JP2013167799A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示品位を改善することが可能な液晶表示装置を提供する。
【解決手段】スイッチング素子と、共通電極と、スリットが形成された画素電極と、前記画素電極を覆う第1配向膜と、を備えた第1基板と、前記第1配向膜と対向する第2配向膜を備えた第2基板と、前記第1基板の前記第1配向膜と前記第2基板の前記第2配向膜との間に保持された液晶層と、を備え、前記第1配向膜及び前記第2配向膜は、バックライトが消灯した状態での第1体積固有抵抗値(ρ(光off))が1.0×1013(Ω・cm)より小さく、バックライトが点灯した状態での第2体積固有抵抗値(ρ(光on))に対する第1体積固有抵抗値(ρ(光off))の比((ρ(光off))/(ρ(光on)))に相当する光応答特性が3より小さく、しかも、表面エネルギー(γ)における分散成分(γd)の比(γd/γ)が0.75より大きい材料によって構成された液晶表示装置。
【選択図】 図5

Description

本発明の実施形態は、液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力などの特徴を生かして、パーソナルコンピュータなどのOA機器やテレビなどの表示装置として各種分野で利用されている。近年では、液晶表示装置は、携帯電話などの携帯端末機器や、カーナビゲーション装置、ゲーム機などの表示装置としても利用されている。
近年では、Fringe Field Switching(FFS)モードやIn−Plane Switching(IPS)モードの液晶表示パネルが実用化されている。このようなFFSモードやIPSモードの液晶表示パネルは、画素電極及び共通電極を備えたアレイ基板と、対向基板との間に液晶層を保持した構成であり、液晶層の液晶分子を基板と平行な面内で回転させることでスイッチングを実現するものである。このような表示モードは、広視野角であるなどの利点を有している。
このようなFFSモードやIPSモードの構成に適用される配向膜材料において、体積抵抗値などの種々の物性が検討されている。
特開2003−5187号公報
本実施形態の目的は、表示品位を改善することが可能な液晶表示装置を提供することにある。
本実施形態によれば、
各画素に配置されたスイッチング素子と、複数の画素に亘って配置された共通電極と、前記共通電極の上に配置された絶縁膜と、前記スイッチング素子と電気的に接続されるとともに前記絶縁膜の上において各画素に配置され前記共通電極と向かい合うスリットが形成された画素電極と、前記画素電極を覆うとともに前記スリットの長軸に対して交差する方向に配向処理された第1配向膜と、を備えた第1基板と、前記第1配向膜と対向するとともに前記第1配向膜の配向処理方向と平行かつ逆向きに配向処理された第2配向膜を備えた第2基板と、前記第1基板の前記第1配向膜と前記第2基板の前記第2配向膜との間に保持された液晶分子を含む液晶層と、前記第1基板の背面側に配置されたバックライトと、を備え、前記第1配向膜及び前記第2配向膜は、前記バックライトが消灯した状態での第1体積固有抵抗値(ρ(光off))が1.0×1013(Ω・cm)より小さく、前記バックライトが点灯した状態での第2体積固有抵抗値(ρ(光on))に対する第1体積固有抵抗値(ρ(光off))の比((ρ(光off))/(ρ(光on)))に相当する光応答特性が3より小さく、しかも、表面エネルギー(γ)における分散成分(γd)の比(γd/γ)が0.75より大きい材料によって構成されたことを特徴とする液晶表示装置が提供される。
本実施形態によれば、
各画素に配置されたスイッチング素子と、複数の画素に亘って配置された共通電極と、前記共通電極の上に配置された絶縁膜と、前記スイッチング素子と電気的に接続されるとともに前記絶縁膜の上において各画素に配置され前記共通電極と向かい合うスリットが形成された画素電極と、前記画素電極を覆うとともに前記スリットの長軸に対して交差する方向に配向処理された第1配向膜と、を備えた第1基板と、前記第1配向膜と対向するとともに前記第1配向膜の配向処理方向と平行かつ逆向きに配向処理された第2配向膜を備えた第2基板と、前記第1基板の前記第1配向膜と前記第2基板の前記第2配向膜との間に保持された液晶分子を含む液晶層と、前記第1基板の背面側に配置されたバックライトと、を備え、前記第1配向膜及び前記第2配向膜は、前記バックライトが消灯した状態での体積固有抵抗値(ρ(光off))が5.0×1012(Ω・cm)より大きく、前記バックライトが点灯した状態と消灯した状態とでの電流値変化が4.0×10−13より小さく、誘電率が4.2より小さい材料によって構成されたことを特徴とする液晶表示装置が提供される。
図1は、本実施形態の液晶表示装置の断面構造を概略的に示す図である。 図2は、図1に示したアレイ基板における画素の構造を対向基板側から見た概略平面図である。 図3は、配向膜材料A乃至Dのそれぞれについての物性値と、フリッカー及び焼き付きの有無の確認結果を示す図である。 図4は、測定開始から60分間のフリッカーの測定結果を示す図である。 図5は、輝度変動率(%)の配向膜材料の厚さ依存性を説明するための図である。 図6は、配向膜材料TypeA乃至Fのそれぞれについての物性値と、フリッカー及び焼き付きの有無の確認結果を示す図である。 図7は、測定開始から120分間のフリッカーの測定結果を示す図である。 図8は、輝度変動率(%)の測定結果を示す図である。
以下、本実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態の液晶表示装置の断面構造を概略的に示す図である。
すなわち、液晶表示装置は、アクティブマトリクスタイプの透過型の液晶表示パネルLPNを備えている。液晶表示パネルLPNは、第1基板であるアレイ基板ARと、アレイ基板ARに対向して配置された第2基板である対向基板CTと、これらのアレイ基板ARと対向基板CTとの間に保持された液晶層LQと、を備えている。このような液晶表示パネルLPNは、画像を表示するアクティブエリアACTを備えている。このアクティブエリアACTは、複数の画素PXによって構成されているが、図1では、一画素のみを図示している。
図示した例の液晶表示パネルLPNは、FFSモードあるいはIPSモードに適用可能な構成であり、アレイ基板ARが画素電極PE及び共通電極CEを備えている。このような構成の液晶表示パネルLPNでは、画素電極PE及び共通電極CEの間に形成される横電界(例えば、フリンジ電界のうちの基板の主面にほぼ平行な電界)を主に利用して液晶層LQに含まれる液晶分子をスイッチングする。
アレイ基板ARは、ガラス基板などの光透過性を有する第1絶縁基板10を用いて形成されている。このアレイ基板ARは、第1絶縁基板10の内面(すなわち対向基板CTに対向する側)10Aに、図示しないゲート配線やソース配線のほかに、各画素PXに配置されたスイッチング素子SW及び画素電極PE、複数の画素に亘って配置された共通電極CE、第1配向膜AL1などを備えている。
ここに示したスイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)であり、ゲート配線及びソース配線と電気的に接続されている。このスイッチング素子SWは、ポリシリコンやアモルファスシリコンによって形成された半導体層を備えている。なお、スイッチング素子SWは、トップゲート型あるいはボトムゲート型のいずれであっても良い。このようなスイッチング素子SWは、第1絶縁膜11によって覆われている。
共通電極CEは、第1絶縁膜11の上に配置されている。このような共通電極CEは、透明な導電材料、例えば、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などによって形成されている。この共通電極CEは、第2絶縁膜12によって覆われている。また、この第2絶縁膜12は、第1絶縁膜11の上にも配置されている。
画素電極PEは、第2絶縁膜12の上に配置され、共通電極CEと向かい合っている。この画素電極PEは、第1絶縁膜11及び第2絶縁膜12を貫通するコンタクトホールを介してスイッチング素子SWと電気的に接続されている。また、この画素電極PEには、第2絶縁膜12を介して共通電極CEと向かい合うスリットPSLが形成されている。このような画素電極PEは、透明な導電材料、例えば、ITOやIZOなどによって形成されている。この画素電極PEは、第1配向膜AL1によって覆われている。また、この第1配向膜AL1は、第2絶縁膜12の上にも配置されている。このような第1配向膜AL1は、水平配向性を示す材料(例えば、ポリイミド)によって形成され、アレイ基板ARの液晶層LQに接する面に配置されている。
一方、対向基板CTは、ガラス基板などの光透過性を有する第2絶縁基板30を用いて形成されている。この対向基板CTは、第2絶縁基板30の内面(すなわちアレイ基板ARに対向する側)30Aに、ブラックマトリクス31、カラーフィルタ32、オーバーコート層33、第2配向膜AL2などを備えている。
ブラックマトリクス31は、第2絶縁基板30の内面30Aにおいて、アレイ基板ARに設けられたゲート配線やソース配線、さらにはスイッチング素子SWなどの配線部に対向するように形成され、各画素PXを区画している。
カラーフィルタ32は、第2絶縁基板30の内面30Aに形成され、ブラックマトリクス31の上にも延在している。このカラーフィルタ32は、互いに異なる複数の色、例えば赤色、青色、緑色といった3原色にそれぞれ着色された樹脂材料によって形成されている。異なる色のカラーフィルタ32間の境界は、ブラックマトリクス31上に位置している。
オーバーコート層33は、カラーフィルタ32を覆っている。このオーバーコート層33は、ブラックマトリクス31やカラーフィルタ32の表面の凹凸を平坦化する。オーバーコート層33は、透明な樹脂材料によって形成されている。このようなオーバーコート層33は、第2配向膜AL2によって覆われている。この第2配向膜AL2は、水平配向性を示す材料(例えば、ポリイミド)によって形成され、対向基板CTの液晶層LQに接する面に配置されている。
上述したようなアレイ基板ARと対向基板CTとは、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2が向かい合うように配置されている。このとき、アレイ基板ARと対向基板CTの間には、一方の基板に形成された柱状スペーサにより、所定のセルギャップが形成される。アレイ基板ARと対向基板CTとは、セルギャップが形成された状態でシール材によって貼り合わせられている。液晶層LQは、これらのアレイ基板ARの第1配向膜AL1と対向基板CTの第2配向膜AL2との間に形成されたセルギャップに封入された液晶分子を含む液晶材料によって構成されている。このような液晶層LQは、例えば、誘電率異方性が正(ポジ型)の液晶材料によって構成されている。
このような構成の液晶表示パネルLPNに対して、アレイ基板ARの背面側には、バックライトBLが配置されている。バックライトBLとしては、種々の形態が適用可能であり、また、光源として発光ダイオード(LED)を利用したものや冷陰極管(CCFL)を利用したものなどのいずれでも適用可能であり、詳細な構造については説明を省略する。
アレイ基板ARの外面、すなわち第1絶縁基板10の外面10Bには、第1吸収軸を有する第1偏光板PL1が配置されている。また、対向基板CTの外面、すなわち第2絶縁基板30の外面30Bには、第1吸収軸とクロスニコルの位置関係にある第2吸収軸を有する第2偏光板PL2が配置されている。なお、第1絶縁基板10と第1偏光板PL1との間や、第2絶縁基板30と第2偏光板PL2との間には、位相差板など他の光学素子が配置されても良い。
図2は、図1に示したアレイ基板ARにおける画素PXの構造を対向基板CTの側から見た概略平面図である。なお、ここでは、説明に必要な主要部のみを図示している。
ゲート配線Gは、第1方向Xに沿ってそれぞれ延出している。このようなゲート配線Gは、第2方向Yに沿って第1ピッチで配置されている。ソース配線Sは、第2方向Yに沿ってそれぞれ延出している。このようなソース配線Sは、第1方向Xに沿って第1ピッチよりも小さい第2ピッチで配置されている。ゲート配線Gとソース配線Sとで規定された画素PXは、第1方向Xに沿った長さが第2方向Yに沿った長さよりも短い縦長の長方形状である。つまり、画素PXの第2方向Yに沿った長さはゲート配線間の第1ピッチに相当し、画素PXの第1方向Xに沿った長さはソース配線間の第2ピッチに相当する。なお、ゲート配線Gとソース配線Sとの交差部にはスイッチング素子が配置されているが図示を省略している。
共通電極CEは、第1方向Xに沿って延在している。すなわち、共通電極CEは、各画素PXに配置されるとともにソース配線Sの上方を跨いで、第1方向Xに隣接する複数の画素PXに亘って共通に形成されている。また、図示しないが、共通電極CEは、第2方向Yに隣接する複数の画素PXに亘って共通に形成されていても良い。
各画素PXに配置された画素電極PEは、それぞれ共通電極CEの上方に位置している。各画素電極PEは、各画素PXにおいて長方形状の画素形状に対応した島状に形成されている。図示した例では、画素電極PEは、第1方向Xに沿った長さが第2方向Yに沿った長さよりも短い概略長方形状に形成されている。このような各画素電極PEには、共通電極CEと向かい合う複数のスリットPSLが形成されている。図示した例では、スリットPSLのそれぞれは、第2方向Yに沿って延出しており、第2方向Yと平行な長軸を有している。なお、スリットPSLは、第1方向Xに平行な長軸を有するように形成しても良いし、第1方向X及び第2方向Yに交差する方向に平行な長軸を有するように形成しても良いし、くの字形に屈曲した形状に形成しても良い。
第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、基板主面(あるいは、X−Y平面)と平行な面内において、互いに平行な方位に配向処理(例えば、ラビング処理や光配向処理)されている。第1配向膜AL1は、スリットPSLの長軸(図2に示した例では第2方向Y)に対して45°以下の鋭角に交差する方向に沿って配向処理されている。第1配向膜AL1の配向処理方向R1は、例えば、第2方向Yに対して5°〜15°の角度をもって交差する方向である。また、第2配向膜AL2は、第1配向膜AL1の配向処理方向R1と平行な方向に沿って配向処理されている。第1配向膜AL1の配向処理方向R1と第2配向膜AL2の配向処理方向R2とは互いに逆向きである。
以下に、上記構成の液晶表示装置における動作について説明する。
液晶層LQに電圧が印加されていない状態、つまり、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されていない状態(OFF時)では、液晶層LQに含まれる液晶分子LMは、図2に実線で示したように、X−Y平面内において初期配向する(液晶分子LMが初期配向する方向を初期配向方向と称する)。なお、第1偏光板PL1の第1吸収軸A1または第2偏光板PL2の第2吸収軸A2は、液晶分子LMの初期配向方向と略平行である。図2に示した例では、第1吸収軸A1は初期配向方向と略平行であり、第2吸収軸A2は初期配向方向と略直交している。
OFF時には、バックライトBLからのバックライト光の一部は、第1偏光板PL1を透過し、液晶表示パネルLPNに入射する。液晶表示パネルLPNに入射した光は、第1偏光板PL1の第1吸収軸A1と直交する直線偏光である。このような直線偏光の偏光状態は、OFF時の液晶表示パネルLPNを通過した際にほとんど変化しない。このため、液晶表示パネルLPNを透過した直線偏光のほとんどは、第1偏光板PL1に対してクロスニコルの位置関係にある第2偏光板PL2によって吸収される(黒表示)。
一方、液晶層LQに電圧が印加された状態、つまり、画素電極PEと共通電極CEとの間にフリンジ電界が形成された状態(ON時)では、液晶分子LMは、図2に破線で示したように、X−Y平面内において、初期配向方向とは異なる方位に配向する。ポジ型の液晶材料においては、液晶分子LMは、その長軸がX−Y平面内において電界と略平行な方向を向くように配向する。
このようなON時には、第1偏光板PL1の第1吸収軸A1と直交する直線偏光は、液晶表示パネルLPNに入射し、その偏光状態は、液晶層LQを通過する際に液晶分子LMの配向状態に応じて変化する。このため、ON時においては、液晶層LQを通過した少なくとも一部の光は、第2偏光板PL2を透過する(白表示)。
次に、本実施形態における第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2を構成する配向膜材料の物性について検討する。
上記のFFSモードやIPSモードでは、焼き付き及びフリッカーといった表示品位の低下をもたらす課題を改善することが求められている。配向膜材料として、焼き付きの改善が可能な物性を有する材料を適用した場合にはその物性からフリッカーが悪化したり、逆に、フリッカーの改善が可能な物性を有する材料を適用した場合にはその物性から焼き付きが悪化したりすることがあり、一方の課題を改善しながら駆動条件を工夫することで両者の課題を克服する試みがなされている。
本実施形態では、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、駆動条件に依存せず焼き付き及びフリッカーを改善し、良好な表示品位を得るような配向膜材料で構成されている。以下に、本実施形態について第1の観点で説明する。
まず、本実施形態では、配向膜材料の体積固有抵抗値に着目した。液晶表示装置において、液晶層LQに含まれる不純物イオン(あるいは電荷)がアレイ基板ARの表面に引き付けられ、第1配向膜AL1の表面に堆積し、局在化した状態ではいわゆる焼き付きが発生しやすい。このため、焼き付き改善のためには、第1配向膜AL1の表面の不純物イオンをすばやく液晶層LQに分散させ、電荷が局在化した状態を緩和することが重要である。発明者が検討したところでは、体積固有抵抗値が低い配向膜材料ほど、電荷が緩和しやすく焼き付きが改善しやすい傾向にあることが確認された。
そこで、本実施形態では、バックライトが消灯した状態での第1体積固有抵抗値(ρ(光off))が1.0×1013(Ω・cm)より小さい配向膜材料を適用している。なお、体積固有抵抗値としては、バックライトが点灯した状態での第2体積固有抵抗値(ρ(光on))についても1.0×1013(Ω・cm)より小さいことが望ましい。
次に、本実施形態では、配向膜材料の物性の一つとして光応答特性に着目した。配向膜材料の中には、光が照射されていない状態での第1体積固有抵抗値と、光が照射された状態での第2体積固有抵抗値とが異なる特性を有するものがある。大概の場合、第2体積固有抵抗値が第1体積固有抵抗値よりも小さくなる。発明者が検討したところでは、第1体積固有抵抗値と第2体積固有抵抗値との差が小さい配向膜材料ほどフリッカーが改善しやすい傾向にあることが確認された。
そこで、本実施形態では、第2体積固有抵抗値(ρ(光on))に対する第1体積固有抵抗値(ρ(光off))の比((ρ(光off))/(ρ(光on)))に相当する光応答特性が3より小さい配向膜材料を適用している。このように、体積固有抵抗値が小さく、且つ、光応答特性が小さい配向膜材料は、電子受容体(酸無水物)と電子供与体(ジアミン)とのバランスを調整する(あるいは、酸無水物とジアミンのモノマー構造を最適化する)ことで製造可能である。
ここで、上記の第1体積固有抵抗値(ρ(光off))及び第2体積固有抵抗値(ρ(光on))の測定方法について簡単に説明する。すなわち、ITO薄膜が成膜された基板を用意し、このITO薄膜上に配向膜材料を成膜して厚さ約300nmの配向膜を形成し、さらにこの配向膜の上に厚さ約2000オングストロームのアルミニウム電極を形成したサンプルを用意する。そして、エレクトロメーターにて、ITO薄膜とアルミニウム電極との間に1VのDCを印加し、測定した抵抗値を体積固有抵抗値とする。なお、基板の背面側に設置したLEDランプが消灯した状態で測定した体積固有抵抗値を第1体積固有抵抗値(ρ(光off))とし、LEDランプが点灯した状態で測定した体積固有抵抗値を第2体積固有抵抗値(ρ(光on))とした。
次に、本実施形態では、配向膜材料の物性の一つとして表面エネルギー(γ)に着目した。ここでの配向膜材料の表面エネルギー(γ)とは、液晶材料に対する濡れ性に相当するものである。画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成された際に、第1配向膜AL1の表面に不純物イオンを吸着しにくくする、あるいは、第1配向膜AL1に吸着した不純物イオンをすばやく液晶層LQに分散させるためには、液晶層LQと第1配向膜AL1との界面のエネルギーが高くする、つまり、配向膜材料の液晶材料に対する濡れ性を高くすることが要求される。このような配向膜材料の表面エネルギー(γ)は、分散成分(γd)と極性成分とを有している。このうち、分散成分(γd)は特に液晶材料の配向性に起因するファクターである。発明者が検討したところでは、表面エネルギー(γ)のうちの分散成分(γd)が占める割合が高いほど、焼き付きが改善する傾向にあることが確認された。
そこで、本実施形態では、表面エネルギー(γ)における分散成分(γd)の比(γd/γ)が0.75より大きい配向膜材料を適用している。
ここで、上記の表面エネルギー(γ)の測定方法について簡単に説明する。すなわち、配向膜材料を成膜して厚さ約100nmの配向膜を形成したサンプルを用意する。そして、接触角測定装置にて、配向膜と各試薬(純水及びヨウ化メチレン(CH)との接触角を測定し、測定した接触角に基づいて表面エネルギーと、分散成分及び極性成分とを算出した。なお、接触角の測定において、純水の滴下量は3マイクロリットルとし、ヨウ化メチレンの滴下量は1マイクロリットルとし、試薬を滴下してから5秒後の接触角を測定した。
次に、4つの配向膜材料(材料A乃至D)を用意し、簡易構成の液晶セルを作成して、フリッカー及び焼き付きの有無について確認した。
まずは、用意した配向膜材料A乃至Dについてそれぞれの物性について説明する。
図3は、配向膜材料A乃至Dのそれぞれについての物性値と、フリッカー及び焼き付きの有無の確認結果を示す図である。
配向膜材料Aについて、第1体積固有抵抗値(ρ(光off))は9.0×1012(Ω・cm)であり、第2体積固有抵抗値(ρ(光on))は3.4×1012(Ω・cm)であり、光応答特性((ρ(光off))/(ρ(光on)))は2.65であり、表面エネルギー(γd/γ)は0.815であった。この配向膜材料Aは、本実施形態に相当するものであり、いずれの物性値も上記した範囲を満足するものである。このような配向膜材料Aを適用した液晶セルでは、フリッカー及び焼き付きはともに許容範囲内であることが確認された。
配向膜材料Bについて、第1体積固有抵抗値(ρ(光off))は7.0×1013(Ω・cm)であり、第2体積固有抵抗値(ρ(光on))は9.7×1012(Ω・cm)であり、光応答特性((ρ(光off))/(ρ(光on)))は7.17であり、表面エネルギー(γd/γ)は0.799であった。この配向膜材料Bは、比較例に相当するものである。すなわち、第1体積固有抵抗値(ρ(光off))は比較的低く、また、表面エネルギー(γd/γ)も上記した物性値の範囲を満足するものであった。しかしながら、光応答特性((ρ(光off))/(ρ(光on)))は比較的高く、上記した物性値の範囲を超えていた。焼き付きについて確認したところ、許容範囲内であったが、フリッカーについて確認したところ、NGと判定された。
配向膜材料Cについて、第1体積固有抵抗値(ρ(光off))は4.2×1015(Ω・cm)であり、第2体積固有抵抗値(ρ(光on))は4.2×1015(Ω・cm)であり、光応答特性((ρ(光off))/(ρ(光on)))は1.02であり、表面エネルギー(γd/γ)は0.658であった。この配向膜材料Cは、比較例に相当するものである。すなわち、光応答特性((ρ(光off))/(ρ(光on)))は上記した物性値の範囲を満足するものであった。また、第1体積固有抵抗値(ρ(光off))は比較的高く、上記した物性値の範囲を超えており、また、表面エネルギー(γd/γ)が比較的低く、上記した物性値の範囲を下回っていた。フリッカーについて確認したところ、許容範囲内であったが、焼き付きについて確認したところ、NGと判定された。
配向膜材料Dについて、第1体積固有抵抗値(ρ(光off))は1.4×1013(Ω・cm)であり、第2体積固有抵抗値(ρ(光on))は1.4×1013(Ω・cm)であり、光応答特性((ρ(光off))/(ρ(光on)))は0.98であり、表面エネルギー(γd/γ)は0.644であった。この配向膜材料Dは、比較例に相当するものである。すなわち、第1体積固有抵抗値(ρ(光off))は比較的低いが、表面エネルギー(γd/γ)が上記した物性値の範囲を下回っていた。光応答特性((ρ(光off))/(ρ(光on)))は上記した物性値の範囲を満足するものであった。焼き付きについて確認したところ、NGと判定された。また、フリッカーについて確認したところ、比較的低レベルであったが許容範囲を超えてしまい、NGと判定された。
ここで、第1の観点でのフリッカーの測定方法と、判定基準について簡単に説明する。上述した物性の配向膜材料A乃至Dを用いてフリッカーを測定するための実験を行った。なお、フリッカーは、ディスプレイテスタを用いて測定した。
まず、簡易構成の液晶セルに対して中間調(階調値L127)を表示するような電圧を印加し、フリッカーを測定する。その後、液晶セルに対して白(階調値L255)を表示するような電圧を5分間印加し、再び、中間調電圧を印加した状態でフリッカーを測定する。このようにして、5分間隔で中間調電圧を印加した状態でのフリッカー測定を行った。
図4は、測定開始から60分間のフリッカーの測定結果を示す図である。なお、横軸は時間(分)であり、縦軸はディスプレイテスタを用いて測定したフリッカー値(%)である。
フリッカー値の許容範囲が2%以下であるのに対して、配向膜材料Bは、測定開始当初に許容範囲を超えるフリッカー値となってしまい、NGと判定された。また、配向膜材料Dは、フリッカー値が比較的安定して低い値で推移したが、測定開始から20分を経過したあたりで許容範囲を超えてしまい、NGと判定された。なお、配向膜材料A及びCについては、測定開始からフリッカー値が1%台で推移しており、許容範囲内であると判定された。
次に、第1の観点での焼き付き試験の方法と、判定基準について簡単に説明する。ここでは、フリッカー値が許容範囲内であると判定した配向膜材料A及びCについて、焼き付き試験を行った。
まず、簡易構成の液晶セルに対してある特定の階調値を表示するような電圧を印加し、輝度計により定点での輝度を測定する。その後の2時間は、液晶セルに対して黒(階調値L0)を表示するような電圧を印加する。そして、再び、液晶セルに上記と同じ特定階調値を表示するような電圧を印加し、輝度計により定点での輝度を測定する。以上の工程を経て測定された輝度は黒焼き込み輝度と称する。
一方では、まず、簡易構成の液晶セルに対して特定階調値を表示するような電圧を印加し、輝度計により定点での輝度を測定する。その後の2時間は、液晶セルに対して白(階調値L255)を表示するような電圧を印加する。そして、再び、液晶セルに特定階調値を表示するような電圧を印加し、輝度計により定点での輝度を測定する。以上の工程を経て測定された輝度は白焼き込み輝度と称する。
そして、上記の白焼き込み輝度と黒焼き込み輝度との差分、つまり輝度差を算出する。そして、特定階調値の電圧を印加し始めた初期の輝度に対して、算出した輝度差の割合を輝度変動率(%)と定義する。なお、この試験では、上記特定階調値として、階調値L127の場合、階調値L63の場合、階調値L31の場合についてそれぞれ輝度変動率を算出した。
図5は、輝度変動率(%)の配向膜材料の厚さ依存性を説明するための図である。なお、横軸は配向膜材料の膜厚(nm)であり、縦軸は算出した輝度変動率(%)である。図中の(a)は配向膜材料Aの試験結果に対応し、図中の(b)は配向膜材料Cの試験結果に対応する。
輝度変動率の許容範囲が4%以下であるのに対して、配向膜材料Aについては、膜厚が50nmの場合、膜厚が100nmの場合、膜厚が150nmの場合のいずれにおいても4%を下回っており、焼き付きについて許容範囲内であると判定された。しかも、配向膜材料Aについては、いずれの膜厚においても、輝度変動率が大きく変化することはなく、輝度変動率の膜厚依存性が低いことが確認された。特に、膜厚が100nm以上である場合には、輝度変動率がいずれの階調値においても2%未満に抑えられることが確認された。したがって、配向膜材料Aを適用するに当たり、膜厚を100nm以上に設定することにより、輝度変動率を比較的低く抑えつつ、しかも、輝度変動率の膜厚依存も低減することが可能となる。したがって、配向膜を形成する際に膜厚のバラツキに対して、輝度変動率の変化が少なく、良好な表示品位を得ることが可能となる。
一方、配向膜材料Cについては、膜厚が薄いほど輝度変動率が高くなる傾向が確認され、特に、膜厚が50nmの場合には、階調値によっては許容範囲を超えてしまい、NGと判定された。また、輝度変動率の膜厚依存が高いため、配向膜を形成する際に膜厚のバラツキに対して、輝度変動率の変化が大きく、表示ムラの発生が懸念される。
以上が本実施形態の第1の観点であり、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、第1体積固有抵抗値(ρ(光off))が1.0×1013(Ω・cm)より小さく、第2体積固有抵抗値(ρ(光on))に対する第1体積固有抵抗値(ρ(光off))の比((ρ(光off))/(ρ(光on)))に相当する光応答特性が3より小さく、しかも、表面エネルギー(γ)における分散成分(γd)の比(γd/γ)が0.75より大きい材料によって構成されている。そして、このような第1の観点で着目した物性値がいずれも上記の範囲内である配向膜材料Aを適用した構成では、良好な表示品位を得ることが可能となることが確認された。
次に、本実施形態について第2の観点で説明する。
まず、第1の観点と同様に、配向膜材料の体積固有抵抗値に着目した。但し、第2の観点で発明者が検討したところでは、体積固有抵抗値が低い配向膜材料ほど、焼き付き改善の効果が期待できるが、その一方で、フリッカーが悪化する傾向にあることが確認された。つまり、体積固有抵抗値が高い配向膜材料ほど、フリッカーが改善しやすい傾向にあることが確認された。
そこで、本実施形態では、バックライトが消灯した状態での第1体積固有抵抗値(ρ(光off))が5.0×1012(Ω・cm)より大きい配向膜材料を適用している。なお、この第1体積固有抵抗値(ρ(光off))は、第1の観点の第1体積固有抵抗値と同様にして測定される。
次に、本実施形態では、配向膜材料の物性の一つとして光応答性に着目した。第1の観点での光応答特性は、第2体積固有抵抗値(ρ(光on))に対する第1体積固有抵抗値(ρ(光off))の比((ρ(光off))/(ρ(光on)))として定義したが、第2観点での光応答性は、バックライトが点灯した状態と消灯した状態とでの電流値変化として定義する。発明者が検討したところでは、光応答性が小さい配向膜材料ほどフリッカーが改善しやすい傾向にあることが確認された。
そこで、本実施形態では、光応答性が4.0×10−13より小さい配向膜材料を適用している。
ここで、光応答性の測定方法について簡単に説明する。すなわち、簡易構成の液晶セルを用意し、シールドボックス内に設置する。そして、エレクトロメーターにて、液晶セルに5VのDCを印加し、液晶セルに流れる電流値を測定する。なお、電流値の測定は100秒毎に700秒間行うものとし、液晶セルの背面側に設置したLEDランプは100秒毎に点灯・消灯を繰り返す。測定した電流値の平均値を光応答性(アンペア)とする。
次に、本実施形態では、配向膜材料の物性の一つとして誘電率に着目した。配向膜材料の誘電率にはそれほど大きな差異はないものの、誘電率の高い材料は分極が大きく、不純物イオンの吸着によってさらに大きな電荷の偏りが生ずることで、焼き付きの原因となり得る。発明者が検討したところでは、誘電率が低いほど、焼き付きが改善する傾向にあることが確認された。
そこで、本実施形態では、誘電率が4.2より小さい配向膜材料を適用している。
次に、6つの配向膜材料(TypeA乃至F)を用意し、簡易構成の液晶セルを作成して、フリッカー及び焼き付きの有無について確認した。
まずは、用意した配向膜材料TypeA乃至Fについてそれぞれの物性について説明する。
図6は、配向膜材料TypeA乃至Fのそれぞれについての物性値と、フリッカー及び焼き付きの有無の確認結果を示す図である。
配向膜材料TypeAについて、体積固有抵抗値は8.2×1012(Ω・cm)であり、光応答性は2.9×10−13であり、誘電率は4.4であった。この配向膜材料TypeAは、比較例に相当するものである。すなわち、体積固有抵抗値及び光応答性は上記した物性値の範囲を満足するものであった。しかしながら、誘電率は上記した物性値の範囲を超えていた。フリッカーについて確認したところ、許容範囲内であったが、焼き付きについて確認したところ、NGと判定された。
配向膜材料TypeBについて、体積固有抵抗値は4.7×1012(Ω・cm)であり、光応答性は4.4×10−13であり、誘電率は4.2であった。この配向膜材料TypeBは、比較例に相当するものである。すなわち、誘電率は上記した物性値の範囲を満足するものであった。しかしながら、体積固有抵抗値は上記した物性値の範囲を下回り、また、光応答性は上記した物性値の範囲を超えていた。焼き付きについて確認したところ、許容範囲内であったが、フリッカーについて確認したところ、NGと判定された。
配向膜材料TypeCについて、体積固有抵抗値は2.7×1012(Ω・cm)であり、光応答性は1.1×10−12であり、誘電率は4.0であった。この配向膜材料TypeCは、比較例に相当するものである。すなわち、誘電率は上記した物性値の範囲を満足するものであった。しかしながら、体積固有抵抗値は上記した物性値の範囲を下回り、また、光応答性は上記した物性値の範囲を超えていた。焼き付きについて確認したところ、NGと判定され、また、フリッカーについて確認したところ、NGと判定された。
配向膜材料TypeDについて、体積固有抵抗値は1.1×1011(Ω・cm)であり、光応答性は6.0×10−13であり、誘電率は4.3であった。この配向膜材料TypeDは、比較例に相当するものである。すなわち、体積固有抵抗値は上記した物性値の範囲を下回り、また、光応答性は上記した物性値の範囲を超えていた。また、誘電率は上記した物性値の範囲を超えていた。焼き付きについて確認したところ、NGと判定され、また、フリッカーについて確認したところ、NGと判定された。
配向膜材料TypeEについて、体積固有抵抗値は8.8×1012(Ω・cm)であり、光応答性は6.0×10−13であり、誘電率は4.6であった。この配向膜材料TypeEは、比較例に相当するものである。すなわち、体積固有抵抗値は上記した物性値の範囲を満足するものであった。しかしながら、光応答性は上記した物性値の範囲を超えていた。また、誘電率は上記した物性値の範囲を超えていた。フリッカーについて確認したところ、許容範囲内であったが、焼き付きについて確認したところ、NGと判定された。
配向膜材料TypeFについて、体積固有抵抗値は9.3×1012(Ω・cm)であり、光応答性は3.3×10−13であり、誘電率は4.1であった。この配向膜材料TypeFは、本実施形態に相当するものであり、いずれの物性値も上記の範囲を満足するものである。このような配向膜材料TypeFを適用した液晶セルでは、フリッカー及び焼き付きはともに許容範囲内であることが確認された。
ここで、第2の観点でのフリッカーの測定方法と、判定基準について簡単に説明する。すなわち、上述した物性の配向膜材料TypeA乃至Fを用いてフリッカーを測定するための実験を行った。なお、フリッカーは、ディスプレイテスタを用いて測定した。
まず、簡易構成の液晶セルに対して中間調(階調値L127)を表示するような電圧を印加し、フリッカーを測定する。その後、液晶セルに対して白(階調値L255)を表示するような電圧を5分間印加し、再び、中間調電圧を印加した状態でフリッカーを測定する。このようにして、測定開始から5分後、10分後、20分後、30分後、60分後、90分後、120分後にそれぞれ中間調電圧を印加した状態でのフリッカー測定を行った。
図7は、測定開始から120分間のフリッカーの測定結果を示す図である。なお、横軸は時間(分)であり、縦軸はディスプレイテスタを用いて測定したフリッカー値(%)である。
ここでは、フリッカー値の許容範囲が4%以下であるのに対して、配向膜材料TypeB及びDは、測定開始当初に許容範囲を超えるフリッカー値となってしまい、NGと判定された。また、配向膜材料TypeCは、フリッカー値が比較的安定して低い値で推移したが、測定開始から60分を経過したあたりで許容範囲を超えてしまい、NGと判定された。なお、配向膜材料TypeA、E、及び、Fについては、測定開始からフリッカー値が比較的低い値で推移しており、許容範囲内であると判定された。
次に、第2の観点での焼き付き試験の方法と、判定基準について簡単に説明する。
まず、簡易構成の液晶セルに対してある特定の階調値を表示するような電圧を印加し、輝度計により定点での初期輝度を測定する。その後の30分間は、液晶セルに対して白(階調値L255)を表示するような電圧を印加する。そして、測定開始から30分経過後に再び、液晶セルに上記と同じ特定階調値を表示するような電圧を印加し、輝度計により定点での輝度を測定する。そして、その後30分間は、液晶セルに対して白(階調値L255)を表示するような電圧を印加する。そして、測定開始から60分経過後に再び、液晶セルに上記と同じ特定階調値を表示するような電圧を印加し、輝度計により定点での輝度を測定する。そして、その後の2時間は、液晶セルに対して白(階調値L255)を表示するような電圧を印加する。そして、測定開始から180分経過後に再び、液晶セルに上記と同じ特定階調値を表示するような電圧を印加し、輝度計により定点での輝度を測定する。以上の工程を経て、測定開始から30分経過後、60分経過後、180分経過後にそれぞれ測定された輝度は白焼き込み輝度と称する。
そして、上記の初期輝度とそれぞれの白焼き込み輝度との差分、つまり輝度差を算出する。そして、特定階調値の電圧を印加し始めた初期輝度に対して、算出した輝度差の割合を輝度変動率(%)と定義する。なお、この試験では、上記特定階調値として、階調値L127の場合、階調値L31の場合、階調値L0の場合についてそれぞれ輝度変動率を算出した。
図8は、輝度変動率(%)の測定結果を示す図である。なお、横軸は時間(min)であり、縦軸は算出した輝度変動率(%)である。図中の(a)は配向膜材料TypeAの試験結果に対応し、図中の(b)は配向膜材料TypeBの試験結果に対応し、図中の(c)は配向膜材料TypeCの試験結果に対応し、図中の(d)は配向膜材料TypeDの試験結果に対応し、図中の(e)は配向膜材料TypeEの試験結果に対応し、図中の(f)は配向膜材料TypeFの試験結果に対応する。
輝度変動率の許容範囲が2%以下であるのに対して、配向膜材料TypeB及びFについては、いずれの階調値においても測定時間内での輝度変動率が2%を下回っており、焼き付きについて許容範囲内であると判定された。
一方、配向膜材料A、C、D、Eについては、少なくとも1つの階調値において測定時間内に輝度変動率が2%を越えてしまい、NGと判定された。
以上が本実施形態の第2の観点であり、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、体積固有抵抗値(ρ(光off))が5.0×1012(Ω・cm)より大きく、バックライトが点灯した状態と消灯した状態とでの電流値変化が4.0×10−13より小さく、誘電率が4.2より小さい材料によって構成されている。
そして、このような第2の観点で着目した物性値がいずれも上記の範囲内である配向膜材料TypeFを適用した構成では、良好な表示品位を得ることが可能となることが確認された。
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位を改善することが可能な液晶表示装置を提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
LPN…液晶表示パネル AR…アレイ基板 CT…対向基板
PE…画素電極 PSL…スリット
CE…共通電極
LQ…液晶層
AL1…第1配向膜 AL2…第2配向膜

Claims (6)

  1. 各画素に配置されたスイッチング素子と、複数の画素に亘って配置された共通電極と、前記共通電極の上に配置された絶縁膜と、前記スイッチング素子と電気的に接続されるとともに前記絶縁膜の上において各画素に配置され前記共通電極と向かい合うスリットが形成された画素電極と、前記画素電極を覆うとともに前記スリットの長軸に対して交差する方向に配向処理された第1配向膜と、を備えた第1基板と、
    前記第1配向膜と対向するとともに前記第1配向膜の配向処理方向と平行かつ逆向きに配向処理された第2配向膜を備えた第2基板と、
    前記第1基板の前記第1配向膜と前記第2基板の前記第2配向膜との間に保持された液晶分子を含む液晶層と、
    前記第1基板の背面側に配置されたバックライトと、を備え、
    前記第1配向膜及び前記第2配向膜は、前記バックライトが消灯した状態での第1体積固有抵抗値(ρ(光off))が1.0×1013(Ω・cm)より小さく、前記バックライトが点灯した状態での第2体積固有抵抗値(ρ(光on))に対する第1体積固有抵抗値(ρ(光off))の比((ρ(光off))/(ρ(光on)))に相当する光応答特性が3より小さく、しかも、表面エネルギー(γ)における分散成分(γd)の比(γd/γ)が0.75より大きい材料によって構成されたことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記第1配向膜及び前記第2配向膜は、第1体積固有抵抗値(ρ(光off))が5.0×1012(Ω・cm)より大きい材料によって構成されたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記第1配向膜及び前記第2配向膜のそれぞれの膜厚は、100nm以上であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 各画素に配置されたスイッチング素子と、複数の画素に亘って配置された共通電極と、前記共通電極の上に配置された絶縁膜と、前記スイッチング素子と電気的に接続されるとともに前記絶縁膜の上において各画素に配置され前記共通電極と向かい合うスリットが形成された画素電極と、前記画素電極を覆うとともに前記スリットの長軸に対して交差する方向に配向処理された第1配向膜と、を備えた第1基板と、
    前記第1配向膜と対向するとともに前記第1配向膜の配向処理方向と平行かつ逆向きに配向処理された第2配向膜を備えた第2基板と、
    前記第1基板の前記第1配向膜と前記第2基板の前記第2配向膜との間に保持された液晶分子を含む液晶層と、
    前記第1基板の背面側に配置されたバックライトと、を備え、
    前記第1配向膜及び前記第2配向膜は、前記バックライトが消灯した状態での体積固有抵抗値(ρ(光off))が5.0×1012(Ω・cm)より大きく、前記バックライトが点灯した状態と消灯した状態とでの電流値変化が4.0×10−13より小さく、誘電率が4.2より小さい材料によって構成されたことを特徴とする液晶表示装置。
  5. 前記第1配向膜及び前記第2配向膜は、体積固有抵抗値(ρ(光off))が1.0×1013(Ω・cm)より小さい材料によって構成されたことを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
  6. さらに、前記第1基板の外面に配置され、第1吸収軸を有する第1偏光板と、
    前記第2基板の外面に配置され、前記第1吸収軸とクロスニコルの位置関係にある第2吸収軸を有する第2偏光板と、を備え、
    前記第1吸収軸または前記第2吸収軸は、前記液晶分子の初期配向方向と略平行であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
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