以下、本発明の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態における景品払出機10の正面から(遊技客側から)の斜視図を示し、図2は、この景品払出機10の背面から(カートリッジ挿入側から)の斜視図を示している。また、図2においては、背面に設けられている背面扉11を開いた状態で、6つの景品カートリッジ挿入口12の内、左から4列目までの景品カートリッジ挿入口12に景品カートリッジ13を挿入した状態を示す斜視図が示されている。
図1に示すように、景品払出機10の最上部には、景品払出ユニット14が設けられている。この景品払出ユニット14には、特殊景品Wを排出するための景品払出口15が、景品払出ユニット14の長手方向に6箇所設けられている。この景品払出口15は、特殊景品Wの排出時以外は、景品押出部16の押出面によって閉鎖されている。
景品払出口15から景品押出部16によって特殊景品Wが排出される排出天板17には、各景品払出口15に対応して、凹部が設けられ、その凹部に、例えばLEDランプなどで構成される払出口指示点灯部18が配置されている。そして、払出口指示点灯部18を配置した凹部は、排出天板17と凹凸なく平面になるように、例えば透明なアクリル板などで封鎖されている。そして、特殊景品Wが排出される景品払出口15に対応した払出口指示点灯部18が点灯し、遊技者に特殊景品Wが排出される景品払出口15を示している。
ここで示した景品払出機10は、6箇所の景品払出口15が設けられているので、最大6種類の特殊景品Wを同時に排出することができる。また、景品払出機10に設けられる景品払出口15は、6箇所に限られるものではなく、例えば、払い出される特殊景品Wの種類によって、景品払出口15の数を増減してもよい。
また、景品払出ユニット14の右上面には、払い出される特殊景品Wの種類および数量を表示するための表示部19が設置されている。この表示部19は、例えば液晶モニタなどで構成される。
さらに、景品払出ユニット14の上面の両端には、スピーカ20が設けられ、例えば遊技客に対して「いらっしゃいませ」、「景品が出るまでしばらくお待ち下さい」などの音声情報が発せられる。
図2に示すように、景品払出機10の背面側には、景品払出ユニット14の上部に、景品払出機10の背面側に向いて操作表示パネル21が設けられている。この操作表示パネル21には、払い出される特殊景品Wの種類および数量を表示するための、例えば液晶モニタなどで構成される表示部21a、操作表示パネル21の左右の端部には、特殊景品Wの補充要求や搬送不良などのエラー発生に点灯するエラー発生点灯部21bが設けられている。
また、景品払出機10は、2台の景品管理装置(POS)と通信回線によって接続することができ、操作表示パネル21には、何台の景品管理装置(POS)と接続されているかを示す併設景品管理装置数点灯部21cが設けられている。この併設景品管理装置数点灯部21cは、例えばLEDランプなどで構成され、景品管理装置(POS)が1台併設されている場合には、併設景品管理装置数点灯部21cが1つ点灯し、景品管理装置(POS)が2台併設されている場合には、併設景品管理装置数点灯部21cが2つ点灯する。また、併設景品管理装置数点灯部21cに近接して、景品払出機10のレディ状態を示すレディ点灯部21dが設けられている。このレディ点灯部21dも、例えばLEDランプなどで構成されている。
また、操作表示パネル21には、リセットボタン21g、モード切替ボタン21hが設けられ、さらに開閉可能なパネル21eの内部にテンキー21fが設けられている。設定モードは、モード切替ボタン21hとテンキー21fによって設定され、テンキー21fでは、例えば取り扱う特殊景品Wの種類の数、各景品カートリッジ13に収納された特殊景品Wの種類などの設定を行う。
また、景品払出機10の内部には、景品カートリッジ13を着脱可能に収容し、上部に上部ユニット22、下部に下部ユニット23が設けられた景品搬送ユニット24が、景品払出機10の横方向に複数積層させて構成されている。ここで示された実施の形態では、6個の景品搬送ユニット24が積層されて構成されているが、景品搬送ユニット24は6個に限られるものではなく、例えば、払い出される特殊景品Wの種類によって、景品搬送ユニット24の数を増減してもよい。なお、上述した特殊景品Wが排出される景品払出口15の数は、この景品搬送ユニット24の数に対応している。
また、景品払出機10には、演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)などから主に構成される制御手段28が設けられている。CPUでは、ROMやRAMに格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する。また、この制御手段28では、景品払出機10を構成する各機器部との信号の出入力などを制御している。
(景品カートリッジ13の構成)
次に、図3〜5を参照して、景品カートリッジ13の構成について説明する。
図3には、景品カートリッジ13の斜視図が示されており、図4には、カートリッジカバー104が取り付けられた状態の景品カートリッジ13の斜視図が示されている。図5には、景品カートリッジ13の一方の側面の一部を示す斜視図が示されている。
景品カートリッジ13は、全体として直方体からなり、複数の一列に並べられた直方体空間からなる各景品収納部100から構成される。この実施の形態では、景品カートリッジ13は、3個の景品収納部100から構成されているが、これに限られるものではなく、景品収納部100の数を増減してもよい。
景品収納部100の底面には、中央部および前部の一部が切欠され、ほぼC字型に形成された景品ストッパ101が固着され、景品収納部100内に積層される特殊景品Wを支持する。この景品ストッパ101の切欠の形状は、景品収納部100内に収納される特殊景品Wを昇降させる支持部材および支持部材を支持しリフト機構によって押し上げられる昇降台が移動可能であり、かつ景品収納部100内に収納される特殊景品Wを支持できるものであれば、C字型に限られるものではない。
景品収納部100の背面および両側面は壁面で形成され、隣接する景品収納部100の側面は共有している。景品収納部100の前面および天井面は開口されている。景品収納部100の側面前部には、板状のガイド102が景品収納部100に沿って設けられている。各景品収納部100には、例えば特殊景品Wの厚さが3mmの場合には、150個収納することができ、3個の景品収納部100で合計450個の特殊景品Wを収納することができる。
また、景品カートリッジ13の一方の外側面には、挿入用把持部103が配置されている。景品カートリッジ13を景品カートリッジ挿入口12に挿入する際に、従業員などがこの挿入用把持部103を握って挿入を行う。
図4に示すように、景品カートリッジ13の上部には、複数の景品収納部100の天井面を被覆する大きさで構成されたカートリッジカバー104を装着することができる。このカートリッジカバー104は、景品カートリッジ13を持ち運ぶ際に、景品カートリッジ13に装着して使用するもので、例えば従業員などがカートリッジカバー104に設けられた持運び用把持部105を握って持ち運ぶ。なお、このカートリッジカバー104は、景品カートリッジ13を景品カートリッジ挿入口12に挿入する際には外される。
また、図5に示すように、景品カートリッジ13の挿入用把持部103の設置された外側面とは反対側の外側面に、金属板からなるマグネット用プレート106が配設されている。この実施の形態では、景品カートリッジ13の外側面に、2個のマグネット用プレート106が所定の位置に配設されているが、これに限るものではない。
このマグネット用プレート106は、後述するキャッチ手段110にマグネット用プレート106と対応して配設されたマグネット111と磁気的に接続され、キャッチ手段110に設置されたホール素子を用いて、景品カートリッジ挿入口12に挿入された景品カートリッジ13が適切なものであるかを判定する。
(景品払出機10の内部の構成)
次に、景品払出機10の内部の構成について、図6〜8を参照して説明する。
図6には、景品払出機10の一部の内部構造を示した斜視図が示されている。なお、図6は、景品払出機10の1つの景品搬送ユニット24、景品払出ユニット14について示したものであり、操作表示パネル21などの記載は省略している。図7には、景品カートリッジ13を景品カートリッジ挿入口12に挿入する様子を示す斜視図である。また、図8には、景品カートリッジ13がカートリッジ設置板204に載置された状態を示す平面図である。
図6に示されているように、景品払出機10は、下部ユニット23、景品カートリッジ挿入口12、上部ユニット22から構成される景品搬送ユニット24と、この景品搬送ユニット24と排出天板17を介して積層配置された景品払出ユニット14とから主に構成されている。
景品カートリッジ挿入口12の下端位置の両側には、景品カートリッジ挿入口12から奥部まで、カートリッジガイドレール200が帯状に設置されている。このカートリッジガイドレール200の一部は、特殊景品Wを昇降させる支持部材201および支持部材201を支持する昇降台202が移動可能に切欠されている。
また、両側のカートリッジガイドレール200間に渡って複数本のガイドローラ203が設置される。このガイドローラ203上には、景品カートリッジ13を支持するカートリッジ設置板204が載置されている。
このカートリッジ設置板204の景品カートリッジ挿入口12の奥側の端部には、図5に示すように、キャッチ手段110が立設されている。カートリッジ設置板204上に景品カートリッジ13が載置されると、キャッチ手段110に配設されたマグネット111と、景品カートリッジ13の外側面に配設されたマグネット用プレート106とが磁気的に接続される。そして、キャッチ手段110に設置されたホール素子(図示しない)を用いて、景品カートリッジ挿入口12に挿入された景品カートリッジ13が適切なものであるかを判定し、適切でない場合には、例えば、ブザーなどで知らせることができる。このホール素子は、制御手段28に回線を介して接続されている。
また、カートリッジ設置板204には、カートリッジ設置板204に載置する景品カートリッジ13の景品ストッパ101の各切欠に対応して切欠部205が設けられている。この切欠部205は、特殊景品Wを昇降させる支持部材201および支持部材201を支持する昇降台202が移動可能に切欠されている。
さらに、カートリッジ設置板204の下部端面には、下部ユニット23の底部に設置されたステッピング駆動モータ206からの動力を伝達するタイミングベルト207のギヤ部と係合するギヤ部(図示しない)が設けられている。そして、ステッピング駆動モータ206を駆動することで、カートリッジ設置板204は、ガイドローラ203上を移動する。なお、ステッピング駆動モータ206は、接続される制御手段28の指示により正逆回転される。
図7および8に示すように、景品カートリッジ挿入口12から挿入され、カートリッジ設置板204上に載置された景品カートリッジ13は、所定の位置まで挿入されることで、カートリッジ設置板204の外側面に配設されたマグネット用プレート106とキャッチ手段110に配設されたマグネット111とが接続し、景品カートリッジ13のカートリッジ設置板204上への載置が完了する。景品カートリッジ13のカートリッジ設置板204上への載置が完了した状態では、各景品カートリッジ13下部の景品ストッパ101の切欠は、それぞれに対応して設けられたカートリッジ設置板204の切欠部205に対向する位置に設置されている。
また、図7に示すように、景品カートリッジ挿入口12には、カートリッジ挿入口扉25が設けられ、景品カートリッジ13挿入後には閉じられる。また、カートリッジ挿入口扉25の開閉する側の景品搬送ユニット24の正面には、カートリッジ挿入口扉25をロックするロック機構26が設けられている。さらに、カートリッジ挿入口扉25の開閉は、景品搬送ユニット24の正面に設けられた接点スイッチ27によって検知されている。なお、ロック機構26および接点スイッチ27は、制御手段28と回線を介して接続されている。
また、キャッチ手段110側の景品カートリッジ13の景品収納部100における背面を形成する壁部の外面には、鉄板などで形成された光を反射する光反射板107が設置されている。また、図6に示すように、景品カートリッジ13が挿入される景品搬送ユニット24の内壁面には、光反射板107の移動に対応して、3箇所の位置に位置検知センサ108が設けられている。この3個の位置検知センサ108は、景品カートリッジ13の各景品収納部100の間隔に対応した間隔で、景品搬送ユニット24の内壁面に設置されている。
位置検知センサ108から発せられた光は、光反射板107で反射し、その反射光を位置検知センサ108で検知することで、キャッチ手段110側の景品収納部100の位置を検知し、その情報に基づいてステッピング駆動モータ206を制御することで、景品カートリッジ13の移動を制御することができる。なお、位置検知センサ108は、制御手段28に配線を介して接続されている。
次に、景品搬送ユニット24に設けられたリフト機構300および昇降台202上に設置された特殊景品Wを昇降させる際に特殊景品Wを支持する景品支持部350の構成について、図6および9を参照して説明する。ここで、図9には、リフト機構300の構成が示されている。
(リフト機構300の構成)
リフト機構300は、ステッピング駆動モータ301と、ステッピング駆動モータ301の動力を伝達するギヤ部302と、ギヤ部302によってステッピング駆動モータ301の動力が伝達され、回転可能に設置されたスパイラルシャフト303と、スパイラルシャフト303と所定の間隔をあけて平行に設置されたリニアシャフト304と、スパイラルシャフト303およびリニアシャフト304にそれぞれ設けられたリニアガイド305a、305bに載置された昇降台202とから主に構成されている。
昇降台202は、凸形状を有する平板で構成され、凸状部がカートリッジガイドレール200の切欠された部分を通過できる位置に設置される。また、昇降台202の幅広部分の一端側には、スパイラルシャフト303と係合する溝が内筒壁に螺刻されたリニアガイド305aの小径筒部を貫通させる貫通孔が開口されている。また、昇降台202の幅広部分の他端側には、リニアシャフト304と内筒壁が摺接するリニアガイド305bの小径筒部を貫通させる貫通孔が開口されている。
そして、それぞれの貫通孔に対応したリニアガイドの小径筒部を貫通させ、昇降台202は、リニアガイド305a、305bの大径筒部の上端面上に載置され固定される。そして、スパイラルシャフト303がステッピング駆動モータ301によって回転され、リニアガイド305aが移動して、昇降台202を上昇または下降させる。
スパイラルシャフト303およびリニアシャフト304は、下部ユニット23の底部から上部ユニット22の天井面に至って設置されている。また、景品カートリッジ挿入口12の天井面は、昇降台202上に設置される景品支持部350が移動できるように開口部308が開口されている。
また、昇降台202とリニアガイド305bとの間には、昇降台202が所定の最下部に位置することを検知するための位置検知板306が挟持されている。そして、この位置検知板306を検知する位置検知センサ307が、位置検知板306に対応させて下部ユニット23の底面に設置されている。この位置検知センサ307として、例えば、光センサなどが用いられ、位置検知センサ307は、制御手段28に回線を介して接続されている。
上部ユニット22の天井面の下端近傍には、景品支持部350上に特殊景品Wが載置されているか否かを検知する景品載置検知センサ309が設置されている。この景品載置検知センサ309は、接点スイッチセンサ、光学センサなどで構成され、制御手段28に回線を介して接続されている。
下部ユニット23の底面には、スパイラルシャフト303にギヤ部302を介して動力を伝達し、スパイラルシャフト303を回転させるステッピング駆動モータ301が設置されている。また、このステッピング駆動モータ301は、正逆回転可能であり、制御手段28に回線を介して接続されている。
ステッピング駆動モータ301に接続されたギヤ部302とステッピング駆動モータ301との間の回転軸に、ステッピング駆動モータ301の回転軸の回転数を検知するエンコーダ部310が設けられている。また、エンコーダ部310は、制御手段28に回線を介して接続されている。このエンコーダ部310からの情報に基づいて、景品支持部350上の特殊景品Wの数量を検知することができる。
(景品支持部350の構成)
次に、景品支持部350の構成について、図10を参照して説明する。
図10には、景品支持部350の一部を断面とした図が示されている。
景品支持部350は、昇降台202の凸状部上に立設された支柱351と、この支柱351上に支柱に対して垂直に設置された平板352と、この平板352上に配置されたバネ併設棒逃し部材353と、景品カートリッジ13の景品収納部100に収納された特殊景品Wを支持する支持部材201と、この支持部材201の下面に一端が立設され、他端がバネ併設棒逃し部材353に開口された貫通孔に貫通し自由端を形成するバネ併設棒355と、バネ併設棒355の周囲に巻きつけられたバネ354と、支持部材201と他端がバネ併設棒逃し部材353との間に設置され、回転軸356aを軸として回転可能な回動部材356とから主に構成されている。
支柱351は、円筒または円柱で形成され、支持部材201を所定の高さに位置させるために所定の長さに調整されている。
平板352上に固着されたバネ併設棒逃し部材353は、断面が上端部より外側へ延設されたフランジ部を有した凹型の板状の部材で形成され、そのフランジ部には、バネ併設棒355を貫通させるための貫通孔が設けられている。また、凹型の底部には、回動部材356が固着されている。なお、貫通孔は、バネ併設棒355が平板352に当たるまで抵抗なく貫通でき、かつバネ併設棒355に巻きつけられたバネ345がこの貫通孔を通過できない程度の孔径で形成されている。
支持部材201に下面には、所定のバネ定数のバネ354が巻きつけられた2本のバネ併設棒355が、それぞれ回動部材356の回転軸356aに対して対称に、支持部材201の両端縁部に配設されている。
支持部材201は、例えば樹脂などの材料で形成され、支持部材201の上面には、景品カートリッジ13の景品収納部100に収納された特殊景品Wの形状に合わせて水平に形成されている。この支持部材201の上表面に特殊景品Wとの間における摩擦係数を高くするための凸凹部を形成することで、支持部材201と接触する特殊景品Wのずれなどを防止することができる。なお、支持部材201は、樹脂以外にも金属などで構成することもできる。
回動部材356は、上部回動部材356bと下部回動部材356cとが回転軸356aによって軸支されている。この回動部材356は、下部回動部材356cがバネ併設棒逃し部材353に固定されているため、図10の断面図によれば、上部回動部材356bが回転軸356aを中心として右回転または左回転が可能となる。これによって、回動部材356が固着された支持部材201は、回転軸356aを中心として右回転または左回転することができる。
ここで、この回転方向は、後述する上部ユニット22における特殊景品Wの排出方向(図10中の支持部材201上に矢印で示した方向)に対して、この排出方向を上下方向に変動する方向に相当する。
ここで、回動部材356の構成は、図10に示した回転軸356aを中心とした形態に限られるものではない。例えば、図11に示すように、回転部を球体357とし、この球体357を中心に回転させるようにしてもよい。この場合には、バネ354が巻きつけられたバネ併設棒355は、支持部材201の下面の球体357に対して対称な位置に4本設けることが好ましい。さらに、バネ併設棒逃し部材353に開口される貫通孔は、この4本のバネ併設棒355に対応して設けられる。
また、景品支持部350は、回動部材356を設けずに構成することもできる。この場合には、支持部材201および支持部材201に接続されたバネ併設棒355は、バネ併設棒逃し部材353のフランジ部上にバネ354によって支持される。ここで、バネ併設棒逃し部材353より下方に突き出したバネ併設棒355の先端に、バネ併設棒355が挿入されているバネ併設棒逃し部材353の貫通孔の孔径よりも大きなヘッド部を設け、バネ併設棒355がバネ併設棒逃し部材353の貫通孔から外れるのを防止してもよい。なお、ヘッド部は、支持部材201の上方への移動に対応できるように、所定の長さ分バネ併設棒逃し部材353より下方に突き出したバネ併設棒355の先端に接続されている。
(上部ユニット22および景品払出ユニット14の構成)
次に、上部ユニット22および景品払出ユニット14の構成について、図12〜14を参照して説明する。
図12には、上部ユニット22および景品払出ユニット14の断面図が示されている。図13には、上部ユニット22において特殊景品Wが当接する当接部400を特殊景品Wが当接する方向(景品カートリッジ13側から上方をみた方向)からみたときの平面図が示されている。また、図14には、特殊景品Wが当接する当接部400の側面からの平面図が示されている。
上部ユニット22の当接部400には、支持部材201に支持された特殊景品Wが当接し、水平2列に設置される6個の回転自在の景品受ローラ401と、景品受ローラ401に当接した特殊景品Wを景品押出爪402によって景品スタッカ部403に押し出す回転ベルト404とから主に構成されている。この構成では、排出手段と当接部が一体的に構成されているが、この構成に限るものではない。
なお、回転ベルト404は、制御手段28に配線を介して接続された駆動モータ(図示しない)によって回転される。そして、特殊景品Wを1枚毎に景品スタッカ部403へ排出する景品押出爪402が所定位置に達したことを、ロータリエンコーダ(図示しない)で検知し、景品スタッカ部403へ排出された特殊景品Wの枚数を計数する。ここで、ロータリエンコーダ(図示しない)には、回転ベルト404の位置を検知可能なようにその回転駆動が所定ギヤ比で伝達されている。このロータリエンコーダは、制御手段28に配線を介して接続されている。また、景品載置検知センサ309が特殊景品Wを検知しない場合には、回転ベルト404は駆動されない。
また、図13および14に示すように、当接部400の側面の長手方向の中央部には、例えば、両端面にバネが設けられた弾性部材405の一端が接続され、弾性部材405の他端は、上部ユニット22の底面部材に接続される。なお、弾性部材405の他端が接続されるのは、上部ユニット22の底面部材に限られるものではなく、例えば、景品カートリッジ挿入口12の天井板上面や、景品払出機本体で払い出し中に対地不動な部分であればよい。
この弾性部材405は、当接部400の両側面に少なくとも1個ずつ設けられている。この弾性部材405は、バネに限られるものではなく、所定の力に対して一定の割合で変化する弾性部材ならばよい。この弾性部材405を設けることで、当接部400が、所定の範囲で上下に移動可能となる。また、当接部400の自重および弾性部材405による一定の力を当接部400と接触する特殊景品Wに付加することができ、安定してスムーズに特殊景品Wを景品スタッカ部403に排出することができる。
また、当接部400の側面には、上部ユニット22の底面部材または景品カートリッジ挿入口12の天井板などに立接された軌道レール406に沿って摺動する摺動部材407を設けてもよい。この摺動部材407を設ける場合、当接部400の両側面に少なくとも1個ずつ摺動部材407を設けることが好ましい。この軌道レール406および摺動部材407を設けることによって、当接部400は、所定の軌道上を移動することができる。
さらに、当接部400の側面には、当接部400の上限位置および下限位置を検知するための位置検知板408が設置されている。この位置検知板408は、鉄板などで形成され、上部に上限位置を検知するための横方向に長い凸部408aと、その凸部408aの下部に、凸部408aよりも横方向に短く、下限位置を検知するための凸部408bとが形成されている。そして、位置検知板408が設置された当接部400の側面に対向する上部ユニット22の内壁面には、当接部400の上限位置および下限位置のそれぞれに対応させて、2つの位置検知センサ409(上限位置検知センサ、下限位置検知センサ)が設置されている。この位置検知センサ409として、例えば、光を出射し、その出射光の位置検知板408からの反射光を検知する光センサなどが用いられ、この位置検知センサ409は、制御手段28に回線を介して接続されている。
また、上部ユニット22には、景品スタッカ部403に押し出された特殊景品Wを支持し、上下に昇降可能なスタッカ部昇降台410と、このスタッカ部昇降台410の背面に設けられたギヤ部410aと係合するギヤ部411を介して動力を与え、スタッカ部昇降台410を上下に移動するステッピング駆動モータ412が設けられている。さらに、スタッカ部昇降台410が通過できる程度に、上部ユニット22の天井部および景品払出ユニット14が設置される排出天板17には、開口部415が形成されている。
また、当接部400に当接した特殊景品Wを景品スタッカ部403に排出する際に通過する前ゲート413と、特殊景品Wの排出側と反対側に後ゲート414が壁状に設けられている。
この前ゲート413は、当接部400に当接した特殊景品Wを景品スタッカ部403に排出する際に、複数の特殊景品Wが景品スタッカ部403に排出されるのを防止するものである。したがって、当接部400と前ゲート413との高さ方向の隙間は、特殊景品Wの規格厚さよりも若干大きい程度であり、特殊景品Wの規格厚さの2倍以上となることは無い。一方、後ゲート414と当接部400との隙間は、回転ベルト404の景品押出爪402が通過できる程度となっている。
次に、景品払出ユニット14は、景品払出ユニット14の筐体内に設けられ、スタッカ部昇降台410によって景品払出ユニット14内に搬送された特殊景品Wを排出天板17上に押し出して払い出す景品押出部16から主に構成されている。
この景品押出部16は、一端側に特殊景品Wを押し出す押出板501と、この押出板501に垂直に接続され、駆動モータ(図示しない)に接続されたギヤ部と係合するギヤ部が設けられた押出板接合部材502とから構成されている。なお、駆動モータ(図示しない)は、制御手段28に回線を介して接続されている。
図12に示すように、景品押出部16の押出板501は、特殊景品Wの払出動作を行わない場合には、景品払出ユニット14の景品払出口15を閉鎖する閉鎖板として機能している。
また、景品押出部16の押出板501は、特殊景品Wの払出動作を行う場合には、スタッカ部昇降台410に支持された特殊景品Wが景品払出ユニット14内に搬送される前に、右側(図12中の景品押出部16が点線で示された位置)に移動される。そして、スタッカ部昇降台410に支持され、景品払出ユニット14内に搬送された特殊景品Wを排出天板17上に押し出す。
そして、景品払出ユニット14は、スタッカ部昇降台410の少なくとも上方が固定されたカバーで覆われているため、稼動部であるスタッカ部昇降台410、景品押出部16の押出板501が剥き出しにならないので安全である。
(景品払出機10の動作)
次に、上記した景品払出機10における動作について、図を参照して説明する。
(景品カートリッジ13の景品払出機10への装填動作)
まず、景品カートリッジ13の景品払出機10への装填動作について、図5、7および8を参照して説明する。
ここで、景品払出機10には、6個の景品カートリッジ13を装填することが可能であるが、ここでは、その内の1個の景品カートリッジ13の装填動作について説明する。なお、他の景品カートリッジ13の装填動作も以下に示す装填動作と同様である。
また、6個の景品カートリッジ13内、例えば、2個の景品カートリッジ13には、大景品5000円の特殊景品W、他の2個の景品カートリッジ13には、中景品2500円の特殊景品W、残りの2個の景品カートリッジ13には、小景品100円の特殊景品Wが収納される。
図7に示すように、特殊景品Wを収納した景品カートリッジ13を、一端を先端にして景品カートリッジ挿入口12から景品払出機10に挿入する。また、図5に示すように、景品カートリッジ挿入口12から挿入され、カートリッジ設置板204上に載置された景品カートリッジ13は、所定の位置まで挿入されることで、カートリッジ設置板204の外側面に配設されたマグネット用プレート106とキャッチ手段110に配設されたマグネット111とが接続する。
ここで、キャッチ手段110には、挿入された景品カートリッジ13を識別するためのホール素子(図示しない)が備えられている。そして、制御手段28は、キャッチ手段110に設置されたホール素子からに情報に基づいて、景品カートリッジ挿入口12に挿入された景品カートリッジ13が適切なものであるかを判定する。この判定で、挿入された景品カートリッジ13が適切でない場合には、例えば、ブザーなどで知らせる。
続いて、制御手段28は、ステッピング駆動モータ206を駆動させ、タイミングベルト207を回転させ、カートリッジ設置板204を景品カートリッジ挿入口12からみて奥側に移動させる。
なお、カートリッジ設置板204を移動する際、カートリッジ設置板204の暴走により、限界位置に達したことを検知するリミットスイッチを設けてもよい。このリミットスイッチを設けた場合には、制御手段28は、リミットスイッチからの情報により、ステッピング駆動モータ206の駆動を停止させる。
続いて、カートリッジ設置板204の移動中に、キャッチ手段110側の景品収納部100の背面を形成する壁部の外面に設けられた光反射板107からの反射光を、景品搬送ユニット24の内壁面の景品カートリッジ挿入口12からみて最も奥側に設置された位置検知センサ108が検知すると、制御手段28は、ステッピング駆動モータ206の駆動を停止させる。この位置が、景品払出機10内における景品カートリッジ13の初期設定位置である。
この景品カートリッジ13の初期設定位置とは、最も景品カートリッジ挿入口12側の景品収納部100が、カートリッジガイドレール200の切欠された位置にあること、つまり、昇降台202上に設置された景品支持部350によって、最も景品カートリッジ挿入口12側の景品収納部100に収納された特殊景品Wを上方に移動できる位置にあることをいう。
(特殊景品Wを上方に押し上げる動作)
次に、図9、12、15〜17を参照して、初期設定位置に移動された景品カートリッジ13の景品収納部100に収納された特殊景品Wを上方に押し上げる動作の一例を説明する。
図15〜17には、景品収納部100に収納された特殊景品Wを景品支持部350で支持し、上部に移動する状態を示す断面図が示されている。
ここで、この動作の一例では、景品収納部100に特殊景品Wが傾いた状態で積層されている例が示されている。なお、特殊景品Wは、通常は傾いて積層されずに、水平な状態で積層されている。
制御手段28からの指示に基づいて、ステッピング駆動モータ301が駆動されると、ギヤ部302がスパイラルシャフト303にその動力を伝達し、スパイラルシャフト303を回転させる。スパイラルシャフト303が回転すると、昇降台202が上昇し、景品支持部350が上昇し始める(図15)。
景品支持部350が上昇し、景品支持部350の支持部材201の上面が、景品収納部100に傾いて収納された最下部の特殊景品Wの下面の傾きに対応して接する(図16)。この際、上部回動部材356bは、最下部の特殊景品Wの下面の傾きに対応して、回転軸356aを中心に回転する。そして、一方の側(図16では右側)のバネ併設棒355は、バネ併設棒逃し部材353に開口された貫通孔から更に突き出され、このバネ併設棒355の周囲に巻きつけられたバネ354が押圧され縮む。一方、他方の側(図16では左側)のバネ併設棒355は、上方に移動するためバネ併設棒逃し部材353に開口された貫通孔から突出する部分が減少し、このバネ併設棒355の周囲に巻きつけられたバネ354は、通常にバネ354にかかる押圧力が減少するため伸びる(図16)。
そして、積層された特殊景品Wは、傾いた状態で支持部材201によって支持されて景品収納部100内を上方に移動される。
景品収納部100を通過した積層された特殊景品Wは、景品収納部100の周囲の壁面が無くなったことによって、バネ354の復元力によって、支持部材201が水平になり、この支持部材201上の特殊景品Wも水平に積層される(図17)。
そして、図12に示すように、支持部材201に支持された特殊景品Wが、当接部400の景品受ローラ401に当接する状態に設置される。
ここで、制御手段28は、当接部400の位置が所定の位置にあるか否かを位置検知センサ409からの情報に基づいて判断し、当接部400の位置の設定を行う。
この当接部400の位置の設定について、図18を参照して説明する。
図18には、当接部400の位置の設定における動作の流れを示す図が示されている。
制御手段28は、位置検知センサ409(上限位置検知センサ)からの情報に基づいて、位置検知センサ409(上限位置検知センサ)がONか、OFFかを判定する(ステップS600)。
ステップS600の判定で、ONと判定すると、制御手段28は、景品支持部350を下降させる方向にステッピング駆動モータ301を回転させる情報を出力し、景品支持部350を下降させる(ステップS601)。
ステップS600の判定でOFFと判定された場合またはステップS601の動作後、制御手段28は、位置検知センサ409(下限位置検知センサ)からの情報に基づいて、位置検知センサ409(下限位置検知センサ)がONか、OFFかを判定する(ステップS602)。
ステップS602の判定で、ONと判定すると、制御手段28は、景品支持部350を上昇させる方向にステッピング駆動モータ301を回転させる情報を出力し、景品支持部350を上昇させる(ステップS603)。
ステップS602の判定でOFFと判定された場合またはステップS603の動作後、さらにステップS600からの動作を繰り返し、当接部400が、上限位置と下限位置との間に位置するように位置設定される。
また、上部ユニット22の天井面の下端近傍に設置された景品載置検知センサ309によって、景品カートリッジ挿入口12側の景品収納部100に収納された特殊景品Wがなくなったことが検知された場合には、制御手段28は、景品支持部350を下降させる方向にステッピング駆動モータ301を回転させる情報を出力し、景品支持部350の支持部材201の上面がカートリッジ設置板204より下方に位置するまで景品支持部350を下降させる。
続いて、制御手段28は、ステッピング駆動モータ206を駆動させ、カートリッジ設置板204を景品カートリッジ挿入口12側に移動して、最も景品カートリッジ挿入口12側の景品収納部100に隣接する景品収納部100を景品支持部350上に移動する。
続いて、最も景品カートリッジ挿入口12側の景品収納部100の場合と同様に、その隣接する景品収納部100に収納される特殊景品Wを当接部400の景品受ローラ401に当接させる。そして、図18を参照して上述した当接部400の位置の設定動作を行う。
また、3列ある景品収納部100内の特殊景品Wが全て無くなった場合には、制御手段28は、景品支持部350を下降させる方向にステッピング駆動モータ301を回転させる情報を出力し、景品支持部350の支持部材201の上面がカートリッジ設置板204より下方に位置するまで景品支持部350を下降させる。そして、その景品カートリッジ13を景品カートリッジ挿入口12から取り外し可能な状態にする。
なお、上記したように特殊景品Wを排出する景品収納部100の移動を行っている際にも、他の景品カートリッジ挿入口12に装填された景品カートリッジ13を用いることで、特殊景品Wの支払動作を続けることが可能である。
(上部ユニット22および景品払出ユニット14の動作)
次に、上部ユニット22および景品払出ユニット14における動作について、図19〜23を参照して説明する。
図19〜21には、上部ユニット22の動作を示す断面図が示されている。また、図22および23には、景品払出ユニット14の動作を示す断面図が示されている。
制御手段28は、特殊景品Wの払い出しに関する情報に基づいて、回転ベルト404を駆動する駆動モータ(図示しない)を駆動し、回転ベルト404を回転させる。そして、回転ベルト404が回転し、回転ベルト404の景品押出爪402が、景品受ローラ401に当接した最上部の特殊景品Wを押し出す(図19)。
景品押出爪402によって特殊景品Wの積層部から押し出された特殊景品Wは、当接部400と前ゲート413との間の隙間を通って、景品スタッカ部403に排出され、スタッカ部昇降台410上に載置される(図20)。
上記した動作(図19および図20)を繰り返し、所定数の特殊景品Wをスタッカ部昇降台410上に載置する(図21)。
制御手段28は、所定数の特殊景品Wがスタッカ部昇降台410上に載置されたことを検知すると、スタッカ部昇降台410を上昇させる前に、景品押出部16を駆動する駆動モータ(図示しない)を駆動させる。そして、景品押出部16を景品払出口15側とは反対側(図21では右側)に移動し、景品払出口15側の押出板501の面を景品払出口15側とは反対側の開口部415の端辺上またはそれより奥に位置させる(図22)。
続いて、制御手段28は、ステッピング駆動モータ412を駆動し、スタッカ部昇降台410を上昇させる。スタッカ部昇降台410の上面が、景品払出ユニット14の下面(排出天板17の上面)と水平になる位置で景品払出ユニット14の上昇が停止する(図22)。
続いて、制御手段28は、景品押出部16を駆動する駆動モータ(図示しない)を駆動させ、景品押出部16を景品払出口15側に移動し、特殊景品Wを景品払出口15から排出する(図23)。
ここで、1つの景品払出口15から1回に払い出される特殊景品Wの最大数は、10個であり、例えば、払い出される特殊景品Wの数が11〜20個の場合には、異なるレーンの景品カートリッジ13を用いて、2つの景品払出口15から特殊景品Wが払い出される。また、払い出される特殊景品Wの数が21個以上の場合には、複数回の払出動作によって、景品払出口15から特殊景品Wが払い出される。
また、各レーンの景品カートリッジ13に収納される特殊景品Wの在庫枚数が、そのレーンから払い出すべき枚数に満たない場合は、在庫分を全てそのレーンから払い出し、残りを同じ特殊景品Wが収納されている他のレーンの景品カートリッジ13から払い出すことができる。
上記したように、景品払出機10の一実施の形態によれば、回動部材356を設け支持部材201を所定の範囲で回転可能に設置することで、積層の仕方が悪く、全体的に傾いた状態で積層された特殊景品Wに関し、最下部の傾いた特殊景品Wに対して支持部材201が点ではなく、面で接触し、上方に移動することができる。これによって、景品収納部100の周囲の壁面と、支持部材201との間に隙間が形成される場合でも、その隙間に特殊景品Wが落下することを抑制することができる。また、全体的に傾いた状態で特殊景品Wが積層されていても、景品収納部100を通過して、周囲の壁面が無くなると、バネ354の復元力によって、特殊景品Wを水平に積層することができる。
さらに、当接部400が上下に所定の範囲で移動可能であるため、例えば、地域毎、遊技ホール毎の昇降台202を昇降させる昇降用モータへの電圧のばらつきや、地域や遊技ホール毎に採用される特殊景品Wの規格寸法や重さが異なることによって、特殊景品Wの最上部の位置である停止位置が大きくばらついたとしても、最上部の特殊景品Wに当接する当接部400から受ける圧力を一定に保つことができるので、特殊景品Wが詰まることなく排出可能となる。
また、傾いて積層された特殊景品Wに対応して傾斜可能な支持部材201によって、特殊景品Wは、確実に上部に搬送することができる。さらに、当接部400を上下に所定の範囲で移動可能とすることで、例えば、上部に搬送され、当接部400と接触した最上部の特殊景品Wが、当接部400の自重などにより当接部400から一定の圧力を受けて、支持部材201が傾斜することによって特殊景品Wを水平とすることができる。これによって、積層された景品部材のずれなどを抑制することができ、安定してスムーズに景品部材を排出することができる。また、遊技ホール毎に払い出される特殊景品Wに対応させて調整を行う必要がない。
(景品払出機10の他の実施の形態)
次に、景品払出機10の他の実施の形態を図24を参照して説明する。なお、景品払出機10の構成と同一部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図24に示すように、景品払出機10に当接部400および景品スタッカ部403を設けずに、景品カートリッジ挿入口12の天井部上に排出天板17を設け、排出天板17の開口部550から景品払出ユニット14内に景品支持部350によって移動された所定数の特殊景品Wを景品押出部16で押し出して払い出す構成にすることもできる。
この景品払出機10の他の実施の形態によれば、回動部材356を設け支持部材201を所定の範囲で回転可能に設置することで、積層の仕方が悪く、全体的に傾いた状態で積層された特殊景品Wに関し、最下部の傾いた特殊景品Wに対して支持部材201が点ではなく、面で接触し、上方に移動することができる。これによって、景品収納部100の周囲の壁面と、支持部材201との間に隙間が形成される場合でも、その隙間に特殊景品Wが落下することを抑制することができる。また、全体的に傾いた状態で特殊景品Wが積層されていても、景品収納部100を通過して、周囲の壁面が無くなると、バネ354の復元力によって、特殊景品Wを水平に積層することができる。
さらに、当接部400が上下に所定の範囲で移動可能であるため、例えば、地域毎、遊技ホール毎の昇降台202を昇降させる昇降用モータへの電圧のばらつきや、地域や遊技ホール毎に採用される特殊景品Wの規格寸法や重さが異なることによって、特殊景品Wの最上部の位置である停止位置が大きくばらついたとしても、最上部の特殊景品Wに当接する当接部400から受ける圧力を一定に保つことができるので、特殊景品Wが詰まることなく排出可能となる。
また、傾いて積層された特殊景品Wに対応して傾斜可能な支持部材201によって、特殊景品Wは、確実に上部に搬送することができる。さらに、当接部400を上下に所定の範囲で移動可能とすることで、例えば、上部に搬送され、当接部400と接触した最上部の特殊景品Wが、当接部400の自重などにより当接部400から一定の圧力を受けて、支持部材201が傾斜することによって特殊景品Wを水平とすることができる。これによって、積層された景品部材のずれなどを抑制することができ、安定してスムーズに景品部材を排出することができる。また、遊技ホール毎に払い出される特殊景品Wに対応させて調整を行う必要がない。
次に、景品払出機10のさらに他の実施の形態を図25を参照して説明する。
図25に示すように、図12に示された景品払出機10の景品支持部350において設けられている、バネ併設棒355と、このバネ併設棒355の周囲に巻きつけられたバネ354と、バネ併設棒逃し部材353と、支持部材201を回転可能とする回動部材356と、さらに、図13および14に示した軌道レール406と摺動部材407を設けないで構成する。
この実施の形態では、支持部材201は回転することはできない代わりに、特殊景品Wの最上部が水平に対して傾いている場合でも、当接部400と特殊景品Wとの接触部は、1点における接触や直線的な接触ではなく、面(3点以上の接触点を有すれば面である。)で接触するように、特殊景品Wの最上部の面に合わせて当接部400が水平に対して傾斜可能としている。この場合には、例えば、当接部400は、一端が接触部に固定され、他端が上部ユニット22の底面部材または景品払出機本体に固定された2本の弾性部材405で、上下2方向以外にも前後左右方向に移動可能に固定され、当接部400と特殊景品Wとの接触部が一体的に平行移動する。ここで、景品払出機本体とは、景品払出機10において、景品払い出し中に対地不動の部分であり、景品払い出し中以外に取り外し可能な部分であっても景品払い出し中に対地不動であれば景品払出機本体に含まれる。
また、この場合には、排出手段によって排出される方向に多少ばらつきはあるものの、その後にばらついて排出された特殊景品Wに所定の方向付けが可能なよう長めの前ゲート413を設け、景品スタッカ部403に確実に導かれるように構成することで排出方向のばらつきは解消される。
さらに、当接部400が上下に所定の範囲で移動可能であるため、例えば、地域毎、遊技ホール毎の昇降台202を昇降させる昇降用モータへの電圧のばらつきや、地域や遊技ホール毎に採用される特殊景品Wの規格寸法や重さが異なることによって、特殊景品Wの最上部の位置である停止位置が大きくばらついたとしても、最上部の特殊景品Wに当接する当接部400から受ける圧力を一定に保つことができるので、特殊景品Wが詰まることなく排出可能となる。そして、例えば、特殊景品Wの厚さの規格寸法が3mmのところ、特殊景品Wのそりなどの変形や製作誤差により3.1mmとなるような場合でも、その厚さが増加した分(0.1mm分)当接部400が上昇することによって、特殊景品Wの厚さの規格寸法に対応して設定されている当接部400と前ゲート413との隙間を通過することができる。なお、当接部400と前ゲート413との通常の隙間は、特殊景品Wの厚さの規格寸法が3mmの場合には、3.1mmよりも狭く設定されている。
(景品払出システム700)
次に、景品払出システム700について、図26〜28を参照して説明する。
図26には、上述した景品払出機10に配線を介して景品管理機(POS)701が接続された景品払出システム700の一例が示されている。なお、景品払出機10として上述した景品払出機の他の実施の形態を使用してもよい。
なお、ここには、景品払出機10に配線を介して景品管理機(POS)701が接続された景品払出システム700の一例を示しているが、この構成に限らず、景品払出機10と景品管理機(POS)701との接続は、例えば、ネットワーク、管理総理(図示しない)を介して行われてもよい。また、複数の景品管理機(POS)701を景品払出機10に配線を介して接続することもできる。
また、図27は、景品管理機(POS)701の構成部を示す図、図28は、景品管理機(POS)701における動作の流れを示す図である。
まず、図26を参照して、景品払出機10に接続された景品管理機(POS)701の構成について説明する。
景品管理機(POS)701は、ICカード挿入口701a、入力用テンキーボード701b、バーコードリーダ701c、表示部701d、特殊景品ボタン701e、一般景品選択部701fで主に構成されている。
景品管理機(POS)701は、ICカード挿入口701aより挿入されたICカードより貯玉数を参照し、貯玉数とその貯玉数により交換される景品種別と数量の表示を行い、払い出す景品の種別と数量の情報を景品払出機10に出力するものである。ここで、ICカードは、カード形状を有し、従来から遊技システムで使用されていたICチップおよびアンテナを有する記憶媒体である。
また、景品管理機(POS)701において、獲得した遊技媒体数を計数する計数機(図示しない)で発券されたレシートを用いる場合には、バーコードリーダ701cでレシートに記録されたバーコード情報を読み取り、その情報に基づく貯玉数の範囲で、景品の種類と数量の情報を景品払出機10に出力するものである。
入力用テンキーボード701bは、ICカードの暗証番号の入力、景品払出機10への動作指示などを行う際の入力手段として用いられる。
特殊景品ボタン701eは、例えば、大景品(5000円)、中景品(2500円)、小景品(100円)などの特殊景品Wを景品払出機10から払い出す際に押されるボタンである。特殊景品ボタン701eが押された場合には、景品管理機(POS)701は、貯玉数より端玉(景品と交換後の残り玉)を最小にするよう計算し、払い出す特殊景品Wの種類、数量を決定し、その情報を景品払出機10に出力する。
一般景品選択部701fは、例えば、タバコ、ジュースなどの一般景品と交換する場合に、交換したい景品や個数を選択する入力手段である。一般景品と交換する場合には、店員などが景品を払い出すことが多いが、景品払出機などで自動的に景品を払い出すこともできる。
図27に示すように、景品管理機(POS)701は、制御部702、ICカード処理部703、記録媒体処理部704、選択ボタン検知部705、景品払出処理部706から主に構成されている。
制御部702は、演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)から主に構成され、CPUでは、ROMやRAMに格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する。この制御部702では、ICカード処理部703、記録媒体処理部704、選択ボタン検知部705、景品払出処理部706の各機部間の信号の出入力を制御している。
ICカード処理部703は、ICカード挿入口701aから挿入されたICカードに記憶された、例えば、有価情報などの読み取り、その読み取った情報の制御部702への出力、制御部702からの更新された有価情報などのICカードへの書き込みなどを行うもので、例えば、リーダライタなどで構成される。ここで、有価情報とは、貯玉数または貯メダル数の情報である。
記録媒体処理部704は、バーコードリーダ701cなどによって、レシートに記録されたバーコード情報から貯玉数または貯メダル数の有価情報を読み取り、その読み取った情報を制御部702に出力するものである。
ICカード処理部703や記録媒体処理部704で読み取られた、例えば、貯玉数または貯メダル数などの情報は、表示部701dに表示される。また、表示部701dには、景品交換される景品の種類や個数なども表示させる。
選択ボタン検知部705は、入力用テンキーボード701b、特殊景品ボタン701e、一般景品選択部701fの選択ボタンが押されたことを検知し、その押された信号に基づいて、制御部702に信号を出力するものである。
景品払出処理部706は、選択ボタン検知部705で検知された信号に基づいて、例えば、景品払出機10に払い出される特殊景品Wの種類や個数などの景品払出情報を出力するものである。また、景品払出処理部706は、景品払出機10の制御手段28と回線を介して接続され、信号の入出力が可能である。
そして、制御部702によって制御される、ICカード処理部703、記録媒体処理部704、選択ボタン検知部705、景品払出処理部706の各機器部は、次のように動作する(図28)。
以下に、図28を参照してその動作を説明する。
ICカード処理部703においてICカードが挿入されているか否かが判定される(ステップS710)。
ステップS710の判定で、Noの場合には、バーコードリーダによって、レシートに記録された貯玉数などの有価情報を読み取る(ステップS711)。ICカード処理部703において読み取られた有価情報は、制御部702に出力される(ステップS711)。
ステップS710の判定で、Yesの場合には、ICカード処理部703は、ICカードに記憶された暗証番号を読み取り、読み取った暗証番号を制御部702に出力する(ステップS712)。
また、選択ボタン検知部705は、入力用テンキーボード701bで入力された暗証番号を検知し、その検知信号を制御部702に出力する(ステップS713)。制御部702は、ICカードから読み取られた暗証番号と入力用テンキーボード701bで入力された暗証番号とを比較判定する(ステップS714)。
ステップS714の判定で、双方の番号が一致しない場合(NGの場合)には、ICカード処理部703は、ICカードをカード挿入口701aから返却する(ステップS715)。ただし、ここで、ICカードを返却せずに、店員に暗証番号が一致しない旨を報知し、店員がそのICカードを利用した遊技者に、例えば、生年月日や電話番号などを質問し、遊技者による回答が、実際に登録されているものと一致すれば、忘れた暗証番号の変更手続きを取れるようにしてもよい。
一方、ステップS714の判定で、双方の番号が一致した場合(OKの場合)には、制御部702は、有価情報などを読み取る(ステップS716)。
次に、特殊景品ボタン701eが押されたが否かを選択ボタン検知部705が判定する(ステップS717)。
ステップS717の判定で、Noの場合には、景品交換が要求されているものが、一般景品の、例えば、タバコやジュースなどであり、一般景品選択部701fで選択された景品および数量の情報を選択ボタン検知部705が判定する(ステップS718)。
選択ボタン検知部705で判定された検知信号は、制御部702を介して景品払出処理部706に出力される。選択された一般景品は、その種別と数量が表示部701dに表示される(ステップS719)。
そして、制御部702において、払出景品在庫数から払い出された景品の数量を差し引き、その情報を景品払出処理部706に出力し、景品払出処理部706では払出景品在庫数の情報を更新する(ステップS720)。
ステップS717の判定で、特殊景品ボタン701eが押されたと判定された場合(ステップS717のYes)には、景品払出処理部706において、景品払出機10が併設されているか否かが判定される(ステップS721)。
ステップS721の判定で、Yesの場合には、制御部702は、有価情報から払い出される特殊景品Wの種類およびその個数などを算出し、その算出した情報を景品払出処理部706および表示部701dに出力する。そして、景品払出処理部706は、その算出した特殊景品Wの払い出しに関する情報を景品払出機10に出力し、景品払出機10から景品を払い出させる(ステップS722)。また、表示部701dは、その算出した特殊景品Wの払い出しに関する情報に基づいて、払い出される特殊景品Wの種類および数量などを表示する。
ここで、景品管理機(POS)701から特殊景品Wの払い出しに関する情報を入力した景品払出機10は、その情報に基づいて、上述した景品払出機10の動作により特殊景品Wを払い出す。
ステップS721の判定で、Noの場合には、制御部702は、有価情報から払い出される特殊景品Wの種類およびその個数などを算出し、その算出した情報を表示部701dに出力する。そして、表示部701dは、その算出した特殊景品Wの払い出しに関する情報に基づいて、払い出される特殊景品Wの種類および数量などを表示する。この場合には、店員などによって、その表示部701dの表示に基づいて、景品が払い出される(ステップS723)。
そして、制御部702において、特殊景品在庫数から払い出された特殊景品の数量を差し引き、その情報を景品払出処理部706に出力し、景品払出処理部706では特殊景品在庫数の情報を更新する(ステップS724)。
次に、再度、ICカード処理部703においてICカードが挿入されているか否かが判定される(ステップS725)。
ステップS725の判定で、Noの場合には、景品と交換された貯玉数などの有価情報および払い出された景品の種類や個数は、景品払出処理部706に記憶される(ステップS726)。なお、景品払出処理部706に記憶されたこれらの情報は、所定期間記憶されている。
ステップS725の判定で、Yesの場合には、景品と交換された貯玉数などの有価情報および払い出された景品の種類や個数は、景品払出処理部706に記憶される(ステップS727)。また、制御部702は、この景品と交換された貯玉数などの有価情報に基づいて、有価情報を更新し、更新した有価情報をICカード処理部703に出力する。ICカード処理部703は、その更新した有価情報に基づいてICカードの有価情報を更新し、ICカード挿入口701aからICカードを返却する(ステップS727)。
続いて、制御部702は、選択ボタン検知部705からの情報に基づいて、入力用テンキーボード701bに設けられた景品カートリッジ取出ボタンが押されたか否かを判定する(ステップS728)。ここで、景品カートリッジ取出ボタンは、景品払出機10内に装填されている景品カートリッジ13を景品払出機10から取り出す際に押されるボタンであり、景品管理機(POS)701からも、取り出しに関する指示を景品払出機10に出すことができる。
ステップS728の判定で、Noの場合には、制御部702は待機状態となる。
一方、ステップS728の判定で、Yesの場合には、景品払出処理部706は、景品払出機10に接続解除移送指示情報を出力する(ステップS729)。この接続解除移送指示情報とは、景品払出機10において、景品支持部350を景品支持部350の支持部材201の上面がカートリッジ設置板204より下方に位置するまで下降させ、景品カートリッジ13を景品カートリッジ挿入口12から取り外し可能な位置に移動するための情報である。
この接続解除移送指示情報を入力した景品払出機10では、景品支持部350を下降させる方向にステッピング駆動モータ301を回転し、景品支持部350の支持部材201の上面がカートリッジ設置板204より下方に位置するまで景品支持部350を下降させる。続いて、下部ユニット23の底部に設置されたステッピング駆動モータ206を回転させ、景品カートリッジ13を景品カートリッジ挿入口12から取り外し可能な位置に移動する。
続いて、制御部702は、暗証番号入力要求情報を表示部701dに出力し、表示部701dは、その情報に基づいて、例えば「暗証番号を入力して下さい」などを表示する(ステップS730)。
制御部702は、選択ボタン検知部705からの情報に基づいて、入力用テンキーボード701bから入力された暗証番号と、予め記録された暗証番号が一致するか否かを判定する(ステップS731)。
ステップS731の判定で、Noの場合には、制御部702は、暗証番号が異なることを表示する情報を表示部701dに出力し、表示部701dは、その情報に基づいて、例えば「暗証番号が違います」などを表示する(ステップS732)。
一方、ステップS731の判定で、Yesの場合には、制御部702は、景品払出処理部706に景品払出機10のカートリッジ挿入口扉25のロック機構26を解除する情報を出力する(ステップS733)。景品払出処理部706は、その情報を景品払出機10に出力し、景品払出機10の制御手段28は、その情報に基づいて、ロック機構26を解除し、カートリッジ挿入口扉25を開閉可能な状態にする。
さらに、制御部702は、カートリッジ挿入口扉25が開閉可能となったことを表示する情報を表示部701dに出力し、表示部701dは、その情報に基づいて、例えば「カートリッジ挿入口扉を開くことができます」などを表示する(ステップS734)。なお、この表示は、景品払出機10の表示部21aに表示させることもできる。
上記した景品払出システム700によれば、景品払出機10の特徴に加え、景品払出機10に景品管理機(POS)701を併設しシステム化することで、特殊景品Wの払い出しを景品管理機(POS)701からの情報に基づいて、一貫して自動的に行うことができる。