JP6113986B2 - 乳風味増強方法及び飲食品 - Google Patents

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本発明は、飲食品の乳風味のみを選択的に増強することができる乳風味増強剤、及び、飲食品の乳風味のみを選択的に増強することができる乳風味増強方法に関する。
牛乳は、優れた乳のコク味を有する、栄養面、風味面で非常に優れた食品であり、それ自体飲料として消費される以外に、各種飲食品の原材料として多量に消費されている。しかし、牛乳の組成はその90%程度が水であり、乳風味の主体である乳脂及び無脂乳固形分の含量はそれぞれ、3〜6質量%及び8〜10質量%と、含有量が少ないため、飲食品に添加したり、食品加工用として使用する場合、付与できる乳風味は弱く、乳のコク味までは付与できないという欠点がある。
そのため、飲食品の原料用には、乳風味が濃縮された乳製品として、濃縮乳、練乳、生クリーム、クリームチーズ、バター等の牛乳の濃縮物が使用されるのが普通である。
しかし、これらの牛乳の濃縮物は一般に高価であり、また牛乳よりも乳風味の主体である無脂乳固形分含量は高いものの、3〜15倍程度であるため、飲食品の原材料として使用するには、その添加量が多くなり、飲食品の物性の制御が難しいという問題がある。
そこで、更に水分を減じ、無脂乳固形分のみを単離し、これを飲食品の原材料として使用することとなる。
具体的には、牛乳を粉末化した全粉乳や、無脂乳固形分を粉末化した脱脂粉乳、ホエイを粉末化したホエイパウダー、更には蛋白質を濃縮したWPC・WPI・TMP・カゼイン蛋白質等の乳蛋白質等、乳蛋白質を主体とした乳製品を使用する。このような乳風味の濃縮物を使用する方法であれば添加量を低く抑えることができ、飲食品の物性にはあまり影響が出ないため、これらの乳蛋白質を主体とした乳製品は飲食品の原材料として広く利用されている。
しかし、これらの乳蛋白質を主体とした乳製品は、分離・濃縮や粉末化の際に風味がやや変化しているため、飲食品に豊かな乳風味を付与することが難しく、特に乳のコク味が不足しやすい問題がある。また、無脂乳固形分の主体である乳蛋白質も乳糖も、水溶性とはいえ溶解度が低いため、水に溶解しにくく、特に飲料では、経日的に分離したり、沈殿したり、ザラが出たりする問題がある。
そこで、これらの乳蛋白質を主体とした乳製品の添加量は一定量以下に制限されることになるが、その場合であっても豊かな乳風味や乳のコク味が要求される場合がある。また、これらの乳蛋白質を主体とした乳製品は一般的に高価であるため、その使用量をできるだけ抑えながら、その場合であっても豊かな乳風味や乳のコク味が要求される場合もある。
そのため、飲食品において、乳製品、特に乳蛋白質の使用量を減じた場合であっても多量に乳蛋白質を配合したかのような豊かな乳風味を付与する方法、すなわち、飲食品の乳風味を増強する方法が各種研究され、提案されている。
まず、一般的には香料が使用される。しかし、香料はたしかに乳風味は付与されるが、味に厚みがないため、豊かな乳風味にならないという問題があった。そのため、各種の食品素材を使用した乳風味増強剤が考案された。例えば、ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物(例えば特許文献1参照)、アルカリ処理したビール酵母の乾燥物(例えば特許文献2参照)、乳脂肪球皮膜成分(例えば特許文献3参照)、スクラロース(例えば特許文献4参照)、還元水飴(例えば特許文献5参照)、コーン粉末と油脂の反応物(例えば特許文献6参照)等が提案されている。
しかし、これらの素材は、実際には乳風味自体を増強しているのではなく、単にコク味を付与することにより乳風味を増強させている。そのため、乳成分含量が少ない飲食品の場合は、コク味は付与されるが、乳風味は感じられないという問題があった。また、乳蛋白質含量がある程度の量がある飲食品の場合であっても、乳風味以外の成分の風味をも同様に増強してしまい、乳風味が目立って増強されたように感じられない、という問題があった。また、これらの素材はコク味を付与するために素材自体の風味が強いものであるため、添加量を増やすとそれらの風味が感じられてしまうという問題もあった。
一方、ガラクトオリゴ糖がコーヒー風味を増強すること(例えば特許文献7参照)、乳酸菌飲料の不快発酵臭をマスキングすること(例えば特許文献8参照)、梅果汁の梅風味を増強すること(例えば特許文献9参照)は知られているが、乳風味に対する効果は知られていなかった。
特開2007−202492号公報 特開2010−057434号公報 特開平07−236451号公報 特開2000−135055号公報 特開2008−259447号公報 特開2000−004822号公報 特開平07−155105号公報 特開平05−049397号公報 特開2010−119348号公報
従って、本発明の目的は、飲食品において、乳製品、特に乳蛋白質の使用量を減じた場合であっても多量に乳蛋白質を配合したかのような豊かな乳風味と乳のコク味を付与する方法、すなわち、他の風味に影響を及ぼすことなく、ごく少量の添加で飲食品の乳風味を増強する乳風味増強剤を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討したところ、特定の糖が乳風味を特異的に増強する効果を有することを見だした。
本発明は、ガラクトオリゴ糖を、飲食品中のガラクトオリゴ糖の固形分として0.40質量%以下となる量で添加することを特徴とする、乳蛋白質含量が1.0質量未満である飲食品の乳風味増強方法であって、該飲食品中の乳蛋白質1質量部に対し、ガラクトオリゴ糖が0.01〜2質量部となる量を添加する飲食品の乳風味増強方法を提供するものである。
また本発明は、ガラクトオリゴ糖を有効成分とする乳風味増強剤を、飲食品中のガラクトオリゴ糖の固形分として0.40質量%以下となる量で含有することを特徴とする、乳蛋白質含量が1.0質量未満である飲食品であって、乳蛋白質1質量部に対し、ガラクトオリゴ糖を0.01〜2質量部となる量で含有する飲食品を提供するものである。

本発明の乳風味増強剤を飲食品に添加すると、少量の添加であっても、また、乳や乳製品の使用量が少ない場合であっても、飲食品自体の風味や物性に影響を与えることなく、乳風味のみを特異的に増強し、飲食品に豊かな乳風味と乳のコク味を付与することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の乳風味増強剤(以下、組成物ともいう)の有効成分であるガラクトオリゴ糖について述べる。
ガラクトオリゴ糖とは、ガラクトースを主成分とするオリゴ糖の総称であるが、本発明におけるガラクトオリゴ糖とは、ガラクトースを構成糖の50%以上含有する2糖以上のオリゴ糖であって乳糖以外のオリゴ糖をさすものとする。なお、ガラクトオリゴ糖は天然に存在するものであっても、酵素を用いて製造したものであっても利用可能である。
天然のガラクトオリゴ糖としては、ラフィノース、スタキオース、メルビオース、マンニノトリオース等が知られており、これらはビートや大豆オリゴ糖に含まれているので、それらを基に製造することができる。また、もちろん、該ガラクトオリゴ糖は市販されているのでそれを利用することもできる。
酵素を用いて製造したガラクトオリゴ糖としては、乳糖からβ-ガラクトシダーゼの作用により製造して得られたβ−結合ガラクトオリゴ糖を主成分とするものや、ガラクトースを含む基質からα−ガラクトシダーゼの作用により製造して得られたα−結合ガラクトオリゴ糖を主成分とするものが知られており、そのどちらを利用してもよいが、乳風味増強効果が高い点で前者のβ−結合ガラクトオリゴ糖を主成分とするものを利用することが好ましい。なお、もちろん、これらのガラクトオリゴ糖は市販されているのでそれを利用することもできる。
なお、これら、酵素を用いて製造されたガラクトオリゴ糖は、基質として使用した糖の種類にもよるが、グルコースやガラクトース等の単糖類や、乳糖等のガラクトオリゴ糖以外の糖類(不純物)をも含有している。これらの不純物については、酵母等を用いて消費させる等して低減したガラクトオリゴ糖も販売されており、これを用いることが好ましい。
また、これらの酵素を用いて製造されたガラクトオリゴ糖は、基質として使用した糖の種類にもよるが、一般的にガラクトース以外の糖、例えばグルコースを構成成分として含有するのが普通である。また、その結合数も2〜10程度の各種の重合物の混合物であり、更にその結合様式も、例えば乳糖からβ-ガラクトシダーゼの作用により製造した場合はβ−1,2結合、β−1,3結合、β−1,6結合等の乳糖(β−1,4結合)とは異なる結合様式が生じる。
一般に「ガラクトオリゴ糖」として市販されているものは、通常、上述のような酵素を用いて製造されたものであるため、このようなさまざまな構成糖、結合数、結合様式のオリゴ糖の混合物であり、不純物も含有している。ここで、本発明におけるガラクトオリゴ糖とは、上述のようにガラクトースを構成糖の50%以上含有する2糖以上のオリゴ糖であって乳糖以外のオリゴ糖、であるため、これらの酵素を用いて製造されたガラクトオリゴ糖を使用する場合は、転移2糖(構成糖と結合数は乳糖と同一であるが結合様式の異なるもの)はガラクトオリゴ糖に含まれるが、グルコースやガラクトース等の単糖類や、乳糖等のガラクトオリゴ糖以外の糖類(不純物)を除いた純分のみを有効成分として算出するものとする。
本発明の乳風味増強剤における上記ガラクトオリゴ糖の含有量は任意であるが、少量の添加で十分な効果を得るためには、固形分として好ましくは1〜100質量%、より好ましくは5〜100質量%、更に好ましくは20〜100質量%、最も好ましくは50〜100質量%である。
なお、本発明の乳風味増強剤は上記ガラクトオリゴ糖に加え、乳清ミネラルを含有することが好ましい。
そこで、本発明で使用する乳清ミネラルについて詳述する。
乳清ミネラルとは、乳又はホエー(乳清)から、可能な限りタンパク質や乳糖を除去したものであり、そのため、高濃度に乳の灰分(ミネラル)を含有し、且つ、固形分に占める灰分の割合が極めて高いという特徴を有する。そして、そのミネラル組成は、原料となる乳やホエー中のミネラル組成に近い比率となる。
本発明で使用する乳清ミネラルとしては、乳風味増強効果と乳のコク味付与効果が高い点及びまた、水溶性と口溶けの点で、純度が高いこと、すなわちタンパク質や乳糖等の不純物含量が低いことが好ましい。すなわち、固形分に占める灰分含量が30質量%以上である乳清ミネラルを使用することが好ましく、固形分に占める灰分含量が50質量%以上である乳清ミネラルを使用することがより好ましい。なお、該灰分含量は高いほど好ましい。
また、本発明で使用する乳清ミネラルとしては、特に乳風味増強効果と乳のコク味付与効果が高い点、更には本発明の乳風味増強剤を飲料に使用した場合の保存性(沈殿や濁りが生じにくい)が良好な点、或いは本発明の乳風味増強剤を使用した飲食品の製造時に加熱殺菌する場合や、加熱工程を有する飲食品に使用した場合でも沈殿や濁りを生じない点で、固形分中のカルシウム含量が好ましくは2質量%未満、より好ましくは1質量%未満、更に好ましくは0.5質量%未満の乳清ミネラルを使用することが好ましい。なお、該カルシウム含量は低いほど好ましい。
牛乳から通常の製法で製造された乳清ミネラルは、固形分中のカルシウム含量が5質量%以上である。上記カルシウム含量が2質量%未満の乳清ミネラルは、乳又はホエーから、膜分離及び/又はイオン交換、更には冷却により、乳糖及びタンパク質を除去して乳清ミネラルを得る際に、予めカルシウムを低減した乳を使用した酸性ホエーを用いる方法、或いは、甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にカルシウムを除去する工程を挿入することで得ることができるが、工業的に実施する上での効率やコストの点で、甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にある程度ミネラルを濃縮した後に、カルシウムを除去する工程を挿入することで得る方法を採ることが好ましい。ここで使用する脱カルシウムの方法としては、特に限定されず、調温保持による沈殿法等の公知の方法を採ることができる。
本発明の乳風味増強剤における上記乳清ミネラルの含有量は、ガラクトオリゴ糖1質量部に対し固形分換算で好ましくは0.01〜1質量部、より好ましくは0.05〜0.8質量部、更に好ましくは0.05〜0.5質量部、最も好ましくは0.08〜0.5質量部である。上記乳清ミネラルの含有量が0.01質量部未満であると、乳清ミネラルの添加効果がほとんど感じられず、また、1質量部を超えると、飲食品に苦味を付与してしまうおそれがある。
本発明の乳風味増強剤は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、必要に応じ、上記ガラクトオリゴ糖及び乳清ミネラル以外のその他の成分を含有するものとすることができる。
該その他の成分としては、水、油脂、ゲル化剤や安定剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤、甘味料、澱粉類、ガラクトオリゴ糖以外の糖類、乳清ミネラル以外の乳や乳製品、卵製品、穀類、無機塩、有機酸塩、酵素、ジグリセライド、香辛料、香辛料抽出物、ハーブ、直鎖デキストリン・分枝デキストリン・環状デキストリン等のデキストリン類、その他各種食品素材、着香料、苦味料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤、強化剤等を配合してもよい。
上記油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、乳脂、鯨油、バター、バターオイル等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明では、上記の油脂の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記ゲル化剤や安定剤としては、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、LMペクチン、HMペクチン、海藻抽出物、海藻エキス、寒天、グルコマンナン、ローカストビーンガム、グアーガム、ジェランガム、タラガントガム、キサンタンガム、カラギーナン、カードラン、タマリンドシードガム、カラヤガム、タラガム、トラガントガム、アラビアガム、カシアガムが挙げられる。本発明では、上記ゲル化剤や安定剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の合成乳化剤や、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、卵黄油、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の天然乳化剤が挙げられる。本発明では、上記の乳化剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記甘味料としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、ラクチュロース等が挙げられる。また、上記甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等が挙げられる。本発明では、上記の糖類・甘味料の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
なお、本発明では、上記その他の成分は乳風味増強剤の固形分中、固形分として80質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは50質量%以下とする。なお、該固形分の計算には油脂は含まない。
本発明の乳風味増強剤の形態としては、特に制限されず、固形、顆粒状、粉末状、ペースト状、流動状、液状のいずれの形態であってもよい。
また、本発明の乳風味増強剤が油分と水分を含有する場合、その乳化型は水中油型であっても油中水型であってもよく、更には2重乳化型であってもよいが、飲食品への分散性が良好である点で水中油型の乳化形態であることが好ましい。
本発明の乳風味増強剤は、乳蛋白質を含有し、乳風味を必要とする様々な飲食品に適用でき、例えばカフェオレ・ミルクティー・抹茶ミルク・ミルクココア・アイスミルクココア・ホットチョコレート・乳酸菌飲料・炭酸入り乳酸菌飲料・発酵乳飲料・ドリンクヨーグルト・無脂肪乳・低脂肪乳・いちごミルク・果汁飲料・果実飲料・カルーアミルク・ベイリーズミルク等の各種飲料、カスタードクリーム・フラワーペースト・ホワイトクリーム・ホイップクリーム・バタークリーム等のクリーム類、シチュー・カレー・ホワイトソース・グラタン等のクリーム状食品、コーンスープ・クラムチャウダー等のスープ類、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス・ゼリー・杏仁豆腐・ババロア・ムース・プリン等のデザート類、マーガリン類、マヨネーズ・ドレッシング等のドレッシング類、チーズ様食品、パン類、ドーナツ類・キャラメル・キャンディー・チョコレート・ビスケット・クッキー・スポンジケーキ・バターケーキ等の菓子類・ハム・ソーセージその他加工食品を挙げることができる。
上記飲食品における、本発明の乳風味増強剤の添加量は、特に限定されず、飲食品の種類や、求める乳風味増強効果の強さに応じて適宜決定されるが、飲食品に含まれる乳蛋白質1質量部に対し、ガラクトオリゴ糖の固形分として好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.02〜1.0質量部、更に好ましくは0.10〜0.50質量部となる量である。0.01質量部未満であると、又は、2質量部を超えると、乳風味増強効果が認められ難い。
また、上記飲食品中の、本発明の乳風味増強剤の含有量は、ガラクトオリゴ糖自体の甘味を感じさせない点で、ガラクトオリゴ糖の固形分として、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.40質量%以下、更に好ましくは0.20質量%以下とすることが好ましい。
なお、飲食品がガラクトオリゴ糖以外の甘味料を含有する場合、特に、本発明の乳風味増強剤の添加量が、飲食品中のガラクトオリゴ糖の固形分として1質量%を超える場合は、飲食品の甘味度の調整を、飲食品の製造時や加工時に、甘味料の添加量や種類の変更等の方法によって行なうことが好ましい。
また、飲食品がガラクトオリゴ糖以外の甘味料を含有する場合、飲食品の甘味度が2〜20の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2〜10である。甘味度が2未満である場合は、ガラクトオリゴ糖の添加量によってはガラクトオリゴ糖自体の風味を感じやすくなり、その場合、乳風味質に悪影響を及ぼす場合がある。一方、甘味度が20を超える場合は、ガラクトオリゴ糖の添加量が少ない場合に本発明の効果が得られにくくなる場合がある。ここでいう甘味度は、ショ糖の甘味を100としたときのショ糖の甘味の強さに対する甘味の強さの倍率であり、具体的には、飲食品の甘味度は、該飲食品中の各甘味料の含有量(質量%)を、各甘味料の甘味度に基づきショ糖量に換算し、次いで該飲食品中の全ての甘味料についての該ショ糖量を総計することによって、求めることができる(後述する乳風味増強剤の甘味度も同様)。各種の甘味料の甘味度は、公知の換算表等から求めることができる。
また、上記飲食品は、ガラクトオリゴ糖により乳風味が増強されることから乳蛋白質含量は少なくても良好な乳風味を有するため、乳蛋白質含量が2.0質量%未満であることが好ましく、より好ましくは1.0質量%未満である。
なお、飲食品の乳蛋白質含量の下限は0.1質量%である。
次に、本発明の飲食品について述べる。
本発明の飲食品は、上記本発明の乳風味増強剤を添加して得られた飲食品であり、乳や乳製品の使用量が少ない場合、特に乳蛋白質含量が2質量%未満、更には1質量%未満であっても、飲食品豊かな乳風味と乳のコク味を付与されているという特徴を有するものである。
飲食品における上記本発明の乳風味増強剤の添加方法は特に制限されず、飲食品の製造時、加工時、調理時、飲食時等に、飲食品又はその素材に混合、散布、噴霧、溶解等、任意の手段により行なわれる。
なお、本発明の飲食品における上記本発明の乳風味増強剤の添加量は、上述のとおりである。
次に、本発明の飲食品の乳風味増強方法について述べる。
本発明の飲食品の乳風味増強方法は、上記本発明の乳風味増強剤を飲食品に添加するものであり、乳や乳製品の使用量が少ない場合、特に乳蛋白質含量が2質量%未満、更には1質量%未満であっても、飲食品自体の風味や物性に影響を与えることなく、乳風味のみを特異的に増強し、飲食品に豊かな乳風味と乳のコク味を付与するものである。
本発明の乳風味増強剤の、飲食品への添加方法及び添加量は、上述のとおりである。
なお、上述のように、飲食品が甘味料を含有する場合であって、飲食品の製造時や加工時に添加する場合は、本発明の乳風味増強剤の甘味度を予め測定し、添加する甘味度分だけ、飲食品に使用している甘味料の添加量を減じるか、或いは、甘味料の種類を変更することもできる。
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例1〜130のうち、実施例10〜42、47、5、69、76〜86、90、91、102、109〜119、124は参考例であり、実施例1〜9は製造例である
<乳清ミネラルの製造>
〔製造例1〕
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、更に逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、これを更にエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルAを得た。得られた乳清ミネラルAの固形分中の灰分量は35質量%、カルシウム含量は2.2質量%であった。
〔製造例2〕
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、更に逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、80℃、20分の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これを更にエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルBを得た。得られた乳清ミネラルBの固形分中の灰分量は55質量%、カルシウム含量は0.4質量%であった。
<乳風味増強剤の製造>
〔実施例1〕
カップオリゴH−70(日新製糖)をそのまま、本発明の液状の乳風味増強剤Aとした。
乳風味増強剤Aの水分、固形分、ガラクトオリゴ糖含量、固形物中のガラクトオリゴ糖含量、及び、甘味度については表1に記載した。
〔実施例2〕
オリゴメイト55N(ヤクルト薬品工業)をそのまま、本発明の液状の乳風味増強剤Bとした。
乳風味増強剤Bの水分、固形分、ガラクトオリゴ糖含量、固形物中のガラクトオリゴ糖含量、及び、甘味度については表1に記載した。
〔実施例3〕
オリゴメイト55NP(ヤクルト薬品工業)を、そのまま本発明の粉末状の乳風味増強剤Cとした。
乳風味増強剤Cの水分、固形分、ガラクトオリゴ糖含量、固形物中のガラクトオリゴ糖含量、及び、甘味度については表1に記載した。
〔実施例4〕
オリゴメイト55NP(ヤクルト薬品工業)95質量部と乳清ミネラルA5質量部を粉体ブレンダーで混合し、本発明の粉末状の乳風味増強剤Dとした。
乳風味増強剤Dの水分、固形分、ガラクトオリゴ糖含量、固形物中のガラクトオリゴ糖含量、ガラクトオリゴ糖1質量部に対する乳清ミネラル含量(固形分換算)、及び、甘味度については表1に記載した。
〔実施例5〕
オリゴメイト55NP(ヤクルト薬品工業)95質量部と乳清ミネラルB5質量部を粉体ブレンダーで混合し、本発明の粉末状の乳風味増強剤Eとした。
乳風味増強剤Eの水分、固形分、ガラクトオリゴ糖含量、固形物中のガラクトオリゴ糖含量、ガラクトオリゴ糖1質量部に対する乳清ミネラル含量(固形分換算)、及び、甘味度については表1に記載した。
〔実施例6〕
オリゴメイト55NP(ヤクルト薬品工業)98質量部と乳清ミネラルB2質量部を粉体ブレンダーで混合し、本発明の粉末状の乳風味増強剤Fとした。
乳風味増強剤Fの水分、固形分、ガラクトオリゴ糖含量、固形物中のガラクトオリゴ糖含量、ガラクトオリゴ糖1質量部に対する乳清ミネラル含量(固形分換算)、及び、甘味度については表1に記載した。
〔実施例7〕
オリゴメイト55NP(ヤクルト薬品工業)90質量部と乳清ミネラルB10質量部を粉体ブレンダーで混合し、本発明の粉末状の乳風味増強剤Gとした。
乳風味増強剤Gの水分、固形分、ガラクトオリゴ糖含量、固形物中のガラクトオリゴ糖含量、ガラクトオリゴ糖1質量部に対する乳清ミネラル含量(固形分換算)、及び、甘味度については表1に記載した。
〔実施例8〕
オリゴメイト55NP(ヤクルト薬品工業)80質量部と乳清ミネラルB20質量部を粉体ブレンダーで混合し、本発明の粉末状の乳風味増強剤Hとした。
乳風味増強剤Hの水分、固形分、ガラクトオリゴ糖含量、固形物中のガラクトオリゴ糖含量、ガラクトオリゴ糖1質量部に対する乳清ミネラル含量(固形分換算)、及び、甘味度については表1に記載した。
〔実施例9〕
オリゴメイト55NP(ヤクルト薬品工業)70質量部と乳清ミネラルB30質量部を粉体ブレンダーで混合し、本発明の粉末状の乳風味増強剤Iとした。
乳風味増強剤Iの水分、固形分、ガラクトオリゴ糖含量、固形物中のガラクトオリゴ糖含量、ガラクトオリゴ糖1質量部に対する乳清ミネラル含量(固形分換算)、及び、甘味度については表1に記載した。
<適用例1 アイスクリームの製造>
〔配合〕
上記実施例1〜9で得られた乳風味増強剤A〜Iを使用し、表2記載の配合で、下記の製法により、アイスクリームA〜K(実施例10〜20)を得た。なお、比較品として乳糖(比較例1)、スクラロース(比較例2)、フラクトオリゴ糖(比較例3)、カップリングシュガー(比較例4)、還元水飴(比較例5)を使用したものについても、同様に表2に記載の配合で、下記の製法により、アイスクリームL〜Pを得た。更に比較評価用として、乳風味増強剤も比較品も使用しないアイスクリームQ(比較例6)も同様に製造した。
なお、アイスクリームA〜Qのガラクトオリゴ糖含有量、乳蛋白質含量、乳蛋白質1質量部に対するガラクトオリゴ糖添加量、及び、甘味度についても表2に記載した。
〔製法〕
卵黄にグラニュー糖を加え、白くなるまでしっかり撹拌した後、牛乳を添加して更に撹拌した。
弱火で少しとろみがつくまで加熱後、氷水で冷却したのち、バニラエッセンス及び、各乳風味増強剤もしくは比較品を加えた。
更に、予めホイッパーで8分立てした生クリームを少しずつ添加、攪拌混合し、アイスクリーム原液を得た。市販アイスクリーマー(Panasonic製 BH-941P)を使用し、該原液を冷却攪拌(−18℃、3hr)し、アイスクリームを得た。
〔評価〕
得られたアイスクリームA〜Pについて、乳風味強度、乳風味質、及び、乳のコク味を、下記の方法で評価した。評価結果については表2に記載した。
評価は15名のパネラーによって以下のように行った。
乳風味強度については、アイスクリームQを4点とした1点〜7点の7段階評価をしてもらい、その平均点によって、下記の8段階評価とした。
◎+++:平均点が6.5点以上
◎++:平均点が6.0点以上6.5点未満
◎+:平均点が5.5点以上6.0点未満
◎:平均点が5.0点以上5.5点未満
○:平均点が4.5点以上5.0点未満
○−:平均点が4.0点以上4.5点未満
△:平均点が3.5点以上4.0点未満
×:平均点が3.5点未満
乳風味質については、アイスクリームQに比べて甘味が強い、苦味がする、塩味がする等、違和感を覚えた場合は+、特に無ければ−と回答してもらい、+の回答数により、下記の4段階評価とした。
◎:+の回答数が0名
○:+の回答数が1〜2名
△:+の回答数が3〜4名
×:+の回答数が5名以上
乳のコク味については、アイスクリームQと比較して下記の評価基準により5段階評価をしてもらい、一番多かった回答を「乳のコク味の評価」とした。なお、一番多かった回答が同数だった場合は、劣る評価の方を「乳のコク味の評価」とした。
◎:極めて良好な乳のコク味が付与されている。
○+:良好な乳のコク味が付与されている。
○:乳のコク味が付与されたと感じられる。
△:乳のコク味が付与されたと感じられない。
×:乳のコク味が感じられず、おいしくない。
<適用例2 ミルクチョコレートの製造>
〔配合・製法〕
上記実施例1〜9で得られた乳風味増強剤A〜Iを使用し、表3記載の配合で、常法により、ミルクチョコレートA〜K(実施例21〜31)を得た。なお、比較品として乳糖(比較例7)、スクラロース(比較例8)、フラクトオリゴ糖(比較例9)、カップリングシュガー(比較例10)、還元水飴(比較例11)を使用したものについても、同様の配合・製法により、ミルクチョコレートL〜Pを得た。更に比較評価用として、乳風味増強剤も比較品も使用しないミルクチョコレートQ(比較例12)も同様に製造した。
なお、ミルクチョコレートA〜Qのガラクトオリゴ糖含有量、乳蛋白質含量、乳蛋白質1質量部に対するガラクトオリゴ糖添加量、及び、甘味度についても表3に記載した。
〔評価〕
得られたミルクチョコレートA〜Pについて、乳風味強度、乳風味質、及び、乳のコク味を、下記の方法で評価した。評価結果については表3に記載した。
評価は15名のパネラーによって以下のように行った。
乳風味強度については、ミルクチョコレートQを4点とした1点〜7点の7段階評価をしてもらい、その平均点によって、下記の8段階評価とした。
◎+++:平均点が6.5点以上
◎++:平均点が6.0点以上6.5点未満
◎+:平均点が5.5点以上6.0点未満
◎:平均点が5.0点以上5.5点未満
○:平均点が4.5点以上5.0点未満
○−:平均点が4.0点以上4.5点未満
△:平均点が3.5点以上4.0点未満
×:平均点が3.5点未満
乳風味質については、ミルクチョコレートQに比べて甘味が強い、苦味がする、塩味がする等、違和感を覚えた場合は+、特に無ければ−と回答してもらい、+の回答数により、下記の4段階評価とした。
◎:+の回答数が0名
○:+の回答数が1〜2名
△:+の回答数が3〜4名
×:+の回答数が5名以上
乳のコク味については、ミルクチョコレートQと比較して下記の評価基準により5段階評価をしてもらい、一番多かった回答を「乳のコク味の評価」とした。なお、一番多かった回答が同数だった場合は、劣る評価の方を「乳のコク味の評価」とした。
◎:極めて良好な乳のコク味が付与されている。
○+:良好な乳のコク味が付与されている。
○:乳のコク味が付与されたと感じられる。
△:乳のコク味が付与されたと感じられない。
×:乳のコク味が感じられず、おいしくない。
<適用例3 ホワイトソースの製造>
〔配合〕
上記実施例1〜9で得られた乳風味増強剤A〜Iを使用し、表4記載の配合で、下記の製法により、豆乳を使用したホワイトソースA〜K(実施例32〜42)を得た。なお、比較品として乳糖(比較例13)、スクラロース(比較例14)、フラクトオリゴ糖(比較例15)、カップリングシュガー(比較例16)、還元水飴(比較例17)を使用したものについても、同様に表4に記載の配合で、下記の製法により、ホワイトソースL〜Pを得た。更に比較評価用として、乳風味増強剤も比較品も使用しないホワイトソースQ(比較例18)も同様に製造した。
なお、ホワイトソースA〜Qのガラクトオリゴ糖含有量、乳蛋白質含量、乳蛋白質1質量部に対するガラクトオリゴ糖添加量、及び、甘味度についても表4に記載した。
〔製法〕
鍋にバターを入れ弱火にかけて溶かし、小麦粉を3回に分けて入れ、良く混合した。
小麦粉とバターがしっかり混ざったら、約35℃に加温した牛乳を2回に分けて入れ良く混合した後、更に約35℃に加温した豆乳を入れ、更に良く混合した。
そのまま弱火で加温を続け、とろみが出たところで、各乳風味増強剤又は比較品を含む残りの材料を混合した。
〔評価〕
得られたホワイトソースA〜Pについて、乳風味強度、乳風味質、及び、乳のコク味を、下記の方法で評価した。評価結果については表4に記載した。
評価は15名のパネラーによって以下のように行った。
乳風味強度については、ホワイトソースQを4点とした1点〜7点の7段階評価をしてもらい、その平均点によって、下記の8段階評価とした。
◎+++:平均点が6.5点以上
◎++:平均点が6.0点以上6.5点未満
◎+:平均点が5.5点以上6.0点未満
◎:平均点が5.0点以上5.5点未満
○:平均点が4.5点以上5.0点未満
○−:平均点が4.0点以上4.5点未満
△:平均点が3.5点以上4.0点未満
×:平均点が3.5点未満
乳風味質については、ホワイトソースQに比べて甘味が強い、苦味がする、塩味がする等、違和感を覚えた場合は+、特に無ければ−と回答してもらい、+の回答数により、下記の4段階評価とした。
◎:+の回答数が0名
○:+の回答数が1〜2名
△:+の回答数が3〜4名
×:+の回答数が5名以上
乳のコク味については、ホワイトソースQと比較して下記の評価基準により5段階評価をしてもらい、一番多かった回答を「乳のコク味の評価」とした。なお、一番多かった回答が同数だった場合は、劣る評価の方を「乳のコク味の評価」とした。
◎:極めて良好な乳のコク味が付与されている。
○+:良好な乳のコク味が付与されている。
○:乳のコク味が付与されたと感じられる。
△:乳のコク味が付与されたと感じられない。
×:乳のコク味が感じられず、おいしくない。
<適用例4 カフェオレの製造>
〔配合〕
上記実施例1〜9で得られた乳風味増強剤A〜Iを使用し、表5記載の配合で、下記の製法により、カフェオレA〜K(実施例43〜53)を得た。なお、比較品として乳糖(比較例19)、スクラロース(比較例20)、フラクトオリゴ糖(比較例21)、カップリングシュガー(比較例22)、還元水飴(比較例23)を使用したものについても、同様に表5に記載の配合で、下記の製法により、カフェオレL〜Pを得た。更に比較評価用として、乳風味増強剤も比較品も使用しないカフェオレQ(比較例24)も同様に製造した。
なお、カフェオレA〜Qのガラクトオリゴ糖含有量、乳蛋白質含量、乳蛋白質1質量部に対するガラクトオリゴ糖添加量、及び、甘味度についても表5に記載した。
〔製法〕
市販レギュラーコーヒー40gをお湯620gで抽出したものをコーヒー抽出液とした。
表5に記載の配合に従い、各乳風味増強剤又は比較品を含む残りの材料を混合・溶解した。
〔評価〕
得られたカフェオレA〜Pについて、乳風味強度、乳風味質、及び、乳のコク味を、下記の方法で評価した。評価結果については表5に記載した。
評価は15名のパネラーによって以下のように行った。
乳風味強度については、カフェオレQを4点とした1点〜7点の7段階評価をしてもらい、その平均点によって、下記の8段階評価とした。
◎+++:平均点が6.5点以上
◎++:平均点が6.0点以上6.5点未満
◎+:平均点が5.5点以上6.0点未満
◎:平均点が5.0点以上5.5点未満
○:平均点が4.5点以上5.0点未満
○−:平均点が4.0点以上4.5点未満
△:平均点が3.5点以上4.0点未満
×:平均点が3.5点未満
乳風味質については、カフェオレQに比べて甘味が強い、苦味がする、塩味がする等、違和感を覚えた場合は+、特に無ければ−と回答してもらい、+の回答数により、下記の4段階評価とした。
◎:+の回答数が0名
○:+の回答数が1〜2名
△:+の回答数が3〜4名
×:+の回答数が5名以上
乳のコク味については、カフェオレQと比較して下記の評価基準により5段階評価をしてもらい、一番多かった回答を「乳のコク味の評価」とした。なお、一番多かった回答が同数だった場合は、劣る評価の方を「乳のコク味の評価」とした。
◎:極めて良好な乳のコク味が付与されている。
○+:良好な乳のコク味が付与されている。
○:乳のコク味が付与されたと感じられる。
△:乳のコク味が付与されたと感じられない。
×:乳のコク味が感じられず、おいしくない。
<適用例5 ミルクティーの製造>
上記実施例1〜9で得られた乳風味増強剤A〜Iを使用し、表6記載の配合で、下記の製法により、ミルクティーA〜K(実施例54〜64)を得た。なお、比較品として乳糖(比較例25)、スクラロース(比較例26)、フラクトオリゴ糖(比較例27)、カップリングシュガー(比較例28)、還元水飴(比較例29)を使用したものについても、同様に表6に記載の配合で、下記の製法により、ミルクティーL〜Pを得た。更に比較評価用として、乳風味増強剤も比較品も使用しないミルクティーQ(比較例30)も同様に製造した。
なお、ミルクティーA〜Qのガラクトオリゴ糖含有量、乳蛋白質含量、乳蛋白質1質量部に対するガラクトオリゴ糖添加量、及び、甘味度についても表6に記載した。
〔製法〕
市販の紅茶葉6.5gをお湯500gで抽出したものを紅茶抽出液とした。
表6に記載の配合に従い、各乳風味増強剤又は比較品を含む残りの材料を混合・溶解した。
〔評価〕
得られたミルクティーA〜Pについて、乳風味強度、乳風味質、及び、乳のコク味を、下記の方法で評価した。評価結果については表6に記載した。
評価は15名のパネラーによって以下のように行った。
乳風味強度については、ミルクティーQを4点とした1点〜7点の7段階評価をしてもらい、その平均点によって、下記の8段階評価とした。
◎+++:平均点が6.5点以上
◎++:平均点が6.0点以上6.5点未満
◎+:平均点が5.5点以上6.0点未満
◎:平均点が5.0点以上5.5点未満
○:平均点が4.5点以上5.0点未満
○−:平均点が4.0点以上4.5点未満
△:平均点が3.5点以上4.0点未満
×:平均点が3.5点未満
乳風味質については、ミルクティーQに比べて甘味が強い、苦味がする、塩味がする等、違和感を覚えた場合は+、特に無ければ−と回答してもらい、+の回答数により、下記の4段階評価とした。
◎:+の回答数が0名
○:+の回答数が1〜2名
△:+の回答数が3〜4名
×:+の回答数が5名以上
乳のコク味については、ミルクティーQと比較して下記の評価基準により5段階評価をしてもらい、一番多かった回答を「乳のコク味の評価」とした。なお、一番多かった回答が同数だった場合は、劣る評価の方を「乳のコク味の評価」とした。
◎:極めて良好な乳のコク味が付与されている。
○+:良好な乳のコク味が付与されている。
○:乳のコク味が付与されたと感じられる。
△:乳のコク味が付与されたと感じられない。
×:乳のコク味が感じられず、おいしくない。
<適用例6 ミルクサブレの製造>
上記実施例1〜9で得られた乳風味増強剤A〜Iを使用し、表7記載の配合で、下記の製法により、ミルクサブレA〜K(実施例65〜75)を得た。なお、比較品として乳糖(比較例31)、スクラロース(比較例32)、フラクトオリゴ糖(比較例33)、カップリングシュガー(比較例34)、還元水飴(比較例35)を使用したものについても、同様に表7に記載の配合で、下記の製法により、ミルクサブレL〜Pを得た。更に比較評価用として、乳風味増強剤も比較品も使用しないミルクサブレQ(比較例36)も同様に製造した。なお、ミルクサブレA〜Qは、全てそれらの焼成前の生地の水分含量は24%、焼成後のミルクサブレの水分は7%であった。
なお、ミルクサブレA〜Qのガラクトオリゴ糖含有量、乳蛋白質含量、乳蛋白質1質量部に対するガラクトオリゴ糖添加量、及び、甘味度についても表7に記載した。なお、ガラクトオリゴ糖含有量、乳蛋白質含量、及び、甘味度については、上記焼成前後の水分含量をもとに焼減率を算出し、該焼減率を加味して算出した。
〔製法〕シュガーバッター法
室温で調温したバターに砂糖を加えて、白色のペースト状になるまでよく混合した。
そこに、全卵を加え、更に薄力粉と、各乳風味増強剤もしくは比較品を含む残りの原料を加え、よく混練した。
厚さ5mmに圧延し、直径60mmの型で打ち抜き成型後、固定オーブンで180℃、10分焼成した。
〔評価〕
得られたミルクサブレA〜Pについて、乳風味強度、乳風味質、及び、乳のコク味を、下記の方法で評価した。評価結果については表7に記載した。
評価は15名のパネラーによって以下のように行った。
乳風味強度については、ミルクサブレQを4点とした1点〜7点の7段階評価をしてもらい、その平均点によって、下記の8段階評価とした。
◎+++:平均点が6.5点以上
◎++:平均点が6.0点以上6.5点未満
◎+:平均点が5.5点以上6.0点未満
◎:平均点が5.0点以上5.5点未満
○:平均点が4.5点以上5.0点未満
○−:平均点が4.0点以上4.5点未満
△:平均点が3.5点以上4.0点未満
×:平均点が3.5点未満
乳風味質については、ミルクサブレQに比べて甘味が強い、苦味がする、塩味がする等、違和感を覚えた場合は+、特に無ければ−と回答してもらい、+の回答数により、下記の4段階評価とした。
◎:+の回答数が0名
○:+の回答数が1〜2名
△:+の回答数が3〜4名
×:+の回答数が5名以上
乳のコク味については、ミルクサブレQと比較して下記の評価基準により5段階評価をしてもらい、一番多かった回答を「乳のコク味の評価」とした。なお、一番多かった回答が同数だった場合は、劣る評価の方を「乳のコク味の評価」とした。
◎:極めて良好な乳のコク味が付与されている。
○+:良好な乳のコク味が付与されている。
○:乳のコク味が付与されたと感じられる。
△:乳のコク味が付与されたと感じられない。
×:乳のコク味が感じられず、おいしくない。
<適用例7 ヨーグルトドリンクの製造>
上記実施例1〜9で得られた乳風味増強剤A〜Iを使用し、表8記載の配合で、下記の製法により、ヨーグルトドリンクA〜K(実施例76〜86)を得た。なお、比較品として乳糖(比較例37)、スクラロース(比較例38)、フラクトオリゴ糖(比較例39)、カップリングシュガー(比較例40)、還元水飴(比較例41)を使用したものについても、同様に表8に記載の配合で、下記の製法により、ヨーグルトドリンクL〜Pを得た。更に比較評価用として、乳風味増強剤も比較品も使用しないヨーグルトドリンクQ(比較例42)も同様に製造した。
なおヨーグルトドリンクA〜Qのガラクトオリゴ糖含有量、乳蛋白質含量、乳蛋白質1質量部に対するガラクトオリゴ糖添加量、及び、甘味度についても表8に記載した。
〔製法〕
市販のヨーグルト、牛乳、蜂蜜及び各乳風味増強剤もしくは比較品を加えてよく混ぜた。
〔評価〕
得られたヨーグルトドリンクA〜Pについて、乳風味強度、乳風味質、及び、乳のコク味を、下記の方法で評価した。評価結果については表8に記載した。
評価は15名のパネラーによって以下のように行った。
乳風味強度については、ヨーグルトドリンクQを4点とした1点〜7点の7段階評価をしてもらい、その平均点によって、下記の8段階評価とした。
◎+++:平均点が6.5点以上
◎++:平均点が6.0点以上6.5点未満
◎+:平均点が5.5点以上6.0点未満
◎:平均点が5.0点以上5.5点未満
○:平均点が4.5点以上5.0点未満
○−:平均点が4.0点以上4.5点未満
△:平均点が3.5点以上4.0点未満
×:平均点が3.5点未満
乳風味質については、ヨーグルトドリンクQに比べて甘味が強い、苦味がする、塩味がする等、違和感を覚えた場合は+、特に無ければ−と回答してもらい、+の回答数により、下記の4段階評価とした。
◎:+の回答数が0名
○:+の回答数が1〜2名
△:+の回答数が3〜4名
×:+の回答数が5名以上
乳のコク味については、ヨーグルトドリンクQと比較して下記の評価基準により5段階評価をしてもらい、一番多かった回答を「乳のコク味の評価」とした。なお、一番多かった回答が同数だった場合は、劣る評価の方を「乳のコク味の評価」とした。
◎:極めて良好な乳のコク味が付与されている。
○+:良好な乳のコク味が付与されている。
○:乳のコク味が付与されたと感じられる。
△:乳のコク味が付与されたと感じられない。
×:乳のコク味が感じられず、おいしくない。
<適用例8 ホイップクリームの製造>
上記実施例1〜9で得られた乳風味増強剤A〜Iを使用し、表9記載の配合で、下記の製法により、ホイップクリームA〜K(実施例87〜97)を得た。なお、比較品として乳糖(比較例43)、スクラロース(比較例44)、フラクトオリゴ糖(比較例45)、カップリングシュガー(比較例46)、還元水飴(比較例47)を使用したものについても、同様に表9に記載の配合で、下記の製法により、ホイップクリームL〜Pを得た。更に比較評価用として、乳風味増強剤も比較品も使用しないホイップクリームQ(比較例48)も同様に製造した。
なおホイップクリームA〜Qのガラクトオリゴ糖含有量、乳蛋白質含量、乳蛋白質1質量部に対するガラクトオリゴ糖添加量、及び、甘味度についても表9に記載した。
〔製法〕
表9に記載の配合表のうち、油相と表記のある原料を混合、溶解して得られた油相を55℃に調温した。
なお、上記油相を構成する油脂のうち、エステル交換油Iは、ヨウ素価65のパーム分別軟部油を、化学触媒を用いてランダムエステル交換したエステル交換油脂(融点28℃)であり、エステル交換油IIは、パーム核油及びパーム極度硬化油を80:20(前者:後者)の質量比率で混合した油脂を、化学触媒を用いてランダムエステル交換したエステル交換油脂(融点33℃)である。
一方、表9記載の配合表のうち、水相と表記のある原料を混合、溶解して得られた水相を55℃に調温した。
続いて上記水相に、上記油相を添加して攪拌して得られた予備乳化液を、バルブ式ホモジナイザー(アルファラバル社製:ホモジナイザー)を用いて、2MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で140℃、4秒間殺菌し、再度3MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却し、更に24時間5℃でエージングすることにより、ホイップクリームを得た。
〔評価〕
得られたホイップクリームA〜Pは最適起泡状態にホイップし、乳風味強度、乳風味質、及び、乳のコク味を、下記の方法で評価した。評価結果については表9に記載した。
評価は15名のパネラーによって以下のように行った。
乳風味強度については、ホイップクリームQを4点とした1点〜7点の7段階評価をしてもらい、その平均点によって、下記の8段階評価とした。
◎+++:平均点が6.5点以上
◎++:平均点が6.0点以上6.5点未満
◎+:平均点が5.5点以上6.0点未満
◎:平均点が5.0点以上5.5点未満
○:平均点が4.5点以上5.0点未満
○−:平均点が4.0点以上4.5点未満
△:平均点が3.5点以上4.0点未満
×:平均点が3.5点未満
乳風味質については、ホイップクリームQに比べて甘味が強い、苦味がする、塩味がする等、違和感を覚えた場合は+、特に無ければ−と回答してもらい、+の回答数により、下記の4段階評価とした。
◎:+の回答数が0名
○:+の回答数が1〜2名
△:+の回答数が3〜4名
×:+の回答数が5名以上
乳のコク味については、ホイップクリームQと比較して下記の評価基準により5段階評価をしてもらい、一番多かった回答を「乳のコク味の評価」とした。なお、一番多かった回答が同数だった場合は、劣る評価の方を「乳のコク味の評価」とした。
◎:極めて良好な乳のコク味が付与されている。
○+:良好な乳のコク味が付与されている。
○:乳のコク味が付与されたと感じられる。
△:乳のコク味が付与されたと感じられない。
×:乳のコク味が感じられず、おいしくない。
<適用例9 プルマン型食パンの製造>
上記実施例1〜9で得られた乳風味増強剤A〜Iを使用し、表10記載の配合で、下記の製法により、プルマン型食パンA〜K(実施例98〜108)を得た。なお、比較品として乳糖(比較例49)、スクラロース(比較例50)、フラクトオリゴ糖(比較例51)、カップリングシュガー(比較例52)、還元水飴(比較例53)を使用したものについても、同様に表10に記載の配合で、下記の製法により、プルマン型食パンL〜Pを得た。更に比較評価用として、乳風味増強剤も比較品も使用しないプルマン型食パンQ(比較例54)も同様に製造した。なお、プルマン型食パンA〜Qの焼減率は10%であった。
なお、プルマン型食パンA〜Qのガラクトオリゴ糖含有量、乳蛋白質含量、乳蛋白質1質量部に対するガラクトオリゴ糖添加量、及び、甘味度についても表10に記載した。なお、ガラクトオリゴ糖含有量、乳蛋白質含量、及び、甘味度については、上記焼減率を加味して算出した。
〔製法〕
表10に記載の配合表のうち、中種生地と表記のある原料をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で2分、中速で2分混合し、中種生地を得た。捏ね上げ温度は24℃であった。この中種生地を生地ボックスに入れ、温度28℃、相対湿度85%の恒温室で、4時間中種醗酵を行なった。終点温度は29℃であった。この中種醗酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、更に、表10記載の配合表の本捏生地と表記のある原料のうち、マーガリンを除いた原料を添加し、低速で3分、中速で3分本捏ミキシングした。最後に、マーガリン8質量部を投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で3分、高速で1分ミキシングを行ない、食パン生地を得た。得られた食パン生地の、捏ね上げ温度は28℃であった。ここで、フロアタイムを20分とった後、230gに分割・丸目を行なった。次いで、ベンチタイムを20分とった後、モルダー成形し、6本をU字にして3斤型プルマン型に入れ、38℃、相対湿度85%で50分ホイロをとった後、蓋をして、200℃に設定した固定窯に入れ40分焼成してプルマン型食パンを得た。
〔評価〕
得られたプルマン型食パンA〜Pについて、乳風味強度、乳風味質、及び、乳のコク味を、下記の方法で評価した。評価結果については表10に記載した。
評価は15名のパネラーによって以下のように行った。
乳風味強度については、プルマン型食パンQを4点とした1点〜7点の7段階評価をしてもらい、その平均点によって、下記の8段階評価とした。
◎+++:平均点が6.5点以上
◎++:平均点が6.0点以上6.5点未満
◎+:平均点が5.5点以上6.0点未満
◎:平均点が5.0点以上5.5点未満
○:平均点が4.5点以上5.0点未満
○−:平均点が4.0点以上4.5点未満
△:平均点が3.5点以上4.0点未満
×:平均点が3.5点未満
乳風味質については、プルマン型食パンQに比べて甘味が強い、苦味がする、塩味がする等、違和感を覚えた場合は+、特に無ければ−と回答してもらい、+の回答数により、下記の4段階評価とした。
◎:+の回答数が0名
○:+の回答数が1〜2名
△:+の回答数が3〜4名
×:+の回答数が5名以上
乳のコク味については、プルマン型食パンQと比較して下記の評価基準により5段階評価をしてもらい、一番多かった回答を「乳のコク味の評価」とした。なお、一番多かった回答が同数だった場合は、劣る評価の方を「乳のコク味の評価」とした。
◎:極めて良好な乳のコク味が付与されている。
○+:良好な乳のコク味が付与されている。
○:乳のコク味が付与されたと感じられる。
△:乳のコク味が付与されたと感じられない。
×:乳のコク味が感じられず、おいしくない。
<適用例10 フラワーペーストの製造>
上記実施例1〜9で得られた乳風味増強剤A〜Iを使用し、表11記載の配合で、下記の製法により、カスタード風味のフラワーペーストA〜K(実施例109〜119)を得た。なお、比較品として乳糖(比較例55)、スクラロース(比較例56)、フラクトオリゴ糖(比較例57)、カップリングシュガー(比較例58)、還元水飴(比較例59)を使用したものについても、同様に表11に記載の配合で、下記の製法により、カスタード風味のフラワーペーストL〜Pを得た。更に比較評価用として、乳風味増強剤も比較品も使用しないカスタード風味のフラワーペーストQ(比較例60)も同様に製造した。
なお、フラワーペーストA〜Qのガラクトオリゴ糖含有量、乳蛋白質含量、乳蛋白質1質量部に対するガラクトオリゴ糖添加量、及び、甘味度についても表11に記載した。
〔製法〕
表11に記載の配合表のうち、油相と表記のある原料を混合、溶解して得られた油相を55℃に調温した。
なお、上記油相を構成する油脂のうち、エステル交換油Iは、ヨウ素価65のパーム分別軟部油を、化学触媒を用いてランダムエステル交換したエステル交換油脂(融点28℃)である。
一方、表11に記載の配合表のうち、水相と標記のある原料を混合、溶解して得られた水相を、55℃に調温した。
続いて上記水相に、上記油相を添加して攪拌して得られた予備乳化液を、均質化し、加熱殺菌し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填後、22℃まで冷却し、長さ400mm、幅200mm、厚さ8mmのシート状であるフラワーペーストを得た。
〔評価〕
得られたフラワーペーストA〜Pについて、乳風味強度、乳風味質、及び、乳のコク味を、下記の方法で評価した。評価結果については表11に記載した。
評価は15名のパネラーによって以下のように行った。
乳風味強度については、フラワーペーストQを4点とした1点〜7点の7段階評価をしてもらい、その平均点によって、下記の8段階評価とした。
◎+++:平均点が6.5点以上
◎++:平均点が6.0点以上6.5点未満
◎+:平均点が5.5点以上6.0点未満
◎:平均点が5.0点以上5.5点未満
○:平均点が4.5点以上5.0点未満
○−:平均点が4.0点以上4.5点未満
△:平均点が3.5点以上4.0点未満
×:平均点が3.5点未満
乳風味質については、フラワーペーストQに比べて甘味が強い、苦味がする、塩味がする等、違和感を覚えた場合は+、特に無ければ−と回答してもらい、+の回答数により、下記の4段階評価とした。
◎:+の回答数が0名
○:+の回答数が1〜2名
△:+の回答数が3〜4名
×:+の回答数が5名以上
乳のコク味については、フラワーペーストQと比較して下記の評価基準により5段階評価をしてもらい、一番多かった回答を「乳のコク味の評価」とした。なお、一番多かった回答が同数だった場合は、劣る評価の方を「乳のコク味の評価」とした。
◎:極めて良好な乳のコク味が付与されている。
○+:良好な乳のコク味が付与されている。
○:乳のコク味が付与されたと感じられる。
△:乳のコク味が付与されたと感じられない。
×:乳のコク味が感じられず、おいしくない。
<適用例11 バタークリームの製造>
上記実施例1〜9で得られた乳風味増強剤A〜Iを使用し、表12記載の配合で、下記の製法により、バタークリームA〜K(実施例120〜130)を得た。なお、比較品として乳糖(比較例61)、スクラロース(比較例62)、フラクトオリゴ糖(比較例63)、カップリングシュガー(比較例64)、還元水飴(比較例65)を使用したものについても、同様に表12に記載の配合で、下記の製法により、バタークリームL〜Pを得た。更に比較評価用として、乳風味増強剤も比較品も使用しないバタークリームQ(比較例66)も同様に製造した。
なおバタークリームA〜Qのガラクトオリゴ糖含有量、乳蛋白質含量、乳蛋白質1質量部に対するガラクトオリゴ糖添加量、及び、甘味度についても表12に記載した。
〔製法〕
表12に記載の配合表のうち、油相と表記のある原料を混合、溶解して得られた油相を55℃に調温した。
なお、上記油相を構成する油脂のうち、エステル交換油IIは、パーム核油及びパーム極度硬化油を80:20(前者:後者)の質量比率で混合した油脂を、化学触媒を用いてランダムエステル交換したエステル交換油脂(融点33℃)である。
一方、表12記載の配合表のうち、水相と表記のある原料を混合、溶解して得られた水相を55℃に調温した。
続いて上記油相に、上記水相を添加して攪拌して得られた予備乳化液を、80℃にて15秒間殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、バタークリームを製造した。
〔評価〕
得られたバタークリームA〜Pについて、乳風味強度、乳風味質、及び、乳のコク味を、下記の方法で評価した。評価結果については表12に記載した。
評価は15名のパネラーによって以下のように行った。
乳風味強度については、バタークリームQを4点とした1点〜7点の7段階評価をしてもらい、その平均点によって、下記の8段階評価とした。
◎+++:平均点が6.5点以上
◎++:平均点が6.0点以上6.5点未満
◎+:平均点が5.5点以上6.0点未満
◎:平均点が5.0点以上5.5点未満
○:平均点が4.5点以上5.0点未満
○−:平均点が4.0点以上4.5点未満
△:平均点が3.5点以上4.0点未満
×:平均点が3.5点未満
乳風味質については、バタークリームQに比べて甘味が強い、苦味がする、塩味がする等、違和感を覚えた場合は+、特に無ければ−と回答してもらい、+の回答数により、下記の4段階評価とした。
◎:+の回答数が0名
○:+の回答数が1〜2名
△:+の回答数が3〜4名
×:+の回答数が5名以上
乳のコク味については、バタークリームQと比較して下記の評価基準により5段階評価をしてもらい、一番多かった回答を「乳のコク味の評価」とした。なお、一番多かった回答が同数だった場合は、劣る評価の方を「乳のコク味の評価」とした。
◎:極めて良好な乳のコク味が付与されている。
○+:良好な乳のコク味が付与されている。
○:乳のコク味が付与されたと感じられる。
△:乳のコク味が付与されたと感じられない。
×:乳のコク味が感じられず、おいしくない。
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Claims (4)

  1. ガラクトオリゴ糖を、飲食品中のガラクトオリゴ糖の固形分として0.40質量%以下となる量で添加することを特徴とする、乳蛋白質含量が1.0質量未満である飲食品の乳風味増強方法であって、該飲食品中の乳蛋白質1質量部に対し、ガラクトオリゴ糖が0.01〜2質量部となる量を添加する飲食品の乳風味増強方法
  2. 更に、ガラクトオリゴ糖1質量部に対し乳清ミネラルを固形分換算で0.01〜1質量部添加することを特徴とする、請求項記載の乳風味増強方法。
  3. ガラクトオリゴ糖を有効成分とする乳風味増強剤を、飲食品中のガラクトオリゴ糖の固形分として0.40質量%以下となる量で含有することを特徴とする、乳蛋白質含量が1.0質量未満である飲食品であって、乳蛋白質1質量部に対し、ガラクトオリゴ糖を0.01〜2質量部となる量で含有する飲食品
  4. 更に、ガラクトオリゴ糖1質量部に対し乳清ミネラルを固形分換算で0.01〜1質量部含有することを特徴とする、請求項記載の飲食品。
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