加熱した。5−(3−メチルピリジン−2−イルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミン(0.500g、1.541mmol)を加え、反応物を一晩60℃で撹拌した。この反応物を真空中で濃縮し、残留物を酢酸エチルと1N NaOHの間で分離させた。有機層を分離させ、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残留物をシリカゲル(100%酢酸エチル)上で乾燥させた。Rf0.5を有する、主要なUV活性のある画分を濃縮することによって、オフホワイト色の粉末/結晶として(S)−N−(5−(3−メチルピリジン−2−イルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(0.565g、1.030mmol、収率66.8%)。
ステップJ:(S)−N−(5−(3−メチルピリジン−2−イルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(0.565g、1.03mmol)のエタノール(25mL)中溶液に、6N HCl(2mL)水溶液を加えた。この反応物を80℃で2時間加熱し、周辺温度に冷却し、30分間撹拌し、次いで0℃で1時間冷却した。この反応物を濾過し、冷たいエタノール、ヘキサンで洗浄し、乾燥することによって、白色の結晶として(S)−1−(5−(5−(3−メチルピリジン−2−イルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩を生成した(0.450g、0.891mmol、収率86.5%)。質量スペクトル(apci)m/z=469.1(M+H−HCl)。
実施例142
(S)−1−(5−(3−(2,4−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩
ステップA:フラスコに、2,4−ジメチルピリジン−3−オール(9.0g、73.1mmol)を仕込み、DMF(80mL)を加えた。水素化ナトリウム(2.03g、80.4mmol)を加え、反応物を15分間撹拌した。5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(16.7g、73.1mmol)を加え、反応物を25分間撹拌した。反応混合物を飽和したNH4Cl600mLおよび水600mLに注ぎ入れ、次いで濾過し、水および少量のヘキサンで洗浄し、高真空で乾燥させることによって、薄い黄褐色の固体として5−ブロモ−3−(2,4−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリルを得た(20.5g、67.4mmol、収率92.2%)。
ステップB:ピリジン−2(1H)−チオン(0.768g、6.90mmol)および5−ブロモ−3−(2,4−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリル(2.00g、6.58mmol)をDMF(12mL)に加え、0℃に冷却した。95%水素化ナトリウム(0.174g、6.90mmol)をゆっくりと加え、反応物を周辺温度に温め、一晩撹拌した。この反応混合物を水(100mL)に注ぎ入れ、30分間撹拌した。濾過できない濁った乳状溶液が生じた。この反応物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで2回洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(2:3から0:1ヘキサン:酢酸エチル)精製することによって、白色の粉末として3−(2,4−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリルを生成した(2.03g、6.07mmol、収率92.3%)。
ステップC:濃硫酸(8mL)を、3−(2,4−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリル(2.03g、6.07mmol)に加えた。この反応物を一晩撹拌し、次いで氷(100g)へ注ぎ、氷浴内で冷却し、50%NaOHで、pH10へと塩基性にした。この反応物を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮することによって、白色の固体として3−(2,4−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミドを生成した(2.02g、5.73mmol、収率94.4%)。
ステップD:2N水酸化ナトリウム(12.9ml、25.8mmol)の0℃溶液に、臭素(1.19g、7.45mmol)を一度に加えた。この反応物を15分間撹拌し、次いで3−(2,4−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミド(2.02g、573mmol)のジオキサン(30mL)中溶液を加えた。この反応物を周辺温度で1時間撹拌し、80℃でさらに1時間撹拌し、次いで一晩周辺温度で撹拌した。濃縮塩酸を加えることによって、混合物を約pH2に調整した。CO2生成が鎮静し、反応物が均質になるまで、この反応物を20分間撹拌した。この反応物を2N NaOHと酢酸エチルの間で分離させた。有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮することによって、3−(2,4−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミンを生成した(1.90g、4.92mmol、収率85.8%)。
ステップE:DI水1000mL中にヒドロキシルアミン塩酸塩(51.0g、734mmol)を加え、この反応物を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(38.1g、360mmol)を大きく3つに分けて加え、この反応物を15分間撹拌した。THF(700mL)をこの反応物に加え、(R)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒド(125g、734mmol)をTHF800mL中に一度に加えた。この反応物を4時間撹拌し、4L分液ロートに注ぎ入れ、層を分離させた。水層をMTBE(全量約3000mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(700mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、透明な粘稠の油として(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシムを生成した(135g、99%)。
ステップF:2L4口丸底フラスコに、(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシム(135.1g、729.4mmol)およびDMF750mLを加えた。この反応物を水槽内に置き、1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(97.40g、729.4mmol)を2分間に渡り少しずつ加えた。この反応物を水槽内で3時間撹拌し、次いでMTBE2Lで希釈し、水1Lで洗浄した。水をMTBE500mLで抽出した。合わせた有機層を水(5×800mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、緑色の粘稠の油として、付加された(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、98%)。
ステップG:5L4口フラスコに、THF2.5L中の(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(158g、719mmol)を加えた。この物質を3℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド(56.1ml、719mmol)を10分間に渡り10mLの分量ずつ加えた。N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(126ml、719mmol)を12分間に渡り滴下ロートを介して加えた。この反応物を氷浴内で30分間撹拌し、次いで周辺温度で1時間撹拌した。この反応物を濾過し、この固体をMTBE(約3L)で洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をシリカゲル上で(7:1から3:1ヘキサン/EtOAc)精製することによって、油を生成し、これを真空下でゆっくりと固化した。この固体を乳鉢および乳棒を用いて砕き、ヘキサン(約1000mL)で洗浄し、乾燥させることによって、白色の固体として(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、531mmol、収率73.8%)。
ステップH:アセトニトリル(50mL)に、イソチオシアン酸ナトリウム(0.1469g、1.813mmol)、ピリジン(0.3141ml、3.884mmol)を加え、続いて(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(0.4626g、1.554mmol)を加え、生成した混合物を60℃で30分間加熱した。3−(2,4−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミン(0.500g、1.295mmol)を加え、この反応物を一晩60℃で撹拌した。この反応物を真空中で濃縮し、残留物を酢酸エチルと1N NaOHの間で分離させた。有機層を分離させ、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(100%酢酸エチル)精製した。Rf0.5を有する主要なUV成分を濃縮することによって、淡黄色の粉末として(S)−N−(3−(2,4−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(0.360g、0.6561mmol、収率50.7%)。
ステップI:(S)−N−(3−(2,4−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(0.360g、0.656mmol)のエタノール(25mL)中溶液に、HClの6N水溶液(2mL)を加えた。この反応物を80℃で2時間加熱し、次いで周辺温度に冷却し、30分間撹拌し、次いで0℃に冷却した。エーテル(25mL)をゆっくりと加えることによって、沈殿/結晶化を開始させた。この反応物を30分間撹拌し、次いで濾過した。この固体を数回エーテルで洗浄し、次いでヘキサンで洗浄し、真空下、50℃で一晩乾燥させることによって、淡黄色の粉末/微細結晶として(S)−1−(5−(3−(2,4−ジメチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩を生成した(0.205g、0.406mmol、収率61.9%)。質量スペクトル(apci)m/z=469.2(M+H−HCl)。
実施例143
(S)−2−メチル−1−(5−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)プロパン−1,2−ジオール塩酸塩
ステップA:窒素下の、オーバーヘッド撹拌メカニズムを備えた3000mL4口丸底フラスコ内のDMF600mLに、2−メチルピリジン−3−オール(71.8g、658mmol)を加え、この反応物を2℃に冷却した。内部温度を10℃より低く維持しながら、60%水素化ナトリウム(26.3g、658mmol)を30分間に渡り加えた。この反応物を、1時間周辺温度に温めながら撹拌した。この反応物に、DMF400mL溶液中の5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(150g、658mmol)を2回に分けて加え、反応物を1.5時間周辺温度で放置した。ピリジン−2−チオール(73.1g、658mmol)を、周辺温度で固体として少しずつ加え、この反応物を15分間撹拌することによって、この物質を溶解した。この反応物を3℃に冷却し、反応物の温度10℃より低く維持しながら、水素化ナトリウム(26.3g、658mmol)を約35分間に渡り、再び少しずつ加えた。この反応物を氷浴から取り除き、12時間撹拌しながら周辺温度へ温めた。この反応物を4容量(8L)のブラインで希釈し、30分間撹拌し、この時点で固体が形成された。この固体を濾過で取り除き、濾液をMTBE(全量10L)で抽出した。このMTBE相を真空中で濃縮した。固体を濃縮した物質と合わせ、酢酸エチル(3L)中に溶解した。EtOAcをブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。形成した固体を砕いて粉末にし、真空中で4時間乾燥させた。この物質をMTBE30mL/生成物10gで取り出し、反応物を30分間撹拌した。固体を濾過し、真空中で乾燥させた(2時間)。母液を濃縮し、MTBE(同じ希釈速度)で再び粉末にした。この固体を合わせ、3時間真空中で乾燥させることによって、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリルを生成した(181g、85%)。
ステップB:氷浴を用いて冷却した濃縮H2SO4(90mL)に、内部温度が50℃を超えず、しかも25℃より低くならないようにして、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリル(43g、130mmol)を少しずつ加えた。添加完了後、混合物を氷浴内で撹拌し、反応物が冷却し始めるまでこれを続け、冷却した時点で反応物を氷浴から取り除き、混合物を50℃に加熱した。この反応物を周辺温度に冷却し、3分間に渡りゆっくりと氷水に加えた(水中の30%氷、約1400mL)。混合物を氷浴内で5℃にさらに冷却した。内部の温度が20℃を超えないように、この混合物を4M NaOH(約800mL)でpH約10に中和し、この時点で固体が形成された。この混合物を20分間撹拌し、次いで濾過し、MTBE(5×150mL)、ヘキサン(5×100mL)で洗浄し、真空下で乾燥させることによって、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミドを生成した(43g、96%)。
ステップC:2L3口丸底フラスコに水性の2M水酸化ナトリウム(343ml、686mmol)を加え、溶液を氷浴内で冷却した。臭素(12ml、257mmol)を加え、この反応物を30分間撹拌し、この間に氷浴を取り除いた。3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミド(58g、171mmol)をジオキサン約600mL中のスラリーとして一度に加えた。30分後、濃縮HClを1mLの分量ずつ、約pHが1になるまで加えた。この反応物を15分間撹拌し、pHが約10になるまで4N NaOHを溶液に加えた。水性の混合物をEtOAc(3×750mL)で抽出し、水(2×250mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。この物質を真空中で、50℃で乾燥させ、この時点で赤色の固体が形成された。この固体をCH2Cl2(物質5gに対してCH2Cl2約40mL)で粉末にし、固体を濾過した。この固体をCH2Cl2で洗浄し、真空下で、50℃で乾燥させた。濾液を真空中で濃縮し、物質をシリカゲル上で(3%MeOH/CH2Cl2)精製することによって、赤色の固体を生成した。これら2つの生成物を合わせることによって、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミンを生成した(24g、45%)。
ステップD:(R)−2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒド(16g、101mmol)[Burger、A. Synthesis、1989年、(2)93−97頁]を1:1メタノール:水(250mL)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(7.0g、101mmol)中に溶解し、Na2CO3(5.4g、51mmol)を加えた。この反応物を周辺温度で2時間撹拌した。このメタノールを真空中で部分的に取り除き、水層をCH2Cl2で抽出し、乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、琥珀色の油として(S)−2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドオキシムを生成した(13g、75mmol、収率74%)。
ステップE:(S)−2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドオキシム(13g、75.1mmol)をDMF(200mL)中に溶解し、氷浴内で冷却した。1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(10.0g、75.1mmol)を加え、周辺温度までゆっくりと温めながら反応物を一晩撹拌した。この淡黄色の溶液を水(1.5L)に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中40%EtOAc)精製することによって、(R)−N−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリドを生成した(12.4g、59.7mmol、収率79.6%)。
ステップF:(R)−N−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリド(12.4g、59.7mmol)をEt2O(200mL)中に溶解し、氷浴内で冷却した。メタンスルホニルクロリド(4.6ml、59.7mmol)を加えた。トリエチルアミン(8.3ml、59.7mmol)をゆっくりと加え、反応物を氷浴内で30分間撹拌した。この反応物を濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(100%CH2Cl2)精製することによって、白色の固体として(R)−2,2,5,5−テトラメチル−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリドを生成した(11.3g、39.55mmol、収率66.22%)。
ステップG:(R)−2,2,5,5−テトラメチル−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリド(138mg、0.483mmol)をCH3CN(3mL)中に溶解し、NaNCS(39.2mg、0.483mmol)およびピリジン(104μL、1.29mmol)を加え、この反応物を45℃に45分間加熱した。3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミン(100mg、0.322mmol)を加え、反応物を一晩65℃に加熱した。この反応物をEtOAcと水の間で分離させ、乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中80%EtOAc)精製することによって、(S)−N−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(145mg、0.277mmol、収率86.1%)。
ステップH:(S)−N−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(145mg、0.2774mmol)をEtOH(5mL)中に溶解し、6M HCl(0.3mL)を加えた。この反応物を周辺温度で2時間撹拌し、次いで70℃で2時間撹拌した。この反応物を周辺温度に冷却し、CH2Cl2と飽和した水性重曹の間で分離させた。有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲル上で(EtOAc中10%メタノール)精製することによって、HCl塩の生成後、淡黄色の固体として(S)−2−メチル−1−(5−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)プロパン−1,2−ジオール塩酸塩を生成した(111.7mg、0.215mmol、収率77.6%)。質量スペクトル(apci)m/z=465.2(M+H−HCl)。
実施例144
(S)−1−(5−(5−(2−メトキシエチルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩
ステップA:2−メチルピリジン−3−オール(11.8g、108mmol)のDMF中の0℃の溶液に、水素化ナトリウム(油中60%分散液、4.32g、108mmol)を少量ずつ加え、この反応物を周辺温度に温めた。5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(24.6g、108mmol)を加え、反応物を一晩周辺温度で撹拌した。この反応物を水(1000mL)に注ぎ入れ、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリルを生成した(15g、48%)。
ステップB:5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリノニトリル(15g、52mmol)に濃縮H2SO4(30mL)を加え、このスラリーを一晩撹拌し、この時点で物質が完全に溶解した。温度を20℃より低く維持しながら、この反応物を少量ずつ0℃の水に注ぎ入れた。NaOHペレットを添加することによって、pHが約5になるまで水層を塩基性化すると、この時点で固体が形成した。この固体を濾過し、残った水層をEtOAcで抽出した。有機層を固体と合わせ、これをブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリンアミドを生成した(11g、69%)。
ステップC:NaOH(2M、90mL、182mmol)の0℃の溶液に、臭素(8.71g、54mmol)を加え、反応物を0℃で30分間撹拌した。ジオキサン(100mL)中の5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリンアミド(11.2g、36.3mmol)を加え、反応物を周辺温度で1時間撹拌し、続いて80℃で1時間加熱した。この反応物を周辺温度に冷却し、濃縮HClを用いてpH1に酸性化した。この反応物を塩基性化し、固体を沈殿させた。この固体を濾過し、真空中で乾燥させることによって、生成物5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミンを生成した(4.1g、41%)。
ステップD:DI水1000mL中にヒドロキシルアミン塩酸塩(51.0g、734mmol)を加え、反応物を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(38.1g、360mmol)を3つに大きく分けて加え、反応物を15分間撹拌した。THF(700mL)をこの反応物に加え、(R)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒド(125g、734mmol)をTHF800mL中で一度に加えた。この反応物を4時間撹拌し、4L分液ロートに注ぎ入れ、層を分離させた。水層をMTBE(全量3000mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(700mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、透明な粘稠の油として(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシムを生成した(135g、99%)。
ステップE:2L4口丸底フラスコに、(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシム(135.1g、729.4mmol)を加え、DMF750mL中に溶解した。この反応物を水槽内に置き、1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(97.40g、729.4mmol)を2分間に渡り少しずつ加えた。この反応物を水槽内で3時間撹拌し、次いでMTBE2Lで希釈し、水1Lで洗浄した。水層をMTBE500mLで抽出した。合わせた有機層を水(5×800mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、緑色の粘稠の油として、付加された(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、98%)。
ステップF:5L4口フラスコ中に、THF2.5L中の(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(158g、719mmol)を加えた。この物質を3℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド(56.1ml、719mmol)を10分間に渡り、10mL分量ずつ加えた。N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(126ml、719mmol)を12分間に渡り滴下ロートを介して加えた。この反応物を氷浴内で30分間撹拌し、次いで周辺温度で1時間撹拌した。この反応物を濾過し、固体をMTBE(3L)で洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をシリカゲル上で(3kgシリカ、7:1から3:1ヘキサン/EtOAc)精製することによって、油を生成し、これを真空下でゆっくりと固化した。この固体を乳鉢および乳棒を用いて砕き、ヘキサン(約1000mL)で洗浄し、乾燥させることによって、白色の固体として(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、531mmol、収率73.8%)。
ステップG:アセトニトリル100mL中に、チオイソシアン酸ナトリウム(1.5g、20mmol)、ピリジン(3.5g、44mmol)を加え、続いて(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(5.2g、18mmol)を加え、反応物を60℃に30分間加熱した。5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミン(4.1g、15mmol)を加え、反応物を一晩60℃で加熱した。この反応物を4分の1の容量に濃縮し、残留物をEtOAcと水の間で分離させ、1N NaOHで塩基性にした。合わせた有機層を分離させ、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。この物質をシリカゲル上で(CH2Cl2中25%EtOAc)精製することによって、(S)−N−(5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(5.4g、73%)。
ステップH:(S)−N−(5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(3.1g、6.14mmol)のジオキサン(30mL)中の、窒素で持続的にパージした溶液にXanphos(0.177g、0.303mmol)、Pd2dba3(0.14g、0.153mmol)、メチル3−メルカプトプロパノエート(0.73g、6.14mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.17mL、6.45mmol)を加え、反応物を一晩80℃で加熱した。この反応物を真空中で濃縮し、残留物をシリカゲル上で(5%MeOH/CH2Cl2)精製することによって、(S)−メチル3−(6−(3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イルアミノ)−5−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−3−イルチオ)プロパノエートを生成した(2.3g、68%)。
ステップI:(S)−メチル3−(6−(3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イルアミノ)−5−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−3−イルチオ)プロパノエート(2.0g、3.68mmol)をTHF(20mL)中に溶解し、溶液に対して5分間窒素をバブリングした。カリウム2−メチルプロパン−2−オラート(THF中1M、11.0ml、11.0mmol)を加え、この反応物を周辺温度で1分間撹拌した。1−ブロモ−2−メトキシエタン(0.518ml、5.52mmol)を加え、反応物を周辺温度で20分間撹拌した。この反応物をEtOAcと水性NH4Clの間で分離させ、乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(100%EtOAc)精製することによって、(S)N−(5−(2−メトキシエチルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(1.9g、3.68mmol、収率100%)。
ステップJ:(S)−N−(5−(2−メトキシエチルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(1.9g、3.68mmol)をEtOH(50mL)中に溶解し、6M HCl(3mL)を加え、1.5時間60℃に加熱した。この反応物を周辺温度に冷却し、CH2Cl2と飽和した水性の重曹の間で分離させ、CH2Cl2で抽出し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(EtOAc中0から10%メタノール)精製することによって、HCl塩の生成後、白色の固体として(S)−1−(5−(5−(2−メトキシエチルチオ)−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩を生成した(1.13g、2.39mmol、収率65.0%)。質量スペクトル(apci)m/z=436.1(M+H−HCl)。
実施例145
(1S,2S)−1−(5−(3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)−3−メトキシプロパン−1,2−ジオール塩酸塩
ステップA:2−ブロモピリジン−3−イルアセテート(10g、46mmol)をTHF(80mL)中に溶解し、トリエチルアミン(32ml、231mmol)、エチニルトリメチルシラン(19.5ml、139mmol)およびCuI(0.44g、2.3mmol)を加えた。この混合物をアルゴンで15分間脱気した。PdCl2(PPh3)2(1.6g、2.3mmol)を加え、この混合物を、アルゴン下、周辺温度で18時間撹拌した。この反応物を真空中で濃縮し、ヘキサン中25%EtOAcへ溶解し、濾過し、シリカゲル上での(25%酢酸エチル/ヘキサン)精製することによって、2−((トリメチルシリル)エチニル)ピリジン−3−イルアセテートを生成した(9.7g、41mmol)。
ステップB:2−((トリメチルシリル)エチニル)ピリジン−3−イルアセテート(9.5g、41mmol)のTHF(200mL)中溶液に、水(25ml)を加えた。この反応物を0℃に冷却し、TBAF(1M、45ml、45mmol)を加えた。この混合物を周辺温度に温め、1時間撹拌した。水(100mL)を加え、容量を2分の1に減らした。この生成物をエーテル(3×100mL)へと抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。この溶液を真空中で濃縮することによって、淡褐色の油として2−エチニルピリジン−3−イルアセテート(5.5g、34mmol)を生成した。
ステップC:2−エチニルピリジン−3−イルアセテート(5.0g、31mmol)のエタノール(50mL)中溶液に、PtO2(0.50g、2.2mmol)を加えた。混合物を窒素で脱気し、水素の二重層バルーン下に置いた。この反応物を周辺温度で30分間撹拌した。この混合物を濾過し、真空中で濃縮することによって、2−エチルピリジン−3−イルアセテート(5.1g、31mmol)を得た。これをさらなる精製なしで使用した。
ステップD:2−エチルピリジン−3−イルアセテート(5.1g、31mmol)のエタノール(50mL)中溶液に、3M LiOH(50mL、150mmol)を加えた。この反応混合物を周辺温度で30分間撹拌した。この混合物を濃縮乾燥し、シリカゲル上で(CH2Cl2中での10%MeOH)精製することによって、2−エチルピリジン−3−オールを生成した(2.5g、20mmol)。
ステップE:2−エチルピリジン−3−オール(27.5g、223mmol)をDMF(900mL)中に溶解し、氷浴内で冷却した。60%水素化ナトリウム(8.93g、223mmol)を滴加し、氷浴内で30分間撹拌した。5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(50.9g、223mmol)を一度に加え、反応物を氷浴内で1時間撹拌した。ピリジン−2(1H)−チオン(24.8g、223mmol)、続いて60%水素化ナトリウム(8.93g、223mmol)を加え、周辺温度へと一晩ゆっくりと温めながら、反応物を氷浴内で撹拌した。この反応物を真空中で約300mLへと濃縮し、活発に撹拌しながら水3Lに注ぎ入れた。この混合物をEtOAcで抽出し、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、暗色の油として3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリルを生成した(81g、242mmol、収率108%)。
ステップF:3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリル(80g、239mmol)を氷/アセトン槽内で冷却した。12M塩化水素(598ml、7177mmol)を氷/アセトン槽内で冷やし、次いでフラスコ内の油にゆっくりと加えた。40分間撹拌後、すべての出発物質が溶解したので、槽を取り除き、この混合物を週末にかけて周辺温度で撹拌した。この反応物を氷浴内で冷却し、温度を20℃より低く保ちながら、最終pHが約9となるよう、6N NaOH(1200mL)をゆっくりと加えた。水性混合物をCH2Cl2で抽出し、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、濃緑色の泡として3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミドを生成した(71g、201mmol、収率84%)。
ステップG:3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミド(71g、201mmol)をMeOH(1L)中に溶解した。1−ブロモピロリジン−2,5−ジオン(46.6g、262mmol)を加え、反応物を周辺温度で5分間撹拌し、次いで氷浴内で冷却した。水(200mL)中に溶解した水酸化ナトリウム(41.9g、1048mmol)をゆっくりと加え、反応物を周辺温度で1時間撹拌し、8時間還流させ、次いで周辺温度に一晩冷却した。この反応物を水2.5LおよびNH4Cl0.5Lで希釈し、30分間撹拌した。この沈殿物を濾過し、乾燥させることによって、黄褐色の固体として3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミンを生成した(52.6g、162mmol、収率80.5%)。
ステップH:(2R,3R)−ジエチル2,3−ジヒドロキシコハク酸塩(82.99ml、485.0mmol)をトルエン(400mL)中に溶解し、シクロヘキサノン(55.29ml、533.5mmol)およびAmberlyst 15イオン交換樹脂(2.0g)を加え、反応物をディーンスタークトラップ下で12時間還流させた。この反応物を周辺温度に冷却し、濾過し、濃縮した。残留物を0.5mM Hgで蒸留し、125−140℃画分を収集することによって、(2R,3R)−ジエチル1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2,3−ジカルボキシレートを生成した(91.3g、収率66%)。
ステップI:(2R,3R)−ジエチル1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2,3−ジカルボキシレート(91.3g、319mmol)をTHF(1.5L)中に溶解し、氷浴内で冷却した。2M LAH(120ml、239mmol)をゆっくりと加え、反応物を0℃で撹拌した。少量の一定分量を取り、反応の完了を1HNMR分析した。硫酸ナトリウム十水和物をゆっくりと加え、周辺温度で1時間撹拌させておいた。この反応物を、セライトを介して濾過し、濃縮することによって、バッチ1(45.3g)を生成した。このセライトをEtOAc中で30分間撹拌し、再び濾過することによって、バッチ2(9.8g)を生成した。このセライトを再びCH2Cl2/MeOH中で30分間撹拌し、再び濾過することによって、バッチ3(1.6g)を生成した。これら3つのバッチを合わせることにより、(2S,3S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2,3−ジイルジメタノールを生成した(56.7g、収率88%)。
ステップJ:(2S,3S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2,3−ジイルジメタノール(65g、321.4mmol)をDMF(500mL)中に溶解し、氷浴内で冷却した。60%水素化ナトリウム(15.43g、385.7mmol)をゆっくりと加え、反応物を30分間氷浴内で撹拌し、次いで周辺温度に2時間温めた。ヨードメタン(20.05ml、321.4mmol)を加え、反応物を周辺温度で一晩撹拌した。DMFの大部分を回転式エバポレータで取り除き、残留物を水性NH4ClとEtOAcの間で分離させた。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をSiO21Kg上で(ヘキサン中の20から40%EtOAc)精製することによって、油として((2S,3S)−3−(メトキシメチル)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)メタノールを生成した(31.3g、144.7mmol、収率45.03%)。
ステップK:メチルスルホニルメタン(20.6ml、289mmol)のCH2Cl2(260mL)中の−60℃の溶液を、シュウ酸ジクロリド(15.2ml、174mmol)のCH2Cl2(80mL)中2M溶液に滴加した。この混合物を20分間撹拌し、次いで((2S,3S)−3−(メトキシメチル)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)メタノール(31.3g、145mmol)のCH2Cl2(80mL)中溶液を滴加した。この混合物を10分間撹拌し、次いでトリエチルアミン(101ml、724mmol)をゆっくりと加えた。この反応物混合物を周辺温度温め、水を加えた。この混合物が透明になったところで、CH2Cl2で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮させることによって、粗原料(2R,3S)−3−(メトキシメチル)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドを生成した(34.3g、収率96.2%、純度87%)。これをさらなる精製なしで次の反応で引き続き用いた。
ステップL:粗原料(2R,3S)−3−(メトキシメチル)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒド(31g、145mmol)を1:1メタノール:水(600mL)中に溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩(10.1g、145mmol)およびNa2CO3(7.67g、72.3mmol)を加えた。この反応物を周辺温度で3時間撹拌した。減圧下でメタノールを取り除き、残った物質をCH2Cl2で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、3−(メトキシメチル)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシムを生成した(33.6g、147mmol、収率101%)。これを、さらなる精製なしで次に使用した。
ステップM:3−(メトキシメチル)−1,4−ジオキスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシム(33.2g、145mmol)をDMF(600mL)中に溶解し、氷浴内で冷却した。1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(19.3g、145mmol)を加え、反応物を一晩周辺温度へとゆっくりと温めさせておいた。大部分のDMFを減圧下で取り除き、残った物質を水とEtOAcの間で分離させた。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、(2R,3S)−N−ヒドロキシ−3−(メトキシメチル)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(35.6g、135mmol、収率93.2%)。これを、さらなる精製なしで次に使用した。
ステップN:(2R,3S)−N−ヒドロキシ−3−(メトキシメチル)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(35.6g、135.0mmol)をEt2O(600mL)中に溶解し、氷浴内で冷却した。メタンスルホニルクロリド(10.49ml、135.0mmol)を加え、続いてトリエチルアミン(18.82ml、135.0mmol)を滴加した。この反応物を30分間撹拌し、次いで濾過し、濃縮した。残留物をSiO21Kg上で(CH2Cl2中の1から5%EtOAc)精製することによって、(2R,3S)−3−(メトキシメチル)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(22.6g、66.12mmol、収率48.98%)。
ステップO:(2R,3S)−3−(メトキシメチル)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(2.29g、6.70mmol)をEtOAc(40mL)中に溶解し、NaNCS(0.544g、6.70mmol)とピリジン(1.44ml、17.9mmol)を加え、反応物を45℃に45分間加熱した。3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミン(1.45g、4.47mmol)を加え、反応物を一晩70℃に加熱した。(2R,3S)−3−(メトキシメチル)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(1.15g、3.3mmol)をEtOAc(20mL)中に溶解した。NaNCS(0.270g、3.3mmol)およびピリジン(0.7ml、9.0mmol)を加え、反応物を45℃に45分間加熱した。この溶液を初期反応物に加え、70℃に一晩加熱した。この反応物を冷却し、EtOAcと水の間で分離させ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中80%EtOAc)精製することによって、N−(3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−((2S,3S)−3−(メトキシメチル)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(1.6g、2.70mmol、収率60.4%)。
ステップP:N−(3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−((2S,3S)−3−(メトキシメチル)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(1.6g、2.70mmol)をEtOH(30mL)中に溶解し、4N HCl(1mL)を加え、50℃で一晩加熱した。追加の4N HClを加え(1mL)、4時間加熱した。この反応物を周辺温度に冷却し、CH2Cl2と飽和した水性の重曹の間で分離させ、CH2Cl2で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(EtOAc中10%メタノール)精製することによって、HCl塩の生成後、黄褐色の固体として(1S,2S)−1−(5−(3−(2−エチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)−3−メトキシプロパン−1,2−ジオール塩酸塩を生成した(.957g、1.74mmol、収率64.6%)。質量スペクトル(apci)m/z=513.1(M+H−HCl)。
実施例146
(S)−2−メチル−1−(5−(5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)プロパン−1,2−ジオール塩酸塩
ステップA:フラスコに粉末にした水酸化カリウム(21.89g、390.2mmol)、安息香酸(47.65g、390.2mmol)を仕込み、DMF(500mL)を加えた。この混合物を50℃で1時間加熱した。3−クロロペンタン−2,4−ジオン(52.5g、390.2mmol)を加え、反応物を50℃で一晩撹拌した。この反応物を周辺温度に冷却し、水(1.5L)で希釈し、エーテル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層を水、飽和したNH4Clおよびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、黄色の油として2,4−ジオキソペンタン−3−イルベンゾエートを生成した(82.59g、収率96.12%)。
ステップB:フラスコに2,4−ジオキソペンタン−3−イルベンゾエート(82.59g、375.0mmol)を仕込み、エタノール(1.5L)を加えた。エタノール(150mL)中のメチルヒドラジン(39.90ml、750.1mmol)を加え、反応物を周辺温度で2時間撹拌し、次いで真空中で濃縮することによって、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルベンゾエートを生成した(80g、収率92.6%)。
ステップC:フラスコに、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルベンゾエート(80g、347mmol)を仕込み、500mLエタノールを加えた。3M NaOH(174ml、521mmol)を加え、反応物を周辺温度で2時間撹拌した。このエタノールを真空中で取り除き、水層をジクロロメタン、酢酸エチルおよびジクロロメタン:イソプロピルアルコール(4:1)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮することによって、白色の固体として1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−オールを生成した(34g、収率78%)。
ステップD:フラスコに、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−オール(10.46g、82.89mmol)およびDMF:ジオキサン(9:1)(700mL)を仕込んだ。反応混合物を0℃に冷却し、60%水素化ナトリウム(3.315g、82.89mmol)を少しずつ加えた。この反応混合物を15分間撹拌し、5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(18g、78.95mmol)を加えた。この反応物を周辺温度で3時間撹拌し、次いで水600mLへとゆっくりと注ぎ、10分間撹拌した。生成した固体を濾過し、乾燥させることによって、非常に薄い黄褐色(白色)の固体として5−ブロモ−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピコリノニトリルを生成した(23.70g、収率97.74%)。
ステップE:フラスコに、5−ブロモ−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピコリノニトリル(27.77g、90.41mmol)、ピリジン−2−チオール(10.55g、94.93mmol)およびDMF(300mL)を仕込んだ。この反応物を0℃に冷却し、95%水素化ナトリウム(2.741g、108.5mmol)を少しずつ加えた。この反応物を周辺温度で一晩撹拌し、次いで水(2L)で慎重に希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブライン(4×500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮することによって、黄色の固体として5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピコリノニトリルを生成した(29.50g、87.43mmol、収率96.70%)。
ステップF:フラスコに、5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピコリノニトリル(35.19g、88.1mmol)および硫酸(227.3g、2317mmol)を仕込み、周辺温度で一晩撹拌した。水(100mL)をこの反応物に非常にゆっくりと加え、これを氷浴内で冷却し、次いで氷150gを加えた。pHを調整して約12になるまで、NaOH(40%)をゆっくりと加えた。この混合物を酢酸エチル(750mL×2)およびジクロロメタン(500mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮することによって、5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピコリンアミドを生成した(27.69g、77.9mmol、収率89%)。
ステップG:フラスコに、水酸化カリウム(78.8ml、236mmol)を仕込み、臭素(4.04ml、78.8mmol)を加え、この反応物を周辺温度で15分間撹拌した。ジオキサン(280mL)中の5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシニコチンアミド(14g、39.4mmol)を加え、この反応物を周辺温度で一晩撹拌した。水(300mL)を加え、反応物を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中50から100%酢酸エチル)精製することによって、黄色の固体として5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−アミンを生成した(4.64g、14.18mmol、収率36%)。
ステップH:(R)−2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒド(16g、101mmol)[Burger、A. Synthesis、1989年、(2)93−97頁]を1:1メタノール:水(250mL)中に溶解した。ヒドロキシルアミン塩酸塩(7.0g、101mmol)およびNa2CO3(5.4g、51mmol)を加え、この反応物を周辺温度で2時間撹拌した。メタノールを真空中で部分的に取り除き、水層をCH2Cl2で抽出し、乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、琥珀色の油として(S)−2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドオキシムを生成した(13g、75mmol、収率74%)。
ステップI:(S)−2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドオキシム(13g、75.1mmol)をDMF(200mL)中に溶解し、氷浴内で冷却した。1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(10.0g、75.1mmol)を加え、ゆっくりと周辺温度に温めながら、反応物を一晩撹拌した。この淡黄色の溶液を水(1.5L)に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中40%EtOAc)精製することによって、(R)−N−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリドを生成した(12.4g、59.7mmol、収率79.6%)。
ステップJ:(R)−N−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリド(12.4g、59.7mmol)をEt2O(200mL)中に溶解し、氷浴内で冷却した。メタンスルホニルクロリド(4.6ml、59.7mmol)を加えた。トリエチルアミン(8.3ml、59.7mmol)をゆっくりと加え、反応物を30分間氷浴内で撹拌した。この反応物を濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(100%CH2Cl2)精製することによって、白色の固体として(R)−2,2,5,5−テトラメチル−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリドを生成した(11.3g、39.55mmol、収率66.22%)。
ステップK:フラスコに、(R)−2,2,5,5−テトラメチル−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリド(0.371g、1.30mmol)、チオシアン酸ナトリウム(0.0929g、1.15mmol)、ピリジン(0.278ml、3.44mmol)およびアセトニトリル(25mL)を仕込み、反応物を30分間40℃に加熱した。5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−アミン(0.250g、0.764mmol)を加え、反応物を70℃で一晩撹拌した。水を加え、反応物を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中50から100%酢酸エチル)精製することによって、黄色の固体として(S)−N−(5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(0.233g、収率56.5%)。
ステップL:フラスコに、(S)−N−(5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(0.233g、0.432mmol)、エタノール(10mL)および3M HCl(0.288ml、0.863mmol)を仕込んだ。この反応物を1時間75℃に加熱し、次いで真空中で濃縮した。この残留物にエーテルを加え、混合物を2分間撹拌することによって、生成物を沈殿させた。この混合物をデカントし、生成した固体を真空中で乾燥させることによって、黄色の固体として(S)−2−メチル−1−(5−(5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)プロパン−1,2−ジオール塩酸塩を生成した(0.248g、0.387mmol、収率89.6%)。質量スペクトル(apci)m/z=500.1(M+H−HCl)。
実施例147
(S)−1−(5−(5(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩
ステップA:フラスコに、粉末にした水酸化カリウム(21.89g、390.2mmol)、安息香酸(47.65g、390.2mmol)およびDMF(500mL)を仕込んだ。この混合物を50℃で1時間加熱した。3−クロロペンタン−2,4−ジオン(52.5g、390.2mmol)を加え、反応物を50℃で一晩撹拌した。この反応物を周辺温度に冷却し、水(1.5L)中で希釈し、エーテル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層を、水、飽和NH4Clおよびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、黄色の油として2,4−ジオキソペンタン−3−イルベンゾエートを生成した(82.59g、収率96.12%)。
ステップB:フラスコに、2,4−ジオキソペンタン−3−イルベンゾエート(82.59g、375.0mmol)を仕込み、エタノール(1.5L)を加えた。この溶液に、エタノール(150mL)中のメチルヒドラジン(39.90ml、750.1mmol)を加えた。この反応物を周辺温度で2時間撹拌し、真空中で濃縮することによって、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルベンゾエートを生成した(80g、収率92.6%)。
ステップC:フラスコに、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルベンゾエート(80g、347mmol)を仕込み、エタノール500mLを加えた。3M NaOH(174ml、521mmol)を加え、この反応物を周辺温度で2時間撹拌した。エタノールを真空中で取り除き、水層をジクロロメタン、酢酸エチルおよびジクロロメタン:イソプロピルアルコール(4:1)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮することによって、白色の固体として1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−オールを生成した(34g、収率78%)。
ステップD:フラスコに、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−オール(10.46g、82.89mmol)を仕込み、DMF:ジオキサン(9:1)(700mL)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却し、60%水素化ナトリウム(3.315g、82.89mmol)を少しずつ加え、この反応物を15分間撹拌した。5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(18g、78.95mmol)を加え、この反応物を周辺温度で3時間撹拌した。この反応物を水600mLへとゆっくりと注ぎ、10分間撹拌した。生成した固体を濾過し、乾燥することによって、非常に薄い黄褐色(白色)固体として5−ブロモ−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピコリノニトリルを生成した(23.70g、収率97.74%)。
ステップE:フラスコに、5−ブロモ−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピコリノニトリル(27.77g、90.41mmol)、ピリジン−2−チオール(10.55g、94.93mmol)およびDMF(300mL)を仕込んだ。この反応物を0℃に冷却し、95%水素化ナトリウム(2.741g、108.5mmol)を少しずつ加えた。この反応物を周辺温度で一晩撹拌し、次いで水(2L)で慎重に希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブライン(4×500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮することによって、黄色の固体として5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピコリノニトリルを生成した(29.50g、87.43mmol、収率96.70%)。
ステップF:フラスコに、5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピコリノニトリル(35.19g、88.1mmol)および硫酸(227.3g、2317mmol)を仕込み、周辺温度で一晩撹拌した。水(100mL)をこの反応物にゆっくりと加え、これを氷浴内で冷却し、次いで氷(150g)を加えた。pHが約12になるまで40%NaOHをゆっくりと加えた。この混合物を酢酸エチル(750mL×2)およびジクロロメタン(500mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピコリンアミドを生成した(27.69g、77.9mmol、収率89%)。
ステップG:フラスコに、水酸化カリウム(78.8ml、236mmol)および臭素(4.04ml、78.8mmol)を仕込み、この混合物を周辺温度で15分間撹拌した。ジオキサン(280mL)中の5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピコリンアミド(14g、39.4mmol)を加え、この反応物を周辺温度で一晩撹拌した。水(300mL)を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中50から100%酢酸エチル)精製することによって、黄色の固体として5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−アミンを生成した(4.64g、14.18mmol、収率36%)。
ステップH:DI水1000mLに、ヒドロキシルアミン塩酸塩(51.0g、734mmol)を加え、反応物を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(38.1g、360mmol)を大きく3つに分けて加え、反応物を15分間撹拌した。THF(700mL)を加え、続いてTHF800mL中の(R)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒド(125g、734mmol)を加えた。反応物を4時間撹拌し、次いで4L分液ロートに注ぎ入れた。層を分離させ、水層をMTBE(全量約3000mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(700mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、透明な粘稠の油として(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシムを生成した(135g、99%)。
スップI:2L4口丸底フラスコに、(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシム(135.1g、729.4mmol)を加え、DMF750mL中に溶解させた。反応物を水槽内に置き、1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(97.40g、729.4mmol)を2分間に渡り少しずつ加えた。この反応物を水槽内で3時間撹拌した。この反応物をMTBE2Lで希釈し、水1Lで洗浄した。水をMTBE500mLで抽出した。合わせた有機層を水(5×800mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、緑色の粘稠の油として、付加された(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、98%)。
ステップJ:5L4口フラスコに、THF2.5L中の(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(158g、719mmol)を加えた。この混合物を3℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド(56.1ml、719mmol)を10分間に渡り10mLの分量ずつ加えた。N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(126ml、719mmol)を12分間に渡り滴下ロートを介して加えた。この反応物を氷浴内で30分間撹拌し、次いで周辺温度で1時間撹拌した。反応物を濾過し、固体をMTBE(約3L)で洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をクロマトグラフィーで(3kgシリカ、7:1から3:1Hex/EtOAc)精製することによって、油を生成し、これを真空下でゆっくりと固化した。固体を乳鉢および乳棒を用いて砕き、ヘキサン(約1000mL)で洗浄し、乾燥させることによって、白色の固体として(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、531mmol、収率73.8%)。
ステップK:フラスコに、(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(2.32g、7.79mmol)、チオシアン酸ナトリウム(0.557g、6.87mmol)、ピリジン(1.67ml、20.6mmol)およびアセトニトリル(100mL)を仕込んだ。この反応物を30分間40℃に加熱し、次いで5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−アミン(1.5g、4.58mmol)を加え、この反応物を一晩70℃へ加熱した。水を加え、反応物を酢酸エチルおよびジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中50−100%酢酸エチル)精製することによって、黄色の固体として(S)−N−(5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(1.38g、2.50mmol、収率54.6%)。
ステップL:フラスコに、(S)−N−(5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(1.38g、2.50mmol)、エタノール(50mL)および3M HCl(1.67ml、5.00mmol)を仕込み、1時間75℃に加熱した。この反応物を周辺温度に冷却し、飽和した水性の重曹をゆっくりと加えた。この混合物を酢酸エチルおよびジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中50から100%酢酸エチル、続いて酢酸エチル中5%メタノール)精製した。生成物をジクロロメタン中10%メタノール中に溶解し、エーテル中2M HCl5mLを加えた。この溶液を濃縮し、真空オーブン内で乾燥することによって、黄色の固体として(S)−1−(5−(5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−l,2−ジオール塩酸塩を生成した(0.958g、1.65mmol、収率65.9%)。質量スペクトル(apci)m/z=472.1(M+H−HCl)。
実施例148
(S)−1−(5−(5−(2−メトキシエチルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩
ステップA:フラスコに、粉末にした水酸化カリウム(21.89g、390.2mmol)、安息香酸(47.65g、390.2mmol)を仕込み、DMF(500mL)を加えた。この混合物を50℃で1時間加熱した。3−クロロペンタン−2,4−ジオン(52.5g、390.2mmol)およびこの反応物を50℃で一晩撹拌した。この反応物を周辺温度に冷却し、水(1.5L)で希釈し、エーテル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層を水、飽和したNH4Clおよびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、黄色の油として2,4−ジオキソペンタン−3−イルベンゾエートを生成した(82.59g、収率96.12%)。
ステップB:フラスコに、2,4−ジオキソペンタン−3−イルベンゾエート(82.59g、375.0mmol)およびエタノール(1.5L)を仕込んだ。この溶液に、エタノール(150mL)中のメチルヒドラジン(39.90ml、750.1mmol)を加えた。この反応物を周辺温度で2時間撹拌し、真空中で濃縮することによって、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルベンゾエートを生成した(80g、収率92.6%)。
ステップC:フラスコに、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルベンゾエート(80g、347mmol)およびエタノール500mLを仕込んだ。上記混合物に、3M NaOH(174ml、521mmol)を加え、周辺温度で2時間撹拌した。エタノールを真空中で取り除き、水層をジクロロメタン、酢酸エチルおよびジクロロメタン:イソプロピルアルコール(4:1)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮することによって、白色の固体として1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−オールを生成した(34g、収率78%)。
ステップD:フラスコに、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−オール(10.46g、82.89mmol)およびDMF:ジオキサン(9:1)(700mL)を仕込んだ。この反応混合物を0℃に冷却し、60%水素化ナトリウム(3.315g、82.89mmol)を滴加した。この反応混合物を15分間撹拌し、次いで5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(18g、78.95mmol)を加え、この反応物を周辺温度で3時間撹拌した。この反応物を水600mLへゆっくりと注ぎ、10分間撹拌した。生成した固体を濾過し、乾燥することによって、非常に薄い黄褐色(白色)の固体として5−ブロモ−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピコリノニトリルを生成した(23.70g、収率97.74%)。
ステップE:フラスコに、5−ブロモ−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピコリノニトリル(7.0g、23mmol)およびH2SO4(56g、570mmol)を仕込み、この反応物を周辺温度で一晩撹拌した。この反応物を氷浴内で冷却し、水(100mL)を慎重に加えた。pHが約12になるまで、40%NaOH溶液をゆっくりと加えた。この混合物を酢酸エチルおよびジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮することによって、淡黄色の固体として5−ブロモ−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピコリンアミドを生成した(7.4g、23mmol、収率100%)。
ステップF:フラスコに、3M KOH(45.5ml、137mmol)および臭素(1.98ml、38.7mmol)を仕込み、この反応物を周辺温度で5分間撹拌した。ジオキサン(150mL)中の5−ブロモ−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピコリンアミド(7.4g、22.8mmol)を加え、この反応物を周辺温度で6時間撹拌した。水を加え、反応物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中50から100%酢酸エチル)精製することによって、黄色の固体として5−ブロモ−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−アミンを生成した(3.8g、12.8mmol、収率56.2%)。
ステップG:DI水1000mLに、ヒドロキシルアミン塩酸塩(51.0g、734mmol)を加え、この混合物を5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(38.1g、360mmol)を大きく3つに分けて加え、この反応物を15分間撹拌した。THF(700mL)を加え、続いてTHF800mL中の(R)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒド(125g、734mmol)を加えた。この反応物を4時間撹拌した。層を分離させ、水層をMTBE(全量約3000mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(700mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、透明な粘稠の油として(S)−1、4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシムを生成した(135g、99%)。
ステップH:2L4口丸底フラスコに、(S)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルバルデヒドオキシム(135.1g、729.4mmol)およびDMF750mLを加えた。この反応物を水槽内に置き、1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(97.40g、729.4mmol)を2分間に渡り少しずつ加えた。この反応物を水槽内で3時間撹拌し、次いでMTBE2Lで希釈し、水1Lで洗浄した。水層をMTBE500mLで抽出した。合わせた有機層を水(5×800mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮することによって、緑色の粘稠の油として、付加された(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、98%)。
ステップI:5L4口フラスコに、THF2.5L中の(R)−N−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(158g、719mmol)を加えた。この混合物を3℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド(56.1ml、719mmol)を10分間に渡り10mLの分量ずつ加えた。N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(126ml、719mmol)を12分間に渡り滴下ロートを介して加えた。この反応物を氷浴内で30分間撹拌し、次いで周辺温度で1時間撹拌した。この反応物を濾過し、この固体をMTBE(約3L)で洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をクロマトグラフィー(3kgシリカ、7:1から3:1ヘキサン/EtOAc)で精製することによって、油を生成し、これを真空下でゆっくりと固化した。この固体を乳鉢および乳棒を用いて砕き、ヘキサン(約1000mL)で洗浄し、乾燥することによって、白色の固体として(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを生成した(158g、531mmol、収率73.8%)。
ステップJ:フラスコに、(R)−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルビミドイルクロリド(1.53g、5.15mmol)、ピリジン(1.25ml、15.4mmol)、チオシアン酸ナトリウム(0.417g、5.15mmol)およびアセトニトリル(15mL)を仕込んだ。この溶液を40℃に40分間加熱した。5−ブロモ−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−アミン(1.02g、3.43mmol)を加え、反応物を一晩70℃に加熱した。反応物を周辺温度に冷却し、EtOAcと水の間で分離させ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(10%MeOH/EtOAc)精製することによって、黄色の固体として(S)−N−(5−ブロモ−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(1.66g、3.18mmol、収率92.7%)。
ステップK:封管に、(S)−N−(5−ブロモ−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(0.550g、1.055mmol)、Pd2(dba)3(0.06065g、0.1055mmol)、K3PO4(0.5821g、2.742mmol)、Xantphos(0.1221g、0.2110mmol)を仕込み、トルエン(5mL)を脱気した。この溶液に対して5分間窒素をバブリングした。メチル3−メルカプトプロパノエート(0.1752ml、1.582mmol)を加え、反応物を一晩100℃に加熱した。この反応物を周辺温度に冷却し、水を加え、反応物を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中の50から100%酢酸エチル)精製することによって、黄色の油として.(S)−メチル3−(6−(3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イルアミノ)−5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−3−イルチオ)プロパノエートを生成した(0.276g、0.4923mmol、収率46.67%)。
ステップL:(S)−メチル3−(6−(3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イルアミノ)−5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−3−イルチオ)プロパノエート(0.420g、0.749mmol)のTHF(10mL)中溶液に、カリウム2−メチルプロパン−2−オラート(2.36ml、2.36mmol)を加え、反応物を周辺温度で5分間撹拌した。1−ブロモ−2−メトキシエタン(0.132g、0.899mmol)(THF2mL中溶液として)およびDMF(1mL)を加え、反応物を20分間周辺温度で撹拌した。この溶液を水でクエンチし、CH2Cl2で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(100%EtOAc)精製することによって、(S)−N−(5−(2−メトキシエチルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(0.200g、収率50.1%)。
ステップM:フラスコに、(S)−N−(5−(2−メトキシエチルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(0.200g、0.375mmol)、3M HCl(0.751ml、0.751mmol)およびエタノール(5mL)を仕込んだ。この反応物を80℃で1時間加熱し、次いで周辺温度に冷却した。この反応物を真空中で濃縮し、逆相クロマトグラフィーを用いて(水中の5から95%アセトニトリル)精製することによって、HCl塩の生成後、白色の固体として(S)−1−(5−(5−(2−メトキシエチルチオ)−3−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩を生成した(0.165g、0.298mmol、収率79.4%)。質量スペクトル(apci)m/z=453.1(M+H−HCl)。
実施例149
(R)−1−(5−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール
ステップA:(S)−1−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)エタノン(10.5g、72.8mmol)のTHF150(mL):水60mL中溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(5.06g、72.8mmol)を加え、反応物を20分間撹拌した。Na2CO3(3.78g、35.7mmol)を加え、反応物を一晩撹拌した。この反応物を酢酸エチルで抽出し、水およびブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、(R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドオキシムを生成した(10.3g、71.0mmol、収率97.4%)。
ステップB:(R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドオキシム(10.3g、71.0mmol)のDMF40mL中溶液に、1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(10.4g、78.1mmol)を加え、この反応物を一晩周辺温度で撹拌した。この反応混合物をエーテル(1400mL)および水(500mL)に注ぎ入れた。エーテル層を水(5×500mL)で抽出し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、白色の固体として(S)−N−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリドを生成した(10.0g、55.7mmol、収率78.5%)。
ステップC:(S)−N−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリド(9.88g、55.01mmol)のTHF(200mL)中の0℃の溶液に、メタンスルホニルクロリド(4.703ml、60.51mmol)を加え、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(10.54ml、60.51mmol)を加え、反応物を1時間周辺温度で撹拌し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中の25から100%酢酸エチル)精製することによって、無色の油として(S)−2,2−ジメチル−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリドを生成した(12.28g、47.65mmol、収率86.63%)。
ステップD:窒素下の、オーバーヘッド撹拌メカニズムを備えた、3000mL4口丸底フラスコ内のDMF600mLに、2−メチルピリジン−3−オール(71.8g、658mmol)を加え、混合物を2℃に冷却した。内部温度を10℃よりも低く維持しながら、60%水素化ナトリウム(26.3g、658mmol)を30分間に渡り加えた。1時間周辺温度に温めながらこの反応物を撹拌した。DMF400mL溶液中の5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(150g、658mmol)を2回に分けて加え、反応物を1.5時間周辺温度に保った。ピリジン−2−チオール(73.1g、658mmol)を固体として少しずつ加え、反応物を15分間撹拌することによって、この物質を溶解し、次いで3℃に冷却した。内部温度を10℃より低く維持しながら、水素化ナトリウム(26.3g、658mmol)を35分間に渡り少しずつ加えた。この反応物を氷浴から取り除き、12時間撹拌しながら周辺温度に温めた。この反応物を4容量(8L)のブラインで希釈し、30分間撹拌すると、この時点で固体が形成された。この固体を濾別し、濾液をMTBE(全量10L)で抽出した。このMTBE相を真空中で濃縮した。固体を濃縮物質と合わせ、酢酸エチル(3L)中に溶解した。有機層をブライン(4×1L)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。形成された固体を粉末に砕き、真空中で4時間乾燥させた。この粉末をMTBE30mL/生成物10gで取り出し、混合物を30分間撹拌した。この固体を濾過し、真空中で乾燥させた(2時間)。母液を濃縮し、MTBEで粉末にした(同じ希釈速度)。固体を合わせ、3時間真空中で乾燥させることによって、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリルを生成した(181g、85%)。
ステップE:氷浴で冷却した濃縮H2SO4(90mL)に、内部温度が50℃を超えず、しかも25℃より低くならないように、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリル(43g、130mmol)を少しずつ加えた。添加完了後、この混合物を氷浴内で撹拌し、反応物が冷却し始めるまでこれを続け、冷却した時点で反応物を氷浴から取り除き、混合物を50℃に加熱した。この反応物を周辺温度に冷却し、混合物を3分間に渡り氷水へゆっくりと加えた(水中30%氷、約1400mL)。この混合物を氷浴内で5℃にさらに冷却した。内部温度を20℃より低く維持しながら、この混合物を4M NaOH(約800mL)で約pH10に中和し、この時点で固体が形成された。この混合物を20分間撹拌した。この混合物を濾過し、MTBE(5×150mL)、ヘキサン(5×100mL)で洗浄し、真空下で乾燥することによって、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミドを生成した(43g、96%)。
ステップF:NaOH(2M、90mL、182mmol)の0℃の溶液に、臭素(8.71g、54mmol)を加え、反応物を0℃で30分間撹拌した。ジオキサン(100mL)中の5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピコリンアミド(11.2g、36.3mmol)を加え、反応物を周辺温度で1時間撹拌し、続いて80℃で1時間加熱した。この反応物を周辺温度に冷却し、濃縮HClを用いてpH1に酸性化した。この反応物を塩基性化し、固体を沈殿させた。この固体を濾過し、真空中で乾燥することによって、5−ブロモ−3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミンを生成した(4.1g、41%)。
ステップG:フラスコに、(S)−2,2−ジメチル−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリド(4.5g、18mmol)、チオシアン酸ナトリウム(1.3g、15mmol)、ピリジン(3.8ml、46mmol)および酢酸エチル(200mL)を仕込んだ。この反応物を撹拌し、40℃で45分間加熱した。3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミン(3.2g、10mmol)を加え、反応物を70℃で一晩撹拌した。水を加え、反応物を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中25から100%酢酸エチル)精製することによって、(R)−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−N−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(3.8g、7.7mmol、収率75%)。
ステップH:フラスコに、(R)−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−N−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(3.8g、7.683mmol)を仕込み、エタノール(40mL)を加えた。3M HCl(5.122ml、15.37mmol)を加え、反応物を1時間70℃に加熱し、次いで周辺温度に冷却した。エタノールを真空中で取り除き、重曹飽和溶液を加えた。水層を酢酸エチルで抽出した。生成物の大部分が水層から砕け出るので、これを濾過で収集した。固体および有機層からの残留物をシリカゲル上で(酢酸エチル中10−15%メタノール)精製することによって、黄色の固体として(R)−1−(5−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオールを生成した(2.877g、6.330mmol、収率82.38%)。質量スペクトル(apci)m/z=455.1(M+H)。
実施例150
(S)−2−(5−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)プロパン−1,2−ジオール塩酸塩
ステップA:窒素下の、オーバーヘッド撹拌メカニズムを備えた3000mL4口丸底フラスコ内のDMF600mLに、2−メチルピリジン−3−オール(71.8g、658mmol)を加え、この反応物を2℃に冷却した。30分間という時間に渡り内部温度が10℃を超えないような速度で、水素化ナトリウム(60%、26.3g、658mmol)を加えた。1時間周辺温度に温めながらこの反応物を撹拌した。DMF400mL溶液中の5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(150g、658mmol)を2回に分けて加え、この反応物を周辺温度で1.5時間保った。周辺温度でのこの反応物に、固体としてピリジン−2−チオール(73.1g、658mmol)を少しずつ加え、この反応物を15分間撹拌することによって、この物質を溶解した。この反応物を3℃に冷却し、35分間に渡り、内部温度が10℃を超えないような速度で、水素化ナトリウム(26.3g、658mmol)を少しずつ加えた。この反応物を氷浴から取り除き、12時間撹拌しながら周辺温度に温めた。この反応物を4容量(8L)のブラインで希釈し、30分間撹拌し、この時点で固体が形成された。この固体を濾別し、濾液をMTBE(全量10L)で抽出した。このMTBE相を真空中で濃縮した。この固体を濃縮物質と合わせ、酢酸エチル(3L)中に溶解した。EtOAcをブライン(4×1L)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。形成された固体を粉末へと砕き、真空中で4時間乾燥させた。この粉末をMTBE30mL/生成物10gで取り出し、この混合物を30分間撹拌した。固体を濾過し、真空中で乾燥させた(2時間)。母液を濃縮し、MTBEで粉末にした(同じ希釈速度)。固体を合わせ、3時間真空中で乾燥させることによって、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリルを生成した(181g、85%)。
ステップB:氷浴内で冷却した濃縮H2SO4(90mL)に、内部の温度が50℃を超えず、しかも25℃より低くならないように、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリル(43g、130mmol)を少しずつ加えた。添加完了後、この混合物を氷浴内で撹拌し、反応物が冷却し始めるまでこれを続け、冷却した時点で、反応物を氷浴から取り除き、この混合物を50℃に加熱した。この反応物を周辺温度に冷却し、次いで氷水を3分間に渡りゆっくりと加えた(水中の30%氷、約1400mL)。この混合物を氷浴内で5℃にさらに冷却し、内部温度を20℃より低く維持しながら、4M NaOH(約800mL)で約pH10に中和し、この時点で固体が形成された。この混合物を20分間撹拌し、次いで濾過し、MTBE(5×150mL)およびヘキサン(5×100mL)で洗浄し、真空下で乾燥することによって、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミドを生成した(43g、96%)。
ステップC:2L3口丸底フラスコに、水性の2M水酸化ナトリウム(343mL、686mmol)を加え、この溶液を氷浴内で冷却した。臭素(12ml、257mmol)を加え、反応物を30分間撹拌し、この間に氷浴を取り除いた。3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミド(58g、171mmol)を、ジオキサン約600mL中スラリーとして一度に加えた。30分間後、濃縮HClを1mLの分量ずつ加えることによって、混合物を約pH1に調整した。この反応物を15分間撹拌し、4N NaOHを約pH10になるまでこの溶液に加えた。この水性混合物をEtOAc(3×750mL)で抽出し、水(2×250mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。この物質を真空中で、50℃で乾燥させると、この時点で赤色の固体が形成された。この固体をCH2Cl2(CH2Cl2約40mL/物質5g)で粉末にし、この固体を濾過した。固体をCH2Cl2で洗浄し、真空下で、50℃で乾燥させた。濾液を真空中で濃縮し、物質をシリカゲル上で(3%MeOH/CH2Cl2)精製することによって、赤色の固体を生成した。これら2つの生成物を合わせることによって、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミンを生成した(24g、45%)。
ステップD:O,N−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(74.6g、765mmol)をTHF(1L)中に溶解し、ピリジン(123ml、1531mmol)を加え、30分間撹拌した。メタクリロリルクロリド(37.4ml、383mmol)をゆっくりと加え、一晩撹拌した。この固体を濾過し、濃縮した。残留物を水とCH2Cl2の間で分離させ、水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、N−メトキシ−N−メチルメタクリルアミドを生成した(56.5g、335mmol、収率87.5%)。
ステップE:丸底フラスコに、t−BuOH(850mL)、水(850mL)、Ad−Mix−α(230g、166mmol)およびメタンスルホンアミド(15.8g、166mmol)を仕込んだ。両方の相が透明になるまで(約5分間)、この混合物を周辺温度で撹拌し、次いで0℃に冷却し、この後オレンジ色の塩が沈殿した。N−メトキシ−N−メチルメタクリルアミド(21.5g、166mmol)を加え、不均質なスラリーを0℃で2時間勢いよく撹拌し、周辺温度に温め、24時間撹拌した。重硫酸ナトリウム(223g)をゆっくりと滴加することによって、この反応をクエンチし、1時間撹拌した。この反応混合物をEtOAc(3×300mL)で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、黄色の油として(R)−2,3−ジヒドロキシ−N−メトキシ−N,2−ジメチルプロパンアミドを生成した(32.7g、200mmol、収率120%)。
ステップF:(R)−2,3−ジヒドロキシ−N−メトキシ−N,2−ジメチルプロパンアミド(32g、196mmol)を2,2−ジメトキシプロパン(241ml、1961mmol)中に溶解し、4−メチルベンゼンスルホン酸水和物(3.73g、19.6mmol)を加え、周辺温度で一晩撹拌した。この反応物を飽和した水性の重曹とCH2Cl2の間で分離させ、CH2Cl2で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、(R)−N−メトキシ−N,2,2,4−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルボキサミドを生成した(22.9g、113mmol、収率57.5%)。
ステップG:(R)−N−メトキシ−N,2,2,4−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルボキサミド(22.9g、113mmol)をTHF(500mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。1M LAH(124ml、124mmol)を、約30分間に渡り、滴下ロートを介してゆっくりと加えた。この反応物をさらに30分間撹拌し、飽和した水性NH4Clを加え(125mL)、この反応物を周辺温度に温めさせておいた。濾過後、このスラリー混合物をEtOAcで数回洗浄し、濃縮することによって、粗原料(R)−2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドを生成した(10g、69.4mmol、収率61.6%)。これをさらなる精製なしで、次の反応で引き続き用いた。
ステップH:(R)−2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒド(6.9g、48mmol)を1:1メタノール水(100mL)中に溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩(3.3g、48mmol)およびNa2CO3(2.5g、24mmol)を加えた。この反応物を周辺温度で一晩撹拌した。メタノールを真空中で取り除き、残っている物質をCH2Cl2で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、(S)−2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドオキシムを生成した(5.7g、36mmol、収率75%)。
ステップI:(S)−2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドオキシム(5.7g、36mmol)をDMF(120mL)中に溶解し、1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(4.8g、36mmol)を加えた。この反応物を周辺温度で一晩撹拌し、次いで撹拌しながら水(600mL)に注いだ。15分後、濁った懸濁液をEtOAcで抽出し、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、(R)−N−ヒドロキシ−2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリドを生成した(6.4g、33mmol、収率92%)。
ステップJ:(R)−N−ヒドロキシ−2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリド(6.4g、33.1mmol)をEt2O(150mL)中に溶解し、メタンスルホニルクロリド(2.21ml、28.4mmol)を加えた。トリエチルアミン(3.96ml、28.4mmol)を滴加し、反応物を周辺温度で1時間撹拌した。生成した固体を濾過し、濾液を濃縮した。残留物をシリカゲル上で(100%CH2Cl2)精製することによって、琥珀色の油として(R)−2,2,4−トリメチル−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリドを生成した(5.8g、21.3mmol、収率64.6%)。
ステップK:(R)−2,2,4−トリメチル−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリド(350mg、1.29mmol)をCH3CN(6mL)に溶解した。NaNCS(104mg、1.29mmol)およびピリジン(260μl、3.22mmol)を加え、この反応物を45℃で45分間加熱した。3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミン(200mg、0.644mmol)を加え、この反応物を70℃で24時間加熱した。この反応物を水に注ぎ入れ、EtOAcで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中80%EtOAc)精製することによって、(S)−N−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(55mg、0.108mmol、収率16.8%)。
ステップL:(S)−N−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(55mg、0.108mmol)をEtOH(3mL)中に溶解した。1M HCl(0.3mL)を加え、この混合物を周辺温度で24時間撹拌した。追加の1M HCl(0.3mL)を加え、この混合物を一晩撹拌した。この混合物を飽和した水性の重曹とCH2Cl2の間で分離させ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(EtOAc中の15%メタノール)精製することによって、HCl塩の生成後、白色の固体として(S)−2−(5−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)プロパン−1,2−ジオール塩酸塩を生成した(34.9mg、0.0691mmol、収率63.9%)。質量スペクトル(apci)m/z=451.1(M+H−H2O−HCl)(100)および469.1(M+H−HCI)(30).
実施例151
(R)−2−(5−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)プロパン−1,2−ジオール塩酸塩
ステップA:窒素下の、オーバーヘッド撹拌メカニズムを備えた4つ口3000mL丸底フラスコ中のDMF600mLに、2−メチルピリジン−3−オール(71.8g、658mmol)を加え、この反応物を2℃に冷却した。水素化ナトリウム(60%、26.3g、658mmol)を、30分間という時間に渡り、内部温度が10℃を超えないような速度で加えた。周辺温度に1時間温めながら、この反応物を撹拌した。DMF400mL溶液中の5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリル(150g、658mmol)を2回に分けて加え、反応物を周辺温度で1.5時間放置した。周辺温度のこの反応物に、ピリジン−2−チオール(73.1g、658mmol)を固体として少しずつ加え、この反応物を15分間撹拌することによって、この物質を溶解した。この反応物を3℃に冷却し、内部温度が10℃を超えないように、水素化ナトリウム(26.3g、658mmol)を35分間に渡り少しずつ再び加えた。この反応物を氷浴から取り除き、12時間撹拌しながら周辺温度に温めた。この反応物をブライン4容量(8L)で希釈し、30分間撹拌した。この時点で固体が形成された。固体を濾別し、濾液をMTBE(全量10L)で抽出した。このMTBE相を真空中で濃縮した。固体を濃縮した物質と組み合わせ、酢酸エチル(3L)中に溶解した。EtOAcをブライン(4×1L)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中濃縮した。形成された固体を粉末へと砕き、真空中で4時間乾燥させた。この物質を、MTBE30mL中生成物10gの量で取り出し、反応物を30分間撹拌した。固体を濾過し、真空中で乾燥させた(2時間)。母液を濃縮し、MTBEで粉末にした(同じ希釈速度で)。固体を合わせ、3時間真空中で乾燥させることによって、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリルを生成した(181g、85%)。
ステップB:氷浴で冷却した濃縮H2SO4(90mL)に、内部温度が50℃を超えず、しかも25℃より低くならないように、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリル(43g、130mmol)を少しずつ加えた。添加完了後、この混合物を氷浴内で撹拌し、反応物が冷却し始めるまでこれを続け、冷却し始めた時点で反応物を氷浴から取り除き、混合物を50℃に加熱した。この反応物を周辺温度に冷却し、3分間に渡り、氷水にゆっくりと加えた(水中30%氷、約1400mL)。この混合物を氷浴内で5℃までさらに冷却し、内部温度が20℃を超えないような速度で、4M NaOH(約800mL)で約pH10に中和し、この時点で固体が形成された。この混合物を20分間撹拌し、次いで濾過し、MTBE(5×150mL)、ヘキサン(5×100mL)で洗浄し、真空下で乾燥することによって、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミドを生成した(43g、96%)。
ステップC:2L3口丸底フラスコに、水性の2M水酸化ナトリウム(343ml、686mmol)を加え、この溶液を氷浴内で冷却した。臭素(12ml、257mmol)を加え、反応物を30分間撹拌し、その間に氷浴を取り除いた。3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリンアミド(58g、171mmol)をジオキサン約600mL中のスラリーとして一度に加えた。30分間後、約pH1になるまで濃縮HClを1mLの分量で加えた。この反応物を15分間撹拌し、4N NaOHをこの溶液にpH約10になるまで加えた。この水性混合物をEtOAc(3×750mL)で抽出し、水(2×250mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。この物質を真空中、50℃で乾燥させ、この時点で赤色の固体が形成された。この固体をCH2Cl2(生成物5gに対してCH2Cl2約40mL)で粉末にし、固体を濾過した。この固体をCH2Cl2で洗浄し、真空下、50℃で乾燥させた。濾液を真空中で濃縮し、残留物をシリカゲル上で(3%MeOH/CH2Cl2)精製することによって、赤色の固体を生成した。これら2つの生成物を合わせることによって、3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミンを生成した(24g、45%)。
ステップD:O,N−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(74.6g、765mmol)をTHF(1L)中に溶解し、ピリジン(123ml、1531mmol)を加え、30分間撹拌した。メタクリロイルクロリド(37.4ml、383mmol)をゆっくりと加え、一晩撹拌した。固体を濾過し、濃縮した。残留物を水とCH2Cl2の間で分離させ、水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、N−メトキシ−N−メチルメタクリルアミドを生成した(56.5g、335mmol、収率87.5%)。
ステップE:丸底フラスコに、BuOH(850mL)、水(850mL)、Ad−Mix−β(230g、166mmol)およびメタンスルホンアミド(15.8g、166mmol)を仕込んだ。この混合物を両方の相が透明になるまで(約5分間)周辺温度で撹拌し、次いで0℃に冷却した。この後、オレンジ色の塩が沈殿した。N−メトキシ−N−メチルメタクリルアミド(21.5g、166mmol)を加え、不均質のスラリーを0℃で2時間勢いよく撹拌し、周辺温度に温め、24時間撹拌した。この反応を、重硫酸ナトリウム(223g)を遅く、少しずつ添加することによってクエンチし、1時間撹拌した。この反応混合物をEtOAc(3×300mL)で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、黄色の油として(S)−2,3−ジヒドロキシ−N−メトキシ−N,2−ジメチルプロパンアミドを生成した(32g、196mmol、収率118%)。
ステップF:(S)−2,3−ジヒドロキシ−N−メトキシ−N,2−ジメチルプロパンアミド(32g、196mmol)を2,2−ジメトキシプロパン(241ml、1961mmol)中に溶解し、4−メチルベンゼンスルホン酸水和物(3.73g、19.6mmol)を加え、この反応物を周辺温度で一晩撹拌した。この反応物をCH2Cl2と飽和した水性の重曹の間で分離させ、CH2Cl2で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカプラグ上で(1.5L、ヘキサン中25%EtOAcで溶離)精製することによって、(S)−N−メトキシ−N,2,2,4−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルボキサミドを生成した(23.1g、114mmol、収率58.0%)。
ステップG:(S)−N−メトキシ−N,2,2,4−テトラメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルボキサミド(23.1g、114mmol)をTHF(600mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。DIBAL−H(トルエン中1M、125ml、125mmol)を、滴下ロートを介して約15分間に渡りゆっくりと加えた。この反応物をさらに30分間−78℃で撹拌し、次いで飽和した水性NH4Clでクエンチした。この混合物をEtOAcと水の間で分離させた。これら2層を、シリカプラグを介して濾過し、分離した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、(S)−2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドを生成した(16.4g、114mmol、収率100%)。
ステップH:(S)−2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒド(5.8g、40mmol)を1:1メタノール水(100mL)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(2.8g、40mmol)およびNa2CO3(2.1g、20mmol)中に溶解した。この反応物を周辺温度で一晩撹拌し、次いで真空中で濃縮した。水層をCH2Cl2で抽出し,有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、(R)−2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドオキシムを生成した(4.8g、30mmol、収率75%)。
ステップI:(R)−2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドオキシム(4.8g、30mmol)をDMF(100mL)中に溶解し、1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(4.0g、30mmol)を加えた。この反応物を周辺温度で一晩撹拌し、次いで撹拌しながら水(600mL)に注いだ。15分間後、この濁った懸濁液をEtOAcで抽出し、水およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、(S)−N−ヒドロキシ−2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリドを生成した(5.5g、28mmol、収率94%)。
ステップJ:(S)−N−ヒドロキシ−2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリド(5.5g、28.4mmol)をEt2O(150mL)中に溶解し、メタンスルホニルクロリド(2.21ml、28.4mmol)を加えた。トリエチルアミン(3.96ml、28.4mmol)を滴加し、この反応物を周辺温度で1時間撹拌した。生成した固体を濾過し、濾液を濃縮した。残留物をシリカゲル上で(100%CH2Cl2)精製することによって、琥珀色の油として(S)−2,2,4−トリメチル−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリドを生成した(4.7g、17.3mmol、収率60.9%)。
ステップK:(S)−2,2,4−トリメチル−N−(メチルスルホニルオキシ)−1,3−ジオキソラン−4−カルビミドイルクロリド(438mg、1.61mmol)をCH3CN(6mL)中に溶解し、NaNCS(131mg、1.61mmol)およびピリジン(311μL、3.87mmol)を加え、この反応物を45分間45℃に加熱した。3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミン(200mg、0.644mmol)を加え、この反応物を70℃に24時間加熱した。この反応物を水に注ぎ入れ、EtOAcで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(ヘキサン中80%EtOAc)精製することによって、(R)−N−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを生成した(65mg、0.128mmol、収率19.8%)。
ステップL:(R)−N−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−3−(2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(65mg、0.128mmol)をEtOH(3mL)中で溶解し、1M HCl(0.3mL)を加えた。この混合物を周辺温度で24時間撹拌した。追加の1M HCl(0.3mL)を加え、混合物を一晩撹拌した。この混合物を飽和した水性の重曹とCH2Cl2の間で分離させ、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で(EtOAc中15%メタノール)精製することによって、HCl塩の生成後、白色の固体として(R)−2−(5−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)プロパン−1,2−ジオール塩酸塩を生成した(42.6mg、0.0844mmol、収率66.0%)。質量スペクトル(apci)m/z=469.1(M+H−HCl)。
実施例A
インビトロのグルコキナーゼアッセイ
本発明のグルコキナーゼ活性化剤のインビトロにおける有効性を2つの別個のアッセイで評価した。EC50アッセイは、固定された、生理学的に関連するグルコース濃度において各化合物の効力を評価するものであり、グルコースS0.5アッセイは、固定された、飽和に近い(可能であれば)濃度の化合物において、グルコースについてのVmおよびS0.5に対するその効果を評価するためのものである。これらの各アッセイでは、NAD+およびグルコース6−リン酸デヒドロゲナーゼを含有する共役アッセイシステムにおいて340nmでの吸光度の増加をモニターすることによって、グルコキナーゼ活性を推定した。アッセイは、サーモスタット制御による吸光度プレート読取り器(Spectramax 340PC、Molecular Devices Corp)および透明な96ウェル平底ポリスチレンプレート(Costar 3695、Corning)を用いて30℃で行った。各50μLアッセイ混合物には、10 mM K+MOPS、pH7.2、2mM MgCl2、50mM KCl、0.01%Triton X−100、2%DMSO、1mM DTT、1mM ATP、1mM NAD+、5U/mLグルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ、約5または0.2nMのヒトグルコキナーゼならびに(アッセイに応じて)異なる濃度のグルコースおよび試験化合物が含まれていた。340nmにおける吸光度を、5分間という時間に渡り(10秒/サイクル)動力学的にモニターし、速度を、生データに当てはめた直線の傾きから推定した。
グルコキナーゼ EC50アッセイ:
このアッセイでは、グルコース濃度を5mMに固定し、対照化合物または試験化合物を、3倍希釈系列の10点に渡り変化させ、通常、範囲は50μMの高用量から約2.5nMの低用量までに及んだ。あるアッセイにおいて、4%ヒト血清アルブミン(HSA)をアッセイ緩衝液中に入れて、EC50推定値と、HSAの非存在下で求められた値とを比較することにより、試験化合物のそれぞれの血漿タンパク質結合能を評価した。
それぞれの場合(HAS有り無しで)、標準的な、4−パラメータロジスティックモデル(方程式1)を生データに当てはめた(速度対化合物濃度):
(式中、xは化合物の濃度であり、yは推定速度であり、AおよびBは、それぞれ下の漸近線および上の漸近線であり、CはEC
50であり、DはHillスロープである。)。EC
50は、上の漸近線と下の漸近線の間の中間点または変曲点として定義される。
本明細書中に例示された化合物は、上記アッセイにおいて、6から50,000nMの範囲のEC50を有することが判明した。本明細書中に例示されたある化合物は、2から5000nMの範囲のEC50を有することが判明した。本明細書中に例示されたある化合物は、アッセイをHSAなしで実施した場合、10−400の範囲のEC50を有することが判明した。本明細書中に例示されたある化合物は、アッセイを4%HSAで実施した場合、30−1000の範囲のEC50を有することが判明した。
グルコースS0.5アッセイ
このアッセイでは、対照化合物または試験化合物の濃度を、飽和濃度または飽和濃度の付近を固定し、可能であれば、通常50μMに固定し、グルコース濃度を、80から約0.16mMの範囲で2倍希釈系列の10点に渡り変化させた。EC50アッセイ(方程式1)に使用したものと同じ4パラメータロジスティックモデルを使用して、関連する動力学パラメータを推定した。このアッセイにおいて、変数およびパラメータの定義は、xがグルコース濃度を表し、Bが飽和しているグルコースでの速度(Vn)であり、Cがグルコースに対するS0.5(Vm/2におけるグルコース濃度)であり、DがHill係数であることを除いて同様である。
本明細書中に例示されたある化合物は、上記アッセイにおいて、0.3から5mMの間のS0.5を有することが判明した。本明細書中に例示されたある化合物は、0.30から1.5mMの間のS0.5を有することが判明した。
実施例B
マウスPK試験
表1(「試験化合物」)に示した化合物のそれぞれの経口による薬物動態を以下の通り求めた。
物質
試験化合物は、CD−IマウスへのIV投与用としてPEG400:エタノール:生理食塩水(容量比40:20:40)中で配合し、ならびにIVおよびPOの両投与用として、水中30%Captisol中で配合した。CD−IマウスサンプルのLC−MS/MSアッセイに対する内標準としてラベタロールを使用した。
オスの成体CD−Iマウスは、Portage、MIのCharles River Laboratoriesから入手した。試験開始時の各CD−Iマウスの体重は約30グラムであり、週齢は、7−9週の間であった。すべてのCD−Iマウスは、尾静脈注射(5mL/kg)によるIV投与または経口胃内投与によるPO投与(10mL/kg)の前少なくとも5日間は、Array Bio Pharma Inc.の飼育場で環境に順応させておいた。
CO2吸入により動物を安楽死させ、心臓穿刺により、水中の1.5%EDTA溶液(w/v、5N NaOHでpHを7.4に滴定、EDTAに対する血液の最終比は約1:9)を抗凝血薬として含有するシリンジに血液試料を収集した。遠心分離により血液試料から血漿を収集し、分析時まで−20℃で保管した。IV治療群に対しては、以下の時間点で収集した:投与後、0.017、0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、12および24時間。PO治療群に対しては、以下の時間点で収集した:投与後、0.25、0.50、1、4、8および24時間。
方法
アセトニトリル中0.1%酢酸200μLの添加により、マウス血漿20μLからタンパク質を沈殿させた。単一の12点検量線を、アセトニトリル中試験化合物の40μg/mL保存液を最初に連続性に希釈する(3倍)ことにより作成した。次いで純粋なCD−Iマウス血漿(20μL)を各標準液(200μL)に加えた。続いて内標準(ラベタロール、アセトニトリル中0.1μg/mLを180μL)の保存液を、総容積400μLになるまで標準溶液および試料溶液にそれぞれ加えた。試料をボルテックスで5分間撹拌混合し、Allegra X−12R遠心機(Beckman Coulter、Fullerton、CA)内で、約1500×gで、4℃で15分間回転させた。それぞれの上清100μLアリコットを、550μL Personal Pipettor(Apricot Designs、Monrovia、CA)を介して96ウェルプレートに移し、HPLC等級の水を用いて、1:1で希釈した。得たプレートをプレートマットで密閉し、LC−MS/MSで解析した。
このLC−MS/MS システムは、HTC−PALオートサンプラー(Leap Technologies、Inc.、Carrboro、NC)、HPI1O0 HPLC(Agilent Technologies Inc.、Santa Clara、CA)およびAPI4000トリプル四極子質量分析器(Applied Biosystems、Foster City、CA)から構成されていた。分析物および内標準のクロマトグラフィー保持は、移動相A(水性の0.1%ギ酸および1%IPA)とB(アセトニトリル中0.1%ギ酸)を用いた勾配条件と組み合わせて、Betasil Phenyl−Hexylカラム(2.1×30mm、3μm粒度、Thermo Scientific)を用いることにより遂行された。再平衡時間を含めた、単回投与の全実行時間は、3.5分であった。分析物の質量分析検出は、ESI+イオン化方法を用いて行った。試験化合物の保存液の点滴の間にイオン電流を最適化した。分析物の反応を、各化合物特有の遷移をマルチプルリアクションモニタリング(MRM)することにより測定した。
計算
Applied Biosystems Analystソフトウェア(バージョン1.4.2)を用いて、データを取得および処理した。内標準に対する分析物のピーク領域比を、標準試料の名目上の濃度の関数としてプロットすることによって、キャリブレーションを遂行した。キャリブレーションモデルは加重因子が1/xである検量線の二次回帰により作成した。このモデルを使用することによって、すべての試料の濃度を算出した。この分析の定量化(LLOQ)の下限は、一桁のμg/mL範囲であった(2.03または6.10μg/mLのいずれか)。
確立した非コンパートメント分析法により、自社製のExcel(登録商標)(Microsoft Corporation、Redmond、WA)マクロ、PK Toolboxバージョン2.0を用いて薬物動態パラメータを計算した。各時間点に対する、複製動物からの、試験化合物の血漿中濃度(n=3)の平均を取った。この平均濃度対時間をモデルにしてPKパラメータを求めた。2匹以上の複製動物が比較用として存在する場合にのみ(すなわち値がLLOQを超える場合にのみ)、血漿中濃度の標準偏差を求めた。血漿中濃度対時間の曲線下の領域(AUC)を線形の台形積分を用いて求めた。最後の測定可能濃度から無限までのAUCの部分を、方程式Cl/kel(式中Clは、最後の測定可能な濃度を表し、kelは、排出速度定数である。)から推定した。後者は、濃度対時間曲線から、片対数プロットの最終段階におけるユーザー選択によるデータポイントの直線回帰により求めた。最後の時間点からの外挿前および外挿後のAUC値の和をAUCinf値として記録した。経口の生物学的利用度を、IVおよびPO投与に対し、平均用量を正規化したAUCinf値の比から計算した。
前述の記載は、本発明の本質の単なる例示として考えられる。さらに、当業者には多数の改変および変更が容易に明らかであるので、本発明を、正確な解釈および上で説明された通り示された方法に限定してしまうことは望ましくない。したがって、すべての適切な改変および均等物は、以下の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲内に入ると考えてもよい。
「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(include)」、「含めた(including)」および「含む(includes)」などの単語は、本明細書および以下の特許請求の範囲において使用される場合、述べられた特徴、整数、成分またはステップの存在を明記することを意図しているが、これらは、他の1つ以上の特徴、整数、成分、ステップまたはこれらの群の存在または追加を排除しない。