JP5713010B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子 - Google Patents
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Description
ポリアミック産原料であるジアミン成分に、第1の必須成分として含まれる特定ジアミンは、次式(1)で表される。尚、本明細書では、式(1)の構造を有する特定ジアミンを「特定ジアミン(1)」のように表すことがある。
式(1)で表される特定ジアミン(1)の合成方法について述べる。
本実施の形態の液晶配向剤はポリアミック酸を含有するが、ポリアミック酸原料であるジアミン成分として、上記式(1)で表される特定ジアミンとともに、下記式(2−1)、式(2−2)および式(2−3)で表されるジアミン化合物からなる群から選択される少なくとも1種のジアミン化合物を含有する。
ジアミン化合物(3)を製造する方法は特に限定されないが、好ましい方法としては以下の方法が挙げられる。
ジアミン化合物(4)は、分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物、具体的には式(4)で表される化合物である。式(4)中、X5は炭素数6〜30の芳香族環を有する有機基であり、nは1〜4の整数である。
本実施の形態の液晶配向剤は、上述のように、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分を反応させて得られるポリアミック酸を含有する。ポリアミック酸原料であるジアミン成分は、式(1)で表される特定ジアミンを第1の必須成分として含有し、第2の必須成分として、式(2−1)、式(2−2)および式(2−3)で表されるジアミン化合物からなる群から選択される少なくとも1種のジアミン化合物または式(4)で表されるジアミン化合物またはそれらの両方を含有する。また、ジアミン成分は、式(3)で表されるジアミン化合物を第3のジアミン成分として含有することも可能である。さらに、ジアミン成分は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、式(1)、(2−1)〜(2−3)、(3)、(4)で表されるジアミン化合物以外に、その他のジアミン化合物を含有することも可能である。その他のジアミンは特に限定されない。その他のジアミン化合物は下記式(7)で表すことができる。
上記式(7)中、R5は2価の有機基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基を表す。R5の具体例としては以下の表[4−1]〜表[4−4]に記載される2価の有機基を挙げることができる。
本実施の形態の液晶配向剤に含まれるポリアミック酸は、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分との間の反応で得られる。ジアミン成分は、上述したように、上記式(1)で表される特定ジアミンとともに上述した他のジアミン化合物を含むものである。一方、テトラカルボン酸誘導体としては、テトラカルボン酸二無水物成分が好適である。
本実施の形態の液晶配向剤は、以上のようにして得られたポリアミック酸を含有するものであり、通常はこれらの重合体を有機溶媒に溶解させた塗布液とする。この液晶配向剤に含有される重合体は、上述したポリアミック酸以外に、他の構造を有する重合体を含有していてもよい。液晶配向剤に含有される有機溶媒は、含有する重合体を溶解させるものであれば特に限定されない。
本実施の形態の液晶配向剤は、基板上に塗布し焼成した後、ラビング処理または光照射などで配向処理をして用いられる。あるいは、垂直配向性の液晶表示素子に適用する場合などでは、配向処理なしに液晶配向膜として用いられる。この際に用いる基板は、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、または、アクリル基板およびポリカーボネート基板などのプラスチック基板などを用いることができるが、液晶駆動のためのITO(Indium Tin Oxide)電極などが形成された基板を用いることがプロセスの簡素化の観点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウェハなどの不透明な基板を使用することができる。尚、この場合の電極としては、アルミニウムなどの光を反射する材料も使用可能である。
本実施の形態の液晶表示素子は、上記した手法により本実施の形態の液晶配向剤から液晶配向膜付き基板を得た後、公知の方法で液晶セルを作製し、液晶表示素子としたものである。
DA−1:パラフェニレンジアミン
DA−2:1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレア
DA−3:3,5−ジアミノ安息香酸
DA−4:下記合成例2に記載するジアミン化合物DA−4
DA−5:4,4’−ジアミノジフェニルアミン
DA−6:4,4’−ジアミノジフェニルメタン
CA−1:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
CA−2:ピロメリット酸二無水物
CA−3:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
DMSO:ジメチルスルホキシド
DA−2:1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレアの合成
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,δppm):8.11−8.08(4H,m),7.43−7.40(4H,m),5.89(2H,t),3.24−3.19(4H,q),2.76(4H,t).
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,δppm):6.85−6.82(4H,m),6.51−6.48(4H,m),5.78(2H,t),4.83(4H,s),3.14−3.09(4H,m),2.50−2.45(4H,m).
ジアミン化合物DA−4の合成
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,δppm):9.79(1H,t),9.10−9.09(2H,m),9.00−8.96(1H,m),8.61(1H,broad),8.50−8.48(1H,m),7.79−7.76(1H,m),7.40−7.36(1H,m),4.57(2H,s).
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,δppm):8.64(1H,t),8.50(1H,d),8.44(1H,d),7.67(1H,d),7.34(1H,q),6.23(2H,d),5.94(1H,s),4.87(4H,s),4.39(2H,d).
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコにDA−1を2.65g(24.5mmol)およびDA−2を3.14g(10.5mmol)入れ、N−メチル−2−ピロリドン71gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を6.55g(33.4mmol)を添加し、さらに固形分濃度が12質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下において、水温で4時間撹拌してポリアミック酸(A1)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、274mPa・sであった。このポリアミック酸溶液20.09gにN−メチル−2−ピロリドンを8.64g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を2.32gおよびブチルセロソルブ7.76g加え、A1の濃度が6.0質量%の液晶配向剤を得た。
上記の実施例1で得られた液晶配向剤を1.0μmのフィルタで濾過した後、透明電極付きガラス基板上にスピンコートし、80℃のホットプレート上で5分間乾燥後、220℃で20分間焼成して、膜厚100nmのポリイミド膜を得た。このポリイミド膜をレーヨン布でラビング(ロール径120mm、回転数1000rpm、移動速度20mm/sec、押し込み量0.4mm)した。この膜表面を、共焦点レーザ顕微鏡を用いて表面状態を観察し、倍率10倍で削れカスの有無と傷の有無を観察した。削れカスはなく、傷もなかった。この結果を表6に示す。
上記で得られた液晶配向剤を1.0μmのフィルタで濾過した後、ITO透明電極付きガラス基板上にスピンコートで塗布し、80℃のホットプレート上で5分間乾燥後、220℃で20分焼成し、膜厚200nmの塗膜(ポリイミド膜)を形成させた。この塗膜表面にマスクを介してアルミニウムを蒸着させ、1.0mmφの上部電極を形成し体積抵抗率測定用の試料とした。この試料のITO電極とアルミ電極との間に10Vの電圧を印加し、電圧印加から180秒後の電流値を測定し、この値と電極面積、膜厚の測定値とから体積抵抗率を算出した。また、試料基板の下にLEDのバックライトを設置しておき、点灯下と消灯下でそれぞれ測定を行い、光による体積抵抗率の変化を測定した。体積抵抗率の値が1×1014Ω・cm未満であり、且つ、LED消灯時の値(ρ1)をLED点灯時の値(ρ2)で割ったもの(ρ1/ρ2)が0.7〜1.5であれば「良好」、それ以外は「不良」とした。この結果を表7に示す。ρ1/ρ2は1.1であり、「良好」であった。
上記で得られた液晶配向剤を1.0μmのフィルタで濾過した後、石英基板上に配向剤をスピンコートで塗布し、80℃のホットプレート上で5分間乾燥後、220℃で20分焼成し、膜厚100nmの塗膜(ポリイミド膜)を形成させた。試料基板を島津製作所製UV−3100PCにより透過率を測定した。得られたデータから、350nm−750nmの平均透過率を算出し、その値が95%以上のものを「良好」、95%未満を「不良」と定義した。この結果は表6に示すように「良好」であった。
上記で得られた液晶配向剤を1.0μmのフィルタで濾過した後、透明電極付きガラス基板上にスピンコートで塗布し、80℃のホットプレート上で5分間乾燥後、220℃で20分間焼成して膜厚100nmの塗膜(ポリイミド膜)を得た。このポリイミド膜をレーヨン布でラビング(ロール径120mm、回転数1000rpm、移動速度30mm/sec、押し込み量0.2mm)した後、純水中にて1分間超音波照射を行い、80℃で10分間乾燥した。このような液晶配向膜付き基板を2枚用意し、一方の基板の液晶配向膜面に6μmのスペーサを設置した後、2枚の基板のラビング方向が逆平行になるように組み合わせ、液晶注入口を残して周囲をシールし、セルギャップが6μmの空セルを作製した。このセルに液晶(MLC−2041、メルク社製)を常温で真空注入し、注入口を封止して液晶配向がアンチパラレル配向の液晶セルとした。
上記で得られた液晶セルの配向状態を偏光顕微鏡にて観察し、配向欠陥があるものは「不良」、配向欠陥がないものを「良好」としたところ液晶配向性は良好であった。この結果を表6に示す。
上記と同様にして作製した液晶セルを用い、東陽テクニカ社製の6254型液晶物性評価装置を用いて測定を行った。測定は、10V、0.01Hzの三角波を印加し、得られた波形のイオン密度に相当する面積を三角形近似法により算出してイオン密度とした。測定の際、液晶セルの温度は60℃とした。この結果を表6に示す。
上記と同様にして作製した液晶セルを用い、東陽テクニカ社製の6254型液晶物性評価装置による誘電吸収法で測定を行った。測定は、60℃の環境下で行い、30分間セルに10Vの直流電圧を印加した後、1秒間放電させ、その20分間後の残留DC量が500mV未満のものを「良好」、500mV以上のものを「不良」とした。この結果は表6に示す通り「良好」であった。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を2.39g(8.0mmol)およびDA−2を0.87g(8.0mmol)入れ、N−メチル−2−ピロリドン30gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を2.92g(14.9mmol)添加し、さらに固形分濃度が12質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下において、水温で4時間撹拌してポリアミック酸(A2)溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、281mPa・sであった。このポリアミック酸溶液16.98gにN−メチル−2−ピロリドンを8.09g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を2.03gおよびブチルセロソルブ6.77gを加え、A2の濃度が6.0質量%の液晶配向剤を得た。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、DA−1を2.65g(24.5mmol)およびDA−2を3.14g(10.5mmol)入れ、N−メチル−2−ピロリドン85gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を5.25g(26.8mmol)添加し、窒素雰囲気下において、水温で2時間撹拌した。その後、CA−3を1.76g(7.0mmol)添加し、さらに固形分濃度が12質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下において、50℃で16時間撹拌してポリアミック酸(A3)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、289mPa・sであった。このポリアミック酸溶液15.55gにN−メチル−2−ピロリドンを7.02g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を1.83gおよびブチルセロソルブを6.10g加え、A3の濃度が6.0質量%の液晶配向剤を得た。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を1.37g(12.6mmol)およびDA−2を1.62g(5.4mmol)入れ、N−メチル−2−ピロリドン36.93gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を2.98g(15.2mmol)添加し、窒素雰囲気下において、水温で2時間撹拌した。その後、CA−2を0.39g(1.8mmol)添加し、さらに固形分濃度が12質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下において、水温で3時間撹拌してポリアミック酸(A4)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、261mPa・sであった。このポリアミック酸溶液16.09gにN−メチル−2−ピロリドンを6.96g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を1.86gおよびブチルセロソルブを6.22g加え、A4の濃度が6.0質量%の液晶配向剤を得た。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、DA−1を1.94g(18.0mmol)、DA−2を2.69g(9.0mmol)およびDA−4を0.72g(3.0mmol)入れ、N−メチル−2−ピロリドン64.5gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を5.67g(28.8mmol)添加し、さらに固形分濃度が12質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下において、水温で3時間撹拌してポリアミック酸(A5)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、281mPa・sであった。このポリアミック酸溶液15.58gにN−メチル−2−ピロリドンを6.47g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を1.78gおよびブチルセロソルブを5.95g加え、A5の濃度が6.0質量%の液晶配向剤を得た。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を0.64g(6.0mmol)、DA−2を2.98g(10.0mmol)およびDA−3を0.60g(4.0mmol)入れ、N−メチル−2−ピロリドン33.5gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を3.72g(19.0mmol)添加し、さらに固形分濃度が15質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下において、水温で4時間撹拌してポリアミック酸(A6)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、514mPa・sであった。このポリアミック酸溶液12.07gにN−メチル−2−ピロリドンを10.14g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を1.79gおよびブチルセロソルブを5.99g加え、A6の濃度が6.0質量%の液晶配向剤を得た。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、DA−2を6.27g(21.0mmol)、DA−3を1.07g(7.0mmol)およびDA−4を1.70g(7.0mmol)入れ、N−メチル−2−ピロリドン60.3gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を6.67g(34.0mmol)添加し、さらに固形分濃度が15質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下において、水温で3時間撹拌してポリアミック酸(A7)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、433mPa・sであった。このポリアミック酸溶液14.94gにN−メチル−2−ピロリドンを14.6g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を2.39gおよびブチルセロソルブを7.98g加え、A7の濃度が6.0質量%の液晶配向剤を得た。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、DA−2を8.96g(30.0mmol)、DA−3を3.04g(20.0mmol)入れ、N−メチル−2−ピロリドン83.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を9.41g(48.0mmol)添加し、さらに固形分濃度が15質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下において、水温で6時間撹拌してポリアミック酸(A8)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、399mPa・sであった。このポリアミック酸溶液20.20gにN−メチル−2−ピロリドンを22.22g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を3.18gおよびブチルセロソルブを10.61g加え、A8の濃度が5.5質量%の液晶配向剤を得た。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコにDA−1を1.55g(14.4mmol)、DA−2を0.48g(1.6mmol)を入れ、N−メチル−2−ピロリドン31.2gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を3.04g(15.5mmol)を添加し、更に固形分濃度が10質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、水温で6時間撹拌してポリアミック酸(A9)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、180mPa・sであった。このポリアミック酸溶液20.20gにN−メチル−2−ピロリドンを4.89g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を2.02g、及びブチルセロソルブを6.74g加え、A9の濃度が6.0質量%の液晶配向剤を得た。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの200ml四つ口フラスコにDA−1を4.41g(40.8mmol)、DA−2を6.09g(20.4mmol)、DA−5を1.35g(6.8mmol)入れ、N−メチル−2−ピロリドン144.5gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を9.89g(50.5mmol)を添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、水温で2時間撹拌した。その後、撹拌しながらCA−2を2.96g(13.4mmol)を添加し、さらに4時間攪拌しポリアミック酸(A10)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、288mPa・sであった。このポリアミック酸溶液57.14gにN−メチル−2−ピロリドンを24.26g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を6.60g、及びブチルセロソルブを22g加え、A10の濃度が6.0質量%の液晶配向剤を得た。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの200ml四つ口フラスコにDA−1を3.67g(33.9mmol)、DA−2を6.08g(20.4mmol)、DA−5を2.70g(13.6mmol)入れ、N−メチル−2−ピロリドン148.1gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を9.86g(49.8mmol)を添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、水温で2時間撹拌した。その後、撹拌しながらCA−2を2.96g(13.4mmol)を添加し、さらに4時間攪拌しポリアミック酸(A11)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、307mPa・sであった。このポリアミック酸溶液57.54gにN−メチル−2−ピロリドンを23.86g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を6.60g、及びブチルセロソルブを22g加え、A11の濃度が6.0質量%の液晶配向剤を得た。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの200ml四つ口フラスコにDA−1を4.41g(40.8mmol)、DA−2を6.09g(20.4mmol)、DA−5を1.35g(6.8mmol)入れ、N−メチル−2−ピロリドン144.1gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を11.23g(57.3mmol)を添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下、水温で2時間撹拌した。その後、撹拌しながらCA−2を1.49g(6.8mmol)を添加し、さらに4時間攪拌しポリアミック酸(A12)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、288mPa・sであった。このポリアミック酸溶液57.84gにN−メチル−2−ピロリドンを23.56g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を6.60g、及びブチルセロソルブを22g加え、A12の濃度が6.0質量%の液晶配向剤を得た。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの300ml四つ口フラスコにDA−6を19.83g(100.0mmol)入れ、N−メチル−2−ピロリドン111.0g、γ−ブチルラクトン111.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を8.43g(43.0mmol)を添加し、水温で2時間撹拌した。その後、撹拌しながらCA−2を10.91g(50.0mmol)を添加し、さらに6時間攪拌しポリアミック酸(PA1)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、323mPa・sであった。このポリアミック酸溶液25.00gにγ―ブチルラクトン25.1g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を3.58g、及びブチルセロソルブを9.38g加え、PA1の濃度が6.0質量%の溶液を得た。そして、得られたPA1の濃度が6.0質量%の溶液を5.0gと、実施例1で得られたA1の濃度が6.0質量%の溶液20.0gを混合し、PA1とA1の混合比がPA1:A1=1:4(重量比)の液晶配向剤を得た。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、DA−1を3.78g(35.0mmol)入れ、N−メチル−2−ピロリドン83.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を6.52g(33.3mmol)添加し、さらに固形分濃度が10質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下において、水温で4時間撹拌してポリアミック酸(B1)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、110mPa・sであった。このポリアミック酸溶液15.00gにN−メチル−2−ピロリドンを4.31g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を1.47gおよびブチルセロソルブを3.67g加え、B1の濃度が6.0質量%の液晶配向剤を得た。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、DA−2を6.27g(21.0mmol)入れ、N−メチル−2−ピロリドン83.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を3.92g(20.0mmol)添加し、さらに固形分濃度が10質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下において、水温で4時間撹拌してポリアミック酸(B2)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、129mPa・sであった。このポリアミック酸溶液24.00gにN−メチル−2−ピロリドンを2.40g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を1.60gおよびブチルセロソルブを12.00g加え、B2の濃度が6.0質量%の液晶配向剤を得た。
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、DA−5を4.58g(23.0mmol)入れ、N−メチル−2−ピロリドン65.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を4.33g(22.1mmol)添加し、さらに固形分濃度が10質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下において、水温で4時間撹拌してポリアミック酸(B3)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業社製)で確認したところ、223mPa・sであった。このポリアミック酸溶液15.11gにN−メチル−2−ピロリドンを7.74g、3−アミノプロピルトリエトキシシランが1.0重量%入ったN−メチル−2−ピロリドン溶液を1.52gおよびブチルセロソルブを6.09g加え、B3の濃度が5.0質量%の液晶配向剤を得た。
Claims (9)
- ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分を反応させて得られるポリアミック酸を含有する液晶配向剤であって、
前記ジアミン成分は、式(1)で表されるジアミン化合物を5〜60モル%含有し、式(2−1)、式(2−2)および式(2−3)で表されるジアミン化合物からなる群から選択される少なくとも1種のジアミン化合物を40〜95モル%含有することを特徴とする液晶配向剤。
(式(1)中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Y1およびY2はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−OCO−または−COO−であり、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキレン基である。)
- 前記ジアミン成分が式(3)で表されるジアミン化合物を20モル%以下の量で含有することを特徴とする請求項1に記載の液晶配向剤。
(式(3)中、X1は−CONQ1−、−O−、−NQ1−、−NQ1CO−、−CH2O−および−OCO−からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Q1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、X2は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基および芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基または単結合であり、X3は単結合、または、−O−、−NQ2−、−CONQ2−、−NQ2CO−、−COO−、−OCO−および−O(CH2)m−(mは1〜5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Q2は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、X4は1価の窒素含有芳香族複素環であり、nは1〜4の整数である。) - ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分を反応させて得られるポリアミック酸を含有する液晶配向剤であって、
前記ジアミン成分は、式(1)で表されるジアミン化合物を40〜70モル%含有し、式(4)で表されるジアミン化合物を30モル%以上含有することを特徴とする液晶配向剤。
(式(1)中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Y1およびY2はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−OCO−または−COO−であり、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキレン基である。)
(式(4)中、X5は炭素数6〜30の芳香族環を有する有機基であり、nは1〜4の整数である。) - 前記ジアミン成分が式(3)で表されるジアミン化合物を20モル%以下の量で含有することを特徴とする請求項3に記載の液晶配向剤。
(式(3)中、X1は−CONQ1−、−O−、−NQ1−、−NQ1CO−、−CH2O−および−OCO−からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Q1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、X2は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基および芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基または単結合であり、X3は単結合、または、−O−、−NQ2−、−CONQ2−、−NQ2CO−、−COO−、−OCO−および−O(CH2)m−(mは1〜5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Q2は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、X4は1価の窒素含有芳香族複素環であり、nは1〜4の整数である。) - ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分を反応させて得られるポリアミック酸を含有する液晶配向剤であって、
前記ジアミン成分は、式(1)で表されるジアミン化合物を20〜60モル%含有するとともに、
式(2−1)、式(2−2)および式(2−3)で表されるジアミン化合物からなる群から選択される少なくとも1種のジアミン化合物と式(4)で表されるジアミン化合物とを95:5〜40:60のモル比で合計40〜80モル%含有することを特徴とする請求項4に記載の液晶配向剤。
(式(1)中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Y1およびY2はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−OCO−または−COO−であり、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキレン基である。)
(式(4)中、X5は炭素数6〜30の芳香族環を有する有機基であり、nは1〜4の整数である。) - 前記ジアミン成分が式(3)で表されるジアミン化合物を20モル%以下の量で含有することを特徴とする請求項5に記載の液晶配向剤。
(式(3)中、X1は−CONQ1−、−O−、−NQ1−、−NQ1CO−、−CH2O−および−OCO−からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Q1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、X2は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基および芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基または単結合であり、X3は単結合、または、−O−、−NQ2−、−CONQ2−、−NQ2CO−、−COO−、−OCO−および−O(CH2)m−(mは1〜5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Q2は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、X4は1価の窒素含有芳香族複素環であり、nは1〜4の整数である。) - ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分を反応させて得られるポリアミック酸を含有する液晶配向剤であって、
前記ジアミン成分は、式(1)で表されるジアミン化合物を50モル%以上含有するとともに、残りの成分が式(4)で表されるジアミン化合物と式(3)で表されるジアミン化合物とを90:10〜40:60のモル比となるよう含有することを特徴とする液晶配向剤。
(式(1)中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Y1およびY2はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−OCO−または−COO−であり、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキレン基である。)
(式(4)中、X5は炭素数6〜30の芳香族環を有する有機基であり、nは1〜4の整数である。)
(式(3)中、X1は−CONQ1−、−O−、−NQ1−、−NQ1CO−、−CH2O−および−OCO−からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Q1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、X2は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基および芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基または単結合であり、X3は単結合、または、−O−、−NQ2−、−CONQ2−、−NQ2CO−、−COO−、−OCO−および−O(CH2)m−(mは1〜5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Q2は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、X4は1価の窒素含有芳香族複素環であり、nは1〜4の整数である。) - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶配向剤から得られることを特徴とする液晶配向膜。
- 請求項8に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
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