JP5716124B1 - 汚水排出システム - Google Patents

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Abstract

【課題】排水設備から流れる汚水の流路を簡単に切り替えることができ、災害時に汚水の流路が切り替えられなくなる事態を回避しやすい汚水排出システムを提供する。【解決手段】汚水排出システム1Aは、排水設備7に接続された第1流出管路11と、下水本管20に接続された第2流出管路12と、貯留手段70と、汚水ます40とを備えている。汚水ます40は、上方に開口する点検口と、第1流出管路11が接続された流入口52と、第2流出管路12が接続された第1流出口53と、貯留手段70に接続された第2流出口とを有するます本体と、流入口52から上記第2流出口へ汚水が流れないように流入口52と第1流出口53とを連通させる第1の切替位置と、流入口52から第1流出口53へ汚水が流れないように流入口52と上記第2流出口とを連通させる第2の切替位置との間で位置変更が可能な切替手段とを有している。【選択図】図1

Description

本発明は、汚水排出システムに関する。
従来から、排水設備から下水本管に汚水を排出する汚水排出システムが知られている。排水設備としては、例えば、トイレ、風呂、または台所の流し台などが挙げられる。この種の汚水排出システムは、排水設備と下水本管とをつなぐ流出管路を備えている。排水設備から流出する汚水は、流出管路を通じて下水本管へ排出される。
ところで、大規模な地震または津波などの災害が発生した際、下水本管が破損するおそれがある。下水本管が破損してしまった場合、下水本管から汚水が外部に漏れてしまうおそれがあった。
特許文献1には、排水設備と下水本管とをつなぐ流出管路と、汚水を貯留する貯留槽と、流出管路の途中に設けられ、流出管路の汚水を貯留槽へ流すように汚水の流路を切り替える継手またはポート弁とを備えた汚水排出システムが開示されている。この汚水排出システムでは、災害時に下水本管が破損した場合、継手またはポート弁によって汚水の流路を切り替えることで、汚水の排出先を下水本管から貯留槽に変更する。
特開平10−266286号公報
しかしながら、特許文献1に記載された継手を備える汚水排出システムでは、汚水の流路を切り替える際、継手を流出管路から取り外すための作業が必要である。災害時等では作業の簡便性が重要となるが、上記汚水排出システムでは、汚水の流路の切り替えが簡単ではなかった。一方、特許文献1に記載されたポート弁を備える汚水排出システムでは、ポート弁を切り替えるだけで汚水の流路を切り替えることができるので、流路の切り替え作業は比較的簡単である。しかし、排水設備から流出する汚水には、異物などが含まれている場合がある。また、長年の使用により、管路内に付着物が堆積する場合がある。ポート弁は異物が詰まりやすく、また、内部に付着物が堆積すると、弁体が円滑に動きにくくなり、流路の切り替えが困難となる場合がある。そのため、ポート弁を備える汚水排出システムでは、災害時に、流路の切り替えが良好に行えない場合があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、排水設備から流れる汚水の流路を簡単に切り替えることができ、かつ、災害時に汚水の流路が切り替えられなくなる事態を回避しやすい汚水排出システムを提供することである。
本発明に係る汚水排出システムは、建物内に配置された排水設備に一端が接続された第1流出管路と、一端が下水本管に接続された第2流出管路と、汚水を貯留する貯留手段と、汚水ますと、を備えている。前記汚水ますは、上方に開口する点検口と、前記第1流出管路の他端が接続された流入口と、前記第2流出管路の他端が接続された第1流出口と、前記貯留手段に接続された第2流出口と、を有するます本体と、前記ます本体に設けられ、前記流入口から前記第2流出口へ汚水が流れないように前記流入口と前記第1流出口とを連通させる第1の切替位置と、前記流入口から前記第1流出口へ汚水が流れないように前記流入口と前記第2流出口とを連通させる第2の切替位置との間で位置変更が可能な切替手段と、を有する。前記汚水ますは、前記建物の外に配置されている。前記貯留手段は、前記建物の内部に配置されている。
前記汚水排出システムによれば、汚水ますが流路切替機能を有している。切替手段の位置を変更するだけで、汚水の流路を簡単に切り替えることができる。ところで、排水設備から流出する汚水には、異物などが含まれている場合がある。また、長年の使用により、流出管路に付着物が堆積する場合がある。しかし、汚水ますは点検口を備えているため、メンテナンスが容易である。よって、汚水ます内に異物が詰まった場合、または、付着物が堆積した場合に、点検口から異物または付着物を容易に取り除くことができる。したがって、災害時に、汚水ますの流路切替機能を十分に確保することができ、流路が切り替えられなくなる事態を回避しやすくなる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記第2流出口は、前記ます本体の下部に設けられかつ下方に開口している。前記切替手段は、前記第2流出口に着脱自在に設けられた蓋体である。
上記態様によれば、蓋体を第2流出口に装着すると、流入口と第1流出口とが連通し、流入口と第2流出口との連通が遮断される。よって、流入口からます本体に流入した汚水は、第1流出口から流出し、第2流出口からは流出しない。したがって、排水設備から流出した汚水は、下水本管に排出される。一方、災害時において、蓋体を第2流出口から取り外すと、流入口と第1流出口と第2流出口とは連通する。しかし、第2流出口は、流入口および第1流出口よりも低い位置に設けられている。よって、流入口からます本体に流入した汚水は、第1流出口から流出するのではなく、第2流出口から流出する。したがって、排水設備から流出した汚水は、貯留手段に排出される。上記態様によれば、蓋体を取り外すという簡単な作業によって、汚水の流路を切り替えることができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記貯留手段は、前記建物の床下に設けられた配管ピットである。
上記態様によれば、新たに貯留槽を設ける必要がなく、コストの削減となる。配管ピットを災害時の汚水の貯留手段として利用するため、スペースを有効利用することができる。
本発明によれば、排水設備から流れる汚水の流路を簡単に切り替えることができ、かつ、災害時に汚水の流路が切り替えられなくなる事態を回避しやすい汚水排出システムを提供することができる。
実施形態に係る汚水排出システムの平面図である。 汚水ますおよび貯留槽、ならびに、その周辺を示した側面図である。 汚水ますの平面図である。 汚水ますの正面断面図である。 汚水ますの側面図である。 蓋体の平面図である。 蓋体の正面図である。 蓋体の側面図である。 実施形態の他の実施形態に係る汚水ますおよび貯留槽、ならびに、その周辺を示した側面図である。 実施形態の他の実施形態に係る汚水ますおよび貯留槽、ならびに、その周辺を示した側面図である。 第1参考形態に係る汚水排出システムの平面図である。 第1参考形態の変形例に係る汚水排出システムの平面図である。 第1参考形態の変形例に係る汚水排出システムの平面図である。 第2参考形態に係る汚水排出システムの平面図である。 第2参考形態に係る汚水排出システムの側面図である。 第2参考形態の変形例における免震構造を示す図である。 第2参考形態の変形例における免震構造を示す図である。 第2参考形態の変形例における免震構造を示す図である。 第2参考形態の変形例における免震構造を示す図である。 第3参考形態に係る汚水排出システムの平面図である。 第3参考形態に係る汚水排出システムの正面図である。 第3参考形態の変形例に係る汚水排出システムの側面図である。 第4参考形態に係る汚水排出システムの平面図である。 第5参考形態に係る汚水排出システムの平面図である。 逆流防止弁を備えたますの縦断面図である。 逆流防止弁を備えたますの平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る汚水排出システムの各実施形態について説明する。ここで説明される各実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
<実施形態>
まず、実施形態に係る汚水排出システム1Aについて説明する。図1は、本実施形態に係る汚水排出システム1Aを示す平面図である。汚水排出システム1Aは、建物5内に配置された排水設備7,7Bから建物5の外部の下水本管20に汚水を排出するシステムである。ここで、「建物」とは、少なくとも壁を有する建築物のことを指し、住宅、商業施設、工場、校舎および倉庫などが含まれる。また、本実施形態では、「建物内」には、屋根および壁に囲まれた床上の空間はもちろんのこと、床下の空間も含まれる。平面視において、壁に囲まれた部分は「建物内」である。「汚水」とは、例えばトイレ、風呂および台所の流し台などから排出される水であり、そのままでは河川に放流させることができないものである。「排水設備」とは、汚水を排出する設備のことであり、トイレ、風呂または台所の流し台などが挙げられる。図1では、汚水排出システム1Aは、1つの建物5内に4つの排水設備7,7Bを備えているが、建物および排水設備の数は特に限定されない。汚水排出システム1Aが設置される建物5の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。建物5内には、1つの排水設備7のみが設けられていてもよく、本実施形態のように、複数の排水設備7,7Bが設けられていてもよい。図1に示すように、汚水排出システム1Aは、流出管路10と、下水本管20と、汚水の流路を切り替えることが可能な汚水ます40と、貯留槽70とを備えている。
流出管路10は、第1流出管路11および第2流出管路12を備えている。第1流出管路11の上流端は排水設備7に接続され、第1流出管路11の下流端は汚水ます40の流入口52に接続されている。第2流出管路12の上流端は汚水ます40の第1流出口53に接続され、第2流出管路12の下流端は下水本管20に接続されている。第2流出管路12の途中部分には、公共ます21が設けられている。公共ます21とは、建物5の敷地と公道との境界付近に設置されるますのことである。公共ます21は建物5の敷地内に設置されることが好ましい。公共ます21には、建物5内の排水設備7,7Bから流出した汚水が合流する。なお、「管路」とは、水を流通させる通路を意味する。「管路」は、一本の配管により構成されていてもよく、本実施形態のように、複数本の配管とそれらを接続する継手とにより構成されていてもよい。
また、流出管路10は、第1流出管路11Bを備えている。第1流出管路11Bの上流端は排水設備7Bに接続され、第1流出管路11Bの下流端は第1流出管路11に接続されている。
下水本管20は、汚水を汚水処理場(図示せず)に導く管である。建物5の排水設備7,7Bから流出する汚水は、下水本管20に排出される。
汚水ます40は、汚水の流路を切り替えることが可能なますである。具体的には、汚水ます40は、排水設備7,7Bから流出した汚水を下水本管20または貯留槽70に流すように汚水の流路を切り替えるものである。汚水ます40は、建物5の外の地中に埋設されている。ここでは、第2流出管路12において汚水ます40と公共ます21との間には、他の汚水ますは設けられていない。汚水ます40は、公共ます21の近傍に設けられている。汚水ます40は、公共ます21の直前に設けられている。
図2は、汚水ます40および貯留槽70の近傍を示した側面図である。図3は、汚水ます40の平面図である。図4は、汚水ます40の正面断面図である。図5は、汚水ます40の側面図であり、第1流出口53側から見た図である。図4に示すように、汚水ます40は、ます本体41と蓋体42とを備えている。図5に示すように、ます本体41は、上部が拡径した略筒状に形成されている。図4に示すように、ます本体41の上部には、上方に開口する点検口51が形成されている。ます本体41の側部には、側方に開口する流入口52および第1流出口53が形成されている。ます本体41の下部には、下方に開口する第2流出口54が形成されている。
図2に示すように、点検口51は、地面に向かって開口している。点検口51には、点検筒56が接続されている。点検筒56の上端は、地面と略同じ高さである。作業者は、地上から点検筒56を通じて、ます本体41の内部に破損または詰まりなどがないかを点検することができる。なお、点検筒56の上端には、蓋57が配置されている。蓋57は、地上から取り外しが可能である。点検筒56は、蓋57によって閉じられている。蓋57によって、汚水ます40内の汚水から発生する悪臭が点検口51を通じて外部に漏れることを防止することができる。
図4に示すように、流入口52は、排水設備7から流出した汚水が流入する部位である。流入口52は、ます本体41の側部に設けられている。本実施形態では、流入口52は、配管が挿入される受口であるが、配管に挿入される差口であってもよい。前述の通り、流入口52には第1流出管路11が接続される。なお、本実施形態では、流入口52には、第1流出管路11の一部をなす配管(図示せず)が直接接続されるが、流入口52に配管が他の部材などを介して間接的に接続されていてもよい。上記他の部材としては、フレキシブルジョイントまたはゴム製の継手などの伸縮自在なものを好適に用いることができる。
第1流出口53は、ます本体41内に流入した汚水が流出する部位である。第1流出口53は、ます本体41の側部であって、流入口52と反対側に配置されている。本実施形態では、第1流出口53は受口であるが、第1流出口53は差口であってもよい。前述の通り、第1流出口53には、第2流出管路12が接続される。第1流出口53には、第2流出管路12の一部をなす配管が直接接続されていてもよく、上記配管が他の部材を介して間接的に接続されていてもよい。
第2流出口54は、第1流入口53と同様に、ます本体41内に流入した汚水が流出する部位である。第2流出口54は、ます本体41の下部に設けられており、下向きに開口している。第2流出口54は、平面視において、流入口52と第1流出口53との間に配置されている。ここでは、図2に示すように、貯留槽70が汚水ます40の下方に配置されており、第2流出口54には、貯留槽70が直接接続されている。しかし、第2流出口54は、接続管などを介して貯留槽70が間接的に接続されていてもよい。
蓋体42は、ます本体41の汚水の流路を切り替える部材である。本実施形態では、蓋体42が「切替手段」に対応する。蓋体42は、第2流出口54に着脱自在に設けられている。蓋体42が第2流出口54に装着されると、第2流出口54は閉鎖される。蓋体42が第2流出口54から取り外されると、第2流出口54は開放される。図6は、蓋体42の平面図である。図7は、蓋体42の正面図である。図8は、蓋体42の側面図である。図7に示すように、蓋体42は、蓋本体61と、持ち手62と、嵌合凸部63とを備えている。
図6に示すように、蓋本体61は、流入口52から第1流出口53へと繋がる流路を形成する底面65を備えている。図8に示すように、底面65は、流入口52の底面および第1流出口53の底面と滑らかに連続するように、断面略Cの字状に形成されている。図6に示すように、持ち手62は、蓋本体61の上端から上方に延びるようにして蓋本体61に設けられている。図8に示すように、持ち手62は、断面略Cの字状に形成されている。図7に示すように、嵌合凸部63は、蓋本体61の下面中央に設けられている。嵌合凸部63は、第2流出口54を閉塞すべく、第2流出口54に嵌合可能な部位である。嵌合凸部63は略円筒状である。本実施形態では、嵌合凸部63の外周部には、ゴム製のシール部材64が設けられている。このシール部材64によって、第2流出口54と蓋体42の嵌合凸部63との間のシールが図られている。
図4に示すように、汚水ます40には、汚水が逆流することを防ぐための逆流防止弁58が設けられていてもよい。本実施形態では、逆流防止弁58は、汚水ます40の第1流出口53に設けられている。逆流防止弁58は、流入口52から第1流出口53に向かう汚水の流れは許容し、第1流出口53から流入口52に向かう汚水の流れは阻止するように構成されている。本実施形態では、逆流防止弁58は、上端部がピン59aにより回転可能に支持されている。第1流入口53の底部には、逆流防止弁58の下端部と接触するストッパ59bが設けられている。ストッパ59bは逆流防止弁58よりも流入口52側に設けられている。このような構成により、汚水が流入口52から第1流出口53に向かって流れると、逆流防止弁58は汚水の流れによって押され、ピン59aを中心として図4の反時計回りに回転する。これにより、逆流防止弁58は開かれる。一方、汚水が第1流出口53から流入口52に向かって流れようとすると、逆流防止弁58は汚水の流れによって押され、ピン59aを中心として図4の時計回り方向の力を受ける。しかし、逆流防止弁58の下端部はストッパ59bにより規制されるので、逆流防止弁58が反対側に開くことは阻止される。これにより、汚水の逆流が防止される。なお、逆流防止弁58は、流入口52に設けられていてもよいし、第2流出口54の上方に設けられていてもよい。逆流防止弁58の位置および構成は、何ら限定されない。また、汚水ます40には、逆流防止弁58を設けなくてもよい。この場合、逆流防止弁58、ピン59aおよびストッパ59bを省略することが可能である。
汚水ます40の点検口51には、識別手段が設けられているとよい。この識別手段は、汚水ます40がどこにあるかを簡単に見付けることができるための手段である。識別手段を設けることにより、例えば暗闇であっても点検口51がどこにあるかを簡単に見付けることができる。ここでは、識別手段として、点検口51に接続された点検筒56の上端部、および/または、この点検筒56の上端に配置された蓋57に、汚水ます40の他の部分に施されている色彩と識別容易な色彩が施されている。この識別手段で用いられる色彩は特に限定されないが、例えば、黄色である。上記色彩は蛍光色であってもよい。例えば、点検筒56の上端部および/または蓋57に、蛍光塗料を塗布してもよい。このことによって、作業者は暗闇でも簡単に汚水ます40の位置を把握することができる。ただし、上記識別手段は、上述した色彩によるものに限定されず、例えば、蓋57の上面に旗などの識別容易な物体が配置されていてもよい。
貯留槽70は、排水設備7,7Bから排出した汚水を貯留する槽である。本実施形態では、貯留槽70は、「貯留手段」に対応する。図1に示すように、貯留槽70は建物5の外に配置されており、地中に埋設されている。図2に示すように、貯留槽70の上面には、汚水ます40が配置されている。貯留槽70と汚水ます40とは互いに直接連通している。前述したように、貯留槽70には、汚水ます40の第2流出口54が直接接続されている。貯留槽70は、第2流出口54から流れる汚水を貯留する。貯留槽70は、内部に密封された空間を有している。貯留槽70が密封式であることにより、貯留槽70内の汚水から発生する悪臭が外部に漏れないようになっている。貯留槽70は必ずしも地中に埋設されていなくてもよい。貯留槽70は、地上に設置されていてもよい。
次に、本実施形態に係る汚水排出システム1Aの利用方法について説明する。汚水排出システム1Aは、通常時は排水設備7,7Bから流出する汚水を下水本管20に排出し、地震または津波などの災害が発生して下水本管20が破損したときには、汚水ます40の汚水の流路を切り替えて、排水設備7,7Bから流出する汚水を貯留槽70に排出するように用いられる。以下の説明では、通常時の利用態様を通常時モードといい、災害時の利用態様を災害時モードということとする。
通常時モードでは、汚水ます40の第2流出口54は、蓋体42によって塞がれている。図1に示すように、排水設備7から流出した汚水は、第1流出管路11に流れた後、汚水ます40の流入口52からます本体41に流入する。ます本体41に流入した汚水は、第2流出口54を閉塞している蓋体42(図4参照)の上方を通り、第1流出口53からます本体41の外へ流出する。第1流出口53から流出した汚水は、第2流出管路12を流れ、下水本管20に排出される。排水設備7Bから流出した汚水は、第1流出管路11Bを流れた後、第1流出管路11へ流れる。その後は、排水設備7Bから流出した汚水は、排水設備7から流出した汚水と合流し、下水本管20に排出される。そして、下水本管20に流れた汚水は、汚水処理場などに流され処理される。
災害時モードでは、汚水ます40の蓋体42が第2流出口54から取り外され、第2流出口54が開放される。蓋体42は、例えば以下のようにして取り外すことができる。まず、作業者は、点検筒56に被せられた蓋57を点検筒56から取り外す。次に、蓋体42の持ち手62を持って蓋体42を引き上げる。これにより、第2流出口54が開放される。なお、持ち手62に手が届かないような場合は、例えば先端にフックを有する棒状体などを使用して、上記フックを持ち手62に引っ掛けて蓋体42を引き上げればよい。
災害時モードでは、排水設備7から流出した汚水は、第1流出管路11を流れた後、汚水ます40の流入口52からます本体41に流入する。このとき、第2流出口54が蓋体42から開放されており、また、第2流出口54はます本体41の下部に形成されているので、ます本体41に流入した汚水は、第2流出口54からます本体41の外へ流出する。第2流出口54から流出した汚水は、貯留槽70へ排出される。排水設備7Bから流出した汚水は、第1流出管路11Bを流れた後、第1流出管路11に流れる。その後は、排水設備7Bから流出した汚水は、排水設備7から流出した汚水と合流して、貯留槽70へ排出される。
以上のように、本実施形態では、流路切替機能を有する汚水ます40を備え、災害時には、汚水ます40の流路を切り替えることによって、汚水の排出先を下水本管20から貯留槽70に切り替える。流路の切替の際に継手をつなぎ変える従来技術と異なり、本実施形態によれば、流路の切替が容易である。また、ポート弁により流路を切り替える従来技術の場合、長年の使用により、汚水に含まれる異物がポート弁に詰まったり、ポート弁の内部で付着物が堆積してしまい、災害時に流路が切り替えられないおそれがある。しかし、本実施形態によれば、図2に示すように、汚水ます40は点検口51を備えているため、メンテナンスが容易である。よって、汚水ます40のます本体41内に異物が詰まった場合、または、付着物が堆積した場合に、点検口51から異物または付着物を容易に取り除くことができる。したがって、災害時に、汚水ます40の流路切替機能を十分に確保することができ、汚水の流路が切り替えられなくなる事態を回避しやすくなる。本実施形態によれば、排水設備7,7Bから流れる汚水の流路を簡単に切り替えることができ、かつ、災害時に汚水の流路が切り替えられなくなる事態を回避しやすい汚水排出システムを実現することができる。よって、災害時に、下水本管20が破損した場合であっても、破損した下水本管20に汚水が流出することを防ぐことができ、汚水が外部に漏れにくくすることができる。
汚水ます40の点検口51から汚水排出システム1Aのメンテナンスを行う手順としては、例えば以下の通りである。点検口51から流入口52または第1流出口53に向かって、点検用の器具を挿入することで、第1流出管路11,11Bおよび第2流出管路12の内部の状況を把握することができる。仮に、第1流出管路11,11Bまたは第2流出管路12の内部に異物または堆積物などが見つかった場合、取り出し用の器具を利用して、その異物または堆積物などを取り除くことができる。また、点検口51から第2流出口54に向かって、吸引用のホースを挿入することで、ホースを通じて貯留槽70内の汚水を貯留槽70から排出することができる。
流路の切替の際に継手をつなぎ変える従来技術では、作業にあたってある程度の技能が必要であり、また、工具が必要である。しかし、本実施形態では、図4に示すように、汚水ます40は、第2流出口54に着脱自在に設けられた蓋体42を備えている。蓋体42を着脱するだけで、流路を容易に切り替えることができる。蓋体42の着脱には、工具は特に不要である。また、蓋体42の着脱には、特に高度な技能は必要ない。災害時には、建物の住民自らが流路を切り替えなくてはならない場合が多い。本実施形態によれば、建物の住民自らが工具を用いなくても流路を容易に切り替えることができる。
本実施形態では、図1に示すように、災害時に、汚水ます40の流路を切り替えることにより、排水設備7から流出した汚水、および、排水設備7Bから流出した汚水を、貯留槽70にまとめて排出することができる。本実施形態では、排水設備7,7Bごとに汚水ます40を設ける場合に比べて、汚水ます40の数を減らすことができる。したがって、コストを削減することができる。また、排水設備7,7Bごとに汚水ます40を設ける場合に比べて、災害時に、汚水の流路の切替作業を少なくすることができる。よって、部品点数を削減することができると共に、コストを低減することができる。本実施形態では、汚水ます40は公共ます21の直前に配置されており、最下流の位置に配置されている。公共ます21には、全ての排水設備7,7Bから流出した汚水が流れるため、汚水ます40を公共ます21の直前に配置することによって、全ての排水設備7,7Bから流出した汚水を貯留槽70に排出することができる。建物5内の全ての排水設備7,7Bに対して、汚水ます40および貯留槽70はそれぞれ1つで足りる。
また、本実施形態では、点検口51には、点検口51を識別するための識別手段が設けられている。この識別手段として、点検口51に接続された点検筒56の上端、および/または、この点検筒56の上端に配置された蓋57には、汚水ます40に施されている色彩と識別可能な色彩が施されている。このことによって、作業者が容易に点検口51を見付けることができる。特に、震災時に蓋体42を第2流出口54から取り外して、汚水の流路を切り替える場合、作業者は素早く点検口51を見付けて、点検口51に手を挿入し、汚水の流路を切り替える作業を行うことができる。
本実施形態では、図4に示すように、汚水ます40には、汚水が第2流出管路12から第1流出管路11,11Bに向かって流れることを防ぐ逆流防止弁58が設けられている。このことによって、汚水が逆流することを防ぐことができるので、下水本管20から建物5内の排水設備7,7Bに汚水が流れ込むことを防止することができる。
本実施形態では、図2に示すように、汚水ます40は、貯留槽70の上に載置され、貯留槽70と直接連結している。地震または津波などの災害時であっても、汚水ます40は貯留槽70と共に動くため、汚水ます40と貯留槽70とが接続管を介して接続されている場合と比べて、汚水ます40は破損しにくい。また、汚水ます40と貯留槽70とが接続管を介して接続されている場合と比べて、汚水ます40から貯留槽70へ流れる汚水の流路の長さを短くすることができる。よって、汚水ます40から貯留槽70へ流れる汚水の流路に、異物が詰まりにくくすることができる。また、汚水ます40は、貯留槽70の上に載置されているため、汚水ます40の点検口51を通じて、貯留槽70の内部を点検することができる。そのため、貯留槽70に、内部を点検するための点検口を新たに設ける必要がなく、費用を削減することができる。
<実施形態の他の実施形態>
なお、本実施形態では、貯留槽70は、建物5の外に配置され、建物5とは別体に地中に埋設されていた。しかし、図9に示すように、貯留槽70は、建物5に取り付けられており、建物5に対して固定されていてもよい。この貯留槽70と建物5との固定方法は特に限定されるものではない。ここでは、貯留槽70は、ボルト71によって建物5の基礎5Aに固定されている。このことによって、地震または津波などの災害時であっても、貯留槽70は建物5と共に動くため、貯留槽70が建物5と別体に配置されている場合と比べて、貯留槽70は破損しにくい。
本実施形態では、汚水ます40および貯留槽70は、建物5の外に配置されていた。しかし、図10に示すように、汚水ます40は建物5の外に配置され、貯留槽70は建物5の内部に配置されていてもよい。貯留槽70は、建物5の床6の下の配管ピット内に配置されていることが好ましい。なお、貯留槽70は、建物5に対して固定されていてもよい。この場合、汚水ます40の第2流出口54と貯留槽70とは、第3流出管路13を介して接続されている。このことによって、貯留槽70が建物5内に配置されているため、地震などの災害が発生した際、外部からの衝撃は建物5によって緩和されるため、貯留槽70が破損することを防止することができる。
以上、実施形態に係る汚水排出システム1Aについて説明した。しかし、本発明に係る汚水排出システムは、実施形態に係る汚水排出システム1Aに限らず、他の種々の形態で実施することができる。次に、他の参考形態について簡単に説明する。なお、以下の説明では、既に説明した構成と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略することとする。
<第1参考形態>
上記実施形態では、排水設備7,7Bから流出した汚水は汚水ます40に流れ、汚水ます40によって、汚水が下水本管20または貯留槽70に流れるように流路を切り替えていた。排水設備7,7Bの種類は特に限定されていなかった。しかし、第1参考形態に係る汚水排出システム1Bでは、汚水ます40に汚水を排出する排水設備の種類を限定している。
図11は、第1参考形態に係る汚水排出システム1Bの平面図である。図11に示すように、汚水排出システム1Bは、排水設備7C,7Dから流出した汚水が流れるシステムである。ここでは、排水設備7Cは、トイレである。排水設備7Dは、トイレ以外の他の排水設備である。他の排水設備7Dとしては、風呂または台所の流し台などが挙げられる。トイレ7Cおよび他の排水設備7Dの数および配置などは特に限定されない。
流出管路10は、第1流出管路11と、第2流出管路12とを備えている。第1流出管路11には、トイレ7Cから流出した汚水が流れる。第1流出管路11の上流端は、トイレ7Cに接続されている。第1流出管路11の下流端は、汚水ます40の流入口52に接続されている。第2流出管路12の上流端は、汚水ます40の第1流出口53に接続されている。第2流出管路12の下流端は、下水本管20に接続されている。
また、流出管路10は、第1流出管路11Dを備えている。第1流出管路11Dには、他の排水設備7Dから流出した汚水が流れる。第1流出管路11Dの上流端は、他の排水設備7Dに接続されている。第1流出管路11Dの下流端は、第2流出管路12に接続されている。
本参考形態では、汚水ます40は、貯留槽70の上に載置されている。汚水ます40は、貯留槽70に対して固定されていてもよい。汚水ます40の第2流出口54は、貯留槽70に直接接続されている。ただし、第2流出口54は、接続管などを介して貯留槽70に接続されていてもよい。この場合、汚水ます40は、貯留槽70の上に配置されていなくてもよい。
本参考形態では、トイレ7Cから流出した汚水は、第1流出管路11および汚水ます40を経由して、第2流出管路12に流れる。他の排水設備7Dから流出した汚水は、第1流出管路11Dを通じて第2流出管路12に流れる。そのため、他の排水設備7Dから流出した汚水は、汚水ます40には流れない。本参考形態では、汚水を貯留槽70に排出するように汚水ます40の流路を切り替えた場合、貯留槽70に排出される汚水は、トイレ7Cから流出した汚水のみである。他の排水設備7Dから流出した汚水は、貯留槽70に排出されない。
以上のように、本参考形態では、汚水ます40には、トイレ7Cから流出した汚水のみが流れる。貯留槽70には、トイレ7Cから流出した汚水のみが排出される。トイレ7Cからの汚水および他の排水設備7Dからの汚水の両方を貯留槽70に排出する場合に比べて、貯留槽70に排出される汚水の量を低減することができる。よって、災害時に、貯留槽70が直ぐにオーバーフローする事態を避けることができる。また、貯留槽70を小型化することができる。
トイレ7Cから流出する汚水は、風呂などの他の排水設備7Dから流出する汚水に比べて、公衆衛生を悪化させやすいので、その漏洩はできるだけ避けるべきである。本参考形態によれば、汚水ます40の流路を切り替えることにより、トイレ7Cからの汚水を貯留槽70に排出することができる。よって、災害時に下水本管20が破損した場合であっても、トイレ7Cから流出する汚水の漏洩を防止することができる。漏洩の心配をせずにトイレ7Cから汚水を流出させることができるので、災害時に下水本管20が破損した場合であっても、他の排水設備7Dに優先してトイレ7Cを利用することができる。
なお、トイレから流出する汚水には、排泄物やトイレットペーパーなどの異物が混在している場合が多い。しかし、前述の通り、汚水ます40によれば、点検および異物の除去が容易である。よって、汚水ます40にはトイレ7Cからの汚水が流れるにも拘わらず、災害時に流路の切り替えが不能となる事態を回避しやすい。
<変形例>
なお、本参考形態では、すべての排水設備7Cがトイレであった。しかし、排水設備7Cにトイレ以外の排水設備が含まれていてもよい。図11では、排水設備7Cは2つあるが、一方の排水設備7Cがトイレであって、他方の排水設備7Cがトイレ以外の風呂または台所の流し台などの排水設備であってもよい。この場合であっても、汚水ます40には、少なくともトイレから流出した汚水が流れる。災害時、汚水ます40によって汚水の流路を切り替えることによって、少なくともトイレから流出した汚水を貯留槽70へ排出することができる。
また、本参考形態では、汚水ます40は1つであった。しかし、図12に示すように、トイレ7Cが接続された第1流出管路11の配管のそれぞれに汚水ます40が設けられていてもよい。この場合、災害時、貯留槽70へ流す汚水をトイレ7Cごとに選択することができる。
また、図13に示すように、複数のトイレ7Cが建物5内の離れた位置に配置されている場合、トイレ7Cが接続された第1流出管路11のそれぞれに汚水ます40が設けられていてもよい。この場合、複数の汚水ます40の第2流出口54のそれぞれは、第3流出管路13によって繋がっていてもよい。この第3流出管路13は、貯留槽70に接続されている。この場合であっても、災害時、貯留槽70へ流す汚水をトイレ7Cごとに選択することができる。
また、本参考形態では、他の排水設備7Dに接続された第1流出管路11Dには、汚水ます40が設けられていないが、第1流出管路11と第2流出管路12との間に設けられた汚水ます40と同様の汚水ますが設けられてもよい。この場合、第1流出管路11Dに設けられた汚水ますの第2流出口は、上述した汚水ます40の第2流出口54に接続された貯留槽70に接続されていてもよいし、この貯留槽70とは異なり、他の排水設備7D専用の貯留槽に接続されていてもよい。
<第2参考形態>
次に、第2参考形態に係る汚水排出システム1Cについて説明する。上記実施形態および参考形態では、汚水ます40は、建物5の外に配置されていた。しかし、第2参考形態では、汚水ます40は、建物5の床6の下に配置されている。
図14は、第2参考形態に係る汚水排出システム1Cの平面図である。図15は、汚水排出システム1Cの側面図である。本参考形態では、図14に示すように、汚水ます40は、建物5内に設けられている。具体的には、流出管路10のうち排水設備7側を上流とし、下水本管20側を下流としたとき、第1流出管路11は建物5内に位置し、第2流出管路12の上流側は建物5内に位置している。
図15に示すように、汚水ます40は、建物5の床6の下に配置されている。なお、建物5の床6とは、居住者が使用する部屋5Bの床のことである。本参考形態では、建物5の基礎5Aはいわゆるべた基礎であり、基礎5Aは建物5の全体に渡って設けられている。床6は基礎5Aの一部の上方に配置されている。ただし、基礎5Aはいわゆる布基礎であってもよく、床6と地面との間に基礎5Aが設けられていなくてもよい。
汚水ます40は、点検筒56の上端が建物5の床6とほぼ同じ高さに配置されるように、床6の下部に取り付けられている。ただし、点検筒56の上端が床6から上方に突出していてもよい。このことによって、点検筒56を識別しやすくなる。床6に対する汚水ます40の取り付け方法は特に限定されない。本参考形態では、汚水ます40は床6に吊り下げ支持されている。詳しくは、床6の下部には、吊り下げバンド66が取り付けられている。汚水ます40のうち流入口52および第1流出口53は、吊り下げバンド66に支持されている。汚水ます40は、吊り下げバンド66を介して床6に取り付けられている。
また、床6の下部には、吊り下げバンド68が取り付けられている。第1流出管路11および第2流出管路12は、吊り下げバンド68に支持されている。すなわち、第1流出管路11および第2流出管路12は、床6に吊り下げ支持されている。ここでは、吊り下げバンド66および68は金属製であるが、吊り下げバンド66および68の材料は特に限定されない。
本参考形態では、汚水ます40の下に、貯留槽70が設けられている。貯留槽70は、汚水ます40の第2流出口54に接続されている。貯留槽70は、建物5の床6の下に設けられている。貯留槽70は、床6の下に配置された基礎5Aの上に設けられている。災害時モードでは、汚水ます40のます本体41内の汚水は、第2流出口54を通じて貯留槽70に落下する。
ただし、第2流出口54は、接続管などを介して間接的に貯留槽70に接続されていてもよい。また、貯留槽70の位置は、汚水ます40の下に限定される訳ではない。例えば、貯留槽70は、汚水ます40の横に配置されていてもよい。
本参考形態では、汚水ます40は建物5内に設けられている。建物5の基礎5Aに囲まれた部分は、地震などの災害時に、建物5の基礎5Aの外部よりも衝撃を受けにくい。このことによって、災害時に汚水ます40の破損を生じにくくすることができる。
本参考形態によれば、大規模な地震または津波などの災害が発生した場合、地震または津波に起因する外部からの衝撃は、建物5によって緩和されるため、建物5の床6の下に配置された貯留槽70は破損しにくくなる。よって、災害時であっても、災害時に汚水が外部に流出することを防ぎやすくなる。
なお、本参考形態において、貯留槽70は、建物5の床6の下に配置されていたが、貯留槽70は、建物5の外に配置されており、地中に埋設されていてもよい。この場合、貯留槽70は、汚水ます40の第2流出口54と接続管などを介して接続されているとよい。また、貯留槽70は、建物5に対して取り付けられていてもよいし、独立して配置されていてもよい。
また、本参考形態では、汚水排出システム1Cは、免震構造を備えていてもよい。例えば、図16に示すように、流出管路10は、免震構造を有する部材として、可撓性を有するフレキシブルジョイント16を備えていてもよい。ここでは、第1流出管路11と汚水ます40の流入口52とは、フレキシブルジョイント16を介して接続されている。
また、図17に示すように、流出管路10は、免震構造を有する部材として、免震継手17を備えていてもよい。この場合、第1流出管路11と汚水ます40の流入口52とは、免震継手17を介して接続されている。免震継手17は、互いに対向するフランジ17aと、対向するフランジ17aを取り付けるボルト17bとを備えている。対向するフランジ17aの間には、ゴム製のシール部材(図示せず)が設けられていてもよい。なお、フレキシブルジョイント16または免震継手17は、汚水ます40の第2流出口54と、貯留槽70との間に設けられていてもよい。すなわち、第2流出口54は、免震構造を有する部材であるフレキシブルジョイント16または免震継手17を介して貯留槽70に接続されていてもよい。また、フレキシブルジョイント16または免震継手17は、汚水ます40の第1流出口53と第2流出管路12との間に設けられていてもよいし、第1流出管路11および第2流出管路12を構成する配管同士の間に設けられていてもよい。フレキシブルジョイント16または免震継手17は、特に、少なくとも第1流出管路11と流入口52との間、および/または、第2流出口54と貯留槽70との間に設けられていることが好ましい。このことによって、地震などの災害が発生した場合、流出管路10が破損することを防止することができ、排水設備7,7Bから流出する汚水を確実に貯留槽70に排出することができる。
また、図18に示すように、流出管路10は、免震構造を有する部材として、伸縮継手18を備えていてもよい。この場合、第1流出管路11を構成する配管同士は、伸縮継手18を介して接続されていてもよい。伸縮継手18の内部に上記配管(典型的には下流側の配管)を嵌め込み、この嵌め込む長さを調節することで伸縮自在としている。また、伸縮継手18は、下流側の配管と接続される端部にリング状のゴム製の緩衝部材が設けられていることが好ましい。このことによって、第1流出管路11が破損することを好適に防止することができる。また、伸縮継手18は、内部の状態が確認できるように透明な部材で構成されていることが好ましい。このことによって、メンテナンスがより容易になる。なお、第2流出管路12を構成する配管同士も、伸縮継手18を介して接続されていてもよい。また、フレキシブルジョイント16、免震継手17、伸縮継手18を組み合わせて配置するように流出管路10を構成してもよい。
また、図19に示すように、吊り下げ部材66,68は、免震構造を有する部材として、ボールジョイント69を備えていてもよい。吊り下げ部材66,68は、ボールジョイント69を介して床6に取り付けられている。ボールジョイント69は、吊り下げ部材66,68の上端に設けられたボール69aと、床6の下面に取り付けられ、ボール69aを回転自在に支持する支持部材69bとを備えている。このことによって、地震などの災害が発生した場合、ボールジョイント69によって地震などの衝撃が吸収される。よって、地震などの災害時、第1流出管路11、第2流出管路12および汚水ます40が破損することを防止することができる。
また、建物5が免震構造を備えていてもよい。この場合の免震構造は、従来公知のものを使用することができる。このことによって、地震または津波などの災害時、建物5の免震構造によって、建物5の外部からの衝撃を和らげることができる。よって、地震などの災害時、第1流出管路11、第2流出管路12および汚水ます40が破損することを防止することができる。
<第3参考形態>
次に、第3参考形態に係る汚水排出システム1Dについて説明する。上記実施形態および参考形態では、汚水排出システムは、汚水を貯留する貯留手段として貯留槽70を備えていた。しかし、第3参考形態では、汚水を貯留する貯留手段は、上記貯留槽70とは異なるものである。
図20は、第3参考形態に係る汚水排出システム1Dの平面図である。図21は、汚水排出システム1Dの正面図である。なお、図20において、建物5内の排水設備7および排水設備7に接続された流出管路10などは、1つのみ図示されており、その他の排水設備7および流出管路10などは省略している。図21に示すように、建物5の床6の下には、複数の区画された空間があり、その空間の1つずつを配管ピット80という。ここでは、配管ピット80は、建物5の基礎5Aによって囲まれている。本参考形態では、貯留手段は、建物5の床6の下に設けられた配管ピット80である。排水設備7からの汚水が流れる汚水ます40と配管ピット80とは、第3流出管路13によって接続されている。排水設備7Bからの汚水が流れる汚水ます40Bと配管ピット80とは、第3流出管路13Bによって接続されている。なお、汚水ます40Bは、汚水ます40と同様の構成をしているため、詳しい説明は省略する。
災害時モードの際、排水設備7から流出した汚水は、第1流出管路11と汚水ます40と第3流出管路13とを通じて配管ピット80に排出される。排水設備7Bから流出した汚水は、第1流出管路11Bと汚水ます40Bと第3流出管路13Bとを通じて配管ピット80に排出される。
なお、汚水ます40は、図22に示すように、汚水が貯留される配管ピット80内に設けられていてもよい。この場合、第2流出口54は、配管ピット80に直接繋がっている。
また、汚水ます40は、建物5の外に配置されていてもよい。この場合、汚水ます40の第2流出口54と配管ピット80とは、第3流出管路13を介して接続されていることが好ましい。この場合、災害時、排水設備7,7Bから流出した汚水は、一旦、建物5の外に配置された汚水ます40に流れ、その後、第3流出管路13を通じて建物5内の配管ピット80へ流出する。
以上のように、本参考形態では、上記実施形態および参考形態のように貯留槽を設ける必要がなく、コストの削減となる。配管ピット80を災害時の汚水の貯留手段として有効利用することができる。
<第4参考形態>
次に、第4参考形態に係る汚水排出システム1Eについて説明する。上記実施形態および参考形態では、第1流出管路11,11Bおよび第2流出管路12を構成する配管同士は、継手によって接続されていた。しかし、第4参考形態では、上記配管同士は、ますによって接続されている。
図23は、第4参考形態に係る汚水排出システム1Eの平面図である。図23に示すように、本参考形態では、第1流出管路11,11Bおよび第2流出管路12は、複数の配管によって構成されている。そして、第1流出管路11,11Bおよび第2流出管路12の配管同士は、ます90によって接続されている。このます90は、汚水ます40とは異なり、流路切替機能を有していない従来公知のますである。ます90には、汚水ます40のような第2流出口54が設けられていない。ます90には、上方に開口した点検口(図示せず)が設けられており、上記点検口には点検筒(図示せず)が接続されている。上記点検筒の上端は地表に露出している。本参考形態では、第1流出管路11の一部をなす配管同士、および、第1流出管路11と第1流出管路11Bとは、ます90によって接続されている。なお、ここでは、第2流出管路12の配管同士は公共ます21によって接続されているが、ます90によって接続されていてもよい。
汚水ます40は、第1流出管路11の途中部分に設けられたます90と、第2流出管路12の途中部分に設けられた公共ます21との間に配置されている。ただし、第2流出管路12を構成する配管同士がます90によって接続されている場合、汚水ます40は、第1流出管路11の途中部分に設けられたます90と、第2流出管路12の途中部分に設けられたます90との間に配置されている。
本参考形態によれば、第1流出管路11の途中部分には、ます90が設けられているため、第1流出管路11のメンテナンスをより確実に行うことができる。よって、流出管路10内に、異物が詰まるまたは付着物が堆積した場合、ます90の上記点検口から異物または付着物を取り除くことができる。したがって、流出管路10が詰まることを防止することができる。
また、本参考形態によれば、平面視において、ます90と、ます90または公共ます21との間には、第1流出管路11の一部をなす配管、または、第2流出管路12の一部をなす配管が配置されている。既に流出管路10が地中に埋設されている状態で、新たに流路切替機能を有するます汚水40および貯留槽70を設置する場合、流出管路10における設置箇所の周囲の土を掘り起こす。そして、流出管路10における設置箇所を切断して、切断部分に汚水ます40を配置して、汚水ます40と流出管路10とを接続する。次に、貯留槽70を配置して、貯留槽70と汚水ます40とを接続し、土を埋め直す。本参考形態によれば、ます90または公共ます21の位置から流出管路10を特定することができるため、流出管路10における設置箇所の周囲を土で掘り起こす際、掘り起こし器具などによって流出管路10を傷付きにくくすることができる。また、ます90の位置から流出管路10の位置を特定し易いため、特定の排水設備7,7Bから流出した汚水のみを貯留槽70に排出したい場合、流出管路10のうち特定の排水設備7,7Bから流出した汚水の流路を特定し易い。したがって、新たな汚水ます40および貯留槽70を設置しやすい。
<第5参考形態>
次に、第5参考形態に係る汚水排出システム1Fについて説明する。図24は、第5参考形態に係る汚水排出システム1Fの平面図である。図24に示すように、汚水ます40の第1流出口53に接続された第2流出管路12の途中部分には、逆流防止弁112を備えたます110が設けられている。ここでは、ます110は、第2流出管路12において、汚水ます40と公共ます21との間に設けられている。ただし、ます110は、公共ますとして機能してもよい。この場合、公共ます21を省略してもよい。
逆流防止弁112を備えたます110は、従来公知のますであればよい。図25は、逆流防止弁112を備えたます110の縦断面図である。図26は、ます110の平面図である。図25に示すように、ます110は、ます本体111と、逆流防止弁112とを備えている。ます本体111は、上方に開口した点検口115と、側部に設けられ、汚水が流入する流入口116と、側部に設けられ、汚水が流出する流出口117とを備えている。点検検口115には、立管120が接続されている。流入口116には、第2流出管路12の上流側の管路12aが接続され、流出口117には、第2流出管路12の下流側の管路12bが接続されている。
逆流防止弁112は、第2流出管路12の下流側の管路12bから上流側の管路12aに向かって汚水が流れることを防止するためのものである。逆流防止弁112の構成は、特に限定されない。例えば、逆流防止弁112は、特開2008−101396号公報に開示された逆流防止弁を利用することができる。逆流防止弁112は、ます本体111内の流出口117側であって、第2流出管路12の下流側の管路12b内に設置されている。逆流防止弁112は、ます本体111に対して揺動可能であって、着脱可能に取り付けられている。逆流防止弁112は、汚水が流れないときには、流出口117を塞いでいる。第2流出管路12の上流側の管路12aから汚水が流れてきたときには、その汚水によって逆流防止弁112が押し上げられ流路が確保される。よって、第2流出管路12の上流側の管路12aから流れてきた汚水は、逆流防止弁112によって流れが阻害されることなく、第2流出管路12の下流側の管路12bに流れ込む。一方、下流側の管路12bから汚水が逆流してきた場合は、その汚水は、流出口117を覆う逆流防止弁112によって塞き止められるため、上流側の管路12aへの流入が規制される。
ここでは、逆流防止弁112は、ストッパ113を介してます本体111に取り付けられている。詳しくは、逆流防止弁112は、連結部材123に対して揺動可能に取り付けられている。逆流防止弁112の上流側の端部は、連結部材123を介して、上下方向に延びた筒部121に取り付けられている。筒部121には、棒状体の支持パイプ122が嵌合挿入されている。支持パイプ122は、ます本体111内において、点検口115に向かって上下方向に延びている。支持パイプ122には、ストッパ113が取り付けられている。ストッパ113は、立管120内に取り外し可能に固定されている。図26に示すように、ストッパ113の形状は、平面視において、略C字状である。ストッパ113は、塩化ビニル樹脂などの弾性材料によって形成されている。ストッパ113は、その外形が立管120の内径よりも大きく設定されており、縮径時に径方向外向きの反発力が生じる。ストッパ113は、立管120内に縮径し、立管120の内周面を押圧する状態で変位不能に嵌め込まれている。
本参考形態では、ます110の逆流防止弁112によって、第2流入管路12の下流側の管路12bから上流側の管路12aに向かって汚水が逆流することを防ぐことができる。よって、災害時に、下水本管20を流れる汚水が排水設備7、7Bに逆流することを防止することができる。ここでは、逆流防止弁112は、ます本体111に着脱可能に取り付けられている。そのため、通常時には、逆流防止弁112は、ます本体111から取り外されていてもよい。一方、災害時であって、下水本管20から第2流出管路12に向かって汚水が逆流した場合に、作業者が点検口115から逆流防止弁112をます本体111に取り付けてもよい。ここでは、逆流防止弁112は、従来公知のものであってもよいので、例えば、市販されている逆流防止弁112をます本体111に取り付けてもよい。よって、災害時であっても、逆流防止弁112を用意し易い。
なお、逆流防止弁112の配置位置は、ます本体111内の流入口116側であって、第2流出管路12の上流側の管路12a内に配置されていてもよい。逆流防止弁112は、流入口116を塞いだり開放したりするものであってもよい。この場合、下水本管20からます110に向かって汚水が逆流した際、その汚水は、ます本体111内に溜まる。よって、作業者は、点検口115から吸引用のホース(図示せず)を挿入することで、ホースを通じてます本体111内に溜まった汚水を吸い出すことができる。よって、下水本管20からます110に向かって逆流した汚水を、地上へ排出することができる。逆流防止弁112を備えたます110が第2流出管路12の途中部分に設けられている場合、汚水ます40には、汚水が逆流することを防ぐための逆流防止弁58(図4参照)が設けられていてもよいし、設けられていなくてよい。また、汚水ます40は、建物5内に設けられていてもよいし、建物5の外に設けられていてもよい。汚水ます40に逆流防止弁58が設けられている場合、汚水ます40の逆流防止弁58とます110の逆流防止弁112とによって、下水本管20から汚水が逆流することを二段階で防ぐことができる。よって、一方の逆流防止弁が破損などして使用できない場合であっても、汚水の逆流を防止することができる。また、逆流防止弁112を備えたます110は、第1流出管路11の途中箇所に設けられてもよい。このことによって、災害時に貯留槽70に汚水があふれた場合、逆流防止弁112によって、あふれた汚水が排水設備7、7Bに逆流することを防止することができる。
<他の参考形態>
上記各実施形態および参考形態では、汚水を貯留する貯留槽70または配管ピット80は、1つであった。しかし、貯留槽70または配管ピット80の数は複数あってもよい。例えば、汚水ます40が複数ある場合、汚水ます40ごとに異なる貯留槽70または配管ピット80が汚水ます40の第2流出口54に接続されていてもよい。また、建物5ごとに異なる貯留槽70または配管ピット80が設けられていてもよいし、排水設備7,7Bの種類ごとに異なる貯留槽70または配管ピット80が設けられていてもよい。また、貯留槽70と配管ピット80とを組み合わせてもよい。
以上、本形態の一態様によれば、一端が他の排水設備に接続され、他端が第2流出管路に接続された他の第1流出管路を備えている。排水設備はトイレである。他の排水設備は、トイレ以外の設備である。
トイレから流出する汚水は、臭気が強く、また、公衆衛生を悪化させやすい。そのため、トイレから流出する汚水の漏洩は、できるだけ避けるべきである。排水設備のうちトイレは重要度が高い。地震または津波などの災害時に、下水本管が破損して排水設備からの汚水が流せなくなり、排水設備が利用できなくなることがあり得る。上記態様によれば、重要度が高いトイレに接続された第1流出管路の他端には、貯留手段が接続された汚水ますが設けられている。そのため、下水本管が破損して排水設備が利用できない場合であっても、汚水ますにより汚水の流路を切り替えることによって、トイレからの汚水を貯留手段に排出することができる。よって、災害時に下水本管が破損した場合であっても、トイレを利用することができる。
トイレから流出する汚水は、風呂または台所の流し台などのトイレ以外の他の排水設備から流出する汚水と比べて、排泄物やトイレットペーパーなどの異物が多く混在している場合が多い。そのため、トイレに接続された流出管路は、異物が多く流れるため詰まりやすい。しかし、前述の通り、流路切替機能を有する汚水ますによれば、点検および異物の除去等が容易であるので、流路切替機能を十分に確保することができる。よって、トイレからの汚水が流れるにも拘わらず、災害時に流路の切替が不能となる事態を回避しやすい。
他の排水設備からの汚水は、流路切替機能を有する汚水ますを経由せずに、第2流出管路に流出する。そのため、汚水ますの流路を切り替えたときに、他の排水設備からの汚水は貯留手段に排出されない。よって、貯留手段が容易にオーバーフローすることを防止することができる。
本形態の他の一態様によれば、一端が他の排水設備に接続され、他端が第1流出管路に接続された他の第1流出管路を備えている。
上記態様によれば、他の排水設備から流出した汚水は、他の第1流出管路を通じて、第1流出管路に流れ込む。よって、災害時に、汚水ますによって汚水の流路を切り替えることにより、排水設備から流出した汚水および他の排水設備から流出した汚水を、貯留手段にまとめて排出することができる。排水設備ごとに汚水ますを設ける場合に比べて、汚水ますの数を減らすことができる。したがって、コストを削減することができる。また、排水設備ごとに汚水ますを設ける場合に比べて、汚水の流路の切替作業を少なくすることができる。
本形態の他の一態様によれば、第2流出管路の途中部分には、公共ますが設けられている。第2流出管路における汚水ますと公共ますとの間には、他の汚水ますが配置されていない。
上記態様によれば、汚水ますは公共ますの近傍に配置される。言い換えると、汚水ますは公共ますの直前に配置される。排水設備が複数ある場合、公共ますには、全ての排水設備から流出した汚水が流れる。汚水ますを公共ますの直前に配置することによって、全ての排水設備から流出した汚水は汚水ますに流れる。よって、一つの汚水ますで汚水の流路を切り替えることができる。したがって、複数の汚水ますを配置する場合と比べて、部品点数を削減することができると共に、設置作業のコストを低減することができる。
本形態の他の一態様によれば、第1流出管路および第2流出管路は、複数の配管によって構成されている。配管同士は、ますによって接続されている。
上記態様によれば、第1流出管路および第2流出管路の途中部分には、ますが設けられている。よって、第1流出管路および第2流出管路のメンテナンスをより確実に行うことができる。したがって、第1流出管路または第2流出管路内に、異物が詰まるまたは付着物が堆積した場合、ますの点検口から異物または付着物を取り除くことができる。よって、第1流出管路および第2流出管路が詰まることを防止することができる。
本形態の他の一態様によれば、汚水ますは、建物内に設けられている。
大規模な地震または津波などの災害が発生した場合、建物の内部は建物の外部に比べて、地震または津波などに起因する衝撃が緩和される。よって、上記態様によれば、建物の外部に設けられている場合に比べて、汚水ますは破損しにくくなる。
本形態の他の一態様によれば、汚水ますの点検口には、点検口を識別するための識別手段が設けられている。
上記態様によれば、作業者が容易に点検口を見付けることができる。
本形態の他の一態様によれば、汚水ますには、汚水が第2流出管路から第1流出管路に向かって流れることを防ぐ逆流防止手段が設けられている。
上記態様によれば、汚水が逆流することを防ぐことができるので、災害時に、下水本管から排水設備に汚水が流れ込むことを防止することができる。
本形態の他の一態様によれば、第2流出管路の途中部分には、汚水が第2流出管路の下流側から上流側に向かって流れることを防ぐ逆流防止弁を備えたますが設けられている。
上記態様によれば、逆流防止弁によって、第2流入管路の下流側から上流側に向かって汚水が逆流することを防ぐことができる。よって、災害時に、下水本管から排水設備に汚水が流れ込むことを防止することができる。
本形態の他の一態様によれば、貯留手段は、建物の床下に設けられた貯留槽である。
上記態様によれば、大規模な地震または津波などの災害が発生した場合、地震または津波に起因する外部からの衝撃は建物によって緩和されるため、貯留槽は破損しにくくなる。よって、災害時に汚水が外部に漏れることを防ぎやすくなる。
1A、1B、1C、1D 汚水排出システム
5 建物
7、7B 排水設備
7C トイレ(排水設備)
7D 他の排水設備
10 流出管路
11、11B、11D 第1流出管路
12 第2流出管路
20 下水本管
40 汚水ます
41 ます本体
42 蓋体(切替手段)
51 点検口
52 流入口
53 第1流出口
54 第2流出口
58 逆流防止弁(逆流防止手段)
70 貯留槽(貯留手段)
80 配管ピット(貯留手段)

Claims (3)

  1. 建物内に配置された排水設備に一端が接続された第1流出管路と、
    一端が下水本管に接続された第2流出管路と、
    汚水を貯留する貯留手段と、
    汚水ますと、を備え、
    前記汚水ますは、
    上方に開口する点検口と、前記第1流出管路の他端が接続された流入口と、前記第2流出管路の他端が接続された第1流出口と、前記貯留手段に接続された第2流出口と、を有するます本体と、
    前記ます本体に設けられ、前記流入口から前記第2流出口へ汚水が流れないように前記流入口と前記第1流出口とを連通させる第1の切替位置と、前記流入口から前記第1流出口へ汚水が流れないように前記流入口と前記第2流出口とを連通させる第2の切替位置との間で位置変更が可能な切替手段と、
    を有し、
    前記汚水ますは、前記建物の外に配置され、
    前記貯留手段は、前記建物の内部に配置されている、汚水排出システム。
  2. 前記第2流出口は、前記ます本体の下部に設けられかつ下方に開口し、
    前記切替手段は、前記第2流出口に着脱自在に設けられた蓋体である、請求項1に記載された汚水排出システム。
  3. 前記貯留手段は、前記建物の床下に設けられた配管ピットである、請求項1または2に記載された汚水排出システム。
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