JP5714234B2 - 乳風味飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、乳タンパク質及び乳脂を含有しないにも係らず、牛乳同様の風味を有する、新規な乳風味飲料に関する。
牛乳は、栄養面、風味面で非常に優れた食品であり、飲料用、食品加工用として多量に消費されている。その牛乳の成分は、乳タンパク質や乳糖等の無脂乳固形分、乳脂肪、及び、水分からなり、このうち、牛乳のおいしさは乳タンパク質と乳脂肪に由来しているとされている。そのため、乳タンパク質含量が高く、乳脂肪分が高い牛乳ほど美味しいとされてきた。
しかし、牛乳は、飲料として見た場合、風味が比較的薄いこと、乳タンパク質を多く含有するため日持ちがしない等の欠点があり、また食品加工用としては乳脂肪のために白濁した液体であること、水分含量が高いことから、透明性を必要とする飲食品や色調を大切にする飲食品には使用しづらい等、汎用性が低いという問題、更には、比較的高価であるという問題もある。
そこで、無脂乳固形分として安価な脱脂粉乳を使用し、乳脂肪に代えて、安価な動植物性油脂を使用し、これらを水中油型乳化して乳飲料としたり、食品加工用としては、牛乳の使用に代えて、トータルミルクプロテイン、カゼイン、ホエータンパク質、クリーム、バター、全粉乳等を、乾燥、脱水、濃縮等の手段で水分含量を減じて、乳タンパク質含量や乳脂肪含量を高めた乳製品を使用するのが一般的である。
しかし、上記乳飲料は当然乳風味が薄くバランスも悪いため美味しいものではなく、また、上記乳製品は、乳のこく味を凝縮したものではあるが、乾燥工程や脱水工程でその風味が劣化していたり、一部のこく味成分が除去されてしまった乳製品であったりするため、バランスのよい乳風味を有する乳飲料や加工食品を得ることは困難であった。
特に、上記飲食品がコーヒー飲料である場合、コーヒーに含まれる酸性成分により乳製品は変性を受け、更に缶コーヒーのように加温販売される場合などは、更に乳成分の風味劣化が進みやすいという問題があった。
一方、乳のこく味を凝縮した成分として乳清ミネラルがある。この乳清ミネラルは苦味が極めて強いため、通常それのみを喫食することはなく、飲食品に添加使用すると一般には不快臭の基となることが知られている(例えば特許文献1参照)。しかし、この乳清ミネラルを、乳タンパク質を使用した水中油型乳化物に添加使用すると、乳のこく味を付与することができることもまた紹介されている(例えば特許文献2参照)。
ここで、なぜこのように同一の物質が異なる風味を食品に付与するのかは不明であるが、引用文献2記載の水中油型乳化物では、牛乳に比べて、無脂乳固形分として脱脂粉乳等を多く使用し、食用油脂も多く使用している(約40%)ことから、それらの無脂乳固形分や油脂を多く含有する場合にそれらのコク味を補強しているものと考えられる。
更に、この乳清ミネラルのうち、特定の製法や組成のものは、飲食品に極少量添加使用した場合には、その飲食品の風味を変えることなくその塩味を強化したり、飲食品のカドのある風味を全体として調和のとれた風味としたり、強すぎる風味をマスキングしたりする効果があることが知られている(例えば特許文献3〜8参照)。しかし、牛乳はこれらのいずれにも該当しない飲食品であるため、それらの効果は期待されるものではない。
ところで、最近は、飲食品において低カロリー化の要請が高い。ここで、牛乳は上述のように乳脂肪や乳タンパク質を多く含有することから一般に高カロリー食品であるとされている。そのためローファットミルクや低カロリー牛乳が製造されており、その風味の改良についての発明も見られる(例えば特許文献9参照)。しかし、これらの低カロリー化された牛乳は、その美味しさの基である乳脂肪と乳タンパク質が減じられていることから、乳のコク味が薄く感じられるものとなってしまう。また、これらの乳飲料は、外観は牛乳と同様であることから、食品加工用として使用する場合、透明性を必要とする飲食品や色調を大切とする飲食品には使用しづらく、汎用性が低いという問題は牛乳と同様である。
従って、乳脂肪分や乳タンパク質含量を減じた場合、更には実質的に含有しない場合であっても牛乳と同等の呈味を有する飲料の開発は、食品業界において課題であった。
特開平10−28540号公報 特開2003−299450号公報 特開2008−054662号公報 特開2008−054663号公報 特開2008−054664号公報 特開2008−054665号公報 特開2008−054666号公報 特開2008−054667号公報 特開2002−253116号公報
従って、本発明の目的は、タンパク質及び油脂を実質的に含有しないにも係らず、牛乳と同等の呈味を有する乳風味飲料を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、乳清ミネラル、特にカルシウム含量を減じた乳清ミネラルと甘味料を溶解した水溶液が、透明溶液であるにも係らず、また、牛乳のおいしさの基であるとされる乳脂肪も乳タンパク質も含有しないにも関わらず、意外にも牛乳とほとんど同様の呈味を示すことを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、乳清ミネラル及び甘味料を含有し、タンパク質及び油脂を実質的に含有しないことを特徴とする乳風味飲料を提供するものである。
また、本発明は、上記乳風味飲料を含有する飲食品を提供するものである。
また、本発明は、上記乳風味飲料で牛乳の一部を代替してなる乳飲料を提供するものである。
また、本発明は、牛乳を含有する飲食品を製造する際に、該牛乳の一部を上記乳風味飲料で代替することを特徴とする飲食品の製造方法を提供するものである。
本発明の乳風味飲料は、タンパク質及び油脂を実質的に含有しないにも係らず、牛乳と同様の風味を呈する。また、この乳風味飲料は食品加工用として、様々な飲食品への使用ができ、汎用性が高い。
以下、本発明の乳風味飲料について好ましい実施形態に基づき詳述する。
先ず、本発明で使用する乳清ミネラルについて詳述する。
乳清ミネラルとは、乳又はホエー(乳清)から、可能な限りタンパク質や乳糖を除去したものであり、そのため、高濃度に乳の灰分(ミネラル)を含有し、且つ、固形分に占める灰分の割合が極めて高いという特徴を有する。そして、そのミネラル組成は、原料となる乳やホエー中のミネラル組成に近い比率となる。
本発明で使用する乳清ミネラルとしては、特に透明で濁りのない乳風味飲料が得られること及び食品加工用としての汎用性が高い乳風味飲料が得られることから、純度が高いこと、即ちタンパク質や乳糖等の不純物含量が低いことが好ましい。即ち、固形分に占める灰分含量が30%以上である乳清ミネラルを使用することが好ましく、固形分に占める灰分含量が50%以上である乳清ミネラルを使用することがより好ましい。尚、該灰分含量は高いほど好ましい。
また、本発明で使用する乳清ミネラルとしては、特に乳風味が良好で、透明性が高く、保存性(沈殿や濁りが生じにくい)も良好な乳風味飲料が得られること、得られた乳風味飲料を、加熱殺菌する場合や、得られた乳風味飲料を、加熱工程を有する飲食品に使用した場合でも沈殿や濁りを生じない点で、固形分中のカルシウム含量が好ましくは2質量%未満、より好ましくは1質量%未満、更に好ましくは0.5質量%未満の乳清ミネラルを使用することが好ましい。尚、該カルシウム含量は低いほど好ましい。
牛乳から通常の製法で製造された乳清ミネラルは、固形分中のカルシウム含量が5質量%以上である。上記カルシウム含量が2質量%未満の乳清ミネラルは、乳又はホエーから、膜分離及び/又はイオン交換、更には冷却により、乳糖及びタンパク質を除去して乳清ミネラルを得る際に、あらかじめカルシウムを低減した乳を使用した酸性ホエーを用いる方法、或いは、甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にカルシウムを除去する工程を挿入することで得ることができるが、工業的に実施する上での効率やコストの点で、甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にある程度ミネラルを濃縮した後に、カルシウムを除去する工程を挿入することで得る方法を採ることが好ましい。ここで使用する脱カルシウムの方法としては、特に限定されず、調温保持による沈殿法等の公知の方法を採ることができる。
本発明の乳風味飲料における上記乳清ミネラルの含有量は、固形分として好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.3〜2.5質量%、更に好ましくは0.4〜1.4質量%である。上記乳清ミネラルの含有量が0.1質量%未満であると、乳風味が感じられず、また、5質量%を超えると、乳風味を感じなくなることに加え、苦味が強く、不快な風味を呈するようになってしまう。
次に、本発明で使用する甘味料について詳述する。
甘味料とは、飲食物への甘味の付与をその主たる目的として飲食物に添加される化合物又は組成物をいい、「高甘味度」とは、甘味を示す化合物又は組成物について、その甘味の強さが、ショ糖の甘味の強さの50倍程度及びそれ以上であることを意味する。
本発明で使用することができる甘味料としては、乳糖をはじめ、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、還元水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元パラチノース、ソルビトール、還元乳糖、L-アラビノース、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノース、パラチノースオリゴ糖等の糖類や糖アルコール、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム、ネオテーム、ソーマチン、甘草、サッカリン、羅漢果等の、高甘味度甘味料が挙げられる。これらの甘味料は、単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の乳風味飲料における上記甘味料の含有量は、乳風味飲料中、甘味度としてのショ糖換算で好ましくは0.08〜12%、より好ましくは0.2〜6%、更に好ましくは0.5〜2.5%となる含量である。また質量%に換算すると、乳風味飲料中、好ましくは0.00001〜25質量%、より好ましくは0.000025〜20質量%、更に好ましくは0.00006〜15質量%である。尚、甘味度とは、甘味の強さを示す尺度のことであり、通常、基準にショ糖溶液を用い、ショ糖の甘味を1として、ショ糖以外の甘味料の甘さの強さをショ糖の甘さの強さに対する倍率で示したものである。
本発明では、牛乳とほとんど同等の呈味を有する乳風味飲料を求める場合は、上記甘味料の中でも、乳糖を選択し、使用する甘味料の一部又は全部に使用することが好ましい。具体的には、乳風味飲料中、甘味度としてのショ糖換算で、甘味料中の好ましくは10〜100%、より好ましくは30〜100%、更に好ましくは100%となる量である。尚、甘味料として乳糖のみを使用する場合の乳風味飲料中の含有量は、好ましくは0.5〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%、更に好ましくは3〜7質量%である。
本発明では、低カロリーの乳風味飲料を求める場合は、上記甘味料の中でも、高甘味度甘味料を選択し、使用する甘味料の一部又は全部に使用することが好ましい。具体的には、乳風味飲料中、甘味度としてのショ糖換算で、甘味料中の好ましくは10〜100%、より好ましくは30〜100%、更に好ましくは100%となる量である。
本発明において高甘味度甘味料を使用する場合は、良好な乳風味の乳風味飲料が得られる点で、アセスルファムカリウム及び/又はスクラロースを使用することが好ましく、より好ましくはアセスルファムカリウムとスクラロースを併用する。
具体的には、高甘味度甘味料としてアセスルファムカリウムのみ使用する場合の乳風味飲料中の含有量は、好ましくは0.0004〜0.06質量%、より好ましくは0.0008〜0.03質量%、更に好ましくは0.0025〜0.0125質量%である。また、スクラロースのみ使用する場合は、好ましくは0.00013〜0.02質量%、より好ましくは0.00033〜0.01質量%、更に好ましくは0.0008〜0.004質量%である。尚、アセスルファムカリウムとスクラロースを併用する場合は、その配合比に比例してその添加量を設定することができる。
もちろん、乳糖と高甘味度甘味料を併用することも問題なく、併用する場合は、求められる乳風味の美味しさと低カロリーの程度により、その配合比を適宜設定することができる。
本発明では、特に、加熱殺菌時等の加熱による褐変が抑制された乳風味飲料を求める場合や、乳風味飲料を使用した飲食品が加温流通・販売される場合は、上記甘味料の中でも、非還元糖であるショ糖、糖アルコール及び高甘味度甘味料のうちの一種又は二種以上を、好ましくは糖アルコール及び高甘味度甘味料を、使用する甘味料の一部又は全部に使用することが好ましい。具体的には、乳風味飲料中、甘味度としてのショ糖換算で、甘味料中の好ましくは30〜100%、より好ましくは50〜100%、更に好ましくは100%となる量である。
ショ糖、糖アルコール及び高甘味度甘味料のうちの一種又は二種以上、好ましくは糖アルコール及び高甘味度甘味料を使用する場合は、甘味の感じ方の調整のために、後述する「その他の成分」の中の、ゲル化剤、安定剤、デキストリン類のうち、水溶性食物繊維であるものを1種又は2種以上を使用することが好ましい。具体的には、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、LMペクチン、HMペクチン、海藻抽出物、海藻エキス、寒天、グルコマンナン、ローカストビーンガム、グアーガム、ジェランガム、タラガントガム、キサンタンガム、カラギーナン、カードラン、タマリンドシードガム、カラヤガム、タラガム、トラガントガム、アラビアガム、カシアガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリデキストロース、環状デキストン、難消化性デキストリン等が挙げられるが、分子量が比較的小さく分子量分布が比較的狭いために良好な効果が得られることから、ポリデキストロース及び/又は難消化性デキストリンを使用することが好ましい。
尚、これらのゲル化剤や安定剤、デキストリン類の添加量は、選択する糖アルコールや高甘味度甘味料の種類や含有量、更にはゲル化剤や安定剤、デキストリン類の種類により異なるが、ポリデキストロース及び/又は難消化性デキストリンを使用する場合、乳風味飲料中に、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜8質量%、更に好ましくは0.5〜5.0質量%である。
また、本発明では、乳清ミネラルと甘味料の比率は、好ましくは、乳清ミネラルの固形分1質量部に対し、ショ糖換算で0.5質量部以上とすることが好ましく、より好ましくは1.0質量部以上とする。0.5質量部未満であると、乳清ミネラルの苦味や不快臭を感じられるようになってしまう問題がある。尚、上限については特に制限はないが、好ましくはショ糖換算で50質量部以下とする。
本発明の乳風味飲料は、タンパク質及び油脂を実質的に含有しないものである。
通常の乳飲料や乳性飲料は、上述のように、乳タンパク質と乳脂肪を含有するものでないと良好な乳風味を呈する飲料とはならないと従来考えられていたが、本発明の乳風味飲料は、乳脂肪も乳タンパク質も含有しないのみならず、乳脂肪以外の油脂や、乳タンパク質以外のタンパク質も含有していないにも係らず、牛乳と同等の呈味を有するものであることが特徴である。そのため、牛乳と異なり、濁りがなく透明な溶液であって且つ良好な牛乳の風味を有するという特異な乳風味飲料とすることができるのである。
ここで、「濁りがなく透明である」とは、分光光度計により波長660nmという条件で吸光度を測定した場合、吸光度が0.1以下、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.01以下、更に好ましくは0.001以下となることを言うものとする。
また、「実質的に含有しない」とは、タンパク質については、キエルダール法により全窒素含量を測定し、係数6.38を乗じた値をタンパク質含量とした場合、1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下となる含量である。また、タンパク質含量が1.0質量%を超えると、透明な乳風味飲料とならないおそれがあり、また、食品加工用に使用した場合、タンパク質の緩衝作用により、相手方の飲料や食品の風味をぼやけたものにすることに加え、低カロリー化の要請にもこたえられないものとなってしまう。
また、油脂については、レーゼゴットリーブ法で測定した場合、1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下となる含量である。ここで油脂の含量が1.0質量%を超えると、透明な乳風味飲料とならないおそれがあり、また、乳化の問題から食品加工用としての汎用性が損なわれることに加え、低カロリー化の要請にもこたえられないものとなってしまう。
本発明の乳風味飲料は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、一般的な乳飲料や乳性飲料に使用することができるその他の成分を使用することができる。該その他の成分としては、例えば、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、LMペクチン、HMペクチン、海藻抽出物、海藻エキス、寒天、グルコマンナン、ローカストビーンガム、グアーガム、ジェランガム、タラガントガム、キサンタンガム、カラギーナン、カードラン、タマリンドシードガム、カラヤガム、タラガム、トラガントガム、アラビアガム、カシアガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリデキストロース等のゲル化剤や安定剤、レシチン、酵素処理レシチン等の天然乳化剤、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の乳化剤、金属イオン封鎖剤、食塩、岩塩等の塩味剤、無機塩、有機酸塩、ジグリセライド、植物ステロール、植物ステロールエステル、直鎖デキストリン・分枝デキストン・環状デキストン・難消化性デキストリン等のデキストリン類、着香料、苦味料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤、強化剤等を配合してもよい。
尚、上記その他の成分の含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下とする。
本発明の乳風味飲料の製造方法は、特に制限されず、水に、乳清ミネラル及び甘味料、必要に応じ、上記その他の成分を添加し均質になるように溶解させることによって得ることができる。
上述のように、乳清ミネラルとして、固形分中のカルシウム含量が2質量%未満である乳清ミネラルを使用すると、得られた乳風味飲料を加熱殺菌した場合でも沈殿や濁りを生じないため、必要によりインジェクション式、インフージョン式等の直接加熱方式、或いはプレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・低温殺菌、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理を施してもよい。
以上説明した本発明の乳風味飲料は、乳タンパク質や乳脂肪はもちろん、油脂やタンパク質を実質的に含有していないにも係らず、牛乳と同等の呈味を示し、且つ、牛乳のような濁りがなく透明な状態であるという特徴を有する。そして、牛乳に比べて低カロリーである。
そのため、直接飲料として摂取する際には意外性のある乳飲料となり、また、食品加工用として使用する場合は、透明性を必要とする飲食品や色調を大切にする飲食品にも使用することができるため汎用性が高いものである。すなわち、本発明の乳風味飲料を含有する飲食品は、透明性を必要とする飲食品又は色調を大切にする飲食品であることが好ましい。
特に、上記飲食品が飲料である場合、本発明の乳風味飲料は、透明果汁飲料、ラムネ、炭酸飲料、焼酎、ビール、ウイスキー、リキュール等の透明な飲料と混合しても濁りを生じることがなく、また、その場合飲料自体の発色を阻害することがない。また、コーヒー、紅茶、青汁、ココア、黒酢等の深い色合いをもつ飲料と混合してもその色調を阻害することがない。
特に、上記飲料がコーヒーと混合した飲料、すなわちコーヒー飲料である場合、本発明の乳風味飲料は、コーヒーに含まれる酸や加熱により変性する乳タンパク質や酸化しやすい油脂を含有していないため、長期保存や加温流通や加温販売による品質劣化がないため好ましい。また、該コーヒー飲料はブラックコーヒーの色調でありながら、ミルクコーヒーの風味を呈するという極めて特色あるコーヒー飲料となる。
また、上記飲料の一つの形態として、本発明の乳風味飲料を牛乳と混合、すなわち、本発明の乳風味飲料で牛乳の一部、好ましくは20〜80質量%を代替し、乳飲料とすることができる。この場合、牛乳に比べ、乳タンパク質や乳脂肪の含有量が少ないにも係らず、牛乳とほとんど同一の呈味を示し、且つ、牛乳に比べて低カロリーである。
更に、本発明の乳風味飲料や、本発明の乳風味飲料で牛乳の一部を代替した乳飲料は、通常牛乳を使用する飲食品を製造する際に、牛乳の一部又は全部を代替して使用することができる。この場合、牛乳を使用した飲食品に比べ、乳タンパク質や乳脂肪の含有量が少ないにも係らず、牛乳を使用した場合とほとんど同等の呈味を示し、且つ、牛乳を使用した場合に比べて低カロリーである。
通常牛乳を使用する飲食品を製造する際に、牛乳を使用する代わりに、乳清ミネラルと甘味料を、本発明の乳風味飲料を添加した場合と同様の組成となるように、他の原料と一緒に混合するようにしてもよい。要は、最終的に得られる飲食品中に乳清ミネラルと甘味料が水相に共に溶解した状態として存在し、好ましくは、乳清ミネラルの固形分1質量部に対し、甘味料がショ糖換算で0.5質量%以上、好ましくは1.0質量%以上含有するようになっていればよい。
上記飲食品としては、通常牛乳を使用する飲食品ならば問題なく使用することができ、例えばカフェオレ・ティーオレ・抹茶ミルク・ミルクココア・ホットチョコレート・発酵乳飲料等の飲料、カスタードクリーム・ホワイトクリーム・バタークリーム等のクリーム類、このクリーム類を利用したシチューやグラタン等のクリーム状食品、ゼリー、ババロア・プリン等のデザート類、フラワーペースト等のペースト類、マーガリン、マヨネーズ等のドレッシング類、チーズ様食品、パン類、キャラメル・チョコ・クッキー・生チョコ等の菓子類・ハム・ソーセージ・カレーその他加工食品を挙げることができる。
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
<乳清ミネラルの製造>
〔製造例1〕
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、更に逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、これを更にエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルAを得た。得られた乳清ミネラルAの固形分中の灰分量は35質量%、カルシウム含量は2.2質量%であった。尚、キエルダール法により全窒素含量を測定し、係数6.38を乗じて算出したタンパク質含量は21質量%、レーゼゴットリーブ法で測定した脂質含量は1質量%未満であった。
〔製造例2〕
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、更に逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、80℃、20分の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これを更にエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルBを得た。得られた乳清ミネラルBの固形分中の灰分量は55質量%、カルシウム含量は0.4質量%であった。尚、キエルダール法により全窒素含量を測定し、係数6.38を乗じて算出したタンパク質含量は18質量%、レーゼゴットリーブ法で測定した脂質含量は1質量%未満であった。
<乳風味飲料、乳飲料及びコーヒー飲料の製造>
〔実施例1〕
乳清ミネラルA0.6質量部と乳糖5質量部を水94.4質量部に添加・溶解し、乳風味飲料Aを得た。得られた乳風味飲料Aの吸光度を、分光光度計((株)日立製作所社製 U−3210 spectrophotometer)を用い、ブランクを水として、波長660nmの吸光度を測定したところ、0.0150であった。
得られた乳風味飲料Aのタンパク質含有量は0.13質量%、脂質含量は0.01質量未満、乳清ミネラルと甘味料の比率は、乳清ミネラルの固形分1質量部に対し、ショ糖換算で1.4質量部以上であった。
対照として市販の牛乳(タンパク質含量は3.3質量%、脂質含量は3.8質量%)を用意し、乳風味飲料Aと比較飲食したところ、乳風味飲料Aは、市販の牛乳に比べコク味は若干劣るが、市販の牛乳と同様の風味を有していた。
また、この乳風味飲料Aをウォーターバスで80℃、20分間加熱したところ、水溶液中に浮遊状の沈殿を生じた。
〔実施例2〕
乳清ミネラルB0.6質量部と乳糖5質量部を水94.4質量部に添加・溶解し、乳風味飲料Bを得た。得られた乳風味飲料Bの吸光度を実施例1と同様の方法で測定したところ0.0001未満であった。
得られた乳風味飲料Bのタンパク質含有量は0.11質量%、脂質含量は0.01質量未満、乳清ミネラルと甘味料の比率は、乳清ミネラルの固形分1質量部に対し、ショ糖換算で1.4質量部以上であった。
対照として市販の牛乳(タンパク質含量は3.3質量%、脂質含量は3.8質量%)を用意し、乳風味飲料Bと比較飲食したところ、乳風味飲料Bは、市販の牛乳とほぼ同等の風味を有していた。
また、この乳風味飲料Bをウォーターバスで80℃、20分間加熱したが、水溶液中に沈殿を生じず、清澄な状態を維持していた。
〔実施例3〕
実施例2における乳清ミネラルBの添加量を0.6質量部から0.2質量部に変更し、水の添加量を94.4質量部から94.8質量部に変更した以外は実施例2と同様の配合・製法で、乳風味飲料Cを得た。得られた乳風味飲料Cの吸光度を実施例1と同様の方法で測定したところ0.0001未満であった。
得られた乳風味飲料Cのタンパク質含有量は0.04質量%、脂質含量は0.01質量未満、乳清ミネラルと甘味料の比率は、乳清ミネラルの固形分1質量部に対し、ショ糖換算で4.1質量部以上であった。
対照として市販の牛乳(タンパク質含量は3.3質量%、脂質含量は3.8質量%)を用意し、乳風味飲料Cと比較飲食したところ、乳風味飲料Cは、市販の牛乳に比べコク味は若干劣るが、市販の牛乳とほぼ同等の風味を有していた。
また、この乳風味飲料Cをウォーターバスで80℃、20分間加熱したが、水溶液中に沈殿を生じず、清澄な状態を維持していた。
〔実施例4〕
乳清ミネラルB4.5質量部と乳糖10.0質量部及びショ糖8.3質量部とを、水77.5質量部に添加・溶解し、乳風味飲料Dを得た。得られた乳風味飲料Dの吸光度を実施例1と同様の方法で測定したところ0.0001未満であった。
得られた乳風味飲料Dのタンパク質含有量は0.81質量%、脂質含量は0.05量未満、乳清ミネラルと甘味料の比率は、乳清ミネラルの固形分1質量部に対し、ショ糖換算で2.2質量部以上であった。
対照として市販の牛乳(タンパク質含量は3.3質量%、脂質含量は3.8質量%)を用意し、乳風味飲料Dと比較飲食したところ、乳風味飲料Dは、市販の牛乳に比べコクが強く感じられるが、市販の牛乳と同様の風味を有していた。
また、この乳風味飲料Dをウォーターバスで80℃、20分間加熱したが、水溶液中に沈殿を生じず、清澄な状態を維持していた。
〔実施例5〕
乳糖5質量部を上白糖0.9質量部に変更し、水の添加量を94.4質量部から98.5質量部に変更した以外は実施例2と同様の配合・製法で、乳風味飲料Eを得た。得られた乳風味飲料Eの吸光度を実施例1と同様の方法で測定したところ0.0001未満であった。
得られた乳風味飲料Eのタンパク質含有量は0.11質量%、脂質含量は0.01質量未満、乳清ミネラルと甘味料の比率は、乳清ミネラルの固形分1質量部に対し、ショ糖換算で1.5質量部以上であった。
対照として市販の牛乳(タンパク質含量は3.3質量%、脂質含量は3.8質量%)を用意し、乳風味飲料Eと比較飲食したところ、乳風味飲料Eは、市販の牛乳に比べやや甘味が弱いものの市販の牛乳とほぼ同等の風味を有していた。
また、この乳風味飲料Eをウォーターバスで80℃、20分間加熱したが、水溶液中に沈殿を生じず、清澄な状態を維持していた。
〔実施例6〕
乳糖5質量部をアセスルファムカリウム0.004質量部に変更し、水の添加量を94.4質量部から99.393質量部に変更した以外は実施例2と同様の配合・製法で、乳風味飲料Fを得た。得られた乳風味飲料Fの吸光度を実施例1と同様の方法で測定したところ0.0001未満であった。
得られた乳風味飲料Fのタンパク質含有量は0.11質量%、脂質含量は0.01質量未満、乳清ミネラルと甘味料の比率は、乳清ミネラルの固形分1質量部に対し、ショ糖換算で1.3質量部以上であった。
対照として市販の牛乳(タンパク質含量は3.3質量%、脂質含量は3.8質量%)を用意し、乳風味飲料Fと比較飲食したところ、乳風味飲料Fは、市販の牛乳に比べやや甘質が異なるものの市販の牛乳とほぼ同等の風味を有していた。
また、この乳風味飲料Fをウォーターバスで80℃、20分間加熱したが、水溶液中に沈殿を生じず、清澄な状態を維持していた。
〔実施例7〕
乳糖5質量部をアセスルファムカリウム0.001質量部、スクラロース0.0006質量部、還元水あめ(粉末)1.1質量部、及び難消化性デキストリン1.8質量部に変更し、水の添加量を94.4質量部から96.4984質量部に変更した以外は実施例2と同様の配合・製法で、乳風味飲料Gを得た。得られた乳風味飲料Gの吸光度を実施例1と同様の方法で測定したところ0.0001未満であった。
得られた乳風味飲料Gのタンパク質含有量は0.11質量%、脂質含量は0.01質量未満、乳清ミネラルと甘味料の比率は、乳清ミネラルの固形分1質量部に対し、ショ糖換算で1.5質量部以上であった。
対照として市販の牛乳(タンパク質含量は3.3質量%、脂質含量は3.8質量%)を用意し、乳風味飲料Gと比較飲食したところ、乳風味飲料Gは、市販の牛乳とほぼ同等の風味を有していた。
また、この乳風味飲料Gをウォーターバスで80℃、20分間加熱したが、水溶液中に沈殿を生じず、清澄な状態を維持していた。
〔実施例8〕
市販の牛乳(タンパク質含量は3.3質量%、脂質含量は3.8質量%):実施例2で得られた乳風味飲料B=25:75の質量比で混合し、牛乳の75%を本発明の乳風味飲料で代替した本発明の乳飲料Aを得た。
対照として上記市販の牛乳を用意し、乳飲料Aと比較飲食したところ、乳飲料Aは、乳のコク味、乳風味とも市販の牛乳とほとんど同一であった。
〔実施例9〕
市販の牛乳(タンパク質含量は3.3質量%、脂質含量は3.8質量%):実施例2で得られた乳風味飲料B=50:50の質量比で混合し、牛乳の50%を本発明の乳風味飲料で代替した本発明の乳飲料Bを得た。
対照として上記市販の牛乳を用意し、乳飲料Bと比較飲食したところ、乳飲料Bは、乳のコク味、乳風味とも市販の牛乳とほとんど同一であった。
〔実施例10〕
市販の牛乳(タンパク質含量は3.3質量%、脂質含量は3.8質量%):実施例2で得られた乳風味飲料B=75:25の質量比で混合し、牛乳の25%を本発明の乳風味飲料で代替した本発明の乳飲料Cを得た。
対照として上記市販の牛乳を用意し、乳飲料Cと比較飲食したところ、乳飲料Cは、乳のコク味、乳風味とも市販の牛乳とほとんど同一であった。
〔比較例1〕
実施例2における乳清ミネラルBの添加量を0.6質量部から無添加に変更し、水の添加量を94.4質量部から95質量部に変更した以外は実施例2と同様の配合・製法で、乳風味飲料Hを得た。得られた乳風味飲料Hの吸光度を下記の方法で測定したところ0.0001未満であった。
対照として市販の牛乳(タンパク質含量は3.3質量%、脂質含量は3.8質量%)を用意し、乳風味飲料Hと比較飲食したところ、乳風味飲料Hは、牛乳の風味は全く感じられなかった。
〔比較例2〕
実施例2における乳糖の添加量を5質量部から無添加に変更し、水の添加量を94.4質量部から99.4質量部に変更した以外は実施例2と同様の配合・製法で、乳風味飲料Iを得た。得られた乳風味飲料Iの吸光度を下記の方法で測定したところ0.0001未満であった。
対照として市販の牛乳(タンパク質含量は3.3質量%、脂質含量は3.8質量%)を用意し、乳風味飲料Iと比較飲食したところ、乳風味飲料Iは、苦味が極めて強く、また不快臭がして、牛乳の風味は全く感じられなかった。
〔実施例11〕
市販のレギュラーコーヒー(粉)40gをお湯700gで抽出し、コーヒー抽出液を得た。このコーヒー抽出液420gに、砂糖30g及び実施例2で得た乳風味飲料B50gを添加、混合、溶解し、コーヒー飲料Aを得た。得られたコーヒー飲料Aは、濃厚なブラックコーヒーの色調でありながら、ミルクコーヒーのような乳風味を有していた。
続いて、得られたコーヒー飲料Aを密閉容器に入れて123℃、20分加熱殺菌したが、沈殿や濁りを生じず、また加熱殺菌前と同一の風味を有していた。
更に、得られたコーヒー飲料Aを60℃で30日保管したが、風味の変化は感じられなかった。
〔実施例12〕
実施例11における乳風味飲料B50gを、実施例8で得た乳飲料B50gに変更した以外は実施例11と同様の配合・製法で、コーヒー飲料Bを得た。
対照として乳風味飲料B50gを市販の牛乳(タンパク質含量は3.3質量%、脂質含量は3.8質量%)50gに変更した以外は実施例11と同様の配合・製法でコーヒー飲料Cを得た。コーヒー飲料Bとコーヒー飲料Cを比較飲食したところ、コーヒー飲料Bは、コーヒー飲料Cとほぼ同等の乳風味を有していた。また、コーヒー風味については、コーヒー飲料Bはコーヒー飲料Cよりもはっきりと感じられた。
〔実施例13〕
実施例11における砂糖30gを無添加に変更した以外は実施例11と同様の配合・製法で、コーヒー飲料Dを得た。得られたコーヒー飲料Dは、濃厚なブラックコーヒーの色調でありながら、ミルクコーヒーのような乳風味を有していた。
〔実施例14〕
実施例11における乳風味飲料B50gを、実施例7で得られた乳風味飲料G50gに変更し、砂糖30gを無添加とし、アセスルファムカリウム0.035質量部及びスクラロース0.035質量部を添加した以外は実施例11と同様の配合・製法で、コーヒー飲料Eを得た。得られたコーヒー飲料Eは、濃厚なブラックコーヒーの色調でありながら、ミルクコーヒーのような乳風味を有していた。

Claims (8)

  1. 固形分に占める灰分含量が30%以上であり且つ固形分中のカルシウム含量が2質量%未満である乳清ミネラルを固形分として0.1〜5質量%含有し、甘味料を甘味度としてのショ糖換算で0.08〜12%含有し、タンパク質含量が1.0質量%以下、油脂含量が1.0質量%以下であり、波長660nmにおける吸光度が0.1以下であり、食品加工用として使用することを特徴とする乳風味飲料。
  2. 上記乳清ミネラルと上記甘味料の比率が、乳清ミネラルの固形分1質量部に対し、ショ糖換算で1.0質量部以上であり、甘味料として糖類及び/又は糖アルコールを使用したことを特徴とする請求項1記載の乳風味飲料。
  3. 上記甘味料の一部又は全部が乳糖であることを特徴とする請求項1又は2に記載の乳風味飲料。
  4. 上記甘味料の一部又は全部が高甘味度甘味料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の乳風味飲料。
  5. 請求項1〜の何れか1項に記載の乳風味飲料を含有する飲食品。
  6. コーヒー飲料であることを特徴とする請求項記載の飲食品。
  7. 請求項1〜の何れか1項に記載の乳風味飲料で牛乳の一部を代替してなる乳飲料。
  8. 牛乳を含有する飲食品を製造する際に、該牛乳の一部を請求項1〜の何れか1項に記載の乳風味飲料で代替することを特徴とする飲食品の製造方法。
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