以下、図面を参照しながら本発明の賞品払出装置の一実施形態について説明する。
図1〜3に示される賞品払出装置1は、パチンコ店などの遊技施設のフロアに設置されて使用され、賞品Cの払い出しを行う。ここで、図2〜3に示される矢印において前を示す側が賞品払出装置1の前側を示し、矢印において後を示す側が賞品払出装置1の後側を示すものとする。
賞品払出装置1で払い出される賞品Cは、積層可能な形状を有しており、具体的には、図3に示されるように、遊技店において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換されるカード状の賞品である。賞品Cとしては、例えば、1〜3mm程度の厚さを有する長方形の薄い樹脂板からなるカードが採用される。賞品Cには、所定の金銭価値、例えば、500円、1000円、5000円などに応じて色が異なる複数の種類のカードが含まれる。
なお、賞品Cとしては、上記のような長方形の薄板のカードだけでなく、円形のチップなども採用することが可能であり、その場合でも賞品Cを積層した状態で払い出すことが可能である。
賞品払出装置1は、本体部2と、当該本体部2に収容される複数(本実施形態では7台)の払出ユニット3とを備えている。
本体部2は、筐体4と、扉5と、操作盤6と、シャッタ7と、シャッタ駆動モータ8とを備える。
筐体4は、略直方体形状を有する。すなわち、筐体4は、上板4aと、当該上板4aの下方に離間して位置する下板4bと、上板4aおよび下板4bの両側の側縁同士を連結する左右一対の側板4cと、賞品払出装置1の後側(顧客が立つ側)の壁を構成するに配置された後板4dとを有する。筐体4の前側(従業員が立つ側)には、開口4eが形成されている。筐体4の内部は、複数の払出ユニット3が収納可能な収納空間4fを有する。収納空間4fは、前面の開口4eを通して外部に開放される。収納空間4fの内部には、払出ユニット3が前後方向に沿って並び、かつ払出ユニット3同士が互いに平行になるように収納される。
筐体4の上面を構成する上板4aには、各払出ユニット3が収納空間4fに収納された場合の当該払出ユニット3のそれぞれの上方位置に払出口11が形成されている。払出口11は、賞品Cの種類または数量に応じて複数設けられる。払出口11は、所定の金銭価値、例えば、500円、1000円、5000円などに応じて色が異なる複数の種類の賞品Cごとに設けられ、多く利用される種類の賞品Cについては2つ以上の払出口11が設けられる。
払出口11は、賞品Cを積層した状態で当該賞品Cを払い出すことが可能な大きさ(すなわち、賞品Cの表面または裏面の面積よりも広い開口面積)を有する。払出口11は、上板4aを貫通して、筐体4の内部の収納空間4fに連通している。
また、筐体4の上面を構成する上板4aには、払出表示部12が設けられている。払出表示部12は、各払出口11の前側にそれぞれ配置されている。払出表示部12は、LEDランプなどの発光体を備え、複数の払出口11のうち何れの払出口11から賞品Cが払い出されるかを発光体の点灯または点滅によって表示する。払出表示部12は、例えば、払出口11から賞品Cが上昇して払い出されるときには発光体は緑色の光を点灯させ、払出口11内部で賞品Cが引っかかるなどして正常に払い出されない場合には、赤色の光を点滅させる。また、賞品Cが払い出されない払出口11では、払出表示部12は消灯している。
さらに、図3に示されるように、筐体4の上板4aにおいて払出口11よりも後側(顧客が立つ側)には、当該払出口11の後端と連通する凹部4a1が形成されている。
また、筐体4の内部には、賞品払出装置1全体の動作を管理・制御する本体側制御部15(図2参照)が収納されている。
扉5は、筐体4の両側の側板に蝶番を介してそれぞれ取り付けられ、両開きの扉を構成している。扉5は、筐体4の前側の開口4eを開閉する。また、扉5は、図示しない錠を備えており、従業員等の関係者のみが扉5を開閉することができる。
操作盤6は、操作盤本体6aと、従業員側表示部6bと、顧客側表示部6cとを有する。
操作盤本体6aは、下方に開放された薄い枠体からなり、筐体4の上面の後側の縁に沿って配置されている。操作盤本体6aの前面6a1には、シャッタ7の上部が通る開口13(図3参照)を有する。開口13は、払出口11と同じ数だけ形成されている。操作盤本体6aが筐体4の凹部4a1を閉じることにより、シャッタ駆動モータ8が収納される空間部16が形成されている。
従業員側表示部6bは、筐体4の前側を向いており、筐体4の前側から従業員にとって必要な情報、例えば、払い出される賞品Cの種類および枚数などの他に、払出し動作が正常に行なわれているか否かなどの賞品払出装置1の動作に関する情報などの情報が表示される。一方、顧客側表示部6cは、筐体4の後側を向いており、筐体4の後側から顧客が必要な情報が表示される。顧客側表示部6cは、例えば、入力した玉数情報、払い出される賞品Cの種類および枚数などの顧客にとって必要な情報が表示される。
また、従業員側表示部6bには、従業員が賞品払出装置1へ種々の動作を指令するための操作ボタン(図示せず)などが設けられている。
シャッタ7は、払出口11を開閉する部材であり、各払出口11に対応する位置にそれぞれ当該払出口11を開閉できるように前後方向に移動自在に配置されている。具体的には、シャッタ7は、図4〜5に示されるように、筐体4の前後方向に延びるガイドレール51によって筐体4の前後方向に移動可能に案内される。
シャッタ7は、シャッタ駆動モータ8の駆動力によって、操作盤本体6aの開口13を通して前後方向に平行移動することが可能である。具体的には、シャッタ7には、前後方向に延びるラック部材52が連結され、ラック部材52の歯には、ピニオンギヤ53が噛み合っている。ピニオンギヤ53は、シャッタ駆動モータ8の回転駆動力をベルトおよびプーリなどを介して受けて回転することが可能である。ピニオンギヤ53の回転運動がラック部材52の直線運動に変換されることを利用して、シャッタ駆動モータ8の回転駆動力によってシャッタ7を前後方向に直線移動させることができる。これにより、筐体4上面の払出口11を閉める閉位置(図4参照)と当該払出口11を開放させる開位置(図5参照)に示されるシャッタ7の位置)との間を平行移動することが可能である。
シャッタ7の上面の高さは、筐体4の上面と同じか少し高くなるように設定されている。これにより、シャッタ7が払出口11を閉めた状態では、当該シャッタ7と筐体4上面と面一またはほぼ面一になるので、筐体4上面の美観が向上する。
シャッタ7が閉位置から開位置へ移動するときには、操作盤本体6aの開口13および払出口11の後端を通って操作盤本体6aと筐体4の上板4aとの間に形成された空間部16に収納される。
シャッタ駆動モータ8は、自己保持力を発生するステッピングモータなどのモータからなる。シャッタ7は、払出口11を閉じた位置において、シャッタ駆動モータ8の保持力によって閉位置にロックされる。また、シャッタ駆動モータ8とは別に、シャッタ7をロックするロック装置を備えてもよい。
また、筐体4の内部には、図3に示されるように、シャッタ7が払出口11を閉じる閉位置にあることを検知するシャッタ閉センサ54と、シャッタ7が払出口11を開放する開位置にあることを検知するシャッタ開センサ55とが設けられている。これらのセンサ54、55としては、例えば、発光部および受光部を組み合わせた位置検出のためのフォトセンサが用いられる。フォトセンサでは、シャッタの被検知部分が発光部と受光部との隙間に入り、発光部から受光部への光を遮断することにより、シャッタの位置を検知することが可能である。
複数の払出ユニット3は、図2に示されるように、左右方向においてやや薄い略直方体形状を有しており、それぞれ当該払出ユニット3の幅方向Wに並んだ状態で、各払出口11に対応する位置にそれぞれ筐体4内に収納される。
各払出ユニット3は、図3に示されるように、賞品Cをマガジン22に積み重ねた状態で収納することができる。各払出ユニット3には、各払出口11から払い出される賞品Cの種類(例えば、500円、1000円、および5000円)ごとに、該当する種類の賞品Cがそれぞれ収納される。
各払出ユニット3は、図3および図6に示されるように、ユニット本体21と、賞品Cを積層状態で収納する複数(本実施形態では4本)のマガジン22と、当該複数のマガジン22をそれぞれ縦方向にかつ互いに平行に並べて支持するマガジン支持部23とを備えている。
ユニット本体21は、左右方向においてやや薄い中空のケーシングである。ユニット本体21の前側には、縦長の開口21aが形成されている。さらに、当該開口21aを開閉するための扉21bが設けられている。開口21aは、ユニット本体21内の収納空間21cに連通している。
ユニット本体21の内側壁には、マガジン支持部23を前後方向に案内するレール30が前後方向に延びるように設けられている。
また、各払出ユニット3のユニット本体21の内部には、各払出ユニット3内部の動作とともに各払出ユニット3に対応する本体部2側のシャッタ駆動モータ8および払出表示部12を制御するユニット側制御部17(図6参照)が収納されている。
マガジン22は、図6に示されるように、上下方向に長い枠体であり、その水平断面は、切り欠かれた略コ字形状を有する。すなわち、マガジン22は、上下方向に延びる基部22aと、当該基部22aの両側の縁から互いに平行に上下方向に延びる側壁22bとを有する。これら基部22aおよび両側の側壁22bによって囲まれた空間部22cには、カード状の賞品Cが積層された状態で収納される。すなわち、マガジン22は、賞品Cを収納する収納部として機能する。
空間部22cは、上方、下方および基部22aと対向する側がそれぞれ開放され、それにより、それぞれ上方開口22d、下方開口22e、側方開口22fが形成されている。
賞品Cは、マガジン22の上方から上方開口22dを通して空間部22cに積層された状態で収納される。また、賞品Cは、当該上方開口22dを通して空間部22cから取り出すことが可能である。
マガジン支持部23は、ベースプレート31と、当該ベースプレート31に固定され、マガジン22を保持するキャリア32とを有する。
ベースプレート31は、4本のマガジン22の幅の和よりも大きい幅を有する板材であり、ユニット本体21内部のレール30によって、前後方向へスライド自在に支持されている。
キャリア32は、ベースプレート31に固定された略コ字状断面を有する枠体である。キャリア32は、ベースプレート31に固定された基部(図示せず)と複数の仕切り板32aとを一体的に備えている。これらの仕切り板32aは、上下方向に延びる板状であり、所定の間隔を隔てて、前後方向に沿って並んでいる。各マガジン22は、隣り合う2つの仕切り板32aに挟持されることによって、キャリア32に保持される。このキャリア32によって、4本のマガジン22をそれぞれ立てた状態で互いに前後方向に並べた状態で一体的に保持することが可能である。
マガジン支持部23は、4本のマガジン22を保持した状態で前後方向へ上記ユニット本体21内のレール30に沿ってスライドすることにより、ユニット本体21内に収納された位置と、当該ユニット本体21の外部へ引き出された位置との間を移動することが可能である。
また、各払出ユニット3は、図3に示されるように、賞品Cを搬送する機構として、マガジン22を前後にスライドさせるマガジンスライド部29と、マガジン22に収納された賞品Cを一括して上昇または下降させる第1リフト機構24と、当該第1リフト機構24によって一括して上昇された賞品Cを最上段から一枚ずつ繰り出す賞品繰出し部25と、当該賞品繰出し部25によって繰り出された賞品Cを一時的に保留する一時保留部26と、一時保留部26に保留された賞品Cを本体部2の筐体4上面の払出口11へ上昇させる第2リフト機構27とを備えている。
第1リフト機構24および賞品繰出し部25は、一時保留部26の前後にそれぞれ設けられている。なお、第1リフト機構24および賞品繰出し部25は、一時保留部26の前後のいずれか一方に設けられてもよい。
マガジンスライド部29は、マガジン22およびマガジン支持部23を前後方向にスライドさせて賞品Cが収納されたマガジン22を第1リフト機構24によって賞品Cを上昇させることが可能な位置へ移動させる。
マガジンスライド部29は、キャリア本体21内部においてマガジン支持部23の下方に配置され、キャリア本体21の内壁に取り付けられている。マガジンスライド部29は、モータ29aと、一対のプーリ29bと、当該一対のプーリ29bに掛けられ、前後方向に延びる無端ベルト29cと、キャリア本体29dと無端ベルト29cとを連結するブラケット29dとを有する。マガジンスライド部29は、モータ29aの駆動によって、複数のマガジン22をマガジン支持部23とともに前後方向へスライドさせる。これにより、賞品Cが収納されたマガジン22を第1リフト機構24によって賞品Cを上昇させることが可能な位置(すなわち、図7に示されるようなマガジン22に収納された賞品Cが第1リフト機構24の載置部34の直上に来ている位置)へ移動させることが可能である。
また、マガジンスライド部29は、マガジン22が原点位置にあることを検知するマガジン原点センサ29eを有しているので、マガジン22がマガジン支持部23によって支持されてユニット本体21内部に収納されたときには、マガジン22をユニット本体21内部の最も後方側の原点位置に位置決めすることが可能である。
第1リフト機構24は、図3および図7に示されるように、マガジン22に収納された賞品Cを積層状態のまま全体的に当該マガジン22の上方に位置する賞品繰出し部25ヘ持ち上げ、また、賞品Cをマガジン22へ戻すために下降させる機構である。第1リフト機構24は、ユニット本体21の内部において、一時保留部26よりも前側および後側にそれぞれ設けられている。第1リフト機構24は、ユニット本体21内部で上下に移動自在に設けられた載置部34と、第1リフトモータ35と、当該第1リフトモータ35の回転駆動力を直線駆動力に変換して当該直線駆動力を載置部34に伝達する伝達部36とを有する。
載置部34は、水平方向に延びる板状の部材であり、マガジン22の下方開口22e(図6参照)から挿入され、マガジン22内部を上下に移動自在に設けられている。マガジン22の内部で積層された賞品Cのうち最下段の賞品Cに下方から当接して賞品Cの全体を載せる。伝達部36は、図7に示されるように、上下方向に離れて配置された一対のプーリ36aと、当該プーリ36a間に掛けられ、上下方向に延びる無端ベルト36bと、当該無端ベルト36bに連結されたブラケット36cと、ブラケット36cを上下方向に案内するガイド部材36dとを有する。ブラケット36cの上端には、載置部34が連結されている。さらに、ブラケット36cの側面には、センサ被検知部36eが設けられている。
上記の伝達部36によって第1リフトモータ35の回転駆動力を直線駆動力に変換することにより、載置部34を昇降させることが可能である。
なお、ブラケット36cの水平に延びる水平腕部36c1は、昇降時にマガジン22の側方開口22fを通るので、ブラケット36cがマガジン22に干渉するおそれがない。
第1リフト機構24によって上昇された積層状態の賞品Cのうち上部に位置する賞品Cは、マガジン22の上方開口22dを通して、当該マガジン22の上方に位置する賞品繰出し部25へ送られる。
また、各ユニット本体21の内部には、図3、図7および図13に示されるように、載置部34の位置を検知するために、一時保留部26の前側および後側にそれぞれ、載置部34が下限位置にあることを検知する載置部下限センサ61と、載置部34が上限位置にあることを検知する載置部上限センサ62とが設けられている。これらのセンサ61〜62としては、例えば、発光部および受光部を組み合わせた位置検出のためのフォトセンサが用いられる。フォトセンサでは、載置部34に連結されたブラケット36cの側面のセンサ被検知部36e(図7参照)が発光部と受光部との隙間に入り、発光部から受光部への光を遮断することにより、載置部34の位置を検知することが可能である。
さらに、各ユニット本体21の内部には、賞品Cの位置を検知するために、一時保留部26の前側および後側にそれぞれ、載置部34上に積層された賞品Cが賞品繰出し部25に上昇したことを検知する上昇検知センサ63と、賞品Cが待機位置にあることを検知する賞品待機位置センサ64とが設けられている。ここで、賞品Cの待機位置とは、最上位の賞品Cが賞品繰出し部25の繰出しローラ38に当接する位置をいう。これらのセンサ63〜64としては、例えば、発光部および受光部を組み合わせた位置検出のためのフォトセンサが用いられる。このフォトセンサでは、発光部から発せられた光が賞品Cに反射して受光部に入ることにより、賞品Cの位置を検知することが可能である。
賞品繰出し部25は、第1リフト機構24によってマガジン22から上昇してきた賞品Cを一時保留部26へ一枚ずつ繰り出して当該賞品Cを個別に送り出す。
賞品繰出し部25は、ユニット本体21の内部において、一時保留部26よりも前側および後側に配置された各第1リフト機構24の上方にそれぞれ設けられている。
各賞品繰出し部25は、図8に示されるように、ケーシング37と、複数(本実施形態では3個)の繰出しローラ38と、搬送ローラ39と、繰出しモータ40とを備え、これら繰出しローラ38、搬送ローラ39、および繰出しモータ40は、ケーシング37に収納されている。
ケーシング37は、下方側において積層状態の賞品Cが挿入可能な幅を有する挿入口37bを有する。これにより、第1リフト機構24によって上昇された賞品Cを挿入口37bを通してケーシング37内部に挿入することが可能である。
さらに、ケーシング37は、一時保留部26に近い側の側面が開放されており、揺動自在の蓋部材37aが設けられている。当該蓋部材37aの上端は、ケーシング37の上端縁に対して上下方向に昇降可能なように軸支されており、これにより、蓋部材37aは、上下方向に対して移動することが可能である。
繰出しローラ38は、積層状態の賞品Cのうち最上段の賞品Cのみを他の賞品Cから分離させて一枚ずつ一時保留部26へ向けて水平方向へ繰り出す。複数の繰出しローラ38は、積層状態の賞品Cのうち最上段の賞品Cに接触して、当該繰出しローラ38と賞品Cとの間で発生する摩擦力によって当該最上段の賞品Cのみを他の賞品Cから分離させ、賞品を一枚ずつ繰り出すことが可能である。
搬送ローラ39は、繰出しローラ38によって積層状態の賞品Cから分離された賞品Cを一時保留部26へ向けて水平方向に搬送する。
繰出しモータ40は、繰出しローラ38および搬送ローラ39を回転駆動する。繰出しモータ40の回転駆動力は、例えば、当該繰出しモータ40の駆動軸に同軸状に連結されたプーリ41aから無端ベルト41bを介して、複数の繰出しローラ38のうちの一つの繰出しローラ38に伝達され、この回転駆動力が伝達された繰出しローラ38から他の繰出しローラ38ならびに搬送ローラ39へ無端ベルト41cなどを介して伝達される。
この賞品繰出し部25では、賞品Cがケーシング37内部から水平方向に繰り出されるときには、ケーシング37の蓋部材37aは賞品Cによって押し上げられることによりケーシング37の側方を開放することが可能である(図15参照)。一方、賞品Cが水平方向に繰り出されていないときには、蓋部材37aはケーシング37の側方を閉じており、この状態では、図3に示されるように、一時保留部26よりも前側および後側にそれぞれ配置された蓋部材37aによって、賞品Cを上下方向に案内することが可能である。
さらに、各賞品繰出し部25のケーシング37の内部には、ケーシング37から一時保留部26へ向けて水平方向に繰り出される賞品Cの枚数を計測する繰出し枚数カウントセンサ66が設けられている。この繰出し枚数カウントセンサ66としては、例えば、発光部および受光部を組み合わせた位置検出のためのフォトセンサが用いられる。このフォトセンサでは、発光部から発せられた光が賞品Cに反射して受光部に入ることにより、賞品Cの枚数を検知することが可能である。
一時保留部26は、当該賞品繰出し部25によって移送された賞品Cを一時的に保留する。一時保留部26は、図3に示されるように、ユニット本体21の上部に設けられ、賞品繰出し部25によってマガジン22から移送された賞品Cを積層した状態で一時的に保留する。具体的には、一時保留部26は、上下方向に延びる前後両側の対向壁26aを有する断面コ字状の枠体からなり、積層された賞品Cを収納できる大きさを有する。一時保留部26の側面のうち、図3の紙面手前側の側面は開放されている。一時保留部26の高さは、一回の賞品払出し操作で払い出される賞品の枚数の上限によって決められる。
払出ユニット21が本体部2の筐体4の収納空間4fに収納された状態では、一時保留部26は、筐体4に収納され、払出口11の下方に配置される。一時保留部26の内部空間は、払出口11に連通する。このように、一時保留部26は、払出口11のそれぞれに対応して設けられる。
また、一時保留部26における前後両側の対向壁26aは、賞品繰出し部25の蓋部材37aが閉じている状態において当該蓋部材37aの下端が当接可能な位置に配置されている。
一時保留部26では、賞品繰出し部25によってマガジン22から移送された賞品Cは、積層した状態で後述する賞品テーブル42の上に載ることにより、一時的に保留される。
第2リフト機構27は、一時保留部26に保留された賞品Cを払出口11を通して筐体4の上面に上昇させる機構である。第2リフト機構27は、図3および図9に示されるように、ユニット本体21内部で上下に移動自在に設けられた賞品テーブル42と、第2リフトモータ43と、当該第2リフトモータ43の回転駆動力を直線駆動力に変換して当該直線駆動力を賞品テーブル42に伝達する伝達部44とを有する。第2リフト機構27は、本発明の賞品上昇部の概念に含まれる。
賞品テーブル42は、一時保留部26の内部を上下に移動自在に設けられ、一時保留部26の内部で積層された賞品Cを載せることが可能な水平方向に延びる平板である。賞品テーブル42は、払出口11の形状とほぼ同じ平面形状を有しており、筐体4の上面まで上昇したときに払出口11を塞ぐことが可能である。
伝達部44は、上下方向に離れて配置された一対のプーリ44aと、当該プーリ44a間に掛けられ、上下方向に延びる無端ベルト44bと、当該無端ベルト44bに連結されたブラケット44cと、ブラケット44cを上下方向に案内するガイド部材44dとを有する。ブラケット44cは、上下方向に延びる長尺の部材である。ブラケット44cの上端部は、賞品テーブル42に連結されている。ブラケット44cの下端部は、無端ベルト44bの上下方向に延びる部分に固定されるとともに、ガイド部材44dによって上下方向に案内されている。また、ブラケット44cの下端部側面には、センサ被検知部44eが設けられている。
第2リフト機構27では、一方のプーリ44aが第2リフトモータ43の回転駆動力によって回転することにより、無端ベルト44bが回転し、当該無端ベルト44bに連結されたブラケット44cが昇降するので、当該ブラケット44cの先端に連結された賞品テーブル42を昇降させることが可能である。これにより、第2リフト機構27は、賞品Cを賞品テーブル42に載せた状態で払出口11を通して一時保留部26から筐体4の上面へ当該賞品Cを上昇させることが可能である。
また、各ユニット本体21の内部には、図3、図9および図18に示されるように、賞品テーブル42が下限位置にあることを検知する賞品テーブル下限センサ67と、賞品テーブル42が上限位置にあることを検知する賞品テーブル上限センサ68と、賞品テーブル42が待機位置にあることを検知する賞品テーブル待機位置センサ69とが設けられている。これらのセンサ67〜69としては、例えば、発光部および受光部を組み合わせた位置検出のためのフォトセンサが用いられる。これらのセンサ67〜69は、賞品テーブル42に連結されたブラケット44cの下端部側面のセンサ被検知部44eが発光部と受光部との隙間に入り、発光部から受光部への光を遮断することにより、賞品テーブル42の位置を検知することが可能である。
ここで、賞品テーブル42の待機位置は、上限位置と下限位置との間であって、賞品繰出し部25から一時保留部26へ最初に送り出される賞品Cが賞品テーブル42の上に円滑に載ることが可能な高さ位置に設定される。この待機位置は、例えば、賞品テーブル42の上面が賞品繰出し部25によって搬送される賞品Cの水平方向の経路の高さよりもわずかに低い位置になるように設定される。
また、第2リフト機構27の第2リフトモータ43は、賞品繰出し部25によって一時保留部26に賞品Cが一枚ずつ繰り出されるにしたがって、当該賞品Cの厚さ分だけ徐々に賞品テーブル42を下降させるように、ユニット側制御部17によって制御される。
一時保留部26において賞品テーブル42の上に払出枚数の賞品Cが保留された場合には、所定の条件を満たされると払出口11を閉じていたシャッタ7を開けるようにシャッタ駆動モータ8が制御され、さらに、賞品テーブル42を筐体4の上面まで上昇して払出口11を塞ぐ位置まで上昇するように第2リフト機構27の第2リフトモータ43が制御される。これにより、従業員は筐体4の上面まで上昇した積層状態の賞品Cを取り出すことが可能である。
なお、図9に示されるように、ブラケット44cの水平に延びる水平腕部44c1は、昇降時に一時保留部26のうち側方に開放された部分を通るので、ブラケット44cがマガジン22に干渉するおそれがない。
さらに、各払出ユニット3は、図3に示されるように、賞品テーブル42の上に賞品Cが有るか否かを検知する賞品検知センサ45を備えている。
賞品検知センサ45は、具体的には、図10〜11に示されるように、検知レバー45aと、フォトセンサ45bとを備えている。
検知レバー45aの根元側端部は、賞品テーブル42の内部に固定された水平軸45cに回転自在に支持されている。これにより、検知レバー45aは、賞品テーブル42に対して上下方向に揺動自在に取り付けられる。検知レバー45aの根元側端部は、回転バネ45fによって、水平軸45cを中心としてその先端部45eが上昇するような回転方向(時計方向)へ付勢されている。
検知レバー45aは、その中間位置からやや先端側の位置において、上方に突出する突出部45dを有する。突出部45dは、先端が半球状をしており、賞品テーブル42の上板42aに開口された貫通孔42bを通して、当該賞品テーブル42の上面側に出没することが可能である。
さらに、検知レバー45aの先端部45eは、突出部45dが当該賞品テーブル42の上面から下方へ下降したときにフォトセンサ45bによって検知される被検知部として機能する。
フォトセンサ45bは、発光部と受光部とを有している。検知レバー45aの先端部45eが下降して当該発光部と受光部との隙間に挿入されたときには、当該先端部45eが発光部から受光部への光の伝達を遮るので、先端部45eを検知することが可能である。
上記のように構成された賞品検知センサ45では、図10に示されるように賞品テーブル42の上に賞品Cが載っていない状態では、検知レバー45aは、回転バネ45fの回転付勢力によって突出部45dが貫通孔42bを通して賞品テーブル42の上面側に突出し、かつ、先端部45eがフォトセンサ45eによって検知されない上方位置にある。このフォトセンサ45eが検知レバー45aの先端部45eを検知しないことにより、賞品テーブル42の上に賞品Cが載っていないことを検知することが可能である。一方、図11に示されるように賞品テーブル42の上に賞品Cが載っている状態では、検知レバー45aの突出部45dが賞品Cによって下方へ押圧されるので、当該検知レバー45aが回転バネ45fの時計回りの回転付勢力に抗して先端部45eが下降するような回転方向(反時計回り)に回転し、それによって、先端部45eがフォトセンサ45eによって検知される下方位置に移動する。フォトセンサ45eが先端部45eを検知することにより、賞品テーブル42の上に賞品Cが載っていることを検知することが可能である。
また、本実施形態では、ユニット側制御部17は、賞品テーブル42が賞品Cを筐体4の上面まで上昇させた位置で払出口11を閉じるように第2リフト機構27の第2リフトモータ43を制御する。しかも、賞品検知センサ45によって、賞品テーブル42の上に賞品Cが無いことが検知された場合には、ユニット側制御部17は、賞品テーブル42をシャッタ7から退避する退避位置まで下降させるように第2リフト機構27の第2リフトモータ43を制御するとともに、シャッタ7を閉じるようにシャッタ駆動モータ8を制御する。
次に、上記の賞品払出装置1による賞品Cの払出し動作について図23〜26のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、あらかじめ、複数の種類(例えば、500円、1000円、および5000円)の賞品Cを各種類ごとに払出ユニット3にそれぞれ収納しておく。例えば、500円の賞品Cを払い出す払出ユニット3には、当該払出ユニット3の4本のマガジン22内部に500円の賞品Cを収納しておく。
そして、賞品払出装置1を起動させれば、まず、図23のステップS1において、賞品払出装置1の各払出ユニット3のユニット側制御部17(図6参照)は、払出枚数信号が受信されるまで待機する。賞品払出装置1が待機している状態では、図12(a)および図7に示されるように、賞品Cは各払出ユニット3のマガジン22に収納された位置にあり、賞品テーブル42は待機位置にあり、シャッタ7は閉じた状態にある。
従業員が顧客から受け取ったICカードなどの媒体を用いて玉数情報を操作盤6の玉数情報入力部(図示せず)から入力したとき、例えば、本体側制御部15は、玉数に対応する金額(例えば、7000円)になるような賞品Cの払出枚数(例えば、5000円のカード1枚と1000円のカード2枚)を計算し、賞品Cの払出枚数に関する払出枚数信号を賞品Cの種類ごとに生成する。賞品Cの種類ごとに生成された払出枚数信号は、本体側制御部15から賞品Cの種類別に分けられた各払出ユニット3のユニット側制御部17へそれぞれ送信され、当該ユニット側制御部17に受信される(ステップS2)。
ここで、ステップS3において、賞品テーブル待機位置センサ69(図3参照)が賞品テーブル42を検知している場合には、ユニット側制御部17は、ステップS4において、図12(b)および図13〜14に示されるように、第1リフト機構24の第1リフトモータ35を駆動させ、載置部34を上昇させるように、当該第1リフトモータ35を制御する。具体的には、載置部34を上昇させて、図14に示される賞品繰出し部25のケーシング37の下方に開放された挿入口37bから賞品Cを挿入させ、最上位の賞品Cをケーシング37内部の繰出しローラ38に当接させる。
つぎに、1枚目の賞品払出しであるか否かを判別し(ステップS5)、1枚目の賞品払出しである場合には、第2リフト機構27の賞品テーブル42を下降させずに待機位置を維持し、1枚目の賞品払出しでない場合(すなわち2枚目以降の賞品払出しの場合)には、ステップS6において、ユニット側制御部17は、第2リフト機構27の第2リフトモータ43(図9参照)を駆動させ、賞品テーブル42を賞品Cの厚さに対応する所定量だけ下降させるように、当該第2リフトモータ43を制御する。
つぎに、ステップS7において、マガジン22上方の上昇検知センサ63が賞品Cを検知したか否かを判別する。上昇検知センサ63が賞品Cを検知した場合には、ユニット側制御部17は、ステップS8において、第1リフトモータ35の駆動を停止させる制御をし、これによって載置部34の上昇を停止させる。
ついで、ステップS9において、ユニット側制御部17は、図12(c)および図14〜15に示されるように、賞品繰出し部25の繰出しモータ40を駆動させる制御をし、積層された賞品Cのうち最上位の賞品Cを繰り出す。具体的には、繰出しモータ40によって繰出しローラ38を回転させることにより、繰出しローラ38とそれに接触する最上位の賞品Cとの間の摩擦力によって当該最上位の賞品Cが他の賞品Cから分離して一枚ずつ水平方向に繰り出され、さらに、搬送ローラ39によって水平方向に搬送され、ケーシング37の蓋部材37aが開いて、一時保留部26へ送り出される。
賞品Cが賞品繰出し部25から一時保留部26へ繰り出されるときに、図24のステップS10において、賞品色検知センサ65が賞品Cを検知、すなわち、所定の賞品の種類に対応する色であるか否かを判別する。それとともに、ステップS11において、繰出し枚数カウントセンサ66が賞品Cを検知したか否かを判別する。
これらの賞品色検知センサ65および繰出し枚数カウントセンサ66が賞品Cを検知した場合には、ステップS12において、ユニット側制御部17は、第1リフトモータ35を駆動させる制御をし、図12(d)のように載置部34を所定量だけ下降させる。
つぎに、ステップS13において、繰出し枚数カウントセンサ66が賞品Cを検知していないか否かを判別する。ここで、繰出し枚数カウントセンサ66が賞品Cを検知していないと判別された場合とは、賞品Cが賞品繰出し部25の搬送ローラ39の位置で止まっていない状態であり、一方、繰出し枚数カウントセンサ66が賞品Cを検知していると判別された場合とは、賞品Cが賞品繰出し部25の搬送ローラ39の位置で止まっている状態である。このように、繰出し枚数カウントセンサ66が賞品Cを検知することにより、賞品Cが賞品繰出し部25の搬送ローラ39の位置で止まっているか否かを確認することが可能である。
繰出し枚数カウントセンサ66が賞品Cを検知していない場合には、ユニット側制御部17は、ステップS14において、繰出しモータ40を停止させる制御をする。
つぎに、ユニット側制御部17は、ステップS15において、払出枚数信号に対応する払出枚数だけ賞品Cを一時保留部26へ払い出して保留しているか否かを判別する。
つぎに、ステップS16において、各払出ユニット3のユニット側制御部17は、本体部2側の本体側制御部15へ各払出ユニット3についての払出完了信号を送信する。
本体側制御部15は、すべての払出ユニット3からの払出完了信号の受取りを完了したときに、各払出ユニット3のユニット側制御部17へシャッタ開信号を一斉に送信する。シャッタ開信号は、各払出ユニット3に対応するシャッタ7を開けることを各ユニット側制御部17へ指示する信号である。
具体的には、図25のステップS17〜S18において、各払出ユニット3のユニット側制御部17は、本体側制御部15から送信されるシャッタ開信号が各ユニット側制御部17に受信されるまでの間、全ての払出ユニット3の一時保留部26へ賞品Cを払い出して当該賞品Cの保留が完了するまで待機する。
そして、各払出ユニット3のユニット側制御部17が本体側制御部15からシャッタ開信号を受信した場合、ユニット側制御部17は、ステップ19において、賞品Cの払出しが行われる払出口11のシャッタ7を開けるために、当該シャッタ7に対応するシャッタ駆動モータ8をそれぞれ駆動させる制御をし、これらのシャッタ7を一斉に開ける。これにより、図16(a)および図17に示されるように、シャッタ7が開かれて筐体4の上板4aの払出口11が開放される。このとき、賞品Cの払出しが行われる払出口11のシャッタ7だけが開かれ、賞品Cの払出しが行われない払出口11のシャッタ7は開かれないで閉じた状態が維持される。
つぎに、ステップS20において、シャッタ開センサ55がシャッタ7を検知しているか否かを判別する。シャッタ開センサ55がシャッタ7を検知している場合、すなわち、シャッタ7が開位置にある場合には、ステップS21において、ユニット側制御部17は、第2リフト機構27の第2リフトモータ43を駆動させ、賞品テーブル42を上昇させるように、当該第2リフトモータ43を制御する。これにより、図16(b)および図18に示されるように、賞品テーブル42が積層した賞品Cを載せた状態で上昇することにより、当該賞品Cは、払出口11から筐体4(上板4a)の上面に払い出される。
つぎに、ステップS22において、賞品テーブル上限センサ68が賞品テーブル42を検知したか否かを判別する。賞品テーブル上限センサ68が賞品テーブル42を検知した場合、ユニット側制御部17は、ステップS23において、第2リフトモータ43を停止させ、賞品テーブル42の上昇を停止させるように、当該第2リフトモータ43を制御する。このとき、賞品テーブル42は、筐体4の上面まで上昇した位置で停止するので、払出口11を塞ぐことが可能である。
つぎに、ステップS24において、賞品Cが受け取られるまで待機状態を維持する。すなわち、ユニット側制御部17は、賞品テーブル42の上から賞品Cが取り除かれて顧客が当該賞品Cを受け取るまで、当該賞品テーブル42を待機するように第2リフトモータ43の停止を維持させる。
ついで、ステップS25において、賞品検知センサ45が賞品テーブル42の上に載る賞品Cを検知しなくなったか否かを判別する。
賞品検知センサ45が賞品Cを検知しなくなった場合には、図26のステップS26において、ユニット側制御部17は、第2リフトモータ43を駆動させ、賞品テーブル42を所定量(例えば、賞品テーブル42がシャッタ7に干渉しない程度のわずかな下降量)だけ下降させるように、当該第2リフトモータ43を制御する。これにより、図19(a)〜(b)および図20に示されるように、賞品テーブル42をシャッタ7から下方へ退避した位置へ下降させることが可能である。
つぎに、ステップS27において、ユニット側制御部17は、シャッタ駆動モータ8を駆動させ、シャッタ7を閉じるように、当該シャッタ駆動モータ8を制御する。これにより、図19(c)および図21に示されるように、シャッタ7を閉じて払出口11を閉鎖することが可能である。
つぎに、ステップS28において、シャッタ閉センサ54がシャッタ7を検知しているか否かを判別する。シャッタ閉センサ54がシャッタ7を検知している場合、すなわち、シャッタ7が閉位置にある場合には、ステップS29において、ユニット側制御部17は、第2リフト機構27の第2リフトモータ43を駆動させ、賞品テーブル42を下降させるように、当該第2リフトモータ43を制御する。これにより、図19(d)および図22に示されるように、賞品テーブル42はさらに下降する。
つぎに、ステップS30において、賞品テーブル下限センサ67が賞品テーブル42を検知したか否かを判別する。賞品テーブル下限センサ67が賞品テーブル42を検知した場合、ユニット側制御部17は、ステップS31において、第2リフトモータ43を一旦停止させ、第2リフトモータ43を反転駆動させて、賞品テーブル42を上昇させるように、当該第2リフトモータ43を制御する。
つぎに、ステップS32において、賞品テーブル待機位置センサ69が賞品テーブル42を検知したか否かを判別する。賞品テーブル待機位置センサ69が賞品テーブル42を検知した場合、ユニット側制御部17は、ステップS33において、第2リフトモータ43を停止させ、賞品テーブル42の上昇を停止させるように、当該第2リフトモータ43を制御する。これにより、賞品テーブル42は、払出処理を開始するときの待機位置に戻される。一連の払出処理が完了した後は、払出待機の状態(図23のステップS1)に戻る。
なお、上記の賞品テーブル待機位置センサ69が賞品テーブル42を検知していない場合(ステップS1およびS32参照)には、ユニット側制御部17は、エラー処理を実行する。エラー処理としては、例えば、ユニット側制御部17は、払出ユニット3の動作を中止し、それとともに、エラー表示を従業員側表示部6bに表示させる制御をする。
また、上昇検知センサ63および賞品色検知センサ65が賞品Cを検知していない場合(ステップS7およびS10参照)の場合も、ユニット側制御部17は上記のようにエラー処理を実行する。
また、繰出し枚数カウントセンサ66が、ステップS11において賞品Cを検知していない場合と、ステップS13において賞品Cを検知している場合についてもそれぞれ、ユニット側制御部17は上記のようにエラー処理を実行する。
また、シャッタ開センサ55およびシャッタ閉センサ54がシャッタ7を検知していない場合(ステップS20およびS28参照)の場合も、ユニット側制御部17は上記のようにエラー処理を実行する。
また、賞品テーブル上限センサ68および賞品テーブル下限センサ67が賞品テーブル42を検知していない場合(ステップS22およびS30参照)の場合も、ユニット側制御部17は上記のようにエラー処理を実行する。
さらに、ステップS15において、払出枚数信号に対応する払出枚数だけ賞品Cを一時保留部26へ払い出していないと判別された場合には、ステップS4に戻り、ステップS4〜S14の一時保留部26への賞品を繰り出す動作を繰り返す。
(特徴)
(1)
本実施形態の賞品払出装置1では、顧客に払い出される予定の賞品Cを一時保留部26に保留し、当該一時保留部26に保留された賞品Cを賞品テーブル42に載せて上昇させることにより、筐体4の上面に開口する払出口11から当該賞品Cが払い出される。賞品テーブル42に載っている賞品Cは、例えば従業員を介して顧客へ渡される。この賞品払出し時において、賞品検知センサ45が賞品テーブル42の上に賞品Cが有るか否かを検知することにより、賞品Cを取り忘れて当該賞品Cが賞品テーブル42上に残留するおそれを防ぐことが可能である。そして、当該賞品検知センサ45を用いることによって、賞品検知センサ45が賞品テーブル42の上に賞品Cが有ることを検知している間は次回の賞品Cの払出しを行わないように制御することが可能になる。その結果、前後の払出し処理によって払い出される賞品C同士が混在することを防ぐことが可能になる。
(2)
本実施形態の賞品払出装置1では、賞品Cを積層した状態で賞品テーブル42に載せ、当該賞品Cを一括して筐体4の上面へ上昇させることが可能である。これにより、複数の賞品Cを払い出す場合であっても、賞品テーブル42の上に賞品Cが残っているかを少なくとも1個の賞品検知センサ45によって検知することが可能である。
(3)
本実施形態の賞品払出装置1では、賞品Cを筐体4の上面まで上昇させた位置では払出口11は、賞品テーブル42によって閉じられており、賞品テーブル42上に賞品Cが無いことが検知された場合に、賞品テーブル42をシャッタ7から退避する退避位置まで下降させるとともにシャッタ7を閉じる。このため、払出口11は賞品テーブル42によって閉じられた状態からシャッタ7によって閉じられた状態へスムーズに移行する。したがって、払出口11内部が外部に露出する不具合を回避することが可能である。これにより、外部から筐体4内部へ指などの異物を侵入させるなどのいたずらまたは不正行為を防ぐことが可能である。
(4)
本実施形態の賞品払出装置1では、複数の払出口11にそれぞれシャッタ7が設けられているので、各払出口11を通して外部から筐体4内部へ指などの異物を侵入させることによるいたずらや不正行為を確実に防止することが可能である。また、筐体4は複数の払出口11を有しているので、複数の払出口11から複数種類の賞品払出しを行うことが可能である。
(5)
本実施形態の賞品払出装置1では、複数の一時保留部26を有する構成において、一時保留部26における賞品Cの保留がそれぞれ完了した後に賞品Cの払出しを行う払出口11に設けられた各シャッタ7を一斉に開けるので、最も遅い一時貯留部26(例えば、払い出される賞品Cをもっとも多く保留する一時保留部26)の賞品Cの保留が完了し、すべての一時保留部26についての賞品Cの保留が完了したことを本体側制御部15が確認してからシャッタ7を一斉に開けられるので、複数の払出口11を介して賞品Cを確実に払い出すことが可能である。このため、賞品払出しの完了前にシャッタ7が開けられ、保留動作中の一時保留部26が外部から見えるおそれを回避することが可能である。しかも賞品Cが払出口11から一斉に払い出されるので、全ての賞品Cが揃ったことが従業員や顧客が判り易い。
(6)
本実施形態の賞品払出装置1では、払出表示部12によって、複数の払出口11のうち賞品Cが払いだされる払出口11を示すので、賞品Cの取り忘れを防ぐことが可能であり、しかも見栄えが良い。
(変形例)
(A)
上記実施形態では、本発明の賞品払出装置の例として、積層可能なカード状の賞品を積層した状態で払い出す賞品払出装置が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、積層できない形状の賞品、例えば袋に入った菓子類などの賞品などであっても、賞品テーブルに載ることが可能な賞品であれば本発明の賞品払出装置を用いて払い出すことが可能である。その場合も、賞品テーブルの上に賞品が残っている場合には、賞品検知センサが検知することによって、賞品の取り忘れを防ぎ、その結果、前後の払出し処理によって払い出される賞品同士が混在することを防ぐことが可能になる。
(B)
上記実施形態の賞品払出装置1は、シャッタ7を備えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、シャッタを有しない賞品払出装置についても本発明を適用することが可能である。
(C)
また、上記実施形態の賞品払出装置1では、複数の一時保留部における賞品の保留がそれぞれ完了した後に、賞品Cが払い出される払出口のシャッタを一斉に開ける構成を有するが、本発明はこれに限定されるものではなく、シャッタを一斉に開けない構成を有する賞品払出装置についても本発明を適用することが可能である。
(D)
上記実施形態の賞品払出装置1は、各払出口11に対応する払出表示部12を備えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、払出表示部を有しない賞品払出装置についても本発明を適用することが可能である。